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特許7416594店舗管理装置、店舗管理システム及び店舗管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】店舗管理装置、店舗管理システム及び店舗管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240110BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019173506
(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公開番号】P2021051511
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】竹野 唯志
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-157216(JP,A)
【文献】特開2005-107886(JP,A)
【文献】特開2012-248162(JP,A)
【文献】特開2017-068717(JP,A)
【文献】特開2019-079127(JP,A)
【文献】米国特許第08094026(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0066476(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入店した来店客の情報を取得するためのインターフェースと、
前記インターフェースを通じて取得した情報に基づいて、来店客に付与される固有の客IDとグループIDとが対応付けられて記録されるとともに、前記グループIDと来店客が購入しようとしている商品の情報とが対応付けて記録される制御データを設定し、
前記インターフェースを通じてグループ化を希望する複数の来店客の複数の前記客IDを通知された場合、通知された複数の前記客IDに対応する複数の前記グループIDそれぞれに対応する前記商品の情報を前記制御データから取得し、
取得した複数の商品の情報をまとめて新規に生成した新グループIDと対応付けて前記制御データに記録し、
前記制御データにおいて、前記グループ化を希望する複数の来店客の複数の前記客IDに対応付けられた前記グループIDを前記新グループIDとすることで複数の来店客の前記グループ化を行い、
前記新グループIDに対応する前記商品の情報について決済を行うことで、前記グループ化した複数の来店客が購入する前記商品をグループ毎に決済する、プロセッサと、
を具備した店舗管理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記グループ化した来店客のうち、少なくとも1名を決済担当者として設定し、
前記インターフェースを通じて取得した情報に基づいて前記決済担当者の退店行動を判定し、
前記決済担当者が退店行動を行い、かつ前記決済担当者が属するグループの決済が完了していない場合に、未決済を報知する、
請求項1に記載の店舗管理装置。
【請求項3】
さらに、映像データを記憶する記憶装置を備え、
前記プロセッサは、
前記グループ化した来店客のうち、少なくとも1名を決済担当者として設定し、
前記インターフェースを通じて取得した情報に基づいて前記決済担当者の退店行動を判定し、
前記決済担当者が退店行動を行い、かつ前記決済担当者が属するグループの決済が完了していない場合に、前記インターフェースを通じて取得した前記決済担当者の映像データを前記記憶装置に記録する、
請求項1に記載の店舗管理装置。
【請求項4】
入店した来店客の情報を取得するための情報取得装置と、
取得した情報に基づいて、来店客に付与される固有の客IDとグループIDとが対応付けられて記録されるとともに、前記グループIDと来店客が購入しようとしている商品の情報とが対応付けて記録される制御データを設定し、
通知された複数の前記客IDに対応する複数の前記グループIDそれぞれに対応する前記商品の情報を前記制御データから取得し、
取得した複数の商品の情報をまとめて新規に生成した新グループIDと対応付けて前記制御データに記録し、
前記制御データにおいて、通知された複数の前記客IDに対応付けられた前記グループIDを前記新グループIDとすることで複数の来店客のグループ化を行い、
前記新グループIDに対応する前記商品の情報について決済を行うことで、前記グループ化した複数の来店客が購入する前記商品をグループ毎に決済する、
店舗管理装置と、
を具備する店舗管理システム。
【請求項5】
店舗管理装置が実行する店舗管理方法であって、
インターフェースを通じて取得した情報に基づいて、来店客に付与される固有の客IDとグループIDとが対応付けられて記録されるとともに、前記グループIDと来店客が購入しようとしている商品の情報とが対応付けて記録される制御データを設定し、
前記インターフェースを通じてグループ化を希望する複数の来店客の複数の前記客IDを通知された場合、通知された複数の前記客IDに対応する複数の前記グループIDそれぞれに対応する前記商品の情報を前記制御データから取得し、
取得した複数の商品の情報をまとめて新規に生成した新グループIDと対応付けて前記制御データに記録し、
前記制御データにおいて、前記グループ化を希望する複数の来店客の複数の前記客IDに対応付けられた前記グループIDを前記新グループIDとすることで複数の来店客の前記グループ化を行い、
前記新グループIDに対応する前記商品の情報について決済を行うことで、前記グループ化した複数の来店客が購入する前記商品をグループ毎に決済する、
店舗管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売店舗において決済を行う店舗管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商品販売店舗などにおいて、カメラやセンサなどによって来店客の店内行動を追跡し、来店客が自ら決済端末を操作して商品購入のための決済を行うシステムが考えられている。
【0003】
来店客が自らの操作で決済を行うシステムでは、店舗側の人手を省力化したり、商品のカゴ抜けを防止したりすることが期待できる。
