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特許7416678認証されたユーザのための個人向けホーム画面及び保存済みジョブを有する多機能デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】認証されたユーザのための個人向けホーム画面及び保存済みジョブを有する多機能デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240110BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240110BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H04N1/00 912
G06F3/12 367
G06F3/12 357
G06F3/12 303
B41J29/38 201
B41J29/38 401
H04N1/00 127A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020173488
(22)【出願日】2020-10-14
(65)【公開番号】P2021072617
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】16/668,965
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】シェリル・エー・ナザーロ
(72)【発明者】
【氏名】サーニャ・ストロツキポラス
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-042999(JP,A)
【文献】特開2018-097620(JP,A)
【文献】特開2007-028019(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/09 - 3/12
B41J 29/00 -29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔に配置された多機能デバイス(MFD)から保存済みジョブを実行するための方法であって、
ローカルMFD上で印刷ジョブを作成することであって、前記印刷ジョブが画像データ及びメタデータを含むページ記述言語(PDL)ファイルとして保存され、前記メタデータが、ユーザによって作成された複数の印刷設定のための複数の選択を含む、ことと、
前記PDLファイルを、アプリケーションサーバに記憶される通信ネットワークで前記アプリケーションサーバに送信することであって、前記アプリケーションサーバは、前記ローカルMFD及び前記遠隔に配置されたMFDに通信可能に連結されている、ことと、
前記遠隔に配置されたMFDで前記ユーザを認証することと、
前記アプリケーションサーバ内に保存されている、前記ユーザによって作成された前記印刷ジョブを、前記遠隔に配置されたMFDのユーザインタフェース上で提示することと、
前記印刷ジョブの選択を受信することと、
前記遠隔に配置されたMFDで選択される前記印刷ジョブに応じて、前記アプリケーションサーバから前記印刷ジョブに関連付けされた前記PDLファイルを受信することと、
前記PDLファイルの前記メタデータ内で得られた前記複数の印刷設定のための前記複数の選択に従って、前記遠隔に配置されたMFDを構成することと、
前記遠隔に配置されたMFDで前記印刷ジョブを実行することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記認証に応答して、前記遠隔に配置されたMFDの前記ユーザインタフェース上で個人向けホーム画面を提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記個人向けホーム画面が、前記ローカルMFD上で作成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記個人向けホーム画面は、ユーザが選択したアプリケーションを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記個人向けホーム画面は、ユーザが選択したメニューを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、遠隔に配置された多機能デバイス(MFD)のプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、前記遠隔に配置されたMFDから保存済みジョブを実行するための動作を実施させ、前記動作が、
