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特許7416800高い関節運動を有するバルーンカテーテル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】高い関節運動を有するバルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/10 20130101AFI20240110BHJP
【FI】
A61M25/10 540
A61M25/10 550
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021533211
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 IB2019060132
(87)【国際公開番号】W WO2020121091
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-09-28
(31)【優先権主張番号】16/216,686
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ビークラー・クリストファー・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】キース・ジョセフ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘレラ・ケビン・ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】スクワイアーズ・アレクサンダー・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】オカルスキ・ケビン・マーク
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-360704(JP,A)
【文献】特開昭55-106168(JP,A)
【文献】特表2008-513111(JP,A)
【文献】特表2007-503914(JP,A)
【文献】特表2014-502180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
患者の器官の腔内に挿入するためのシャフトと、
拡張可能な膜と、
前記拡張可能な膜の内側に位置するプローブ操作アセンブリ(PMA)であって、
第1の弾性要素であって、前記PMAの長手方向軸に沿って適合されており、前記PMAを短縮することによって前記膜を拡張させ、かつ前記PMAを伸長することによって前記膜を畳み込むように構成されている、第1の弾性要素と、
第2の弾性要素であって、前記第1の弾性要素の少なくとも一部分を包囲し、前記長手方向軸に対して前記膜を偏向させるように構成されている、第2の弾性要素と、を備える、プローブ操作アセンブリ(PMA)と、を備え
前記シャフトの内部に延びる中空管を備え、前記PMAを短縮又は伸長するために、前記中空管の遠位縁が、前記PMAの遠位端に連結されており、
前記中空管が近位方向に移動した場合に、前記第1の弾性要素が短縮して前記PMAが短縮し、それによって前記膜が拡張し、前記中空管が遠位方向に移動した場合に、前記第1の弾性要素が伸長して前記PMAが伸長し、それによって前記膜が畳み込まれ、
前記膜を偏向させるために前記第2の弾性要素に接続されている1つ又は2つ以上の牽引ワイヤを備え、
前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤが引かれることによって前記第2の弾性要素が屈曲し、それによって前記長手方向軸に対して前記膜が偏向させられる、医療用プローブ。
【請求項2】
前記第2の弾性要素の長さが、前記PMAの上の屈曲位置を決定するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤがそれぞれ、糸を備える、請求項に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記糸が、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)材料から作られている、請求項に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤ上の張力の量を制御するために回転するように構成されたラチェッティング機構を備える、カテーテルハンドルを備える、請求項に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記第1の弾性要素及び前記第2の弾性要素が、それぞれ、第1のバネ及び第2のバネを備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記第1のバネ及び前記第2のバネが、螺旋状であり、前記第1のバネが、第1の巻き方を有し、前記第2のバネが、前記第1の巻き方と反対の第2の巻き方を有する、請求項に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記第2の弾性要素が、可撓性管である、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記可撓性管の上で摺動し、前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤに接続されているリングを備える、請求項に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記可撓性管の一部分が、前記シャフトの遠位縁で連結部材を包んでおり、前記連結部材は、前記PMAを前記シャフトに連結する、請求項に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記拡張可能な膜の近位縁が、前記可撓性管に連結されている、請求項に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、医療用プローブに関し、具体的には、バルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なカテーテルが、その遠位端を操作するためにステアリング機構を採用する。例えば、米国特許出願公開第2015/0173772号は、1つ又は2つ以上のセンサーを利用するカテーテルシステムについて記載している。カテーテルは、塞栓コイルシステム、ガイドワイヤシステム、又は、デバイスがカテーテルシステムと相互作用する、組み合わせられた塞栓コイル/ガイドワイヤシステムの一部として使用されることができる。デバイスの一部が取り外されて移植片を残置する、可変脱離塞栓コイルシステム及びガイドワイヤシステムも、記載されている。
【0003】
別の例として、米国特許出願公開第2004/0193032号は、血管内に挿入されている間、カテーテルの遠位端を方向付けるためのステアリングデバイスを有する診断カテーテルについて記載している。カテーテルは、双方向ステアリング機構、又は一方向ステアリング機構のいずれかを含んでもよい。カテーテルは、複数のスプラインを含むバスケットカテーテルとして具体化されてもよい。中央の後退可能及び操向可能部材は、拡張力を提供するために含まれる。拡張力はまた、カテーテルの近位部分を中央部材に対して移動させることによって提供されることができる。バスケットを形成するスプラインの各々は、検査される表面にスプラインを適合させる共形力を提供するために、内部に配設されたバネワイヤの長さを含む。
【0004】
米国特許第6,585,717号は、カテーテルなどの可撓性本体の部分を、単一平面内、並びに2つ以上の平面内の2つ以上の方向で偏向させるように位置付けられた偏向機構について記載している。本発明は、カテーテルの遠位部分を360度超偏向させてループを提供することを可能にする。一実施形態では、カテーテルの偏向構造は、シースから解放されるとカテーテル先端部に所望の形状を取らせる、ポリマー、バネ強化ステンレス、又は超弾性合金から作られてもよい。張力がプルワイヤに適用され、それによって偏向構造を屈曲させてもよい。
【0005】
米国特許第5,395,327号は、ステアリングシャフトの遠位端を操作するためのハンドル及び装置を含むコントローラに連結された、ステアリングシャフトを含むステアリング機構について記載している。ステアリングシャフトは、リードバネがその遠位端に対して定位置に固定された可撓性コイルバネを、ステアリングシャフトの遠位端に含む。ステアリングワイヤは、その遠位端でリードバネに固定されている。ステアリングワイヤは、ステアリングシャフトを通ってコントローラまで延在し、コントローラのステアリング装置は、ステアリングワイヤに張力をかけるために使用される。ステアリングワイヤの遠位端をリードバネに取り付けることは、互いに反対であってもよく、又はより大きい操作性を提供するためにオフセットされてもよい。張力は、コントローラ筐体に対して横方向に装着されたウェッジによって、又はコントローラ筐体に対して横方向に装着されたシャフトの回転によって、ステアリングワイヤ上にかけられてもよく、ステアリングワイヤは、一方向の回転が一方のステアリングワイヤを張り、もう一方の方向の回転がもう一方のステアリングワイヤを張るように、シャフトに取り付けられている。2つの独立して回転可能なシャフトを使用して、2本のステアリングワイヤを別々に制御してもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
バルーンカテーテルを偏向させることは、特にバルーンが左心房内で操作される必要がある場合、困難である。バルーンカテーテルは通常、シースを介して収縮状態で左心房に(ガイドワイヤを介して)供給され、次いで膨張又は拡張される。アブレーションに先立つ正確な位置決めのために、バルーンは、膨張又は拡張され、心臓内の所望の位置に偏向される必要がある。しかしながら、カテーテルシースを出る際、左心房の比較的小さいサイズは、バルーンの偏向のための移動自由度を制限する。これを認識することにより、本発明者は、バルーンの膨張及びバルーンの偏向を可能にする機構を備えたバルーンの発明を案出し、2つの動作は、独立して実行されることができる。
【0007】
