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特許7416953ラインアセンブリの延長部を使用して、直流電流接続を切断するときのアーク放電を回避する技術
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】ラインアセンブリの延長部を使用して、直流電流接続を切断するときのアーク放電を回避する技術
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/64 20060101AFI20240110BHJP
   H01R 13/66 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/66
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2022537701
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(86)【国際出願番号】 EP2020086514
(87)【国際公開番号】W WO2021122812
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】102019135122.7
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Flachsmarktstrasse 8, D-32825 Blomberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】マルク、クリムペル
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0123278(US,A1)
【文献】特表2014-522088(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0154904(US,A1)
【文献】特開2013-168347(JP,A)
【文献】特開2015-115096(JP,A)
【文献】特開2012-064419(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0127261(US,A1)
【文献】国際公開第2016/021358(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/72
H01R 12/00-12/91
H01R 24/00-24/86
H01H 9/54- 9/56
H01R 33/28-33/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインアセンブリの延長部(300)を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧するプラグインコンタクト装置(100)であって、
前記プラグインコンタクト装置(100)は、
それぞれ1つのメインコンタクトHA(112)と1つの補助コンタクトHI(114)とを備える、ラインアセンブリの延長部(300)の終端部に設けられている少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)と、電子的なスイッチングユニット(120)とを含んでおり、
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)の各プラグインコネクタ(110)の前記HA(112)は第1のコンタクト半部HA1(112-1)と第2のコンタクト半部HA2(112-2)とを含んでおり、前記第1のコンタクト半部HA1(112-1)と前記第2のコンタクト半部HA2(112-2)とは、解離可能に差し合わせ可能であり、
前記HA(112)は、
・各前記プラグインコネクタ(110)の差し合わされている状態(T)において、前記HA1(112-1)と前記HA2(112-2)とを導電接続し、
・各前記プラグインコネクタ(110)の解離されている状態(T)において、前記HA1(112-1)と前記HA2(112-2)とをガルバニックに分離し、
・前記差し合わされている状態(T)と前記解離されている状態との間の各前記プラグインコネクタ(110)の第1の中間状態(T)において、前記HA1(112-1)と前記HA2(112-2)とを導電接続し、かつ
・前記第1の中間状態(T)と前記解離されている状態との間の各前記プラグインコネクタ(110)の第2の中間状態(T)において、前記HA1(112-1)と前記HA2(112-2)とをガルバニックに分離する、ように構成されており、
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)の各プラグインコネクタ(110)の前記補助コンタクトHI(114)は、第1のコンタクト半部HI1(114-1)と第2のコンタクト半部HI2(114-2)とを含んでおり、前記第1のコンタクト半部HI1(114-1)と前記第2のコンタクト半部HI2(114-2)とは、解離可能に差し合わせ可能であり、
前記HI(114)は、
・各前記プラグインコネクタの前記差し合わされている状態(T)において、前記HI1(114-1)と前記HI2(114-2)とをガルバニックに分離し、
・各前記プラグインコネクタの前記解離されている状態(T)において、前記HI1(114-1)と前記HI2(114-2)とをガルバニックに分離し、
・各前記プラグインコネクタの前記第1の中間状態(T)において、前記HI1(114-1)と前記HI2(114-2)とを導電接続し、かつ
・各前記プラグインコネクタの前記第2の中間状態(T)において、前記HI1(114-1)と前記HI2(114-2)とを導電接続する、ように構成されており、
ここで、
・各前記プラグインコネクタ(110)の前記HA2(112-2)と前記HI2(114-2)とは導電接続されており、かつ
・第1のプラグインコネクタ(110)の前記HA2(112-2)は、第2のプラグインコネクタ(110)の前記HA1(112-1)と導電接続されており、
前記電子的なスイッチングユニット(120)の第1の端子(122)は、前記第1のプラグインコネクタ(110)の前記HA1(112-1)と導電接続されており、前記電子的なスイッチングユニット(120)の第2の端子(124)は、前記第1のプラグインコネクタ(110)の前記HI1(114-1)および前記第2のプラグインコネクタ(110)の前記HI1(114-1)と導電接続されており、
前記電子的なスイッチングユニット(120)は、複数の前記プラグインコネクタ(110)のうちの少なくとも1つのプラグインコネクタ(110)の前記差し合わされている状態(T)から前記第1の中間状態(T)への移行に応じて、前記第1の端子(122)と前記第2の端子(124)とを導電接続する、または前記第1の端子(122)と前記第2の端子(124)との間のインピーダンスを低減させるように構成されており、かつ複数の前記プラグインコネクタ(110)のうちの少なくとも1つのプラグインコネクタ(110)の前記第1の中間状態(T)から前記第2の中間状態(T)への移行および/または複数の前記プラグインコネクタ(110)のうちの少なくとも1つのプラグインコネクタ(110)の前記第2の中間状態(T)から前記解離されている状態への移行に応じて、前記第1の端子(122)と前記第2の端子(124)とを電気的に分離する、または前記第1の端子(122)と前記第2の端子(124)との間のインピーダンスを増大させるように構成されている、プラグインコンタクト装置(100)。
【請求項2】
ラインアセンブリの延長部(400)を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧するプラグインコンタクト装置(200)であって、
前記プラグインコンタクト装置(200)は、
それぞれ1つのメインコンタクトHA(212)を備える、ラインアセンブリの延長部(400)の終端部に設けられている少なくとも2つのプラグインコネクタ(210)と、電子的なスイッチングユニット(220)とを含んでおり、
前記HA(212)はそれぞれ第1のコンタクト半部HA1(212-1)と第2のコンタクト半部HA2(212-2)とを含んでおり、前記第1のコンタクト半部HA1(212-1)と前記第2のコンタクト半部HA2(212-2)とは、解離可能に差し合わせ可能であり、前記HA1(212-1)は負荷コンタクト区間LA1(219)と分離区間TA1(217)と補助コンタクト区間HI1(214)とを含んでおり、
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(210)の各プラグインコネクタ(210)の前記HA(212)は、
・各前記プラグインコネクタ(210)の差し合わされている状態(T)において、前記LA1(219)と前記HA2(212-2)とを導電接続し、かつ前記HI1(214)を前記HA2(212-2)からガルバニックに分離し、
・各前記プラグインコネクタ(210)の解離されている状態(T)において、前記LA1(219)と前記HI1(214)とを前記HA2(212-2)からガルバニックに分離し、
・前記差し合わされている状態(T)と前記解離されている状態(T)との間の各前記プラグインコネクタ(210)の第1の中間状態(T’)において、前記LA1(219)と前記HA2(212-2)とをガルバニックに分離し、かつ少なくとも前記TA1(217)を前記HA2(212-2)のコンタクト箇所(213)と当接させ、かつ
