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特許7416810シリコーン組成物並びに発泡性及び洗浄効果を高めるための洗剤組成物の添加剤としてのシリコーン組成物の用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】シリコーン組成物並びに発泡性及び洗浄効果を高めるための洗剤組成物の添加剤としてのシリコーン組成物の用途
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/37 20060101AFI20240110BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20240110BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240110BHJP
   C08L 83/12 20060101ALI20240110BHJP
   C08K 3/013 20180101ALI20240110BHJP
【FI】
C11D3/37
C11D1/68
C11D17/08
C08L83/12
C08K3/013
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021544954
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 IB2019057969
(87)【国際公開番号】W WO2020074986
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】18200091.9
(32)【優先日】2018-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521151957
【氏名又は名称】ワッカー・メトロアーク・ケミカルズ・プライベイト・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WACKER METROARK CHEMICALS PVT. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ポール,アミット クマール
(72)【発明者】
【氏名】チャテルジー,カロン
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシュ,アルジュン
(72)【発明者】
【氏名】モンダル,パラブ
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特開昭47-034600(JP,A)
【文献】特開昭50-050465(JP,A)
【文献】特開平07-069830(JP,A)
【文献】特表2010-520278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00- 19/00
C08G77/00- 77/62
C08K 3/00- 13/08
C08L 1/00-101/14
C08G65/00- 67/04
C08G81/00- 85/00
C08G18/00- 71/04
C10G 1/00- 99/00
C07F 7/00- 7/30
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00- 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡性シリコーン組成物であって:
a)以下の一般式:
(R 3-aSiO1/2(R 2-bSiO2/2(R SiO2/2 (I)
によって表されるポリオキシアルキレン基を含んで成るシロキサンを含んで成り、
式中、Rは、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、アルコキシ基か、ヒドロキシル基か、若しくはそれらの組合せから選択され、
Yは、19~30のオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレン基であって、
及びRは、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基から選択され、
aは0又は1であって、
bは0又は1若しくは2であって、
aが0である場合、pは0又は1~3の整数であり、aが1である場合、pは0又は1~50の整数であって、
j、kは、互いに独立して、0又は1~50の整数であり、j又はkのいずれか若しくは両方は少なくとも1であり、
ただし、シロキサンは、分子あたり少なくとも1つのYラジカルを含み、
ペンダント・ポリオキシアルキレン基を有するシロキサン中のシリコン単位の数は、3~6のSi単位であり、末端ポリオキシアルキレン基を有するシロキサン中のシリコン単位の数は、15~20のSi単位である
シリコーン組成物
を含んで成る、発泡性シリコーン組成物。
【請求項2】
発泡性シリコーン組成物が、シリコーン組成物の発泡性を改善する添加剤をさらに含んで成る、請求項1の発泡性シリコーン組成物。
【請求項3】
添加剤に対するシロキサンの重量比が、添加剤の各部分あたり、1重量部~10重量部のシロキサンである、請求項2に記載の発泡性シリコーン組成物。
【請求項4】
シロキサンが、式:
3-aSiO(R SiO)(YRSiO)SiR 3-a (IV)
によって表されるポリオキシアルキレン基を含み、
式中、R1は、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、アルコキシ基か、ヒドロキシル基か、若しくはそれらの組合せから選択され、
Yは、19~30のオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレン基であって、
R2及びR3は、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基から選択され、
aは0又は1であって、
aが0である場合、pは0又は1~3の整数であり、aが1である場合、pは0又は1~50の整数であって、
mは0又は1~50の整数であり、
ただし、シロキサンは、分子あたり少なくとも1つのYラジカルを含む、
請求項1に記載の発泡性シリコーン組成物。
【請求項5】
固体発泡性シリコーン組成物であって:
a)10~35%のシリコーン組成物、
b)シリコーン組成物の発泡性を改善する、0~10%の添加剤
c)55~90%のフィラー
を含んで成り、
前記シリコーン組成物は、以下の一般式:
(R 3-aSiO1/2(R 2-bSiO2/2(R SiO2/2 (I)
によって表されるポリオキシアルキレン基を含んで成るシロキサンを含んで成り、
式中、Rは、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、若しくはそれらの組合せから選択され、
Yは、19~30のオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレン基であって、
及びRは、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基から選択され、
aは0又は1であり、bは0又は1若しくは2であって、
aが0である場合、pは0又は1~3の整数であり、aが1である場合、pは0又は1~50の整数であって、
j、kは、互いに独立して、0又は1~50の整数であり、j又はkのいずれか若しくは両方は少なくとも1であり、
ただし、シロキサンは、分子あたり少なくとも1つのYラジカルを含み、
ペンダント・ポリオキシアルキレン基を有するシロキサン中のシリコン単位の数は、3~6のSi単位であり、末端ポリオキシアルキレン基を有するシロキサン中のシリコン単位の数は、15~20のSi単位である
固体発泡性シリコーン組成物。
【請求項6】
シリコーン組成物の発泡性を改善する添加剤が、脂肪酸のアルキルエステルから選択される、請求項5に記載の固体発泡性シリコーン組成物。
【請求項7】
脂肪酸のアルキルエステルが、C6~C22脂肪酸に基づく脂肪酸アルキルエステル又は脂肪酸アルキレンエステルである、請求項6に記載の固体発泡性シリコーン組成物。
【請求項8】
液体発泡性シリコーン組成物であって:
a)10~35%のシリコーン組成物、
b)シリコーン組成物の発泡性を改善する、0~10%の任意の添加剤
c)55~90%のプロトン性溶媒
を含んで成り、
前記シリコーン組成物は、以下の一般式:
(R 3-aSiO1/2(R 2-bSiO2/2(R SiO2/2 (I)
によって表されるポリオキシアルキレン基を含んで成るシロキサンを含んで成り、
式中、Rは、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基か、若しくはそれらの組合せから選択され、
Yは、19~30のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基であって、
及びRは、同一又は異なり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基から選択され、
aは0又は1であり、bは0又は1若しくは2であって、
aが0である場合、pは0又は1~3の整数であり、aが1である場合、pは0又は1~50の整数であって、
j、kは、互いに独立して、0又は1~50の整数であり、j又はkのいずれか若しくは両方は少なくとも1であり、
ただし、シロキサンは、分子あたり少なくとも1つのYラジカルを含み、
ペンダント・ポリオキシアルキレン基を有するシロキサン中のシリコン単位の数は、3~6のSi単位であり、末端ポリオキシアルキレン基を有するシロキサン中のシリコン単位の数は、15~20のSi単位である
液体発泡性シリコーン組成物。
【請求項9】
液体発泡性シリコーン組成物が、界面活性剤又は乳化剤をさらに含んで成る、請求項8に記載の液体発泡性シリコーン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡性シリコーン組成物に関する。この発泡性シリコーン組成物は、強化された、又は同様の洗浄効果、すなわち安定な発泡、汚れ除去特性を有し、洗浄力及び洗浄サイクル中の洗剤の好ましい発泡性に悪影響を及ぼさない、活性成分が低減された粉末又は液体洗剤組成物と容易に統合又は混合される。