ローカルMFD上で印刷ジョブを作成することであって、前記印刷ジョブが画像データ及びメタデータを含むページ記述言語(PDL)ファイルとして保存され、前記メタデータが、ユーザによって作成された複数の印刷設定のための複数の選択を含む、ことと、
前記PDLファイルを、アプリケーションサーバに記憶される通信ネットワークで前記アプリケーションサーバに送信することであって、前記アプリケーションサーバは、前記ローカルMFD及び前記遠隔に配置されたMFDに通信可能に連結されている、ことと、
前記遠隔に配置されたMFDで前記ユーザを認証することと、
前記アプリケーションサーバ内に保存されている、前記ユーザによって作成された前記印刷ジョブを、前記遠隔に配置されたMFDのユーザインタフェース上で提示することと、
前記印刷ジョブの選択を受信することと、
前記遠隔に配置されたMFDで選択される前記印刷ジョブに応じて、前記アプリケーションサーバから前記印刷ジョブに関連付けされた前記PDLファイルを受信することと、
前記PDLファイルの前記メタデータ内で得られた前記複数の印刷設定のための前記複数の選択に従って、前記遠隔に配置されたMFDを構成することと、
前記遠隔に配置されたMFDで前記印刷ジョブを実行することと、を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項7】
前記認証に応答して、前記遠隔に配置されたMFDの前記ユーザインタフェース上で個人向けホーム画面を提供することを更に含む、請求項6に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項8】
前記個人向けホーム画面が、前記ローカルMFD上で作成される、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記個人向けホーム画面は、ユーザが選択したアプリケーションを含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記個人向けホーム画面は、ユーザが選択したメニューを含む、請求項7に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して多機能デバイス(MFD)に関し、より詳細には、別の遠隔に配置されたMFDからアクセスすることができる個人向けホーム画面及び保存済みジョブを有する、MFDに関する。
【背景技術】
【0002】
多機能デバイス(MFD)を使用して、様々な異なる機能を実施することができる。例えば、MFDを使用して、文書のコピー、文書の印刷、文書のファックス送信などを行うことができる。典型的には、ユーザは、MFDに通信可能に連結されたコンピューティングデバイスを有し得る。ユーザは、コンピューティングデバイス上で印刷する画像を作成し、MFDに画像データを送信して印刷することができる。
【0003】
その後になって、ユーザは第2の位置に移動し、同じ画像を印刷したい場合がある。しかしながら、ユーザは、自分のコンピューティングデバイスを第2の位置に持って行き、遠隔に配置されたMFDに接続して、第2の位置で画像を印刷する必要があるだろう。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に示される態様によれば、遠隔に配置された多機能デバイス(MFD)から保存済みジョブを実行するための方法、非一時的コンピュータ可読媒体、及び装置が提供される。実施形態の1つの開示された特徴は、ユーザを認証すること、アプリケーションサーバから保存済みジョブにアクセスすることであって、この保存済みジョブはローカルMFDから作成された、こと、保存済みジョブから得られたメタデータに基づいて、遠隔に配置されたMFDに関するパラメータを設定すること、及び遠隔に配置されたMFDで保存済みジョブを実行すること、を行う方法である。
【0005】
実施形態の別の開示された特徴は、複数の命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であり、複数の命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、ユーザを認証すること、アプリケーションサーバから保存済みジョブにアクセスすることであって、この保存済みジョブはローカルMFDから作成された、こと、保存済みジョブから得られたメタデータに基づいて、遠隔に配置されたMFDに関する複数のパラメータを設定すること、及び遠隔に配置されたMFDで保存済みジョブを実行すること、を行う動作を実施させる命令を含む。
【0006】