・前記第1の中間状態(T)と前記解離されている状態(T)との間の各前記プラグインコネクタ(210)の第2の中間状態(T)において、前記HI1(214)を前記HA2(212-2)と導電接続し、かつ前記LA1(219)と前記HA2(212-2)とをガルバニックに分離する、ように構成されており、
ここで、第1のプラグインコネクタ(210)の前記HA2(212-2)は、第2のプラグインコネクタ(210)の前記HA1(212-1)と導電接続されており、
前記電子的なスイッチングユニット(220)の第1の端子(222)は、前記第1のプラグインコネクタ(210)の前記LA1(219)と導電接続されており、前記電子的なスイッチングユニット(220)の第2の端子(224)は、前記第1のプラグインコネクタ(210)の前記HI1(214)および前記第2のプラグインコネクタ(210)の前記HI1(214)と導電接続されており、
前記電子的なスイッチングユニット(220)は、前記差し合わされている状態(T)から前記第1の中間状態(T’)への移行に応じて、前記第1の端子(222)と前記第2の端子(224)とを導電接続する、または前記第1の端子(222)と前記第2の端子(224)との間のインピーダンスを低減させるように構成されており、かつ前記第1の中間状態(T’)から前記第2の中間状態(T)への移行および/または前記第2の中間状態(T)から前記解離されている状態(T)への移行に応じて、前記第1の端子(222)と前記第2の端子(224)とを電気的に分離する、または前記第1の端子(222)と前記第2の端子(224)との間のインピーダンスを増大させるように構成されている、プラグインコンタクト装置(200)。
【請求項3】
前記電子的なスイッチングユニット(120;220)は、さらに、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)のうちの1つのプラグインコネクタ(110;210)の、前記解離されている状態から前記第2の中間状態(T)への移行および/または前記第2の中間状態(T)から前記第1の中間状態(T;T’)への移行に応じて、前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)とを導電接続する、または前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)との間のインピーダンスを低減させるように構成されており、かつ前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)のうちの1つのプラグインコネクタ(110;210)の、前記第1の中間状態(T;T’)から前記差し合わされている状態(T)への移行に応じて、前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)とを電気的に分離する、または前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)との間のインピーダンスを増大させるように構成されている、請求項1または2記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項4】
前記直流電流接続の直流電流源(130;230)の極は、前記第1のプラグインコネクタ(110;210)の前記メインコンタクト(112;212)の前記HA1(112-1;212-1)もしくは前記LA1(219)および/または前記電子的なスイッチングユニット(120;220)の前記第1の端子(122;222)と導電接続されているかまたは導電接続可能であり、電気的な負荷の極は、前記第2のプラグインコネクタ(110;210)の前記メインコンタクト(112;212)の前記HA2(112-2;212-2)および/または前記第2のプラグインコネクタ(110)の前記補助コンタクト(114)の前記HI2(114-2)と導電接続されているかまたは導電接続可能であり、かつ/または
前記直流電流接続の直流電流源(130;230)の極は、前記第2のプラグインコネクタ(110;210)の前記メインコンタクト(112;212)の前記HA2(112-2;212-2)および/または前記第2のプラグインコネクタ(110)の前記補助コンタクト(114)の前記HI2(114-2)と導電接続されているかまたは導電接続可能であり、電気的な負荷の極は、前記第1のプラグインコネクタ(110;210)の前記メインコンタクト(112;212)の前記HA1(112-1;212-1)もしくは前記LA1(219)および/または前記電子的なスイッチングユニット(120;220)の前記第1の端子(122;222)と導電接続されているかまたは導電接続可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項5】
前記直流電流接続の直流電流源(130;230)の極は前記直流電流源(130;230)の正極であり、前記電気的な負荷の極は前記負荷の正極である、請求項4記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項6】
少なくとも前記第1のプラグインコネクタ(110;210)は、第1のコンタクト半部WL1(150-1;250-1)と第2のコンタクト半部WL2(150-2;250-2)とを備える中継コンタクトWL(150;250)を含んでおり、前記第1のプラグインコネクタ(110;210)の前記WL(150;250)の前記WL1(150-1;250-1)は、前記電子的なスイッチングユニット(120;220)の前記第1の端子(122;222)および/または前記HI1(114-1;214)と電気的に接続されており、前記第1のプラグインコネクタ(110;210)の前記WL(150;250)の前記WL2(150-2;250-2)は、前記第2のプラグインコネクタ(110;210)の前記HI1(114-1;214)と導電接続されており、
任意選択的に、前記第2のプラグインコネクタ(110;210)は、第1のコンタクト半部WL1(150-1;250-1)と第2のコンタクト半部WL2(150-2;250-2)とを備える中継コンタクトWL(150;250)を含んでおり、前記第2のプラグインコネクタ(110;210)の前記WL(150;250)の前記WL1(150-1;250-1)は、前記第2のプラグインコネクタ(110;210)の前記HI1(114-1;214)と導電接続されており、かつ/または前記第1のプラグインコネクタ(110;210)の前記WL2(150-2;250-2)と導電接続されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項7】
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の各プラグインコネクタ(110;210)の前記HA1(112-1;212-1)はピンコンタクトを含んでおり、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の各プラグインコネクタ(110;210)の前記HA2(112-2;212-2)はソケットコンタクトを含んでおり、または前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の各プラグインコネクタ(110;210)の前記HA2(112-2;212-2)はピンコンタクトを含んでおり、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の各プラグインコネクタ(110;210)の前記HA1(112-1;212-1)はソケットコンタクトを含んでおり、かつ/または
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)の各プラグインコネクタ(110)の前記補助コンタクトの前記第1のコンタクト半部HI1(114-1)はピンコンタクトを含んでおり、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)の各プラグインコネクタ(110)の前記補助コンタクトの前記第2のコンタクト半部HI2(114-2)はソケットコンタクトを含んでおり、または前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)の各プラグインコネクタ(110)の前記補助コンタクトの前記第2のコンタクト半部HI2(114-2)はピンコンタクトを含んでおり、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)の各プラグインコネクタ(110)の前記補助コンタクトの前記第1のコンタクト半部HI1(114-1)はソケットコンタクトを含んでおり、
任意選択的に、請求項5との組み合わせにおいて、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の前記第1のプラグインコネクタまたは各プラグインコネクタの前記WL1(150-1;250-1)はピンコンタクトを含んでおり、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の前記第1のプラグインコネクタまたは各プラグインコネクタの前記WL2(150-2;250-2)はソケットコンタクトを含んでおり、または前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の前記第1のプラグインコネクタまたは各プラグインコネクタの前記WL2(150-2;250-2)はピンコンタクトを含んでおり、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の前記第1のプラグインコネクタまたは各プラグインコネクタの前記WL1(150-1;250-1)はソケットコンタクトを含んでいる、請求項1または記載のプラグインコンタクト装置(100)。