【0002】
今日、世界中の何百万もの家庭及び様々な産業で用いられている大量の洗剤がある。これらの洗剤は、発泡及び洗浄に優れた高活性洗剤を用いている。陰イオン界面活性剤は洗剤の主成分であり、リンス水を介して大量の陰イオン界面活性剤が水系に入る。水系において、陰イオン界面活性剤を有する洗剤が大量であると、バランスが崩れて水生生物にとって好ましくない状態となる。このような水域への侵入は水を汚染し、水生生物に悪影響を及ぼすことになる。
【0003】
これらの洗剤は、活性成分として主に陰イオン界面活性剤を含んで成り、陰イオン界面活性剤の群には、制限されないものの、スルホン酸塩及びその誘導体、硫酸アルコール、アルキルベンゼンスルホン酸塩、リン酸エステル、並びにカルボン酸塩が主に含まれる。このような界面活性剤は、界面活性剤を除去するすすぎのための大量の水を要し、その結果、大量の清浄な水が浪費される。また、このような陰イオン界面活性剤は性質上過酷であり、複数回の洗浄後に衣服の色がくすむ。また、洗剤に用いられる大量の化学物質は、カーボン・フットプリントを増加させるという間接的な責任を有する。非イオン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤の量が多いことは、再生不可能な供給源からの化学物質の量が多いことを意味する。
【0004】
特に、手洗い洗剤の場合、最も効果的な基準は、安定した泡立ち特性を供し、最終的に汚れを除去する又は洗浄効率を向上させる際に、優れた効果的な洗剤であると消費者が考えることである。洗剤組成物における活性成分は、洗浄中の洗剤溶液における泡の形成又は増加、並びに洗浄若しくは汚れ除去活性に関連している。このような活性成分は、洗剤組成物において8~30パーセント存在し、これらの活性成分は、洗剤配合物の重要なコスト要因の1つである。
【0005】
界面活性剤の他に、ビルダー(例えば、ソーダ灰、三リン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ゼオライト、クエン酸ナトリウム)、フィラー(例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、チャイナ・クレイ、ドロマイト、カルサイトなど)、酵素、再付着防止剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなど、洗浄中に除去後の汚れが再付着することを防止するため)、漂白剤(例えば、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素、酸化によって汚れの除去を助力する塩素)、蛍光増白剤、柔軟剤、保存剤、ハイドロトロープ、香料、加工助剤、及び、特にフロント・ロード洗浄機に関して、泡の形成又は泡の崩壊を防止するための発泡調整剤などの他の成分がある。
【0006】
環境への影響の低減又はコストの低減のため、活性成分を特定の割合で減ずる場合、泡の形成又は増加などの性能、及びそのような組成の洗浄効果も影響を受ける/低下することになる。洗剤組成物における活性成分を低減又は置き換える必要がある場合、新たな洗剤組成物を再設計する必要があり、その泡の高さを常に維持し、浸漬時間中に消泡することなく泡の密度を維持する必要がある。
【0007】
したがって、陰イオン性界面活性剤の組成を減ずることを意図する場合、洗剤の全体的な性能は同等ではない。すなわち、持続可能な洗剤ビジネスのための破壊的イノベーションが必要とされる。強化された又は同様の洗浄効果、すなわち安定した発泡及び汚れ除去特性を有する低減された活性成分を有し、洗浄サイクル中に洗剤の洗浄性及び好ましい発泡の性質に悪影響を及ぼさない、そのような洗剤組成物を開発する必要がある。
【0008】
また、界面活性剤は環境を害し、水生毒性にも寄与するため、できるだけ少ない界面活性剤を使用する必要もある。また、より少ない界面活性剤を使用することには、二酸化炭素の生成がより少なく(温室効果ガスが少なく)、石油製品の消費が少ないことを意味する別の利点もある。
【背景技術】
【0009】
異なる組成物におけるシリコーンを説明した先行技術はほとんどない:
PCT出願WO1998030662A1では、強化された洗浄特性を有する高アルカリ性又は弱アルカリ性洗剤組成物に関する。ここで、好ましい界面活性剤、SILWET” L77は、式(又は組成式、formula):
(CHSi-O(CH)Si(R)O-Si(CH
を有し、式中、R=-CHCHCH-0-[CHCH0]CH;zは4~16、好ましくは4~12、最も好ましくは7~9である。低級のエチレンオキシド(EO)基(すなわち、[CH2CH20]基)を有するそのような分子は、所望の結果を与えない。そのような分子は、所望の安定した泡の特徴を供さず、また、そのような組成物において、泡の特性、並びに泡の高さ及び安定性は、市場で入手可能な市販の洗剤と同等でないことも認められる。
【0010】
特許出願US6425959B1では、組成物は、非イオン性界面活性剤、シリコーン界面活性剤、ハイドロトロープ、及び金属イオン封鎖剤を含む他の任意の機能性材料を含んで成る。洗濯物、並びにグリース、油、及び除去が困難な他の汚れ材料などのかなりの割合の有機/無機汚れを含む重度に汚れた硬表面などの基材は、本発明の洗浄剤組成物によって容易に洗浄される。非イオン性界面活性剤はブロックEOPOコポリマーであるため、所望の安定した泡の特性を与えない。また、そのような組成物における泡の特性、並びに泡の高さ及び安定性が、対照のサンプルと同等でないことも認められる。
【0011】
同様に、US2009075858、この参照の請求項4において:トリシロキサンは式(II):
(CHSiO(CH)Si(R4)OSi(CH (II)
を有する。式中、R4=-(CHO(CO)(CHCHCHO)R5であって、xは1~10であり、yは1~16であり、zは1~12であって、R5はH又はCHである。EOの数が少なく、所望の結果及び性能が得られない。また、プロピレンオキシド基(PO基)(すなわち、(CH(CH)CHO))のような基は、発泡性、クリーニング及び洗浄特性に悪影響を及ぼす。
【0012】
特許出願US5759983では、油性及び脂性の汚れの除去において特に効果的であり、速乾剤、陰イオン性洗剤、必要に応じて部分エステル化エトキシル化多価系アルコール、第二級アルコール共界面活性剤、炭化水素成分、及び水を含む、汎用液体洗浄組成物及びマイクロ・エマルション組成物において所望される改善が記載されている。ここで、請求項に記載されているブロック・シリコーン・コポリマーは発泡性の望ましい結果をもたらさず、また、EO基が5~18に制限されているトリシロキサンが記載されており、そのような範囲は、洗剤組成物において最適な発泡ブースター及び発泡として機能しない。
【0013】
出願WO2010010475では、発泡性アルコール組成物が記載されており、アルコールが消泡剤として作用すること、及びこの組成物において低級EOシリコーンが組成物中の推進剤として作用することは周知である。実施例1では、シリコーン界面活性剤を有するエタノール溶液である泡の高さのスクリーニングが実施される。出願に記載されているように、直鎖PEG-8ジメチコン及びPEG-10ジメチコンは、最も高い泡の高さ、すなわち>23mmを示している一方で、PEG/PPG-25/25ジメチコン・ペンダントは8mmの泡の高さを示している。この特許出願は全く異なる組成物及び異なる分子であり、その結果は異なる。このようなPEG-8ジメチコン及びPEG-10ジメチコンは、適切な泡の高さ及び安定した泡を示さず、適切な洗浄特性を与えない。
【0014】
耐加水分解性有機修飾ジシロキサン界面活性剤について言及している出願、WO2007044552では、ジシロキサン系の分子であり、また、EO基は末端の単位が少ない。そのようにEO基が少ないと、最適で安定した発泡組成物は得られない。さらに、この参照文献の目的は、広いpH範囲にわたる加水分解に対する耐性であり、本目的を開示していない。
【0015】
参照文献US6232272、EP1127939A1、US20060189508A1、US20090084402A1は、EO基の数が少ない有機シリコーン界面活性剤を開示している。このような低EO基分子は拡散助剤として用いられ、主に農業用途に用いられる。
【0016】
WO13126696では、用いられるシラン界面活性剤の構造が異なる。少なくとも約40重量%のアルコールの量を有する抗菌性アルコール組成物であり、アルコールが消泡剤として作用することが周知であるように、この組成物は、所望の発泡性をもたらすことができない。
【0017】
参照文献WO2013075977において、この組成物はアジュバントとして作用する。この出願において、アジュバントはそれ自体が無視できるほど又は全く殺虫活性を有さず、ターゲットに対する殺虫剤の生物学的性能を改善する組成物として記載され得る。アジュバント組成物に用いられるトリシロキサンは少ないEO単位を有しており、そのような分子では所望の発泡及び泡安定性は得られない。エステル及びトリシロキサンの重量比は異なり、エステルはトリシロキサンより高い割合である。このようなタイプの重量比では、所望の結果は得られない。
【0018】
参照の特許出願US2010081596における、硬表面、特に食器を洗浄するための洗浄剤の分野におけるこの配合物は、乾燥及び廃水特性における大きな改善に寄与している。この組成物は、所望の発泡効果を供さない。また、この化合物は、マルチアームのシリルポリアルコキシレート(6アームのトリエトキシシリル末端ポリアルコキシレート)であるため、構造的に異なる。
【0019】
ここで、US6525015B2の分子は、好ましいシリコーン界面活性剤を有する。好ましいシリコーン界面活性剤は、式:
(CHSiO(CH)Si(R1)OSi(CH
