(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】バーコード付きオリゴヌクレオチド配列を有する試薬を用いたタンパク質発現の測定
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/6816 20180101AFI20240110BHJP
C07K 16/00 20060101ALI20240110BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20240110BHJP
C12N 15/11 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
C12Q1/6816 Z ZNA
C07K16/00
G01N33/53 D
G01N33/53 M
C12N15/11 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022096387
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2019540515の分割
【原出願日】2017-09-25
【審査請求日】2022-07-14
(32)【優先日】2017-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100168631
【氏名又は名称】佐々木 康匡
(72)【発明者】
【氏名】ファン クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】チャン クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】シャム エリーン
(72)【発明者】
【氏名】ツェルナー オラフ
(72)【発明者】
【氏名】バンサル ニダンジャリ
(72)【発明者】
【氏名】ガディアリ ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】ラム グレッチェン インボン
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン エリック
(72)【発明者】
【氏名】ローラー ジュルグ
(72)【発明者】
【氏名】ゲイロード ブレント
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ジョディ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダル ジェイソン ジー
【審査官】中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/145409(WO,A1)
【文献】特表2018-535652(JP,A)
【文献】特表2015-511819(JP,A)
【文献】国際公開第2016/100976(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q1/00-3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)複数の、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合性試薬
、及び(ii)オリゴヌクレオチドとコンジュゲートしていない1つ以上の第2のタンパク質結合性試薬を含む組成物であって、
前記タンパク質結合性試薬の各々が、それに特異的なオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合性試薬を含み、
前記タンパク質結合性試薬に特異的な前記オリゴヌクレオチドが、標的配列のための結合部位と、前記オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた前記タンパク質結合性試薬のためのユニーク識別子配列と、ユニバーサルプライマー配列とを含み、
前記ユニバーサルプライマー配列が、ハイスループットシーケンシング用プラットフォームに関連付けられるシーケンシングプライマーの配列を含み、前記標的配列のための結合部位が、ポリ(A)配列を含み、
前記タンパク質結合性試薬が、複数のタンパク質標的のうちの少なくとも1つに特異的に結合することができ、
前記複数の、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合性試薬のうちの少なくとも20個が、異なるタンパク質結合性試薬を含
み、
前記複数の、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合性試薬におけるオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた前記タンパク質結合性試薬の1つ以上が、前記1つ以上の第2のタンパク質結合性試薬と同じである、前記組成物。
【請求項2】
前記標的配列のための結合部位が、前記タンパク質結合性試薬に特異的な前記オリゴヌクレオチドの3’領域に位置する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ユニーク識別子配列が、25~45ヌクレオチド長である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記複数の、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合性試薬のうちの少なくとも20個が、異なるタンパク質結合性試薬若しくは異なるユニーク識別子配列を含むか、又は両者を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記タンパク質結合性試薬に特異的な前記オリゴヌクレオチドが、
(1)リンカーを介して前記タンパク質結合性試薬にコンジュゲートしているか、
(2)前記タンパク質結合性試薬に可逆的にコンジュゲートしているか、又は
(3)UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される化学基を介して前記タンパク質結合性試薬にコンジュゲートしている、
請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記タンパク質結合性試薬に特異的な前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)配列、分子標識配列、細胞標識配列、増幅アダプター、シーケンシングアダプター、ランダムマルチマー配列、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記複数の、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合性試薬のうちの少なくとも10個の前記オリゴヌクレオチドの各々が、異なるバーコード配列を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記標的配列が、オリゴヌクレオチドプローブ、ポリ(dT)領域、若しくはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記タンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞内タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、受容体、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記ユニーク識別子配列が、前記標的配列のための結合部位と前記ユニバーサルプライマー配列の間に位置する、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記タンパク質結合性試薬が抗体であり、前記抗体が、抗ヒト抗体又は抗マウス抗体であってもよく、更に前記抗体が、CD21、HLA-DR、CD8、CD34、ADAM10、CD156c、ANO6、ATP1B2、ATP1B3、BSG、CD147、CD109、CD230、CD29、CD298、ATP1B3、CD44、CD45、CD47、CD51、CD59、CD63、CD97、CD98、SLC3A2、CLDND1、HLA-ABC、ICAM1、ITFG3、MPZL1、NA K ATPase alpha1、ATP1A1、NPTN、PMCA ATPase、ATP2B1、SLC1A5、SLC29A1、SLC2A1、及びSLC44A2からなる群より選択されるタンパク質標的に特異的に結合することができる抗体であってもよい、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記ユニーク識別子配列が、サンプルのゲノム配列に対して相同ではなく、
前記サンプルが、(i)単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、若しくはそれらの任意の組み合わせであるか、又は(ii)哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、若しくはそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記タンパク質結合性試薬に特異的な前記オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート骨格修飾を含む、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)に従い、2016年9月26日出願の米国仮特許出願第62/399,795号明細書;2017年2月27日出願の米国仮特許出願第62/464279号明細書;および2017年6月6日出願の米国仮特許出願第62/515,952号明細書に基づく優先権を主張する。これらの関連出願の各々の内容は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
配列表の参照
本出願は、電子フォーマットで配列表とともに出願される。配列表は、2017年9月24日に作成された、2,988バイトのサイズのSequence_Listing_BDCRI_025A.txtという名称のファイルとして提供される。配列表の電子フォーマットでの情報は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本開示は、概して、分子生物学、より具体的には、タンパク質発現および遺伝子発現の同時測定に関する。
【背景技術】
【0004】
現在の技術は、細胞の各々を、ピコリットルマイクロウェル中でバーコード付き試薬ビーズと共局在化(co-localized)させながら、細胞特異的オリゴヌクレオチドバーコードを、個々の細胞からのポリ(A)mRNA分子に結合することによって、超並列的に(たとえば、10,000個を超える細胞で)単一細胞の遺伝子発現の測定を可能にする。他の利用可能な技術は、同時に96~384個の単一細胞の遺伝子発現の測定を可能にする。インデックスソーティングは、まず、細胞を蛍光抗体で標識し、フローソーター(flow sorter)、たとえば、BD FACSseq機械によってソーティングすることによって行われうる。FACSseqは、1つのパラメータソーティングを可能にする手頃なフローソーターである。多数のタンパク質の発現を調べたい研究者の場合、より複雑な多色フローソーターを必要とするであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タンパク質発現を定量的に分析する方法およびシステム、ならびに細胞中のタンパク質発現および遺伝子発現の同時測定を可能にする方法およびシステムが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する。いくつかの実施形態では、一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも100の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは化学基を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはリンカーを含む。いくつかの実施形態では、化学基は、タンパク質結合試薬に可逆的に結合される。いくつかの実施形態では、化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子は、サンプルのゲノム配列に対して相同でない。いくつかの実施形態では、サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも1,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも10の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも100の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。複数の組成物は、オリゴヌクレオチドと結合されない第2のタンパク質結合試薬をさらに含みうる。タンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同じでありうる。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、10~400の異なるタンパク質標的を含む。
【0007】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、サンプル中の複数のタンパク質標的の定量分析の方法であって、複数のタンパク質標的を含むサンプルを提供する工程と;オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する工程と;複数のタンパク質標的との特異的結合のために、複数の組成物をサンプルと接触させる工程と;結合されていない組成物を除去する工程と;複数のオリゴヌクレオチドプローブを提供する工程であって、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する工程と;複数のオリゴヌクレオチドプローブを、複数の組成物のオリゴヌクレオチドと接触させる工程と;オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを伸長して、複数の標識核酸を生成する工程であって、標識核酸の各々が、一意識別子およびバーコード配列を含む工程と;各一意識別子のためのユニークバーコード配列の数を決定し、それによって、サンプル中の各タンパク質標的の量が決定される工程と、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも100の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは化学基を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはリンカーを含む。いくつかの実施形態では、化学基は、タンパク質結合試薬に可逆的に結合される。いくつかの実施形態では、化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、サンプルは単一細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、単一細胞の表面上で発現される。いくつかの実施形態では、結合されていない組成物を除去する工程は、単一細胞を洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、単一細胞を溶解する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、オリゴヌクレオチドをタンパク質結合試薬から切り離す工程を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、UV光切断、化学的処理(ジチオスレイトール)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、タンパク質結合試薬から切り離される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブの各々が、細胞標識、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリ(dT)を含む。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体担体上に固定される。いくつかの実施形態では、固体担体はビーズである。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数の標識核酸を増幅する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、増幅は、バーコード配列の少なくとも一部、および一意識別子の少なくとも一部のPCR増幅を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも100のユニークバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも1,000のユニークバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも10,000のユニークバーコード配列を含む。複数の組成物は、オリゴヌクレオチドと結合されない第2のタンパク質結合試薬をさらに含みうる。タンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同じでありうる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンをシーケンシングする工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、シーケンシングは、バーコード配列の少なくとも一部、および一意識別子の少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む。
【0008】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析の方法であって、複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子を含むサンプルを提供する工程と;オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する工程と;複数のタンパク質標的との特異的結合のために、複数の組成物をサンプルと接触させる工程と;結合されていない組成物を除去する工程と;複数のオリゴヌクレオチドプローブを提供する工程であって、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する工程と;複数のオリゴヌクレオチドプローブを、ハイブリダイゼーションのために、組成物のオリゴヌクレオチドおよび複数の核酸標的分子と接触させる工程と;オリゴヌクレオチドおよび核酸標的分子にハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを伸長して、複数の標識核酸を生成する工程であって、標識核酸の各々が、一意識別子または核酸標的分子、およびバーコード配列を含む工程と;各一意識別子および各核酸標的分子のためのユニークバーコード配列の数を決定し、それによって、サンプル中の各タンパク質標的および各核酸標的分子の量が決定される工程と、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも100の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは化学基を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはリンカーを含む。いくつかの実施形態では、化学基は、タンパク質結合試薬に可逆的に結合される。いくつかの実施形態では、化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、サンプルは単一細胞を含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、単一細胞の表面上で発現される。いくつかの実施形態では、結合されていない組成物を除去する工程は、単一細胞を洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、単一細胞を溶解する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、オリゴヌクレオチドをタンパク質結合試薬から切り離す工程を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、UV光切断、化学的処理(ジチオスレイトール)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、タンパク質結合試薬から切り離される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブの各々が、細胞標識、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリ(dT)を含む。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体担体上に固定される。いくつかの実施形態では、固体担体はビーズである。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数の標識核酸を増幅する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、増幅は、バーコード配列の少なくとも一部、一意識別子の少なくとも一部、および核酸標的分子の少なくとも一部のPCR増幅を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも100のユニークバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも1,000のユニークバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも10,000のユニークバーコード配列を含む。複数の組成物は、オリゴヌクレオチドと結合されない第2のタンパク質結合試薬をさらに含みうる。タンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同じでありうる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンをシーケンシングする工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、シーケンシングは、バーコード配列の少なくとも一部、一意識別子の少なくとも一部、および核酸標的分子の少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む。
【0009】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析のためのキットであって、オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物と、複数のオリゴヌクレオチドプローブと、を含み、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する、キットを提供する。本明細書に開示されるものには、サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析のためのキットであって、オリゴヌクレオチドと各々が結合された2つ以上のタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記2つ以上のタンパク質結合試薬のうちの1つのための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物と、複数のオリゴヌクレオチドプローブと、を含み、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する、キットが含まれる。本明細書に開示されるものには、サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析のためのキットであって、オリゴヌクレオチドと各々が結合された2つ以上のタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物と、複数のオリゴヌクレオチドプローブとを含み、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する、キットが含まれる。
【0010】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドプローブの各々が、細胞標識、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリ(dT)を含む。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体担体上に固定される。いくつかの実施形態では、固体担体はビーズである。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも100のユニークバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも1,000のユニークバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、ユニークバーコード配列の多様なセットは、少なくとも10,000のユニークバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも1,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも10,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも100,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む。いくつかの実施形態では、キットは、少なくとも1,000,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む。いくつかの実施形態では、一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも100の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む。複数の組成物は、オリゴヌクレオチドと結合されない第2のタンパク質結合試薬をさらに含みうる。タンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同じでありうる。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合される。いくつかの実施形態では、リンカーは化学基を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはリンカーを含む。いくつかの実施形態では、化学基は、タンパク質結合試薬に可逆的に結合される。いくつかの実施形態では、化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子は、サンプルのゲノム配列に対して相同でない。いくつかの実施形態では、サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも1,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも10の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも100の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、10~400の異なるタンパク質標的を含む。
【0011】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、サンプル中のバイオマーカーを同定する方法であって、複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子を含むサンプルを提供する工程と;オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する工程と;複数のタンパク質標的との特異的結合のために、複数の組成物をサンプルと接触させる工程と;結合されていない組成物を除去する工程と;複数のオリゴヌクレオチドプローブを提供する工程であって、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する工程と;複数のオリゴヌクレオチドプローブを、ハイブリダイゼーションのために、組成物のオリゴヌクレオチドおよび複数の核酸標的分子と接触させる工程と;オリゴヌクレオチドおよび核酸標的分子にハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを伸長して、複数の標識核酸を生成する工程であって、前記標識核酸の各々が、一意識別子または核酸標的分子、およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含む工程と;各一意識別子および各核酸標的分子のためのユニークバーコード配列の数を決定する工程と;タンパク質標的の量または核酸標的分子の量を用いて、バイオマーカーを同定する工程と、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つのタンパク質標的および少なくとも1つの核酸標的分子の量を決定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つのタンパク質標的およびその対応する核酸標的分子の量を比較する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、タンパク質標的の量が、その対応する核酸標的分子より多い場合、バイオマーカーを同定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、タンパク質標的の量が、その対応する核酸標的分子より少なくとも10倍多い場合、バイオマーカーを同定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、タンパク質標的の対応する核酸標的分子の量が10未満である場合、バイオマーカーを同定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、タンパク質標的の対応する核酸標的分子の量が0である場合、バイオマーカーを同定する工程を含む。
【0012】
本明細書に開示されるものには、コントロール粒子組成物が含まれる。いくつかの実施形態では、コントロール粒子組成物は、コントロール粒子に関連付けられた複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含み、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの各々は、コントロールバーコード配列およびポリ(dA)領域を含む。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つは、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)を含みうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含みうる。
【0013】
いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~45ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せである。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5、10、100、1000、またはそれ以上のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約10、100、1000、またはそれ以上のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも3、5、10、100、またはそれ以上は、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、第1のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、第2のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、を含み、第1のコントロールバーコード配列および第2のコントロールバーコード配列は、異なる配列を有する。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、ほぼ同じでありうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、異なりうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも2倍、10倍、100倍、またはそれ以上多くなりうる。
【0015】
いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、1つの種のゲノム配列に対して相同でない。コントロールバーコード配列は、1つの種のゲノム配列に対して相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0016】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを介してコントロール粒子に関連付けられる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0017】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子の直径は、約1~1000マイクロメートル、約10~100マイクロメートル、7.5マイクロメートル、またはそれらの組合せである。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に固定される。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に部分的に固定されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子に封入されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子に部分的に封入されうる。コントロール粒子は、崩壊性でありうる。コントロール粒子は、ビーズでありうる。ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。コントロール粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。コントロール粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0019】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、検出可能な部分に関連付けられる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0020】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、複数の第1のタンパク質結合試薬に関連付けられ、複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられる。第1のタンパク質結合試薬は、第1の抗体を含みうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して第1のタンパク質結合試薬に結合されうる。第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、同一のコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられる。第1のタンパク質結合試薬は、異なるコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられうる。いくつかの実施形態では、複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのいずれかに関連付けられない。コントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられる第1のタンパク質結合試薬およびいずれのコントロール粒子オリゴヌクレオチドにも関連付けられない第1のタンパク質結合試薬は、同一のタンパク質結合試薬でありうる。
【0022】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、複数の第2のタンパク質結合試薬に関連付けられる。複数の第2のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられうる。第1のタンパク質結合試薬に関連付けられたコントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび第2のタンパク質結合試薬に関連付けられたコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。第1のタンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同一のタンパク質結合試薬でありうる。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬と関連付けられ、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬を用いてコントロール粒子に関連付けられる。パートナー結合試薬は、パートナー抗体を含みうる。パートナー抗体は、抗ネコ抗体、抗ニワトリ抗体、抗ウシ抗体、抗イヌ抗体、抗ロバ抗体、抗ヤギ抗体、抗モルモット抗体、抗ハムスター抗体、抗ウマ抗体、抗ヒト抗体、抗ラマ抗体、抗サル抗体、抗マウス抗体、抗ブタ抗体、抗ウサギ抗体、抗ラット抗体、抗ヒツジ抗体、またはそれらの組合せを含みうる。パートナー抗体は、免疫グロブリンG(IgG)、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、それらの組合せ、またはそれらのフラグメントを含みうる。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。第2のタンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0025】
標的の数を決定するための方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード(たとえば確率バーコード)を用いて、複数の細胞のうちの1つの細胞の複数の標的および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて(たとえば、確率バーコードを付けて)、複数のバーコード付き標的(たとえば確率バーコード付き標的)および複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチド(たとえば、確率バーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチド)を生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、複数の確率バーコードの各々は、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および標的結合領域のうちの1つ以上を含む。複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる配列を含みうる。複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含みうる。いくつかの実施形態では、コントロール粒子組成物は、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられたコントロール粒子を含み、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの各々は、コントロールバーコード配列、および複数のバーコードの少なくとも1つの標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む。本方法は、複数のバーコード付き標的および複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;シーケンシングデータ中のコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と、を含みうる。本方法は、複数の標的の少なくとも1つの標的について:シーケンシングデータ中の標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と;標的の数を推定する工程であって、推定された標的の数が、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数およびコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数と相関する工程と、を含みうる。
【0026】
いくつかの実施形態では、擬似標的領域は、ポリ(dA)領域を含む。擬似標的領域は、標的の部分配列を含みうる。いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~45ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの任意の組合せでありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5、10、100、1000、またはそれ以上のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも3、5、10、100、またはそれ以上は、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、第1のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、第2のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、を含む。第1のコントロールバーコード配列および第2のコントロールバーコード配列は、異なる配列を有しうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、ほぼ同じでありうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、異なりうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも2倍、10倍、100倍、またはそれ以上多くなりうる。
【0028】
いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中のコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程は、シーケンシングデータ中の第1のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と;シーケンシングデータ中の前記第2のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と、を含む。推定された標的の数は、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、第1のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列列を有するバーコード配列の数、および第2のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数と相関しうる。推定された標的の数は、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、およびコントロールバーコード配列を含む複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と相関しうる。推定された標的の数は、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、ならびにコントロールバーコード配列を含む複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数およびコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数の比率と相関しうる。
【0029】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、上記の細胞のゲノム配列に対して相同でない。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、上記の種のゲノム配列に対して相同でないことがある。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、1つの種のゲノム配列に対して相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0030】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してコントロール粒子に結合されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを介してコントロール粒子に関連付けられうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを含みうる。化学基は、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0031】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子の直径は、約1~1000マイクロメートル、約10~100マイクロメートル、約7.5マイクロメートル、またはそれらの組合せである。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に固定される。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に部分的に固定されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子に封入されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子に部分的に封入されうる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の標的およびコントロール粒子および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、前記コントロール粒子から複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを放出する工程を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は崩壊性である。コントロール粒子は、コントロール粒子ビーズでありうる。コントロール粒子ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。コントロール粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。コントロール粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、検出可能な部分に関連付けられる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0035】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、複数の第1のタンパク質結合試薬に関連付けられ、複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられうる。第1のタンパク質結合試薬は、第1の抗体を含みうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して第1のタンパク質結合試薬に結合されうる。第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、同一のコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられうる。第1のタンパク質結合試薬は、異なるコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられうる。複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのいずれにも関連付けることができない。コントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた第1のタンパク質結合試薬およびいずれのコントロール粒子オリゴヌクレオチドにも関連付けられない第1のタンパク質結合試薬は、同一のタンパク質結合試薬でありうる。コントロール粒子は、複数の第2のタンパク質結合試薬に関連付けられうる。複数の第2のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられうる。第1のタンパク質結合試薬に関連付けられたコントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび第2のタンパク質結合試薬に関連付けられたコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。第1のタンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同一のタンパク質結合試薬でありうる。
【0037】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬に関連付けられ、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬を用いてコントロール粒子に関連付けられる。パートナー結合試薬は、パートナー抗体を含みうる。パートナー抗体は、抗ネコ抗体、抗ニワトリ抗体、抗ウシ抗体、抗イヌ抗体、抗ロバ抗体、抗ヤギ抗体、抗モルモット抗体、抗ハムスター抗体、抗ウマ抗体、抗ヒト抗体、抗ラマ抗体、抗サル抗体、抗マウス抗体、抗ブタ抗体、抗ウサギ抗体、抗ラット抗体、抗ヒツジ抗体、またはそれらの組合せを含みうる。パートナー抗体は、免疫グロブリンG(IgG)、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、それらの組合せ、またはそれらのフラグメントを含みうる。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。第2のタンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0039】
いくつかの実施形態では、バーコードは、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。
【0040】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、バーコーディング粒子に関連付けられる。たとえば、複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に部分的に封入されうる。
【0041】
いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は崩壊性である。バーコーディング粒子は、バーコーディングビーズでありうる。バーコーディングビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。バーコーディング粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。バーコーディング粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0042】
いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は、少なくとも10000のバーコードを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、複数の標的および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、複数の標的の標的および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのコントロール粒子オリゴヌクレオチドと接触させて、標的およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;標的およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き標的および複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、バーコードを伸長する工程を含みうる。
【0044】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付き標的および複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む。複数のバーコード付き標的および複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部またはバーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部、またはバーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。
【0045】
キットが本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、キットは、コントロール粒子に関連付けられた複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含むコントロール粒子組成物を含み、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの各々は、コントロールバーコード配列およびポリ(dA)領域を含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つは、異なるコントロールバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~45ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの任意の組合せでありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5、10、100、1000、またはそれ以上のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも3、5、10、100、またはそれ以上は、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。
【0047】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、第1のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、第2のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、を含む。第1のコントロールバーコード配列および第2のコントロールバーコード配列は、異なる配列を有しうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、ほぼ同じでありうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、異なりうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも2倍、10倍、100倍、またはそれ以上多くなりうる。
【0048】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、上記の細胞のゲノム配列に対して相同でない。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、上記の種のゲノム配列に対して相同でないことがある。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、1つの種のゲノム配列に対して相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0049】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してコントロール粒子に結合されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを介してコントロール粒子に関連付けられうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを含みうる。化学基は、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0050】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子の直径は、約1~1000マイクロメートル、約10~100マイクロメートル、約7.5マイクロメートル、またはそれらの組合せである。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に固定される。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に部分的に固定されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子に封入されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子に部分的に封入されうる。
【0051】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は崩壊性である。コントロール粒子は、コントロール粒子ビーズでありうる。コントロール粒子ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。コントロール粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。コントロール粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0052】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、検出可能な部分に関連付けられる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0053】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、複数の第1のタンパク質結合試薬に関連付けられ、複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられうる。第1のタンパク質結合試薬は、第1の抗体を含みうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して第1のタンパク質結合試薬に結合されうる。第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、同一のコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられうる。第1のタンパク質結合試薬は、異なるコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられうる。複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのいずれにも関連付けることができない。コントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた第1のタンパク質結合試薬およびいずれのコントロール粒子オリゴヌクレオチドにも関連付けられない第1のタンパク質結合試薬は、同一のタンパク質結合試薬でありうる。コントロール粒子は、複数の第2のタンパク質結合試薬に関連付けられうる。複数の第2のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられうる。第1のタンパク質結合試薬に関連付けられたコントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび第2のタンパク質結合試薬に関連付けられたコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。第1のタンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同一のタンパク質結合試薬でありうる。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬に関連付けられ、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬を用いてコントロール粒子に関連付けられる。パートナー結合試薬は、パートナー抗体を含みうる。パートナー抗体は、抗ネコ抗体、抗ニワトリ抗体、抗ウシ抗体、抗イヌ抗体、抗ロバ抗体、抗ヤギ抗体、抗モルモット抗体、抗ハムスター抗体、抗ウマ抗体、抗ヒト抗体、抗ラマ抗体、抗サル抗体、抗マウス抗体、抗ブタ抗体、抗ウサギ抗体、抗ラット抗体、抗ヒツジ抗体、またはそれらの組合せを含みうる。パートナー抗体は、免疫グロブリンG(IgG)、F(ab’)フラグメント、F(ab’)2フラグメント、それらの組合せ、またはそれらのフラグメントを含みうる。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。第2のタンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0057】
いくつかの実施形態では、キットは、複数のバーコードを含む。複数のバーコードのバーコードは、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含むことができ、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる分子標識配列を含みうる。バーコードは、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含みうる。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、バーコーディング粒子に関連付けられうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に部分的に固定される。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に部分的に封入されうる。バーコーディング粒子は、崩壊性でありうる。バーコーディング粒子は、第2のビーズでありうる。ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。バーコーディング粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含みうる。バーコーディング粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0059】
いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む。バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含みうる。バーコーディング粒子は、少なくとも10000のバーコードを含みうる。キットは、DNAポリメラーゼを含みうる。キットは、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)のための試薬を含みうる。
【0060】
シーケンシングコントロールに使用されうる方法および組成物が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞の1つ以上の細胞を、複数のコントロール組成物のうちの1つのコントロール組成物と接触させる工程であって、複数の細胞のうちの1つの細胞が、複数の標的および複数のタンパク質標的を含み、複数のコントロール組成物の各々が、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、コントロールオリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列、および複数のバーコードの少なくとも1つの標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;複数のバーコードを用いて、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;シーケンシングデータ中の複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの特性を用いて、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、擬似標的領域は、ポリ(dA)領域を含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~45ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せである。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2、10、100、1000、またはそれ以上のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2、10、100、1000、またはそれ以上は、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。
【0062】
いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程は、シーケンシングデータ中の複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を決定する工程と;複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程と、を含む。本方法は、決定された1つ以上の細胞の数に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含みうる。本方法は、決定された1つ以上の細胞の数および複数の細胞の数の比率に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含みうる。
【0063】
いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中の複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドの特性を用いて、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程は、シーケンシングデータ中の各細胞標識について、細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程と;細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程と、を含む。細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程は、シーケンシングデータ中の各細胞標識について、細胞標識に関連付けられた最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程を含みうる。細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程は、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数に関連付けられたシーケンシングデータ中の細胞標識の数を用いて、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数のプロットを作成する工程と;1つ以上の細胞の数としてプロットにおけるカットオフを決定する工程と、を含みうる。
【0064】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドは、複数の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない。コントロールオリゴヌクレオチドは、1つの種のゲノム配列に対して相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0065】
いくつかの実施形態では、本方法は、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、タンパク質結合試薬からコントロールオリゴヌクレオチドを放出する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のコントロール組成物の結合されていないコントロール組成物を除去する工程を含む。結合されていないコントロール組成物を除去する工程は、複数の細胞の1つ以上の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含みうる。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを用いて、コントロール組成物の少なくとも1つのタンパク質結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含みうる。
【0066】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的の少なくとも1つは、細胞表面上にある。複数のタンパク質標的の少なくとも1つは、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含みうる。タンパク質結合試薬は、抗体を含みうる。コントロールオリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合されうる。コントロールオリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0067】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる。タンパク質結合試薬は、異なる同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられうる。いくつかの実施形態では、複数のコントロール組成物の第2のタンパク質結合試薬は、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられない。タンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同一でありうる。
【0068】
いくつかの実施形態では、バーコードは、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、バーコーディング粒子に関連付けられる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に封入される。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に部分的に封入される。バーコーディング粒子は、崩壊性でありうる。バーコーディング粒子は、バーコーディングビーズでありうる。バーコーディングビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。バーコーディング粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。バーコーディング粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0069】
いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は、光学的部分に関連付けられる。コントロールオリゴヌクレオチドは、光学的部分に関連付けられうる。
【0070】
いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は、少なくとも10000のバーコードを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを用いて、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、複数のコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、複数のコントロール組成物のコントロールオリゴヌクレオチドと接触させて、コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、バーコードを伸長する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む。複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。
【0072】
本明細書に開示されるものには、シーケンシングコントロールのための方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞の1つ以上の細胞を、複数のコントロール組成物のうちの1つのコントロール組成物と接触させる工程であって、複数の細胞のうちの1つの細胞が、複数の標的および複数の結合標的を含み、複数のコントロール組成物の各々が、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬が、複数の結合標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、コントロールオリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列、および複数のバーコードの少なくとも1つの標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;複数のバーコードを用いて、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;シーケンシングデータ中の複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの特性を用いて、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、擬似標的領域は、ポリ(dA)領域を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~45ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せである。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2、10、100、1000、またはそれ以上のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2、10、100、1000、またはそれ以上は、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。
【0074】
いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程は、シーケンシングデータ中の複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を決定する工程と;複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、決定された1つ以上の細胞の数に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、決定された1つ以上の細胞の数および複数の細胞の数の比率に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程は、シーケンシングデータ中の各細胞標識について、細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程と;細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程と、を含みうる。細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程は、シーケンシングデータ中の各細胞標識について、細胞標識に関連付けられた最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程を含む。細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程は、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数に関連付けられたシーケンシングデータ中の細胞標識の数を用いて、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数のプロットを作成する工程と;1つ以上の細胞の数としてプロットにおけるカットオフを決定する工程と、を含みうる。
【0076】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドは、複数の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない。コントロールオリゴヌクレオチドは、1つの種のゲノム配列に対して相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0077】
いくつかの実施形態では、本方法は、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、細胞成分結合試薬からコントロールオリゴヌクレオチドを放出する工程を含む。複数の結合標的の少なくとも1つは、細胞表面上で発現されうる。複数の結合標的の少なくとも1つは、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含みうる。細胞成分結合試薬は、細胞表面結合試薬、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、浸潤(invasion)、またはそれらの組合せを含みうる。
【0078】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬の結合標的は、10~100の異なる結合標的を含む群から選択される。細胞成分結合試薬の結合標的は、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含みうる。コントロールオリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬に結合されうる。コントロールオリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、第1の細胞成分結合試薬に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0079】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられうる。細胞成分結合試薬は、異なる同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられうる。いくつかの実施形態では、複数のコントロール組成物の第2の細胞成分結合試薬は、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられない。細胞成分結合試薬および第2の細胞成分結合試薬は、同一でありうる。
【0080】
いくつかの実施形態では、バーコードは、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、バーコーディング粒子に関連付けられる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に部分的に封入されうる。バーコーディング粒子は、崩壊性でありうる。バーコーディング粒子は、バーコーディングビーズでありうる。いくつかの実施形態では、バーコーディングビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む。バーコーディング粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。バーコーディング粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。バーコーディング粒子は、光学的部分に関連付けられうる。
【0082】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドは、光学的部分に関連付けられうる。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含む。バーコーディング粒子は、少なくとも10000のバーコードを含みうる。
【0083】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを用いて、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。複数のバーコードを用いて、複数のコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、複数のコントロール組成物のコントロールオリゴヌクレオチドと接触させて、コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含みうる。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、バーコードを伸長する工程を含みうる。ある実施形態において、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む。複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。
【0084】
シーケンシングコントロールのための方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞の1つ以上の細胞を、複数のコントロール組成物のうちの1つのコントロール組成物と接触させる工程であって、複数の細胞のうちの1つの細胞が、複数の標的および複数のタンパク質標的を含み、複数のコントロール組成物の各々が、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、コントロールオリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列、および複数のバーコードの少なくとも1つの標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;複数のコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの特性を用いて、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程と、を含む。擬似標的領域は、ポリ(dA)領域を含みうる。
【0085】
いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~45ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せである。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2、10、100、1000、またはそれ以上のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2、10、100、1000、またはそれ以上は、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。
【0086】
いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程は、シーケンシングデータ中の複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を決定する工程と;複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程と、を含む。本方法は、決定された1つ以上の細胞の数に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含みうる。本方法は、決定された1つ以上の細胞の数および複数の細胞の数の比率に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含みうる。
【0087】
いくつかの実施形態では、シーケンシングデータ中の複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドの特性を用いて、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程は、シーケンシングデータ中の各細胞標識について、細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程と;細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程と、を含む。細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程は、シーケンシングデータ中の各細胞標識について、細胞標識に関連付けられた最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を決定する工程を含みうる。細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列およびコントロールバーコード配列の数を用いて、1つ以上の細胞の数を決定する工程は、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数に関連付けられたシーケンシングデータ中の細胞標識の数を用いて、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数のプロットを作成する工程と;1つ以上の細胞の数としてプロットにおけるカットオフを決定する工程と、を含みうる。
【0088】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドは、複数の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない。コントロールオリゴヌクレオチドは、1つの種のゲノム配列に対して相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本方法は、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、タンパク質結合試薬からコントロールオリゴヌクレオチドを放出する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のコントロール組成物の結合されていないコントロール組成物を除去する工程を含む。結合されていないコントロール組成物を除去する工程は、複数の細胞の1つ以上の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含みうる。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを用いて、コントロール組成物の少なくとも1つのタンパク質結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含みうる。
【0090】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的の少なくとも1つは、細胞表面上にある。複数のタンパク質標的の少なくとも1つは、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含みうる。タンパク質結合試薬は、抗体を含みうる。コントロールオリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合されうる。コントロールオリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0091】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる。タンパク質結合試薬は、異なる同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられうる。いくつかの実施形態では、複数のコントロール組成物の第2のタンパク質結合試薬は、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられない。タンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同一でありうる。
【0092】
いくつかの実施形態では、バーコードは、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、バーコーディング粒子に関連付けられる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に封入される。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、バーコーディング粒子に部分的に封入される。バーコーディング粒子は、崩壊性でありうる。バーコーディング粒子は、バーコーディングビーズでありうる。バーコーディングビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。バーコーディング粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。バーコーディング粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0093】
いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は、光学的部分に関連付けられる。コントロールオリゴヌクレオチドは、光学的部分に関連付けられうる。
【0094】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコードを用いて、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含む。いくつかの実施形態では、バーコーディング粒子は、少なくとも10000のバーコードを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを用いて、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、複数のコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、複数のコントロール組成物のコントロールオリゴヌクレオチドと接触させて、コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、バーコードを伸長する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む。複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。
【0097】
本明細書に開示されるものには、細胞同定のための方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の抗原標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた抗原結合試薬を含み、抗原結合試薬が、1つ以上の抗原標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に関連付けられた細胞標識配列を同定する工程と;得られたシーケンシングデータから、細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除去する工程および/またはその後の分析から、細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除外する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、バーコード配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの組合せを含む。
【0098】
本明細書に開示されるものには、多重同定のための方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の抗原標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた抗原結合試薬を含み、抗原結合試薬が、1つ以上の抗原標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の多細胞標識配列を同定する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、得られたシーケンシングデータから、1つ以上の多細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除去する工程および/またはその後の分析から、1つ以上の多細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除外する工程を含む。いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの組合せを含む。
【0099】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程は、第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物の第1の細胞同定組成物と接触させる工程と;第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物の第2の細胞同定組成物と接触させる工程と、を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、細胞同定配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~60ヌクレオチド長(たとえば45ヌクレオチド長)、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せである。細胞同定オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。いくつかの実施形態では、複数の細胞同定組成物の少なくとも10、100、1000、またはそれ以上の細胞同定組成物の細胞同定配列は、異なる配列を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、抗原結合試薬は、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、またはそれらの組合せを含む。細胞同定オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して抗原結合試薬に結合されうる。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、抗原結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0102】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の少なくとも1つは、単一細胞を含む。1つ以上の抗原標的の少なくとも1つは、細胞表面上にありうる。
【0103】
いくつかの実施形態では、本方法は、2つの細胞同定組成物の結合されていない細胞同定組成物を除去する工程を含む。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含みうる。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを用いて、2つの細胞同定組成物の少なくとも1つの抗原結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞のうちの1つ以上の細胞を溶解する工程を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、抗原結合試薬から切り離し可能または切り離し不可能であるように構成される。本方法は、抗原結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程は、UV光切断、化学的処理(たとえば、ジチオスレイトールなどの還元試薬を用いて)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、抗原結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。
【0105】
いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、1つ以上の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない。コントロールバーコード配列は、1つの種のゲノム配列に対して相同でないことがある。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞は、腫瘍細胞、哺乳動物細胞、細菌細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含む。細胞同定オリゴヌクレオチドは、複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含みうる。バーコードは、捕捉配列を含む標的結合領域を含みうる。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。バーコードの捕捉配列に相補的な細胞同定オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含みうる。
【0107】
いくつかの実施形態では、抗原標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。抗原標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含みうる。抗原標的は、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組合せを含みうる。抗原標的は、10~100の異なる抗原標的を含む群から選択されうる。
【0108】
いくつかの実施形態では、抗原結合試薬は、同一の配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられる。抗原結合試薬は、異なる細胞同定配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられうる。複数の細胞同定組成物の細胞同定組成物は、細胞同定オリゴヌクレオチドと結合されない第2の抗原結合試薬を含みうる。抗原結合試薬および第2の抗原結合試薬は、同一でありうる。
【0109】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードのバーコードは、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる分子標識配列を含む。バーコードは、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含みうる。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。
【0110】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、粒子に関連付けられうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に部分的に封入されうる。粒子は、崩壊性でありうる。粒子はビーズでありうる。ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。粒子は、ポリジメチルシロキサン/(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含みうる。粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0111】
いくつかの実施形態では、抗原結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられる。いくつかの実施形態では、粒子は、検出可能な部分に関連付けられる。細胞同定オリゴヌクレオチドは、光学的部分に関連付けられる。いくつかの実施形態では、粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含みうる。バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含みうる。粒子は、少なくとも10000のバーコードを含みうる。
【0112】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、細胞同定オリゴヌクレオチドと接触させて、細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼを用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、逆転写酵素を用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。
【0113】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む。複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を同定する工程は、少なくとも1つのバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドの細胞同定配列に基づいて、複数のバーコード付き標的のサンプル起源を同定する工程を含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドに確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;バーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する工程と、を含む。複数のバーコードを用いて、複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、標的のコピーを、バーコードの標的結合領域と接触させる工程と;複数のバーコードを用いて、複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成する工程と、を含みうる。
【0116】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する前に、バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程を含む。バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)によってバーコード付き標的を増幅する工程を含みうる。複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、細胞の複数の標的に確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き標的を生成する工程を含みうる。
【0117】
本明細書に開示されるものには、細胞同定のための方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の細胞成分標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬が、1つ以上の細胞成分標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、複数の細胞同定組成物の2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列を同定する工程と;得られたシーケンシングデータから、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除去する工程および/またはその後の分析から、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除外する工程と、含む。いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの組合せを含む。
【0118】
本明細書に開示されるものには、多重同定のための方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の細胞成分標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた細胞成分結合試薬を含み、細胞成分結合試薬が、1つ以上の細胞成分標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、複数の細胞同定組成物の2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の多細胞標識配列を同定する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、得られたシーケンシングデータから、1つ以上の多細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除去する工程および/またはその後の分析から、1つ以上の多細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除外する工程を含む。いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの組合せを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程は、第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物の第1の細胞同定組成物と接触させる工程と;第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物の第2の細胞同定組成物と接触させる工程と、を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、細胞同定配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~60ヌクレオチド長(たとえば45ヌクレオチド長)、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せである。細胞同定オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。いくつかの実施形態では、複数の細胞同定組成物の少なくとも10、100、1000、またはそれ以上の細胞同定組成物の細胞同定配列は、異なる配列を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、またはそれらの組合せを含む。細胞同定オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬に結合されうる。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、細胞成分結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0122】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の少なくとも1つは、単一細胞を含む。1つ以上の細胞成分標的の少なくとも1つは、細胞表面上にありうる。
【0123】
いくつかの実施形態では、本方法は、2つの細胞同定組成物の結合されていない細胞同定組成物を除去する工程を含む。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含みうる。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを用いて、2つの細胞同定組成物の少なくとも1つの細胞成分結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞のうちの1つ以上の細胞を溶解する工程を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から切り離し可能または切り離し不可能であるように構成される。本方法は、細胞成分結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程は、UV光切断、化学的処理(たとえば、ジチオスレイトールなどの還元試薬を用いて)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、細胞成分結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。
【0125】
いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、1つ以上の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない。コントロールバーコード配列は、1つの種のゲノム配列に対して相同でないことがある。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである。
【0126】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞は、腫瘍細胞、哺乳動物細胞、細菌細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含む。細胞同定オリゴヌクレオチドは、複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含みうる。バーコードは、捕捉配列を含む標的結合領域を含みうる。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。バーコードの捕捉配列に相補的な細胞同定オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含みうる。
【0127】
いくつかの実施形態では、抗原標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。抗原標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含みうる。抗原標的は、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組合せを含みうる。抗原標的は、10~100の異なる抗原標的を含む群から選択されうる。
【0128】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、同一の配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられる。細胞成分結合試薬は、異なる細胞同定配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられうる。複数の細胞同定組成物の細胞同定組成物は、細胞同定オリゴヌクレオチドと結合されない第2の細胞成分結合試薬を含みうる。細胞成分結合試薬および第2の細胞成分結合試薬は、同一でありうる。
【0129】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードのバーコードは、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる分子標識配列を含む。バーコードは、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含みうる。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。
【0130】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、粒子に関連付けられうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に部分的に封入されうる。粒子は、崩壊性でありうる。粒子はビーズでありうる。ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含みうる。粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0131】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられる。いくつかの実施形態では、粒子は、検出可能な部分に関連付けられる。細胞同定オリゴヌクレオチドが、光学的部分に関連付けられる。
【0132】
いくつかの実施形態では、粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含みうる。バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含みうる。粒子は、少なくとも10000のバーコードを含みうる。
【0133】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、細胞同定オリゴヌクレオチドと接触させて、細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼを用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、逆転写酵素を用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。
【0134】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む。複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を同定する工程は、少なくとも1つのバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドの細胞同定配列に基づいて、複数のバーコード付き標的のサンプル起源を同定する工程を含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドに確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;バーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する工程と、を含む。複数のバーコードを用いて、複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、標的のコピーを、バーコードの標的結合領域と接触させる工程と;複数のバーコードを用いて、複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成する工程と、を含みうる。
【0137】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する前に、バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程を含む。バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)によってバーコード付き標的を増幅する工程を含みうる。複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、細胞の複数の標的に確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き標的を生成する工程を含みうる。
【0138】
本明細書に開示されるものには、細胞同定のための方法が含まれる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の各々からの1つ以上の細胞を、複数の2つの細胞同定組成物のそれぞれの細胞同定組成物と接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の抗原標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた抗原結合試薬を含み、抗原結合試薬が、1つ以上の抗原標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞を同定する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、バーコード配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの組合せを含む。
【0139】
多重同定のための方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の各々からの1つ以上の細胞を、複数の2つの細胞同定組成物のそれぞれの細胞同定組成物と接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々および第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の抗原標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた抗原結合試薬を含み、抗原結合試薬が、1つ以上の抗原標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;多細胞として2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞を同定する工程と、を含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた細胞を同定する工程は、複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、および/または標的結合領域を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列を同定する工程と、を含む。本方法は、得られたシーケンシングデータから、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除去する工程および/またはその後の分析から、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除外する工程を含みうる。
【0141】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程は、第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物の第1の細胞同定組成物と接触させる工程と;第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物の第2の細胞同定組成物と接触させる工程と、を含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、細胞同定配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~60ヌクレオチド長(たとえば45ヌクレオチド長)、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せである。細胞同定オリゴヌクレオチドは、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約500ヌクレオチド長、またはそれらの組合せでありうる。いくつかの実施形態では、複数の細胞同定組成物の少なくとも10、100、1000、またはそれ以上の細胞同定組成物の細胞同定配列は、異なる配列を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、抗原結合試薬は、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、またはそれらの組合せを含む。細胞同定オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して抗原結合試薬に結合されうる。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、抗原結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0144】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の少なくとも1つは、単一細胞を含む。1つ以上の抗原標的の少なくとも1つは、細胞表面上にありうる。いくつかの実施形態では、本方法は、2つの細胞同定組成物の結合されていない細胞同定組成物を除去する工程を含む。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含みうる。結合されていない細胞同定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを用いて、2つの細胞同定組成物の少なくとも1つの抗原結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞のうちの1つ以上の細胞を溶解する工程を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、抗原結合試薬から切り離し可能または切り離し不可能であるように構成される。本方法は、抗原結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程は、UV光切断、化学的処理(たとえば、ジチオスレイトールなどの還元試薬を用いて)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、抗原結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。
【0146】
いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、1つ以上の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない。コントロールバーコード配列は、1つの種のゲノム配列に対して相同でないことがある。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである。
【0147】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞は、腫瘍細胞、哺乳動物細胞、細菌細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含む。細胞同定オリゴヌクレオチドは、複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含みうる。バーコードは、捕捉配列を含む標的結合領域を含みうる。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。バーコードの捕捉配列に相補的な細胞同定オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含みうる。
【0148】
いくつかの実施形態では、抗原標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。抗原標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含みうる。抗原標的は、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組合せを含みうる。抗原標的は、10~100の異なる抗原標的を含む群から選択されうる。
【0149】