実施形態の別の開示された特徴は、プロセッサと、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、ユーザを認証すること、アプリケーションサーバから保存済みジョブにアクセスすることであって、この保存済みジョブはローカルMFDから作成された、こと、保存済みジョブから得られたメタデータに基づいて、遠隔に配置されたMFDに関する複数のパラメータを設定すること、及び遠隔に配置されたMFDで保存済みジョブを実行すること、を行う動作を実施させる複数の命令を記憶するコンピュータ可読媒体と、を備える装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の教示は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって容易に理解することができる。
【0008】
図1】本開示のシステムのブロック図を示す。
【0009】
図2】本開示のMFDにおける個人向けホーム画面の例示的なスクリーンショットを示す。
【0010】
図3】2つの異なるMFDでユーザがクラウドから保存済みジョブにアクセスする例を示す。
【0011】
図4】本開示の遠隔に配置されたMFDから保存済みジョブを実行するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0012】
図5】本明細書に記載される機能を実施する際に使用するのに好適な例示的なコンピュータの高レベルブロック図を示す。
【0013】
理解を容易にするために、可能なかぎり、同一の参照番号が、図面に共通する同一の要素を示すのに使用されている。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示は、多機能デバイス(MFD)を広く開示し、MFDは、個人向けホーム画面を提供し、遠隔に配置されたMFDで保存済みジョブを印刷することができる。上述のように、MFDを使用して、様々な異なる機能を実施することができる。しかしながら、ユーザは、典型的には、自分のコンピューティングデバイスをMFDに接続して、保存済み印刷ジョブを印刷する。換言すれば、現在、第1のMFDにおいて作成された印刷ジョブが、第1のMFDから遠隔に配置された第2のMFDでアクセスされ実行される方法は存在しない。
【0015】
本開示は、ユーザが、第1のMFD上で作成されたジョブをネットワーク又はクラウドに保存することを可能にするシステムを提供する。例えば、複数の異なるMFDと通信するアプリケーションサーバは、作成されたジョブを記憶することができる。ユーザが第2の地理的位置に移動すると、ユーザは、ネットワークの一部であり、アプリケーションサーバと通信する第2のMFDから保存済みジョブにアクセスすることができる。例えば、ユーザは、単に第2のMFDにログインし、保存済みジョブを選択し、保存済みジョブを第2のMFDに実行させることができる。
【0016】
換言すれば、ユーザは、コンピューティングデバイスを第2のMFDに接続させる必要はない。更に、ユーザは、第2のMFD上でジョブを再作成する(例えば、用紙サイズ、色、仕上げ選択肢、印刷部数などの機能の選択の全てを作成する)必要はない。むしろ、ユーザは単純に第2のMFDにログインし、保存済みジョブを提示され、第2のMFDで実行されるジョブを選択することができる。
【0017】
加えて、本開示は、個人向けホーム画面を提供する。例えば、MFDのユーザインタフェースのホーム画面は、特定のユーザ用にカスタマイズされてもよい。その結果、ユーザが異なる位置に移動し、異なるMFDにアクセスしたとき、ホーム画面は依然としてユーザに対して同じであってもよい。
【0018】
図1は、本開示の例示的なシステム100を示す。一実施形態では、システム100は、アプリケーションサーバ(AS)104及びデータベース(DB)106を含む通信ネットワーク102を含み得る。AS104及びDB106は別個の構成要素として示されているが、AS104及びDB106は、単一のデバイスとして配備されてもよいことに留意されたい。
【0019】
一実施形態では、通信ネットワーク102はインターネットプロトコル(IP)ネットワークであってもよい。通信ネットワーク102は、広域ネットワーク(例えば、異なる地理的位置にわたる)又はローカルエリアネットワーク(例えば、建物内の無線ネットワーク)であり得る。一実施形態では、「クラウド」に対する言及は、通信ネットワーク102を指してもよい。
【0020】
説明を容易にするために、通信ネットワーク102が簡略化されていることに留意されたい。通信ネットワーク102は、図示されていない他のデバイス又は構成要素を含み得る。例えば、通信ネットワーク102は、ルータ、スイッチ、ゲートウェイ、ファイアウォールなどを含み得る。
【0021】