【0004】
しかしながら、上述したような人手を省力化するためのシステムは、家族や仲間など複数人で来店した場合を想定していない。このため、来店客らは1つの買い物カゴを利用して決済を行うか、来店客それぞれが決済を行う必要があり、決済が混雑したり、多数の決済端末を準備する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】WO2017/150590号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、来店客が効率的に決済を行うことが可能な店舗管理装置、店舗管理システム及び店舗管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る店舗管理装置は、インターフェースと、プロセッサと、を備える。インターフェースは、入店した来店客の情報を取得し、プロセッサは、インターフェースを通じて取得した情報に基づいて、来店客に付与される固有の客IDとグループIDとが対応付けられて記録されるとともに、グループIDと来店客が購入しようとしている商品の情報とが対応付けて記録される制御データを設定し、インターフェースを通じてグループ化を希望する複数の来店客の複数の前記客IDを通知された場合、通知された複数の前記客IDに対応する複数の前記グループIDそれぞれに対応する前記商品の情報を制御データから取得し、取得した複数の商品の情報をまとめて新規に生成した新グループIDと対応付けて制御データに記録し、制御データにおいて、グループ化を希望する複数の来店客の複数の客IDに対応付けられたグループIDを新グループIDとすることで複数の来店客のグループ化を行い、新グループIDに対応する商品の情報について決済を行うことで、グループ化した複数の来店客が購入する商品をグループ毎に決済する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る店舗管理装置の概略構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る店舗管理装置を導入した店舗内のレイアウト例を示す図である。
図3】実施形態に係る店舗管理装置が管理する来店客リストの一例を示す図である。
図4】実施形態に係る店舗管理装置が管理するグループリストの一例を示す図である。
図5】実施形態に係る店舗管理装置の入店処理を説明するためのフローチャートである。
図6】実施形態に係る店舗管理装置のグルーピング処理を説明するためのフローチャートである。
図7】実施形態に係る店舗管理装置が管理する来店客リストの一例を示す図である。
図8】実施形態に係る店舗管理装置が管理するグループリストの一例を示す図である。
図9】実施形態に係る店舗管理装置の店内処理を説明するためのフローチャートである。
図10】実施形態に係る店舗管理装置の決済処理を説明するためのフローチャートである。
図11】実施形態に係る店舗管理装置の退店処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施形態に係わる店舗管理装置について説明する。
図1は、店舗管理装置が導入された店舗のシステム構成を示す図である。有線LANあるいは無線LANなどの通信ネットワークNWを介して、店舗管理装置100、グループ化端末装置200、ゲート装置300、ネットワークカメラCa-1~Ca-n、センサSn-1~Sn-mが相互に接続されている。
【0010】
図2は、店舗管理装置が導入された店舗内のレイアウト例を示す図である。この例に示すように、店舗管理装置100は、決済エリアPAに設置される。またグループ化端末装置200は、店舗の入り口である入店エリアENにほど近い、グループ化端末エリアGRに設置される。ゲート装置300は、店舗出口近傍の退店エリアEXに設置される。このほか、店舗内には、商品を陳列する陳列棚が配置される商品エリアCOが存在する。なお、図2に示す例では、入店エリアENと退店エリアEXを別に設けた場合を例にしているが、入店エリアENと退店エリアEXを店舗の同じ出入り口に設定することも可能である。
【0011】
(店舗管理装置100)
店舗管理装置100は、来店客の店内行動を追跡する来店客追跡機能や、各種処理機能を備える。店舗管理装置100は、制御部101、記憶部102、ディスプレイ103、タッチパネル104、カードリーダ105、カメラ106、プリンタ107、通信インターフェース(I/F)108を備えている。
【0012】
記憶部102は、制御部101の制御プログラムや制御データを記憶するものであって、HDDやフラッシュメモリなどで構成される。なお、制御データの一例として、図3に示す来店客リストや、図4に示すグループリストがある。来店客リストは、来店客毎に、決済のためのグループや決済担当者を管理するためのデータテーブルである。またグループリストは、上記グループ毎に、ショッピングカート内に入っている商品や決済の済/未済を管理するためのデータテーブルである。これらのリストは、制御部101によって更新される。
【0013】
ディスプレイ103は、来店客や店舗関係者などの操作者に対して、種々の情報を映示する。
タッチパネル104は、上記ディスプレイ103の表示面上にセンサが設けられ、このセンサを通じて操作者の入力を受け付ける。
【0014】
カードリーダ105は、例えば非接触型のICカードや磁気カードなどからの情報の読み出しや書き込みを行う。例えば、来店客が利用するクレジットカードやデビットカード、各種電子マネーカード、スマートホン内蔵の非接触型ICチップと通信が可能である。
【0015】
カメラ106は、例えば店舗管理装置100の前方に立つ操作者を撮像する。
プリンタ107は、レシートなどを印刷出力する。
【0016】
通信インターフェース108は、LANなどの通信インターフェースであって、ネットワークNWを介して図1に示す各種装置や店舗外の機器と通信することが可能である。
【0017】
制御部101は、プロセッサを搭載し、記憶部102に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって、当該店舗管理装置100の各部を統括して制御する。この制御により実現する機能として、少なくとも、上述の来店客追跡機能や、その他の各種処理機能(入店処理、グルーピング処理、店内処理、決済処理、退店処理)を備えている。