【請求項8】
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)の各プラグインコネクタ(110;210)の前記HA(112;212)の前記ピンコンタクトの外側輪郭および/または前記ソケットコンタクトの内側輪郭ならびに/または各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記補助コンタクトHI(114)の前記ピンコンタクトの外側輪郭および/または前記ソケットコンタクトの内側輪郭は、円形、楕円形または多角形の断面を有している、かつ/または各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記HA(112;212)および/または前記補助コンタクトHI(114)および/または中継コンタクトWL(150;250)は雌雄同体である、請求項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項9】
前記電子的なスイッチングユニット(120;220)は、前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)との間の双方向の電流の流れのために構成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項10】
前記電子的なスイッチングユニット(120;220)は、少なくとも1つの半導体スイッチを含んでおり、前記半導体スイッチは、前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)との間での電圧の印加時に、前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)との間のインピーダンスを低減させる、または前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)とを導電接続するように構成されている、請求項1からまでのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項11】
前記電子的なスイッチングユニット(120;220)は、前記少なくとも1つの半導体スイッチと連結されている整流器ブリッジを含んでいる、請求項9を引用する請求項10記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項12】
前記電子的なスイッチングユニット(120;220)は、相互に反対方向に互いに直列接続されている2つの半導体スイッチを含んでおり、前記半導体スイッチにはそれぞれ、逆方向においてダイオードが並列接続されており、
任意選択的に、前記電子的なスイッチングユニット(120;220)は、さらに、トリガ回路を含んでおり、前記トリガ回路は、前記第1の端子(122;222)と前記第2の端子(124;224)との間での電圧の印加時に、前記半導体スイッチの閉成を引き起こすように構成されており、任意選択的に、前記トリガ回路は前記整流器ブリッジを含んでいる、請求項10または11記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項13】
前記プラグインコンタクト装置(100;200)は、それぞれ1つのHA(112;212)および/または1つのHI(114)を備える、少なくとも2つの第1のプラグインコネクタ(110;210)および2つの第2のプラグインコネクタ(110;210)ならびに電子的なスイッチングユニット(120;220)を含んでおり、
前記電子的なスイッチングユニット(120;220)の前記第1の端子(122;222)は、各第1のプラグインコネクタ(110;210)の前記HA(112;212)の前記HA1(112-1)もしくは前記LA1(219)と導電接続されており、前記電子的なスイッチングユニット(120;220)の前記第2の端子(124;224)は、各前記第1のプラグインコネクタ(110;210)の前記HI1(114-1;214)と導電接続されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項14】
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)は、さらに、各前記HA(112;212)に関する前記直流電流接続の対向極のために、第1のコンタクト半部GE1(116-1;216-1)および第2のコンタクト半部GE2(116-2;216-2)を備える、それぞれ1つの対向極コンタクトGE(116;216)を含んでいる、請求項1から13までのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項15】
前記GE(116;216)は、各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記差し合わされている状態(T )において、各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記第1の中間状態(T ;T ’)において、かつ各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記第2の中間状態(T )において、前記GE1(116-1;216-1)と前記GE2(116-2;216-2)とを導電接続するように構成されている、請求項14記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項16】
前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110;210)は、さらに、第1のコンタクト半部PE1(118-1;218-1)および第2のコンタクト半部PE2(118-2;218-2)を備える、それぞれ1つのアースコンタクトPE(118;218)を含んでおり、前記PE(118;218)は、各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記差し合わされている状態(T)において、各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記第1の中間状態(T;T’)において、かつ各前記プラグインコネクタ(110;210)の前記第2の中間状態(T)において、前記PE1(118-1;218-1)と前記PE2(118-2;218-2)とを導電接続するように構成されている、請求項1から15までのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項17】
前記少なくとも1つのプラグインコネクタ(110;210)はそれぞれ、第1のプラグインコネクタ半部(110-1;210-1)と第2のプラグインコネクタ半部(110-2;210-2)とを含んでおり、前記第1のプラグインコネクタ半部(110-1;210-1)は、前記HA(112;212)の前記HA1(112-1;212-1)および前記GE(116;216)の前記GE1(116-1;216―1)および/または前記PE(118;218)の前記PE1(118-1;218-1)を含んでおり、前記第2のプラグインコネクタ半部(110-2;210-2)は、前記HA(112;212)の前記HA2(112-2;212-2)および前記GE(116;216)の前記GE2(116-2;216―2)および/または前記PE(118;218)の前記PE2(118-2;218-2)を含んでいる、請求項14から16までのいずれか1項に記載のプラグインコンタクト装置(200)。
【請求項18】
前記HA(112;212)および/または前記HI(114)および/または前記中継コンタクトWL(150;250)はそれぞれ長手方向軸線を有しており、前記HA1(112-1;212-1)および前記HA2(112-2;212-2)ならびに/または前記HI1(114-1)および前記HI2(114-2)ならびに/または前記WL(150;250)の前記第1のコンタクト半部WL1(150-1;250-1)および前記第2のコンタクト半部WL2(150-2;250-2)は、それぞれ自身の長手方向軸線に沿って差し合わせ可能かつ解離可能である、または
前記HA1(112-1;212-1)および前記HA2(112-2;212-2)ならびに/または前記補助コンタクトのコンタクト半部HI1(114-1)およびHI2(114-2)ならびに/または前記中継コンタクトWL(150;250)の前記コンタクト半部WL1(150-1;250-1)および前記コンタクト半部WL2(150-2;250-2)は、それぞれ、前記長手方向軸線に対して横断方向または垂直である横軸線に沿って、差し合わせ可能かつ解離可能である、請求項1から17までのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【請求項19】