いくつかの実施形態では、抗原結合試薬は、同一の配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられる。抗原結合試薬は、異なる細胞同定配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられうる。複数の細胞同定組成物の細胞同定組成物は、細胞同定オリゴヌクレオチドと結合されない第2の抗原結合試薬を含みうる。抗原結合試薬および第2の抗原結合試薬は、同一でありうる。
【0150】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードのバーコードは、標的結合領域およびバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列は、異なる分子標識配列を含む。バーコードは、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含みうる。標的結合領域は、ポリ(dT)領域を含みうる。
【0151】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、粒子に関連付けられうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に部分的に封入されうる。粒子は、崩壊性でありうる。粒子はビーズでありうる。ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含みうる。粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。
【0152】
いくつかの実施形態では、抗原結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられる。いくつかの実施形態では、粒子は、検出可能な部分に関連付けられる。細胞同定オリゴヌクレオチドが、光学的部分に関連付けられる。
【0153】
いくつかの実施形態では、粒子のバーコードは、少なくとも1000、10000、またはそれ以上の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含みうる。バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含みうる。粒子は、少なくとも10000のバーコードを含みうる。
【0154】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、細胞同定オリゴヌクレオチドと接触させて、細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼを用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、逆転写酵素を用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。
【0155】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む。複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を同定する工程は、少なくとも1つのバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドの細胞同定配列に基づいて、複数のバーコード付き標的のサンプル起源を同定する工程を含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、細胞同定オリゴヌクレオチドに確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列を含み、複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;バーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する工程と、を含む。複数のバーコードを用いて、複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、標的のコピーを、バーコードの標的結合領域と接触させる工程と;複数のバーコードを用いて、複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成する工程と、を含みうる。
【0158】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する前に、バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程を含む。バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)によってバーコード付き標的を増幅する工程を含みうる。複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、細胞の複数の標的に確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き標的を生成する工程を含みうる。
【0159】
タンパク質間相互作用を決定するための方法が本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を、相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程であって、細胞が、第1のタンパク質標的および第2のタンパク質標的を含み、相互作用決定組成物の第1の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第1の対の一方のタンパク質結合試薬が、第1のタンパク質標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定組成物の第1の対の他方のタンパク質結合試薬が、第2のタンパク質標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定オリゴヌクレオチドが、相互作用決定配列および架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域を含み、相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列が、異なる配列を含む工程と;架橋オリゴヌクレオチドを用いて、相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートして、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、架橋オリゴヌクレオチドが、相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域に特異的に結合することが可能な2つのハイブリダイゼーション領域を含む工程と;複数のバーコードを用いて、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きの相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、バーコード配列および捕捉配列を含む工程と;複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータ中の相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列の関連付けに基づいて、第1および第2のタンパク質標的の間の相互作用を決定する工程と、を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を、相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程であって、細胞が、第1の細胞成分標的および第2の細胞成分標的を含み、相互作用決定組成物の第1の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられた細胞成分結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第1の対の一方の細胞成分結合試薬が、第1の細胞成分標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定組成物の第1の対の他方の細胞成分結合試薬が、第2の細胞成分標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定オリゴヌクレオチドが、相互作用決定配列および架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域を含み、相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列が、異なる配列を含む工程と;架橋オリゴヌクレオチドを用いて、相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートして、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、架橋オリゴヌクレオチドが、相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域に特異的に結合することが可能な2つのハイブリダイゼーション領域を含む工程と;複数のバーコードを用いて、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きの相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、バーコード配列および捕捉配列を含む工程と;複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータ中の相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列の関連付けに基づいて、第1および第2の細胞成分標的の間の相互作用を決定する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、2つの細胞成分結合試薬の少なくとも1つは、タンパク質結合試薬を含み、タンパク質結合試薬は、2つの相互作用決定オリゴヌクレオチドのうちの1つに関連付けられ、1つ以上の細胞成分標的は、少なくとも1つのタンパク質標的を含む。
【0161】
いくつかの実施形態では、細胞を、相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程は、細胞を、相互作用決定組成物の第1の対の各々と、連続的にまたは同時に接触させる工程を含む。第1のタンパク質標的は、第2のタンパク質標的と同じでありうる。第1のタンパク質標的は、第2のタンパク質標的と異なりうる。
【0162】
いくつかの実施形態では、相互作用決定配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~60ヌクレオチド長、約45ヌクレオチド長、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長未満、約200~500ヌクレオチド長、約500ヌクレオチド長、またはそれらの任意の組合せである。
【0163】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を、相互作用決定組成物の第2の対と接触させる工程であって、細胞が、第3のタンパク質標的および第4のタンパク質標的を含み、相互作用決定組成物の第2の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第2の対の一方のタンパク質結合試薬が、第3のタンパク質標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定組成物の第2の対の他方のタンパク質結合試薬が、第4のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である工程を含む。第3および第4のタンパク質標的の少なくとも1つは、第1および第2のタンパク質標的のうちの1つと異なりうる。第3および第4のタンパク質標的の少なくとも1つならびに第1および第2のタンパク質標的の少なくとも1つは、同一でありうる。
【0164】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を、相互作用決定組成物の3つ以上の対と接触させる工程を含む。相互作用決定組成物の複数の対の少なくとも10、100、1000、またはそれらの任意の組合せの相互作用決定組成物の相互作用決定配列は、異なる配列を含みうる。
【0165】
いくつかの実施形態では、相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域は、異なる配列を含む。架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域の少なくとも1つは、架橋オリゴヌクレオチドの2つのハイブリダイゼーション領域の少なくとも1つに相補的でありうる。
【0166】
いくつかの実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドを用いて、相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートする工程は、架橋オリゴヌクレオチドの第1のハイブリダイゼーション領域を、相互作用決定オリゴヌクレオチドの架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域の第1の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域とハイブリダイズさせる工程と;架橋オリゴヌクレオチドの第2のハイブリダイゼーション領域を、相互作用決定オリゴヌクレオチドの架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域の第2の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域とハイブリダイズさせる工程と;架橋オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートして、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、インテグリン、またはそれらの組合せを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合される。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、タンパク質結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合またはそれらの任意の組合せを含みうる。1つ以上のタンパク質標的の少なくとも1つは、細胞表面上にありうる。
【0169】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を、相互作用決定組成物の第1の対と接触させる前に、細胞を固定する工程を含む。本方法は、相互作用決定組成物の第1の対の結合されていない相互作用決定組成物を除去する工程を含みうる。結合されていない相互作用決定組成物を除去する工程は、細胞を洗浄緩衝液で洗浄する工程を含みうる。結合されていない相互作用決定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを用いて、細胞を選択する工程を含みうる。本方法は、細胞を溶解する工程を含みうる。
【0170】
いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、タンパク質結合試薬から切り離し可能または切り離し不可能であるように構成される。本方法は、タンパク質結合試薬から相互作用決定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。相互作用決定オリゴヌクレオチドを切り離す工程は、UV光切断、化学的処理、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、タンパク質結合試薬から相互作用決定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含みうる。
【0171】
いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、細胞のゲノム配列に対して相同でない。相互作用決定オリゴヌクレオチドは、1つの種のゲノム配列に対して相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0172】
ある実施形態において、細胞は、腫瘍細胞または非腫瘍細胞を含む。細胞は、哺乳動物細胞、細菌細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0173】
いくつかの実施形態では、本方法は、2つ以上の細胞を、相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程であって、2つ以上の細胞の各々が、第1および第2のタンパク質標的を含む工程を含む。2つ以上の細胞の少なくとも1つは、単一細胞を含みうる。
【0174】
いくつかの実施形態では、バーコードは、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む。複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含みうる。相互作用決定組成物の第1の対の一方の相互作用決定オリゴヌクレオチドは、捕捉配列に相補的な配列を含みうる。捕捉配列は、ポリ(dT)領域を含みうる。捕捉配列に相補的な相互作用決定オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含みうる。相互作用決定オリゴヌクレオチドは、第2のバーコード配列を含みうる。相互作用同定組成物の第1の対の他方の相互作用決定オリゴヌクレオチドは、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含みうる。
【0175】
いくつかの実施形態では、タンパク質標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。タンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0176】
いくつかの実施形態では、タンパク質標的は、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組合せを含む。タンパク質標的は、10~100の異なるタンパク質標的を含む群から選択されうる。
【0177】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、同一の配列を有する2つ以上の相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられる。タンパク質結合試薬は、異なる相互作用決定配列を有する2つ以上の相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられうる。
【0178】
いくつかの実施形態では、複数の相互作用決定組成物のうちの1つは、相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられない第2のタンパク質結合試薬を含む。タンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同一でありうる。タンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0179】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、1つの粒子に関連付けられる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に部分的に封入されうる。粒子は、崩壊性でありうる。粒子は、ビーズを含みうる。粒子は、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含みうる。粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。粒子は、検出可能な部分に関連付けられうる。相互作用決定オリゴヌクレオチドは、検出可能な部分に関連付けられうる。粒子のバーコードは、約、少なくとも、多くとも、1000、10000、またはそれ以上、またはそれ以下、またはそれらの任意の組合せの異なるバーコード配列から選択されうるバーコード配列を含む。バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含みうる。粒子は、少なくとも10000のバーコードを含みうる。
【0180】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを、相互作用決定オリゴヌクレオチドと接触させて、相互作用決定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;相互作用決定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程と、を含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼを用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、逆転写酵素を用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MLV)逆転写酵素またはTaq DNAポリメラーゼを用いて、バーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、架橋オリゴヌクレオチドを、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドから移動させる工程を含みうる。本方法は、複数のアンプリコンを生成するために、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含みうる。複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、バーコード配列の少なくとも一部および相互作用決定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。
【0181】
いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部および相互作用決定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドの部分的および/または完全な配列を取得する工程を含みうる。
【0182】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、複数の確率バーコードを含み、複数の確率バーコードの各々のバーコード配列は、分子標識配列を含み、複数の確率バーコードの少なくとも2つの確率バーコードの分子標識配列は、異なる配列を含み、複数のバーコードを用いて、相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、相互作用決定オリゴヌクレオチドに確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付きの相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程と;バーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する工程と。複数のバーコードを用いて、複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、標的のコピーを、バーコードの標的結合領域と接触させる工程と;複数のバーコードを用いて、複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成する工程と、を含みうる。
【0184】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する前に、バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程を含みうる。バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程は、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)によってバーコード付き標的を増幅する工程を含みうる。複数のバーコードを用いて、細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、複数の確率バーコードを用いて、細胞の複数の標的に確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き標的を生成する工程を含みうる。
【0185】
本明細書に開示される実施形態には、タンパク質間相互作用を同定するためのキットを含む。いくつかの実施形態では、キットは、相互作用決定組成物の第1の対であって、相互作用決定組成物の第1の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第1の対の一方のタンパク質結合試薬が、第1のタンパク質標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定組成物の第1の対の他方のタンパク質結合試薬が、第2のタンパク質標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定オリゴヌクレオチドが、相互作用決定配列および架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域を含み、相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列が、異なる配列を含む、相互作用決定組成物の第1の対と;相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域に特異的に結合することが可能な2つのハイブリダイゼーション領域を各々含む複数の架橋オリゴヌクレオチドと、を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、相互作用決定配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~60ヌクレオチド長、約45ヌクレオチド長、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300ヌクレオチド長、約500ヌクレオチド長、またはそれらの任意の組合せである。
【0187】
いくつかの実施形態では、キットは、相互作用決定組成物の第2の対であって、相互作用決定組成物の第2の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第2の対の一方のタンパク質結合試薬が、第3のタンパク質標的に特異的に結合することが可能であり、相互作用決定組成物の第2の対の他方のタンパク質結合試薬が、第4のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である、相互作用決定組成物の第2の対を含む。第3および第4のタンパク質標的の少なくとも1つは、第1および第2のタンパク質標的のうちの1つと異なりうる。第3および第4のタンパク質標的の少なくとも1つおよび第1および第2のタンパク質標的の少なくとも1つは、同一でありうる。
【0188】
いくつかの実施形態では、キットは、相互作用決定組成物の3つ以上の対を含む。相互作用決定組成物の3つ以上の対の少なくとも10の相互作用決定組成物の相互作用決定配列は、異なる配列を含みうる。相互作用決定組成物の3つ以上の対の少なくとも100の相互作用決定組成物の相互作用決定配列は、異なる配列を含みうる。相互作用決定組成物の3つ以上の対の少なくとも1000の相互作用決定組成物の相互作用決定配列は、異なる配列を含みうる。
【0189】
いくつかの実施形態では、複数の相互作用決定組成物の2つの相互作用決定組成物の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域は、異なる配列を含む。架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域の少なくとも1つは、架橋オリゴヌクレオチドの2つのハイブリダイゼーション領域の少なくとも1つに相補的でありうる。
【0190】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、またはそれらの組合せを含みうる。相互作用決定オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬に結合されうる。少なくとも1つの相互作用決定オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、タンパク質結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0191】
いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、対象の任意の細胞のゲノム配列に対して相同でない。対象の細胞は、腫瘍細胞または非腫瘍細胞を含みうる。対象の細胞は、単一細胞、哺乳動物細胞、細菌細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0192】
いくつかの実施形態では、キットは、複数のバーコードを含み、複数のバーコードの各々が、バーコード配列および捕捉配列を含む。相互作用決定組成物の第1の対の一方の相互作用決定オリゴヌクレオチドは、複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含みうる。捕捉配列は、ポリ(dT)領域を含みうる。バーコードの捕捉配列に相補的な相互作用決定オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含みうる。相互作用同定組成物の第1の対の他方の相互作用決定オリゴヌクレオチドは、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含みうる。複数のバーコードは、複数の確率バーコードを含むことができ、複数の確率バーコードの各々のバーコード配列が、分子標識配列を含み、複数の確率バーコードの少なくとも2つの確率バーコードの分子標識配列が、異なる配列を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、タンパク質標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。タンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含みうる。タンパク質標的は、10~100の異なるタンパク質標的を含む群から選択されうる。
【0194】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、同一の配列を有する2つ以上の相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられうる。タンパク質結合試薬は、異なる相互作用決定配列を有する2つ以上の相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられうる。
【0195】
いくつかの実施形態では、相互作用決定組成物の第1の対の一方は、相互作用決定オリゴヌクレオチドに関連付けられない第2のタンパク質結合試薬を含む。第1のタンパク質結合試薬および第2のタンパク質結合試薬は、同一または異なりうる。タンパク質結合試薬は、検出可能な部分に関連付けられうる。いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、検出可能な部分に関連付けられる。
【0196】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは、1つの粒子に関連付けられる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に部分的に固定されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に封入されうる。複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子に部分的に封入されうる。粒子は、崩壊性でありうる。粒子は、ビーズを含みうる。粒子は、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含みうる。粒子は、崩壊性ヒドロゲル粒子を含みうる。粒子は、検出可能な部分に関連付けられうる。
【0197】
粒子のバーコードは、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含みうる。粒子のバーコードは、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含みうる。バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含みうる。粒子は、少なくとも10000のバーコードを含みうる。
【0198】
いくつかの実施形態では、キットは、DNAポリメラーゼを含む。キットは、逆転写酵素を含みうる。キットは、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MLV)逆転写酵素またはTaq DNAポリメラーゼを含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、固化剤(たとえば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド/四酸化オスミウム、アルコール系固定液、Hepes-グルタミン酸緩衝液媒介有機溶媒保護効果(HOPE)、ブアン液、またはそれらの任意の組合せ)を含む。
【0199】
迅速、効率的および高度にスケーラブルな方法で、広範囲の生体分子および検出可能な標識のポートフォリオにわたる高品質および高性能の特定の製品を提供するためのシステムおよび方法が本明細書に開示される。本発明の実施形態では、標識生体分子に対するリクエストがなされ、このリクエストに応答して、標識生体分子は、活性化生体分子および活性化標識の既存のコレクションから調製される。
【0200】
ある実施形態において、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはそれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAでありうる。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬でありうる。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含みうる。標識と結合されたタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能でありうる。
【0201】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択されうる。1つ以上の標識生体分子試薬は、標識に共有結合されない第2の生体分子をさらに含みうる。生体分子および第2の生体分子は、同じでありうる。
【0202】
いくつかの実施形態では、標識は、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、標識は、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、酵素は、酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である。
【0203】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、少なくとも1つの官能基によって、対応する修飾酵素基質と異なる。少なくとも1つの官能基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン(carbonothione)、カルボノチアール(carbonothial)、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ(borino)、ボリネート(borinate)、またはそれらの任意の組合せでありうる。
【0204】
いくつかの実施形態では、酵素は、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ(citrinase)、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ(inosidase)、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ(octulosonase)、オクツロソニダーゼ(octulosonidase)、プリメベロシダーゼ(primeverosidase)、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ(turonidase)、ツロノシダーゼ(turonosidase)、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース(levanose)、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のための一意識別子を含む。一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択されうる。一意識別子の多様なセットは、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる一意識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列から選択される配列を有しうる。
【0207】
いくつかの実施形態では、標識は、リンカーを介して生体分子に結合される。標識は、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されうる。
【0208】
一意識別子は、サンプルのゲノム配列に対して相同でないことがある。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せでありうる。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せでありうる。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含みうる。
【0209】
本開示の態様は、標識生体分子試薬を調製するのに使用するためのシステムも含む。いくつかの実施形態によるシステムは、標識生体分子試薬に対するリクエストを受信するための入力マネージャと、複数の標識生体分子試薬ストレージ識別子(storage identifier)を有するデータセットを記憶するためのメモリと、メモリに通信可能に連結され、標識生体分子試薬リクエストに対応するデータセットからの1つ以上の標識生体分子試薬ストレージ識別子を同定するように構成される処理モジュールと、1つ以上の同定された標識生体分子試薬ストレージ識別子を提供するための出力マネージャと、を含む。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストは、生体分子リクエストおよび標識リクエストを含む。他の実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストは、標識生体分子リクエストである。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む。
【0210】
ある実施形態において、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはそれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAでありうる。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬でありうる。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含みうる。標識と結合されたタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能でありうる。
【0211】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択されうる。
【0212】
いくつかの実施形態では、標識は、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、標識は、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、酵素は、酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である。
【0213】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、少なくとも1つの官能基によって、対応する修飾酵素基質と異なる。少なくとも1つの官能基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せでありうる。
【0214】
いくつかの実施形態では、酵素は、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む。
【0215】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のための一意識別子を含む。一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択されうる。一意識別子の多様なセットは、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる一意識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列から選択される配列を有しうる。
【0217】
いくつかの実施形態では、標識は、リンカーを介して生体分子に結合される。標識は、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されうる。
【0218】
一意識別子は、サンプルのゲノム配列に対して相同でないことがある。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せでありうる。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せでありうる。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含みうる。
【0219】
入力マネージャは、標識生体分子試薬に対するリクエストがインターネットウェブサイトに入力されるウェブサイトメニューインターフェースなどのグラフィカルユーザインターフェースに操作可能に連結されうる。いくつかの実施形態では、入力マネージャは、標識生体分子リクエストを受信するように構成される。他の実施形態では、入力マネージャは、生体分子リクエストおよび標識リクエストを受信するように構成される。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む。入力マネージャは、単一のユーザまたは複数のユーザなどから、複数の標識生体分子試薬リクエストを受信しうる。
【0220】
本発明のシステムは、標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識および反応性リンカーのためのストレージ識別子を含む、1つ以上のデータセットを記憶するためのメモリを含む。システムは、標識生体分子試薬リクエストの構成要素(たとえば、生体分子リクエスト、標識リクエスト、標識生体分子リクエストなど)に対応する1つ以上のデータセットからのストレージ識別子を同定するメモリに通信可能に連結された処理モジュールも含む。いくつかの実施形態では、出力マネージャは、電子ディスプレイなどに、同定されたストレージ識別子を表示するために、またはプリンタでストレージ識別子を印刷するために、通信構成要素に操作可能に連結される。
【0221】
いくつかの実施形態では、対象のシステムは、標識生体分子試薬を調製するための、出力マネージャと操作可能に通信した試薬調製装置をさらに含む。試薬調製マネージャは、出力マネージャから同定されたストレージ識別子を受信し、標識生体分子試薬リクエストに対応する標識生体分子試薬を生成するように構成される。
【0222】
実施形態では、試薬調製装置は、複数の活性化生体分子と、複数の活性化標識と、活性化生体分子および活性化標識を接触装置に提供するためのサンプリングデバイスと、を含む。いくつかの実施形態では、試薬調製装置は、生成された標識生体分子試薬を、固相液体クロマトグラフィーなどによって、特性決定、配合または精製するのに使用されうる試薬分析装置を含む。
【0223】
生体分子は、ポリペプチド、核酸または多糖でありうる。いくつかの実施形態では、生体分子は、核酸、たとえば、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである。他の実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、たとえば、タンパク質、酵素または抗体である。標識は、フルオロフォア、発色団、酵素、酵素基質、触媒、化学発光基質、電気化学発光基質、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ(たとえば、同位体的に純粋な希土類元素)、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0224】
標識生体分子試薬は、活性化生体分子を、活性化標識と結合することによって調製される。活性化生体分子および活性化標識は、各々、反応性リンカーを含む。実施形態では、反応性リンカーは、活性化生体分子と活性化リンカーとの間の化学結合を形成するように反応する。
【0225】
本開示の態様は、標識生体分子試薬を調製するための方法も含む。いくつかの実施形態による方法は、標識生体分子試薬に対するリクエストを受信する工程と、標識生体分子試薬リクエストの構成要素に対応するストレージ識別子(たとえば、生体分子リクエストおよび標識リクエストに対応するストレージ識別子)を同定する工程と、1つ以上の同定されたストレージ識別子を出力する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、同定された生体分子ストレージ識別子および標識ストレージ識別子は、電子ディスプレイ上に出力されるか、またはプリンタで印刷される。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬に対する複数のリクエストは、単一のユーザまたは複数のユーザなどから受信される。ある場合、標識生体分子試薬に対するリクエストは、複数の生体分子リクエストおよび複数の標識リクエストを含みうる。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストは、複数の生体分子リクエストおよび単一の標識リクエストを含みうる。さらにいくつかの実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストは、単一の生体分子リクエストおよび複数の標識リクエストを含みうる。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、方法は、活性化生体分子を活性化標識と接触させて、標識生体分子試薬を生成する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、活性化生体分子および活性化標識は、試薬調製装置中で接触される。ある場合、標識生体分子試薬は、さらに精製される。調製の後、標識生体分子試薬は、包装され、遠隔地に輸送されうる。
【0227】
本開示の態様は、標識生体分子試薬をリクエストおよび受信するための方法も含む。いくつかの実施形態による方法は、(たとえば、本明細書に記載される本発明のシステムの1つに)標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程と、標識に共有結合された生体分子を含む標識生体分子試薬を受信する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程は、生体分子リクエストおよび標識リクエストを、インターネットウェブサイト上のウェブサイトメニューインターフェースなどのグラフィカルユーザインターフェースに入力する工程を含む。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程は、複数の生体分子リクエストおよび複数の標識リクエストを入力する工程を含む。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む。他の実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程は、単一の生体分子リクエストおよび複数の標識リクエスト入力する工程を含む。さらに他の実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程は、複数の生体分子リクエスト入力する工程と、単一の標識リクエスト入力する工程と、を含む。さらに他の実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程は、標識生体分子リクエストを入力する工程を含む。
【0228】
ある実施形態において、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはそれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAでありうる。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬でありうる。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含みうる。標識と結合されたタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能でありうる。
【0229】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択されうる。標識生体分子試薬を受信する工程は、標識に共有結合された標識生体分子および標識に共有結合されない第2の生体分子を受信する工程を含みうる。標識生体分子および第2の生体分子は、同じでありうる。
【0230】
いくつかの実施形態では、標識は、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、標識は、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、酵素は、酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である。
【0231】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、少なくとも1つの官能基によって、対応する修飾酵素基質と異なる。少なくとも1つの官能基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せでありうる。
【0232】
いくつかの実施形態では、酵素は、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のための一意識別子を含む。一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択されうる。一意識別子の多様なセットは、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる一意識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に結合される。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されうる。
【0235】
一意識別子は、サンプルのゲノム配列に対して相同でないことがある。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せでありうる。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せでありうる。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含みうる。
なお、本発明としては、以下の態様も好ましい。
〔1〕
オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、前記タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物。
〔2〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔1〕に記載の複数の組成物。
〔3〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔1〕または〔2〕に記載の複数の組成物。
〔4〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔3〕に記載の複数の組成物。
〔5〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔3〕に記載の複数の組成物。
〔6〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔3〕に記載の複数の組成物。
〔7〕
複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔1〕~〔6〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔8〕
前記オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記タンパク質結合試薬に結合される、〔1〕~〔7〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔9〕
前記リンカーが化学基を含む、〔8〕に記載の複数の組成物。
〔10〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔8〕に記載の複数の組成物。
〔11〕
前記化学基が、前記タンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔9〕または〔10〕に記載の複数の組成物。
〔12〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔8〕~〔11〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔13〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔1〕~〔12〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔14〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔13〕に記載の複数の組成物。
〔15〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔13〕または〔14〕に記載の複数の組成物。
〔16〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔1〕~〔15〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔17〕
少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む、〔1〕~〔16〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔18〕
少なくとも1,000の異なるタンパク質結合試薬を含む、〔1〕~〔16〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔19〕
少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む、〔1~16のいずれか一項に複数の組成物。
〔20〕
各タンパク質結合試薬が、少なくとも10の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される、〔17〕~〔19〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔21〕
各タンパク質結合試薬が、少なくとも100の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される、〔17〕~〔19〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔22〕
各タンパク質結合試薬が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される、〔17〕~〔19〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔23〕
前記複数の組成物が、前記オリゴヌクレオチドと結合されない1つ以上の第2のタンパク質結合試薬をさらに含む、〔1〕~〔22〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔24〕
前記タンパク質結合試薬および前記1つ以上の第2のタンパク質結合試薬が同じである、〔23〕に記載の複数の組成物。
〔25〕
複数のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である、〔1〕~〔24〕のいずれか一項に複数の組成物。
〔26〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔25〕に記載の複数の組成物。
〔27〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔25〕に記載の複数の組成物。
〔28〕
サンプル中の複数のタンパク質標的の定量分析の方法であって、
複数のタンパク質標的を含むサンプルを提供する工程と;
オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する工程と;
前記複数のタンパク質標的との特異的結合のために、前記複数の組成物を前記サンプルと接触させる工程と;
結合されていない組成物を除去する工程と;
複数のオリゴヌクレオチドプローブを提供する工程であって、前記複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列を含み、前記バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する工程と;
前記複数のオリゴヌクレオチドプローブを、前記複数の組成物の前記オリゴヌクレオチドと接触させる工程と;
前記オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた前記オリゴヌクレオチドプローブを伸長して、複数の標識核酸を生成する工程であって、前記標識核酸の各々が、一意識別子およびバーコード配列を含む工程と;
各一意識別子のためのユニークバーコード配列の数を決定し、
それによって、前記サンプル中の各タンパク質標的の量が決定される工程と、
を含む、方法。
〔29〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔28〕に記載の方法。
〔30〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔28〕または〔29〕に記載の方法。
〔31〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔30〕に記載の方法。
〔32〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔30〕に記載の方法。
〔33〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔30〕に記載の方法。
〔34〕
前記複数の組成物が、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔28〕~〔33〕のいずれか一項に記載の方法。
〔35〕
前記オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記タンパク質結合試薬に結合される、〔28〕~〔34〕のいずれか一項に記載の方法。
〔36〕
前記リンカーが化学基を含む、〔35〕に記載の方法。
〔37〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔35〕に記載の方法。
〔38〕
前記化学基が、前記タンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔36〕または〔37〕に記載の方法。
〔39〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔35〕~〔38〕のいずれか一項に記載の方法。
〔40〕
前記サンプルが単一細胞を含む、〔28〕~〔39〕のいずれか一項に記載の方法。
〔41〕
前記複数のタンパク質標的が、前記単一細胞の表面上で発現される、〔40〕に記載の方法。
〔42〕
前記結合されていない組成物を除去する工程が、前記単一細胞を洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む、〔40〕または〔41〕に記載の方法。
〔43〕
前記単一細胞を溶解する工程を含む、〔42〕に記載の方法。
〔44〕
前記タンパク質結合試薬から前記オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含む、〔28〕~〔43〕のいずれか一項に記載の方法。
〔45〕
前記オリゴヌクレオチドが、UV光切断、化学的処理(ジチオスレイトール)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、前記タンパク質結合試薬から切り離される、〔44〕に記載の方法。
〔46〕
前記オリゴヌクレオチドプローブの各々が、細胞標識、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む、〔28〕~〔45〕のいずれか一項に記載の方法。
〔47〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)を含む、〔28〕~〔46〕のいずれか一項に記載の方法。
〔48〕
前記複数のオリゴヌクレオチドプローブが、固体担体上に固定される、〔28〕~〔47〕のいずれか一項に記載の方法。
〔49〕
前記固体担体がビーズである、〔48〕に記載の方法。
〔50〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数の標識核酸を増幅する工程をさらに含む、〔28〕~〔49〕のいずれか一項に記載の方法。
〔51〕
前記増幅が、前記バーコード配列の少なくとも一部、および前記一意識別子の少なくとも一部のPCR増幅を含む、〔50〕に記載の方法。
〔52〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも100のユニークバーコード配列を含む、〔28〕~〔51〕のいずれか一項に記載の方法。
〔53〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも1,000のユニークバーコード配列を含む、〔28〕~〔51〕のいずれか一項に記載の方法。
〔54〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも10,000のユニークバーコード配列を含む、〔28〕~〔51〕のいずれか一項に記載の方法。
〔55〕
前記複数の組成物が、前記オリゴヌクレオチドと結合されない1つ以上の第2のタンパク質結合試薬をさらに含む、〔28〕~〔54〕のいずれか一項に記載の方法。
〔56〕
前記タンパク質結合試薬および前記1つ以上の第2のタンパク質結合試薬が同じである、〔55〕に記載の方法。
〔57〕
前記複数のアンプリコンをシーケンシングする工程をさらに含む、〔50〕~〔54〕のいずれか一項に記載の方法。
〔58〕
前記シーケンシングが、前記バーコード配列の少なくとも一部、および前記一意識別子の少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む、〔57〕に記載の方法。
〔59〕
サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析の方法であって、
複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子を含むサンプルを提供する工程と;
オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する工程と;
前記複数のタンパク質標的との特異的結合のために、前記複数の組成物を前記サンプルと接触させる工程と;
結合されていない組成物を除去する工程と;
複数のオリゴヌクレオチドプローブを提供する工程であって、前記複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列を含み、前記バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する工程と;
前記複数のオリゴヌクレオチドプローブを、ハイブリダイゼーションのために、前記組成物の前記オリゴヌクレオチドおよび前記複数の核酸標的分子と接触させる工程と;
前記オリゴヌクレオチドおよび核酸標的分子にハイブリダイズされた前記オリゴヌクレオチドプローブを伸長して、複数の標識核酸を生成する工程であって、前記標識核酸の各々が、一意識別子または核酸標的分子、およびバーコード配列を含む工程と;
各一意識別子および各核酸標的分子のためのユニークバーコード配列の数を決定し、
それによって、前記サンプル中の各タンパク質標的および各核酸標的分子の量が決定される工程と、
を含む、方法。
〔60〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔59〕に記載の方法。
〔61〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔59〕または〔60〕に記載の方法。
〔62〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔61〕に記載の方法。
〔63〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔61〕に記載の方法。
〔64〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔61〕に記載の方法。
〔65〕
前記複数の組成物が、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔59〕~〔64〕のいずれか一項に記載の方法。
〔66〕
前記オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記タンパク質結合試薬に結合される、〔59〕~〔65〕のいずれか一項に記載の方法。
〔67〕
前記リンカーが化学基を含む、〔66〕に記載の方法。
〔68〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔66〕に記載の方法。
〔69〕
前記化学基が、前記タンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔67〕または〔68〕に記載の方法。
〔70〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔67〕~〔69〕のいずれか一項に記載の方法。
〔71〕
前記サンプルが単一細胞を含む、〔59〕~〔70〕のいずれか一項に記載の方法。
〔72〕
前記複数のタンパク質標的が、前記単一細胞の表面上で発現される、〔71〕に記載の方法。
〔73〕
前記結合されていない組成物を除去する工程が、前記単一細胞を洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む、〔71〕または〔72〕に記載の方法。
〔74〕
前記単一細胞を溶解する工程を含む、〔73〕に記載の方法。
〔75〕
前記タンパク質結合試薬から前記オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含む、〔59〕~〔74〕のいずれか一項に記載の方法。
〔76〕
前記オリゴヌクレオチドが、UV光切断、化学的処理(ジチオスレイトール)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、前記タンパク質結合試薬から切り離される、〔75〕に記載の方法。
〔77〕
前記オリゴヌクレオチドプローブの各々が、細胞標識、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む、〔59〕~〔76〕のいずれか一項に記載の方法。
〔78〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)を含む、〔59〕~〔77〕のいずれか一項に記載の方法。
〔79〕
前記複数のオリゴヌクレオチドプローブが、固体担体上に固定される、〔59〕~〔78〕のいずれか一項に記載の方法。
〔80〕
前記固体担体がビーズである、〔79〕に記載の方法。
〔81〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数の標識核酸を増幅する工程をさらに含む、〔59〕~〔80〕のいずれか一項に記載の方法。
〔82〕
前記増幅が、前記バーコード配列の少なくとも一部、前記一意識別子の少なくとも一部、および前記核酸標的分子の少なくとも一部のPCR増幅を含む、〔81〕に記載の方法。
〔83〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも100のユニークバーコード配列を含む、〔59〕~〔82〕のいずれか一項に記載の方法。
〔84〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも1,000のユニークバーコード配列を含む、〔59〕~〔82〕のいずれか一項に記載の方法。
〔85〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも10,000のユニークバーコード配列を含む、〔59〕~〔82〕のいずれか一項に記載の方法。
〔86〕
前記複数の組成物が、前記オリゴヌクレオチドと結合されない1つ以上の第2のタンパク質結合試薬をさらに含む、〔59〕~〔85〕のいずれか一項に記載の方法。
〔87〕
前記タンパク質結合試薬および前記1つ以上の第2のタンパク質結合試薬が同じである、〔86〕に記載の方法。
〔88〕
前記複数のアンプリコンをシーケンシングする工程をさらに含む、〔81〕~〔87〕のいずれか一項に記載の方法。
〔89〕
前記シーケンシングが、前記バーコード配列の少なくとも一部、前記一意識別子の少なくとも一部、および前記核酸標的分子の少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む、〔88〕に記載の方法。
〔90〕
サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析のためのキットであって、オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、前記タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物と、複数のオリゴヌクレオチドプローブと、を含み、前記複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列を含み、前記バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する、キット。
〔91〕
サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析のためのキットであって、オリゴヌクレオチドと各々が結合された2つ以上のタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記2つ以上のタンパク質結合試薬のうちの1つのための一意識別子を含み、前記タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物と、複数のオリゴヌクレオチドプローブと、を含み、前記複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列を含み、前記バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する、キット。
〔92〕
サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時の定量分析のためのキットであって、オリゴヌクレオチドと各々が結合された2つ以上のタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、前記タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物と、複数のオリゴヌクレオチドプローブと、を含み、前記複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列を含み、前記バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する、キット。
〔93〕
前記オリゴヌクレオチドプローブの各々が、細胞標識、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む、〔90〕~〔92〕のいずれか一項に記載のキット。
〔94〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)を含む、〔90〕~〔93〕のいずれか一項に記載のキット。
〔95〕
前記複数のオリゴヌクレオチドプローブが、固体担体上に固定される、〔90〕~〔94〕のいずれか一項に記載のキット。
〔96〕
前記固体担体がビーズである、〔95〕に記載のキット。
〔97〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも100のユニークバーコード配列を含む、〔90〕~〔96〕のいずれか一項に記載のキット。
〔98〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも1,000のユニークバーコード配列を含む、〔90〕~〔96〕のいずれか一項に記載のキット。
〔99〕
ユニークバーコード配列の前記多様なセットが、少なくとも10,000のユニークバーコード配列を含む、〔90〕~〔96〕のいずれか一項に記載のキット。
〔100〕
少なくとも1,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む、〔90〕~〔99〕のいずれか一項に記載のキット。
〔101〕
少なくとも10,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む、〔90〕~〔99〕のいずれか一項に記載のキット。
〔102〕
少なくとも100,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む、〔90〕~〔99〕のいずれか一項に記載のキット。
〔103〕
少なくとも1,000,000のオリゴヌクレオチドプローブを含む、〔90〕~〔99〕のいずれか一項に記載のキット。
〔104〕
前記一意識別子が、25~45のヌクレオチドを含む、〔90〕~〔103〕のいずれか一項に記載のキット。
〔105〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔90〕~〔104〕のいずれか一項に記載のキット。
〔106〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔105〕に記載のキット。
〔107〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔105〕に記載のキット。
〔108〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔105〕に記載のキット。
〔109〕
前記複数の組成物が、前記オリゴヌクレオチドと結合されない1つ以上の第2のタンパク質結合試薬をさらに含む、〔90〕~〔108〕のいずれか一項に記載のキット。
〔110〕
前記タンパク質結合試薬および前記1つ以上の第2のタンパク質結合試薬が同じである、〔109〕に記載のキット。
〔111〕
前記複数の組成物が、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔90〕~〔110〕のいずれか一項に記載のキット。
〔112〕
前記オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記タンパク質結合試薬に結合される、〔90〕~〔111〕のいずれか一項に記載のキット。
〔113〕
前記リンカーが化学基を含む、〔112〕に記載のキット。
〔114〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔112〕に記載のキット。
〔115〕
前記化学基が、前記タンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔113〕または〔114〕に記載のキット。
〔116〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔112〕~〔115〕のいずれか一項に記載のキット。
〔117〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔90〕~〔116〕のいずれか一項に記載のキット。
〔118〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔117〕に記載のキット。
〔119〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔117〕または〔118〕に記載のキット。
〔120〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔90〕~〔119〕のいずれか一項に記載のキット。
〔121〕
少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む、〔90〕~〔120〕のいずれか一項に記載のキット。
〔122〕
少なくとも1,000の異なるタンパク質結合試薬を含む、〔90〕~〔120〕のいずれか一項に記載のキット。
〔123〕
少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む、〔90〕~〔120〕のいずれか一項に記載のキット。
〔124〕
各タンパク質結合試薬が、少なくとも10の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される、〔121〕~〔123〕のいずれか一項に記載のキット。
〔125〕
各タンパク質結合試薬が、少なくとも100の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される、〔121〕~〔123〕のいずれか一項に記載のキット。
〔126〕
各タンパク質結合試薬が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される、〔121〕~〔123〕のいずれか一項に記載のキット。
〔127〕
複数のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である、〔90〕~〔126〕のいずれか一項に記載のキット。
〔128〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔127〕に記載のキット。
〔129〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔127〕に記載のキット。
〔130〕
サンプル中のバイオマーカーを同定する方法であって、
複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子を含むサンプルを提供する工程と;
オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する工程と;
前記複数のタンパク質標的との特異的結合のために、前記複数の組成物を前記サンプルと接触させる工程と;
結合されていない組成物を除去する工程と;
複数のオリゴヌクレオチドプローブを提供する工程であって、前記複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々が、標的結合領域およびバーコード配列を含み、前記バーコード配列が、ユニークバーコード配列の多様なセットに由来する工程と;
前記複数のオリゴヌクレオチドプローブを、ハイブリダイゼーションのために、前記組成物の前記オリゴヌクレオチドおよび前記複数の核酸標的分子と接触させる工程と;
前記オリゴヌクレオチドおよび核酸標的分子にハイブリダイズされた前記オリゴヌクレオチドプローブを伸長して、複数の標識核酸を生成する工程であって、前記標識核酸の各々が、一意識別子または核酸標的分子、およびバーコード配列を含む工程と;
各一意識別子および各核酸標的分子のためのユニークバーコード配列の数を決定する工程と;
タンパク質標的の量または核酸標的分子の量を用いて、バイオマーカーを同定する工程と、
を含む、方法。
〔131〕
少なくとも1つのタンパク質標的および少なくとも1つの核酸標的分子の量を決定する工程を含む、〔130〕に記載の方法。
〔132〕
少なくとも1つのタンパク質標的およびその対応する核酸標的分子の量を比較する工程を含む、〔130〕に記載の方法。
〔133〕
タンパク質標的の量が、その対応する核酸標的分子より多い場合、バイオマーカーを同定する工程を含む、〔132〕に記載の方法。
〔134〕
タンパク質標的の量が、その対応する核酸標的分子より少なくとも10倍多い場合、バイオマーカーを同定する工程を含む、〔132〕に記載の方法。
〔135〕
タンパク質標的の対応する核酸標的分子の量が10未満である場合、バイオマーカーを同定する工程を含む、〔132〕に記載の方法。
〔136〕
タンパク質標的の対応する核酸標的分子の量が0である場合、バイオマーカーを同定する工程を含む、〔132〕に記載の方法。
〔137〕
コントロール粒子に関連付けられた複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含むコントロール粒子組成物であって、
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの各々が、コントロールバーコード配列およびポリ(dA)領域を含む、コントロール粒子組成物。
〔138〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔137〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔139〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔137〕~〔138〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔140〕
前記コントロールバーコード配列が、25~45ヌクレオチド長である、〔137〕~〔138〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔141〕
前記コントロールバーコード配列が、約128ヌクレオチド長である、〔137〕~〔138〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔142〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔137〕~〔138〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔143〕
前記コントロールバーコード配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔137〕~〔138〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔144〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔137〕~〔140〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔145〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔137〕~〔140〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔146〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔137〕~〔142〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔147〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔137〕~〔142〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔148〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔137〕~〔143〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔149〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔137〕~〔143〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔150〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5つの前記コントロールバーコード配列が同一である、〔137〕~〔149〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔151〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約10の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔137〕~〔149〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔152〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約100の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔137〕~〔149〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔153〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約1000の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔137〕~〔149〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔154〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも3つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔137〕~〔153〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔155〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5つが、異なる配列を含む、〔137〕~〔153〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔156〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも10個が、異なる配列を含む、〔137〕~〔153〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔157〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも100個が、異なる配列を含む、〔137〕~〔153〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔158〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、
第1のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、
第2のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、
を含み、
前記第1のコントロールバーコード配列および前記第2のコントロールバーコード配列が、異なる配列を有する、〔137〕~〔157〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔159〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数がほぼ同じである、〔158〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔160〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が異なる、〔158〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔161〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも2倍多い、〔160〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔162〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも10倍多い、〔160〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔163〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より約100倍多い、〔160〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔164〕
前記コントロールバーコード配列が、1つの種のゲノム配列に対して相同でない、〔137〕~〔163〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔165〕
前記コントロールバーコード配列が、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔137〕~〔163〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔166〕
前記種が非哺乳動物種である、〔165〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔167〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔166〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔168〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔167〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔169〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、バーコード配列を含む、〔137〕~〔168〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔170〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔137〕~〔169〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔171〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、リンカーを介して前記コントロール粒子に関連付けられる、〔137〕~〔170〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔172〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、前記リンカーを含む、〔171〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔173〕
前記リンカーが化学基を含む、〔171〕~〔172〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔174〕
前記化学基が、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに可逆的に結合される、〔173〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔175〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔173〕~〔174〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔176〕
前記コントロール粒子の直径が、約1~1000マイクロメートルである、〔137〕~〔175〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔177〕
前記コントロール粒子の直径が、約10~100マイクロメートルである、〔137〕~〔175〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔178〕
前記コントロール粒子の直径が、約7.5マイクロメートルである、〔137〕~〔175〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔179〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子上に固定される、〔137〕~〔178〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔180〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子上に部分的に固定される、〔137〕~〔178〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔181〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子に封入される、〔137〕~〔178〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔182〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子に部分的に封入される、〔137〕~〔178〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔183〕
前記コントロール粒子が崩壊性である、〔137〕~〔182〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔184〕
前記コントロール粒子が、ビーズを含む、〔137〕~〔183〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔185〕
前記コントロール粒子が、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔137〕~〔184〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔186〕
前記コントロール粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含む、〔137〕~〔185〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔187〕
前記コントロール粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔137〕~〔186〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔188〕
前記コントロール粒子が、検出可能な部分に関連付けられる、〔137〕~〔187〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔189〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、検出可能な部分に関連付けられる、〔137〕~〔188〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔190〕
前記コントロール粒子が、複数の第1のタンパク質結合試薬に関連付けられ、
前記複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられる、〔137〕~〔189〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔191〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、第1の抗体を含む、〔190〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔192〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記第1のタンパク質結合試薬に結合される、〔190〕~〔191〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔193〕
前記第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記リンカーを含む、〔192〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔194〕
前記リンカーが化学基を含む、〔192〕~〔193〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔195〕
前記化学基が、前記第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔194〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔196〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔194〕~〔195〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔197〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、同一のコントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられる、〔190〕~〔196〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔198〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、異なるコントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられる、〔190〕~〔197〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔199〕
前記複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのいずれかに関連付けられない、〔190〕~〔198〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔200〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた前記第1のタンパク質結合試薬およびいずれのコントロール粒子オリゴヌクレオチドにも関連付けられない前記第1のタンパク質結合試薬が、同一のタンパク質結合試薬である、〔199〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔201〕
前記コントロール粒子が、複数の第2のタンパク質結合試薬に関連付けられる、〔190〕~〔200〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔202〕
前記複数の第2のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられる、〔201〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔203〕
前記第1のタンパク質結合試薬に関連付けられた前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび前記第2のタンパク質結合試薬に関連付けられた前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔202〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔204〕
前記第1のタンパク質結合試薬および前記第2のタンパク質結合試薬が、同一のタンパク質結合試薬である、〔202〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔205〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、パートナー結合試薬に関連付けられ、前記第1のタンパク質結合試薬が、前記パートナー結合試薬を用いて前記コントロール粒子に関連付けられる、〔190〕~〔204〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔206〕
前記パートナー結合試薬が、パートナー抗体を含む、〔205〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔207〕
前記パートナー抗体が、抗ネコ抗体、抗ニワトリ抗体、抗ウシ抗体、抗イヌ抗体、抗ロバ抗体、抗ヤギ抗体、抗モルモット抗体、抗ハムスター抗体、抗ウマ抗体、抗ヒト抗体、抗ラマ抗体、抗サル抗体、抗マウス抗体、抗ブタ抗体、抗ウサギ抗体、抗ラット抗体、抗ヒツジ抗体、またはそれらの組合せを含む、〔206〕に記載のコントロール粒子組成物。
〔208〕
前記パートナー抗体が、免疫グロブリンG(IgG)、F(ab’)フラグメント、F(ab’)
2
フラグメント、それらの組合せ、またはそれらのフラグメントを含む、〔206〕~〔207〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔209〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔190〕~〔208〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔210〕
前記第2のタンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔190〕~〔209〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔211〕
標的の数を決定するための方法であって、
複数のバーコードを用いて、複数の細胞のうちの1つの細胞の複数の標的および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的および複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含み、
コントロール粒子組成物が、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられたコントロール粒子を含み、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの各々が、コントロールバーコード配列、および前記複数のバーコードの少なくとも1つの前記標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;
前記複数のバーコード付き標的および前記複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
前記シーケンシングデータ中の前記コントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と;
前記複数の標的の少なくとも1つの標的について:
前記シーケンシングデータ中の前記標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と;
前記標的の数を推定する工程であって、推定された前記標的の数が、カウントされた前記標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数および前記コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数と相関する工程と、
を含む、方法。
〔212〕
前記擬似標的領域が、ポリ(dA)領域を含む、〔211〕に記載の方法。
〔213〕
前記擬似標的領域が、前記標的の部分配列を含む、〔211〕~〔212〕のいずれか一項に記載の方法。
〔214〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔211〕~〔213〕のいずれか一項に記載の方法。
〔215〕
前記コントロールバーコード配列が、25~45ヌクレオチド長である、〔211〕~〔213〕のいずれか一項に記載の方法。
〔216〕
前記コントロールバーコード配列が、約128ヌクレオチド長である、〔211〕~〔213〕のいずれか一項に記載の方法。
〔217〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔211〕~〔213〕のいずれか一項に記載の方法。
〔218〕
前記コントロールバーコード配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔211〕~〔213〕のいずれか一項に記載の方法。
〔219〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔211〕~〔215〕のいずれか一項に記載の方法。
〔220〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔211〕~〔215〕のいずれか一項に記載の方法。
〔221〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔211〕~〔217〕のいずれか一項に記載の方法。
〔222〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔211〕~〔217〕のいずれか一項に記載の方法。
〔223〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔211〕~〔218〕のいずれか一項に記載の方法。
〔224〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔211〕~〔218〕のいずれか一項に記載の方法。
〔225〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5つの前記コントロールバーコード配列が同一である、〔211〕~〔224〕のいずれか一項に記載の方法。
〔226〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約10の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔211〕~〔224〕のいずれか一項に記載の方法。
〔227〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約100の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔211〕~〔224〕のいずれか一項に記載の方法。
〔228〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約1000の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔211〕~〔224〕のいずれか一項に記載の方法。
〔229〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも3つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔211〕~〔228〕のいずれか一項に記載の方法。
〔230〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5つが、異なる配列を含む、〔211〕~〔228〕のいずれか一項に記載の方法。
〔231〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも10個が、異なる配列を含む、〔211〕~〔228〕のいずれか一項に記載の方法。
〔232〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも100個が、異なる配列を含む、〔211〕~〔228〕のいずれか一項に記載の方法。
〔233〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、
第1のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、
第2のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、
を含み、
前記第1のコントロールバーコード配列および前記第2のコントロールバーコード配列が、異なる配列を有する、〔211〕~〔232〕のいずれか一項に記載の方法。
〔234〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数がほぼ同じである、〔233〕に記載の方法。
〔235〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が異なる、〔233〕のいずれか一項に記載の方法。
〔236〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも2倍多い、〔235〕に記載の方法。
〔237〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも10倍多い、〔235〕に記載の方法。
〔238〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも100倍多い、〔235〕に記載の方法。
〔239〕
前記シーケンシングデータ中の前記コントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程が、
前記シーケンシングデータ中の前記第1のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と;
前記シーケンシングデータ中の前記第2のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と、
を含む、〔233〕~〔238〕のいずれか一項に記載の方法。
〔240〕
推定された前記標的の数が、
カウントされた前記標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、
前記第1のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、および
前記第2のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数と相関する、〔239〕に記載の方法。
〔241〕
推定された前記標的の数が、
カウントされた前記標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、
前記コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、および
前記コントロールバーコード配列を含む前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と相関する、〔211〕~〔232〕のいずれか一項に記載の方法。
〔242〕
推定された前記標的の数が、
カウントされた前記標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、ならびに
前記コントロールバーコード配列を含む前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数、および
前記コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数
の比率と相関する、〔241〕に記載の方法。
〔243〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記細胞のゲノム配列に対して相同でない、〔211〕~〔242〕のいずれか一項に記載の方法。
〔244〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記種のゲノム配列に対して相同でない、〔211〕~〔242〕のいずれか一項に記載の方法。
〔245〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔211〕~〔242〕のいずれか一項に記載の方法。
〔246〕
前記種が非哺乳動物種である、〔245〕に記載の方法。
〔247〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔246〕に記載の方法。
〔248〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔247〕に記載の方法。
〔249〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記コントロール粒子に結合される、〔211〕~〔248〕のいずれか一項に記載の方法。
〔250〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、リンカーを介して前記コントロール粒子に関連付けられる、〔249〕に記載の方法。
〔251〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、前記リンカーを含む、〔249〕~〔250〕のいずれか一項に記載の方法。
〔252〕
前記化学基が、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに可逆的に結合される、〔251〕に記載の方法。
〔253〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔251〕~〔252〕のいずれか一項に記載の方法。
〔254〕
前記コントロール粒子の直径が、約1~1000マイクロメートルである、〔211〕~〔253〕のいずれか一項に記載の方法。
〔255〕
前記コントロール粒子の直径が、約10~100マイクロメートルである、〔211〕~〔253〕のいずれか一項に記載の方法。
〔256〕
前記コントロール粒子の直径が、約7.5マイクロメートルである、〔211〕~〔253〕のいずれか一項に記載の方法。
〔257〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子上に固定される、〔211〕~〔256〕のいずれか一項に記載の方法。
〔258〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子上に部分的に固定される、〔211〕~〔256〕のいずれか一項に記載の方法。
〔259〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子に封入される、〔211〕~〔256〕のいずれか一項に記載の方法。
〔260〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子に部分的に封入される、〔211〕~〔256〕のいずれか一項に記載の方法。
〔261〕
前記複数の標的および前記コントロール粒子および前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、前記コントロール粒子から前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを放出する工程を含む、〔211〕~〔260〕のいずれか一項に記載の方法。
〔262〕
前記コントロール粒子が崩壊性である、〔211〕~〔261〕のいずれか一項に記載の方法。
〔263〕
前記コントロール粒子が、コントロール粒子ビーズを含む、〔211〕~〔262〕のいずれか一項に記載の方法。
〔264〕
前記コントロール粒子が、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔211〕~〔263〕のいずれか一項に記載の方法。
〔265〕
前記コントロール粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含む、〔211〕~〔264〕のいずれか一項に記載の方法。
〔266〕
前記コントロール粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔211〕~〔265〕のいずれか一項に記載の方法。
〔267〕
前記コントロール粒子が、検出可能な部分に関連付けられる、〔211〕~〔266〕のいずれか一項に記載の方法。
〔268〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、検出可能な部分に関連付けられる、〔211〕~〔267〕のいずれか一項に記載の方法。
〔269〕
前記コントロール粒子が、複数の第1のタンパク質結合試薬に関連付けられ、
前記複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられる、〔211〕~〔268〕のいずれか一項に記載の方法。
〔270〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、第1の抗体を含む、〔269〕に記載の方法。
〔271〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記第1のタンパク質結合試薬に結合される、〔269〕~〔270〕のいずれか一項に記載の方法。
〔272〕
前記第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記リンカーを含む、〔271〕に記載の方法。
〔273〕
前記リンカーが化学基を含む、〔271〕~〔272〕のいずれか一項に記載の方法。
〔274〕
前記化学基が、前記第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔273〕に記載の方法。
〔275〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔273〕~〔274〕のいずれか一項に記載の方法。
〔276〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、同一のコントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられる、〔269〕~〔275〕のいずれか一項に記載の方法。
〔277〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、異なるコントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられる、〔269〕~〔276〕のいずれか一項に記載の方法。
〔278〕
前記複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのいずれかに関連付けられない、〔269〕~〔277〕のいずれか一項に記載の方法。
〔279〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた前記第1のタンパク質結合試薬およびいずれのコントロール粒子オリゴヌクレオチドにも関連付けられない前記第1のタンパク質結合試薬が、同一のタンパク質結合試薬である、〔278〕に記載の方法。
〔280〕
前記コントロール粒子が、複数の第2のタンパク質結合試薬に関連付けられる、〔278〕~〔279〕のいずれか一項に記載の方法。
〔281〕
前記複数の第2のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられる、〔280〕に記載の方法。
〔282〕
前記第1のタンパク質結合試薬に関連付けられた前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび前記第2のタンパク質結合試薬に関連付けられた前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔281〕に記載の方法。
〔283〕
前記第1のタンパク質結合試薬および前記第2のタンパク質結合試薬が、同一のタンパク質結合試薬である、〔281〕に記載の方法。
〔284〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、パートナー結合試薬に関連付けられ、前記第1のタンパク質結合試薬が、前記パートナー結合試薬を用いて前記コントロール粒子に関連付けられる、〔269〕~〔283〕のいずれか一項に記載の方法。
〔285〕
前記パートナー結合試薬が、パートナー抗体を含む、〔284〕に記載の方法。
〔286〕
前記パートナー抗体が、抗ネコ抗体、抗ニワトリ抗体、抗ウシ抗体、抗イヌ抗体、抗ロバ抗体、抗ヤギ抗体、抗モルモット抗体、抗ハムスター抗体、抗ウマ抗体、抗ヒト抗体、抗ラマ抗体、抗サル抗体、抗マウス抗体、抗ブタ抗体、抗ウサギ抗体、抗ラット抗体、抗ヒツジ抗体、またはそれらの組合せを含む、〔285〕に記載の方法。
〔287〕
前記パートナー抗体が、免疫グロブリンG(IgG)、F(ab’)フラグメント、F(ab’)
2
フラグメント、それらの組合せ、またはそれらのフラグメントを含む、〔285〕~〔286〕のいずれか一項に記載の方法。
〔288〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔269〕~〔287〕のいずれか一項に記載の方法。
〔289〕
前記第2のタンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔269〕~〔288〕のいずれか一項に記載の方法。
〔290〕
前記バーコードが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔211〕~〔287〕のいずれか一項に記載の方法。
〔291〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔211〕~〔290〕のいずれか一項に記載の方法。
〔292〕
前記複数のバーコードが、バーコーディング粒子に関連付けられる、〔211〕~〔291〕のいずれか一項に記載の方法。
〔293〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に固定される、〔292〕に記載の方法。
〔294〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に部分的に固定される、〔292〕に記載の方法。
〔295〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に封入される、〔292〕に記載の方法。
〔296〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に部分的に封入される、〔292〕に記載の方法。
〔297〕
前記バーコーディング粒子が崩壊性である、〔292〕~〔296〕のいずれか一項に記載の方法。