【0018】
来店客追跡機能は、ネットワークカメラCa-1~Ca-nによって撮像された映像に基づいて、来店客を区別して個別に店内行動を追跡し、上記映像の分析とセンサSn-1~Sn-mからの情報に基づいて、来店客が商品を陳列棚から持ち出したことを検出する。
【0019】
来店客を区別する手法として、来店客の顔を認識する手法があり、これを採用してもよいが、これに限定されるものではない。制御部101は、ネットワークカメラCa-1~Ca-nによって撮像された映像に基づいて、来店客に個別のIDを発行し、上記映像に基づいて来店客の店内での移動を追跡する。すなわち、制御部101は、来店客の位置をIDで管理する。
【0020】
なお、ネットワークカメラCa-1~Ca-nは、来店客の店内行動を追跡できるように、各カメラの撮影構図を配慮して設置されている。例えば、カメラ間で映像が重なるように撮影構図に配慮して設置したり、店内に死角が生じずに店内全域を網羅するようにして撮像を行えるように設置する。このほか、来店客の店内行動が追跡できるのであれば、入店エリアEN、商品エリアCO、退店エリアEXに限って撮影できるように設置することも考えられる。
【0021】
センサSn-1~Sn-mは、商品を陳列する陳列棚に設けられ、商品が陳列棚から持ち出されたことや返却されたことを検出する。センサの種類としては、赤外線センサ、重量センサ、磁気センサなど種々のセンサが適用可能であり、陳列棚に陳列された様々な商品について持ち出しを識別して検出する。また商品に設けられた識別タグやバーコードをセンサSn-1~Sn-mが読み取ることで、持ち出しや返却を識別するようにしてもよい。センサSn-1~Sn-mの設置については、様々な設置法が考えられるが既存の技術を適宜適用可能である。
【0022】
いずれの設置の仕方であっても、ネットワークカメラCa-1~Ca-nおよびセンサSn-1~Sn-mの配置情報は、記憶部102に記憶されており、制御部101は、上記配置情報に基づいて、商品の持ち出しを含む、来店客の店内行動を追跡する。
【0023】
なお、複数の来店客について並行して決済処理を行えるようにするために、ディスプレイ103、タッチパネル104、カードリーダ105、カメラ106およびプリンタ107のセットを複数設け、制御部101が各セットをそれぞれ制御するようにしてもよい。
【0024】
(グループ化端末装置200)
グループ化端末装置200は、来店客からグループ化の要求を受け付けるマンマシンインターフェースである。グループ化端末装置200は、制御部201、記憶部202、ディスプレイ203、タッチパネル204、カメラ205、通信インターフェース(I/F)206を備えている。
【0025】
記憶部202は、制御部201の制御プログラムや制御データを記憶するものであって、HDDやフラッシュメモリなどで構成される。
ディスプレイ203は、来店客や店舗関係者などの操作者に対して、種々の情報を映示する。
【0026】
タッチパネル204は、上記ディスプレイ203の表示面上にセンサが設けられ、このセンサを通じて操作者の入力を受け付ける。
【0027】
カメラ205は、グループ化端末装置200の前方に立つ操作者を撮像し、例えば、グループ化端末装置200の前方に立つ複数の人物が撮像できるような画角のレンズを搭載している。
通信インターフェース206は、LANなどの通信インターフェースであって、ネットワークNWを介して、主に店舗管理装置100と通信する。
【0028】
制御部201は、プロセッサを搭載し、記憶部202に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって、当該グループ化端末装置200の各部を統括して制御する。この制御により実現する機能として、少なくとも、グループ化受付機能を備えている。
【0029】
このグループ化受付機能は、カメラ205によって撮影された映像データを店舗管理装置100に提供するとともに、店舗管理装置100から提供される情報をディスプレイ203に表示して、来店客から複数の来店客をグループ化する要求を受け付け、この受け付けた情報を店舗管理装置100に提供する。すなわち、グループ化受付機能は、グループで来店した複数の来店客をグループ化するための要求を受け付ける。
【0030】
(ゲート装置300)
ゲート装置300は、来店客の退店を制限するゲートである。ゲート装置300は、制御部301、記憶部302、カメラ303、センサ304、ゲート305、警報器306、通信インターフェース(I/F)307を備えている。
【0031】
記憶部302は、制御部301の制御プログラムや制御データを記憶するものであって、HDDやフラッシュメモリなどで構成される。
カメラ303は、ゲート305を通って退店しようとする来店客を撮像する。
センサ304は、ゲート305内に来店客が進入したことを検出する。
【0032】
ゲート305は、決済後の来店客を店舗内から店舗外へ導く通路であって、例えば2枚で対となる壁で上記通路を構成している。なお、図2に示す例では、来店客の退店を物理的に妨げる機構を示していないが、このような機構を設けて制御部301が通行を制御するようにしてもよい。
【0033】
警報器306は、ゲート305の上端などに設置され、音や光を発することにより、来店客の退店を心理的に妨げる。
【0034】
通信インターフェース307は、LANなどの通信インターフェースであって、ネットワークNWを介して、主に店舗管理装置100と通信する。
【0035】
制御部301は、プロセッサを搭載し、記憶部302に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって、ゲート装置300の各部を統括して制御する。具体的には、ネットワークNWを通じた店舗管理装置100からの指示により、警報器306を駆動制御して、来店客の退店を制限する。
【0036】
(動作の説明)
次に、上記構成のシステムの動作について説明する。
当該システムは、前述した来店客追跡機能により来店客の店内での行動を追跡しながら、来店客の行動に応じた処理が実行される。すなわち、来店客追跡機能による追跡処理が実行されるとともに、入店処理、グルーピング処理、店内処理、決済処理、退店処理がそれぞれ並行して実行可能である。以下、各処理について順に説明する。
