(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】携帯用医療機器の輸送、ドック保持およびデスクトップ配置のためのハンドルシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20240110BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
A61B8/00
G06F1/16 312E
G06F1/16 312J
G06F1/16 313A
(21)【出願番号】P 2021510069
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(86)【国際出願番号】 US2019047904
(87)【国際公開番号】W WO2020041701
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-05-26
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519019791
【氏名又は名称】フジフイルム ソノサイト インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ナリー パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ピンチ マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ディッケンソン ケン
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-023007(JP,A)
【文献】特開2010-012226(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0001413(US,A1)
【文献】特開2002-368443(JP,A)
【文献】特開2010-057887(JP,A)
【文献】特開2010-012227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波イメージングシステムであって、
支持体と、
前記支持体に動作可能に取り付けられるように構成された携帯用超音波デバイスであって、前記携帯用超音波デバイスは第一の位置と第二の位置との間で可動である運搬用ハンドルを有し、前記携帯用超音波デバイスが前記支持体に動作可能に取り付けられている場合、
前記携帯用超音波デバイスを前記支持体に固定するために前記第一の位置から前記第二の位置までの前記ハンドルの動きが前記ハンドルを前記支持体に嵌合させ、
前記携帯用超音波デバイスを前記支持体から取り外すことを可能にするために前記第二の位置から前記第一の位置までの前記ハンドルの動きが前記支持体から前記ハンドルを解除する、
携帯用超音波デバイスと、
を備え、
前記第一の位置は第一のハンドル位置にあり、前記第二の位置は第二のハンドル位置にあり、
前記支持体は嵌合部材および解放部材を有するラッチ機構を含み、
前記第一のハンドル位置から前記第二のハンドル位置までの前記ハンドルの回転が、前記ハンドルを前記ラッチ機構と嵌合させ、前記ハンドルが前記第二のハンドル位置から前記第一のハンドル位置まで回転することを防ぐために前記支持体に動作可能に取り付けられた前記携帯用超音波デバイスを用いて前記嵌合部材を作動させ、
第一の解放部材位置から第二の解放部材位置までの前記解放部材の動きにより、前記ハンドルを解除し、前記ハンドルが前記第二のハンドル位置から前記第一のハンドル位置まで回転することを可能にするために前記嵌合部材を格納する、
超音波イメージングシステム。
【請求項2】
前記支持体および前記運搬用ハンドルのうち少なくとも一つは嵌合機能を含み、前記携帯用超音波デバイスが前記支持体に動作可能に取り付けられている場合、前記ハンドルを前記第二の位置に拘束するために前記第一の位置から前記第二の位置までの動きが前記嵌合機能を自動的に作動させる、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項3】
前記支持体および前記運搬用ハンドルのうち少なくとも一つはラッチ機構を含み、前記携帯用超音波デバイスが前記支持体に動作可能に取り付けられている場合、前記ハンドルを前記第二の位置に拘束するために前記第一の位置から前記第二の位置までの前記ハンドルの動きが前記ラッチ機構を自動的に作動させる、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項4】
前記支持体、前記携帯用超音波デバイス、および前記運搬用ハンドルのうち少なくとも一つは前記ハンドルが前記第二の位置から前記第一の位置まで回転することを防ぐために前記ハンドルが前記第一の位置から前記第二の位置まで回転するときに前記ハンドルを前記支持体に自動的にラッチするための手段を含み、
前記支持体、前記携帯用超音波デバイス、および前記運搬用ハンドルのうち少なくとも一つは前記ハンドルが前記第二の位置から前記第一の位置まで回転することを可能にするためにラッチするための前記手段を手動で解放するための手段を含む、
請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項5】
前記携帯用超音波デバイスはクラムシェル構成において下側部分に枢動可能に結合された上側部分を含み、前記上側部分はディスプレイを含み、前記上側部分はユーザが前記ディスプレイを見るために前記下側部分から離れて回転する、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項6】
前記ハンドルに動作可能に接続されたセンサをさらに備え、前記センサは前記ハンドルが前記超音波デバイスの使用前に前記第二の位置にない場合に警報を提供するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項7】
前記携帯用超音波デバイスは、
後縁部分と反対側の前縁部分を有するベースと、
前記後縁部分に近接する前記ベースに枢動可能に結合されたディスプレイスクリーンと、
を含み、
前記運搬用ハンドルは前記後縁部分に近接する前記ベースに枢動可能に結合され、
前記ハンドルは前記ベースに対して第一の位置から第二の位置まで回転可能であり、
支持体は後縁部分と反対側の前縁部分を有し、前記支持体は、
前記支持体の前記前縁部分と前記後縁部分との間に配置された凹部であって、前記凹部は前記第一の位置に前記ハンドルがある前記ベースを受けるように構成される、凹部と、
前記支持体の前記後縁部分に近接する少なくとも一つのラッチであって、前記第一の位置から前記第二の位置までのハンドルの回転は前記携帯用超音波デバイスを前記支持体に固定するために前記ハンドルを前記ラッチと自動的に嵌合させる、少なくとも一つのラッチと、
をさらに含む、請求項1に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項8】
前記ハンドルは前記携帯用超音波デバイスの前記後縁部分に平行に延在する軸に関して回転可能である、請求項7に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項9】
