(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】付加製造機のための製造チャンバ
(51)【国際特許分類】
B22F 12/70 20210101AFI20240110BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20240110BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20240110BHJP
B29C 64/371 20170101ALI20240110BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20240110BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240110BHJP
B22F 12/30 20210101ALI20240110BHJP
B29C 64/245 20170101ALI20240110BHJP
【FI】
B22F12/70
B22F10/28
B29C64/153
B29C64/371
B33Y10/00
B33Y30/00
B22F12/30
B29C64/245
(21)【出願番号】P 2021532398
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(86)【国際出願番号】 FR2019053045
(87)【国際公開番号】W WO2020120912
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-06-24
(32)【優先日】2018-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517160927
【氏名又は名称】アッドアップ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】フラニエール ブリュノ
(72)【発明者】
【氏名】エッフェルネッリ アルビン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルラント ジル
【審査官】萩原 周治
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-523303(JP,A)
【文献】特開2014-104489(JP,A)
【文献】特開2018-080390(JP,A)
【文献】特表2018-524197(JP,A)
【文献】特表2016-527390(JP,A)
【文献】特表2008-542550(JP,A)
【文献】特開2011-088133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0061653(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105642891(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00-12/90
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造機(10)のためのエンクロージャ(30)を備える製造チャンバ(20)であって、前記エンクロージャ(30)内に、
作業面(40)と、
付加製造粉体の層の堆積及び溶融が行われる際に前記作業面(40)に対して並進運動する、付加製造材料の堆積のための及び製造される部品を支持するための製造プラットフォーム(50)と、
前記製造プラットフォーム(50)上にガス流を流すための回路と、を備え、
前記エンクロージャ(30)及び/又は作業面(40)は、前記ガス流のための入口開口を備え、前記入口開口の幾何学的形状は、前記ガス流を前記エンクロージャの中に注入するのを可能にし、
前記作業面(40)は、前記ガス流の流れ方向に対して前記製造プラットフォーム(50)の上流で、前記製造プラットフォームが配置される前記作業面(40)の領域に丸い凸状外形をもつ表面によって結合された上流斜面(41)を備え、
前記入口開口は、前記上流斜面上に前記ガス流を向かわせ、
前記丸い凸状外形の表面は、コアンダ効果で、前記ガス流を前記作業面(40)に押しつけるように構成されており、結果的に前記ガス流は
層流の形態で前記製造プラットフォーム(50)の上を流れる、
ことを特徴とする製造チャンバ(20)。
【請求項2】
前記入口開口は、前記ガス流の流れ方向に直交する主方向に延びるスロットである、
請求項1に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項3】
前記入口開口(21)の前記スロットは、少なくとも前記エンクロージャ(30)の内部の前記製造プラットフォームの幅に広がる、
請求項2に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項4】
前記入口開口(21)は、前記ガス流を前記上流斜面(41)の接線方向に向かわせる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項5】
前記入口開口(21)の一部は、前記エンクロージャ(30)の
側壁(32)に配置された切り欠き(80)を備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項6】
前記丸い凸状外形の表面は、300mmから
1700mmの曲率半径を有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項7】
前記丸い凸状外形の表面は、一定の曲率半径を有する、
請求項1から6のいずれか1項に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項8】
