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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】応力検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/12 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
G01L1/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020562983
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(86)【国際出願番号】 JP2019047094
(87)【国際公開番号】W WO2020137374
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】P 2018248444
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】種子田 大幸
(72)【発明者】
【氏名】田見 憲一朗
(72)【発明者】
【氏名】小宮 実
【審査官】岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-241613(JP,A)
【文献】米国特許第6658942(US,B1)
【文献】特開平11-241955(JP,A)
【文献】特開平6-241920(JP,A)
【文献】米国特許第5007295(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/00- 1/26
G01L 5/00- 5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から荷重に応じた引張応力または圧縮応力によって変形する第1の磁歪部材と、
導電性材料を用いて形成され、前記第1の磁歪部材を巻回してなる第1の巻回部と、
を有する第1の検出部と、
前記第1の磁歪部材の磁歪定数とは異なる磁歪定数を有し、外部から荷重に応じた引張応力または圧縮応力によって変形する第2の磁歪部材と、
導電性材料を用いて形成され、前記第2の磁歪部材を巻回してなる第2の巻回部と、
を有する第2の検出部と、
を備え、
前記第1および第2の検出部は、圧縮応力または引張応力による透磁率の強さを電気的にそれぞれ検出し、互いに符号が反対の検出信号をそれぞれ出力する
ことを特徴とする応力検出装置。
【請求項2】
前記第1および第2の検出部は、直列接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の応力検出装置。
【請求項3】
前記第1の検出部は、圧縮応力による透磁率の強さを電気的に検出し、
前記第2の検出部は、引張応力による透磁率の強さを電気的に検出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の応力検出装置。
【請求項4】
前記第1の磁歪部材の磁歪定数と、前記第2の磁歪部材の磁歪定数とは、互いに符号が異なる
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の応力検出装置。
【請求項5】
前記第1および第2の検出部がそれぞれ出力する前記検出信号を差動増幅する信号処理部、
をさらに備えることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の応力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応力検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電車には、屋根上にある集電装置(パンタグラフ)が電車線と接し、この電車線から電気エネルギーが供給される。電車への給電を安定させるためには、電車線の張力が一定であることが望まれる。また、電車線は、温度や摩耗によってその張力が変化するため、バランサーによってその張力が一定になるように調整される。電車線の張力は、応力検出装置によって検出される(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1では、磁歪部の周囲に設けられたコイルによって透磁率の変化を検出し、検出した透磁率から張力を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-208320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、張力測定の精度向上のため、一層高精度に応力を検出することができる応力検出装置が望まれている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、応力を高精度に検出することができる応力検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる応力検出装置は、外部から荷重に応じた引張応力または圧縮応力によって変形する第1の磁歪部材と、導電性材料を用いて形成され、前記第1の磁歪部材を巻回してなる第1の巻回部と、を有する第1の検出部と、前記第1の磁歪部材の磁歪定数とは異なる磁歪定数を有し、