(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20240110BHJP
G06F 30/12 20200101ALI20240110BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/12
(21)【出願番号】P 2022152903
(22)【出願日】2022-09-26
(62)【分割の表示】P 2020211672の分割
【原出願日】2020-12-21
【審査請求日】2022-10-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年11月20日に https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=7iVfRebzQhg&feature=youtu.be のウェブサイトの動画で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306022513
【氏名又は名称】日鉄エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【氏名又は名称】山口 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100217249
【氏名又は名称】堀田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221279
【氏名又は名称】山口 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100207686
【氏名又は名称】飯田 恭宏
(74)【代理人】
【識別番号】100224812
【氏名又は名称】井口 翔太
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 崇
【審査官】合田 幸裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/188577(WO,A1)
【文献】特開2001-306944(JP,A)
【文献】特開2007-149062(JP,A)
【文献】特開2006-277643(JP,A)
【文献】特開2011-242852(JP,A)
【文献】特開2008-276807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0200861(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0148957(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第111475874(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/13
G06F 30/12
IEEE Xplore
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の構造に関する情報と、前記情報が表す前記建物の立体的な形状の画像である立体画像と、をともに同一の表示部に表示させる表示制御部、
を備え
、
前記情報は、可変情報又は可変のテキスト情報であり、
前記立体画像は、前記情報に応じて変化することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
建物の骨組み自体の形状の情報と、前記情報が表す前記建物の立体的な形状の画像である立体画像と、をともに同一の表示部に表示させる表示制御部、
を備え
、
前記情報は、可変情報又は可変のテキスト情報であり、
前記立体画像は、前記情報に応じて変化することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記情報を取得する入力情報取得部を更に備え、
前記表示制御部は、前記建物の構造に関する複数の量のうち少なくとも一部について、前記量の変化が前記情報の表す形状の変化に与える影響の強さの度合いである寄与度を前記表示部に表示させることを特徴とする、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記情報を取得する入力情報取得部を更に備え、
前記表示制御部は、前記建物の外観自体の形状を示す複数の量又は前記建物の骨組み自体の形状を示す複数の量のうち少なくとも一部について、前記量の変化が前記情報の表す形状の変化に与える影響の強さの度合いである寄与度を前記表示部に表示させることを特徴とする、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記立体画像は、前記建物の外観であることを特徴とする、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記立体画像は、前記建物の骨組みの立体的な形状であることを特徴とする、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記複数の量の少なくとも一部は、入力端末の操作によって入力される可変量である、請求項3又は請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記複数の量のうちの1つと、前記複数の量のうちの他の1つと、の相関を前記表示部に表示させることを特徴とする、
請求項3又は請求項4又は請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記情報は、前記立体画像とは異なる領域に並べて表示される、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋根等の建物の建築や修繕には、建物の形状を考えるデザイナーと物理法則を満たす建物を設計する設計者とが共同して設計の作業をする場合がある。デザイナーの提案は多岐にわたることが多いため、デザイナーと設計者とが共同で作業する場合、デザイナーと設計者とは、設計の結果を確認しながら設計の作業を進める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デザイナーの提案するデザインは多岐にわたる場合が多い。そのため、デザイナーの提案に即した設計の結果の確認に際しては、例えば視認しやすい形で結果が表示される等のデザイナーと設計者とができる限り少ない負担で設計の結果を確認できることが重要である。