(入店処理)
図5は、入店処理を示すフローチャートである。入店処理は、入店する来店客に客IDを付与するとともに、グループIDやショッピングカートの設定を行うものである。また入店処理は、店舗管理装置100によってなされるものであり、制御部101が記憶部102に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって実行される。また当該システムが起動されている間、繰り返し実行される。
【0037】
ACT5aにおいて制御部101は、入店エリアEN近傍に設置されたセンサSnの検出結果およびカメラCaによって撮像した映像データに基づいて、客が店舗入り口から店内に進入したか否かを判定する。ここで、客が進入したと判定した場合には、来店客を検知したものとして、ACT5bに移行し、客の進入を検知しない場合には、引き続きACT5aで客の進入を監視する。
【0038】
ACT5bにおいて制御部101は、ACT5aで検出した来店客に対するIDを新規に生成し、ACT5cに移行する。なお、ここで新規に作成したIDは、現時点でアクティブになっているIDと重複しないように生成される。また客が入店時に会員IDを提示するシステムの場合には、その会員IDを使用してもよい。
【0039】
ACT5cにおいて制御部101は、記憶部102に記憶される来店客リストのデータテーブルに新規の行を追加し、ACT5dに移行する。
ACT5dにおいて制御部101は、ACT5cで追加した新規の行のうち、「客ID」の列にACT5bで生成した客IDをセットし、ACT5eに移行する。
【0040】
ACT5eにおいて制御部101は、ACT5cで追加した新規の行のうち、「グループID」の列にACT5bで生成した客IDをセットし、ACT5fに移行する。すなわち、入店直後の時点では、「客ID」の列と「グループID」の列には、同じ値がセットされる。
【0041】
ACT5fにおいて制御部101は、ACT5cで追加した新規の行のうち、「決済担当者フラグ」の列に、決済の担当であることを示す「1」をセットし、ACT5gに移行する。すなわち、入店直後の時点では、他の来店客とグループ化されていないため、当該客IDの来店客を決済担当者として設定する。
【0042】
図3に示す来店客リストの例では、複数の来店客をグループ化することは行われていないため、全ての行において、「客ID」の列と「グループID」の列には、それぞれ同じ値がセットされ、また各客IDは決済担当者として「1」が設定されている。
【0043】
ACT5gにおいて制御部101は、記憶部102に記憶されるグループリストのデータテーブルに新規の行を追加し、ACT5hに移行する。
ACT5hにおいて制御部101は、ACT5gで追加した新規の行のうち、「グループID」の列に、ACT5eで来店客リストの「グループID」にセットしたID(客ID)と同じIDをセットし、ACT5iに移行する。
【0044】
ACT5iにおいて制御部101は、ACT5gで追加した新規の行のうち、「ショッピングカート」の列をクリアして空にし、ACT5jに移行する。
ACT5jにおいて制御部101は、ACT5gで追加した新規の行のうち、「決済完了フラグ」の列に、決済が未完了であることを示す「0」をセットし、ACT5kに移行する。なお、ショッピングカートが空ではない場合に、決済完了フラグに「0」をセットするようにしてもよい。
【0045】
図4に示すグループリストの例では、全ての来店客を単独の客として扱った状態を示しており、グループ化されていない場合を例示している。また例えば、来店したばかりの客ID「6」は、単独でグループID「6」に属し、ショッピングカートは空にセットされ、決済も未完了を示す「0」が設定される。
【0046】
ACT5kにおいて制御部101は、ACT5bで生成した客IDを来店客追跡機能に通知し、ACT5aに移行する。これにより、来店客追跡機能は、来店客を識別する情報として、上記客IDを利用し、来店客を他の処理と共通に識別可能となる。またACT5aに移行した後は、入店エリアENに新規の来店客が現れるかを監視する。以後、新規の来店客について、同様の処理が繰り返される。
【0047】
(グルーピング処理)
図6は、グルーピング処理を示すフローチャートである。グルーピング処理は、複数の来店客の決済を1つにまとめるために、上記複数の来店客をグループ化し、グループでグループリストの「ショッピングカート」を共用させるための設定を行うものである。またグルーピング処理は、店舗管理装置100がグループ化端末装置200と連携してなされるものであり、制御部101が記憶部102に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって実行される。また当該システムが起動されている間、繰り返し実行される。
【0048】
ACT6aにおいて制御部101は、グループ化端末装置200からの通知に基づいて、グループ化端末装置200の前に、来店客が居るかを判定する。具体的には、グループ化端末装置200の制御部201が、カメラ205によって撮像された映像データやタッチパネル204に対する操作に基づいて、来店客がグループ化端末装置200の前に居ることを判定する。なお、制御部201は、ACT6aにて、カメラ205の映像データから顔を認識して来店客の存在を判定してもいい。
【0049】
来店客がグループ化端末装置200の前に居ると判定した場合には、制御部201は、この旨を通信インターフェース206を通じて、店舗管理装置100に通知する。この通知を受けた制御部101は、ACT6bに移行し、一方、通知を受けない(検出しない)場合には、再びACT6aに移行してグループ化端末装置200からの通知を待機する。
【0050】
ACT6bにおいて制御部101は、来店客追跡機能の追跡結果に基づいて、グループ化端末装置200の前に居る来店客の客IDを取得し、ACT6cに移行する。なお、グループ化端末エリアGRに複数の来店客が存在する場合には、来店客追跡機能の追跡結果から、グループ化端末エリアGRに居る各来店客の客IDを取得する。
【0051】
