(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】根管治療設備
(51)【国際特許分類】
A61C 5/42 20170101AFI20240110BHJP
【FI】
A61C5/42
(21)【出願番号】P 2022535937
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(86)【国際出願番号】 CN2020141639
(87)【国際公開番号】W WO2022110495
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】202011358766.9
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202022805145.2
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519159499
【氏名又は名称】桂林市啄木鳥医療器械有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUILIN WOODPECKER MEDICAL INSTRUMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Information Industrial Park, Guilin National High-Tech Zone Guilin, Guangxi 541004, CN
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】呉勳賢
(72)【発明者】
【氏名】寺内吉継
(72)【発明者】
【氏名】韋鋒文
(72)【発明者】
【氏名】呉坤優
(72)【発明者】
【氏名】▲せん▼劍鋒
(72)【発明者】
【氏名】▲しょう▼星志
(72)【発明者】
【氏名】陳澤榮
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-165416(JP,A)
【文献】実開昭61-031414(JP,U)
【文献】特開2020-065914(JP,A)
【文献】特開2011-110246(JP,A)
【文献】特開2006-216439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 5/42
A61C 5/40
A61C 1/07
A61C 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントラアングルハンドピースと、前記コントラアングルハンドピースと取外し可能に接続する根管ファイルと、前記根管ファイルと伝動可能に接続する駆動ユニットとを備え、
前記駆動ユニットが、回転駆動手段と振動発生手段とを含み、
前記回転駆動手段が前記根管ファイルを軸回りに回動駆動するように構成され、前記振動発生手段が前記根管ファイルを径方向に
沿って振動駆動するように構成される
ことを特徴とする根管治療設備。
【請求項2】
前記コントラアングルハンドピースと接続するハンドルをさらに備え、前記回転駆動手段が、前記ハンドル内に設置されるとともに前記コントラアングルハンドピースを介して前記根管ファイルを回転駆動するように構成され、前記振動発生手段が、前記ハンドルに設置され、前記振動発生手段の振動端が前記根管ファイルに作用するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の根管治療設備。
【請求項3】
前記振動発生手段は超音波トランスデューサである
ことを特徴とする請求項2に記載の根管治療設備。
【請求項4】
前記超音波トランスデューサは、ハウジングと、前記ハウジング内に設置されるトランスデューサ本体とを備え、前記ハウジングと前記ハンドルとが一体成形され、または、前記ハウジングと前記ハンドルとがネジ締付接続部材または係合部材を介して取外し可能に接続するように構成される
ことを特徴とする請求項3に記載の根管治療設備。
【請求項5】
前記超音波トランスデューサと前記根管ファイルとの間に振動接続装置がさらに設置され、前記超音波トランスデューサが前記振動接続装置を介して前記根管ファイルと接続する
ことを特徴とする請求項3に記載の根管治療設備。
【請求項6】
前記振動接続装置の前記根管ファイルと接続する端に振動ヘッドが設置され、前記振動ヘッドは、前記根管ファイルと接続する端面が内へ凹んだ円弧面を呈するように構成される
ことを特徴とする請求項5に記載の根管治療設備。
【請求項7】
前記振動ヘッドの円弧面の直径が前記根管ファイルの直径以上である
ことを特徴とする請求項6に記載の根管治療設備。
【請求項8】
前記振動接続装置は、端部で環装により接続する第1接続ロッドおよび第2接続ロッドと、前記第1接続ロッドの環装端に環装される締付部材とを含み、前記締付部材が、前記第1接続ロッドと前記第2接続ロッドとの環装端を固定するように構成される
ことを特徴とする請求項5~7のいずれか1項に記載の根管治療設備。
【請求項9】
前記第1接続ロッドは、前記根管ファイルと接続する端に接続座が取外し可能に接続され、前記接続座と前記第1接続ロッドとの間に固定部材が挿設される
ことを特徴とする請求項8に記載の根管治療設備。
【請求項10】
前記超音波トランスデューサと前記根管ファイルとの間にニッケルチタン製接続ロッドがさらに設置され、前記超音波トランスデューサが、前記ニッケルチタン製接続ロッドを介して前記根管ファイルと接続する
ことを特徴とする請求項3に記載の根管治療設備。
【請求項11】
前記振動発生手段は振動機であり、前記振動機が、塑性ハウジングと、前記塑性ハウジング内に設置される振動モータとを備え、前記振動機が前記塑性ハウジングを介して前記コントラアングルハンドピースに固定され、
前記振動モータの振動出力端に弾性部材を介して当接ブロックが設置され、前記当接ブロックが、前記塑性ハウジングに開設された開口から前記塑性ハウジングの外まで延出するとともに、前記根管ファイルの側壁で前記根管ファイルと当接する