〔298〕
前記バーコーディング粒子が、バーコーディングビーズを含む、〔292〕~〔297〕のいずれか一項に記載の方法。
〔299〕
前記バーコーディングビーズが、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔292〕~〔298〕のいずれか一項に記載の方法。
〔300〕
前記バーコーディング粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含む、〔292〕~〔299〕のいずれか一項に記載の方法。
〔301〕
前記バーコーディング粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔292〕~〔300〕のいずれか一項に記載の方法。
〔302〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔292〕~〔301〕のいずれか一項に記載の方法。
〔303〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔292〕~〔302〕のいずれか一項に記載の方法。
〔304〕
前記バーコードの前記バーコード配列が、ランダム配列を含む、〔292〕~〔303〕のいずれか一項に記載の方法。
〔305〕
前記バーコーディング粒子が、少なくとも10000のバーコードを含む、〔292〕~〔304〕のいずれか一項に記載の方法。
〔306〕
前記複数のバーコードを用いて、前記複数の標的および前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、
前記複数のバーコードを、前記複数の標的の標的および前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのコントロール粒子オリゴヌクレオチドと接触させて、前記標的および前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;
前記標的および前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付き標的および前記複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを生成する工程と、
を含む、〔211〕~〔305〕のいずれか一項に記載の方法。
〔307〕
前記バーコードを伸長する工程が、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、前記バーコードを伸長する工程を含む、〔306〕に記載の方法。
〔308〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数のバーコード付き標的および前記複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む、〔211〕~〔307〕のいずれか一項に記載の方法。
〔309〕
前記複数のバーコード付き標的および前記複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを増幅する工程が、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、
前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部または
前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部
を増幅する工程を含む、〔308〕に記載の方法。
〔310〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む、〔308〕~〔309〕のいずれか一項に記載の方法。
〔311〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、
前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部、または
前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部
をシーケンシングする工程を含む、〔310〕に記載の方法。
〔312〕
コントロール粒子に関連付けられた複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含むコントロール粒子組成物を含むキットであって、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの各々が、コントロールバーコード配列およびポリ(dA)領域を含む、キット。
〔313〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔312〕に記載のキット。
〔314〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔312〕~〔313〕のいずれか一項に記載のキット。
〔315〕
前記コントロールバーコード配列が、25~45ヌクレオチド長である、〔312〕~〔313〕のいずれか一項に記載のキット。
〔316〕
前記コントロールバーコード配列が、約128ヌクレオチド長である、〔312〕~〔313〕のいずれか一項に記載のキット。
〔317〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔312〕~〔313〕のいずれか一項に記載のキット。
〔318〕
前記コントロールバーコード配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔312〕~〔313〕のいずれか一項に記載のキット。
〔319〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔312〕~〔315〕のいずれか一項に記載のキット。
〔320〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔312〕~〔315〕のいずれか一項に記載のキット。
〔321〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔312〕~〔317〕のいずれか一項に記載のキット。
〔322〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔312〕~〔317〕のいずれか一項に記載のキット。
〔323〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔312〕~〔318〕のいずれか一項に記載のキット。
〔324〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔312〕~〔318〕のいずれか一項に記載のキット。
〔325〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5つの前記コントロールバーコード配列が同一である、〔312〕~〔324〕のいずれか一項に記載のキット。
〔326〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約10の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔312〕~〔324〕のいずれか一項に記載のキット。
〔327〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約100の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔312〕~〔324〕のいずれか一項に記載のキット。
〔328〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約1000の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔312〕~〔324〕のいずれか一項に記載のキット。
〔329〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも3つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔312〕~〔328〕のいずれか一項に記載のキット。
〔330〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも5つが、異なる配列を含む、〔312〕~〔328〕のいずれか一項に記載のキット。
〔331〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも10個が、異なる配列を含む、〔312〕~〔328〕のいずれか一項に記載のキット。
〔332〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも100個が、異なる配列を含む、〔312〕~〔328〕のいずれか一項に記載のキット。
〔333〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、
第1のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと、
第2のコントロールバーコード配列を各々含む複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと
を含み、
前記第1のコントロールバーコード配列および前記第2のコントロールバーコード配列が、異なる配列を有する、〔312〕~〔332〕のいずれか一項に記載のキット。
〔334〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数がほぼ同じである、〔333〕に記載のキット。
〔335〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数および前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が異なる、〔333〕のいずれか一項に記載のキット。
〔336〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも2倍多い、〔335〕に記載のキット。
〔337〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より少なくとも10倍多い、〔335〕に記載のキット。
〔338〕
前記複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、前記複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数より約100倍多い、〔335〕に記載のキット。
〔339〕
前記コントロールバーコード配列が、1つの種のゲノム配列に対して相同でない、〔312〕~〔338〕のいずれか一項に記載のキット。
〔340〕
前記コントロールバーコード配列が、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔312〕~〔338〕のいずれか一項に記載のキット。
〔341〕
前記種が非哺乳動物種である、〔340〕に記載のキット。
〔342〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔341〕に記載のキット。
〔343〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔342〕に記載のキット。
〔344〕
前記第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、バーコード配列を含む、〔312〕~〔343〕のいずれか一項に記載のキット。
〔345〕
前記第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔312〕~〔344〕のいずれか一項に記載のキット。
〔346〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、リンカーを介して前記コントロール粒子に関連付けられる、〔312〕~〔345〕のいずれか一項に記載のキット。
〔347〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つが、前記リンカーを含む、〔346〕に記載のキット。
〔348〕
前記リンカーが化学基を含む、〔346〕~〔347〕のいずれか一項に記載のキット。
〔349〕
前記化学基が、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに可逆的に結合される、〔348〕に記載のキット。
〔350〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔348〕~〔349〕のいずれか一項に記載のキット。
〔351〕
前記コントロール粒子の直径が、約1~1000マイクロメートルである、〔312〕~〔350〕のいずれか一項に記載のキット。
〔352〕
前記コントロール粒子の直径が、約10~100マイクロメートルである、〔312〕~〔350〕のいずれか一項に記載のキット。
〔353〕
前記コントロール粒子の直径が、約7.5マイクロメートルである、〔312〕~〔350〕のいずれか一項に記載のキット。
〔354〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子上に固定される、〔312〕~〔353〕のいずれか一項に記載のキット。
〔355〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子上に部分的に固定される、〔312〕~〔353〕のいずれか一項に記載のキット。
〔356〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子に封入される、〔312〕~〔353〕のいずれか一項に記載のキット。
〔357〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記コントロール粒子に部分的に封入される、〔312〕~〔353〕のいずれか一項に記載のキット。
〔358〕
前記コントロール粒子が崩壊性である、〔312〕~〔357〕のいずれか一項に記載のキット。
〔359〕
前記コントロール粒子が、ビーズを含む、〔312〕~〔358〕のいずれか一項に記載のキット。
〔360〕
前記ビーズが、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔359〕に記載のキット。
〔361〕
前記コントロール粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む、〔312〕~〔360〕のいずれか一項に記載のキット。
〔362〕
前記コントロール粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔312〕~〔361〕のいずれか一項に記載のキット。
〔363〕
前記コントロール粒子が、検出可能な部分に関連付けられる、〔312〕~〔362〕のいずれか一項に記載のキット。
〔364〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、検出可能な部分に関連付けられる、〔312〕~〔363〕のいずれか一項に記載のキット。
〔365〕
前記コントロール粒子が、複数の第1のタンパク質結合試薬に関連付けられ、
前記複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられる、〔312〕~〔364〕のいずれか一項に記載のキット。
〔366〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、第1の抗体を含む、〔365〕に記載のキット。
〔367〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記第1のタンパク質結合試薬に結合される、〔365〕~〔366〕のいずれか一項に記載のキット。
〔368〕
前記第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、前記リンカーを含む、〔367〕に記載のキット。
〔369〕
前記リンカーが化学基を含む、〔367〕~〔368〕のいずれか一項に記載のキット。
〔370〕
前記化学基が、前記第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔369〕に記載のキット。
〔371〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔369〕~〔370〕のいずれか一項に記載のキット。
〔372〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、同一のコントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられる、〔365〕~〔371〕のいずれか一項に記載のキット。
〔373〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、異なるコントロールバーコード配列を有する前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上に関連付けられる、〔365〕~〔372〕のいずれか一項に記載のキット。
〔374〕
前記複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのいずれかに関連付けられない、〔365〕~〔373〕のいずれか一項に記載のキット。
〔375〕
前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた前記第1のタンパク質結合試薬およびいずれのコントロール粒子オリゴヌクレオチドにも関連付けられない前記第1のタンパク質結合試薬が、同一のタンパク質結合試薬である、〔374〕に記載のキット。
〔376〕
前記コントロール粒子が、複数の第2のタンパク質結合試薬に関連付けられる、〔365〕~〔375〕のいずれか一項に記載のキット。
〔377〕
前記複数の第2のタンパク質結合試薬の少なくとも1つが、前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つに関連付けられる、〔376〕に記載のキット。
〔378〕
前記第1のタンパク質結合試薬に関連付けられた前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび前記第2のタンパク質結合試薬に関連付けられた前記コントロール粒子オリゴヌクレオチドが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔377〕に記載のキット。
〔379〕
前記第1のタンパク質結合試薬および前記第2のタンパク質結合試薬が、同一のタンパク質結合試薬である、〔377〕に記載のキット。
〔380〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、パートナー結合試薬に関連付けられ、前記第1のタンパク質結合試薬が、前記パートナー結合試薬を用いて前記コントロール粒子に関連付けられる、〔365〕~〔375〕のいずれか一項に記載のキット。
〔381〕
前記パートナータンパク質結合試薬が、パートナー抗体を含む、〔380〕に記載のキット。
〔382〕
前記パートナー抗体が、抗ネコ抗体、抗ニワトリ抗体、抗ウシ抗体、抗イヌ抗体、抗ロバ抗体、抗ヤギ抗体、抗モルモット抗体、抗ハムスター抗体、抗ウマ抗体、抗ヒト抗体、抗ラマ抗体、抗サル抗体、抗マウス抗体、抗ブタ抗体、抗ウサギ抗体、抗ラット抗体、抗ヒツジ抗体、またはそれらの組合せを含む、〔381〕に記載のキット。
〔383〕
前記第2の抗体が、免疫グロブリンG(IgG)、F(ab’)フラグメント、F(ab’)
2
フラグメント、それらの組合せ、またはそれらのフラグメントを含む、〔381〕~〔382〕のいずれか一項に記載のキット。
〔384〕
前記第1のタンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔312〕~〔383〕のいずれか一項に記載のキット。
〔385〕
前記第2のタンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔312〕~〔384〕のいずれか一項に記載のキット。
〔386〕
複数のバーコードを含む、〔312〕~〔383〕のいずれか一項に記載のキット。
〔387〕
前記複数のバーコードのバーコードが、標的結合領域およびバーコード配列を含み、
前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる分子標識配列を含む、〔386〕に記載のキット。
〔388〕
前記バーコードが、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む、〔387〕に記載のキット。
〔389〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔387〕~〔388〕のいずれか一項に記載のキット。
〔390〕
前記複数のバーコードが、バーコーディング粒子に関連付けられる、〔386〕~〔389〕のいずれか一項に記載のキット。
〔391〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に固定される、〔390〕に記載のキット。
〔392〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に部分的に固定される、〔390〕に記載のキット。
〔393〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に封入される、〔390〕に記載のキット。
〔394〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に部分的に封入される、〔390〕に記載のキット。
〔395〕
前記バーコーディング粒子が崩壊性である、〔390〕~〔394〕のいずれか一項に記載のキット。
〔396〕
前記バーコーディング粒子が、第2のビーズを含む、〔390〕~〔395〕のいずれか一項に記載のキット。
〔397〕
前記バーコーディング粒子が、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔390〕~〔396〕のいずれか一項に記載のキット。
〔398〕
前記バーコーディング粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む、〔390〕~〔397〕のいずれか一項に記載のキット。
〔399〕
前記バーコーディング粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔390〕~〔398〕のいずれか一項に記載のキット。
〔400〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔390〕~〔399〕のいずれか一項に記載のキット。
〔401〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔390〕~〔400〕のいずれか一項に記載のキット。
〔402〕
前記バーコードの前記バーコード配列が、ランダム配列を含む、〔390〕~〔401〕のいずれか一項に記載のキット。
〔403〕
前記バーコーディング粒子が、少なくとも10000のバーコードを含む、〔390〕~〔402〕のいずれか一項に記載のキット。
〔404〕
DNAポリメラーゼを含む、〔306〕~〔403〕のいずれか一項に記載のキット。
〔405〕
ポリメラーゼ鎖反応(PCR)用の試薬を含む、〔306〕~〔404〕のいずれか一項に記載のキット。
〔406〕
シーケンシングコントロールのための方法であって、
複数の細胞の1つ以上の細胞を、複数のコントロール組成物のうちの1つのコントロール組成物と接触させる工程であって、
前記複数の細胞のうちの1つの細胞が、複数の標的および複数のタンパク質標的を含み、
前記複数のコントロール組成物の各々が、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、前記コントロールオリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列、および前記複数のバーコードの少なくとも1つの前記標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;
複数のバーコードを用いて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
前記シーケンシングデータ中の前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの特性を用いて、前記1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程と、
を含む、方法。
〔407〕
前記擬似標的領域が、ポリ(dA)領域を含む、〔406〕に記載の方法。
〔408〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔406〕~〔407〕のいずれか一項に記載の方法。
〔409〕
前記コントロールバーコード配列が、25~45ヌクレオチド長である、〔406〕~〔407〕のいずれか一項に記載の方法。
〔410〕
前記コントロールバーコード配列が、約128ヌクレオチド長である、〔406〕~〔407〕のいずれか一項に記載の方法。
〔411〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔406〕~〔407〕のいずれか一項に記載の方法。
〔412〕
前記コントロールバーコード配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔406〕~〔407〕のいずれか一項に記載の方法。
〔413〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔406〕~〔409〕のいずれか一項に記載の方法。
〔414〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔406〕~〔409〕のいずれか一項に記載の方法。
〔415〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔406〕~〔411〕のいずれか一項に記載の方法。
〔416〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔406〕~〔411〕のいずれか一項に記載の方法。
〔417〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔406〕~〔412〕のいずれか一項に記載の方法。
〔418〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔406〕~〔412〕のいずれか一項に記載の方法。
〔419〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つの前記コントロールバーコード配列が同一である、〔406〕~〔418〕のいずれか一項に記載の方法。
〔420〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約10の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔406〕~〔418〕のいずれか一項に記載の方法。
〔421〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約100の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔406〕~〔418〕のいずれか一項に記載の方法。
〔422〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約1000の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔406〕~〔418〕のいずれか一項に記載の方法。
〔423〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔406〕~〔422〕のいずれか一項に記載の方法。
〔424〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも10個が、異なる配列を含む、〔406〕~〔422〕のいずれか一項に記載の方法。
〔425〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも100個が、異なる配列を含む、〔406〕~〔422〕のいずれか一項に記載の方法。
〔426〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1000個が、異なる配列を含む、〔406〕~〔422〕のいずれか一項に記載の方法。
〔427〕
前記1つ以上の細胞の前記少なくとも1つの特性を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を決定する工程と;
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程と
を含む、〔406〕~〔426〕のいずれか一項に記載の方法。
〔428〕
決定された前記1つ以上の細胞の数に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む、〔427〕に記載の方法。
〔429〕
決定された前記1つ以上の細胞の数および前記複数の細胞の数の比率に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む、〔427〕に記載の方法。
〔430〕
前記シーケンシングデータ中の前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドの前記特性を用いて、前記1つ以上の細胞の前記少なくとも1つの特性を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の各細胞標識について、前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程と;
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程と、
を含む、〔406〕~〔426〕のいずれか一項に記載の方法。
〔431〕
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の各細胞標識について、前記細胞標識に関連付けられた最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程を含む、〔430〕に記載の方法。
〔432〕
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程が、
最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数に関連付けられた前記シーケンシングデータ中の細胞標識の数を用いて、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数のプロットを作成する工程と;
前記1つ以上の細胞の数として前記プロットにおけるカットオフを決定する工程と、
を含む、〔431〕に記載の方法。
〔433〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記複数の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない、〔406〕~〔432〕のいずれか一項に記載の方法。
〔434〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔406〕~〔433〕のいずれか一項に記載の方法。
〔435〕
前記種が非哺乳動物種である、〔434〕に記載の方法。
〔436〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔435〕に記載の方法。
〔437〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔436〕に記載の方法。
〔438〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、前記タンパク質結合試薬から前記コントロールオリゴヌクレオチドを放出する工程を含む、〔406〕~〔433〕のいずれか一項に記載の方法。
〔439〕
前記複数のコントロール組成物の結合されていないコントロール組成物を除去する工程を含む、〔406〕~〔438〕のいずれか一項に記載の方法。
〔440〕
前記結合されていないコントロール組成物を除去する工程が、前記複数の細胞の前記1つ以上の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む、〔439〕に記載の方法。
〔441〕
前記結合されていない細胞同定組成物を除去する工程が、フローサイトメトリーを用いて、前記コントロール組成物の少なくとも1つのタンパク質結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含む、〔439〕に記載の方法。
〔442〕
前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つが、細胞表面上にある、〔406〕~〔438〕のいずれか一項に記載の方法。
〔443〕
前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つが、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔406〕~〔442〕のいずれか一項に記載の方法。
〔444〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体を含む、〔406〕~〔443〕のいずれか一項に記載の方法。
〔445〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記タンパク質結合試薬に結合される、〔406〕~〔444〕のいずれか一項に記載の方法。
〔446〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記リンカーを含む、〔445〕に記載の方法。
〔447〕
前記リンカーが化学基を含む、〔445〕~〔446〕のいずれか一項に記載の方法。
〔448〕
前記化学基が、前記第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔447〕に記載の方法。
〔449〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔447〕~〔448〕のいずれか一項に記載の方法。
〔450〕
前記タンパク質結合試薬が、同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔406〕~〔449〕のいずれか一項に記載の方法。
〔451〕
前記タンパク質結合試薬が、異なる同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔406〕~〔449〕のいずれか一項に記載の方法。
〔452〕
前記複数のコントロール組成物の第2のタンパク質結合試薬は、前記コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられない、〔406〕~〔451〕のいずれか一項に記載の方法。
〔453〕
前記タンパク質結合試薬および前記第2のタンパク質結合試薬が同一である、〔452〕に記載の方法。
〔454〕
前記バーコードが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔406〕~〔453〕のいずれか一項に記載の方法。
〔455〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔406〕~〔454〕のいずれか一項に記載の方法。
〔456〕
前記複数のバーコードが、バーコーディング粒子に関連付けられる、〔406〕~〔454〕のいずれか一項に記載の方法。
〔457〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に固定される、〔456〕に記載の方法。
〔458〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に部分的に固定される、〔456〕に記載の方法。
〔459〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に封入される、〔456〕に記載の方法。
〔460〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に部分的に封入される、〔456〕に記載の方法。
〔461〕
前記バーコーディング粒子が崩壊性である、〔456〕~〔460〕のいずれか一項に記載の方法。
〔462〕
前記バーコーディング粒子が、バーコーディングビーズを含む、〔456〕~〔461〕のいずれか一項に記載の方法。
〔463〕
前記バーコーディングビーズが、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔456〕~〔462〕のいずれか一項に記載の方法。
〔464〕
前記バーコーディング粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含む、〔456〕~〔463〕のいずれか一項に記載の方法。
〔465〕
前記バーコーディング粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔456〕~〔464〕のいずれか一項に記載の方法。
〔466〕
前記バーコーディング粒子が、光学的部分に関連付けられる、〔456〕~〔465〕のいずれか一項に記載の方法。
〔467〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、光学的部分に関連付けられる、〔456〕~〔466〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔468〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔456〕~〔467〕のいずれか一項に記載の方法。
〔469〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔456〕~〔468〕のいずれか一項に記載の方法。
〔470〕
前記バーコードの前記バーコード配列が、ランダム配列を含む、〔456〕~〔469〕のいずれか一項に記載の方法。
〔471〕
前記バーコーディング粒子が、少なくとも10000のバーコードを含む、〔456〕~〔470〕のいずれか一項に記載の方法。
〔472〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、複数のバーコードを用いて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔406〕~〔471〕のいずれか一項に記載の方法。
〔473〕
前記複数のバーコードを用いて、前記複数のコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、
前記複数のバーコードを、前記複数のコントロール組成物のコントロールオリゴヌクレオチドと接触させて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;
前記コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程と、
を含む、〔406〕~〔472〕のいずれか一項に記載の方法。
〔474〕
前記バーコードを伸長する工程が、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、前記バーコードを伸長する工程を含む、〔473〕に記載の方法。
〔475〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む、〔406〕~〔474〕のいずれか一項に記載の方法。
〔476〕
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程が、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含む、〔475〕に記載の方法。
〔477〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む、〔475〕~〔476〕のいずれか一項に記載の方法。
〔478〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む、〔477〕に記載の方法。
〔479〕
シーケンシングコントロールのための方法であって、
複数の細胞の1つ以上の細胞を、複数のコントロール組成物のうちの1つのコントロール組成物と接触させる工程であって、
前記複数の細胞のうちの1つの細胞が、複数の標的および複数の結合標的を含み、
前記複数のコントロール組成物の各々が、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた細胞成分結合試薬を含み、前記細胞成分結合試薬が、前記複数の結合標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、前記コントロールオリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列、および前記複数のバーコードの少なくとも1つの前記標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;
複数のバーコードを用いて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
前記シーケンシングデータ中の前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの特性を用いて、前記1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程と、
を含む、方法。
〔480〕
前記擬似標的領域が、ポリ(dA)領域を含む、〔479〕に記載の方法。
〔481〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔479〕~〔480〕のいずれか一項に記載の方法。
〔482〕
前記コントロールバーコード配列が、25~45ヌクレオチド長である、〔479〕~〔480〕のいずれか一項に記載の方法。
〔483〕
前記コントロールバーコード配列が、約128ヌクレオチド長である、〔479〕~〔480〕のいずれか一項に記載の方法。
〔484〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔479〕~〔480〕のいずれか一項に記載の方法。
〔485〕
前記コントロールバーコード配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔479〕~〔480〕のいずれか一項に記載の方法。
〔486〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔479〕~〔482〕のいずれか一項に記載の方法。
〔487〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔479〕~〔482〕のいずれか一項に記載の方法。
〔488〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔479〕~〔484〕のいずれか一項に記載の方法。
〔489〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔479〕~〔484〕のいずれか一項に記載の方法。
〔490〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔479〕~〔485〕のいずれか一項に記載の方法。
〔491〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔479〕~〔485〕のいずれか一項に記載の方法。
〔492〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つの前記コントロールバーコード配列が同一である、〔479〕~〔491〕のいずれか一項に記載の方法。
〔493〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約10の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔479〕~〔491〕のいずれか一項に記載の方法。
〔494〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約100の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔479〕~〔491〕のいずれか一項に記載の方法。
〔495〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約1000の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔479〕~〔491〕のいずれか一項に記載の方法。
〔496〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔479〕~〔495〕のいずれか一項に記載の方法。
〔497〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも10個が、異なる配列を含む、〔479〕~〔495〕のいずれか一項に記載の方法。
〔498〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも100個が、異なる配列を含む、〔479〕~〔495〕のいずれか一項に記載の方法。
〔499〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1000個が、異なる配列を含む、〔479〕~〔495〕のいずれか一項に記載の方法。
〔500〕
前記1つ以上の細胞の前記少なくとも1つの特性を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を決定する工程と;
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程と、
を含む、〔479〕~〔499〕のいずれか一項に記載の方法。
〔501〕
決定された前記1つ以上の細胞の数に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む、〔500〕に記載の方法。
〔502〕
決定された前記1つ以上の細胞の数および前記複数の細胞の数の比率に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む、〔500〕に記載の方法。
〔503〕
前記1つ以上の細胞の前記少なくとも1つの特性を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の各細胞標識について、前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程と;
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程と、
を含む、〔479〕~〔499〕のいずれか一項に記載の方法。
〔504〕
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の各細胞標識について、前記細胞標識に関連付けられた最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程を含む、〔503〕に記載の方法。
〔505〕
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程が、
最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数に関連付けられた前記シーケンシングデータ中の細胞標識の数を用いて、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数のプロットを作成する工程と;
前記1つ以上の細胞の数として前記プロットにおけるカットオフを決定する工程と、
を含む、〔504〕に記載の方法。
〔506〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記複数の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない、〔479〕~〔505〕のいずれか一項に記載の方法。
〔507〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔479〕~〔506〕のいずれか一項に記載の方法。
〔508〕
前記種が非哺乳動物種である、〔507〕に記載の方法。
〔509〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔508〕に記載の方法。
〔510〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔509〕に記載の方法。
〔511〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、前記細胞成分結合試薬から前記コントロールオリゴヌクレオチドを放出する工程を含む、〔479〕~〔506〕のいずれか一項に記載の方法。
〔512〕
前記複数の結合標的の少なくとも1つが、細胞表面上で発現される、〔479〕~〔511〕のいずれか一項に記載の方法。
〔513〕
前記複数の結合標的の少なくとも1つが、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔479〕~〔512〕のいずれか一項に記載の方法。
〔514〕
前記細胞成分結合試薬が、細胞表面結合試薬、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、浸潤、またはそれらの組合せを含む、〔479〕~〔513〕のいずれか一項に記載の方法。
〔515〕
前記細胞成分結合試薬の結合標的が、10~100の異なる結合標的を含む群から選択される、〔479〕~〔514〕のいずれか一項に記載の方法。
〔516〕
前記細胞成分結合試薬の結合標的が、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む、〔515〕に記載の方法。
〔517〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記細胞成分結合試薬に結合される、〔479〕~〔516〕のいずれか一項に記載の方法。
〔518〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記リンカーを含む、〔517〕に記載の方法。
〔519〕
前記リンカーが化学基を含む、〔517〕~〔518〕のいずれか一項に記載の方法。
〔520〕
前記化学基が、前記第1の細胞成分結合試薬に可逆的に結合される、〔519〕に記載の方法。
〔521〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔519〕~〔520〕のいずれか一項に記載の方法。
〔522〕
前記細胞成分結合試薬が、同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔479〕~〔521〕のいずれか一項に記載の方法。
〔523〕
前記細胞成分結合試薬が、異なる同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔479〕~〔521〕のいずれか一項に記載の方法。
〔524〕
前記複数のコントロール組成物の第2の細胞成分結合試薬は、前記コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられない、〔479〕~〔523〕のいずれか一項に記載の方法。
〔525〕
前記細胞成分結合試薬および前記第2の細胞成分結合試薬が同一である、〔524〕に記載の方法。
〔526〕
前記バーコードが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔479〕~〔525〕のいずれか一項に記載の方法。
〔527〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔479〕~〔526〕のいずれか一項に記載の方法。
〔528〕
前記複数のバーコードが、バーコーディング粒子に関連付けられる、〔479〕~〔527〕のいずれか一項に記載の方法。
〔529〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に固定される、〔528〕に記載の方法。
〔530〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に部分的に固定される、〔528〕に記載の方法。
〔531〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に封入される、〔528〕に記載の方法。
〔532〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に部分的に封入される、〔528〕に記載の方法。
〔533〕
前記バーコーディング粒子が崩壊性である、〔529〕~〔532〕のいずれか一項に記載の方法。
〔534〕
前記バーコーディング粒子が、バーコーディングビーズを含む、〔528〕~〔533〕のいずれか一項に記載の方法。
〔535〕
前記バーコーディング粒子が、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔528〕~〔534〕のいずれか一項に記載の方法。
〔536〕
前記バーコーディング粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含む、〔528〕~〔535〕のいずれか一項に記載の方法。
〔537〕
前記バーコーディング粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔528〕~〔536〕のいずれか一項に記載の方法。
〔538〕
前記バーコーディング粒子が、光学的部分に関連付けられる、〔528〕~〔537〕のいずれか一項に記載の方法。
〔539〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、光学的部分に関連付けられる、〔528〕~〔538〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔540〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔528〕~〔536〕のいずれか一項に記載の方法。
〔541〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔528〕~〔540〕のいずれか一項に記載の方法。
〔542〕
前記バーコードの前記バーコード配列が、ランダム配列を含む、〔528〕~〔541〕のいずれか一項に記載の方法。
〔543〕
前記バーコーディング粒子が、少なくとも10000のバーコードを含む、〔528〕~〔542〕のいずれか一項に記載の方法。
〔544〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、複数のバーコードを用いて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔479〕~〔543〕のいずれか一項に記載の方法。
〔545〕
前記複数のバーコードを用いて、前記複数のコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、
前記複数のバーコードを、前記複数のコントロール組成物のコントロールオリゴヌクレオチドと接触させて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;
前記コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程と、
を含む、〔479〕~〔544〕のいずれか一項に記載の方法。
〔546〕
前記バーコードを伸長する工程が、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、前記バーコードを伸長する工程を含む、〔545〕に記載の方法。
〔547〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む、〔479〕~〔546〕のいずれか一項に記載の方法。
〔548〕
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程が、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含む、〔547〕に記載の方法。
〔549〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む、〔547〕~〔548〕のいずれか一項に記載の方法。
〔550〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む、〔549〕に記載の方法。
〔551〕
シーケンシングコントロールのための方法であって、
複数の細胞の1つ以上の細胞を、複数のコントロール組成物のうちの1つのコントロール組成物と接触させる工程であって、
前記複数の細胞のうちの1つの細胞が、複数の標的および複数のタンパク質標的を含み、
前記複数のコントロール組成物の各々が、コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、前記コントロールオリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列、および前記複数のバーコードの少なくとも1つの前記標的結合領域に実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;
前記複数のコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの特性を用いて、前記1つ以上の細胞の少なくとも1つの特性を決定する工程と、
を含む、方法。
〔552〕
前記擬似標的領域が、ポリ(dA)領域を含む、〔551〕に記載の方法。
〔553〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔551〕~〔552〕のいずれか一項に記載の方法。
〔554〕
前記コントロールバーコード配列が、25~45ヌクレオチド長である、〔551〕~〔552〕のいずれか一項に記載の方法。
〔555〕
前記コントロールバーコード配列が、約128ヌクレオチド長である、〔551〕~〔552〕のいずれか一項に記載の方法。
〔556〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔551〕~〔552〕のいずれか一項に記載の方法。
〔557〕
前記コントロールバーコード配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔551〕~〔552〕のいずれか一項に記載の方法。
〔558〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔551〕~〔554〕のいずれか一項に記載の方法。
〔559〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔551〕~〔554〕のいずれか一項に記載の方法。
〔560〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔551〕~〔556〕のいずれか一項に記載の方法。
〔561〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔551〕~〔556〕のいずれか一項に記載の方法。
〔562〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔551〕~〔557〕のいずれか一項に記載の方法。
〔563〕
前記コントロールバーコードオリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔551〕~〔557〕のいずれか一項に記載の方法。
〔564〕
前記コントロールバーコード配列が、25~45ヌクレオチド長である、〔551〕~〔563〕のいずれか一項に記載の方法。
〔565〕
前記コントロールバーコード配列が、約128ヌクレオチド長である、〔551〕~〔552〕のいずれか一項に記載の方法。
〔566〕
前記コントロールバーコード配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔551〕~〔552〕のいずれか一項に記載の方法。
〔567〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つの前記コントロールバーコード配列が同一である、〔551〕~〔566〕のいずれか一項に記載の方法。
〔568〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約10の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔551〕~〔566〕のいずれか一項に記載の方法。
〔569〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約100の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔551〕~〔566〕のいずれか一項に記載の方法。
〔570〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの約1000の前記コントロールバーコード配列が同一である、〔551〕~〔566〕のいずれか一項に記載の方法。
〔571〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つが、異なるコントロールバーコード配列を含む、〔551〕~〔570〕のいずれか一項に記載の方法。
〔572〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも10個が、異なる配列を含む、〔551〕~〔570〕のいずれか一項に記載の方法。
〔573〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも100個が、異なる配列を含む、〔551〕~〔570〕のいずれか一項に記載の方法。
〔574〕
前記複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1000個が、異なる配列を含む、〔551〕~〔570〕のいずれか一項に記載の方法。
〔575〕
前記1つ以上の細胞の前記少なくとも1つの特性を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を決定する工程と;
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程と、
を含む、〔551〕~〔574〕のいずれか一項に記載の方法。
〔576〕
決定された前記1つ以上の細胞の数に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む、〔575〕に記載の方法。
〔577〕
決定された前記1つ以上の細胞の数および前記複数の細胞の数の比率に基づいて、単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む、〔575〕に記載の方法。
〔578〕
前記1つ以上の細胞の前記少なくとも1つの特性を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の各細胞標識について、前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程と;
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程と、
を含む、〔551〕~〔574〕のいずれか一項に記載の方法。
〔579〕
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程が、
前記シーケンシングデータ中の各細胞標識について、前記細胞標識に関連付けられた最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を決定する工程を含む、〔578〕に記載の方法。
〔580〕
前記細胞標識に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列および前記コントロールバーコード配列の数を用いて、前記1つ以上の細胞の数を決定する工程が、
最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数に関連付けられた前記シーケンシングデータ中の細胞標識の数を用いて、最高数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数のプロットを作成する工程と;
前記1つ以上の細胞の数として前記プロットにおけるカットオフを決定する工程と、
を含む、〔579〕に記載の方法。
〔581〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記複数の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない、〔551〕~〔580〕のいずれか一項に記載の方法。
〔582〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔551〕~〔581〕のいずれか一項に記載の方法。
〔583〕
前記種が非哺乳動物種である、〔582〕に記載の方法。
〔584〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔583〕に記載の方法。
〔585〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔584〕に記載の方法。
〔586〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、前記タンパク質結合試薬から前記コントロールオリゴヌクレオチドを放出する工程を含む、〔551〕~〔585〕のいずれか一項に記載の方法。
〔587〕
前記複数のコントロール組成物の結合されていないコントロール組成物を除去する工程を含む、〔551〕~〔586〕のいずれか一項に記載の方法。
〔588〕
前記結合されていないコントロール組成物を除去する工程が、前記複数の細胞の前記1つ以上の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む、〔587〕に記載の方法。
〔589〕
前記結合されていない細胞同定組成物を除去する工程が、フローサイトメトリーを用いて、前記コントロール組成物の少なくとも1つのタンパク質結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含む、〔588〕に記載の方法。
〔590〕
前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つが、細胞表面上で発現される、〔551〕~〔589〕のいずれか一項に記載の方法。
〔591〕
前記複数のタンパク質標的の少なくとも1つが、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔551〕~〔590〕のいずれか一項に記載の方法。
〔592〕
前記タンパク質結合試薬が、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、細胞内タンパク質またはそれらの任意の組合せを含む、〔551〕~〔591〕のいずれか一項に記載の方法。
〔593〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記タンパク質結合試薬に結合される、〔592〕に記載の方法。
〔594〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記リンカーを含む、〔593〕に記載の方法。
〔595〕
前記リンカーが化学基を含む、〔593〕~〔594〕のいずれか一項に記載の方法。
〔596〕
前記化学基が、前記第1のタンパク質結合試薬に可逆的に結合される、〔595〕に記載の方法。
〔597〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔595〕~〔596〕のいずれか一項に記載の方法。
〔598〕
前記タンパク質結合試薬が、同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔551〕~〔597〕のいずれか一項に記載の方法。
〔599〕
前記タンパク質結合試薬が、異なる同一のコントロールバーコード配列を有する2つ以上のコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔551〕~〔597〕のいずれか一項に記載の方法。
〔600〕
前記複数のコントロール組成物の第2のタンパク質結合試薬は、前記コントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられない、〔551〕~〔599〕のいずれか一項に記載の方法。
〔601〕
前記タンパク質結合試薬および前記第2のタンパク質結合試薬が同一である、〔600〕に記載の方法。
〔602〕
前記バーコードが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔551〕~〔601〕のいずれか一項に記載の方法。
〔603〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔551〕~〔602〕のいずれか一項に記載の方法。
〔604〕
前記複数のバーコードが、バーコーディング粒子に関連付けられる、〔551〕~〔602〕のいずれか一項に記載の方法。
〔605〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に固定される、〔604〕に記載の方法。
〔606〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子上に部分的に固定される、〔604〕に記載の方法。
〔607〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に封入される、〔604〕に記載の方法。
〔608〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記バーコーディング粒子に部分的に封入される、〔604〕に記載の方法。
〔609〕
前記バーコーディング粒子が崩壊性である、〔604〕~〔608〕のいずれか一項に記載の方法。
〔610〕
前記バーコーディング粒子が、バーコーディングビーズを含む、〔604〕~〔609〕のいずれか一項に記載の方法。
〔611〕
前記バーコーディング粒子が、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔604〕~〔610〕のいずれか一項に記載の方法。
〔612〕
前記バーコーディング粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含む、〔604〕~〔611〕のいずれか一項に記載の方法。
〔613〕
前記バーコーディング粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔604〕~〔612〕のいずれか一項に記載の方法。
〔614〕
前記バーコーディング粒子が、光学的部分に関連付けられる、〔604〕~〔613〕のいずれか一項に記載の方法。
〔615〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドが、光学的部分に関連付けられる、〔604〕~〔614〕のいずれか一項に記載のコントロール粒子組成物。
〔616〕
複数のバーコードを用いて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程であって、前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
を含む、〔604〕~〔615〕のいずれか一項に記載の方法。
〔617〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔616〕~〔612〕のいずれか一項に記載の方法。
〔618〕
前記バーコーディング粒子の前記バーコードが、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔616〕~〔617〕のいずれか一項に記載の方法。
〔619〕
前記バーコードの前記バーコード配列が、ランダム配列を含む、〔616〕~〔618〕のいずれか一項に記載の方法。
〔620〕
前記バーコーディング粒子が、少なくとも10000のバーコードを含む、〔616〕~〔619〕のいずれか一項に記載の方法。
〔621〕
前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、複数のバーコードを用いて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔616〕~〔620〕のいずれか一項に記載の方法。
〔622〕
前記複数のバーコードを用いて、前記複数のコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、
前記複数のバーコードを、前記複数のコントロール組成物のコントロールオリゴヌクレオチドと接触させて、前記コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;
前記コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程と、
を含む、〔616〕~〔621〕のいずれか一項に記載の方法。
〔623〕
前記バーコードを伸長する工程が、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを用いて、前記バーコードを伸長する工程を含む、〔622〕に記載の方法。
〔624〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む、〔616〕~〔623〕のいずれか一項に記載の方法。
〔625〕
前記複数のバーコード付きのコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程が、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含む、〔624〕に記載の方法。
〔626〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む、〔624〕~〔625〕のいずれか一項に記載の方法。
〔627〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記コントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む、〔626〕に記載の方法。
〔628〕
細胞同定のための方法であって、
第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、それぞれ複数の細胞同定組成物の2つの細胞同定組成物と接触させる工程であって、
前記第1の複数の細胞の各々および前記第2の複数の細胞の各々が、1つ以上のタンパク質標的を含み、前記2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記1つ以上のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、前記2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;
複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
得られた前記シーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列を同定する工程と;
得られた前記シーケンシングデータから、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた前記1つ以上の細胞標識配列に関連付けられた前記シーケンシングデータを除去する工程と、
を含む、方法。
〔629〕
多重同定のための方法であって、
第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、それぞれ複数の細胞同定組成物の2つの細胞同定組成物と接触させる工程であって、
前記第1の複数の細胞の各々および前記第2の複数の細胞の各々が、1つ以上のタンパク質標的を含み、前記2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられたタンパク質結合試薬を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記1つ以上のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、前記2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;
複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
得られた前記シーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の多細胞標識配列を同定する工程と、
を含む、方法。
〔630〕
細胞同定のための方法であって、
第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、それぞれ複数の細胞同定組成物の2つの細胞同定組成物と接触させる工程であって、
前記第1の複数の細胞の各々および前記第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の細胞成分標的を含み、前記2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた細胞成分結合試薬を含み、前記細胞成分結合試薬が、前記1つ以上の細胞成分標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、前記2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;
複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
得られた前記シーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列を同定する工程と;
得られた前記シーケンシングデータから、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた前記1つ以上の細胞標識配列に関連付けられた前記シーケンシングデータを除去する工程と、
を含む、方法。
〔631〕
多重同定のための方法であって、
第1の複数の細胞および第2の複数の細胞を、それぞれ複数の細胞同定組成物の2つの細胞同定組成物と接触させる工程であって、
前記第1の複数の細胞の各々および前記第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の細胞成分標的を含み、前記2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた細胞成分結合試薬を含み、前記細胞成分結合試薬が、前記1つ以上の細胞成分標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、前記2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;
複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
前記シーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の多細胞標識配列を同定する工程と、
を含む、方法。
〔632〕
前記細胞成分結合試薬が、タンパク質結合試薬を含み、前記タンパク質結合試薬が、前記細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられ、前記1つ以上の細胞成分標的が、1つ以上のタンパク質標的を含む、〔630〕~〔631〕のいずれか一項に記載の方法。
〔633〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞を、前記2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程が、
前記第1の複数の細胞を、前記2つの細胞同定組成物の第1の細胞同定組成物と接触させる工程と;
前記第1の複数の細胞を、前記2つの細胞同定組成物の第2の細胞同定組成物と接触させる工程と、
を含む、〔628〕~〔632〕のいずれか一項に記載の方法。
〔634〕
前記細胞同定配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔628〕~〔633〕のいずれか一項に記載の方法。
〔635〕
前記細胞同定配列が、25~60ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔636〕
前記細胞同定配列が、約45ヌクレオチド長である、〔628〕~〔635〕のいずれか一項に記載の方法。
〔637〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔628〕~〔635〕のいずれか一項に記載の方法。
〔638〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔639〕
前記細胞同定配列が、約128ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔640〕
前記細胞同定配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔641〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔642〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔643〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔644〕
前記細胞同定配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔645〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔628〕~〔634〕のいずれか一項に記載の方法。
〔646〕
前記複数の細胞同定組成物の少なくとも10の細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む、〔628〕~〔645〕のいずれか一項に記載の方法。
〔647〕
前記複数の細胞同定組成物の少なくとも100の細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む、〔628〕~〔645〕のいずれか一項に記載の方法。
〔648〕
前記複数の細胞同定組成物の少なくとも1000の細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む、〔628〕~〔645〕のいずれか一項に記載の方法。
〔649〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、インテグリン、またはそれらの組合せを含む、〔628〕および〔632〕~〔648〕のいずれか一項に記載の方法。
〔650〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記タンパク質結合試薬に結合される、〔628〕および〔632〕~〔649〕のいずれか一項に記載の方法。
〔651〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔650〕に記載の方法。
〔652〕
前記リンカーが化学基を含む、〔650〕~〔651〕のいずれか一項に記載の方法。
〔653〕
前記化学基が、前記タンパク質結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に結合される、〔652〕に記載の方法。
〔654〕
前記化学基が、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合またはそれらの任意の組合せを含む、〔652〕~〔653〕のいずれか一項に記載の方法。
〔655〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の少なくとも1つが、単一細胞を含む、〔628〕~〔654〕のいずれか一項に記載の方法。
〔656〕
前記1つ以上のタンパク質標的の少なくとも1つが、細胞表面上にある、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔655〕のいずれか一項に記載の方法。
〔657〕
前記2つの細胞同定組成物の結合されていない細胞同定組成物を除去する工程を含む、〔628〕~〔656〕のいずれか一項に記載の方法。
〔658〕
前記結合されていない細胞同定組成物を除去する工程が、前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む、〔657〕に記載の方法。
〔659〕
前記結合されていない細胞同定組成物を除去する工程が、フローサイトメトリーを用いて、前記2つの細胞同定組成物の少なくとも1つの細胞成分結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含む、〔657〕に記載の方法。
〔660〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の細胞を溶解する工程を含む、〔628〕~〔659〕のいずれか一項に記載の方法。
〔661〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、前記タンパク質結合試薬から切り離し可能または切り離し不可能であるように構成される、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔660〕のいずれか一項に記載の方法。
〔662〕
前記タンパク質結合試薬から前記細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含む、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔661〕のいずれか一項に記載の方法。
〔663〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程が、UV光切断、化学的処理、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、前記タンパク質結合試薬から前記細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含む、〔662〕に記載の方法。
〔664〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、前記1つ以上の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない、〔628〕~〔663〕のいずれか一項に記載の方法。
〔665〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔628〕~〔664〕のいずれか一項に記載の方法。
〔666〕
前記種が非哺乳動物種である、〔665〕に記載の方法。
〔667〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔666〕に記載の方法。
〔668〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔667〕に記載の方法。
〔669〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の少なくとも1つが、腫瘍細胞または非腫瘍細胞を含む、〔628〕~〔668〕のいずれか一項に記載の方法。
〔670〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の少なくとも1つが、哺乳動物細胞、細菌細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含む、〔628〕~〔669〕のいずれか一項に記載の方法。
〔671〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含む、〔628〕~〔670〕のいずれか一項に記載の方法。
〔672〕
前記バーコードが、前記捕捉配列を含む標的結合領域を含む、〔671〕に記載の方法。
〔673〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔672〕に記載の方法。
〔674〕
前記バーコードの前記捕捉配列に相補的な前記細胞同定オリゴヌクレオチドの配列が、ポリ(dA)領域を含む、〔671〕~〔673〕のいずれか一項に記載の方法。
〔675〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、バーコード配列を含む、〔628〕~〔674〕のいずれか一項に記載の方法。
〔676〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔628〕~〔675〕のいずれか一項に記載の方法。
〔677〕
前記タンパク質標的が、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔676〕のいずれか一項に記載の方法。
〔678〕
前記タンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔677〕に記載の方法。
〔679〕
前記タンパク質標的が、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組合せを含む、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔678〕のいずれか一項に記載の方法。
〔680〕
前記タンパク質標的が、10~100の異なるタンパク質標的を含む群から選択される、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔679〕のいずれか一項に記載の方法。
〔681〕
前記タンパク質結合試薬が、同一の配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔680〕のいずれか一項に記載の方法。
〔682〕
前記タンパク質結合試薬が、異なる細胞同定配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔680〕のいずれか一項に記載の方法。
〔683〕
前記複数の細胞同定組成物の前記細胞同定組成物が、前記細胞同定オリゴヌクレオチドと結合されない第2のタンパク質結合試薬を含む、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔682〕のいずれか一項に記載の方法。
〔684〕
前記タンパク質結合試薬および前記第2のタンパク質結合試薬が同一である、〔683〕に記載の方法。
〔685〕
前記タンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔628〕~〔629〕および〔632〕~〔684〕のいずれか一項に記載の方法。
〔686〕
前記複数のバーコードのバーコードが、標的結合領域およびバーコード配列を含み、
前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる分子標識配列を含む、〔628〕~〔685〕のいずれか一項に記載の方法。
〔687〕
前記バーコードが、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む、〔686〕に記載の方法。
〔688〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔686〕~〔687〕のいずれか一項に記載の方法。
〔689〕
前記複数のバーコードが、1つの粒子に関連付けられる、〔686〕~〔688〕のいずれか一項に記載の方法。
〔690〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子上に固定される、〔689〕に記載の方法。
〔691〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子上に部分的に固定される、〔689〕に記載の方法。
〔692〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子に封入される、〔689〕に記載の方法。
〔693〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子に部分的に封入される、〔689〕に記載の方法。
〔694〕
前記粒子が崩壊性である、〔689〕~〔693〕のいずれか一項に記載の方法。
〔695〕
前記粒子がビーズを含む、〔689〕~〔694〕のいずれか一項に記載の方法。
〔696〕
前記粒子が、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔689〕~〔695〕のいずれか一項に記載の方法。
〔697〕
前記粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む、〔689〕~〔696〕のいずれか一項に記載の方法。
〔698〕
前記粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔689〕~〔697〕のいずれか一項に記載の方法。
〔699〕
前記粒子が、検出可能な部分に関連付けられる、〔689〕~〔698〕のいずれか一項に記載の方法。
〔700〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、検出可能な部分に関連付けられる、〔689〕~〔699〕のいずれか一項に記載の方法。
〔701〕
前記粒子の前記バーコードが、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔689〕~〔700〕のいずれか一項に記載の方法。
〔702〕
前記粒子の前記バーコードが、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔689〕~〔701〕のいずれか一項に記載の方法。
〔703〕
前記バーコードの前記バーコード配列が、ランダム配列を含む、〔689〕~〔702〕のいずれか一項に記載の方法。
〔704〕
前記粒子が、少なくとも10000のバーコードを含む、〔689〕~〔703〕のいずれか一項に記載の方法。
〔705〕
前記複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、
前記複数のバーコードを、前記細胞同定オリゴヌクレオチドと接触させて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;
前記細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程と、
を含む、〔628〕~〔704〕のいずれか一項に記載の方法。
〔706〕
前記バーコードを伸長する工程が、DNAポリメラーゼを用いて、前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔705〕に記載の方法。
〔707〕
前記バーコードを伸長する工程が、逆転写酵素を用いて、前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔705〕に記載の方法。
〔708〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む、〔705〕~〔707〕のいずれか一項に記載の方法。
〔709〕
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程が、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含む、〔708〕に記載の方法。
〔710〕
複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドの前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む、〔708〕~〔709〕のいずれか一項に記載の方法。
〔711〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む、〔710〕に記載の方法。
〔712〕
前記複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程が、複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔628〕~〔711〕のいずれか一項に記載の方法。
〔713〕
前記複数のバーコードを用いて、前記細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程であって、前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記バーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する工程と、
を含む、〔628〕~〔712〕のいずれか一項に記載の方法。
〔714〕
前記複数のバーコードを用いて、前記複数の標的にバーコードを付けて、前記複数のバーコード付き標的を生成する工程が、
前記標的のコピーを、前記バーコードの標的結合領域と接触させる工程と;
前記複数のバーコードを用いて、前記複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成する工程と、
を含む、〔713〕に記載の方法。
〔715〕
前記複数のバーコード付き標的の前記シーケンシングデータを取得する前に、前記バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程を含む、〔713〕~〔714〕のいずれか一項に記載の方法。
〔716〕
前記バーコード付き標的を増幅して、前記複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程が、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)によって前記バーコード付き標的を増幅する工程を含む、〔715〕に記載の方法。
〔717〕
前記複数のバーコードを用いて、前記細胞の前記複数の標的にバーコードを付けて、前記複数のバーコード付き標的を生成する工程が、複数のバーコードを用いて、前記細胞の前記複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程を含む、〔713〕~〔716〕のいずれか一項に記載の方法。
〔718〕
細胞同定のための方法であって、
第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の各々からの1つ以上の細胞を、複数の2つの細胞同定組成物のそれぞれの細胞同定組成物と接触させる工程であって、
前記第1の複数の細胞の各々および前記第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の抗原標的を含み、前記2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた抗原結合試薬を含み、前記抗原結合試薬が、前記1つ以上の抗原標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、前記2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;
2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞を同定する工程と、
を含む、方法。
〔719〕
多重同定のための方法であって、
第1の複数の細胞および第2の複数の細胞の各々からの1つ以上の細胞を、複数の2つの細胞同定組成物のそれぞれの細胞同定組成物と接触させる工程であって、
前記第1の複数の細胞の各々および前記第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の抗原標的を含み、前記2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた抗原結合試薬を含み、前記抗原結合試薬が、前記1つ以上の抗原標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能であり、
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、前記2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;
多細胞として2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞を同定する工程と、
を含む、方法。
〔720〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞を、前記2つの細胞同定組成物のそれぞれと接触させる工程が、
前記第1の複数の細胞を、前記2つの細胞同定組成物の第1の細胞同定組成物と接触させる工程と;
前記第1の複数の細胞を、前記2つの細胞同定組成物の第2の細胞同定組成物と接触させる工程と、
を含む、〔718〕~〔719〕のいずれか一項に記載の方法。
〔721〕
前記細胞同定配列が、少なくとも6ヌクレオチド長である、〔718〕~〔720〕のいずれか一項に記載の方法。
〔722〕
前記細胞同定配列が、25~60ヌクレオチド長である、〔718〕~〔720〕のいずれか一項に記載の方法。
〔723〕
前記細胞同定配列が、約45ヌクレオチド長である、〔718〕~〔720〕のいずれか一項に記載の方法。
〔724〕
前記細胞同定配列が、約128ヌクレオチド長である、〔718〕~〔720〕のいずれか一項に記載の方法。
〔725〕
前記細胞同定配列が、少なくとも128ヌクレオチド長である、〔718〕~〔720〕のいずれか一項に記載の方法。
〔726〕
前記細胞同定配列が、約200~500ヌクレオチド長である、〔718〕~〔720〕のいずれか一項に記載の方法。
〔727〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約50ヌクレオチド長である、〔718〕~〔722〕のいずれか一項に記載の方法。
〔728〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約100ヌクレオチド長である、〔718〕~〔722〕のいずれか一項に記載の方法。
〔729〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約200ヌクレオチド長である、〔718〕~〔725〕のいずれか一項に記載の方法。
〔730〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、少なくとも200ヌクレオチド長である、〔718〕~〔725〕のいずれか一項に記載の方法。
〔731〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約200~300ヌクレオチド長未満である、〔718〕~〔726〕のいずれか一項に記載の方法。
〔732〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、約500ヌクレオチド長である、〔718〕~〔726〕のいずれか一項に記載の方法。
〔733〕
前記複数の細胞同定組成物の少なくとも10の細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む、〔718〕~〔732〕のいずれか一項に記載の方法。
〔734〕
前記複数の細胞同定組成物の少なくとも100の細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む、〔718〕~〔732〕のいずれか一項に記載の方法。
〔735〕
前記複数の細胞同定組成物の少なくとも1000の細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む、〔718〕~〔732〕のいずれか一項に記載の方法。
〔736〕
前記抗原結合試薬が、抗体、四量体、アプタマー、タンパク質骨格、またはそれらの組合せを含む、〔718〕~〔735〕のいずれか一項に記載の方法。
〔737〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記抗原結合試薬に結合される、〔718〕~〔736〕のいずれか一項に記載の方法。
〔738〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔737〕に記載の方法。
〔739〕
前記リンカーが化学基を含む、〔737〕~〔738〕のいずれか一項に記載の方法。
〔740〕
前記化学基が、前記抗原結合試薬に可逆的にまたは不可逆的に結合される、〔739〕に記載の方法。
〔741〕
前記化学基が、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド結合、またはそれらの任意の組合せを含む、〔739〕~〔740〕のいずれか一項に記載の方法。
〔742〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の少なくとも1つが、単一細胞を含む、〔718〕~〔741〕のいずれか一項に記載の方法。
〔743〕
前記1つ以上の抗原標的の少なくとも1つが、細胞表面上で発現される、〔742〕に記載の方法。
〔744〕
前記2つの細胞同定組成物の結合されていない細胞同定組成物を除去する工程を含む、〔718〕~〔743〕のいずれか一項に記載の方法。
〔745〕
前記結合されていない細胞同定組成物を除去する工程が、前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の細胞を、洗浄緩衝液で洗浄する工程を含む、〔744〕に記載の方法。
〔746〕
前記結合されていない細胞同定組成物を除去する工程が、フローサイトメトリーを用いて、前記2つの細胞同定組成物の少なくとも1つの抗原結合試薬に結合された細胞を選択する工程を含む、〔744〕に記載の方法。
〔747〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞のうちの1つ以上の細胞を溶解する工程を含む、〔718〕~〔746〕のいずれか一項に記載の方法。
〔748〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、前記抗原結合試薬から切り離し可能または切り離し不可能であるように構成される、〔718〕~〔747〕のいずれか一項に記載の方法。
〔749〕
前記抗原結合試薬から前記細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含む、〔718〕~〔748〕のいずれか一項に記載の方法。
〔750〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程が、UV光切断、化学的処理、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによって、前記抗原結合試薬から前記細胞同定オリゴヌクレオチドを切り離す工程を含む、〔749〕に記載の方法。
〔751〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、前記1つ以上の細胞のいずれかのゲノム配列に対して相同でない、〔718〕~〔750〕のいずれか一項に記載の方法。
〔752〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、1つの種のゲノム配列に対して相同である、〔718〕~〔750〕のいずれか一項に記載の方法。
〔753〕
前記種が非哺乳動物種である、〔752〕に記載の方法。
〔754〕
前記非哺乳動物種がファージ種である、〔753〕に記載の方法。
〔755〕
前記ファージ種が、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せである、〔754〕に記載の方法。
〔756〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の少なくとも1つが、腫瘍細胞または非腫瘍細胞を含む、〔718〕~〔755〕のいずれか一項に記載の方法。
〔757〕
前記第1の複数の細胞および前記第2の複数の細胞の少なくとも1つが、哺乳動物細胞、細菌細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含む、〔718〕~〔756〕のいずれか一項に記載の方法。
〔758〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、前記細胞同定オリゴヌクレオチドの前記配列を捕捉するように構成された捕捉配列に相補的な配列を含む、〔718〕~〔757〕のいずれか一項に記載の方法。
〔759〕
前記バーコードが、前記捕捉配列を含む標的結合領域を含む、〔758〕に記載の方法。
〔760〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔759〕に記載の方法。
〔761〕
前記捕捉配列に相補的な前記細胞同定オリゴヌクレオチドの前記配列が、ポリ(dA)領域を含む、〔758〕~〔760〕のいずれか一項に記載の方法。
〔762〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、バーコード配列を含む、〔758〕~〔761〕のいずれか一項に記載の方法。
〔763〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、ユニバーサルプライマーのための結合部位を含む、〔758〕~〔762〕のいずれか一項に記載の方法。
〔764〕
前記タンパク質標的が、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、細胞内タンパク質またはそれらの任意の組合せを含む、〔718〕~〔763〕のいずれか一項に記載の方法。
〔765〕
前記タンパク質標的が、10~100の異なるタンパク質標的を含む群から選択される、〔718〕~〔764〕のいずれか一項に記載の方法。
〔766〕
前記タンパク質結合試薬が、同一の配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔718〕~〔765〕のいずれか一項に記載の方法。
〔767〕
前記タンパク質結合試薬が、異なる細胞同定配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられる、〔718〕~〔765〕のいずれか一項に記載の方法。
〔768〕
前記複数の細胞同定組成物の前記細胞同定組成物が、前記細胞同定オリゴヌクレオチドと結合されない第2のタンパク質結合試薬を含む、〔718〕~〔767〕のいずれか一項に記載の方法。
〔769〕
前記タンパク質結合試薬および前記第2のタンパク質結合試薬が同一である、〔768〕に記載の方法。
〔770〕
前記タンパク質結合試薬が、検出可能な部分に関連付けられる、〔718〕~〔769〕のいずれか一項に記載の方法。
〔771〕
2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた前記1つ以上の細胞を同定する工程が、
複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、
前記複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列、および標的結合領域を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードの前記バーコード配列が、異なる配列を含み、前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;
得られた前記シーケンシングデータ中の2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた1つ以上の細胞標識配列を同定する工程と、
を含む、〔718〕~〔770〕のいずれか一項に記載の方法。
〔772〕
得られた前記シーケンシングデータから、2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた前記1つ以上の細胞標識配列に関連付けられた前記シーケンシングデータを除去する工程を含む、〔771〕に記載の方法。
〔773〕
その後の分析から、前記2つ以上の細胞同定配列に各々が関連付けられた前記1つ以上の細胞標識配列に関連付けられた前記シーケンシングデータを除外する工程を含む、〔771〕に記載の方法。
〔774〕
前記複数のバーコードのバーコードが、標的結合領域およびバーコード配列を含み、
前記複数のバーコードの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる分子標識配列を含む、〔718〕~〔770〕のいずれか一項に記載の方法。
〔775〕
前記バーコードが、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーのための結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む、〔774〕に記載の方法。
〔776〕
前記標的結合領域が、ポリ(dT)領域を含む、〔771〕~〔775〕のいずれか一項に記載の方法。
〔777〕
前記複数のバーコードが、1つの粒子に関連付けられる、〔771〕~〔776〕のいずれか一項に記載の方法。
〔778〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子上に固定される、〔777〕に記載の方法。
〔779〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子上に部分的に固定される、〔777〕に記載の方法。
〔780〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子に封入される、〔777〕に記載の方法。
〔781〕
前記複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードが、前記粒子に部分的に封入される、〔777〕に記載の方法。
〔782〕
前記粒子が崩壊性である、〔777〕~〔781〕のいずれか一項に記載の方法。
〔783〕
前記粒子がビーズを含む、〔777〕~〔782〕のいずれか一項に記載の方法。
〔784〕
前記粒子が、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含む、〔777〕~〔783〕のいずれか一項に記載の方法。
〔785〕
前記粒子が、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含む、〔777〕~〔784〕のいずれか一項に記載の方法。
〔786〕
前記粒子が、崩壊性ヒドロゲル粒子を含む、〔777〕~〔785〕のいずれか一項に記載の方法。
〔787〕
前記粒子が、検出可能な部分に関連付けられる、〔777〕~〔786〕のいずれか一項に記載の方法。
〔788〕
前記細胞同定オリゴヌクレオチドが、検出可能な部分に関連付けられる、〔777〕~〔787〕のいずれか一項に記載の方法。
〔789〕
前記粒子の前記バーコードが、少なくとも1000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔777〕~〔788〕のいずれか一項に記載の方法。
〔790〕
前記粒子の前記バーコードが、少なくとも10000の異なるバーコード配列から選択されるバーコード配列を含む、〔777〕~〔789〕のいずれか一項に記載の方法。
〔791〕
前記バーコードの前記バーコード配列が、ランダム配列を含む、〔789〕~〔790〕のいずれか一項に記載の方法。
〔792〕
前記粒子が、少なくとも10000のバーコードを含む、〔777〕~〔791〕のいずれか一項に記載の方法。
〔793〕
前記複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程が、
前記複数のバーコードを、前記細胞同定オリゴヌクレオチドと接触させて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;
前記細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程と、
を含む、〔771〕~〔792〕のいずれか一項に記載の方法。
〔794〕
前記バーコードを伸長する工程が、DNAポリメラーゼを用いて、前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔793〕に記載の方法。
〔795〕
前記バーコードを伸長する工程が、逆転写酵素を用いて、前記バーコードを伸長して、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔793〕に記載の方法。
〔796〕
複数のアンプリコンを生成するために、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程を含む、〔793〕~〔795〕のいずれか一項に記載の方法。
〔797〕
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程が、ポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いて、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含む、〔796〕に記載の方法。
〔798〕
前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドの前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む、〔796〕~〔797〕のいずれか一項に記載の方法。
〔799〕
前記シーケンシングデータを取得する工程が、前記バーコード配列の少なくとも一部および前記細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む、〔798〕に記載の方法。
〔800〕
前記複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、前記複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程が、複数のバーコードを用いて、前記細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む、〔771〕~〔799〕のいずれか一項に記載の方法。
〔801〕
標識生体分子試薬を調製するのに使用するためのシステムであって、
標識生体分子試薬に対するリクエストを受信するための入力マネージャと;
複数の標識生体分子ストレージ識別子を含むデータセットを記憶するためのメモリと;
前記メモリに通信可能に連結され、前記標識生体分子試薬リクエストの前記構成要素に対応する前記データセットからの1つ以上の標識生体分子ストレージ識別子を同定するように構成される処理モジュールと;
前記同定された標識生体分子ストレージ識別子を提供するための出力マネージャと、
を含む、システム。
〔802〕
標識生体分子試薬に対する前記リクエストが、生体分子リクエストおよび標識リクエストを含む、〔801〕に記載のシステム。
〔803〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔801〕~〔802〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔804〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔803〕に記載のシステム。
〔805〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬である、〔803〕に記載のシステム。
〔806〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔805〕に記載のシステム。
〔807〕
前記標識と結合された前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔805〕に記載のシステム。
〔808〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔807〕に記載のシステム。
〔809〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔807〕に記載のシステム。
〔810〕
前記生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔801〕~〔809〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔811〕
前記生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔801〕~〔809〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔812〕
前記生体分子が、少なくとも10,000の異なる生体分子から選択される、〔801〕~〔809〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔813〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔801〕~〔812〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔814〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔813〕に記載のシステム。
〔815〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔814〕に記載のシステム。
〔816〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔815〕に記載のシステム。
〔817〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔814〕~〔816〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔818〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔814〕~〔817〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔819〕
前記標識リクエストが、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む、〔814〕~〔818〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔820〕
前記オリゴヌクレオチドが、前記生体分子のための一意識別子を含む、〔813〕に記載のシステム。
〔821〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔820〕に記載のシステム。
〔822〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔820〕~〔821〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔823〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔822〕に記載のシステム。
〔824〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔822〕に記載のシステム。
〔825〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔822〕に記載のシステム。