また、このことはデザイナーと設計者とが共同で建物を設計する場合に限らず、設計者が単独でデザインと設計とを担当する場合にも同様である。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、建物の設計に際して設計の結果の確認に要する負担を軽減することができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、建物の形状に関する情報である形状情報と、前記形状情報が表す前記建物の立体的な形状の画像である立体画像と、をともに同一の表示部に表示させる表示制御部、を備える表示装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、建物の設計に際して設計の結果の確認に要する負担を軽減することができる技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の設計支援装置1の概要を説明する第1の説明図。
【
図2】実施形態における形状寄与度の第1の例を示す図。
【
図3】実施形態における形状寄与度の第2の例を示す図。
【
図4】実施形態における形状量と設計解析結果との各々の相関関係の一例を示す図。
【
図5】実施形態の設計支援装置1の概要を説明する第2の説明図。
【
図6】実施形態の設計支援装置1のハードウェアの構成の一例を示す図。
【
図7】実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図。
【
図8】実施形態の設計支援装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図10】変形例における設計支援システム100の構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
図1は、実施形態の設計支援装置1の概要を説明する第1の説明図である。設計支援装置1は、ユーザによる設計対象の設計を支援する。なお設計対象は、設計の対象の建物である。ユーザは、例えば設計対象の設計を行う設計者や、設計対象の形状のデザインを行うデザイナーである。以下、説明の簡単のため設計対象が、屋根である場合を例に設計支援装置1を説明する。特に設計対象がアーチ構造、トラス構造又は張弦梁構造の屋根である場合を例に設計支援装置1を説明する。
【0010】
設計支援装置1は、具体的には、設計対象の形状に関する情報である形状情報の入力を受け付け、入力された形状情報が表す設計対象の立体的な形状を表示する。具体的には、設計支援装置1は、情報を表示する表示部101を備え、表示部101によって、入力された形状情報が表す設計対象の立体的な形状を表示する。設計対象の立体的な形状は、例えば設計対象の外観であってもよいし、例えば設計対象の骨組みの立体的な形状であってもよい。
【0011】
形状情報は、設計対象の形状に関する複数の量について値を示す。形状に関する量(以下「形状量」という。)は、例えば意匠面・外縁の位置を示す。形状量は、例えば柱脚位置を示す。形状量は、例えば上弦材の最高高さを示す。また、形状量は、例えば室内有効高さを示し、下弦材は室内有効高さ以上に設定され得る。なお、これら最高高さや室内有効高さはアーチやトラス・張弦梁を構成する上でデプスやライズを設定する上での制約条件になる。形状量は、例えば上弦材の本数と下弦材の本数とを示す。
【0012】
形状量は、例えば上弦材又は下弦材のいずれか一方又は両方の位置を示す。上弦材又は下弦材の位置は、例えばデプス又はライズのいずれか一方又は両方で示される。デプスは上弦材と下弦材との間の距離の最大値を意味する。ライズは柱脚位置と上弦材との間の距離を意味する。形状量は、例えば上弦材と下弦材との間を繋ぐ束材や斜材の有無や本数を示す。
【0013】
形状量は、例えば中央開口部であるテンションリングの縦横比を示す。テンションリングは、例えば後述の
図5に記載のテンションリング103である。形状量は、例えばテンションリングのコーナーの曲率を示す。形状量は、例えば上弦材及び下弦材の本数を示す。形状量は、例えば束材の本数を示す。形状量は、例えばテンションリングを円形から多角形で示す。
【0014】
形状量は、例えば斜材の配置の位置を示す。斜材の配置には、例えばV字や/字やクロス配置等の複数種類の配置が存在する。そのため、形状量は、例えば斜材の配置の種類を示してもよい。形状量は、例えば隣接する弦材の束材端点を繋ぐ材の位置を示す。形状量は、例えば水平ブレースの位置を示す。
【0015】
形状情報は、さらに屋根の分割方法を示してもよい。以下説明の簡単のため、形状情報が、複数の形状量と、屋根の分割方法とを示す場合を例に設計支援装置1を説明する。
【0016】
設計支援装置1は、予め形状情報と設計の結果との対応関係を示す情報(以下「対応関係情報」という。)を用いて、表示部101に設計の結果を表示する。設計の結果は、例えば、形状情報が表す設計対象の立体的な形状の画像(以下「対応立体画像」という。)である。なお以下、立体的な形状の画像を立体画像という。設計の結果は、例えば、形状情報が表す設計対象に対する構造解析や部材断面計算の解析(以下「設計解析」という。)の結果(以下「設計解析結果」という。)である。設計の結果は、例えば、形状量の変化が形状情報の表す形状の変化に与える影響の強さの度合い(以下「形状寄与度」という。)であってもよい。
【0017】
形状寄与度は、例えば軸歪エネルギーやせん断歪エネルギーや曲げ歪エネルギーで構成される歪エネルギーの総和の変化量で表現される。形状寄与度は、例えば鉛直変形Zの大きさで表現されてもよい。形状寄与度は、例えば水平変形Xの大きさで表現されてもよい。形状寄与度は、例えば水平変形Yの大きさで表現されてもよい。形状寄与度は、例えば柱脚の反力の大きさで表現されてもよい。以下、設計の結果が対応立体画像である対応関係情報を立体対応関係情報という。以下、設計の結果が設計解析結果である対応関係情報を解析対応関係情報という。以下、設計の結果が形状寄与度である対応関係情報を寄与度対応関係情報という。
【0018】
設計の結果が形状寄与度である場合、対応関係情報の取得に用いられる形状情報は形状に関する所定の条件(以下「デザイン条件」という。)を満たすという条件の下に、形状情報と形状寄与度とを用いて予め取得されたものであればどのようなものであってもよい。例えば、デザイン条件を満たす形状情報と形状寄与度との対応関係は、機械学習の方法で得られたものであってもよい。
【0019】