AS104は、プロセッサ及びメモリを含む計算デバイスであってもよい。AS104は、DB106に通信可能に連結され得る。DB106は、様々な情報又はデータを記憶し得るコンピュータ可読記憶媒体を含み得る。例えば、DB106は、ユーザプロファイル、ユーザログイン資格情報などを記憶し得る。一実施形態では、MFD108上で作成されたジョブ116(以下で更に詳細に論じられる)は、AS104又はDB106に記憶されてもよい。
【0022】
一実施形態では、AS104はローカルネットワーク112及び114に通信可能に連結されてもよい。ローカルネットワーク112及び114は、異なる地理的位置及び/又は物理的位置に配置されてもよい。例えば、ローカルネットワーク112は、Californiaの企業オフィスのローカルネットワークであってもよく、ローカルネットワーク114は、New Yorkの企業のローカルネットワークであってもよい。一実施形態では、MFD108はローカルネットワーク112内に配置されてもよく、MFD110はローカルネットワーク114内に配置されてもよい。
【0023】
2つのローカルネットワーク112及び114が図1に示されているが、任意の数のローカルネットワークが通信ネットワーク102及びAS104に通信可能に連結されてもよいことに留意されたい。単一のMFD108及び110がそれぞれのローカルネットワーク112及び114内に示されているが、ローカルネットワーク112及び114は、任意の数のMFDを含んでもよいことに留意されたい。
【0024】
一実施形態では、MFD108は、「ローカルMFD」と称されてもよい。例えば、MFD108は、ユーザのローカルMFD又はユーザが最も多くやりとりするMFDであってもよい。例えば、ローカルネットワーク112は、ユーザが毎日働く場所であってもよい。
【0025】
一実施形態では、ジョブ116がMFD108上で作成されてもよい。例えば、ジョブ116は、印刷ジョブ、保存された文書のための電子メールジョブなどであってもよい。一実施形態では、ジョブ116は、画像データ118及びメタデータ120を含み得る。画像データ118は、画像がどのようなものであるかに関する情報(例えば、画像の各画素に関する色情報)を含んでもよい。メタデータ120は、ジョブ116を実行するためのMFDの複数のパラメータを含んでもよい。例えば、パラメータは、ジョブ116に関連付けられた1つ以上の機能の選択又は値を含んでもよい。
【0026】
例えば、ユーザはMFD108上で印刷ジョブを作成してもよい。印刷ジョブは、グラフィック及びテキストを有する広告の画像を含んでもよい。画像は、画像データ118として保存されてもよい。ユーザは、画像を明るくし、画像の色設定を調整し、用紙サイズを選択し、印刷部数を選択し、選択された用紙サイズ上の画像のズーム率を選択し、両面印刷を選択し、仕上げオプション(例えば、ページの左側の3穴パンチ)を選択することなどができる。ユーザによって選択される様々な機能及び値は、メタデータ120として保存されてもよい。画像データ118とメタデータ120との組み合わせは、ジョブ116を作成し得る。
【0027】
一実施形態では、ジョブ116はページ記述言語(PDL)ファイル、又は任意の他のタイプのプリンタ言語ファイルとして保存されてもよい。対照的に、MFDがコンピューティングデバイスからジョブ要求を受信すると、MFDは、ジョブ要求をMFDによって理解可能なフォーマットに変換することができる。本開示により、ジョブ116は、MFD108又は任意の他のMFD(例えば、MFD110)によって理解されるフォーマットで作成及び保存されることが可能になる。結果として、以下に更に詳細に記載されるように、取得及び実行時にジョブ116の変換は必要とされない。むしろ、MFD108又は110は、ジョブ116にアクセスし、画像データ118及びメタデータ120からジョブ116の所望のパラメータの全てを設定し、ジョブ116を実行してもよい(例えば、文書を印刷し、文書を電子メールに送るなど)。
【0028】
一実施形態では、ジョブ116は、通信ネットワーク102内のAS104又はDB106に記憶されてもよい。換言すれば、ジョブ116は、「クラウド」に記憶されてもよい。その後に、ユーザは、MFD110を含むローカルネットワーク114に移動してもよい。MFD110は、「遠隔に配置されたMFD」と称されてもよい。MFD110でジョブ116を再作成する必要なく、MFD110は、AS104との通信セッションを確立し、ジョブ116を取得することができる。結果として、ユーザは、MFD110でジョブ116にアクセスし、MFD110上でジョブ116を実行することができる。
【0029】
一実施形態では、ユーザは、保存されているジョブ116を単に選択してもよい。MFD110では他の選択又はやりとりが必要ではない場合がある。むしろ、MFD110は、画像データ118及びジョブ116に関連付けられたメタデータ120を読み出し、MFD110に関するパラメータの全てを自動的に構成し、ジョブを実行してよい(例えば、文書を印刷する)。