具体的に言えば、本発明の一実施形態は、シャフトと、拡張可能な膜と、プローブ操作アセンブリ(PMA)と、を含む医療用プローブを提供する。シャフトは、患者の器官の腔内に挿入するために構成されている。PMAは、拡張可能な膜の内側に位置しており、第1の弾性要素であって、PMAの長手方向軸に沿って適合されており、PMAを短縮することによって膜を拡張させ、かつPMAを伸長することによって膜を畳み込むように構成されている、第1の弾性要素を含む。PMAは、第2の弾性要素であって、第1の弾性要素の少なくとも一部分を包囲し、長手方向軸に対して膜を偏向させるように構成されている、第2の弾性要素を更に含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、第2の弾性要素の長さは、PMAの上の屈曲位置を決定するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、医療用プローブは、シャフト内部に延びる中空管を更に含み、PMAを短縮又は伸長するために、中空管の遠位縁が、PMAの遠位端に連結されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、医療用プローブは、膜を偏向させるために第2の弾性要素に接続されている1つ又は2つ以上の牽引ワイヤを更に含む。
【0011】
一実施形態では、1つ又は2つ以上の牽引ワイヤはそれぞれ、糸を備える。
【0012】
別の実施形態では、糸は、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)材料から作られている。
【0013】
いくつかの実施形態では、医療用プローブは、1つ又は2つ以上の牽引ワイヤ上の張力の量を制御するために回転するように構成されたラチェッティング機構を含む、カテーテルハンドルを更に含む。
【0014】
一実施形態では、カテーテルハンドルは、1つ又は2つ以上の牽引ワイヤを使用してPMAを偏向させるように構成されたロッカーを含み、ロッカーの中心が、中空管を通過させるための開口部を有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の弾性要素及び第2の弾性要素は、それぞれ、第1のバネ及び第2のバネを備える。
【0016】
一実施形態では、第1のバネ及び第2のバネは、螺旋状であり、第1のバネが、第1の巻き方(handedness)を有し、第2のバネが、第1の巻き方と反対の第2の巻き方を有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、第2の弾性要素は、可撓性管である。
【0018】
いくつかの実施形態では、医療用プローブは、可撓性管の上で摺動し、1つ又は2つ以上の牽引ワイヤに接続されているリングを含む。
【0019】
一実施形態では、可撓性管の一部分は、シャフトの遠位縁で連結部材を包んでおり、連結部材は、PMAをシャフトに連結する。
【0020】
別の実施形態では、拡張可能な膜の近位縁は、可撓性管に連結されている。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、製造方法であって、拡張可能な膜の内側にプローブ操作アセンブリ(PMA)を装着することであって、プローブ操作アセンブリ(PMA)は、(a)PMAの長手方向軸に沿って適合されており、PMAを短縮することによって膜を拡張させ、かつPMAを伸長することによって膜を畳み込むように構成されている、第1の弾性要素と、(b)第2の弾性要素であって、第1の弾性要素の少なくとも一部分を包囲し、長手方向軸に対して膜を偏向させるように構成されている、第2の弾性要素と、を含む、装着すること、を含む、製造方法が追加的に提供される。PMA及び膜は、連結部材を使用して、患者の器官の腔内に挿入するためのシャフトの遠位縁で接続される。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、方法であって、患者の器官の腔内にプローブを挿入することであって、プローブは、シャフトと、拡張可能な膜と、拡張可能な膜の内側に位置するプローブ操作アセンブリ(PMA)であって、(i)PMAの長手方向軸に沿って適合された第1の弾性要素と、(ii)第1のバネの少なくとも一部分を包囲する第2の弾性要素と、を備える、プローブ操作アセンブリ(PMA)と、を備える、挿入すること、を含む、方法が追加的に提供される。第1の弾性要素を使用して、膜は、PMAを短縮することによって拡張され、膜は、PMAを伸長することによって畳み込まれる。膜は、第2の弾性要素を使用して、長手方向軸に対して偏向される。
【0023】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態による、操作可能なバルーンカテーテルを備えるバルーンカテーテル法システムの概略描写図である。
図2a】本発明の実施形態による、プローブ操作アセンブリ(PMA)を備える、操作可能なバルーンカテーテルの概略的な詳細描写図である。
図2b】本発明の実施形態による、プローブ操作アセンブリ(PMA)を備える、操作可能なバルーンカテーテルの概略的な詳細描写図である。
図3】本発明の一実施形態による、2つのラチェッティング機構を備える、図1のカテーテルのハンドルの概略描写図である。
図4】本発明の一実施形態による、図2のPMAが装備されたバルーンを使用するバルーン処置の方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
概論
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく一例として例示するものである。この説明により、当業者が本発明を作製及び使用することが明確に可能になり、本発明を実施する最良の形態であると現時点において考えられるものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替例、及び使用例について説明する。
【0026】