対応関係情報は、例えば、デザイン条件を満たす形状情報と形状寄与度との結果との対応関係が、有限要素法等の数理モデルを用いた解析によって得られたものであってもよい。デザイン条件は、例えば、水平面に射影された形状は楕円であるという条件等の設計対象の形状について予めユーザが設定した条件である。
【0020】
形状寄与度は、例えばデザイン条件を満たす形状情報として予め用意された複数の形状情報について構造解析等の解析が行われることで得られる。このような場合、解析に用いた形状情報と解析の結果との複数の組の集合が、対応関係情報の一例である。
【0021】
対応立体画像は、例えば形状情報に基づき演算によって立体画像を生成するコンピュータプログラムによって生成される。立体対応関係情報の取得に用いられる対応立体画像は、立体対応関係情報の取得前に予め生成済みであってもよいし、立体対応関係情報の取得に際して生成されてもよい。対応立体画像は、例えば予め画像ソフトを用いて人手で生成されたものであってもよい。
【0022】
対応関係情報は、設計支援装置1自体が記憶していてもよいし、ネットワーク上のサーバー等の設計支援装置1と通信可能な他の装置に記憶されていてもよい。対応関係情報が他の装置に記憶されている場合には、設計支援装置1は、通信によって対応関係情報を記憶する他の装置から対応関係情報を取得する。対応関係情報を設計支援装置1自体が記憶している場合には、対応関係情報を記憶部から読み出すことで設計支援装置1は対応関係情報を取得する。以下、説明の簡単のため対応関係情報を設計支援装置1自体が記憶する場合を例に設計支援装置1を説明する。
【0023】
図1は、設計支援装置1が表示部101に表示する画面の一例として画面H101を示す。画面H101には、領域A1-1、領域A1-2、領域A1-3及び領域A1-4を内包する領域A1が存在する。
【0024】
領域A1には、設計支援装置1に入力された形状情報が表示される。設計支援装置1への形状情報の入力は例えばユーザが行う。
図1においてはユーザが入力した形状情報の一例として、架構形状データの入力の結果が表示されている。架構形状データは形状情報の一例である。なお、ユーザが入力可能な形状情報は、対応関係情報の取得に際して用いられた形状情報の一部又は全部だけであってもよいし、対応関係情報の取得に際して用いられた形状情報の一部又は全部と対応関係情報の取得の際には用いられなかった形状情報とであってもよい。以下、説明の簡単のためユーザが入力可能な形状情報が、対応関係情報の取得に際して用いられた形状情報の一部又は全部だけである場合を例に設計支援装置1を説明する。
【0025】
架構形状データは、形状量としてShape、Type、Radius、Divideの少なくとも4つの形状量を有する。Shapeは、中央テンションリングの形状(円形及び多角形等)を意味する。Typeは張弦梁かトラスかを意味する。Radiusは中央テンションリングの曲率半径の値を意味する。Divideは上弦材と下弦材の本数を意味する。
【0026】
領域A1-1には、Shapeの値が表示される。領域A1-2には、Typeの値が表示される。領域A1-3には、Radiusの値が表示される。領域A1-4には、Divideの値が表示される。なお、
図1の領域A1-1~領域A1-4に表示される内容は、領域A1に表示される内容の一例である。そのため領域A1には、Shape、Type、Radius、Divide以外の他の形状量が表示されてもよいし、形状量以外の情報が表示されてもよい。
【0027】
領域A2には、画像G1が表示される。画像G1は、解析対応関係情報の生成に際して用いられた形状情報のうち、形状量制約条件を満たす形状情報についての設計解析結果を示す。形状量制約条件は、設計対象に関する複数の形状量のうち、設計支援装置1に入力された形状情報が示す形状量ついては、値が設計支援装置1に入力された形状情報が示す各形状量の値であるという条件である。
【0028】
画像G1の横軸は、重量や変形等の構造解析によって得られる量を少なくとも示す。画像G1の横軸の“disp_x”は架構の中でX軸方向の最大の変形量を示す。画像G1の横軸の“disp_y”は架構の中でY軸方向の最大の変形量を示す。画像G1の横軸の“disp_z”は架構の中でZ軸方向の最大の変形量を示す。画像G1の横軸の“reactx”は架構の中でX軸方向の最大の反力を示す。画像G1の横軸の“reacty”は架構の中でY軸方向の最大の反力を示す。画像G1の横軸の“reactz”は架構の中でZ軸方向の最大の反力を示す。画像G1の横軸の“weight”は架構重量を示す。画像G1の横軸の“W”は架構の総歪エネルギーを示す。総歪エネルギーは、軸力の歪エネルギーと、曲げの歪エネルギーと、せん断力の歪エネルギーとの総和である。画像G1の縦軸は、横軸の各量の値を正規化した値を示す。なお、画像G1の横軸は、少なくとも構造解析によって得られる量を示せばよく、構造解析によって得られる他の設計解析結果を示してもよい。
【0029】
なお、画像G1は、約10,000の架構形状データそれぞれについての構造解析の結果を示す実験結果の一例である。グラフL101は、形状量制約条件を満たす1又は複数の設計対象のうちの1つについて構造解析によって得られる各量の値を示す。なお、架構形状データの数が約100000であることは一例であり、建物によっては、架構形状データの数は、例えば約4000個であってもよい。また、グラフL101は、それぞれの実験結果に対応するグラフが表示される画像G1上で、強調表示されてもよい。
【0030】
領域A2には、さらに形状量制約条件を満たす1又は複数の形状情報について形状寄与度が示されてもよい。領域A2に表示される形状寄与度の例は例えば
図2又は
図3に記載の画像である。ただし、表示部101が形状寄与度を表示する場合、形状寄与度は表示部101が表示する画面に表示されていれば、必ずしも領域A2に表示される必要はない。
また、領域A2には、形状量制約条件を満たす1又は複数の形状情報などに対応する相関が示されてもよい。領域A2に表示される相関の例は、例えば、
図4に記載の画像である。ただし、表示部101が相関を表示する場合、相関は表示部101が表示する画面に表示されていれば、必ずしも領域A2に表示される必要はない。
【0031】
図2は、実施形態における形状寄与度の第1の例を示す図である。
