(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】患者支援システム及び患者支援方法
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20240110BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240110BHJP
【FI】
A61M16/00 305A
G06T7/00 660A
(21)【出願番号】P 2021532312
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019065295
(87)【国際公開番号】W WO2020118311
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-12-02
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521191403
【氏名又は名称】レズメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソディ、ワジュワント
(72)【発明者】
【氏名】ナスワニ、レハーナ
(72)【発明者】
【氏名】ケネディ、コリン ブラッドリー
【審査官】岡本 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-221757(JP,A)
【文献】特表2016-522935(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器疾患の治療目的で呼吸治療デバイスおよびマスクを使用するための支援を患者に提供するシステムであって、
複数のデバイス種別と複数のマスク種別に関するデータを記憶する機器データベースと、
前記複数のデバイス種別に関する前記データと比較して、クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの画像から前記呼吸治療デバイスの前記種別を識別するように動作可能なデバイス認識モジュールと、
前記複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記マスクの画像から前記マスクの前記種別を識別するように動作可能なマスク認識モジュールと、
マスク種別またはデバイス種別のうちの少なくとも一方に関する支援情報に関する媒体を含む媒体データベースと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を前記クライアント演算装置に送信するように動作可能な管理サーバと、
前記呼吸治療デバイスの稼働中に前記クライアント演算装置から捉えた呼吸の音声データを基に、前記マスクが前記患者の顔の周りで適切に封止されているかどうかを検出するように動作可能なマスク漏れ検出モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
呼吸器疾患の治療目的で呼吸治療デバイスおよびマスクを使用するための支援を患者に提供するシステムであって、
複数のデバイス種別と複数のマスク種別に関するデータを記憶する機器データベースと、
前記複数のデバイス種別に関する前記データと比較して、クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの画像から前記呼吸治療デバイスの前記種別を識別するように動作可能なデバイス認識モジュールと、
前記複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記マスクの画像から前記マスクの前記種別を識別するように動作可能なマスク認識モジュールと、
マスク種別またはデバイス種別のうちの少なくとも一方に関する支援情報に関する媒体を含む媒体データベースと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を前記クライアント演算装置に送信するように動作可能な管理サーバと、
を備え
、
前記デバイス認識モジュールが、デバイス画像およびデバイス種別の学習済み相関を基に前記デバイス種別を識別するように動作可能な機械学習モデルを含む、
システム。
【請求項3】
呼吸器疾患の治療目的で呼吸治療デバイスおよびマスクを使用するための支援を患者に提供するシステムであって、
複数のデバイス種別と複数のマスク種別に関するデータを記憶する機器データベースと、
前記複数のデバイス種別に関する前記データと比較して、クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの画像から前記呼吸治療デバイスの前記種別を識別するように動作可能なデバイス認識モジュールと、
前記複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記マスクの画像から前記マスクの前記種別を識別するように動作可能なマスク認識モジュールと、
マスク種別またはデバイス種別のうちの少なくとも一方に関する支援情報に関する媒体を含む媒体データベースと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を前記クライアント演算装置に送信するように動作可能な管理サーバと、
を備え
、
前記マスク認識モジュールが、マスク画像およびマスク種別の学習済み相関を基に前記マスク種別を識別するように動作可能な機械学習モデルを含む、
システム。
【請求項4】
呼吸器疾患の治療目的で呼吸治療デバイスおよびマスクを使用するための支援を患者に提供するシステムであって、
複数のデバイス種別と複数のマスク種別に関するデータを記憶する機器データベースと、
前記複数のデバイス種別に関する前記データと比較して、クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの画像から前記呼吸治療デバイスの前記種別を識別するように動作可能なデバイス認識モジュールと、
前記複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記マスクの画像から前記マスクの前記種別を識別するように動作可能なマスク認識モジュールと、
マスク種別またはデバイス種別のうちの少なくとも一方に関する支援情報に関する媒体を含む媒体データベースと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を前記クライアント演算装置に送信するように動作可能な管理サーバと、
前記クライアント演算装置によって実行されるクライアントアプリケーションと、
を備え、
前記クライアントアプリケーションが、
前記デバイス認識モジュールと前記マスク認識モジュールと、
前記クライアントアプリケーションが、前記患者が呼吸治療後に前記マスクまたは前記呼吸治療デバイスに関するフィードバックを前記管理サーバに提供できるようにするインターフェースと、
を含む、
システム。
【請求項5】
マスクに接続された呼吸治療デバイスを使用して、自動化された支援を患者に提供する方法であって、
前記呼吸治療デバイスの画像および前記マスクの画像をクライアント演算装置によって撮影することと、
デバイス認識モジュールを介し、機器データベース内にある複数のデバイス種別に関す
るデータと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの前記画像から呼吸治療デバイスの前記種別を識別することと、
マスク認識モジュールを介し、前記機器データベース内にある複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影されたマスクの画像から前記マスクの前記種別を識別することと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を、管理サーバを介して前記クライアント演算装置に送信することと、
前記呼吸治療デバイスの稼働中に、前記クライアント演算装置から呼吸の音声データを捉えることと、
マスク漏れ検出モジュールを介して捉えた呼吸の音声データを基に、前記マスクが前記患者の顔の周りで適切に封止されているかどうかを検出することと、
を含む方法。
【請求項6】
マスクに接続された呼吸治療デバイスを使用して、自動化された支援を患者に提供する方法であって、
前記呼吸治療デバイスの画像および前記マスクの画像をクライアント演算装置によって撮影することと、
デバイス認識モジュールを介し、機器データベース内にある複数のデバイス種別に関す
るデータと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの前記画像から呼吸治療デバイスの前記種別を識別することと、
マスク認識モジュールを介し、前記機器データベース内にある複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影されたマスクの画像から前記マスクの前記種別を識別することと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を、管理サーバを介して前記クライアント演算装置に送信することと、を含
み、
前記デバイス認識モジュールが、デバイス画像およびデバイス種別の学習済み相関を基に前記デバイス種別を識別するように動作可能な機械学習モデルを含む、
方法。
【請求項7】
マスクに接続された呼吸治療デバイスを使用して、自動化された支援を患者に提供する方法であって、
前記呼吸治療デバイスの画像および前記マスクの画像をクライアント演算装置によって撮影することと、
デバイス認識モジュールを介し、機器データベース内にある複数のデバイス種別に関す