前記ベースは平面を画定する下面を含み、
前記第一の位置において、前記ハンドルは前記平面から第一の距離だけ離隔され、
前記第二の位置において、前記ハンドルは前記平面から前記第一の距離よりも大きい第二の距離だけ離隔される、
請求項7に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項10】
前記第二の位置において、前記ハンドルは前記平面に対して傾斜する、請求項9に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項11】
前記ハンドルは前記第一の位置から前記第二の位置まで移動する際に45度から125度の角度で回転する、請求項7に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項12】
前記支持体は床に配置するように構成されたベースを含む、請求項7に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項13】
支持体は壁に取り付けるように構成されたベースを含む、請求項7に記載の超音波イメージングシステム。
【請求項14】
超音波イメージングシステムであって、
支持体と、
前記支持体に動作可能に取り付けられるように構成された携帯用超音波デバイスであって、前記携帯用超音波デバイスは第一の位置と第二の位置との間で可動である運搬用ハンドルを有し、前記携帯用超音波デバイスが前記支持体に動作可能に取り付けられている場合、
前記携帯用超音波デバイスを前記支持体に固定するために前記第一の位置から前記第二の位置までの前記ハンドルの動きが前記ハンドルを前記支持体に嵌合させ、
前記携帯用超音波デバイスを前記支持体から取り外すことを可能にするために前記第二の位置から前記第一の位置までの前記ハンドルの動きが前記支持体から前記ハンドルを解除する、
携帯用超音波デバイスと、
を備え、
前記運搬用ハンドルは少なくとも一つの突起を含み、
前記支持体は、
前記ハンドルが前記第一の位置から前記第二の位置まで回転するときに前記ハンドルを受けるように構成された凹部と、
前記凹部に近接して動作可能に配置されたラッチ部材を有する少なくとも一つのラッチ機構と、
を含み、
前記ハンドルの前記第一の位置から前記第二の位置までの回転は、
前記突起が前記ラッチ部材を通過し、前記ラッチ部材が延在する位置に戻ることおよび前記突起が前記凹部から移動するのを阻止することを可能にする前に、前記突起により前記ラッチ部材を
前記延在する位置から格納する位置まで押し下げ、
前記ラッチ機構は前記延在する位置および前記格納する位置のうち少なくとも一つにおいて前記ラッチ部材を選択的にロックするように動作可能なロック機能をさらに含む、
超音波イメージングシステム。
【請求項15】
クラムシェル構成において下側部分に枢動可能に結合された上側部分を有する携帯用医療機器を操作するための方法であって、
前記携帯用医療機器の運搬用ハンドルを第一の位置に配置することと、
前記第一の位置にある前記ハンドルを用いて、前記携帯用医療機器を支持体に動作可能に配置することと、
前記ハンドルを前記支持体にしっかりと固定し、前記携帯用医療機器が前記支持体から取り外されるのを防ぐために、前記ハンドルを前記第一の位置から第二の位置まで回転させることと、
を含み、
前記第一の位置は第一のハンドル位置にあり、前記第二の位置は第二のハンドル位置にあり、
前記支持体は嵌合部材および解放部材を有するラッチ機構を含み、
前記第一のハンドル位置から前記第二のハンドル位置までの前記ハンドルの回転が、前記ハンドルを前記ラッチ機構と嵌合させ、前記ハンドルが前記第二のハンドル位置から前記第一のハンドル位置まで回転することを防ぐために前記支持体に動作可能に取り付けられた前記携帯用医療機器を用いて前記嵌合部材を作動させ、
第一の解放部材位置から第二の解放部材位置までの前記解放部材の動きにより、前記ハンドルを解除し、前記ハンドルが前記第二のハンドル位置から前記第一のハンドル位置まで回転することを可能にするために前記嵌合部材を格納する、
方法。
【請求項16】
前記ハンドルの前記第一の位置から前記第二の位置までの回転の後に、前記上側部分を前記下側部分から離して回転させることにより前記携帯用医療機器を使用するために開くことをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ハンドルを前記支持体にしっかりと結合させることの後に、前記ハンドルを前記支持体から解除するために前記ハンドルを前記第二の位置から前記第一の位置まで回転させることと、
前記ハンドルを用いて前記携帯用医療機器を前記支持体から離して運搬することと、
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ハンドルを前記支持体から解除するために前記ハンドルを前記第二の位置から前記第一の位置まで回転させる前に前記ラッチ機構を手動で解除することをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示技術は一般にスタンドまたはウォールユニットに動作可能に取り付けることのできる携帯用医療機器およびシステムに関し、特には、本開示技術は超音波イメージングデバイスおよび他の医療機器の輸送、ドック保持、およびデスクトップ配置のためのハンドルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波イメージングシステム等の携帯用医療機器は「ゼロフットプリントアーム(zero footprint arm)」等の床に取り付けられたスタンドまたは壁に取り付けられた構造にドッキングされているときにしばしば使用される。可動スタンドおよびゼロフットプリントアームは例えば、手術室または他の病院環境での処置の間にイメージングシステムを有利に配置することができるように可動域を提供することができる。加えて、そのような取付け構造はまたイメージングデバイスを再充電するための電気的接続を提供することができる。スタンドまたはアームに取り付けることに加えて、多くのイメージングシステムは持ち運び可能であり、取付け構造から容易に取り外して例えば通常の病院環境以外の場所での診断検査を実行するために他の場所に手で運ぶことができる。
【0003】
従来のイメージングデバイスは典型的に使用のためにイメージングデバイスを支持構造(例えば、床スタンド)に固定するため、支持構造上にラッチまたは同様のデバイスを含む。しかしながら、この方法の一つの欠点はラッチの位置および動作がユーザに容易に明らかでない可能性があり、その結果、ユーザは使用前にデバイスを適切に固定することに不注意で失敗する可能性があることである。これにより支持構造の回転または他の動きの間にデバイスが落下するか、そうでなければ変位する可能性が生じる。したがって、構造に適切に取り付けられた当然の結果として、スタンドまたは他のドッキング構造に自動的に、またはそうでなければ容易に固定することのできる携帯用超音波イメージングシステムおよび他の携帯用医療機器を提供することが有利であろう。さらに、そのようなシステムに、スタンドから迅速かつ容易に切り離して診断または他の処置のために例えばデスクトップまたは他の表面で使用するために別の場所に手で運ぶ能力を提供することも有利であろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】本技術の実施形態に従って構成された携帯用超音波イメージングデバイスおよび対応する支持構造を有する超音波イメージングシステムの一連の等角図である。