〔826〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔813〕~〔825〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔827〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔826〕に記載のシステム。
〔828〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔826〕または〔827〕に記載のシステム。
〔829〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔813〕~〔828〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔830〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される、〔813〕~〔829〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔831〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔813〕~〔829〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔832〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔813〕~〔829〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔833〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔801〕~〔832〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔834〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔833〕に記載のシステム。
〔835〕
前記リンカーが化学基を含む、〔834〕に記載のシステム。
〔836〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔835〕に記載のシステム。
〔837〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔835〕~〔836〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔838〕
標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程であって、前記リクエストが、
標識生体分子リクエスト;ならびに
生体分子リクエストおよび標識リクエスト
のうちの1つ以上を含む工程と;
1つ以上の標識生体分子試薬を受信する工程であって、各標識生体分子試薬が、リンカーを介して標識に共有結合された生体分子を含む工程と、
を含む、方法。
〔839〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔838〕に記載の方法。
〔840〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔839〕に記載の方法。
〔841〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬である、〔839〕に記載の方法。
〔842〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔841〕に記載の方法。
〔843〕
前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔841〕に記載の方法。
〔844〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔843〕に記載の方法。
〔845〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔843〕に記載の方法。
〔846〕
各生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔838〕~〔845〕のいずれか一項に記載の方法。
〔847〕
各生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔838〕~〔845〕のいずれか一項に記載の方法。
〔848〕
各生体分子が、少なくとも10,000の異なる分子から選択される、〔838〕~〔845〕のいずれか一項に記載の方法。
〔849〕
前記1つ以上の標識生体分子試薬が、前記標識に共有結合されない1つ以上の第2の生体分子をさらに含む、〔838〕~〔848〕のいずれか一項に記載の方法。
〔850〕
前記生体分子および前記1つ以上の第2の生体分子が同じである、〔849〕に記載の方法。
〔851〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、およびオリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔838〕~〔850〕のいずれか一項に記載の方法。
〔852〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔851〕に記載の方法。
〔853〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔852〕に記載の方法。
〔854〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔853〕に記載の方法。
〔855〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔852〕~〔854〕のいずれか一項に記載の方法。
〔856〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔852〕~〔855〕のいずれか一項に記載の方法。
〔857〕
前記標識リクエストが、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む、〔852〕~〔856〕のいずれか一項に記載の方法。
〔858〕
前記オリゴヌクレオチドが、前記生体分子のための一意識別子を含む、〔851〕に記載の方法。
〔859〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔858〕に記載の方法。
〔860〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔858〕~〔859〕のいずれか一項に記載の方法。
〔861〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔860〕に記載の方法。
〔862〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔860〕に記載の方法。
〔863〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔860〕に記載の方法。
〔864〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔858〕~〔863〕のいずれか一項に記載の方法。
〔865〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔864〕に記載の方法。
〔866〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔864〕または〔865〕に記載の方法。
〔867〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔858〕~〔866〕のいずれか一項に記載の方法。
〔868〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される、〔858〕~〔867〕のいずれか一項に記載の方法。
〔869〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔858〕~〔867〕のいずれか一項に記載の方法。
〔870〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔858〕~〔867〕のいずれか一項に記載の方法。
〔871〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔838〕~〔870〕のいずれか一項に記載の方法。
〔872〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔871〕に記載の方法。
〔873〕
前記リンカーが化学基を含む、〔872〕に記載の方法。
〔874〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔873〕に記載の方法。
〔875〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔873〕~〔874〕のいずれか一項に記載の方法。
〔876〕
標識生体分子試薬リクエストを受信するための入力マネージャ;
複数の標識生体分子ストレージ識別子を含むデータセットを記憶するためのメモリ;
前記メモリに通信可能に連結され、前記標識生体分子試薬リクエストの前記構成要素に対応する前記データセットからの1つ以上の標識生体分子ストレージ識別子を同定するように構成される処理モジュール;および
前記同定された標識生体分子ストレージ識別子を提供するための出力マネージャ
を含むシステムに、標識生体分子試薬に対するリクエストを通信する工程と;
標識に共有結合された生体分子を含む標識生体分子試薬を受信する工程と、
を含む、方法。
〔877〕
標識生体分子試薬に対する前記リクエストが、生体分子リクエストおよび標識リクエストを含む、〔876〕に記載の方法。
〔878〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、および多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔876〕~〔877〕のいずれか一項に記載の方法。
〔879〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔878〕に記載の方法。
〔880〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬である、〔878〕に記載の方法。
〔881〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔880〕に記載の方法。
〔882〕
前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔880〕に記載のシステム。
〔883〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔882〕に記載のシステム。
〔884〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔882〕に記載のシステム。
〔885〕
前記生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔876〕~〔884〕のいずれか一項に記載の方法。
〔886〕
前記生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔876〕~〔884〕のいずれか一項に記載の方法。
〔887〕
前記生体分子が、少なくとも10,000の異なる生体分子から選択される、〔876〕~〔884〕のいずれか一項に記載の方法。
〔888〕
前記標識生体分子試薬を受信する工程が、前記標識に共有結合された前記標識生体分子および前記標識に共有結合されない1つ以上の第2の生体分子を受信する工程を含む、〔876〕~〔887〕のいずれか一項に記載の方法。
〔889〕
前記標識生体分子および前記1つ以上の第2の生体分子が同じである、〔888〕に記載の方法。
〔890〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔876〕~〔889〕のいずれか一項に記載の方法。
〔891〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔890〕に記載の方法。
〔892〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔891〕に記載の方法。
〔893〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔892〕に記載の方法。
〔894〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔891〕~〔893〕のいずれか一項に記載の方法。
〔895〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔891〕~〔894〕のいずれか一項に記載の方法。
〔896〕
前記標識リクエストが、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む、〔891〕~〔895〕のいずれか一項に記載の方法。
〔897〕
前記オリゴヌクレオチドが、前記生体分子のための一意識別子を含む、〔890〕に記載の方法。
〔898〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔897〕に記載の方法。
〔899〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔897〕~〔898〕のいずれか一項に記載の方法。
〔900〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔899〕に記載の方法。
〔901〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔899〕に記載の方法。
〔902〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔899〕に記載の方法。
〔903〕
前記オリゴヌクレオチドが、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔897〕~〔902〕のいずれか一項に記載の方法。
〔904〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔903〕に記載の方法。
〔905〕
前記リンカーが化学基を含む、〔903〕に記載の方法。
〔906〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔905〕に記載の方法。
〔907〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔905〕~〔906〕のいずれか一項に記載の方法。
〔908〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔897〕~〔907〕のいずれか一項に記載の方法。
〔909〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔908〕に記載の方法。
〔910〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔908〕または〔909〕に記載の方法。
〔911〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔897〕~〔910〕のいずれか一項に記載の方法。
〔912〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される、〔897〕~〔911〕のいずれか一項に記載の方法。
〔913〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔897〕~〔911〕のいずれか一項に記載の方法。
〔914〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔897〕~〔911〕のいずれか一項に記載の方法。
〔915〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔876〕~〔914〕のいずれか一項に記載の方法。
〔916〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔915〕に記載の方法。
〔917〕
前記リンカーが化学基を含む、〔916〕に記載の方法。
〔918〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔917〕に記載の方法。
〔919〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔917〕~〔918〕のいずれか一項に記載の方法。
〔920〕
標識生体分子試薬に対するリクエストを受信する工程であって、前記リクエストが、
標識生体分子リクエスト;ならびに
生体分子リクエストおよび標識リクエスト
のうちの1つ以上を含む工程と;
活性化生体分子を、活性化標識と接触させて、前記標識生体分子試薬を生成することによって、前記標識生体分子試薬リクエストに対応する標識生体分子試薬を調製する工程と、
を含む方法であって、
前記調製する工程が、複数の活性化生体分子および複数の活性化標識を含むストレージから、活性化生体分子および活性化標識を選択する工程を含む、方法。
〔921〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、および多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔920〕に記載の方法。
〔922〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔921〕に記載の方法。
〔923〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬である、〔921〕に記載の方法。
〔924〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔923〕に記載の方法。
〔925〕
前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔923〕に記載のシステム。
〔926〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔925〕に記載のシステム。
〔927〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔925〕に記載のシステム。
〔928〕
前記生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔920〕~〔927〕のいずれか一項に記載の方法。
〔929〕
前記生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔920〕~〔927〕のいずれか一項に記載の方法。
〔930〕
前記生体分子が、少なくとも10,000の異なる生体分子から選択される、〔920〕~〔927〕のいずれか一項に記載の方法。
〔931〕
前記標識生体分子を調製する工程が、前記標識生体分子試薬リクエストに対応する前記標識生体分子試薬を調製する工程と、前記標識に関連付けられない1つ以上の第2の生体分子試薬を調製する工程と、を含む、〔920〕~〔930〕のいずれか一項に記載の方法。
〔932〕
前記生体分子および前記1つ以上の第2の生体分子が同じである、〔931〕に記載の方法。
〔933〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔920〕~〔932〕のいずれか一項に記載の方法。
〔934〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔933〕に記載の方法。
〔935〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔934〕に記載の方法。
〔936〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔935〕に記載の方法。
〔937〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔933〕~〔936〕のいずれか一項に記載の方法。
〔938〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔933〕~〔937〕のいずれか一項に記載の方法。
〔939〕
前記標識リクエストが、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む、〔933〕~〔938〕のいずれか一項に記載の方法。
〔940〕
前記オリゴヌクレオチドが、前記生体分子のための一意識別子を含む、〔933〕に記載の方法。
〔941〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔940〕に記載の方法。
〔942〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔940〕~〔941〕のいずれか一項に記載の方法。
〔943〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔942〕に記載の方法。
〔944〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔943〕に記載の方法。
〔945〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔943〕に記載の方法。
〔946〕
前記1つ以上の標識生体分子試薬の生体分子が、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔940〕~〔945〕のいずれか一項に記載の方法。
〔947〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔940〕~〔946〕のいずれか一項に記載の方法。
〔948〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔947〕に記載の方法。
〔949〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔947〕または〔948〕に記載の方法。
〔950〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔940〕~〔949〕のいずれか一項に記載の方法。
〔951〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される、〔940〕~〔950〕のいずれか一項に記載の方法。
〔952〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔940〕~〔950〕のいずれか一項に記載の方法。
〔953〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔940〕~〔950〕のいずれか一項に記載の方法。
〔954〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔920〕~〔953〕のいずれか一項に記載の方法。
〔955〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔954〕に記載の方法。
〔956〕
前記リンカーが化学基を含む、〔955〕に記載の方法。
〔957〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔956〕に記載の方法。
〔958〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔956〕~〔957〕のいずれか一項に記載の方法。
〔959〕
標識生体分子試薬リクエストを受信する入力マネージャ;
複数の標識生体分子ストレージ識別子を含むデータセットを記憶するためのメモリ;
前記メモリに通信可能に連結され、前記標識生体分子試薬リクエストの前記構成要素に対応する前記データセットからの1つ以上の標識生体分子ストレージ識別子を同定するように構成される処理モジュール;および
出力マネージャ
を含むシステムを用いて、標識生体分子試薬に対するリクエストを受信する工程と;
前記標識生体分子試薬リクエストに対応する前記標識生体分子ストレージ識別子を同定する工程と;
前記同定された標識生体分子試薬ストレージ識別子を出力する工程と、
を含む、方法。
〔960〕
標識生体分子試薬に対する前記リクエストが、生体分子リクエストおよび標識リクエストを含む、〔959〕に記載の方法。
〔961〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、および多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔959〕~〔960〕のいずれか一項に記載の方法。
〔962〕
前記生体分子が核酸である、〔961〕に記載の方法。
〔963〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔962〕に記載の方法。
〔964〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素、またはタンパク質結合試薬である、〔961〕に記載の方法。
〔965〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔964〕に記載の方法。
〔966〕
前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔964〕に記載のシステム。
〔967〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔966〕に記載のシステム。
〔968〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔964〕に記載のシステム。
〔969〕
前記生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔959〕~〔968〕のいずれか一項に記載の方法。
〔970〕
前記生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔959〕~〔968〕のいずれか一項に記載の方法。
〔971〕
前記生体分子が、少なくとも10,000の異なる生体分子から選択される、〔959〕~〔968〕のいずれか一項に記載の方法。
〔972〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、およびオリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔959〕~〔971〕のいずれか一項に記載の方法。
〔973〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔972〕に記載の方法。
〔974〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔973〕に記載の方法。
〔975〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔974〕に記載の方法。
〔976〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔973〕~〔975〕のいずれか一項に記載の方法。
〔977〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔973〕~〔976〕のいずれか一項に記載の方法。
〔978〕
前記標識リクエストが、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む、〔973〕~〔977〕のいずれか一項に記載の方法。
〔979〕
前記オリゴヌクレオチドが、前記生体分子のための一意識別子を含む、〔972〕に記載の方法。
〔980〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔979〕に記載の方法。
〔981〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔980〕に記載の方法。
〔982〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔980〕に記載の方法。
〔983〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔980〕に記載の方法。
〔984〕
前記1つ以上の標識生体分子試薬の生体分子が、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔979〕~〔983〕のいずれか一項に記載の方法。
〔985〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔979〕~〔984〕のいずれか一項に記載の方法。
〔986〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔985〕に記載の方法。
〔987〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔985〕または〔986〕に記載の方法。
〔988〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔979〕~〔987〕のいずれか一項に記載の方法。
〔989〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される、〔979〕~〔988〕のいずれか一項に記載の方法。
〔990〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔979〕~〔988〕のいずれか一項に記載の方法。
〔991〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔979〕~〔988〕のいずれか一項に記載の方法。
〔992〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔959〕~〔991〕のいずれか一項に記載の方法。
〔993〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔992〕に記載の方法。
〔994〕
前記リンカーが化学基を含む、〔993〕に記載の方法。
〔995〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔994〕に記載の方法。
〔996〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔994〕~〔995〕のいずれか一項に記載の方法。
〔997〕
複数の活性化タンパク質結合試薬を含む複数の活性化生体分子と;
複数の活性化標識と;
標識生体分子試薬を調製するための試薬調製装置と、
を含むシステムであって、
前記試薬調製装置が、
同定された生体分子ストレージ識別子および標識ストレージ識別子を受信し;
前記受信された生体分子ストレージ識別子および前記標識ストレージ識別子に対応する標識生体分子試薬を生成するように構成される、システム。
〔998〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、および多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔997〕に記載のシステム。
〔999〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔998〕に記載のシステム。
〔1000〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬である、〔998〕に記載のシステム。
〔1001〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔1000〕に記載のシステム。
〔1002〕
前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔1000〕に記載のシステム。
〔1003〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1002〕に記載のシステム。
〔1004〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔1002〕に記載のシステム。
〔1005〕
各生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔997〕~〔1004〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1006〕
各生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔997〕~〔1004〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1007〕
各生体分子が、少なくとも10,000の異なる生体分子から選択される、〔997〕~〔1004〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1008〕
各活性化生体分子が、反応性リンカーを含む、〔997〕~〔1007〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1009〕
前記システムが、100以上の異なる活性化標識を含む、〔997〕~〔1007〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1010〕
活性化標識が、反応性リンカーを含む、〔997〕~〔1009〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1011〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔997〕~〔1010〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1012〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔1011〕に記載のシステム。
〔1013〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔1012〕に記載のシステム。
〔1014〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔1013〕に記載のシステム。
〔1015〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔1011〕~〔1014〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1016〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1011〕~〔1015〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1017〕
前記標識リクエストが、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む、〔1011〕~〔1016〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1018〕
前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含む、〔1011〕に記載のシステム。
〔1019〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔1018〕に記載のシステム。
〔1020〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔1018〕~〔1019〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1021〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔1020〕に記載のシステム。
〔1022〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔1020〕に記載のシステム。
〔1023〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔1020〕に記載のシステム。
〔1024〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔1018〕~〔1023〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1025〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔1024〕に記載のシステム。
〔1026〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔1024〕または〔1025〕に記載のシステム。
〔1027〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔1018〕~〔1026〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1028〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される配列を有する、〔1018〕~〔1027〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1029〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔1018〕~〔1027〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1030〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔1018〕~〔1027〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1031〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔997〕~〔1030〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1032〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔1031〕に記載のシステム。
〔1033〕
前記リンカーが化学基を含む、〔1032〕に記載のシステム。
〔1034〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔1033〕に記載のシステム。
〔1035〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔1033〕~〔1034〕のいずれか一項に記載のシステム。
〔1036〕
複数の活性化生体分子;および複数の活性化標識を含む、ストレージ。
〔1037〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、および多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1036〕に記載のストレージ。
〔1038〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔1037〕に記載のストレージ。
〔1039〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬である、〔1037〕に記載のストレージ。
〔1040〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔1039〕に記載のストレージ。
〔1041〕
前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔1039〕に記載のストレージ。
〔1042〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1041〕に記載のストレージ。
〔1043〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔1041〕に記載のストレージ。
〔1044〕
各生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔1036〕~〔1043〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1045〕
各生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔1036〕~〔1043〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1046〕
各生体分子が、少なくとも10,000の異なる分子から選択される、〔1036〕~〔1043〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1047〕
各活性化生体分子が、反応性リンカーを含む、〔1036〕~〔1046〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1048〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、およびナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1036〕~〔1047〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1049〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔1048〕に記載のストレージ。
〔1050〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔1049〕に記載のストレージ。
〔1051〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔1050〕に記載のストレージ。
〔1052〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔1048〕~〔1051〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1053〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1048〕~〔1052〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1054〕
前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含む、〔1048〕に記載のストレージ。
〔1055〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔1054〕に記載のストレージ。
〔1056〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔1054〕~〔1055〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1057〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔1056〕に記載のストレージ。
〔1058〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔1056〕に記載のストレージ。
〔1059〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔1056〕に記載のストレージ。
〔1060〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔1054〕~〔1059〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1061〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔1060〕に記載のストレージ。
〔1062〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔1060〕または〔1061〕に記載のストレージ。
〔1063〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔1054〕~〔1062〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1064〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される、〔1054〕~〔1063〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1065〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔1054〕~〔1063〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1066〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔1054〕~〔1063〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1067〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔1036〕~〔1066〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1068〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔1067〕に記載のストレージ。
〔1069〕
前記リンカーが化学基を含む、〔1068〕に記載のストレージ。
〔1070〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔1069〕に記載のストレージ。
〔1071〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔1069〕~〔1070〕のいずれか一項に記載のストレージ。
〔1072〕
標識生体分子試薬に対するリクエストを受信するための入力モジュールと;
試薬調製装置と;
包装された標識生体分子を出力するための分配モジュールと、
を含む標識生体分子試薬分配システム。
〔1073〕
前記生体分子が、ポリペプチド、核酸、および多糖、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1072〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1074〕
前記核酸が、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAである、〔1073〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1075〕
前記ポリペプチドが、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬である、〔1073〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1076〕
前記タンパク質結合試薬が、抗体、アプタマー、またはそれらの組合せを含む、〔1075〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1077〕
前記タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することが可能である、〔1075〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1078〕
前記複数のタンパク質標的が、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1077〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1079〕
前記複数のタンパク質標的が、10~400の異なるタンパク質標的を含む、〔1077〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1080〕
各生体分子が、少なくとも100の異なる生体分子から選択される、〔1072〕~〔1079〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1081〕
各生体分子が、少なくとも1,000の異なる生体分子から選択される、〔1072〕~〔1079〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1082〕
各生体分子が、少なくとも10,000の異なる分子から選択される、〔1072〕~〔1079〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1083〕
各活性化生体分子が、反応性リンカーを含む、〔1072〕~〔1082〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1084〕
前記標識が、フルオロフォア、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、酸化還元標識、放射性標識、音響標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁性粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、およびオリゴヌクレオチド、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1072〕~〔1083〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1085〕
前記標識が、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含み、
前記酵素が、前記酵素基質を、対応する修飾酵素基質へと修飾することが可能である、〔1084に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1086〕
前記酵素基質が、少なくとも1つの官能基によって、前記対応する修飾酵素基質と異なる、〔1085〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1087〕
前記少なくとも1つの官能基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはそれらの任意の組合せである、〔1086〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1088〕
前記酵素が、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはそれらの組合せを含む、〔1084〕~〔1087〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1089〕
前記酵素基質が、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミノ酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキソシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソネート、オリゴ糖、ペクテート、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはそれらの任意の組合せを含む、〔1084〕~〔1088〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1090〕
前記オリゴヌクレオチドが、それが結合される前記タンパク質結合試薬のための一意識別子を含む、〔1084〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1091〕
前記一意識別子が、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む、〔1090〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1092〕
前記一意識別子が、一意識別子の多様なセットから選択される、〔1090〕~〔1091〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1093〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも100の異なる一意識別子を含む、〔1092〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1094〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む、〔1092〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1095〕
前記一意識別子の多様なセットが、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む、〔1092〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1096〕
前記一意識別子が、サンプルのゲノム配列に対して相同でない、〔1090〕~〔1095〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム生体分子試薬分配システム。
〔1097〕
前記サンプルが、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔1096〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1098〕
前記サンプルが、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはそれらの任意の組合せである、〔1096〕または〔1097〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1099〕
前記オリゴヌクレオチドが、バーコード配列、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含む、〔1090〕~〔1098〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1100〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも10の異なるバーコード配列から選択される、〔1090〕~〔1099〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1101〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも100の異なるバーコード配列から選択される、〔1090〕~〔1099〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1102〕
前記オリゴヌクレオチドの前記バーコード配列が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列から選択される、〔1090〕~〔1099〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1103〕
前記標識が、リンカーを介して前記生体分子に結合される、〔1072〕~〔1102〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1104〕
前記オリゴヌクレオチドが前記リンカーを含む、〔1103〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1105〕
前記リンカーが化学基を含む、〔1104〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1106〕
前記化学基が、前記生体分子に可逆的に結合される、〔1105〕に記載の標識生体分子試薬分配システム。
〔1107〕
前記化学基が、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、〔1105〕~〔1106〕のいずれか一項に記載の標識生体分子試薬分配システム。
【図面の簡単な説明】
【0236】
【
図2】確率バーコーディングおよびデジタルカウンティングの非限定的な例示的ワークフローを示す。
【
図3】複数の標的からの確率バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを作製するための非限定的な例示的プロセスを示す概略図である。
【
図4】タンパク質結合試薬のための一意識別子を含むオリゴヌクレオチドと結合された例示的タンパク質結合試薬(本明細書に示される抗体)の概略図を示す。
【
図5】ハイスループットでタンパク質発現および遺伝子発現を同時に測定するための、オリゴヌクレオチド結合抗体を用いた例示的ワークフローの概略図を示す。
【
図6A】オリゴヌクレオチドで官能化された粒子の非限定的な例示的概略図を示す。
【
図6B】オリゴヌクレオチドで官能化された粒子の非限定的な例示的概略図を示す。
【
図6C】オリゴヌクレオチドで官能化された粒子の非限定的な例示的概略図を示す。
【
図6D】オリゴヌクレオチドで官能化された粒子の非限定的な例示的概略図を示す。
【
図6E】オリゴヌクレオチドで官能化された粒子の非限定的な例示的概略図を示す。
【
図7】単一細胞シーケンシングコントロールのためのオリゴヌクレオチドで官能化された粒子の使用の例示的ワークフローの概略図である。
【
図8】単一細胞シーケンシングコントロールのためのオリゴヌクレオチドで官能化された粒子の使用の別の例示的ワークフローの概略図である。
【
図9】単一細胞シーケンシング効率を決定するためのコントロールオリゴヌクレオチド結合抗体の使用の例示的ワークフローの概略図を示す。
【
図10】単一細胞シーケンシング効率を決定するためのコントロールオリゴヌクレオチド結合抗体の使用の例示的ワークフローの別の概略図を示す。
【
図11A-11B】コントロールオリゴヌクレオチドが細胞計数に使用されうることを示すプロットである。
【
図11C】コントロールオリゴヌクレオチドが細胞計数に使用されうることを示すプロットである。
【
図12】一実施形態による実験室および臨床アッセイのための標識生体分子試薬組成物を提供するのに使用される標識生体分子試薬の調製の工程を示す。
【
図13】本発明の一実施形態による方法の例示を提供する。
【
図14】カスタマイズ可能な標識生体分子試薬をオンデマンドで提供するための本開示の方法を示す。
【
図15】本発明のいくつかの実施形態に従って標識生体分子試薬に対するリクエストを通信するためのグラフィカルユーザインターフェースを示す。
【
図16】本発明のいくつかの実施形態による本開示のコンピュータシステムを示す。
【
図17】本発明のいくつかの実施形態による標識生体分子試薬に対するリクエスト受信、処理および出力するためのフローチャートを示す。
【
図18-1】パネル(a)~(d)は、タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するためのオリゴヌクレオチドの非限定的な例示的設計を示す。
【
図18-2】パネル(a)~(d)は、タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するためのオリゴヌクレオチドの非限定的な例示的設計を示す。
【
図19】タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定するための非限定的な例示的オリゴヌクレオチド配列の概略図を示す。
【
図20-1】パネル(a)~(f)は、ハイスループットでCD4タンパク質発現および遺伝子発現を同時に測定するための、オリゴヌクレオチド結合抗体の使用の結果を示す非限定的な例示的tSNE投射プロットである。
【
図20-2】パネル(a)~(f)は、ハイスループットでCD4タンパク質発現および遺伝子発現を同時に測定するための、オリゴヌクレオチド結合抗体の使用の結果を示す非限定的な例示的tSNE投射プロットである。
【
図20-3】パネル(a)~(f)は、ハイスループットでCD4タンパク質発現および遺伝子発現を同時に測定するための、オリゴヌクレオチド結合抗体の使用の結果を示す非限定的な例示的tSNE投射プロットである。
【
図21】パネル(a)~(f)は、CD4 T細胞、CD8 T細胞、および骨髄細胞におけるCD4 mRNAおよびタンパク質の発現を示す非限定的な例示的棒グラフである。
【
図22】同様のシーケンシング深度で、抗体:オリゴヌクレオチドのより高い比率で増加されたCD4タンパク質レベルについての検出感度を示す非限定的な例示的棒グラフであり、1:3の比率は、1:1および1:2の比率より結果が良好である。
【
図23】パネル(a)~(d)は、フローサイトメトリーを用いてソーティングされた細胞の細胞表面におけるCD4タンパク質発現を示すプロットである。
【
図24】パネル(a)~(f)は、2つのサンプルのCD4 T細胞、CD8 T細胞、および骨髄細胞におけるCD4 mRNAおよびタンパク質の発現を示す非限定的な例示的棒グラフである。
【
図25】1:3の抗体:オリゴヌクレオチドの比率で、異なるサンプル調製プロトコルを用いて決定されるCD4タンパク質レベルについての検出感度を示す非限定的な例示的棒グラフである。
【
図26A-1】希釈滴定を用いた抗体ストックの最適な希釈の決定を示す非限定的な例示的プロットである。
【
図26A-2】希釈滴定を用いた抗体ストックの最適な希釈の決定を示す非限定的な例示的プロットである。
【
図26A-3】希釈滴定を用いた抗体ストックの最適な希釈の決定を示す非限定的な例示的プロットである。
【
図26B】希釈滴定を用いた抗体ストックの最適な希釈の決定を示す非限定的な例示的プロットである。
【
図26C】希釈滴定を用いた抗体ストックの最適な希釈の決定を示す非限定的な例示的プロットである。
【
図27】抗体オリゴヌクレオチドが、シーケンシングデータ中の全リードにおける所望のパーセンテージを占めるように、オリゴヌクレオチド結合抗体の染色濃度を決定するための非限定的な例示的実験設計を示す。
【
図28】パネル(a)~(d)は、抗体オリゴヌクレオチドの予測されるサイズと一致するピーク(矢印によって示される)を示す非限定的な例示的バイオアナライザトレースである。
【
図29-1】パネル(a)~(f)は、抗体オリゴヌクレオチド(「高温抗体」)と結合された、異なる抗体希釈および異なるパーセンテージの抗体分子で染色されたサンプルについて検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示す非限定的な例示的ヒストグラムである。
【
図29-2】パネル(a)~(f)は、抗体オリゴヌクレオチド(「高温抗体」)と結合された、異なる抗体希釈および異なるパーセンテージの抗体分子で染色されたサンプルについて検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示す非限定的な例示的ヒストグラムである。
【
図29-3】パネル(a)~(f)は、抗体オリゴヌクレオチド(「高温抗体」)と結合された、異なる抗体希釈および異なるパーセンテージの抗体分子で染色されたサンプルについて検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示す非限定的な例示的ヒストグラムである。
【
図30A】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体分子が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図30A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:100に希釈されたストックを用いて調製された10%の高温抗体:90%の低温抗体の混合物で染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図30B)における明らかなシグナルが得られた。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図30Cに示される。
【
図30B】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体分子が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図30A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:100に希釈されたストックを用いて調製された10%の高温抗体:90%の低温抗体の混合物で染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図30B)における明らかなシグナルが得られた。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図30Cに示される。
【
図30C】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体分子が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図30A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:100に希釈されたストックを用いて調製された10%の高温抗体:90%の低温抗体の混合物で染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図30B)における明らかなシグナルが得られた。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図30Cに示される。
【
図31A】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図31A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:100に希釈されたストックを用いて調製された1%の高温抗体:99%の低温抗体の混合物で染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図31B)における明らかなシグナルが得られなかった。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図31Cに示される。
【
図31B】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図31A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:100に希釈されたストックを用いて調製された1%の高温抗体:99%の低温抗体の混合物で染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図31B)における明らかなシグナルが得られなかった。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図31Cに示される。
【
図31C】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図31A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:100に希釈されたストックを用いて調製された1%の高温抗体:99%の低温抗体の混合物で染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図31B)における明らかなシグナルが得られなかった。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図31Cに示される。
【
図32A】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体分子が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図32A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:800に希釈されたストックで染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図32B)における明らかなシグナルが得られた。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図32Cに示される。
【
図32B】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体分子が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図32A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:800に希釈されたストックで染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図32B)における明らかなシグナルが得られた。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図32Cに示される。
【
図32C】オリゴヌクレオチド結合抗CD147抗体分子が、さまざまな細胞型を標識するのに使用されうることを示す非限定的な例示的プロットである。細胞型を、血液パネル(
図32A)における488の遺伝子の発現プロフィールを用いて決定した。細胞を、1:800に希釈されたストックで染色したところ、検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子の数を示すヒストグラム(
図32B)における明らかなシグナルが得られた。抗体オリゴヌクレオチドによるさまざまな細胞型の標識が、
図32Cに示される。
【
図33A-33B】
図7に示されるワークフローを用いた、染色緩衝液中のコントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび検出されたコントロール粒子に関連付けられたコントロール粒子オリゴヌクレオチドの組成物を示すプロットである。
【
図35A-35B】フルオロフォアに関連付けられたオリゴヌクレオチド結合抗体に結合されたコントロール粒子の位相差(
図35A、10倍)および蛍光(
図35B、10倍)画像である。
【
図36】細胞およびコントロール粒子が、カートリッジのマイクロウェル中に充填されていることを示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0237】
以下の詳細な説明では、その一部を成す添付の図面を参照にする。これら図面において、類似する符号は、文脈から他の解釈が要求されない限り、一般に、類似の構成要素を同一のものとみなす。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲に記載される例示的な実施形態は、限定的であることを意味しない。本明細書に提示される主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用してもよく、また他の変更を実施してもよい。本明細書に概略的に記載され、図面に図示されるように、本開示の態様は、非常に多様な異なる構成で配置、代替、組合せ、分離、および設計することができ、それらのすべては、本明細書において明示的に考慮され、本開示の一部を成すものとすることを理解されたい。
【0238】
本明細書で参照にされるすべての特許、公開特許出願、他の刊行物、ならびにGenBankおよび他のデータベースからの配列は、関連技術に関してその全体を参照により組み込むものとする。
【0239】
少数の核酸、たとえば、メッセンジャーリボ核酸(mRNA)分子などの定量は、たとえば、さまざまな発生段階またはさまざまな環境条件下で発現される遺伝子を決定するために、臨床上重要である。しかし、特に、分子数が非常に小さい場合、核酸分子(たとえば、mRNA分子)の絶対数を決定するのは極めて困難となりうる。サンプル中の分子の絶対数を決定する一方法は、デジタルポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である。理想的には、PCRは、各サイクルで分子の同一コピーを産生する。しかしながら、PCRは、各分子は、推計学的確率で複製し、この確率は、PCRサイクルおよび遺伝子配列によって変動するため、増幅バイアスおよび不正確な遺伝子発現測定値が生じるといった問題を有しうる。ユニーク分子標識(分子指標(MI)とも呼ばれる)を有する確率バーコードを用いて、分子数をカウントし、増幅バイアスを補正することができる。Precise(商標)アッセイ(Cellular Research,Inc.(Palo Alto,CA))などの確率バーコーディングは、分子標識(ML)を用いて、逆転写(RT)中にmRNAに標識することによって、PCRおよびライブラリー作製工程により誘導されるバイアスを補正することができる。
【0240】
Precise(商標)アッセイは、RT工程中に、サンプル中のすべてのポリ(A)-mRNAとハイブリダイズさせるために、ポリ(T)オリゴヌクレオチド上に多数(たとえば、6561~65536)のユニーク分子標識を有する確率バーコードの非枯渇プールを使用することができる。確率バーコードは、ユニバーサルPCRプライミング部位を含んでもよい。RTの最中に、標的遺伝子分子は、確率バーコードとランダムに反応する。各標的分子は、得られた確率バーコードとハイブリダイズして、確率バーコード付きの相補的リボヌクレオチド酸(cDNA)分子を生成しうる)。標識した後、マイクロウェルプレートのマイクロウェルからの確率バーコード付きcDNA分子を、PCR増幅およびシーケンシングのために単一チューブ中にプールすることができる。未補正のシーケンシングデータを分析して、リードの数、ユニーク分子標識を有する確率バーコードの数、mRNA分子の数を取得しうる。
【0241】
単一細胞のmRNA発現プロフィールを決定するための方法が、超並列的に行われうる。たとえば、Precise(商標)アッセイを用いて、10,000個を超える細胞のmRNA発現プロフィールを同時に決定することができる。サンプルごとの分析のための単一細胞の数(たとえば、100個または1,000個の単一細胞)を、現在の単一細胞技術の能力より少なくしうる。さまざまなサンプルからの細胞をプールすることは、現在の単一の技術の能力の向上した利用を可能にし、したがって、無駄な試薬および単一細胞分析のコストを減少させる。さまざまなサンプルからの細胞をプールすることは、さまざまなサンプルの細胞のcDNAライブラリー作製の変動を最小限に抑えることができ、したがって、異なるサンプルのより正確な比較を可能にする。
【0242】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する。いくつかの実施形態では、一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも100の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも1,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬は、少なくとも10の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列(たとえば、1つの分子標識配列)を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも100の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、10~400の異なるタンパク質標的を含む。
【0243】
定義
特に定義がない限り、本明細書で用いられる技術用語はすべて、本開示が属する分野の当業者により一般に理解されているものと同一の意味を有する。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、特に文脈上明確に規定されていない限り、単数形の「a」、「an」、および「the」には、複数の参照語が包含される。本明細書での「または」の意味はいずれも、特に明記されていない限り、「および/または」を包含することが意図される。
【0244】
本明細書で用いられる場合、「アダプター」という用語は、関連核酸の増幅またはシーケンシングを促進するための配列を意味しうる。関連核酸は、標的核酸を含みうる。関連核酸は、空間標識、標的標識、サンプル標識、指標標識、またはバーコード配列(たとえば、分子標識)の1つ以上を含みうる。アダプターは、線状であってよい。アダプターは、事前にアデニル化されたアダプターであってよい。アダプターは、二本鎖または一本鎖であってよい。1つ以上のアダプターは、核酸の5’または3’末端に配置することができる。アダプターが5’および3’末端に既知の配列を含む場合、既知の配列は、同じ配列でも、異なる配列でもよい。ポリヌクレオチドの5’および/または3’末端に位置するアダプターは、表面上に固定された1つ以上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする能力を有しうる。アダプターは、いくつかの実施形態では、ユニバーサル配列を含む。ユニバーサル配列は、2つ以上の核酸分子と共通のヌクレオチド配列の1領域であってよい。2つ以上の核酸分子は、異なる配列の領域を有しうる。従って、たとえば、5’アダプターは、同一配列および/またはユニバーサル核酸配列を含み、3’アダプターは、同一配列および/またはユニバーサル配列を含みうる。複数の核酸分子の異なるメンバー中に存在しうるユニバーサル配列は、ユニバーサル配列と相補的な単一ユニバーサルプライマーを用いて、複数の異なる配列の複製または増幅を可能にしうる。同様に、核酸分子のコレクションの異なるメンバー中に存在しうる少なくとも1つ、2つ(たとえば、ペア)若しくはそれ以上のユニバーサル配列は、ユニバーサル配列と相補的な少なくとも1つ、2つ(たとえば、一対)若しくはそれ以上の単一ユニバーサルプライマーを用いて、複数の異なる配列の複製または増幅を可能にしうる。従って、ユニバーサルプライマーは、こうしたユニバーサル配列とハイブリダイズすることができる配列を含む。標的核酸配列担持分子を修飾して、ユニバーサルアダプター(たとえば、非標的核酸配列)を異なる標的核酸配列の一端または両端に結合させることができる。標的核酸に結合した1つ以上のユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマーのハイブリダイゼーションのための部位を提供することができる。標的核酸に結合した1つ以上のユニバーサルプライマーは、同じでも、互いに異なってもよい。
【0245】
本明細書で用いられる場合、抗体は、全長(たとえば、天然に存在するかもしくは通常の免疫グロブリン遺伝子断片組換えプロセスにより形成される)免疫グロブリン分子(たとえばIgG抗体)または免疫グロブリン分子の免疫活性(すなわち特異的結合)部分、たとえば抗体フラグメントでありうる。
【0246】
いくつかの実施形態では、抗体は、機能的抗体フラグメントである。たとえば、抗体フラグメントは、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、sFvなどの抗体の一部でありうる。抗体フラグメントは、全長抗体により認識される同一の抗原に結合可能である。抗体フラグメントは、抗体の可変領域からなる単離された断片、たとえば、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメントならびに軽鎖および重鎖の可変領域がペプチドリンカー(「scFvタンパク質」)により接続された組換え一本鎖ポリペプチド分子を含みうる。例示的な抗体としては、限定されるものではないが、癌細胞に対する抗体、ウイルスに対する抗体、細胞表面レセプター(たとえば、CD8、CD34、およびCD45)に結合する抗体、および治療用抗体が挙げられうる。
【0247】
本明細書で用いられる場合、「関連付けられる」または「~に関連付けられる」という用語は、ある時点で2つ以上の種が共配置されているとして同定可能であることを意味しうる。関連付けは、2つ以上の種が類似の容器内にあることを意味しうる。関連付けは、インフォマティクス的関連付けでありうる。この場合、たとえば、2つ以上の種に関するデジタル情報が記憶され、かつその情報を用いてこれらの種の1つ以上が共配置されたことを決定可能である。関連付けはまた、物理的関連付けでありうる。いくつかの例では、2つ以上の関連付けられる種は、互いにまたは共通の固体もしくは半固体の表面に「テザー連結」、「結合」、または「固定」される。関連付けは、ビーズなどの固体または半固体の支持体に標識を結合するための共有結合手段または非共有結合手段を意味しうる。関連付けは、標的と標識とのハイブリダイゼーションを含みうる。
【0248】
本明細書で用いられる場合、「相補的」という用語は、2つのヌクレオチド間の精密なペアリングの能力を意味しうる。たとえば、核酸の所与の位置のヌクレオチドが他の核酸のヌクレオチドと水素結合可能である場合、2つの核酸はその位置で互いに相補的であるとみなされる。2つの一本鎖核酸分子間の相補性は、ヌクレオチドの一部のみが結合する場合には「部分的」でありうるし、一本鎖分子間のすべてに相補性が存在する場合には完全でありうる。第1のヌクレオチド配列が第2のヌクレオチド配列に相補的である場合、第1のヌクレオチド配列は第2の配列の「相補体」であるといえる。第1のヌクレオチド配列が第2の配列の逆(すなわち、ヌクレオチドの順序が逆)の配列に相補的である場合、第1のヌクレオチド配列は第2の配列の「逆相補体」であるといえる。本明細書で用いられる場合、「相補体」、「相補的」、および「逆相補体」という用語は、同義的に用いることが可能である。ある分子が他の分子にハイブリダイズしうる場合、それはハイブリダイズしている分子の相補体でありうることが、本開示から理解される。
【0249】
本明細書で用いられる場合、「デジタルカウンティング」という用語は、サンプル中の標的分子の数を推定する方法を意味しうる。デジタルカウンティングは、サンプル中の標的に関連付けられたユニーク標識の数を決定する工程を含みうる。この確率的方法は、分子をカウントする問題を、同一の分子の位置決定および同定の問題から、所定の標識のセットの検出に関する一連のあり/なしのデジタル問題に変換する。
【0250】
本明細書で用いられる場合、「標識」という用語は、サンプル内の標的に関連付けられる核酸コードを意味しうる。標識は、たとえば、核酸標識でありうる。標識は、全体または一部が増幅可能な標識でありうる。標識は、全体または一部がシーケンス可能標識でありうる。標識は、個別に同定可能な天然核酸の一部でありうる。標識は、既知の配列でありうる。標識は、核酸配列の接合(たとえば、天然配列と非天然配列との接合)を含みうる。本明細書で用いられる場合、「標識」という用語は、「インデックス」、「タグ」、または「標識タグ」という用語と同義的に用いうる。標識は、情報を伝達可能である。たとえば、種々の実施形態では、標識は、サンプル同一性、サンプル源、細胞同一性、および/または標的を決定するために使用可能である。
【0251】
本明細書で用いられる場合、「非枯渇リザーバー」という用語は、多種多様な標識から構成されたバーコード(たとえば、確率バーコード)のプールを意味しうる。非枯渇リザーバーは、非枯渇リザーバーが標的のプールに関連付けられる場合、各標的がユニーク確率バーコードに関連付けられる可能性が高くなるように、多数の異なる確率バーコードを含みうる。各標識標的分子のユニーク性は、ランダム選択の統計により決定可能であり、標識の多様性と比較してコレクション中の同一の標的分子のコピー数に依存する。得られる標識標的分子のセットのサイズは、バーコーディングプロセスの確率的性質により決定可能であり、次いで、検出された確率バーコードの数の解析は、元のコレクションまたはサンプル中に存在する標的分子の数の計算を可能にする。存在する標的分子のコピー数とユニーク確率バーコードの数との比が低い場合、標識標的分子はきわめてユニークである(すなわち、2つ以上の標的分子が1つの所与の標識で標識される確率は非常に低い)。
【0252】
本明細書で用いられる場合、「核酸」という用語は、ポリヌクレオチド配列またはその断片を意味する。核酸はヌクレオチドを含みうる。核酸は細胞に対して外因性または内因性でありうる。核酸は細胞フリー環境中に存在しうる。核酸は遺伝子またはその断片でありうる。核酸はDNAでありうる。核酸はRNAでありうる。核酸は1つ以上のアナログ(たとえば、修飾された骨格、糖または核酸塩基)を含みうる。アナログのいくつかの例としては、限定されるものではないが、5-ブロモウラシル、ペプチド核酸、ゼノ核酸、モルホリノ体、ロックド核酸、グリコール核酸、トレオース核酸、ジデオキシヌクレオチド、コルジセピン、7-デアザ-GTP、フルオロフォア(たとえば、糖に結合されたローダミンまたはフルオレセイン)、チオール含有ヌクレオチド、ビオチン結合ヌクレオチド、蛍光塩基アナログ、CpGアイランド、メチル-7-グアノシン、メチル化ヌクレオチド、イノシン、チオウリジン、プソイドウリジン、ジヒドロウリジン、キューオシン、およびワイオシンが挙げられる。「核酸」、「ポリヌクレオチド、「標的ポリヌクレオチド」、および「標的核酸」は、同義的に用いうる。
【0253】
核酸は、新しいまたは向上した特徴(たとえば、向上した安定性)を有する核酸を提供するために1つ以上の修飾(たとえば、塩基修飾、骨格修飾)を含みうる。核酸は核酸アフィニティータグを含みうる。ヌクレオシドは塩基-糖の組合せでありうる。ヌクレオシドの塩基部分はヘテロ環塩基でありうる。かかるヘテロ環塩基の2つの最も一般的なクラスはプリンおよびピリミジンである。ヌクレオチドは、ヌクレオシドの糖部分に共有結合されたリン酸基をさらに含むヌクレオシドでありうる。ペントフラノシル糖を含むヌクレオシドでは、リン酸基は、糖の2’、3’、または5’ヒドロキシル部分に結合可能である。核酸を形成する際、リン酸基は、隣接ヌクレオシドを互いに共有結合して線状高分子化合物を形成可能である。ひいては、この線状高分子化合物のそれぞれの末端をさらに連結して環状化合物を形成可能である。しかしながら、線状化合物が一般に好適である。そのほかに、線状化合物は、内部ヌクレオチド塩基相補性を有しうるので、完全二本鎖または部分二本鎖の化合物を生成するようにフォールディングしうる。核酸内では、リン酸基は、通常、核酸のヌクレオシド間骨格を形成するものとして参照可能である。結合または骨格は、3’→5’ホスホジエステル結合でありうる。
【0254】
核酸は、修飾骨格および/または修飾ヌクレオシド間結合を含みうる。修飾骨格は、骨格中にリン原子を保持するものおよび骨格中にリン原子を有していないものを含みうる。リン原子を中に含有する好適な修飾核酸骨格は、たとえば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’-アルキレンホスホネートや5’-アルキレンホスホネートなどのメチルや他のアルキルのホスホネート、キラルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホルアミデートやアミノアルキルホスホルアミデートなどのホスホルアミデート、ホスホロジアミデート、チオノホスホルアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェート、および通常3’-5’結合、2’-5’結合アナログを有するボラノホスフェート、ならびに1つ以上のヌクレオチド間結合が3’→3’、5’→5’、または2’→2’結合である逆極性を有するものを含みうる。
【0255】
核酸は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルのヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルのヌクレオシド間結合、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子もしくはヘテロ環のヌクレオシド間結合により形成されるポリヌクレオチド骨格を含みうる。これらは、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される)、シロキサン骨格、スルフィド、スルホキシド、およびスルホン骨格、ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル骨格、リボアセチル骨格、アルケン含有骨格、スルファメート骨格、メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ骨格、スルホネートおよびスルホンアミド骨格、アミド骨格を有するもの、ならびに混合N、O、S、およびCH2構成部分を有する他のものを含みうる。
【0256】
核酸は核酸ミメティックを含みうる。「ミメティック」という用語は、フラノース環のみまたはフラノース環とヌクレオチド間結合の両方が非フラノース基で置き換えられているポリヌクレオチドを含むことを意図し得、フラノース環のみの置換えは、糖サロゲートであるとして参照可能である。ヘテロ環塩基部分または修飾ヘテロ環塩基部分は、適切な標的核酸とのハイブリダイゼーションのために保持可能である。かかる核酸の1つはペプチド核酸(PNA)でありうる。PNAでは、ポリヌクレオチドの糖骨格は、アミド含有骨格特にアミノエチルグリシン骨格で置換え可能である。ヌクレオチドは保持可能であり、かつ骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接的または間接的に結合される。PNA化合物中の骨格は、PNAにアミド含有骨格を与える2つ以上の結合されたアミノエチルグリシン単位を含みうる。ヘテロ環塩基部分は、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接的または間接的に結合可能である。
【0257】
核酸はモルホリノ骨格構造を含みうる。たとえば、核酸は、リボース環の代わりに6員モルホリノ環を含みうる。これらの実施形態のいくつかでは、ホスホロジアミデートまたは他の非ホスホジエステルのヌクレオシド間結合によりホスホジエステル結合を置換え可能である。
【0258】
核酸は、モルホリノ環に結合されたヘテロ環塩基を有する結合されたモルホリノ単位(すなわちモルホリノ核酸)を含みうる。結合基は、モルホリノ核酸中のモルホリノモノマー単位を結合可能である。非イオン性モルホリノ系オリゴマー化合物は、細胞タンパク質とのより少ない望ましくない相互作用を有しうる。モルホリノ系ポリヌクレオチドは、核酸の非イオン性ミミックでありうる。モルホリノクラス内のさまざまな化合物は、異なる結合基を用いて連結可能である。ポリヌクレオチドミメティックのさらなるクラスは、シクロヘキセニル核酸(CeNA)として参照可能である。核酸分子中に通常存在するフラノース環は、シクロヘキセニル環で置換え可能である。CeNA DMT保護ホスホロアミダイトモノマーは、ホスホロアミダイト化学を用いたオリゴマー化合物合成のために調製および使用が可能である。核酸鎖中へのCeNAモノマーの取込みは、DNA/RNAハイブリッドの安定性を増加可能である。CeNAオリゴアデニレートは、天然複合体に類似した安定性を有する核酸相補体との複合体を形成可能である。さらなる修飾は、2’-ヒドロキシル基が糖環の4’炭素原子に結合されて2’-C,4’-C-オキシメチレン結合を形成することにより二環式糖部分を形成するロックド核酸(LNA)を含みうる。結合は、2’酸素原子と4’炭素原子とを架橋するメチレン(-CH2),基(式中、nは1または2である)でありうる。LNAおよびLNAアナログは、相補的核酸との非常に高い二本鎖熱安定性(Tm=+3~+10℃)、3’-エキソヌクレアーゼ分解に対する安定性、および良好な溶解性を示しうる。
【0259】
核酸はまた、核酸塩基(単に「塩基」ということが多い)の修飾または置換を含みうる。本明細書で用いられる場合、「非修飾」または「天然」の核酸塩基は、プリン塩基(たとえば、アデニン(A)およびグアニン(G))、ならびにピリミジン塩基(たとえば、チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U))を含みうる。修飾核酸塩基は、他の合成および天然の核酸塩基、たとえば、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニル(-C=C-CH3)ウラシルおよびシトシン、ならびにピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(プソイドウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、ならびに他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン、ならびに3-デアザグアニンおよび3-デアアデニンを含みうる。修飾核酸塩基は、三環式ピリミジン、たとえば、フェノキサジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、置換フェノキサジンシチジン(たとえば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド(5,4-(b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)などのG-クランプ、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド(5,4-b)(1,4)ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、置換フェノキサジンシチジン(たとえば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド(5,4-(b)(1,4)ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)などのG-クランプ、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド(4,5-b)インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド(3’,’:4,5)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)を含みうる。
【0260】
本明細書で用いられる場合、「サンプル」という用語は、標的を含む組成物を意味しうる。本開示の方法、デバイス、およびシステムによる分析に好適なサンプルとしては、細胞、組織、器官、または生物が挙げられる。
【0261】
本明細書で用いられる場合、「サンプリングデバイス」または「デバイス」という用語は、サンプルのセクションの採取および/または基材上へのセクションの配置を行いうるデバイスを意味しうる。サンプルデバイスとは、たとえば、蛍光活性化細胞選別(FACS)機、セルソーター機、生検針、生検デバイス、組織切片化デバイス、マイクロ流体デバイス、ブレードグリッド、および/またはミクロトームを意味しうる。
【0262】
本明細書で用いられる場合、「固体担体」という用語は、複数のバーコード(たとえば、確率バーコード)を結合しうる離散した固体または半固体の表面を意味しうる。固体担体は、核酸を(たとえば共有結合または非共有結合で)固定しうるプラスチック、セラミック、金属、または高分子材料(たとえばヒドロゲル)で構成された任意のタイプの中実、多孔性、または中空のスフェア、ボール、ベアリング、シリンダー、または他の類似の構成体を包含しうる。固体担体は、球状(たとえばマイクロスフェア)でありうるかまたは非球状もしくは不規則形状、たとえば、立方体形、直方体形、角錐形、円柱形、円錐形、扁球形、ディスク形などを有しうる離散粒子を含みうる。ビーズは、非球状の形状でありうる。アレイ状に離間して配置された複数の固体担体は、基材を含まないこともありうる。固体担体は、「ビーズ」という用語と同義的に用いられうる。
【0263】
本明細書で用いられる場合、「確率バーコード」という用語は、本開示の標識を含むポリヌクレオチド配列を意味する。確率バーコードは、確率バーコーディングに使用可能なポリヌクレオチド配列でありうる。確率バーコードは、サンプル中の標的を定量可能である。確率バーコードは、標識を標的に関連付けた後に起こりうるエラーの制御に使用可能である。たとえば、確率バーコードは、増幅またはシーケンシングのエラーを評価可能である。標的に関連付けられた確率バーコードは、確率バーコード標的または確率バーコードタグ標的と呼ぶことが可能である。
【0264】
本明細書で用いられる場合、「確率バーコーディング」という用語は、核酸のランダム標識化(たとえばバーコーディング)を意味する。確率バーコーディングは、標識を標的に関連付けて、標的に関連付けられた標識を定量するために再帰的ポアソンストラテジーを利用することができる。本明細書で用いられる場合、「確率バーコーディング」という用語は、「確率標識化」と同義的に用いられうる。
【0265】
本明細書で用いられる場合、「標的」という用語は、バーコード(たとえば確率バーコード)に関連付け可能な組成物を意味しうる。本開示の方法、デバイス、およびシステムによる分析に例示的な好適な標的としては、オリゴヌクレオチド、DNA、RNA、mRNA、マイクロRNA、tRNAなどが挙げられる。標的は一本鎖または二本鎖でありうる。いくつかの実施形態では、標的は、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドでありうる。いくつかの実施形態では、標的は脂質である。本明細書で用いられる場合、「標的」は、「種」と同義的に用いられうる。
【0266】
「逆転写酵素」という用語は、逆転写酵素活性を有する(すなわち、RNA鋳型からのDNAの合成を触媒する)酵素のグループを意味しうる。一般的には、かかる酵素としては、限定されるものではないが、レトロウイルス逆転写酵素、レトロトランスポゾン逆転写酵素、レトロプラスミド逆転写酵素、レトロン逆転写酵素、細菌逆転写酵素、グループIIイントロン由来逆転写酵素、およびそれらの突然変異体、変異体、または誘導体が挙げられる。非レトロウイルス逆転写酵素としては、非LTRレトロトランスポゾン逆転写酵素、レトロプラスミド逆転写酵素、レトロン逆転写酵素、およびグループIIイントロン逆転写酵素が挙げられる。グループIIイントロン逆転写酵素の例としては、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococc s lactis)Ll.LtrBイントロン逆転写酵素、サーモシネココッカス・エロンガツス(Thermosynechococcus elongatus)TeI4cイントロン逆転写酵素、またはジオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)GsI-IICイントロン逆転写酵素が挙げられる。他のクラスの逆転写酵素としては、多くのクラスの非レトロウイルス逆転写酵素(すなわち、レトロン、グループIIイントロン、および特に多様性生成レトロエレメント)が挙げられうる。
【0267】
「ユニバーサルアダプタープライマー」、「ユニバーサルプライマーアダプター」または「ユニバーサルアダプター配列」という用語は、置き換え可能に用いられて、バーコード(たとえば、確率バーコード)をハイブリダイズして、遺伝子特異的バーコードを作製するために使用することができるヌクレオチド配列を指す。ユニバーサルアダプター配列は、たとえば、本開示の方法に用いられるすべてのバーコードに対してユニバーサルである既知の配列であってよい。たとえば、本明細書に開示する方法を用いて複数の標的が標識される場合、標的特異的配列の各々を同じユニバーサルアダプター配列に連結させてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法に、2つ以上のユニバーサルアダプター配列を使用することができる。たとえば、本明細書に開示する方法を用いて複数の標的が標識される場合、標的特異的配列の少なくとも2つを異なるユニバーサルアダプター配列と連結させる。ユニバーサルアダプタープライマーおよびその補体は、2つのオリゴヌクレオチドに含有させてもよく、そのうちの1つは、標的特異的配列を含み、他方は、バーコードを含む。たとえば、ユニバーサルアダプター配列は、標的核酸と相補的なヌクレオチド配列を生成するための標的特異的配列を含むオリゴヌクレオチドの一部であってもよい。バーコードと、ユニバーサルアダプター配列の相補的配列を含む第2のオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列とハイブリダイズして、標的特異的バーコード(たとえば、標的特異的確率バーコード)を生成しうる。いくつかの実施形態では、ユニバーサルアダプタープライマーは、本開示の方法で使用されるユニバーサルPCRプライマーとは異なる配列を有する。
【0268】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、オリゴヌクレオチドと結合されたタンパク質結合試薬を各々含む複数の組成物であって、オリゴヌクレオチドが、それが結合されるタンパク質結合試薬のための一意識別子を含み、タンパク質結合試薬が、タンパク質標的に特異的に結合することが可能である、複数の組成物を提供する。いくつかの実施形態では、一意識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子は、一意識別子の多様なセットから選択される。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも100の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも1,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、一意識別子の多様なセットは、少なくとも10,000の異なる一意識別子を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数の抗体、複数のアプタマー、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも100の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも1,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、少なくとも10,000の異なるタンパク質結合試薬を含む。いくつかの実施形態では、各ンパク質結合試薬は、少なくとも10の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列(たとえば分子標識配列)を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも100の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬が、少なくとも1,000の異なるバーコード配列のセットから選択される少なくとも1つのバーコード配列を含む1つ以上のオリゴヌクレオチドと結合される。いくつかの実施形態では、複数の組成物は、複数のタンパク質標的に特異的に結合することが可能である。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合性複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、10~400の異なるタンパク質標的を含む。
【0269】
バーコード
確率バーコーディングなどのバーコーディングは、たとえば、米国特許出願公開第20150299784号明細書、国際公開第2015031691号パンフレット、およびFu et al,Proc Natl Acad Sci U.S.A.2011 May 31;108(22):9026-31に記載されており、これらの刊行物の内容は、その全体を参照により本明細書に組み込む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるバーコードは、標的に確率標識(たとえば、バーコード、タグ)を付けるために使用することができるポリヌクレオチド配列でありうる確率バーコードでありうる。バーコードは、確率バーコードの異なるバーコード配列の数および標識される標的のいずれかの出現の回数の比率が、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値でありうる場合、確率バーコードと呼ばれうる。標的は、同一またはほぼ同一の配列を有するmRNA分子を含むmRNA種でありうる。バーコードは、確率バーコードの異なるバーコード配列の数および標識される標的のいずれかの出現の回数の比率が、少なくとも、または多くとも、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、または100:1である場合、確率バーコードと呼ばれうる。確率バーコードのバーコード配列は、分子標識と呼ばれうる。
【0270】
バーコード、たとえば確率バーコードは、1つ以上の標識を含みうる。例示的な標識としては、ユニバーサル標識、細胞標識、バーコード配列(たとえば分子標識)、サンプル標識、プレート標識、空間標識、および/またはプレ空間標識を挙げることができる。
図1は、空間標識を有する例示的なバーコード104を示す。バーコード104は、バーコードを固体担体105に連結しうる5’アミンを含んでよい。バーコードは、ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、および/または分子標識を含みうる。バーコード中のさまざまな標識(限定するものではないが、ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、および分子標識など)の順序は変動しうる。たとえば、
図1に示すように、ユニバーサル標識は、最も5’側の標識であってよく、分子標識は、最も3’側の標識であってもよい。空間標識、次元標識、および細胞標識は、任意の順序であってよい。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識、空間標識、次元標識、細胞標識、および分子標識は、任意の順序であってよい。バーコードは、標的結合領域を含みうる。標的結合領域は、サンプル中の標的(たとえば、標的核酸、RNA、mRNA、DNA)と相互作用することができる。たとえば、標的結合領域は、mRNAのポリ(A)テールと相互作用することができるオリゴ(dT)配列を含みうる。ある場合、バーコードの標識(たとえば、ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、およびバーコード配列)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20ヌクレオチドまたはそれ以上によって隔てられうる。
【0271】
標識、たとえば、細胞標識は、規定長さ、たとえば、各々7ヌクレオチド(いくつかのハミングエラー訂正コードに使用されるビット数に相当する)の核酸部分配列の固有のセットを含んでもよく、これらは、エラー訂正能力を賦与するように設計することができる。エラー訂正部分配列のセットは、7つのヌクレオチド配列を含み、これらは、セット内の配列の任意のペア組合せが、規定の「遺伝子距離」(またはミスマッチ塩基の数)を呈示するように、設計することができ、たとえば、3ヌクレオチドの遺伝子距離を呈示するように、1セットのエラー訂正部分配列を設計することができる。この場合、標識化標的核酸分子についてのシーケンシングデータのセット内のエラー訂正配列の見直しによって、増幅若しくはシーケンシングエラーを検出または訂正することが可能になる。いくつかの実施形態では、エラー訂正コードを作製するために用いられる核酸部分配列の長さは、たとえば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、31、40、50ヌクレオチド長、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲であってよい。いくつかの実施形態では、エラー訂正コードを作製するために、他の長さの核酸部分配列を使用することも可能である。
【0272】
バーコードは、標的結合領域を含みうる。標的結合領域は、サンプル中の標的と相互作用することができる。標的は、リボ核酸(RNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、microRNA、低分子干渉RNA(siRNA)、RNA分解産物、各々がポリ(A)テールを含有するRNA、またはそれらの任意の組合せであってもよいし、これらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の標的は、デオキシリボ核酸(DNA)を含みうる。
【0273】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、mRNAのポリ(A)テールと相互作用することができるオリゴ(dT)配列を含みうる。バーコードの標識(たとえば、ユニバーサル標識、次元標識、空間標識、細胞標識、およびバーコード(たとえば、分子標識))の1つ以上は、バーコードの残りの標識の別の1つまたは2つからスペーサによって隔てることができる。スペーサは、たとえば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20ヌクレオチドまたはそれ以上であってよい。いくつかの実施形態では、バーコードの標識のいずれもスペーサによって隔てられない。
【0274】
ユニバーサル標識
バーコードは1つ以上のユニバーサル標識を含みうる。いくつかの実施形態では、1つ以上のユニバーサル標識は、所与の固体担体に結合されるバーコードのセット中のすべてのバーコードで同一でありうる。いくつかの実施形態では、1つ以上のユニバーサル標識は、複数のビーズに結合されるすべてのバーコードで同一でありうる。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、シーケンシングプライマーにハイブリダイズ可能な核酸配列を含みうる。シークエンシングプライマーは、ユニバーサル標識を含むバーコードをシーケンスするために使用可能である。シークエンシングプライマー(たとえば、ユニバーサルシークエンシングプライマー)は、高スループットシークエンシングプラットフォームに関連付けられるシークエンシングプライマーを含みうる。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、PCRプライマーにハイブリダイズ可能な核酸配列を含みうる。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、シークエンシングプライマーおよびPCRプライマーにハイブリダイズ可能な核酸配列を含みうる。シーケンシングプライマーまたはPCRプライマーにハイブリダイズ可能なユニバーサル標識の核酸配列は、プライマー結合部位として参照しうる。ユニバーサル標識は、バーコードの転写を開始するために使用しうる配列を含みうる。ユニバーサル標識は、バーコードまたはバーコード内の領域の伸長のために、使用しうる配列を含みうる。ユニバーサル標識は、約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50ヌクレオチド長、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲であってよい。たとえば、ユニバーサル標識は、少なくとも約10ヌクレオチドを含みうる。ユニバーサル標識は、少なくとも、または多くとも、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、もしくは300ヌクレオチド長でありうる。いくつかの実施形態では、切断可能なリンカーまたは修飾ヌクレオチドは、担体からバーコードを切断して除去することを可能にするユニバーサル標識配列の一部であってよい。
【0275】
次元標識
バーコードは1つ以上の次元標識を含みうる。いくつかの実施形態では、次元標識は、標識化(たとえば、確率標識化)が行われた次元に関する情報を提供する核酸配列を含みうる。たとえば、次元標識は、標的に確率バーコードが付された時点に関する情報を提供可能である。次元標識は、サンプルのバーコーディング(たとえば、確率バーコーディング)の時点に関連付け可能である。次元標識は、標識化の時点で活性化可能である。異なる時点で異なる次元標識を活性化可能である。次元標識は、標的、標的のグループ、および/またはサンプルに確率バーコードを付けた順序に関する情報を提供する。たとえば、細胞集団は、細胞周期のG0期に確率バーコードを付けることが可能である。細胞は、細胞周期のG1期にバーコード(たとえば、確率バーコード)で再びパルスすることが可能である。細胞は、細胞周期のS期にバーコードで再びパルスすることが可能であり、他の時期も同様である。各パルス時(たとえば、細胞周期の各期)のバーコードは、異なる次元標識を含みうる。こうして、次元標識は、細胞周期のどの期に標的に標識したかに関する情報を提供する。次元標識は、多種多様な生物時間を精査することが可能である。例示的な生物時間としては、限定されるものではないが、細胞周期、転写(たとえば転写開始)、および転写物分解が挙げられうる。他の例として、薬剤治療および/または療法の前および/または後にサンプル(たとえば、細胞、細胞集団)に確率標識を付けることが可能である。識別可能な標的のコピー数の変化は、薬剤および/または療法に対するサンプルの反応の指標でありうる。
【0276】
次元標識は、活性化可能であってよい。活性化可能な次元標識は、特定の時点で活性化可能でありうる。活性化可能な標識は、たとえば、構成的に活性化することができる(たとえば、オフに切り替わらない)。活性化可能な次元標識は、たとえば、可逆的に活性化可能である(たとえば、活性化可能な次元標識は、オン・オフの切替えが可能である)。たとえば、次元標識は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10回またはそれ以上可逆的に活性化可能でありうる。次元標識は、たとえば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10回またはそれ以上可逆的に活性化可能でありうる。いくつかの実施形態では、次元標識は、蛍光、光、化学的イベント(たとえば、切断、他の分子のライゲーション、修飾(たとえば、ペグ化、SUMO化、アセチル化、メチル化、脱アセチル化、脱メチル化)の付加、光化学的イベント(たとえば、光ケージング)、および非天然ヌクレオチドの導入により活性化可能である。
【0277】
次元標識は、いくつかの実施形態では、所与の固体担体(たとえばビーズ)に結合されるすべてのバーコード(たとえば、確率バーコード)で同一でありうるが、異なる固体担体(たとえばビーズ)では異なりうる。いくつかの実施形態では、同一の固体担体上のバーコードの少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、または100%は、同一の次元標識を含みうる。いくつかの実施形態では、同じ固体担体上のバーコードの少なくとも60%は、同一の次元標識を含みうる。いくつかの実施形態では、同一の固体担体上のバーコードの少なくとも95%は、同一の次元標識を含みうる。
【0278】
複数の固体担体(たとえばビーズ)には、106程度またはそれ以上のユニーク次元標識配列が存在可能である。次元標識は、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。次元標識は、少なくとも、または多くとも、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、もしくは300ヌクレオチド長でありうる。次元標識は、約5~約200ヌクレオチドを含みうる。次元標識は、約10~約150ヌクレオチドを含みうる。次元標識は、約20~約125ヌクレオチドを含みうる。
【0279】
空間標識
バーコードは1つ以上の空間標識を含みうる。いくつかの実施形態では、空間標識は、バーコードに関連付けられる標的分子の空間配向に関する情報を提供する核酸配列を含みうる。空間標識は、サンプル中の座標に関連付け可能である。座標は固定座標でありうる。たとえば、座標は基材を基準にして固定可能である。空間標識は二次元または三次元のグリッドを基準にしうる。座標はランドマークを基準にして固定可能である。ランドマークは空間内で同定可能である。ランドマークはイメージング可能な構造体でありうる。ランドマークは生物学的構造体たとえば解剖学的ランドマークでありうる。ランドマークは細胞ランドマーク(たとえばオルガネラ)でありうる。ランドマークは、非天然ランドマーク、たとえば、色コード、バーコード、磁性、蛍光、放射能、またはユニークなサイズもしくは形状のような同定可能な識別子を有する構造体でありうる。空間標識は、物理的パーティション(たとえば、ウェル、容器、またはドロップレット)に関連付け可能である。いくつかの実施形態では、空間内の1つ以上の位置にコードを付けるために複数の空間標識が一緒に使用される。
【0280】
空間標識は、所与の固体担体(たとえばビーズ)に結合されるすべてのバーコードで同一であってよいが、異なる固体担体(たとえばビーズ)については異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、同一の空間標識を含む、同一の固体担体上のバーコードのパーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値でありうる。いくつかの実施形態では、同一の空間標識を含む、同一の固体担体上のバーコードのパーセンテージは、少なくとも、または多くとも、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、もしくは100%でありうる。いくつかの実施形態では、同一の固体担体上のバーコードの少なくとも60%が、同一の空間標識を含んでよい。いくつかの実施形態では、同一の固体担体上のバーコードの少なくとも95%が、同一の空間標識を含んでよい。
【0281】
複数の固体担体(たとえばビーズ)には、106程度またはそれ以上のユニーク空間標識配列が存在可能である。空間標識は、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。空間標識は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、もしくは300ヌクレオチド長でありうる。空間標識は、約5~約200ヌクレオチドを含みうる。空間標識は、約10~約150ヌクレオチドを含みうる。空間標識は、約20~約125ヌクレオチドを含みうる。
【0282】
細胞標識
バーコードは、1つ以上の細胞標識を含みうる。いくつかの実施形態では、細胞標識は、どの標的核酸がどの細胞に由来するかを決定するための情報を提供する核酸配列を含みうる。いくつかの実施形態では、細胞標識は、所与の固体担体(たとえばビーズ)に結合されるすべてのバーコードで同一であるが、異なる固体担体(たとえばビーズ)については異なっている。いくつかの実施形態では、同一の細胞標識を含む、同一の固体担体上のバーコードのパーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値でありうる。いくつかの実施形態では、同一の細胞標識を含む、同一の固体担体上のバーコードのパーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、もしくは100%、またはそうした近似値であってよい。たとえば、同一の固体担体上のバーコードの少なくとも60%が、同一の細胞標識を含みうる。別の例として、同一の固体担体上のバーコードの少なくとも95%が、同一の細胞標識を含んでもよい。
【0283】
複数の固体担体(たとえばビーズ)には、106程度またはそれ以上のユニーク細胞標識配列が存在可能である。細胞標識は、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。細胞標識は、少なくとも、または多くとも、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、もしくは300ヌクレオチド長でありうる。たとえば、細胞標識は、約5~約200ヌクレオチドを含みうる。別の例として、細胞標識は、約10~約150ヌクレオチドを含みうる。さらに別の例として、細胞標識は、約20~約125ヌクレオチドを含みうる。
【0284】
バーコード配列
バーコードは、1つ以上のバーコード配列を含みうる。いくつかの実施形態では、バーコード配列は、バーコードにハイブリダイズされた標的核酸種の特定のタイプについての情報の同定を提供する核酸配列を含みうる。バーコード配列は、バーコード(たとえば標的結合領域)にハイブリダイズされた標的核酸種の特定の存在に対するカウンターを提供する(たとえば、概算を提供する)核酸配列を含みうる。
【0285】
いくつかの実施形態では、バーコード配列の多様なセットが、所与の固体担体(たとえばビーズ)に結合される。いくつかの実施形態では、102、103、104、105、106、107、108、109、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のユニーク分子標識配列が存在しうる。たとえば、複数のバーコードは、識別可能な配列を有する約6561のバーコード配列を含みうる。別の例として、複数のバーコードは、識別可能な配列を有する約65536のバーコード配列を含みうる。いくつかの実施形態では、少なくとも、または多くとも、102、103、104、105、106、107、108、または109のユニークバーコード配列が存在しうる。ユニーク分子標識配列は、所与の固体担体(たとえばビーズ)に結合されうる。
【0286】
バーコードは、約、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。バーコードは、少なくとも、または多くとも、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、もしくは300ヌクレオチド長でありうる。
【0287】
分子標識
確率バーコードは、1つ以上の分子標識を含みうる。分子標識は、バーコード配列を含みうる。いくつかの実施形態では、分子標識は、確率バーコードにハイブリダイズされた標的核酸種の特定のタイプを同定するための情報を提供する核酸配列を含みうる。分子標識は、確率バーコード(たとえば標的結合領域)にハイブリダイズされた標的核酸種の特定の存在に対するカウンターを提供する核酸配列を含みうる。
【0288】
いくつかの実施形態では、分子標識の多様なセットが所与の固体担体(たとえばビーズ)に結合される。いくつかの実施形態では、102、103、104、105、106、107、108、109、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のユニーク分子標識配列が存在しうる。たとえば、複数の確率バーコードは、識別可能な配列を有する約6561の分子標識を含みうる。別の例として、複数の確率バーコードは、識別可能な配列を有する約65536の分子標識を含みうる。いくつかの実施形態では、少なくとも、または多くとも、102、103、104、105、106、107、108、もしくは109のユニーク分子標識配列が存在しうる。ユニーク分子標識配列の確率バーコードは、所与の固体担体(たとえばビーズ)に結合されうる。
【0289】
複数の確率バーコードを用いた確率バーコーディングでは、異なる分子標識配列の数および標的のいずれかの出現の回数の比率は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、100:1、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値でありうる。標的は、同一またはほぼ同一の配列を有するmRNA分子を含むmRNA種でありうる。いくつかの実施形態では、異なる分子標識配列の数および標的のいずれかの出現の回数の比率は、少なくとも、または多くとも、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、30:1、40:1、50:1、60:1、70:1、80:1、90:1、もしくは100:1である。
【0290】
分子標識は、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50ヌクレオチド長、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。分子標識は、少なくとも、または多くとも、1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、200、もしくは300ヌクレオチド長でありうる。
【0291】
標的結合領域
バーコードは、捕捉プローブなどの1つ以上の標的結合領域を含みうる。