るデータと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの前記画像から呼吸治療デバイスの前記種別を識別することと、
マスク認識モジュールを介し、前記機器データベース内にある複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影されたマスクの画像から前記マスクの前記種別を識別することと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を、管理サーバを介して前記クライアント演算装置に送信することと、
を含
み、
前記マスク認識モジュールが、マスク画像およびマスク種別の学習済み相関を基に前記マスク種別を識別するように動作可能な機械学習モデルを含む、
方法。
【請求項8】
マスクに接続された呼吸治療デバイスを使用して、自動化された支援を患者に提供する方法であって、
前記呼吸治療デバイスの画像および前記マスクの画像をクライアント演算装置によって撮影することと、
デバイス認識モジュールを介し、機器データベース内にある複数のデバイス種別に関す
るデータと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影された前記呼吸治療デバイスの前記画像から呼吸治療デバイスの前記種別を識別することと、
マスク認識モジュールを介し、前記機器データベース内にある複数のマスク種別に関する前記データと比較して、前記クライアント演算装置によって撮影されたマスクの画像から前記マスクの前記種別を識別することと、
前記識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体を、管理サーバを介して前記クライアント演算装置に送信することと、
を含み、
クライアントアプリケーションが前記クライアント演算装置によって実行され、
前記クライアントアプリケーションが前記デバイス認識モジュールと前記マスク認識モジュールとを含み、
前記方法が、
前記患者が前記クライアントアプリケーションのインターフェースを介して提供した呼吸治療後の前記マスクまたは前記呼吸治療デバイスに関するフィードバックを収集することと、
前記収集されたフィードバックを前記管理サーバに提供することと、
をさらに含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、2018年12月7日に出願された「Intelligent Setup and Recommendation System For Sleep Apnea Device(無呼吸デバイスのインテリジェントな設定および推奨システム)」と題する米国仮出願第62/777,044号に対する優先権を主張するものである。同出願の内容は、参照により、全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、概して睡眠時無呼吸システムに関し、より具体的には、睡眠時無呼吸患者のためのインテリジェントな設定および推奨システムに関するものである。
【背景技術】
【0003】
一定範囲の呼吸器疾患が存在している。特定の疾患は、特定の発症(例えば、無呼吸、呼吸低下および過呼吸)によって特徴付けられ得る。閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠呼吸障害(SDB)の一形態であり、睡眠時の上通気道の閉鎖または閉塞などの発症によって特徴付けられる。睡眠時の異常に小さな上気道および舌領域における筋緊張の正常欠損、軟口蓋および後中咽頭壁の組み合わせに起因する。このような状態に起因して、罹患患者の呼吸停止が典型的には30~120秒にわたり、ときには一晩に200~300回も呼吸が停止する。その結果、日中の眠気が過度になり、心血管疾患および脳損傷の原因になり得る。この症候は一般的な疾患であり、特に中年の過体重の男性に多いが、患者に自覚症状は無い。
【0004】
他の睡眠関連疾患には、チェーン・ストークス呼吸(CSR)、肥満過換気症候群(OHS)、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)が含まれる。COPDは、特定の共通する特性を有する下気道疾患のグループのうちのいずれも包含する。これには空気の動きに対する抵抗の増加、呼吸の呼気相の延長および肺における正常な弾性の減少が含まれる。COPDの例として、気腫および慢性気管支炎がある。COPDの原因としては、慢性喫煙(第一危険因子)、職業被ばく、空気汚染および遺伝因子がある。
【0005】
持続的気道陽圧(CPAP)療法が、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の治療において用いられている。例えば軟口蓋および舌を押して後口咽頭壁へ前進または後退させることにより、持続的気道陽圧の適用が空気スプリントとして機能し、これにより上気道の閉鎖を回避する。
【0006】
非侵襲的換気(NIV)は、換気補助を上気道を通じて患者へ提供して、呼吸機能の一部または全体を行うことにより、完全呼吸中の患者の補助および/または身体中の適切な酸素レベルの維持を行う。換気補助が、患者インターフェースを介して提供される。NIVは、OHS、COPD、および胸壁障害などの形態のCSRおよび呼吸不全の治療に用いられている。いくつかの形態において、これらの治療の快適性および有効性が向上し得る。侵襲的換気(IV)は、自身で有効に呼吸することができなくなった患者に対して換気補助を提供し、気管切開管を用いて提供され得る。
【0007】
治療システムは、呼吸圧力治療デバイス(RPTデバイス)、空気回路、加湿器、患者インターフェース、およびデータ管理を含み得る。患者インターフェースは、例えば気道入口への空気流れを提供することにより呼吸装具へのインターフェースを装着者へ提供するために、用いられ得る。空気流れは、鼻および/または口へのマスク、口への管、または患者気管への気管切開管を介して提供され得る。適用される療法に応じて、患者インターフェースは、例えば患者の顔の領域とのシールを形成し得、これにより、療法実行のための雰囲気圧力と共に充分な分散の圧力において(例えば、雰囲気圧力に対して約10cmH2Oの陽圧において)ガス送達を促進する。酸素送達などの他の治療形態において、患者インターフェースは、約10cmH2Oの陽圧において気道へのガス供給の送達を促進するのに充分な密閉を含まない場合がある。かかる治療による呼吸病気の治療は自発的なものであり得るため、このような患者が治療の提供に用いられるデバイスについて以下のことに気づいた場合、患者が治療を遵守しないことを選択する可能性がある:不快、使用困難、高価、および/または美観的な魅力の無さ。
【0008】
CPAP治療は、患者が治療を承諾している場合、特定の呼吸器疾患の治療においては極めて効果的である。適切な患者インターフェースを得て、CPAPマシンを正しく設定することにより、患者が陽圧治療を受けることできる。患者は現在、デバイスメーカーが提供する紙の説明書を頼りに、自身のデバイスをセットアップする必要がある。セットアップまたは設定が不適切だと、患者にストレスを与え、それによって睡眠時無呼吸デバイスが不適切に動作することが多い。そのため、睡眠時無呼吸デバイスが特定の患者に合わせて適切に設定されていないと、治療効果がなくなってしまうことになり得る。
【0009】
より効率よく、かつ能動的に睡眠時無呼吸デバイスをセットアップできるシステムが求められている。また、拡張現実インターフェースを備えたモバイル演算装置を使用して、ユーザによる睡眠時無呼吸デバイスのセットアップを支援することも求められている。さらには、睡眠時無呼吸デバイスの動作を評価し得る患者支援デバイスも求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示されたシステムは、個々の患者に対する適合性向上を目的とした、RPTデバイスで使用するマスクのサイズ調整に対応したシステムである。このシステムは、一次患者から顔データを収集するとともに、大人数の患者の集団からRPTの使用状況などのデータも収集して、一次患者にとって最適なマスクの選択を支援する。
【0011】
一開示例が、呼吸器疾患の治療目的で呼吸治療デバイスおよびマスクを使用するための支援を患者に提供するシステムである。このシステムは、複数のデバイス種別と複数のマスク種別に関するデータを記憶する機器データベースを備える。デバイス認識モジュールは、複数のデバイス種別に関するデータと比較して、クライアント演算装置によって撮影された呼吸治療デバイスの画像から呼吸治療デバイスの種別を識別するように動作可能である。マスク認識モジュールは、複数のマスク種別に関するデータと比較して、クライアント演算装置によって撮影されたマスクの画像から、マスクの種別を識別するように動作可能である。媒体データベースは、マスク種別またはデバイス種別のうちの少なくとも一方に関する支援情報に関する媒体を含む。管理サーバは、識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体をクライアント演算装置に送信するように動作可能である。
【0012】
別の開示例は、マスクに接続された呼吸治療デバイスを使用する患者を自動的に支援する方法である。呼吸治療デバイスの画像およびマスクの画像が、クライアント演算装置によって撮影される。呼吸治療デバイスの種別は、クライアント演算装置によって撮影された呼吸治療デバイスの画像から、デバイス認識モジュールを介して機器データベース内の複数のデバイス種別に関するデータと比較して識別される。マスクの種別は、クライアント演算装置によって撮影されたマスクの画像から、マスク認識モジュールを介して機器データベースの複数のマスクの種別に関するデータと比較して識別される。識別された種別のマスクまたは識別された種別のデバイスの支援情報に関する媒体が、管理サーバを介してクライアント演算装置に送信される。