本明細書で使用するとき、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。更に具体的には、「約」又は「およそ」という用語は、列挙された値の±10%の値の範囲を示してもよく、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を示してもよい。更に、本明細書で使用するとき、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「対象」という用語は、任意のヒト又は動物対象を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを意図していないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を表す。同様に、「近位」という用語は、操作者に近い方の位置を示す一方、「遠位部」は、操作者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0027】
以下に記載される本発明の実施形態は、プローブ操作アセンブリ(PMA)を有する拡張可能なバルーンカテーテルなどの医療用プローブを提供する。PMAは、独立してかつ同時に、開示される記載の文脈において、「バルーンを操作する」と呼ばれる動作モードである、バルーン膜を拡張又は畳み込むこと、並びにバルーン膜を偏向させること可能にする。したがって、開示されるPMAの実施形態は、例えば、心臓の左心房の内側など、患者の器官の小さいサイズの腔内でバルーンを偏向させるための移動自由度を増加させる。
【0028】
いくつかの実施形態では、腔内に挿入するための中空管を含むシャフトが提供され、中空管が中空シャフト内部に延びる。連結部材を使用して、近位縁でシャフトの遠位縁に連結されたPMAは、PMAの遠位縁に含まれるノーズピースで、中空管の遠位縁に更に連結される(すなわち、中空管の遠位縁は、PMAの遠位端に連結される)。PMAは、(a)第1の弾性要素であって、PMAの長手方向軸に沿って適合されており、PMAを短縮することによって膜を拡張させ、かつPMAを伸長することによって膜を畳み込むように構成されている、第1の弾性要素と、(b)第2の弾性要素であって、第1の弾性要素の少なくとも一部分を包囲し、長手方向軸に対して膜を偏向させるように構成されている、第2の弾性要素と、を更に含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の弾性要素及び第2の弾性要素は、バネである。他の実施形態では、PMAは、第2のバネの代わりに第2の弾性要素として可撓性管を含む。通常、可撓性管は、押出成形されて管を形成することができるポリマー材料から作られている。他の好適な種類の弾性要素は、第1の弾性要素及び/又は第2の弾性要素を実装するために使用されることもできる。
【0030】
バルーンの拡張可能な膜は、ノーズピースに連結された拡張可能な膜の遠位縁を有するPMAを包囲する。拡張可能な膜の近位縁は、シャフトの遠位縁に連結されている。拡張可能な膜は、中空管を牽引又は解放するときに、それぞれ拡張又は畳み込まれることができ、同時に、1つ又は2つ以上の牽引ワイヤを引くことによって偏向させることができる。換言すれば、拡張可能な膜は、PMAが短縮又は伸長されるときに、それぞれ拡張又は畳み込まれ、PMAが偏向されたときに、同時に偏向される。
【0031】
いくつかの実施形態では、第2の(外側)弾性要素は、遠位方向において第1の(内側)弾性要素よりも短い。このようにして、外側弾性要素は、内側弾性要素の長手方向の動き(すなわち、収縮又は伸長)を拘束しない。2つの弾性要素は、入れ子になっており、中空管は、PMAの全体的な直径を最小化するために、内側弾性要素内に入れ子になる。弾性要素がバネである、いくつかの実施形態では、2つのバネは、2つのバネの螺旋が重なり合わないように、反対の巻き方を有してもよい。
【0032】
第2の弾性要素が可撓性管である、他の実施形態では、可撓性管は、シャフトの遠位縁で連結部材を包み、第1の弾性要素の少なくとも近位部分を覆う。金属リングは、可撓性管を偏向させるために金属リングに連結された牽引ワイヤを用いて、可撓性管の遠位縁の上で摺動される。以下に記載されるように、牽引ワイヤは、可撓性管の壁に沿って専用のチャネル(例えば、押出)を通して挿入される。
【0033】
PMAの構成要素の上述の2つの具体化された配置は、バルーンの幾何学的中心により近いバルーンの偏向を可能にする。それゆえに、偏向の弧長は、典型的な左心房の長さよりも小さく、この種類の操縦方法の有用性を著しく増加させる。
【0034】
いくつかの実施形態では、牽引ワイヤは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)糸で形成される。外側バネへの糸の連結は、糸がバネの遠位縁への溶接を必要としないため、外側バネの急激な屈曲(すなわち、偏向)に対して耐性を有し、これは、バネが屈曲する際、他の種類の牽引ワイヤの層間剥離の潜在的な点である。UHMWPE糸は、成形ハンドルに一体化されたラチェッティング機構において、カテーテルハンドル内ですぐに終端される。ラチェッティング機構は、アセンブラーが、製造中に、ラチェット機構を回転させることによって各糸上のたるみの量を細かく制御することを可能にする。
【0035】
中空管は、ハンドル内で、遠位に位置されるノーズピースを後方に牽引し、かつPMAを短縮するために内側バネを圧縮するために必要な後退を提供する回転ノブによって画定される経路内を滑るブロックに固定される。回転ノブの近位に、バルーンの双方向偏向を提供する双方向ロッカーがある。