各前記HI(114)の前記HI2(114-2)または前記HI1(114-1)に割り当てられている、前記HI1(114-1)もしくは前記HI2(114-2)のコンタクト箇所(115)を基準とした、前記少なくとも2つのプラグインコネクタ(110)の各プラグインコネクタ(110)の前記HI(114)の前記HI2(114-2)または前記HI1(114-1)の延在は、各前記HA(112)の前記HA2(112-2)または前記HA1(112-1)に割り当てられている、前記HA1(112-1)もしくは前記HA2(112-2)のコンタクト箇所(113)を基準とした、前記HA(112)の前記HA2(112-2)または前記HA1(112-1)の延在よりも長く、各前記延在は、前記差し合わされている状態における前記差し合わせ方向において、前記長手方向軸線に沿って定められている、請求項1を引用する請求項18記載のプラグインコンタクト装置(100)。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプラグインコネクタ(110)の前記HI(114)の前記HI2(114-2)または前記HI1(114-1)は分離区間(117)を含んでおり、前記分離区間(117)は、各前記プラグインコネクタ(110)の前記差し合わされている状態(T)において、前記HI(114)の前記HI2(114-2)または前記HI1(114-1)に割り当てられている、前記HI1(114-1)または前記HI2(114-2)の前記コンタクト箇所のガルバニックな分離を生じさせる、請求項19記載のプラグインコンタクト装置(100)。
【請求項21】
前記HI2(114-2)または前記HI1(114-1)の前記分離区間(117)の延在は、前記HI2(114-2)もしくは前記HI1(114-1)の部分延在に沿って環状に延びる絶縁部を含んでおり、前記HI2(114-2)もしくは前記HI1(114-1)の前記部分延在は、各前記HA(112)の前記HA2(112-2)または前記HA1(112-1)に割り当てられている、前記HA1(112-1)もしくは前記HA2(112-2)のコンタクト箇所(113)を基準とした、前記HA(112)の前記HA2(112-2)または前記HA1(112-1)の延在よりも短く、
各前記延在は、前記差し合わされている状態における前記差し合わせ方向において、前記長手方向軸線に沿って定められている、請求項20記載のプラグインコンタクト装置(100)。
【請求項22】
前記HA1(212-1)の前記LA1(219)と前記HI1(214)とは、前記長手方向軸線に沿って同軸に配置されており、
前記HI1(214)は前記長手方向軸線に沿って、前記差し合わせ方向において、前記TA1(217)の前に配置されており、前記TA1(217)は前記長手方向軸線に沿って、前記差し合わせ方向において、前記HA1(212-1)の前記LA1(219)の前に配置されている、請求項2を引用する請求項18記載のプラグインコンタクト装置(200)。
【請求項23】
前記HA1(212-1)の前記TA1(217)は環状の絶縁部を含んでいる、請求項2を引用する請求項3から18までのいずれか1項または請求項22記載のプラグインコンタクト装置(200)。
【請求項24】
各前記HA(112;212)の前記HA1(112-1)または前記HA2(112-2;212-2)は、前記長手方向軸線に沿って、唯一のコンタクト箇所(113;213)を有しており、かつ/または各前記補助コンタクトHI(114)の前記第1のコンタクト半部HI1(114-1)または前記第2のコンタクト半部HI2(114-2)は、前記長手方向軸線に沿って、唯一のコンタクト箇所(115)を有している、請求項18から22までのいずれか1項記載のプラグインコンタクト装置(100;200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラインアセンブリの延長部を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧する技術、特にプラグインコンタクト装置に関する。
【0002】
直流電流接続(DC接続)を切断するときまたは閉じるときには、交流電流の適用(ACの適用)時とは異なり、より一層、アーク放電が考慮されるべきである。特にプラグインコネクタの場合にはアーク放電の考慮は1つの課題である。アーク放電は、一方ではプラグインコネクタにも、ハウジング部材にも、コンタクトにも損傷を与える。他方ではアーク放電は操作者に対する危険ももたらす。
【0003】
機械的な補助手段によってアーク放電を消弧する種々のコンセプトが存在し、これはたとえば犠牲ゾーンによって、またはいわゆる吹消磁石を用いて(アーク放電のプラズマに作用するローレンツ力によって)、またはコンタクト切断の速さによって行われる。
【0004】
別の選択肢は電子による火花消去である。電子による火花消去では電子的なコンポーネントを用いてアーク放電が抑制される。この原理は、電子的なスイッチと等価である。機械的なスイッチの場合と同様に、電気回路が中断される。しかし、物理的なコンタクトは開放されないので、この際にアーク放電が発生することもない。電気回路は、電子的なコンポーネントによって中断される。この際に、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)などの半導体モジュールまたはバリスタによっても、スイッチング電力が電子的なユニットに移され、これによってコンタクトが保護される。こうした技術は、たとえば刊行物である欧州特許第2742565号明細書、米国特許出願公開第2018/0006447号明細書、独国特許出願公開第000020253749号明細書および独国特許出願公開第102007043512号明細書に記載されている。
【0005】
この際に、電流は通常動作において電子機器を介して恒常的に流れる(これによって継続的に損失電力が生じる)、またはスイッチング過程の間、電流の流れが短時間、電子機器を介して導かれ、遮断される(これによってエネルギ技術的に大幅な改善がもたらされる)。この場合には付加的な補助コンタクトが必要であり、この付加的な補助コンタクトは複数の負荷コンタクトのうちの1つの負荷コンタクトに並列に位置し、電子機器を介した電流の流れを可能にする。これらの変化形態は、たとえば、刊行物である欧州特許第2742565号明細書および米国特許出願公開第2018/0006447号明細書に記載されているように、プラグインコネクタハウジング内に組み込まれていても、プラグストリップ内またはスイッチキャビネット内に収容されていてもよい。直前に挙げた、プラグストリップまたはスイッチキャビネット内への電子機器の集約的な配置は、1つのモジュールによって任意の数のプラグインコネクタを動作させることができるという利点を有している。たとえば、欧州特許第2742565号明細書に記載されているように、この場合には、複数のプラグインコネクタの種々異なるストランド間で短絡が生じずに、現在スイッチング中のストランド(もしくは切断されるべきプラグインコネクタまたは接続されるべきプラグインコネクタ)の電流のみが電子機器を介して流れるように、各補助コンタクトへの給電線に、対応するダイオードを設置する必要がある。
【0006】
欧州特許第2742565号明細書に記載されたダイオードによって、1つの電子モジュールで複数のプラグインコネクタに並行して給電することはできるが、これは単方向網の場合のみ機能する。DC網の特別な点は、たとえばアキュムレータ(二次電池)の場合のように、エネルギの流れが双方向であり得ることである。このアキュムレータは、直流電流の供給源でも負荷でもあり得る。同様に、電気機械は、直流電流の負荷として働くことができるが、制動時には、ジェネレータとして働き、エネルギを戻すこともできる。上述したダイオード回路は、双方向の適用時、たとえば電気機械のモータ動作とジェネレータ動作との間の切り替えでは機能しない。この場合には、個々の補助コンタクトのより複雑な切り替えの実行に、格段に多くのコストがかかるはずである。
【0007】
公知の従来技術の欠点は、電子機器が、ストランド毎に1つのプラグインコネクタにしか給電することができないこと、すなわち電子機器の後方にある最初のプラグインコネクタにしか給電することができないことである。しかし多くの適用ケースにおいて、複数のプラグインコネクタが直列接続されている。たとえばマルチソケットが壁面コンセントに差し込まれていることがあるが、このマルチソケットには別の機器を差し込むことができ、これらの別の機器は部分的に同様に、機器において直に、別のプラグによって分離可能である。たとえば、機器自体に、いわゆる低温機器用プラグが組み込まれていることがある。したがって、複数のプラグインコネクタが直列接続されていることは珍しいことではない。ラインアセンブリの延長部および分岐部によって、多数の直列接続を生じさせることができる。最初のプラグインコネクタの後方に配置されている、消弧電子機器から始まって、直列接続されているさらなるプラグインコネクタを消弧電子機器に接続することは、従来技術では予定されていない。したがって、これらのさらなるプラグインコネクタのうちの1つのプラグインコネクタの切断過程において、消弧電子機器は、アーク放電を回避することも消弧することもできない。
【0008】
したがって、課題は、単一方向網においても双方向網においても動作可能な、ラインアセンブリの延長部またはプラグインコネクタの直列接続を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧する技術を提供することである。
【0009】
上述の課題は、独立請求項に記載の特徴によって解決される。本発明の好適な構成および有利な発展形態は、従属請求項に記載されている。
【0010】
以降では、本発明の実施例を、図面を部分的に参照して説明する。
【0011】