図2の縦軸は、形状量を表す。“depth”は、デプスを示す。“divide”はトラスや張弦梁の場合は上弦材の本数を示し、アーチ構造の場合は大梁を示す。なお、以下の説明では、この“divide”は、上弦材を示すものとする。“radius”はテンションリングの半径を表す。“rise”はライズを示す。“divide2”は隣あう上弦材の分割数又は束材本数を示す。“type”はトラスか張弦梁かを示す。トラスか張弦梁かを示すとは、斜材を入れるか入れないかを示すことを意味する。
【0032】
図2の横軸は、縦軸の各形状量の変化が鉛直変形Zの変化に与える影響の強さの度合(すなわち形状寄与度)を表す。
図2の例は、デプスの変化が、最も鉛直変形Zの変化に影響を与えることを示す。
図2の例は、大梁の本数(以下、「大梁本数」という。)の変化の鉛直変形Zの変化に対する影響はデプスの次に大きい、ということを示す。
【0033】
なお、
図2に示す形状寄与度を表現する図は一例である。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が軸歪エネルギーやせん断歪エネルギーや曲げ歪エネルギーで構成される歪エネルギーの総和の変化に与える影響の強さであってもよい。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が水平変形Xの大きさの変化に与える影響の強さであってもよい。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が水平変形Yの大きさの変化に与える影響の強さであってもよい。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が柱脚の反力の大きさの変化に与える影響の強さであってもよい。また、縦軸の各形状量についても一例であり、“depth”、“divide”、“radius”、“rise”、“divide2”、“type”の全てが必ずしも示される必要は無い。また、縦軸には、“depth”、“divide”、“radius”、“rise”、“divide2”、“type”以外の建物に関する量が示されてもよい。
【0034】
図3は、実施形態における形状寄与度の第2の例を示す図である。
図3の縦軸は、形状量を表す。
図3の横軸は、縦軸の各形状量の変化が歪エネルギーの総和の変化に与える影響の強さの度合(すなわち形状寄与度)を表す。
図3の例は、大梁本数の変化が、最も歪エネルギーの総和の変化に影響を与えることを示す。
図3の例は、“divide2”の変化の歪エネルギーの総和の変化に対する影響は大梁本数の次に大きい、ということを示す。
【0035】
なお、
図3に示す形状寄与度を表現する図は一例である。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が鉛直変形Zの変化に与える影響の強さであってもよい。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が水平変形Xの大きさの変化に与える影響の強さであってもよい。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が水平変形Yの大きさの変化に与える影響の強さであってもよい。形状寄与度を表現する図の横軸は、縦軸の各形状量の変化が柱脚の反力の大きさの変化に与える影響の強さであってもよい。また、縦軸の各形状量についても一例であり、“depth”、“divide”、“radius”、“rise”、“divide2”、“type”の全てが必ずしも示される必要は無い。また、縦軸には、“depth”、“divide”、“radius”、“rise”、“divide2”、“type”以外の建物に関する量が示されてもよい。
【0036】
図4は、実施形態における形状量と設計解析結果との各々の相関関係の一例を示す図である。
図4は、縦軸及び横軸はいずれも形状量と設計解析結果とを示す。
図4は、縦軸の各形状量又は設計解析結果と横軸の各形状量又は設計解析結果との相関係数を示す。
図4は、例えば、“disp_x”と“W”との相関係数は0.85であることを示す。
図4において、“W_N”は総軸歪エネルギーを表す。
図4において“W_M”は総曲げ歪エネルギーを表す。
図4において、“W”は総軸歪エネルギーと総曲げ歪エネルギーとの総和を表す。
【0037】
なお、
図4の縦軸及び横軸が示す各形状量と設計解析結果とは一例であり、必ずしも“disp_x”、“disp_y”、“disp_z”、“reactx”、“reacty”、“reactz”、“weight”、“W_N”、“W_M”、“W”の全てが示される必要は無い。また、
図4の縦軸及び横軸は、disp_x”、“disp_y”、“disp_z”、“reactx”、“reacty”、“reactz”、“weight”、“W_N”、“W_M”、“W”以外の形状量又は設計解析結果が示されてもよい。例えば、縦軸及び横軸には、せん断歪エネルギーが示されてもよい。
【0038】
図5は、実施形態の設計支援装置1の概要を説明する第2の説明図である。より具体的には、
図5は、設計支援装置1が表示部101に表示する画面の一例として画面H102を示す図である。画面H102には、領域A3-1、領域A3-2、領域A3-3、領域A3-4、領域A3-5、領域A3-6及び領域A3-7を内包する領域A3と、領域A4-1及び領域A4-2を内包する領域A4とが存在する。
【0039】
領域A3には、設計支援装置1に入力された形状情報の少なくとも一部が表示される。
【0040】
領域A3-1には、外形の分割の方法と、内形の分割の方法と、テンションリングの形状とを示す画像が表示される。外形とは柱脚レベルでの屋根の外形を意味する。なお、柱脚レベルとは、屋根構造と下部構造が接する点を柱脚として、柱脚から建物のグランドラインまでの距離(高さ)を意味する。なお、内形とはテンションリングの形状を意味する。例えば、領域A3-1に「分割:柱位置/内リング形状:外径の相似形」との文言を示す画像が表示された場合、外径の分割方法は、下部構造の柱位置に柱脚の位置を配置する分割方法となり、テンションリングの形状は、下部構造の柱位置での隣り合う柱脚を結んだ際に生じる外径形状をスケールダウンしたものとなる。
【0041】