【0030】
一実施形態では、パラメータのうちの1つ以上がMFD110上で利用可能でない場合、通知がユーザに提示され得る。通知は、MFD110上で利用可能でないそれらのパラメータ又は機能を変更するようにオプションをユーザに提供してもよい。例えば、ユーザは、MFD108上でジョブ116のためのカラー画像を作成してもよい。しかしながら、MFD110は、白黒のみのプリンタである場合がある。したがって、MFD110は、ユーザが、カラーではなく白黒でジョブ116を実行し続けることを望むか、ユーザに尋ねる通知を提示してもよい。
【0031】
更に、MFD110においてジョブを実行するために追加のコンピューティングデバイスを使用しないことに留意されたい。例えば、以前の方法では、ユーザは、ノートパソコン上で印刷ジョブを記憶することができる。ユーザは、MFD110に移動し、ノートパソコンをMFD110に接続し、次いで、MFD110上で印刷ジョブを実行することができる。対照的に、本開示は、ユーザがローカルMFD(例えば、MFD108)上でジョブ116を作成し、追加のコンピューティングデバイスを使用せずに、遠隔に配置されたMFD(例えば、MFD110)上でジョブ116を実行することを可能にする。
【0032】
加えて、本開示は、ユーザが、MFD108及び110上でユーザに提示されるホーム画面を個人向けにすることを可能にし得る。例えば、MFD108及び110は、異なる位置及び異なる企業内にあってもよいが、MFD108及び110は、依然として同じ個人向けホーム画面をユーザに提示することができる。結果として、ユーザは、任意の位置で任意のMFDを使用してジョブ116を迅速に作成し、ジョブ116を保存し、ジョブ116を見つけることなどができる。
【0033】
一実施形態では、個人向けホーム画面は、AS104及び/又はDB106に保存されてもよい。結果として、AS104に通信可能に連結された任意のMFDは、ユーザのための個人向けホーム画面を得ることができる。例えば、ユーザがMFDにログインし、認証された後、AS104は、個人向けホーム画面をMFDに送信してユーザに表示することができる。
【0034】
図2は、ユーザの個人向けホーム画面212の例示的なスクリーンショットを示す。例えば、MFD108(及びMFD110も同様)は、ディスプレイ202を含んでもよい。ディスプレイ202は、ユーザインタフェースを提示することができる。ユーザインタフェースは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)であってもよい。ディスプレイ202はタッチスクリーンであってもよいか、又はMFD108は、GUIの周囲でカーソルを移動させるための入力デバイス(例えば、キーパッド、トラックパッド、マウスなど)を含んでもよい。
【0035】
ユーザがMFD108にログインし、認証された後、MFD108は、ユーザのための個人向けホーム画面212を提示してもよい。個人向けホーム画面212は、アイコン204、206、及び208として表される選択されたアプリケーション及びメニューを含んでもよい。個人向けホーム画面212はまた、カスタマイズオプション210を含んでもよい。
【0036】
一実施形態では、カスタマイズオプション210は、ユーザが、個人向けホーム画面212上に表示されるアプリケーション又はメニューを選択することを可能にし得る。加えて、カスタマイズオプション210は、ユーザが、各アプリケーション内での情報の表示方法を個人向けにする(personalized)ことを可能にし得る。カスタマイズオプション210はまた、ユーザが個人向けホーム画面の外観(例えば、背景画像、色の組み合わせ、フォントサイズ、アイコン204、206、及び208がどのように配置されるかなど)をカスタマイズすることを可能にし得る。
【0037】
例えば、ユーザは、アイコン204によって示されるようなコピーアプリケーション、アイコン206によって示されるような保存済みジョブメニュー、クラウドアプリケーションへの記憶208を選択してもよい。他のユーザは、異なるアプリケーションを含んでもよい。例えば、第2のユーザは、電子メールアプリケーション、保存済みジョブメニュー、クラウドアプリケーションへの記憶、及び電子メール文書アプリケーションを有することを好む場合がある。したがって、個人向けホーム画面212は、同じMFD108上の異なるユーザに対して異なって見えてもよい。
【0038】
個人向けホーム画面212がMFD108上で作成された後、個人向けホーム画面212は、ユーザがログインする任意の遠隔に配置されたMFD上で提示されてもよい。例えば、ユーザがMFD110を含む位置に移動すると、ユーザはMFD110にログインし、認証されることができる。それに応じて、MFD110は、ユーザの個人向けホーム画面212をAS104から受信し、個人向けホーム画面212をユーザに提示してもよい。
