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特許7416870ブロックチェーンに基づく個人データ処理方法、コンピュータプログラム、記録媒体およびコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ブロックチェーンに基づく個人データ処理方法、コンピュータプログラム、記録媒体およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240110BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022113098
(22)【出願日】2022-07-14
(62)【分割の表示】P 2020573203の分割
【原出願日】2019-04-11
(65)【公開番号】P2022132450
(43)【公開日】2022-09-08
【審査請求日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2018-0077340
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】505205812
【氏名又は名称】ネイバー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】NAVER Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】キム,ウンジ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユウォン
【審査官】庄司 琴美
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0123015(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1816650(KR,B1)
【文献】特開2018-097824(JP,A)
【文献】特開2010-136332(JP,A)
【文献】特開2005-190471(JP,A)
【文献】特開2016-177367(JP,A)
【文献】特開2006-333931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
H04L 9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告主システムの個人データ処理方法であって、
前記広告主システムが、ユーザを固有に識別するためにブロックチェーンネットワークが前記ユーザに対して発行する個人識別キーを取得して前記ユーザを識別する段階、
前記広告主システムが、前記ブロックチェーンネットワークから、ブロックチェーンに連結されたブロックによって前記ユーザの活動と関連するデータを取得する段階、
前記広告主システムが、前記取得したデータを利用して、前記個人識別キーによって固有に識別されるユーザに対する顧客プロフィールを生成する段階、および
前記広告主システムが、前記生成された顧客プロフィールに基づいてターゲティング広告を執行する段階
を含み、
前記個人識別キーが前記ユーザに対する互いに異なる識別体系をもつ互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けされることにより、前記互いに異なる媒体それぞれでの前記ユーザの活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信されることを特徴とする、
個人データ処理方法。
【請求項2】
前記ユーザの活動と関連するデータを取得する段階は、
互いに異なる媒体それぞれが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信したブロックのうちで前記ブロックチェーンに実際に連結されたブロックに含まれたデータを取得することを特徴とする、請求項1に記載の個人データ処理方法。
【請求項3】
前記ユーザの活動と関連するデータを取得する段階は、
前記ブロックチェーンネットワークで参加者が取引手段として使用するトークンを利用して、前記個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを購入することを特徴とする、請求項1に記載の個人データ処理方法。
【請求項4】
前記データの購入による報酬が、前記個人識別キーによって識別されるユーザおよび前記ユーザの活動と関連するデータを前記ブロックチェーンネットワークに提供した媒体のうちの少なくとも1つに提供されることを特徴とする、請求項に記載の個人データ処理方法。
【請求項5】
コンピュータにより実行されると、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【請求項6】
コンピュータにより実行されると、請求項1~のうちのいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させるプログラムが記録されていることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項7】
コンピュータ装置であって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、
ユーザを固有に識別するためにブロックチェーンネットワークが前記ユーザに対して発行する個人識別キーを取得して前記ユーザを識別し、
前記ブロックチェーンネットワークから、ブロックチェーンに連結されたブロックによって前記ユーザの活動と関連するデータを取得し、
前記取得したデータを利用して、前記個人識別キーによって固有に識別されるユーザに対する顧客プロフィールを生成し、
前記生成された顧客プロフィールに基づいてターゲティング広告を執行し、
前記個人識別キーが前記ユーザに対する互いに異なる識別体系をもつ互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けされることにより、前記互いに異なる媒体それぞれでの前記ユーザの活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信されること
を特徴とする、コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の説明は、ブロックチェーンに基づく個人データ処理方法およびシステムに関し、より詳細には、同一ユーザを互いに異なる識別子で識別する互いに異なるサービスにおいて、該当のユーザに対して登録されるブロックチェーンネットワークでの個人識別キーを活用して該当のユーザの個人データをブロックチェーンネットワーク上に提供することにより、互いに異なるサービスでの該当のユーザの個人データを個人識別キーによって追跡および活用することができる個人データ処理方法、前記個人データ処理方法を実行する個人データ処理システム、前記個人データ処理システムを実現するためのコンピュータ装置、コンピュータと結合して前記個人データ処理方法をコンピュータに実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたコンピュータプログラム、およびその記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがインターネット上で活動しながら残したデータの痕跡は数多く存在する。このようなデータの痕跡を一個人の連続する行動として束ねることができる絶対的な識別子は存在しておらず、住民登録番号や各種サービスの識別子のように部分的に政府や私企業などの中央化されたプラットフォームによってやり取りされた識別子だけが存在していた。これにより、互いに異なる複数のサービスでは、同一する1人のユーザを互いに異なる複数の識別子によってそれぞれ識別するしかなく、これにより、同一する1人のユーザがサービスごとにまるで複数の互いに異なるユーザであるかのように認識されている実情にある。例えば、同一する1人のユーザが、第1サービスでは第1識別子によって識別され、第2サービスでは第2識別子によって識別される状況が考えられる。コンテンツ提供者Aのコンテンツaが、第1サービスでは第1識別子を有するユーザに表示され、第2サービスでは第2識別子を有するユーザに表示されるとき、実際にはコンテンツaは1人の同一ユーザに表示されたにもかかわらず、コンテンツ提供者Aの観点では、コンテンツaは、第1サービスでは第1識別子を有するユーザに、第2サービスでは第2識別子を有するユーザにと、2人のユーザに表示された履歴を持つようになるという問題がある。このように、現在のインターネット上のユーザ個人に対するサービスの識別体系は、1人の個人が1人の同一する個人として識別されず、複数の各サービスの識別体系に応じて互いに異なる複数のユーザとして認識されるという限界を抱えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