ことを特徴とする請求項2に記載の根管治療設備。
【請求項12】
前記当接ブロックにフック部構造が形成され、前記フック部構造が、前記塑性ハウジングの開口の内壁と係合して前記当接ブロックの、前記開口から延出する長さを制限するように構成される
ことを特徴とする請求項11に記載の根管治療設備。
【請求項13】
前記振動機は、前記ハンドル内に設置される電源をさらに備え、前記電源が、導線を介して前記振動モータと電気的に接続し、前記振動モータに給電するように構成される
ことを特徴とする請求項11に記載の根管治療設備。
【請求項14】
前記塑性ハウジングに制振用ゴムパッドが設置され、前記塑性ハウジングと前記コントラアングルハンドピースとが前記制振用ゴムパッドを介して係合固定する
ことを特徴とする請求項11に記載の根管治療設備。
【請求項15】
制御装置をさらに備え、前記制御装置が、前記回転駆動手段および前記振動発生手段のそれぞれと電気的に接続し、前記回転駆動手段および前記振動発生手段の作動をそれぞれ制御するように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の根管治療設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関係出願の相互参照
本開示は、2020年11月27日に中国専利局に提出された、出願番号が202011358766.9であり、名称が「根管治療設備」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【0002】
本開示は、2020年11月27日に中国専利局に提出された、出願番号が202022805145.2、名称が「根管治療設備」である中国出願に基づいて優先権を主張し、その内容のすべては本開示に参照として取り込まれる。
【0003】
本開示は、歯科治療機器の技術分野に属し、具体的に、根管治療設備に関する。
【背景技術】
【0004】
人の歯に歯髄腔と1~4本の根管があり、根管を介して歯の神経および神経に栄養を供給する血管が通っている。様々な原因で歯髄の感染を起こした場合、歯の機能障害が発生し、痛みや顎骨感染などを引き起こすことがある。根管治療は、歯内治療とも呼ばれ、近年、慢性歯髄炎、慢性根尖性歯周炎、歯内‐歯周病変および外傷歯などの歯科疾患に対して比較的によい治療、保護の効果を有する、患歯を保護する治療方法として発展してきた。
【0005】
根管治療は、主に根管のプレパレーション、根管消毒および根管充填などの治療段階を含む。根管のプレパレーション及び根管消毒は、歯根管に対して機械的切削、リーミングを行って所要の形態に成形させ、後の根管充填に比較的に良い空間条件を提供する処置であり、根管内の有機物質および根管の感染組織(細菌)を洗浄して除去し、根管の清掃が終わった後、根管内に薬物材料を根管壁に密着するように充填する。
【0006】
従来技術では、陽圧による根管洗浄の場合、根管の下部を十分に清掃することを保証することが困難であり、根管の下部の有機物質や感染組織の一部が完全に除去され難しく、そして、根管の洗浄時間が長く、患者が口を開く状態を長時間保つため、患者の苦しみ時間が長かった。そして、根管洗浄後、根管内に充填された薬物材料は、一般的に粉末と水とを混合させたペースト状材料であるため、薬物材料の調製過程において気泡の混入が避けられない。超音波洗浄器による振動洗浄の方式は、薬物材料における気泡の排出に効果が理想ではなく、薬物材料内に混じっている気泡で、薬物材料と根管壁との密着性に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施例は、根管治療の洗浄にかかる時間を短縮できるとともに、根管内の感染組織および薬液に対する清掃の効率および効果を向上させることができる根管治療設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施例による根管治療設備は、コントラアングルハンドピースと、コントラアングルハンドピースと取外し可能に接続する根管ファイルと、根管ファイルと伝動可能に接続する駆動ユニットとを備え、駆動ユニットが、回転駆動手段と振動発生手段とを含み、回転駆動手段が根管ファイルを軸回りに回動駆動するように構成され、振動発生手段が、根管ファイルを径方向において振動駆動するように構成される。
【0009】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、根管治療設備は、コントラアングルハンドピースと接続するハンドルをさらに備え、回転駆動手段が、ハンドル内に設置されるとともにコントラアングルハンドピースを介して根管ファイルを回転駆動するように構成され、振動発生手段が、ハンドルに設置され、振動発生手段の振動端が根管ファイルに作用するように構成される。
【0010】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動発生手段は超音波トランスデューサである。
【0011】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、超音波トランスデューサは、ハウジングと、ハウジング内に設置されるトランスデューサ本体とを備え、ハウジングとハンドルとが一体成形され、または、ハウジングとハンドルとがネジ締付接続部材または係合部材を介して取外し可能に接続するように構成される。
【0012】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、超音波トランスデューサと根管ファイルとの間に振動接続装置がさらに設置され、超音波トランスデューサが振動接続装置を介して根管ファイルと接続する。
【0013】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動接続装置の根管ファイルと接続する端に振動ヘッドが設置され、振動ヘッドは、根管ファイルと接続する端面が内へ凹んだ円弧面を呈するように構成される。