また、例えば、領域A3-1に「分割:等分割/内リング形状:外径の相似形」との文言を示す画像が表示された場合、外径の分割方法は、柱脚の位置に依らず、下部構造の柱位置での隣り合う柱脚を結んだ際に生じる外径形状を等分割(同じ間隔で分割)した際に生じる分割点に柱脚を配置する分割方法となり、テンションリングの形状は、下部構造の柱位置での隣り合う柱脚を結んだ際に生じる外径形状をスケールダウンしたものとなる。さらに、例えば、領域A3-1に「分割:等分割/内リング形状:寸法指定」との文言を示す画像が表示された場合、外径の分割方法は、柱脚の位置に依らず、下部構造の柱位置での隣り合う柱脚を結んだ際に生じる外径形状を等分割した際に生じる分割点に柱脚を配置する分割方法となり、テンションリングの形状に関しては、短辺及び長辺を指定することで正方形又は長方形を作成し、作成された正方形又は長方形の四隅の曲率を指定することで楕円又は真円形状を作成し、作成された楕円又は真円形状がテンションリングの形状となる。
【0042】
領域A3-2には、大梁本数が表示される。
【0043】
領域A3-3には、柱の位置を示す情報が表示される。領域A3-3には、領域A3-1に示される外形の分割方法に応じて、必ずしも情報が表示される必要はない。
【0044】
領域A3-4には、領域A3-5と同様の情報が表示される。
【0045】
領域A3-5には、テンションリングの形状を表すパラメータの値が表示される。テンションリングの形状を表すパラメータは、例えば、テンションリングの長軸方向の内径や、テンションリングの短軸方向の内径や、コーナーの曲率である。
【0046】
領域A3-6には、束材の本数が表示される。
【0047】
領域A3-7には、デプスの値とライズの値とが表示される。
【0048】
領域A4には、領域A3の形状情報が示す建物の骨組みが表示される。
【0049】
領域A4-1には、デプスとして定義される距離とライズとして定義される距離とが、上弦材及び下弦材の2次元画像に重畳して表示される。
【0050】
領域A4-2には、領域A2の形状情報が示す建物の骨組みの立体の画像が表示される。領域A4-2において、立体画像は、トラスの節点と直線で表される。なお、建物が屋根である場合、領域A4-2の骨組みの立体の画像において、屋根を構成する上弦材の色と、屋根を構成する下弦材の色と、屋根の骨組みの部材であって上弦材及び下弦材以外の部材の色とは、互いに異なる色で表示される。
【0051】
領域A4-2の3次元画像には、建物の骨組み上の点であって予め定められた所定の条件を満たす点(以下「表示点」という。)の位置が表示されてもよい。表示点は、例えばトラスの節点である。
【0052】
図6は、実施形態の設計支援装置1のハードウェアの構成の一例を示す図である。設計支援装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ91とメモリ92とを備える制御部11を備え、設計支援プログラムを実行する。設計支援プログラムは設計支援装置1が備える各機能部の動作を制御するプログラムである。設計支援装置1は、設計支援プログラムの実行によってユーザインタフェース10、制御部11及び記憶部12を備える装置として機能する。
【0053】
より具体的には、設計支援装置1は、プロセッサ91が記憶部12に記憶されている入出力支援プログラムを読み出し、読み出した設計支援プログラムをメモリ92に記憶させる。プロセッサ91が、メモリ92に記憶させた設計支援プログラムを実行することによって、設計支援装置1は、ユーザインタフェース10、制御部11及び記憶部12を備える装置として機能する。
【0054】
ユーザインタフェース10は、表示部101と入力部102とを備える。表示部101は、各種情報を表示する。表示部101は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の出力装置を含んで構成される。表示部101は、これらの出力装置を設計支援装置1に接続するインタフェースとして構成されてもよい。
【0055】
入力部102は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力端末を含んで構成される。入力部102は、これらの入力端末を設計支援装置1に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部102は、設計支援装置1に対する各種情報の入力を受け付ける。各種情報は、入力端末がどのように操作されたかを示す情報(以下「入力端末操作情報」という。)である。
【0056】
入力端末操作情報は、例えば形状情報を示す。入力端末操作情報は、例えば形状情報の選択の結果を示す。このように、入力端末の操作によって形状情報が入力部102に入力される。入力端末操作情報は、例えば表示部101が表示する画面の変更を指示する操作であってもよい。
【0057】
なお、表示部101と入力部102とは一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0058】
制御部11は、設計支援装置1が備える各機能部の動作を制御する。制御部11は、例えば表示部101の動作を制御する。制御部11は、例えば記憶部12に形状情報を記録する。
【0059】
記憶部12は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの非一時的コンピュータ読み出し可能な記憶媒体装置を用いて構成される。記憶部12は設計支援装置1に関する各種情報を記憶する。記憶部12は、例えば設計支援プログラムを予め記憶する。
【0060】
記憶部12は、例えば予め、対応関係情報の取得に用いられた形状情報(以下「事前形状情報」という。)を記憶する。記憶部12は、例えば予め形状寄与度を記憶する。記憶部12は、例えば予め立体対応関係情報を記憶する。記憶部12は、例えば予め解析対応関係情報を記憶する。記憶部12は、例えば予め寄与度対応関係情報を記憶する。
【0061】
記憶部12は、例えば予め対応立体画像を記憶する。すなわち記憶部12は、予め生成済みの対応立体画像を記憶する。記憶部12は、例えば予め設計解析結果を記憶する。記憶部12は、例えば予め形状寄与度を記憶する。記憶部12は、例えば予め表示点が満たす条件を記憶する。
【0062】
記憶部12は、例えば予め、表示部101のサイズを示す情報(以下「表示部サイズ情報」という。)を記憶する。記憶部12は、例えば予め、表示部101上の各位置の座標(以下「表示座標情報」という。)を記憶する。
【0063】
記憶部12は、例えば予め、入力端末操作情報と制御部11が実行する処理との対応関係を示す情報(以下「操作依存処理情報」という。)を記憶する。
【0064】
操作依存処理情報の一例は、例えば形状情報表示処理を示す情報である。形状情報表示処理は、形状情報の入力を実行する予め定められた操作が入力端末に対して行われた場合に入力された形状情報を表示部101に表示させる処理である。