外部から荷重に応じた引張応力または圧縮応力によって変形する第2の磁歪部材と、導電性材料を用いて形成され、前記第2の磁歪部材を巻回してなる第2の巻回部と、を有する第2の検出部と、を備え、前記第1および第2の検出部は、圧縮応力または引張応力による透磁率の強さを電気的にそれぞれ検出し、互いに符号が反対の検出信号をそれぞれ出力することを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる応力検出装置は、上記の発明において、前記第1および第2の検出部は、直列接続されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる応力検出装置は、上記の発明において、前記第1の検出部は、圧縮応力による透磁率の強さを電気的に検出し、前記第2の検出部は、引張応力による透磁率の強さを電気的に検出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる応力検出装置は、上記の発明において、前記第1の磁歪部材の磁歪定数と、前記第2の磁歪部材の磁歪定数とは、互いに符号が異なることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる応力検出装置は、上記の発明において、前記第1および第2の検出部がそれぞれ出力する前記検出信号を差動増幅する信号処理部、をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、応力を高精度に検出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施の形態にかかる応力検出装置の概略構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す応力検出装置の断面図である。
図3図3は、図1に示す応力検出装置における、応力の動線について説明する図である。
図4図4は、図1に示す応力検出装置の回路図である。
図5A図5Aは、磁歪定数が負の部材に、引張応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。
図5B図5Bは、磁歪定数が負の部材に、圧縮応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。
図6A図6Aは、磁歪定数が正の部材に、引張応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。
図6B図6Bは、磁歪定数が正の部材に、圧縮応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解し得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる応力検出装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1に示す応力検出装置の断面図である。図2は、図1に示す応力検出装置1の中心軸Nと平行、かつ該中心軸Nを通過する平面を切断面とする断面図である。以下、図1、2において、中心軸N方向の左側を一端、右側を他端として説明する。
【0015】
応力検出装置1は、応力検出時に一端が固定される第1部材2と、中心軸Nに沿って第1部材2と並べて設けられ、応力検出時に他端が計測対象に接続する第2部材3と、第1部材2、及び第2部材3の一部が挿通される筒状の第1磁歪部材4と、第2部材3が挿通される筒状の第2磁歪部材5と、第1磁歪部材4および第2磁歪部材5の外周に巻回されるコイル6とを備える。また、応力検出装置1には、コイル6に電源を供給する電源部30と、コイル6と電気的に接続する信号処理部40とが接続される。信号処理部40は、コイル6から取得した検出信号を処理することによって内部磁化による透磁率の強さや変化を算出し、算出結果を出力する。
【0016】
第1部材2は、例えば金属材料を用いて形成される。第1部材2は、中心軸N方向に延びる本体部21と、本体部21の一端に連なり、使用時(応力検出時)に固定される固定部22とを有する。本体部21の固定部22側の端部には、第1磁歪部材4と螺合するフランジ部211が形成されている。固定部22には、固定対象に係止する孔部22aが形成されている。
【0017】
第2部材3は、例えば金属材料を用いて形成される。第2部材3は、中心軸N方向に延びる第1本体部31と、第1本体部31の外周に設けられる第2本体部32と、第1本体部31とによって第2磁歪部材5を挟持する挟持部33と、第1本体部31の他端に連なり、使用時に検出対象が接続する固定部34とを有する。固定部34には、検出対象が係止される孔部34aが形成されている。
【0018】
第1本体部31の一端側の端部には、第2磁歪部材5に当接する第1フランジ部311が形成されている。
【0019】
第2本体部32は、筒状をなして延びる筒状部321と、筒状部321の一端側の端部に設けられ、該筒状部321の外周側に突出して第1磁歪部材4に当接する第2フランジ部322が設けられている。
また、第2本体部32には、中心軸N方向に貫通する第1貫通孔323と、中心軸Nと直交する方向に貫通する第2貫通孔324とが形成されている。