前記上流斜面(41)は、前記
製造プラットフォーム(50)の平面に対して、10°から90°
の間の角度で傾斜している、
請求項1から
7のいずれか1項に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項9】
前記エンクロージャ(30)及び/又は前記作業面(40)は、前記
製造プラットフォーム(50)の下流に、出口開口を備え、前記ガス流は、前記出口開口を通って引き出される、
請求項1から
8のいずれか1項に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項10】
前記製造プラットフォーム(50)の下流で、前記作業面(40)の表面は、前記出口開口の所まで前記製造プラットフォームの表面と平行である、
請求項
9に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項11】
前記作業面(40)は、前記ガス流の流れ方向に対して前記製造プラットフォーム(50)の下流で、前記製造プラットフォームが配置される前記作業面(40)の領域に丸い凸状外形をもつ表面によって結合された下流斜面(43)を備える、
請求項
9に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項12】
前記出口開口は、前記下流斜面(43)の接線方向に前記ガス流を引き出すように構成される、
請求項
11に記載の製造チャンバ(20)。
【請求項13】
請求項1から
12のいずれか1項に記載の製造チャンバ(20)を備える付加製造機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択的付加製造の一般的分野に関する。詳細には、本発明は、付加製造機のための製造チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
選択的付加製造は、粉体材料(金属粉体、セラミック粉体など)の連続層内の選択された領域を固化させることで、3次元物体を作成するものである。固化領域は、3次元物体の連続的な断面に対応する、例えば、固化は、固化供給源(高出力レーザービーム、電子ビームなど)を用いて行われ全体的又は部分的な選択的溶融によって、層毎に行われる。
【0003】
従来、付加製造装置は、固定製造チャンバ内に、
-付加製造粉体の様々な層がその上に連続的に堆積される垂直可動プラットフォームと、
-粉体床を選択的に走査するように制御される1又は2以上のエネルギービーム供給源と、
-粉体供給容器と、
-粉体を分散させるために粉体床上を並進運動する.スクレーパー又はローラーなどのツールと、
を備える。
【0004】
従来、粉体の溶融に起因する煙霧及び放出物(projection)を排出するために不活性ガス流が可動プラットフォームの上に供給される。この不活性ガス流は、煙霧及び放出物がエネルギービームを妨げるのを防ぐ。また、不活性ガス流は、煙霧及び放出物が、エネルギービームが通過して製造チャンバ内に入る窓を汚す又は遮るのを防ぐのを助ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、今日までこのような煙霧を排出するために提案された構成は完全に満足できるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの目的は、従来公知の付加製造チャンバ、特に大きな寸法のプラットフォームに関する欠点を解決することにある。
【0007】
特に、本発明は、層状に堆積された粉体のかく乱を最小限にしながら、粉体の溶融に起因する煙霧及び放出物を排出するための解決策を提示する。
【0008】
従って、本発明は、付加製造機のためのエンクロージャを備える製造チャンバを提示し、エンクロージャ内に、
作業面と、
付加製造粉体の層の堆積及び溶融が行われる際に作業面に対して並進運動する、付加製造材料の堆積のための及び製造される部品を支持するための製造プラットフォームと、
製造プラットフォーム上に不活性ガス流を流すための回路と、
を備え、
エンクロージャ及び/又は作業面は、ガス流のための入口開口を備え、入口開口の幾何学的形状は、ガス流をエンクロージャの中に注入するのを可能にし、
作業面は、ガス流の流れ方向に対して製造プラットフォームの上流で、製造プラットフォームが配置される作業面の領域に丸い凸状外形をもつ表面によって結合された上流斜面を備え、
丸い凸状外形の表面は、コアンダ効果で、ガス流を作業面上に押しつけるように構成されており、結果的にガス流は、好ましくは層流の形態で作業面の上を流れる。
【0009】
この構成は、不活性ガスが製造プラットフォーム及び作業面の上を好ましくは層流で流れるのを保証することができる。
【0010】
このことは、乱流がないグレージング流(grazing flow)によって金属蒸気及び何らかの放出物が排出されることを保証し、結果として粉体が所定位置から吹き飛ばされるのを防ぐ。
【0011】
また、このような構成は、単独で又は何らかの技術的に実現可能な組み合わせで考えられる以下の様々な特徴が追加されることが好都合である。
-入口開口は、ガス流を上流斜面の接線方向に向かわせる。
-入口開口は、ガス流の流れ方向に直交する主方向に延びるスロットである。
-入口開口のスロットは、少なくともエンクロージャの内部の製造プラットフォームの幅に広がる。
-丸い凸状外形の表面は、一定の曲率半径を有する。
-入口開口の一部は、エンクロージャの側壁に配置された切り欠きを備える。
-丸い凸状外形の表面は、300mmから1700mmの間の、例えば、1500mmに等しい曲率半径を有する。
-丸い凸状外形の表面は、異なる曲率半径又は可変の曲率半径を有し、変形形態は特定の機能に適合する。