【
図1B】本技術の実施形態に従って構成された携帯用超音波イメージングデバイスおよび対応する支持構造を有する超音波イメージングシステムの一連の等角図である。
【
図1C】本技術の実施形態に従って構成された携帯用超音波イメージングデバイスおよび対応する支持構造を有する超音波イメージングシステムの一連の等角図である。
【
図2A】
図2Aは二つの異なる位置にあるデバイスのハンドルを備えた
図1A-
図1Cの携帯用超音波イメージングデバイスの上部背面等角図である。
【
図2B】
図2Bは二つの異なる位置にあるデバイスのハンドルを備えた
図1A-
図1Cの携帯用超音波イメージングデバイスの上部背面等角図である。
【
図2C】
図2Cはハンドルに関連付けられた所定の特徴をよりよく説明するために背面パネルが取り外された状態の、デバイスの上部背面等角図である。
【
図2D】
図2Dは本技術の実施形態に従って構成されたデバイスの下部前面等角図である。
【
図3】本技術の実施形態に従って構成された
図1A-
図1Cからのスタンドヘッドの下部背面等角図である。
【
図4A】
図4Aは本技術の実施形態に従って構成された第一のラッチ機構を示す
図3のスタンドヘッドの一部の拡大された下部背面等角図である。
【
図4B】
図4Bはそれぞれ説明のためにスタンドヘッドハウジングが取り外された状態のラッチ機構の上部背面等角図である。
【
図4C】
図4Cはそれぞれ説明のためにスタンドヘッドハウジングが取り外された状態のラッチ機構の断面上部背面等角図である。
【
図5】本技術の実施形態に従って構成された第二のラッチ機構を示す
図3のスタンドヘッドの別の部分の拡大された下部背面等角図である。
【
図6B-6C】
図6Bおよび
図6Cは
図5の第二のラッチ機構を備えたイメージングデバイスハンドルの嵌合を示す拡大された断面側面図である。
図6Dは本技術の実施形態による
図3-
図5の第一および第二のラッチ機構と嵌合するイメージングデバイスハンドルの部分的に切り取られた背面図である。
【
図6D】
図6Dは本技術の実施形態による
図3-
図5の第一および第二のラッチ機構と嵌合するイメージングデバイスハンドルの部分的に切り取られた背面図である。
【
図7】本技術の実施形態に従って構成された携帯用超音波イメージングシステムを使用する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
以下の開示は、携帯用超音波イメージングデバイスおよび他の医療機器のドック保持、輸送およびデスクトップ配置のためのシステムおよび関連する方法の様々な実施形態を説明する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の携帯用超音波イメージングデバイスは異なる構成において異なるタイプのユーザが容易に使用できるようにする持ち運び用ハンドルおよび他の特徴を含む。例えば、いくつかの構成では、デバイスは処置の間に使用するために病室または同様の環境において可動床スタンドまたは壁に取り付けられたアームにドッキングすることができる。別の構成では、デバイスのドッキングを容易に解除し、それを必要とする別の場所へ運び、使用するために事実上あらゆる水平面に設置することができる。
【0006】
以下でより詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、デバイスは上記の機能性の多くを提供する可動ハンドルを含む。例えば、携帯用デバイスをデスクトップまたは他の平面に設置する場合、デバイスの後部を持ち上げるためのハンドルを配置することができる。デバイスがクラムシェル配置で制御パネルに枢動可能に接続されたディスプレイスクリーンを含む実施形態では、前述の方法でデバイスの背面部を高くすることによりユーザは制御パネルに人間工学的にアクセスできるようになり、ディスプレイスクリーンを見ることが容易になる。さらに、いくつかの実施形態では、少なくともデバイスの背面部を取付け面より高くすることにより、対流冷却を容易にし、内部電気部品(例えば、CPU、GPU等)の熱性能を改善する空間を作ることができる。さらなる実施形態では、デバイスはまたハンドルを支持構造上の一または二以上の嵌合機能(例えば、ラッチ)と自動的に嵌合させるために単にハンドルを再配置(例えば、回転)することによりスタンドヘッドまたは他の支持構造にしっかりと取り付けることができる。
【0007】
本技術の実施形態は超音波イメージングシステムの文脈で本明細書に記載されているが、当該技術分野の当業者は他の医療機器(例えば、患者モニタ、除細動器、EKGマシン、ラップトップコンピュータ、タブレット、モバイルデバイス等)および/または固定可能なドッキングシステムを必要とする他のデバイスで使用できることを理解されるであろう。したがって、特に明記しない限り、本明細書に記載のシステムおよび方法は超音波イメージングシステムでの使用に限定されない。
【0008】
本技術の様々な実施形態の完全な理解を提供するために所定の詳細が以下の説明および
図1A-
図7に示されている。他の例では、超音波イメージングシステムおよび他の医療機器にしばしば関連付けられる周知の構造、材料、動作および/または構成要素は、本技術の様々な実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために以下の開示において詳細に示されないか、または説明されない。しかしながら、当業者は、本技術が本明細書に記載の詳細のうち一または二以上によらずに、または他の構造、方法、構成要素等により実施できることを認識されるであろう。以下で使用される用語は、本技術の実施形態の所定の例の詳細な説明と併せて使用されている場合であっても、最も広く合理的な方法で解釈されるべきである。確かに所定の用語は以下で強調されることさえあるが、あらゆる制限された方法で解釈されることを意図した任意の用語はこの詳細な説明のセクションでそのように明確かつ具体的に定義される。
【0009】
添付図面は本技術の実施形態を描写しており、その範囲を限定することを意図するものではない。様々な描写される要素の大きさは必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、これらの様々な要素は読みやすさを改善するために任意に拡大され得る。構成要素の詳細は、本発明をどのように作成し、使用するかについての完全な理解のためにそのような詳細が必要でない場合、構成要素の位置およびそのような構成要素間の所定の正確な接続等の詳細を除くために図においては抽象化され得る。
【0010】
図に示されている詳細、寸法、角度および他の特徴は本開示の特定の実施形態の単なる例示である。したがって、他の実施形態は本発明の精神または範囲から逸脱することなく他の詳細、寸法、角度および特徴を有することができる。さらに、当業者は本発明のさらなる実施形態が以下で説明される詳細のうちいくつかによらずに実施できることを理解されるであろう。図においては、同一の参照番号は同一の、または少なくとも一般的に類似した要素を識別する。任意の特定の要素についての議論を容易にするために、参照番号の最上位桁は通常、その要素が最初に導入された図を指す。例えば、要素110は