【0014】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動ヘッドの円弧面の直径が根管ファイルの直径以上である。
【0015】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動接続装置は、端部で環装により接続する第1接続ロッドおよび第2接続ロッドと、第1接続ロッドの環装端に環装される締付部材とを含み、締付部材が、第1接続ロッドと第2接続ロッドとの環装端を固定するように構成される。
【0016】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、第1接続ロッドは、根管ファイルと接続する端に接続座が取外し可能に接続され、接続座と第1接続ロッドとの間に固定部材が挿設される。
【0017】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、超音波トランスデューサと根管ファイルとの間にニッケルチタン製接続ロッドがさらに設置され、超音波トランスデューサが、ニッケルチタン製接続ロッドを介して根管ファイルと接続する。
【0018】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動発生手段は振動機であり、振動機が、塑性ハウジングと、塑性ハウジング内に設置される振動モータとを備え、振動機が塑性ハウジングを介してコントラアングルハンドピースに固定され、
振動モータの振動出力端に弾性部材を介して当接ブロックが設置され、当接ブロックが、塑性ハウジングに開設された開口から塑性ハウジングの外まで延出するとともに、根管ファイルの側壁で根管ファイルと当接する。
【0019】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、当接ブロックにフック部構造が形成され、フック部構造が、塑性ハウジングの開口の内壁と係合して当接ブロックの、開口から延出する長さを制限するように構成される。
【0020】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動機は、ハンドル内に設置される電源をさらに備え、電源が、導線を介して振動モータと電気的に接続し、振動モータに給電するように構成される。
【0021】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、塑性ハウジングに制振用ゴムパッドが設置され、塑性ハウジングとコントラアングルハンドピースとが制振用ゴムパッドを介して係合固定する。
【0022】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、根管治療設備は、制御装置をさらに備え、制御装置が、回転駆動手段および振動発生手段のそれぞれと電気的に接続し、回転駆動手段および振動発生手段の作動をそれぞれ制御するように構成される。
【0023】
本開示の実施例による根管治療設備は、コントラアングルハンドピースと、コントラアングルハンドピースと取外し可能に接続する根管ファイルと、根管ファイルと伝動可能に接続する駆動ユニットとを備える。駆動ユニットは、回転駆動手段と振動発生手段とを含む。回転駆動手段は、根管ファイルを軸回りに回動駆動するように構成され、これによって、根管に対して機械的切削、リーミングを行って成形する。振動発生手段は、根管ファイルを径方向において振動駆動するように構成され、根管ファイルを特定の周波数で振動させることにより、根管内に充填される薬物材料を十分に活性化することができ、特に根管内に薬物材料を充填する過程において、振動発生手段による振動と根管ファイルの回転とが協働して同時に動作することにより、根管内に充填される薬物材料に混じっている気泡を効率的に排出することができ、薬物材料を根管内に緊密に充填することができ、後の根管治療に比較的によい環境を提供し、根管治療の効果を向上させて、患者の苦痛を軽減することができる。
【0024】
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するため、以下、本開示の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。説明する図面は、本開示のいくつかの実施例を示すものにすぎず、範囲を限定するものではない。当業者は、発明能力を用いなくても、これらの図面をもとに他の関連図面を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備の模式的構成図の一である。
【
図2】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備の模式的構成図の二である。
【
図3】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動発生手段が超音波トランスデューサである場合の模式的構成図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備において超音波トランスデューサと根管ファイルとが振動接続装置を介して接続することを示す模式的構成図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動接続装置の模式的構成図の一である。
【
図6】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動接続装置の模式的構成図の二である。
【
図7】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動接続装置の模式的構成図の三である。
【
図8】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動発生手段が振動機である場合の模式的構成図である。