第1本体部31は、第1貫通孔323に挿通される。なお、図2では、第1部材2の一部が第1貫通孔323に挿入されているが、第1部材2の一部が第1貫通孔323に挿入されない構成としてもよい。第1部材2および第2部材3が、中心軸N方向に延在する観点で、第1部材2の一部が第1貫通孔323に挿入されている方が好ましい。
第1フランジ部311は、第2貫通孔324を経て第2本体部32の外部に延出する。
【0020】
挟持部33は、中空円柱状をなす。挟持部33の内周面には、筒状部321の螺合部321aと螺合する螺合部331が設けられている。挟持部33は、第1フランジ部311との間で第2磁歪部材5を挟持する。
【0021】
第1磁歪部材4は、磁歪材料を用いて形成される。第1磁歪部材4は、他端側に設けられ、内周側に突出する第1縮径部41と、一端側に設けられ、本体部21の螺合部211aと螺合する螺合部42とを有する。
【0022】
第2磁歪部材5は、第1磁歪部材4の磁歪定数と異なる磁歪定数を有する磁歪材料を用いて形成される。第2磁歪部材5は、一端側に設けられ、内周側に突出する第2縮径部51と、他端側に設けられ、内周側に突出する第3縮径部52とを有する。
第1磁歪部材4および第2磁歪部材5は、例えば磁歪特性を有していれば、軟磁性材料を用いて形成してもよい。
【0023】
コイル6は、導電性材料を用いて形成される。コイル6は、一端側に設けられ、第1磁歪部材4に巻回される第1巻回部6aと、他端側に設けられ、第2磁歪部材5に巻回される第2巻回部6bとを有する。
コイル6には、電源部30から電源が供給される。
また、コイル6は、信号処理部40と電気的に接続し、磁歪部材の内部磁化の変化(ここでは透磁率の強さ)を検出する検出信号を信号処理部40に出力する。
【0024】
応力検出装置1は、使用時(応力検出時)、第1部材2、第2フランジ部322、第1磁歪部材4および第1巻回部6aによって、引張応力による透磁率の強さを検出する引張応力検出部10を構成し、第2フランジ部322を除く第2部材3、第2磁歪部材5および第2巻回部6bによって、圧縮応力による透磁率の強さを検出する圧縮応力検出部20を構成する。引張応力検出部10および圧縮応力検出部20は、応力検出のための透磁率の強さを電気的に検出する検出部100を構成する。
【0025】
また、応力検出装置1は、使用時には、固定部22が電車のバランサー(図示せず)に固定され、固定部34が、電車線(図示せず)に接続される。
【0026】
図3は、図1に示す応力検出装置における、応力の動線について説明する図である。応力検出装置1に対して、固定部34に引張り荷重F(図2参照)が加わった場合、この荷重によって第1本体部31が引っ張られる。
この際、第1フランジ部311が、第2磁歪部材5の第2縮径部51に対し、他端側への荷重Y1を加える。このとき、第2縮径部51に加わる荷重(荷重Y1)によって、第3縮径部52が、挟持部33に他端側への荷重Y2を加える。
挟持部33に荷重(荷重Y2)が加わると、筒状部321が他端側に引っ張られ、第2フランジ部322も他端側に引っ張られる。この際、第2フランジ部322は、第1縮径部41に対し、他端側への荷重Y3を加える。
引張による荷重が加わっている際、荷重Y1に対し、第2縮径部51からの反力Y11が加わる。同様に、荷重Y2に対し、挟持部33からの反力Y21が加わり、荷重Y3に対し、第1縮径部41からの反力Y31が加わる。
このように、応力検出装置1では、上述した荷重によって、応力がかかる動線を、一本の動線Y10で表現することができる。
【0027】
コイル6が励磁している状態において、固定部34が引っ張られて、応力検出装置1に上述した荷重が加わると、第1磁歪部材4には引張応力が生じ、第2磁歪部材5には圧縮応力が生じる。これら引張応力および圧縮応力が生じると、第1磁歪部材4および第2磁歪部材5では、逆磁歪効果によって内部磁化の強さが変化する。応力検出装置1では、引張応力および/または圧縮応力による内部磁化の強さが検出される。本実施の形態において、引張応力検出部10および圧縮応力検出部20から出力される検出信号は、互いに符号が反対となっている。この検出信号には、伝送経路においてノイズが重畳することがあるが、このノイズは、引張応力検出部10からの検出信号、および圧縮応力検出部20からの検出信号において、互いに同じ符号となる。ここでいう符号は、検出値の正負のことをさす。
【0028】
図4は、図1に示す応力検出装置の回路図である。本実施の形態において、第1巻回部6aと第2巻回部6bとは、直列に接続される。第1巻回部6aと第2巻回部6bとの接続態様、および、上述したような応力がかかる動線(動線Y10)から、引張応力検出部10および圧縮応力検出部20は、直列接続されているといえる。
引張応力検出部10と圧縮応力検出部20とを直列接続することによって、各検出部(磁歪部材)にかかる応力を均等にすることができる。
【0029】
また、第1巻回部6aの第2巻回部6bに接続する側と反対側の端部と、第2巻回部6bの第1巻回部6aに接続する側と反対側の端部とは、それぞれ電源部30に接続するとともに、リファレンス抵抗R1、R2とそれぞれ接続する。
【0030】
信号処理部40は、少なくとも差動アンプを用いて構成される。本実施の形態において、信号処理部40は、符号が互いに反対の検出信号と、符号が同じノイズを含む信号が入力され、入力された信号を差動増幅処理する。符号(正負)が互いに反対の検出信号と、符号が同じノイズとが入力されることによって、伝送路において重畳されたノイズを打ち消し(減衰し)つつ、測定に用いるべき検出信号を増幅することができる。