同一ユーザを互いに異なる識別子によって識別する互いに異なるサービスにおいて、該当のユーザに対して登録されるブロックチェーンネットワークでの個人識別キーを活用して該当のユーザの個人データをブロックチェーンネットワーク上に提供することにより、互いに異なるサービスでの該当のユーザの個人データを個人識別キーによって追跡および活用することができる個人データ処理方法、前記個人データ処理方法を実行する個人データ処理システム、前記個人データ処理システムを実現するためのコンピュータ装置、コンピュータと結合して前記個人データ処理方法をコンピュータに実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたコンピュータプログラム、およびその記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
決済プラットフォームの統合金融サービス提供方法であって、前記決済プラットフォームに登録されたユーザの取引内訳情報を管理する段階、個別的な複数の金融サービスを提供する複数の金融プラットフォームから前記登録されたユーザそれぞれに対応する金融情報の提供を受ける段階、前記金融情報を前記登録されたユーザと関連付けてデータベースに格納して前記登録されたユーザそれぞれのための統合金融情報を生成する段階、および前記データベースに格納された統合金融情報と前記取引内訳情報を利用して前記登録されたユーザそれぞれのための信用評価情報を生成する段階を含む、統合金融サービス提供方法を提供する。
【0005】
コンピュータと結合して前記統合金融サービス提供方法をコンピュータに実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された、コンピュータプログラムを提供する。
【0006】
前記統合金融サービス提供方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記録されていることを特徴とする、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0007】
コンピュータ装置であって、コンピュータで読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサを含み、前記少なくとも1つのプロセッサにより、前記コンピュータ装置によって実現される決済プラットフォームに登録されたユーザの取引内訳情報を管理し、個別的な複数の金融サービスを提供する複数の金融プラットフォームから前記登録されたユーザそれぞれに対応する金融情報の提供を受け、前記金融情報を前記登録されたユーザと関連付けてデータベースに格納して前記登録されたユーザそれぞれのための統合金融情報を生成し、前記データベースに格納された統合金融情報と前記取引内訳情報を利用して前記登録されたユーザそれぞれのための信用評価情報を生成することを特徴とする、コンピュータ装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
同一ユーザを互いに異なる識別子によって識別する互いに異なるサービスにおいて、該当のユーザに対して登録されるブロックチェーンネットワークでの個人識別キーを活用して該当のユーザの個人データをブロックチェーンネットワーク上に提供することにより、互いに異なるサービスでの該当のユーザの個人データを個人識別キーによって追跡および活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。
図2】本発明の一実施形態における、コンピュータ装置の例を示したブロック図である。
図3】本発明の一実施形態における、ブロックチェーンと関連付いた個人データ処理過程の例を示した図である。
図4】本発明の一実施形態における、媒体の観点からみた個人データ処理方法の例を示したフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態における、広告主の観点からみた個人データ処理方法の例を示したフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態における、個人識別キーと媒体の識別子を関連付けする過程の例を示した図である。
図7】本発明の一実施形態における、個人識別キーと媒体の識別子を関連付けする過程の例を示した図である。
図8】本発明の一実施形態における、個人識別キーによってユーザの活動と関連するデータを含むブロックがブロックチェーンに連結される過程の例を示した図である。
図9】本発明の一実施形態における、ブロックチェーンネットワークで個人ユーザのデータがデータ消費者に取り引きされて価値が循環する過程の例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【0011】
本発明の実施形態に係る個人データ処理方法は、以下で説明する電子機器やサーバを実現する少なくとも1つのコンピュータ装置によって実現されてよい。このとき、コンピュータ装置においては、本発明の一実施形態に係るコンピュータプログラムがインストールされて実行されてよく、コンピュータ装置は、実行されるコンピュータプログラムの制御にしたがって本発明の実施形態に係る個人データ処理方法を実行してよい。上述したコンピュータプログラムは、コンピュータ装置と結合して個人データ処理方法をコンピュータに実行させるためにコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてよい。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態における、ネットワーク環境の例を示した図である。図1のネットワーク環境は、複数の電子機器110、120、130、140、複数のサーバ150、160、およびネットワーク170を含む例を示している。このような図1は、発明の説明のための一例に過ぎず、電子機器の数やサーバの数が図1のように限定されることはない。また、図1のネットワーク環境は、本実施形態に適用可能な環境のうちの1つの例を説明するものに過ぎず、本実施形態に適用可能な環境が図1のネットワーク環境に限定されることはない。
【0013】
複数の電子機器110、120、130、140は、コンピュータ装置によって実現される固定端末や移動端末であってよい。複数の電子機器110、120、130、140の例としては、スマートフォン、携帯電話、ナビゲーション、PC(personal computer)、ノート型PC、デジタル放送用端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、タブレットなどがある。一例として、図1では、電子機器1(110)の例としてスマートフォンを示しているが、本発明の実施形態において、電子機器1(110)は、実質的に無線または有線通信方式を利用し、ネットワーク170を介して他の電子機器120、130、140および/またはサーバ150、160と通信することのできる多様な物理的なコンピュータ装置のうちの1つを意味してよい。
【0014】
通信方式が限定されることはなく、ネットワーク170が含むことのできる通信網(一例として、移動通信網、有線インターネット、無線インターネット、放送網)を利用する通信方式だけではなく、機器間の近距離無線通信が含まれてもよい。例えば、ネットワーク170は、PAN(personal area network)、LAN(local area network)、CAN(campus area network)、MAN(metropolitan area network)、WAN(wide area network)、BBN(broadband network)、インターネットなどのネットワークのうちの1つ以上の任意のネットワークを含んでよい。さらに、ネットワーク170は、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スター-バスネットワーク、ツリーまたは階層的ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ以上を含んでもよいが、これらに限定されることはない。
【0015】
サーバ150、160それぞれは、複数の電子機器110、120、130、140とネットワーク170を介して通信して命令、コード、ファイル、コンテンツ、サービスなどを提供する1つ以上のコンピュータ装置によって実現されてよい。例えば、サーバ150は、ネットワーク170を介して接続した複数の電子機器110、120、130、140にサービス(一例として、金融サービス、決済サービス、ソーシャルネットワークサービス、メッセージングサービス、検索サービス、メールサービス、コンテンツ提供サービスなど)を提供するシステムであってよい。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態における、コンピュータ装置の例を示したブロック図である。上述した複数の電子機器110、120、130、140それぞれやサーバ150、160それぞれは、図2に示したコンピュータ装置200によって実現されてよく、一実施形態に係る個人データ処理方法は、このようなコンピュータ装置200によって実現される個人データ処理システムによって実行されてよい。