【
図11】本開示のいくつかの実施例による根管治療設備の制御関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の実施例に用いられる図面を参照しながら、本開示の実施例における技術案を明瞭かつ完全に説明する。
【0027】
本開示の説明において、「内」、「外」などの用語で表された方向または位置関係は、図面に基づくものであり、あるいは該出願に係る製品の通常の配置方向または位置関係であり、本開示を簡単および簡略に説明するためのものにすぎず、該当装置または要素が、必ずしも特定の方向を有したり、特定の方向に構成、操作されたり、することを明示または暗示するものではないため、本開示を限定するものではないと理解すべきである。また、「第1」、「第2」などの用語は、区別して説明するためのものにすぎず、相対重要性を明示または暗示するものではない。
【0028】
なお、特に断りがない限り、用語の「設置」、「接続」を広義に理解すべきである。例えば、固定接続でもよいし、取外し可能な接続でもよいし、一体的な接続でもよい。また、直接接続してもよいし、中間物を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子の内部が連通してもよい。当業者は、本開示における上記用語の具体的な意味を、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0029】
歯根管治療手術を実行する過程において、まず歯根管に対して予備形成および振動洗浄による清掃を行う必要がある。予備形成は、正確な成形の効果を保証し後処理の作業スペースを確保するための操作であり、根管予備形成が、主に根管ファイルを根管内で高速回動させて根管の内壁を切削、研磨することにより実現される。振動洗浄による清掃は、根管内の病変組織や細菌などの物質を清掃するための操作であり、一般的に加圧の方式で根管を継続的に洗浄し、この方式であれば、根管の下部を効果的に洗浄することが困難である。そして、従来の根管振動洗浄設備のファイルはステンレス製のものまたはチタン合金製のものが一般的であり、これらの材質のファイルが、比較的硬質のものであるため、振動洗浄による清掃のとき、根管のストレートな部分または湾曲な根管の中部およびより下の位置のみに対して効果的に行うことができ、湾曲が複雑な根管の根尖部位に対して清掃効果が理想ではない。陽圧と陰圧とが協働する方式で洗浄すれば、構造の複雑性および設備のコストが上がる。作業設備を交換し、設備におけるファイルを超音波周波数で根管内で振動させる方式を採用してもよく、音響流効果およびキャビテーション効果により、充填の薬物材料内の気泡を効果的に排出する。この方式であれば、作業設備を何度も交換する必要があり、根管治療において上記のことが、病状に応じて交換して使用することが多く、治療用の作業設備を頻繁に交換することが、操作に不便であり、手術効率が低い。
【0030】
この事情に鑑みて、本開示の実施例は、根管治療設備を提供する。
図1は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備の模式的構成図の一である。
図1に示すように、本開示の実施例による根管治療設備は、コントラアングルハンドピース10と、コントラアングルハンドピース10と取外し可能に接続する根管ファイル20と、根管ファイル20と伝動可能に接続する駆動ユニット30とを備える。駆動ユニット30は、回転駆動手段31(
図1において示されていない)と振動発生手段32とを含み、回転駆動手段31が根管ファイル20の軸回りの回転を駆動するように構成され、振動発生手段32が根管ファイル20の径方向の振動を駆動するように構成される。
【0031】
図1に示すように、本開示の実施例による根管治療設備において、コントラアングルハンドピース10は、ハンドル部材に設置されるとともに必要な配線接続がされ、操作されて駆動ユニット30における回転駆動手段31および振動発生手段32の動作を制御することにより、根管ファイル20を相応の作動モードにし、根管に対して相応の操作を行う。回転駆動手段31は、根管ファイル20を回転駆動するように構成される。根管ファイル20は、ヘッド部が根管の内部に挿入する尖った端であり、根管ファイル20が一定の速度で自転するとき、根管ファイル20の側壁が接触する根管の内壁を、根管ファイル20の研磨により所要の形状に形成させることができる。そして、根管内に次亜塩素酸ナトリウムなどの溶液を注入して根管振動洗浄を行う過程、および振動洗浄の後、根管内にペースト状の充填材を充填する過程においても、回転駆動手段31の回転作用で根管ファイル20を回動駆動することにより、十分の振動洗浄および充填を実現する。一般的に、ペースト状充填材は、例えばバイオセラミックスまたはミネラルトリオキサイドアグリゲートの薬剤粉末と水とを混合して調製されたものであり、ペースト状充填材の調製過程において空気が混入し気泡になることが避けられないため、ペースト状充填材を根管内に充填するとき、根管内に薬物材料をできるだけ緊密に充填できるように、これらの気泡をできるだけ除去する必要である。この事情を考慮して、根管ファイル20を回動させる同時に、振動発生手段32を、根管ファイル20を根管ファイル20の径方向において所定周波数で振動駆動するように制御し、このように、根管ファイル20の回動と振動との協働により、充填された薬物の活性化に寄与できるとともに、気泡を迅速かつ効率的に排出することができる。または、根管振動洗浄または根管充填の過程において、単独に振動発生手段32を、根管ファイル20を振動駆動するように制御することも可能であり、これによって、根管ファイル20の作動モードを多様化にし、根管治療手術における作業設備の交換による操作上の不便を改善し、根管治療の各ステップの要求に応えることができ、根管治療の効率および効果を効果的に向上させることができる。
【0032】
なお、第1に、回転駆動手段31は、一般的にコントラアングルハンドピース10内に設置されるため、