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、対象の標的とハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、標的(たとえば、標的核酸、標的分子、たとえば、分析される細胞核酸)、たとえば、特定の遺伝子配列に特異的にハイブリダイズする核酸配列を含みうる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、特定の標的核酸の特定の位置に結合(たとえばハイブリダイズ)しうる核酸配列を含みうる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、制限酵素部位オーバーハング(たとえば、EcoRI付着末端オーバーハング)への特異的なハイブリダイゼーションが可能な核酸配列を含みうる。次いで、バーコードは、制限部位オーバーハングに相補的な配列を含む任意の核酸分子にライゲートしうる。
【0292】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は非特異的標的核酸配列を含みうる。非特異的標的核酸配列は、標的核酸の特定の配列に依存せずに複数の標的核酸に結合しうる配列を意味しうる。たとえば、標的結合領域は、ランダムマルチマー配列を含みうるかまたはmRNA分子のポリ(A)テールにハイブリダイズするオリゴ(dT)配列を含みうる。ランダムマルチマー配列は、たとえば、ランダムダイマー、ランダムトリマー、ランダムクアトラマー、ランダムペンタマー、ランダムヘキサマー、ランダムセプタマー、ランダムオクタマー、ランダムノナマー、ランダムデカマー、または任意の長さのより高次のランダムマルチマーの配列でありうる。いくつかの実施形態では、標的結合領域は、所与のビーズに結合されたすべてのバーコードで同一である。いくつかの実施形態では、所与のビーズに結合された複数のバーコードの標的結合領域は、2つ以上の異なる標的結合配列を含む。標的結合領域は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。もしくはそれ以上または概略で少なくともそうしたヌクレオチド長でありうる。標的結合領域は、多くとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50ヌクレオチド長またはそれ以上でありうる。
【0293】
いくつかの実施形態では、標的結合領域は、ポリアデニル化末端を含むmRNAにハイブリダイズすることができるオリゴ(dT)を含みうる。標的結合領域は、遺伝子特異的でありうる。たとえば、標的結合領域は、標的の特定の領域にハイブリダイズするように構成することができる。標的結合領域は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。標的結合領域は、少なくとも、または多くとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30ヌクレオチド長でありうる。標的結合領域は、約5~30ヌクレオチド長であってもよい。バーコードが、遺伝子特異的標的結合領域を含む場合、このバーコードは、本明細書において遺伝子特異的バーコードと呼ぶことができる。
【0294】
配向性
バーコードは、バーコードの配向(たとえばアライメント)のために使用することができる1つ以上の配向性を含みうる。バーコードは、等電点電気泳動用の部分を含みうる。異なるバーコードは、異なる等電点電気泳動点を含みうる。こうしたバーコードをサンプルに導入した場合、サンプルは、バーコードを既知の形態にオリエントするために等電点電気泳動を行うことが可能である。こうして、オリエント性は、サンプルでバーコードの既知のマップを作成するために使用可能である。例示的なオリエント性としては、電気泳動移動度(たとえば、バーコードのサイズに基づく)、等電点、スピン、伝導率、および/またはセルフアセンブリーが挙げられうる。たとえば、セルフアセンブリーのオリエント性を含むバーコードは、活性化時に特定のオリエンテーションにセルフアセンブル可能である(たとえば、核酸ナノ構造)。
【0295】
親和性
バーコードは、1つ以上の親和性を含みうる。たとえば、空間標識は、親和性を含みうる。親和性は、他のエンティティー(たとえば細胞レセプター)とのバーコードの結合を促進することができる化学的および/または生物学的部分を含みうる。たとえば、親和性は、抗体、たとえば、サンプル上の特定の部分(たとえばレセプター)に特異的な抗体を含みうる。いくつかの実施形態では、抗体は、バーコードを特定の細胞型または分子に誘導することができる。特定の細胞型もしくは分子および/またはその近傍にある標的を確率標識化することができる。抗体はバーコードを特定の位置に誘導することができるので、いくつかの実施形態において、親和性は、空間標識のヌクレオチド配列に加え、空間情報も提供することができる。抗体は、治療用抗体、たとえば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であってもよい。抗体は、ヒト化されていても、またはキメラであってもよい。抗体は、ネイキッド抗体または融合抗体であってもよい。
【0296】
抗体は、全長(すなわち、天然に存在するかもしくは通常の免疫グロブリン遺伝子断片組換えプロセスにより形成される)免疫グロブリン分子(たとえばIgG抗体)または免疫グロブリン分子の免疫活性(すなわち特異的結合)部分たとえば抗体フラグメントでありうる。
【0297】
抗体フラグメントは、たとえば、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、sFvなどの抗体の一部でありうる。いくつかの実施形態において、抗体フラグメントは、全長抗体により認識される同一の抗原に結合可能である。抗体フラグメントは、抗体の可変領域からなる単離された断片、たとえば、重鎖および軽鎖の可変領域からなる「Fv」フラグメントならびに軽鎖および重鎖の可変領域がペプチドリンカーにより接続された組換え一本鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)を含みうる。例示的な抗体としては、限定されるものではないが、癌細胞に対する抗体、ウイルスに対する抗体、細胞表面レセプター(CD8、CD34、CD45)に結合する抗体、および治療用抗体が挙げられうる。
【0298】
ユニバーサルアダプタープライマー
バーコードは、1つ以上のユニバーサルアダプタープライマーを含みうる。たとえば、遺伝子特異的確率バーコードなどの遺伝子特異的バーコードは、ユニバーサルアダプタープライマーを含みうる。ユニバーサルアダプタープライマーは、すべてのバーコードに対してユニバーサルであるヌクレオチド配列を意味しうる。ユニバーサルアダプタープライマーは、遺伝子特異的バーコードを構築するために使用することができる。ユニバーサルアダプタープライマーは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値のヌクレオチド長でありうる。ユニバーサルアダプタープライマーは、少なくとも、または多くとも、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30ヌクレオチド長でありうる。ユニバーサルアダプタープライマーは、約5~30ヌクレオチド長であってもよい。
【0299】
エラーの訂正
本開示の細胞標識および/または任意の標識は、規定長さ、たとえば、各々7ヌクレオチド(いくつかのハミングエラー訂正コードに使用されるビット数に相当する)の核酸部分配列の固有のセットをさらに含んでもよく、これらは、エラー訂正能力を賦与するように設計される。ハミングコードは、他のエラー訂正コードと同様に、冗長性の原理に基づいており、ノイジー媒体にわたって伝送されるデータに冗長パリティビットを加えることによって構築されうる。このようなエラー訂正コードは、冗長パリティビットでサンプル識別子をコードし、これらのサンプル識別子を符号語として「伝送する」ことができる。ハミングコードは、シングルビットエラーを訂正することが可能な、固有の冗長性に基づいて固有のバイナリコードを識別する計算プロセスを意味しうる。たとえば、ハミングコードは、核酸増幅中に発生する単一ヌクレオチドエラーをスクリーニングするために、核酸バーコードと一致されうる。ハミングコードを用いることによる単一のヌクレオチドエラーの同定は、それによって、核酸バーコードの訂正を可能にしうる。
【0300】
ハミングコードは、バイナリ部分空間における多次元球(すなわち、たとえば、超球)の中心から選択される可能な符号語のサブセットによって表されうる。シングルビットエラーは、特定の符号語に関連付けられた超球に含まれうるため、訂正されうる。一方、特定の符号語に関連付けられていないダブルビットエラーは、検出可能であるが、訂正することができない。任意のシングルビットエラーが、中心座標から1半径以内に入ることによって訂正されうる、座標(0,0,0)(すなわち、たとえば、x-y-z座標系を用いた)を中心とする第1の超球;すなわち、たとえば、(0,0,0);(0,1,0);(0,0,1);(1,0,0)、または(1,1,0)の座標を有するシングルビットエラーを考える。同様に、シングルビットエラーが、その中心座標(1,1,1)(すなわち、たとえば、(1,1,1);(1,0,1);(0,1,0);または(0,1,1))の1半径以内に入ることによって訂正されうる、第2の超球が構築されうる。
【0301】
いくつかの実施形態では、エラー訂正コードを作製するために用いられる核酸部分配列の長さは、変動してもよく、たとえば、それらは、少なくとも3ヌクレオチド、少なくとも7ヌクレオチド、少なくとも15ヌクレオチド、または少なくとも31ヌクレオチド長でありうる。いくつかの実施形態では、他の長さの核酸部分配列は、エラー訂正コードを作製するために用いられうる。
【0302】
リンカー
バーコードが、2つ以上のタイプの標識(たとえば、2つ以上の細胞標識または2つ以上のバーコード配列、たとえば1つの分子標識)を含む場合、標識には、リンカー標識配列が組み入れられうる。リンカー標識配列は、少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上のヌクレオチド長でありうる。リンカー標識配列は、多くとも約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50またはそれ以上のヌクレオチド長でありうる。ある場合、リンカー標識配列は、12ヌクレオチド長である。リンカー標識配列を用いて、バーコードの合成を容易にすることができる。リンカー標識は、エラー訂正(たとえばハミング)コードを含みうる。
【0303】
固体担体
本明細書に開示される確率バーコードなどのバーコードは、いくつかの実施形態において、固体担体と結合することができる。固体担体は、たとえば、合成粒子であってよい。いくつかの実施形態では、固体担体上の複数のバーコード(たとえば、第1の複数のバーコード)の確立バーコードの分子標識などのバーコード配列(たとえば、第1のバーコード配列)の一部または全部が、少なくとも1ヌクレオチド異なる。同じ固体担体上のバーコードの細胞標識は、同じであってもよい。異なる固体担体上のバーコードの細胞標識は、少なくとも1ヌクレオチド異なりうる。たとえば、第1の固体担体上の第1の複数のバーコードの第1の細胞標識は、同じ配列を有してよく、第2の固体担体上の第2の複数のバーコードの第2の細胞標識は、同じ配列を有してよい。第1の固体担体上の第1の複数のバーコードの第1の細胞標識と、第2の固体担体上の第2の複数のバーコードの第2の細胞標識とは、少なくとも1ヌクレオチド異なりうる。細胞標識は、たとえば、約5~20ヌクレオチド長でありうる。バーコード配列は、たとえば、約5~20ヌクレオチド長でありうる。合成粒子は、たとえば、ビーズであってよい。
【0304】
ビーズは、たとえば、シリカゲルビーズ、調節多孔性ガラスビーズ、磁気ビーズ、ダイナビーズ、セファデックス/セファロースビーズ、セルロースビーズ、ポリスチレンビーズ、またはそれらの任意の組合せであってよい。ビーズは、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せなどの材料を含みうる。
【0305】
いくつかの実施形態では、ビーズは、ポリマービーズ、たとえば、変形性ビーズまたはゲルビーズであってよく、これらは、バーコードまたは確率バーコードで官能化されている(たとえば、10X Genomics(San Francisco,CA)からのゲルビーズなど)。いくつかの実施形態では、ゲルビーズは、ポリマーベースのゲルを含みうる。ゲルビーズは、たとえば、1つ以上のポリマー前駆体を液滴中に封入することによって作製することができる。促進剤(たとえば、テトラメチルエチレンジアミン(TEMED))にポリマー前駆体を曝露すると、ゲルビーズが作製されうる。
【0306】
いくつかの実施形態では、粒子は、分解性でありうる。たとえば、ポリマービーズは、たとえば、所望の条件下で、溶解、溶融、または分解しうる。所望の条件は、環境条件を含みうる。所望の条件は、制御された様式で、ポリマービーズの溶解、溶融、または分解を引き起こしうる。ゲルビーズは、化学的刺激、物理的刺激、生物学的刺激、熱刺激、磁気刺激、電気刺激、光刺激、またはそれらの任意の組合せによって、溶解、溶融、または分解しうる。
【0307】
たとえば、オリゴヌクレオチドバーコードなどの被検物質および/もしくは試薬を、ゲルビーズの内側表面(たとえば、オリゴヌクレオチドバーコードおよび/もしくはオリゴヌクレオチドバーコードを作製するために用いられる材料の拡散を介して進入可能な内部)ならびに/またはゲルビーズの外側表面、あるいは本明細書に記載されるいずれか他のマイクロカプセルにカップリング/固定してもよい。カップリング/固定は、化学結合(たとえば、共有結合、イオン結合)または物理的現象(たとえば、ファンデルワールス力、双極子-双極子相互作用など)の任意の形態を介するものであってよい。いくつかの実施形態では、ゲルビーズまたは本明細書に記載する任意の他のマイクロカプセルに対する試薬のカップリング/固定は、たとえば、不安定部分(たとえば、本明細書に記載の化学架橋剤をはじめとする、化学架橋剤)を介するなど、可逆性であってもよい。刺激を適用すると、不安定部分は、切断されて、固定された試薬が遊離されうる。いくつかの実施形態では、不安定部分は、ジスルフィド結合である。たとえば、オリゴヌクレオチドバーコードが、ジスルフィド結合を介してゲルビーズに固定されている場合、ジスルフィド結合を還元剤に曝露することにより、ジスルフィド結合を切断して、オリゴヌクレオチドバーコードをビーズから遊離させることができる。不安定部分は、ゲルビーズもしくはマイクロカプセルの一部として、試薬もしくは被検物質をゲルビーズもしくはマイクロカプセルに連結する化学リンカーの一部として、および/または試薬もしくは被検物質の一部として含有させてもよい。いくつかの実施形態では、複数のバーコードの少なくとも1つのバーコードは、粒子上に固定され、粒子上に部分的に固定され、粒子に封入され、粒子に部分的に封入され、またはそれらの任意の組合せでありうる。
【0308】
いくつかの実施形態では、ゲルビーズは、限定するものではないが、以下のものをはじめとする、極めて多様なポリマーを含みうる:ポリマー、熱感受性ポリマー、感光性ポリマー、磁気ポリマー、pH感受性ポリマー、塩感受性ポリマー、化学的感受性ポリマー、高分子電解質、多糖、ペプチド、タンパク質、および/またはプラスチック。ポリマーとしては、限定するものではないが、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)、ポリ(スルホン酸スチレン)(PSS)、ポリ(アリルアミン)(PAAm)、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリ(ジアリルジメチル-塩化アンモニウム)(PDADMAC)、ポリ(ピロール)(PPy)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVPON)、ポリ(ビニルピリジン)(PVP)、ポリ(メタクリル酸)(PMAA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリ(テトラヒドロフラン)(PTHF)、ポリ(フタルアルデヒド)(PTHF)、ポリ(ヘキシルビオロゲン)(PHV)、ポリ(L-リシン)(PLL)、ポリ(L-アルギニン)(PARG)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)などの材料が挙げられる。
【0309】
多数の化学的刺激を用いて、ビーズの破壊、溶解、または分解をトリガーすることができる。これらの化学的変化の例として、限定するものではないが、ビーズ壁に対するpH媒介による変化、架橋の化学的切断を介したビーズ壁の崩壊、ビーズ壁の解重合トリガー、およびビーズ壁スイッチング反応が挙げられる。また、バルク変化を用いて、ビーズの破壊をトリガーしてもよい。
【0310】
また、さまざまな刺激を介したマイクロカプセルに対するバルクまたは物理的変化も、試薬を放出するようにカプセルを設計する上で多くの利点をもたらす。バルクまたは物理的変化は、巨視的規模で起こり、その際、ビーズ破断は、刺激により誘導された機械物理的力の結果による。こうしたプロセスとしては、限定するものではないが、圧力誘導破断、ビーズ壁溶融、またはビーズ壁の多孔性変化が挙げられる。
【0311】
生物学的刺激を用いて、ビーズの破壊、溶解、または分解をトリガーすることもできる。概して、生物学的トリガーは、化学的トリガーと類似しているが、多くの例では、生体分子、または酵素、ペプチド、糖類、核酸などの生存系に一般的に存在する分子が使用される。たとえば、ビーズは、特定のプロテアーゼによる切断に感受性のペプチド架橋を有するポリマーを含んでもよい。さらに具体的には、一例は、GFLGKペプチド架橋を含むマイクロカプセルを含んでもよい。プロテアーゼカテプシンBなどの生物学的トリガーを加えると、シェルウェルのペプチド架橋が切断されて、ビーズの内容物が放出される。他の事例では、プロテアーゼを熱活性化してもよい。別の例では、ビーズは、セルロースを含有するシェル壁を含む。加水分解性酵素キトサンの添加は、セルロース結合の切断、シェル壁の解重合、およびその内部内容物の放出のための生物学的トリガーとして役立つ。
【0312】
さらに、ビーズは、熱刺激の適用時にその内容物を放出するように誘導することもできる。温度の変化は、ビーズにさまざまな変化を引き起こしうる。熱の変化は、ビーズ壁が崩壊するように、ビーズの溶融を引き起こしうる。別の事例では、熱は、ビーズが破断または破裂するように、ビーズの内部成分の内圧を高めうる。また別の事例では、熱は、ビーズを収縮した脱水状態に変形させうる。さらに、熱は、ビーズの壁内の熱感受性ポリマーに作用して、ビーズの破壊を引き起こしうる。
【0313】
マイクロカプセルのビーズ壁に磁気ナノ粒子を含有させると、ビーズの破断トリガー、ならびに多数のビーズの誘導を可能にしうる。本開示のデバイスは、いずれの目的で磁気ビーズを含んでもよい。一例では、高分子電解質含有ビーズにFe3O4ナノ粒子を組み込むと、振動磁界刺激の存在下で破断がトリガーされる。
【0314】
ビーズはまた、電気刺激の結果として破壊、溶解、または分解することもできる。前のセクションに記載した磁気粒子と同様に、電気感受性ビーズも、ビーズの破断トリガー、ならびに電界下でのアラインメント、導電性またはレドックス反応などの他の機能を可能にする。一例では、電気感受性材料を含有するビーズは、内部試薬の放出を制御することができるように、電界下でアラインメントされる。他の例では、電界は、ビーズ壁自体の内部でレドックス反応を誘導することもでき、これにより、多孔性が増加しうる。
【0315】
また、光刺激を用いて、ビーズを破壊することもできる。多数の光トリガーが考えられ、特定の範囲の波長の光子を吸収することができるナノ粒子および発色団などのさまざまな分子を用いるシステムが挙げられる。たとえば、金属酸化物コーティングをカプセルトリガーとして用いることができる。SiO2でコーティングされた高分子電解質カプセルのUV照射は、ビーズ壁の崩壊を引き起こしうる。また別の例では、アゾベンゼン基などのフォトスイッチ材料をビーズ壁に組み込んでもよい。UVまたは可視光線を適用すると、こうした化学物質は、光子の吸収時に、可逆的シス-トランス異性化を被る。この態様では、光子スイッチの組込みによって、光トリガー適用の際に、崩壊するか、またはより多孔性になりうるビーズ壁が得られる。
【0316】
たとえば、
図2に示すバーコード(たとえば、確率バーコード)の非限定的な例において、ブロック208でのマイクロウェルアレイの複数のマイクロウェルに、単一細胞などの細胞を導入した後、ビーズをブロック212のマイクロウェルアレイの複数のマイクロウェルに導入することができる。各マイクロウェルは、1つのビーズを含みうる。ビーズは、複数のバーコードを含みうる。バーコードは、ビーズに結合した5’アミン領域を含みうる。バーコードは、ユニバーサル標識、バーコード配列(たとえば、分子標識)、標的結合領域、またはそれらの任意の組合せを含んでもよい。
【0317】
本明細書に開示するバーコードは、固体担体(たとえば、ビーズ)に関連(たとえば、結合)させることができる。固体担体と結合したバーコードは、各々、ユニーク配列を有する少なくとも100または1000のバーコード配列を含む群から選択されるバーコード配列を含みうる。いくつかの実施形態では、固体担体と結合した異なるバーコードは、異なる配列のバーコード配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、固体担体と結合した、特定のパーセンテージのバーコードが、同じ細胞標識を含む。たとえば、そのパーセンテージは、60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値でありうる。別の例として、パーセンテージは、少なくとも、または多くとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、97%、99%、もしくは100%でありうる。いくつかの実施形態では、固体担体と結合したバーコードは、同じ細胞標識を含みうる。異なる固体担体と結合したバーコードは、ユニーク配列を有する少なくとも100または1000の細胞標識を含む群から選択される、異なる細胞標識を含んでもよい。
【0318】
本明細書に開示するバーコードは、固体担体(たとえば、ビーズ)に関連(たとえば、結合)させることができる。いくつかの実施形態では、サンプル中の複数の標的に確率バーコードを付ける工程は、複数のバーコードと結合した複数の合成粒子を含む固体担体を用いて、実施することができる。いくつかの実施形態では、固体担体は、複数のバーコードと結合した複数の合成粒子を含みうる。さまざまな固体担体上の複数のバーコードの空間標識は、少なくとも1ヌクレオチド異なりうる。固体担体は、たとえば、2次元または3次元の複数のバーコードを含みうる。合成粒子は、ビーズであってよい。ビーズは、シリカゲルビーズ、調節多孔性ガラスビーズ、磁気ビーズ、ダイナビーズ、セファデックス/セファロースビーズ、セルロースビーズ、ポリスチレンビーズ、またはそれらの任意の組合せであってよい。固体担体は、ポリマー、マトリックス、ヒドロゲル、ニードルアレイデバイス、抗体、またはそれらの任意の組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、固体担体は、浮動性であってよい。いくつかの実施形態では、固体担体は、半固体または固体アレイに埋め込むことができる。バーコードは、固体担体と結合していなくてもよい。バーコードは、個別のヌクレオチドであってもよい。バーコードは、基材と結合してもよい。
【0319】
本明細書で用いられる場合、「テザー連結」、「結合」、および「固定」という用語は、同義的に用いられて、バーコードを固体担体に結合するための共有結合または非共有結合の手段を意味しうる。さまざまな異なるいずれの固体担体も、プレ合成されたバーコードを結合するための、またはバーコードをin situ固相合成するための固体担体として使用することができる。
【0320】
いくつかの実施形態では、固体担体はビーズである。ビーズは、核酸を(たとえば共有結合または非共有結合で)固定することができる、固体、多孔性、もしくは中空のスフェア、ボール、ベアリング、シリンダー、または他の類似の構成体の1つ以上のタイプを包含しうる。ビーズは、たとえば、プラスチック、セラミック、金属、もしくは高分子材料、またはそれらの任意の組合せから構成されうる。ビーズは、離散粒子であるか、またはそれを含んでもよく、離散粒子は、球状(たとえばマイクロスフェア)であるか、または非球状もしくは不規則形状、たとえば、立方体形、直方体形、角錐形、円柱形、円錐形、扁球形、ディスク形などを有する。いくつかの実施形態では、ビーズは、非球状の形状でありうる。
【0321】
ビーズは、限定されるものではないが、常磁性材料(たとえば、マグネシウム、モリブデン、リチウム、およびタンタル)、超常磁性材料(たとえば、フェライト(Fe3O4、マグネタイト)ナノ粒子)、強磁性材料(たとえば、鉄、ニッケル、コバルト、それらのいくつかの合金、およびいくつかの希土類金属化合物)、セラミック、プラスチック、ガラス、ポリスチレン、シリカ、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、アガロース、ヒドロゲル、ポリマー、セルロース、ナイロン、ならびにそれらの任意の組合せなどのさまざまな材料を含みうる。
【0322】
いくつかの実施形態では、ビーズ(たとえば、バーコードが結合されたビーズ)は、ヒドロゲルビーズである。いくつかの実施形態では、ビーズは、ヒドロゲルを含む。
【0323】
本明細書に開示するいくつかの実施形態は、1つ以上の粒子(たとえば、ビーズ)を含む。粒子は各々、複数のオリゴヌクレオチド(たとえば、バーコード)を含みうる。複数のオリゴヌクレオチドは各々、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、細胞標識、および標的結合領域(たとえば、オリゴ(dT)配列、遺伝子特異的配列、ランダム多量体、またはそれらの組合せ)を含みうる。複数のオリゴヌクレオチドの各々の細胞標識配列は、同じであってもよい。異なる粒子上のオリゴヌクレオチドの細胞標識配列は、異なる粒子上のオリゴヌクレオチドを同定できるように、相違してもよい。異なる細胞標識配列の数は、異なる実装において相違してもよい。いくつかの実施形態では、細胞標識配列の数は、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108、109、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはそれ以上、あるいはそうした近似値でありうる。いくつかの実施形態では、細胞標識配列の数は、少なくとも、または多くとも10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108、もしくは109でありうる。いくつかの実施形態では、複数の粒子の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000以下、またはそれ以上が、同じ細胞配列のオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、同じ細胞配列のオリゴヌクレオチドを含む複数の粒子は、多くとも0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%またはそれ以上であってよい。いくつかの実施形態では、複数の粒子のいずれも同じ細胞標識配列を含まない。
【0324】
各粒子の複数のオリゴヌクレオチドは、異なるバーコード配列(たとえば、分子標識)を含みうる。いくつかの実施形態では、バーコード配列の数は、10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108、109、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値でありうる。バーコード配列の数は、少なくとも、または多くとも10、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、106、107、108、もしくは109でありうる。たとえば、複数のオリゴヌクレオチドの少なくとも100は、異なるバーコード配列を含む。別の例として、単一粒子において、複数のオリゴヌクレオチドの少なくとも100、500、1000、5000、10000、15000、20000、50000、これらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはそれ以上が、異なるバーコード配列を含む。いくつかの実施形態は、バーコードを含む複数の粒子を提供する。いくつかの実施形態では、標的の発生率(またはコピーもしくは数)と異なるバーコード配列の比は、少なくとも、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:30、1:40、1:50、1:60、1:70、1:80、1:90、またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドの各々は、サンプル標識、ユニバーサル標識、またはその両方をさらに含む。粒子は、たとえば、ナノ粒子またはミクロ粒子であってよい。
【0325】
ビーズのサイズは、変動しうる。たとえば、ビーズの直径は、0.1マイクロメートル~50マイクロメートルの範囲であってよい。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50マイクロメートル、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値でありうる。
【0326】
ビーズの直径は、基材のウェルの直径と関連させることができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、ウェルの直径よりも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値だけ長いもしくは短い長さであってよい。ビーズの直径は、細胞(たとえば、基材のウェルに閉じ込められた単一細胞)の直径に関連させることができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、ウェルの直径よりも、少なくとも、または多くとも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%だけ長いもしくは短い長さであってよい。ビーズの直径は、細胞(たとえば、基材のウェルに閉じ込められた単一細胞)の直径に関連させることができる。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、細胞の直径よりも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいはそうした近似値だけ長いもしくは短い長さであってよい。いくつかの実施形態では、ビーズの直径は、細胞の直径よりも、少なくとも、または多くとも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、もしくは300%だけ長いもしくは短い長さであってもよい。
【0327】
ビーズは、基材への埋込みおよび/または結合が可能である。ビーズは、ゲル、ヒドロゲル、ポリマー、および/またはマトリックスへの埋込みおよび/または結合が可能である。基材(たとえば、ゲル、マトリックス、スキャフォールド、またはポリマー)内のビーズの空間位置は、位置アドレスとして機能可能なビーズ上のバーコードに存在する空間標識を用いて同定可能である。
【0328】
ビーズの例としては、限定されるものではないが、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、Dynabead(登録商標)、MACS(登録商標)マイクロビーズ、抗体コンジュゲートビーズ(たとえば、抗免疫グロブリンマイクロビーズ)、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、およびBcMag(商標)カルボキシル末端磁気ビーズが挙げられうる。
【0329】
ビーズは、1つの蛍光光学チャネルまたは複数の光学チャネルで蛍光を発するように量子ドットまたは蛍光色素への関連付け(たとえばそれらによる含浸)が可能である。ビーズは、常磁性または強磁性にするために酸化鉄または酸化クロムへの関連付けが可能である。ビーズは同定可能でありうる。たとえば、ビーズは、カメラを用いてイメージング可能である。ビーズは、ビーズに関連付けられた検出可能なコードを有しうる。たとえば、ビーズは、バーコードを含みうる。ビーズは、たとえば、有機または無機の溶液中での膨潤に起因してサイズ変化しうる。ビーズは疎水性でありうる。ビーズは親水性でありうる。ビーズは生体適合性でありうる。
【0330】
固体担体(たとえばビーズ)は可視化可能である。固体担体は可視化タグ(たとえば蛍光色素)を含みうる。固体担体(たとえばビーズ)は識別子(たとえば数)でエッチング可能である。識別子はビーズのイメージングにより可視化可能である。
【0331】
固体担体は、不溶性、半溶解性、または不溶性材料を含みうる。固体担体は、それに結合されたリンカー、スキャフォールド、構成単位、または他の反応性部分を含む場合、「官能化された」と示されうる一方、固体担体は、それに結合されたこのような反応性部分を含まない場合、「非官能化」でありうる。固体担体は、マイクロタイターウェル形式;カラム中などでの流水式;またはディップスティック式(dipstick)などで、溶液中で遊離させた状態で用いられうる。
【0332】
固体担体は、膜、紙、プラスチック、被覆表面、平坦な表面、ガラス、スライド、チップ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。固体担体は、樹脂、ゲル、ミクロスフェア、または他の幾何学形状の形態を取りうる。固体担体は、シリカチップ、ミクロ粒子、ナノ粒子、プレート、アレイ、毛細管、平坦な担体、たとえば、ガラス繊維フィルター、ガラス表面、金属表面(鋼、金、銀、アルミニウム、ケイ素および銅)、ガラス担体、プラスチック担体、ケイ素担体、チップ、フィルター、膜、マイクロウェルプレート、スライド、プラスチック材料(マルチウェルプレートまたは膜(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ二フッ化ビニリデンで形成される)を含む)、および/またはウエハー、コーム、ピンまたはニードル(たとえば、コンビナトリアル合成もしくは分析に好適なピンのアレイ)、またはたとえばウエハー(たとえばシリコンウエハー)、フィルター底部を有するかもしくは有さない窪みを備えたウエハーなどの平坦な表面の一連の窪みもしくはナノリットルウェル中のビーズを含みうる。
【0333】
固体担体は、ポリマーマトリックス(たとえば、ゲル、ヒドロゲル)を含みうる。ポリマーマトリックスは、細胞内空間(たとえば、オルガネラの周り)を透過することが可能でありうる。ポリマーマトリックスは、循環系全体にわたって送られることが可能でありうる。
【0334】
固体担体は、生体分子でありうる。たとえば、固体担体は、核酸、タンパク質、抗体、ヒストン、細胞コンパートメント、脂質、炭水化物などでありうる。生体分子である固体担体は、増幅、翻訳、転写、分解、および/または修飾(たとえば、ペグ化、SUMO化、アセチル化、メチル化)されうる。生体分子である固体担体は、生体分子に結合される空間標識に加えて、空間および時間情報を提供することができる。たとえば、生体分子は、修飾されない場合、第1の立体構造を含みうるが、修飾される場合、第2の立体構造に変化しうる。異なる立体構造は、本開示のバーコード(たとえば確率バーコード)を標的に露出しうる。たとえば、生体分子は、生体分子の折りたたみによりアクセスできないバーコードを含みうる。生体分子の修飾(たとえばアセチル化)後、生体分子は、バーコードを露出するように立体構造を変化させうる。修飾のタイミングは、本開示のバーコーディングの方法に別の時間次元を提供することができる。
【0335】
いくつかの実施形態では、本開示のバーコード試薬を含む生体分子は、細胞の細胞質に位置しうる。活性化後、生体分子は、核に移動することができ、その直後に、バーコーディングを行うことができる。このように、生体分子の修飾は、バーコードによって同定される標的のためのさらなる空間-時間情報をコードすることができる。
【0336】
基材およびマイクロウェルアレイ
本明細書で用いられる場合、基材はあるタイプの固体担体を意味しうる。基材は、本開示のバーコードおよび確率バーコードを含みうる固体担体を意味しうる。基材は、たとえば、複数のマイクロウェルを含みうる。たとえば、基材は、2つ以上のマイクロウェルを含むウェルアレイであってよい。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、規定の体積の小さい反応チャンバーを含みうる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つ以上の細胞を閉じ込めることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つの細胞のみを閉じ込めることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つ以上の固体担体を閉じ込めることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、1つの固体担体のみを閉じ込めることができる。いくつかの実施形態では、マイクロウェルは、単一細胞および単一固体担体(たとえば、ビーズ)を閉じ込める。マイクロウェルは、本開示の組合せバーコード試薬を含みうる。
【0337】
アレイのマイクロウェルは、さまざまな形状およびサイズで作製されうる。ウェルの幾何学形状としては、限定されるものではないが、円柱形、円錐形、半球形、長方形、または多面体(たとえば、いくつかの平面で構成される三次元形状、たとえば、六角柱、八角柱、逆三角錐、逆四角錐、逆五角錐、逆六角錐、または逆角錐台)が挙げられうる。マイクロウェルは、これらの幾何学形状の2つ以上を組み合わせた形状を含みうる。たとえば、マイクロウェルは、部分的に円柱形であってもよく、残りの部分は、逆円錐の形状を有する。マイクロウェルは、2つの並んだ円柱を含むことができ、一方が他方の直径(たとえば、細胞の直径にほぼ相当する)より大きい直径(たとえば、ビーズの直径にほぼ相当する)を有し、これらは、円柱の全長(深さ)に延びる垂直なチャネル(すなわち、円柱の軸に平行な)によって連結される。マイクロウェルの開口部は、基材の上面にありうる。マイクロウェルの開口部は、基材の下面にありうる。マイクロウェルの閉口端部(または底部)は、平坦でありうる。マイクロウェルの閉口端部(または底部)は、曲面(たとえば、凸面または凹面)を有しうる。マイクロウェルの形状および/またはサイズは、マイクロウェル内に閉じ込められる細胞または固体担体のタイプに基づいて決定されうる。
【0338】
ウェル間の基材の部分は、トポロジーを有しうる。たとえば、ウェル間の基材の部分は、丸みを帯びていてもよい。ウェル間の基材の部分は、尖っていてもよい。ウェル間の基材の間隔部分は、平坦でありうる。ウェル間の基材の部分は、平坦でないことがある。ある場合、ウェル間の基材の部分は、丸みを帯びている。言い換えると、ウェルを含まない基材の部分は、曲面を有しうる。曲面は、曲面の最も高い点(たとえば頂点)が2つ以上のウェルの縁部間の最も遠い点(たとえば、ウェルから等距離)にありうるように作製されうる。曲面は、曲面の出発点が、第1のマイクロウェルの縁部にあり、第2のマイクロウェルの端部で終端する放物線を形成するように作製されうる。この放物線は、ウェルの六角格子の近くでマイクロウェルを捕捉するように二次元に延在されうる。曲面は、ウェル間の表面が、ウェルの開口部の面より高いか、および/または湾曲しているように作製されうる。曲面の高さは、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、もしくは7マイクロメートルまたはそれ以上でありうるか、あるいは少なくともそのような値でありうる。いくつかの実施形態では、曲面の高さは、多くとも0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、もしくは7マイクロメートルまたはそれ以上でありうる。
【0339】
マイクロウェル寸法は、ウェルの直径および深さに関して特徴付けられうる。本明細書で用いられる場合、マイクロウェルの直径は、マイクロウェルの幾何学形状の面の断面に内接されうる最大の円を意味する。マイクロウェルの直径は、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の約1倍~約10倍の範囲でありうる。マイクロウェル直径は、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の、以下の倍数でありうるか、または少なくとも、1倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、もしくは少なくとも10倍でありうる。いくつかの実施形態では、マイクロウェル直径は、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の、多くとも10倍、多くとも5倍、多くとも4倍、多くとも3倍、多くとも2倍、多くとも1.5倍、もしくは多くとも1倍でありうる。マイクロウェル直径は、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の約2.5倍でありうる。
【0340】
マイクロウェルの直径は、絶対寸法に関して規定されうる。マイクロウェルの直径は、約5~約60マイクロメートルの範囲でありうる。マイクロウェル直径は、以下の値でありうるか、または少なくとも、5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも25マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも35マイクロメートル、少なくとも40マイクロメートル、少なくとも45マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、もしくは少なくとも60マイクロメートルでありうる。マイクロウェル直径は、多くとも60マイクロメートル、多くとも50マイクロメートル、多くとも45マイクロメートル、多くとも40マイクロメートル、多くとも35マイクロメートル、多くとも30マイクロメートル、多くとも25マイクロメートル、多くとも20マイクロメートル、多くとも15マイクロメートル、多くとも10マイクロメートル、もしくは多くとも5マイクロメートルでありうる。マイクロウェル直径は、約30マイクロメートルでありうる。
【0341】
マイクロウェル深さは、細胞および固体担体の効率的な閉じ込めを提供するように選択されうる。マイクロウェル深さは、アッセイ緩衝液およびウェル内に含まれる他の試薬の効率的な交換を提供するように選択されうる。直径対高さの比率(すなわち、アスペクト比)は、細胞および固体担体がマイクロウェルの内部に沈降した後、それらが、マイクロウェルの上の流体の動きによって移動されないように選択されうる。マイクロウェルの寸法は、マイクロウェルが、マイクロウェルの上の流体の動きによって除去されずに、さまざまなサイズの固体担体および細胞を収容するのに十分な空間を有するように選択されうる。マイクロウェルの深さは、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の約1倍~約10倍の範囲でありうる。マイクロウェル深さは、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の、以下の倍数でありうるか、または少なくとも、1倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍、少なくとも5倍、もしくは少なくとも10倍でありうる。マイクロウェル深さは、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の、多くとも10倍、多くとも5倍、多くとも4倍、多くとも3倍、多くとも2倍、多くとも1.5倍、または多くとも1倍でありうる。マイクロウェル深さは、マイクロウェルに閉じ込められる細胞または固体担体の直径の約2.5倍でありうる。
【0342】
マイクロウェルの深さは、絶対寸法に関して規定されうる。マイクロウェルの深さは、約10~約60マイクロメートルの範囲でありうる。マイクロウェル深さは、以下の値でありうるか、または少なくとも、10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも25マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも35マイクロメートル、少なくとも40マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、もしくは少なくとも60マイクロメートルでありうる。マイクロウェル深さは、多くとも60マイクロメートル、多くとも50マイクロメートル、多くとも40マイクロメートル、多くとも35マイクロメートル、多くとも30マイクロメートル、多くとも25マイクロメートル、多くとも20マイクロメートル、もしくは多くとも10マイクロメートルでありうる。マイクロウェル深さは、約30マイクロメートルでありうる。
【0343】
本開示の方法、デバイス、およびシステムに使用されるマイクロウェルの体積は、約200マイクロメートル3~約120,000マイクロメートル3の範囲でありうる。マイクロウェル体積は、少なくとも200マイクロメートル3、少なくとも500マイクロメートル3、少なくとも1,000マイクロメートル3、少なくとも10,000マイクロメートル3、少なくとも25,000マイクロメートル3、少なくとも50,000マイクロメートル3、少なくとも100,000マイクロメートル3、または少なくとも120,000マイクロメートル3でありうる。マイクロウェル体積は、多くとも120,000マイクロメートル3、多くとも100,000マイクロメートル3、多くとも50,000マイクロメートル3、多くとも25,000マイクロメートル3、多くとも10,000マイクロメートル3、多くとも1,000マイクロメートル3、多くとも500マイクロメートル3、または多くとも200マイクロメートル3でありうる。マイクロウェル体積は、約25,000マイクロメートル3でありうる。マイクロウェル体積は、これらの値のいずれかによって境界される任意の範囲(たとえば約18,000マイクロメートル3~約30,000マイクロメートル3)内にありうる。
【0344】
マイクロウェルの体積は、以下の値でありうるか、または少なくとも、5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ナノリットル3またはそれ以上でありうる。マイクロウェルの体積は、多くとも5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ナノリットル3またはそれ以上でありうる。マイクロウェルに適合しうる液体の体積は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ナノリットル3またはそれ以上でありうる。マイクロウェルに適合しうる液体の体積は、多くとも5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ナノリットル3またはそれ以上でありうる。マイクロウェルの体積は、以下の値でありうるか、または少なくとも、5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ピコリットル3またはそれ以上でありうる。マイクロウェルの体積は、多くとも5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ピコリットル3またはそれ以上でありうる。マイクロウェルに適合しうる液体の体積は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ピコリットル3またはそれ以上でありうる。マイクロウェルに適合しうる液体の体積は、多くとも5、10、15、20、25、30、35 40、45もしくは50ピコリットル3またはそれ以上でありうる。
【0345】
本開示の方法、デバイス、およびシステムに使用されるマイクロウェルの体積は、あるマイクロウェルと別のマイクロウェルの体積の変動に関してさらに特徴付けられうる。マイクロウェル体積の変動係数(パーセンテージとして表される)は、約1%~約10%の範囲でありうる。マイクロウェル体積の変動係数は、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%でありうる。マイクロウェル体積の変動係数は、多くとも10%、多くとも9%、多くとも8%、多くとも7%、多くとも6%、多くとも5%、多くとも4%、多くとも3%、多くとも2%、または多くとも1%でありうる。マイクロウェル体積の変動係数は、これらの値によって囲まれる範囲内の任意の値、たとえば、約1.5%~約6.5%を有しうる。いくつかの実施形態では、マイクロウェル体積の変動係数は、約2.5%でありうる。
【0346】
本開示の方法、デバイス、およびシステムに使用されるビーズの表面積(またはバーコードオリゴヌクレオチドが結合されうる固体担体の表面積)に対するマイクロウェルの体積の比率は、約2.5~約1,520マイクロメートルの範囲でありうる。比率は、少なくとも2.5、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも750、少なくとも1,000、または少なくとも1,520でありうる。比率は、多くとも1,520、多くとも1,000、多くとも750、多くとも500、多くとも100、多くとも10、多くとも5、または多くとも2.5でありうる。比率は、約67.5でありうる。ビーズ(または固定化に使用される固体担体)の表面積に対するマイクロウェル体積の比率は、これらの値のいずれかによって境界される任意の範囲(たとえば約30~約120)内にありうる。
【0347】
マイクロウェルアレイ中のウェルは、一次元、二次元、または三次元アレイで配置されうる。いくつかの実施形態では、三次元アレイは、たとえば、一連の2つ以上の二次元アレイを積層することによって(すなわち、マイクロウェルアレイを含む2つ以上の基材を積層することによって)実現されうる。
【0348】
マイクロウェル間のパターンおよび間隔は、各ウェル中への単一細胞および単一の固体担体(たとえばビーズ)の閉じ込めの効率性を最適化するように、ならびにアレイの単位面積当たりのウェルの数を最大にするように選択されうる。マイクロウェルは、さまざまなランダムまたは非ランダムパターンに従って分配されうる。たとえば、それらは、アレイ基材の表面にわたってランダムに全体的に分配されてもよく、またはそれらは、正方格子、長方形格子、六角格子などで配置されうる。ある場合、マイクロウェルは、六角形に配置される。ウェル間の中心間距離(または間隔)は、約5マイクロメートル~約75マイクロメートルで変化しうる。ある場合、マイクロウェル間の間隔は、約10マイクロメートルである。他の実施形態では、ウェル間の間隔は、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも15マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも25マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも35マイクロメートル、少なくとも40マイクロメートル、少なくとも45マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも55マイクロメートル、少なくとも60マイクロメートル、少なくとも65マイクロメートル、少なくとも70マイクロメートル、または少なくとも75マイクロメートルである。マイクロウェル間隔は、多くとも75マイクロメートル、多くとも70マイクロメートル、多くとも65マイクロメートル、多くとも60マイクロメートル、多くとも55マイクロメートル、多くとも50マイクロメートル、多くとも45マイクロメートル、多くとも40マイクロメートル、多くとも35マイクロメートル、多くとも30マイクロメートル、多くとも25マイクロメートル、多くとも20マイクロメートル、多くとも15マイクロメートル、多くとも10マイクロメートル、多くとも5マイクロメートルでありうる。マイクロウェル間隔は、約55マイクロメートルでありうる。マイクロウェル間隔は、これらの値のいずれかによって境界される任意の範囲(たとえば、約18マイクロメートル~約72マイクロメートル)内にありうる。
【0349】
マイクロウェルアレイは、細胞および固体担体をウェル中に導き、および/またはそれらがウェル間の表面に沈降するのを防ぐのを助けるように設計された、マイクロウェル間の表面特徴を含みうる。好適な表面特徴の例としては、限定されるものではないが、ウェルを取り囲むかまたはウェル間の表面をまたぐ、ドーム状、畝のある、または尖った表面特徴が挙げられうる。
【0350】
マイクロウェルアレイ中のウェルの総数は、ウェルのパターンおよび間隔ならびにアレイの全体寸法によって決定されうる。アレイ中のマイクロウェルの数は、約96~約5,000,000またはそれ以上の範囲でありうる。アレイ中のマイクロウェルの数は、少なくとも96、少なくとも384、少なくとも1,536、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも25,000、少なくとも50,000、少なくとも75,000、少なくとも100,000、少なくとも500,000、少なくとも1,000,000、または少なくとも5,000,000でありうる。アレイ中のマイクロウェルの数は、多くとも5,000,000、多くとも1,000,000、多くとも75,000、多くとも50,000、多くとも25,000、多くとも10,000、多くとも5,000、多くとも1,536、多くとも384、または多くとも96ウェルでありうる。アレイ中のマイクロウェルの数は、約96、384、および/または1536でありうる。マイクロウェルの数は、約150,000でありうる。アレイ中のマイクロウェルの数は、これらの値のいずれかによって境界される任意の範囲(たとえば約100~325,000)内にありうる。
【0351】
マイクロウェルアレイは、いくつかの作製技術のいずれかを用いて作製されうる。使用されうる作製方法の例としては、限定されるものではないが、フォトリソグラフィーおよび湿式化学エッチング、プラズマエッチング、または深掘り反応性イオンエッチングなどのバルクマイクロマシニング技術;マイクロ成形およびマイクロエンボス加工;レーザーマイクロマシニング;3D印刷または硬化性材料を用いた他の直接描画作製プロセス;および同様の技術が挙げられる。
【0352】
マイクロウェルアレイは、いくつかの基材材料のいずれかから作製されうる。材料の選択は、作製技術の選択に応じて決まり、逆もまた同様である。好適な材料の例としては、限定されるものではないが、ケイ素、石英ガラス、ガラス、ポリマー(たとえば、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、ポリジメチルシロキサン(PDMS;エラストマー)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリイミド、環状オレフィンポリマー(COP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エポキシ樹脂、チオール-エンベースの樹脂、金属または金属フィルム(たとえば、アルミニウム、ステンレス鋼、銅、ニッケル、クロム、およびチタン)などが挙げられうる。ある場合、マイクロウェルは、光学接着剤を含む。ある場合、マイクロウェルは、光学接着剤で作製される。ある場合、マイクロウェルアレイは、PDMSを含み、および/またはPDMSで作製される。ある場合、マイクロウェルは、プラスチックで作製される。親水性材料が、マイクロウェルアレイの作製に望ましいことがある(たとえば、細胞および他の生体物質の湿潤性を促進し、非特異的結合を最小限に抑えるため)。(たとえば、酸素プラズマ処理、またはポリエチレンオキシド表面層のグラフトによって)処理または被覆されうる疎水性材料も使用されうる。マイクロウェルアレイの作製のための多孔性親水性材料の使用が、デバイスに閉じ込められた気泡の毛細管ウィッキング/通気を促進するために望ましいことがある。マイクロウェルアレイは、単一の材料から作製されうる。マイクロウェルアレイは、一緒に結合されたまたは機械的に接合された2つ以上の異なる材料を含みうる。
【0353】
マイクロウェルアレイは、さまざまなサイズおよび形状のいずれかの基材を用いて作製されうる。たとえば、マイクロウェルが中に作製される基材の形状(またはフットプリント)は、四角形、長方形、円形、または不規則な形状でありうる。マイクロウェルアレイ基材のフットプリントは、マイクロタイタープレートのものと類似しうる。マイクロウェルアレイ基材のフットプリントは、標準的な顕微鏡スライドのものと類似していてもよく、たとえば、約75mm長さ×25mm幅(約3インチ長さ×1インチ幅)、または約75mm長さ×50mm幅(約3インチ長さ×2インチ幅)でありうる。マイクロウェルが中に作製される基材の厚さは、約0.1mm厚さ~約10mm厚さ、またはそれ以上の範囲でありうる。マイクロウェルアレイ基材の厚さは、少なくとも0.1mm厚さ、少なくとも0.5mm厚さ、少なくとも1mm厚さ、少なくとも2mm厚さ、少なくとも3mm厚さ、少なくとも4mm厚さ、少なくとも5mm厚さ、少なくとも6mm厚さ、少なくとも7mm厚さ、少なくとも8mm厚さ、少なくとも9mm厚さ、または少なくとも10mm厚さでありうる。マイクロウェルアレイ基材の厚さは、多くとも10mm厚さ、多くとも9mm厚さ、多くとも8mm厚さ、多くとも7mm厚さ、多くとも6mm厚さ、多くとも5mm厚さ、多くとも4mm厚さ、多くとも3mm厚さ、多くとも2mm厚さ、多くとも1mm厚さ、多くとも0.5mm厚さ、または多くとも0.1mm厚さでありうる。マイクロウェルアレイ基材の厚さは、約1mm厚さでありうる。マイクロウェルアレイ基材の厚さは、これらの範囲内の任意の値であってもよく、たとえば、マイクロウェルアレイ基材の厚さは、約0.2mm~約9.5mmでありうる。マイクロウェルアレイ基材の厚さは、均一でありうる。
【0354】
さまざまな表面処理および表面改質技術を用いて、マイクロウェルアレイ表面の特性を変化させることができる。例としては、限定されるものではないが、疎水性材料表面をより親水性にするための酸素プラズマ処理、ガラスおよびケイ素表面を滑らかにする(または粗面化する)ための湿式もしくは乾式エッチング技術の使用、ポリエチレンオキシドまたは他のポリマー層(pluronicなど)の吸着もしくはグラフト、または基材表面をより親水性にし、生体分子および細胞の非特異的吸着を起こしにくくするための基材表面へのウシ血清アルブミン、化学反応性官能基を、本来は不活性のケイ素およびガラス表面にグラフトするためのシラン反応の使用などが挙げられうる。光脱保護技術を用いて、アレイ構造中の特定の位置における化学反応性官能基を選択的に活性化することができ、たとえば、マイクロウェルの内壁における第一級アミンまたはカルボキシル基などの化学反応性官能基の選択的付加または活性化を用いて、オリゴヌクレオチドプローブ、ペプチド、タンパク質、または他の生体分子を、マイクロウェルの壁に共有結合することができる。用いられる表面処理または表面改質の選択は、所望の表面特性のタイプおよびマイクロウェルアレイを構成する材料のタイプの両方またはいずれかに応じて決まる。
【0355】
マイクロウェルの開口部は、たとえば、隣接するマイクロウェル間の標的核酸のクロスハイブリダイゼーションを防ぐために、細胞溶解工程中、封止されうる。マイクロウェル(またはマイクロウェルのアレイ)は、マイクロウェルアレイ基材、または好適なビーズの表面に対して固定する固体材料の可撓性の膜またはシート(すなわち、プレートまたはプラテン)を用いて封止またはキャップされてもよく、ここで、ビーズの直径は、マイクロウェルの直径より大きい。
【0356】
固体材料の可撓性の膜またはシートを用いて形成されるシールは、たとえば、無機ナノ細孔膜(たとえば酸化アルミニウム)、透析膜、ガラススライド、カバースリップ、エラストマーフィルム(たとえばPDMS)、または親水性ポリマーフィルム(たとえば、溶解緩衝液で水和されたアガロースの薄膜で被覆されたポリマーフィルム)を含みうる。
【0357】
マイクロウェルをキャッピングするのに使用される固体担体(たとえばビーズ)は、本開示の固体担体(たとえばビーズ)のいずれかを含みうる。ある場合、固体担体は、架橋デキストランビーズ(たとえばSephadex)である。架橋デキストランは、約10マイクロメートル~約80マイクロメートルの範囲でありうる。キャッピングに使用される架橋デキストランビーズは、20マイクロメートル~約50マイクロメートルでありうる。いくつかの実施形態では、ビーズは、マイクロウェルの直径よりも、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80または90%だけ大きくてもよい。キャッピングに使用されるビーズは、マイクロウェルの直径よりも、多くとも約10、20、30、40、50、60、70、80または90%だけ大きくてもよい。
【0358】
シールまたはキャップは、高分子(たとえば核酸)がウェルから出るのを防ぎながら、緩衝液がマイクロウェルに出入りするのを可能にしうる。少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20またはそれ以上のヌクレオチドの高分子は、シールまたはキャップによって、マイクロウェルに出入りするのを阻止されうる。多くとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20またはそれ以上のヌクレオチドの高分子は、シールまたはキャップによって、マイクロウェルに出入りするのを阻止されうる。
【0359】
固体担体(たとえばビーズ)は、基材の中に分配されうる。固体担体(たとえばビーズ)は、基材のウェルの中に分配され、基材のウェルから取り出され、あるいは遠心分離または他の非磁性手段によって、1つ以上のマイクロウェルアレイを含むデバイスを介して輸送されうる。基材のマイクロウェルには、固体担体が予め充填されうる。基材のマイクロウェルは、少なくとも1、2、3、4、もしくは5、またはそれ以上の固体担体を保持しうる。基材のマイクロウェルは、多くとも1、2、3、4、もしくは5またはそれ以上の固体担体を保持しうる。ある場合、基材のマイクロウェルは、1つの固体担体を保持しうる。
【0360】
個々の細胞およびビーズは、マイクロウェルの代替物を用いて区切られてもよく、たとえば、単一の固体担体および単一細胞は、(たとえば、ドロップレットデジタルマイクロ流体力学システムにおいて)エマルジョン中の単一のドロップレット内に閉じ込められうる。
【0361】
細胞は、複数のテザー連結バーコードをそれ自体が含む多孔性ビーズ内に潜在的に閉じ込められうる。個々の細胞および固体担体は、任意のタイプの容器、マイクロコンテナ、反応チャンバ、反応容器などの中で区切られうる。
【0362】
単一細胞組合せバーコーディングは、マイクロウェルを使用せずに行われるか、または行われてもよい。単一細胞、組合せバーコーディングアッセイは、任意の物理的容器を使用せずに行われてもよい。たとえば、物理的容器を用いない組合せバーコーディングは、細胞およびビーズを、ポリマー層またはゲル層内に互いに近接して埋め込んで、異なる細胞/ビーズ対の間の拡散障壁を形成することによって行われうる。別の例では、物理的容器を用いない組合せバーコーディングは、in situで、インビボで、無傷の固体組織で、無傷の細胞で、および/または細胞以下で行われうる。
【0363】
マイクロウェルアレイは、アッセイシステムの消耗部品でありうる。マイクロウェルアレイは、再利用可能でありうる。マイクロウェルアレイは、手作業でアッセイを行うためのスタンドアロンデバイスとして使用するために構成可能であり、またはそれらは、アッセイ手順の完全または部分的な自動化を提供する機器システムの固定されたまたは着脱可能な構成要素を含むように構成されうる。開示される方法のいくつかの実施形態では、バーコード(たとえば確率バーコード)のビーズベースのライブラリーは、アッセイ手順の一環としてマイクロウェルアレイのウェルに付着されうる。いくつかの実施形態では、ビーズは、マイクロウェルアレイのウェル中に予め充填され、たとえば、核酸標的のバーコーディング(たとえば確率バーコーディング)およびデジタルカウンティングを行うためのキットの一部として、ユーザに提供されうる。
【0364】
いくつかの実施形態では、対になった2つのマイクロウェルアレイが提供され、一方には、第1の磁石によって適切な位置に保持されたビーズが予め充填され、他方は、個々の細胞を充填する際にユーザによって使用されるためのものである。第2のマイクロウェルアレイ中への細胞の分配の後、2つのアレイは、対向して、第1の磁石が外された状態で配置されうる一方、第2の磁石を用いて、ビーズを、第1のアレイから、第2のアレイの対応するマイクロウェル中に引き込み、それによって、ビーズが、第2のマイクロウェルアレイ中の細胞の上で確実に静止し、それによって、ビーズにおけるバーコードへの標的分子の効率的な結合を最大にしながら、細胞溶解後の標的分子の拡散損失を最小限に抑える。
【0365】
本開示のマイクロウェルアレイには、固体担体(たとえばビーズ)が予め充填されうる。マイクロウェルアレイの各ウェルは、単一の固体担体を含みうる。マイクロウェルアレイ中のウェルの少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%には、単一の固体担体が予め充填されうる。マイクロウェルアレイ中のウェルの多くとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%には、単一の固体担体が予め充填されうる。固体担体は、本開示のバーコード(たとえば確率バーコード)を含みうる。異なる固体担体におけるバーコードの細胞標識は、異なりうる。同じ固体担体におけるバーコードの細胞標識は、同じでありうる。
【0366】
確率バーコーディングの方法
本開示は、身体サンプル(たとえば、組織、器官、腫瘍、細胞)における識別可能な位置の識別可能な標的の数を推定する方法を提供する。本方法は、サンプルと接近させてバーコード(たとえば、確率バーコード)を配置する工程と、サンプルを溶解させる工程と、識別可能な標的をバーコードと関連させる工程と、標的を増幅する工程および/または標的をデジタルカウントする工程と、を含みうる。本方法は、さらに、バーコード上の空間標識から得られた情報を分析する工程および/または視覚化する工程をさらに含みうる。いくつかの実施形態では、一方法は、サンプル中の複数の標識を視覚化する工程を含む。サンプルのマップに複数の標的をマッピングする工程は、サンプルの二次元マップまたは三次元マップの作製を含みうる。二次元マップまたは三次元マップは、サンプル中の複数の標的にバーコード(たとえば、確率バーコード)を付ける前または後に作製することができる。サンプル中の複数の標的を視覚化する工程は、サンプルのマップに複数の標的をマッピングする工程を含みうる。サンプルのマップに複数の標的をマッピングする工程は、サンプルの二次元マップまたは三次元マップを作製するステップを含みうる。二次元マップおよび三次元マップは、サンプル中の複数の標的にバーコードを付ける前または後に作製することができる。いくつかの実施形態では、二次元マップおよび三次元マップは、サンプルを溶解させる前または後に作製することができる。二次元マップまたは三次元マップの作製前または後にサンプルを溶解させる工程は、サンプルを加熱する工程と、サンプルを洗剤と接触させる工程と、サンプルのpHを変化させる工程、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0367】
いくつかの実施形態では、複数の標的に確率バーコードを付ける工程は、複数のバーコードを複数の標的とハイブリダイズさせて、バーコード付き標的(たとえば、確率バーコード付き標的)を作製する工程を含む。複数の標的にバーコードを付ける工程は、バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを作製する工程を含みうる。バーコード付き標的のインデックス付きライブラリーを作製する工程は、複数のバーコード(たとえば、確率バーコード)を含む固体担体を用いて実施することができる。
【0368】
サンプルとバーコードの接触
本開示は、サンプル(たとえば、細胞)を本開示の基材と接触させる方法を提供する。たとえば、細胞、器官、または組織薄片を含むサンプルをバーコード(たとえば、確率バーコード)と接触させることができる。たとえば、重力流によって、細胞を接触させることができ、その場合、細胞は沈殿して単層を形成しうる。サンプルは、組織薄片であってよい。薄片を基材の上に配置することができる。サンプルは、一次元(たとえば、平面表面を形成する)であってよい。サンプル(たとえば、細胞)は、たとえば、基材上に細胞を増殖させる/培養することによって、基材全体に広げることができる。
【0369】
バーコードが標的と近接して位置すると、標的は、バーコードとハイブリダイズしうる。識別可能な標的の各々が、本開示の識別可能なバーコードと結合しうるように、バーコードを非枯渇的比率で接触させることができる。標的とバーコード同士の効率的な結合を確実にするために、標的をバーコードと架橋させることができる。
【0370】
細胞溶解
細胞およびバーコードの分配後、細胞は標的分子を遊離するように溶解可能である。細胞溶解は、さまざまな手段のいずれかにより、たとえば、化学的もしくは生化学的手段により、浸透圧ショックにより、または熱溶解、機械溶解、もしくは光学溶解により達成可能である。細胞は、界面活性剤(たとえば、SDS、Liドデシルスルフェート、Triton X-100、Tween-20、もしくはNP-40)、有機溶媒(たとえば、メタノールもしくはアセトン)、または消化酵素(たとえば、プロテイナーゼK、ペプシンまたはトリプシン)、あるいはそれらの任意の組合せを含む細胞溶解緩衝液の添加により溶解可能である。標的とバーコードとの関連付けを向上させるために、たとえば、温度の低下および/またはライセートの粘度の増加により、標的分子の拡散速度を変化させることが可能である。
【0371】
いくつかの実施形態では、サンプルは濾紙を用いて溶解可能である。濾紙は濾紙の上を溶解緩衝液で浸漬可能である。濾紙は、サンプルの溶解および基材へのサンプルの標的のハイブリダイゼーションを促進可能な加圧でサンプルに適用可能である。
【0372】
いくつかの実施形態では、溶解は、機械溶解、熱溶解、光学溶解、および/または化学溶解により行うことが可能である。化学溶解は、プロテイナーゼK、ペプシン、トリプシンなどの消化酵素の使用を含みうる。溶解は、基材への溶解緩衝液の添加により行うことが可能である。溶解緩衝液はトリスHClを含みうる。溶解緩衝液は、少なくとも約0.01、0.05、0.1、0.5、もしくは1Mまたはそれ以上のトリスHClを含みうる。溶解緩衝液は、多くとも約0.01、0.05、0.1、0.5、もしくは1Mまたはそれ以上のトリスHClを含みうる。溶解緩衝液は約0.1MトリスHClを含みうる。溶解緩衝液のpHは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10またはそれ以上でありうる。溶解緩衝液のpHは、多くとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液のpHは約7.5である。溶解緩衝液は塩(たとえばLiCl)を含みうる。溶解緩衝液中の塩の濃度は、少なくとも約0.1、0.5、もしくは1Mまたはそれ以上でありうる。溶解緩衝液中の塩の濃度は、多くとも約0.1、0.5、もしくは1Mまたはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中の塩の濃度は約0.5Mである。溶解緩衝液は、界面活性剤(たとえば、SDS、Liドデシルスルフェート、トリトンX、トゥイーン、NP-40)を含みうる。溶解緩衝液中の界面活性剤の濃度は、少なくとも約0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、もしくは7%またはそれ以上でありうる。溶解緩衝液中の界面活性剤の濃度は、多くとも約0.0001%、0.0005%、0.001%、0.005%、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、もしくは7%またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中の界面活性剤の濃度は約1%Liドデシルスルフェートである。本方法で溶解に使用される時間は、使用される界面活性剤の量に依存性しうる。いくつかの実施形態では、界面活性剤を多く使用するほど、溶解に必要な時間は短くなる。溶解緩衝液はキレート化剤(たとえば、EDTA、EGTA)を含みうる。溶解緩衝液中のキレート化剤の濃度は、少なくとも約1、5、10、15、20、25、もしくは30mMまたはそれ以上でありうる。溶解緩衝液中のキレート化剤の濃度は、多くとも約1、5、10、15、20、25、もしくは30mMまたはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中のキレート化剤の濃度は約10mMである。溶解緩衝液は還元試薬(たとえば、βメルカプトエタノール、DTT)を含みうる。溶解緩衝液中の還元試薬の濃度は少なくとも約1、5、10、15、20mMまたはそれ以上でありうる。溶解緩衝液中の還元試薬の濃度は多くとも約1、5、10、15、20mMまたはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液中の還元試薬の濃度は約5mMである。いくつかの実施形態では、溶解緩衝液は、約0.1MのトリスHCl、約pH7.5、約0.5M LiCl、約1%リチウムドデシルスルフェート、約10mM EDTA、および約5mM DTTを含みうる。
【0373】
溶解は、約4、10、15、20、25、または30℃の温度で行うことが可能である。溶解は、約1、5、10、15、もしくは20分間またはそれ以上行うことが可能である。溶解細胞は、少なくとも約100000、200000、300000、400000、500000、600000、もしくは700000標的核酸分子またはそれ以上を含みうる。溶解細胞は、多くとも約100000、200000、300000、400000、500000、600000、もしくは700000標的核酸分子またはそれ以上を含みうる。
【0374】
標的核酸分子へのバーコードの結合
細胞の溶解およびそれからの核酸分子の放出の後、核酸分子は、共局在化された固体担体のバーコードにランダムに関連付けすることができる。関連付けは、標的核酸分子の相補的部分へのバーコードの標的認識領域のハイブリダイゼーションを含みうる(たとえば、バーコードのオリゴ(dT)は、標的のポリ(A)テールと相互作用可能である)。ハイブリダイゼーションに使用されるアッセイ条件(たとえば、緩衝液pH、イオン強度、温度など)は、特定の安定なハイブリッドの形成を促進するように選択可能である。いくつかの実施形態では、溶解した細胞から放出された核酸分子は、基材上の複数のプローブに関連付けする(たとえば、基板上のプローブとハイブリダイズする)ことができる。プローブが、オリゴ(dT)を含むとき、mRNA分子は、プローブにハイブリダイズして、逆転写されうる。オリゴヌクレオチドのオリゴ(dT)部分は、cDNA分子の第1鎖合成のためのプライマーとして作用しうる。たとえば、
図2、ブロック216に示すバーコードの非限定的な例において、mRNA分子は、ビーズ上のバーコードをハイブリダイズすることができる。たとえば、一本鎖ヌクレオチド断片は、バーコードの標的結合領域にハイブリダイズすることができる。
【0375】
結合は、バーコードの標的認識領域と標的核酸分子の一部とのライゲーションをさらに含みうる。たとえば、標的結合領域は、制限部位オーバーハング(たとえば、EcoRI付着末端オーバーハング)への特異的ハイブリダイゼーションが可能でありうる核酸配列を含みうる。アッセイ手順は、制限部位オーバーハングを生成するために制限酵素(たとえばEcoRI)で標的核酸を処置する工程をさらに含みうる。次いで、バーコードは、制限部位オーバーハングに相補的な配列を含む任意の核酸分子にライゲートしうる。リガーゼ(たとえばT4DNAリガーゼ)は2つの断片を連結するために使用しうる。
【0376】
たとえば、
図2、ブロック220に図示するバーコードの非限定的な例では、複数の細胞(または複数のサンプル)からの標識標的(たとえば、標的-バーコード分子)は、続いて、たとえば、チューブ中にプールすることができる。たとえば、バーコードおよび/または標的-バーコード分子が結合したビーズを回収することにより、標識標的をプールすることができる。
【0377】
結合した標的-バーコード分子の固体担体ベースのコレクションの回収は、磁気ビーズおよび外部印加磁界の使用により実現しうる。標的-バーコード分子をプールした後、すべてのさらなる処理を単一反応槽内で進行させることができる。さらなる処理は、たとえば、逆転写反応、増幅反応、切断反応、解離反応、および/または核酸伸長反応を含みうる。さらなる処理反応は、マイクロウェル内で、すなわち、複数の細胞の標識標的核酸分子を最初にプールすることなく、実施することができる。
【0378】
逆転写
本開示は、(たとえば、
図2のブロック224で)逆転写を用いて標的-バーコードコンジュゲートを生成する方法を提供する。標的-バーコードコンジュゲートは、バーコードと標的核酸の全部または一部の相補的配列と(すなわち、確率バーコード付きcDNA分子などのバーコード付きcDNA分子)を含みうる。関連付けられたRNA分子の逆転写は、逆転写酵素と共に逆転写プライマーを添加することによって起こりうる。逆転写プライマーは、オリゴ(dT)プライマー、ランダムヘキサヌクレオチドプライマー、または標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーでありうる。オリゴ(dT)プライマーは、12~18ヌクレオチド長、または概ねそうしたヌクレオチド長であってよく、哺乳動物mRNAの3’末端の内因性ポリ(A)テールに結合することができる。ランダムヘキサヌクレオチドプライマーは、さまざまな相補的部位でmRNAと結合しうる。標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、典型的には対象のmRNAを選択的にプライミングする。
【0379】
いくつかの実施形態では標識RNA分子の逆転写は、逆転写プライマーの添加によって起こりうる。いくつかの実施形態では、逆転写プライマーは、オリゴ(dT)プライマー、ランダムヘキサヌクレオチドプライマー、または標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーである。一般に、オリゴ(dT)プライマーは、12~18ヌクレオチド長であり、哺乳動物mRNAの3’末端の内因性ポリ(A)+テールに結合する。ランダムヘキサヌクレオチドプライマーは、さまざまな相補的部位でmRNAと結合しうる。標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、典型的には対象のmRNAを選択的にプライミングする。
【0380】
逆転写は、繰返し行うことにより複数の標識cDNA分子を生成可能である。本明細書に開示される方法は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回の逆転写反応を行う工程を含みうる。本方法は、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100回の逆転写反応を行う工程を含みうる。
【0381】
増幅
核酸増幅反応(たとえば、
図2のブロック228で)は、標識標的核酸分子の複数のコピーを生成するために1回以上実施することができる。増幅は、複数の標的核酸配列が同時に増幅される、多重方式で実施してよい。増幅反応は、核酸分子にシーケンシングアダプターを付加するために使用することができる。増幅反応は、存在するのであれば、サンプル標識の少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。増幅反応は、細胞標識および/またはバーコード配列(たとえば、分子標識)の少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。増幅反応は、サンプルタグ、細胞標識、空間標識、バーコード配列(たとえば、分子標識)、標的核酸、またはそれらの組合せの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。増幅反応は、複数の核酸の0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の範囲もしくは数を増幅する工程を含みうる。本方法は、サンプル標識、細胞標識、空間標識、および/またはバーコード配列(たとえば、分子標識)を含む標的-バーコード分子のcDNAコピーを1つ以上生成するために、cDNA合成反応を1回以上行う工程をさらに含みうる。
【0382】
いくつかの実施形態では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて、増幅を実施することができる。本明細書で用いられる場合、PCRとは、DNAの相補鎖の同時プライマー伸長により特定のDNA配列のin vitro増幅を行う反応を意味しうる。本明細書で用いられる場合、PCRは、その反応の派生形、たとえば、限定されるものではないが、RT-PCR、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、定量PCR、多重PCR、デジタルPCR、およびアセンブリーPCRを包含しうる。
【0383】
標識核酸の増幅は、非PCRベースの方法を含みうる。非PCRベースの方法の例としては、限定されるものではないが、多重置換増幅(MDA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、リアルタイムSDA、ローリングサークル増幅、またはサークル-サークル増幅が挙げられる。他の非PCRベースの増幅方法としては、DNAもしくはRNA標的を増幅するためのDNA依存性RNAポリメラーゼ駆動RNA転写増幅またはRNA指向DNA合成および転写の多重サイクル、リガーゼ連鎖反応(LCR)、およびQβレプリカーゼ(Qβ)法、パリンドロームプローブの使用、鎖置換増幅、制限エンドヌクレアーゼを用いたオリゴヌクレオチド駆動増幅、プライマーが核酸配列にハイブリダイズされかつ得られた二本鎖が伸長反応および増幅の前に切断される増幅方法、5’エキソヌクレアーゼ活性の欠如した核酸ポリメラーゼを用いた鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、および分岐伸長増幅(RAM)が挙げられる。いくつかの実施形態では、増幅は、環化転写物を生成しうる。
【0384】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法は、標識アンプリコン(たとえば、確率標識アンプリコン)を生成するために標識核酸(たとえば、標識RNA、標識DNA、標識cDNA)上でポリメラーゼ連鎖反応を実施する工程をさらに含む。標識アンプリコンは、二本鎖分子であってよい。二本鎖分子は、二本鎖RNA分子、二本鎖DNA分子、またはDNA分子にハイブリダイズされたRNA分子を含みうる。二本鎖分子の一方または両方の鎖は、サンプル標識、空間標識、細胞標識、および/またはバーコード(たとえば、分子標識)を含みうる。標識アンプリコンは、一本鎖分子でありうる。一本鎖分子は、DNA、RNA、またはそれらの組合せを含みうる。本開示の核酸は、合成核酸または改変核酸を含みうる。
【0385】
増幅は、1つ以上の非天然ヌクレオチドの使用を含みうる。非天然ヌクレオチドは、光不安定性またはトリガー性のヌクレオチドを含みうる。非天然ヌクレオチドの例としては、限定されるものではないが、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ核酸、およびロックド核酸(LNA)、さらにはグリコール核酸(GNA)およびトレオース核酸(TNA)が挙げられうる。非天然ヌクレオチドは、増幅反応の1サイクル以上に添加することができる。非天然ヌクレオチドの添加は、増幅反応の特定のサイクルまたは時点で産物を同定するために使用しうる。
【0386】
増幅反応を1回以上行う工程は、1つ以上のプライマーの使用を含みうる。1つ以上のプライマーは、たとえば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15ヌクレオチドまたはそれ以上を含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15ヌクレオチドまたはそれ以上を含みうる。1つ以上のプライマーは、12~15ヌクレオチド未満を含みうる。1つ以上のプライマーは、複数の標識標的(たとえば、確率標識標的)の少なくとも一部にアニールしうる。1つ以上のプライマーは、複数の標識標的の3’末端または5’末端にアニールしうる。1つ以上のプライマーは、複数の標識標的の内部領域にアニールしうる。内部領域は、複数の標識標的の3’末端から少なくとも約50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、または1000ヌクレオチドでありうる。1つ以上のプライマーは、プライマーの一定パネルを含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のカスタムプライマーを含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のコントロールプライマーを含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上の遺伝子特異的プライマーを含みうる。
【0387】
1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含みうる。ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマー結合部位にアニールしうる。1つ以上のカスタムプライマーは、第1のサンプル標識、第2のサンプル標識、空間標識、細胞標識、バーコード(たとえば、分子標識)、標的、またはそれらの任意の組合せにアニールしうる。1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーおよびカスタムプライマーを含みうる。カスタムプライマーは、1つ以上の標的を増幅するように設計しうる。標的は、1つ以上のサンプル中の全核酸のサブセットを含みうる。標的は、1つ以上のサンプル中の全標識標的のサブセットを含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも96カスタムプライマーまたはそれ以上を含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも960カスタムプライマーまたはそれ以上を含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも9600カスタムプライマーまたはそれ以上を含みうる。1つ以上のカスタムプライマーは、2つ以上の異なる標識核酸にアニールしうる。2つ以上の異なる標識核酸は、1つ以上の遺伝子に相当しうる。
【0388】
任意の増幅スキームを本開示の方法で使用することができる。たとえば、一スキームでは、第1ラウンドのPCRは、遺伝子特異的プライマーおよびユニバーサルIlluminaシーケンシングプライマー1配列に対するプライマーを用いて、ビーズに結合された分子を増幅することができる。第2ラウンドのPCRは、Illuminaシーケンシングプライマー2配列がフランキングするネステッド遺伝子特異的プライマーとユニバーサルIlluminaシーケンシングプライマー1配列に対するプライマーとを用いて第1のPCR産物を増幅可能である。第3ラウンドのPCRは、P5およびP7とサンプルインデックスを付加して、PCR産物をIlluminaシーケンシングライブラリーにする。150bp×2シーケンシングを用いたシーケンシングは、リード1上の細胞標識およびバーコード配列(たとえば、分子標識)、リード2上の遺伝子、ならびにインデックス1リード上のサンプルインデックスを明らかにしうる。
【0389】
いくつかの実施形態では、核酸は、化学切断を用いて基材から除去可能である。たとえば、核酸中に存在する化学基または修飾塩基は、固体担体からのその除去を促進するために使用可能である。たとえば、酵素は、基材から核酸を除去するために使用可能である。たとえば、核酸は、制限エンドヌクレアーゼ消化による基材からの除去が可能である。たとえば、dUTPまたはddUTPを含有する核酸のウラシル-d-グリコシラーゼ(UDG)処理は、基材から核酸を除去するために使用可能である。たとえば、核酸は、ヌクレオチド切除を行う酵素、たとえば、塩基除去修復酵素、たとえば、脱プリン/脱ピリミジン(AP)エンドヌクレアーゼを用いて基材から除去可能である。いくつかの実施形態では、核酸は、光切断性基と光とを用いて基材から除去可能である。いくつかの実施形態では、切断性リンカーは、基材から核酸を除去するために使用可能である。たとえば、切断性リンカーは、ビオチン/アビジン、ビオチン/ストレプトアビジン、ビオチン/ニュートラビジン、Ig-プロテインA、光不安定性リンカー、酸または塩基不安定性リンカー基、またはアプタマーの少なくとも1つを含みうる。
【0390】
プローブが遺伝子特異的である場合、分子は、プローブにハイブリダイズし、逆転写および/または増幅が可能である。いくつかの実施形態では、核酸が合成された後(たとえば、逆転写された後)、増幅が可能である。増幅は、複数の標的核酸配列が同時に増幅される条件で、多重方式で行いうる。増幅は、核酸にシーケンシングアダプターを付加しうる。
【0391】
いくつかの実施形態では、増幅は、たとえばブリッジ増幅を用いて基材上に行うことが可能である。基材上でオリゴ(dT)プローブを用いてブリッジ増幅するのに適合していた末端を生成するために、cDNAにホモポリマーテールを付加することが可能である。ブリッジ増幅では、テンプレート核酸の3’末端に相補的なプライマーは、固体粒子に共有結合された各ペアの第1のプライマーでありうる。テンプレート核酸を含有するサンプルが粒子に接触して1回の熱サイクルが行われる場合、テンプレート分子は第1のプライマーにアニールし、かつ第1のプライマーはヌクレオチドの付加により順方向に伸長して、テンプレート分子とテンプレートに相補的な新たに形成されたDNA鎖とからなる二本鎖分子を形成する。次のサイクルの加熱工程では、二本鎖分子は変性されて、粒子からテンプレート分子を放出し、第1のプライマーを介して粒子に結合された相補的DNA鎖を残存させる。続くアニーリング・伸長工程のアニーリング段階では、相補鎖は、第1のプライマーから除去された位置の相補鎖のセグメントに相補的な第2のプライマーにハイブリダイズ可能である。このハイブリダイゼーションにより、相補鎖は、共有結合により第1のプライマーにかつハイブリダイゼーションにより第2のプライマーに固定されたブリッジを第1および第2のプライマー間に形成可能である。伸長段階では、第2のプライマーは、同一の反応混合物中にヌクレオチドを添加することにより反対方向に伸長し、それによりブリッジを二本鎖ブリッジに変換可能である。次いで、次のサイクルが開始され、二本鎖ブリッジは変性されて、それぞれ第1および第2のプライマーを介して粒子表面に結合された一方の末端と、それぞれ未結合の状態の他方の末端と、を有する2つの一本鎖核酸分子を与えることが可能である。この第2のサイクルのアニーリング・伸長工程では、各鎖は同一の粒子上のこれまで未使用であったさらなる相補的プライマーにハイブリダイズして新しい一本鎖ブリッジを形成可能である。この時点でハイブリダイズされる2つのこれまで未使用であったプライマーは伸長して2つの新しいブリッジを二本鎖ブリッジに変換可能である。
【0392】
増幅反応は、複数の核酸の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%を増幅する工程を含みうる。
【0393】
標識核酸の増幅は、PCRベースの方法または非PCRベースの方法を含みうる。標識核酸の増幅は、標識核酸の指数関数的増幅を含みうる。標識核酸の増幅は、標識核酸の線形増幅を含みうる。増幅は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行うことが可能である。PCRは、DNAの相補鎖の同時プライマー伸長により特定のDNA配列のin vitro増幅を行う反応を意味しうる。PCRは、その反応の派生形、たとえば、限定されるものではないが、RT-PCR、リアルタイムPCR、ネステッドPCR、定量PCR、多重PCR、デジタルPCR、サプレッションPCR、セミサプレッシブPCR、およびアセンブリーPCRを包含しうる。
【0394】
いくつかの実施形態では、標識核酸の増幅は非PCRベースの方法を含む。非PCRベースの方法の例としては、限定されるものではないが、多重置換増幅(MDA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、リアルタイムSDA、ローリングサークル増幅、またはサークル-サークル増幅が挙げられる。他の非PCRベースの増幅方法としては、DNAもしくはRNA標的を増幅するためのDNA依存性RNAポリメラーゼ駆動RNA転写増幅またはRNA指向DNA合成および転写の多重サイクル、リガーゼ連鎖反応(LCR)、Qβレプリカーゼ(Qβ)、パリンドロームプローブの使用、鎖置換増幅、制限エンドヌクレアーゼを用いたオリゴヌクレオチド駆動増幅、プライマーが核酸配列にハイブリダイズされかつ得られた二本鎖が伸長反応および増幅の前に切断される増幅方法、5’エキソヌクレアーゼ活性の欠如した核酸ポリメラーゼを用いた鎖置換増幅、ローリングサークル増幅、および/または分岐伸長増幅(RAM)が挙げられる。
【0395】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、増幅アンプリコン(たとえば標的)上でネステッドポリメラーゼ連鎖反応を行う工程をさらに含む。アンプリコンは二本鎖分子でありうる。二本鎖分子は、二本鎖RNA分子、二本鎖DNA分子、またはDNA分子にハイブリダイズされたRNA分子を含みうる。二本鎖分子の一方または両方の鎖は、サンプルタグまたは分子識別子標識を含みうる。代替的に、アンプリコンは一本鎖分子でありうる。一本鎖分子は、DNA、RNA、またはそれらの組合せを含みうる。本発明の核酸は、合成核酸または改変核酸を含みうる。
【0396】
いくつかの実施形態では、本方法は、多数のアンプリコンを生成するために標識核酸を繰返し増幅する工程を含む。本明細書に開示される方法は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20回の増幅反応を行う工程を含みうる。代替的に、本方法は、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100回の増幅反応を行う工程を含む。
【0397】
増幅工程は、複数の核酸を含む1つ以上のサンプルに1つ以上のコントロール核酸を添加する工程をさらに含みうる。増幅工程は、複数の核酸に1つ以上のコントロール核酸を添加する工程をさらに含みうる。コントロール核酸は、コントロール標識を含みうる。
【0398】
増幅は、1つ以上の非天然ヌクレオチドの使用を含みうる。非天然ヌクレオチドは、光不安定性および/またはトリガー性ヌクレオチドを含みうる。非天然ヌクレオチドの例としては、限定されるものではないが、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ核酸およびロックド核酸(LNA)、さらにはグリコール核酸(GNA)およびトレオース核酸(TNA)が挙げられる。非天然ヌクレオチドは、増幅反応の1サイクル以上に添加しうる。非天然ヌクレオチドの添加は、増幅反応の特定のサイクルまたは時点で産物を同定するために使用しうる。
【0399】
増幅反応を1回以上行う工程は、1つ以上のプライマーの使用を含みうる。1つ以上のプライマーは1つ以上のオリゴヌクレオチドを含みうる。1つ以上のオリゴヌクレオチドは少なくとも約7~9ヌクレオチドを含みうる。1つ以上のオリゴヌクレオチドは12~15ヌクレオチド未満を含みうる。1つ以上のプライマーは、複数の標識核酸の少なくとも一部にアニールしうる。1つ以上のプライマーは、複数の標識核酸の3’末端および/または5’末端にアニールしうる。1つ以上のプライマーは、複数の標識核酸の内部領域にアニールしうる。内部領域は、複数の標識核酸の3’末端から少なくとも約50、100、150、200、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、または1000ヌクレオチドでありうる。1つ以上のプライマーは、プライマーの一定パネルを含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のカスタムプライマーを含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のコントロールプライマーを含みうる。1つ以上のプライマーは、少なくとも1つ以上のハウスキーピング遺伝子プライマーを含みうる。1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーを含みうる。ユニバーサルプライマーは、ユニバーサルプライマー結合部位にアニールしうる。1つ以上のカスタムプライマーは、第1のサンプルタグ、第2のサンプルタグ、分子識別子標識、核酸、またはその産物にアニールしうる。1つ以上のプライマーは、ユニバーサルプライマーおよびカスタムプライマーを含みうる。カスタムプライマー、1つ以上の標的核酸を増幅するように設計しうる。標的核酸は、1つ以上のサンプル中の全核酸のサブセットを含みうる。いくつかの実施形態では、プライマーには、本開示のアレイに結合されたプローブである。
【0400】
いくつかの実施形態では、サンプル中の複数の標的にバーコード(たとえば、確率バーコード)を付ける工程は、バーコード付き断片の指標インデックスライブラリーを作製する工程をさらに含む。異なるバーコードのバーコード配列(たとえば、異なる確率バーコードの分子標識)は、互いに異なっていてもよい。バーコード付き標的(たとえば、確率バーコード付き標的)の指標インデックスライブラリーを作製する工程は、サンプル中の複数の標的から複数の指標インデックスポリヌクレオチドを作製する工程を含む。たとえば、第1の指標インデックス標的と第2の指標インデックス標的とを含むバーコード標的の指標インデックスライブラリーの場合、第1の指標インデックスポリヌクレオチドの標識領域は、第2の指標インデックスポリヌクレオチドの標識領域と、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50ヌクレオチド異なって、概ね、少なくとも、もしくは多くともこうした値、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲のヌクレオチド異なってもよい。いくつかの実施形態では、バーコード付き標的の指標インデックスライブラリーを作製する工程は、ポリ(T)領域および標識領域などの複数のオリゴヌクレオチドと、複数の標識、たとえば、mRNA分子を接触させる工程と;各々がcDNA領域および標識領域を含む一本鎖標識cDNA分子を生成するために、逆転写酵素を用いて、第1鎖合成を実施する工程と、を含み、ここで、複数の標的は、異なる配列の少なくとも2つのmRNA分子を含み、複数のオリゴヌクレオチドは、異なる配列の少なくとも2つのオリゴヌクレオチドを含む。バーコード付き標的の指標インデックスライブラリーを作製する工程は、さらに、二本鎖標識cDNA分子を生成するために、一本鎖標識cDNA分子を増幅する工程と;標識アンプリコンを生成するために、二本鎖標識cDNA分子上でネステッドPCRを実施する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、アダプター-標識アンプリコンを作製する工程を含みうる。
【0401】
確率バーコーディングは、個々の核酸(たとえば、DNAまたはRNA)分子を標識するために、核酸バーコードもしくはタグを使用しうる。いくつかの実施形態では、これは、DNAバーコードもしくはタグがmRNAから生成される際に、cDNA分子にこれらを付加する工程を含む。ネステッドPCRは、PCR増幅バイアスの最小限化を実施することができる。アダプターは、たとえば、次世代シーケンシング(NGS)を用いるシーケンシングのために付加することができる。シーケンシング結果を用いて、たとえば、
図2のブロック232に位置する標的の1つ以上のコピーの細胞標識、バーコード配列(たとえば、分子標識)、およびヌクレオチド断片の配列を決定することができる。
【0402】
図3は、バーコード付き標的(たとえば確率バーコード付き標的)、たとえばmRNAのインデックス付きライブラリーを作製する非限定的な例示的プロセスを示す概略図である。工程1に示されるように、逆転写プロセスは、ユニークバーコード配列(たとえば分子標識)、細胞標識、およびユニバーサルPCR部位を含む各mRNA分子をコードすることができる。特に、RNA分子302のポリ(A)テール領域308への、バーコード(たとえば確率バーコード)310)のセットのハイブリダイゼーション(たとえば確率論的ハイブリダイゼーション)によって、RNA分子302を逆転写して、cDNA領域306を含む標識cDNA分子304を生成することができる。バーコード310の各々は、標的結合領域、たとえばポリ(dT)領域312、バーコード配列または分子標識314、およびユニバーサルPCR領域316を含みうる。
【0403】
いくつかの実施形態では、細胞標識は、3~20ヌクレオチドを含みうる。いくつかの実施形態では、バーコード配列(たとえば、分子標識)は、3~20ヌクレオチドを含みうる。いくつかの実施形態では、複数の確率バーコードの各々は、1つ以上のユニバーサル標識および細胞標識をさらに含み、ユニバーサル標識は、固体担体上の複数の確率バーコードについて同じであり、細胞標識は、固体担体上の複数の確率バーコードについて同じである。いくつかの実施形態では、ユニバーサル標識は、3~20ヌクレオチドを含みうる。いくつかの実施形態では、細胞標識は、3~20ヌクレオチドを含む。
【0404】
いくつかの実施形態では、標識領域314は、バーコード配列または分子標識318および細胞標識320を含みうる。いくつかの実施形態では、標識領域314は、1つ以上のユニバーサル標識、次元標識、および細胞標識を含みうる。バーコード配列または分子標識318は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ヌクレオチド長であっても、概ね、少なくとも、もしくは多くともそうしたヌクレオチド長であってもよいし、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲のヌクレオチド長であってもよい。細胞標識320は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ヌクレオチド長であっても、概ね、少なくとも、もしくは多くともそうしたヌクレオチド長であってもよいし、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲のヌクレオチド長であってもよい。ユニバーサル標識は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ヌクレオチド長であっても、概ね、少なくとも、もしくは多くともそうしたヌクレオチド長であってもよいし、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲のヌクレオチド長であってもよい。ユニバーサル標識は、固体担体上の複数の確率バーコードについて同じであってもよく、細胞標識は、固体担体上の複数の確率バーコードについて同じであってもよい。次元標識は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ヌクレオチド長であっても、概ね、少なくとも、もしくは多くともそうしたヌクレオチド長であってもよいし、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲のヌクレオチド長であってもよい。
【0405】
いくつかの実施形態では、標識領域314は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000の異なる標識を含むか、概ねそうした値の異なる標識を含むか、少なくとも、もしくは多くともそうした値の異なる標識、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲の異なる標識、たとえば、バーコード配列または分子標識318および細胞標識320などを含みうる。各標識は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100ヌクレオチド長であっても、概ね、少なくとも、もしくは多くともそうしたヌクレオチド長であってもよいし、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲のヌクレオチド長であってもよい。バーコードまたは確率バーコード310のセットは、10、20、40、50、70、80、90、102、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1020のバーコードまたは確率バーコード310を含むか、概ねそうした値のバーコードまたは確率バーコード識別子標識310を含むか、少なくとも、もしくは多くともそうした値のバーコードまたは確率バーコード310、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲のバーコードまたは確率バーコード310を含みうる。また、バーコードまたは確率バーコード310のセットは、たとえば、各々、ユニーク標識領域314を含みうる。余剰のバーコードまたは確率バーコード310を除去するために、標識cDNA分子304を精製することができる。精製は、Ampureビーズ精製を含みうる。
【0406】
工程2に示すように、工程1の逆転写プロセスからの産物を1チューブ中にプールし、第1PCRプライマープールおよび第1ユニバーサルPCRプライマーを用いてPCR増幅することができる。プールする工程は、ユニーク標識領域314によって可能である。特に、ネステッドPCR標識アンプリコン322を生成するために、標識cDNA分子304を増幅することができる。増幅は、多重PCR増幅を含みうる。増幅は、単一反応量で96多重プライマーを用いる多重PCR増幅を含みうる。いくつかの実施形態では、多重PCR増幅は単一反応量で10、20、40、50、70、80、90、102、103、104、105、106、107、108、109、1010、1011、1012、1013、1014、1015、1020の多重プライマーを使用するか、概ねそうした値の多重プライマー、少なくとも、もしくは多くともそうした値の多重プライマーを使用するか、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲の多重プライマーを使用することができる。増幅は、特定の遺伝子を標的とするカスタムプライマー326A~Cの第1PCRプライマープール324と、ユニバーサルプライマー328とを含みうる。カスタムプライマー326は、標識cDNA分子304のcDNA部分306’内の1領域とハイブリダイズすることができる。ユニバーサルプライマー328は、標識cDNA分子304のユニバーサルPCR領域316とハイブリダイズすることができる。
【0407】
図3の工程3に示すように、工程2のPCR増幅からの産物は、ネステッドPCRプライマープールおよび第2ユニバーサルPCRプライマーを用いて増幅することができる。ネステッドPCRは、PCR増幅バイアスを最小限に抑えることができる。特に、ネステッドPCR標識アンプリコン322は、ネステッドPCRによりさらに増幅することもできる。ネステッドPCRは、単一反応量でネステッドPCRプライマー332a~cのネステッドPCRプライマープール330と、第2ユニバーサルPCRプライマー328’とを含む多重PCRを含みうる。ネステッドPCRプライマープール328は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000の異なるネステッドPCRプライマー330を含むか、概ねそうした値の異なるネステッドPCRプライマー330を含むか、少なくとも、もしくは多くともそうした値の異なるネステッドPCRプライマー330、またはこれらの値のいずれかの間の数もしくは範囲の異なるネステッドPCRプライマー330を含みうる。ネステッドPCRプライマー332は、アダプター334を含有して、標識アンプリコン322のcDNA部分306’内の1領域とハイブリダイズすることができる。ユニバーサルプライマー328’は、アダプター336を含有して、標識アンプリコン322のユニバーサルPCR領域316とハイブリダイズすることができる。このようにして、工程3は、アダプター標識アンプリコン338を生成する。いくつかの実施形態では、ネステッドPCRプライマー332と第2ユニバーサルPCRプライマー328’は、アダプター334および336を含有しなくてもよい。それに代わり、アダプター334および336は、アダプター標識アンプリコン338を生成するために、ネステッドPCRの産物とライゲートすることができる。
【0408】
工程4に示すように、工程3からのPCR産物は、ライブラリー増幅プライマーを用いたシーケンシングのためにPCR増幅することができる。特に、アダプター334および336を用いて、アダプター標識アンプリコン338に対するアッセイをさらに1回以上実施することができる。アダプター334および336は、プライマー340および342とハイブリダイズすることができる。1つ以上のプライマー340および342は、PCR増幅プライマーであってよい。1つ以上のプライマー340および342は、シーケンシングプライマーであってよい。1つ以上のアダプター334および336は、アダプター標識アンプリコン338のさらなる増幅のために使用することができる。1つ以上のアダプター334および336は、アダプター標識アンプリコン338のシーケンシングのために使用することができる。プライマー342は、プレート指標インデックス344を含有することができ、これによって、バーコードまたは確率バーコード310の同じセットを用いて生成されたアンプリコンを、次世代シーケンシング(NGS)を用いた1回のシーケンシング反応でシーケンシングすることができる。
【0409】
オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた細胞成分結合試薬を含む組成物
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた細胞成分結合試薬(たとえば、タンパク質結合試薬)を各々が含む複数の組成物を提供し、オリゴヌクレオチドは、それがコンジュゲートされている細胞成分結合試薬のためのユニーク識別子を含む。細胞成分結合試薬の結合標的は、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合わせであるか、またはそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬(たとえば、タンパク質結合試薬)は、タンパク質標的に特異的に結合可能である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各々は、確率バーコードなどのバーコードを含みうる。バーコードは、バーコード配列(たとえば、分子標識)、細胞標識、サンプル標識、またはそれらの任意の組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各々は、リンカーを含みうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各々は、ポリ(A)テールなどのオリゴヌクレオチドプローブに対する結合部位を含みうる。たとえば、ポリ(A)テールは、たとえば、固体担体に固定されていなくても、固体担体に固定されてもよい。ポリ(A)テールは、約10~50ヌクレオチド長でありうる。いくつかの実施形態では、ポリ(A)テールは、18ヌクレオチド長でありうる。オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、またはその両方を含みうる。
【0410】
ユニーク識別子は、たとえば、約4ヌクレオチド~約200ヌクレオチドの任意の好適な長さを有する、たとえば、ヌクレオチド配列でありうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、25ヌクレオチド~約45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列である。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、70ヌクレオチド、80ヌクレオチド、90ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチドであるか、概ねそうした値のヌクレオチドであるか、そうした値よりも小さいか、大きいか、または上の値のいずれか2つの間の範囲の長さを有しうる。
【0411】
いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニーク識別子の多様なセットから選択される。ユニーク識別子の多様なセットは、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1,000、少なくとも2,000、少なくとも5,000、またはそれ以上の異なるユニーク識別子を含みうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子のセットは、分析されるサンプルのDNAまたはRNA配列と最小限の配列相同性を有するように設計される。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子のセットの配列は、少なくとも1ヌクレオチド、少なくとも2ヌクレオチド、少なくとも3ヌクレオチド、少なくとも4ヌクレオチド、少なくとも5ヌクレオチド、少なくとも6ヌクレオチド、少なくとも7ヌクレオチド、少なくとも8ヌクレオチド、少なくとも9ヌクレオチド、少なくとも10ヌクレオチド、もしくはそれ以上互いに異なるか、またはその相補体である。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子のセットの配列は、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、もしくはそれ以上互いに異なるか、またはその相補体である。
【0412】
いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニバーサルプライマーなどのプライマーに対する結合部位を含みうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニバーサルプライマーなどのプライマーに対する少なくとも2つの結合部位を含みうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニバーサルプライマーなどのプライマーに対する少なくとも3つの結合部位を含みうる。プライマーは、たとえば、PCR増幅による、ユニーク識別子の増幅のために使用することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、ネステッドPCR反応のために使用することができる。
【0413】
本開示においては、抗体もしくはその断片、アプタマー、小分子、リガンド、ペプチド、オリゴヌクレオチドなど、またはそれらの任意の組合せなど、任意の好適なタンパク質結合試薬が考慮される。いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、一本鎖抗体(sc-Ab)、またはそれらの断片、たとえば、Fab、Fvなどのでありうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質結合試薬は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1,000、少なくとも2,000、少なくとも5,000、またはそれ以上の異なるタンパク質結合試薬を含みうる。
【0414】
オリゴヌクレオチドは、種々の機構によりタンパク質結合試薬とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、共有結合によりタンパク質結合試薬とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、非共有結合によりタンパク質結合試薬とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬とコンジュゲートされる。リンカーは、たとえば、タンパク質結合試薬および/もしくはオリゴヌクレオチドから切断可能または脱離可能でありうる。いくつかの実施形態では、リンカーは、オリゴヌクレオチドをタンパク質結合試薬に可逆的に結合する化学基を含みうる。化学基は、リンカーに、たとえば、アミノ基を介してコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、リンカーは、タンパク質結合試薬にコンジュゲートされた別の化学基と安定な結合を形成する化学基を含みうる。たとえば、化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミンなどでありうる。いくつかの実施形態では、化学基は、リジンなどのアミノ酸の一級アミン、またはN末端を介してタンパク質結合試薬にコンジュゲートされうる。Protein-Oligoコンジュゲーションキット(Solulink,Inc.、San Diego、California)、Thunder-Link(登録商標)オリゴコンジュゲーションシステム(Innova Biosciences、Cambridge、United Kingdom)などの市販のコンジュゲーションキットが、オリゴヌクレオチドをタンパク質結合試薬にコンジュゲートするために使用されうる。
【0415】
細胞成分結合試薬とその細胞成分標的との間の特異的な結合に干渉しない限り、オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬(たとえば、タンパク質結合試薬)の任意の好適な部位にコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬はタンパク質である。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は抗体ではない。タンパク質結合試薬が抗体である実施形態では、オリゴヌクレオチドは、抗原結合部位、たとえば、Fc領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CLドメインなど以外の抗体のどの部位にでもコンジュゲートされうる。オリゴヌクレオチドを抗体にコンジュゲートする方法は、たとえば、米国特許第6,531,283号明細書において以前に開示されており、この内容は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。タンパク質結合試薬に対するオリゴヌクレオチドの化学量論は変動しうる。シーケンシングにおいてタンパク質結合試薬特異的なオリゴヌクレオチドを検出する感度を増大させるために、コンジュゲーション中にタンパク質結合試薬に対するオリゴヌクレオチドの比を増加させることが有利でありうる。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬は、単一のオリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬は、2個以上のオリゴヌクレオチド分子、たとえば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1,000個、またはそれ以上のオリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートされうるが、ここで、オリゴヌクレオチド分子の各々は、同じユニーク識別子を含む。
【0416】
図4は、例示的なタンパク質結合試薬、たとえば、抗体に対するユニーク識別子配列を含むオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされている抗体、の概略図を示す。抗体とコンジュゲートされたオリゴヌクレオチド、抗体とのコンジュゲーションのためのオリゴヌクレオチド、または抗体と先にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドは、本明細書で抗体オリゴヌクレオチド(「Abオリゴ」または「AbO」と省略される)として参照されうる。オリゴヌクレオチドはまた、限定されるものではないが、1つ以上のリンカー、抗体に対する1つ以上のユニーク識別子、任意選択で1つ以上のバーコード配列(たとえば、分子標識)、およびポリ(A)テールを包含する、追加の成分を含みうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’から3’に向かって、リンカー、ユニーク識別子、バーコード配列(たとえば、分子標識)、およびポリ(A)テールを含みうる。
【0417】
いくつかの実施形態では、複数の細胞成分結合試薬は、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどのサンプル中において複数の細胞成分標的に特異的に結合可能である。いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬はタンパク質結合試薬であり、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞内タンパク質を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞内タンパク質を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質は、生物におけるすべてのコードされたタンパク質のうち、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、またはそれ以上の異なるタンパク質標的を含みうる。
【0418】
本明細書に開示される抗体オリゴヌクレオチドは、たとえば、バーコード配列(たとえば、分子標識)、ポリ(A)テール、またはそれらの組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、抗体オリゴヌクレオチドは、複数のバーコードのうち少なくとも1つのバーコードの捕捉配列に相補的な配列を含む。バーコードの標的結合領域は、捕捉配列を含みうる。標的結合領域は、たとえば、ポリ(dT)領域を含みうる。いくつかの実施形態では、バーコードの捕捉配列に相補的な抗体オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(A)テールを含みうる。抗体オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識)を含みうる。
【0419】
いくつかの実施形態では、抗体オリゴヌクレオチド配列は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ヌクレオチド長、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいは概ねそうしたヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。いくつかの実施形態では、抗体オリゴヌクレオチド配列は、少なくとも、または多くとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、もしくは1000ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含む。
【0420】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、抗体、テトラマー、アプタマー、タンパク質スキャフォールド、またはそれらの組合せを含む。抗体オリゴヌクレオチドは、たとえば、リンカーを介してタンパク質結合試薬にコンジュゲートされうる。1つの抗体オリゴヌクレオチドが、そのリンカーを含みうる。リンカーは化学基を含みうる。化学基は、タンパク質結合試薬の分子に可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されうる。
【0421】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、ADAM10、CD156c、ANO6、ATP1B2、ATP1B3、BSG、CD147、CD109、CD230、CD29、CD298、ATP1B3、CD44、CD45、CD47、CD51、CD59、CD63、CD97、CD98、SLC3A2、CLDND1、HLA-ABC、ICAM1、ITFG3、MPZL1、NA K ATPase alpha1、ATP1A1、NPTN、PMCA ATPase、ATP2B1、SLC1A5、SLC29A1、SLC2A1、SLC44A2、またはそれらの任意の組合せに結合することができる。
【0422】
いくつかの実施形態では、タンパク質標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合わせを含む。タンパク質標的は、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組合せを含みうる。タンパク質標的は、いくつかのタンパク質標的を含む群から選択されうる。タンパク質標的の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。タンパク質標的の数は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、もしくは10000でありうる。
【0423】
タンパク質結合試薬は、同じ配列を有する2つ以上の抗体オリゴヌクレオチドと結合しうる。タンパク質結合試薬は、異なる抗体オリゴヌクレオチド配列を有する2つ以上の抗体オリゴヌクレオチドと結合しうる。タンパク質結合試薬に結合される抗体オリゴヌクレオチドの数は、さまざまな履行において異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、抗体オリゴヌクレオチドの数は、同じまたは異なる配列を有するものであろうとなかろうと、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、抗体オリゴヌクレオチドの数は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000でありうる。