【0017】
このようなコンピュータ装置200は、図2に示すように、メモリ210、プロセッサ220、通信インタフェース230、および入力/出力インタフェース240を含んでよい。メモリ210は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)、およびディスクドライブのような永続的大容量記録装置を含んでよい。ここで、ROMやディスクドライブのような永続的大容量記録装置は、メモリ210とは区分される別の永続的記録装置としてコンピュータ装置200に含まれてもよい。また、メモリ210には、オペレーティングシステムと、少なくとも1つのプログラムコードが記録されてよい。このようなソフトウェア構成要素は、メモリ210とは別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体からメモリ210にロードされてよい。このような別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、フロッピー(登録商標)ドライブ、ディスク、テープ、DVD/CD-ROMドライブ、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体を含んでよい。他の実施形態において、ソフトウェア構成要素は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体ではない通信インタフェース230を通じてメモリ210にロードされてもよい。例えば、ソフトウェア構成要素は、ネットワーク170を介して受信されるファイルによってインストールされるコンピュータプログラムに基づいてコンピュータ装置200のメモリ210にロードされてよい。
【0018】
プロセッサ220は、基本的な算術、ロジック、および入出力演算を実行することにより、コンピュータプログラムの命令を処理するように構成されてよい。命令は、メモリ210または通信インタフェース230によって、プロセッサ212、222に提供されてよい。例えば、プロセッサ220は、メモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって受信される命令を実行するように構成されてよい。
【0019】
通信モジュール230は、ネットワーク170を介してコンピュータ装置200が他の装置(一例として、上述した記録装置)と互いに通信するための機能を提供してよい。一例として、コンピュータ装置200のプロセッサ220がメモリ210のような記録装置に記録されたプログラムコードにしたがって生成した要求や命令、データ、ファイルなどが、通信インタフェース230の制御にしたがってネットワーク170を介して他の装置に伝達されてよい。これとは逆に、他の装置からの信号や命令、データ、ファイルなどが、ネットワーク170を経てコンピュータ装置200の通信モジュール230を通じてコンピュータ装置200に受信されてよい。通信インタフェース230を通じて受信された信号や命令、データなどは、プロセッサ220やメモリ210に伝達されてよく、ファイルなどは、コンピュータ装置200がさらに含むことのできる記録媒体(上述した永続的記録装置)に記録されてよい。
【0020】
入力/出力インタフェース240は、入力/出力装置250とのインタフェースのための手段であってよい。例えば、入力装置は、マイク、キーボード、またはマウスなどの装置を、出力装置は、ディスプレイやスピーカのような装置を含んでよい。他の例として、入力/出力インタフェース240は、タッチスクリーンのように入力と出力のための機能が1つに統合された装置とのインタフェースのための手段であってもよい。入力/出力装置250は、コンピュータ装置200と1つの装置で構成されてもよい。
【0021】
また、他の実施形態において、コンピュータ装置200は、図2の構成要素よりも少ないか多くの構成要素を含んでもよい。しかし、大部分の従来技術的構成要素を明確に図に示す必要はない。例えば、コンピュータ装置200は、上述した入力/出力装置250のうちの少なくとも一部を含むように実現されてもよいし、トランシーバやデータベースなどのような他の構成要素をさらに含んでもよい。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態における、ブロックチェーンと関連付いた個人データ処理過程の例を示した図である。図3は、ユーザ310、ブロックチェーンネットワーク320、媒体330、および広告主340をそれぞれ示している。
【0023】
ユーザ310とは、インターネット上の個別ユーザのうちの任意のユーザを意味してよく、オンラインサービスやアプリなどを実際に使用する主体であると同時に、これによって発生したデータと個人のアイデンティティに対する使用統制権を所有するデータオーナー(data owner)であってよい。
【0024】
ユーザ310とブロックチェーンネットワーク320との間の、またはユーザ310と媒体330との間のインタラクションは、ユーザ310の端末のようにコンピュータによって実現可能な電子機器によって成立してよい。一例として、電子機器は、図1を参照しながら説明した複数の電子機器110、120、130、140のうちのいずれか1つに対応してよい。
【0025】
このとき、ユーザ310には、電子機器を利用して自身を固有に識別することのできる識別子として個人識別キー(Key)が発給されてよい。例えば、最初の関連付け時に、ユーザ310の電子機器には、ユーザ310からの要求に応答し、またはコンピュータプログラムの制御にしたがい、ブロックチェーンネットワーク320からパブリックキー(public key)が伝達されてよく、伝達されたパブリックキーに相応するブロックチェーンのウォレットアドレスを個人識別キーとして媒体330に伝達することにより、個人識別キーと媒体330に登録されたユーザ310のアカウントが関連付けられるようになる。一例として、個人識別キーは、パブリックキーにハッシュアルゴリズムを適用することで生成されてよい。他の例として、パブリックキーは、個人ユーザを識別することのできる区分子であると同時に、ブロックチェーンネットワーク320におけるトークンを保管するブロックチェーンのウォレットアドレスとして、パブリックキー自体が個人識別キーとなってもよい。以下では、ブロックチェーンネットワーク320から発給されたパブリックキーが個人識別キーに対応する実施形態について説明するが、上述したようなハッシュアルゴリズムの適用のように、パブリックキーの多様な変形が個人識別キーとして活用されることも可能である。ここで、トークンとは、ブロックチェーンネットワーク320の参加者が取引手段として使用する手段であってよく、ブロックチェーンネットワーク320に適用されたブロックチェーンプロトコルによって定義されてよい。ブロックチェーンネットワーク320のノードは、データストレージおよび検証子の役割を担い、信頼性に基づく合意プロトコルであるPoB(Proof of Believability)に基づいて作業を実行し、ブロックチェーンネットワーク320を各種アビューズおよび攻撃から防御する役割を担ってよい。
【0026】
言い換えれば、電子機器は、ユーザ310が選択した媒体330にアクセスしてよく、媒体330が提供する機能を利用して個人識別キーと媒体330に登録されたユーザ310のアカウント(ユーザ310の識別子)とを関連付けてもよい。例えば、電子機器は、ユーザ310が選択した媒体A、媒体B、媒体Cの順にアクセスしてよく、ユーザ310の個人識別キーを媒体のアカウントに順に関連付けてもよい。
【0027】
ユーザがインターネット上に残したデータを最もよく把握することのできる主体は、データ生成の当事者である「個人」である。個人がデータの所有者としてオンライン上の活動情報を媒体330や広告主340に連結することができれば、個人を特定するために個別のサービスが連結を試みることよりも効果的となる。また、従来には、オンライン上で個人を識別することのできる固有のキーがなかったため、個人は自身のデータがどのように収集されて活用されているかを追跡することができなかった。しかし、本発明の実施形態によると、上述した個人識別キーを活用することにより、個人のデータがブロックチェーンネットワーク320に収集されればデータのトラッキングが可能となるだけでなく、個人はデータの所有者としてデータ提供に対する報酬を受けることもできる。
【0028】
媒体330は、データ提供者であると同時にデータ消費者であってよい。例えば、データ提供者は、ユーザに、オンラインサイト、コンピュータプログラム、および/またはアプリなどの形態でサービスを提供すると同時に、この過程によってデータを収集する主体であってよい。データ提供者が収集したデータは、個人ユーザの代わりにブロックチェーンネットワーク320に送信されてよい。また、データ消費者は、個人データを活用して価値を創出する主体であって、ブロックチェーンネットワーク320のトークンを支払い(または、支払いを約束)後にブロックチェーンネットワーク320から得た個人ユーザのデータを活用して利益を創出してよい。媒体330の他に、広告主340もこのようなデータ消費者であって、一例として、ブロックチェーンネットワーク320から得た個人ユーザのデータをターゲティング広告執行および顧客分析などに活用して利益を生成してよい。