図1に最初に導入され、また
図1を参照して論じられている。
【0011】
図1Aは、本技術の実施形態による、支持構造120に固定可能にドッキングすることのできる携帯用超音波イメージングデバイス110を有する超音波イメージングシステム100の部分的に分解された等角図である。
図1Bは、携帯用超音波イメージングデバイス110が支持構造120にドッキングされ、対応するデバイスハンドル112が固定されていないかまたはロック解除された位置にある同様の等角図であり、
図1Cは、ユーザが見るためのディスプレイ124を配置するために携帯用超音波イメージングデバイス110が開かれた対応する等角図である。最初に
図1Aを参照すると、示される実施形態では、支持構造120は、携帯用超音波イメージングデバイス110を動作可能に受け、しっかりと保持するように構成されたスタンドヘッド130を有するスタンドである。(参照を容易にするために、携帯用超音波イメージングデバイス110を本明細書において「超音波デバイス110」、「デバイス110」等と呼ぶことがある。)スタンドヘッド130は支持体150(例えば、垂直部材)に取り付けられ、支持体150は次にベース140に取り付けられる。示される実施形態では、ベース140はスタンド120に可動性を提供するためにキャスター118を含むことのできる複数の外向きに延びる脚部を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、スタンドヘッド130は支持体150の上部に枢動可能に結合することができるため、デバイス110の使用を容易にするために(矢印Rで示されるような)様々な角度で配置する(例えば、手動で配置する)ことができる。他の実施形態では、スタンドヘッド130はスタンド120の残りの部分に対して固定することができる。前述の特徴に加え、いくつかの実施形態では、スタンド120はまたイメージングデバイス110の使用を容易にし得る様々なアタッチメント、容器、構成要素等を含むことができる。そのような特徴は、例えば電力ストレージデバイス(例えば、バッテリー)、使い捨てハンドワイプ用のディスペンサ、手袋等、および/または他の有用なアイテムを含み得る。支持構造120は可動床スタンドであるが、本明細書に記載のハンドルシステムおよびその様々な実施形態は床スタンドでの使用に限定されるものではなく、したがって、壁に取り付けられた支持構造(例えば、ゼロフットプリントアーム)だけでなく他の可動式および固定式の床または壁に取り付けられた支持構造を含む事実上任意のタイプの支持構造で使用することができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、スタンドヘッド130はデバイス110を受けるように形成およびサイズ設定される凹部132を含む。スタンドヘッド130はまた凹部132に配置されたコネクタ134を含むことができる。コネクタ134は例えば、デバイス110の底面に設置された対応するコネクタ(
図1Aには示されていない)と嵌合して動作および/または再充電のためにデバイス110に電力を供給する、マルチピンコネクタとすることができる。スタンドヘッド130はまたその反対側に近接する凹部132の前縁部分から後方に突出する第一のタブ136aおよび第二のタブ136bを含むことができる。
【0014】
以下でさらに詳細に説明されるように、本技術のいくつかの実施形態に従ってイメージングデバイス110をスタンドヘッド130にしっかりと取り付けるため、
図1Aに示されるように、ハンドル112はデバイス110の後縁部分から外向きに延びるように最初に配置される。次に、デバイス110の前縁部分は、タブ136a、bがイメージングデバイス110の底面に近接する対応するソケット(
図1Aには図示されていない)に受けられるように凹部132に配置される。次にイメージングデバイス110は、
図1Bに示されるように、それが凹部132に受けられるまでスタンドヘッド130に向かって下向きに回転される。いくつかの実施形態では、凹部132はスタンドヘッド130上のコネクタ134がイメージングデバイス110の下面上の対応するコネクタと正確に嵌合するように、適切なアライメントで受けるように形成およびサイズ設定される。
図1Bに示されるように、イメージングデバイス110がスタンドヘッド130に取り付けられると、ハンドル112を下向きに回転させ、例えば一または二以上のラッチ機構の操作によりスタンドヘッド130にしっかりと嵌合させることができる。
【0015】
図1Cに移ると、示される実施形態では、イメージングデバイス110はクラムシェル配置で底部または下側部分116に枢動可能に結合された上側部分114を含む。この配置により、上側部分114を下側部分から離れるように回転させ、従来の方法でイメージングデバイス110を開くことが可能になる。下側部分116は、例えば、キーパッド、タッチスクリーン、および/または従来の方法でのユーザによるイメージングデバイス110の動作のための他の機能および制御を有する制御パネル122を含むことができ、上側部分114はユーザが見るための対応する超音波画像を表示するためのモニタまたはディスプレイ124(例えば、LCDスクリーン)を含むことができる。
【0016】
図2Aは、本技術の実施形態による、ハンドル112が上側の位置(本明細書において「解除位置」とも呼ばれ得る)にあるイメージングデバイス110の上部背面の等角図であり、
図2Bは、本技術の実施形態による、ハンドル112が下側の位置(本明細書において「嵌合位置」とも呼ばれ得る)にあるイメージングデバイス110の同様の図である。
図2Aに示されるように、示される実施形態では、上側部分114は上側ハウジング215を含み、下側部分
116は背面パネル210を有する下側ハウジング211を含む。上側ハウジング215は背面パネル210に横方向に隣接して延在するヒンジ213により下側ハウジング211に枢動可能に結合されている。ハンドル112はイメージングデバイス110の下側部分
116に枢動可能に結合された第一の端部230aおよび第二の端部230bを含む。いくつかの実施形態では、ハンドル112はDeirin(登録商標)、Tritan(登録商標)、および/または当該技術分野で知られる、他の適切に強く、耐久性のあるプラスチック材料から作成することができ、下側ハウジング211および上側ハウジング215は鋳造マグネシウム、アルミニウム等の金属鋳造物から作成することができる。他の実施形態では、ハンドル112および/または上側および下側ハウジング211および215は当該技術分野で知られる他の好適な材料から作成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ハンドル112は金属鋳造物(例えば、アルミニウム鋳造物)から作成することができ、上側および下側ハウジング211および215は射出成形プラスチックから作成することができる。
【0017】
ユーザは容易にハンドル112を握り、イメージングデバイス110を例えばスタンドヘッド130(
図1A-
図1C)から例えばデスクトップまたは他の水平面上で使用するための別の場所に輸送することができる。いくつかの実施形態では、水平面上でイメージングデバイス110を動作させる前に、ハンドル112を