【0039】
一実施形態では、個人向けホーム画面212は、MFD110上で実行され、提示される構成ファイルとして送信され得る。一実施形態では、個人向けホーム画面212は、AS104を介してリモートセッションとして提示され得る。例えば、MFD110は、AS104によって生成され、MFD110とAS104との間のネットワーク接続を介してMFD110に送信された画像を、単に表示してもよい。
【0040】
図3は、2つの異なるMFDでユーザがクラウドから保存済みジョブにアクセスする例を示す。一実施形態では、ユーザ302は、MFD108を含むホームオフィス位置304にいてもよい。ユーザ302は、MFD108上で個人向けホーム画面306を作成してもよい。個人向けホーム画面306は、上述のように、AS104に記憶されてもよい。
【0041】
ユーザ302は、MFD110を含む遠隔地308に移動することができる。ユーザ302は、ユーザ302が遠隔地308で配信したいと望み得る印刷ジョブ310をMFD108で作成したいと望む場合がある。一実施形態では、ユーザ302は、ホーム位置304においてMFD108上で印刷ジョブ310を作成してもよい。ユーザは、画像、画像のレイアウト、画像の調整されたサイズ、画像の色、色調整の値、輝度調整の値、印刷部数、用紙サイズ、両面印刷、印刷画像の照合などを選択することができる。印刷ジョブ310の様々な機能の選択は、上述のように、画像データ及びメタデータとして記憶され得る。
【0042】
一実施形態では、印刷ジョブ310は、MFD110によって理解されるフォーマットで記憶されてもよい。例えば、印刷ジョブ310は、PDLフォーマットで記憶されてもよい。したがって、印刷ジョブ310がMFD110において遠隔地308からアクセスされる場合、印刷ジョブ310の更なる変換を必要としなくてもよい。
【0043】
その後、ユーザ302は遠隔地308に移動してもよい。ユーザはMFD110にログインすることができる。MFD110は、ユーザ302を認証することができる。例えば、ユーザ302は、MFD110のGUI上でユーザ名及びパスワードを入力するか、又はMFD110のカードリーダ上でアクセスカードをスワイプしてもよい。ユーザ資格情報は、AS104に送信されてもよく、AS104は、そのユーザ資格情報を異なるユーザの記憶された資格情報と比較することができる。一致が見つかった場合、AS104は、ユーザが認証されるという信号をMFD110に送信してもよい。認証されたことに応じて、MFD110はまた、MFD110のディスプレイ上で個人向けホーム画面306をユーザ302に対して提示してもよい。
【0044】
一実施形態では、ユーザ302は、個人向けホーム画面306上のメニューを介して保存済みジョブ又は保存済み印刷ジョブ310を見つけることができる。ユーザ302が保存済み印刷ジョブ310を選択すると、印刷ジョブ310は、AS104からMFD110に送信され得る。次いで、MFD110は、印刷ジョブ310を処理して、画像データ及び印刷ジョブ310に関連付けられたメタデータ内に見出される選択及び値に従って様々なパラメータを自動的に構成することができる。
【0045】
特に、印刷ジョブ310の追加の変換が、MFD110によって実施されなくてもよい。加えて、ユーザ302は、追加のコンピューティングデバイスを全く使用せずに、MFD110から直接印刷ジョブ310にアクセスすることができる。換言すれば、ユーザは、ノートパソコンから保存ファイルにアクセスし、ファイルをMFD110に送信し、ファイルをPDLに変換し、次いでMFD110のファイルを印刷するわけではない。むしろ、ユーザ302は、単純に、クラウド内に記憶された印刷ジョブ310を選択し、MFD110に、パラメータを自動的に構成させ、印刷された文書312を生成することができる。
【0046】
その結果、本開示は、ユーザがMFDでローカルにジョブを作成し、クラウド内にジョブを記憶することを可能にする。次いで、ユーザは、クラウドにまた接続されている任意の他の遠隔に配置されたMFDから保存済みジョブにアクセスすることができる。ユーザは、ユーザがログインしている任意のMFD上の個人向けホーム画面を使用して、保存済みジョブに容易にアクセスし、これを実行することができる。更に、MFDは、保存済みジョブの情報に基づいて、保存済みジョブを実行するように自らを自動的に構成してもよい。したがって、ユーザは、遠隔に配置されたMFDでジョブに関連付けられた異なるパラメータ又は機能の選択及び値の全てを再入力する必要はない。任意の遠隔に配置されたMFDで、クラウド内に記憶された保存済みジョブに容易にアクセスし、これを実行する能力は、より効率的なユーザ体験を提供することができる。