【0065】
操作依存処理情報の一例は、例えばアクティブ情報記録処理を示す情報である。アクティブ情報処理は、表示部101に表示中の画像を選択する予め定められた操作が入力端末に対して行われた場合に選択された画像が選択中であることを記憶部12に記録する処理である。
【0066】
操作依存処理情報は、例えば入力される形状情報に応じて領域A1、領域A2、領域A3及び領域A4の表示を変更する処理を示す情報である。
【0067】
記憶部12は、例えば予め、表示部101に表示され得る各画像(以下「候補画像」という。)に関する情報である候補画像関連情報を記憶する。領域A1に表示される画像と、領域A2に表示される画像と、領域A3に表示される画像と、領域A4に表示される画像と、形状寄与度の画像とは、いずれも候補画像の一例である。また、候補画像関連情報は、各候補画像のサイズを示す情報を含む。
【0068】
図7は、実施形態における制御部11の機能構成の一例を示す図である。制御部11は、入力情報取得部110、表示制御部111及び記録部112を備える。
【0069】
入力情報取得部110は、入力部102に入力された情報を取得する。
【0070】
表示制御部111は、記憶部12に記録された基本操作情報に少なくとも基づき、表示部101の表示を制御する。基本操作情報は、表示部サイズ情報、表示座標情報、操作依存処理情報及び候補画像関連情報である。例えば、入力部102に入力された入力端末の操作を示す情報に基づき、操作依存処理情報、表示部サイズ情報及び表示座標情報を参照して、操作依存処理情報が示す処理を実行する。
【0071】
表示制御部111は、例えば表示部101の動作を制御して、入力部102に入力された形状情報を表示部101に表示させる。より具体的には、表示制御部111は、基本操作情報を用いて、入力部102に入力された形状情報を表示部101に表示させる。以下、入力部102に入力された形状情報を表示部101に表示させる処理を、形状情報表示処理という。領域A1の画像と領域A3の画像とはどちらも、形状情報表示処理の結果として表示部101に表示される画像の一例である。
【0072】
表示制御部111は、入力部102に形状情報としてデプス又はライズの値が入力された場合には、弦材間距離表示処理を実行してもよい。弦材間距離表示処理は、表示部101の動作を制御して、表示部101に、デプスとして定義される距離とライズとして定義される距離との少なくとも一方を上弦材及び下弦材の2次元画像とともに表示させる処理である。弦材間距離表示処理は、入力された形状情報を表示する処理であるので形状情報表示処理の一例である。領域A4-1の画像は、弦材間距離表示処理の結果として表示部101に表示される画像の一例である。
【0073】
表示制御部111は、例えば表示部101の動作を制御して、入力部102に入力された形状情報が表す建物の立体的な形状を、表示部101に表示させる。より具体的には表示制御部111は、基本操作情報にくわえてさらに事前形状情報、立体対応関係情報及び対応立体画像を用いて、入力部102に入力された形状情報が表す建物の立体的な形状を、表示部101に表示させる。以下、表示部101に入力部102に入力された形状情報が表す建物の立体的な形状を表示部101に表示させる処理を、立体表示処理という。領域A4-2の画像は、立体表示処理の結果として表示部101に表示される画像の一例である。
【0074】
表示制御部111は、例えば表示部101の動作を制御して、入力部102に入力された形状情報を満たす建物に関して、少なくとも一部の形状量についての形状寄与度を表示してもよい。より具体的には、表示制御部111は、基本操作情報にくわえてさらに、事前形状情報、寄与度対応関係情報及び形状寄与度を用いて、形状寄与度を表示部101に表示させてもよい。以下、入力部102に入力された形状情報が表す建物に関し少なくとも一部の形状量についての形状寄与度を表示部101に表示させる処理を、形状寄与度表示処理という。
【0075】
形状寄与度が表示される形状量は、予め定められた形状量であってもよいし、入力部102を介して指示された形状量であってもよい。
図2に示す形状寄与度の画像と
図3に示す形状寄与度の画像とはいずれも、形状寄与度表示処理の結果として表示部101に表示される画像の一例である。
【0076】
表示制御部111は、例えば表示部101の動作を制御して、入力部102に入力された形状情報を満たす建物に関する設計解析結果を示してもよい。より具体的には、表示制御部111は、基本操作情報にくわえてさらに、事前形状情報、解析対応関係情報及び設計解析結果を用いて、設計解析結果を表示部101に表示させてもよい。以下、入力部102に入力された形状情報を満たす建物に関する設計解析結果を表示部101に表示させる処理を、設計解析結果表示処理という。画像G1は、設計解析結果表示処理の結果として表示部101に表示される画像の一例である。
【0077】
表示制御部111は、例えば表示点表示処理を実行してもよい。表示点表示処理は、表示部101の動作を制御して立体表示処理の実行により表示部101に表示された画像上に、表示点の位置を示す情報を表示させる処理である。表示点の位置は、例えば立体表示処理の実行により表示部101に表示された画像上で表示点が強調表示されることで示されてもよい。
【0078】
表示制御部111は、入力部102に、画面の切り替えを指示する情報(以下「切り替え指示」という。)が入力された場合に、表示部101に表示中の画面を切り替えさせる。切り替え先の画面は、切り替え先の画面を入力部102に入力された情報が示す場合には、入力部102に入力された情報が示す画面である。切り替え先の画面は、表示中の画面に予め対応付けられた画面に切り替えられてもよい。以下、表示部101の動作を制御することで表示部101の表示を切り替えさせる処理を切り替え処理という。切り替え処理は切り替え先の画面を表示させる処理であるので、切り替え処理では、例えば形状情報表示処理や、立体表示処理等の画像を表示する処理が実行される。
【0079】
切り替え処理の実行により、例えば画面H101から形状寄与度を表示する画面への切り替えや、形状寄与度を表示する画面から画面H102への切り替えや、画面H102から画面H101への切り替えが行われる。切り替え処理の実行により、画面H101から画面H102への切り替えがおこなわれてもよい。以下説明の簡単のため切り替え処理では、表示中の画面に予め対応付けられた画面に切り替えられる場合を例に、設計支援装置1を説明する。
【0080】