【0029】
媒体330は、データ提供者でもあって、ユーザ310の個人識別キーを利用してユーザ310の活動に関する情報を含む取引ブロックを生成してブロックチェーンネットワーク320上にアップロードしてよい。上述した媒体A、媒体B、媒体Cすべてがユーザ310の活動に関する情報を含む取引ブロックを生成してブロックチェーンネットワーク320上にアップロードしてこのような取引ブロックがブロックチェーンに結合される場合、ユーザ310の媒体A、媒体B、媒体Cそれぞれでの連続する活動および/またはデータは、ユーザ310のための1つの固有の識別子である個人識別キーによって結合されてよい。
【0030】
この場合、媒体330は、データ消費者として、ブロックチェーンネットワーク320で個人識別キーを利用することにより、従来には互いに異なる識別子によってユーザ310を識別していた互いに異なる複数のサービスでのユーザ310の活動および/またはデータに関する情報を得ることが可能となる。例えば、媒体Aは、従来のように媒体Aでのユーザ310の活動に関する情報はもちろん、媒体Bおよび媒体Cでのユーザ310の活動に関する情報まで取得することが可能となる。
【0031】
オンライン上でユーザにサービスを提供する従来の媒体(一例として、サイトおよび/またはアプリケーション)は、媒体それぞれが保有しているデータだけでは顧客/訪問者が実際に誰であるかを把握するのが困難であるという限界を抱えていた。従来には、DMP(Data Management Platform)などのようなデータ取引会社に分析を依頼したり、または個人情報の侵害レベルまで顧客情報を収集したりするなど、媒体が自主的に顧客を分析することが困難であるという問題があった。また、従来の媒体が保有しているインベントリに広告を記載して収益化しようとするときにも、自体的な顧客データだけでは詳細な顧客プロフィールを生成することに困難があり、これによって細分化された聴衆ターゲティングが困難であり、したがって高いeCPM(effective Cost Per Mille)を取得し難く、最終的には媒体の低い収益に繋がるという問題があった。
【0032】
しかし、本発明の実施形態によると、多数の媒体におけるユーザの活動および/またはデータがユーザそれぞれの個人識別キーによってブロックチェーンネットワーク320上にアップロードされる場合、媒体それぞれは、他の媒体と関連付けするユーザの活動および/またはデータを1つの個人識別キーによって束ねることで立体的な顧客プロフィールを生成することが可能となり、各媒体が自社の顧客をより深層的に分析することのできる経路が生成される。したがって、媒体それぞれは、広告主に、該当の媒体を利用する顧客のより細分化されたデータを提供することが可能となり、これにより、媒体が保有するインベントリの収益性を改善することが可能となる。
【0033】
また、広告主340も、上述したように、データ消費者として、ブロックチェーンネットワーク320を経て、またはブロックチェーンネットワーク320に基づく情報(ユーザ310のインターネット上における活動および/またはデータ)を取得する媒体330を経て、ユーザ310のより高度化された情報を得ることができるようになる。例えば、広告主340の広告aが媒体Aと媒体Bでユーザ310にそれぞれ表示された場合、広告主340は、ブロックチェーンネットワーク320において個人識別キーに対応する情報に基づき、広告aが、互いに異なる2人のユーザはなく1人のユーザ310に2度にわたって表示されたことが分かるようになる。
【0034】
従来の広告主は、オンライン上に広告を表示しながらも、該当の広告がユーザに実際に到達したか、誰に表示され、クリックがどのくらいなされたかなどのような成果に対し、中間取引者(広告プラットフォームやDMP)側から提供される数値を一方的に信じるしか方法がなかった。また、提供される数値自体が正確であったとしても、実際に広告に表示され、表示された広告をクリックするユーザが本当に真性ユーザであるか、それとも人間でないボット(bot)なのかが不明であったため、不正クリック(click fraud)に対するイシューを排除することができず、ユーザが実際に広告主が願うターゲット聴衆であるか、または重複するユーザではないかを検証することのできる方法が存在しなかったため、データの偽変造の可能性に頭を悩ませるしかなかった。しかし、本発明の実施形態によると、ユーザそれぞれが固有の識別子である個人識別キーによって区分され、各ユーザに関連付けられた媒体を確認することができるため、広告主が広告を執行しようとするターゲット聴衆を直接に識別することができ、各媒体において該当のターゲット聴衆に正確に広告を表示させることが可能となる。また、広告が表示された後も、表示された広告に対するクリックと転換が、固有の識別子である個人識別キー単位で分かるようになる。また、個人識別キーによって媒体Aから流入されたユーザaが媒体Bの会員bであるということを簡単に把握することができるため、転換測定時にデータマッピングのイシューも減らすことができ、個別の顧客に基づく正確な転換データを得ることができ、転換あたりの価値を正確に測定することが可能となる。さらに、本発明の実施形態は、ポストバック(Postback)によって顧客プロフィールをより立体化するのに寄与することが可能となる。ここで、ポストバックとは、広告ネットワークから流入された顧客の特定のアクションを広告ネットワークに再び伝達することを意味し、リターゲティング/リマーケティングのために使用される機能を意味してよい。
【0035】
このように、媒体330は、データ消費者として、ブロックチェーンネットワーク320にトークンを支給して自社の顧客に関する深層データを取得することができ、取得した深層データを活用してインベントリ収益を極大化することができる。広告主340も、ブロックチェーンネットワーク320にトークンを支給して顧客に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて媒体330でターゲティング広告を執行することができ、上述したように、ポストバックによって顧客データを高度化することができる。このような個人ユーザのデータを活用することにより、媒体330および/または広告主340のようなデータ消費者は、個人識別キーによって識別されるユーザ310のデータを活用することで、ユーザ310にターゲティング広告が表示される場合などのようにユーザ310のデータを活用することにより、該当の個人識別キーを所有するユーザ310に報酬を提供することができる。
【0036】
図4は、本発明の一実施形態における、媒体の観点からみた個人データ処理方法の例を示したフローチャートである。本実施形態に係る個人データ処理方法は、一例として、上述した媒体330を実現するコンピュータ装置200によって実行されてよい。例えば、コンピュータ装置200のプロセッサ220は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードと、少なくとも1つのプログラムのコードとによる制御命令(instruction)を実行するように実現されてよい。ここで、プロセッサ220は、コンピュータ装置200に記録されたコードが提供する制御命令にしたがってコンピュータ装置200が図4の方法に含まれる段階410~460を実行するようにコンピュータ装置200を制御してよい。
【0037】
段階410で、コンピュータ装置200は、媒体に登録された会員の識別子を管理してよい。会員の識別子とは、一例として、媒体が会員を識別するために会員ごとに登録および格納して管理する識別子(一例として、ログインIDや電話番号など)を意味してよい。上述したように、媒体ごとに互いに異なるユーザ識別体系を備えているため、媒体に登録された会員の識別子は該当する媒体のサービス上では会員を識別することができるが、他の媒体の会員を識別することはできない。
【0038】
段階420で、コンピュータ装置200は、ブロックチェーンネットワークが発行した、会員に対応するユーザを識別する個人識別キーを識別子と関連付けてもよい。上述したように、ユーザには、ブロックチェーンネットワークから個人識別キーが発行されてよく、発行された個人識別キーをユーザが希望する媒体のアカウントに関連付けしてよい。一例として、ユーザは、自身の端末を利用して媒体のシステムにアクセスしてよく、媒体が提供する機能を利用して個人識別キーを入力する形態により、媒体に登録されたユーザのアカウントとユーザに発給された個人識別キーとの関連付けを要求してよい。このとき、媒体を実現するコンピュータ装置200は、ユーザの要求にしたがい、該当のユーザに対して媒体に登録された識別子とユーザの端末に送信された個人識別キーとを互いに関連付けてもよい。一例として、コンピュータ装置200は、送信された個人識別キーとユーザに対して登録された識別子を互いに関連付けて格納してよい。媒体でユーザを識別するための識別子は、媒体に予め登録されたユーザのIDおよび/またはユーザに予め発給されたクッキー値を含んでよい。例えば、ログインした状態で媒体のサービスを利用するログインユーザに対し、コンピュータ装置200は、ログインユーザの個人識別キーとログインユーザに対して媒体に登録されたIDを互いに関連付けしてよい。この反面、ログアウト状態でサービスを利用するログアウトユーザに対し、コンピュータ装置200は、該当のログアウトユーザに予め発給されたブラウザクッキーのクッキー値と個人識別キーとを関連付けすることにより、ログアウトユーザ(非会員も含む)に対しても個人識別キーを利用してユーザの識別を可能にしてよい。