【0047】
図4は、本開示の遠隔に配置されたMFDから保存済みジョブを実行するための例示的な方法400のフローチャートを示す。一実施形態では、方法400の1つ以上のブロックは、AS104、MFD108、又は図5に示され、後述するような、MFDの動作を制御するコンピュータ/プロセッサによって実行され得る。
【0048】
ブロック402において、方法400は開始する。ブロック404において、方法400は、遠隔に配置されたMFDでユーザを認証する。例えば、ユーザは、ユーザが主にローカルMFDとやりとりするホームオフィス位置を有してもよい。ユーザは、遠隔に配置されたMFDを含む、異なる地理的位置、別の建物、別のオフィス位置などに一時的に移動することができる。遠隔に配置されたMFD及びローカルMFDは、「クラウド」の一部としてアプリケーションサーバ及び/又はデータベースを含む共通の通信ネットワークの一部であってもよい。
【0049】
一実施形態では、ユーザは、IDカードをスワイプしてもよいか、又は認証されるMFD上のユーザ名/パスワードの組み合わせを入力してもよい。ユーザは、遠隔に配置されたMFDによってローカルに認証されてもよいか、又はユーザ資格情報は、認証のためにクラウド内のアプリケーションサーバに送信されてもよい。
【0050】
一実施形態では、ユーザが遠隔に配置されたMFDで認証された後、個人向けホーム画面をディスプレイ上でユーザに対して提示することができる。個人向けホーム画面は、ローカルMFDで作成されたユーザが選択したアプリケーション及びメニューを含んでもよい。結果として、ユーザは、ユーザがログインし得る任意のMFD上の所望のアプリケーション及びファイルを容易に見つけることができる。
【0051】
ブロック406において、方法400は、アプリケーションサーバから保存済みジョブにアクセスする。一実施形態では、ユーザは、ローカルMFDでジョブを作成することができる。ジョブは、印刷ジョブ、文書を異なる受信者に送信するための電子メールジョブなどであってもよい。保存済みジョブは、画像データ及びメタデータを含み得る。画像データは、画像及び/又はテキストがどのように見えるべきかに関する情報を含んでもよい。メタデータは、遠隔MFDで選択され得る異なるパラメータに関する様々な設定及び値に関する情報を含んでもよい。例えば、パラメータは、色、輝度、仕上げオプション、用紙サイズ、ズーム率などを含んでもよい。
【0052】
一実施形態では、ユーザがジョブを作成した後、ジョブは、クラウド内に(例えば、アプリケーションサーバ内に)保存されてもよい。保存済みジョブは、遠隔に配置されたMFDによって理解され得るフォーマットで保存されてもよい。例えば、保存済みジョブは、PDLフォーマットで保存されてもよい。結果として、遠隔に配置されたMFDが保存済みジョブにアクセスするとき、ファイルの変換は必要ではない。
【0053】
ブロック408において、方法400は、保存済みジョブから得られたメタデータに基づいて、遠隔に配置されたMFDに関する複数のパラメータを設定する。例えば、保存済みジョブ内のメタデータを使用して、保存済みジョブを実行するように遠隔に配置されたMFDを自動的に構成することができる。別の言い方をすれば、ユーザは、遠隔に配置されたMFDのユーザインタフェース上で、アプリケーションサーバから保存済みジョブを単に選択することができる。保存済みジョブが選択された後、遠隔に配置されたMFDは、保存済みジョブを受信し、画像データ及びメタデータを読み出し、ジョブを実行するように自身を自動的に構成することができる。
【0054】
例えば、印刷ジョブの場合、遠隔に配置されたMFDは、ユーザによって選択され、メタデータに見出されるパラメータの全てを設定してもよい。遠隔に配置されたMFDは、印刷部数、用紙サイズ、画像に対する任意の調整(例えば、色、輝度、シェーディング、サイズ変更、ズームなど)、任意の縁取り、仕上げオプション(例えば、ステープル留め、3穴パンチ、穴パンチの位置、照合など)などを設定してもよい。別の言い方をすれば、ユーザが保存済みジョブを選択した後、ユーザは、別のボタンを押す必要がないか、又は保存済みジョブを実行するための任意の追加の選択を行う必要がない場合がある。
【0055】
一実施形態では、ユーザによって選択されたパラメータの一部が、遠隔に配置されたMFDで利用可能でない場合、MFDのディスプレイ又はユーザインタフェース上でユーザに通知を提示することができる。通知は、利用可能ではない機能若しくはパラメータ、及び/又は代替オプションを含んでもよい。例えば、画像データはカラー画像を必要とすることがあるが、遠隔に配置されたMFDは白黒でしか印刷できない場合がある。通知は、カラーが利用できないことを示し、ユーザに白黒で画像を引き続き印刷したいかを尋ねてもよい。