なお、制御部201がACT6aにて映像データから顔を認識して来店客の存在を判定し、かつ、前述の来店客追跡機能が、来店客の顔を認識して来店客の追跡を行うシステムの場合には、制御部201が顔認識の結果や上記映像データをネットワークNWを介して制御部101に通知し、制御部101が来店客追跡機能から通知された情報に基づいて、グループ化端末装置200の前に居る来店客の客IDを特定してもよい。
【0052】
ACT6cにおいて制御部101は、ACT6bで取得した客IDをグループ化の候補者のID(以下、候補者IDと称する)としてネットワークNWを介してグループ化端末装置200(制御部201)に通知し、ACT6dに移行する。この通知により、制御部101は、制御部201に対して、グループ化の対象となる来店客を来店客に選択させる処理を実行させる。
【0053】
そして、この通知を受けた制御部201は、通知された候補者IDを記憶部202に記録した後、この候補者IDの一覧をディスプレイ203に表示する。この表示では、端末前に居る来店客に対して、同一決済(同一会計)する予定の来店客を選択するように促すメッセージも表示する。
【0054】
そして、制御部201は、タッチパネル204を通じて、グループ化を希望する来店客の指定を受け付け、指定された来店客の客IDをネットワークNWを通じて店舗管理装置100(制御部101)に通知する。
【0055】
なお、グループ化端末装置200における上記表示において、候補者IDがどの来店客に対応するかが明確になるように、カメラ205で撮影した来店客の顔と候補者IDを対応付けて表示するようにしてもよい。この場合、制御部201が顔認識を行うと共に、制御部101の来店客追跡機能が顔認識を行い、両者の顔認識の結果を照らし合わせて、一致するものを関連付けることで実現できる。またこのような関連付けが行えれば、必ずしも候補者IDを表示する必要は無く、タッチパネル204を通じて、グループ化したい来店客の顔を選択させ、それに対応する客IDを制御部101に通知すればよい。
【0056】
また顔認識を行わない場合でも、来店客追跡機能が検出した来店客の位置情報に基づいて、制御部101あるいは制御部201が、カメラ205に写る来店客と候補者IDを関連付けることで、同様に来店客の希望を正確に受け付けることができる。
【0057】
ACT6dにおいて制御部101は、グループ化端末装置200にてグループ化の対象者の選択が完了したか否かを判定する。完了した場合には、ACT6eに移行し、一方、完了していない場合には、ACT6dで完了を待機する。具体的には、制御部101が制御部201から客IDの通知を受けると、グループ化対象者の選択が完了したものと判定し、通知された客IDを1つのグループとして扱う。
【0058】
ACT6eにおいて制御部101は、グループ化端末装置200(制御部201)に対して、決済担当者を選択させるように指示し、ACT6fに移行する。そして、この指示を受けた制御部201は、ACT6cで選択された来店客の客IDのリストをディスプレイ203に表示するとともに、決済の担当者となる来店客(以下、決済担当者と称する)を選択するように促すメッセージを表示する。
【0059】
そして、制御部201は、タッチパネル204を通じて、決済担当者の選択を受け付け、選択された来店客の客IDをネットワークNWを通じて店舗管理装置100(制御部101)に通知する。
【0060】
ACT6fにおいて制御部101は、グループ化端末装置200にて決済担当者の選択が完了したか否かを判定する。完了した場合には、ACT6gに移行し、一方、完了していない場合には、ACT6fで完了を待機する。具体的には、制御部101が制御部201から客IDの通知を受けると、決済担当者の選択が完了したものと判定し、通知された客IDを決済担当者として扱う。
【0061】
ACT6gにおいて制御部101は、ACT6dで通知された客IDをグループ化するためのIDを新規に生成し、ACT6hに移行する。なお、ここで新規に作成したグループ用のIDは、新GIDと称する。現時点でアクティブになっているGIDと重複しないように生成される。
【0062】
ACT6hにおいて制御部101は、記憶部102に記憶されるグループリストのデータテーブルに新規の行を追加し、ACT6iに移行する。
ACT6iにおいて制御部101は、ACT6hで追加した新規の行のうち、「グループID」の列に、ACT6gで生成した新GIDをセットし、ACT6jに移行する。
【0063】
ACT6jにおいて制御部101は、ACT6hで追加した新規の行のうち、「ショッピングカート」の列をクリアして空にし、ACT6kに移行する。
ACT6kにおいて制御部101は、ACT6hで追加した新規の行のうち、「決済完了フラグ」の列に、決済が未完了であることを示す「0」をセットし、ACT6l~6qの処理を実行する。なお、ショッピングカートが空ではない場合に、決済完了フラグに「0」をセットするようにしてもよい。
【0064】
ACT6l~6qの処理は、ACT6dで通知された客ID毎に実行される。すなわち、例えば、3つの客IDが通知された場合には、3回の処理が実行される。
ACT6lにおいて制御部101は、通知された客IDのうち、1つを選択し、その客IDについて来店客リストを検索し、この客IDに対応付けられたグループIDを取得し、ACT6mに移行する。なお、ここで取得したグループIDを旧GIDと称する。
【0065】
ACT6mにおいて制御部101は、ACT6lで取得した旧GIDについてグループリストを検索し、この旧GIDに対応付けられた「ショッピングカート」の列に保持される内容(商品名とその個数の情報)を取得し、ACT6nに移行する。
【0066】
ACT6nにおいて制御部101は、ACT6hでグループリストに追加した新GIDに対応付けられた「ショッピングカート」の列に、ACT6mで取得した「ショッピングカート」の内容をコピー(追加)し、ACT6oに移行する。
【0067】
ACT6oにおいて制御部101は、グループリストから旧GIDが設定された行を削除し、ACT6pに移行する。
【0068】
ACT6pにおいて制御部101は、ACT6lで選択された客IDについて来店客リストを検索し、この客IDに対応付けられた「グループID」の列に、新GIDをセットし、ACT6qに移行する。
【0069】