【0039】
段階430で、コンピュータ装置200は、会員の活動と関連するデータを含むブロックがブロックチェーンに連結されるように、個人識別キーを利用してブロックチェーンネットワークの参加者にブロックを送信してよい。該当のブロックは、参加者によって情報相互検証が完了する場合にブロックチェーンに結合されてよく、個人識別キーによって識別されるユーザの媒体での活動と関連するデータがブロックチェーンに記録されてよい。言い換えれば、媒体は、データ提供者として、媒体でのユーザの活動と関連するデータをブロックチェーンネットワークに提供してよい。
【0040】
また、ユーザは、個人識別キーを多数の媒体それぞれのアカウントと関連付けしてよい。このとき、個人識別キーがユーザに対する互いに異なる識別体系を備える互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けすることにより、互いに異なる媒体それぞれでのユーザの活動と関連するデータを含むブロックがブロックチェーンに連結するように、個人識別キーを利用してブロックチェーンネットワークの参加者に送信されてよい。この場合、参加者に送信されたブロックは、参加者によって情報相互検証が完了する場合にブロックチェーンに結合されてよく、個人識別キーによって識別されるユーザの互いに異なる媒体での活動と関連するデータがブロックチェーンに記録されてよい。したがって、特定の媒体や特定の広告主は、前記ブロックチェーンの個人識別キーによって識別されるユーザの多数の媒体における総合的な活動情報を得ることが可能となる。
【0041】
段階440で、コンピュータ装置200は、ブロックチェーンに連結されたブロックから、個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを取得してよい。このとき、ブロックチェーンに連結されたブロックから得られるユーザの活動と関連するデータは、互いに異なる媒体それぞれがブロックチェーンに連結されるようにブロックチェーンネットワークの参加者に送ったブロックのうち、ブロックチェーンに実際に連結されたブロックに含まれたデータを含んでよい。言い換えれば、ブロックチェーンに連結させるために送信されるすべてのブロックがブロックチェーンに連結されるのではなく、参加者によって情報相互検証が完了したブロックだけがブロックチェーンに連結されてよく、ブロックチェーンに連結されたブロックに含まれたデータは、個人識別キーによって識別されるユーザのオンライン上の活動に関する情報を統合的に提供することができるようになる。例えば、コンピュータ装置200は、該当の媒体でのユーザの活動と関連する単なるデータではなく、ユーザが個人識別キーを関連付けさせた多数の媒体それぞれでのユーザの活動と関連するデータを得ることができるようになる。このように、本実施形態に係るコンピュータ装置200によって実現される媒体は、個人識別キーと結合して立体化された顧客情報を取得および活用することが可能となり、これにより、インベントリ収益の極大化が可能となる。このような段階440は、媒体がデータ提供者として、媒体でのユーザの活動に関するデータをブロックチェーンネットワークに提供する役割だけでなく、データ消費者として、ブロックチェーンネットワークに総合されたユーザの活動に関するデータを取得して消費する役割も実行することを示している。
【0042】
また、このような段階440で、コンピュータ装置200は、ブロックチェーンネットワークで参加者が取引手段であるトークンを利用しながら、個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを購入してよい。言い換えれば、媒体は、トークンを利用したデータ購入により、ユーザの活動と関連するデータを取得してよい。この場合、データの購入による報酬が、個人識別キーによって識別されるユーザ、およびユーザの活動と関連するデータをブロックチェーンネットワークに提供した媒体のうちの少なくとも1つに提供されてよい。ユーザに提供される報酬は、ユーザがデータの所有者として個人識別キーによって自身のデータを媒体および/または広告主に公開することによる対価であってよく、現物、現金、サイバー上のデジタル通貨などのような多様な形態で形成されてよい。
【0043】
段階450で、コンピュータ装置200は、広告主のターゲティング広告を媒体に表示させてよい。広告主も、ブロックチェーンネットワークの個人識別キーによって識別されるユーザのオンライン上での活動に関する統合的なデータを得てよく、該当のデータからユーザ情報を得て媒体でターゲティング広告を執行してよい。この場合、媒体は、広告主が要求するターゲティング広告をユーザに表示してよい。オンライン上の個別ユーザそれぞれに対して生成された個人識別キーに対し、ブロックチェーンネットワーク上ではユーザそれぞれの活動と関連するデータのブロックチェーンが形成されてよく、媒体と広告主は、ユーザそれぞれに関するオンライン上の活動と関連する統合的なデータを得てよい。広告主は、このような統合的なデータからターゲット聴衆を直接識別し、このようなターゲット聴衆に各媒体を経て広告を表示することが可能となる。
【0044】
一方、個人識別キーによって識別されるユーザにターゲティング広告が表示されて広告主が意図とする活動が発生する場合、個人識別キーによって識別されるユーザに報酬が提供される実施形態が考えられる。ここで、広告主が意図とする活動とは、ターゲティング広告の表示、表示されたターゲティング広告の選択(一例として、ユーザが表示されたターゲティング広告をクリックするか、またはタッチスクリーン環境でターゲティング広告が表示された領域をタッチ)、ターゲティング広告を通じた広告主サービスへの会員登録、ターゲティング広告を通じた商品またはサービスの購入による転換などのように、多様な活動のうちの少なくとも1つを含んでよい。例えば、媒体や広告主のようなデータ消費者は、トークンを利用してブロックチェーンネットワークからユーザの活動に関するデータを購入してよく、このような購入による報酬が、ユーザの活動に関するデータをブロックチェーンネットワークに提供した媒体に提供されてよい。このとき、報酬を受けた媒体は、自身の媒体に表示されるターゲティング広告としてターゲティング広告に表示され、広告主が意図とする活動をしたユーザに補償を再び提供してもよい。
【0045】
図5は、本発明の一実施形態における、広告主の観点からみた個人データ処理方法の例を示したフローチャートである。本実施形態に係る個人データ処理方法は、一例として、上述した広告主340のシステム(広告主システム)を実現するコンピュータ装置200によって実行されてよい。例えば、コンピュータ装置200のプロセッサ220は、メモリ210が含むオペレーティングシステムのコードと、少なくとも1つのプログラムのコードとによる制御命令(instruction)を実行するように実現されてよい。ここで、プロセッサ220は、コンピュータ装置200に記録されたコードが提供する制御命令にしたがってコンピュータ装置200が図5の方法に含まれる段階510~540を実行するようにコンピュータ装置200を制御してよい。
【0046】
段階510で、コンピュータ装置200は、ユーザを固有に識別するためにブロックチェーンネットワークがユーザに対して発行する個人識別キーを取得してユーザを識別してよい。オンライン上/インターネット上の個別ユーザはデータの所有者であって、自身が活動する媒体での活動と関連するデータを提供するかを直接選択してよい。例えば、ユーザにはブロックチェーンネットワークから個人識別キーが発給され、データを提供しようとする媒体のアカウントと連結する過程によって媒体を選択してよい。個人識別キーと媒体のアカウント(媒体でのユーザの識別子)が関連付けされるとき、該当の媒体は、ユーザの活動と関連するデータと個人識別キーの結合によって生成されるブロックをブロックチェーンに連結させようとしてよく、ブロックチェーンに連結されたデータは、媒体および/または広告主のようなデータ消費者に提供されてよい。このとき、データ消費者も該当のブロックチェーンネットワークの参加者であってよく、ブロックチェーンネットワークが提供するトークンを利用しながら、個人識別キーによって識別されるユーザのブロックチェーンに含まれたデータを購入することが可能となる。コンピュータ装置200によって実現される広告主システムも個人識別キーによって個別ユーザを識別してよく、ブロックチェーンネットワークから、該当の個人識別キーによって識別されるユーザのデータを購入することが可能となる。このとき、データの購入による報酬が、個人識別キーによって識別されるユーザ、およびユーザの活動と関連するデータをブロックチェーンネットワークに提供した媒体のうちの少なくとも1つに提供されてよい。