図2Aに示される上側位置から
図2Bに示される下側位置まで下向きに回転させることができる。ハンドル112を下げた状態でデスクトップまたは他の水平面にイメージングデバイス110を設置することによりイメージングデバイス110の背面部を表面から持ち上げるスタンドが提供される。これにより、動作中にデバイスから離れて空気をデバイス110により生成される熱に変換することを可能にすることのできるイメージングデバイス110の下の空間が提供される。さらに、前述の方法でイメージングデバイス110の平面部分を上向きに角度を付けることで、ユーザによる操作のために好適な方向で制御パネル122(
図1C)を配置することができる。さらに、いくつかの実施形態では、イメージングデバイス110は、ハンドル112の位置を検出し、イメージングデバイス110の使用前にハンドル112が
図2Bの下側の位置にない場合には警報信号を提供するセンサ(例えば、接触スイッチ、近接スイッチ等;図示されていない)を含むことができる。そのような信号は、例えば、センサに接続されたインジケータライトにより提供される視覚信号、および/またはブザーもしくは他の聴覚デバイスにより提供される可聴信号を含むことができる。信号はまたイメージングデバイス110の使用前にディスプレイ124を介して提供されるテキストメッセージとすることができる。そのような警報の一つの利点は、デスクトップまたは他の表面上のイメージングデバイス110の使用前にハンドル112が下側の位置にある可能性を増加させ、それにより動作中にデバイス110の背面部分をより好適な提供のために高くすることができることである。さらに、警報は、デバイス110が使用中にスタンドヘッド130から不注意でノックオフされる可能性のある、スタンドヘッド130に取り付けられたときにハンドル112が下側の位置にロックされていない、という事実をユーザに警告することができる。さらに別の実施形態では、センサはハンドル112が任意の所与の時間で扱うには熱すぎる場合にユーザに警告することができる。
【0018】
図2Cは、ハンドル112に関連付けられた様々な特徴を例示する目的で背面パネル210(
図2A)が下側ハウジング211から取り外された状態のイメージングデバイス110の一部の拡大された背面等角図である。
図2Cでは、ハンドル112は
図2Aにも示されるように上側の位置にある。示される実施形態では、ハンドル112の第一の端部230aはヒンジブラケット214により所定の位置に保持されるピボットピン217によりイメージングデバイス110の下側部分116に枢動可能に結合される。いくつかの実施形態では、ハンドル112はピボットピン217から同等の半径方向距離にある第一の戻り止め224aおよび第二の戻り止め224bを含むことができる。戻り止め224a、bはヒンジブラケット214のボア220内に動かせるように配置されたボール218(例えば、ボールベアリング)を受けるように構成されたハンドル112の表面の球形のくぼみとすることができる。ボール218はバイアス部材222(例えば、コイルスプリング)によりハンドル112の外面に対してバイアスされる。動作中、バイアス部材222は、ハンドル112とイメージングデバイス110の下側部分116との間の比較的小さな「傾斜」または相対的な動きでハンドル112を上側の位置にしっかりと保持するために、ボール220を第二の戻り止め224bに押し込むように促す。しかしながら、ユーザがハンドル112を
図2Bに示される下側の位置に移動させたい場合、ユーザはハンドル112に下向きの力を加えてバイアス部材222に打ち勝つことができ、それによりボール218をボア220内に格納し、ハンドル112を下向きに回転させることができる。ハンドル112が下側の位置に到達すると、ユーザにより操作されるまでこの位置でハンドルを保持するためにボール218を第一の戻り止め224aに落とす。
【0019】
ハンドル112(
図2A)の反対側の第二の端部230bは
図2Cを参照して上述された構成要素と少なくとも一般的に構造および機能が類似するハードウェアを使用して下側部分116に枢動可能に結合することができる。すなわち、第二の端部230bは第二のピボットピン217および第二のヒンジブラケット214により下側部分116に枢動可能に結合することができる。さらに、第二の端部230bはまたユーザに選択されるように、ハンドル112を上側または下側の位置に解放可能に保持するために
図2Cに示されるボール/戻り止めの組合せを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、ハンドル112またはスタンドヘッド130のうち少なくとも一つはハンドル112が
図2Bに示される下側の位置にある場合にイメージングデバイス110をスタンドヘッド130に固定するための嵌合機能を含むことができる。例えば、示される実施形態では、ハンドル112の第一の端部230aはそこから外向きに突出する第一の突起212aを含み、第二の端部230bは反対方向でそこから外向きに延在する第二の突起212b(
図2Cには示されていない)を含む。(突起212a、bはまた「こぶ(nubs)」、「隆起(protuberances)」、「スタッド(studs)」と呼ばれることもある。)突起212a、bは、例えば、約0.1インチから約0.5インチ、または約0.25インチの距離でハンドル112から外向きに突出する円柱形状を有することができる。以下でさらに詳細に説明するように、ハンドル112が
図2Bに示される下側の位置に手動で下向きに回転される際に突起212がスタンドヘッド130上の対応する特徴(例えば、ラッチ機構)を嵌合させ、それによりイメージングデバイス110をスタンドヘッド130に「ロック」するように構成することができる。
【0021】
図2Dは、本技術の実施形態に従って構成された、イメージングデバイス110の下部前面等角図である。いくつかの実施形態では、下側ハウジング211は底面部分234に隣接する前面部分236を含む。前面部分236はその反対側に向かって配置された第一のソケット232aおよび第二のソケット232bを含む。以下でさらに詳細に説明するように、ソケット232a、bはイメージングデバイス110がスタンドヘッド130にドッキングされる際にスタンドヘッド130上の対応するタブ136a、b(
図1A)を受けるように構成される。イメージングデバイス110の下側部分116は凹部226に配置されたコネクタ228(例えば、マルチピンコネクタ)をさらに含む。
図1Aを参照して前述し、また以下でさらに詳細に説明するように、コネクタ228はイメージングデバイス110がスタンドヘッド130に取り付けられる際にスタンドヘッド130上のコネクタ134と嵌合するように構成される。
【0022】
図3は、スタンドヘッド130の下部背面等角図であり、説明の目的でスタンドヘッド130がスタンド120の残りの部分とは別に示されている。示されている実施形態では、スタンドヘッド130は互いに嵌合する上側部分342aおよび下側部分342bを有するハウジング340を含む。上側および下側部分342a、bは切欠きまたは凹部346を有するスタンドヘッド130の背面端部を画定する。凹部346はイメージングデバイス110がスタンドヘッド130の凹部132に配置され、ハンドル112が