【0013】
上記の要旨は、本開示の各実施形態または各態様を示すことを意図していない。すなわち、上記の要旨は、本明細書中に記載の新規の態様および特徴のうちいくつかの例を示すものに過ぎない。上記の特徴および利点ならび本開示の他の特徴および利点は、本発明の実行のための代表的な実施形態および態様の以下の詳細な説明を添付の図面および添付の特許請求の範囲と共に読めば、容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
例示的実施形態に関する以降の説明を添付図面と併せて参照することにより、本開示に対する理解が深まるであろう。
【
図1】睡眠時無呼吸デバイスのセットアップを支援する睡眠時無呼吸システムの演算環境例を表す。
【
図2】
図1の演算環境における管理サーバの一例を表す。
【
図3A】本技術の一形態による呼吸圧力治療デバイスの図である。
【
図3B】本技術の一態様に従った呼吸圧力治療デバイスの空気圧経路の概略図である。
【
図3C】本技術の一態様に従った呼吸圧力治療デバイスの電気部品の概略図である。
【
図4A】デバイスセットアップの初期画面、ログイン、およびオンボーディング処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図4B】デバイスセットアップの初期画面、ログイン、およびオンボーディング処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図5A】開封および機器識別処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図5B】開封および機器識別処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図5C】開封および機器識別処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図6A】患者のマスク装着支援と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図6B】患者のマスク装着支援と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図7A】マスク漏れ検出処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図7B】マスク漏れ検出処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図7C】マスク漏れ検出処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図8】セットアップ完了処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図9A】新たにセットアップされた睡眠時無呼吸デバイスを用いた最初の晩の治療に向けて患者に準備させることと関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図9B】新たにセットアップされた睡眠時無呼吸デバイスを用いた最初の晩の治療に向けて患者に準備させることと関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図10A】患者からのフィードバック取得と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図10B】患者からのフィードバック取得と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図10C】患者からのフィードバック取得と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション例によって提示された様子を表す。
【
図11】クライアントアプリケーション例のマスク認識モジュールの一例を表す。
【
図12】クライアントアプリケーション例のマスク推奨モジュールの一例を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示には、種々の変形および代替形態がある。図面に例示したいくつかの代表的な実施形態について、本明細書において以下に詳述する。ただし本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図してはいないものと理解すべきであり、本開示はむしろ、添付の請求項によって定義された本発明の精神および範囲内にあるすべての変形、均等物、および代替物を網羅するものである。
本発明は、数多くの異なる形態で具現化することできる。代表的な実施形態を図面に示しており、本明細書において以下に詳述する。本開示は、本開示の原理の一例または例示であり、本開示の広範な態様を、例示された実施形態に限定することを意図するものではない。そのため、例えば「要約」、「発明の概要」、「発明を実施するための形態」の各節で開示されていても、請求項に明記されていない要素や制限は、単独でも集合的にも、暗示、推論、または他の方法によって請求項に組み込むべきでない。本明細書中では、特に断りがない限り、単数形は複数形を含み、その逆もある。「~を含む」という語は、「~を含むがそれ(ら)に限定されない」を意味する。さらに、本明細書においては、「概ね」、「略」、「実質的に」、「約」といった近似を表す語を、例えば、「ちょうど」、「付近」、「前後」、「~の3~5%以内」、「許容可能な製造公差の範囲内」、またはそれらの任意の論理的な組み合わせを意味する目的で使用することできる。
【0016】
本開示は、ユーザまたは呼吸治療デバイスを支援する自動化された支援機能に関するものである。この支援機能により、ユーザはデバイスおよびマスクの両方の種別を確認することできる。支援の内容
【0017】
図1は、睡眠時無呼吸システム100の演算環境例を表す。睡眠時無呼吸システム100は、管理サーバ110と、クライアント演算装置120と、睡眠時無呼吸デバイス130と、マスク140と、を備える。単一のクライアントデバイス120、睡眠時無呼吸デバイス130、およびマスク140のみが図示されているが、演算環境100の一実施形態は、管理サーバ110によって管理される数百または数千台のクライアントデバイス120、睡眠時無呼吸デバイス130、およびマスク140を有し得る。
【0018】
睡眠時無呼吸デバイス130は、例えば、持続的気道陽圧(CPAP)デバイス、自動気道陽圧(APAP)デバイス、二相性気道陽圧(BiPAP)デバイス、または睡眠時無呼吸を治療するための他のデバイスを備え得る。かかるデバイスは、一般にRPT(呼吸治療デバイス)と呼ばれている。睡眠時無呼吸デバイス130は一般に、ホースを介してフェイスマスク140に接続する加圧式人工呼吸器を備える。睡眠時無呼吸デバイス130は、ホースおよびマスク140を通じて穏やかな空気圧を印加し、睡眠中に患者の気道を開いた状態に保つ。CPAPデバイスでは、この空気圧が一定の圧力でマスク140に流れる。BiPAPデバイスにおいては、吸気用と呼気用の2つの異なる圧力レベル間で空気圧が切り替わる。APAPデバイスにおいては、睡眠時無呼吸デバイス130が呼吸の変化を感知し、呼吸パターンを基に空気圧を適切なレベルに調整する。
【0019】
睡眠時無呼吸デバイス130は、ネットワーク150を介して管理サーバ110に接続するための無線または有線の通信インターフェースを含み得る。例えば、睡眠時無呼吸デバイス130は、WiFi接続、セルラー接続、イーサネット(登録商標)接続、またはその他の接続を介してネットワーク150と通信し得る。睡眠時無呼吸デバイス130は、患者の使用状況と関連付けられた様々なデータを監視するセンサを含み、そのデータを管理サーバ110に送信し得る。例えば、睡眠時無呼吸デバイス130は、患者の呼吸数、呼吸流量、および全体的な使用パターン(例えば、患者がデバイス130を使用する頻度および期間)を感知し得、この情報を管理サーバ110に報告する。
【0020】
マスク140は、ホースを介して睡眠時無呼吸デバイス130に連結し、睡眠時無呼吸デバイス130が生成する加圧された空気流を受ける。マスク140は、患者の口、鼻、またはその両方の付近に装着されるように設計されている。マスク140は、正しくサイズ設定および装着されると、患者の口、鼻、またはその両方の付近を気密封止して、加圧された空気が患者の呼吸腔に流入できるようになる。マスク140は、マスク140を所定の位置に固定するために患者の頭部に巻き付ける1本以上のストラップをさらに含み得る。このストラップは、患者に適切なフィット感と封止を提供するように調節可能であり得る。
【0021】
クライアント演算装置120は、クライアントアプリケーション125を実行するコンピュータ、モバイルデバイス、タブレットなどのネットワーク対応型演算装置を備える。クライアントアプリケーション125は、患者が管理サーバ110に様々な情報を提供することと、睡眠時無呼吸デバイス130を用いた患者の呼吸器疾患の治療に関する管理サーバ110からの様々な情報を閲覧可能にするユーザインターフェースをディスプレイ上に提示する。例えば、クライアントアプリケーション125は、患者が、自身の様々な特徴(例えば、性別、体重、身長、睡眠習慣など)を含む患者プロファイルをセットアップし、そのプロファイルを睡眠時無呼吸デバイス130にリンクできるようにし得る。クライアントアプリケーション125は、睡眠時無呼吸デバイス130の初回開封、セットアップ、および使用を通じて患者を支援するための様々なインターフェースをディスプレイ上にさらに提示し得る。加えて、クライアントアプリケーション125は、患者の睡眠時無呼吸デバイス130の使用状況と関連付けられた様々な使用状況データに患者がアクセスできるようにし得る。さらに、クライアントアプリケーション125は、例えば、フェイスマスク140を交換する時期が来たら患者に注意を喚起する、推奨使用量に従っていないときに患者に注意を喚起する、睡眠時無呼吸デバイス130やマスク140に不具合が検出されたときに患者に注意を喚起するなど、患者の治療と関連のある管理サーバ110からの注意喚起および勧告を提供し得る。クライアントアプリケーション125は、治療に関する患者の経験に関するフィードバックを患者が管理サーバ110に提供できるようにもし得る。