【0047】
段階520で、コンピュータ装置200は、ブロックチェーンネットワークから、ブロックチェーンに連結されたブロックによってユーザの活動と関連するデータを取得してよい。上述したように、個人識別キーがユーザに対する互いに異なる識別体系を備える互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けされることにより、互いに異なる媒体それぞれでのユーザの活動と関連するデータを含むブロックがブロックチェーンに連結されるように、個人識別キーを利用してブロックチェーンネットワークの参加者に送信されてよく、参加者に送信されたブロックのうちで参加者によって情報相互検証が完了したブロックがブロックチェーンに連結されてよい。このとき、コンピュータ装置200によって実現される広告主システムは、ブロックチェーンに連結されたブロックから、ユーザの活動と関連するデータを取得することが可能となる。
【0048】
段階530で、コンピュータ装置200は、取得したデータを利用して、個人識別キーによって固有に識別されるユーザの顧客プロフィールを生成してよい。上述したように、取得したデータは、1つの媒体でのユーザの活動ではなく、互いに異なる識別体系を備える互いに異なる複数の媒体でのユーザの活動と関連するデータであってよく、したがって、広告主システムは、各媒体で識別される会員単位ではなく、オンライン上で活動する実際の個別ユーザ単位で顧客プロフィールを生成することが可能となる。
【0049】
段階540で、コンピュータ装置200は、生成された顧客プロフィールに基づいてターゲティング広告を執行してよい。このとき、個人識別キーによって識別される個別ユーザ単位で生成された顧客プロフィールに基づき、広告に対するより正確なターゲティングが可能となる。これだけでなく、ターゲティング広告が表示された後も、表示されたターゲティング広告に対するクリックや転換などをブロックチェーンによって個人識別キー単位で正確に把握することが可能となり、個別ユーザに関する正確な転換データを取得して転換ごとの価値を測定することが可能となる。さらに、ポストバックにより、顧客プロフィールのさらなる立体化が可能となる。
【0050】
図6および図7は、本発明の一実施形態における、個人識別キーと媒体の識別子とを関連付けする過程の例を示した図である。
【0051】
図6は、ユーザ1(610)、ブロックチェーンネットワーク620、媒体1(630)、媒体2(640)、および媒体3(650)をそれぞれ示している。また、図6は、ユーザ1(610)がブロックチェーンネットワーク620から個人識別キーABCを発給の受け、ユーザ1(610)をID「XXX」として識別する媒体1(630)、ユーザ1(610)をID「YYY」として識別する媒体2(640)、およびユーザ1(610)をID「ZZZ」として識別する媒体3(650)それぞれに個人識別キーとの関連付けを要求する例を示している。
【0052】
図7は、ユーザ1(610)の要求にしたがい、媒体(媒体1(630)、媒体2(640)、および媒体3(650))それぞれが個人識別キーと識別子を関連付けする例を示している。例えば、媒体1(630)は、ユーザ1(610)の識別子「XXX」と個人識別キー「ABC」とを互いに関連付けて記録する形態によって個人識別キーと識別子を関連付けしてよい。多数のユーザのために、媒体(媒体1(630)、媒体2(640)および媒体3(650))それぞれは、該当のユーザを識別するための識別子と該当のユーザがブロックチェーンネットワーク620から発給を受けて送信する個人識別キーとを互いに関連付けて記録してよい。
【0053】
図8は、本発明の一実施形態における、個人識別キーによってユーザの活動と関連するデータを含むブロックがブロックチェーンに連結される過程の例を示した図である。図8では、媒体(媒体1(630)、媒体2(640)、および媒体3(650))それぞれがユーザ1(610)の活動と関連するデータ(以下、「活動データ」)をブロックに追加してユーザ1(610)のためのブロックチェーンに結合させた例を示している。このとき、ユーザ1(610)が、媒体1(630)での活動1、媒体3(650)での活動2、媒体1(630)での活動3、および媒体2(640)での活動4を順に発生させたと仮定する。この場合、媒体1(630)は、媒体1(630)で識別子「XXX」として識別される会員であるユーザ1(610)の活動1に関する活動1データを識別子「XXX」と関連付けする個人識別キー「ABC」に結合してブロック1(810)を生成してよく、生成されたブロック1(810)をブロックチェーンネットワーク620の参加者に送信してよい。これと同じように、媒体3(650)は、媒体3(650)で識別子「ZZZ」として識別される会員であるユーザ1(610)の活動2に関する活動2データを識別子「ZZZ」と関連付けする個人識別キー「ABC」に結合してブロック2(820)を生成してよく、生成されたブロック2(820)をブロックチェーンネットワーク620の参加者に送信してよい。また、媒体1(630)は、媒体1(630)で識別子「XXX」として識別される会員であるユーザ1(610)の活動3に関する活動3データを識別子「XXX」と関連付けする個人識別キー「ABC」に結合してブロック3(830)を生成してよく、生成されたブロック3(830)をブロックチェーンネットワーク620の参加者に送信してよい。最後に、媒体2(640)は、媒体2(640)で識別子「YYY」として識別される会員であるユーザ1(610)の活動4に関する活動4データを識別子「YYY」と関連付けする個人識別キー「ABC」に結合してブロック4(840)を生してよく、生成されたブロック4(840)をブロックチェーンネットワーク620の参加者に送信してよい。
【0054】
このとき、図8は、ブロック1(810)、ブロック2(820)、ブロック3(830)、ブロック4(840)が、ブロックチェーンネットワーク620の参加者によって情報相互検証が完了されることによってブロックチェーンに結合する例を示している。データ消費者は、このようなブロックチェーンを利用することにより、媒体1(630)で識別子「XXX」として識別される会員の活動1と活動3、媒体3(650)で識別子「ZZZ」として識別される会員の活動2、さらに媒体2(640)で識別子「YYY」として識別される会員の活動4すべてが、ユーザ1(610)の連続的な活動であることが分かるようになる。言い換えれば、データ消費者は、ブロックチェーンのデータを活用することにより、ユーザ1(610)の互いに異なるサービスでの個人データを追跡および活用することが可能となる。
【0055】
以上で説明した主要な用語を以下の表1のように整理する。
【0056】
【表1】
図9は、本発明の一実施形態における、ブロックチェーンネットワークで個人ユーザのデータがデータ消費者に取り引きされて価値が循環する過程の例を示した図である。図9は、ユーザ910、データ提供者920、ブロックチェーンネットワーク930、およびデータ消費者940を示している。
【0057】
第1過程951は、ユーザ910が、自身が使用する各種サービスおよびアプリにおいて自身の固有識別子となる個人識別キー(または、パブリックキー)を利用して各サービスに送信するデータを選択する過程であってよい。ここで、データの選択とは、特定のデータ提供者でのユーザの活動に関するデータが追跡および活用可能なようにデータ提供者を選択することを意味してよい。図9では、データ提供者920として検索エンジンA、コミュニティサービスB、アンケートサービスCの媒体を例示している。このような各媒体に分散していたデータソースは、個人識別キーを基準に1つに束ねられるようになる。
【0058】
第2過程952は、ブロックチェーンネットワーク930に属する媒体(データ提供者920)が、ユーザ910のデータをブロックチェーンネットワーク930上のデータストレージ(data storage)に送信する過程であってよい。媒体は、提供する各サービスの特性に応じてどのようなログ(log)を送信するかを定義し、ブロックチェーンネットワーク930の標準API規約に合わせて媒体のサーバを経てブロックチェーンネットワーク930上のデータストレージにデータを直接送信してよい。このとき、ブロックチェーンネットワーク930には、個人識別キーを含む取引ブロックが生成されてよく、キー生成に関する記録から始まり、データ活用および取引内訳などがブロックチェーン上に記録されてよい。複数の媒体が送信したユーザデータがブロックチェーンで1つの個人識別キーによって束ねられるようになれば、各サービスおよびアプリで発生した個別ユーザログにはユーザ910に関する連続する行動としての意味が付与され、個人ユーザごとに区分されるオンライン上のアイデンティティが誕生するようになる。
【0059】