第1の態様によれば、ラインアセンブリの延長部を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧するプラグインコンタクト装置が提供される。このプラグインコンタクト装置は、それぞれ1つのメインコンタクト(HA)と1つの補助コンタクト(HI)とを備える、ラインアセンブリの延長部の終端部に設けられている少なくとも2つのプラグインコネクタを含んでいる。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、第1のコンタクト半部(HA1)と第2のコンタクト半部(HA2)とを含んでおり、第1のコンタクト半部(HA1)と第2のコンタクト半部(HA2)とは、解離可能に差し合わせ可能である。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、各プラグインコネクタの差し合わされている状態(T)において、HA1とHA2とを導電接続するように構成されている。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、さらに、各プラグインコネクタの解離されている状態(T)において、HA1とHA2とをガルバニックに分離するように構成されている。さらに、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、差し合わされている状態(T)と解離されている状態との間の各プラグインコネクタの第1の中間状態(T)において、HA1とHA2とを導電接続するように構成されている。さらに、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、第1の中間状態(T)と解離されている状態との間の各プラグインコネクタの第2の中間状態(T)において、HA1とHA2とをガルバニックに分離するように構成されている。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタの補助コンタクト(HI)は、第1のコンタクト半部(HI1)と第2のコンタクト半部(HI2)とを含んでおり、第1のコンタクト半部(HI1)と第2のコンタクト半部(HI2)とは、解離可能に差し合わせ可能である。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHIは、各プラグインコネクタの差し合わされている状態(T)において、HI1とHI2とをガルバニックに分離するように構成されている。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHIは、さらに、各プラグインコネクタの解離されている状態(T)において、HI1とHI2とをガルバニックに分離するように構成されている。さらに、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHIは、各プラグインコネクタの第1の中間状態(T)において、HI1とHI2とを導電接続するように構成されている。さらに、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHIは、各プラグインコネクタの第2の中間状態(T)において、HI1とHI2とを導電接続するように構成されている。ここでは、各プラグインコネクタのHA2とHI2とが導電接続されている。さらに、第1のプラグインコネクタのHA2は、第2のプラグインコネクタのHA1と導電接続されている。
【0012】
プラグインコンタクト装置はさらに、電子的なスイッチングユニットを含んでおり、電子的なスイッチングユニットの第1の端子は、第1のプラグインコネクタのHA1と導電接続されており、電子的なスイッチングユニットの第2の端子は、第1のプラグインコネクタのHI1および第2のプラグインコネクタのHI1と導電接続されている。電子的なスイッチングユニットは、複数のプラグインコネクタのうちの少なくとも1つのプラグインコネクタの差し合わされている状態(T)から第1の中間状態(T)への、少なくとも2つのプラグインコネクタのうちの1つのプラグインコネクタの移行に応じて、第1の端子と第2の端子とを導電接続する、または第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを低減させるように構成されている。電子的なスイッチングユニットは、さらに、複数のプラグインコネクタのうちの少なくとも1つのプラグインコネクタの第1の中間状態(T)から第2の中間状態(T)への、かつ/または複数のプラグインコネクタのうちの少なくとも1つのプラグインコネクタの第2の中間状態(T)から解離されている状態への、少なくとも2つのプラグインコネクタのうちの1つのプラグインコネクタの移行に応じて、第1の端子と第2の端子とを電気的に分離する、または第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを増大させるように構成されている。
【0013】
第1の態様によるプラグインコンタクト装置の1つの実施例では、各プラグインコネクタのHAは、差し合わされている状態において、HA1とHA2とを導電接続することができ、それに対して、各プラグインコネクタのHIは、差し合わされている状態において、HI1とHI2とをガルバニックに分離することができる。解離されている状態では、HA1およびHA2も、HI1およびHI2も、それぞれガルバニックに分離されていてよい。TとTとの間のプラグインコネクタの第1の中間状態において、HA1およびHA2も、HI1およびHI2も、それぞれ導電接続されていてよい。TとTとの間のプラグインコネクタの第2の中間状態において、HA1とHA2とがガルバニックに分離されていてよく、それに対して、HA2とHI2とは導電接続されていてよい。
【0014】
第1の態様によれば、HAは負荷コンタクトとも称され得る。
【0015】
第2の態様によれば、ラインアセンブリの延長部を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧するプラグインコンタクト装置が提供される。このプラグインコンタクト装置は、それぞれ1つのメインコンタクト(HA)を備える、ラインアセンブリの延長部の終端部に設けられている少なくとも2つのプラグインコネクタを含んでいる。各プラグインコネクタのHAはそれぞれ第1のコンタクト半部(HA1)と第2のコンタクト半部(HA2)とを含んでおり、第1のコンタクト半部(HA1)と第2のコンタクト半部(HA2)とは解離可能に差し合わせ可能である。HA1は、負荷コンタクト区間(LA1)と分離区間(TA1)と補助コンタクト区間(HI1)とを含んでいる。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、各プラグインコネクタの差し合わされている状態(T)において、LA1とHA2とを導電接続し、かつHI1をHA2からガルバニックに分離するように構成されている。少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、さらに、各プラグインコネクタの解離されている状態(T)において、LA1とHI1とをHA2からガルバニックに分離するように構成されている。さらに、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、差し合わされている状態(T)と解離されている状態(T)との間の、各プラグインコネクタの第1の中間状態(T’)において、LA1とHA2とをガルバニックに分離し、かつ少なくともTA1をHA2のコンタクト箇所と当接させるように構成されている。さらに、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAは、第1の中間状態(T’)と解離されている状態(T)との間の各プラグインコネクタの第2の中間状態(T)において、HI1をHA2と導電接続し、かつLA1とHA2とをガルバニックに分離するように構成されている。ここで、第1のプラグインコネクタのHA2は、第2のプラグインコネクタのHA1と導電接続されている。
【0016】
プラグインコンタクト装置はさらに、電子的なスイッチングユニットを含んでおり、電子的なスイッチングユニットの第1の端子は、第1のプラグインコネクタのLA1と導電接続されており、電子的なスイッチングユニットの第2の端子は、第1のプラグインコネクタのHI1および第2のプラグインコネクタのHI1と導電接続されている。電子的なスイッチングユニットは、差し合わされている状態(T)から第1の中間状態(T’)への、少なくとも2つのプラグインコネクタのうちの1つのプラグインコネクタの移行に応じて、第1の端子と第2の端子とを導電接続する、または第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを低減させるように構成されている。電子的なスイッチングユニットはさらに、第1の中間状態(T’)から第2の中間状態(T)への、かつ/または第2の中間状態(T)から解離されている状態(T)への、少なくとも2つのプラグインコネクタのうちの1つのプラグインコネクタの移行に応じて、第1の端子と第2の端子とを電気的に分離する、または第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを増大させるように構成されている。
【0017】