ACT6qにおいて制御部101は、ACT6lで選択された客IDについて来店客リストを検索し、ACT6fで通知された決済担当者の情報を反映させ、ACT6aに移行する。具体的には、ACT6lで選択された客IDがACT6fで通知された決済担当者の客IDと一致する場合には、「決済担当者フラグ」の列の値を「1」に維持する。一方、決済担当者でない場合、すなわち、ACT6lで選択された客IDがACT6fで通知された決済担当者の客IDと一致しない場合には、「決済担当者フラグ」の列の値を「0」にセットする。
【0070】
ここで一例として、ACT6dにおいて、制御部101が制御部201から客ID「3」、「4」、「6」の通知を受け、ACT6fにおいて、制御部101が制御部201から決済担当者として客ID「4」の通知を受けた場合を考える。これらの通知を受ける前の状況において、来店客リストは図3に示すようなものであり、グループリストは図4に示すようなものであったとする。
【0071】
上記通知により、来店客リストは図7に示すように変化する。すなわち、制御部101は、ACT6pにおいて、客ID「3」、「4」、「6」の「グループID」の列に、新GIDである「G1」をセットするとともに、ACT6qにおいて、客ID「3」、「6」の「決済担当者フラグ」の列の値を「0」にセットし、客ID「4」については「1」を維持している。
【0072】
一方、グループリストは図8に示すように変化する。すなわち、制御部101は、ACT6hにおいて、グループリストのデータテーブルに新規の行を追加し、ACT6iにおいて、その新しい行の「グループID」の列に新GIDである「G1」をセットする。
【0073】
そして、制御部101は、ACT6mにおいて、通知された客ID「3」、「4」、「6」がセットされたグループID(旧GID)に対応する「ショッピングカート」の内容を取得する。続いて制御部101は、ACT6nにおいて、新GIDである「G1」に対応する「ショッピングカート」の列に、ACT6mで取得した「ショッピングカート」の内容をコピー(追加)する。そして制御部101は、ACT6oにおいて客ID「3」、「4」、「6」がセットされたグループID(旧GID)に対応するグループリストの行を削除する。
【0074】
(店内処理)
図9は、店内処理を示すフローチャートである。店内処理は、来店客が陳列棚から商品を持ち出したり、戻したりする行動に応じて、グループリストの「ショッピングカート」の内容を更新するものである。また店内処理は、店舗管理装置100によってなされるものであり、制御部101が記憶部102に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって実行される。また当該システムが起動される間、繰り返し実行される。
【0075】
ACT9aにおいて制御部101は、来店客追跡機能の追跡結果を取得し、商品が陳列棚から持ち出されたことを検出したか否かを判定する。ここで、商品が陳列棚から持ち出されたことを検出した場合には、ACT9bに移行し、一方、持ち出されたことを検出しない場合には、ACT9eに移行する。
【0076】
ACT9bにおいて制御部101は、商品を陳列棚から持ち出した来店客の客IDと、持ち出された商品の識別情報と持ち出された個数を、来店客追跡機能から取得し、ACT9cに移行する。
ACT9cにおいて制御部101は、来店客リストを参照し、ACT9bで取得した客IDに対応付けられたグループIDを取得し、ACT9dに移行する。
【0077】
ACT9dにおいて制御部101は、グループリストにおいて、ACT9cで取得したグループIDに対応付けられた「ショッピングカート」の列に、ACT9bで取得した商品の情報(持ち出された商品の識別情報と持ち出された個数)を記録し、ACT9aに移行する。
【0078】
ACT9eにおいて制御部101は、来店客追跡機能の追跡結果を取得し、商品が陳列棚に戻された(返却された)ことを検出したか否かを判定する。ここで、商品が陳列棚に戻されたことを検出した場合には、ACT9fに移行し、一方、戻されたことを検出しない場合には、ACT9aに移行する。
【0079】
ACT9fにおいて制御部101は、商品を陳列棚に戻した来店客の客IDと、戻された商品の識別情報と戻された個数を、来店客追跡機能から取得し、ACT9gに移行する。
ACT9gにおいて制御部101は、来店客リストを参照し、ACT9fで取得した客IDに対応付けられたグループIDを取得し、ACT9hに移行する。
【0080】
ACT9hにおいて制御部101は、グループリストにおいて、ACT9gで取得したグループIDに対応付けられた「ショッピングカート」の列から、ACT9fで取得した商品の情報(戻された商品の識別情報と戻された個数)を削除し、ACT9aに移行する。
【0081】
(決済処理)
図10は、決済処理を示すフローチャートである。決済処理は、決済担当者からグループリストの「ショッピングカート」内の商品について決済を受け付けるためのものである。また決済処理は、店舗管理装置100によってなされるものであり、制御部101が記憶部102に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって実行される。また当該システムが起動される間、繰り返し実行される。
【0082】
ACT10aにおいて制御部101は、カメラ106によって撮像された映像データやタッチパネル104に対する操作に基づいて、来店客が店舗管理装置100の前に居ることを判定する。なお、制御部101は、来店客追跡機能が検出した来店客の位置によって、店舗管理装置100の前に居る来店客の存在を判定してもいい。
【0083】
来店客が店舗管理装置100の前に居ると判定した場合には、制御部101は、ACT10bに移行し、一方、居ない(検出しない)場合には、再びACT10aに移行して、来店客の到来を監視する。
ACT10bにおいて制御部101は、来店客追跡機能の追跡結果に基づいて、店舗管理装置100の前に居る来店客の客IDを取得し、ACT10cに移行する。
【0084】
ACT10cにおいて制御部101は、来店客リストを参照し、ACT10bで取得した客IDに対応付けられたグループIDを取得し、ACT10dに移行する。
【0085】
ACT10dにおいて制御部101は、グループリストにおいて、ACT10cで取得したグループIDに対応付けられた「決済完了フラグ」の列に設定される値を取得し、ACT10eに移行する。