記録部112は、各種情報を記憶部12に記録する。
【0081】
図8は、実施形態の設計支援装置1が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0082】
入力部102に形状情報が入力される(ステップS101)。すなわち、入力部102を介して入力情報取得部110が形状情報を取得する。次に、表示制御部111が、形状情報表示処理及び立体表示処理を実行する(ステップS102)。ステップS102の処理により、入力部102に入力された形状情報と、形状情報が表す建物の立体画像とがともに表示部101に表示される。次に、表示制御部111が、弦材間距離表示処理を実行する(ステップS103)。次に、表示制御部111が、表示点表示処理を実行する(ステップS104)。次に、入力部102に切り替え指示が入力される(ステップS105)。すなわち、入力部102が切り替え指示を取得する。次に、表示制御部111が、設計解析結果表示処理を実行する(ステップS106)。ステップS106の設計解析結果表示処理では、形状寄与度表示処理が実行されてもよい。
【0083】
なお、ステップS102~ステップS104の処理は、必ずしも
図8に示す順番で実行される必要は無く、ステップS101の処理の後に実行されればどのタイミングで実行されてもよい。ステップS102~ステップS104の処理は同時に実行されてもよい。また、ステップS103~ステップS106の処理はいずれも必ずしも実行される必要は無い。また、ステップS106の処理は、必ずしも
図8に示す順番で実行される必要は無く、ステップS101の処理の実行後に実行されればどのタイミングで実行されてもよい。すなわち、設計解析結果や形状寄与度は、必ずしも立体画像と異なる画面に表示される必要は無く、立体画面が表示されている画面に表示されてもよい。
【0084】
このように構成された実施形態の設計支援装置1は、入力された形状情報と、その形状情報が示す建物の立体画像とを表示する。2次元画像の場合、複数の2次元画像を用いなければ建物の全体像を把握することができない。一方、立体画像であれば、2次元画像よりも容易に全体像を把握することができる。特に、デザイナーと設計者とが共同して設計する場合、デザイナーにとっては全体像の把握が重要である。またデザイナーは必ずしも建築家とは限らないため2次元画像を用いて建物の設計の結果を想像することに慣れていない場合が多い。そのため、設計支援装置1は、形状情報が示す建物の立体画像を表示しない装置よりも、建物の設計に際して設計の結果の確認に要するユーザの負担を軽減することができる。また、このよう設計支援装置1は、入力された形状情報が示す建物の全体像のユーザによる把握を容易にするため、ユーザが建物のデザインを修正するための負担を軽減することもできる。
【0085】
また、設計支援装置1は、入力された形状情報も立体画像とともに表示する。そのため、ユーザは入力した形状情報を記憶していなくとも、形状情報と立体画像との対応を見比べることができる。そのため、設計支援装置1は、ユーザが形状情報を記憶しながら設計の進め方について考えなければならいという場面が生じる頻度を減らすことができ、建物の設計に際して設計の結果の確認に要するユーザの負担を軽減することができる。また、このよう設計支援装置1は、入力された形状情報とその形状情報が示す建物の全体像とのユーザによる把握を容易にするため、ユーザが建物のデザインを修正するための負担を軽減することもできる。
【0086】
また、設計支援装置1は、弦材間距離表示処理を実行する場合、ライズ又はデプスを示す情報を表示する。ライズを示す情報は、最高高さとの干渉のユーザによる確認を可能にするためライズを表示する設計支援装置1は、建物の設計に際して設計の結果の確認に要するユーザの負担を軽減することができる。デプスを示す情報は、ライズとデプスの関係より屋内有効高さに干渉していないかのユーザによる確認を可能にするためデプスを表示する設計支援装置1は、建物の設計に際して設計の結果の確認に要するユーザの負担を軽減することができる。
【0087】
また、設計支援装置1は、表示点表示処理を実行する場合、表示点の位置としてトラスの節点を表示することができる。トラスの節点については、トラスの節点を算定し、算定したトラスの節点を結ぶことで、ユーザが容易に確認できる対応立体画像を表示することができる。このため、設計支援装置1は、建物の設計に際して設計の結果の確認に要するユーザの負担を軽減することができる。
【0088】
また、設計支援装置1は、設計解析結果表示処理を実行する場合、設計解析結果を表示することができる。設計解析結果が表示されることで設計者は、設計解析結果に基づき設計の修正の仕方についてより適切な修正を選択することができる。そのため、設計支援装置1は、建物の設計に際して設計の結果の確認に要するユーザの負担を軽減することができる。
【0089】
特に形状寄与度が表示される場合、ユーザにとって、形状の変化に対する建物の変化がどのようなものかを把握することが容易になる。したがって、設計者は、形状寄与度に基づき設計の修正の仕方についてより適切な修正を選択することができる。そのため、設計支援装置1は、建物の設計に際して設計の結果の確認に要するユーザの負担を軽減することができる。
【0090】
(変形例)
なお表示制御部111は、表示部101の動作を制御して表示部101に、入力された形状情報が表す建物の立体画像とともに架構の総重量に要するコストを表示させてもよい。なお表示制御部111は、表示部101の動作を制御して表示部101に、入力された形状情報が表す建物の立体画像とともに応力を表示させてもよい。
【0091】
表示制御部111は、表示部101の動作を制御して、形状寄与度を入力された形状情報が表す建物の立体画像とともに表示部101に表示させてもよい。
【0092】
なお、表示制御部111は、表示部101の動作を制御して、入力された形状情報が表す建物の立体画像と形状寄与度との両方を、時間差をつけて表示部101に表示してもよい。より具体的には、表示制御部111は、例えば時間差表示処理を実行してもよい。時間差表示動作は、入力された形状情報が表す建物の立体画像と形状寄与度とのいずれか一方を先に表示部101に表示させ、当該一方が表示された後に、他方を表示部101に表示させる処理である。
【0093】
さらに、表示制御部111は、表示部101の動作を制御して、入力された形状情報が表す建物の立体画像及び形状寄与度とともに、