図1では回転駆動手段31の位置および構造が示されていない。例示的に、回転駆動手段31として、回転モータを用いることができ、回転モータの出力端がコントラアングルハンドピース10のヘッド部の回動軸に作用し、回動軸により根管ファイル20を回動駆動するようにし、回動が一方向の回動であってもよく、往復な回動であってもよく、回転速度を50~3000rpm内で必要に応じて設定することができる。上記につき、当業者は、必要に応じて相応に設置、操作することができ、本実施例では具体的に限定しない。
【0033】
第2に、本開示の実施例では振動発生手段32の具体的な構造の実現形式に対して具体的に限定しない。振動発生手段32は、駆動ユニット30の一部として、根管ファイル20に作用して根管ファイル20を径方向において振動駆動するように構成される。そして、人の口腔内の歯根管に対する手術操作に使用するものであるため、振動発生手段32は、一般的に出力する振動の周波数が比較的に大きく、振幅が比較的に小さいように設計され、主に根管治療の過程において根管内の清掃および薬液の活性化を補助できることを目的とする。本開示の実施例において、振動の振幅および周波数の具体的な範囲に対して限定しなく、上記の目的を実現できれば、当業者により実際の作業ニーズに応じて相応に設置、操作すればよい。
【0034】
根管ファイル20は、歯根管内に挿入されて、回転による切削、研磨または回転に振動を加えた切削、研磨を行うように構成される。例示的に、根管ファイル20は、ニッケルチタン合金材質で作製され、ニッケルチタン合金材質が比較的に軟質で柔軟性が優れるため、根管ファイル20として加工されれば、根管ファイル20が形状の不規則な根管内に挿入されるとき、ニッケルチタン合金製の根管ファイル20が、ある程度で変形して根管の実際の形状に適応することができ、したがって、根管ファイル20が根管の奥まで挿入でき、根管形成および洗浄の効果をよりよく実現することができる。
【0035】
そして、
図1に示した振動発生手段32がコントラアングルハンドピース10の外壁に設置される構成は、例示的なものにすぎず、本開示の実施例においてこれに対して具体的に限定しなく、例えば、コントラアングルハンドピース10内に設置してもよく、またはハンドル部材などの構造に設置してもよい。
【0036】
根管ファイル20とコントラアングルハンドピース10とが取外し可能に接続し、根管ファイル20とコントラアングルハンドピース10との取外し可能な接続の方式は、磁気吸着、係合設置および/またはネジ締付接続部材による接続などを含む。コントラアングルハンドピース10の端部に異なる作業ヘッドを取り付けることにより様々な歯科手術の関係操作を相応に実行することができるため、取外し可能な接続の方式が、本開示の実施例による根管治療設備の使用中の作業ヘッドの交換に寄与できる。
【0037】
本開示の実施例による根管治療設備は、コントラアングルハンドピース10と、コントラアングルハンドピース10と取外し可能に接続する根管ファイル20と、根管ファイル20と伝動可能に接続する駆動ユニット30とを備える。駆動ユニット30は、回転駆動手段31と振動発生手段32とを含む。回転駆動手段31は、根管ファイル20を軸回りに回動駆動するように構成され、これによって、根管に対して機械的切削、リーミングを行って成形する。振動発生手段32は、根管ファイル20を径方向において振動駆動するように構成され、根管ファイル20を特定の周波数で振動させることにより、根管内に薬液をより緊密に充填することができ、特に根管に対して振動洗浄を行って薬液を排出する過程において、根管ファイル20の回転と振動とが協働して同時に動作することにより、根管内に充填される薬剤に混じっている気泡を効率的に排出することができ、薬液を根管内に緊密に充填することができ、後の根管治療に比較的によい環境を提供し、根管治療の効果を向上させて、患者の苦痛を軽減することができる。
【0038】
図2は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備の模式的構成図の二である。
図2に示すように、任意選択で、根管治療設備は、コントラアングルハンドピース10と接続するハンドル40をさらに備え、回転駆動手段31が、ハンドル40内に設置されるとともにコントラアングルハンドピース10を介して根管ファイル20を回転駆動するように構成され、振動発生手段32が、ハンドル40に設置され、振動発生手段32の振動端が根管ファイル20に作用するように構成される。
【0039】
根管治療設備は、一般的にコントラアングルハンドピース10と接続するハンドル40を備え、ハンドル40が手持ち操作しやすい外形構造を有し、根管治療設備に必要な配線および機能素子がハンドル40内に設置され、ハンドル40に相応の制御ボタンが設置されている。手術の際、ハンドル40における相応の制御ボタンを操作することにより、根管治療設備が相応の作業を実行し、したがって、本開示の実施例の根管治療設備の操作ができるだけ簡単化にされ、操作がより容易になる。
【0040】
ハンドル40が設置された根管治療設備において、駆動ユニット30における回転駆動手段31および振動発生手段32がいずれもハンドル40に設置される。回転駆動手段31は、ハンドル40の中空構造の内部に設置され、回転駆動手段31の出力端からコントラアングルハンドピース10内の回動軸に伝動して、根管ファイル20を回動駆動する。振動発生手段32は、ハンドル40に設置され、振動発生手段32の振動端が根管ファイル20に直接作用するように構成され、これによって、振動の駆動を正確に実現する。
【0041】
例示的に、
図2に示すように、本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動発生手段32は超音波トランスデューサである。
【0042】