【0036】
一実施形態では、ロッカーの中心は、中空管によって経験される挿入/後退力を低減するために重要である、鋭い屈曲を取る必要なく中空管が通過することを可能にする開口部を有する。
【0037】
中空管は、膜を拡張又は畳み込むためにカテーテルのハンドルから後退又は逆戻りされるように構成されている。牽引ワイヤは、膜を平行に偏向させる(すなわち、上記で画定されたように、バルーンを一緒に操作する)ために、中空管の動きと平行にハンドルから牽引又は解放されるように構成されている。
【0038】
いくつかの実施形態では、関連するバルーン処置方法は、拡張可能な膜を用いて標的組織にアクセスするために、腔内でバルーンを操作することを可能にするように提供されている。この追加的なバルーン操作は、拡張膜と標的組織との間の強固な物理的接触を確立し、この時点で、組織は、例えば、組織と物理的に接触している拡張可能な膜の上に配設された電極を使用して高周波アブレーションを適用することによって処置される。
【0039】
開示されるPMA、及び関連するバルーン処置方法は、開示されるPMA及びPMA操作方法なしで、カテーテルに利用可能な単純操作に制限されるバルーン処置に、さもなければあまりアクセス可能でないか、又はアクセス不可能であり得るバルーンカテーテルを用いて、医師を組織にアクセスさせる。そのような操作性は、心房細動の処置のための左心房の内側からの肺静脈隔離術(PVI)などの、診断的及び/又は治療的な侵襲的心臓治療が無事に完了する機会を増加させる。
【0040】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、操作可能なバルーンカテーテル40を備えるバルーンカテーテル法システム20の概略描写図である。システム20は、連結部材がカテーテルのシャフト(以下の図2に示される)の遠位縁に装着されている、カテーテル21を備える。バルーンカテーテル40は、医師30によって、テーブル29上に横たわる患者28の、挿入図25に見られる心臓26の腔45内にシース23を通して挿入される。心臓26の左心房45であることが示されている、腔45内の標的位置に到達するために、医師30は、シース23からの偏向によってバルーンカテーテル40の遠位端をナビゲートする。
【0041】
バルーンカテーテル40の挿入中に、バルーンカテーテル40は、シース23によって畳み込まれた構成で維持される。バルーンカテーテル40を畳み込まれた構成で収容することにより、シース23はまた、標的位置までの経路に沿った血管外傷を最小限に抑える働きも行う。
【0042】
次いで、医師30は、標的組織にアクセスして接触するために、カテーテルハンドル31を使用して腔45内でカテーテル40を操作する。このプロセスでは、医師30は、以下に記載されるように、開示されるPMAを用いて、これらの操作に適合されるバルーン40を同時にかつ独立して操作する。
【0043】
カテーテル21の近位端は、制御コンソール24に接続されている。本明細書に記載されている実施形態では、カテーテル21は、拡張可能なバルーンカテーテルの他の可能な医療用途のうちとりわけ、心臓26内の組織の電気的感知、又はバルーン血管形成及びアブレーションなどの任意の好適な治療目的及び/又は診断目的に使用されてもよい。
【0044】
制御コンソール24は、カテーテル21からの信号を受信するための、並びに、心臓26内でカテーテル21を介して処置を施すため、及びシステム20の他の構成要素を制御するための好適なフロントエンド及びインタフェース回路38を備えるプロセッサ41、通常、汎用コンピュータを備える。プロセッサ41は、通常、汎用コンピュータを備え、このコンピュータには、本明細書に記載されている機能を実行するソフトウェアがプログラムされている。ソフトウェアは、例えばネットワーク上で、コンピュータに電子形態でダウンロードすることができる、あるいは代替的に又は追加的に、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの、非一時的実体的媒体上に提供及び/又は記憶することができる。
【0045】
図1に示される例示的な構成は、単に概念を明確化する目的で選択される。本開示の技法は、他のシステム構成要素及び設定を使用して、同様に適用されることができる。例えば、システム20は、他の構成要素を備え、非心臓処置を実行してもよい。
【0046】
高い関節運動を有するバルーンカテーテル
図2Aは、本発明の一実施形態による、プローブ操作アセンブリ(PMA)を備える、操作可能なバルーンカテーテル40Aの概略的な詳細描写図である。図2Aに見られるように、カテーテル40Aは、畳み込まれた状態で見られ、その近位端で連結部材22に、及びその遠位端でPMA55Aのノーズ51に連結されている、拡張可能な膜44を更に備える。
【0047】
図2Aの以下の記載は、バルーンカテーテル40の膜44を同時にかつ独立して拡張又は畳み込むために、並びに偏向するために、PMA55Aがどのようにして使用されるかについて説明する。
【0048】
見られるように、PMA55は、ノーズ51と、同心の2バネ機構53とを備える。同心の2バネ機構53の第2の(外側)バネ52は、その近位端で連結部材22に連結され、2つのバネ(すなわち、前述の同心の2バネ機構53)の同心の配置を形成するために、第1の(内側)バネ50の一部分を取り囲む。
【0049】