図2Bに示される下側位置に下向きに回転されるときにハンドル112を受けるように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジング340の上側および下側部分342a、bはダイカストアルミニウム等の鋳造金属から製造することができる。他の実施形態では、上側および下側部分342a、bは、他の金属およびプラスチック材料、例えば射出成形プラスチック材料を含む、当該技術分野で知られる他の好適な材料から製造することができる。
【0023】
示されている実施形態では、スタンドヘッド130は第一の端部355aの下から凹部346の一方の側に配置された第一のラッチ機構350a、および第二の端部355bの下から凹部346の反対側に配置された第二のラッチ機構350bを含む。第一のラッチ機構350aは第一の解放部材354(例えば、ノブ)に動作可能に結合された第一のラッチ部材352aを含み、第二のラッチ機構350bは第二の解放部材(例えば、スライド可能なボタン)に動作可能に結合された第二のラッチ部材352bを含む。以下でさらに詳細に説明するように、ラッチ機構350a、bは、ハンドル112が
図2Bに示される下側の位置に下向きに回転される際にハンドル112(
図2C)上の突起212a、bとそれぞれ自動的に嵌合するように構成される。
【0024】
図4Aは、第一のラッチ機構350aをより詳細に示しているスタンドヘッド130の一部の拡大された底部背面の等角図である。
図4Bは、説明のためにスタンドヘッドハウジング340が取り外された状態の第一のラッチ機構350aの上部等角図であり、
図4Cは、第一のラッチ部材352aの同様の断面上部等角図である。最初に
図4Aから
図4Cを併せて参照すると、第一のラッチ部材352aは第一の端部355aの下の凹部346の側壁部分347から外向きに突出する傾斜面部分353を含む。第一のラッチ部材352aの反対側の端部はスタンドヘッドハウジング340に対して固定されるストップ476により第一のラッチ部材352aに対して圧縮されるバイアス部材472(例えば、コイルスプリング)を収容する細長いスロット474を含むことができる。いくつかの実施形態では、第一のラッチ部材352aはロック機能をさらに含むことができる。例えば、第一のラッチ部材352aは第一の固定具穴482a(例えば、第一のねじ穴)および第二の固定具穴482b(例えば、第二のねじ穴)を含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、第一のラッチ部材352aをラッチ位置またはラッチ解除位置のいずれかにロックするために、固定具穴482a、bはハウジング340の下側部分342bの対応する第一の固定具開口部478aを通して挿入される第一の固定具480a(例えば、ねじ)を選択的に受け、嵌合するように構成することができる。
【0025】
図4Aおよび
図4Bを併せて参照すると、いくつかの実施形態では、第一のラッチ機構350aは第一の突起212aの断面形状に相補的な傾斜面部分466および湾曲(例えば、円形)面部分464を有する第一のバイアス部材460aをさらに含むことができる。傾斜面部分466は第一のラッチ部材352aの傾斜面部分353のほぼ上に隣接して配置され、湾曲面部分464は傾斜面部分353のほぼ後ろに配置される。第一のバイアス部材460aはハウジング340に固定されているか、あるいはしっかりと取り付けられたベース部分462をさらに含むことができる。バイアス部材460aは例えばばね鋼から製造することができ、その結果傾斜面部分466および湾曲面部分464は第一の突起212a(
図2C)により接触に応答して弾性的に歪む。
【0026】
次に
図4A-
図4Cを併せて参照すると、動作中、第一のラッチ部材352aの傾斜面部分353はハンドル112が
図2Aに示される上側の位置から
図2Bに示される下側の位置に下向きに回転する際にハンドル112の第一の突起212aと接触するように構成される。第一の突起212aが傾斜面部分353と接触すると、第一のラッチ部材352aを矢印ULの方向に外向きに駆動し、バイアス部材472を圧縮する。第一の突起212aが傾斜面部分353を通過した後、バイアス部材472は第一のラッチ部材352aを矢印Lの方向にその開始位置に戻すように駆動し、第一の突起212aは第一のバイアス部材460aの湾曲面部分464と接触するように移動する。第一の突起212aがこの位置に移動すると、湾曲面部分464を部分的に邪魔にならないように歪ませ、第一のバイアス部材460aにより加えられる結果として生じるばねの力は第一の突起212a、従ってハンドル112を下側の位置に保持するのに役立つ。
【0027】
第一の突起212aを開放してハンドル112を上側の位置に移動させるために、ユーザは第一の解放部材354をUL方向にスライドさせることができる。ハンドル112が凹部346の外側に回転し、突起212aが第一のラッチ部材352aから離れると、ユーザは第一の解放部材354を解放し、バイアス部材472が第一のラッチ部材352aをL方向に
図4Aに示される位置に戻すように駆動させることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは第一のラッチ部材352aを格納する位置またはラッチ解除位置にロックすることを望むことができ、嵌合しない場合はハンドル112を下側の位置に固定する。そうするために、ユーザは第一の解放部材354をUL方向にスライドさせ、次に第一の固定具開口部478aを通して第一の固定具480aを挿入し、第一の固定具480aを第一のラッチ部材352aの第一のねじ穴482aにねじ式で嵌合することができる。そうすることにより第一のラッチ部材352aが格納する位置に保持され、ハンドル112の回転を下側の位置に、またはその位置から嵌合あるいは制限することができない。しかしながら、ラッチ部材352aがラッチ解除位置にロックされている場合でも、ハンドル112が下側の位置にある場合は、ハンドル112は依然としてスタンドヘッド130と嵌合することに留意されるべきである。この理由はイメージングデバイス110が上向きに移動を開始してスタンドヘッド130から離れる場合に第一の端部355aが第一の突起212aを阻止することである。反対に、ユーザは例えばイメージングデバイス110がスタンドヘッド130から迅速に解除されて取り外されることを防ぐために、ハンドル112を下側の位置にロックすることを望むことができる。そうするために、ユーザは第一の固定具開口部478aを通して第一の固定具480aを挿入し、第一のラッチ部材352aの第二のねじ穴482bと嵌合させることができる。そうすることにより、第一のラッチ部材352aが
図4Aに示される位置にロックされ、ユーザがUL方向に第一の解放部材354を移動させることを防ぐようになる。その結果、固定具480aが第二のねじ穴482bから引き抜かれるまで、ユーザはイメージングデバイス110をスタンドヘッド130から取り外すことができなくなる。
【0028】