【0086】
ACT10eにおいて制御部101は、ACT10で取得した「決済完了フラグ」の列に設定される値が「0」であるか、すなわち、決済済みでないかを判定する。ここで、「0」が設定される、すなわち、決済済みでない場合は、ACT10gに移行し、一方、「1」が設定される、すなわち、決済済みの場合には、ACT10fに移行する。
【0087】
ACT10fにおいて制御部101は、ディスプレイ103に「お会計は済んでいます。ご利用ありがとうございました。」などの決済済みを報知する表示を行い、ACT10aに移行する。
【0088】
ACT10gにおいて制御部101は、グループリストにおいて、ACT10cで取得したグループIDに対応付けられた「ショッピングカート」の列に設定される内容、すなわち、当該グループの来店客が購入しようとしている商品名と個数の一覧と、「購入される商品をご確認ください。」などの表示を、ディスプレイ103に表示し、ACT10hに移行する。これにより、来店客は、決済の対象となる商品を確認できる。
【0089】
ACT10hにおいて制御部101は、タッチパネル104に対する操作を監視し、購入の意思を示す操作、すなわち決済処理を実行する意思を示すボタン操作がなされたかを判定する。ここで、決済実行のボタン操作を検出した場合には、ACT10iに移行し、一方、操作を検出しない場合には、ACT10hで、ボタン操作を待機する。
【0090】
ACT10iにおいて制御部101は、来店客に対して決済手続を促す表示をディスプレイ103に行い、カードリーダ105を通じて、決済を受け付け、ACT10jに移行する。カードリーダ105を通じた決済は、クレジットカート、デビットカードやポイントカード、あるいは電子マネー等を用いた周知の技術で実現できる。
【0091】
ACT10jにおいて制御部101は、カードリーダ105を通じた決済が正常に完了したか否かを判定する。ここで、決済が正常に完了したと判定した場合には、ACT10kに移行し、一方、完了しないと判定した場合には、ACT10jに移行して、やり直しを含め、決済の完了を引き続き監視する。
【0092】
ACT10kにおいて制御部101は、グループリストにおいて、ACT10cで取得したグループIDに対応付けられた「決済完了フラグ」の列に、決済済みを示す「1」を設定するとともに、「ショッピングカート」の内容をクリアして空にし、ACT10lに移行する。
【0093】
ACT10lにおいて制御部101は、ディスプレイ103に「ご利用ありがとうございました。」などの決済済みを報知する表示を行うとともに、プリンタ107を制御して、購入商品についてのレシートを印刷し、ACT10aに移行する。
【0094】
(退店処理)
図11は、退店処理を示すフローチャートである。退店処理は、退店行動を取る来店客、すなわち退店しようとする来店客のうち、決済が完了していないグループの決済担当者に対して、決済忘れを報知するものである。また退店処理は、店舗管理装置100がゲート装置300と連携してなされるものであり、制御部101が記憶部102に記憶される制御プログラムや制御データにしたがって実行される。また当該システムが起動されている間、繰り返し実行される。
【0095】
ACT11aにおいて制御部101は、ゲート装置300からの通知に基づいて、退店しようとしている来店客が居るかを判定する。具体的には、ゲート装置300の制御部301が、カメラ303によって撮像された映像データやセンサ304による検出結果に基づいて、来店客がゲート305間に進入したこと(あるいは進入しようとしていること)を判定する。
【0096】
退店しようとしている来店客が居ると判定した場合には、制御部301は、この旨を通信インターフェース307を通じて、店舗管理装置100に通知する。この通知を受けた制御部101は、ACT11bに移行し、一方、通知を受けない(検出しない)場合には、再びACT11aに移行して、退店しようとしている来店客の監視(ゲート装置300からの通知を待機)する。
【0097】
ACT11bにおいて制御部101は、来店客追跡機能の追跡結果に基づいて、退店しようとする来店客(例えば、ゲート305間に居る来店客)の客IDを取得し、ACT11cに移行する。
【0098】
ACT11cにおいて制御部101は、来店客リストを参照し、ACT11bで取得した客IDに対応付けられたグループIDと決済者担当フラグを取得し、ACT11dに移行する。
ACT11dにおいて制御部101は、グループリストにおいて、ACT11cで取得したグループIDに対応付けられた「ショッピングカート」の内容と「決済完了フラグ」の列に設定される値を取得し、ACT11eに移行する。
【0099】
ACT11eにおいて制御部101は、ACT11dで取得した「決済完了フラグ」の列に設定される値が「0」であるか、すなわち、決済済みでないかを判定する。ここで、「0」が設定される、すなわち、決済済みでない場合は、ACT11fに移行する。
一方、「1」が設定される、すなわち、決済済みの場合には、ACT11aに移行する。つまり、この来店客がゲートを通行するのを妨げず、次の来店客のゲート接近に備える。
【0100】
ACT11fにおいて制御部101は、ACT11dで取得した「ショッピングカート」の内容が空か否かを判定する。ここで、空でない場合、ACT11gに移行する。
一方、空の場合には、ACT11aに移行する。つまり、決済は完了していないが、商品を持ち出してもいない来店客のため、この来店客がゲートを通行するのを妨げず、次の来店客のゲート接近に備える。
【0101】
ACT11gにおいて制御部101は、ACT11cで取得した決済担当者フラグの値が「1」であるか、すなわち、決済担当者であるを判定する。ここで、「1」が設定される、すなわち、決済担当者である場合は、ACT11hに移行する。
一方、「0」が設定される、すなわち、決済担当者ではない場合には、ACT11aに移行する。つまり、この来店客がゲートを通行するのを妨げず、次の来店客のゲート接近に備える。
【0102】
ACT11hにおいて制御部101は、ゲート装置300(制御部301)に対して、警報器306を動作させるように指示するとともに、警備員または担当店員に通知を行い、ACT11aに移行する。警報器306の動作により、ゲートを通行しようとした来店客は、決済忘れに気づくことを促される。また警備員または担当店員は、通知によって決済忘れの来店客の存在に気づく。