を有する。式中、R1は-CHCHCHO(CHCHO)CHであり、zは4~16、好ましくは4~12、最も好ましくは7~9である。低級のエチレンオキシド(EO)基(すなわち、[CH2CH20]基)を有するそのような分子は、所望の結果をもたらさない。そのような分子は、所望の安定した泡特性を供さず、また、そのような組成物では、泡の特性、並びに泡の高さ及び安定性は市場で入手可能な市販の洗剤と同等ではないことも認められる。非イオン性の非EO界面活性剤はアルキルポリグリコシドであって、重量比が異なる。このような組成物は、最適な発泡効果を供さない。
【0020】
WO2017010473は、硬表面の洗浄組成物を記載しており、発泡活性物質については言及していない。
【0021】
したがって、汚れた/硬い表面からの汚れ除去及び強化された洗浄特性に利用可能な解決策はあるものの、洗剤組成物から活性成分を低減し、同等又は強化された泡を構築又は増強する特性を有する類似の洗浄特性を維持し、並びに洗浄効果を維持又は強化することが記載された解決策はない。
【発明の概要】
【0022】
文献では、10~15のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレントリシロキサンが、他の添加剤を有する硬表面洗浄組成物に用いられ、より良い硬表面の洗浄特性をもたらすことが言及されている。実験室において、高級及び低級のポリオキシアルキレントリシロキサンで、そのような開示された組成物が洗剤の必要な発泡特性を満たすことが可能かどうかを明らかにすることが試みられた。しかしながら、そのような実験は、トリシロキサン中に10~15のオキシアルキレン基を有する組成物における所望の発泡特性について、良好な結果をもたらさなかった。また、実験室において、高級のポリオキシアルキレンシロキサンで試みたところ、驚くべきことに、19~30のオキシアルキレン基シロキサンのポリオキシアルキレンからより高い発泡効果が認められ、所望の結果が得られた。最適な発泡の特性(foaming character)は、シロキサンに結合した平均で24のポリオキシアルキレン基で認められた。
【0023】
平均して24のオキシアルキレン基を有する特定のポリオキシアルキレン-シロキサンは、より良い洗浄効果及び改善された滑りやすい手触りを含む、非常に良好な発泡及び泡増強特性(又は増泡特性、foam boosting property)をもたらす。
【0024】
24のオキシアルキレン基を有するこの特定のポリオキシアルキレン-シロキサンが、洗剤における活性界面剤に取って代わり得るかどうかをさらに検討するため、洗剤における活性成分(又は有効成分、active component)(すなわち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)を40%にまで減じ、フィラー材料(又は充填材料、filler material)(約85重量%)に充填された、平均で24のオキシアルキレンを有するこのシロキサン(約15重量%)を含んで成る発泡シリコーン組成物の1重量%未満を使用し、通常のソーダ灰又は硫酸ナトリウム又は混合物、若しくは洗剤組成にいずれの悪影響も及ぼさない任意の他の充填剤によって減じられた体積を補うと、驚くべきことに、発泡は劇的に改善し、初期の洗剤組成(すなわち、活性界面活性剤(又は有効な界面活性剤、active surfactant)を減じていない洗剤)と同等、又は場合によってはそれより優れているということが見出された。また、洗浄または洗浄後の手触り特性(hand feel property)は、市場で入手可能な洗剤組成物に関して、類似したまま、又は何倍も改善される。
【0025】
[発明の目的]
したがって、本発明の目的は、強化された又は同様の洗浄効果、すなわち発泡及び洗浄又は塵(又はほこり、dirt)/汚れ(又は土、soil)の除去特性を有し、洗浄サイクル中の洗剤の洗浄力及び好ましい発泡の性質(foaming nature)に悪影響のない、低減された活性成分を有する粉末又は液体の洗剤組成物と容易に統合又は混合する発泡性シリコーン組成物を供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、担体充填剤(carrier filler)と共にシリコーン流体を含んで成る発泡性組成物の選択的提供に向けられ、それは、効果的な洗浄及び高界面活性剤洗剤組成物の使用の回避に向けられた洗剤配合物において、最小用量(dosage)で洗剤組成物に用いられ得る。
【0027】
さらに別の目的は、異なる濃度の可能性がある粉末混合物の種類の製品による製品における変動に対応することであり、そのような変動が生じても製品の性能は一定のままであって変動しない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
驚くべきことに、本シリコーン組成物の使用が見出され、それは、以下の一般式:
(R 3-aSiO1/2(R 2-bSiO2/2(R SiO2/2 (I)
で表されるポリオキシアルキレン基を含んで成るシロキサンを含んで成るシリコーン組成物を含んで成る、発泡性シリコーン組成物である:
式中、Rは、同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、若しくはそれらの混合物から選択され、
Yは、19~30のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基であり、
及びRは、同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基であって、
aは0、1又は2であって、bは1又は2であって、pは0~20、好ましくは0、1、2又は3であって、j、kは互いに独立して、0又は1~50の整数であり、j又はkのいずれか、若しくはその両方は、少なくとも1である。シロキサンが分子あたり少なくとも1つのYのラジカルを含むという条件で、aが0である場合、pは0、1、2又は3であり、aが1又は2である場合、pは0又は1~50の整数である。
【0029】
一実施形態では、kが少なくとも1であり、bが1又は2であって、aが0である場合、jは2であって、pは0、1、2又は3である。
【0030】
一実施形態では、aが1であって、jが2であって、kが0である場合、pは1~30の整数である。別の実施形態では、aが1であって、jが2であって、kが0である場合、pは0である。
【0031】
この発泡性シリコーン組成物は、低減された活性洗剤組成物と混合されると、洗剤組成物からの活性含有量の低減後、適切な所望の泡の高さをもたらす。また、所望の高さに達した後のこの泡は、より長い時間安定であり、より良い洗浄効果をもたらす。
【0032】
好ましくは、R及びRは、同一又は異なるものであり、C~C20のアルキルラジカルである。アルキルラジカルRの例としては、メチルラジカル、エチルラジカル、n-プロピルラジカル、イソプロピルラジカル、1-n-ブチルラジカル、2-n-ブチルラジカル、イソブチルラジカル、tert-ブチルラジカル、n-ペンチルラジカル、イソペンチルラジカル、ネオペンチルラジカル及びtert-ペンチルラジカル、n-ヘキシルラジカルなどのヘキシルラジカル、n-ヘプチルラジカルなどのヘプチルラジカル、n-オクチルラジカルなどのオクチルラジカル、及び2,2,4-トリメチルペンチルラジカルなどのイソオクチルラジカル、n-ノニルラジカルなどのノニルラジカル、n-デシルラジカルなどのデシルラジカル、n-ドデシルラジカルなどのドデシルラジカル、及びn-オクタデシルラジカルなどのオクタデシルラジカルである。R、R及びRの場合、好ましい基はアルキル基である。好ましくは、R、Rはメチルラジカルである。
【0033】
実施形態の1つにおいて、Yは式-R(OROR’の19~30のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基であり、式中、Rは、同一又は異なるものであり、C~C10アルキレンラジカルであり、好ましくはCアルキレンラジカルである。Rは、同一又は異なるものであり、C~C10アルキレンラジカルである。R’は、同一又は異なるものであり、水素原子又はC~Cアルキル基であり、好ましくは水素原子であって、gは19~30である。
【0034】
発泡性シリコーン組成物は、シリコーン組成物の発泡性を改善する任意の添加剤を含んでよく、限定されないものの、脂肪酸のアルキルエステルから選択されるため、シリコーン組成物とは異なって称され得る。
【0035】
発泡性シリコーン組成物において、添加剤に対するシロキサンの重量比は、添加剤の各部分あたり(シリコーン組成物において)1重量部~約10重量部のシロキサンである。すなわち、シロキサン:添加剤の比は1:1~10:1である。
【0036】
本発明の基本的な態様によれば、流体ベース又は粉末ベースの洗剤配合物において用いられる発泡性シリコーン組成物が供され、発泡性シリコーン組成物のシロキサンは、以下の式:
3-aSiO(R SiO)(YRSiO)SiR 3-a(IV)
で表されるポリオキシアルキレン基を含む。式中、R1は同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、アルコキシ基か、ヒドロキシル基か、若しくはそれらの混合物から選択され、
Yは、以下の式
-R(OROR’
の19~30のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基であり、
式中、R及びRは同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル基、アルケニル基又はアリールアルキル基から選択され、Rは同一又は異なるものであり、C~C10アルキレンラジカルであって、Rは同一又は異なるものであり、C~C10アルキレンラジカルであって、R’は同一又は異なるものであり、水素原子又はC~Cアルキル基であり、好ましくは水素原子である。aは0又は1~2の整数であって、pは0又は1~3の整数であって、mは0又は1~50の整数であって、gは19~30である。ただし、シロキサンは分子当たり少なくとも1つのYラジカルを含む。Rは同一又は異なるものであり、Cアルキレンラジカルである。ここで、aが0である場合pは0、1、2又は3であり、aが1又は2である場合pは0又は1~50の整数であり、ただし、シロキサンは分子あたり少なくとも1つのYラジカルを含む。