超音波トランスデューサは、電磁エネルギーを機械エネルギー(音響エネルギー)に変換する装置であり、一般的に圧電セラミックスまたは他の磁歪材料で作製され、超音波トランスデューサから出力する超音波振動が、20~60KHZの周波数で15~120マイクロメートルの振幅で振動を継続的に出力することができる。本実施例において、振動発生手段32は超音波トランスデューサであり、超音波トランスデューサにより根管ファイル20の振動のための機械エネルギーを提供する。超音波トランスデューサは、作動が安定で、寸法も本開示の実施例の根管治療設備に適しており、振動発生手段32として好ましい実現形態の一つである。
【0043】
具体的に、
図3は、本開示の実施例による根管治療設備における振動発生手段が超音波トランスデューサである場合の模式的構成図である。本開示の実施例の一実施可能な形態において、
図3に示すように、超音波トランスデューサは、ハウジング321と、ハウジング321内に設置されるトランスデューサ本体322とを備え、ハウジング321とハンドル40とが一体成形される。
【0044】
超音波トランスデューサのハウジング321とハンドル40とが一体成形され、例えば、ハウジング321およびハンドル40がいずれも塑性材料を採用し、射出成形により一体に成形され、または、ハウジング321およびハンドル40が金属材料を採用し、両方が溶接などの方式で一体に接続される。一体成形の接続方式であれば、ハンドル40と超音波トランスデューサのハウジング321との間の構造安定性がよりよく、超音波トランスデューサが起動して振動を発生するとき、一体成形の構造の場合、裂け目や断裂が発生し難く、振動の伝達損失も比較的に小さい。
【0045】
例えば、ハウジング321とハンドル40とは、ネジ締付接続部材または係合部材を介して取外し可能に接続してもよい。すなわち、ハウジング321とハンドル40とは、互いに別体のハウジング構造であり、取外し可能に接続され、取外し可能な接続の方式として、要求に応じてネジ締付接続部材を利用して固定の比較的安定なネジ接続にしてもよく、または、締まりばめや、係合構造による接続などの方式を利用して交換のより利便な係合にしてもよく、または、他の取外し可能な接続の方式を用いてもよい。ハウジング321とハンドル40とは、取外し可能な方式で接続すれば、振動発生手段32の取外しおよび調整に寄与でき、使用に利便である。
【0046】
図4は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備において超音波トランスデューサと根管ファイルとが振動接続装置を介して接続することを示す模式的構成図である。
図4に示すように、本開示の実施例の一実施可能な形態において、超音波トランスデューサと根管ファイル20との間に振動接続装置50がさらに設置され、超音波トランスデューサが振動接続装置50を介して根管ファイル20と接続する。
【0047】
超音波トランスデューサが、ハンドル40に設置され、根管ファイル20とが一定の距離で離れており、超音波トランスデューサの振動の伝達効率を向上させ、振動の伝達過程において振動のパラメータ要求を保証するため、超音波トランスデューサと根管ファイル20との間に振動接続装置50が設置され、振動接続装置50が、超音波トランスデューサから出力する振動を根管ファイル20に伝達するとともに根管ファイル20に直接作用させるように構成される。一般的に、超音波トランスデューサの振動を根管ファイル20に有効に伝達するため、振動接続装置50が硬質材料で作製され、また、振動が根管ファイル20に直接作用することを考慮し、振動が根管ファイル20に作用することによる根管ファイル20の損傷をできるだけ避けるため、振動接続装置50の根管ファイル20に作用する端に相応の保護構造を設置してもよい。本開示の実施例ではどのような保護構造を採用することに対して具体的に限定しなく、例示的に、構造の面で、根管ファイル20との作用表面をできるだけ大きく設けてもよく、根管ファイル20の構造と着接する作用表面を設けてもよく、材料の面で、例えば、作用面をある程度の緩衝能力を有する材料で設けてもよい。そして、コントラアングルハンドピース10が一般的にある程度の湾曲角度を有し、振動接続装置50を介してハンドル40に設置される超音波トランスデューサの振動を根管ファイル20に伝達して根管ファイル20を径方向において振動させる場合、振動力の正確な伝達をできるだけ保証するように、さらに振動接続装置50をコントラアングルハンドピース10と合わせる湾曲形態にしてもよい。
【0048】
図5は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動接続装置の模式的構成図の一である。
図5に示すように、本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動接続装置50の根管ファイル20と接続する端に振動ヘッド501が設置され、振動ヘッド501は、根管ファイル20と接続する端面が内へ凹んだ円弧面を呈するように構成される。
【0049】
根管ファイル20は、一般的に円柱状であり、その作動端の側面がやすり掛けに寄与できる粗化面であり、その端部が針先のように尖った構造であり、相応に、根管ファイル20の側面に直接作用して振動を伝達するための振動接続装置50の振動ヘッド501は、根管ファイル20と接続する端面が内へ凹んだ円弧面を呈し、このようにして、振動を伝達するとき、両者の接触面がよく合わせることができるとともに接触面積が比較的に大きく、伝達される振動が小さい領域に作用することが避けられ、これによって、根管ファイル20の振動摩耗を低減し、根管ファイル20の使用寿命を延ばすことができる。
【0050】
具体的に、振動ヘッド501の円弧面の直径が根管ファイル20の直径以上である。このようにして、振動ヘッド501により振動力を伝達するとき、その円弧面が根管ファイル20を部分的に被覆しまたは半被覆し、振動力をより効果的かつ正確に伝達することができる。
【0051】
図6は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動接続装置の模式的構成図の二である。本開示の実施例の一実施可能な形態において、