図1には示されていないが、クライアントデバイス120は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、WiFi、セルラー、および/または他の通信機構などのネットワーク接続を介して、睡眠時無呼吸デバイス130と直接通信するように構成され得る。
【0022】
管理サーバ110は、1つ以上の睡眠時無呼吸デバイス130と関連付けられた様々な管理および制御機能を提供するコンピュータまたはコンピュータの組を備える。例えば、管理サーバ110は、患者、患者のデバイス130、およびマスク140と関連付けられたデータを取得し得、患者がデバイス130およびマスク140をセットアップおよび使用するのを支援するためのコンテンツを生成し得る。さらに、管理サーバ110は、患者の特定の特徴に合わせた勧告を患者に生成するために、睡眠時無呼吸の治療と関連付けられた様々な利用データを収集し得る。
【0023】
図2は、管理サーバ110の例示的実施形態を表している。管理サーバ110は、アプリケーションサーバ202と、デバイス認識モジュール204と、マスク認識モジュール206と、マスク位置付けモジュール208と、マスク漏れ検出モジュール210と、マスク推奨モジュール212と、患者プロファイルデータベース250と、媒体データベース252と、機器データベース254と、を備える。代替実施形態においては、管理サーバ110が、付加的または異なるモジュールを含み得る。一実施形態においては、各モジュールが、非一時的記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能な指示であって、プロセッサによって実行されると、モジュールに帰属する機能を、本明細書に記載されているようにプロセッサに実行させる指示を含み得る。
【0024】
アプリケーションサーバ202は、管理サーバ110とクライアントアプリケーション125との間のインターフェースを提供する。アプリケーションサーバ202は、本明細書に記載された様々な機能をクライアントアプリケーション125に実行させるために、クライアントアプリケーション125との間でデータおよび制御情報を交換する。例えば、アプリケーションサーバ202は、患者が初めてクライアントアプリケーション125を開いたときに、患者からプロファイル情報を取得し得、そのプロファイル情報を患者プロファイルデータベース250に記憶し得る。アプリケーションサーバ202はさらに、オンボーディングおよびセットアップ処理を通じてユーザを案内するための様々なユーザインターフェース画面をクライアントアプリケーション125に提示させ得る。さらに、アプリケーションサーバ202は、患者の治療期間全体にわたり、患者と関連付けられた様々なセンサデータ、使用情報、調査回答を取得し得る。また、アプリケーションサーバ202は、睡眠時無呼吸などの呼吸器疾患の治療を実施する上で患者を支援する様々な情報へのアクセスを患者に提供し得る。
【0025】
デバイス認識モジュール204は、患者がクライアントデバイス120を介して撮影した睡眠時無呼吸デバイス130の1つ以上の画像を基に、睡眠時無呼吸デバイス130の特定モデルの自動検出を可能にする機械学習モデルを備える。一実施形態において、この機械学習モデルは、画像特徴と、機器データベース254に記憶された異なるデバイス種別データから取得したデバイスモデルと、の間にある学習された相関に基づく。例えば、機械学習モデルを生成するために、それぞれの異なるモデルのデバイス130について、様々な角度、照明条件、およびカメラ仕様で多数の画像が撮影され得る。これらの画像から特徴が抽出され得、そのデバイスモデルとの相関が最も強い特徴を学習アルゴリズムが学習し得る。動作中、デバイス認識モジュール204は、睡眠時無呼吸デバイス130の画像(または画像から抽出された特徴)を受信し得、機械学習モデルを基にデバイスモデルを予測し得る。デバイス認識モジュール204と関連付けられたユーザインターフェース例について、
図5Aを参照して以下でさらに詳述されている。
【0026】
マスク認識モジュール206は、患者がクライアントデバイス120を介して撮影したマスク140の1つ以上の画像を基に、マスク140の特定モデルの自動検出を可能にする機械学習モデルを備える。一実施形態において、この機械学習モデルは、画像特徴とマスクモデルとの間にある学習された相関に基づく。例えば、機械学習モデルを生成するために、それぞれの異なるモデルのマスク140について、様々な角度、照明条件、カメラ仕様で多数の画像が撮影され得る。これらの画像から特徴が抽出され得、そのマスクモデルとの相関が最も強い特徴を学習アルゴリズムが学習し得る。いくつかの実施形態によれば、この学習アルゴリズムは、特徴を分析し、かかる特徴を特定のマスクモデルに相関させる際の入力情報として、機器データベース254に記憶されたマスクCADファイルを使用し得る。動作中、マスク認識モジュール206は、マスク140の画像(または画像から抽出された特徴)を受信し得、機械学習モデルに基づいてマスクモデルを予測し得る。マスク認識モジュール206と関連付けられたユーザインターフェース例について、
図5Bと併せて以下でさらに詳述されている。マスク認識モジュール206について、
図11を参照して以下でさらに詳述されている。
【0027】
マスク位置付けモジュール208は、患者がマスク140を自身の顔に適切に配置するのを支援するための拡張現実インターフェースを提供する。一実施形態において、マスク位置付けモジュール208は、クライアントデバイス120のカメラを介して撮影され得る患者の肖像画の入力動画ストリームを受信する。マスク位置付けモジュール208は、特定の顔部位の箇所を特定および追跡するために、顔分析を実行する。次に、マスク位置付けモジュール208は、検出された顔部位に対する適切な整列位置で、受信した画像フレームにマスク配置画像(例えば、マスク140の画像またはマスク140の輪郭)を重ね合わせる。画像フレームは、重ね合わせられたマスク配置画像を有する患者の顔の拡張現実ビューとして、クライアントアプリケーション125に送信される。この拡張現実ビューを基に、患者は、適切なマスク配置を示すマスク配置画像にマスク140を揃え得る。マスク位置付けモジュール208と関連付けられたユーザインターフェース例について、
図6A~
図6Cを参照して以下でさらに詳述されている。
【0028】
マスク漏れ検出モジュール210は、睡眠時無呼吸デバイスが患者に治療/圧力を提供している間に、捉えた患者の呼吸音を基に、マスク140が患者の顔の周りで適切に封止されているかどうかを検出する。例えば、患者がマスク140を配置した後、クライアントデバイス110は、患者の呼吸音を(クライアントデバイス110のマイクロフォンを使用して)捉えるように構成され得る。捕捉された音(またはその音に由来する特徴)は、管理サーバ110に送信され得る。マスク漏れ検出モジュール210は、漏れを示す音声特徴の有無を検出する。一実施形態においては、マスク漏れ検出モジュール210が、漏れが存在する場合に呼吸音から抽出された音声特徴間の相関を学習する機械学習モデルを適用し得る。また、マスク位置付けモジュール208も、クライアントデバイス110が位置付けられる方法に関する情報をクライアントデバイス110から取得するように構成され得る。かかる情報はその後、その漏れが患者の顔のどの箇所で発生しているかを判断するのを支援する目的で使用され得る。漏れ検出結果は、クライアントアプリケーション125に提供され得る。マスク漏れ検出モジュール210と関連付けられたユーザインターフェース例については、
図7A~
図7Cを参照して以下でさらに詳述されている。
【0029】
マスク推奨モジュール212は、患者の画像および患者の様々な特徴を基に、マスク140の種別およびサイズに関する患者固有の推奨事項を生成する。例えば、マスク推奨モジュール212は、クライアントデバイス110から患者の画像(または画像に由来する特徴)を取得し、機械学習に部分的に基づき得る顔分析を実行して、患者の顔に適合すると予測されるマスクサイズと、患者の顔に最も適合すると予測されるマスク140の種別と、を特定し得る。一実施形態において、マスク推奨モジュール212は、機械学習モデルを適用して、画像から抽出できる患者の顔の特徴と、マスクのサイズおよび種別と、の間の相関を学習し得る。マスク推奨モジュール212の一例について、
図12を参照して以下でさらに詳述されている。
【0030】
患者プロファイルデータベース250には、患者に関する様々な情報を記憶される。例えば、患者プロファイルデータベース250には、年齢、性別、身長、体重などの身体情報、病歴、および様々な嗜好が記憶され得る。患者プロファイルデータベース250は、患者の治療と関連付けられた様々な使用データと、患者が提供したフィードバックと、を記憶するために、実施中の治療時に更新され得る。
【0031】
媒体データベース252には、患者が睡眠時無呼吸システム100をセットアップおよび構成するのを支援するのに役立つ様々な画像、動画、アニメーションなどの媒体を記憶される。例えば、媒体データベース252は、睡眠時無呼吸デバイス130のセットアップ、電源投入、および使用方法、マスク140のサイズ決定、調整、および配置方法など、睡眠時無呼吸治療を始めるにあたっての患者の学習曲線を短縮するためのヘルプコンテンツを示す画像または動画を含み得る。