【0424】
複数の組成物は、抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされていない1つ以上の追加のタンパク質結合試薬(本明細書で抗体オリゴヌクレオチドフリータンパク質結合試薬とも呼ばれる)を含みうる。複数の組成物における追加のタンパク質結合試薬の数は、さまざまな履行において異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、追加のタンパク質結合試薬の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、追加のタンパク質結合試薬の数は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100でありうる。タンパク質結合試薬および追加のタンパク質結合試薬のうちのいずれかは、いくつかの実施形態において、同じでありうる。
【0425】
いくつかの実施形態では、1つ以上の抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされているタンパク質結合試薬および抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされていないタンパク質結合試薬を含む混合物が提供される。その混合物を本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において使用して、たとえば、サンプルまたは細胞を接触させることができる。混合物中の(1)抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合試薬の数と(2)抗体オリゴヌクレオチドまたは他の抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされていない別のタンパク質結合試薬(たとえば、同じタンパク質結合試薬)の数の比は、さまざまな履行において異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、比は、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、1:10000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、比は、少なくとも、または多くとも1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、もしくは1:10000でありうる。
【0426】
いくつかの実施形態では、比は、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1、60:1、61:1、62:1、63:1、64:1、65:1、66:1、67:1、68:1、69:1、70:1、71:1、72:1、73:1、74:1、75:1、76:1、77:1、78:1、79:1、80:1、81:1、82:1、83:1、84:1、85:1、86:1、87:1、88:1、89:1、90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、99:1、100:1、200:1、300:1、400:1、500:1、600:1、700:1、800:1、900:1、1000:1、2000:1、3000:1、4000:1、5000:1、6000:1、7000:1、8000:1、9000:1、10000:1、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、比は、少なくとも、または多くとも1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、2:1、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、21:1、22:1、23:1、24:1、25:1、26:1、27:1、28:1、29:1、30:1、31:1、32:1、33:1、34:1、35:1、36:1、37:1、38:1、39:1、40:1、41:1、42:1、43:1、44:1、45:1、46:1、47:1、48:1、49:1、50:1、51:1、52:1、53:1、54:1、55:1、56:1、57:1、58:1、59:1、60:1、61:1、62:1、63:1、64:1、65:1、66:1、67:1、68:1、69:1、70:1、71:1、72:1、73:1、74:1、75:1、76:1、77:1、78:1、79:1、80:1、81:1、82:1、83:1、84:1、85:1、86:1、87:1、88:1、89:1、90:1、91:1、92:1、93:1、94:1、95:1、96:1、97:1、98:1、99:1、100:1、200:1、300:1、400:1、500:1、600:1、700:1、800:1、900:1、1000:1、2000:1、3000:1、4000:1、5000:1、6000:1、7000:1、8000:1、9000:1、もしくは10000:1でありうる。
【0427】
タンパク質結合試薬は、抗体オリゴヌクレオチドまたはそれでないものとコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされているタンパク質結合試薬および抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされていないタンパク質結合試薬を含む混合物中の抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合試薬のパーセンテージは、0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、混合物中の抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合試薬のパーセンテージは、少なくとも、または多くとも0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%でありうる。
【0428】
いくつかの実施形態では、抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされたタンパク質結合試薬および抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされていないタンパク質結合試薬を含む混合物中の抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされていないタンパク質結合試薬のパーセンテージは、0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、混合物中の抗体オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされていないタンパク質結合試薬のパーセンテージは、少なくとも、または多くとも0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%でありうる。
【0429】
細胞成分標的の定量分析の方法
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、本明細書に開示される組成物、およびバーコード配列(たとえば、分子標識配列)を細胞成分結合試薬(たとえば、タンパク質結合試薬)のオリゴヌクレオチドに関連付けすることができるオリゴヌクレオチドプローブを使用する、サンプル中の複数の細胞成分標的(たとえば、タンパク質標的)の定量分析の方法を提供する。いくつかの実施形態では、サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどでありうる。いくつかの実施形態では、サンプルは、正常細胞、腫瘍細胞、血液細胞、B細胞、T細胞、母体細胞、胎児細胞などの細胞型の混合物、または異なる対象由来の細胞の混合物を含みうる。
【0430】
いくつかの実施形態では、サンプルは、マイクロウェルアレイ中のマイクロウェルなどの個別の区画に分離された複数の単一細胞を含みうる。
【0431】
細胞成分結合試薬の結合標的(すなわち、細胞成分標的)は、たとえば、炭水化物、脂質、タンパク質、細胞外タンパク質、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合わせであるか、またはそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、細胞成分標的はタンパク質標的である。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞内タンパク質を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質は、生物におけるすべてのコードされたタンパク質のうち、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、またはそれ以上の異なるタンパク質標的を含みうる。
【0432】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的との特異的な結合のためのサンプルと接触する。未結合のタンパク質結合試薬は、たとえば、洗浄によって、除去されうる。サンプルが細胞を含む実施形態では、細胞に特異的に結合されないあらゆるタンパク質結合試薬が除去されうる。
【0433】
いくつかの例では、細胞集団に由来する細胞は、本開示の基材のウェルに分離(たとえば、単離)されうる。細胞集団は、分離の前に希釈されうる。細胞集団は、基材のウェルの少なくとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%が単一細胞を受け入れるように希釈されうる。細胞集団は、基材のウェルの多くとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%が単一細胞を受け入れるように希釈されうる。細胞集団は、希釈された集団中の細胞の数が、基材上のウェルの数の1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100%、または少なくともこれらの値であるように希釈されうる。細胞集団は、希釈された集団中の細胞の数が、基材上のウェルの数の1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100%、または少なくともこれらの値であるように希釈されうる。いくつかの例では、細胞集団は、細胞の数が、基材中のウェルの数の約10%であるように希釈される。
【0434】
単一細胞の基材のウェルへの分布は、ポアソン分布に従いうる。たとえば、基材のウェルが2つ以上の細胞を有する、少なくとも0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%以上の確率がありうる。基材のウェルが2つ以上の細胞を有する、少なくとも0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%以上の確率がありうる。単一細胞の基材のウェルへの分布は、ランダムでありうる。単一細胞の基材のウェルへの分布は、非ランダムでありうる。細胞は、基材のセルがただ1つの細胞を受け入れるように分離されうる。
【0435】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬はさらに、個別の区画への細胞のフローソーティングを可能にする蛍光分子とコンジュゲートされうる。
【0436】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、複数のタンパク質標的との特異的な結合のために複数の組成物をサンプルと接触させる工程を提供する。使用される条件は、タンパク質結合試薬、たとえば、抗体のタンパク質標的に対する特異的な結合を可能にしうることが分かるであろう。接触させる工程の後に、未結合の組成物は除去されうる。たとえば、サンプルが細胞を含み、かつ組成物が、細胞表面タンパク質であるタンパク質標的に特異的に結合する実施形態では、タンパク質標的に特異的に結合する組成物のみが細胞とともに残るように、未結合の組成物は、緩衝液により細胞を洗浄することにより除去されうる。
【0437】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、バーコード配列(分子標識など)、細胞標識、サンプル標識など、またはそれらの任意の組合せを含みうるバーコード(たとえば、確率バーコード)を、タンパク質結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドに関連付けする工程を含みうる。たとえば、バーコードを含む複数のオリゴヌクレオチドプローブを使用して、組成物の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。
【0438】
いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体担体上に固定されうる。固体担体は、浮動性であってもよく、たとえば、溶液中のビーズであってもよい。固体担体は、半固体または固体アレイに埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体担体上に固定されなくてもよい。複数のオリゴヌクレオチドプローブがタンパク質結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドに近接して位置するとき、タンパク質結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズしうる。タンパク質結合試薬の識別可能な各々のオリゴヌクレオチドが、本開示の種々のバーコード配列(たとえば、分子標識)を有するオリゴヌクレオチドプローブと結合しうるように、オリゴヌクレオチドプローブを非枯渇的比率で接触させることができる。
【0439】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、タンパク質標的に特異的に結合されているタンパク質結合試薬からオリゴヌクレオチドを脱離させる工程を提供する。脱離は、UV光切断、化学処理(たとえば、ジチオスレイトール)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せなどの、タンパク質結合試薬から化学基を分離するためのさまざま方法において実施することができる。タンパク質結合試薬からオリゴヌクレオチドを脱離させる工程は、複数のオリゴヌクレオチドプローブを組成物の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする工程の前、後、または間のいずれかに実施することができる。
【0440】
タンパク質および核酸標的の同時定量分析の方法
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、本明細書に開示される組成物、およびバーコード配列(たとえば、分子標識配列)をタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドと核酸標的分子の両方に関連付けすることができるオリゴヌクレオチドプローブを使用する、サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時定量分析の方法を提供する。いくつかの実施形態では、サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどでありうる。いくつかの実施形態では、サンプルは、正常細胞、腫瘍細胞、血液細胞、B細胞、T細胞、母体細胞、胎児細胞などの細胞型の混合物、または異なる対象由来の細胞の混合物を含みうる。
【0441】
いくつかの実施形態では、サンプルは、マイクロウェルアレイ中のマイクロウェルなどの個別の区画に分離された複数の単一細胞を含みうる。
【0442】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞内タンパク質を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質は、生物におけるすべてのコードされたタンパク質のうち、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、またはそれ以上の異なるタンパク質標的を含みうる。
【0443】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的との特異的な結合のためのサンプルと接触する。未結合のタンパク質結合試薬は、たとえば、洗浄によって、除去されうる。サンプルが細胞を含む実施形態では、細胞に特異的に結合されないあらゆるタンパク質結合試薬が除去されうる。
【0444】
いくつかの例では、細胞集団に由来する細胞は、本開示の基材のウェルに分離(たとえば、単離)されうる。細胞集団は、分離の前に希釈されうる。細胞集団は、基材のウェルの少なくとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%が単一細胞を受け入れるように希釈されうる。細胞集団は、基材のウェルの多くとも1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100%が単一細胞を受け入れるように希釈されうる。細胞集団は、希釈された集団中の細胞の数が、基材上のウェルの数の1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100%、または少なくともこれらの値であるように希釈されうる。細胞集団は、希釈された集団中の細胞の数が、基材上のウェルの数の1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95もしくは100%、または少なくともこれらの値であるように希釈されうる。いくつかの例では、細胞集団は、細胞の数が、基材中のウェルの数の約10%であるように希釈される。
【0445】
単一細胞の基材のウェルへの分布は、ポアソン分布に従いうる。たとえば、基材のウェルが2つ以上の細胞を有する、少なくとも0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%以上の確率がありうる。基材のウェルが2つ以上の細胞を有する、少なくとも0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10%以上の確率がありうる。単一細胞の基材のウェルへの分布は、ランダムでありうる。単一細胞の基材のウェルへの分布は、非ランダムでありうる。細胞は、基材のセルがただ1つの細胞を受け入れるように分離されうる。
【0446】
いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬はさらに、個別の区画への細胞のフローソーティングを可能にする蛍光分子とコンジュゲートされうる。
【0447】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、複数のタンパク質標的との特異的な結合のために複数の組成物をサンプルと接触させる工程を提供する。使用される条件は、タンパク質結合試薬、たとえば、抗体のタンパク質標的に対する特異的な結合を可能にしうることが分かるであろう。接触させる工程の後に、未結合の組成物は除去されうる。たとえば、サンプルが細胞を含み、かつ組成物が、細胞表面タンパク質であるタンパク質標的に特異的に結合する実施形態では、タンパク質標的に特異的に結合する組成物のみが細胞とともに残るように、未結合の組成物は、緩衝液により細胞を洗浄することにより除去されうる。
【0448】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、サンプル、たとえば、細胞から複数の核酸標的分子を放出する工程を提供しうる。たとえば、細胞を溶解して、複数の核酸標的分子を放出することができる。細胞溶解は、さまざまな手段のいずれかにより、たとえば、化学処理、浸透圧ショック、熱処理、機械的処理、光学的処理、またはそれらの任意の組合せにより達成されうる。細胞は、界面活性剤(たとえば、SDS、Liドデシルスルフェート、Triton X-100、Tween-20、もしくはNP-40)、有機溶媒(たとえば、メタノールもしくはアセトン)、または消化酵素(たとえば、プロテイナーゼK、ペプシンもしくはトリプシン)、あるいはそれらの任意の組合せを含む細胞溶解緩衝液の添加により溶解されうる。
【0449】
複数の核酸分子がさまざまな核酸分子を含みうることは、当業者であれば分かるであろう。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、DNA分子、RNA分子、ゲノムDNA分子、mRNA分子、rRNA分子、siRNA分子、またはそれらの組合せを含むことができ、かつ二本鎖または一本鎖でありうる。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、少なくとも20,000、少なくとも30,000、少なくとも40,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも1000,000、またはそれ以上の種を含む。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、単一細胞または複数の細胞などのサンプルに由来してもよい。いくつかの実施形態では、複数の核酸分子は、複数の単一細胞などの複数のサンプルからプールされてもよい。
【0450】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、バーコード配列(分子標識など)、細胞標識、サンプル標識など、またはそれらの任意の組合せを含みうるバーコード(たとえば、確率バーコード)を、複数の核酸標的分子およびタンパク質結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドに関連付けする工程を含みうる。たとえば、バーコードを含む複数のオリゴヌクレオチドプローブを使用して、複数の核酸標的分子および組成物の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズすることができる。
【0451】
いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体担体上に固定されうる。固体担体は、浮動性であってもよく、たとえば、溶液中のビーズであってもよい。固体担体は、半固体または固体アレイに埋め込むことができる。いくつかの実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドプローブは、固体担体上に固定されなくてもよい。複数のオリゴヌクレオチドプローブが複数の核酸標的分子およびタンパク質結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドに近接して位置するとき、複数の核酸標的分子およびタンパク質結合試薬の複数のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズしうる。識別可能な各々の核酸標的分子およびタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドが、本開示の種々のバーコード配列(たとえば、分子標識)を有するオリゴヌクレオチドプローブと結合しうるように、オリゴヌクレオチドプローブを非枯渇的比率で接触させることができる。
【0452】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、タンパク質標的に特異的に結合されているタンパク質結合試薬からオリゴヌクレオチドを脱離させる工程を提供する。脱離は、UV光切断、化学処理(たとえば、ジチオスレイトール)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せなどの、タンパク質結合試薬から化学基を分離するためのさまざま方法において実施することができる。タンパク質結合試薬からオリゴヌクレオチドを脱離させる工程は、複数のオリゴヌクレオチドプローブを複数の核酸標的分子および組成物の複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする工程の前、後、または間のいずれかに実施することができる。
【0453】
バーコードの関連付け
タンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドおよび/または核酸分子は、オリゴヌクレオチドプローブにランダムに関連付けしてもよい。関連付けは、たとえば、標的核酸分子および/またはタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドの相補的部分へのオリゴヌクレオチドプローブの標的結合領域のハイブリダイゼーションを含む(たとえば、バーコードのオリゴ(dT)は、標的核酸分子のポリ(A)テールおよび/またはタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドのポリ(A)テールと相互作用可能である)。ハイブリダイゼーションに使用されるアッセイ条件(たとえば、緩衝液pH、イオン強度、温度など)は、特定の安定なハイブリッドの形成を促進するように選択可能である。
【0454】
本開示は、逆転写を用いてバーコード配列(たとえば、分子標識)を標的核酸および/またはタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドと関連付けする方法を提供する。逆転写酵素はRNAおよびDNAの両方を鋳型として使用することができるため、タンパク質結合試薬に元来コンジュゲートされたオリゴヌクレオチドは、RNAもしくはDNA塩基のいずれかまたはその両方から構成されてもよい。タンパク質結合試薬特異的オリゴヌクレオチドは、コピーされうるし、細胞のmRNA分子に加えて細胞標識およびバーコード配列(たとえば、分子標識)に共有結合されうる。
【0455】
いくつかの実施形態では、バーコード配列(たとえば、分子標識)は、オリゴヌクレオチドプローブ標的結合領域と標的核酸分子の部分および/またはタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドのライゲーションにより追加されうる。たとえば、標的結合領域は、制限部位オーバーハング(たとえば、EcoRI付着末端オーバーハング)への特異的ハイブリダイゼーションが可能でありうる核酸配列を含みうる。本方法は、制限部位オーバーハングを生成するために制限酵素(たとえば、EcoRI)で標的核酸および/またはタンパク質結合試薬のオリゴヌクレオチドを処置する工程をさらに含みうる。リガーゼ(たとえば、T4DNAリガーゼ)は2つの断片を連結するために使用されうる。
【0456】
タンパク質および核酸標的の同時定量分析
図5は、単一細胞におけるタンパク質と核酸標的の両方の同時定量分析の例示的方法の概略図を示す。いくつかの実施形態では、各々が抗体などのタンパク質結合試薬を含む複数の組成物505、505b、505cなどが提供される。異なるタンパク質標的に結合する、抗体などの各種タンパク質結合試薬が、異なるユニーク識別子とコンジュゲートされる。次に、タンパク質結合試薬は、複数の細胞510を含有するサンプルとインキュベートされうる。各種タンパク質結合試薬は、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合わせなどの細胞表面のタンパク質に特異的に結合することができる。未結合のタンパク質結合試薬は、たとえば、緩衝液で細胞を洗浄することにより、除去されうる。続いて、タンパク質結合試薬を伴う細胞は、単一の区画515が単一細胞および単一ビーズ520に適合するように所定の寸法に調整されているマイクロウェルアレイなどの複数の区画に分離されうる。各ビーズは、ビーズ上のすべてのオリゴヌクレオチドプローブと共通の細胞標識、およびバーコード配列(たとえば、分子標識配列)を含みうる複数のオリゴヌクレオチドプローブを含みうる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドプローブは、標的結合領域、たとえば、ポリ(dT)配列を含みうる。抗体にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチド525は、化学的、光学的または他の手段を用いて抗体から脱離されうる。細胞は溶解されて(535)、ゲノムDNAまたは細胞のmRNA 530などの細胞内の核酸を放出しうる。細胞のmRNA 530、オリゴヌクレオチド525、またはその両方は、ビーズ520上のオリゴヌクレオチドプローブにより、たとえば、ポリ(dT)配列にハイブリダイズすることにより、捕捉されうる。逆転写酵素を使用して、細胞のmRNA 530およびオリゴヌクレオチド525にハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを細胞のmRNA 530およびオリゴヌクレオチド525を鋳型として用いて伸長することができる。逆転写酵素により生成された伸長産物は、増幅およびシーケンシングに付されうる。シーケンシングリードは、サンプル中の各単一細胞のタンパク質および遺伝子発現のデジタルな表現をもたらすことができる、細胞標識、バーコード配列(たとえば、分子標識)、遺伝子同一性、抗体特異的オリゴ同一性などのデマルチプレクシングに付されうる。
【0457】
ユニークバーコード配列(たとえば、細胞標識配列)の数の決定
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、各ユニーク識別子および/または各核酸標的分子のためのユニークバーコード配列(たとえば、分子標識配列)の数を決定する工程を含む。たとえば、シーケンシングリードを使用して、各ユニーク識別子および/または各核酸標的分子のためのユニークバーコード配列の数を決定することができる。
【0458】
いくつかの実施形態では、各ユニーク識別子および/または各核酸標的分子のためのユニークバーコード配列の数は、サンプル中の各タンパク質標的および/または各核酸標的分子の量を示す。いくつかの実施形態では、タンパク質標的の量およびその対応する核酸標的分子、たとえば、mRNA分子の量は、互いに比較されうる。いくつかの実施形態では、タンパク質標的の量およびその対応する核酸標的分子、たとえば、mRNA分子の量の比率を計算することができる。タンパク質標的は、たとえば、細胞表面タンパク質マーカーでありうる。いくつかの実施形態では、細胞表面タンパク質マーカーのタンパク質レベルと細胞表面タンパク質マーカーのmRNAのレベルとの比率は低い。
【0459】
本明細書に開示される方法は、さまざまな用途のために使用されうる。たとえば、本明細書に開示される方法は、サンプルのプロテオームおよび/またはトランスクリプトーム分析のために使用されうる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、サンプル中のタンパク質標的および/または核酸標的、すなわち、バイオマーカーを同定するために使用されうる。いくつかの実施形態では、タンパク質標的および核酸標的は互いに対応する、すなわち、核酸標的はタンパク質標的をコードする。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、サンプル中のタンパク質標的の量とその対応する核酸標的分子、たとえば、mRNA分子の量との間で所望の比率を有するタンパク質標的を同定するために使用されうる。いくつかの実施形態では、その比率は、少なくとも0.001、少なくとも0.01、少なくとも0.1、少なくとも1、少なくとも10、少なくとも100、少なくとも1000、もしくはそれ以上、または上の値のいずれか2つの間の範囲である。いくつかの実施形態では、その比率は、多くとも0.001、多くとも0.01、多くとも0.1、多くとも1、多くとも10、多くとも100、多くとも1000、もしくはそれ以下、または上の値のいずれか2つの間の範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、サンプル中の対応する核酸標的分子の量が1000未満、100未満、10未満、5未満、2未満、1未満、または0である、サンプル中のタンパク質標的を同定するために使用されうる。
【0460】
キット
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、各々がオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた複数のタンパク質結合試薬を含む、サンプル中の複数のタンパク質および複数の核酸標的分子の同時定量分析のためのキットを提供し、オリゴヌクレオチドは、タンパク質結合試薬に対するユニーク識別子および複数のオリゴヌクレオチドプローブを含み、複数のオリゴヌクレオチドプローブの各々は、タンパク質結合領域、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)を含み、バーコード配列は、ユニークバーコード配列(たとえば、分子標識配列)の多様なセットから選択される。本明細書には、各々がオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた複数のタンパク質結合試薬を各々が含む複数の組成物を含む、サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時定量分析のためのキットが開示され、オリゴヌクレオチドは、それとコンジュゲートされている複数のタンパク質結合試薬のうちの1つに対するユニーク識別子を含み、タンパク質結合試薬は、タンパク質標的(たとえば、タンパク質標的の各種部分、タンパク質標的の各種断片、またはタンパク質標的の各種アイソフォーム)および複数のオリゴヌクレオチドプローブと特異的に結合可能である。本明細書には、各々がオリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた複数のタンパク質結合試薬を各々が含む複数の組成物を含む、サンプル中の複数のタンパク質標的および複数の核酸標的分子の同時定量分析のためのキットが開示され、オリゴヌクレオチドは、それとコンジュゲートされているタンパク質結合試薬に対するユニーク識別子を含み、タンパク質結合試薬は、タンパク質標的および複数のオリゴヌクレオチドプローブと特異的に結合可能である。
【0461】
タンパク質標的に特異的に結合可能な複数のタンパク質結合試薬のうちのタンパク質結合試薬の数は、さまざまな履行で異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、タンパク質標的に特異的に結合可能なタンパク質結合試薬の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、タンパク質標的に特異的に結合可能なタンパク質結合試薬の数は、少なくとも、または多くとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100でありうる。
【0462】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各々は、バーコード配列(たとえば、分子標識)、細胞標識、サンプル標識、またはそれらの任意の組合せを含みうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各々は、リンカーを含みうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの各々は、ポリ(A)テールなどのオリゴヌクレオチドプローブに対する結合部位を含みうる。たとえば、ポリ(A)テールは、たとえば、オリゴA18(固体担体に固定されていない)またはオリゴA18V(固体担体に固定される)でありうる。オリゴヌクレオチドは、DNA残基、RNA残基、またはその両方を含みうる。
【0463】
ユニーク識別子は、たとえば、約25ヌクレオチド~約45ヌクレオチド長の任意の好適な長さを有しうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、4ヌクレオチド、5ヌクレオチド、6ヌクレオチド、7ヌクレオチド、8ヌクレオチド、9ヌクレオチド、10ヌクレオチド、15ヌクレオチド、20ヌクレオチド、25ヌクレオチド、30ヌクレオチド、35ヌクレオチド、40ヌクレオチド、45ヌクレオチド、50ヌクレオチド、55ヌクレオチド、60ヌクレオチド、70ヌクレオチド、80ヌクレオチド、90ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチドであるか、概ねそうした値のヌクレオチドであるか、そうした値よりも小さいか、大きいか、または上の値のいずれか2つの間の範囲の長さを有しうる。
【0464】
いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニーク識別子の多様なセットから選択される。ユニーク識別子の多様なセットは、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1,000、少なくとも2,000、少なくとも5,000、またはそれ以上の異なるユニーク識別子を含みうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子のセットは、分析されるサンプルのDNAまたはRNA配列と最小限の配列相同性を有するように設計される。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子のセットの配列は、少なくとも1ヌクレオチド、少なくとも2ヌクレオチド、少なくとも3ヌクレオチド、少なくとも4ヌクレオチド、少なくとも5ヌクレオチド、少なくとも6ヌクレオチド、少なくとも7ヌクレオチド、少なくとも8ヌクレオチド、少なくとも9ヌクレオチド、少なくとも10ヌクレオチド、もしくはそれ以上互いに異なるか、またはその相補体である。
【0465】
いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニバーサルプライマーなどのプライマーに対する結合部位を含みうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニバーサルプライマーなどのプライマーに対する少なくとも2つの結合部位を含みうる。いくつかの実施形態では、ユニーク識別子は、ユニバーサルプライマーなどのプライマーに対する少なくとも3つの結合部位を含みうる。プライマーは、たとえば、PCR増幅による、ユニーク識別子の増幅のために使用することができる。いくつかの実施形態では、プライマーは、ネステッドPCR反応のために使用することができる。
【0466】
本開示においては、抗体もしくはその断片、アプタマー、小分子、リガンド、ペプチド、オリゴヌクレオチドなど、またはそれらの任意の組合せなど、任意の好適なタンパク質結合試薬が考慮される。いくつかの実施形態では、タンパク質結合試薬は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、組換え抗体、一本鎖抗体(scAb)、またはそれらの断片、たとえば、Fab、Fvなどのでありうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質結合試薬は、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも600、少なくとも700、少なくとも800、少なくとも900、少なくとも1,000、少なくとも2,000、少なくとも5,000、またはそれ以上の異なるタンパク質結合試薬を含みうる。
【0467】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介してタンパク質結合試薬とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、共有結合によりタンパク質結合試薬とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、非共有結合によりタンパク質結合試薬とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、リンカーは、オリゴヌクレオチドをタンパク質結合試薬に可逆的に結合する化学基を含みうる。化学基は、リンカーに、たとえば、アミノ基を介してコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、リンカーは、タンパク質結合試薬にコンジュゲートされた別の化学基と安定な結合を形成する化学基を含みうる。たとえば、化学基は、UV光切断性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミンなどでありうる。いくつかの実施形態では、化学基は、リジンなどのアミノ酸の一級アミン、またはN末端を介してタンパク質結合試薬にコンジュゲートされうる。タンパク質結合試薬とそのタンパク質標的との間の特異的な結合と干渉しない限り、オリゴヌクレオチドは、タンパク質結合試薬の任意の好適な部位にコンジュゲートされうる。タンパク質結合試薬が抗体である実施形態では、オリゴヌクレオチドは、抗原結合部位、たとえば、Fc領域、CH1ドメイン、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CLドメインなど以外の抗体のどの部位にでもコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬は、単一のオリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートされうる。いくつかの実施形態では、各タンパク質結合試薬は、2個以上のオリゴヌクレオチド分子、たとえば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1,000個、またはそれ以上のオリゴヌクレオチド分子とコンジュゲートされうるが、ここで、オリゴヌクレオチド分子の各々は、同じユニーク識別子を含む。
【0468】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質結合試薬は、単一細胞、複数の細胞、組織サンプル、腫瘍サンプル、血液サンプルなどのサンプル中において複数のタンパク質標的に特異的に結合可能である。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、抗体、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、またはそれらの任意の組合わせを含む。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞内タンパク質を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞内タンパク質を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質は、生物におけるすべてのコードされたタンパク質のうち、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも1,000、少なくとも10,000、またはそれ以上の異なるタンパク質標的を含みうる。
【0469】
単一細胞シーケンシングコントロール粒子
本明細書には、たとえば、単一細胞シーケンシングコントロールのために使用されうるコントロール粒子組成物が開示される。コントロール粒子組成物は、たとえば、オリゴヌクレオチドと結合した細胞成分結合試薬を用いて細胞成分の発現レベル(たとえば、タンパク質発現レベル)を測定するための方法、キットおよびシステムなどの、本明細書に開示される任意の好適な方法、キットおよびシステムにおいて使用されうる。いくつかの実施形態では、コントロール粒子組成物は、コントロール粒子と結合した複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含む。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと結合したコントロール粒子は、本明細書では官能化コントロール粒子とも呼ばれる。
図6Aは、複数のオリゴヌクレオチドで官能化された粒子の非限定的な例示的概略図である。
図6Aは、コントロール粒子と結合したコントロール粒子オリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列およびmRNAポリ(A)テールを模倣するポリ(dA)領域を含みうることを示す。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ユニバーサルプライマーに対する結合部位、またはそれらの組合せを含みうる。コントロール粒子と結合したコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、同じでも、互いに異なってもよい。いくつかの実施形態では、コントロール粒子と結合したコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つは、異なるコントロールバーコード配列を有する。いくつかの実施形態では、複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子と結合し、第1および第2の粒子オリゴヌクレオチドは、異なるコントロールバーコード配列を有する。
【0470】
CompBead(商標)Plus(BD(Franklin Lake、New Jersey))などのビーズは、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた抗体により官能化されうる。CompBead Plusは、約7.5ミクロンサイズであり、免疫細胞のサイズに類似している。オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた抗体により官能化されるとき、CompBead Plusは、単一細胞ワークフローのためのコントロール細胞またはコントロール粒子として使用されうる。AbOにより官能化されたビーズは、単一細胞シーケンシングコントロールとして任意の単一細胞ワークフローとともに使用することができる。
【0471】
コントロール粒子オリゴヌクレオチド
コントロールバーコード配列の長さは、さまざまな履行において異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ヌクレオチド長、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいは概ねそうしたヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、少なくとも、または多くとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、もしくは1000ヌクレオチド長である。
【0472】
コントロール粒子オリゴヌクレオチドの長さは、さまざまな履行において異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ヌクレオチド長、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、あるいは概ねそうしたヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、少なくとも、または多くとも25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、128、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、もしくは1000ヌクレオチド長である。
【0473】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、1000000、10000000、100000000、1000000000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、1000000、10000000、100000000、もしくは1000000000でありうる。
【0474】
複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、同じまたは異なるコントロールバーコード配列を含みうる。たとえば、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも2つは、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、1000000、10000000、100000000、もしくは1000000000のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、20000、30000、40000、50000、60000、70000、80000、90000、100000、1000000、10000000、100000000、1000000000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。
【0475】
複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも、または多くとも0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの0.000000001%、0.00000001%、0.0000001%、0.000001%、0.00001%、0.0001%、0.001%、0.01%、0.1%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値のコントロールバーコード配列は、同一でありうる。
【0476】
いくつかの実施形態では、コントロールバーコード配列は、種のゲノム配列と相同ではない。コントロールバーコード配列は、種のゲノム配列と相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0477】
コントロール粒子
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを介してコントロール粒子と結合する。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つは、リンカーを含みうる。リンカーは化学基を含みうる。化学基は、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つに、可逆的または不可逆的に結合しうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド連結、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0478】
コントロール粒子の直径は、10~100マイクロメートルもしくは7.5マイクロメートルなど、1~1000またはその近似値でありうる。いくつかの実施形態では、コントロール粒子の直径は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000マイクロメートル、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、コントロール粒子の直径は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、もしくは1000マイクロメートルでありうる。
【0479】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に固定される。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子上に部分的に固定されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子中に封入されうる。複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、コントロール粒子中に部分的に封入されうる。コントロール粒子は、崩壊可能でありうる。
【0480】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子はビーズであってよい。ビーズは、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。コントロール粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、またはそれらの任意の組合せの材料を含みうる。コントロール粒子は、崩壊可能なヒドロゲル粒子を含みうる。
【0481】
タンパク質結合試薬
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、複数の第1のタンパク質結合試薬と結合し、複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つと結合する。
図6Bは、オリゴヌクレオチドで官能化されたいくつかの抗体により覆われた非限定的な例示的粒子を示す。第1のタンパク質結合試薬は、第1の抗体(たとえば、一次抗体または二次抗体)を含みうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して第1のタンパク質結合試薬にコンジュゲートされうる。第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは化学基を含みうる。化学基は、第1のタンパク質結合試薬に可逆的または不可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド連結、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0482】
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、複数の第2のタンパク質結合試薬と結合する。複数の第2のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの1つと結合しうる。
図6Cは、オリゴヌクレオチドで官能化された複数の第1の抗体およびオリゴヌクレオチドで官能化されていない複数の第2の抗体により覆われた非限定的な例示的粒子を示す。コントロール粒子上の抗体を、高温抗体(たとえば、コントロール粒子オリゴヌクレオチドと結合した)および低温抗体(たとえば、コントロール粒子オリゴヌクレオチドと結合していない)の比により用量設定して、コントロール粒子から得られるシーケンシングリードの量を変えることができる。第1の抗体および第2の抗体は、同じでも、異なってもよい。
【0483】
図6Dは、高い、中程度、および低い相対存在量で複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチド、複数の第2の抗体にコンジュゲートされた複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチド、および複数の第3のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにより官能化された粒子の非限定的な例示的概略図である。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、複数の第1のタンパク質結合試薬にコンジュゲートされうる。複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、複数の第2のタンパク質結合試薬にコンジュゲートされうる。複数の第3のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、複数の第3のタンパク質結合試薬にコンジュゲートされうる。
【0484】
第1、第2、および第3のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの相対存在量は、さまざまな発現レベルを有するmRNAを模倣しうる。第1のタンパク質結合試薬と結合したコントロール粒子オリゴヌクレオチドおよび第2のタンパク質結合試薬と結合したコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、異なるコントロールバーコード配列を含みうる。抗体などの各種タンパク質結合試薬、およびコントロール粒子上の各種コントロール粒子オリゴヌクレオチドを用量設定して、標準曲線を生成することができる。第1のタンパク質結合試薬、第2のタンパク質結合試薬、または第3のタンパク質結合試薬は、同一または異なるタンパク質結合試薬でありうる。
【0485】
いくつかの実施形態では、複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と複数の第2(または第3)のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数の比は、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と複数の第2(または第3)のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数の比は、少なくとも、または多くとも1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、もしくは1:100でありうる。
【0486】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬(たとえば、二次抗体)と結合しうるし、第1のタンパク質結合試薬は、パートナー結合試薬を使用してコントロール粒子と結合する。パートナー結合試薬は、パートナー抗体を含みうる。パートナー抗体は、抗ネコ抗体、抗ニワトリ抗体、抗雌ウシ抗体、抗イヌ抗体、抗ロバ抗体、抗ヤギ抗体、抗モルモット抗体、抗ハムスター抗体、抗ウマ抗体、抗ヒト抗体、抗ラマ抗体、抗サル抗体、抗マウス抗体、抗ブタ抗体、抗ウサギ抗体、抗ラット抗体、抗ヒツジ抗体、またはそれらの組合せを含みうる。パートナー抗体は、免疫グロブリンG(IgG)、F(ab’)断片、F(ab’)2断片、それらの組合せ、またはそれらの断片を含みうる。
【0487】
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、同一のコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上と結合する。第1のタンパク質結合試薬は、異なるコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの2つ以上と結合しうる。いくつかの実施形態では、複数の第1のタンパク質結合試薬の少なくとも1つは、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのいずれとも結合しない。コントロール粒子オリゴヌクレオチドと結合した第1のタンパク質結合試薬およびいずれのコントロール粒子オリゴヌクレオチドとも結合していない第1のタンパク質結合試薬は、同一のタンパク質結合試薬でありうる。
【0488】
コントロールバーコードの多様性
1つのコントロール粒子と結合した複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、異なるコントロールバーコード配列を有するいくつかのコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含みうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチドが有するコントロールバーコード配列の数は、さまざまな履行で異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドが有するコントロールバーコード配列の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、コントロール粒子オリゴヌクレオチドが有するコントロールバーコード配列の数は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、もしくは1000000でありうる。
【0489】
いくつかの実施形態では、同じコントロール粒子オリゴヌクレオチド配列を有するコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、同じコントロール粒子オリゴヌクレオチド配列を有するコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、少なくとも、または多くとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、もしくは1000000でありうる。
【0490】
いくつかの実施形態では、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドは、各々が第1のコントロールバーコード配列を含む複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチド、および各々が第2のコントロールバーコード配列を含む複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含み、第1のコントロールバーコード配列および第2のコントロールバーコード配列は、異なる配列を有する。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、ほぼ同じでありうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、異なりうる。複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数は、複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数の少なくとも2倍、10倍、100倍、またはそれ以上でありうる。いくつかの実施形態では、複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数の比は、1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、1:10000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、複数の第1のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と複数の第2のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数の比は、少なくとも、または多くとも1:1、1:1.1、1:1.2、1:1.3、1:1.4、1:1.5、1:1.6、1:1.7、1:1.8、1:1.9、1:2、1:2.5、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、1:50、1:51、1:52、1:53、1:54、1:55、1:56、1:57、1:58、1:59、1:60、1:61、1:62、1:63、1:64、1:65、1:66、1:67、1:68、1:69、1:70、1:71、1:72、1:73、1:74、1:75、1:76、1:77、1:78、1:79、1:80、1:81、1:82、1:83、1:84、1:85、1:86、1:87、1:88、1:89、1:90、1:91、1:92、1:93、1:94、1:95、1:96、1:97、1:98、1:99、1:100、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:900、1:1000、1:2000、1:3000、1:4000、1:5000、1:6000、1:7000、1:8000、1:9000、もしくは1:10000でありうる。
【0491】
検出可能な部分
いくつかの実施形態では、コントロール粒子は、検出可能な部分、たとえば、フルオロフォアまたは発色団などの光学部分と結合する。コントロール粒子オリゴヌクレオチドは、検出可能な部分、たとえば、光学部分と結合しうる。いくつかの実施形態では、第1のタンパク質結合試薬は、光学部分と結合しうる(
図6E)。第2のタンパク質結合試薬は、光学部分と結合しうる。光学部分(たとえば、蛍光性タグを付けられたビーズ)と結合したコントロール粒子はまた、イメージングおよびフローサイトメトリーのために使用することができる。
【0492】
検出可能な部分は、スペクトルの異なる検出可能な部分の群から選択されうる。スペクトルの異なる検出可能な部分は、たとえそれらの発光スペクトルが重なり合うことがあるとしても、識別可能な発光スペクトルを有する検出可能な部分を含む。検出可能な部分の非限定的な例としては、キサンテン誘導体:フルオレセイン、ローダミン、オレゴングリーン、エオシンおよびテキサスレッド;シアニン誘導体:シアニン、インドカルボシアニン、オキサカルボシアニン、チアカルボシアニン、およびメロシアニン;スクアライン誘導体および環置換スクアライン、たとえば、Seta、SeTau、およびSquare色素;ナフタレン誘導体(ダンシルおよびプロダン誘導体);クマリン誘導体;オキサジアゾール誘導体:ピリジルオキサゾール、ニトロベンゾオキサジアゾール、およびベンゾオキサジアゾール;アントラセン誘導体:アントラキノン、たとえば、DRAQ5、DRAQ7およびCyTRAKオレンジ;ピレン誘導体:カスケードブルー;オキサジン誘導体:ナイルレッド、ナイルブルー、クレシルバイオレット、オキサジン170;アクリジン誘導体:プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー;アリールメチン誘導体:オーラミン、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン;ならびにテトラピロール誘導体:ポルフィン、フタロシアニン、ビリルビンが挙げられる。検出可能な部分の他の非限定的な例としては、ヒドロキシクマリン、アミノクマリン、メトキシクマリン、カスケードブルー、パシフィックブルー、パシフィックオレンジ、ルシファーイエロー、NBD、R-フィリコエリトリン(PE)、PE-Cy5コンジュゲート、PE-Cy7コンジュゲート、レッド613、PerCP、TruRed、FluorX、フルオレセイン、BODIPY-FL、Cy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7、TRITC、X-ローダミン、リサミンローダミンB、テキサスレッド、アロフィコシアニン(APC)、APC-Cy7コンジュゲート、ヘキスト33342、DAPI、ヘキスト33258、SYTOXブルー、クロモマイシンA3、ミトラマイシン、YOYO-1、エチジウムブロマイド、アクリジンオレンジ、SYTOXグリーン、TOTO-1、TO-PRO-1、TO-PRO:シアニンモノマー、チアゾールオレンジ、CyTRAKオレンジ、プロピジウムイオダイド(PI)、LDS751、7-AAD、SYTOXオレンジ、TOTO-3、TO-PRO-3、DRAQ5、DRAQ7、Indo-1、Fluo-3、Fluo-4、DCFH、DHR、およびSNARFが挙げられる。
【0493】
検出可能な部分の励起波長は変動してもよく、たとえば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ナノメートル、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。検出可能な部分の発光波長もまた変動してもよく、たとえば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ナノメートル、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。
【0494】
検出可能な部分の分子量は変動してもよく、たとえば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000ダルトン(Da)、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。検出可能な部分の分子量もまた変動してもよく、たとえば、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000キロダルトン(kDa)、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。
【0495】
スペクトルの異なる検出可能な部分の基は、たとえば、5つの異なるフルオロフォア、5つの異なる発色団、5つのフルオロフォアと発色団の組合せ、4つの異なるフルオロフォアと1つの非フルオロフォアの組合せ、4つの発色団と1つの非発色団の組合せ、または4つのフルオロフォアと発色団および1つの非フルオロフォア非発色団の組合せでありうる。いくつかの実施形態では、検出可能な部分は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲のスペクトルの異なる部分のうちの1つでありうる。
【0496】
コントロール粒子のワークフロー
AbOにより官能化されたビーズは、単一細胞シーケンシングコントロールとして任意の単一細胞ワークフローとともに使用することができる。単一細胞ワークフローは、マイクロウェルアレイまたはマイクロウェルカートリッジ(たとえば、BD Resolve(商標))またはマイクロフルイディクスデバイス(たとえば、10X Genomics(San Francisco、CA)、Drop-seq(McCarroll Lab、Harvard Medical School(Cambridge、Massachusett);Macosko et al.,Cell,2015 May 21 16;5:1202、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、またはAbseq(Mission Bio(San Francisco、CA);Shahi et al.,Sci Rep.2017 Mar 14;7:44447、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を利用することができ、これらは確率バーコードと結合した固体もしくは半固体粒子(たとえば、BD ResolveもしくはDrop-seq)、または放出可能な確率バーコードを封入する崩壊可能なヒドロゲル粒子(たとえば、10X GenomicsもしくはAbseq)と組み合わされる。官能化ビーズは、バルクRNAseqまたはマイクロアレイ研究のために使用されている外部RNA標準コンソーシアム(external RNA control consortium)(ERCC)と類似した、単一細胞ワークフローの効率を決定するためのコントロールとなりうる。
【0497】
本明細書には、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを使用して標的の数を決定するための方法が開示される。標的(たとえば、遺伝子発現)の数を決定するための方法は、本明細書に開示される他の方法とともに使用することができる。たとえば、ワークフローを、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを使用してタンパク質発現および遺伝子発現を決定するために使用することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード(たとえば、確率バーコード)を使用して複数の細胞のうちの1つの細胞の複数の標的および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて(たとえば、確率バーコードを付けて)、複数のバーコード標的(たとえば、確率バーコード付き標的)および複数のバーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチド(たとえば、確率バーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチド)を生成する工程を含み、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば、分子標識)、および標的結合領域を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が異なる配列を含み、かつ複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードが同一の細胞標識配列を含み、コントロール粒子組成物が複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドと結合したコントロール粒子を含み、複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの各々が、コントロールバーコード配列および複数のバーコードのうちの少なくとも1つの標的結合領域と実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む。本方法は、複数の確率バーコード付き標的および複数の確率バーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;シーケンシングデータにおいてコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程とを含むことができる。本方法は、複数の標的のうちの少なくとも1つの標的に関して:シーケンシングデータにおいて標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と;標的の数を推定する工程とを含むことができ、推定された標的の数が、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数およびコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数と相関する。いくつかの実施形態では、擬似標的領域は、ポリ(dA)領域を含む。擬似標的領域は、標的の部分配列を含みうる。
【0498】
いくつかの実施形態では、推定された標的の数は、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、およびコントロールバーコード配列を含む複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数と相関しうる。推定された標的の数は、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、およびコントロールバーコード配列を含む複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数とコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数の比と相関しうる。
【0499】
たとえば、コントロール粒子が、特定のコントロールバーコード配列を有する100個のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを有し、コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数(たとえば、ライブラリー作製プロセス後も残存するコントロールバーコード配列を有するコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数)が80個である場合、ライブラリー作製(たとえば、逆転写、増幅など)の効率は80%である。したがって、異なるライブラリー作製からのデータは、ライブラリー作製効率を用いて正規化することにより比較することができる。
【0500】
別の例として、コントロール粒子は、低発現遺伝子を模倣する特定のコントロールバーコードシーケンシングを有する5つのコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含みうる。コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数が5つであり、低発現遺伝子が検出されない場合、低発現遺伝子は発現されていない(または細胞は遺伝子の5つ未満のmRNAを有する)という結論を下すことができる。しかし、コントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数が0であり、低発現遺伝子が検出されない場合、低発現遺伝子は発現されていないという結論を下すことはできない。
【0501】
捕捉効率は、異なる存在量を有するコントロール粒子オリゴヌクレオチドについて決定されうる。正規化は、2つ以上のコントロールバーコード配列を有するコントロール粒子オリゴヌクレオチドの捕捉効率に基づいて実施されうる。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータにおいてコントロールバーコード配列を有する複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程は、シーケンシングデータにおいて第1のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程と;シーケンシングデータにおいて第2のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数をカウントする工程とを含む。推定された標的の数は、カウントされた標的に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、第1のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数、および第2のコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数と相関しうる。
【0502】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の標的およびコントロール粒子ならびに複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドに確率バーコードを付ける工程の前に、コントロール粒子から複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも1つを放出する工程を含む。
【0503】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用して複数の標的および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける(たとえば、確率バーコードを付ける)工程は、複数のバーコードを複数の標的のうちの標的および複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドのうちのコントロール粒子オリゴヌクレオチドと接触させて、標的およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコード(たとえば、確率バーコード)を生成する工程と;標的およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコード(たとえば、確率バーコード)を伸長して、複数の確率バーコード付き標的および複数の確率バーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを生成する工程とを含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを使用してバーコードを伸長する工程を含みうる。
【0504】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の確率バーコード付き標的および複数の確率バーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを増幅して、複数のアンプリコンを生成する工程を含む。複数の確率バーコード付き標的および複数の確率バーコード付きコントロール粒子オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部、またはバーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部、またはバーコード配列の少なくとも一部およびコントロール粒子オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。
【0505】
マイクロウェルカートリッジまたはアレイのワークフロー
図7は、単一細胞シーケンシングコントロールのためのオリゴヌクレオチドで官能化された粒子を用いた例示的なワークフローの概略図である。いくつかの実施形態では、コントロール粒子組成物は、コントロール粒子704と結合した複数のコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含む。たとえば、コントロール粒子740は、コントロール粒子740に結合される抗体705にコンジュゲートされたコントロール粒子オリゴヌクレオチド725と結合しうる。コントロール粒子オリゴヌクレオチド725で官能化された複数のコントロール粒子740は、複数の細胞に、たとえば、5%で添加されうる。コントロール粒子740は、次のワークフローにおいて「細胞」として処理されうる。コントロール粒子740はまた、コントロール細胞またはコントロール細胞粒子と呼ばれる場合もある。続いて、細胞710およびコントロール粒子740は、単一の区画715a、715bが単一細胞またはコントロール粒子および単一ビーズ720a、720bに適合するように所定の寸法に調整されているマイクロウェルアレイのウェルなどの複数の区画に分離されうる。ビーズ720a、720bは、区画715a、715bにロードされうる。
【0506】
各ビーズは、ビーズ上のすべてのオリゴヌクレオチドプローブと共通の細胞標識、およびバーコード配列(たとえば、分子標識配列)を含みうる複数のオリゴヌクレオチドプローブを含みうる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドプローブは、標的結合領域、たとえば、ポリ(dT)配列を含みうる。抗体705にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチド725は、化学的、光学的または他の手段を用いて抗体705から脱離されうる。細胞710は溶解されて(735)、ゲノムDNAまたは細胞のmRNA 530などの細胞内の核酸を放出しうる。細胞のmRNA 730およびコントロール粒子オリゴヌクレオチド725は、それぞれビーズ720a、720b上のオリゴヌクレオチドプローブにより、たとえば、ポリ(dT)配列にハイブリダイズすることにより、捕捉されうる。ビーズを回収することができ、捕捉された細胞のmRNA 730およびコントロール粒子オリゴヌクレオチド725(たとえば、全体で5000個前後の細胞に相当する)がプールされうる。
【0507】
逆転写酵素を使用して、細胞のmRNA 730およびオリゴヌクレオチド725にハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを細胞のmRNA 730およびオリゴヌクレオチド725を鋳型として用いて伸長することができる。逆転写酵素により生成された伸長産物は、増幅およびシーケンシングに付されうる。シーケンシングリードは、単一細胞の遺伝子発現プロフィールおよびワークフローの全体または一部の量的な効率(たとえば、細胞捕捉効率)を決定するために使用されうる細胞標識、バーコード配列(たとえば、分子標識)、遺伝子同一性、コントロール粒子オリゴヌクレオチド配列などのデマルチプレクシングに付されうる。たとえば、捕捉されたコントロール粒子の数は、データにおいてコントロールバーコード配列に関連付けられた細胞標識の数に基づいて決定されうる。ワークフローの効率は、捕捉されたコントロール粒子の数と添加されたコントロール粒子の数の比率でありうる。
【0508】
マイクロフルイディクスのワークフロー
図8は、単一細胞シーケンシングコントロールのためのオリゴヌクレオチドで官能化された粒子を用いた別の例示的なワークフローの概略図である。コントロール粒子オリゴヌクレオチド725で官能化された複数のコントロール粒子740は、複数の細胞に、たとえば、5%で添加されうる。コントロール粒子740は、次のワークフローにおいて「細胞」として処理されうる。コントロール粒子740はまた、コントロール細胞またはコントロール細胞粒子と呼ばれる場合もある。続いて、細胞710およびコントロール粒子740は、マイクロフルイディクスデバイスを用いてドロップレット745a、745などの複数の区画に分離されうる。各ドロップレット745a、745bは、1つの細胞710または1つのコントロール粒子740、およびヒドロゲルビーズ720a、720bを含みうる。
【0509】
各ビーズ720a、720bは、ビーズ上のすべてのオリゴヌクレオチドプローブと共通の細胞標識、およびバーコード配列(たとえば、分子標識配列)を含みうる複数のオリゴヌクレオチドプローブを含みうる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドプローブは、標的結合領域、たとえば、ポリ(dT)配列を含みうる。ビーズ720a、720bは、次のワークフロー(たとえば、逆転写)のための試薬を含みうる。抗体705にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチド725は、化学的、光学的または他の手段を用いて抗体705から脱離されうる。細胞710は溶解されて(735)、ゲノムDNAまたは細胞のmRNA 730などの細胞内の核酸を放出しうる。細胞のmRNA 530およびコントロール粒子オリゴヌクレオチド725は、それぞれビーズ720a、720bから放出されたオリゴヌクレオチドプローブにより、たとえば、ポリ(dT)配列にハイブリダイズすることにより、捕捉されうる。逆転写酵素を使用して、細胞のmRNA 730およびオリゴヌクレオチド725にハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを細胞のmRNA 730およびオリゴヌクレオチド725を鋳型として用いて伸長することができる。
【0510】
ドロップレット745a、745bの細分化後、逆転写酵素により生成された伸長産物をプールし、かつ増幅およびシーケンシングに付すことができる。シーケンシングリードは、単一細胞の遺伝子発現プロフィールおよびワークフローの全体または一部の量的な効率を決定するための細胞標識、分子標識、遺伝子同一性、コントロール粒子オリゴヌクレオチド配列などのデマルチプレクシングに付されうる。
【0511】
単一細胞シーケンシング効率を決定するためのコントロールオリゴヌクレオチド
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた抗体(たとえば、ユニバーサル抗体またはバイオマーカー抗体)を有する単一細胞を標識化し、それらとともに次世代シーケンシングライブラリーを作製することにより、NGSリード中のオリゴヌクレオチド由来のシグナルを使用して、単一細胞NGS効率を決定することができる。続いて、これは、QC工程または異なる単一細胞シーケンシングプラットフォームに関する有効性に関する評価ツールとして使用されうる。たとえば、コントロールオリゴヌクレオチドは、たとえば、オリゴヌクレオチドと結合した細胞成分結合試薬を用いて細胞成分の発現レベル(たとえば、タンパク質発現レベル)を測定するための方法、キットおよびシステムなどの、本明細書に開示される任意の好適な方法、キットおよびシステムにおいて使用されうる。
【0512】
オリゴヌクレオチドとコンジュゲートされた抗体(本明細書では「AbO」として参照される)は、単一細胞シーケンシングコントロールとして任意の単一細胞ワークフローとともに使用することができる。単一細胞ワークフローは、マイクロウェルアレイまたはマイクロウェルカートリッジ(たとえば、BD Resolve(商標))またはマイクロフルイディクスデバイス(たとえば、10X Genomics(San Francisco、CA)、Drop-seq(McCarroll Lab、Harvard Medical School(Cambridge、Massachusetts);Macosko et al.,Cell,2015 May 21 16;5:1202、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、またはAbseq(Mission Bio(San Francisco、CA);Shahi et al.,Sci Rep.2017 Mar 14;7:44447、その内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)を利用することができ、これらは確率バーコードなどのバーコードと結合した固体もしくは半固体粒子(たとえば、BD ResolveもしくはDrop-seq)、または放出可能な確率バーコードなどのバーコードを封入する崩壊可能なヒドロゲル粒子(たとえば、10X GenomicsもしくはAbseq)と組み合わされる。AbOは、単一細胞ワークフローの効率を決定するためのコントロールとなりうる。たとえば、10X Genomicsの単一細胞シーケンシングプラットフォームは、エマルションを用いて単一細胞の捕捉を行って、ドロップレット中に単一細胞を封入する。これらのドロップレットは容易に可視化できないため、単一細胞の捕捉効率を容易に決定することができない。このような単一細胞シーケンシングワークフローの上流でのAbOの使用により、ユーザはシーケンシング後の単一細胞捕捉効率およびドロップレット形成率を評価することが可能になる。
【0513】
図9は、単一細胞シーケンシング効率を決定するためのコントロールオリゴヌクレオチド-コンジュゲート抗体を用いた例示的ワークフローの概略図を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞(たとえば、5000個)900は、マイクロウェルカートリッジまたはアレイのマイクロウェル915にロードする前に、コントロールオリゴヌクレオチド925とコンジュゲートされた抗体905により染色されうる。続いて、細胞910は、単一の区画915が単一細胞および単一ビーズ920に適合するように所定の寸法に調整されているマイクロウェルアレイのウェルなどの複数の区画に分離されうる。
【0514】
ビーズは、たとえば、ビーズ上のすべてのオリゴヌクレオチドプローブと共通の細胞標識、およびバーコード配列(たとえば、分子標識配列)を含みうる複数のオリゴヌクレオチドプローブを含みうる。いくつかの実施形態では、各オリゴヌクレオチドプローブは、標的結合領域、たとえば、ポリ(dT)配列を含みうる。抗体905にコンジュゲートされたオリゴヌクレオチド925は、化学的、光学的または他の手段を用いて抗体905から脱離されうる。細胞910は溶解されて(935)、ゲノムDNAまたは細胞のmRNA 930などの細胞内の核酸を放出しうる。細胞のmRNA 930およびコントロール粒子オリゴヌクレオチド925は、ビーズ920上のオリゴヌクレオチドプローブにより、たとえば、ポリ(dT)配列にハイブリダイズすることにより、捕捉されうる。ビーズを回収することができ、捕捉された細胞のmRNA 930(たとえば、全体で5000個前後の細胞に相当する)がプールされうる。
【0515】
逆転写酵素を使用して、細胞のmRNA 930およびオリゴヌクレオチド925にハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドプローブを細胞のmRNA 930およびオリゴヌクレオチド925を鋳型として用いて伸長することができる。逆転写酵素により生成された伸長産物は、増幅およびシーケンシングに付されうる。シーケンシングリードは、単一細胞の遺伝子発現プロフィールおよびワークフローの全体または一部の量的な効率(たとえば、細胞捕捉効率)を決定するための細胞標識、バーコード配列(たとえば、分子標識)、遺伝子同一性、コントロールオリゴヌクレオチド配列などのデマルチプレクシングに付されうる。順調に捕捉され、ライブラリー作製を経る細胞の数(たとえば、5000個未満の細胞)が決定されうる。
【0516】
図10は、単一細胞シーケンシング効率を決定するためのコントロールオリゴヌクレオチド-コンジュゲート抗体を用いた例示的ワークフローの別の概略図を示す。
図10では、単一細胞1010a、1010bを含有するドロップレット1045a、1045bおよび単一粒子1020a、1020bがマイクロ流体デバイスを用いて形成されうる。単一細胞1010a、1010bは、コントロールオリゴヌクレオチド1025a、1025bとコンジュゲートされた抗体1005a、1005bに結合されうる。ドロップレット1045a、1045b中における細胞溶解および逆転写後、ドロップレットは細分化され、内容物はライブラリー作製のためにプールされうる。順調に捕捉され、ライブラリー作製を経る細胞の数が決定されうる。
【0517】
図11A~11Cは、コントロールオリゴヌクレオチドが細胞のカウントのために使用されうることを示すプロットである。
図11A~11Bは、AbOのコントロールオリゴヌクレオチドが細胞のカウントのためのコントロールとして使用されうることを示す。100%の捕捉およびライブラリー作製効率が達成される場合、mRNAカウントプロットおよびコントロールオリゴヌクレオチドカウントプロットの下降点は一致しうる。
図11Cは、従来のmRNAのみの細胞標識コーリングを使用することにより、転写性の高い細胞に隠れて転写性の低い細胞を見逃す可能性があることを示す。この方法は、n個の細胞のバーコードでカットオフを要求しうる。これは、多数の活性化T細胞内に休止状態のT細胞がある場合に起こりうるが、ここで、活性化T細胞は、数倍高いRNA転写を有しうる。これはまた、標的化パネル(たとえば、癌パネル)において、標的化遺伝子の発現の低い非標的化細胞(非癌細胞)が減少することになる場合に起こりうる。しかし、タンパク質発現ははるかに高いため、転写性の低い細胞は依然としてコールされる確率が高い。この方法は、m個の細胞のバーコードでカットオフを要求しうる(m>n)。
【0518】
本明細書では、シーケンシングコントロール(たとえば、単一細胞シーケンシング効率を決定する)のための方法が開示される。単一細胞シーケンシング効率を決定するための方法は、本明細書に開示される他の方法とともに使用することができる。たとえば、単一細胞シーケンシング効率のために使用される方法は、タンパク質発現を決定するための方法とともに使用することができる。別の例として、ワークフローを、単一細胞シーケンシング効率、タンパク質発現および/または遺伝子発現を決定するために使用することができる。
【0519】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細胞のうちの1つ以上の細胞を複数のコントロール組成物のうちの1つのコントロール組成物と接触させる工程であって、複数の細胞のうちの1つの細胞が、複数の標的および複数のタンパク質標的を含み、複数のコントロール組成物の各々が、コントロールオリゴヌクレオチドと結合したタンパク質結合試薬を含み、タンパク質結合試薬が、複数のタンパク質標的のうち少なくとも1つに特異的に結合可能であり、かつコントロールオリゴヌクレオチドが、コントロールバーコード配列および複数のバーコードのうちの少なくとも1つの標的結合領域と実質的に相補的な配列を含む擬似標的領域を含む工程と;複数のバーコードを使用してコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、および標的結合領域を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が、異なる配列を含み、かつ複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;シーケンシングデータにおいて複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも1つの特徴を使用して、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特徴(たとえば、順調に捕捉され、ライブラリー作製を経る細胞の数)を決定する工程とを含む。いくつかの実施形態では、擬似標的領域は、ポリ(dA)領域を含む。
【0520】
いくつかの実施形態では、1つ以上の細胞の少なくとも1つの特徴を決定する工程は、シーケンシングデータにおいて複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を決定する工程と;複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドに関連付けられた識別可能な配列を有する細胞標識配列の数を使用して1つ以上の細胞の数を決定する工程とを含む。本方法は、決定された1つ以上の細胞の数に基づいて単一細胞捕捉効率を決定する工程を含みうる。本方法は、決定された1つ以上の細胞の数と複数の細胞の数の比に基づいて単一細胞捕捉効率を決定する工程を含む工程を含みうる。
【0521】
いくつかの実施形態では、シーケンシングデータにおいて複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドの特徴を使用して1つ以上の細胞の少なくとも1つの特徴を決定する工程は、シーケンシングデータにおける各細胞標識について、細胞標識およびコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列(たとえば、分子標識配列)の数を決定する工程と;細胞標識およびコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数を使用して1つ以上の細胞の数を決定する工程とを含む。細胞標識およびコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数を決定する工程は、シーケンシングデータにおける各細胞標識について、細胞標識およびコントロールバーコード配列に関連付けられた最多数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数を決定する工程を含む。細胞標識およびコントロールバーコード配列に関連付けられた識別可能な配列を有するバーコード配列の数を使用して、1つ以上の細胞の数を決定する工程は、最多数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数に関連付けられたシーケンシングデータにおいて、細胞標識の数と最多数の識別可能な配列を有するバーコード配列の数のプロットを作製する工程と;1つ以上の細胞の数としてプロットにおけるカットオフを決定する工程とを含みうる。
【0522】
いくつかの実施形態では、本方法は、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける前に、タンパク質結合試薬からコントロールオリゴヌクレオチドを放出する工程を含む。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のコントロール組成物のうちの未結合のコントロール組成物を除去する工程を含む。未結合のコントロール組成物を除去する工程は、洗浄緩衝液により複数の細胞のうちの1つ以上の細胞を洗浄する工程を含みうる。未結合の細胞同定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを使用してコントロール組成物の少なくとも1つのタンパク質結合試薬に結合した細胞を選択する工程を含みうる。
【0523】
いくつかの実施形態では、コントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコード(たとえば、確率バーコード)を使用してコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数の確率バーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用して複数のコントロールオリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを複数のコントロール組成物のコントロールオリゴヌクレオチドと接触させて、コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;コントロールオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドを生成する工程とを含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼ、逆転写酵素、またはそれらの組合せを使用してバーコードを伸長する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドを増幅して、複数のアンプリコンを生成する工程を含む。複数のバーコード付きコントロールオリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、シーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含む。シーケンシングデータを取得する工程は、分子標識配列の少なくとも一部およびコントロールオリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。
【0524】
細胞のオーバーローディングおよびマルチプレットの同定
本明細書では、細胞のオーバーローディングおよびマルチプレットを同定するための方法、キットおよびシステムも開示される。このような方法、キットおよびシステムは、たとえば、オリゴヌクレオチドと結合した細胞成分結合試薬を用いて細胞成分の発現レベル(たとえば、タンパク質発現レベル)を測定するための方法、キットおよびシステムなどの、本明細書に開示される任意の好適な方法、キットおよびシステムと組み合わせて使用されうる。現在の細胞ローディング技術を使用すると、約20000個の細胞が約60000個のマイクロウェルを有するマイクロウェルカートリッジまたはアレイにロードされる場合に、2つ以上の細胞を有するマイクロウェルまたはドロップレットの数(ダブレットまたはマルチプレットと呼ばれる)が最小限になりうる。しかし、ロードされた細胞の数が増加すると、複数の細胞を有するマイクロウェルまたはドロップレットの数が著しく増加する場合がある。たとえば、約50000個の細胞がマイクロウェルカートリッジまたはアレイの約60000個のマイクロウェルにロードされる場合、複数の細胞を有するマイクロウェルのパーセンテージは、かなり高く(たとえば、11~14%)なりうる。このように多数の細胞をマイクロウェルにロードすることは、細胞のオーバーローディングと呼ばれる場合がある。しかし、細胞を、識別可能な細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドで標識されたいくつかの群(たとえば、5つ)に区分する場合、2つ以上の細胞同定配列に関連付けられた細胞標識は、シーケンシングデータにおいて同定され、かつ次の処理から除去されうる。マイクロウェルカートリッジまたはアレイにおけるマイクロウェルの数に対して、このような多数の細胞をマイクロウェルにロードすることができる。
【0525】
本明細書には、細胞の同定またはダブレットの同定のための方法が開示される。細胞同定またはダブレットの同定のための方法は、本明細書に開示される他の方法とともに使用することができる。たとえば、ダブレットの同定のための方法は、タンパク質発現を決定するための方法とともに使用することができる。別の例として、ワークフローを、単一細胞のダブレット、タンパク質発現および/または遺伝子発現を決定するために使用することができる。
【0526】
いくつかの実施形態では、細胞の同定またはダブレットの同定のための方法は、それぞれ2つの細胞同定組成物を有する第1の複数の細胞と第2の複数の細胞を接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々と第2の複数の細胞の各々が、1つ以上の抗原標的またはタンパク質標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドと結合したタンパク質結合試薬を含み、タンパク質結合試薬が、1つ以上の抗原標的またはタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、かつ2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が異なる配列を含む工程と;複数のバーコードを使用して細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、および標的結合領域を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が異なる配列を含み、かつ複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータにおいて各々が2つ以上の細胞同定配列に関連付けられる1つ以上の細胞標識配列を同定する工程と;得られたシーケンシングデータから、各々が2つ以上の細胞同定配列に関連付けられる1つ以上の細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除去し、かつ/または次の分析(たとえば、単一細胞mRNAプロファイリング、または全トランスクリプトーム分析)から、各々が2つ以上の細胞同定配列に関連付けられる1つ以上の細胞標識配列に関連付けられたシーケンシングデータを除く工程とを含む。いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ユニバーサルプライマーに対する結合部位、またはそれらの組合せを含む。
【0527】
たとえば、本方法は、細胞同定を使用して50,000個以上の細胞(10,000~20,000個の細胞と比較して)をロードするために使用されうる。細胞同定では、ユニバーサルタンパク質マーカーに対するオリゴヌクレオチドコンジュゲートタンパク質結合試薬(たとえば、抗体)または細胞成分結合試薬を使用して、異なるサンプル由来の細胞をユニークな細胞成分結合試薬で標識することができる。異なるサンプル由来の2つ以上の細胞、またはサンプルの異なる細胞集団由来の2つ以上の細胞が同じマイクロウェルまたはドロップレットにおいて捕捉される場合、合わせた「細胞」(または2つ以上の細胞の内容物)は、異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付け可能である。異なる細胞集団の数は、さまざまな履行において異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、異なる細胞集団の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、異なる細胞集団の数は、少なくとも、または多くとも、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、もしくは100でありうる。サンプルの細胞は、サンプルの細胞を複数の集団に等分することにより複数の集団に区分されうる。2つ以上の細胞同定配列に関連付けられた細胞は、シーケンシングデータにおいて1つの細胞標識配列に関連付けられた2つ以上の細胞同定配列に基づいて、「マルチプレット」として同定されうる。合わせた「細胞」のシーケンシングデータもまた、マルチプレットと呼ばれる。マルチプレットは、ダブレット、トリプレット、カルテット、クインテット、セクステット、セプテット、オクテット、ノネット、またはそれらの任意の組合せでありうる。
【0528】
ダブレットは、異なる細胞同定配列を有する2つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた、合わせた「細胞」を意味しうる。ダブレットはまた、2つの細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた、合わせた「細胞」を意味しうる。異なる配列の2つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた2つの細胞(または2つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた2つ以上の細胞)が、同じマイクロウェルまたはドロップレット中に捕捉される場合にダブレットが起こる可能性があり、合わせた「細胞」は、異なる細胞同定配列を有する2つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられうる。トリプレットは、すべてが異なる細胞同定配列を有する3つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」、または3つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」を意味しうる。カルテットは、すべてが異なる細胞同定配列を有する4つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」、または4つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」を意味しうる。クインテットは、すべてが異なる細胞同定配列を有する5つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」、または5つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」を意味しうる。セクステットは、すべてが異なる細胞同定配列を有する6つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」、または6つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」を意味しうる。セプテットは、すべてが異なる細胞同定配列を有する7つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」、または7つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」を意味しうる。オクテットは、すべてが異なる細胞同定配列を有する8つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」、または8つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」を意味しうる。ノネットは、すべてが異なる細胞同定配列を有する9つの細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」、または9つの異なる細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチドに関連付けられた合わせた「細胞」を意味しうる。
【0529】
別の例として、サンプルをオーバーローディングする状況、またはマイクロウェルアレイのマイクロウェルに細胞をロードするか、もしくは細胞を含有するドロップレットを生成する状況であるかにかかわらず、本方法は、マルチプレットの同定のために使用することができる。2つ以上の細胞がマイクロウェルにロードされる場合、合わせた「細胞」(または2つ以上の細胞の内容物)から得られるデータは、異常な遺伝子発現プロフィールを有するマルチプレットである。細胞同定を使用することにより、異なる細胞同定配列を有する2つ以上の細胞同定オリゴヌクレオチド(または2つ以上の細胞同定配列を有する細胞同定オリゴヌクレオチド)に各々が関連付けられているか、または割り当てられている細胞バーコードを探すことにより、これらのマルチプレットのいくつかを認識することができる。細胞同定配列とともに、本明細書に開示される方法を、マルチプレットの同定のために使用することができる(サンプルをオーバーローディングするかしないかの状況、またはマイクロウェルアレイのマイクロウェルに細胞をロードするか、もしくは細胞を含有するドロップレットを生成する状況であるかにかかわらず)。いくつかの実施形態では、本方法は、それぞれ2つの細胞同定組成物を有する第1の複数の細胞と第2の複数の細胞を接触させる工程であって、第1の複数の細胞の各々と第2の複数の細胞の各々が、1つ以上のタンパク質標的を含み、2つの細胞同定組成物の各々が、細胞同定オリゴヌクレオチドと結合したタンパク質結合試薬を含み、タンパク質結合試薬が、1つ以上のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合可能であり、細胞同定オリゴヌクレオチドが、細胞同定配列を含み、かつ2つの細胞同定組成物の細胞同定配列が、異なる配列を含む工程と;複数のバーコードを使用して細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、および標的結合領域を含み、複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードのバーコード配列が異なる配列を含み、かつ複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータにおいて各々が2つ以上の細胞同定配列に関連付けられた1つ以上のマルチプレット細胞標識配列を同定する工程とを含む。
【0530】
マイクロウェルカートリッジのマイクロウェルまたはマイクロフルイディクスデバイスを用いて生成されたドロップレットにロードされうる細胞の数は、マルチプレット率によって制限されうる。より多くの細胞をロードすることによって、同定するのが困難で、単一細胞データにおいてノイズを生成しうるより多くのマルチプレットを引き起こす可能性がある。細胞同定とともに、本方法は、マルチプレットをより正確に標識するか、または同定し、かつシーケンシングデータまたは次の分析からマルチプレットを除去するために使用することができる。より高い信頼度でマルチプレットを同定できることによって、マルチプレット率に関するユーザ許容度を増大させることができ、かつ各マイクロウェルカートリッジまたは各々が少なくとも1つの細胞を有する生成しているドロップレットにより多くの細胞をロードすることができる。
【0531】
いくつかの実施形態では、第1の複数の細胞および第2の複数の細胞をそれぞれ2つの細胞同定組成物と接触させる工程は、第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のうちの第1の細胞同定組成物と接触させる工程と;第1の複数の細胞を、2つの細胞同定組成物のうちの第2の細胞同定組成物と接触させる工程とを含む。複数の細胞の数と複数の細胞同定組成物の数は、さまざまな履行で異なるものであってよい。いくつかの実施形態では、複数の細胞および/または細胞同定組成物の数は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、1000000、またはこれらの値のいずれか2つの間の数もしくは範囲、またはこれらの近似値でありうる。いくつかの実施形態では、複数の細胞および/または細胞同定組成物の数は、少なくとも、または多くとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、10000、100000、もしくは1000000でありうる。
【0532】
いくつかの実施形態では、本方法は、2つの細胞同定組成物のうちの未結合の細胞同定組成物を除去する工程を含む。未結合の細胞同定組成物を除去する工程は、洗浄緩衝液により第1の複数の細胞および第2の複数の細胞のうちの細胞を洗浄する工程を含みうる。未結合の細胞同定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを使用して2つの細胞同定組成物の少なくとも1つのタンパク質結合試薬に結合した細胞を選択する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、複数のサンプルの各々に由来する1つ以上の細胞を溶解する工程を含む。
【0533】
いくつかの実施形態では、細胞同定オリゴヌクレオチドは、タンパク質結合試薬から脱離可能または脱離不可能なように構成される。本方法は、タンパク質結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを脱離させる工程を含みうる。細胞同定オリゴヌクレオチドを脱離させる工程は、UV光切断、化学処理(たとえば、ジチオスレイトールなどの還元剤を使用すること)、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せによりタンパク質結合試薬から細胞同定オリゴヌクレオチドを脱離させる工程を含みうる。
【0534】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用して細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを細胞同定オリゴヌクレオチドと接触させて、細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;細胞同定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程とを含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼを使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、逆転写酵素を使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。
【0535】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅して、複数のアンプリコンを生成する工程を含む。複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部および細胞同定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの細胞のサンプル起源を同定する工程は、少なくとも1つのバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドの細胞同定配列に基づいて、複数のバーコード付き標的のサンプル起源を同定する工程を含む。
【0536】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用して細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチドを生成する工程は、複数のバーコード(たとえば、複数の確率バーコード)を使用して細胞同定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて(たとえば、確率バーコードを付けて)、複数のバーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチド(たとえば、複数の確率バーコード付き細胞同定オリゴヌクレオチド)を生成する工程を含む。
【0537】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコードを使用して細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、細胞標識配列を含み、かつ複数のバーコードのうち少なくとも2つのバーコードが、同一の細胞標識配列を含む工程と;バーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する工程とを含む。複数のバーコードを使用して複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、標的のコピーとバーコードの標的結合領域を接触させる工程と;複数のバーコードを使用して複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成する工程とを含みうる。
【0538】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する前に、バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程を含む。バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりバーコード付き標的を増幅する工程を含みうる。複数のバーコードを使用して細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、複数のバーコード(たとえば、複数の確率バーコード)を使用して細胞の複数の標的にバーコードを付けて(たとえば、確率バーコードを付けて)、複数のバーコード付き標的(たとえば、複数の確率バーコード付き標的)を生成する工程を含みうる。
【0539】
細胞成分-細胞成分相互作用の決定
本明細書には、タンパク質-タンパク質相互作用を決定するための方法が開示される。タンパク質-タンパク質相互作用を決定するための方法は、本明細書に開示される他の方法とともに使用することができる。たとえば、タンパク質-タンパク質相互作用を決定するための方法は、タンパク質発現を決定するための方法とともに使用することができる。別の例として、ワークフローを、単一細胞のタンパク質-タンパク質相互作用、タンパク質発現および/または遺伝子発現を決定するために使用することができる。このような方法は、たとえば、オリゴヌクレオチドと結合した細胞成分結合試薬を用いて細胞成分の発現レベル(たとえば、タンパク質発現レベル)を測定するための方法、キットおよびシステムなどの、本明細書に開示される任意の好適な方法、キットおよびシステムと組み合わせて使用されうる。
【0540】
いくつかの実施形態では、タンパク質-タンパク質相互作用を決定するための方法は、細胞を相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程であって、細胞が、第1の細胞成分標的および第2の細胞成分標的を含み、相互作用決定組成物の第1の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに結合した細胞成分結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第1の対の一方の細胞成分結合試薬が、第1の細胞成分標的に特異的に結合可能であり、相互作用決定組成物の第1の対の他方の細胞成分結合試薬が、第2の細胞成分標的に特異的に結合可能であり、かつ相互作用決定オリゴヌクレオチドが、相互作用決定配列および架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域を含み、かつ相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列が異なる配列を含む工程と;架橋オリゴヌクレオチドを使用して相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートして、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、架橋オリゴヌクレオチドが、相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域に特異的に結合可能な2つのハイブリダイゼーション領域を含む工程と;複数のバーコードを使用してライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、バーコード配列および捕捉配列を含む工程と;複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータにおける相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列の関連付けに基づいて、第1および第2の細胞成分標的間の相互作用を決定する工程とを含む。いくつかの実施形態では、2つの細胞成分結合試薬の少なくとも1つは、タンパク質結合試薬を含み、タンパク質結合試薬は、2つの相互作用決定オリゴヌクレオチドのうちの1つに結合し、かつ1つ以上の細胞成分標的は、少なくとも1つのタンパク質標的を含む。
【0541】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程であって、細胞が、第1のタンパク質標的および第2のタンパク質標的を含み、相互作用決定組成物の第1の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに結合したタンパク質結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第1の対の一方のタンパク質結合試薬が、第1のタンパク質標的に特異的に結合可能であり、相互作用決定組成物の第1の対の他方のタンパク質結合試薬が、第2のタンパク質標的に特異的に結合可能であり、かつ相互作用決定オリゴヌクレオチドが、相互作用決定配列および架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域を含み、かつ相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列が異なる配列を含む工程と;架橋オリゴヌクレオチドを使用して相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートして、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、架橋オリゴヌクレオチドが、相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域に特異的に結合可能な2つのハイブリダイゼーション領域を含む工程と;複数のバーコードを使用してライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程であって、複数のバーコードの各々が、バーコード配列および捕捉配列を含む工程と;複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程と;得られたシーケンシングデータにおける相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列の関連付けに基づいて、第1および第2のタンパク質標的間の相互作用を決定する工程とを含む。
【0542】
いくつかの実施形態では、細胞を相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程は、細胞を相互作用決定組成物の第1の対の各々と連続的にまたは同時に接触させる工程を含む。第1の細胞成分標的は、第2の細胞成分標的と同じでありうる。第1の細胞成分標的は、第2の細胞成分標的と異なりうる。