-上流斜面は、プラットフォームの平面に対して、10°から90°の間の、例えば、15°から25°の間の、例えば、20°に等しい角度で傾斜している。
-エンクロージャ及び/又は作業面は、プラットフォームの下流に出口開口を備え、ガス流は、出口開口を通って引き出される。
-製造プラットフォームの下流で、作業面の表面は、出口開口の所まで製造プラットフォームの表面と平行である。
-作業面は、ガス流の流れ方向に対して製造プラットフォームの下流で、製造プラットフォームが配置される作業面の領域に丸い凸状外形をもつ表面によって結合された下流斜面を備え、出口開口は、下流斜面の接線方向にガス流を引き出すように構成される。
【0012】
本発明は、上記のタイプの製造チャンバを備える付加製造機にも関連する。
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、単に例示的で非限定的であり、さらに添付図面を参照して読む必要がある以下の説明からより明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】本発明の実施形態による製造チャンバの概略図である。
【
図3】
図2の実施形態による製造チャンバの断面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態による製造チャンバの概略図である。
【
図5】
図2に示すタイプの製造チャンバ内のガス流の速度をプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(全体設備)
図1を参照すると、付加製造機10は製造チャンバ20を備える。
従来通り、製造チャンバ20は、エンクロージャ30を備え、これは作業面40、作業面40を囲む側壁32、及びエンクロージャ30を閉鎖すると同時にエネルギービームの通路をもたらす上蓋31によって画定される。壁32及び蓋31は、例えば、金属製である。作業面40は、例えば、金属製である。
【0016】
また、製造チャンバ20は、様々な連続的な付加製造粉体層を受け取るための及び製造時に部品を支持するための製造プラットフォーム50を備える。
【0017】
このプラットフォーム50は、付加製造のための適切な平面特性及び表面状体の作業表面を有する。好ましくは、プラットフォーム50は、数十キログラム又は数百キログラムの重さの部品を支持できる機械的強度特性も有する。従って、プラットフォーム50は、例えば、金属製とすることができる。
【0018】
このプラットフォーム50は、作業面40の中央領域42内に位置し、この中央領域42は、平面である。
典型的に、この中央領域42は、1メートル以上の長さとすることができる(例えば、約1300ミリメートル)。
【0019】
粉体の堆積及び溶融面は、プロセスを通じてこの中央領域42と一致する。
このために、プラットフォーム50は、付加製造粉体層の堆積及び溶融が行われる際に作業面40に対して並進運動する。
【0020】
特に、1つの実施形態において、プラットフォーム50は、付加製造粉体層の堆積及び溶融が行われる際に降下するが、作業面40は静止したままである。
変形例として、作業面40は、エンクロージャ30と共に移動するようにすることができるが、プラットフォーム50は静止したままである。
【0021】
製造プラットフォーム50の形状は、円形、矩形、方形、三角形などとすることができる。円形の場合、直径は、例えば、約1200ミリメートルである。
製造チャンバ20は、作業面40及びプラットフォーム50の上で移動するカートリッジ60をさらに備える。
【0022】
粉体は、スライド弁又はインジェクタ、又は作業面40の上に位置する粉体容器とすることができる粉体分配装置によって、カートリッジ60の前方に配置又は堆積される。従って、カートリッジ60は、部品を製造するために、製造領域51上、プラットフォーム50上、又は先行する粉体層上に粉体を分配するために使用することができる。
カートリッジ60は、例えば、スクレーパー又はローラーを備えることができる。
【0023】
製造チャンバ20は、付加製造粉体を溶融するためのパワー供給部材70をさらに備える。パワー供給部材70は、例えば、レーザービーム供給源、電子ビーム供給源などとすることができる。
【0024】
(ガス入口/ガス出口)
本説明の残りの部分では、直交基準座標系XYZを参照する。平面XYは、作業面40の中央領域42の平面に平行であり、X軸は横軸を成し、Y軸は作業面40の長さに平行な縦軸を成し、Z軸は垂直軸である。
【0025】
図2に示すように、好ましくは不活性のガスは、領域42上をY軸に平行に流れる。
このために、エンクロージャ30は、ガス入口及びガス出口21、22を備える。また、ガスを循環させるための回路(図示せず)及び様々な機器(例えば、配管、循環ポンプ及びフィルタ)がエンクロージャ30の外部に設けられている。
【0026】
例えば、不活性ガスは、窒素ガス、希ガス(ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン又はラドン)、又はこれらのガスの一部の混合気である。
【0027】
例えば、入口21及び出口22は、作業面40の近く壁32を貫通して形成された開口(特に、X軸に平行なスロット)である。
また、これらは、壁32のすぐ近くで作業面40を貫通してエンクロージャ30の内部に開口することができる。
【0028】
これらは、好都合には、少なくともエンクロージャ30の内部のプラットフォーム50の横方向幅に広がり、好ましくは、プラットフォーム50の横方向幅を超えて広がる。
このような比率は、プラットフォーム50の全面の最適な適用範囲(coverage)を、従って粉体の溶融から生じる煙霧及び放出物の適切な排出もたらす。
【0029】
特に、入口21を形成する開口の幾何学的形状は、好ましくは、ガス流が層流の形態でエンクロージャの中に注入される形状である。