【0032】
図3Aは、機械、空気圧式、および/または電気部品を含み、1つ以上のアルゴリズム(例えば全体的にせよ部分的にせよ本明細書に記載の方法のうちいずれか)を実行するように構成される本技術の一態様による無呼吸デバイス130のような例示的なRPTデバイスのコンポーネントの分解図を示す。
図3Bは、例示的なRPTデバイス130のブロック図を示している。
図3Cは、例示的なRPTデバイス130の電気制御部品のブロック図を示している。上流および下流の方向が、送風機および患者インターフェースに対して示される。任意の特定の瞬間における実際の流れ方向に関係無く、送風機は患者インターフェースの上流にあるものとして規定され、患者インターフェースは送風機の下流にあるものとして規定される。送風機と患者インターフェースとの間の空気圧経路内に配置されたアイテムは、送風機の下流および患者インターフェースの上流にある。RPTデバイス130は、例えば呼吸状態のうち1つ以上の治療のために患者の気道へ送達される空気流れを生成するように構成され得る。
【0033】
RPTデバイス130は、外部ハウジング4010を持ち得る。外部ハウジング4010は、2つの部分(すなわち、上部4012および下部4014)によって形成される。さらに、外部ハウジング4010は、1つ以上のパネル(単数または複数)4015を含み得る。RPTデバイス130は、RPTデバイス130の1つ以上の内部コンポーネントを支持するシャーシ4016を含む。RPTデバイス130は、ハンドル4018を含み得る。
【0034】
空気圧RPTデバイス130の空気圧経路は、1つ以上の空気回路アイテム(例えば、入口空気フィルタ4112、入口マフラー4122、空気を陽圧で供給することが可能な圧力生成器4140(例えば、送風機4142)、出口マフラー4124)ならびに1つ以上の変換器4270(例えば、圧力センサ4272、流量センサ4274、およびモータ速度センサ4276)を含み得る。
【0035】
空気経路アイテムのうち1つ以上は、空気圧ブロック4020と呼ばれる取り外し可能な一体構造内に配置され得る。空気圧ブロック4020は、外部ハウジング4010内に配置され得る。一形態において、空気圧ブロック4020は、シャーシ4016によって支持されるかまたはシャーシ4016の一部として形成される。
【0036】
RPTデバイス130は、電源4210、1つ以上の入力デバイス4220、中央コントローラ4230、圧力生成器4140、データ通信インターフェース4280、および1つ以上の出力デバイス4290を有することができる。治療デバイスには別のコントローラが設けられ得る。電気部品4200は、シングルプリント回路基板アセンブリ(PCBA)4202上に取り付けられ得る。一代替形態において、RPTデバイス130は、1つよりも多くのPCBA4202を含み得る。また、1つ以上の保護回路4250、トランスデューサ4270、データ通信インターフェース4280、および記憶装置など他の部品も、PCBA4202に搭載され得る。
【0037】
RPTデバイスは、以下のコンポーネントのうち1つ以上を一体ユニット中に含み得る。一代替形態において、以下のコンポーネントのうち1つ以上が、それぞれの別個のユニットとして配置され得る。
【0038】
本技術の一形態によるRPTデバイスは、空気フィルタ4110または複数の空気フィルタ4110を含み得る。一形態において、入口空気フィルタ4112は、圧力生成器4140の空気圧経路上流の始まり部に配置される。一形態において、出口空気フィルタ4114(例えば抗菌ファクタ)は、空気圧ブロック4020の出口と、患者インターフェース(例えば、
図1のマスク140)との間に配置される。
【0039】
本技術の一形態によるRPTデバイスは、マフラー4120または複数のマフラー4120を含み得る。本技術の一形態において、入口マフラー4122は、空気圧経路内において圧力生成器4140の上方に配置される。本技術の一形態において、出口マフラー4124は、空気圧経路内において圧力生成器4140と患者インターフェース(例えば、
図1のマスク140)との間に配置される。
【0040】
本技術の一形態において、空気の流れまたは供給を陽圧において生成する圧力生成器4140は、制御可能な送風機4142である。例えば、送風機4142は、1つ以上のインペラを備えたブラシレスDCモータ4144を含み得る。インペラが、ボリュート内へ配置され得る。送風機は、空気供給の送達を例えば約120リットル/分までの速度で、約4cmH2O~約20cmH2Oの範囲の陽圧で、または他の形態において約30cmH2Oまで行うことができる。送風機については、以下の特許または特許出願のうちいずれか1つに記載があり得る。本明細書中、同文献全体を参考のため援用する:米国特許第7,866,944号、米国特許第8,638,014号、米国特許第8,636,479号およびPCT特許出願公開WO2013/020167。
【0041】
圧力生成器4140は、治療デバイスコントローラ4240の制御下にある。他の形態において、圧力生成器4140は、ピストン駆動ポンプ、高圧源(例えば、加圧空気リザーバ)へ接続された圧力調節器、またはベローズであり得る。
【0042】
本技術の一態様による空気回路4170は、使用時において加圧空気流れが2つのコンポーネント(例えば、加湿器5000および患者インターフェース140)間に移動するように、構築および配置された導管またはチューブである。詳細には、空気回路4170は、加湿器5000の出口および患者インターフェース140のプレナムチャンバと流体連通し得る。
【0043】
本技術の一形態において、アンチスピルバック弁4160が、加湿器5000と、空気圧ブロック4020との間に配置され得る。アンチスピルバック弁は、水が加湿器5000から上流に(例えば、送風機のモータ4144へ)流れる危険性を低減させるように、構築および配置される。
【0044】
電源4210は、RPTデバイス130の外部ハウジング4010の内部または外部に配置され得る。本技術の一形態において、電源4210は、RPTデバイス130にのみ電力を供給する。本技術の別の形態において、電源4210から、電力がRPTデバイス130および加湿器5000双方へ提供される。
【0045】
RTシステムは、RTシステム、その患者、および/またはその環境に関連する任意の数のパラメータのうちの1つ以上を測定するように構成された1つ以上のトランスデューサ(センサ)4270を備え得る。トランスデューサは、トランスデューサが測定するように構成された1つ以上のパラメータを表す出力信号を作り出すように構成され得る。
【0046】
この出力信号は、電気信号、磁気信号、機械信号、視覚信号、光学信号、音信号など、当技術分野で公知である任意数の他の信号のうちの1つ以上であり得る。
【0047】
トランスデューサは、RPTシステムの他の部品と一体化され得、RPTデバイスにトランスデューサが内蔵されているのが1つの例示的な配置である。トランスデューサは、RTシステムの実質的に「スタンドアローン」の部品であり得、トランスデューサがRPTデバイスの外部にあるのが例示的な配置であろう。
【0048】
トランスデューサは、その出力信号を、RPTデバイス、ローカル外部デバイス、またはリモートの外部デバイスなど、RTシステムの1つ以上の部品に伝達するように構成され得る。外部トランスデューサは、例えば、患者インターフェースや、スマートフォンなどの外部演算装置に所在し得る。外部変換器は、例えば空気回路上に配置してもよいし、あるいは空気回路の一部を形成してもよい(例えば、患者インターフェース)。
【0049】
1つ以上の変換器4270は、空気の特性を示す信号(例えば、流量、圧力または温度)を生成するように、構築および配置され得る。空気は、RPTデバイス130から患者への空気流れ、患者から大気への空気流れ、周囲の空気、またはその他であり得る。信号は、RPTデバイス130と患者との間の空気圧経路における空気流れなど、特定の地点における空気流れの性質を表し得る。本技術の一形態においては、1つ以上のトランスデューサ4270が、加湿器5000の下流など、RPTデバイス130の空気圧経路に所在し得る。
【0050】
本技術の一態様によれば、1つ以上のトランスデューサ4270は、空気圧経路と流体連通して所在する圧力センサを備える。適切な圧力センサの一実施例として、HONEYWELL ASDXシリーズからの変換器がある。別の適切な圧力センサとして、GENERAL ELECTRICからのNPAシリーズからの変換器がある。一実施形態において、圧力センサは、加湿器5000の排出口に隣接する空気回路4170に所在する。
【0051】
マイクロフォン圧力センサ4278が、空気回路4170内の圧力の変化を表す音信号を生成するように構成されている。マイクロフォン4278からの音信号は、以下に説明するアルゴリズムのうちの1つ以上によって構成されるとおり、音響処理および分析のために中央コントローラ4230によって受信され得る。マイクロフォン4278は、音に対する感度を高めるために空気経路に直接露出し得るか、可撓性膜材料の薄層の裏側に封入され得る。この膜は、マイクロフォン4278を熱および/または湿気から保護するように機能し得る。
【0052】
圧力センサ4272、流量センサ4274、モータ速度センサ4276、およびマイクロフォン4278などのトランスデューサ4270からのデータが、中央コントローラ4230によって周期的に収集され得る。このようなデータは、RPTデバイス130の動作状態に主に関連する。本例において、中央コントローラ4230は、センサからのこのようなデータの符号化を専用データフォーマットにて行う。データ符号化は、標準化されたデータフォーマットにて行ってもよい。