【0543】
いくつかの実施形態では、相互作用決定配列は、少なくとも6ヌクレオチド長、25~60ヌクレオチド長、約45ヌクレオチド長、約50ヌクレオチド長、約100ヌクレオチド長、約128ヌクレオチド長、少なくとも128ヌクレオチド長、約200ヌクレオチド長、少なくとも200ヌクレオチド長、約200~300未満のヌクレオチド長、約200~500ヌクレオチド長、約500ヌクレオチド長、またはそれらの任意の組合せである。
【0544】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を相互作用決定組成物の第2の対と接触させる工程を含み、細胞が、第3の細胞成分標的および第4の細胞成分標的を含み、相互作用決定組成物の第2の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに結合した細胞成分結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第2の対の一方の細胞成分結合試薬が、第3の細胞成分標的に特異的に結合可能であり、相互作用決定組成物の第2の対の他方の細胞成分結合試薬が、第4の細胞成分標的に特異的に結合可能である。第3および第4の細胞成分標的の少なくとも1つは、第1および第2の細胞成分標的の1つと異なりうる。第3および第4の細胞成分標的の少なくとも1つはと第1および第2の細胞成分標的の少なくとも1つは、同一でありうる。
【0545】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を相互作用決定組成物の3つ以上の対と接触させる工程を含む。少なくとも10、100、1000、またはそれらの任意の組合せの相互作用決定組成物の複数の対の相互作用決定組成物の相互作用決定配列は、異なる配列を含みうる。
【0546】
いくつかの実施形態では、相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域は、異なる配列を含む。架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域の少なくとも1つは、架橋オリゴヌクレオチドの2つのハイブリダイゼーション領域の少なくとも1つと相補的でありうる。
【0547】
いくつかの実施形態では、架橋オリゴヌクレオチドを使用して相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートする工程は、架橋オリゴヌクレオチドの第1のハイブリダイゼーション領域を相互作用決定オリゴヌクレオチドの架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域の第1の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域とハイブリダイズする工程と;架橋オリゴヌクレオチドの第2のハイブリダイゼーション領域を相互作用決定オリゴヌクレオチドの架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域の第2の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域とハイブリダイズする工程と;架橋オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた相互作用決定オリゴヌクレオチドをライゲートして、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程とを含む。
【0548】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、抗体、テトラマー、アプタマー、タンパク質スキャフォールド、インテグリン、またはそれらの組合せを含む。
【0549】
いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して細胞成分結合試薬にコンジュゲートされる。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは化学基を含みうる。化学基は、細胞成分結合試薬に可逆的または不可逆的に結合されうる。化学基は、UV光切断性基、ジスルフィド結合、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、ジスルフィド連結、またはそれらの任意の組合せを含みうる。1つ以上の細胞成分標的の少なくとも1つは、細胞表面に存在しうる。
【0550】
いくつかの実施形態では、本方法は、細胞を相互作用決定組成物の第1の対と接触させる前に、細胞を固定する工程を含む。本方法は、相互作用決定組成物の第1の対のうちの未結合の相互作用決定組成物を除去する工程を含みうる。未結合の相互作用決定組成物を除去する工程は、細胞を洗浄緩衝液で洗浄する工程を含みうる。未結合の相互作用決定組成物を除去する工程は、フローサイトメトリーを使用して細胞を選択する工程を含みうる。本方法は、細胞を溶解する工程を含みうる。
【0551】
いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、細胞成分結合試薬から脱離可能または脱離不可能なように構成される。本方法は、細胞成分結合試薬から相互作用決定オリゴヌクレオチドを脱離させる工程を含みうる。相互作用決定オリゴヌクレオチドを脱離させる工程は、UV光切断、化学処理、加熱、酵素処理、またはそれらの任意の組合せにより細胞成分結合試薬から相互作用決定オリゴヌクレオチドを脱離させる工程を含みうる。
【0552】
いくつかの実施形態では、相互作用決定オリゴヌクレオチドは、細胞のゲノム配列と相同ではない。相互作用決定オリゴヌクレオチドは、種のゲノム配列と相同でありうる。種は、非哺乳動物種でありうる。非哺乳動物種は、ファージ種でありうる。ファージ種は、T7ファージ、PhiXファージ、またはそれらの組合せでありうる。
【0553】
いくつかの実施形態では、細胞は、腫瘍細胞または非腫瘍細胞を含む。細胞は、哺乳動物細胞、バクテリア細胞、ウイルス細胞、酵母細胞、真菌細胞、またはそれらの任意の組合せを含みうる。
【0554】
いくつかの実施形態では、本方法は、2つ以上の細胞を相互作用決定組成物の第1の対と接触させる工程を含み、2つ以上の細胞の各々は、第1および第2の細胞成分標的を含む。2つ以上の細胞の少なくとも1つは、単一細胞を含みうる。
【0555】
いくつかの実施形態では、バーコードは、細胞標識配列、ユニバーサルプライマーに対する結合部位、またはそれらの任意の組合せを含む。複数のバーコードのうちの少なくとも2つのバーコードは、同一の細胞標識配列を含みうる。相互作用決定組成物の第1の対の一方の相互作用決定オリゴヌクレオチドは、捕捉配列に相補的な配列を含みうる。捕捉配列は、ポリ(dT)領域を含みうる。捕捉配列に相補的な相互作用決定オリゴヌクレオチドの配列は、ポリ(dA)領域を含みうる。相互作用決定オリゴヌクレオチドは、第2のバーコード配列を含みうる。相互作用同定組成物の第1の対の他方の相互作用決定オリゴヌクレオチドは、ユニバーサルプライマーに対する結合部位を含みうる。
【0556】
いくつかの実施形態では、細胞成分標的は、細胞外タンパク質、細胞内タンパク質、またはそれらの任意の組合せを含む。細胞成分標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞レセプター、T細胞レセプター、主要組織適合抗原複合体、腫瘍抗原、レセプター、インテグリン、またはそれらの任意の組合わせを含みうる。
【0557】
いくつかの実施形態では、細胞成分標的は、脂質、炭水化物、またはそれらの任意の組合せを含む。細胞成分標的は、10~100個の異なる細胞成分標的を含む群から選択されうる。
【0558】
いくつかの実施形態では、細胞成分結合試薬は、同一の配列を有する2つ以上の相互作用決定オリゴヌクレオチドと結合する。細胞成分結合試薬は、異なる相互作用決定配列を有する2つ以上の相互作用決定オリゴヌクレオチドと結合しうる。
【0559】
いくつかの実施形態では、複数の相互作用決定組成物のうちの1つが、相互作用決定オリゴヌクレオチドに結合していない第2の細胞成分結合試薬を含む。細胞成分結合試薬および第2の細胞成分結合試薬は、同一でありうる。細胞成分質結合試薬は、検出可能な部分と結合しうる。
【0560】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードが粒子と関連付けられる。複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードを粒子に固定することができる。複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードを粒子に部分的に固定することができる。複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードを粒子に封入することができる。複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードを粒子に部分的に封入することができる。粒子は、崩壊可能でありうる。粒子は、ビーズを包含しうる。粒子は、セファロースビーズ、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、コンジュゲートビーズ、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴ(dT)コンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンマイクロビーズ、抗蛍光色素マイクロビーズ、またはそれらの任意の組合せを含みうる。粒子は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリスチレン、ガラス、ポリプロピレン、アガロース、ゼラチン、ヒドロゲル、常磁性材料、セラミック、プラスチック、ガラス、メチルスチレン、アクリルポリマー、チタン、ラテックス、セファロース、セルロース、ナイロン、シリコーン、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される材料を含みうる。粒子は、崩壊可能なヒドロゲル粒子を含みうる。粒子は、検出可能な部分と結合しうる。相互作用決定オリゴヌクレオチドは、検出可能な部分と結合しうる。粒子のバーコードは、約、少なくとも、多くとも1000、10000、それ以上、それ以下、またはそれらの任意の組合せの異なるバーコード配列から選択されうるバーコード配列を含む。バーコードのバーコード配列は、ランダム配列を含みうる。粒子は、少なくとも10000個のバーコードを含みうる。
【0561】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用して相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付ける工程は、複数のバーコードを相互作用決定オリゴヌクレオチドと接触させて、相互作用決定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを生成する工程と;相互作用決定オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたバーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程とを含む。バーコードを伸長する工程は、DNAポリメラーゼを使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、逆転写酵素を使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MLV)逆転写酵素またはTaq DNAポリメラーゼを使用してバーコードを伸長して、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含みうる。バーコードを伸長する工程は、ライゲートされた相互作用決定オリゴヌクレオチドから架橋オリゴヌクレオチドを取り除く工程を含みうる。本方法は、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを増幅して、複数のアンプリコンを生成する工程を含みうる。複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを増幅する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、バーコード配列の少なくとも一部および相互作用決定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部を増幅する工程を含みうる。
【0562】
いくつかの実施形態では、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のアンプリコンのシーケンシングデータを取得する工程を含みうる。シーケンシングデータを取得する工程は、バーコード配列の少なくとも一部および相互作用決定オリゴヌクレオチドの少なくとも一部をシーケンシングする工程を含みうる。複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドのシーケンシングデータを取得する工程は、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドの一部および/または完全な配列を取得する工程を含みうる。
【0563】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードは複数の確率バーコードを含み、複数の確率バーコードの各々のバーコード配列は、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)を含み、複数の確率バーコードの少なくとも2つの確率バーコードのバーコード配列は、異なる配列を含み、かつ複数のバーコードを使用して相互作用決定オリゴヌクレオチドにバーコードを付けて、複数のバーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程は、複数の確率バーコードを使用して相互作用決定オリゴヌクレオチドに確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き相互作用決定オリゴヌクレオチドを生成する工程を含む。
【0564】
いくつかの実施形態では、複数のバーコードを使用して細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程;およびバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する工程。複数のバーコードを使用して複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、標的のコピーとバーコードの標的結合領域を接触させる工程と;複数のバーコードを使用して複数の標的を逆転写して、複数の逆転写された標的を生成する工程とを含みうる。
【0565】
いくつかの実施形態では、本方法は、複数のバーコード付き標的のシーケンシングデータを取得する前に、バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程を含みうる。バーコード付き標的を増幅して、複数の増幅されたバーコード付き標的を生成する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりバーコード付き標的を増幅する工程を含みうる。複数のバーコードを使用して細胞の複数の標的にバーコードを付けて、複数のバーコード付き標的を生成する工程は、複数の確率バーコードを使用して細胞の複数の標的に確率バーコードを付けて、複数の確率バーコード付き標的を生成する工程を含みうる。
【0566】
本明細書に開示される実施形態は、細胞成分-細胞成分相互作用(たとえば、タンパク質-タンパク質相互作用)を同定するためのキットを含む。いくつかの実施形態では、本キットは、相互作用決定組成物の第1の対であって、相互作用決定組成物の第1の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに結合した細胞成分結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第1の対の一方の細胞成分結合試薬が、第1の細胞成分標的に特異的に結合可能であり、相互作用決定組成物の第1の対の他方の細胞成分結合試薬が、第2の細胞成分標的に特異的に結合可能であり、相互作用決定オリゴヌクレオチドが、相互作用決定配列および架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域を含み、かつ相互作用決定組成物の第1の対の相互作用決定配列が異なる配列を含む相互作用決定組成物の第1の対と;相互作用決定組成物の第1の対の架橋オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション領域に特異的に結合可能な2つのハイブリダイゼーション領域を各々が含む複数の架橋オリゴヌクレオチドとを含む。
【0567】
いくつかの実施形態では、本キットは、相互作用決定組成物の第2の対を含み、相互作用決定組成物の第2の対の各々が、相互作用決定オリゴヌクレオチドに結合した細胞成分結合試薬を含み、相互作用決定組成物の第2の対の一方の細胞成分結合試薬が、第3の細胞成分標的に特異的に結合可能であり、相互作用決定組成物の第2の対の他方の細胞成分結合試薬が、第4の細胞成分標的に特異的に結合可能である。いくつかの実施形態では、本キットは、相互作用決定組成物の3つ以上の対を含む。
【0568】
いくつかの実施形態では、本キットは、複数のバーコードを含み、複数のバーコードの各々は、バーコード配列および捕捉配列を含む。複数のバーコードは、複数の確率バーコードを含むことができ、複数の確率バーコードの各々のバーコード配列は、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)を含み、複数の確率バーコードのうちの少なくとも2つの確率バーコードのバーコード配列は、異なる配列を含む。いくつかの実施形態では、複数のバーコードが粒子と関連付けられる。複数のバーコードのうちの少なくとも1つのバーコードは、粒子に固定されうるか、粒子に部分的に固定されうるか、粒子に封入されうるか、粒子に部分的に封入されうるか、またはそれらの任意の組合せでありうる。粒子は、崩壊可能でありうる。粒子は、ビーズを包含しうる。
【0569】
いくつかの実施形態では、本キットは、DNAポリメラーゼを含む。本キットは、逆転写酵素を含みうる。本キットは、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MLV)逆転写酵素またはTaq DNAポリメラーゼを含みうる。いくつかの実施形態では、本方法は、固定剤(たとえば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド/四酸化オスミウム、アルコール系固定液、Hepes-グルタミン酸緩衝液媒介性有機溶媒保護効果(HOPE)、ブアン溶液、またはそれらの任意の組合せ)を含む。
【0570】
標識生体分子試薬の調製に使用するためのシステム
多くの被検体分析アッセイに使用されている標識生体分子試薬組成物は、検出可能なマーカー化合物に共役した生体分子を含む。生体分子は、生体分子の骨格もしくは側鎖に1つ以上の共有結合により検出可能なマーカーに共役しているか、またはイオンもしくは他の非共有相互作用により結合していてもよい。多くの場合、生体分子は、目的の被検体に対する特異的な結合領域を有するプローブ化合物であり、検出可能なマーカーは、たとえば、顕微鏡の下で、肉眼で、または光学分光のいくつかの形態(たとえば、UV-vis、蛍光分光など)によって視覚化することができる化合物である。いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0571】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0572】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0573】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0574】
生体体液中の被検体の存在および濃度を決定するためのアッセイは、プローブ化合物の特異的結合に依存することが多い。目的の被検体に応じて、プローブ化合物は、抗体またはオリゴヌクレオチドなどのポリペプチドであってよく、その各々が特異的結合領域を有する。標的被検体の結合を検出するために、視覚化することができる(たとえば、分光法によって検出可能な)マーカーをプローブ化合物に共役させる。現在、標識生体分子試薬を調製するために、個別の合成プロトコルによって、各生体分子(たとえば、CD4-RPA-T4)を検出可能な標識(PE-Cy5)に個別に共役させた後、精製(たとえば、カラムクロマトグラフィー)に付す。標識生体分子試薬は各々個別に調製され、精製されることから、アッセイ即応(assay-ready)特異的結合プローブ組成物を用意する方法は、特に小規模な顧客リクエストの場合に、高価で、しかも大きな労力を要する。加えて、標識生体分子の合成および続く精製に必要なリードタイムの量のために、性能特異的および高品質プローブ組成物のオンデマンド調製は不可能である。商業的に、一般に使用される標識生体分子試薬が事前に調製および貯蔵されており、顧客は、予め合成された標識生体分子試薬組成物の限定的なデータベースから選択することしかできない。
【0575】
図12は、一実施形態に従って、実験室および臨床アッセイ用の標識生体分子試薬組成物を提供するために使用される標識生体分子試薬の調製の工程を示す。目的の生体分子(抗体プローブ)は、まず精製されて(工程1201)、5つの異なる検出可能なマーカーと生体分子を共役させるのに十分な反応条件(工程1202)に付して、標識生体分子1200a、1200b、1200c、1200dおよび1200eを生成する。次に、標識生体分子1200a、1200b、1200c、1200dおよび1200eは、各々精製されて(工程1203)、貯蔵される。顧客のリクエストに応じて、標識生体分子1200a、1200b、1200c、1200dおよび1200eは、標識生体分子試薬組成物に製剤化され、顧客への配達のためにパッケージングされる。
【0576】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0577】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0578】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0579】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0580】
本明細書には、多種多様な生体分子および検出可能な標識ポートフォリオに及ぶ高品質および高性能の特定製品を、高速、効率的かつ高度に拡張可能な様式で送達するシステムおよび方法が開示される。本発明の実施形態では、標識生体分子に対応するリクエストが行われると、リクエストに応じて、活性化生体分子および活性化標識の既存のコレクションから標識生体分子が調製される。
図13は、本発明の実施形態の方法を描く図を提供する。
図13では、まず、生体分子のコレクション(1301a)と検出可能な標識またはマーカーのコレクション(1301b)とを精製する(工程1301)。次に、生体分子を各々、反応性リンカーに共役させて、生体分子を反応性部分で官能基化する(すなわち、反応性リンカーL1で生体分子を活性化する、1302a)。次に、活性化生体分子のコレクションを精製し、貯蔵する。これとは別に、検出可能なマーカーのコレクションも、反応性リンカーに共役させて、検出可能なマーカーのコレクションを反応性部分で官能基化する(すなわち、反応性リンカーL2で標識を活性化する、1302b)。活性化標識のコレクションも精製し、貯蔵する(工程1302)。顧客から標識生体分子試薬がリクエストされると、活性化生体分子(L1)を活性化標識(L2)と反応させることにより、生体分子を標識に共役させて(工程1303)、標識生体分子(結合L1-L2を介して結合された)を形成する。このように、活性化生体分子を活性化標識と単純に混合することにより、生体分子と検出可能なマーカーの任意の所望の組合せをオンデマンドで調製することができる。
【0581】
図14は、カスタマイズ可能な標識生体分子試薬をオンデマンドで提供するための本開示のユニークかつ新規の方法を示す。目的の生体分子を精製(工程1401)した後、反応性リンカーで官能基化する(工程1402)ことにより、活性化生体分子1400aを生成することができる。活性化標識1400b、1400c、1400d、および1400eは、検出可能なマーカーを反応性リンカーで官能基化することによって個別に調製される。顧客からのリクエストを受けると、活性化生体分子500aの反応性リンカーと活性化標識1400b、1400c、1400d、および1400eの反応性リンカーとの反応により、活性化生体分子1400aと活性化標識1400b、1400c、1400d、および1400eとのあらゆる組合せをオンデマンドで調製することができる。一旦共役したら、標識生体分子1400a-1400b、1400a-1400c、1400a-1400dおよび1400a-1400eを標識生体分子試薬組成物中に製剤化して、顧客への配達のためにパッケージングする。いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0582】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0583】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0584】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0585】
本開示は、標識生体分子試薬の調製に使用するためのシステムを提供する。本開示の実施形態のさらなる説明では、標識生体分子試薬のリクエストを受けるための入力マネージャと、生体分子および標識ストレージ識別子を提供するための出力マネージャとを有するシステムが初めにさらに詳しく説明される。次に、活性化生体分子と活性化標識から標識生体分子試薬を調製するための試薬調製装置が説明される。また、標識生体分子試薬リクエストを伝達し、これを受けて、対象の標識生体分子試薬を調製する方法も提供される。
【0586】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0587】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0588】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0589】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0590】
本開示の態様は、標識生体分子試薬の調製に使用するためのシステムを含む。いくつかの実施形態に従うシステムは、標識生体分子試薬のリクエストを受ける入力マネージャと、標識生体分子試薬リクエスト(たとえば、生体分子、標識など)の1つ以上の構成要素に対応する複数のストレージ識別子を有するデータセットを記憶するメモリと、メモリに通信可能に結合され、かつデータセットから、標識生体分子試薬リクエストの構成要素に対応するストレージ識別子を識別するように構成された処理モジュールと、識別されたストレージ識別子を提供する出力マネージャと、を含む。以下に、より詳しく説明するように、「標識生体分子」試薬という用語は、検出可能なマーカーに(たとえば、共有結合を介して)結合した生体高分子を指す。生体高分子は、バイオポリマーであってもよい。「バイオポリマー」は、1つ以上の反復単位から成るポリマーである。バイオポリマーは、典型的に、生物系に見出され、そのようなものとして、特に、多糖(炭水化物など)、およびペプチド(この用語が用いられる場合、多糖への結合の有無にかかわらず、ポリペプチド、およびタンパク質を包含する)ならびにポリヌクレオチド、さらにはアミノ酸類似体もしくは非アミノ酸基、またはヌクレオチド類似体もしくは非ヌクレオチド基から構成されるか、またはそれらを含有する化合物などのそれらの類似体が挙げられる。これは、通常の骨格が非天然または合成骨格で置換されたポリヌクレオチド、ならびに1つ以上の通常の塩基が、ワトソン-クリック型水素結合相互作用に参加することができる基(天然または合成)で置換された核酸(または合成もしくは天然の類似体)を含む。ポリヌクレオチドは、一本鎖または複数鎖の構成を含み、ここで、1つ以上の鎖は、別の鎖と完全に一致しても、しなくてもよい。具体的には、「バイオポリマー」は、供給源とは関係なく、DNA(cDNAを含む)、RNAおよびオリゴヌクレオチドを含む。従って、生体分子は、多糖、核酸およびポリペプチドを含みうる。たとえば、核酸は、オリゴヌクレオチド、短縮型もしくは完全長DNAまたはRNAであってもよい。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド、短縮型および完全長DNAまたはRNAは、10以上のヌクレオチドモノマー、たとえば15以上、たとえば25以上、たとえば50以上、たとえば100以上、たとえば250以上で、500以上も含まれる、ヌクレオチドモノマーから成る。たとえば、目的のオリゴヌクレオチド、短縮型および完全長DNAまたはRNAは、長さが10ヌクレオチド~108ヌクレオチド、たとえば102ヌクレオチド~107ヌクレオチドで、103ヌクレオチド~106ヌクレオチドを含む範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、バイオポリマーは、単一ヌクレオチドまたは短鎖オリゴヌクレオチド(たとえば、10ヌクレオチド未満)ではない。「完全長」とは、DNAまたはRNAが、その完全配列(天然に存在するものなど)の70%以上、たとえばDNAまたはRNA(天然に存在するものなど)の完全長配列の75%以上、たとえば80%以上、たとえば85%以上、たとえば90%以上、たとえば95%以上、たとえば97%以上、たとえば99%以上で、100%も含まれる、核酸ポリマーであることを意味する。
【0591】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0592】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0593】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0594】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0595】
ポリペプチドは、いくつかの実施形態において、短縮型もしくは完全長タンパク質、酵素または抗体であってよい。いくつかの実施形態では、ポリペプチド、短縮型および完全長タンパク質、酵素または抗体は、10以上のアミノ酸モノマー、たとえば15以上、たとえば25以上、たとえば50以上、たとえば100以上、たとえば250以上で、500以上も含まれる、アミノ酸モノマーから成る。たとえば、目的のポリペプチド、短縮型および完全長タンパク質、酵素または抗体は、長さが10アミノ酸~108アミノ酸、たとえば102アミノ酸~107アミノ酸で、103アミノ酸~106アミノ酸も含まれる、範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、バイオポリマーは、単一アミノ酸または短鎖ポリペプチド(たとえば、10アミノ酸未満)ではない。「完全長」とは、タンパク質、酵素または抗体が、その完全配列(天然に存在するものなど)の70%以上、たとえば、タンパク質、酵素または抗体(天然に存在するものなど)の完全長配列の75%以上、たとえば80%以上、たとえば85%以上、たとえば90%以上、たとえば95%以上、たとえば97%以上、たとえば100%を含め、99%以上を有するポリペプチドポリマーであることを意味する。本開示のいくつかの実施形態では、標識は、検出可能な部分またはマーカーであり、これらは、たとえば、蛍光発光、吸光度、蛍光偏光、蛍光寿命、蛍光波長、吸収極大、吸収波長、ストークス(Stokes)シフト、光散乱、質量、分子量、酸化還元、音波、ラマン(Raman)、磁気、無線周波数、酵素反応(化学発光および電気-化学発光を含む)またはこれらの組合せに基づいて検出することができる。たとえば、標識は、蛍光団、発色団、酵素、酵素基質、触媒、レドックス標識、放射標識、音波標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ(たとえば、同位体として純粋な希土類元素)、磁気粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはこれらの任意の組合せであってもよい。
【0596】
本明細書に記載するシステムは、標識生体分子試薬リクエストを受ける入力マネージャを含みうる。標識生体分子試薬リクエストは、1つ以上の構成要素を含みうる。いくつかの事例では、標識生体分子試薬リクエストは、単一の構成要素を含み、それは標識生体分子リクエスト(すなわち、反応性リンカーを介して標識に共有結合した生体分子のリクエスト)である。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、2つ以上の構成要素を含む。たとえば、標識生体分子試薬リクエストは、生体分子リクエストと標識リクエストを含む。いくつかの実施形態では、生体分子リクエストは、生体分子と反応性リンカーを含む活性化生体分子リクエストであり、標識リクエストは、標識と反応性リンカーを含む活性化標識リクエストである。一部の実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。
【0597】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0598】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0599】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0600】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0601】
「標識生体分子リクエスト」、「生体分子リクエスト」および「標識リクエスト」という語句は、本明細書で用いられる場合、それぞれ、特定の標識生体分子、生体分子もしくは標識に関連する情報またはデータを指す。リクエストは、特定の標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識または反応性リンカーに関連する、一連の1つまたは複数の文字(たとえば、英数字)、記号、イメージもしくはその他のグラフ表示を含みうる。いくつかの事例では、リクエストは、標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識または反応性リンカーの「簡潔な」呼称である。たとえば、リクエストは、アクセッション番号または省略型プローブ配列を含みうる。リクエストはまた、化学構造または反応性などの記述情報も含みうる。情報またはデータは、一部の実施形態では、標識生体分子、生体分子または標識のいずれかの好適な識別子であってもよく、こうしたものとして、限定されないが、生体分子の名称、モノマー配列、配列識別番号、アクセッション番号または生物学的供給源、ならびに標識の名称、化学構造、ケミカル・アブストラクツ・サービス(Chemical Abstracts Service)(CAS)登録番号またはマーカークラス(たとえば、蛍光、磁気)を挙げることができる。
【0602】
いくつかの実施形態では、生体分子は、目的の被検体の生物学的プローブであり、生体分子リクエストは、目的の被検体に結合する特異的結合ドメインに関する情報またはデータを含む。目的の特異的結合ドメインとして、限定されないが、抗体結合剤、タンパク質、ペプチド、ハプテン、核酸などが挙げられる。本明細書で使用される「抗体結合剤」という用語は、目的の被検体に結合する上で十分なポリクローナルまたはモノクローナル抗体もしくはフラグメントを含む。抗体フラグメントは、たとえば、モノマーFabフラグメント、モノマーFab’フラグメント、または二量体F(ab)’2フラグメントであってよい。さらに、「抗体結合剤」という用語の範囲には、抗体操作により生成される分子、たとえば、重鎖および軽鎖の定常領域の置換によりキメラ抗体を生成するか、または定常領域と、可変領域のフレーシフト部分との両方の置換によりヒト化抗体を生成することによって、モノクローナル抗体から生成される一本鎖抗体分子(scFv)またはヒト化もしくはキメラ抗体も含まれる。
【0603】
いくつかの事例では、生体分子は、ポリペプチドであり、生体分子リクエストは、ポリペプチド名、タンパク質名、酵素名、抗体名またはタンパク質、酵素もしくはその抗体フラグメント、特定の生体体液(たとえば、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、臍帯血、尿、膣液および精液)由来のポリペプチド、特定の種由来のポリペプチド(たとえば、マウスモノクローナル抗体)の名称、ならびにアミノ酸配列識別番号などの情報を含みうる。
【0604】
いくつかの実施形態では、生体分子は核酸であり、生体分子リクエストは、オリゴヌクレオチド名、遺伝子名により識別されるオリゴヌクレオチド、アクセッション番号により識別されるオリゴヌクレオチド、特定の種(たとえば、マウス、ヒト)由来の遺伝子のオリゴヌクレオチド、特定の組織(たとえば、肝臓、脳、心臓)に関連する遺伝子のオリゴヌクレオチド、特定の生理機能(たとえば、アポトーシス、ストレス応答)に関連する遺伝子のオリゴヌクレオチド、特定の病態(たとえば、癌、心臓血管疾患)に関連する遺伝子のオリゴヌクレオチド、ならびにヌクレオチド配列などの情報を含みうる。
【0605】
いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。酵素リクエストとしては、限定されないが、酵素名、ポリペプチド配列、酵素のクラス、EC番号、ポリペプチド共通配列、保存ドメイン名および/もしくは配列または複数の関連タンパク質(たとえば、同じタンパク質ファミリーに属するタンパク質)、あるいはこれらの任意の組合せを挙げることができる。基質リクエストとしては、限定されないが、基質名、基質の官能基、基質のクラス、特定のEC番号を有する1つ以上の酵素に対する1つ以上の基質、またはこれらの任意の組合せを挙げることができる。
【0606】
上記のように、標識は、検出可能な部分またはマーカーを含んでよく、これらは、たとえば、蛍光発光、吸光度、蛍光偏光、蛍光寿命、蛍光波長、吸収波長、ストークス(Stokes)シフト、光散乱、質量、分子量、酸化還元、音波、ラマン(Raman)、磁気、無線周波数、酵素反応(化学発光および電気-化学発光を含む)またはこれらの組合せに基づいて検出することができる。たとえば、標識は、蛍光団、発色団、酵素、酵素基質、触媒、レドックス標識、放射標識、音波標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ(たとえば、同位体として純粋な希土類元素)、磁気粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはこれらの任意の組合せであってもよい。いくつかの実施形態では、標識は、蛍光団(すなわち、蛍光標識、蛍光色素など)である。目的の蛍光団としては、限定されないが、分析用途(たとえば、フローサイトメトリー、イメージなど)での使用に好適な色素、たとえば、アクリジン色素、アントラキノン色素、アリールメタン色素、ジアリールメタン色素(たとえば、ジフェニールメタン色素)、クロロフィル含有色素、トリアリールメタン色素(たとえば、トリフェニルメタン色素)、アゾ色素、ジアゾニウム色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、不斉シアニン色素、キノン-イミン色素、アジン色素、ユーロジン(eurhodin)色素、サフラニン色素、インダミン、インドフェノール色素、フッ素色素、オキサジン色素、オキサゾン色素、チアジン色素、チアゾール色素、キサンテン色素、フルオレン色素、ピロニン色素、フッ素色素、ローダミン色素、フェナントリジン色素、ならびに前述の色素の2つ以上を組み合わせた色素(たとえば、同時に)、1つ以上のモノマー色素単位を有するポリマー色素ならびに前述の色素の2つ以上の混合物が挙げられる。多数の色素が、たとえば、Molecular Probes(Eugene,OR)、Dyomics GmbH(Jena,Germany)、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)、Sirigen,Inc.(Santa Barbara,CA)およびExciton(Dayton,OH)などの様々な供給元から市販されている。たとえば、蛍光団としては、以下のものが挙げられる:4-アセタミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;アクリジンならびにアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、およびアクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;アロフィコシアニン、フィコエリスリン、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタリミド-3,5ジスルホネート(ルシファーイエロー(Lucifer Yellow)VS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー(Brilliant Yellow);クマリンおよびクマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、Coumarin 120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクルアリン(Coumaran 151)などの誘導体;シアニンならびにシアノシン、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、およびCy7などの誘導体;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5’’-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド(Bromopyrogallol Red);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニル塩化物(DNS、塩化ダンシル);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン、ならびにエオシンおよびエオシンイソチオシアネートなどの誘導体;エリスロシン、ならびにエリスロシンBおよびエリスロシンイソチオシアネートなどの誘導体;エチジウム;フルオレセイン、ならびに5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、およびQFITC(XRITC)などの誘導体;フルオレサミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein)(GFP);リーフコーラル蛍光タンパク質(Reef Coral Fluorescent Protein)(RCFP);Lissamine(商標);リサミンローダミン(Lissamine rhodamine)、ルシファーイエロー(Lucifer Yellow);マラカイトグリーン(Malachite Green)イソチオシアネート;4-メチルウムベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;ナイルレッド(Nile Red);オレゴングリーン(Oregon Green);フェノールレッド(Phenol Red);B-フィコエリスリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン、ならびにピレン、ピレンブチレートおよびスクシンイミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;Reactive Red 4(Cibacron(登録商標)Brilliant Red 3B-A);ローダミン、ならびに6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリザミン(lissamine)、ローダミンBスルホニル塩化物、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(Texas Red)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、およびテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)などの誘導体;リボフラビン;ロゾール酸およびテルビウムキレート誘導体;キサンテン;フルオレセインイソチオシアネート-デキストランなどの色素共役ポリマー(すなわち、ポリマー結合色素)、ならびに2つ以上の色素を組み合わせた色素(たとえば、同時に)、1つ以上のモノマー色素単位を有するポリマー色素および前述した色素の2つ以上の混合物またはこれらの組合せ。
【0607】
いくつかの事例では、蛍光団(すなわち、色素)は、蛍光ポリマー色素である。対象の方法およびシステムで有用な蛍光ポリマー色素は変わりうる。本方法のいくつかの事例では、ポリマー色素は、共役ポリマーを含む。
【0608】
共役ポリマー(CP)は、不飽和結合(たとえば、二重および/または三重結合)と飽和結合(たとえば、単一結合)が交互に並ぶ骨格を含む非局在化電子構造を特徴とし、ここで、π-電子は、1つの結合から他の結合へと移動することができる。従って、共役骨格は、ポリマー色素上に長い線状構造を付与することができ、ポリマーの反復単位間の結合角度は限定される。たとえば、タンパク質と核酸は、ポリマーでもあるが、いくつかのケースでは、長いロッド構造を形成するのではなく、高次三次元形状に折り畳まれる。さらに、CPは、「剛体ロッド」ポリマー骨格を形成して、ポリマー骨格鎖に沿って、モノマー反復単位の間に限定的なねじり角度(たとえば、ねじれ)を被りうる。いくつかの事例では、ポリマー色素は、剛体ロッド構造を有するCPを含む。上に要約したように、ポリマー色素の構造特性は、分子の蛍光特性に影響を及ぼしうる。
【0609】
任意の好都合なポリマー色素を対象の方法およびシステムで使用することができる。いくつかの事例では、ポリマー色素は、蛍光団の蛍光出力を増幅するために光を捕集することができる構造を有する多発色団である。いくつかの事例では、ポリマー色素は、光を捕集して、それをより長い波長の放射光に効率的に変換することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、エネルギーを近接する発光種(たとえば、「シグナル伝達発色団」)に効率的に移動することができる集光多発色団システムを有する。エネルギー移動のための機構としては、たとえば、共鳴エネルギー移動(たとえば、フェルスター(Forster)(または蛍光)共鳴エネルギー移動、FRET)、量子荷電交換反応(デクスター(Dexter)エネルギー移動)などが挙げられる。いくつかの事例では、これらのエネルギー移動機構は、相対的に短距離である;すなわち、シグナル伝達発色団に対して集光多発色団システムが近接しているために、効率的なエネルギー移動が可能になる。効率的エネルギー移動のための条件下で、集光多発色団システム中に個々の発色団の数が多いとき、シグナル伝達発色団からの発光の増幅が起こる;すなわち、シグナル伝達発色団からの発光は、入射光(「励起光」)が、集光多発色団システムによって吸収される波長であるとき、シグナル伝達発色団がポンプ光によって直接励起されるときよりも強度が高くなる。
【0610】
多発色団は、共役ポリマーであってもよい。共役ポリマー(CP)は、非局在化電子構造を特徴とし、化学および生物学的標的の高度応答性の光リポータとして用いることができる。有効な共役長さは、ポリマー鎖の長さより実質的に短いため、骨格は、密接した多数の共役セグメントを含む。従って、共役ポリマーは、集光する上で効率的であり、エネルギー移動を介した光増幅を可能にする。
【0611】
いくつかの事例では、ポリマーは、直接蛍光リポータ、たとえば、高い消散係数、高い輝度などを有する蛍光ポリマーとして使用することもできる。一部の事例では、ポリマーは、強力な発色団として使用することもでき、この場合、色または光学密度が指標として用いられる。
【0612】
目的のポリマー色素としては、限定されないが、米国特許出願公開第20040142344号明細書、同第20080293164号明細書、同第20080064042号明細書、同第20100136702号明細書、同第20110256549号明細書、同第20120028828号明細書、同第20120252986号明細書、同第20130190193号明細書および同第20160025735号明細書(その開示内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)においてGaylord et al.により;ならびにGaylord et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp 6417-6418;Feng et al.,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419;およびTraina et al.,J.Am.Chem.Soc.,2011,133(32),pp 12600-12607(その開示内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている色素が挙げられる。
【0613】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、共役系を形成する複数の第1光学活性ユニットを含む共役ポリマーを含み、これは、第1光学活性ユニットが、光を吸収して、励起状態を形成する第1吸収波長(たとえば、本明細書に記載するもの)を有する。共役ポリマー(CP)は、ポリカチオン性、ポリアニオン性および/または電荷中性共役ポリマーであってもよい。
【0614】
CPは、生物学的サンプルに使用するために水溶性であってもよい。水溶性を高めるために、ポリマー色素中に、親水性置換基、たとえば、親水性ポリマー、または荷電置換基、たとえば、水溶液中、たとえば、生理的条件下で、正もしくは負の電荷を帯びた基などの任意の好都合な置換基を含有させてもよい。対象の集光多発色団に任意の好都合な水溶性基(WSG)を使用してもよい。「水溶性基」という用語は、水性環境において十分に溶媒和され、しかも、それが結合する分子に改善された水溶性を付与する官能基を指す。いくつかの実施形態では、WSGは、WSGが欠如した多発色団と比較して、ほぼ水性の溶液(たとえば、本明細書に記載するもの)中での多発色団の溶解度を高める。水溶性基は、水性環境中に十分に溶媒和されるいずれの好都合な親水性基であってもよい。いくつかの実施形態では、水溶性基は荷電されており、たとえば、正もしくは負荷電されているか、または双性イオン性である。いくつかの実施形態では、親水性基は、中性親水性基である。いくつかの実施形態では、WSGは、親水性ポリマー、たとえば、ポリエチレングリコール、セルロース、キトサン、またはそれらの誘導体である。
【0615】
本明細書で用いられる場合、「ポリエチレンオキシド」、「PEO」、「ポリエチレングリコール」および「PEG」という用語は、置き換え可能に用いられて、式-(CH2-CH2-O-)n-により表される鎖を含むポリマーまたはその誘導体を指す。いくつかの実施形態では、「n」は、5000以下、たとえば、1000以下、500以下、200以下、100以下、50以下、40以下、30以下、20以下、15以下、たとえば5~15、または10~15である。PEGポリマーは、任意の好都合な長さであってよく、限定されないが、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アシル、アシルオキシ、およびアミノ末端基をはじめとする様々な末端基を含みうることは理解される。対象の多発色団での使用に合わせて改変されうる官能基化PEGとして、S.Zalipskyにより“Functionalized poly(ethylene glycol) for preparation of biologically relevant conjugates”,Bioconjugate Chemistry 1995,6(2),150-165に記載されているPEGが挙げられる。目的の水溶性基としては、限定されないが、以下のものが挙げられる:カルボン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、エステル、ポリエチレングリコール(PEG)および修飾PEG、ヒドロキシル、アミン、アンモニウム、グアニジニウム、ポリアミンおよびスルホニウム、ポリアルコール、直鎖もしくは環状糖、1級、2級、3級、もしくは4級アミンおよびポリアミン、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、アスコルビン酸基、グリコール、たとえば、ポリエーテル、-COOM’、-SO3M’、-PO3M’、-NR3
+、Y’、(CH2CH2O)pRおよびそれらの混合物(ここで、Y’は、任意のハロゲン、硫酸塩、スルホン酸塩、もしくは酸素含有アニオンであってよく、pは、1~500であってよく、各Rは、独立にHもしくはアルキル(メチルなど)であってよく、M’は、カチオン性対イオンもしくは水素、-(CH2CH2O)yyCH2CH2XRyy、-(CH2CH2O)yyCH2CH2X-、-X(CH2CH2O)yyCH2CH2-、グリコール、およびポリエチレングリコールであってよく、式中、yyは、1~1000から選択され、Xは、O、S、およびNRZZから選択され、RZZおよびRYYは、独立にHおよびC1~3アルキルから選択される)。
【0616】
ポリマー色素は、任意の好都合な長さを有してよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のモノマー反復単位もしくはセグメントの具体的な数は、2~500,000、たとえば、2~100,000、2~30,000、2~10,000、2~3,000または2~1,000単位もしくはセグメント、あるいは100~100,000、200~100,000、または500~50,000単位もしくはセグメントの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のモノマー反復単位もしくはセグメントの数は、2~1000単位もしくはセグメント、たとえば2~750単位もしくはセグメント、たとえば2~500単位もしくはセグメント、たとえば2~250単位もしくはセグメント、たとえば2~150単位もしくはセグメント、たとえば2~100単位もしくはセグメント、たとえば2~75単位もしくはセグメント、たとえば2~50単位もしくはセグメント、ならびに2~25単位もしくはセグメントを含む範囲内であってよい。
【0617】
ポリマー色素は、任意の好都合な分子量(MW)であってよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のMWは、平均分子量として表すことができる。いくつかの事例では、ポリマー色素は、500~500,000、たとえば1,000~100,000、2,000~100,000、10,000~100,000の平均分子量、あるいは50,000~100,000の平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、70,000の平均分子量を有する。
【0618】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、下記の構造:
【化1】
を含み、
式中、CP
1、CP
2、CP
3およびCP
4は、独立に共役ポリマーセグメントまたはオリゴマー構造であり、ここで、1つ以上のCP
1、CP
2、CP
3およびCP
4は、バンドギャップ修飾n共役反復単位である。
【0619】
いくつかの実施形態では、共役ポリマーは、種々の共役ポリマーの中でも、ポリフルオレン共役ポリマー、ポリフェニレンビニレン共役ポリマー、ポリフェニレンエーテル共役ポリマー、ポリフェニレンポリマーである。
【0620】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、下記の構造:
【化2】
を含み、
式中、各R
1は、独立に、可溶化基またはリンカー-色素であり;L
1およびL
2は、任意選択のリンカーであり;各R
2は、独立に、Hまたはアリール置換基であり;各A
1およびA
2は、独立に、H、アリール置換基または蛍光団であり;G
1およびG
2は、各々独立に、末端基、π共役セグメント、リンカーおよびリンカー特異的結合メンバーからなる群から選択され;各nおよび各mは、独立に、0または1~10,000の整数であり;pは、1~100,000の整数である。目的の可溶化基として、限定されないが、親水性ポリマー(たとえば、ポリアルキレンオキシド、セルロース、キトサンなど)といった水溶性官能基、ならびにポリアルキレンオキシド(たとえば、2~20単位のPEGを含むポリエチルグリコール)、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ならびに荷電(正、負荷電もしくは双性イオン性)親水性水溶性基などの親水性基でさらに置換されたアルキル、アリールおよび複素環基などが挙げられる。
【0621】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、ポリマー骨格の一部として、下記の構造:
【化3】
の1つを有する共役セグメントを含み、
式中、各R
3は、独立に、親水性ポリマー(たとえば、ポリアルキレンオキシド、セルロース、キトサンなど)といった任意選択で置換された水溶性官能基、またはポリアルキレンオキシド(たとえば、2~20単位のPEGを含むポリエチルグリコール)、アンモニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ならびに荷電(正、負荷電もしくは双性イオン性)親水性水溶性基などの親水性基でさらに置換されたアルキルもしくはアリール基であり;Arは、任意選択で置換されたアリールまたはヘテロアリール基であり;nは、1~10000である。いくつかの実施形態では、R3は、任意選択で置換されたアルキル基である。いくつかの実施形態では、R
3は、任意選択で置換されたアリール基である。いくつかの実施形態では、R
3は、ポリエチレングリコール、色素、化学選択的官能基または特異的結合部分で置換される。いくつかの実施形態では、Arは、ポリエチレングリコール、色素、化学選択的官能基または特異的結合部分で置換される。
【0622】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、下記の構造:
【化4】
を含み、
式中、各R
1は、可溶化基またはリンカー色素基であり;各R
2は、独立に、Hまたはアリール置換基であり;L
1およびL
2は、任意選択のリンカーであり;各A1およびA3は、独立に、H、蛍光団、官能基または特異的結合部分(たとえば、抗体)であり;nおよびmは、各々独立に、0~10,000の整数であり、ここで、n+m>1である。
【0623】
ポリマー色素は、特定の吸収最大波長、特定の発光極大波長、消散係数、量子収量などの1つまたは複数の望ましい分光特性を有しうる(たとえば、Chattopadhyay et al.,“Brilliant violet fluorophores: A new class of ultrabright fluorescent compounds for immunofluorescence experiments.”Cytometry Part A,81A(6),456-466,2012を参照されたい)。
【0624】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの間に吸収曲線を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの範囲内に吸収極大を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの範囲内の波長を有する入射光を吸収し、目的の吸収極大の具体的な例として、限定されないが、348nm、355nm、405nm、407nm、445nm、488nm、640nmおよび652nmが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、280~310nm、305~325nm、320~350nm、340~375nm、370~425nm、400~450nm、440~500nm、475~550nm、525~625nm、625~675nmおよび650~750nmからなる群から選択される範囲内の吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、348nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、355nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、405nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、407nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、445nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、488nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、640nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、652nmの吸収極大波長を有する。
【0625】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、400~850nm、たとえば415~800nmの発光極大波長を有し、目的の吸収極大の具体的な例として、限定されないが、以下:395nm、421nm、445nm、448nm、452nm、478nm、480nm、485nm、491nm、496nm、500nm、510nm、515nm、519nm、520nm、563nm、570nm、578nm、602nm、612nm、650nm、661nm、667nm、668nm、678nm、695nm、702nm、711nm、719nm、737nm、785nm、786nm、805nmが挙げられる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、380~400nm、410~430nm、470~490nm、490~510nm、500~520nm、560~580nm、570~595nm、590~610nm、610~650nm、640~660nm、650~700nm、700~720nm、710~750nm、740~780nmおよび775~795nmからなる群から選択される範囲内の発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、395nmの発光極大を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、421nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、478nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、480nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、485nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、496nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、510nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、570nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、602nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、650nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、711nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、737nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、750nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、786nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、421±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、510±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、570±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、602±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、650±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、711±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、786±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nmおよび786nmからなる群から選択される発光極大を有する。
【0626】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、1×106cm-1M-1以上、たとえば2×106cm-1M-1以上、2.5×106cm-1M-1以上、3×106cm-1M-1以上、4×106cm-1M-1以上、5×106cm-1M-1以上、6×106cm-1M-1以上、7×106cm-1M-1以上、または8×106cm-1M-1以上の消散係数を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.05以上の量子収量、たとえば0.1以上、0.15以上、0.2以上、0.25以上、0.3以上、0.35以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、0.95以上、0.99以上で、0.999以上も含まれる、量子収量を有する。たとえば、目的のポリマー色素の量子収量は、0.05~1、たとえば0.1~0.95、たとえば0.15~0.9、たとえば0.2~0.85、たとえば0.25~0.75、たとえば0.3~0.7で、0.4~0.6の量子収量も含まれる、範囲であってよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.1以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.3以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.5以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.6以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.7以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.8以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.9以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.95以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、1×106以上の消散係数および0.3以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、2×106以上の消散係数および0.5以上の量子収量を有する。
【0627】
いくつかの実施形態では、標識は、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含む。酵素は、酵素基質を対応する修飾酵素基質に修飾することができる。いくつかの実施形態では、酵素は、以下:Enzyme Commission(EC)1オキシドレダクターゼ(たとえば、デヒドロゲナーゼもしくはオキシダーゼ);EC2トランスフェラーゼ(たとえば、トランスアミナーゼもしくはキナーゼ);EC3ヒドロラーゼ(たとえば、リパーゼ、アミラーゼ、もしくはペプチダーゼ);EC4リアーゼ(たとえば、デカルボキシラーゼ);EC5イソメラーゼ(たとえば、イソメラーゼもしくはムターゼ);またはEC6リガーゼ(たとえば、シンテターゼ)であるか、あるいはこれらを含みうる。
【0628】
いくつかの実施形態では、酵素は、供与体のCH-OH基に作用するEC1.1オキシドレダクターゼ;供与体のアルデヒドもしくはオキソ基に作用するEC1.2オキシドレダクターゼ;供与体のCH-CH基に作用するEC1.3オキシドレダクターゼ;供与体のCH-NH(2)基に作用するEC1.4オキシドレダクターゼ;供与体のCH-NH基に作用するEC1.5オキシドレダクターゼ;NADHもしくはNADPHに作用するEC1.6オキシドレダクターゼ;供与体としての他の窒素化合物に作用するEC1.7オキシドレダクターゼ;供与体のイオウ基に作用するEC1.8オキシドレダクターゼ;供与体のヘメ基に作用するEC1.9オキシドレダクターゼ;供与体としてのジフェノールおよび関連物質に作用するEC1.10オキシドレダクターゼ;金属イオンを酸化するEC1.16オキシドレダクターゼ;CHもしくはCH(2)基に作用するEC1.17オキシドレダクターゼ;供与体としての鉄-イオウタンパク質に作用するEC1.18オキシドレダクターゼ;供与体としての還元フラボドキシンに作用するEC1.19オキシドレダクターゼ;供与体中のリンもしくはヒ素に作用するEC1.20オキシドレダクターゼ;反応X-H+Y-H=‘X-Y’を触媒するEC1.21オキシドレダクターゼ;供与体中のハロゲンに作用するEC1.22オキシドレダクターゼ;受容体としてのC-O-C基を還元するEC1.23オキシドレダクターゼ;またはEC1.97の他のオキシドレダクターゼであるか、あるいはこれらを含みうる。
【0629】
いくつかの実施形態では、酵素は、基質と共に1炭素基を転移させるEC2.1トランスフェラーゼ;DNA、RNA、カテコール;アルデヒドもしくはケトン基を転移させるEC2.2トランスフェラーゼ;EC2.3アシルトランスフェラーゼ;EC2.4グリコシルトランスフェラーゼ;メチル基以外のアルキルもしくはアリール基を転移させるEC2.5トランスフェラーゼ;窒素基を転移させるEC2.6トランスフェラーゼ;リン含有基を転移させるEC2.7トランスフェラーゼ;イオウ含有基を転移させるEC2.8トランスフェラーゼ;セレニウム含有基を転移させるEC2.9トランスフェラーゼ;またはモリブデンもしくはタングステン含有基を転移させるEC2.10トランスフェラーゼであるか、あるいはこれらを含みうる。
【0630】
いくつかの実施形態では、酵素は、エステル結合に作用するEC3.1ヒドロラーゼ;EC3.2グリコシラーゼ;エーテル結合に作用するEC3.3ヒドロラーゼ;ペプチド結合(ペプチダーゼ)に作用するEC3.4ヒドロラーゼ;ペプチド結合以外の炭素-窒素結合に作用するEC3.5ヒドロラーゼ;酸無水物に作用するEC3.6ヒドロラーゼ;炭素-炭素結合に作用するEC3.7ヒドロラーゼ;ハライド結合に作用するEC3.8ヒドロラーゼ;リン-窒素結合に作用するEC3.9ヒドロラーゼ;イオウ-窒素結合に作用するEC3.10ヒドロラーゼ;炭素-リン結合に作用するEC3.11ヒドロラーゼ;イオウ-イオウ結合に作用するEC3.12ヒドロラーゼ;または炭素-イオウ結合に作用するEC3.13ヒドロラーゼであるか、あるいはこれらを含みうる。
【0631】
いくつかの実施形態では、酵素は、グリコシルヒドロラーゼ(バイオ燃料の生産のために植物バイオマスを分解する上で有用な酵素)、アミノトランスフェラーゼ(バイオマニュファクチャリングに重要な有機小分子もしくはタンパク質の結合および輸送に関与するタンパク質)、ATP結合カセット(ABC)輸送タンパク質(バイオレメディエーションに潜在的な影響を有する土壌微生物の代謝に関与するタンパク質)の溶質結合タンパク質、またはこれらの任意の組合せであるか、あるいはこれらを含みうる。
【0632】
いくつかの実施形態では、酵素は、EC4.1炭素-炭素リアーゼ;EC4.2炭素-酸素リアーゼ;EC4.3炭素-窒素リアーゼ;EC4.4炭素-イオウリアーゼ;EC4.5炭素-ハライドリアーゼ;EC4.6リン-酸素リアーゼ;EC4.7炭素-リンリアーゼ;またはEC4.99の他のリアーゼであるか、あるいはこれらを含みうる。
【0633】
いくつかの実施形態では、酵素は、炭素-酸素結合を形成するEC6.1リアーゼ;炭素-イオウ結合を形成するEC6.2リアーゼ;炭素-窒素結合を形成するEC6.3リアーゼ;炭素-炭素結合を形成するEC6.4リアーゼ;リン酸エステル結合を形成するEC6.5リアーゼ;または窒素-金属結合を形成するEC6.6リアーゼであるか、あるいはこれらを含みうる。
【0634】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、対応する修飾酵素基質とは、少なくとも1つの官能基が異なりうる。少なくとも1つの官能基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはこれらの任意の組合せでありうる。
【0635】
いくつかの実施形態では、酵素は、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはこれらの組合せを含みうる。
【0636】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミン(aminic)酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキサオシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソン酸塩、オリゴ糖、ペクチン酸塩、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはこれらの任意の組合せを含みうる。標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含みうる。
【0637】
標識生体分子試薬は、活性化生体分子を活性化標識に結合させることによって調製される。「活性化」という用語は、本明細書で用いられる場合、反応性リンカーもしくは反応性部分を有する生体分子または標識を指し、これは、適切な条件下で実施されると、第2反応性リンカーもしくは第2反応性部分と反応して、たとえば、イオン結合(電荷-電荷相互作用)、非共有結合(たとえば、双極子-双極子もしくは電荷-双極子)または共有結合などの化学結合を形成する。いくつかの実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーまたは部分は、活性化標識の反応性リンカーまたは部分と反応して、イオン結合を生成する。別の実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーまたは部分は、活性化標識の反応性リンカーまたは部分と反応して、非共有結合を生成する。また別の実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーまたは部分は、活性化標識の反応性リンカーまたは部分と反応して、共有結合を生成する。
【0638】
いくつかの実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーまたは部分は、活性化標識の反応性リンカーまたは部分と反応して、共有結合を生成する。活性化生体分子の反応性リンカーと活性化標識の反応性リンカーとの間に共有結合を形成するための任意の好都合なプロトコルを使用してよく、そうしたものとして、限定されないが、種々の結合形成反応の中でも、付加反応、脱離反応、置換反応、ペリ環状反応、光化学反応、酸化還元反応、ラジカル反応、カルベン(carbene)中間体を介した反応、メタセシス反応が挙げられる。いくつかの実施形態では、活性化生体分子は、反応性結合ケミストリーによって活性化標識に共役させてもよく、たとえば、この場合、反応性リンカーペアとして、限定されないが、以下のものが挙げられる:マレイミド/チオール;チオール/チオール;ピリジルジチオール/チオール;ヨード酢酸スクシンイミジル/チオール;N-スクシンイミジルエステル(NHSエステル)、スルホジクロロフェノール(sulfodicholorphenol)エステル(SDPエステル)、またはペンタフルオロフェニル-エステル(PFPエステル)/アミン;ビススクシンイミジルエステル/アミン;イミドエステル/アミン;ヒドラジンもしくはアミン/アルデヒド、ジアルデヒドまたはベンズアルデヒド;イソシアネート/ヒドロキシルまたはアミン;炭水化物-過ヨウ素酸塩/ヒドラジンまたはアミン;ジアジリン/アリールアジドケミストリー;ピリジルジチオール/アリールアジドケミストリー;アルキン/アジド;カルボキシ-カルボジイミド/アミン;アミン/スルホ-SMCC(スルホスクシンイミジル4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレート)/チオールおよびアミン/BMPH(N-[β-マレイミドプロピオン酸]ヒドラジド.TFA)/チオール;アジド/トリアリールホスフィン;ニトロン/シクロオクチン;アジド/テトラジンおよびホルミルベンズアミド/ヒドラジノ-ニコチンアミド。いくつかの実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーと活性化標識の反応性リンカーは、環状付加反応、たとえば、[1+2]-環状付加反応、[2+2]-環状付加、[3+2]-環状付加反応、[2+4]-環状付加、[4+6]-環状付加、または1,3-双極性環状付加(たとえば、アジド-アルキンヒュスゲン環状付加)を被るリンカーを含むキレトロピー反応、ディールス・アルダー(Diels-Alder)反応、逆電子要請型ディールス・アルダー(Diels-Alder)環状付加、エン反応または[2+2]光化学環状付加反応を被る。
【0639】
いくつかの実施形態では、生体分子リクエストおよび標識リクエストは、活性化生体分子および活性化標識の反応性リンカーに関する情報またはデータを含む。たとえば、生体分子リクエストおよび標識リクエストは、反応性リンカーの名称、化学構造、反応性リンカーの構造記述もしくは反応性リンカーCAS番号に関する情報またはデータを含みうる。いくつかの実施形態では、生体分子リクエストおよび標識リクエストは、反応性リンカーペアの名称を含み、たとえば、反応性リンカーペアは、以下:マレイミド/チオール;チオール/チオール;ピリジルジチオール/チオール;ヨード酢酸スクシンイミジル/チオール;N-スクシンイミジルエステル(NHSエステル)、スルホジクロロフェノール(sulfodicholorphenol)エステル(SDPエステル)、またはペンタフルオロフェニル-エステル(PFPエステル)/アミン;ビススクシンイミジルエステル/アミン;イミドエステル/アミン;ヒドラジンもしくはアミン/アルデヒド、ジアルデヒドまたはベンズアルデヒド;イソシアネート/ヒドロキシルまたはアミン;炭水化物-過ヨウ素酸塩/ヒドラジンまたはアミン;ジアジリン/アリールアジドケミストリー;ピリジルジチオール/アリールアジドケミストリー;アルキン/アジド;カルボキシ-カルボジイミド/アミン;アミン/スルホ-SMCC(スルホスクシンイミジル4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレート)/チオールおよびアミン/BMPH(N-[β-マレイミドプロピオン酸]ヒドラジド.TFA)/チオール;アジド/トリアリールホスフィン;ニトロン/シクロオクチン;アジド/テトラジンおよびホルミルベンズアミド/ヒドラジノ-ニコチンアミド;ジエン/ジエノフィル;ならびに1,3-双極子/親双極子から選択されてもよい。
【0640】
いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む。酵素リクエストとしては、限定されないが、酵素名、ポリペプチド配列、酵素のクラス、EC番号、ポリペプチド共通配列、保存ドメイン名および/もしくは配列または複数の関連タンパク質(たとえば、同じタンパク質ファミリーに属するタンパク質)、あるいはこれらの任意の組合せを挙げることができる。基質リクエストとしては、限定されないが、基質名、基質の官能基、基質のクラス、特定のEC番号を有する1つ以上の酵素に対する1つ以上の基質、またはこれらの任意の組合せを挙げることができる。
【0641】
入力マネージャは、標識生体分子のリクエストを受けるように構成される。標識生体分子試薬リクエストを受けるために、入力マネージャは、グラフィカルユーザインターフェースに作動的に接続されており、ここに1つまたは複数の標識生体分子試薬リクエストが入力される。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、インターネットウェブサイトメニューインターフェースに(たとえば、遠隔地で)入力され、インターネットまたはローカルエリアネットワークを通じて入力マネージャに伝達される。いくつかの実施形態では、入力マネージャは、複数の標識生体分子試薬リクエストを受けるように構成される。たとえば、入力マネージャは、2つ以上の標識生体分子試薬リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば10以上、ならびにたとえば25以上の標識生体分子試薬リクエストを受けるように構成されうる。
【0642】
標識生体分子試薬のリクエストが、単一の構成要素しか含まず、それが標識生体分子リクエストである場合、入力マネージャは、2つ以上の標識生体分子リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば25以上を含め、10以上の標識生体分子リクエストを受けるように構成されうる。標識生体分子試薬リクエストが、2つの構成要素、たとえば、生体分子リクエストと標識リクエストを含む場合、入力マネージャは、2つ以上の生体分子リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば25以上を含め、10以上の生体分子リクエストを受けるように構成され、かつ2つ以上の標識リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば25以上を含め、10以上の標識リクエストを受けるように構成されうる。いくつかの実施形態では、入力マネージャは、単一の生体分子リクエストと単一の標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受けるように構成される。いくつかの実施形態では、入力マネージャは、単一の生体分子リクエストと複数の異なる標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受けるように構成される。またいくつかの実施形態では、入力マネージャは、複数の異なる生体分子リクエストと単一の標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受けるように構成される。さらにいくつかの実施形態では、入力マネージャは、複数の異なる生体分子リクエストと複数の異なる標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受けるように構成される。入力マネージャは、1人ユーザまたは複数の異なるユーザ、たとえば2人以上の異なるユーザ、たとえば5人以上の異なるユーザ、たとえば10人以上の異なるユーザ、たとえば100人以上の異なるユーザを含め、25人以上の異なるユーザからの標識生体分子リクエストを受けるように構成される。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストおよび基質リクエストを含む。
【0643】
いくつかの実施形態では、入力マネージャは、リクエストされる標識生体分子試薬の所望量に対応する数量リクエストを受けるように構成される。数量リクエストは、数値および単位(たとえば、μg、μモル、μMなど)値をテキストボックスに分類し、適切な数値および単位値に対応するチェックボックスを選択するか、または第1ドロップダウンメニューから数値を、第2ドロップダウンメニューから単位値を選択することによって入力されうる。
【0644】
いくつかの実施形態では、入力マネージャは、標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーの1つまたは複数の検索可能なデータベース(たとえば、カタログ)に作動的に接続される。いくつかの実施形態では、入力マネージャは、標識生体分子のデータベースを含む。いくつかの実施形態では、入力マネージャは、活性化生体分子および活性化標識のデータベースを含む。またいくつかの実施形態では、入力マネージャは、生体分子、標識および反応性リンカーのデータベースを含む。
【0645】
標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーの各データベースの全部または一部は、リスト、ドロップダウンメニューもしくはその他の構成(たとえば、タイル)などのグラフィカルユーザインターフェース上に表示することができる。たとえば、グラフィカルユーザインターフェースは、各々標識された生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーのリストを同時に(たとえば、単一スクリーンに)表示しうるか、または標識生体分子試薬リクエストの各構成要素についてのドロップダウンメニューを含みうる。別の実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、情報を適切なテキストフィールドに入力し、チェックボックスを選択し、ドロップダウンメニューから1つ以上の項目を選択することにより、またはこれらの組合せを使用して提供される。
【0646】
一例において、グラフィカルユーザインターフェースは、ドロップダウンメニューから1つまたは複数の標識生体分子を選択することによって標識生体分子試薬リクエストを入力するためのドロップダウンメニューを含む。別の例では、グラフィカルユーザインターフェースは、第1および第2ドロップダウンメニューから1つまたは複数の生体分子および1つまたは複数の標識を選択することによって生体分子リクエストを入力するための第1ドロップダウンメニューと、標識リクエストを入力するための第2ドロップダウンメニューとを含む。また別の例では、グラフィカルユーザインターフェースは、ドロップダウンメニューから1つまたは複数の生体分子、1つまたは複数の標識および1つまたは複数の反応性リンカーを選択することによって生体分子リクエストを入力するための第1ドロップダウンメニューと、標識リクエストを入力するための第2ドロップダウンメニューと、反応性リンカーを入力するための第3ドロップダウンメニューとを含む。
【0647】
さらに別の例では、グラフィカルユーザインターフェースは、第1および第2ドロップダウンメニューから1つまたは複数の活性化生体分子および1つまたは複数の活性化リンカーを選択することによって活性化生体分子リクエストを入力するための第1ドロップダウンメニューと、活性化標識リクエストを入力するための第2ドロップダウンメニューとを含む。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。グラフィカルユーザインターフェースは、活性化生体分子リクエストを入力するための第1ドロップダウンメニューと、活性化酵素リクエストを入力するための第2ドロップダウンメニューと、酵素基質を入力するための第3ドロップダウンメニューとを含みうる。グラフィカルユーザインターフェースは、活性化生体分子リクエストを入力するための第1ドロップダウンメニューと、活性化基質を入力するための第2ドロップダウンメニューと、酵素を入力するための第3ドロップダウンメニューとを含みうる。
【0648】
別の例において、グラフィカルユーザインターフェースは、データベースで入手可能な標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーのリストを含む。たとえば、グラフィカルユーザインターフェースは、1つ以上のスクリーンに、各標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーのリストを同時に表示しうるか、または標識生体分子試薬リクエストの各構成要素についてのドロップダウンメニューを含みうる。いくつかの実施形態では、全ての入手可能な標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーのリストは、単一ページに表示される。いくつかの実施形態では、全ての入手可能な標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーのリストは、複数のページ、たとえば2ページ以上、たとえば3ページ以上、たとえば5ページ以上、たとえば25ページ以上を含め、10ページ以上に表示される。またいくつかの実施形態では、全ての入手可能な標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーのリストは、各々、個別のドロップダウンメニューにおいて単一ページに表示される。
【0649】
図15は、いくつかの実施形態に従う標識生体分子試薬のリクエストを伝達するためのグラフィカルユーザインターフェースを描く。標識生体分子試薬リクエストを伝達するために、ユーザは、リクエストフォーム1500に生体分子リクエストと標識リクエストを入力する。標識リクエストは、ドロップダウンメニュー1501aから検出可能なマーカー(たとえば、蛍光団)を選択することによって入力され、生体分子リクエストは、ドロップダウンメニュー1501bから生体分子(たとえば、抗体プローブ)を選択することによって入力される。リクエストフォーム1500はまた、微生物中の所望量の標識生体分子試薬に対応する数量リクエスト1502を入力するためのテキストボックスも含む。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。
【0650】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0651】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0652】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0653】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0654】
いくつかの実施形態では、入力マネージャは、標的生体分子試薬リクエストを検索する、付加もしくは修飾するため、ならびにユーザクエリー(たとえば、グラフィカルユーザインターフェースにローカルで入力されたか、またはインターネットもしくはローカルエリアネットワークで、遠隔地から入力される)に応答するための検索エンジンを含む。いくつかの実施形態では、システムメモリ中の各永続的オブジェクトは、システムデータベース内の関連表を有し、オブジェクト属性が表コラムにマッピングされる。さらに別の態様では、各オブジェクトは、そのオブジェクトをデータベース内の表に結合するオブジェクト関係マッピングファイルを有する。
【0655】
オブジェクトはまた、相互にも関連付けられ、この関連付けは、表同士の関係としてマッピングされる。さらに、オブジェクトは、たとえば1対1、1対多、多対1および多対多などの多数の異なる関係によっても互いに関連付けられる。ユーザクエリーに提供される検索基準は、あるオブジェクトに関連する属性もしくは特性の記述またはこれらの属性に対応する値による記述を含みうる。
【0656】
また、関係は、検索基準として使用することもできる。基本的な検索基準は、オブジェクトの属性に依存する可能性があり、アドバンス検索基準は、たとえば関連オブジェクトの特性を検索することによって、オブジェクトと他のオブジェクトとの関連に依存しうる。いくつかの実施形態では、目的の検索エンジンは、ファインダーフレームワークを含み、これは、複数の検索可能な条件(たとえば、全ての考えられるクエリー可能な条件)を構築することになる。ユーザが、検索しようとする実体またはオブジェクトを指定すると、フレームワークは、そのオブジェクトについて全ての考えられる検索条件を生成した後、ユーザにより選択された条件通りの結果を付与する。
【0657】
検索エンジンを用いて、システムのユーザは、入手可能な標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識および反応性リンカーを検索することができる。検索エンジンはまた、ペンディングまたは完了した標識生体分子試薬リクエストを検索するようにも構成される。加えて、ユーザは、興味深いと思われる標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識および反応性リンカーを問い合わせ、見出すために、検索エンジンを使用することができる。たとえば、ユーザは、光の予定波長の蛍光により検出可能な特異抗原プローブまたは標識として機能する特定の生体分子を検索することができる。検索条件は、様々なオブジェクトで異なる可能性があり、一事例では、一般的ファインダーフレームワークは、そうした検索のための一般的回答を付与する。
【0658】
いくつかの実施形態では、検索エンジンは、標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーを識別するために用いられるクエリーを構築し、クエリーを保存し、クエリーを修正し、および/またはクエリーを更新することができる。いくつかの実施形態では、検索結果は、共有、比較または修正されうる。いくつかの実施形態では、システムは、検索基準に適合する最大限の検索結果をグラフィカルユーザインターフェース上に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、検索結果は、ウェブページに表示され、これは、考えられる動作を可能にする能力を有する。こうした能力は、限定されないが、ユーザからの情報を受けるためのリンク、ボタン、ドロップダウンメニュー、フィールドなどを含みうる。特定の態様では、システムは、さらに、検索結果をフォーマットするための結果フォーマッタも含む(たとえば、ウェブページなどの適切なユーザインターフェースを構築する、リンクを指定し、動作(たとえば、「削除」、「編集」など)を画像、テキスト、ハイパーリンクおよび/または他の表示と関連付ける方法を提供する目的で。
【0659】
本システムは、検索対象のオブジェクトの検索基準もウェブページ上に表示しうる。一態様では、本システムは、ファインダーフレームワークから入力データを取得し、そのオブジェクトの検索基準を動的に示すウェブページを作成する。別の態様では、ファインダーフレームワークは、検索対象のオブジェクトの全ての考えられるクエリー可能な条件を作成する。これらの条件は、異なるフィールドとして検索ウェブページ上に表示される。ユーザは、これらのフィールドを選択することができ、それに対する値を指定して、検索を実行する。表示しようとするフィールドは、局在化された形態でそれらの標識を有する。フィールドは、「選択」ボックス、またはテキストボックスまたはテキストを入力するための他のエリアの形態であってもよい。たとえば、ユーザは、生体分子を検索することを要望しうる。検索可能なデータベース内の生体分子は、化合物名または配列番号(たとえば、アクセッション番号)などのクエリー可能な条件を含む。
【0660】
一実施形態では、検索エンジンは、データベース内の標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識および反応性リンカーの各々の検索を支援する。いくつかの実施形態では、本システムは、検索対象のオブジェクトの全てのクエリー可能な条件を作成するための一般的ファインダーフレームワークを提供する。こうした条件は、一般に、オブジェクトの特性および他のオブジェクトとのその関係に応じて変わりうる。別の実施形態では、ファインダーフレームワークは、これらの条件およびその順序について局在化されたフィールド名を検索し、それらをシステムメモリ(たとえば、objectdefinition.xmlファイル)に記憶する。一例では、フィールドは、ユーザが値を選択または入力することができる検索パラメータの集合としてファイルにそれらが記憶される順序で、検索ページ上に表示される。検索パラメータは、オブジェクトのリストの形態であってもよく、パラメータは、属性カテゴリーに関連しうる。たとえば、ユーザによる標識生体分子の検索に応答して、システムは、クエリー可能な条件:「標識生体分子の名称」、「検索に用いられるキーワード」、「作成者」、「修正者」、「修正日」、「アノテーション」などを表示しうる。ファインダーフレームワークは、クエリー可能な条件をコレクションの形態(これは、検索ページ上に表示することができる)に戻すことができ、これは、局在化された形態で、属性カテゴリーに対応する様々な検索フィールドを列記または表示する。ユーザは、これらのフィールドの値を入力し、たとえば、具体的な名称、構造、登録番号などを有する標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識および反応性リンカーの1つまたは複数の選択、具体的なキーワードの提供、所望のドメイン、作成者、修正日、アノテーションなどの識別を実施することができる。次に、システムは、検索条件を満たす標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーのリストを表示する。いくつかの実施形態では、本システムは、検索を実施するために用いられる基準に関する情報を表示する。
【0661】
一実施形態では、入力マネージャは、1つまたは複数の生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーを選択するための推奨を提供するように構成された標識生体分子設計プラットフォームを含む。いくつかの実施形態では、設計プラットフォームは、所望の標識生体分子の1つまたは複数のパラメータのユーザ入力に基づいて、1つまたは複数の生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーを選択するための推奨を提供するように構成される。たとえば、ユーザによって設計プラットフォームに入力されうる所望の標的生体分子のパラメータとしては、限定されないが、標識生体分子の所望の物理的特性(たとえば、分子量、融点、純度など);標識生体分子の所望の化学的特性(たとえば、化学構造、第2の標識生体分子に対する構造類似性、イオン性、溶媒和、加水分解、化学反応性、酵素反応性、結合親和性など);分光特性(たとえば、吸収波長範囲、吸収極大、発光波長範囲、発光極大、ストークスシフト、量子収量、モル消散係数など)が挙げられる。いくつかの実施形態では、設計プラットフォームは、標識生体分子の適用に基づいて、1つまたは複数の生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーを選択するための推奨を提供するように構成される。たとえば、設計プラットフォームは、使用される計器(たとえば、フローサイトメータ、蛍光分光計など)、計器構成、ならびに実験パラメータ(たとえば、細胞上の抗原密度などの標的存在量)に基づいて、標識生体分子の各構成要素を選択するための推奨を提供するように構成されうる。グラフィカルユーザインターフェースは、1つまたは複数の生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーを選択するための推奨を提供する目的で、設計プラットフォームにより使用されるデータを入力するための1つまたは複数のテキスト入力フィールドまたはドロップダウンメニューを含みうる。
【0662】
標識生体分子設計プラットフォームは、ユーザによって入力される情報(たとえば、標識生体分子の特性または標識生体分子の予想される用途)に基づいて、複数の異なる生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーについての推奨事項を提供するように構成されうる。
【0663】
たとえば、設計プラットフォームは、ユーザによって入力される情報に基づいて、2つ以上の異なる生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカー、たとえば3つ以上、たとえば4つ以上、たとえば5つ以上、たとえば10以上で、25以上も含まれる、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーを推奨するように構成されうる。
【0664】
いくつかの実施形態では、標識生体分子設計プラットフォームは、特定の用途(たとえば、フローサイトメータの構成)に最も適した生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーの組合せに関する推奨を提供するように構成されうる。設計プラットフォームは、たとえば、ユーザが、1つまたは複数の生体分子と1つまたは複数の標識ならびに用途情報(たとえば、計器構成、標的存在量など)とのリストを入力すると、設計プラットフォームが、表明された用途に最も適した生体分子、標識、活性化標識および反応性リンカーの組合せに関する推奨を出力するように構成されうる。いくつかの実施形態では、標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーについての推奨は、ディスプレイ(たとえば、電子ディスプレイ)上に表示されるか、またはプリンタで、対人可読媒体(紙)上に、もしくは機械可読フォーマットで(たとえば、バーコードとして)印刷されうる。別の実施形態では、標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーについての推奨は、入力マネージャに伝達され、推奨された標識生体分子が前述のように調製されうる。
【0665】
本開示のシステムは、標識生体分子試薬リクエストの構成要素と対応する複数のストレージ識別子を有するデータセットを記憶するためのメモリも含む。「メモリ」という用語は、本明細書ではその一般的な意味で使用されて、プロセッサによる逐次検索のための情報を記憶するデバイスを指し、そうしたものとして、磁気または光学デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピーディスク、CD、もしくはDVDなど)、またはソリッドステートメモリデバイス(たとえば、揮発性もしくは不揮発性RAM)が挙げられる。メモリまたはメモリユニットは、同じもしくは異なるタイプの2つ以上の物理的メモリデバイスを含んでもよい(たとえば、メモリは、複数のハードドライブもしくは複数のソリッドステートメモリデバイス、またはハードドライブとソリッドステートメモリデバイスの何らかの組合せなどの複数のメモリデバイスを含みうる)。メモリは、コンピュータ可読媒体または固定メモリであってもよい。いくつかの実施形態では、メモリは、システムデータベース内の各標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識および反応性リンカーに対応する複数のストレージ識別子を有する1つまたは複数のデータセットを含みうる。
【0666】
メモリに記憶されるデータセットは、各標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識または反応性リンカーと対応するストレージ識別子を含む。ストレージ識別子は、特定の標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識またはリンカーに関連する、一連の1つまたは複数の文字(たとえば、英数字)、記号、イメージもしくはその他のグラフ表示としてデータセットにおいて提示されうる。いくつかの実施形態では、ストレージ識別子は、標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識またはリンカーの略称である。たとえば、ストレージ識別子は、アクセッション番号、配列識別番号、識別可能なプローブ配列、CAS登録番号への言及を含むか、またはカスタム識別コードであってもよい。
【0667】
メモリに記憶される各データセット内のストレージ識別子の数は、ストレージ識別子の種類に応じて変動しうる。たとえば、複数の標識生体分子ストレージ識別子を有するメモリに記憶されるデータセットは、10以上の標識生体分子ストレージ識別子、たとえば25以上、たとえば50以上、たとえば100以上、たとえば250以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、標識生体分子ストレージ識別子を含みうる。複数の生体分子または活性化生体分子を有するメモリに記憶されるデータセットは、25以上の生体分子または活性化生体分子ストレージ識別子、たとえば50以上、たとえば100以上、たとえば250以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、生体分子または活性化生体分子ストレージ識別子を含みうる。複数の標識または活性化標識ストレージ識別子を有するメモリに記憶されるデータセットは、5以上の標識または活性化標識ストレージ識別子、たとえば10以上、たとえば15以上、たとえば25以上で、50以上も含まれる、標識または活性化標識ストレージ識別子を含みうる。いくつかの実施形態では、複数の反応性リンカーを有するメモリに記憶されるデータセットは、2つ以上の反応性リンカーストレージ識別子、たとえば3つ以上、たとえば5つ以上、たとえば10以上、たとえば15以上の反応性リンカーストレージ識別子を含む。
【0668】
メモリは、入力マネージャが受けたリクエストに対応するデータセットから1つまたは複数のストレージ識別子を識別する処理モジュールと作動的に通信している。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬に対応するリクエストは、標識生体分子リクエストであり、処理モジュールは、複数の生体分子ストレージ識別子を有するメモリ中のデータセットから標識生体分子ストレージ識別子を識別する。別の実施形態では、標識生体分子試薬に対するリクエストは、生体分子リクエストと標識リクエストを含み、処理モジュールは、以下:1)複数の生体分子ストレージ識別子を有するメモリ中の第1データセットからの生体分子ストレージ識別子と;2)複数の標識ストレージ識別子を有するメモリ中の第2データセットからの標識ストレージ識別子と、を識別する。また別の実施形態では、標識生体分子試薬のリクエストは、生体分子リクエストと、標識リクエストと反応性リンカーリクエストとを含み、処理モジュールは、以下:1)複数の生体分子ストレージ識別子を有するメモリ中の第1データセットからの生体分子ストレージ識別子と;2)複数の標識ストレージ識別子を有するメモリ中の第2データセットからの標識ストレージ識別子と;3)複数の反応性リンカーストレージ識別子を有するメモリ中の第3データセットからの反応性リンカーストレージ識別子と、を識別する。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。
【0669】
標識生体分子リクエスト、生体分子リクエスト、標識リクエスト、活性化生体分子リクエスト、活性化標識リクエストまたは反応性リンカーリクエストに対応する特定のストレージ識別子が入手できない(すなわち、メモリ中のいずれのデータセットからも処理モジュールによって識別することができない)場合、メモリは、代替的標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識または反応性リンカーについての推奨を提供するアルゴリズムを含みうる。推奨は、リクエストされた標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識または反応性リンカーとの化学構造、反応性、プローブ標的、結合親和性、標的存在量、標的密度、標的クロストーク、サイズ、価格などの類似性に基づいてなされうる。メモリは、リクエスされた構成要素および入手可能な標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識または反応性リンカー同士の類似性に応じて、1つまたは複数の代替物、たとえば2つ以上の代替物、たとえば5つ以上の代替物を含め、3つ以上の代替物の推奨を提供するように構成されうる。
【0670】
処理モジュールは、Intel Corporation製プロセッサ、Sun Microsystems製のSPARC(登録商標)プロセッサなどの市販のプロセッサを含むか、または現在入手可能か、もしくは将来入手可能になる他のプロセッサの1つであってもよい。
【0671】
プロセッサは、オペレーティングシステムを実行するが、これは、たとえば、Microsoft Corporation製のWINDOWS(登録商標)タイプのオペレーティングシステム;Unix(登録商標)もしくはLinuxタイプのオペレーティングシステム、または将来のオペレーティングシステム;あるいはこれらいずれかの組合せであってもよい。オペレーティングシステムは、ファームウェアおよびハードウェアと公知の様式で連動し、当技術分野で公知のように、Java、Perl、C++、その他の高水準もしくは低水準言語、ならびにそれらの組合せなどの多様なプログラミング言語で書かれうる多様なコンピュータプログラムの機能を調整および実行する上でプロセッサを促進する。オペレーティングシステムは、典型的にプロセッサと共同して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整および実行する。オペレーティングシステムはまた、スケジューリング、入力-出力制御、ファイルおよびデータ管理、メモリ管理、ならびに通信制御および関連サービスも提供し、これらは全て公知の技術に従う。
【0672】
対象のシステムの処理モジュールは、ハードウェアおよびソフトウェアの両方を含み、ここで、ハードウェア要素は、たとえば、サーバの形態で、1つまたは複数のプラットフォームの形態を取ってよく、これにより、機能エレメント、すなわち、システムの特定のタスク(たとえば、情報の入力および出力管理、情報の処理など)を実施するシステムのエレメントが、システムの表示された1つまたは複数のコンピュータプラットフォーム上および全体で、ソフトウェアアプリケーションの実行により実施されることができるようにする。対象のシステムに存在する1つまたは複数のプラットフォームは、あらゆるタイプの公知のコンピュータプラットフォームまたは将来開発されるタイプであってよいが、これらは、典型的に、一般にサーバと呼ばれるクラスのコンピュータでありうる。
【0673】
しかしながら、これらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、または他のコンピュータタイプであってもよい。これらは、任意の既知もしくは将来のタイプのケーブル配線、またはネットワーク化もしくはそれ以外の無線システムをはじめとする他の通信システムを介して接続されうる。これらは、共同設置されても、または物理的に離れていてもよい。恐らく、選択されたコンピュータプラットフォームのタイプおよび/または構造に応じて、コンピュータプラットフォームのいずれかで、様々なオペレーティングシステムを使用することができる。適切なオペレーティングシステムとして、WINDOWS NUCLEOTIDES(登録商標)、Sun Solaris、Linux、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unixおよびその他が挙げられる。中でも、拡張可能かつ安全な構成要素のインプリメンテーションを増強するアプリケーションプログラミングインターフェース(API)のスイートを提供するために、Sun Microsystems Inc.製のJava(商標)2プラットフォームなどの他の開発製品を対象のシステムのプロセッサに使用してもよい。当業者には理解されるように、様々な他のソフトウェア開発アプローチまたはアーキテクチャを用いて、システムの機能エレメントおよびそれらの相互接続をインプリメントしてもよい。
【0674】
本開示のシステムは、処理モジュールからの識別されたストレージ識別子を提供する出力マネージャも含む。いくつかの実施形態では、出力マネージャは、電子ディスプレイを含み、識別されたストレージ識別子は、電子ディスプレイ上に出力される。1つまたは複数のストレージ識別子、たとえば2つ以上、たとえば3つ以上、たとえば5つ以上、たとえば10以上、たとえば25以上、たとえば100以上で、500以上も含まれる、ストレージ識別子が電子ディスプレイ上に同時に出力されうる。出力マネージャは、単独のユーザ、または複数のユーザ、たとえば2人以上のユーザ、たとえば5人以上のユーザ、たとえば10人以上のユーザ、たとえば100人以上のユーザを含め、25人以上のユーザからの標識生体分子試薬リクエストのストレージ識別子を表示しうる。出力マネージャは、ユーザによる、またはストレージ識別子の種類(たとえば、標識生体分子ストレージ識別子、生体分子ストレージ識別子、標識ストレージ識別子、反応性リンカーストレージ識別子)による、標識生体分子に対する各リクエストに応じて、ストレージ識別子を分類するなど、要望通りに、表示されるストレージ識別子を整理するように構成されうる。別の実施形態では、出力マネージャは、プリンタを含み、識別されたストレージ識別子は、対人可読媒体(紙)上に、または機械可読フォーマットとして(たとえば、バーコードとして)印刷される。
【0675】
いくつかの実施形態では、出力マネージャは、処理モジュールによりアセンブルされたストレージ識別子、たとえば、電子フォーマットの1つ以上の標識生体分子ストレージ識別子、生体分子ストレージ識別子、標識ストレージ識別子、反応性リンカーストレージ識別子を、たとえばローカルエリアネットワークまたはインターネットなどを通じてユーザに伝達する。出力マネージャによるデータの電子通信は、限定されないが、SQL、HTMLもしくはXMLドキュメント、電子メールもしくは他のファイル、またはその他の形態のデータを含む一般的プロトコルに従ってインプリメントされうる。
【0676】
データはまた、ユーザが、さらに別のSQL、HTML、XML、または他のドキュメントもしくはデータをリモートソースから検索できるように、インターネットURLアドレスを含んでもよい。
【0677】
標識生体分子試薬リクエストを入力し、標識生体分子試薬リクエストの構成要素に対応する複数のストレージ識別子を記憶し、1つまたは複数のストレージ識別子を識別し、識別されたストレージ識別子を出力するための本開示のシステムは、コンピュータを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示する方法およびプログラムの機能的配置に汎用コンピュータを構成することができる。こうしたコンピュータのハードウェアアーキテクチャは、当業者には公知であり、1つまたは複数のプロセッサ(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、内部および外部データストレージ媒体(たとえば、ハードディスクドライブ)をはじめとするハードウェア構成機器を含みうる。コンピュータシステムは、図形情報を処理し、ディスプレイ手段に出力するための1つまたは複数のグラフィックボードも含みうる。
【0678】
前述の構成機器は、好適には、コンピュータ内部でバスを介して相互に接続することができる。コンピュータは、汎用外部構成機器と通信するための好適なインターフェース、たとえば、モニター、キーボード、マウス、ネットワークなどをさらに含みうる。いくつかの実施形態では、コンピュータは、本方法およびプログラムのための処理能力を増大する目的で、並列処理が可能であってもよいし、または並列もしくは分散コンピューティングのために構成されたネットワークの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、記憶媒体内から読み出されたプログラムコードは、コンピュータ内に挿入された増設ボード、またはコンピュータに接続された増設ユニット内に設けられたメモリ中に書き込まれ、増設ボードまたは増設ユニット内に設けられたCPUなどは、プログラムコードの指示に従うオペレーションの一部もしくは全部を実際に実施することができるため、後述する機能を達成することができる。別の実施形態では、本方法は、クラウド計算システムを用いて実施することができる。これらの実施形態では、データファイルおよびプログラミングは、プログラムを実施して、出力をユーザに戻すクラウドコンピュータにエクスポートすることができる。
【0679】
システムは、いくつかの実施形態において、以下:a)中央処理装置と;b)ソフトウェアおよびデータを記憶するための、1つもしくは複数のハードドライブを含みうるメイン不揮発性記憶ドライブであって、記憶ドライブが、ディスクコントローラにより制御される、メイン不揮発性記憶ドライブと;c)不揮発性記憶ドライブからロードされたプログラムおよびデータをはじめとする、システム制御プログラム、データ、およびアプリケーションプログラムを記憶するためのシステムメモリ、たとえば、高速ランダムアクセスメモリ(RAM)であって、読み取り専用メモリ(ROM)も含みうるシステムメモリと;d)マウス、キーパッド、およびディスプレイなどの1つまたは複数の入力もしくは出力装置をはじめとするユーザインターフェース;e)有線または無線通信ネットワーク、たとえば、プリンタなどに接続するための任意選択のネットワークインターフェースカードと;f)前述したシステムのエレメントと相互接続するための内部バスと、を含むコンピュータを含みうる。
【0680】
コンピュータシステムのメモリは、プロセッサによる検索のための情報を記憶することができる任意のデバイスであってよく、磁気もしくは任意選択のデバイス、またはソリッドステートメモリデバイス(たとえば、揮発性もしくは不揮発性RAM)を含みうる。メモリまたはメモリユニットは、同じもしくは異なるタイプの2つ以上の物理メモリデバイスを含む(たとえば、メモリは、複数のドライブ、カード、もしくは複数のソリッドステートメモリデバイスまたはこれらのいずれかの組合せなどの複数のメモリデバイスを有しうる)。コンピュータ可読媒体に関して、「固定メモリ」は、永続的なメモリを指す。
【0681】
固定メモリは、コンピュータまたはプロセッサに対する電気供給の停止によって消去されない。コンピュータハードドライブROM(すなわち、仮想メモリとして使用されないROM)、CD-ROM、フロッピーディスクおよびDVDは全て、固定メモリの例である。ランダムアクセスメモリ(RAM)は、非固定(すなわち、揮発性)メモリの一例である。固定メモリ内のファイルは、編集可能および書換え可能であってよい。
【0682】
コンピュータのオペレーションは、主にオペレーティングシステムによって制御され、これは、中央処理装置により実行される。オペレーティングシステムは、システムメモリ内に記憶することができる。いくつかの実施形態では、オペレーティングシステムは、ファイルシステムを含む。オペレーティングシステム以外に、システムメモリの1つの可能なインプリメンテーションは、後述する方法を実現するための多様なプログラミングファイルおよびデータファイルを含む。いくつかの実施形態では、プログラミングは、1プログラムを含みうるが、このプログラムは、様々なモジュールとユーザインターフェースモジュールとから構成されうるが、ユーザインターフェースモジュールは、ユーザが、プログラムへの入力、またはプログラムにより使用されるパラメータを手動で選択もしくは変更することを可能にする。データファイルは、プログラムに対する様々な入力を含みうる。
【0683】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する方法に従う指示は、「プログラミング」の形態でコンピュータ可読媒体にコード化することができ、ここで、「コンピュータ可読媒体」という用語は、本明細書で用いられる場合、指示および/またはデータを、実行および/または処理のためにコンピュータに供給することに参加するあらゆる記憶または伝送媒体を指す。記憶媒体の例として、そうしたデバイスがコンピュータに対して内部もしくは外部であるかにかかわらず、フロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、ソリッドステートディスク、およびネットワーク接続ストレージ(NAS)が挙げられる。情報を含むファイルは、コンピュータ可読媒体に「記憶する」ことができ、ここで、「記憶する」とは、情報を記録して、それが後日コンピュータによりアクセス可能かつ検索可能であるようにすることを意味する。
【0684】
本明細書に記載されるコンピュータインプリメント方法は、任意の数のコンピュータプログラミング言語の1つまたは複数で書かれうるプログラムを用いて実行することができる。こうした言語として、たとえば、Java(Sun Microsystems,Inc.,Santa Clara,CA)、Visual Basic(Microsoft Corp.,Redmond,WA)、およびC++(AT&T Corp.,Bedminster,NJ)、他多数を含む。
【0685】
任意の実施形態において、データは、「遠隔地」に転送することができ、ここで、「遠隔地」とは、プログラムが実行される位置以外の位置を意味する。
【0686】
たとえば、遠隔地は、同じ市内の別の位置(たとえば、オフィス、研究所など)、異なる市内の別の位置、異なる州内の別の位置、異なる国内の別の位置などでありうる。従って、1つの項目が別の項目から「リモート」であると示される場合、2つの項目が、同じ室内にあるが、離れている、または少なくとも異なる部屋もしくは異なる建物内に存在する可能性があり、さらには、少なくとも1マイル、10マイル、または少なくとも100マイル離れている可能性があることを意味する。情報を「伝達する」とは、好適な通信チャンネル(たとえば、民間もしくは公共ネットワーク)を通じて、電気信号としてその情報を呈示するデータを伝送することを示す。項目を「転送する」とは、その項目を物理的に輸送するか、またはそれ以外(それが可能である場合)によるかのいずれにかかわらず、項目をある位置から次の位置に移動させる任意の手段を指し、少なくともデータの場合、データを保有する媒体を物理的に輸送するか、またはデータを通信することを含む。通信媒体の例として、無線または赤外線伝送チャンネル、ならびに別のコンピュータもしくはネットワークデバイスとのネットワーク接続、およびインターネットまたは電子メール伝送およびウェブサイトに記録された情報などが挙げられる。
【0687】
いくつかの実施形態は、単一コンピュータで、またはコンピュータのネットワークを介して、またはコンピュータのネットワークのネットワークを介して、たとえば、ネットワーククラウドを介して、ローカルエリアネットワークを介して、ハンドヘルドコンピュータデバイスなどでのインプリメンテーションを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載する工程の1つまたは複数は、コンピュータプログラムでインプリメントされる。こうしたコンピュータプログラムは、本明細書に記載する工程の1つまたは複数を実行する。いくつかの実施形態では、対象の方法の履行は、本明細書に記載され、コンピュータ可読媒体でコード化されると共に、通信ネットワークを通じて伝送可能である様々なデータ構造、カテゴリー、および修飾子を含む。
【0688】
本発明のソフトウェア、ウェブ、インターネット、クラウド、またはその他の記憶およびコンピュータネットワークインプリメンテーションは、様々な割当、計算、識別、スコアリング、アクセス、生成または廃棄工程を実施するための標準的なプログラミング技術を用いて達成することができる。
【0689】
図16は、いくつかの実施形態に従う本開示のコンピュータシステム1600を描く。コンピュータシステムは、ユーザインターフェース1601を含み、これは、標識生体分子試薬リクエストを入力するためのキーボード1601a、マウス1601bおよびモニター1601cを含む。ユーザインターフェース1601は、メモリ1602に作動的に接続され、メモリ1602は、オペレーティングシステム1602a、システムファイル1602bおよびデータセットを含み、データセットは、標識生体分子試薬リクエストの構成要素:1)標識生体分子リクエスト1602d;2)生体分子リクエスト1602e;3)標識リクエスト1602f;4)活性化生体分子リクエスト1602g;5)活性化標識リクエスト1602h;および6)反応性リンカーリクエスト1602iに対応する複数のストレージ識別子を含む。メモリ1602はまた、標識生体分子リクエスト1602k、生体分子1602l、標識1602mおよび反応性リンカー1602nの検索可能な目録一覧を含むデータベース1602jも含む。一部の実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。
【0690】
メモリおよびユーザインターフェースは、ディスクコントローラ1605に制御される記憶ドライブ1606を含む接続1604を介して、プロセッサ1603に作動的に接続されている。前述したように、プロセッサは、入力マネージャが受けたリクエストに対応するデータセットから1つまたは複数のストレージ識別子を識別する。
【0691】
識別されたストレージ識別子を出力するために、この実施形態に従う目的のシステムは、ストレージ識別子を出力するネットワークインターフェースコントローラ1607を含む。ネットワークインターフェースコントローラ1607は、識別されたストレージ識別子を視覚的に表示するための電子ディスプレイと連動してもよいし、または識別されたストレージ識別子を対人可読媒体(紙)上に、もしくは機械可読フォーマットで(たとえば、バーコードとして)表示するためのプリンタと連動してもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェースコントローラ1607は、ストレージ識別子を電子フォーマットで、たとえばローカルエリアネットワークもしくはインターネットを介して伝達し、これは、限定されないが、SQL、HTMLもしくはXMLドキュメント、電子メールもしくは他のファイル、またはその他の形態のデータをはじめとする任意の電子フォーマットに従ってインプリメントされうる。