図6に示すように、振動接続装置50は、端部で環装により接続する第1接続ロッド51および第2接続ロッド52と、第1接続ロッド51の環装端に環装される締付部材53とを含み、締付部材53が、第1接続ロッド51と第2接続ロッド52との環装端を固定するように構成される。
【0052】
型番の異なる根管治療設備に対する振動接続装置50の汎用性を向上させるとともに、根管治療設備を利用して手術操作を行うときの寸法調整のニーズを満たすため、振動接続装置50は、2つのセグメントを有する調整可能な構造として構成することができる。第1接続ロッド51と第2接続ロッド52とは端部で環装により接続し、
図6に示すように、第1接続ロッド51と第2接続ロッド52とが互いに螺合するネジにより内外にして環装し、これによって、第1接続ロッド51と第2接続ロッド52との合計長さを変えることにより振動接続装置50の伸縮長さを調整することができ、適切な長さに調整したあと、締付部材53を第1接続ロッド51と第2接続ロッド52との環装端に環装することにより固定し、このようにして、長さを調整できるとともに、固定を容易にすることができる。振動ヘッド501は、振動接続装置50の、根管ファイル20に近接する第1接続ロッド51の端部に設置される。例示的に、本開示の実施例による根管治療設備を他の治療に利用する場合、振動接続装置50の全体を取外す必要がなく、締付部材53を緩めたあと第1接続ロッド51を外せばよい。
【0053】
図7は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動接続装置の模式的構成図の三である。本開示の実施例の一実施可能な形態において、
図7に示すように、第1接続ロッド51は、根管ファイル20と接続する端に接続座54が取外し可能に接続され、接続座54と第1接続ロッド51との間に固定部材55が挿設される。
【0054】
第1接続ロッド51にさらに接続座54が取外し可能に接続され、第1接続ロッド51と接続座54とが固定部材55により固定され、第1接続ロッド51と接続座54とが環装により接続されて距離の調整が可能である。
図7に示すように、第1接続ロッド51の端部を貫通溝の構造に構成することができ、相応に、接続座54が貫通溝内に挿入する部分を含み、接続座54の貫通溝内に挿入する部分の長さを調整することにより、第1接続ロッド51と接続座54との合計長さを調整することができ、これによって、振動接続装置50の合計長さを調整することができる。
図7に示すように、振動接続装置50は、一般的に、コントラアングルハンドピース10と合わせて形成される折曲構造であるため、振動接続装置50の両側のそれぞれに長さが調整できるセグメント構造が設置されることにより、振動接続装置50の合計長さを調整できるとともに、振動の伝達方向をある程度で調整することができ、より多くの臨床要求に対応できる構造として提供される。同様に、本実施例による根管治療設備を他の治療に利用する場合、振動接続装置50の全体を取外す必要がなく、締付部材53を緩めたあと第1接続ロッド51を外せばよい。
【0055】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、超音波トランスデューサと根管ファイル20との間にニッケルチタン製接続ロッドがさらに設置され、超音波トランスデューサが、ニッケルチタン製接続ロッドを介して根管ファイル20と接続する。
【0056】
ニッケルチタン材料の材質が比較的に軟質で柔軟性が優れるため、ニッケルチタン材料を用いて特定の熱処理プロセスで作製できたニッケルチタン製接続ロッドは、ある程度の塑性変形能力をもち、超音波トランスデューサと根管ファイル20との間に設置されれば、根管ファイル20と当接した状態下で超音波トランスデューサによる振動力を有効に伝達することができるとともに、臨床要求に応じて手動で曲げることによりニッケルチタン製接続ロッドの角度、接続位置および根管ファイル20との当接の度合いを調整することができる。本開示の実施例においてニッケルチタン製接続ロッドを図示していなく、その形状構造について
図4における一体に設置される振動接続装置50を参照でき、ただし材料が上記のニッケルチタン材料を採用すれば上記の機能を実現することができる。
【0057】
図8は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備における振動発生手段が振動機である場合の模式的構成図である。
図9は、
図8の部分拡大図である。本開示の実施例の一実施可能な形態において、
図8および
図9に示すように、振動発生手段32は振動機であり、振動機が、塑性ハウジング323と、塑性ハウジング323内に設置される振動モータ324とを含み、振動機が塑性ハウジング323を介してコントラアングルハンドピース10に固定される。振動モータ324の振動出力端に弾性部材325を介して当接ブロック326が設置され、当接ブロック326が、塑性ハウジング323に開設された開口から塑性ハウジング323の外まで延出するとともに、根管ファイル20の側壁で根管ファイル20と当接する。
【0058】
図9に示すように、振動発生手段32は、振動機であり、振動モータ324により振動の動力を提供し、振動モータ324が塑性ハウジング323内に設置され、塑性ハウジング323がある程度の変形能力をもち、塑性ハウジング323がコントラアングルハンドピース10に固定され、例示的に、振動モータ324と塑性ハウジング323とが接着剤により接着してもよく、または締まりばめの係合方式で固定してもよい。振動モータ324の振動出力端から伝達される振動力が塑性ハウジング323を介して当接ブロック326に伝達され、当接ブロック326が塑性ハウジング323に開設される開口から塑性ハウジング323の外に延出するとともに、根管ファイル20の側壁と当接する。弾性部材325は、