【0053】
本技術の一形態において、RPTデバイス130は、人間がデバイスと相互作用を可能にするためのボタン、スイッチまたはダイヤルの形態をとる1つ以上の入力デバイス4220を含む。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、タッチスクリーンを介してアクセスすることが可能な物理的デバイスまたはソフトウェアデバイスであり得る。ボタン、スイッチまたはダイヤルは、一形態において外部ハウジング4010に物理的に接続させてもよいし、あるいは、別の形態において中央コントローラ4230と電気接続された受信器と無線通信してもよい。一形態において、入力デバイス4220は、人間が値および/またはメニュー選択肢を選択することを可能にするように、構築および配置され得る。
【0054】
本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、RPTデバイス130の制御に適した1つまたは複数のプロセッサである。適切なプロセッサは、ARM HoldingsからのARM(登録商標)Cortex(登録商標)-Mプロセッサに基づいたプロセッサであるx86INTELプロセッサを含み得る(例えば、ST マクロ電子からのS(登録商標)32シリーズのマイクロコントローラ)。本技術の特定の代替形態において、32ビットRISC CPU(例えば、ST MICRO電子SからのSTR9シリーズマクロコントローラ)または16ビットRISC CPU(例えば、TEXAS INSTRUMENTSによって製造されたマクロコントローラのMSP430ファミリーからのプロセッサ)も適切であり得る。本技術の一形態において、中央コントローラ4230は、専用電子回路である。一形態において、中央コントローラ4230は、特定用途向け集積回路である。別の形態において、中央コントローラ4230は、個別電子コンポーネントを含む。中央コントローラ4230は、1つ以上の変換器4270、1つ以上の入力デバイス4220および加湿器5000から入力信号(単数または複数)を受信するように、構成され得る。
【0055】
中央コントローラ4230は、出力信号(単数または複数)を出力デバイス4290、治療デバイスコントローラ4240、データ通信インターフェース4280および加湿器5000のうち1つ以上へ提供するように、構成され得る。
【0056】
本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、本明細書中に記載の1つ以上の方法を具現するように、構成される(例えば、内部メモリ上の非一時的なコンピュータで読出可能な記録媒体の中に記録されたコンピュータプログラムとして表現された1つ以上のアルゴリズム)。本技術のいくつかの形態において、中央コントローラ4230は、RPTデバイス130と一体化され得る。しかし、本技術のいくつかの形態において、いくつかの方法が、遠隔配置されたデバイス(例えば、モバイル演算装置)によって行われ得る。例えば、遠隔配置されたデバイスは、記録されたデータ(例えば、本明細書中に記載のセンサのうちいずれかからのもの)の分析により、人工呼吸器の制御設定を決定し得るか、または、呼吸関連イベントを検出し得る。上記したように、外部ソースまたは中央コントローラ4230のデータおよび動作は全て、RPTデバイス130の製造業者専用であることが多い。そのため、センサからのデータおよび他の任意のさらなる動作データは、他の任意のデバイスからはアクセスできないことが多い。
【0057】
本技術の1つの形態において、データ通信インターフェースが設けられ、中央コントローラ4230へ接続される。データ通信インターフェースは、遠隔外部通信ネットワークおよび/またはローカル外部通信ネットワークへ接続可能であり得る。遠隔外部通信ネットワークは、遠隔外部デバイス(例えば、サーバまたはデータベース)へ接続可能であり得る。ローカル外部通信ネットワークは、ローカル外部デバイス(例えば、モバイルデバイスまたは健康監視デバイス)へ接続可能であり得る。そのため、ローカル外部通信ネットワークは、他のデバイスからデータを収集する目的で、RPTデバイス130またはモバイルデバイスのいずれかによって使用され得る。
【0058】
一形態において、データ通信インターフェースは、中央コントローラ4230の一部である。別の形態において、データ通信インターフェース4280は、中央コントローラ4230と別個であり、集積回路またはプロセッサを含み得る。一形態において、遠隔外部通信ネットワークはインターネットである。データ通信インターフェースは、インターネットへ接続するために、(例えば、イーサネット(登録商標)または光ファイバーを介して)有線通信を用得るかまたは無線プロトコル(例えば、CDMA、GSM(登録商標)、2G、3G、4G/LTE Cat-M、NB-IoT、5G ニューラジオ、人工衛星、beyond 5G)を用い得る。一形態において、ローカル外部通信ネットワーク4284は、1つ以上の通信規格(例えば、ブルートゥース(登録商標)またはコンシューマー赤外線プロトコル)を用いる。
【0059】
図3Cに示すように、例示的なRPTデバイス130は、集積型センサおよび通信電子装置を含む。旧型のRPTデバイスの場合、収集データの送信のために通信電子装置を含み得るセンサモジュールとのレトロフィットが可能であり得る。かかるセンサモジュールは、RPTデバイスに取り付け可能であり得るため、管理サーバ110やユーザデバイス120などの外部デバイスに動作データを送信可能であり得る。
【0060】
図4A~
図4Bは、初期画面、ログイン、およびオンボーディング処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション125によって提示された様子を表している。その中で
図4Aは、初期インターフェース400、ログイン画面410、規約画面420、および個人データ確認画面430を含むユーザインターフェースのスクリーンショットを示している。
図4Bは、健康状態の詳細確認画面440、オンボーディング概要画面450、およびアシスタント紹介画面460を含むユーザインターフェースのスクリーンショットを示している。クライアントアプリケーション125は、クライアントデバイス120が、クライアントアプリケーション125のダウンロードおよびインストール後に初めて開いたときに、これらのユーザインターフェースを提示し得る。ここで、クライアントアプリケーション125は、患者から様々なプロファイル情報(例えば、個人情報や健康状態情報)を取得し、規約画面420、個人データ確認画面430、健康状態の詳細確認画面440を介して、患者から追加のデータを収集および使用する許可を取得する。収集された情報は、クライアントデバイス120から管理サーバ110に送信され得、患者のユーザプロファイルと関連付けて記憶され得る。アシスタント紹介画面460では、インストール処理に沿ってユーザがチャットウィンドウで質問することができる。
【0061】
図5A~
図5Bは、開封および機器識別処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション125によって提示された様子を表している。その中で、
図5Aは、概要画面500および指示画面510のスクリーンショットを示している。ここでクライアントアプリケーション125が、患者が従うべき段階的指示をユーザインターフェースに提示する。クライアントアプリケーション125は、概要画面500で患者に機器の開封を指示した後、指示画面510を介して、クライアントデバイス110のカメラを睡眠時無呼吸デバイス130に向けるよう患者に促す。
【0062】
指示画面510からの起動後にクライアントの起動によって表示されるデバイス画像撮影インターフェース画面530のスクリーンショット例が
図5Bに示されている。デバイス画像撮影インターフェース画面530は、RPTデバイス130の画像を中心とし得るレチクル532を含む。撮影されたデバイス画像の処理中に、デバイス画像処理画面540が表示される。撮影された画像は管理サーバ110に送信され、デバイス認識モジュール204が睡眠時無呼吸デバイス130の種別を自動的に認識し、この情報を患者のプロファイルに記憶できるようになる。次に、クライアントアプリケーション125が、睡眠時無呼吸デバイス130の識別に成功したことを患者に確認する。デバイス確認画面550が表示され、識別された睡眠時無呼吸デバイスのモデルを示すグラフィック画像552が確認時に表示される。かかる情報は、患者が呼吸治療を受けるために使用する製品の組み立て/セットアップおよび関連付けられた周辺機器/接続(電源、チューブなど)が正しいかどうかを確認する目的で使用され得る。
【0063】
クライアントアプリケーション125も同様に、クライアントデバイス110のカメラをマスク140に向けるよう患者に促し、撮影された画像を管理サーバ110に送信する。指示画面510からの起動後にクライアントの起動によって表示されるマスク画像撮影インターフェース画面560のスクリーンショット例が
図5Bに示されている。マスク画像撮影インターフェース画面560は、マスク140の画像を中心とし得るレチクル562を含む。撮影されたマスク画像の処理中に、マスク画像処理画面570が表示される。マスク認識モジュール206は、この画像を基にマスク140の種別を自動的に認識し、マスクの種別を患者のプロファイルに記憶する。マスク確認画面580が表示され、識別されたマスクのモデルを示すグラフィック画像582が確認時に表示される。
【0064】