【0037】
一実施形態において、kが少なくとも1であり、bが1又は2であり、aが0であり、jが2である場合、pは0、1、2又は3である。
【0038】
一実施形態において、aが1であり、jが2であり、kが0である場合、pは1~30の整数である。別の実施形態において、aが1であり、jが2であって、kが0である場合、pは0である。
【0039】
他の一実施形態において、ポリオキシアルキレン基はポリオキシエチレン基である。一実施形態において、ペンダント・ポリオキシアルキレン基を有するシロキサン中のシリコン単位の数は、3~6のSi単位であり、末端ポリオキシアルキレン基を有するシロキサンの場合は15~20のSi単位である。
【0040】
一実施形態において、固体の発泡性シリコーン組成物は:
a)10~35%のシリコーン組成物であって、
以下の一般式:
(R 3-aSiO1/2(R 2-bSiO2/2(R SiO2/2 (I)
で表されるポリオキシアルキレン基を含むシロキサンを含んで成り、
式中、Rは同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、若しくはそれらの組合せから選択され、Yは19~30のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基であって、R及びRは同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基である。aは0~2の整数であり、bは1~2の整数であり、pは0~3の整数であり、j、kは互いに独立しており、0~50の整数であって、j又はkのいずれか若しくは両方は少なくとも1である、
シリコーン組成物、
b)シリコーン組成物の発泡性を改善する0~10%の添加剤、
c)55~90%のフィラー(又は充填剤、filler)
を含んで成る。一実施形態において、固体は、異なるバルク密度を有する粉末、フレーク、タブレット(又は錠剤、tablet)、顆粒の形態であり得る。
【0041】
一実施形態において、シリコーン組成物の発泡性を改善する添加剤は、限定されないものの、脂肪酸のアルキルエステルから選択される。具体的には、ポリオキシアルキレン基、すなわち末端にY基を含むシロキサンで発泡性が改善される。脂肪酸のアルキルエステルは、限定されないものの、C6~C22の脂肪酸に基づく脂肪酸アルキルエステル又は脂肪酸アルキレンエステルから選択され、一実施形態では特に脂肪酸のメチルエステルから選択される。脂肪酸アルキルエステルは、例えば植物油のメチルエステル又はエチルエステル(Agnique ME 18 RD-F、Agnique ME 18 SD-F、Agnique ME 12C-F、Agnique ME1270、全ての製品はCognis社、ドイツ、現BASF)、C6~C22の脂肪酸に基づく脂肪酸アルキルエステル又は脂肪酸アルキレンエステルである。他の適当なものは、直鎖又は分枝C6~C22-脂肪アルコールを有する直鎖C6~C22-脂肪酸のエステル、若しくは直鎖又は分枝C6~C22-脂肪アルコールを有する分枝C6~C22-カルボン酸のエステルから選択されてよい。また、分枝アルコールを有する直鎖C6~C22脂肪酸のエステル、直鎖又は分枝C6~C22-脂肪アルコールを有するC18~C38-アルキルヒドロキシカルボン酸のエステル、及び/又は多価アルコールを有する分枝脂肪酸のエステルも適当である。
【0042】
フィラーは、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム及びゼオライトから成る群から選択される担体フィラーである。
【0043】
固体発泡性シリコーン組成物のポリオキシアルキレン基は、ポリオキシエチレン基である。
【0044】
一実施形態において、液体発泡性シリコーン組成物は、
a)10~35%のシリコーン組成物であって:
以下の一般式:
(R 3-aSiO1/2(R 2-bSiO2/2(R SiO2/2 (I)
で表されるポリオキシアルキレン基を含むシロキサンを含んで成り、
式中、Rは同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基か、若しくはそれらの混合物から選択され、
Yは19~30のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレン基であり、
及びRは同一又は異なるものであり、1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基、若しくは官能基を含んで成る1~20のC原子からのアルキル、アルケニル又はアリールアルキル基から選択され、
aは0~2の整数であり、bは1~2の整数であり、pは0~3の整数であり、
j、kは互いに独立し、0~50の整数であって、j又はkのいずれか若しくは両方は少なくとも1である、
シリコーン組成物、
b)シリコーン組成物の発泡性を改善する0~10%の添加剤、
c)55~90%のプロトン性溶媒
を含んで成る。
【0045】
一実施形態において、プロトン性溶媒は、それ自体を解離することによってプロトンを生成することができる溶媒を意味する。プロトン性溶媒の非限定的な例示としては、水;メタノール及びエタノールなどのアルコール;酢酸などのカルボン酸;フェノール;並びに液体アンモニアであり、好ましくは、プロトン性溶媒は水である。
【0046】
一実施形態において、液体発泡性組成物は、主に約15~約25重量%の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸から構成され、さらにいくらかのアルコール、安定剤、及び香料を含み、界面活性剤を含む水、又は含まない水でバランスがとられる。ここで、界面活性剤は、液体発泡性シリコーン組成物が室温(25℃)で水に溶解しない場合、乳化剤として作用し得る。特に適当な界面活性剤は、アルキルポリグリコールエーテル、アルキル化脂肪アルコールアルキルアリールポリグリコールエーテル、エチレンオキシド/プロピレンオキシド(EO/PO)ブロック・ポリマー、脂肪酸、レシチン、ラノリン、サポニン、セルロースなどの天然物質及びそれらの誘導体、セルロースアルキルエーテル及びカルボキシアルキルセルロース、飽和及び不飽和アルコキシル化脂肪アミンを含む非イオン性乳化剤である。好ましい非イオン性乳化剤はアルキル化脂肪アルコールであって、アルキレート脂肪アルコールの非限定的な例示としては、ラウリルアルコールのポリオキシエーテル(CH(CH10CHOH)である。
【0047】
ワックス及び半固体の形態のポリオキシアルキレン基を含むシロキサンの粘度は、50℃に加熱し、50℃において測定する。シリコーン流体の粘度は25℃で測定する。粘度は、Anton Paarのレオメータ;モデルMCR101、ジオメトリ・シングル・キャップ・シリンダ(geometry single cap cylinder):CC 27スピンドル(spindle)、若しくは直径60mm及び2°、並びに剪断測度1s-1のコーン・プレート(cone plate)によって、25℃又は50℃で測定される。測定は3回繰り返す。MCRレオメータ・シリーズの製品は、USP(US Pharmacopeia Convention)912-回転レオメータ法に準拠して機能する。
【0048】
発泡性シリコーン組成物は、100%純粋であってよく、又はいくらかの量の副生成物をさらに含んでよい。発泡性シリコーン組成物は、ヒドロシリル化反応による流体調製の副生成物に起因し得る、いくらかの少量のシリコン材料をさらに含み得る。このようなシリコーン材料は、シクロシロキサン、小鎖(small chain)ポリジメチルシロキサン、又は19未満のポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンシロキサン、若しくは30より多くのポリオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンシロキサン、アルキルシランのようなものである。このようなシリコン材料の量は、発泡性シリコーン材料の5%未満となる。
【0049】
シリコーン組成物のためのシロキサンの調製ステップの間、本発明のプロセスの第2ステップにおいて、アリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(インドのIGLからPolymegブランドとして入手可能)は、第1ステップから得られた再配列(又は再編成された、rearranged)H-シロキサンより10%過剰に用いられる。
【0050】
アリルオキシ(ポリエチレンオキシド)又はオレフィン性不飽和ポリエーテルは、好ましくは、ポリエチレングリコールアリルメチルエーテルCH=CHCH(OCOH;CH=CHCH(OCOH;ポリアルキレングリコールアリルメチルエーテル(EO/POランダム)CH=CHCHO(CO)(CO)H(ここで、l及びkは2~100の整数であり、好ましくは19~40、より好ましくは19~30の整数である)から選択される。好ましいオレフィン性不飽和ポリエーテルの非限定的な例示としては、インドのIGLからPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)である。オレフィン性不飽和ポリエーテルは、水素シロキサンにおけるSi結合水素1molあたり、ポリエーテルにおいて1~1.1molのオレフィン性不飽和ラジカル(C=C)の量で用いられる。
【0051】