ノーズ51は、内側バネ50の遠位縁に連結されており、内側バネ50の拡張力に対して中空管54を後退させるか又は解放することによって、それぞれ近位に牽引されるか、又は遠位に延在されることができる。それゆえに、膜44は、カテーテルハンドル31から中空管54内に、張力を牽引又は解放することによって、それぞれ拡張又は畳み込まれることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、中空管54が内側バネ50を圧縮するために牽引されたとき、膜44は球形に拡張し、プロセスは、例えば中空管54を通って、バルーン内に圧力下で生理食塩水溶液を流すことによって更に補助されてもよい。いくつかの実施形態では、中空管54は、細いガイドワイヤが通過することができるルーメンとしての働きも行う、厚壁のポリイミド管から作られている。
【0051】
見られるように、牽引ワイヤ56は、固定点57Aで、第2の(外側)バネ52の遠位端に取り付けられている。牽引ワイヤ56によって牽引されたとき、外側バネ52は、屈曲し、PMA55に拡張可能な膜44を偏向させ(すなわち、バルーンカテーテルを偏向させる)、屈曲させる。通常、外側バネ52は、内側バネ50よりも短く、より剛性であるように設計される。一実施形態では、外側バネ52の長さは、屈曲点59Aで、固定点57Aまで近位に所定の距離でバルーン操作アセンブリ55を屈曲させるために選択される。別の牽引ワイヤ(図示せず)は、バルーンカテーテル40の双方向偏向を可能にするために、牽引ワイヤ56と正反対にある外側バネ52に連結されている。
【0052】
この記載の文脈では、「偏向」、「偏向する」、及び「偏向可能な」などの用語は、PMAの長手方向軸530が、シャフト27の長手方向軸270に対して何らかの非ゼロ角度である(例えば、長手方向軸530は、長手方向軸と平行ではない偏向方向530’を指す)状況を指す。
【0053】
他の実施形態では、固定点57Aは、例えば、外側バネ52のおよそ中心など、外側バネ52に沿った(PMAの長手方向軸530に沿った)所定の位置に位置する。牽引ワイヤが固定点57Aにより近位になるほど、外側バネ52の屈曲半径がよりきつくなり、より剛性になり、偏向するのがより困難となる。点57Aの最適化された位置は、当業者には想到されるであろう。
【0054】
一実施形態では、PMA55Aに強固な構造を与えるために、両方のバネ50及び52は、互いと中空管54との間に最小の間隙を有するようにサイズ決めされる。摩擦を低減するために、バネ50及び52は、角を丸くするように電解研磨され、それらの巻き方は、一方の螺旋状の切り込みが他方のバネの間隙に収まるのを防止するために逆転されており、したがってバルーンカテーテル40の操作を進行妨害することを回避する。
【0055】
図2Bは、本発明の代替的な実施形態による、PMA55Bを備える、操作可能なバルーンカテーテル40Bの概略的な詳細描写図である。図2Bに見られるように、カテーテル40Bは、畳み込まれた状態で見られ、その近位端で連結部材22の遠位セクションを包む可撓性管62(部材52の代わり)に、及びその遠位端でPMA55Bのノーズ51に連結されている、拡張可能な膜44を更に備える。
【0056】
図2Bは、バルーンカテーテル40の膜44を同時にかつ独立して拡張又は畳み込むために、並びに偏向するために、PMA55Bがどのようにして使用されるかを示す。見られるように、PMA55Bは、ノーズ51と、同心の2弾性要素機構53Bとを備える。示される実施形態では、可撓性管62は、(a)管62がバネ50に対して「同心」であり、(b)管62及びバネ50が2弾性要素を構成することを画定するために、バネ50を覆う。同心の2弾性要素機構53Bの可撓性管62は、その近位端で連結部材22に連結されており、2つの弾性要素(すなわち、前述の同心の2弾性要素機構53B)の同心の配置を形成するために、第1の(内側)バネ50の一部分を取り囲む。
【0057】
ノーズ51は、内側バネ50の遠位縁に連結されており、内側バネ50の拡張力に対して中空管54を後退させるか又は解放することによって、それぞれ近位に牽引されるか、又は遠位に延在されることができる。それゆえに、膜44は、カテーテルハンドル31から中空管54内に、張力を牽引又は解放することによって、それぞれ拡張又は畳み込まれることができる。
【0058】
見られるように、牽引ワイヤ56は、リング66上の固定点57Bにおいて、可撓性管62の遠位端上で摺動するリング66に取り付けられている。牽引ワイヤ56によって牽引されたとき、可撓性管62は、屈曲し、PMA55に拡張可能な膜44を偏向させ(すなわち、バルーンカテーテルを偏向させる)、屈曲させる。通常、可撓性管62は、内側バネ50よりも短く、より剛性であるように設計される。一実施形態では、外側バネ52の長さは、屈曲点59Bで、固定点57Bまで近位に所定の距離で、バルーン操作アセンブリ55を屈曲させるために選択される。別の牽引ワイヤ(図示せず)は、バルーンカテーテル40Bの双方向偏向を可能にするために、牽引ワイヤ56と正反対にあるリング66に連結されている。
【0059】
一実施形態では、PMA55Bに強固な構造を与えるために、可撓性管62の壁は、金網(図示せず)から作られたメッシュで編組されている。図2A及び図2Bに示される例示的な図は、概念を明確化する目的のために選択されているに過ぎない。他の機械的解決策は、代替的な実施形態で使用されることができる。例えば、有孔可撓性ビームなどの、別の湾曲構成要素は、バネ50、並びに/又はバネ52及び可撓性管62のうちの1つに取って代わってもよい。
【0060】