図5は、本技術の実施形態に従って構成された、第二のラッチ機構350bを示すスタンドヘッド130かの底部背面等角図である。いくつかの実施形態では、第二のラッチ部材352bおよび第二のバイアス部材460bは、各パーツが互いの鏡像であることを除いて、上記で詳細に説明した第一のラッチ部材352aおよび第一のバイアス部材460aとそれぞれ同一であるか、または少なくとも構造および機能が類似し得る。そうでなければ、第二のラッチ部材352bおよび第二のバイアス部材460bはそれぞれ第一のラッチ部材352aおよび第一のバイアス部材460aと構造的および機能的に同等である。さらに、第二のラッチ機構350bはまた第二のラッチ部材352bに動作可能に結合され、第一のラッチ機構350aの第一の解放部材354(
図4A)と同一の方法で(または少なくともほぼ同一の方法で)機能する解放機能(例えば、第二の解放機能356)を含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、第二の解放機能356は第一の解放部材354(例えば、
図4Aに示されるようなハウジング340から外向きに突出するノブ、ハンドル等であり得る)よりもユーザにとって明白でないかまたは目立たない可能性がある。例えば、示される実施形態では、第二の解放部材356は、第二のラッチ部材352bを格納してハンドル112を下側の位置から上側の位置に移動させることを可能にするために
図5に示される位置から矢印ULの方向に手動で移動させることのできるグリップ機能を備えるスライド可能なボタンまたはタブである。
【0029】
第一のラッチ機構350aと同様に、いくつかの実施形態では、第二のラッチ機構350bはまたロック機能を含むことができる。例えば、示される実施形態では、第二のラッチ部材352bは、ハウジング340の下側の位置342bの第二の固定具開口部478bを通して第二の固定具480b(例えば、ねじ)を挿入すること、および第二の嵌合部材352bの二つの固定具穴(図示されていない)のうち一つと固定具480bをねじ式で嵌合させることにより、ラッチ解除位置またはラッチ位置のいずれかにロックすることができる。より具体的には、
図5に示されるラッチ位置に第二のラッチ部材352bをロックするために、オペレータは第二の固定具開口部478bを通して第二の固定具480bを挿入し、第二の嵌合部材352bの第一の隣接する固定具穴にねじ式で嵌合させることができる。これが行われる際にハンドル112が下側の位置にある場合、ハンドル112上の第二の突起212bは第二の嵌合部材352bの後ろの位置にロックされ、イメージングデバイス110はスタンドヘッド130にロックされる。ハンドル112を上向きに回転させることができ、またイメージングデバイス110をスタンドヘッド130から取り外すことができるようにユーザが第二のラッチ機構350bのロックを解除したい場合、ユーザは、固定具380bを取り外し、第二の解放部材356を矢印ULの方向にスライドさせることによりそうすることができる。次にユーザが第二のラッチ機構350bを開口部またはラッチ解除位置にロックしたい場合、ユーザは解放部材356が矢印ULの方向で完全に左にある場合に開口部478bを通して第二の固定具480bを再挿入し、第二の固定具480bを第二の嵌合部材352bの第二のねじ付き固定具穴(図示されていない)に嵌合させることによりそうすることができる。いくつかの実施形態では、第二の解放部材356を第一の解放部材354よりも明白でなくするかまたは目立たせなくすることにより、イメージングシステム100のオペレータがイメージングデバイス110をスタンドヘッド130から取り外したい他の人物により容易に発見できない方法でイメージングデバイス110をスタンドヘッド130にロックするための手段を提供することができる。
【0030】
図6Aは、本技術の実施形態による、イメージングデバイス110をスタンドヘッド130に取り付ける初期段階を示す側面断面図である。
図6Bおよび
図6Cは、ハンドル112と第二のラッチ機構350bとの嵌合を示す拡大された側面断面図であり、
図6Dは、本技術の実施形態による、ラッチ機構350a、bと完全に嵌合するハンドル112の対応する背面図である。最初に
図6Aを参照すると、最初にスタンドヘッド130上のタブ136a、136b(
図1A)をイメージングデバイスの下側の部分116の対応するソケット(
図2D)に挿入することによりイメージングデバイス110をスタンドヘッド130に取り付けることができる。次に、イメージングデバイス110は凹部132内に下向きに回転され、それによりスタンドヘッド130上の電気コネクタ134をイメージングデバイス110上の対応する電気コネクタ228に嵌合させる。次に
図6Bおよび
図6Cを併せて参照すると、イメージングデバイス110が凹部132に完全に据え付けられると、ユーザはハンドル112をピボットピン216a、bに関して下向きに回転させて
図6Cに示される下側の位置に入れることができる。いくつかの実施形態では、ハンドル112は約45度から約125度、または約85度の角度で回転するように構成される。ハンドル112が下側の位置に近付くと、突起212a、bの端部は対応するラッチ部材352a、bの遠位端部分の傾斜面と接触し、関連するコイルスプリング472(
図4C)のバイアス力に逆らって矢印UL(
図4Aおよび
図5)の方向にそれらを外向きに駆動する。これにより、ハンドル112が下側の位置に移動する際にラッチ部材352a、bにより突起212a、bが通過することが可能になる。
図6Cおよび
図6Dに示されるように、突起212a、bがそれぞれラッチ部材352a、bを通過すると、ラッチ部材352a、bは対応する突起212a、bおよびハンドル112を下側の位置にトラップするために延在する位置またはラッチ位置に内向きに戻る。さらに、ハンドル112がこの位置にある場合、バイアス部材460a、bの湾曲面部分464はそれらをほぼ所定の位置に保持してハンドル112の振動を低減するために、対応する突起212a、bを受け、それらに逆らって弾性的に押す。
【0031】
図7は、上記で詳細に説明したイメージングデバイス110およびスタンドヘッド130上を使用する方法700のフロー図である。ブロック702において、ユーザは、彼らがイメージングデバイス110を使用したい方法を選択することができる。例えば、ラッチ部材352a、bの両方を格納し、対応する固定具480a、および480b(例えば、
図4Aおよび
図5を参照)を使用してそれらをラッチ解除位置にロックすることにより、ユーザは「グラブアンドゴー(grab and go)」構成でイメージングデバイス110を使用することを選択することができる。この構成によりユーザはイメージングデバイス110をスタンドヘッド130上に動作可能に配置し、ラッチ部材352a、bを嵌合させることなくハンドル112を下側の位置に下向きに回転させることが可能になる。しかしながら、この構成においてハンドル112がラッチ部材352a、bと嵌合していない場合でも、ハンドル112はスタンドヘッド130の凹部346の対応する端部355a、bの下に延在する突起212a、bによりスタンドヘッド130と依然として嵌合していることに留意されるべきである(
図4Aおよび
図5)。突起212a、bがこの位置にある場合、対応する端部355a、bは、イメージングデバイス110がスタンドヘッド130から離れ始めた場合に突起212a、bが通過するのを阻止する。したがって、イメージングデバイス110は依然としてスタンドヘッド130に固定され、この構成で外れるのを防ぐ。次にユーザはイメージングデバイス110がスタンドヘッド130にドッキングされている間にイメージングデバイス110を使用することができる。しかしハンドル112が下側の位置でロックされないため、ユーザはハンドル112をすばやく「掴み」、それを上側の位置に回転させ、イメージングデバイス110をスタンドヘッド130から取り外してそのデバイスが必要な別の場所に「移動する」ことができる。