再配列H-シロキサンの合成のステップ1では、H原子が末端又は分岐、若しくはその両方にあり得るH-シロキサン(0.01%~99.9%の水素濃度を有する)を用いた。用いられたジシロキサンは、再配列反応のための過剰の末端停止材料(又はエンド・ストップ材料、end-stop material)として用いられ、所望のモル数の本発明の材料を得るため、他のトリアルキル末端シロキサンがH-シロキサンと共に用いられてよい。用いられる触媒は、PNCl触媒である。反応温度は、出発材料に応じて、及び反応の必要条件に従い、バッチ毎に異なる。反応の通常の温度は、10~300℃、好ましくは80~150℃で変わり得る。一部の反応は発熱を伴う可能性があり、反応温度内で制御するため、必要なモニタリング(又は監視、monitoring)及び制御を要する。また、反応時間は反応物の種類に応じて変更されてよく、一実施形態において、反応時間は1時間~24時間で変更されてよく、通常、反応時間は1時間~10時間である。反応プロセスは、任意の蒸留ステップをさらに有してよく、このステップは、存在する場合、ヒドロシリル化反応のステップ2の後又は前にあってよい。さらに、再配列プロセスにおいて用いられる触媒は、さらなる再配列反応を停止するため、塩基性材料(例えば、限定されないものの、好ましくはソーダ灰)を用いることによって中和されてよい。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~99%である。
【0052】
一実施形態において、本発明は再配列H-シロキサンを調製するプロセスを供し、かかるプロセスは、以下を含んで成る:
(i)第1ステップにおいて、
以下の式の水素シロキサン
HR SiO(RSiO)SiR H、又はR SiO(RHSiO)SiR 、若しくはHR SiO(RHSiO)SiR
(式中、RはR又はRであり、
Rは同一又は異なるものであって、一価のC~C20の炭化水素ラジカルであり、
は同一又は異なるものであって、C~Cのアルコキシラジカル又はヒドロキシルラジカルであり、
uは1~500の整数である)と、
以下の式のジシロキサン
SiOSiR
とを、触媒の存在下において、10~300℃の温度で反応させることであって、ジシロキサンが水素シロキサンより10~40%のモル数過剰にとられる一実施形態においては、80~150℃の温度で反応させることが好ましく、以下の式
(R3-aSiO1/2(R2-bSiO2/2(RSiO2/2
の再配列H-シロキサンが得られること
(ii)第2ステップにおいて、
オレフィン性不飽和ポリエーテル、又はそれと以下の式
CH=CH-R-(OROR’
の再配列H-シロキサンとの混合物を反応させることであって、一実施形態では、そのポリエーテルが
CH=CH-R-(ORg1OR’
と混合され、
式中、RはC~Cのアルキレンラジカルであって、Rは同一又は異なるものであって、C~C10のアルキレンラジカル、好ましくはCのアルキレンラジカルであり、Rは同一又は異なるものであって、C~C10のアルキレンラジカルであり、R’は同一又は異なるものであって、水素原子又はC~Cのアルキル基、好ましくは水素原子であり、gは19~30であり、g1は1~18であって、
白金又はその化合物若しくは錯体を含んで成る触媒の存在下において、以下の式のポリオキシアルキレン基を含んで成るシロキサンが形成され、
(R3-aSiO1/2(R2-bSiO2/2(RSiO2/2
式中、Yは-R-(OROR’、又は-R-(OROR’と-R-(ORg1OR’との混合物であって、ポリオキシアルキレン分子を含んで成るシロキサンにおいて、gは平均して19~30である。
本発明のポリオキシアルキレン基を含んで成るシロキサンの本発明の構造は、限定されないものの、以下の構造から選択される:
【化1】
【化2】
R、R、R、R、R、R、R’は前に定義されている。
pは0又は1~3の整数であり、
m’は1~50の整数であり、好ましくは、gは平均して19~30であり、
pは0又は1~50、好ましくは1~30、より好ましくは1~20の整数であって、
ただし、シロキサンは分子あたり少なくとも1つのYラジカルを含む。
【0053】
合成の第2ステップ(ステップ2)は、ステップ1から得られる再配列H-シロキサン、又は市場において必要な仕様(例えば、H含有量、粘度、屈折率及び引火点)で入手可能なH-シロキサンを用いることによるポリオキシアルキレンシリコーンの合成である。反応温度は、出発材料に応じて、及び反応に必要な条件に従ってバッチ毎に異なる。通常の反応の温度は、10~300℃、好ましくは80~150℃で変わり得る。このリアクター(又は反応器、reactor)は、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット(nitrogen blanketing)若しくは圧力下で反応を実施する設備(又は機能、facility)、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピング(又は除去、stripping)を行うさらなる設備を備える。
【0054】
本発明のプロセスの第2ステップにおいて、より好ましくは、(オレフィン性不飽和の)アリルオキシ(ポリエチレンオキシド)化合物は、水素シロキサンにおけるSi結合の水素1モルあたり0.9~1.3モルの量のH含有量(Si-H)で用いられる。より好ましくは、不飽和アルコキシ化合物は、水素シロキサンにおけるSi結合の水素1モルあたり1.0~1.15モルの量で用いられる。非限定的な一実施形態において、アリルオキシ(ポリエチレンオキシド)化合物及び水素シロキサンにおけるSi結合水素は、第2ステップにおいて同時又は段階的に反応し、また、所定の速度で、又は所定の間隔において所定の量で、共に混合されるか、又は別個に投与される。
【0055】
ステップ2のステップにおけるヒドロシリル化反応の触媒は、好ましくは、白金金属の群からの金属、若しくは白金金属の群からの化合物又は錯体を含んで成る。そのような触媒の例示としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム又は活性炭などの担体(support)に存在し得る金属白金及び微粉白金、ハロゲン化白金などの白金の化合物又は錯体、例えば、PtCl、HPtCl*6HO、NaPtCl*4HO、白金-オレフィン錯体、白金-アルコール錯体、白金-アルコキシド錯体、白金-エーテル錯体、白金-アルデヒド錯体、白金-ケトン錯体であって、HPtCl*6HOとシクロヘキサノンとの反応生成物を含み、検出可能な無機結合ハロゲンを含む又は含まない白金-1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチル-ジシロキサン錯体などの白金-ビニルシロキサン錯体、ビス(ガンマ-ピコリン)白金二塩化物、トリメチレンジピリジン白金二塩化物、ジシクロペンタジエン白金二塩化物、ジメチルスルホキシドエチレン白金(II)二塩化物、シクロオクタジエン-白金二塩化物、ノルボルナジエン-白金二塩化物、ガンマ-ピコリン-白金二塩化物、シクロペンタジエン-白金二塩化物、また、1-オクテン溶液中の四塩化白金とsec-ブチルアミンとの反応生成物などの、四塩化白金と、オレフィン並びに第1級アミンか、第2級アミンか、又は第1級アミン及び第2級アミンとの反応生成物、若しくはアンモニウム-白金錯体がある。
【0056】
好ましくは、反応は、好ましくは500~5000重量ppmの範囲における触媒、好ましくはヘキサクロロ白金酸の存在下において、70~110℃の間、より好ましくは80~100℃で実施される。反応は、好ましくは、酸素の非存在下、すなわちN雰囲気下の窒素中で実施される。
【0057】
効果的な洗剤組成物は、陰イオン界面活性剤、特にアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキル硫酸塩の界面活性剤を含んで成る。また、洗濯洗剤用の布の外観及び洗浄には、特に複数の洗浄サイクルの後、そのような布の外観及び洗浄を改善するのに十分な量の酵素を含むことが有益であることも見出されているものの、陰イオン界面活性剤は洗浄に重要であり、洗浄において多くの泡を生成する安価な供給源である。選択洗剤配合物の洗剤効果を改善するため、さらなる化学物質、例えば、複合リン酸塩、非イオン性界面活性剤、ソープ・ヌードル(又は石鹸ヌードル、soap noodle)、様々な無機塩及び洗浄効果を最適化するために用いられる他の添加剤が用いられることが多い。
【0058】
洗剤粉末において、主な発泡成分は陰イオン界面活性剤である。本発明によれば、陰イオン界面活性剤を含む洗濯洗剤粉末の場合、陰イオン界面活性剤によって大量の泡が発生する。前洗浄(又は予備洗浄、prewash)中又は後洗浄における洗剤の発泡の性質は変化しない。しかしながら、陰イオン洗剤の量を減ずると、発泡及び最終的には洗浄の有益性が低下する。
【0059】
すすぎサイクルでは、布を絞った後、残留洗剤が布から新たな水(fresh water)に移る。したがって、洗剤、すなわち液に存在する陰イオン界面活性剤の量がより少ないことによって、すすぎ液の泡密度は大幅に低減する。したがって、陰イオン界面活性剤の濃度が非常に低いことによって、結果として発泡の性質が失われ、すすぎ水中の泡が大量に除去される。特に、手洗いの場合、4回のすすぎ後に発泡は認められない。
【0060】
以下の非限定的な実施例に関連して、本発明の詳細、その性質及び目的を以下に詳細に説明する。
【実施例
【0061】
(A)シリコーン・ポリマーの合成例
実施例1a)25-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(本発明による):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのWacker H-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、4192gのジシロキサン(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)(25.88モル)、及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュート(Temperature Overshoot)を110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで温度を180℃にまで5℃ずつ上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:1800gの再配列H-シロキサン(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)7659g(6.081molの10%過剰)を、一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)分子が反応するまで反応を続ける。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化(conversion)について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得た。50℃における材料の粘度は、150mPaである。