第1の態様および/または第2の態様による実施例は、(たとえば直列接続時に)補助コンタクトにおけるダイオードが無くてもよい、プラグインコンタクト装置を可能にする。補助コンタクトは、制御コンタクトとも称され得る。ダイオードが無くてもよいようにするために、各コンタクト半部(第1の態様によるHI1およびHI2または第2の態様によるHI1およびHA2)が、差し合わされている状態において、たとえば、(第1の態様による分離区間を有するHI1または第2の態様による区間HI1およびTA1を有するHA1としての)部分的に絶縁されたピンコンタクトによってガルバニックに分離されていることが設定されている。このような補助コンタクトまたはこのような補助コンタクトを含んでいるプラグインコネクタは、「X導体」とも称され得る。補助コンタクト(「X導体」)を備えるプラグインコネクタを切断するときおよび/または閉じるときのアーク放電を回避または抑制する技術は、上述の(第1および第2の)態様の各態様によるプラグインコンタクト装置によって、直列接続されているプラグインコネクタに中継され得る。これは、直列の補助コンタクト間の付加的な導電接続および/または電子的なスイッチングユニット(これは消弧電子機器とも称され得る)に対する付加的な導電接続が、たとえば付加的な中継コンタクト(これは「Yコンタクト」とも称され得る)を用いて、プラグインコネクタに組み込まれていることによって実現される。付加的な中継コンタクトは、プラグインコネクタにおいて補助コンタクトと接続されており、したがって電子的なスイッチングユニットとも接続されている。後続のプラグインコネクタに通じるラインアセンブリの延長部においては、相応に、付加的な線路(または「心線」)が設けられており、これによって、中央の電子的なスイッチングユニットへの接続が形成される。
【0018】
ラインアセンブリの延長部は、延長ケーブルを含んでいてよい。択一的または付加的に、ラインアセンブリの延長部はケーブルハーネスを含んでいてよい、かつ/または建物設備内に延在する線路および/または産業配電において機械ストランドに取り付けられている線路を含んでいてよい。たとえば、「X導体」が、多芯ケーブルの内部に延在していてもよい、または(たとえば、1つのプラグインコネクタまたは各プラグインコネクタの半部の後方の分岐部を用いて)別個の線路として案内されてもよい。
【0019】
ラインアセンブリの延長部は、配電網または電気設備に割り当てられていてよい。
【0020】
以降では、上述した複数の態様のうちの1つの態様によるプラグインコンタクト装置のさらなる実施例が記載される。第1の態様または第2の態様を明示的に参照していない限り、これらの実施例は上述の2つの態様に関する。
【0021】
少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHA1がピンコンタクトを含んでいてよく、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHA2がソケットコンタクトを含んでいてよい。択一的に、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHA2がピンコンタクト含んでいてよく、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHA1がソケットコンタクトを含んでいてよい。
【0022】
択一的または付加的に、第1の態様によれば、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHI1がピンコンタクトを含んでいてよく、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHI2がソケットコンタクトを含んでいてよい。さらに択一的または付加的に、第1の態様によれば、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHI2がピンコンタクトを含んでいてよく、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHI1がソケットコンタクトを含んでいてよい。たとえば、HIは、差し合わされている状態(たとえば完全に差し込まれている状態)においてHI1とHI2(たとえばピンコンタクトとソケットコンタクト)との間に導電接続が生じないように構成されている。
【0023】
直流電流接続を切断するときに(すなわち、解離されている状態の方向への移行のときに)、はじめて、電気回路が電子的なスイッチングユニット(略して電子機器)を介して、好ましくは第1の中間状態への移行時に、閉じられる。これは好ましくは、たとえば第2の中間状態への移行時に、(第1の態様による)HIまたは(第2の態様による)HI区間が無い場合に、先行のメインコンタクト(HA)においてアーク放電が発生する前もしくは発生するであろう前に行われる。次いで、アーク放電によって、電子的なスイッチングユニット(略して電子機器)が、たとえば第1の端子と第2の端子との間の電圧降下によってトリガされ、それに続いて、電流が、HIまたはHI区間および電子機器を介して導かれる。次いで、電子機器は、直ぐに(たとえば、第2の中間状態から解離されている状態への移行の典型的な期間よりも短い期間の後に)電気回路を中断し、これによって、アーク放電を伴わない、電気的な接続の無負荷切断(および/またはHIまたはHI区間の無負荷開放)を可能にする。電子機器の例示的な作用様式は、刊行物である欧州特許第2742565号明細書に記載されている。
【0024】
ストランドとも称される、並列接続された複数のプラグインコネクタを備えるプラグインコンタクト装置では、プラグインコンタクト装置の実施例は、差し合わされている状態において、プラグインコンタクト装置の第1の態様による各補助コンタクト(HI)またはプラグインコンタクト装置の第2の態様による補助コンタクト区間(HI1)の電気的な(好ましくは物理的またはガルバニックな)分離によって、個々のストランドの相互の分離を実行することができる。
【0025】
この明細書では、ガルバニックな分離の状態は開放状態とも称され得る。導電接続の状態は閉じられている状態とも称され得る。
【0026】
少なくとも2つのプラグインコネクタは、それぞれメインコンタクト(HA)に加えて、さらに第1の態様によれば、補助コンタクト(HI)に加えて、第2のメインコンタクトとも称され得る対向コンタクト(GE)および/またはアースコンタクト(PE:physical earthとも称される)を含んでいてよい。各プラグインコネクタのGEおよび/またはPEは、それぞれ、第1のコンタクト半部と第2のコンタクト半部とを含んでいてよい。
【0027】
GEの第1のコンタクト半部GE1はピンコンタクトを含んでいてよく、GEの第2のコンタクト半部GE2はソケットコンタクトを含んでいてよい。択一的にGE2がピンコンタクトを含んでいてよく、GE1がソケットコンタクトを含んでいてよい。択一的または付加的に、PEの第1のコンタクト半部PE1がピンコンタクトを含んでいてよく、PEの第2のコンタクト半部PE2がソケットコンタクトを含んでいてよく、またはPE2がピンコンタクトを含んでいてよく、PE1がソケットコンタクトを含んでいてよい。
【0028】
第1のプラグインコネクタのメインコンタクト(HA)は、直流電流源の正極と接続されていてよい、または接続可能であってよい。第1のプラグインコネクタの対向コンタクト(GE)は、直流電流源の負極と接続されていてよい、または接続可能であってよい。GEおよび/またはPEは、差し合わされている状態(T)、第1の中間状態(T;T’)および第2の中間状態(T)において導電接続されていてよく、かつ解離されている状態(T)においてガルバニックに分離されていてよい。
【0029】
電子的なスイッチングユニットは、少なくとも1つの半導体スイッチを含んでいてよい。電子的なスイッチングユニットは、少なくとも2つのプラグインコネクタの(第1の態様による)HIまたは(第2の態様による)HI1と直列接続されていてよい。各プラグインコネクタのHIもしくはHI1は、電子的なスイッチングユニットによって、選択的に、各プラグインコネクタのHAに並列接続されていてよい。電子的なスイッチングユニットは、消弧電子機器とも称され得る。
【0030】
電子的なスイッチングユニットは、さらに、少なくとも2つのプラグインコネクタのうちの1つのプラグインコネクタの、解離されている状態から第2の中間状態(T)への移行および/または第2の中間状態(T)から第1の中間状態(T;T’)への移行に応じて、第1の端子と第2の端子とを導電接続する、または第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを低減させるように構成されていてよく、かつ少なくとも2つのプラグインコネクタのうちの1つのプラグインコネクタの、第1の中間状態(T;T’)から差し合わされている状態(T)への移行に応じて、第1の端子と第2の端子とを電気的に分離する、または第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを増大させるように構成されていてよい。
【0031】
電子的なスイッチングユニットは、第1の端子と第2の端子とを、双方向の電流の流れまたは2つの電流方向に対して、導電接続するように構成されていてよい。双方向の電流の流れは、整流器によって保証されてよい。
【0032】
直流電流接続の直流電流源の極、好ましくは直流電流源の正極は、第1のプラグインコネクタのメインコンタクトの第1の態様によるHA1(もしくは第2の態様によるHA1のLA1)および/または電子的なスイッチングユニットの第1の端子と導電接続されていてよい、または導電接続可能であってよい。電気的な負荷の極、好ましくは負荷の正極は、第2のプラグインコネクタのメインコンタクトのHA2および/または第2のプラグインコネクタの(第1の態様による)補助コンタクトのHI2と導電接続されていてよい、または導電接続可能であってよい。
【0033】
択一的または付加的に、直流電流接続の直流電流源の極、好ましくは直流電流源の正極は、第2のプラグインコネクタのメインコンタクトのHA2および/または第2のプラグインコネクタの(第1の態様による)補助コンタクトのHI2と導電接続されていてよい、または導電接続可能であってよい。電気的な負荷の極、好ましくは負荷の正極は、第1のプラグインコネクタのメインコンタクトの第1の態様によるHA1(もしくは第2の態様によるHA1のLA1)および/または電子的なスイッチングユニットの第1の端子と導電接続されていてよい、または導電接続可能であってよい。