図3は、本発明の一実施形態による、2つのラチェッティング機構60を備える、図1のカテーテルのカテーテルハンドル31の概略描写図である。見られるように、PMA55のノーズ51から来る中空管54は、移動体(traveler)58に結合されている。移動体58がハンドル31内のノブによって(すなわち、医師30によって)引き戻されると、中空管54は、ノーズ51を牽引し、内側バネ50を圧縮する。
【0061】
2本の牽引ワイヤ56は、UHMWPE糸として実装されているが、代替的には、液晶ポリマー、又は任意の他の好適なポリマーが使用されてもよい。糸56は、バルーンカテーテル40を双方向に偏向させるための回転ノブを含む滑車アセンブリ63に入る。次いで、糸56は、成形ハンドルに一体化された、ラチェット機構60に係留される。ラチェット機構60は、製造中に、Lがラチェットの円周であり、Nがラチェット歯の数である、L/Nの長さに等しい「1クリック」によってラチェット機構を回転させることによって、各糸上のたるみの量の微細な制御を可能にする。更に見られるように、滑車アセンブリ62の中心は、中空管によって経験される挿入/後退力を低減するために、鋭い屈曲を取る必要なく中空管54が通過することを可能にする開口部を有する。代替的には、牽引ワイヤは、ステンレス鋼又は任意の他の好適なワイヤから作られてもよい。糸は、ラチェット及び滑車の周りに取り付けられ、次いでワイヤに固定されてもよい。
【0062】
図3に示される例示的な図は、単に概念を明確化する目的で選択される。代替的な実施形態では、任意の他の好適な構成を使用することができ、例えば、多数の牽引ワイヤ56は、バルーン40の多方向偏向を可能にするために使用されてもよい。
【0063】
図4は、本発明の一実施形態による、図2のPMA55が装備されたバルーンを使用するバルーン処置の方法を概略的に示すフローチャートである。処置は、バルーン挿入工程70において、医師30がバルーンカテーテル40を患者の体内に挿入することから始まる。次に、医師は、バルーンナビゲーション工程72において、バルーンカテーテル40を器官内にナビゲートする。次に、バルーン操作工程74において、PMA55を動作させるためにハンドル31を使用して、医師30は、膜44を用いて標的組織にアクセスするために、心臓26の左心房45などの小さな腔内でバルーンを操作する。工程74の間、膜44は、部分的に拡張される場合があり、操作プロセスの終了時にのみ、膜44は、完全に拡張されることになる。
【0064】
次いで、医師30は、バルーン接触工程76において、膜44と標的組織との間の強固な接触を確立するために、PMA55を使用してバルーンを更に操作する。医師は次に、バルーン処置工程78において、例えば、組織と接触して操作された膜44上に配設された電極を使用して高周波アブレーションによって、標的組織を処置する。
【0065】
図4に示される例示的なフローチャートは、単に概念を明確化する目的で選択される。バルーンの完全な拡張、加圧生理食塩水でのバルーンの膨張及び灌注の操作、並びにバルーンの畳み込み及び後退などの、追加的な工程は、意図的に大いに簡略化されたフローチャートから省略される。
【0066】
本明細書に記述される実施形態は、主として肺静脈隔離術に関するものであるが、本明細書に記載される方法及びシステムは、耳鼻咽喉学又は神経学の手術などの他の用途でも使用され得る。
【0067】
したがって、上記に述べた実施形態は、例として引用したものであり、また本発明は、上記に具体的に示し説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部と見なすものとする。
【0068】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
患者の器官の腔内に挿入するためのシャフトと、
拡張可能な膜と、
前記拡張可能な膜の内側に位置するプローブ操作アセンブリ(PMA)であって、
第1の弾性要素であって、前記PMAの長手方向軸に沿って適合されており、前記PMAを短縮することによって前記膜を拡張させ、かつ前記PMAを伸長することによって前記膜を畳み込むように構成されている、第1の弾性要素と、
第2の弾性要素であって、前記第1の弾性要素の少なくとも一部分を包囲し、前記長手方向軸に対して前記膜を偏向させるように構成されている、第2の弾性要素と、を備える、プローブ操作アセンブリ(PMA)と、を備える、医療用プローブ。
(2) 前記第2の弾性要素の長さが、前記PMAの上の屈曲位置を決定するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記シャフト内部に延びる中空管を備え、前記PMAを短縮又は伸長するために、前記中空管の遠位縁が、前記PMAの遠位端に連結されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(4) 前記膜を偏向させるために前記第2の弾性要素に接続されている1つ又は2つ以上の牽引ワイヤを備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(5) 前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤがそれぞれ、糸を備える、実施態様4に記載の医療用プローブ。
【0069】