【0062】
実施例1b)平均的な24-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(本発明による):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのWacker H-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、4192gのジシロキサン(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)(25.88モル)、及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに装填し、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。次いで、触媒をソーダ灰で中和する。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:1800gの再配列H-シロキサン(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、(40℃で予備加熱した)アリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO27)4865g(6.081モルの10%過剰)及びIGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO12)760.64gを一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO27)分子及びアリルオキシ(ポリエチレンオキシド(EO12)が反応し、平均24-ポリオキシアルキレン-シロキサンを形成するまで反応を続ける。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得た。50℃における材料の粘度は、150mPaである。
【0063】
実施例2)2つのD[-OSi(CH]単位を有する27-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(本発明による):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのH-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、3332.34gのジシロキサン(24-3.43=20.57モル)(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)、4116gのWacker Belsil 10(3.43モル、各単位は14のD単位を有するため、48モルのD単位が再配列し、1つのSi-H及び2つのD単位を有するシロキサン鎖を形成する)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:2つのD単位を有する再配列H-シロキサン2250g(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO27)8247g(6.081モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO27)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、165mPaである。
【0064】
実施例3)19-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(本発明による):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのH-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、4192gのジシロキサン(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)(25.88モル)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:1800gの再配列H-シロキサン(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO19)5819.5g(6.081モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO19)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、半固体状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、90mPa・sである。
【0065】
実施例4)3つのD単位[-OSi(CH]を有する30-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(本発明による):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのH-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、3332.34gのジシロキサン(24-3.43=20.57モル)(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)、6171gのWacker Belsil 10(5.143モル、各単位は14のD単位を有するため、72モルのD単位が再配列し、1つのSi-H及び3つのD単位を有するシロキサン鎖を形成する)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:3つのD単位を有する再配列H-シロキサン2699g(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO30)8233.67g(6.081モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO30)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、150mPa・sである。
【0066】
実施例5a)末端に2つの25-ポリオキシアルキレンを有するテトラメチルジシロキサンの調製(本発明による):
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:160.8gのテトラメチル-ジシロキサン(すなわち、2.4モルのH)をリアクターに取り、リアクターの温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)2993g(2.4モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、190mPa・sである。
【0067】
実施例5b)末端に2つの25-ポリオキシアルキレンを有し、15のD単位[-OSi(CH]を有するシロキサンの調製(本発明による):
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:15のDを有するH末端のシロキサン(Wacker Chemieから入手可能なWacker H-polymer 15)1250g(0.17%のH、すなわち2.125モルのH)をリアクターに取り、リアクターの温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)3024g(2.3375モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、190mPa・sである。
【0068】
実施例6)12-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(比較例):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのWacker H-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、4192gのジシロキサン(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)(25.88モル)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:1800gの再配列H-シロキサン(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO12)3759.3g(6.081モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO12)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得る。25℃における材料の粘度は、130mPa・sである。
【0069】
実施例7)18-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(比較例):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのWacker H-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、4192gのジシロキサン(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)(25.88モル)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:1800gの再配列H-シロキサン(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO18)5525.2g(6.081モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO18)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、半固体状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、80mPa・sである。