【0032】
あるいは、ユーザがハンドル112を下側の位置に移動させると、ユーザはハンドル112がスタンドヘッド130に自動的にラッチされる「安全な」構成でイメージングデバイス110を使用することを望み得る。いくつかの実施形態では、ユーザは第二のラッチ部材352bを手動で格納し第二の固定具480bでラッチ解除位置にロックするが、固定具480aを第一のラッチ部材352aで嵌合しないことによりこれを達成することができ、上記で詳細に説明したようにハンドル112が下側の位置に回転すると第一のラッチ部材352aは第一の突起212aと自動的に嵌合する。ハンドル112がこのように第一のラッチ部材352aと嵌合すると、上記で説明したように第一のラッチ部材352aを第一の突起212aから離し、ハンドル112を上向きに回転させることによりユーザが手動でハンドル112を解除するまでスタンドヘッド130から取り外すことができないため、イメージングデバイス110は「安全な」構成にある。
【0033】
別の代替案として、ユーザはイメージングデバイス110がスタンドヘッド130に「ロック」されている「盗難防止」構成で使用することを望み得る。いくつかの実施形態では、これは、上記で説明したようにハンドル112がラッチ機構350a、bにより嵌合された後、第一のラッチ部材352aを第一の固定具480a(
図4A)で閉位置またはラッチ位置にロックすること、および/または第二のラッチ部材352bを第二の固定具480b(
図5)でラッチ位置にロックすることにより達成することができる。この構成では、固定具480a、bの両方が取り外され、ラッチ部材352a、bが手動で格納され、ハンドル112がスタンドヘッド130から回転させて離されるまで、イメージングデバイス110をスタンドヘッド130から取り外すことができない。
【0034】
決定ブロック704において、ユーザはイメージングデバイス110をどのように使用したいかを決定することができ、ブロック706において、ユーザはラッチ機構350a、bをスタンドヘッド130上に適切な方法で配置する。したがって、本明細書に記載のハンドル112およびラッチ機構350a、bの様々な特徴により本技術によるいくつかの異なる便利な構成でイメージングデバイス110を使用することが可能になることを理解されたい。
【0035】
特徴、利点、または同様の言葉に対する前述の説明全体での言及は、本技術により実現され得る特徴または利点の全てが本発明の任意の単一の実施形態であるべきであるか、またはその中にあることを意味するものではない。むしろ、特徴および利点を指す言葉は一実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本技術の少なくとも一つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。したがって、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに同様の言葉の議論は必ずしもそうではないが、同一の実施形態を参照し得る。さらに、本技術の説明される特徴、利点および特性は一または二以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせられ得る。関連する技術の当業者は本技術が特定の実施形態の特定の特徴または利点のうち一または二以上を用いることなく実施することができることを認識されるであろう。他の例では、本技術の全ての実施形態に存在しない可能性の所定の実施形態ではさらなる特徴および利点は認識され得る。
【0036】
添付の出願書類に記載され得るものを含む上記の特許および出願ならびに他の参考文献は参照により本明細書に組み入れられる。本発明の態様は必要に応じて本発明のさらなる実施形態を提供するために上記の様々な参考文献のシステム、機能、および概念を用いるように修正することができる。
【0037】
文脈において別段の定めがない限り、説明および特許請求の範囲の全体を通じて、「備える」、「備えている」、等の言葉は排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味、すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。本明細書で使用されるように、「接続された」、「結合された」またはその任意の変形の用語は、二以上の要素間の直接または間接の任意の接続または結合を意味し、要素間の結合または接続は物理的、論理的、またはそれらの組合せとすることができる。さらに、「本明細書において」、「上記で」、「以下で」、および同様の意味の言葉は、本出願において使用される場合、本出願の任意の特定の部分ではなく、本出願全体を指す。文脈が許す場合、単数形または複数形を使用する上記の詳細な説明における単語はそれぞれ複数形または単数形を含むこともできる。「または」という用語は二以上の項目のリストを参照し、リスト内の任意の項目、リスト内の全ての項目、およびリスト内の項目の任意の組合せの単語の解釈の全てを網羅する。
【0038】
本発明の例および実施形態の上記の詳細な説明は、包括的であること、または本発明の上記の開示されてた正確な形態に限定することを意図するものではない。本発明の特定の例は例示の目的で上記において説明されているが、関連する技術の当業者が認識するように、本発明の範囲内で様々な同等の修正が可能である。本明細書で提供される本発明の教示は必ずしも上記のシステムではなく、他のシステムに適用することができる。本発明のさらなる実施形態を提供するために、上記の様々な例の要素および行為を組み合わせることができる。本発明のいくつかの代替の実施形態は上記の実施形態にさらなる要素を含むだけでなく、より少ない要素を含むこともできる。本明細書に記載される任意の特定の数字は単なる例であり、代替の実施形態では異なる値または範囲を用いる場合がある。
【0039】
上記より、本発明の特定の実施形態は例示の目的で本明細書に記載されているが、本発明の様々な実施形態の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることを理解されたい。一般に、以下の特許請求の範囲において使用される用語は、上記の詳細な説明のセクションがそのような用語を明示的に定義しない限り、本発明を本明細書に開示される特定の例に限定すると解釈されるべきでない。本発明の実際の範囲は開示された例だけでなく特許請求の範囲に基づいて本発明を実施または実装する全ての同等の方法も包含する。したがって、本発明は添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。
【0040】
本発明の所定の態様は所定の請求項において以下で示されているが、出願人は任意の数の請求項において本発明の様々な態様を考慮している。したがって、出願人は本出願または継続出願のいずれかにおいてそのようなさらなる請求項を追及するために、本出願を行った後にさらなる特許請求の範囲の追求する権利を留保する。