カートリッジ60は、ガス流に直交して又は他の方向に配置することができる。
図1に示すように、カートリッジ60がガス流に直交して配置される場合、カートリッジの格納位置は、エンクロージャの側壁32に沿って設けることができる。このような格納位置において、カートリッジは、入口21又は出口22の上に位置し、ガス流を妨げない。
ガス流との干渉を防ぐために、カートリッジ60はガス流に対して平行に配置することもできる。
【0030】
作業プラットフォーム40は、中央領域42の上流側に上流斜面41を備え、そのすぐ近くに不活性ガス入口21が開口する、
本明細書を通して、用語「上流」及び「下流」は、ガス流の方向を参照して定義される。
【0031】
入口21は、ガス流を上流斜面41上に、好ましくは上流斜面41の接線方向に向かわせる幾何学的形状を有する。
変形例として、入口21は、ガス流を所定の入射角で上流斜面41上に向かわせる幾何学的形状を有する。
【0032】
開口21の反対側の端部において、上流斜面41は、丸い凸状の幾何学的形状を有すると共に中央領域42の表面との接続部を形成する連結領域41aで終端する。
【0033】
図3により詳細に示される実施形態において、作業面40の上流斜面41は、10°から90°、例えば15°から25°の間の角度αで平面XYに対して傾斜している。角度αは、例えば、20°に等しい。
【0034】
丸い連結領域41aの曲率半径R1は、300mmから1700mmの間とすることができる。好ましくは、曲率半径R1は、1400mmから1600mの間であり、例えば1500mmに等しい。
また、丸い連結領域41aは、異なる曲率半径又は可変の曲率半径を有することができ、その変形形態は、特定の機能に適合する。
【0035】
このような入口斜面及び丸い連結領域の構成により、入口21によって上流斜面41に沿って指向されたガス流は、コアンダ効果の影響を受ける。
コアンダ効果は、入口21がガス流を上流斜面41上で接線方向に向かわせる場合に強化される。
【0036】
想起されるように、コアンダ効果は、流体噴流が流れる凸状面による流体噴流の引き寄せである。
丸い連結領域41aの丸い凸状形状に起因して、ガス流は、領域42に沿ってY軸方向に引き寄せられて押しつけられる。
これにより、特に、プラットフォーム50及び作業面40が400mmを超える大きな長さ及び幅を有する場合に、中央領域42上で均一な層流を維持することができる。
【0037】
乱流がないことに起因して、適切な位置の粉体は吹き飛ばされず、一方で、金属溶融によって浮遊状態になる煙霧及び不純物は、ガス流によって運び去られる。
【0038】
図2及び3に示すように、水平面XYに対して傾斜した下流斜面43は、領域42の下流側に設けることができる。
この下流斜面43の傾斜角は、絶対的に上流斜面41の傾斜角度αと同一とすることもできる。また、これは異なることもできる。
【0039】
傾斜角は、10°から90°の間、好ましくは15°から25°の間であり、例えば20°に等しい。
加えて、作業面40の中央領域42及び下流斜面43は、丸い連結領域43aでつながり、連結領域43aの曲率半径R2は一定又は可変とすることができ、300mmから1700mmの間、好ましくは1400mmから1600mmの間であり、例えば1500mmに等しい。
【0040】
また、作業面40の中央領域42と下流斜面43をつなぐ丸い連結領域43aは、異なる曲率半径又は可変の曲率半径を有することができ、その変形形態は特定の機能に適合する。
【0041】
この凸状外形の構成は、コアンダ効果の結果として、層流を維持しながらガス流を引き寄せることができる。
これにより、最大量の煙霧を出口22に向かって排出することができる。
【0042】
好ましくは、出口22の幾何学的形状により、ガス流は、下流斜面43の接線方向に引き寄せられ、それによって干渉がないことがさらに保証される。
また、図示のように、上流斜面41及び下流斜面43は、外面及び内面(エンクロージャ30に対する)、並びに斜面に隣接する側壁32の下面によって取り囲まれ、結果として、流入/流出する流れをそれぞれ閉じ込めることができる。
【0043】
他の異なる実施形態が可能である。特に、
図4に示すように、作業面40は、下流斜面をもつ必要はない。本実施例では、中央部42は、中央部42の表面と同じ平面の下流領域43によって延長される。出口22は、この平面と平行に描かれる。
従って、ガス流は、干渉されないで中央領域42の表面の継続部を流れる。
【0044】
また図示するように、入口開口21の一部は、エンクロージャ30の側壁32内に設けられた切り欠き80を備えることができる。この切り欠き80により、入口開口21の断面は、斜面41上で拡大することができる。この切り欠き80は、ガス流が上流斜面41を形成する側壁32の下面及び内面に押しつけられるのを防ぐために、従って、上流斜面41と作業面40との間のガス流へのコアンダ効果を防ぐために用いることができる。
【0045】
図5は、作業面40上のガス流のシミュレーションを示す。
この図から分かるように、ガス流は、作業面40の上流斜面41及び中央部42で層状のままである。
ガス流は、領域42の全長にわたって比較的一定である。
【0046】
また、観察できるように、「境界層」が存在し、粉体床の近傍の粉体の高さ(粉体床から約1mm)での流速は、事実上ゼロである。また、流速は、高さと共の急増し(数ミリメートル上方から)ガス流の公称速度に達する。このような状況は、粉体床に損傷を与えることなく最大量の煙霧を運び去るのに適している。
【0047】
例えば、製造プラットフォーム面のすぐ近くを流れるガス流の速度は、約1.220から約1.525m/sの間である。
また、例えば、製造プラットフォーム面から数ミリメートルを流れるガス流の速度は、約1.525から約2.135m/sの間である。