【0070】
実施例8)20のD単位[-OSi(CH]を有する25-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(比較例):
ステップ1
H-シロキサンの合成:150gのH-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち2.4モルのHを有する)、333.2gのジシロキサン(2.06モル)(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)、4116gのWacker Belsil 10(14のD単位及び2つの末端トリメチルシロキシ末端単位を有する3.43モルのPDMS)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)、1つのSi-H単位及び20のD単位を有する再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:20のD単位を有する再配列H-シロキサン1702g(1モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)1247g(1モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO25)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、半固体状の材料を得る。25℃における材料の粘度は、250mPa・sである。
【0071】
実施例9)31-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(比較例):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのWacker H-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、4192gのジシロキサン(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)(25.88モル)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに装填し、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:1800gの再配列H-シロキサン(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO31)9351.4g(6.081モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO31)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、180mPa・sである。
【0072】
実施例10)40-ポリオキシアルキレン-シロキサンの調製(比較例):
ステップ1
H-シロキサンの合成:1500gのWacker H-シロキサン(1.6%の水素濃度、すなわち24モルのHを有する)、4192gのジシロキサン(Wacker BELSIL(登録商標)DM 0 65)(25.88モル)及び200ppmのPNCl触媒をSSリアクターに入れ、設定温度を105℃、温度オーバーシュートを110~115℃とし、温度を108~110℃に設定する。反応を4時間継続し、次いで180℃にまで5℃ずつ温度を上昇させ、蒸留を開始して(完全な蒸留の時間は、10リットルのリアクターの場合2時間である)再配列H-シロキサンを得る。収率は、再配列H-シロキサンの再配列生成物の75~80%である。
ステップ2
ポリオキシアルキレンシリコーンの合成:1800gの再配列H-シロキサン(6.081モル)(ステップ1から)をリアクターに入れ、温度を100~102℃に上昇させる。このリアクターは、攪拌及び加熱の制御を備え、真空又は窒素ブランケット若しくは圧力下で反応を実施する設備、及び還流下における反応又は揮発性物質のストリッピングを行うさらなる設備を備える。この温度において、エポキシシクロヘキサン及びPt触媒(イソプロパノール中の0.5%ヘキサクロロ白金酸)を加え、IGL(インド)からPolymegブランドとして入手可能なアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO40)12000g(6.081モルの10%過剰)を一滴ずつゆっくりと加える。これらの材料は二相となり、全てのアリルオキシ(ポリエチレンオキシド)(EO40)分子が反応するまで、反応を継続させる。1~2分後に発熱が開始し(最大10℃)、60分後に材料が透明になり、それが60分を超えて続いた。未反応のH濃度による転化について、IRスペクトルを確認する。0.2~0.5kg/cmのNパージを、100℃で1時間行う。反応混合物を冷却し、ワックス状の材料を得る。50℃における材料の粘度は、250mPa・sである。
【0073】
(B)配合例
固体発泡性シリコーン組成物製剤(composition Formulation)の調製方法:
表1に示されるように、調製の実施例において用いられるメチルエステルは、脂肪酸アルキルエステル、例えば植物油のメチルエステル(Agnique ME 18 RD-F)である。表1に記載されるような組成物の調製における必要に応じて、表1に記載されるような比率で、記載されたシロキサンとメチルエステルを混合し、実験を実施できる。
【0074】
使用した機器:容量が10リットルであって、1つのサイド・エントリー高速分散ツール(one side entry high speed dispersing tool)を有し、公称圧力の温水/冷水の加熱及び冷却のために適当に被覆された、ステンレス鋼プロー・シェア・ミキサー(plough shear mixer)。全てのシャフト・グランド(shaft gland)は、Nでパージした。適当な集塵機(dust separator)をローディング・ホッパー(又は装填ホッパー若しくは投入ホッパー、loading hopper)に設置し、ミキサーに標準底部出口(standard bottom outlet)を供した。
【0075】
125μmの平均粒子サイズを有する、3.5kgの市販グレードの炭酸ナトリウム粉末をミキサーに加え、粉末を攪拌し、Nパージ下で130℃に加熱し、粉末を乾燥させた。約1時間粉末を乾燥させた後、流体形態の、又はワックス形態である場合は35~50℃に加熱して流体を形成した、発泡性組成物[本発明のもの(シリコーン発泡性組成物)又は本発明ではないもの](表1において組成物1~33として記載されている)を、50℃の高温で計量ポンプを用いて添加し、攪拌された塊(mass)中への均一な分配を確実にする。1.5kgの上述の流体の添加は、温度を130℃に維持しながら、約3時間で完了させる。流体の添加後、さらに1時間混合を継続する。ミキサーから取り出す前に粉末を40℃にまで冷却し、固体発泡性組成物を得る。
【0076】
評価に用いられた実験及びプロトコルの詳細は、Wackerから公開された登録特許第US8481476B2号において開示されている。
1)手洗い用のブランク固体洗剤配合物:
手洗い用洗剤配合物:実施例(発泡性組成物なし)
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩=14.00部
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
ソーダ灰=47.55部
硫酸ナトリウム=4.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
【0077】
2)本発明及び非発明のシリコーン組成物を有する手洗い用の固体洗剤配合物:
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩=8.4部(14-5.6部)
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
固体発泡性組成物[本発明のもの(固体発泡性シリコーン組成物)又は非発明のもの]=1部
ソーダ灰=52.15部(47.55+4.6部)
硫酸ナトリウム=4.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
【0078】
3)機械洗浄用のブランク洗剤配合物:
発泡性組成物(本発明又は非発明)のない実施例
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩=10.00部
石鹸=1.25部
ラウリルアルコール 7EO=2.00部
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
ソーダ灰=47.9部
硫酸ナトリウム=4.40部
酵素プロテアーゼ=0.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
【0079】
4)本発明及び非発明のシリコーン組成物を有する機械洗浄用の固体洗剤配合物:
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩=6.00部(=10マイナス4部)
石鹸=1.25部
ラウリルアルコール 7EO=2.00部
トリポリリン酸ナトリウム=26.40部
固体発泡性シリコーン組成物(本発明又は非発明)=1部
ソーダ灰=50.9部(47.9+3部)
硫酸ナトリウム=4.40部
酵素プロテアーゼ=0.40部