(6) 前記糸が、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)材料から作られている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(7) 前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤ上の張力の量を制御するために回転するように構成されたラチェッティング機構を備える、カテーテルハンドルを備える、実施態様4に記載の医療用プローブ。
(8) 前記カテーテルハンドルが、前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤを使用して前記PMAを偏向させるように構成されたロッカーを備え、前記ロッカーの中心が、前記中空管を通過させるための開口部を有する、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(9) 前記第1の弾性要素及び前記第2の弾性要素が、それぞれ、第1のバネ及び第2のバネを備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(10) 前記第1のバネ及び前記第2のバネが、螺旋状であり、前記第1のバネが、第1の巻き方を有し、前記第2のバネが、前記第1の巻き方と反対の第2の巻き方を有する、実施態様9に記載の医療用プローブ。
【0070】
(11) 前記第2の弾性要素が、可撓性管である、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(12) 前記可撓性管の上で摺動し、前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤに接続されているリングを備える、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(13) 前記可撓性管の一部分が、前記シャフトの遠位縁で連結部材を包んでおり、前記連結部材は、前記PMAを前記シャフトに連結する、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(14) 前記拡張可能な膜の近位縁が、前記可撓性管に連結されている、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(15) 製造方法であって、
拡張可能な膜の内側にプローブ操作アセンブリ(PMA)を装着することであって、前記プローブ操作アセンブリ(PMA)が、
第1の弾性要素であって、前記PMAの長手方向軸に沿って適合されており、前記PMAを短縮することによって前記膜を拡張させ、かつ前記PMAを伸長することによって前記膜を畳み込むように構成されている、第1の弾性要素と、
第2の弾性要素であって、前記第1の弾性要素の少なくとも一部分を包囲し、前記長手方向軸に対して前記膜を偏向させるように構成されている、第2の弾性要素と、を備える、装着することと、
連結部材を使用して、患者の器官の腔内に挿入するためのシャフトの遠位縁で、前記PMA及び前記膜を接続することと、を含む、製造方法。
【0071】
(16) 前記PMAを装着することが、前記PMAの上の屈曲位置を決定するように前記第2の弾性要素の長さを構成することを含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記シャフト内部に中空管を延ばすことを含み、前記PMAを短縮又は伸長するために、前記中空管の遠位縁が、前記PMAの遠位端に連結されている、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記膜を偏向させるために1つ又は2つ以上の牽引ワイヤを前記第2の弾性要素に接続することを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤがそれぞれ、糸を備える、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記糸が、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)材料から作られている、実施態様19に記載の方法。
【0072】
(21) 前記第1の弾性要素及び前記第2の弾性要素が、それぞれ、第1のバネ及び第2のバネを備える、実施態様15に記載の方法。
(22) 前記第1のバネ及び前記第2のバネが、螺旋状であり、前記第1のバネが、第1の巻き方を有し、前記第2のバネが、前記第1の巻き方と反対の第2の巻き方を有する、実施態様21に記載の方法。
(23) 前記第2の弾性要素が、可撓性管である、実施態様15に記載の方法。
(24) 前記可撓性管の上で摺動し、前記1つ又は2つ以上の牽引ワイヤに接続されているリングを提供することを含む、実施態様23に記載の方法。
(25) 方法であって、
患者の器官の腔内にプローブを挿入することであって、前記プローブが、
シャフトと、
拡張可能な膜と、
前記拡張可能な膜の内側に位置するプローブ操作アセンブリ(PMA)であって、(i)前記PMAの長手方向軸に沿って適合された第1の弾性要素と、(ii)前記第1のバネの少なくとも一部分を包囲する第2の弾性要素と、を備える、プローブ操作アセンブリ(PMA)と、を備える、挿入することと、
前記第1の弾性要素を使用して、前記PMAを短縮することによって前記膜を拡張させ、前記PMAを伸長することによって前記膜を畳み込むことと、
前記第2の弾性要素を使用して、前記長手方向軸に対して前記膜を偏向させることと、を含む、方法。
図1
図2A
図2B
図3
図4