図5Cは、完全なマスク組立工程との関連でクライアントアプリケーション125が提供するインターフェース590のスクリーンショットを表している。ここでクライアントアプリケーション125は、マスク140を正しく組み立てる方法を患者に指示する一連の画像または動画を(例えば、媒体データベース252から)提示し得る。提示内容は、先に識別された特定のマスク種別に固有であり得る。このマスク識別情報は、具体的な部品、それらの用途/機能、および適切な手入れ(例えば、取り外し方法、清掃方法)に関する情報を提供する目的で使用され得る。マスクには数多くのバリエーションがあり、その組成や機能も多様であることから、上記のとおり、これは先に識別されたマスクの種別に固有である。
【0065】
図6A~
図6Bは、患者のマスク装着支援と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション125によって提示された様子を表している。
図6Aは、ユーザにマスク140の試着を指示する概要インターフェース600のスクリーンショットである。ここでクライアントアプリケーション125は、患者にマスク140の装着方法を指示するス段階的指示を(例えば、テキスト、画像、動画、またはそれらの組み合わせという形態で)提供する。
図6Bは、患者にマスク140の装着方法を指示する動画例610のスクリーンショットである。マスク140を着用中であるいうことを患者が明示すると、クライアントアプリケーション125は、インターフェース620を提示して、マスクが顔の上で正しく密封されるよう患者が適切にマスクを位置付けるのを支援する。
【0066】
支援を求めるオプションを患者がインターフェース620上で選択すると、クライアントアプリケーション125は、クライアントデバイス110のユーザ側カメラを使用してユーザの顔の動画を撮影し得、撮影動画を含む拡張現実ビューをディスプレイ上に提示し得、適切なマスク配置を示すマーカを患者の顔の上に重ねる。
図6Bは、マスクの配置を支援するための動画を撮影するための一連のスクリーンショットを示している。動画撮影を開始するための指示概要画像630が患者に表示される。ユーザは、マスク140を適切に位置付けるために、拡張現実ビューを使用してマスク140をマーカに合わせるように指示される。自撮りインターフェース640に、マスク130を装着している患者の顔を含む自撮り画像644にマスク輪郭642が当たっている様子が示されている。マスク輪郭642は、顔の特徴との位置合わせを支援するための位置マーカ646を含み得る。自撮り画像644におけるマスクは、マスク輪郭642と一致するように患者がマスクを調整するのを支援する自撮りインターフェース650の第2の画像に示すように調整され得る。
【0067】
一実施形態において、クライアントアプリケーション125は、撮影された動画を基にマスクが適切に位置合わせされた時期を検出し、患者に注意喚起し得る。自撮りインターフェース650は、患者がマスクを動かしてマスク輪郭642に合わせるのを支援する矢印などの記号を生成する。インターフェース650は、マスクの正しい位置合わせを支援するために、マスク輪郭642に対する実際のマスク130の画像を表示する。マスクが正しく位置決めされると、配置が成功したことを示す配置確認インターフェース660が患者に表示される。
【0068】
図7A~
図7Cは、クライアントアプリケーション125の一部であり得るマスク漏れ検出処理と関連付けられたスクリーンショットを表している。マスク140が適切に位置合わせされていることが検出されると、クライアントアプリケーション125は、クライアントデバイス120をマスク140の近くに保持するよう患者に指示し得る。クライアントアプリケーション125は、呼吸治療デバイス130稼働時の漏れの音を検出するように患者に指示するための漏れ調整概要インターフェース700を表示する。クライアントアプリケーション125は、クライアントデバイス120のマイクロフォンを制御して音声を捕捉し、その音声、またはその音声から抽出された特徴(例えば、音響指紋)を管理サーバ110に送信する。患者がインターフェース700の続行ボタンを選択すると、マイクロフォンインターフェース710が表示され、患者がクライアントデバイス120のマイクロフォンを起動できるようになる。マイクロフォンが起動すると、アクティブマイクロフォンインターフェース720が表示される。次に、マスク漏れ検出モジュール210が、抽出された特徴を基に、マスク140が適切に封止されているかどうか、または許容可能な漏れプロファイルを有するかどうかを検出し得る。ある実施形態においては、種別のマスク140および/または顔の特徴が異なれば、この検出アルゴリズムが異なり得る。例えば、顔ひげのある患者には、顔ひげのない患者に使用される検出アルゴリズムとは異なる検出アルゴリズムが使用され得る。
【0069】
適切に封止されていることを検出すると、クライアントアプリケーション125を介して、テストが完了したことが患者に通知され得る。逆に、適切に封止されていることが検出されない場合には、クライアントアプリケーション125が患者に注意喚起し得、マスク140を改めて位置付け、
図6A~
図6Cに示すインターフェースへのアクセスを再試行するというオプションを患者に提供し得る。
図7Bは、検出された漏れに基づいて患者に注意喚起する漏れ検出インターフェース730を示している。代替として、クライアントアプリケーション125は、自動化されたアシスタントまたは生身の人間の担当者から支援を得るオプションを患者に提供し得る。例示的なアシスタント紹介インターフェース740が起動して、アシスタントとのコミュニケーションが可能となり得る。例えば、一実施形態において、患者はチャットインターフェース750を介してアシスタントとチャットすることができる。リモートアシスタントとのチャットで問題が解決できなかった場合、クライアントアプリケーション125は、動画開始インターフェース760に示すとおり、患者をさらに支援するために生身の担当者とのビデオ通話を開始し得る。動画開始インターフェース760は、確認画面770を表示できるようになっている。患者が生身の担当者へとエスカレーションする必要性を確認すると、アプリケーションはビデオ通話画面780を開始して、患者が生身の担当者とのビデオ通話を開始できるようにする。問題が解決できない場合には、クライアントアプリケーション125が、患者に異なるサイズまたはモデルのマスク140を注文することを勧め得る。
【0070】
図8は、セットアップ完了処理と関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション125によって提示された様子を表している。ここで、クライアントアプリケーション125は、セットアップが完了したことを患者に通知するスクリーンショット800、810、および820を提示し、以前のステップのいずれかを繰り返すオプションを患者に提供し得る。スクリーンショット800は、ステータスを表示するインターフェース800を示している。スクリーンショット810は、患者が処理を反復または完了できるようにする完了インターフェース画面である。患者は、セットアップを終了することを選択し得、その結果、完了画面820が表示される。
【0071】
図9Aは、新たにセットアップされた睡眠時無呼吸デバイス130を用いた最初の晩の治療に向けて患者に準備させることと関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション125によって提示される様子を表している。一実施形態において、クライアントアプリケーション125は、患者の通常の就寝時刻前に通知ユーザインターフェース900を自動的に提示し得る。ここでクライアントアプリケーション125は、最初の晩の治療に向けて患者に準備させることに関連する情報を患者に提示し得るとともに、すべての機器が正しくセットアップされて準備ができていることを確認するためのチェックリストを患者に提示し得る。例えば、インターフェース910では、最初の晩の治療に向けた準備に関連する情報のチェックリストボタン912をユーザが選択できるようになっている。インターフェース910は、睡眠時無呼吸デバイス130が使用された曜日を表すアイコン914を含む。チェックリストインターフェースの一例が、マスクが正しく接続されているか、快適にフィットしているか、漏れがないかなど、マスクの配置についてチェックするマスクチェックリスト画面920である。チェックリストインターフェースの別例が、デバイスの電源がオンになっているか、デバイスが正しく接続されているか、加湿器に水が入っているかなど、デバイスの動作についてチェックするデバイスチェックリスト画面930である。
【0072】
図9Bは、睡眠の質を表すアイコンをユーザが選択できる睡眠入力部942と、デバイス130を用いた各治療セッションの要約データおよび総合スコアを表すデータフィールド944と、クライアントアプリケーション125の機能の各種起動ボタンと、を含むマスターインターフェース940を示している。インターフェース950には、患者が各種アプリケーション機能にアクセスするためのメニューオプションが表示される。
【0073】
図10A~
図10Cは、最初の晩の治療後に患者からフィードバックを得ることと関連付けられたスクリーンショットがクライアントアプリケーション125によって提示された様子を表している。ここでクライアントアプリケーション125は、朝、予測された患者起床時刻近くに通知ユーザインターフェース1000を提示し得る。クライアントアプリケーション125は、患者の一晩の睡眠の質に関するフィードバックを患者に求め得る。例えば、患者が自分の睡眠体験を振り返って選択し得る選択可能アイコン1012、1014、および1016を含む睡眠評価インターフェース1010が提示され得る。フィードバックは管理サーバ110に送信され得る。アイコン1016を選択するなどの肯定的なフィードバックにより、追加データを収集できる付加的なコンテキストインターフェース1020の提示が可能となり得る。
【0074】