【0692】
図17は、いくつかの実施形態に従う標識生体分子試薬に対するリクエストを受け、処理し、出力する工程系統
図1700を示す。リクエストを受けて、処理する工程1701は、標識生体分子試薬リクエストの1つまたは複数の構成要素を入力する工程(1702)から開始する。上記のように、標識生体分子試薬リクエストは、1)標識生体分子リクエストと;2)生体分子リクエストおよび標識リクエストの1つまたは複数を含みうる。いくつかの実施形態では、生体分子リクエストは、活性化生体分子リクエストであり、ここで、生体分子は、反応性リンカーに接続されている。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、活性化標識リクエストであり、ここで、標識は、反応性リンカーに接続されている。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。
【0693】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含みうる。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つに特異的に結合することができる。
【0694】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0695】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0696】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0697】
システムが標識生体分子試薬リクエストを受けた後、プロセッサが、リクエストの構成要素(すなわち、標識生体分子リクエスト;または生体分子リクエストと標識リクエスト)を決定し、システムは、特定のリクエストに対応するストレージ識別子のメモリを検索する(1703)。適切なデータセットが受け取られると、処理モジュールは、標識生体分子試薬リクエストの構成要素と対応する1つまたは複数のストレージ識別子を識別する(1704)。2つ以上の標識生体分子試薬リクエストが単一のユーザによって入力される場合、システムは、プロセッサによりユーザのリクエストからの全てのストレージ識別子が配置され、識別されるまで、上記の工程を繰り返しうる(1705)。
【0698】
システムは、一旦ユーザからの標識生体分子試薬リクエストが処理されたら、識別されたストレージ識別子を出力する(1706)ように構成されている。出力マネージャは、ストレージ識別子を電子ディスプレイ上に表示するか、またはストレージ識別子を印刷する(1707)。また、たとえば試薬調製装置に、またはインターネットを介してストレージ識別子をサードパーティーメーカに電子伝達する(1708)こともできる。
【0699】
いくつかの実施形態では、システムは、入力マネージャが受けたリクエスされた標識生体分子に対応する標識生体分子試薬を調製するための試薬調製装置を含む。試薬調製装置は、出力マネージャに作動的に接続され、識別されたストレージ識別子(たとえば、標識生体分子ストレージ識別子、生体分子ストレージ識別子、標識ストレージ識別子、反応性リンカーストレージ識別子)を受け取り、受け取ったストレージ識別子に従い、標識生体分子試薬を生成するように構成される。これらの実施形態では、試薬調製装置は、局所的に、たとえばケーブルもしくはローカルエリアネットワークを通じて出力マネージャと通信してもよいし、または遠隔地にあって、ワイドエリアネットワークもしくはインターネットを介して出力マネージャと接続されていてもよい。試薬調製装置および出力マネージャ同士のコネクティビティを促進するために、システムは、ケーブル、トランスミッタ、中継局、ネットワークサーバ、ネットワークインターフェースカード、イーサネット(Ethernet)モデム、電話ネットワーク接続ならびに衛星ネットワーク接続などのいずれかの好適なコネクティビティ・プロトコルを含みうる。いくつかの実施形態では、試薬調製装置は、グラフィカルユーザインターフェースを含み、ここで、出力マネージャからのストレージ識別子は、試薬調製装置のグラフィカルユーザインターフェースに作動的に接続された入力マネージャ中に手動で入力される。
【0700】
いくつかの実施形態では、試薬調製装置は、完全に自動化されている。
【0701】
「完全に自動化された」とは、試薬調製装置が、出力マネージャから識別されたストレージ識別子を受け取り、人の介入または対象システムへの手動の入力をほとんどもしくは全く伴わずに、標識生体分子試薬を調製、製剤化およびパッケージングすることを意味する。いくつかの実施形態では、対象システムは、一切人の介入なしに、活性化生体分子と活性化標識から標識生体分子試薬を調製、精製およびパッケージングするように構成される。
【0702】
試薬調製装置は、活性化生体分子および活性化標識を接触装置に供給するサンプリング装置を含む。サンプリング装置は、活性化生体分子および活性化標識の各々の供給源と流体連通したいずれか好都合な装置、たとえば、活性化生体分子および活性化標識を含有する複数の試薬バイアルを有するハイスループットサンプル交換器などであってよい。サンプリング装置はまた、種々のサンプリング装置の中でも、マイクロ流路、シリンジ、針、ピペット、吸引器も含みうる。接触装置は、活性化生体分子が活性化標識と接触することを可能にするいずれの好適な装置であってもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、接触装置は、サンプルチャンバー(たとえば、封入、密封、気密、開放、プレートなど)である。別の実施形態では、接触装置は、マイクロチューブである。別の実施形態では、接触装置は、試験管である。また別の実施形態では、接触装置は、ガラス製フラスコ(たとえば、ビーカ、メスフラスコ、三角フラスコなど)である。さらに別の実施形態では、接触装置は、96ウェルプレートである。いくつかの実施形態では、対象システムは、接触装置(たとえば、マイクロチューブ、試験管など)内に生成された標識生体分子試薬を密封するように構成されたパッケージングユニットをさらに含んでもよい。他の実施形態では、生成された標識生体分子試薬は、まず特性決定され、さらに精製、希釈、濃縮または再製剤化された後、容器内に密封されて、パッケージングユニットによりパッケージングされる。
【0703】
接触装置は、組み合わされた活性化生体分子および活性化標識を混合するための攪拌機をさらに含みうる。攪拌機は、対象組成物を混合するのに十分ないずれの好都合な攪拌機であってもよく、こうしたものとして、限定されないが、種々の攪拌プロトコルの中でも、ボルテキサー、超音波発生機、振盪機(たとえば、手動、機械、または電動振盪機)、ロッカー、振動平板、マグネチックスターラ、スタティックミキサ、ローテータ、ブレンダー、ミキサー、タンブラー、オービタルシェーカ、バブル、マイクロ流体フローが挙げられる。
【0704】
いくつかの実施形態では、試薬調製装置は、活性化生体分子と活性化標識の供給源も含む。供給源は、複数の活性化生体分子と活性化標識を含みうる。いくつかの実施形態では、試薬調製装置は、5以上の異なる種類の活性化生体分子、たとえば10以上、たとえば100以上、たとえば250以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、異なる種類の活性化生体分子を含有する供給源を含む。たとえば、試薬調製装置は、5以上の異なる種類の活性化抗体プローブもしくは活性化オリゴヌクレオチドプローブ、たとえば10以上、たとえば100以上、たとえば250以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、異なる種類の活性化抗体プローブもしくは活性化オリゴヌクレオチドプローブを含有する供給源を含みうる。
【0705】
いくつかの実施形態では、試薬調製装置は、5以上の異なる種類の活性化標識、たとえば10以上、たとえば15以上、たとえば25以上、たとえば50以上で、100以上も含まれる、異なる種類の活性化標識を含有する供給源を含む。たとえば、試薬調製装置は、5以上の異なる種類の活性化蛍光団、たとえば10以上、たとえば15以上、たとえば25以上、たとえば50以上、100以上も含まれる、異なる種類の活性化蛍光団を含有する供給源を含みうる。
【0706】
活性化生体分子および活性化標識の供給源は、1つ以上の活性化生体分子および活性化標識を貯蔵し、これらを接触装置に供給することができる任意の好適な貯蔵器であってよい。一例において、供給源は、複数の異なる種類の活性化生体分子および活性化標識を個別の仕切られた試薬チャンバー内に貯蔵する単一のハイスループット貯蔵器である。別の例では、活性化生体分子および活性化標識の供給源は、活性化生体分子および活性化標識各々の複数の個別のバイアルである。また別の例では、活性化生体分子および活性化標識の供給源は、各活性化生体分子および各活性化標識の予め計測されたアリコートを含む貯蔵器である。たとえば、貯蔵器は、1つ以上の標識生体分子、たとえば2つ以上、たとえば5つ以上、たとえば10以上、たとえば25以上、たとえば100以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、標識生体分子を調製するのに十分な各活性化生体分子および各活性化標識の予め計測されたアリコートを含みうる貯蔵器である。
【0707】
活性化生体分子および活性化標識を含有する貯蔵器の具体的な設計に応じて、試薬調製装置は、活性化生体分子および活性化標識を接触装置に送達するための1つまたは複数の注入口をさらに含みうる。
【0708】
試薬調製装置はまた、1つ以上の試薬精製器を含んでもよい。目的の試薬精製プロトコルとしては、限定されないが、種々の精製プロトコルの中でも、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、濾過(たとえば、膜フィルター、サイズカットオフ濾過)、液液抽出、受動透析、能動透析、遠心分離、沈殿を挙げることができる。
【0709】
試薬調製装置は、さらに、試薬分析装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、サンプル分析装置は、マスサイトメトリー、質量分析法(たとえば、TOF質量分析法、誘導結合親和性プラズマ質量分析法)、吸光分析法、蛍光分析法、容量分析、伝導度分析、核磁気共鳴分光法、赤外分光法、紫外可視分光法、比色分析、元素分析、液体クロマトグラフィー-質量分析法またはガスクロマトグラフィー-質量分析システムであってよい。たとえば、調製装置は、液体クロマトグラフ(LC)などの分析分離装置を含んでもよく、そうしたものとして、高性能液体クロマトグラフ(HPLC)、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)、ミクロもしくはナノ-液体クロマトグラフまたは超高圧液体クロマトグラフ(UHPLC)装置、キャピラリー電気泳動(CE)、またはキャピラリー電気泳動クロマトグラフ(CEC)装置が挙げられる。しかし、任意の手動もしくは自動噴射または吐出しポンプシステムを使用してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、ナノ-またはマイクロポンプを使用することによって、対象サンプルをLC-MSシステムに適用してもよい。質量分析システムは、いずれの好都合な質量分析システムであってもよく、一般に、サンプルをイオン化するためのイオン源と、イオンを分離するための質量分析計と、イオンを検出するための検出器とを含む。いくつかの実施形態では、質量分析計は、前駆イオンを単離し、前駆イオンをフラグメント化して、フラグメント化された前駆イオンを分析することができる、いわゆる「タンデム」質量分析計であってよい。イオン供給源は、いずれのタイプのイオン化方法であってもよく、そうしたものとして、限定されないが、たとえば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、電子衝撃(EI)、大気圧光イオン化(APPI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)もしくは誘導結合プラズマ(ICP)イオン化、またはこれらの任意の組合せ(いわゆる「マルチモード」イオン化供給源を提供するために)が挙げられる。一実施形態では、前駆イオンは、EI、ESIもしくはMALDIにより製造され、選択された前駆イオンは、衝突によって、または光子を用いてフラグメント化して、生成物イオンを生成することができ、そのイオンを分析する。同様に、様々な異なる質量分析計のいずれを使用してもよく、そうしたものとして、飛行時間(TOF)、フーリエ変換型イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)、イオントラップ、四重極型もしくは二重収束電磁場セクター質量分析計、またはこれらの任意のハイブリッドが挙げられる。一実施形態では、質量分析計は、セクター、透過型四重極、または飛行時間質量分析計であってよい。
【0710】
試薬調製装置は、さらに、緩衝液、防腐剤、乾燥剤などの1つ以上の賦形剤と一緒に標識生体分子試薬を製剤化するように構成してもよい。いくつかの実施形態では、試薬調製装置は、1つ以上の緩衝液と一緒に標識生体分子試薬を製剤化するように構成される。
【0711】
例示的な緩衝液として、限定されないが、種々の緩衝液の中でも、PBS(リン酸塩)緩衝液、酢酸塩緩衝液、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)緩衝液、3-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸(TAPS)緩衝液、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液、クエン酸塩緩衝液、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(Tris)緩衝液、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン(Tricine)緩衝液、3-[N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)緩衝液、4,2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液、2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)緩衝液、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)緩衝液、ジメチルアルシン酸(Cacodylate)緩衝液、クエン酸ナトリウム食塩(SSC)緩衝液、2(R)-2-(メチルアミノ)コハク酸(コハク酸)緩衝液、リン酸カリウム緩衝液、N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸(CHES)緩衝液が挙げられる。
【0712】
試薬調製装置は、さらに、標識生体分子試薬をパッケージングするためのパッケージングユニットも含みうる。いくつかの実施形態では、パッケージングユニットは、調製された標識生体分子試薬をパッケージングして、郵便などによる発送のための標識生体分子試薬を用意することができる。いくつかの実施形態では、調製された標識生体分子試薬は、容器に分注されて、密封される。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬は、容器に分注され、密封された後、ポーチ、バッグ、チューブ、バイアル、マイクロチューブ、またはボトルなどにパッケージングされる。要望されれば、パッケージングは、滅菌されていてもよい。
【0713】
いくつかの実施形態では、目的のシステムは、以下:1)標識生体分子試薬の1つまたは複数のリクエストを受け;2)リクエストされた標識生体分子試薬を調製し、3)調製された標識生体分子試薬をリクエスター(たとえば、顧客)に配達するように構成された、オンデマンドスタンドアローン型標識生体分子試薬分注ステーションを含む。たとえば、スタンドアローン型試薬分注ステーションは、自動販売機であってもよく、これは、顧客から1つまたは複数の標識生体分子試薬リクエストを受け;リクエスされた標識生体分子を調製し、調製された標識生体分子をオンデマンドで顧客に販売するように構成されている。標識生体分子試薬リクエストの数およびリクエストされた各標識生体分子試薬の量に応じて、目的のスタンドアローン型試薬分注ステーションは、標識生体分子リクエストの入力から10秒以上、たとえば15秒以上、たとえば30秒以上、たとえば1分以上、たとえば5分以上、たとえば10分以上、たとえば15分以上、たとえば30分以上、たとえば60分以上、たとえば1.5時間以上、たとえば2時間以上、たとえば2.5時間以上、たとえば3時間以上、たとえば4時間以上、たとえば5時間以上、たとえば6時間以上、たとえば8時間以上、たとえば10時間以上、たとえば12時間以上、たとえば16時間以上、たとえば18時間以上で、24時間以上も含まれる時間内に、標識生体分子をオンデマンドで調製して、リクエスターに販売することができる。いくつかの実施形態では、スタンドアローン型試薬分注ステーションは、5秒~60秒の範囲、たとえば10秒~50秒で、15秒~45秒も含まれる範囲の時間内に、標識生体分子をオンデマンドで調製して、リクエスターに販売するように構成される。いくつかの実施形態では、スタンドアローン型試薬分注ステーションは、1分~60分の範囲、たとえば2分~55分、たとえば5分~50分、たとえば15分~45分の範囲で、20分~40分も含まれる範囲の時間内に、標識生体分子をオンデマンドで調製して、リクエスターに販売するように構成され、たとえば、30分で標識生体分子を調製して、リクエスターに販売する。また別の実施形態では、スタンドアローン型試薬分注ステーションは、0.5時間~24時間の範囲、たとえば1時間~20時間、たとえば1.5時間~18時間、たとえば2時間~16時間、たとえば2.5時間~12時間、たとえば3時間~10時間、たとえば3.5時間~8時間で、4時間~6時間も含まれる範囲の時間内に、標識生体分子をオンデマンドで調製して、リクエスターに販売するように構成される。
【0714】
これらの実施形態では、対象のスタンドアローン型試薬分注ステーションは、前述のように、標識生体分子試薬リクエストを受けて、リクエストされた標識生体分子試薬を調製する構成要素を含みうる。たとえば、スタンドアローン型標識生体分子試薬分注ステーションは、標識生体分子のリクエストを受けるための入力モジュールと;試薬調製装置と;パッケージングされた標識生体分子を出力するための分注モジュールとを含みうる。これらの実施形態では、入力モジュールは、標識生体分子試薬のリクエストを受ける入力マネージャと、標識生体分子試薬リクエスト(たとえば、生体分子、標識など)の1つ以上の構成要素に対応する複数のストレージ識別子を有するデータセットを記憶するメモリと、メモリに通信可能に接続され、かつデータセットから、標識生体分子試薬リクエストの構成要素に対応するストレージ識別子を識別するように構成された処理モジュールと、識別されたストレージ識別子を付与する出力マネージャと、を含みうる。スタンドアローン型ステーションはまた、前述したように、スタンドアローン型分注ステーションの入力マネージャに、標識生体分子リクエストを伝達するためのグラフィカルユーザインターフェースならびにユーザ入力デバイスも含む。
【0715】
いくつかの実施形態では、出力マネージャは、スタンドアローン型試薬分注ステーション内の試薬調製装置と通信可能に接続されており、これは、生体分子、標識、反応性リンカー、活性化生体分子および活性化標識の1つ以上の供給源、ならびに活性化生体分子および活性化標識を結合させて、リクエスされた標識生体分子を生成するための接触ステーションと一緒に構成される。いくつかの実施形態では、スタンドアローン型試薬分注ステーションは、複数の予め合成された標識生体分子を含み、スタンドアローン型試薬分注ステーションは、所定量の予め合成された標識生体分子試薬を容器中に等分して、標識生体分子試薬をリクエスターに販売するように構成されている。
【0716】
スタンドアローン型標識生体分子試薬分注ステーションは、パッケージングされた標識生体分子試薬を提供するように構成された分注モジュールも含む。いくつかの実施形態では、分注モジュールは、調製された標識生体分子試薬をパッケージングするためのパッケージングユニットを含みうる。いくつかの実施形態では、調製された標識生体分子試薬は、容器中に分注され、密封される。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬は、容器中に分注され、密封された後、ポーチ、バッグ、チューブ、バイアル、マイクロチューブ、またはボトルなどにパッケージングされる。要望されれば、パッケージングは、滅菌されていてもよい。
【0717】
いくつかの実施形態では、スタンドアローン型試薬分注ステーションは、完全に自動化されており、この場合、標識生体分子リクエスが受け取られると、ステーションは、人の介入または標識生体分子リクエスト以外の対象システムへの手動の入力をほとんどもしくは全く伴わずに、標識生体分子試薬を調製、精製およびパッケージングする。
【0718】
標識生体分子試薬を調製する方法
本開示のいくつかの態様は、標識生体分子試薬を調製する方法も含む。いくつかの実施形態に従う方法は、標識生体分子試薬のリクエストを受ける工程と、標識生体分子を調製する工程と、を含む。別の実施形態では、方法は、前述した1つ以上の入力マネージャによって標識生体分子試薬のリクエストを受ける工程と、標識生体分子試薬リクエストと一致するストレージ識別子を識別する工程と;1つ以上の識別されたストレージ識別子を出力する工程と、識別されたストレージ識別子から標識生体分子を調製する工程と、を含む。
【0719】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチドDNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0720】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0721】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0722】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0723】
上記のように、標識生体分子試薬は、検出可能なマーカーに結合(たとえば、共有結合)した生体高分子である。いくつかの実施形態では、方法は、検出可能なマーカーに結合したポリペプチド、検出可能なマーカーに結合した核酸、検出可能なマーカーに結合した多糖、またはこれらの組合せを調製することを含む。一例では、生体分子は、オリゴヌクレオチド、短縮型もしくは完全長DNAまたはRNAである。別の実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、タンパク質、酵素または抗体である。いくつかの実施形態では、生体分子は、目的の被検体に結合するのに十分な特異的結合ドメインを有する生物学的プローブである。目的の特異的結合ドメインとして、限定されないが、抗体結合剤、タンパク質、ペプチド、ハプテン、核酸などが挙げられる。本明細書で使用される「抗体結合剤」という用語は、目的の被検体に結合する上で十分なポリクローナルまたはモノクローナル抗体もしくはフラグメントを含む。抗体フラグメントは、たとえば、モノマーFabフラグメント、モノマーFab’フラグメント、または二量体F(ab)’2フラグメント、ならびに抗体操作により生成される分子、たとえば、重鎖および軽鎖の定常領域の置換によりキメラ抗体を生成するか、または定常領域と、可変領域のフレームワーク部分との両方の置換によりヒト化抗体を生成することによって、モノクローナル抗体から生成される一本鎖抗体分子(scFv)またはヒト化もしくはキメラ抗体であってよい。
【0724】
目的の標識には、たとえば、蛍光発光、蛍光偏光、蛍光寿命、蛍光波長、吸収極大、吸収波長、ストークス(Stokes)シフト、光散乱、質量、分子量、酸化還元、音波、ラマン(raman)、磁気、無線周波数、酵素反応(化学発光および電気-化学発光を含む)またはこれらの組合せに基づいて検出することができる検出可能なマーカーを含む。目的の標識として、限定されないが、蛍光団、発色団、酵素、酵素基質、触媒、レドックス標識、放射標識、音波標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ(たとえば、同位体として純粋な希土類元素)、磁気粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。
【0725】
方法は、標識生体分子試薬のリクエストを受ける工程を含む。本開示の実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、1)標識生体分子リクエスト;および2)生体分子リクエストと標識リクエストの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。いくつかの実施形態では、生体分子リクエストは、活性化生体分子リクエストであり、ここで、生体分子は、反応性リンカーに結合している。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、活性化標識リクエストであり、ここで、標識は、反応性リンカーに結合している。標識生体分子試薬リクエストは、任意の好都合な通信プロトコルによって受けることができ、こうしたものとして、限定されないが、電話により、ファクシミリ、電子メールまたは郵便により、標識生体分子試薬リクエストを受ける、が挙げられる。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、インターネットウェブサイトを介するなど、コンピュータでグラフィカルユーザインターフェースに標識生体分子試薬リクエストを入力することによって伝達される。
【0726】
1つ以上の標識生体分子試薬リクエストを(同時または順次)受けることができ、たとえば2つ以上の標識生体分子試薬リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば10以上で、25以上も含まれる、標識生体分子試薬リクエストを受けることができる。標識生体分子試薬のリクエストが、ただ1つの構成要素を含み、それが標識生体分子リクエストである場合、方法は、2つ以上の標識生体分子リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば10以上で、25以上も含まれる、標識生体分子リクエストを受ける工程を含みうる。標識生体分子試薬リクエストが、生体分子リクエストと標識リクエストなど、2つの構成要素を含む場合、方法は、2つ以上の生体分子リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば10以上で、25以上も含まれる、生体分子リクエストを受ける工程を含み、かつ、2つ以上の標識リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば10以上で、25以上も含まれる、標識リクエストを受けるように構成されうる。いくつかの実施形態では、方法は、単一の生体分子リクエストと単一の標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受ける工程を含む。いくつかの実施形態では、方法は、単一の生体分子リクエストと複数の異なる標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受ける工程を含む。またいくつかの実施形態では、方法は、複数の異なる生体分子リクエストと単一の標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受ける工程を含む。またいくつかの実施形態では、方法は、複数の異なる生体分子リクエストと複数の異なる標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを受ける工程を含む。
【0727】
標識生体分子試薬リクエストは、単一のユーザ、または複数のユーザ、たとえば2人以上のユーザ、たとえば5人以上のユーザ、たとえば10人以上のユーザ、たとえば25人以上のユーザから受けることができ、100人以上のユーザからの標識生体分子リクエストを受けることが含まれる。
【0728】
いくつかの実施形態では、方法は、標識生体分子試薬のリクエストを受ける工程と、入力を受ける入力マネージャ(前述の通り)のグラフィカルユーザインターフェース中にリクエストを入力する工程と、を含む。別の実施形態では、標識生体分子試薬リクエストを行うユーザは、グラフィカルユーザインターフェースに直接リクエストを入力する。標識生体分子リクエストは、これらの実施形態において、グラフィカルユーザインターフェースに入力されて、標識生体分子の一連の1つ以上の文字(たとえば、英数字)、記号、イメージまたはその他のグラフ表示として、入力マネージャに伝達されうる。いくつかの実施形態では、リクエストは、標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識または反応性リンカーの「簡潔な」呼称またはその他の好適な識別子である。たとえば、リクエストは、生体分子名、標識名、アクセッション番号、配列識別番号、省略型プローブ配列、化学構造またはケミカル・アブストラクツ・サービス(Chemical Abstracts Service)(CAS)登録番号を含みうる。
【0729】
前述したように、標識生体分子リクエストを入力マネージャが受けた後、対象システムの処理モジュールが、受けた標識生体分子試薬リクエストの構成要素に対応する、メモリ内に記憶されたデータセットから1つまたは複数のストレージ識別子(たとえば、標識生体分子ストレージ識別子、生体分子ストレージ識別子、標識ストレージ識別子、反応性リンカーストレージ識別子など)を識別する。受けた標識生体分子試薬リクエストの各構成要素に対応するストレージ識別子が出力マネージャから出力される。いくつかの実施形態では、各標識生体分子ストレージ識別子は、モニター上に表示される。いくつかの実施形態では、ストレージ識別子は、機械(たとえば、バーコードとして)または対人可読フォーマットで印刷することによって出力される。標識生体分子試薬が、コンピュータ制御試薬調製装置(以下に詳述する通り)によって調製される場合、出力マネージャは、試薬調製装置に作動的に接続され、各ストレージ識別子は、たとえば、限定されないが、SQL、HTMLもしくはXMLドキュメント、電子メールもしくは他のファイル、またはその他の形態のデータを含むインターネットプロトコルを介して、試薬調製装置に電子的に伝達されうる。
【0730】
受けた標識生体分子リクエストの数に応じて、1つまたは複数のストレージ識別子、たとえば2つ以上、たとえば3つ以上、たとえば3つ以上、たとえば5つ以上、たとえば10以上、たとえば25以上、たとえば100以上で、および500以上の出力も含まれる、ストレージ識別子が、出力マネージャにより同時に出力されうる。出力されたストレージ識別子の各集合は、単一のユーザまたは複数のユーザからの標識生体分子リクエストと対応しうる。
【0731】
いくつかの実施形態では、出力マネージャは、ストレージ識別子を表示または印刷する前に、予め決定された基準に基づいてストレージ識別子を整理する(たとえば、1つにまとめる)。一例では、出力マネージャは、特定のユーザからのストレージ識別子を全て1つにまとめる。別の例では、出力マネージャは、同じ標識生体分子ストレージ識別子を全て1つにまとめる。また別の例では、出力マネージャは、生体分子の名称または種類(たとえば、抗体、オリゴヌクレオチド)に基づいてストレージ識別子を整理する。また別の例では、出力マネージャは、標識の名称または種類(たとえば、蛍光、クマリン)に基づいてストレージ識別子を整理する。
【0732】
いくつかの実施形態では、方法は、受けたリクエストおよび/または出力されたストレージ識別子に従って、標識生体分子試薬を調製する工程を含む。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬を調製する工程は、複数の活性化生体分子と複数の活性化標識を有するストレージから活性化生体分子と活性化標識を選択する工程を含む。各標識生体分子試薬は、たとえば実験室において、1人もしくは複数の個人により手動で調製することもできるし、または前述のようなコンピュータ制御試薬調製装置(たとえば、ハイスループット調製システム)を用いて調製することもできる。出力されたストレージ識別子が標識生体分子ストレージ識別子であるいくつかの実施形態では、方法は、出力された標識生体分子ストレージ識別子に対応するストレージから標識生体分子を回収する工程を含む。これらの例では、方法は、要望されれば、ストレージから標識生体分子を精製する工程または1つ以上の別の試薬(たとえば、緩衝液、抗酸化剤など)を添加する工程をさらに含みうる。いくつかの実施形態では、回収された標識生体分子をパッケージングした後、組成物にそれ以上の精製もしくは添加を実施することなく、ユーザに発送してもよい。
【0733】
他の実施形態では、出力された標識生体分子ストレージ識別子と対応する活性化生体分子を、出力された標識ストレージ識別子と対応する活性化標識と接触させることにより、標識生体分子を調製する。反応が、活性化生体分子の反応性リンカーと活性化標識の反応性リンカー同士の共有結合を形成するのに十分である限り、いずれの好都合な反応プロトコルを使用して活性化生体分子と活性化標識を混合してもよい。いくつかの実施形態において、混合工程は、磁気攪拌棒を用いて混合物を攪拌する、または混合物を手で攪拌する、ならびに手動(すなわち、手で)もしくは機械的(すなわち、機械式もしくは電動振盪装置により)のいずれかで混合物をボルテックスもしくは攪拌する工程を含みうる。活性化生体分子と活性化標識は、活性化生体分子を活性化標識に結合させるのに十分な時間、たとえば1分以上、たとえば5分以上、たとえば10分以上で、30分以上も含まれる、時間にわたって接触させる。
【0734】
上記のように、活性化生体分子と活性化標識は各々、反応性リンカーを含み、これは、適切な条件下で実施されると、一緒に反応して、たとえばイオン結合(電荷-電荷相互作用)、非共有結合(たとえば、双極子-双極子もしくは電荷-双極子)または共有結合などの化学結合を形成する。いくつかの実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーまたは部分は、活性化標識の反応性リンカーまたは部分と反応して、イオン結合を生成する。別の実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーまたは部分は、活性化標識の反応性リンカーまたは部分と反応して、非共有結合を生成する。また別の実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーまたは部分は、活性化標識の反応性リンカーまたは部分と反応して、共有結合を生成する。いくつかの実施形態では、活性化生体分子の反応性リンカーと活性化標識の反応性リンカーは反応して、共有結合を生成する。活性化生体分子の反応性リンカーと活性化標識の反応性リンカーとの間に共有結合を形成するためのいずれの好都合なプロトコルを使用してもよく、そうしたものとして、限定されないが、種々の結合形成反応の中でも、付加反応、脱離反応、置換反応、ペリ環状反応、光化学反応、酸化還元反応、ラジカル反応、カルビン(carbine)中間体を介した反応、メタセシス反応が挙げられる。いくつかの実施形態では、活性化生体分子は、反応性結合ケミストリーによって活性化標識に共役させてもよく、たとえば、そうした場合、反応性リンカーペアとして、限定されないが、以下のものが挙げられる:マレイミド/チオール;チオール/チオール;ピリジルジチオール/チオール;ヨード酢酸スクシンイミジル/チオール;N-スクシンイミジルエステル(NHSエステル)、スルホジクロロフェノール(sulfodicholorphenol)エステル(SDPエステル)、またはペンタフルオロフェニル-エステル(PFPエステル)/アミン;ビススクシンイミジルエステル/アミン;イミドエステル/アミン;ヒドラジンもしくはアミン/アルデヒド、ジアルデヒドまたはベンズアルデヒド;イソシアネート/ヒドロキシルまたはアミン;炭水化物-過ヨウ素酸塩/ヒドラジンまたはアミン;ジアジリン/アリールアジドケミストリー;ピリジルジチオール/アリールアジドケミストリー;アルキン/アジド;カルボキシ-カルボジイミド/アミン;アミン/スルホ-SMCC(スルホスクシンイミジル4-[N-マレイミドメチル]シクロヘキサン-1-カルボキシレート)/チオールおよびアミン/BMPH(N-[β-マレイミドプロピオン酸]ヒドラジド.TFA)/チオール;アジド/トリアリールホスフィン;ニトロン/シクロオクチン;アジド/テトラジンおよびホルミルベンズアミド/ヒドラジノ-ニコチンアミド。
【0735】
活性化生体分子と活性化標識を、それぞれの反応性リンカー同士の間に化学結合(たとえば、共有結合)を形成するのに十分な時間にわたって接触させた後、たとえば、種々の精製プロトコルの中でも、マイクロ抽出、ゲル電気泳動、液液抽出、遠心分離、沈殿、受動もしくは能動透析、または、限定されないが、イオン交換クロマトグラフィーをはじめとする固相クロマトグラフィー、逆相固定カラムを用いた液体クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィーおよび分取薄層クロマトグラフィー、限外濾過(サイズカットオフを有する膜フィルター)によって標識生体分子をさらに精製してもよい。
【0736】
方法はまた、調製された標識生体分子試薬の分析を含んでもよい。
【0737】
分析されるとは、限定されないが、調製された試薬組成物中の化合物の量および種類、ならびに存在するあらゆる不純物を含め、標識生体分子試薬の化学組成を特性決定することを意味する。調製された標識生体分子試薬の分析は、たとえば、物理的測定(たとえば、質量分析、密度分析、容量分析など)、質量分析法(たとえば、TOF質量分析法、誘導結合親和性プラズマ質量分析法)、マスサイトメトリー、吸光分光法、蛍光分光法、伝導度分析、赤外分光法、紫外可視分光法、比色分析、元素分析、および核磁気共鳴分光法などのいずれの好都合なプロトコルを使用して実施してもよい。いくつかの実施形態では、標識生体分子の分析は、質量分析法により実施される。いくつかの実施形態では、標識生体分子の分析は、蛍光分光法により実施される。いくつかの実施形態では、標識生体分子の分析は、ガスクロマトグラフィーにより実施される。いくつかの実施形態では、標識生体分子の分析は、液体クロマトグラフィーにより実施される。いくつかの実施形態では、標識生体分子の分析は、元素分析により実施される。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬の分析は、ガスクロマトグラフィー-質量分析法により実施される。別の実施形態では、標識生体分子試薬の分析は、液体クロマトグラフィー-質量分析法により実施される。たとえば、この装置は、液体クロマトグラフ(LC)などの分析分離装置を含んでもよく、そうしたものとして、高性能液体クロマトグラフ(HPLC)、高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)、ミクロもしくはナノ-液体クロマトグラフまたは超高圧液体クロマトグラフ(UHPLC)装置、キャピラリー電気泳動(CE)、またはキャピラリー電気泳動クロマトグラフ(CEC)装置が挙げられる。しかし、任意の手動もしくは自動噴射または吐出しポンプシステムを使用してもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、ナノ-またはマイクロポンプを使用することによって、対象サンプルをLC-MSシステムに適用してもよい。質量分析システムは、いずれの好都合な質量分析システムであってもよく、一般に、サンプルをイオン化するためのイオン源、イオンを分離するための質量分析計、およびイオンを検出する検出器を含む。いくつかの実施形態では、質量分析計は、前駆イオンを単離して、前駆イオンをフラグメント化して、フラグメント化した前駆イオンを分析することができる、いわゆる「タンデム」質量分析計であってよい。イオン供給源は、いずれのタイプのイオン化方法であってもよく、そうしたものとして、限定されないが、たとえば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、電子衝撃(EI)、大気圧光イオン化(APPI)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)もしくは誘導結合プラズマ(ICP)イオン化、またはこれらの任意の組合せ(いわゆる「マルチモード」イオン化供給源を提供するもの)が挙げられる。一実施形態では、前駆イオンは、EI、ESIもしくはMALDIにより製造されてもよく、選択された前駆イオンは、衝突によって、または光子を用いてフラグメント化して、生成物イオンを生成することができ、その後、イオンを分析する。同様に、様々な異なる質量分析計のいずれを使用してもよく、そうしたものとして、飛行時間(TOF)、フーリエ変換型イオンサイクロトロン共鳴(FTICR)、イオントラップ、四重極型もしくは二重収束電磁場セクター質量分析計、またはこれらの任意のハイブリッドが挙げられる。一実施形態では、質量分析計は、セクター、透過型四重極、または飛行時間質量分析計であってもよい。
【0738】
標識生体分子試薬の調製(ならびに要望されれば、精製および分析)後、調製された標識生体分子試薬の各々を、標識生体分子リクエストに応じて、パッケージングおよび配達(すなわち、標識生体分子リクエストをもたらしたユーザに輸送される)のために容器中にロードしてよい。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬は調製された後、活性化生体分子を活性化標識と接触させるために用いられる容器に入れてユーザに配達される。たとえば、標識生体分子試薬は、活性化生体分子を活性化標識と接触させるために用いられるマイクロチューブ中にパッケージングして、配達することができる。また、これらの方法は、パッケージングされた標識生体分子試薬を、たとえば郵便でリクエスターに配達する工程も含みうる。
【0739】
調製された標識生体分子試薬は、たとえば標識生体分子試薬を使用もしくは保存するための他の構成要素と一緒にパッケージングしてもよく、そうしたものとして、限定されないが、緩衝液、シリンジ、針、マイクロピペット、ガラススライド、乾燥剤などが挙げられる。これに加えて、パッケージングされた標識生体分子試薬はさらに、標識生体分子試薬を保存および使用するための指示を含んでもよい。指示は、好適な記録媒体に記録したものでよく、たとえば紙またはプラスチックなどに印刷される。指示は、容器のラベルなどに、パッケージ挿入片として存在してもよい。別の実施形態では、指示は、好適なコンピュータ可読媒体、たとえば、CD-ROM、SDカード、USBドライブなどに存在する電子記憶データファイルとして存在してもよい。また別の実施形態では、実際の指示はパッケージ内に存在しないが、リモートソースから、たとえば、インターネットを介して、指示を取得する手段が提供される。この実施形態の例として、ウェブアドレスを有する紙またはプラスチック挿入片があり、そのアドレスから指示を閲覧することができ、かつ/または指示をダウンロードすることができる。
【0740】
標識生体分子試薬をリクエストし、受け取る方法
本開示の態様は、標識生体分子試薬をリクエストし、受け取る方法も含む。いくつかの実施形態に従う方法は、標識生体分子試薬のリクエストを伝達する工程であって、標識生体分子リクエストが、以下:1)標識生体分子リクエスト;および2)生体分子リクエストと標識リクエストの1つまたは複数を含む工程と、標識に共有結合した生体分子を含む標識生体分子試薬を受け取る工程と、を含む。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストを含む。対象の方法を実施する際、標識生体分子リクエスト任意の好都合な通信プロトコルによって伝達することができ、こうしたものとして、限定されないが、電話により、ファクシミリ、電子メールまたは郵便により、標識生体分子リクエストを伝達する、などが挙げられる。いくつかの実施形態では、標識生体分子リクエストは、インターネットウェブサイトを介するなど、コンピュータでグラフィカルユーザインターフェースに標識生体分子試薬リクエストを入力することによって伝達される。
【0741】
いくつかの実施形態では、生体分子は、ポリペプチド、核酸、多糖、またはこれらの任意の組合せを含む。核酸は、オリゴヌクレオチド、DNAまたはRNAであってよい。ポリペプチドは、タンパク質、酵素またはタンパク質結合試薬であってよい。タンパク質結合試薬は、抗体、アプタマー、またはこれらの組合せを含んでよい。標識と共役したタンパク質結合試薬は、複数のタンパク質標的の少なくとも1つと特異的に結合することができる。
【0742】
いくつかの実施形態では、複数のタンパク質標的は、細胞表面タンパク質、細胞マーカー、B細胞受容体、T細胞受容体、抗体、主要組織適合遺伝子複合体、腫瘍抗原、受容体、またはこれらの任意の組合せを含む。複数のタンパク質標的は、たとえば、10~400の異なるタンパク質標的を含みうる。生体分子は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なる生体分子から選択することができる。
【0743】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、生体分子のユニークな識別子を含む。ユニークな識別子は、25~45ヌクレオチド長のヌクレオチド配列を含みうる。ユニークな識別子は、ユニークな識別子の多様な集合から選択することができる。ユニークな識別子の多様な集合は、少なくとも100、1,000、または10,000の異なるユニークな識別子を含みうる。オリゴヌクレオチドは、少なくとも10、100、または1,000の異なるバーコード配列(たとえば、分子標識配列)から選択される配列を有しうる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リンカーを介して生体分子に共役している。オリゴヌクレオチドは、リンカーを含みうる。リンカーは、化学基を含みうる。化学基は、生体分子と可逆的に結合させることができる。化学基は、UV光開裂性基、ストレプトアビジン、ビオチン、アミン、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択することができる。
【0744】
ユニークな識別子は、サンプルのゲノム配列と相同性でなくてもよい。サンプルは、単一細胞、複数の細胞、組織、腫瘍サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。サンプルは、哺乳動物サンプル、細菌サンプル、ウイルスサンプル、酵母サンプル、真菌サンプル、またはこれらの任意の組合せであってよい。オリゴヌクレオチドは、バーコード配列(たとえば、分子標識配列)、ポリ(A)テール、またはこれらの組合せを含みうる。
【0745】
1つ以上の標識生体分子試薬リクエストを伝達することができ、たとえば2つ以上の標識生体分子試薬リクエスト、たとえば5つ以上、たとえば10以上を伝達することができ、25以上の標識生体分子試薬リクエストの伝達が含まれる。いくつかの実施形態では、方法は、単一の生体分子リクエストと単一の標識リクエストとを含む標識生体分子試薬リクエストを伝達する工程を含む。別の実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、単一の生体分子リクエストと複数の標識リクエストとを含む。また別の実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、複数の生体分子リクエストと単一の標識リクエストとを含む。さらに別の実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、複数の生体分子リクエストと複数の標識リクエストとを含む。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、1つ以上の標識生体分子リクエストを含む。いくつかの実施形態では、標識リクエストは、酵素リクエストと基質リクエストとを含む。
【0746】
いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬リクエストは、たとえばインターネットウェブサイトで、グラフィカルユーザインターフェースにリクエストを入力することによって伝達される。グラフィカルユーザインターフェースは、標識生体分子、活性化生体分子、生体分子、活性化標識、標識および反応性リンカーのデータベース(たとえば、カタログ)の全部または一部を表示することができる。データベースからの各カテゴリーは、リスト、ドロップダウンメニューまたはその他の構成として表示することができる。標識生体分子試薬リクエストは、生体分子および標識に関連する情報もしくはデータを適切なテキストフィールドに入力することにより、またはチェックボックスを選択することにより、もしくはドロップダウンメニューから1つ以上の項目を選択することにより、またはこれらの組合せを使用することにより、入力されうる。
【0747】
一例において、標識生体分子試薬リクエストは、ドロップダウンメニューから標識生体分子を選択することによってグラフィカルユーザインターフェースに入力される。別の例では、標識生体分子試薬リクエストは、第1ドロップダウンメニューから1つまたは複数の生体分子を、また第2ドロップダウンメニューから1つまたは複数の標識を選択することによってグラフィカルユーザインターフェースに入力される。また別の例では、標識生体分子試薬リクエストは、第1ドロップダウンメニューから1つまたは複数の生体分子を、第2ドロップダウンメニューから1つまたは複数の標識を、また第3ドロップダウンメニューから1つまたは複数の反応性リンカーを選択することによってグラフィカルユーザインターフェースに入力される。
【0748】
標識生体分子試薬リクエストを入力するために、特定の標識生体分子、生体分子もしくは標識に関連する情報またはデータをグラフィカルユーザインターフェースに入力する。入力される情報またはデータは、標識生体分子の一連の1つ以上の文字(たとえば、英数字)、記号、イメージまたはその他のグラフ表示であってよい。いくつかの実施形態では、標識生体分子、生体分子、標識、活性化生体分子、活性化標識もしくは反応性リンカーの「簡潔な」呼称またはその他の好適な識別子が入力される。たとえば、生体分子名、標識名、アクセッション番号、配列識別番号、省略型プローブ配列、化学構造またはケミカル・アブストラクツ・サービス(Chemical Abstracts Service)(CAS)登録番号が入力されうる。
【0749】
いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬は、ポリペプチドを含み、リクエストは、ポリペプチド名、タンパク質名、酵素名、抗体名またはタンパク質、酵素もしくはその抗体フラグメント、特定の生体体液(たとえば、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄液、羊水、臍帯血、尿、膣液および精液)由来のポリペプチド、特定の種由来のポリペプチド(たとえば、マウスモノクローナル抗体)の名称、ならびにアミノ酸配列識別番号などの情報を含みうる。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬は、生物学的プローブを含み、リクエストは、特定の結合ドメインに関連する情報またはデータを含む。
【0750】
別の実施形態では、標識生体分子試薬は核酸を含み、リクエストは、オリゴヌクレオチド名、遺伝子名により識別されるオリゴヌクレオチド、アクセッション番号により識別されるオリゴヌクレオチド、特定の種(たとえば、マウス、ヒト)由来の遺伝子のオリゴヌクレオチド、特定の組織(たとえば、肝臓、脳、心臓)に関連する遺伝子のオリゴヌクレオチド、特定の生理機能(たとえば、アポトーシス、ストレス応答)に関連する遺伝子のオリゴヌクレオチド、特定の病態(たとえば、癌、心臓血管疾患)に関連する遺伝子のオリゴヌクレオチド、ならびにヌクレオチド配列識別番号などの情報を含みうる。
【0751】
いくつかの実施形態では、標識生体分子をリクエストする方法は、標識生体分子リクエストに関する質問票またはアンケートを完了する工程をさらに含む。これらの実施形態では、標識生体分子のリクエスターは、標識生体分子リクエストに関する一連の質問、または質問票もしくはアンケート形式での記入が要求される。たとえば、質問票またはアンケートは、標識生体分子リクエストに関する1つの質問、たとえば標識生体分子リクエストに関する2つ以上の質問、たとえば3つ以上の質問、たとえば4つ以上の質問、ならびにたとえば5つ以上の質問を含みうる。質問票またはアンケートの内容は、要望される情報に応じて変動しうる。たとえば、質問票またはアンケート中の質問は、限定されないが、リクエスターの試薬目録の内容、標的生体分子を用いて実施される実験の種類、ならびに標的生体分子試薬の使用の時期を提供する要求を含みうる。質問票は、入力のための1つまたは複数のオープンテキストフィールドを含んでもよい。たとえば、質問票は、オープンテキストフィールドバックフォームであってもよい。
【0752】
いくつかの実施形態では、方法は、リクエスターに、標識生体分子リクエストを伝達する(すなわち、グラフィカルユーザインターフェースに入力する)前に、一連の質問またはアンケートを完了することを促すことを含む。別の実施形態では、方法は、リクエスターに、標識生体分子リクエストを完了後に、一連の質問またはアンケートを完了することを促すことを含む。また別の実施形態では、リクエスターは、標識生体分子リクエストを伝達するのと同時に、標識生体分子リクエストに関する質問が促されうる。たとえば、方法は、標識生体分子リクエストを伝達するとき、標識生体分子の具体的用途(たとえば、実験の実施など)に関する質問をリクエスターに要求する工程を含みうる。
【0753】
前述したように、完了された一連の質問またはアンケートは、1つまたは複数の標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーについての推奨を提供するために、設計プラットフォームによって使用されうる。たとえば、質問またはアンケートに対する回答は、特定の分析計器(たとえば、フローサイトメータ、蛍光分光計)での使用に最も適した、または標識生体分子の意図される適用に最も適した標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識もしくは反応性リンカーを推奨するために、設計プラットフォームによって使用されうる。設計プラットフォームは、いくつかの実施形態において、完了された一連の質問またはアンケートに対する回答を用いて、標的密度(たとえば、細胞上の抗原密度)に基づき、標識生体分子、生体分子、活性化生体分子、標識、活性化標識または反応性リンカーについての推奨を提供するように構成されている。
【0754】
一連の質問またはアンケートに対する回答は、標識生体分子リクエストを伝達するのに用いられるものと同じか、もしくは異なるプロトコル(たとえば、電話、ファクシミリ、電子メール、スタンドアローン型ステーションでのグラフィカルユーザインターフェース、インターネットを介したグラフィカルユーザインターフェース)を使用して伝達することができる。たとえば、標識生体分子リクエストが、インターネットを介したグラフィカルユーザインターフェースを通じて伝達される場合、一連の質問に対する回答も、たとえば、ドロップダウンメニューまたはテキストフィールドなどを用い、グラフィカルユーザインターフェースを通じて入力してよい。
【0755】
本開示の実施形態に従う方法は、標識生体分子試薬を受け取る工程も含む。標識生体分子試薬は、容器内にロードされて受け取られ、たとえば、対象組成物を使用または保存するための1つ以上の補助成分と一緒にパッケージングされてもよい。いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬は、緩衝液、シリンジ、針、マイクロピペット、ガラススライド、乾燥剤などと一緒に受け取られる。パッケージングされた標識生体分子試薬は、標識生体分子試薬の保存および使用に関する指示、たとえば、紙、プラスチックに印刷されるか、またはコンピュータ可読媒体(たとえば、CD-ROM、SDカード、USBドライブ)上の指示、あるいはリモートソースから、たとえば、インターネットを介して、対象組成物の保存および使用に関する指示を検索する指示を提供する挿入片としての指示などと一緒に受け取られる場合もある。
【0756】
複数の活性化生体分子と複数の活性化標識とを含むストレージ
本開示の態様は、複数の活性化生体分子と複数の活性化標識とを含むストレージも含む。上に詳述したように、対象の標識生体分子試薬は、活性化生体分子(たとえば、活性化タンパク質結合試薬であり、タンパク質結合試薬は、タンパク質標的に特異的に結合することができる)を、活性化標識(たとえば、活性化オリゴヌクレオチドであり、オリゴヌクレオチドは、それが共役されるタンパク質結合試薬のユニークな識別子を含む)と接触させることによって調製される。いくつかの実施形態では、ストレージ内の活性化生体分子は、反応性リンカーに結合したポリペプチド、核酸、ポリペプチドまたはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、ストレージ内の活性化生体分子は、反応性リンカーに結合した生物学的プローブであり、ここで、プローブは、たとえば、抗体結合剤、タンパク質、ペプチド、ハプテン、核酸などの目的の被検体に対して特異的な結合ドメインを含む。活性化標識は、たとえば、蛍光発光、吸光度、蛍光偏光、蛍光寿命、蛍光波長、吸収極大、吸収波長、ストークス(Stokes)シフト、光散乱、質量、分子量、酸化還元、音波、ラマン(raman)、磁気、無線周波数、酵素反応(化学発光および電気-化学発光を含む)またはこれらの組合せに基づいて検出することができるマーカー化合物である。たとえば、標識は、蛍光団、発色団、酵素、酵素基質、触媒、レドックス標識、放射標識、音波標識、ラマン(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ(たとえば、同位体として純粋な希土類元素)、磁気粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはこれらの任意の組合せであってもよい。
【0757】
いくつかの実施形態では、ストレージ内の活性化標識は、反応性リンカーに結合した蛍光団である。目的の蛍光団としては、限定されないが、分析用途(たとえば、フローサイトメトリー、イメージングなど)での使用に好適な色素、たとえば、アクリジン色素、アントラキノン色素、アリールメタン色素、ジアリールメタン色素(たとえば、ジフェニルメタン色素)、クロロフィル含有色素、トリアリールメタン色素(たとえば、トリフェニルメタン色素)、アゾ色素、ジアゾニウム色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、不斉シアニン色素、キノン-イミン色素、アジン色素、ユーロジン(eurhodin)色素、サフラニン色素、インダミン、インドフェノール色素、フッ素色素、オキサジン色素、オキサゾン色素、チアジン色素、チアゾール色素、キサンテン色素、フルオレン色素、ピロニン色素、フッ素色素、ローダミン色素、フェナントリジン色素、ならびに2つ以上の色素を組み合わせた色素(たとえば、同時に)ならびに1つ以上のモノマー色素単位を有するポリマー色素、ならびにこれらの色素の2つ以上の混合物が挙げられる。たとえば、蛍光団は、以下のものであってもよい:4-アセタミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;アクリジンならびにアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、およびアクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;アロフィコシアニン、フィコエリスリン、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタリミド-3,5ジスルホネート(ルシファーイエロー(Lucifer Yellow)VS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー(Brilliant Yellow);クマリンおよびクマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、Coumarin 120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクルアリン(Coumaran 151)などの誘導体;シアニンならびにシアノシン、Cy3、Cy5、Cy5.5、およびCy7などの誘導体;4’,6-ジアミニジノ-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5’’-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド(Bromopyrogallol Red));7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミンペンタアセテート;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニル塩化物(DNS、塩化ダンシル);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン、ならびにエオシンおよびエオシンイソチオシアネートなどの誘導体;エリスロシン、ならびにエリスロシンBおよびエリスロシンイソチオシアネートなどの誘導体;エチジウム;フルオレセイン、ならびに5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、およびQFITC(XRITC)などの誘導体;フルオレサミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein)(GFP);リーフコーラル蛍光タンパク質(Reef Coral Fluorescent Protein)(RCFP);Lissamine(商標);リサミンローダミン(Lissamine rhodamine)、ルシファーイエロー(Lucifer yellow);マラカイトグリーン(Malachite Green)イソチオシアネート;4-メチルウムベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローザニリン;ナイルレッド(Nile Red);オレゴングリーン(Oregon Green);フェノールレッド(Phenol Red);B-フィコエリスリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン、ならびにピレン、ピレンブチレートおよびスクシンイミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;Reactive Red 4(Cibacron(商標)Brilliant Red 3B-A);ローダミン、ならびに6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリザミン(lissamine)、ローダミンBスルホニル塩化物、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニルクロリド誘導体(Texas Red)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、およびテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)などの誘導体;リボフラビン;ロゾール酸およびテルビウムキレート誘導体;キサンテン;フルオレセインイソチオシアネート-デキストランなどの色素共役ポリマー(すなわち、ポリマー結合色素)、ならびに前述したその色素の2つ以上を組み合わせた色素(たとえば、同時に)、1つ以上のモノマー色素単位を有するポリマー色素および前述した色素の2つ以上の混合物。
【0758】
いくつかの実施形態では、蛍光団(すなわち、色素)は、蛍光ポリマー色素である。対象の方法およびシステムで有用な蛍光ポリマー色素は様々である。本方法のいくつかの実施形態では、ポリマー色素は、共役ポリマーを含む。
【0759】
共役ポリマー(CP)は、不飽和結合(たとえば、二重および/または三重結合)と飽和結合(たとえば、単一結合)が交互に並ぶ骨格を含む非局在化電子構造を特徴とし、ここで、π-電子は、1つの結合から他の結合へと移動することができる。従って、共役骨格は、ポリマー色素上に長い線状構造を付与することができ、ポリマーの反復単位間の結合角度が限定される。たとえば、タンパク質と核酸は、ポリマーでもあるが、いくつかのケースでは、長いロッド構造を形成するのではなく、高次三次元形状に折り畳まれる。さらに、CPは、「剛体ロッド」ポリマー骨格を形成して、ポリマー骨格鎖に沿って、モノマー反復単位の間に限定的なねじり角度(たとえば、ねじれ)を被りうる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、剛体ロッド構造を有するCPを含む。上に要約したように、ポリマー色素の構造特性は、分子の蛍光特性に影響を及ぼしうる。
【0760】
任意の好都合なポリマー色素を対象の方法およびシステムで使用することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、蛍光団の蛍光出力を増幅するために光を捕集することができる構造を有する多発色団である。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、光を捕集して、それをより長い波長の放射光に効率的に変換することができる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、エネルギーを近接する発光種(たとえば、「シグナル伝達発色団」)に効率的に移動することができる集光多発色団システムを有する。エネルギー移動のための機構としては、たとえば、共鳴エネルギー移動(たとえば、フェルスター(Forster)(または蛍光)共鳴エネルギー移動、FRET)、量子荷電交換反応(デクスター(Dexter)エネルギー移動)などが挙げられる。いくつかの実施形態では、これらのエネルギー移動機構は、相対的に短距離である;すなわち、シグナル伝達発色団に対して集光多発色団システムが近接しているために、効率的なエネルギー移動が可能になる。効率的エネルギー移動のための条件下で、集光多発色団システム中の個々の発色団の数が多くなると、シグナル伝達発色団からの発光の増幅が起こる;すなわち、シグナル伝達発色団からの発光は、入射光(「励起光」)が、集光多発色団システムによって吸収される波長であるとき、シグナル伝達発色団がポンプ光によって直接励起されるときよりも強度が大きくなる。
【0761】
多発色団は、共役ポリマーであってもよい。共役ポリマー(CP)は、非局在化電子構造を特徴とし、化学および生物学的標的の高度応答性光リポータとして用いることができる。有効な共役長さは、ポリマー鎖の長さより実質的に短いため、骨格は、多数の共役セグメントを密接して含む。従って、共役ポリマーは、集光するのに効率的であり、エネルギー移動を介した光増幅を可能にする。
【0762】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、直接蛍光リポータ、たとえば、高い消散係数、高い輝度などを有する蛍光ポリマーとして使用することもできる。一部の実施形態では、ポリマーは、強力な発色団として使用することもでき、この場合、色または光学密度が指標として用いられる。
【0763】
目的のポリマー色素としては、限定されないが、米国特許出願公開第20040142344号明細書、同第20080293164号明細書、同第20080064042号明細書、同第20100136702号明細書、同第20110256549号明細書、同第20120028828号明細書、同第20120252986号明細書、および同第20130190193号明細書(その開示内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)においてGaylord et al.により;ならびにGaylord et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp6417-6418;Feng et al.,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419;およびTraina et al.,J.Am.Chem.Soc.,2011,133(32),pp 12600-12607(その開示内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている色素が挙げられる。
【0764】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、共役系を形成する複数の第1光学活性ユニットを含む共役ポリマーを含み、これは、第1光学活性ユニットが、光を吸収して、励起状態を形成する第1吸収波長(たとえば、本明細書に記載するもの)を有する。共役ポリマー(CP)は、ポリカチオン性、ポリアニオン性および/または電荷中性共役ポリマーであってもよい。
【0765】
CPは、生物学的サンプルに使用するために水溶性であってもよい。水溶性を高めるために、ポリマー色素中に、親水性置換基、たとえば、親水性ポリマー、または荷電置換基、たとえば、水溶液中、たとえば、生理的条件下で、正もしくは負荷電基などのいずれか好都合な置換基を含有させてもよい。対象の集光多発色団にいずれか好都合な水溶性基(WSG)を使用してもよい。「水溶性基」という用語は、水性環境において十分に溶媒和され、しかも、それが結合する分子に改善された水溶性を付与する官能基を指す。いくつかの実施形態では、WSGは、WSGが欠如した多発色団と比較して、ほぼ水性の溶液(たとえば、本明細書に記載するもの)中での多発色団の溶解度を高める。水溶性基は、水性環境中に十分に溶媒和されるいずれの好都合な親水性基であってもよい。いくつかの実施形態では、親水性水溶性基は荷電されており、たとえば、正もしくは負荷電されているか、または双性イオン性である。いくつかの実施形態では、親水性水溶性基は、中性親水性基である。いくつかの実施形態では、WSGは、親水性ポリマー、たとえば、ポリエチレングリコール、セルロース、キトサン、またはそれらの誘導体である。
【0766】
本明細書で用いられる場合、「ポリエチレンオキシド」、「PEO」、「ポリエチレングリコール」および「PEG」という用語は、置き換え可能に用いられて、式-(CH2-CH2-O-)n-により表される鎖を含むポリマーまたはその誘導体を指す。いくつかの実施形態では、「n」は、5000以下、たとえば1000以下、500以下、200以下、100以下、50以下、40以下、30以下、20以下、15以下、たとえば5~15、または10~15である。PEGポリマーは、任意の好都合な長さであってよく、限定されないが、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アシル、アシルオキシ、およびアミノ末端基をはじめとする様々な末端基を含みうることは理解される。対象の多発色団での使用に合わせて改変されうる官能基化PEGとしては、S.Zalipskyにより“Functionalized poly(ethylene glycol) for preparation of biologically relevant conjugates”,Bioconjugate Chemistry 1995,6(2),150-165に記載されているPEGを含む。目的の水溶性基として、限定されないが、以下のものが挙げられる:カルボン酸塩、ホスホン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、スルフィン酸塩、エステル、ポリエチレングリコール(PEG)および修飾PEG、ヒドロキシル、アミン、アンモニウム、グアニジニウム、ポリアミンおよびスルホニウム、ポリアルコール、直鎖もしくは環状糖、1級、2級、3級、もしくは4級アミンおよびポリアミン、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、アスコルビン酸基、グリコール、たとえば、ポリエーテル、-COOM’、-SO3M’、-PO3M’、-NR3、Y’、(CH2CH2O)pRおよびそれらの混合物(ここで、Y’は、任意のハロゲン、硫酸塩、スルホン酸塩、もしくは酸素含有アニオンであってよく、pは、1~500であってよく、各Rは、独立に、Hもしくはアルキル(メチルなど)であってよく、M’は、カチオン性対イオンもしくは水素、-(CH2CH2O)yyCH2CH2XRyy、-(CH2CH2O)yyCH2CH2X-、-X(CH2CH2O)yyCH2CH2-、グリコール、およびポリエチレングリコールであってよく、式中、yyは、1~1000から選択され、Xは、O、S、およびNRZZから選択され、RZZおよびRYYは、独立に、HおよびC1~3アルキルから選択される)。
【0767】
ポリマー色素は、任意の好都合な長さを有してよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のモノマー反復単位もしくはセグメントの具体的な数は、2~500,000、たとえば2~100,000、2~30,000、2~10,000、2~3,000もしくは2~1,000単位もしくはセグメント、またはたとえば100~100,000、200~100,000、または500~50,000単位もしくはセグメントの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のモノマー反復単位もしくはセグメントの数は、2~1000単位もしくはセグメント、たとえば2~750単位もしくはセグメント、たとえば2~500単位もしくはセグメント、たとえば2~250単位もしくはセグメント、たとえば2~150単位もしくはセグメント、たとえば2~100単位もしくはセグメント、たとえば2~75単位もしくはセグメント、たとえば2~50単位もしくはセグメントで、2~25単位もしくはセグメントも含まれる、範囲内であってよい。
【0768】
ポリマー色素は、任意の好都合な分子量(MW)であってよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素のMWは、平均分子量として表すことができる。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、500~500,000、たとえば1,000~100,000、2,000~100,000、10,000~100,000の平均分子量、あるいは50,000~100,000の平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、70,000の平均分子量を有する。
【0769】
ポリマー色素は、特定の吸収極大波長、特定の発光極大波長、消散係数、量子収量などの1つまたは複数の望ましい分光学的特性を有しうる。
【0770】
一部の実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの吸収曲線を有する。一部の実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの範囲で吸収極大を有する。一部の実施形態では、ポリマー色素は、280~850nmの範囲の波長を有する入射光を吸収し、この場合、目的の吸収極大の具体的な例として、限定されないが、以下:348nm、355nm、405nm、407nm、445nm、488nm、640nmおよび652nmが挙げられる。一部の実施形態では、ポリマー色素は、280~310nm、305~325nm、320~350nm、340~375nm、370~425nm、400~450nm、440~500nm、475~550nm、525~625nm、625~675nmおよび650~750nmからなる群から選択される範囲の吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、348nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、355nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、405nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、407nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、445nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、488nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、640nmの吸収極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、652nmの吸収極大波長を有する。
【0771】
一部の実施形態では、ポリマー色素は、400~850nm、たとえば415~800nmの範囲の発光極大波長を有し、ここで、目的の発光極大の具体的な例として、限定されないが、以下:395nm、421nm、445nm、448nm、452nm、478nm、480nm、485nm、491nm、496nm、500nm、510nm、515nm、519nm、520nm、563nm、570nm、578nm、602nm、612nm、650nm、661nm、667nm、668nm、678nm、695nm、702nm、711nm、719nm、737nm、785nm、786nm、805nmが挙げられる。一部の実施形態では、ポリマー色素は、以下:380~400nm、410~430nm、470~490nm、490~510nm、500~520nm、560~580nm、570~595nm、590~610nm、610~650nm、640~660nm、650~700nm、700~720nm、710~750nm、740~780nmおよび775~795nmからなる群から選択される範囲の発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、395nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、421nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、478nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、480nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、485nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、496nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、510nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、570nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、602nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、650nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、711nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、737nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、750nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、786nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、421nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、510nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、570nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、602nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、650nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、711nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、786nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nmおよび786nmからなる群から選択される発光極大を有する。
【0772】
いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、1×106cm-1M-1以上、たとえば2×106cm-1M-1以上、2.5×106cm-1M-1以上、3×106cm-1M-1以上、4×106cm-1M-1以上、5×106cm-1M-1以上、6×106cm-1M-1以上、7×106cm-1M-1以上、または8×106cm-1M-1以上の消散係数を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.05以上の量子収量、たとえば0.1以上、0.15以上、以上、0.25以上、0.3以上、0.35以上、0.4以上、0.45以上、0.5以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、0.9以上、0.95以上、0.99以上で、0.999以上も含まれる、量子収量を有する。たとえば、目的のポリマー色素の量子収量は、0.05~1、たとえば0.1~0.95、たとえば0.15~0.9、たとえば0.2~0.85、たとえば0.25~0.75、たとえば0.3~0.7の範囲で、0.4~0.6の量子収量も含まれる、範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.1以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.5以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.6以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.7以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.8以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.9以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、0.95以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、1×106以上の消散係数および0.3以上の量子収量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー色素は、2×106以上の消散係数および0.5以上の量子収量を有する。
【0773】
いくつかの実施形態では、標識は、蛍光団、発色団、ポリペプチド、タンパク質、酵素、酵素基質、触媒、レドックス標識、放射標識、音波標識、ラマン(Raman)(SERS)タグ、質量タグ、同位体タグ、磁気粒子、ミクロ粒子、ナノ粒子、オリゴヌクレオチド、またはこれらの任意の組合せを含む。いくつかの実施形態では、標識は、酵素、酵素基質、またはそれらの組合せを含む。酵素は、酵素基質を対応する修飾酵素基質に修飾することができる。
【0774】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、対応する修飾酵素基質とは、少なくとも1つの官能基が異なる。少なくとも1つの官能基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、ベンジル、ハロ、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシル、カルボニル、アルデヒド、ハロホルミル、炭酸エステル、カルボキシレート、カルボキシル、エステル、メトキシ、ヒドロペルオキシ、ペルオキシ、エーテル、ヘミアセタール、ヘミケタール、アセタール、ケタール、アセタール、オルトエステル、メチレンジオキシ、オルト炭酸エステル、カルボキサミド、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、第四級アンモニウム、第一級ケタミン、第二級ケタミン、第一級アルジミン、第二級アルジミン、イミド、アジド、アゾ、ジイミド、シアネート、イソシアネート、ニトレート、ニトリル、イソニトリル、ニトロソオキシ、ニトロ、ニトロソ、ピリジル、スルフヒドリル、スルフィド、ジスルフィド、スルフィニル、スルホニル、スルフィノ、スルホ、チオシアネート、イソチオシアネート、カルボノチオン、カルボノチアール、ホスフィノ、ホスホノ、ホスフェート、ホスホジエステル、ボロノ、ボロネート、ボリノ、ボリネート、またはこれらの任意の組合せであってよい。
【0775】
いくつかの実施形態では、酵素は、メチルトランスフェラーゼ、グリコシドヒドロラーゼ、アガラーゼ、アミニダーゼ、アミラーゼ、ビオシダーゼ、カラギナーゼ、セルラーゼ、セラミダーゼ、キチナーゼ、キトサナーゼ、キトリナーゼ、デキストラナーゼ、デキストリナーゼ、フルクトシダーゼ、フコイダナーゼ、フコシダーゼ、フラノシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ガラクツロナーゼ、グルカナーゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、グルクロノシダーゼ、グリコヒドロラーゼ、グリコシダーゼ、ヘキサオシダーゼ、ヒドロラーゼ、イズロニダーゼ、イノシダーゼ、イヌリナーゼ、ラクターゼ、レバナーゼ、リケニナーゼ、リガーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マルトシダーゼ、マルトトリオシダーゼ、マンノビオシダーゼ、マンノシダーゼ、ムラミダーゼ、オクツロソナーゼ、オクツロソニダーゼ、プリメベロシダーゼ、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ラムノシダーゼ、サミニダーゼ、シアリダーゼ、シンターゼ、トランスフェラーゼ、トレハラーゼ、ツロニダーゼ、ツロノシダーゼ、キシラナーゼ、キシロシダーゼ、またはこれらの組合せを含む。
【0776】
いくつかの実施形態では、酵素基質は、6-メルカプトプリン、セロビオース、セロテトラオース、キシロテトラオース、イソプリメベロース、β-D-ゲンチオビオース、キシログルカンおよびマンノトリオース、アガロース、アミン(aminic)酸、デンプン、オリゴ糖、多糖、セルロース、セラミド、キチン、キトサン、デキストロース、デキストリン、フルクトース、フコイダン、フコース、フラノシド、ガラクトシド、グルカン、グルコピラノシド、グルコシド、グルクロン酸、グルクロノシド、グリコース、グリコシド、グリコサミノグリカン、ヘキサオシド、イヌリン、ラクトース、レバノース、リポ多糖、マンノース、マルトシド、マルトトリオシド、マンノース、オクツロソン酸塩、オリゴ糖、ペクチン酸塩、ペクチン、ペプチド、ポリガラクツロニド、ポリヌクレオチド、プルラン、ラムノシド、キシラン、またはこれらの任意の組合せを含む。
【0777】
いくつかの実施形態では、標識生体分子試薬リクエストに従って標識生体分子試薬を調製するための活性化生体分子と活性化標識をストレージから取得する。ストレージは、10以上の異なる活性化生体分子、たとえば25以上、たとえば50以上、たとえば100以上、たとえば250以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、活性化生体分子を有しうる。一例では、ストレージは、10以上の異なる活性化オリゴヌクレオチド、たとえば25以上、たとえば50以上、たとえば100以上、たとえば250以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、活性化オリゴヌクレオチドを含む。別の例では、ストレージは、10以上の異なる活性化ポリペプチド、たとえば25以上、たとえば50以上、たとえば100以上、たとえば250以上、たとえば500以上で、1000以上も含まれる、活性化ポリペプチドを含む。
【0778】
ストレージはまた、10以上の異なる活性化標識、たとえば15以上、たとえば20以上、たとえば30以上、たとえば40以上で、50以上も含まれる、異なる活性化標識も含みうる。
【0779】
複数の活性化生体分子および活性化標識の各々は、要望される場合、ストレージ内で、活性化生体分子または活性化標識を保存し、提供することができるいずれか好都合な容器中に保存されて存在してもよい。いくつかの実施形態では、複数の異なる活性化生体分子と複数の異なる活性化標識は、個別の試薬チャンバーに仕切られた単一の貯蔵器内に保存される。別の実施形態では、複数の異なる活性化生体分子と複数の異なる活性化標識の各々は、個別の容器(たとえば、ボトル、ジャグなど)中に保存される。また別の実施形態では、複数の異なる活性化生体分子と複数の異なる活性化標識の各々は、複数のバイアル中に保存され、この場合、各バイアルは、各々活性化された生体分子および各々活性化された標識の予め計測されたアリコートを含む。ストレージ内の各容器はまた、活性化生体分子または活性化標識の構成要素を識別するラベル(たとえば、生体分子、標識および反応性リンカーの名称、構造、CAS番号、アクセッション番号、プローブ配列など)を含んでもよい。標識は、さらに1つまたは複数の機械可読コンポーネント、たとえばQuick Response(QR)コードまたはバーコードなどを含んでもよい。
【0780】
いくつかの実施形態では、ストレージはまた、入手可能な活性化生体分子および活性化標識のデータベースも含む。データベースは、紙もしくは電子形態の印刷カタログであってもよいし、または検索可能な(たとえばキーボードにより検索可能な)電子データベース、化学構造、アクセッション番号、モノマー配列(たとえば、アミノ酸もしくはヌクレオチド配列)またはCAS化学登録番号であってもよい。
【0781】
有用性
対象のシステムおよび方法は、複雑な生物学的試薬(たとえば、検出可能なマーカーに結合した生体高分子)の調製-大規模に実施される場合、一般に、時間がかかり、経済的に非効率的で、しかも極めて大きな労力を要するプロセスに有用である。本開示は、広範な生体分子および検出可能標識ポートフォリオに及ぶ高品質かつ高性能の特定製品を配達するための高速、効率的かつ高度に拡張性の方法を提供する。
【0782】
本明細書に記載のシステムおよび方法は、カスタマイズされた生物学的試薬をリクエストおよび提供するためのユニークかつ新規の方法も提供する。広範なデータベース(たとえば、オンラインデータベース)から、事前に合成された試薬を選択することができる以外に、対象のシステムおよび方法は、ユーザカスタマイズが可能であり、この場合、ユーザは、あらゆる所望の標識生体分子をオンデマンドで作製することができる。使いやすいグラフィカルインターフェースで生体高分子および検出可能なマーカーを単純に選択することによって、ユーザは、多種多様な研究用途および医学的診断に使用されるあらゆる標識生体分子をリクエストすることができる。
【0783】
本開示は、小規模合成により調製される場合に不可能である複雑な生物学的試薬の大きなポートフォリオの利用も可能にする。対象のシステムおよび方法は、拡張可能であり、生体分子および検出可能なマーカーの数千もの異なる組合せのオンデマンドでの調製を容易にする。いくつかの実施形態では、対象のシステムは、カスタマイズされた検出可能な生体分子プローブの調製に、人による入力を、たとえあったとしても、ほとんど必要としないように、完全に自動化されたプロトコルを提供する。
【0784】
本開示はまた、研究目的、実験室での試験または治療法での使用のために、生体サンプルからの細胞分析が要望されうる用途においても有用である。いくつかの実施形態では、対象の方法およびシステムは、がんなどの疾患のための試料などの体液もしくは組織サンプルから得られる細胞の分析を容易にしうる。本開示の方法およびシステムは、新たに合成されるプローブ組成物の使用と比較して、より高い効率および低コストで、生体サンプル(たとえば、臓器、組織、組織断片、体液)から細胞を分析することも可能にする。
【実施例】
【0785】
上記の実施形態のいくつかの態様を以下の実施例でさらに詳しく開示するが、これらの実施例は、本開示の範囲を制限することを何ら意図しない。
【0786】
実施例1
タンパク質結合試薬との共役のためのオリゴヌクレオチド
この実施例は、タンパク質結合試薬と共役させることができるオリゴヌクレオチドの設計を説明する。これらのオリゴヌクレオチドを用いて、タンパク質発現および遺伝子発現を同時に決定することができる。
【0787】
95merオリゴヌクレオチドの設計
以下の方法を用いて、タンパク質発現および遺伝子発現の同時決定のための候補オリゴヌクレオチド配列および対応するプライマー配列を生成した。
【0788】
1.配列生成および排除
以下の方法を用いて、タンパク質発現および遺伝子発現の同時決定のための候補オリゴヌクレオチド配列を生成した。
1a.所望の長さ(45bp)を有するいくつかの候補配列(50,000配列)をランダムに生成する。
1b.生成された配列の5’末端に転写調節LSRR配列を、また、生成された配列の3’末端にポリ(A)配列(25bp)を付加する。
1c.生成され、付加された配列で、40%~50%の範囲のGC含量を含まない配列を除去する。
1d.残る配列で、各々1つまたは複数のヘアピン構造を有する配列を除去する。
【0789】
残った候補オリゴヌクレオチド配列の数は、423であった。
【0790】
2.プライマー設計
残る423の候補オリゴヌクレオチド配列のプライマーを設計するために、以下の方法を使用した。
【0791】
2.1 N1プライマー:N1プライマーとして、ユニバーサルN1配列:GTTGTCAAGATGCTACCGTTCAGAG(LSRR配列;配列番号5)を使用する。
【0792】
2.2 N2プライマー(特定の抗体オリゴヌクレオチドの増幅を目的とする;たとえば、
図18のN2プライマー):
2.2a.N1配列の下流で開始しない候補N2プライマーを除去する。
2.2b.候補オリゴヌクレオチド配列の最後の35bpにおいて重複する候補N2プライマーを除去する。
2.2c.オリゴヌクレオチドを用いて試験される細胞の種のトランスクリプトーム(たとえば、ヒトトランスクリプトームまたはマウストランスクリプトーム)とアラインメントするプライマー候補を除去する。
2.2d.プライマー-プライマー相互作用を最小限にするか、または回避するために、デフォルトコントロールとしてILR2配列(ACACGACGCTCTTCCGATCT)を使用する。
【0793】
423の候補オリゴヌクレオチド配列のうち、390候補に対するN2プライマーが設計された。
【0794】
3.フィルタリング
残った390の候補プライマー配列をフィルタリングするために、以下の方法を使用した。
3a.全バーコードについてポリ(A)テールを同じ長さに維持するために、Aで終わるランダム配列を有する(すなわち、ポリ(A)配列の有効長さが25bpを超える)あらゆる候補オリゴヌクレオチド配列を排除する。
3b.Gが連続するオリゴ合成の場合、コストが余分にかかり、しかも収率が低い可能性があるため、4以上の連続したG(>3G)を含むあらゆる候補オリゴヌクレオチド配列を排除する。
【0795】
図18のパネル(a)は、前述の方法を用いて生成された非限定的な候補オリゴヌクレオチド配列の例を示す。
【0796】
200merオリゴヌクレオチド設計
以下の方法を使用して、タンパク質発現および遺伝子発現の同時決定のための候補オリゴヌクレオチド配列および対応するプライマー配列を生成した。
【0797】
1.配列生成および排除
以下の方法を用いて、タンパク質発現および遺伝子発現の同時決定のための候補オリゴヌクレオチド配列を生成した。
1a.所望の長さ(128bp)を有するいくつかの候補配列(100,000配列)をランダムに生成する。
1b.生成された配列の5’末端に転写調節LSRR配列と、非ヒト、非マウスの追加アンカー配列を、また、生成された配列の3’末端にポリ(A)配列(25bp)を付加する。
1c.生成され、付加された配列で、40%~50%の範囲のGC含量を含まない配列を除去する。
1d.ヘアピン構造スコアに基づき、残った候補オリゴヌクレオチド配列を分類する。
1e.残った候補オリゴヌクレオチド配列のうち、最も低いヘアピンスコアを有する1,000の配列を選択する。
【0798】
2.プライマー設計
最も低いヘアピンスコアを有する400の候補オリゴヌクレオチド配列のプライマーを設計するために、以下の方法を使用した。
【0799】
2.1 N1プライマー:N1プライマーとして、ユニバーサルN1配列:GTTGTCAAGATGCTACCGTTCAGAG(LSRR配列;配列番号5)を使用する。
【0800】
2.2 N2プライマー(特定の抗体オリゴヌクレオチドの増幅を目的とする;たとえば、
図18のN2プライマー):
2.2a.N1配列の23nt下流で開始しない候補N2プライマーを除去する(アンカー配列は、全ての候補オリゴヌクレオチド配列についてユニバーサルであった)。
2.2b.標的配列の最後の100bpにおいて重複する候補N2プライマーを除去する。得られたプライマー候補は、標的配列の48番目のヌクレオチドと100番目のヌクレオチドの間に位置しうる。
2.2c.オリゴヌクレオチドを用いて試験される細胞の種のトランスクリプトーム(たとえば、ヒトトランスクリプトームまたはマウストランスクリプトーム)とアラインメントするプライマー候補を除去する。
2.2d.プライマー-プライマー相互作用を最小限にするか、または回避するために、デフォルトコントロールとしてILR2配列(ACACGACGCTCTTCCGATCT)を使用する。
2.2e.標的配列の最後の100bpにおいて重複するN2プライマー候補を除去する。
【0801】
400の候補オリゴヌクレオチド配列のうち、392候補に対するN2プライマーが設計された。
【0802】
3.フィルタリング
残った392の候補プライマー配列をフィルタリングするために、以下の方法を使用した。
3a.全バーコードについてポリ(A)テールを同じ長さに保持するために、Aで終わるランダム配列を有する(すなわち、ポリ(A)配列の有効長さが25bpを超える)あらゆる候補オリゴヌクレオチド配列を排除する。
3b.Gが連続するオリゴ合成ではコストが余分にかかり、しかも収率が低い可能性があるため、4以上の連続したG(>3G)を含むあらゆる候補オリゴヌクレオチド配列を排除する。
【0803】
図18のパネル(b)は、前述の方法を用いて生成された非限定的な候補オリゴヌクレオチド配列の例を示す。
図18パネル(b)に示すネステッドN2プライマーは、標的増幅のための抗体配列に結合することができる。
図18パネル(c)は、標的増幅のためのアンカー配列に対応するネステッドユニバーサルN2プライマーを有する同じ非限定的な候補オリゴヌクレオチド配列の例を示す。
図18パネル(d)は、ワンステップ標的増幅のためのN2プライマーを有する同じ非限定的な候補オリゴヌクレオチド配列の例を示す。
【0804】
総合すると、これらのデータは、タンパク質発現および遺伝子発現の同時決定のために、異なる長さのオリゴヌクレオチド配列を設計できることを示している。オリゴヌクレオチド配列は、ユニバーサルプライマー配列と、抗体特異的オリゴヌクレオチド配列と、ポリ(A)配列と、を含みうる。
【0805】
実施例2
様々な抗体:オリゴヌクレオチド比を用いた検出感度の比較
この実施例は、1つ、2つ、または3つのオリゴヌクレオチドと共役した抗CD4抗体を用いたCD4タンパク質の検出感度を明らかにする。
【0806】
被験者の凍結した末梢血単核細胞(PBMC)を解凍した。解凍されたPBMCを室温で20分間、0.06μg/100μl(オリゴヌクレオチド-共役抗体ストックの1:333希釈物)の3種類の抗CD4抗体で染色した。各種の抗CD4抗体を1つ、2つ、または3つのオリゴヌクレオチドと共役させた(「抗体オリゴヌクレオチド」)。抗体オリゴヌクレオチドの配列を
図19に示す。細胞を洗浄して、結合していない抗CD4抗体を除去した。フローサイトメトリーにより選別して、生存細胞を取得するために、細胞をCalcein AM(BD(Franklin Lake,New Jersey))およびDraq7(商標)(Abcam(Cambridge,United Kingdom))で染色した。細胞を洗浄して、余剰のCalcein AMおよびDraq7(商標)を除去した。フローサイトメトリーを用いて、Calcein AMで染色され(生存細胞)、Draq7(商標)では染色されていない単一細胞(死滅していない、または透過されていない細胞)を、BD Resolve(商標)カートリッジ中に選別した。
【0807】
単一細胞とビーズを含むウェルのうち、ウェル内の3500の単一細胞を5mM DTTを含む溶解緩衝液中に溶解させた。BD Resolve(商標)ビーズを用いて、CD4mRNA発現プロフィールを決定した。BD Resolve(商標)ビーズおよび抗体オリゴヌクレオチドを用いて、CD4タンパク質発現プロフィールを決定した。手短には、細胞溶解の後、mRNA分子を放出させた。Resolve(商標)ビーズを、各々が分子標識、細胞標識、およびポリT領域を含む確率バーコードと結合させた。溶解細胞から放出したmRNA分子のポリ(A)領域は、確率バーコードのポリT領域とハイブリダイズした。オリゴヌクレオチドのポリ(A)領域は、確率バーコードのポリT領域とハイブリダイズした。確率バーコードを用いて、mRNA分子を逆転写させた。確率バーコードを用いて、抗体オリゴヌクレオチドを複製した。逆転写と複製は、1つのサンプルアリコート中で同時に実施した。
【0808】
血液パネルN1プライマーを用いて488の血液パネル遺伝子のmRNA発現プロフィールを、また抗体オリゴヌクレオチドN1プライマーを用いてCD4タンパク質の発現プロフィールを決定するために、プライマーを用い、逆転写産物と複製産物を60℃のアニーリング温度で15サイクルにわたりPCR増幅した(「PCR1」)。Ampureクリーンアップを用いて、余剰の確率バーコードを除去した。PCR1からの産物を2つのアリコートに分割したが、一方のアリコートは、血液パネルN2プライマーを用いて、488の血液パネル遺伝子のmRNA発現プロフィールを決定するために、またもう1つのアリコートは、抗体オリゴヌクレオチドN2プライマーを用いて、CD4タンパク質の発現プロフィールを決定することを目的とした(「PCR2」)。いずれのアリコートも、60℃のアニーリング温度で15サイクルにわたってPCR増幅した。
図19に示すように、抗体オリゴヌクレオチドに基づいて溶解細胞中のCD4タンパク質の発現を決定した(「PCR2」)。シーケンシングアダプターライゲーション反応後、シーケンシングデータを取得し、分析した(「PCR3」)。488の血液パネル遺伝子の発現プロフィールに基づいて細胞型を決定した。
【0809】
図20のパネル(a)~(f)は、非限定的なt分布型確率的近傍埋め込み(t-Distributed Stochastic Neighbor Embedding)(tSNE)投影プロットの例であり、オリゴヌクレオチド共役抗体を用いて、ハイスループット様式でCD4タンパク質発現および遺伝子発現を同時に測定した結果を示す。CD4タンパク質発現は、1つ、2つ、または3つの抗体オリゴヌクレオチドに共役した抗CD4抗体を含む、CD4発現細胞型(たとえば、CD4T細胞)中で明瞭かつ確実に検出された(それぞれ、
図20パネル(b)、(d)、および(f))。
図21、パネル(a)~(f)は、非限定的な棒グラフの例であり、CD4T細胞(高度CD4発現)、CD8T細胞(最小CD4発現)、および骨髄細胞(幾分のCD4発現)におけるCD4mRNAおよびタンパク質の発現を示す。同様のシーケンシング深度の場合、CD4タンパク質レベルの検出感度は、抗体:オリゴヌクレオチドの比が高いほど上昇し、1:3比は、1:1および1:2比よりも高性能であった(
図22)。フローサイトメトリーを用いて選別された細胞の細胞表面でのCD4タンパク質の発現を、
図23パネル(a)~(d)に示すように、FlowJo(FlowJo(Ashland,OR))を用いて確認した。
図24パネル(a)~(f)は、非限定的な棒グラフの例であり、2つのサンプルのCD4T細胞、CD8T細胞、および骨髄細胞中のCD4mRNAおよびCD4タンパク質の発現を示す。第2のサンプルは、2つの異なるサンプル調製プロトコルを用いて調製した。
図25は、非限定的な棒グラフの例であり、抗体:オリゴヌクレオチド比が1:3の様々なサンプル調製プロトコルを用いて決定されたCD4タンパク質レベルの検出感度を示す。
【0810】
総合すると、これらのデータは、CD4タンパク質発現が、抗CD4抗体と共役したオリゴヌクレオチドに基づいて、明瞭かつ確実に検出されうることを示している。CD4タンパク質レベルの検出感度は、抗体:オリゴヌクレオチドの比が高いほど上昇しうる。
【0811】
実施例3
高温:低温抗体滴定
この実施例は、抗体オリゴヌクレオチドが、シーケンシングデータにおける総リード数の所望のパーセンテージ(たとえば、2%)を占めるように、オリゴヌクレオチド共役抗体(「高温抗体」)およびオリゴヌクレオチドと共役していない抗体(「低温抗体」)の比を決定する工程を説明する。
【0812】
抗CD147抗体ストックは、PE緩衝液で1:20、1:100、1:200、1:300、1:400、1:600、1:800、および1:1000希釈度に希釈した。100μlの染色緩衝液(FBS)(BD((Franklin Lake,New Jersey))中に約150,000個のJurkat細胞を様々な抗体希釈度で、室温にて20分間染色した。染色後、細胞を500μlの染色緩衝液で1回洗浄し、蛍光強度の測定のために200μl中に再懸濁させた。Muse(商標)Autophagy LC3-antibody(EMD Millipore(Billerica,MA))を用いて、Jurkat細胞に結合した抗CD147抗体を検出した。様々な抗CD147抗体希釈度で染色された細胞または染色されていない細胞からの蛍光強度を決定して比較することにより、抗体の最適希釈度を決定した(
図26A~26C)。蛍光強度は、希釈度が高いほど低下した。99%超の細胞は、1:800の希釈度で染色された。蛍光シグナルは、1:800で下降し始めた。細胞は最大1:200の希釈度で飽和まで染色された。細胞は最大1:400の希釈率で飽和付近まで染色された。
【0813】
図27は、抗体オリゴヌクレオチドが、シーケンシングデータにおける総リード数の所望のパーセンテージを占めるように、オリゴヌクレオチド共役抗体の染色濃度を決定するための非限定的な実験設計の例を示す。抗CD147抗体を、切断可能な95mer抗体オリゴヌクレオチドと、1:3の抗体:オリゴヌクレオチド比で共役させた(「高温抗体」)。高温抗体は、1:100比または1:800比で、pH7.5希釈剤を用いて希釈した。9μlの低温抗CD147抗体と1μlの高温抗体を用いて、10%高温抗体:90%低温抗体の混合物を調製した。9μlの低温抗CD147抗体と、10%高温抗体:90%低温抗体の1μlの混合物を用いて、1%高温抗体:90%低温抗体の混合物を調製した。
【0814】
約50万個の細胞を含む、解凍した末梢血単核細胞(PBMC)を、100%高温抗体含有の1:100希釈ストック(ストック高温抗体の1%)、10%高温抗体:90%低温抗体の混合物(ストック高温抗体の0.1%)、1%高温抗体:99%低温抗体の混合物(ストック高温抗体の0.01%)、および100%高温抗体含有の1:800希釈ストック(ストック高温抗体の0.0125%)と共に、100μlの染色緩衝液(FBS)中で染色した。染色後、細胞を洗浄して、結合していない抗体分子を除去した。フローサイトメトリーにより選別して、生存細胞を取得するために、細胞をCalcein AMおよびDraq7(商標)で染色した。細胞を洗浄して、余剰のCalcein AMおよびDraq7(商標)を除去した。フローサイトメトリーを用いて、Calcein AMで染色され(生存細胞)、かつDraq7(商標)では染色されていない単一細胞(死滅していない、または透過されていない細胞)を、BD Resolve(商標)カートリッジ中に選別した。
【0815】
単一細胞とビーズを含むウェルのうち、ウェル内の1000個の単一細胞を溶解緩衝液中に溶解させた。各単一細胞について、細胞のビーズと共役した確率バーコードを用いて、mRNA分子を逆転写させ、抗体オリゴヌクレオチドを複製した。血液パネルN1プライマーを用いて488の血液パネル遺伝子のmRNA発現プロフィールを、また抗体オリゴヌクレオチドN1プライマーを用いてCD147タンパク質発現を決定するために、プライマーを用いて、逆転写および複写後のサンプルを60℃のアニーリング温度で15サイクルにわたりPCR増幅した(「PCR1」)。Ampureクリーンアップを用いて、余剰のプライマーを除去した。PCR1からの産物は、アダプターライゲーション反応のための隣接配列と共に血液パネルN2プライマーおよび抗体オリゴヌクレオチドN1プライマーを用いて、60℃のアニーリング温度で15サイクルにわたりさらにPCR増幅した(「PCR2」)。シーケンシングアダプターライゲーション反応後、シーケンシングデータを取得し、分析した(「PCR3」)。
【0816】
図28パネル(a)~(d)は、予想されるサイズの抗体オリゴヌクレオチドと一致するピーク(矢印で示される)を示す非限定的なバイオアナライザトレースの例である。抗体オリゴヌクレオチドのピークは、高温抗体を低温抗体で滴定すると低下した。
【0817】
表1は、シーケンシングデータメトリクスの概要である。1:100希釈ストックを用いて調製された1%高温抗体:99%低温抗体の混合物で細胞を染色することによって、抗体オリゴヌクレオチドは、シーケンシングデータ中の総未補正リード数の2.4%を占めた。しかし、
図29(a)~(f)ならびに
図30B、31B、および32Bに示すように、1:100希釈ストックを用いて調製された1%高温抗体:99%低温抗体の混合物で細胞を染色した場合、再帰的置換エラー補正(RSEC)または分布に基づくエラー補正(DBEC)後に検出された抗体オリゴヌクレオチドの分子数の分布ヒストグラムは、明瞭なシグナルピークを含まなかった。RSECは、2017年5月25日に提出された米国特許出願公開第15/605874号明細書に記載されており、その内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0818】
図30A~30Cは、オリゴヌクレオチド共役抗CD147抗体分子を用いて、様々な細胞型を標識できることを示す非限定的なプロット例である。血液パネル中の488遺伝子の発現プロフィールを用いて細胞型を決定した(
図30A)。1:100希釈ストックを用いて調製した10%高温抗体:90%低温抗体の混合物で細胞を染色したところ、検出した抗体オリゴヌクレオチドの分子数を示すヒストグラムに明瞭なシグナルが得られた(
図30B)。抗体オリゴヌクレオチドによる様々な細胞型の標識は、
図30Cに示す。
【0819】
図31A~31Cは、オリゴヌクレオチド共役抗CD147抗体分子を用いて、様々な細胞型を標識できることを示す非限定的なプロット例である。血液パネル中の488遺伝子の発現プロフィールを用いて細胞型を決定した(
図31A)。1:100希釈ストックを用いて調製した1%高温抗体:99%低温抗体の混合物で細胞を染色したところ、検出した抗体オリゴヌクレオチドの分子数を示すヒストグラムに明瞭なシグナルは得られなかった(
図31B)。抗体オリゴヌクレオチドによる様々な細胞型の標識は、
図31Cに示す。
【0820】
図32A~32Cは、オリゴヌクレオチド共役抗CD147抗体分子を用いて、様々な細胞型を標識できることを示す非限定的なプロット例である。血液パネル中の488遺伝子の発現プロフィールを用いて細胞型を決定した(
図32A)。1:800希釈ストックを用い細胞を染色したところ、検出した抗体オリゴヌクレオチドの分子数を示すヒストグラムに明瞭なシグナルが得られた(
図32B)。抗体オリゴヌクレオチドによる様々な細胞型の標識は、
図32Cに示す。
【0821】
【0822】
総合すると、これらのデータは、オリゴヌクレオチド共役抗体(「高温抗体」)とオリゴヌクレオチドと共役していない抗体(「低温抗体」)の比を調節することによって、抗体オリゴヌクレオチドが、シーケンシングデータにおける総リード数の所望のパーセンテージを占め、しかもシグナル抗体オリゴヌクレオチドを表すデータが、ノイズ抗体オリゴヌクレオチドを表すデータから明らかに区別されるようにすることができることを示している。
【0823】
実施例4
正規化
この実施例は、どのようにして、オリゴヌクレオチド共役抗体(「高温抗体」)とオリゴヌクレオチドと共役していない抗体(「低温抗体」)の混合物を用いた正規化により、抗体のタンパク質標的の存在量とは関係なく、所望の適用範囲で、シーケンシングデータ中の総リード数の所望のパーセンテージを占める抗体オリゴヌクレオチドを達成することができるかを説明する。
【0824】
表2は、高温抗体を用いて、10,000個のB細胞中の様々な存在量の3つの細胞表面マーカーの定量の比較を示す。3つの細胞表面マーカーの相対発現レベルを分析するのに必要なリードの総数は、4752万リードであった。
【0825】
【0826】
【0827】
表3は、高温抗体:低温抗体の混合物を用いた3つの細胞表面マーカーの相対発現レベルを分析するのに必要なリード総数が、100万リードであったことを示す。また、3つの細胞表面マーカーの発現レベルを定量するために高温抗体:低温抗体の混合物を用いた場合、全3つのタンパク質マーカーの最適適用範囲(たとえば、シーケンシング深度4)を達成するのに、表2に示す定量結果と比較して、リード数のわずか2%(4752万リードに対して100万リード)しか必要としない。より高いパーセンテージの低温抗体の混合物を用いて、高度発現タンパク質分子を正規化すると、低存在量タンパク質の検出、パラメータの数、およびシーケンシングコストの間のトレードオフが減少し、このアッセイをツールとしてさらに魅力的にする。
【0828】
総合して、これらのデータは、所望の適用範囲を有するシーケンシングデータにおける総リード数の所望の数が、高温抗体:低温抗体の混合物を用いて、様々な存在量のタンパク質標的(たとえば、抗原)について達成されうることを示している。
【0829】
実施例5
T細胞サブセットの識別
この実施例は、T細胞サブセットをよりよく識別するための大規模並列単一細胞シーケンシングによるタンパク質およびmRNA含量の同時デジタル測定を説明する。
【0830】
複雑かつ異種の細胞集団および動力学をプロファイリングするために、ハイスループット単一細胞RNAシーケンシングが使用されている。しかし、mRNAおよびタンパク質発現は密接に相関しない場合もあることから、タンパク質発現に関する情報が不足すると、これまで細胞表面マーカーによって決定されていた細胞型の識別が困難となりうる。特にT細胞は、比較的低い存在量の転写物を含むため、様々なT細胞サブセットは、非常に類似した転写物プロフィールを呈示することが多い。この実施例は、オリゴヌクレオチド共役抗体を用いて、シーケンシングによりタンパク質発現を測定する方法を明らかにし、この方法は、単一細胞におけるタンパク質およびmRNA発現の同時検出を可能にする。
【0831】
大規模並列単一細胞分析システムであるBD(商標)Resolveを用いて、単一ワークフローで、mRNAと並行して抗体特異的オリゴを捕捉、増幅およびシーケンシングした。この方法の能力を実証するために、多数の共通T細胞マーカーを含むオリゴヌクレオチド共役抗体パネルを作製した。このパネルをヒト末梢血単核細胞(PBMC)に適用した。オリゴヌクレオチド共役抗体によるタンパク質発現の検出は、高感度かつ高度に特異的であった。次に、タンパク質マーカー測定の添加によって、特にT細胞コンパートメントにおける単一細胞発現プロフィールのより明瞭かつ頑健なクラスター化、たとえば、ナイーブCD4 T細胞とCD8 T細胞、およびナイーブT細胞とメモリT細胞の区別が達成された。とりわけ、希少で、近年記載されたT細胞サブセットであるステムメモリT細胞が識別された。ステムメモリT細胞は、幹細胞様の特性を備える長期生存メモリT細胞集団を構成する。
【0832】
総合すると、データは、大規模並列単一細胞シーケンシングによるタンパク質およびmRNA含量の同時デジタル測定が、単一細胞転写物プロファイリングと高度パラメータプロテオミクスの両方を、複雑な生物学的系統の解明、病態の理解およびより有効なバイオマーカー発見を達成する上でのさらなる成果に変換しうることを証明している。
【0833】
実施例6
コントロール粒子
この実施例は、異なる配列を含むコントロール粒子オリゴヌクレオチドを含むコントロール粒子の作製と、捕捉効率を決定するための官能基化コントロール粒子の使用を説明する。
【0834】
材料
BD CompBead Plus Anti-Mouse Ig(7.5um)Particles Set(51-9006274)
BD染色緩衝液(FBS)
【0835】
手順
1.使用前に、BD CompBead Plusを入念にボルテックスする。(少なくとも1分間)
2.800uLの染色緩衝液をチューブに添加する(表7は、異なる存在量の5つの配列を有するオリゴヌクレオチドと共役したCD147を含む染色緩衝液の組成物を示す。
図33Aは、染色緩衝液の組成物を示すプロットである)。
3.5滴(約300uL)のCompBead Plus Anti-Mouseを添加する。
4.チューブに20uLの下記染色カクテルを添加する。ボルテックスする。
5.光を遮断し、室温で30分間インキュベートする。
6.ビーズを200gで10分間スピンする。
7.上澄みを注意深く除去し、1mLの染色緩衝液と一緒に再懸濁させる。
8.ビーズを200gで10分間スピンする。
9.上澄みを注意深く除去し、1mLの染色緩衝液と一緒に再懸濁させて、官能基化CompBeadストック溶液を作製する。
10.ビーズをカウントする。
【0836】
【0837】
結果
図34A~34Bは、血球計算盤における細胞(
図34A、白い丸)とコントロール粒子(
図34B、黒い丸)の明視野画像である。
図35A~35Bは、蛍光団と結合したオリゴヌクレオチド共役抗体に結合したコントロール粒子の位相差(
図35A、10×)および蛍光(
図35B、10×)画像である。蛍光顕微鏡を使用して、5ulの官能基化CompBeadストック溶液が、作製された約400000の官能基化CompBeadと共に約2000個の細胞(全投入の4%)を含有することを決定した。
【0838】
図36は、カートリッジのマイクロウェル中にロードされる細胞および粒子を示すコントロール粒子の画像である。CompBeadは、通常のResolve実験に使用することができる。522の官能基化CompBeadを複数の細胞に添加した。20000個の細胞(コントロール粒子を含む)配列のうち、156個は、全コントロール粒子オリゴヌクレオチドの合計が20を超えた。従って、156個のコントロール粒子は配列であった。
図33Bは、5つの異なるコントロールバーコード配列(LZ15-LZ19)を有するコントロール粒子オリゴヌクレオチドの数が、染色緩衝液中のそれらの存在量と相関することを示すプロットである。
【0839】
総合すると、これらのデータは、粒子(たとえば、CompBead Plus)が、オリゴヌクレオチド(たとえば、コントロール粒子オリゴヌクレオチド)で官能基化されうることを示している。官能基化粒子を単一細胞ワークフローに使用して、捕捉され、配列した粒子の数を決定することができる。
【0840】
種々の態様および実施形態を本明細書に開示してきたが、他の態様および実施形態は当業者には自明であろう。本明細書に開示される種々の態様および実施形態は、例示を目的としたものであり、限定を意図したものではなく、真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲により示される。
【0841】
当業者であれば、本明細書に開示される上記およびその他のプロセスならびに方法について、これらのプロセスおよび方法で実施される機能が、異なる順序で実施されうることは理解されよう。さらに、概説した工程および操作は、あくまでも例として付与され、工程および操作の一部は、開示される実施形態の本質から逸れることなく、任意選択であり、組み合わせて、より少ない工程および操作にするか、または追加工程および操作に拡張することができる。
【0842】
本明細書に記載の実質的に任意の複数形および/または単数形の用語の使用に関連して、文脈上および/または適用上適切であれば、当業者は複数形から単数形へおよび/または単数形から複数形への変換が可能である。明確にするために種々の単数形/複数形の入替えを本明細書に明示的に記述しうる。
【0843】
一般的には、本明細書特に添付の特許請求の範囲(たとえば添付の特許請求の範囲の本文)で用いられる用語は「オープン」用語であることが一般に意図されることは当業者であれば理解されよう(たとえば、「including(~を含む)」という用語は「~を含むがこれらに限定されるものではない」と解釈すべきであり、「having(~を有する)」という用語は「少なくとも~を有する」と解釈すべきであり、「includes(~を含む)」という用語は「~を含むがこれらに限定されるものではない」と解釈すべきであるなど)。さらに、導入クレームレシテーションの特定数が意図される場合、かかる意図は請求項で明示的にリサイトされ、かかるレシテーションの不在下ではかかる意図は存在しないことは当業者であれば理解されよう。たとえば、理解の一助として、以下の添付の特許請求の範囲は、クレームレシテーションを導入するために導入語句「at least one(少なくとも1つ)」および「one or more(1つ以上)」の使用を含みうる。しかしながら、かかる語句が用いられたとしても、不定冠詞「a」または「an」によるクレームレシテーションの導入が、かかる導入クレームレシテーションを含む任意の特定の請求項を、一方のかかるレシテーションを含む実施形態のみに限定することを意味するものと解釈すべきでない。たとえ同一の請求項が導入語句「one or more(1つ以上)」または「at least one(少なくとも1つ)」と不定冠詞たとえば「a」または「an」とを含む場合でさえも、そのように解釈すべきでない(たとえば、「a」および/または「an」は「at least one(少なくとも1つ)」または「one or more(1つ以上)」を意味するものと解釈すべきである)。定冠詞を用いてクレームレシテーションを導入する場合にも、同じことが当てはまる。そのほかに、たとえ特定数の導入クレームレシテーションが明示的にリサイトされたとしても、かかるレシテーションは少なくともリサイトされた数を意味すると解釈すべきであることは当業者であれば分かるであろう(たとえば、「2つのレシテーション」という他の修飾語を含まないベアのレシテーションは、少なくとも2つのレシテーションまたは2つ以上レシテーションを意味する)。さらに、「A、B、およびCの少なくとも1つ」に類似した条件が用いられる場合、一般的には、かかる構成は当業者がその条件を理解する意味であることが意図される(たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有する系」は、限定されるものではないが、A単独、B単独、C単独、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCの全部などを有する系を含であろう)。「A、B、またはCの少なくとも1つなど」に類似した条件が用いられる場合、一般的には、かかる構成は当業者がその条件を理解する意味であることが意図される(たとえば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有する系」は、限定されるものではないが、A単独、B単独、C単独、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCの全部などを有する系を含であろう)。さらに、2つ以上の代替用語を表す実質上任意の選言的な語および/または語句は、明細書、請求項、または図面にかかわらず、用語の1つ、用語のいずれか、または用語の両方を含む可能性が企図されると理解すべきであることは当業者であれば理解されよう。たとえば、「AまたはB」という語句は「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0844】
そのほかに、本開示の特徴または態様がマーカッシュグループにより記述される場合、それにより、本開示は、マーカッシュグループの任意の個別のメンバーまたはメンバーのサブグループにより記述されることは当業者であれば分かるであろう。
【0845】
当業者であれば理解されるであろうが、あらゆる目的で、たとえば、明細書の提供に関して、本明細書に開示された範囲はすべて、あらゆる可能なサブ範囲およびそのサブ範囲の組合せをも包含する。いずれの列挙された範囲も、十分に記述されたものとしてかつその範囲が少なくとも2等分、3等分、4等分、5等分、10等分などされうるものとして容易に認識可能である。たとえば、限定されるものではないが、本明細書で考察した各範囲は、下3分の1、中3分の1、上3分の1に容易に分解可能である。同様に、当業者であれば理解されるであろうが、「~まで」、「少なくとも~」などの表現はすべて、リサイトされた数を含み、以上で考察したように後続的にサブ範囲に分解可能な範囲を意味する。最終的に、当業者であれば理解されるであろうが、範囲は各個別のメンバーを含む。したがって、たとえば、1~3個の細胞を有するグループは、1、2、または3個の細胞を有するグループを意味する。同様に、1~5個の細胞を有するグループは、1、2、3、4、または5個の細胞を有するグループを意味し、他も同様である。
【0846】
以上のことから、本開示の種々の実施形態が、例示を目的としたものであり、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、様々な変更が実施されうることは理解されよう。従って、本明細書に開示される種々の実施形態は、限定を意図したものではなく、真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲により示される。
【配列表】