図9に示されるばねであってもよく、弾性を有する他の接続部材であってもよい。弾性部材325の設置によれば、根管ファイル20に伝達される振動力をある程度で緩衝することができ、振動力を伝達する際に根管ファイル20を効果的に保護することができる。
【0059】
図10は、
図9における領域Aの部分拡大図である。
図10に示すように、振動モータ324の振動力が過大である場合に当接ブロック326が塑性ハウジング323から弾かれることを防止するため、当接ブロック326にフック部構造3261が形成され、フック部構造3261が、塑性ハウジング323の開口の内壁と係合して当接ブロック326の、開口から延出する長さを制限するように構成される。このようにして、当接ブロック326が塑性ハウジング323から延出する長さの限界位置で、フック部構造3261により塑性ハウジング323の開口の内壁と係合して位置制限を行い、当接ブロック326が塑性ハウジング323から脱出しないことを保証し、作動の安全性を保証する。
【0060】
図9に示すように、本開示の実施例の一実施可能な形態において、塑性ハウジング323に制振用ゴムパッド327が設置され、塑性ハウジング323とコントラアングルハンドピース10とが制振用ゴムパッド327を介して係合固定する。
【0061】
図9に示すように、振動モータ324の振動力が塑性ハウジング323と接続するコントラアングルハンドピース10に直接伝達した場合、一方、振動力の損失を招き、もう一方、操作時に本開示の実施例による根管治療設備を握持する手が悪影響の振動感を受けており、上記のことを防止するため、塑性ハウジング323に、塑性ハウジング323に作用する振動力のコントラアングルハンドピース10への伝達を遮断するための制振用ゴムパッド327がさらに設置される。塑性ハウジング323における制振用ゴムパッド327の寸法および厚さに対して本開示の実施例において具体的に限定しなく、当業者は、必要に応じて設置することができる。
【0062】
本開示の実施例の一実施可能な形態において、振動機は、ハンドル40内に設置される電源をさらに備え、電源が、導線を介して振動モータ324と電気的に接続し、振動モータ324に給電するように構成される。
【0063】
電源は、ハンドル40内に設置され、導線を介して振動モータ324に給電し、これによって、本開示の実施例による根管治療設備の使用時の持ち及び移動がより利便である。回転駆動手段31がモータである場合、電源がモータに給電することができ、これによって、複数の電源を接続することで本開示の実施例による根管治療設備が大型化し、内部の部品設置が複雑化し、構造が十分にコンパクトではないことを防止することができる。
【0064】
なお、本開示の実施例において電源の形式に対して具体的に限定しなく、例えば、インターフェースを介して接続した商用電源による交流電気であってもよく、直流電気であってもよく、蓄電池などの電気蓄え、電気供給ができる部品であってもよい。
【0065】
図11は、本開示のいくつかの実施例による根管治療設備の制御関係を示す模式図である。本開示の実施例の一実施可能な形態において、
図11に示すように、本開示の実施例による根管治療設備は、制御装置60をさらに備え、制御装置60が、回転駆動手段31および振動発生手段32のそれぞれと電気的に接続し、回転駆動手段31および振動発生手段32の作動をそれぞれ制御するように構成される。
【0066】
このように、本開示の実施例による根管治療設備は、制御装置60をさらに備え、制御装置60が、回転駆動手段31および振動発生手段32のそれぞれと電気的に接続した場合、制御装置60が、回転駆動手段31および振動発生手段32の作動をそれぞれ制御することができる。ハンドル40に、制御装置60における異なる制御信号のそれぞれと対応するボタンを設置することができ、例示的に、ハンドル40に回転起動ボタン、振動起動ボタンおよび回転振動ボタンを設置する。本開示の実施例による根管治療設備を利用して根管治療手術を実行するとき、操作者は、異なる治療段階でハンドル40に設置される相応のボタンを押すことにより、根管治療設備における回転駆動手段31だけを作動させて、根管ファイル20が回転するだけで根管洗浄、根管形成の作業を実行させ、または、根管治療設備における振動発生手段32だけを作動させて、根管ファイル20が振動するだけで根管内に充填される薬液の十分な活性化を実行させ、または、根管治療設備における回転駆動手段31および振動発生手段32を同時に作動させて、根管ファイル20が回転させながら振動することで根管内に充填される薬液に生じた気泡を十分清掃、排出する。
【0067】
さらに、本開示の実施例による根管治療設備は、根管長測定センサをさらに備え、該根管長測定センサが、治療する根管の長さを測定するように構成され、根管ファイル20が回転運動してアピカルストップに到着したとき、根管長測定センサが相応の信号を検出して制御装置60に伝送し、制御装置60が、根管長測定センサからの検出信号に基づいて回転駆動手段31に相応の反転信号、停止信号または減速信号を送信する。
【0068】
また、本開示の実施例による根管治療設備において、従来技術における根管治療設備に必要な他の構造を集積して相応の機能を実現するようにしてもよい。
【0069】
上記記載は、本開示の実施例にすぎず、本開示の保護範囲を限定するものではない。当業者にとって、本開示に各種の変更や変化を有してもよい。本開示の精神および原理から逸脱しない限り、行った如何なる変更、均等置換および/または改良なども、本開示の保護範囲内に属する。
【符号の説明】
【0070】
10…コントラアングルハンドピース
20…根管ファイル
30…駆動ユニット
31…回転駆動手段
32…振動発生手段
321…ハウジング
322…トランスデューサ本体
323…塑性ハウジング
324…振動モータ
325…弾性部材
326…当接ブロック
3261…フック部構造
327…制振用ゴムパッド
40…ハンドル
50…振動接続装置
501…振動ヘッド
51…第1接続ロッド
52…第2接続ロッド
53…締付部材
54…接続座
55…固定部材
60…制御装置