インターフェース1010においてアイコン1012またはアイコン1014を選択するなど、患者が否定的なフィードバックを提供すると、クライアントアプリケーション125は、患者の不快な経験の理由を診断することに関連する追加質問を提示し得る。例えば、
図10Bに示す装具分析フィードバック画面1030に、マスクが不快である、目が乾く、騒音がする、マスクが外れて目が覚める、口/鼻が乾くなど、不満を感じた理由をユーザが選択できる種々のオプション1032が提示され得る。選択後、インターフェース1030は、選択された問題アイコンを、強調されたアイコン1034として表示し、データを管理サーバ110に送信する。マスクが軽すぎると感じた、マストが緩すぎると感じて騒音がした、またはマスクで顔に違和感を覚えたなど、一般的なマスク関連の不平を表すアイコン1042を介して、潜在的なマスク不快感に関するデータを収集するために、例示的なマスク不快感インターフェース1040が表示され得る。選択された各アイコンから、他のフィードバックインターフェースが表示され得る。例えば、騒音が問題として特定されると、マスク周辺の空気からの騒音、機械からの騒音、またはホースの接触による騒音など、一般的な騒音問題を表すアイコン1052を介して騒音問題に関するデータを収集するために、騒音フィードバックインターフェース1050が表示され得る。このフィードバックはさらに、管理サーバ110に送信され、体験の改善に役立てるために、患者(または患者群)への推奨を生成する目的で使用され得る。患者がさらなるフィードバックを提供するためのコメントボックス1062を伴う例示的な要約および送信インターフェース1060が表示され得る。
【0075】
図11は、マスク認識モジュール206の例示的実施形態を表している。ここで、マスク認識モジュール206は、学習モジュール1110と予測モジュール1120とを含む。学習モジュール1110は、マスク140の画像、マスクCADファイル、およびマスク140の種別に由来する画像特徴間の相関を学習する。一実施形態において、学習モジュール1110は、データ取得モジュール1112と、データセット準備モジュール1114と、機械学習および評価モジュール1116と、を備える。データ取得モジュール1112は、機械学習を可能にするために、十分なサンプルサイズおよび条件のバリエーションを有する画像処理データセットを取得する。例えば、データ取得モジュール1112は、
図5A~
図5Bで言及した上記マスク検出処理中に患者が撮影し得る画像を表す広範囲の画像を含むデータセットを取得するために、様々な照明条件、環境、向きの下、種々の取得デバイスを使用して、可能な各種別のマスクを取得し得る。データセット準備モジュール1114は、画像に様々な処理を施すことにより、機械学習用の画像処理データセットを準備する。例えば、データセット準備モジュール1114は、画像を正規化し、画像を標準化されたフォーマットにし、(例えば、画像特徴を抽出するために)画像に対して1つ以上の変換を実行し得る。機械学習および評価モジュール1116は、画像とマスク種別との間の相関を学習するように機械学習モデルをトレーニングする。種々の実施形態において、機械学習および評価モジュール1116は、教師あり学習、教師なし学習、またはそれらの組み合わせを実行し得る。機械学習および評価モジュール1116は、学習した相関を表す候補モデル1118を生成し得る。
【0076】
予測モジュール1120は、受信した画像を基に、マスク種別を予測する。一実施形態において、予測モジュール1120は、展開モジュール1122と、実地試験モジュール1124と、生産開始モジュール1126と、を備える。展開モジュール1122は、候補モデル1118を、複数の機械学習プラットフォームに展開できる機械学習モデルに変換する。実地試験モジュール1124は、複数の機械学習プラットフォームを使用して、種々の条件で候補モデル1118の予測を評価するための制御された実地試験を管理する。実地試験モジュール1124は、候補モデル1118を洗練させて、検証済みモデル1128を生成し得る。生産開始モジュール1126は、患者のセットアップ中に受信したマスクの入力画像に検証済みモデル1128を適用し、マスク種別予測を生成する。生産開始モジュール1126は、様々な分析およびデータ収集メカニズムを組み込んで、検証済みモデル1128に対するアップデートを生成し、その精度を引き続き高め得る。
【0077】
図12は、マスク推奨モジュール212の例示的実施形態を表している。マスク推奨モジュール212は、患者の肖像画像を基に、特定の患者に特定のマスク種別およびサイズを推奨する。例えば、一実施形態において、マスク推奨モジュール212は、複数の異なる特徴抽出モジュール1202を適用して、患者の画像と関連付けられた様々な予測特徴を識別する。例えば、特徴抽出モジュール1202は、例えば、入力画像と関連付けられたカメラ種別、レンズ種別、および様々な画像属性を識別するためのカメラ、レンズ、および画像属性モジュール1220と、入力画像に捉えられた患者の顔の特徴を分析および測定するための顔特徴分析および測定モジュール1222と、入力画像における頭部の傾きおよび/または回転の量を検出するための頭部傾き/回転モジュール1224と、入力画像から患者の性別を検出するための性別認識モジュール1226と、入力画像を基に患者の年齢を推定するための年齢推定モジュール1228と、入力画像を基に患者の民族を予想するための民族認識モジュール1230と、を含み得る。
【0078】
特徴抽出モジュール1212から抽出された特徴は、患者の顔が種々のサイズおよび種別のマスク140に適しているかどうかを検出するようにそれぞれトレーニングされた1つ以上の機械学習モデル1204に入力される。機械学習モデル1204は、マスクサイズ推奨1206およびマスク種別推奨1208を生成する。
【0079】
代替実施形態においては、代わりに上記の管理サーバ110に帰属する様々なモジュールが、クライアントアプリケーション125によって全体的または部分的に実行され得る。例えば、クライアントアプリケーション125が画像または画像特徴を管理サーバ110に送信する代わりに、クライアントアプリケーション125は、(管理サーバ110から受信したモデルを基に)1つ以上の機械学習モデルを直接適用し得る。他の実施形態においては、クライアントアプリケーション125によって実行されると本明細書で説明した機能が、代わりに管理サーバ110によって実行され得る。
【0080】
本出願で使用される「部品」、「モジュール」、「システム」などの用語は、ハードウェア(例えば、回路)、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ、ソフトウェア、または1つ以上の具体的な機能を有する動作機械に関するエンティティのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを概して指す。例えば、部品は、プロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ)上で実行される処理、プロセッサ、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プログラム、および/またはコンピュータであり得るが、これらに限定されない。例として、コントローラと、コントローラ上で動作するアプリケーションの両方が部品であり得る。1つ以上の部品が、プロセスおよび/または実行スレッド内に存在し得、ある部品が、1台のコンピュータ上でローカライズされたり、2台以上のコンピュータ間で分散されたりし得る。さらに、「デバイス」は、特別に設計されたハードウェア、具体的な機能の実行を可能にするソフトウェアの実行によって特殊化された被汎用化ハードウェア、コンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア、またはこれらの組み合わせの形態をとることができる。
【0081】
本明細書中に用いられる用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明を限定的なものではない。本明細書で使用している単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかな場合を除き、複数形も含むことが意図されている。さらに、発明を実施するための形態および特許請求の範囲において、「含む」、「有する」、またはそれらの活用形が使用されており、これらの用語は、「備える」という用語と同様に包括的であることが意図されている。
【0082】
他に明記しない限り、本明細書中の全ての用語(技術用語および科学用語を含めて)は、当業者が一般的に理解するような意味と同じ意味を持つ。さらには、広く使用されている辞書で定義されているような用語は、当該技術分野の文脈における意味と一致するように解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されている場合を除き、理想化された意味や過剰に形式的な意味で解釈されることはない。
【0083】
以上、本発明の様々な実施形態について説明してきたが、それらは例示目的でのみ提示されており、限定ではないものと理解すべきである。本発明について、1つ以上の実装形態に関して例示および説明してきたが、本明細書および添付の図面を読み、理解する上で、等価の変更および修正が生じるか、他の当業者に公知であろう。加えて、本発明の特定の特徴は、いくつかの実装形態のうちの1つのみに関して開示されたかもしれないが、かかる特徴は、任意の所与または特定の用途に対して所望かつ有利となるように、他の実装形態の1つ以上の他の特徴と組み合わせられ得る。したがって、本発明の幅と範囲は、上記実施形態のいずれによっても制限されるべきでない。むしろ、本発明の範囲は、以下の請求項およびその均等物に従って定義されるべきである。