信号処理部40または外部の演算装置において、差動増幅後の信号から求まる透磁率の変化(変化量または変化率)を用いて電車線の張力が測定される。測定された張力によって、電車線の張力を監視し、適切な張力に維持される。
【0031】
続いて、磁歪部材における内部磁化の変化について、図5A、5B、6A、6Bを参照して説明する。図5Aは、磁歪定数が負の部材に、引張応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。図5Bは、磁歪定数が負の部材に、圧縮応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。
【0032】
磁歪定数が負の部材200では、引張応力が生じると、内部磁化方向は、引張応力とは垂直な方向となる(図5A参照)。これに対し、部材200に圧縮応力が生じると、内部磁化方向は、圧縮応力に平行な方向となる(図5B参照)。磁歪定数が負の部材200としては、例えばニッケルが挙げられる。
【0033】
図6Aは、磁歪定数が正の部材に、引張応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。図6Bは、磁歪定数が正の部材に、圧縮応力がかかった場合の内部磁化方向を示す図である。
【0034】
磁歪定数が正の部材201では、引張応力が生じると、内部磁化方向は、引張応力に平行な方向となる(図6A参照)。これに対し、部材201に圧縮応力が生じると、内部磁化方向は、圧縮応力とは垂直な方向となる(図6B参照)。磁歪定数が正の部材201としては、例えば鉄が挙げられる。
【0035】
上述した第1磁歪部材4および第2磁歪部材5に採用する材料としては、保磁力が小さいものであることが好ましい。例えば、引張応力および圧縮応力に対する保磁力が磁歪定数の正負によって変わる場合、各応力に対して保磁力が小さくなる材料を組み合わせることが好ましい。例えば、磁歪定数の組み合わせとして、引張応力が加わる側を負の磁歪定数、圧縮応力が加わる側を正の磁歪定数とし、磁歪定数の符号が互いに異なる設定としてもよい。
【0036】
上述した実施の形態では、応力検出装置1において、引張応力による透磁率の変化を検出する引張応力検出部10と、圧縮応力による透磁率の変化を検出する圧縮応力検出部20とを設け、信号処理部40の作動増幅処理によって透磁率の変化を出力する構成とした。本実施の形態は、ノイズを除去しつつ、引張応力および圧縮応力による透磁率の変化を、利得を増大させたものとして取得できる。本実施の形態によれば、応力を高精度に検出することができる。
【0037】
また、上述した実施の形態によれば、第1部材2、第2部材3、第1磁歪部材4および第2磁歪部材5を金属材料で形成することによって、例えば従来のロードセルと比して、応力検出装置1の耐久性を向上することができる。
【0038】
また、上述した実施の形態によれば、応力検出装置1は、金属加工によって形成される簡易な構造であるため、製造に特殊な加工を必要としない。このため、同等の性能を有する装置と比して、安価に製造することが可能である。
【0039】
なお、上述した実施の形態では、圧縮応力を検出する検出部と、引張応力を検出する検出部との、互いに異なる応力を検出する二つ検出部を有する構成を説明したが、検出部の構成はこれに限らない。例えば、二つの検出部が、引張応力をそれぞれ検出する構成としてもよいし、圧縮応力をそれぞれ検出する構成としてもよい。また、検出部の数は二つに限らず、三つ以上有する構成としてもよい。検出部を三つ以上有する構成の場合、各検出部が検出する応力は、圧縮応力および引張応力のいずれに設定してもよい。この際、各検出部の磁歪部材が有する磁歪定数は、互いに異なる。
【0040】
また、上述した実施の形態では、圧縮応力検出部と引張応力検出部とが直列に接続されている例を説明したが、圧縮応力検出部と引張応力検出部とを並列に接続した構成としてもよい。
【0041】
また、上述した実施の形態では、圧縮応力検出部の検出結果(信号)と、引張応力検出部の検出結果(信号)とを差動増幅処理する例を説明したが、いずれか一方の検出結果を出力対象に採用する構成としてもよい。一方の検出結果を採用する場合、信号処理部40は、増幅アンプとは異なる演算回路によって構成され、例えば、ノイズレベルが小さい方の検出結果を採用して出力する。
【0042】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含みうるものであり、請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。上述した実施の形態では、電車線の張力を検出(測定)する例を説明したが、その他、線材の張力を測定する測定対象に対して応力検出装置1を採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、本発明に係る応力検出装置は、応力を高精度に検出するのに好適である。
【符号の説明】
【0044】
1 応力検出装置
2 第1部材
3 第2部材
4 第1磁歪部材
5 第2磁歪部材
6 コイル
6a 第1巻回部
6b 第2巻回部
21 本体部
22、34 固定部
30 電源部
31 第1本体部
32 第2本体部
33 挟持部
40 信号処理部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B