【0034】
たとえば、直流電流源は再充電可能な電気エネルギ蓄積器(好ましくは二次電池)を含んでいてよく、電気的な負荷は電気機械(E-Maschine)を含んでいてよい。E-Maschineは、(好ましくは一時的に)ジェネレータとして動作することができ、(好ましくは回生の際に)直流電流の電流方向はプラグインコンタクト装置によって反転する。
【0035】
少なくとも第1のプラグインコネクタは、第1のコンタクト半部(WL1)と第2のコンタクト半部(WL2)とを備える中継コンタクト(WL)を含んでいてよい。第1のプラグインコネクタのWLのWL1は、電子的なスイッチングユニットの第1の端子および/または(第1の態様もしくは第2の態様による)HI1と電気的に接続されていてよい。第1のプラグインコネクタのWLのWL2は、第2のプラグインコネクタの(第1の態様もしくは第2の態様による)HI1と導電接続されていてよい。任意選択的に、第2のプラグインコネクタも、第1のコンタクト半部(WL1)と第2のコンタクト半部(WL2)とを備える中継コンタクト(WL)を含んでいてよい。第2のプラグインコネクタのWLのWL1は、第2のプラグインコネクタの(第1の態様もしくは第2の態様による)HI1と導電接続されていてよい、かつ/または第1のプラグインコネクタのWL2と導電接続されていてよい。
【0036】
少なくとも2つのプラグインコネクタの第1のプラグインコネクタのWL1または少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのWL1はピンコンタクトを含んでいてよく、少なくとも2つのプラグインコネクタの第1のプラグインコネクタのWL2または少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのWL2はソケットコンタクトを含んでいてよい。択一的に、少なくとも2つのプラグインコネクタの第1のプラグインコネクタのWL2または少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのWL2はピンコンタクトを含んでいてよく、少なくとも2つのプラグインコネクタの第1のプラグインコネクタのWL1または少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのWL1はソケットコンタクトを含んでいてよい。
【0037】
第1のプラグインコネクタのWLによって、第2のまたは別のプラグインコネクタを切断するときまたは閉じるときに、第2のまたは別のプラグインコネクタの(第1の態様による)HIの導電接続または(第2の態様による)HA2とHI1との間の導電接続を、WLを介して電子的なスイッチングユニットと接続することによって、電子的なスイッチングユニットを作動させることができる。HIまたはHI1の導電接続によって、特に電子的なスイッチングユニットから離れて直列接続されているプラグインコネクタが切断される場合に、電子的なスイッチングユニットの第1の端子と第2の端子との間の電圧差を変えることによって、電子的なスイッチングユニットのインピーダンスの変化を引き起こすことができる。
【0038】
WLは、信号コンタクト、通信コンタクトまたはデータコンタクトとして形成されていてよい。択一的または付加的に、WLは、別のコンタクト、たとえば信号コンタクトとの同軸コンタクトを含んでいてよい。
【0039】
少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHAのピンコンタクトの外側輪郭および/またはソケットコンタクトの内側輪郭ならびに/または各プラグインコネクタの(第1の態様による)HIのピンコンタクトの外側輪郭および/またはソケットコンタクトの内側輪郭は、円形、楕円形または多角形の断面を有していてよい。各プラグインコネクタの(第1の態様による)HAおよび/またはHIおよび/またはWLおよび/またはGEおよび/またはPEは雌雄同体であってよい。たとえば、第1のコンタクト半部HA1およびGE1はソケットコンタクトとして構成されていてよく、第1のコンタクト半部PE1はピンコンタクトとして構成されていてよい。
【0040】
電子的なスイッチングユニットは、少なくとも1つの半導体スイッチを含んでいてよく、この半導体スイッチは、第1の端子と第2の端子との間での電圧の印加時に、第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを低減させるかまたは第1の端子と第2の端子とを導電接続するように構成されている。
【0041】
電子的なスイッチングユニットは、第1の端子と第2の端子との間の双方向の電流の流れのために構成されていてよい。好ましくは、電子的なスイッチングユニットは、双方向の電流の流れのために整流器ブリッジを含んでいてよい。電子的なスイッチングユニットは、少なくとも1つの半導体スイッチと連結されている整流器ブリッジを含んでいてよい。たとえば、第1の端子と第2の端子とを選択的に導電接続する、および分離する、もしくは第1の端子と第2の端子との間のインピーダンスを選択的に増大させる、および低減させる1つまたは複数の半導体スイッチに、整流器ブリッジが連結されている。整流器ブリッジの、互いに反対の側に位置する2つの端子は、電子的なスイッチングユニットの第1の端子および第2の端子を含んでいてよい。整流器ブリッジの、互いに反対側に位置する別の2つの端子は、半導体スイッチおよび/またはRC素子および/またはコンデンサおよび/またはバリスタおよび/またはサーミスタを介して相互に接続されていてよい、または接続可能であってよい。
【0042】
電子的なスイッチングユニットは、相互に反対方向に互いに直列接続されている2つの半導体スイッチを含んでいてよく、これらの半導体スイッチにはそれぞれ、逆方向においてダイオードが並列接続されている。並列接続されている各ダイオードは、半導体スイッチの逆方向においてバイパスとして作用することができる。任意選択的に、電子的なスイッチングユニットは、さらに、トリガ回路を含んでいてよく、このトリガ回路は、第1の端子と第2の端子との間での電圧の印加時に、半導体スイッチの閉成を引き起こすように構成されている。さらに任意選択的に、トリガ回路は整流器ブリッジを含んでいてよい。
【0043】
択一的または付加的に、電子的なスイッチングユニットは、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)ならびに/または絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)ならびに/またはコンデンサおよびバリスタおよび/またはサーミスタを備えるRC素子を含んでいてよい。
【0044】
プラグインコンタクト装置は、それぞれ1つのHA(および第1の態様によれば、それぞれ1つのHI)を備える、少なくとも2つの第1のプラグインコネクタおよび2つの第2のプラグインコネクタならびに電子的なスイッチングユニットを含んでいてよい。電子的なスイッチングユニットの第1の端子は、各第1のプラグインコネクタのHAの(第1の態様による)HA1もしくは(第2の態様による)HA1のLA1と導電接続されていてよい。電子的なスイッチングユニットの第2の端子は、各第1のプラグインコネクタの(第1もしくは第2の態様による)HI1と導電接続されていてよい。少なくとも2つの第1のプラグインコネクタの各第1のプラグインコネクタ半部は、同じ直流電流源に接続されていてよい、かつ/または並列接続されていてよい。
【0045】
少なくとも2つのプラグインコネクタは、さらに、各HAに関する直流電流接続の対向極のために、第1のコンタクト半部(GE1)および第2のコンタクト半部(GE2)を備える、それぞれ1つの対向極コンタクト(GE)を含んでいてよい。好ましくは、GEは、各プラグインコネクタの差し合わされている状態(T)において、各プラグインコネクタの第1の中間状態(T;T’)において、かつ各プラグインコネクタの第2の中間状態(T)において、GE1とGE2とを導電接続するように構成されていてよい。コンタクト半部GE1またはGE2は、HAの(第1の態様による)コンタクト半部HA1もしくは(第2の態様による)LA1またはHA2よりも長くてよい。特に、GEのコンタクト半部GE1またはGE2は、第1の態様によるHIのコンタクト半部HI1またはHI2もしくは第2の態様によるHA1のHI1と同じ長さを有していてよい。
【0046】
少なくとも2つのプラグインコネクタは、さらに、第1のコンタクト半部(PE1)および第2のコンタクト半部(PE2)を備える、それぞれ1つのアースコンタクト(PE)を含んでいてよい。PEは、各プラグインコネクタの差し合わされている状態(T)において、各プラグインコネクタの第1の中間状態(T;T’)において、かつ各プラグインコネクタの第2の中間状態(T)において、PE1とPE2とを導電接続するように構成されていてよい。コンタクト半部PE1またはPE2は、HAの(第1の態様による)コンタクト半部HA1もしくは(第2の態様による)LA1またはHA2よりも、かつ/または(第1の態様による)HIのコンタクト半部HI1またはHI2よりも、もしくは(第2の態様による)HA1のHI1よりも、かつ/またはGEのコンタクト半部GE1およびGE2よりも長くてよい。
【0047】