第3過程953は、データの豊富化(enriching)および商品化(commodifying)を処理する過程であってよい。ブロックチェーンネットワーク930上には、それぞれ異なる役割を担っている主要参加者が存在する。主要参加者をブロックチェーンネットワーク930のノードとし、このようなノードはデータを記録および検証する作業を実行する。
【0060】
(1)データストレージ(data storage)
媒体から送信されたユーザ活動ログは、データストレージの役割を担っている主要参加者が暗号化して記録および管理するようになり、主要参加者が生成したブロックにはデータ取引に関する帳簿記録が含まれるようになる。ブロックチェーンネットワーク930では、一例として、IPFS(Inter-Planetary File System)方式によってノードに含まれるストレージにデータを分散して記録してよい。
【0061】
(2)データ検証子(data evaluator)
ブロックチェーンネットワーク930に収集された個人データは、信頼度検証を経なければならない。これは、データの重複登録や偽変造による価値の誤評価を防ぐための必須作業である。データ検証子として機能するノードは、検証作業によってデータの信頼度を直接評価したり、データの真偽を検証する証人として活動してブロックを生成するようになる。
【0062】
ブロックチェーンネットワーク930において、上述したようなデータストレージやデータ検証子のようなノードはPoB(Proof of Believability)に基づいて作業を実行するが、この過程において、トークンの所有状態とネットワークへの参加度が重要な要素として反映されてよい。図9のサービスデータ分散アプリ(Decentralized Applicaiton:Dapp)は、参加者間に分散ネットワーク構造で活用されるアプリを意味してよい。
【0063】
第4過程954は、データの価値評価のための過程であってよい。個人ユーザが媒体を経て提供したデータは、データ消費者によって活用されることによってその価値が評価されるようになる。広告主や媒体などのデータ消費者940は、購入しようとするデータを定義(ex.ショッピングモールAでここ最近6ヶ月内にBカテゴリに属する商品を購入した履歴があり、Cサイトに加入しているすべての女性顧客)し、購入条件を含んだ一種の契約書をブロックに記録する。購入を予約したデータから価値が発生すれば、これに対し、ブロックチェーンの価格策定ロジックに基づき、トークンによって値を支払うようになる。また、データ価値転換に関する記録はブロックチェーン帳簿に残り、該当の個人識別キーのまた他のデータパーツとして顧客プロフィールの形成に寄与するようになる。
【0064】
第5過程955は、データの所有主およびデータの提供者に報酬を提供する過程であってよい。第4過程954でデータが最終的に購入された場合、データを所有する個人ユーザ(ユーザ910)と該当のデータを提供した媒体(データ提供者920)、さらにブロックチェーンネットワーク930で該当のデータの価値を増進させた主体に報酬が与えられてよい。
【0065】
また、上述した主要参加者の他に、本発明の実施形態に係るブロックチェーンプラットフォームに参加して個人データの取引生態系をより豊かにする多様な付加主体が存在することがある。誰もが自由にブロックチェーンネットワーク930上にサービスレイヤをアップロードすることができる。以下では、付加主体として可能な形態の一部を紹介する。
【0066】
(3)データ加工子(data processor)
データ加工子は、ブロックチェーンネットワーク930上に積まれた膨大な量のデータをクラスタリングして包装する役割を行ってよい。例えば、データ加工子は、広告主に頻繁に販売されるデータパッケージを生成してよく、広告主は自身に適したデータパッケージを購入してよい。従来の広告生態系の代表であるDMPの役割と似たような役割を、データ加工子がブロックチェーンネットワーク930上で担うようになる。
【0067】
(4)広告ネットワーク
ブロックチェーンネットワーク930から抽出したデータを直ぐに広告キャンペーンとして連結し、該当となるユーザを対象に広告を直接執行できるようにするプラットフォームが、ブロックチェーンネットワーク930の付加主体として存在してよい。このようなプラットフォームは、広告の表示、広告執行による指標の測定、および精算などを処理してよい。
【0068】
このように、本発明の実施形態によると、同一ユーザを互いに異なる識別子によって識別する互いに異なるサービスにおいて、該当のユーザに対して登録されるブロックチェーンネットワークでの個人識別キーを活用して該当のユーザの個人データをブロックチェーンネットワーク上に提供することにより、互いに異なるサービスでの該当のユーザの個人データを個人識別キーによって追跡および活用することが可能となる。
【0069】
上述したシステムまたは装置は、ハードウェア構成要素、またはハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との組み合わせによって実現されてよい。例えば、実施形態で説明された装置および構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令を実行して応答することができる様々な装置のように、1つ以上の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを利用して実現されてよい。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)、およびOS上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行してよい。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセスし、データを格納、操作、処理および生成してもよい。理解の便宜のために、1つの処理装置が使用されるとして説明される場合もあるが、当業者は、処理装置が複数個の処理要素(processing element)および/または複数種類の処理要素を含んでもよいことが理解できるであろう。例えば、処理装置は、複数個のプロセッサまたは1つのプロセッサおよび1つのコントローラを含んでもよい。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0070】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、またはこれらのうちの1つ以上の組み合わせを含んでもよく、思うままに動作するように処理装置を構成したり、独立的または集合的に(collectively)処理装置に命令したりしてよい。ソフトウェアおよび/またはデータは、処理装置に基づいて解釈されたり、処理装置に命令またはデータを提供するために、いかなる種類の機械、コンポーネント、物理装置、仮想装置(virtual equipment)、コンピュータ格納媒体または装置に具現化(embody)されてよい。ソフトウェアは、ネットワークによって接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された状態で格納されても実行されてもよい。ソフトウェアおよびデータは、1つ以上のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されてよい。
【0071】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行可能なプログラム命令の形態で実現されてコンピュータ読み取り可能な媒体に記録されてよい。前記コンピュータ読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含んでよい。媒体は、コンピュータ実行可能なプログラムを継続して記録するものであっても、実行またはダウンロードのために一時記録するものであってもよい。また、媒体は、単一または複数のハードウェアが結合した形態の多様な記録手段または格納手段であってよく、あるコンピュータシステムに直接接続する媒体に限定されることはなく、ネットワーク上に分散して存在するものであってもよい。媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような光磁気媒体、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどを含み、プログラム命令が記録されるように構成されたものであってよい。また、媒体の他の例として、アプリケーションを配布するアプリケーションストアやその他の多様なソフトウェアを供給または配布するサイト、サーバなどで管理する記録媒体または格納媒体が挙げられる。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるもののような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用してコンピュータによって実行されることのできる高級言語コードも含まれる。
【0072】