図4で示したような相関を示す図を表示部101に表示させても良い。そして、表示制御部111は、この立体画像、この形状寄与度、この相関を示す図を、時間差をつけて、表示部101に表示しても良い。より具体的には、表示制御部111は、この立体画像、この形状寄与度、この相関を示す図を、この順に表示部101に表示させても良い。
【0094】
なお、形状情報は、少なくとも、設計対象を構成する部材に関する量である構成部材量の値を示すことが望ましい。構成部材量は、形状量の1種である。構成部材量は、例えば、束材の本数である。構成部材量は、例えばデプスである。構成部材量は、例えばライズである。構成部材量は、例えば上弦材の本数と下弦材の本数とである。
【0095】
なお、
図1の領域A1には、ライズや、デプスや、上弦材又は下弦材の分割数や、隣り合う上弦材と下弦材との分割位置を結ぶか否かを示す値や、束材や斜材を入れるか否かを示す値等の、入力部102に入力された情報が表示されてもよい。
【0096】
なお、対応立体画像や、設計解析結果や、形状寄与度等の設計の結果の少なくとも一部は必ずしも予め算出されている必要は無い。入力部102に入力された形状情報に応じた設計の結果は、制御部11の演算を実行可能な機能部が備える推定部により、対応関係情報に基づいて推定されてもよい。
【0097】
図9は、変形例における制御部11の一例を示す図である。制御部11は推定部113を備えてもよい。推定部113は、入力部102に入力された形状情報に応じた設計の結果を、対応関係情報に基づいて推定する。推定部113は、例えば入力部102に入力された形状情報に応じた対応立体画像を、立体対応関係情報に基づいて推定する。推定部113は、例えば入力部102に入力された形状情報に応じた設計解析結果を、解析対応関係情報に基づいて推定する。推定部113は、例えば入力部102に入力された形状情報に応じた形状寄与度を、寄与度対応関係情報に基づいて推定する。
【0098】
なお、設計支援装置1は、ネットワークを介して通信可能に接続された複数台の情報処理装置を用いてシステム(以下「設計支援システム」という。)として実装されてもよい。この場合、設計支援装置1が備える各機能部は、複数の情報処理装置に分散して実装されてもよい。すなわち設計支援システムは、設計支援装置1が備える各機能部を、複数の情報処理装置に分散して備える。
【0099】
図10は、変形例における設計支援システム100の構成の一例を示す図である。設計支援システム100は、設計支援装置1と情報処理装置2とを備える。設計支援装置1は、インターネット等のネットワーク9を介して情報処理装置2と通信可能に接続されている。情報処理装置2は、バスで接続されたプロセッサとメモリとを備える。情報処理装置2は推定部113を備える。情報処理装置2は、予め対応関係情報を記憶する。情報処理装置2は、入力部102に入力された形状情報を、ネットワーク9を介して設計支援装置1から取得する。情報処理装置2は、取得した形状情報に基づき、対応関係情報を用いて、推定部113によって設計の結果を推定する。情報処理装置2は、推定の結果を、設計支援装置1に送信する。設計支援装置1は、情報処理装置2が送信した推定の結果を受信する。設計支援装置1は受信した推定の結果を、表示部101に表示する。
【0100】
なお、設計支援装置1又は設計支援システム100の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0101】
なお、設計支援装置1又は設計支援システム100の目的は、形状寄与度の分析等による定量的な架構形状の合意形成に役立たせる技術を提供することであってもよい。
【0102】
なお設計支援装置1は表示装置の一例である。なお、入力情報取得部110が形状情報を取得するステップS110の処理は、入力情報取得ステップの一例である。なお、ステップS102の処理は、表示制御ステップの一例である。なお、設計支援装置1又は設計支援システム100が実行する処理の流れであって表示部101に情報を表示する処理の流れは、表示方法の一例である。そのため、例えばステップS101~ステップS106等の設計支援装置1が実行する処理の流れは、表示方法の一例である。
【0103】
なお、本実施形態において、より詳細には、“disp_x”は、一つの屋根の各節点で発生するX方向の屋根変形量のうち、最大の変形量を示し、disp_y”は、一つの屋根の各節点で発生するY方向の屋根変形量のうち、最大の変形量を示し、“disp_z”は、一つの屋根の各節点で発生するZ方向の屋根変形量のうち、最大の変形量を示し、“reactx”は、一つの屋根とこの屋根を支持する複数の柱脚との接点それぞれで発生するX方向の反力のうち、最大の反力を示し、“reacty”は、一つの屋根とこの屋根を支持する複数の柱脚との接点それぞれで発生するY方向の反力のうち、最大の反力を示し、“reactz”は、一つの屋根とこの屋根を支持する複数の柱脚との接点それぞれで発生するZ方向の反力のうち、最大の反力を示し、“weight”は、屋根の重量を示す。
【0104】
ここで、ユーザは、“weight”の値を確認することにより、屋根の建築コストを把握することができる。例えば、”weight”の値が2000トンである場合、ユーザは、この値を確認することにより、例えば1トン当たり50万円の建築コストを要するとして、屋根の建築コストが10億円であることを把握することができる。
【0105】
また、ユーザは、
図4で示される相関係数を確認することで、例えば、次のようなことを容易に把握することができる。即ち、“W_N”(総軸歪エネルギー)と“weight”との相関係数が0.76であるので、総軸歪エネルギーの抑制に連れて重量を小さくできることである。
【0106】
なお、
図4の縦軸の各形状量又は設計解析結果はそれぞれ、第1の量の一例である。また、
図4の横軸の各形状量又は設計解析結果はそれぞれ、第2の量の一例である。
また、
図4で示した相関関係に対応する情報等を記憶部12に記憶させても良い。即ち、記憶部12は、表示部101に表示される画像に対応する情報を記憶しても良いことは、言うまでもない。
【0107】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0108】
1…設計支援装置、 10…ユーザインタフェース、 11…制御部、 12…記憶部、 101…表示部、 102…入力部、 103…テンションリング、 110…入力情報取得部、 111…表示制御部、 112…記録部、 91…プロセッサ、 92…メモリ、 100…設計支援システム、 2…情報処理装置、 9…ネットワーク