過ホウ酸ナトリウム=6.85部
テトラアセチルエチレンジアミン=0.5部
香料=0.30部
【0080】
(C)性能測定
1)布なしの発泡の性能評価(手洗い)
手洗いによるバケツ内のそれぞれの洗剤の評価に用いられたプロトコルは、以下の通りであった:
a.24°fHの硬水。
b.布対液の比率は1:10であった。
c.4gplの洗剤(gpl=グラム毎リットル)。
d.泡立ては20秒間実施した。
e.20秒の終わりに、泡立ち(又は泡、lather)の高さ、泡立ちの種類、泡立ちの安定性を直ちに記録する。これを、時間t=0(H)における初期の泡立ちとして報告する。泡の高さ(H20)は、5、10又は20分(t=0)の間隔で再度取得する。
【0081】
2)布を有する発泡の性能評価(手洗い)
手洗いによるバケツ内のそれぞれの洗剤の評価に用いられたプロトコルは、以下の通りであった:
a.24°fHの硬水。
b.布対液の比率は1:10であった。
c.4gplの洗剤(gpl=グラム毎リットル)。
d.泡立ては20秒間実施し、次いで布をバケツの水に浸した。水量:10.6リットル、プラスチック・バケツ:~30リットル容量、34cmの均一な直径、高さ34.5cm。
e.洗浄サイクルを15分間又は30分間維持し、泡の高さを測定して、これを時間t=0(H)における初期の泡立ちとして報告する。泡の高さ(H20)は、5、10又は20分(t=0)の間隔で再度取得する。
f.布を50%の重量にまで絞り、取り出した。
g.各々の場合において、24°fHの新たな硬水において、すすぎ水1に対して新たな水7部の比率ですすぎを行い、次いで5秒間攪拌し、布を50%の重量にまで絞って取り出し、バケツ中の泡の高さを測定した。
【0082】
3)性能評価(機械洗浄)
トップ・ロード自動機(top load automatic machine)における洗剤の評価に用いたプロトコル
a.24°fHの硬水。
b.布対液の比率は1:10であった。
c.4gplの洗剤(gpl=グラム毎リットル)。半自動LG7.2kg容量洗浄機。
d.洗浄サイクルを15分間又は30分間維持した。洗浄液を排出する直前に洗浄機の上蓋を開けて(上蓋を開くとすぐに、機械は自動的に作動を停止した)、布が50%の洗浄液を維持するように絞り、布を取り去った。布を取り出した後、泡の高さを測定した。
e.上蓋を閉じて、機械を再び作動させた。機械が洗浄液を排出してすぐに、機械の上蓋を開けて、布を移した。機械の上蓋を閉じて、直ちにすすぎサイクルのために機械を作動させた。1回目のすすぎ液を排出する直前に、機械の上蓋を開けた。布が50%の洗浄液を含むように絞り、布を取り去った。布を取り出した後、泡の高さを測定し、1回目のすすぎの泡の高さとして記録した。
f.上蓋を再び閉じて、2回目、3回目及び4回目のすすぎの泡の高さの測定のため、ステップ「f」として繰り返した。
【0083】
(a)泡の高さの測定
泡の高さは標準的な手順を用いて測定し、t=0分において初期の泡の高さを読み取り、その後5分測定し、最後にt=20分の読み取りを行った。泡の縁(rim)が達した最も高い平均高さにおいて、バケツにおける泡の生成を測定することによって読み取りを行った。そのような読み取りを5回行い、平均して、最終的な泡の高さを記録した。各組成について値を記録し、表1において報告する。
【0084】
(b)泡の安定性の測定
パーセンテージにおける泡安定係数(Foam Stability factor)(H-H20)*100/Hは、泡の高さ(既に測定されたもの)の差によって決定され、時間t=0における初期の泡の高さ(H)から時間t=20分における泡の高さ(H20)を引いた差に100を掛けて、初期の泡の高さで割ったものである。泡安定係数が低いほどより安定な泡である。これは、泡がより長い時間安定であって、静まらない(又は沈まない、settle down)ため、差がより小さくなり、泡安定係数の値が小さくなることを意味する。泡安定係数は各組成について記録し、表1において報告する。
【0085】
(c)泡密度の測定
密度の決定は、ピクノメーター法(Pyknometer method)DIN EN ISO 2811-1によって行われる。記載された泡発生方法を用いて、試験で発生した泡をピクノメーターに充填する(又は満たす若しくは注入する、fill)。密度は、ピクノメーターにおける泡の質量及び既知のピクノメーターの体積から計算される。ERICHSEN(ドイツ)からの金属ピクノメーターを100cmの体積で用いた。製品の密度、ρはグラム毎立方センチメートルであり、試験温度は25℃であって、以下の式が用いられた。
ρ=(m-m)/V
式中、mは、空のピクノメーターの質量(グラム)であり;
は、試験温度(25℃)における、製品を充填したピクノメーターの質量(グラム)であって;
は、試験温度におけるピクノメーターの体積(立方センチメートル)である。
試験手順:
ステップ1.泡は、4gplの洗剤を有するバケツにおいて、10.6リットルの硬水(24°fH)を用いて、20秒間泡立てることによって発生させる。硬水(24°fH)の温度を25℃に維持する必要があり、そのため、泡立て中の泡の温度も25℃に維持される。実験が完了するまで、室温を25℃に維持する。
ステップ2.ピクノメーターを25℃にまで冷却し、次いで、220gmの最大容量を有する電子天秤において、空のピクノメーターの重量(m1)を得る。ピクノメーターの上部エッジにまで、ピクノメーターに(泡立て中に発生した)泡を充填する。ピクノメーターへの泡の充填は、外部からの空気がピクノメーターの内部に閉じ込められないように実行する必要がある。次いで、ピクノメーターの蓋(lid)を容器の上部に置き、オーバーフロー孔(overflow hole)から漏れた余分な泡を拭き取る。泡を有するピクノメーターの重量(m2)を測定する。上述の式を用いて、泡の密度を計算する。
3.実験を5回繰り返して、平均の密度を得た。各組成の結果は表1に記録されている。
【0086】
(d)洗浄効率:
洗浄及びすすぎのサイクルの後、5人のパネルを形成し、汚れ除去効率を1~10のスケールで評価した。10が最高効率であって、1が最低効率である。評価を記録し、組成の各々について5つの評価の平均を得て、表1に記載した。
【0087】
本発明によれば、手又は機械洗浄による布洗浄中の泡の増強を目的として、実質的に低減された直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩を有する液体洗濯洗剤に直接組み込まれる場合、本発明のシリコーン組成物の効果は、ブランクの液体洗濯洗剤の効果と同等であることがさらに認められる。
【0088】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0089】
実験からの所見
1)上記の実験から、15のD単位[-OSi(CH]を持ち、メチルエステルを有する実施例5(b)の末端に2つの25ポリオキシアルキレンを持つシロキサンを有する、表1の組成物第14(b)番は、泡の高さ及び安定性の最良の結果をもたらし、ブランク洗剤より良好であるということが認められる。この結果の後に、15のD単位[-OSi(CH]を持ち、末端に2つの25ポリオキシアルキレンを持つ実施例5(b)のシロキサンを有する本発明の組成物を有する、表1の組成物第3(b)番が続く。この後に、メチルエステルを有する実施例1(b)の平均24-ポリオキシアルキレン-シロキサンを有する本発明の組成物である組成物第11番の結果が続き、平均24-ポリオキシアルキレン-シロキサンを有する実施例1(b)の組成物第2(b)番の結果がさらに続く。
【0090】
2)また、より低い値のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンシロキサン(組成物6及び7)並びにより高いEOシロキサン(組成物9A及び9B)も泡を生成するものの、泡の高さ及び安定性は匹敵しない。
【0091】
3)特許請求の範囲より多数のオキシアルキレン基を有するポリオキシアルキレンシロキサンの別の欠点は、溶融するために高温を必要とし、そのような高温では壊れてしまうため、処理、溶融、及びフィラー支持体(又は充填剤支持、filler support)への噴霧が非常に困難であるということである。
【0092】
4)より多くのD単位[-OSi(CH]を有するシロキサンにおいて、ペンダントのポリオキシアルキレンを有する洗剤組成物、すなわち、高いD単位を持つ実施例8の流体を有する組成物8は、発泡せず、洗浄効率を低下させる。
【0093】
5)組成物17は、特許請求の範囲外である低級アルキル/アルキレンメチルエステルが加えられた25ポリオキシアルキレンシロキサンが洗浄効率を劇的に低下させることを示す一方で、組成物11、12、13及び14a並びに14bでは、適切なアルキル/アルキレンメチルエステルを有する本発明の発泡シリコーン組成物は、組成物の発泡及び洗浄効率を相乗的に高めるということが見出された。
【0094】
6)また、実験から、実施例6~9bからの、19~30、及びより多くのD単位の特許請求の範囲外の数のオキシアルキレン基を有するオキシアルキレンシロキサンを有する洗剤は、所望の発泡及び泡の安定性をもたらさないということも見出された。
【0095】
7)さらに、実施例15~19から、メチルエステルのみを有する洗剤、及び非発明の異なる比率のメチルエステルを有するオキシアルキレンシロキサンを有する洗剤では、所望の泡の高さ及び泡の安定性の結果が得られないということが見出された。
【0096】
8)固体洗剤組成物20~22及び液体洗剤組成物23~24について、非発明の比率でメチルエステルを有するオキシアルキレンシロキサンを有する洗剤では、好ましい発泡の結果は得られない。
また、組成物31~33について、他の比較されたシリコーン構造及び先行技術の組成物でも、所望の発泡及び泡の安定性の特性は得られない。
【0097】
9)また、実施例25~30における本発明の組成物が、異なる温度及びpHにおいて、洗浄効率と共に、所望の発泡及び泡の安定性の特徴をもたらすということも明らかである。
【0098】
この結果及び実験は、非限定的であり、この特定の組成に限定されない。これらは変更されてよく、組成物におけるわずかな変更は同様の結果をもたらし得る。