以上のように、実施形態を、限定された実施形態および図面に基づいて説明したが、当業者であれば、上述した記載から多様な修正および変形が可能であろう。例えば、説明された技術が、説明された方法とは異なる順序で実行されたり、かつ/あるいは、説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が、説明された方法とは異なる形態で結合されたりまたは組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって対置されたり置換されたとしても、適切な結果を達成することができる。
【0073】
したがって、異なる実施形態であっても、特許請求の範囲と均等なものであれば、添付される特許請求の範囲に属する。
【0074】
本開示は下記の発明を含む。
(付記1) コンピュータにより実行される、媒体の個人データ処理方法であって、
前記コンピュータが、前記媒体に登録された会員の識別子を管理する段階、
前記コンピュータが、前記会員により、ブロックチェーンネットワークが発行した、前記会員に対応するユーザを識別する個人識別キーを前記識別子と関連付けする段階、および
前記コンピュータが、前記会員の活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に前記ブロックを送信する段階
を含む、個人データ処理方法。
(付記2) 前記コンピュータが、前記ブロックチェーンに連結されたブロックから、前記個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを取得する段階
をさらに含む、付記1に記載の個人データ処理方法。
(付記3) 前記コンピュータが、前記ブロックチェーンネットワークで参加者が取引手段として使用するトークンを利用して、前記個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを購入する段階
をさらに含むことを特徴とする、付記1に記載の個人データ処理方法。
(付記4) 前記データの購入による報酬が、前記個人識別キーによって識別されるユーザおよび前記ユーザの活動と関連するデータを前記ブロックチェーンネットワークに提供した媒体のうちの少なくとも1つに提供されることを特徴とする、付記3に記載の個人データ処理方法。
(付記5) 前記個人識別キーが前記ユーザに対する互いに異なる識別体系をもつ互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けすることにより、前記互いに異なる媒体それぞれでの前記ユーザの活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信されることを特徴とする、付記1に記載の個人データ処理方法。
(付記6) 前記ユーザの活動と関連するデータは、前記互いに異なる媒体それぞれが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信したブロックのうちで前記ブロックチェーンに実際に連結されたブロックに含まれたデータを含むことを特徴とする、付記5に記載の個人データ処理方法。
(付記7) 広告主システムの個人データ処理方法であって、
前記広告主システムが、ユーザを固有に識別するためにブロックチェーンネットワークが前記ユーザに対して発行する個人識別キーを取得して前記ユーザを識別する段階、
前記広告主システムが、前記ブロックチェーンネットワークから、前記ブロックチェーンに連結されたブロックによって前記ユーザの活動と関連するデータを取得する段階、
前記広告主システムが、前記取得したデータを利用して、前記個人識別キーによって固有に識別されるユーザに対する顧客プロフィールを生成する段階、および
前記広告主システムが、前記生成された顧客プロフィールに基づいてターゲティング広告を執行する段階
を含む、個人データ処理方法。
(付記8) 前記個人識別キーが前記ユーザに対する互いに異なる識別体系をもつ互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けされることにより、前記互いに異なる媒体それぞれでの前記ユーザの活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信されることを特徴とする、付記7に記載の個人データ処理方法。
(付記9) 前記ユーザの活動と関連するデータを取得する段階は、
互いに異なる媒体それぞれが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信したブロックのうちで前記ブロックチェーンに実際に連結されたブロックに含まれたデータを取得することを特徴とする、付記7に記載の個人データ処理方法。
(付記10) 前記ユーザの活動と関連するデータを取得する段階は、
前記ブロックチェーンネットワークで参加者が取引手段として使用するトークンを利用して、前記個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを購入することを特徴とする、付記5に記載の個人データ処理方法。
(付記11) 前記データの購入による報酬が、前記個人識別キーによって識別されるユーザおよび前記ユーザの活動と関連するデータを前記ブロックチェーンネットワークに提供した媒体のうちの少なくとも1つに提供されることを特徴とする、付記10に記載の個人データ処理方法。
(付記12) コンピュータにより実行されると、付記1~11のうちのいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
(付記13) コンピュータにより実行されると、付記1~11のうちのいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実行させるプログラムが記録されていることを特徴とする、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
(付記14) コンピュータ装置であって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、
媒体に登録された会員の識別子を管理し、
前記会員により、ブロックチェーンネットワークが発行した、前記会員に対応するユーザを識別する個人識別キーを前記識別子と関連付けし、
前記会員の活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に前記ブロックを送信すること
を特徴とする、コンピュータ装置。
(付記15) 前記少なくとも1つのプロセッサにより、
前記ブロックチェーンに連結されたブロックから、前記個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを取得すること
を特徴とする、付記14に記載のコンピュータ装置。
(付記16) 前記少なくとも1つのプロセッサにより、
前記ブロックチェーンネットワークで参加者が取引手段として使用するトークンを利用して、前記個人識別キーによって識別されるユーザの活動と関連するデータを購入すること
を特徴とする、付記14に記載のコンピュータ装置。
(付記17) 前記データの購入による報酬が、前記個人識別キーによって識別されるユーザおよび前記ユーザの活動と関連するデータを前記ブロックチェーンネットワークに提供した媒体のうちの少なくとも1つに提供されることを特徴とする、付記16に記載のコンピュータ装置。
(付記18) 前記個人識別キーが前記ユーザに対する互いに異なる識別体系をもつ互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けされることにより、前記互いに異なる媒体それぞれでの前記ユーザの活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信されることを特徴とする、付記14に記載のコンピュータ装置。
(付記19) コンピュータ装置であって、
コンピュータ読み取り可能な命令を実行するように実現される少なくとも1つのプロセッサ
を含み、
前記少なくとも1つのプロセッサにより、
ユーザを固有に識別するためにブロックチェーンネットワークが前記ユーザに対して発行する個人識別キーを取得して前記ユーザを識別し、
前記ブロックチェーンネットワークから、前記ブロックチェーンに連結されたブロックによって前記ユーザの活動と関連するデータを取得し、
前記取得したデータを利用して、前記個人識別キーによって固有に識別されるユーザに対する顧客プロフィールを生成し、
前記生成された顧客プロフィールに基づいてターゲティング広告を執行すること
を特徴とする、コンピュータ装置。
(付記20) 前記個人識別キーが前記ユーザに対する互いに異なる識別体系をもつ互いに異なる媒体の識別子それぞれと関連付けされることにより、前記互いに異なる媒体それぞれでの前記ユーザの活動と関連するデータを含むブロックが前記ブロックチェーンに連結されるように、前記個人識別キーを利用して前記ブロックチェーンネットワークの参加者に送信されることを特徴とする、付記19に記載のコンピュータ装置。
図1
図2
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図9