【0103】
なお、ACT11hでは、警報器306に加えて、制御部101がネットワークNWを通じてゲート装置300に指示を与えて、ゲートを閉じるなどして、来店客の通行を物理的に妨げるようにしてもよい。
【0104】
また、ACT11hでは、ゲート装置300に設けられたカメラ303によって撮像された映像データをネットワークNWを介して制御部101が取得し、記憶部102に記録するようにしてもよい。
【0105】
また、来店客追跡機能が入店時に来店客の顔認識を行う場合には、来店時に認識した顔の映像をいったん記憶部102に記録しておき、退店に併せて消去するようにし、ACT11hに移行した場合には、未決済の退店者として記憶部102に記録するようにしてもよい。
【0106】
(まとめ)
以上のように、上記構成の店舗管理装置100では、通信インターフェース108を通じて、ネットワークカメラCa-1~Ca-nによって撮像した映像データやセンサSn-1~Sn-mの検出結果を取得し、これらの情報に基づいて、来店客の識別や店内行動を監視および追跡している。そして、グループで来店した複数の来店客をグループ化し、これら複数の来店客が陳列棚から手に取った商品をまとめ、グループ毎に決済するようにしている。
【0107】
したがって、上記構成の店舗管理装置100によれば、家族や仲間など複数人で来店した来店客は、1つの買い物カゴを利用しなくても、それぞれが商品を手に取ったまま、まとめて1人の来店客によって決済を行うことができる。このため、来店客らはそれぞれが決済を行う手間を省けるメリットがあり、店舗にとっても、決済端末の混雑を抑制できたり、決済端末の設置数を抑制できるというメリットがある。
【0108】
また、上記構成の店舗管理装置100では、グループ化した来店客のうち、少なくとも1名を決済担当者として設定し、通信インターフェース108を通じて取得した情報に基づいて決済担当者の退店行動を判定し、決済担当者が退店行動を行い、かつ決済担当者が属するグループの決済が完了していない場合に、未決済を報知するようにしている。
【0109】
したがって、上記構成の店舗管理装置100によれば、未決済の報知によってカゴ抜けが抑制できるとともに、複数人のグループで来店した場合に、決済完了前であっても、決済担当者以外は自由に店外に出ることができる。このため、グループ決済の完了を待つ来店客によって店内が混雑することを抑制することができる。
【0110】
また、上記構成の店舗管理装置100では、未決済で退店行動を取った場合に、決済担当者を撮像した映像データを記録するようにしているので、カゴ抜けの抑制効果が期待できる。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0112】
また、例えば、上記実施の形態では、入店に際して、個人を特定するような情報の提示を求めていないが、これとは別に、予め登録した情報と照合して、入店するシステムの店舗に適用することも可能である。予め登録する情報としては、予め作成した会員証(磁気データ、バーコードあるいは非接触型ICカードなど)や、顔写真や指紋、静脈などの生体固有の情報、会員番号や暗証番号の端末入力などが考えられる。これらの情報を入り口付近に設置した受付装置(リーダ端末やカメラを搭載)で取得して、ネットワークNWおよび通信インターフェース108を介して制御部101に入力する。店舗管理装置100では、入力された情報に基づいて個人認証を行い、来店客追跡機能が来店客の店内行動を追跡する。
なお、以下に本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[C1]
入店した来店客の情報を取得するためのインターフェースと、
インターフェースを通じて取得した情報に基づいて、来店客を識別し、
識別した来店客をグループ化し、
グループ化した来店客が購入する商品をグループ毎に決済する、
プロセッサと、
を具備する店舗管理装置。
[C2]
プロセッサは、
グループ化した来店客のうち、少なくとも1名を決済担当者として設定し、
インターフェースを通じて取得した情報に基づいて決済担当者の退店行動を判定し、 決済担当者が退店行動を行い、かつ決済担当者が属するグループの決済が完了していない場合に、未決済を報知する、
請求項1に記載の店舗管理装置。
[C3]
さらに、映像データを記憶する記憶装置を備え、
プロセッサは、
グループ化した来店客のうち、少なくとも1名を決済担当者として設定し、
インターフェースを通じて取得した情報に基づいて決済担当者の退店行動を判定し、 決済担当者が退店行動を行い、かつ決済担当者が属するグループの決済が完了していない場合に、インターフェースを通じて取得した決済担当者の映像データを記憶装置に記録する、
請求項1に記載の店舗管理装置。
[C4]
入店した来店客の情報を取得するための情報取得装置と、
取得した情報に基づいて、来店客を識別し、
識別した来店客をグループ化し、
グループ化した来店客が購入する商品を、グループ毎に決済する、
店舗管理装置と、
を具備する店舗管理システム。
[C5]
インターフェースを通じて入店した来店客の情報を取得し、
取得した情報に基づいて、来店客を識別し、
識別した来店客をグループ化し、
グループ化した来店客が購入する商品を、グループ毎に決済する、
を具備する店舗管理方法。
【符号の説明】
【0113】
100…店舗管理装置
101…制御部
102…記憶部
103…ディスプレイ
104…タッチパネル
105…カードリーダ
106…カメラ
107…プリンタ
108…通信インターフェース
200…グループ化端末装置
201…制御部
202…記憶部
203…ディスプレイ
204…タッチパネル
205…カメラ
206…通信インターフェース
300…ゲート装置
301…制御部
302…記憶部
303…カメラ
304…センサ
305…ゲート
306…警報器
307…通信インターフェース
NW…通信ネットワーク
Ca-1~Ca-n…ネットワークカメラ
Sn-1~Sn-m…センサ
EN…入店エリア
GR…グループ化端末エリア
CO…商品エリア
PA…決済エリア
EX…退店エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11