【0056】
別の例では、メタデータは、特定の用紙サイズを必要とすることがある。しかしながら、特定の用紙サイズは、遠隔に配置されたMFDでは利用できない場合がある。通知は、遠隔に配置されたMFD上の利用可能な紙サイズのリストを提供することができ、ユーザが、保存済みジョブを実行するために異なる用紙サイズを選択することを可能にし得る。
【0057】
ブロック410において、方法400は、遠隔に配置されたMFDで保存済みジョブを実行する。例えば、遠隔に配置されたMFDは、保存済みジョブの印刷、電子メールでの送信などを行うことができる。ブロック412において、方法400は終了する。
【0058】
図5は、本明細書に記載される機能を実行するための専用のコンピュータの高レベルのブロック図を示す。図5に示すように、コンピュータ500は、1つ以上のハードウェアプロセッサ要素502(例えば、中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサ、又はマルチコアプロセッサ)、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は読み出し専用メモリ(ROM)などのメモリ504、遠隔に配置されたMFDから保存済みジョブを実行するためのモジュール505、並びに様々な入出力デバイス506(例えば、テープドライブ、フロッピードライブ、ハードディスクドライブ、又はコンパクトディスクドライブを含むが、これらに限定されないストレージデバイス、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、音声合成装置、出力ポート、入力ポート、及びユーザ入力デバイス(キーボード、キーパッド、マウス、マイクロフォンなど))を含む。1つのプロセッサ要素のみが示されているが、コンピュータは、複数のプロセッサ要素を採用してもよいことに留意されたい。
【0059】
本開示は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むプログラマブルロジックアレイ(PLA)、若しくはハードウェアデバイス上に展開されたステートマシン、コンピュータ、又は任意の他のハードウェア等価物、例えば、上で考察される方法(複数可)に関連し、上記に開示した方法のステップ、機能、及び/又は動作を実行するハードウェアプロセッサを構成するために使用することができるコンピュータ可読命令を使用して、ソフトウェア及び/又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせで実装することができることに留意されたい。一実施形態では、遠隔に配置されたMFD(例えば、コンピュータ実行可能命令を含むソフトウェアプログラム)から保存済みジョブを実行するための、本モジュール又はプロセス505の命令及びデータは、メモリ504にロードされ、ハードウェアプロセッサ要素502によって実行されて、例示的方法400に関連して上述したようなステップ、機能、又は動作を実施することができる。更に、ハードウェアプロセッサが命令を実行して「動作」を行うときに、これはハードウェアプロセッサが直接的に動作を実行するかつ/あるいは動作を行う別のハードウェアデバイス又は構成要素(例えば、コプロセッサなど)を容易にする、それに指向する、あるいはそれと協働することを含むことができる。
【0060】
上記に説明した方法に関するコンピュータ読み取り可能又はソフトウェア命令を実行するプロセッサは、プログラムされたプロセッサ又は専門プロセッサとして認識されることができる。したがって、本開示の遠隔に配置されたMFD(関連するデータ構造を含む)から保存済みジョブを実行するための本モジュール505は、有形又は物理的(広範には非一時的)コンピュータ可読ストレージデバイス又は媒体、例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ROMメモリ、RAMメモリ、磁気若しくは光学ドライブ、デバイス若しくはディスケットなどに記憶することができる。より具体的には、コンピュータ読み取り可能記憶デバイスが、プロセッサ又はコンピュータ、アプリケーションサーバなどの計算デバイスによってアクセスされるデータ及び/又は命令などの情報を記憶する能力を提供する任意の物理的デバイスを含んでもよい。
【0061】
様々な上記に開示したもの並びに他の特徴及び機能の変形、又はそれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又はアプリケーションに組み合わされてもよいことが理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5