少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタはそれぞれ、第1のプラグインコネクタ半部と第2のプラグインコネクタ半部とを含んでいてよい。第1のプラグインコネクタ半部は、HAのHA1(および第1の態様によるHIのHI1)を含んでいてよい。第1のプラグインコネクタ半部は、さらに、WLのWL1および/またはGEのGE1および/またはPEのPE1を含んでいてよい。第2のプラグインコネクタ半部は、HAのHA2(および第1の態様によるHIのHI2)を含んでいてよい。第2のプラグインコネクタ半部は、さらに、GEのGE2、WLのWL2および/またはPEのPE2を含んでいてよい。第1のプラグインコネクタ半部はソケットとも称され得る。第2のプラグインコネクタ半部は電源網プラグとも称され得る。
【0048】
各プラグインコネクタの第1のプラグインコネクタ半部と第2のプラグインコネクタ半部とは、差し合わされている状態において機械的に結合されていてよい。各プラグインコネクタの、第1のプラグインコネクタ半部と第2のプラグインコネクタ半部とは、解離されている状態において空間的に分離されていてよい。
【0049】
各プラグインコネクタ半部は、ハウジングを含んでいてよい。
【0050】
各プラグインコネクタのHA(および第1の態様によるHI)および任意選択的にWLおよび/またはGEおよび/またはPEは、それぞれ長手方向軸線を有していてよい。プラグインコネクタのHA1およびHA2(および第1の態様によるHI1およびHI2)および任意選択的にWL1およびWL2ならびに/またはGE1およびGE2ならびに/またはPE1およびPE2は、それぞれ自身の長手方向軸線に沿って差し合わせ可能かつ解離可能であってよい。HAの長手方向軸線(および第1の態様によるHIの長手方向軸線)および任意選択的にWLおよび/またはGEおよび/またはPEの長手方向軸線は、互いに平行であってよい。択一的に、HA1およびHA2(および第1の態様によるHI1およびHI2)および任意選択的にWL1およびWL2ならびに/またはGE1およびGE2ならびに/またはPE1およびPE2は、それぞれ、長手方向軸線に対して横断方向または垂直である横軸線に沿って、差し合わせ可能かつ解離可能であってよい。
【0051】
各HIの(負荷側の)HI2または(直流電流源側の)HI1に割り当てられている、(直流電流源側の)HI1もしくは(負荷側の)HI2のコンタクト箇所を基準とした、第1の態様による少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネクタのHIの(負荷側の)HI2または(直流電流源側の)HI1の延在は、各HAの(負荷側の)HA2または(直流電流源側の)HA1に割り当てられている、(直流電流源側の)HA1もしくは(負荷側の)HA2のコンタクト箇所を基準とした、HAの(負荷側の)HA2または(直流電流源側の)HA1の延在より長くてよい。各延在は、差し合わされている状態における差し合わせ方向において、長手方向軸線に沿って定められていてよい。負荷側のコンタクト半部は、HA2およびHI2の導電接続によって定められていてよい。直流電流源側のコンタクト半部は、電子的なスイッチングユニットとの、HI1の直列接続によって(第2のプラグインコネクタの場合、属する第1のプラグインコネクタのWLと直列接続を介して)、かつHA1とのその導電接続によって定められていてよい。たとえば、負荷側のHA2およびHI2はそれぞれピンコンタクトを含んでいてよい。ピンコンタクトの延在は、(たとえば原点としての)各ソケットコンタクトHA1もしくはHI1のコンタクト箇所から、差し合わされている状態における(直流電流側の)差し込み方向における各ピンコンタクトの長さを含んでいてよい。HAのピンコンタクトは、HIのピンコンタクトよりも短くてよい。
【0052】
第1の態様によれば、少なくとも1つのプラグインコネクタのHIのHI2またはHI1は分離区間を含んでよい。分離区間は、各プラグインコネクタの差し合わされている状態(T)において、HIのHI2またはHI1に割り当てられている、HI1またはHI2のコンタクト箇所のガルバニックな分離を生じさせることができる。
【0053】
第1の態様によれば、HI2またはHI1の分離区間の延在は、HI2もしくはHI1の部分延在に沿って環状に延びる絶縁部を含んでいてよい。HI2もしくはHI1の部分延在は、各HAのHA2またはHA1に割り当てられている、HA1もしくはHA2のコンタクト箇所を基準とした、HAのHA2またはHA1の延在よりも短くてよい。各延在は、差し合わされている状態における差し合わせ方向において、長手方向軸線に沿って定められていてよい。たとえばHI2は、分離区間として絶縁部が環状に延在しているピンコンタクトを含んでいてよい。分離区間は、ピンコンタクトの(差し合わせ方向から見て)外側の部分長さを含んでいてよい。
【0054】
第2の態様によれば、HA1のLA1とHI1とは、長手方向軸線に沿って同軸に配置されていてよい。HI1は長手方向軸線に沿って、差し合わせ方向において、TA1の前に配置されていてよく、TA1は長手方向軸線に沿って、差し合わせ方向において、HA1のLA1の前に配置されていてよい。
【0055】
第2の態様によれば、HA1のTA1は環状の絶縁部を含んでいてよい。
【0056】
上述の各態様によれば、各HAのHA1またはHA2は、長手方向軸線に沿って、唯一のコンタクト箇所を有していてよい。択一的または付加的に、各HIのHI1またはHI2は、長手方向軸線に沿って、唯一のコンタクト箇所を有していてよい。
【0057】
本発明のさらなる特徴および利点を、以降で、添付の図面に関連して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1A】第1の態様による、メインコンタクト、補助コンタクト、電子的なスイッチングユニットおよびラインアセンブリの延長部を備えるプラグインコンタクト装置の実施例を示す図である。
図1B】第1の態様による、メインコンタクト、補助コンタクト、電子的なスイッチングユニットおよびラインアセンブリの延長部を備えるプラグインコンタクト装置の実施例を示す図である。
図2A】第2の態様による、第1のコンタクト半部が負荷コンタクト区間と補助コンタクト区間とを含んでいるメインコンタクト、電子的なスイッチングユニットおよびラインアセンブリの延長部を備えるプラグインコンタクト装置の実施例を示す図である。
図2B】第2の態様による、第1のコンタクト半部が負荷コンタクト区間と補助コンタクト区間とを含んでいるメインコンタクト、電子的なスイッチングユニットおよびラインアセンブリの延長部を備えるプラグインコンタクト装置の実施例を示す図である。
図3A図1Aおよび図1Bに示したプラグインコンタクト装置の実施例の例示的な切断過程を示す図である。
図3B図1Aおよび図1Bに示したプラグインコンタクト装置の実施例の例示的な切断過程を示す図である。
図4A図2Aおよび図2Bに示したプラグインコンタクト装置の実施例の例示的な切断過程を示す図である。
図4B図2Aおよび図2Bに示したプラグインコンタクト装置の実施例の例示的な切断過程を示す図である。
図4C図2Aおよび図2Bに示したプラグインコンタクト装置の実施例の例示的な切断過程を示す図である。
図5図1Bに示したプラグインコンタクト装置を拡張したマルチプラグインシステムとしてのプラグインコンタクト装置の第3の実施例を示す図である。
図6A】双方向の電子的なスイッチングユニットの実施例を示す図である。
図6B】双方向の電子的なスイッチングユニットの実施例を示す図である。
【0059】
図1Aおよび図1Bは、第1の態様による、ラインアセンブリの延長部を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧する、全体的に参照符号100が付けられているプラグインコンタクト装置の2つの実施例を示している。プラグインコンタクト装置100は、それぞれ1つのメインコンタクト(HA)112を備える、全体的に参照番号110が付けられている2つのプラグインコネクタを含んでおり、このメインコンタクト(HA)112は、ソケットコンタクトとして形成されている第1のコンタクト半部(HA1)112-1と、ピンコンタクトとして形成されている第2のコンタクト半部(HA2)112-2とを備えている。さらに各プラグインコネクタ110は、ソケットコンタクトとして形成されている第1のコンタクト半部(HI1)114-1と、ピンコンタクトとして形成されている第2のコンタクト半部(HI2)114-2とを備える補助コンタクト(HI)114を含んでいる。各プラグインコネクタのHA2 112-2とHI2 114-2とは、導電接続されている。第1のプラグインコネクタ110(図の右側)のHA1 112-1は、直流電流源130の極、好ましくは正極と導電接続されているかまたは導電接続可能である。第2のプラグインコネクタ110(図の左側)のHA2 112-2は、負荷140と接続されているかまたは接続可能である。さらに、第1のプラグインコネクタ110のHA2 112-2およびHI2 114-2は、ここでは例示的に延長ケーブルとして形成されているラインアセンブリの延長部300を用いて、第2のプラグインコネクタ110のHA1 112-1と導電接続されている。延長ケーブル300は、第1のプラグインコネクタ110の第2のプラグインコネクタ半部110-2と、第2のプラグインコネクタ110の第1のプラグインコネクタ半部110-1と、その導電接続部とを含んでいる。
【0060】
第1のプラグインコネクタ110(および任意選択的に第2のプラグインコネクタ110)は、第1のコンタクト半部WL1 150-1と第2のコンタクト半部WL2 150-2とを備える中継コンタクトWL150を含んでいる。第1の(および任意選択的に第2の)プラグインコネクタ110の第1のコンタクト半部WL1 150-1は、同じプラグインコネクタ110のHI1 114-1と導電接続されている。第1のプラグインコネクタ110のWL2 150-2は、延長ケーブル300を用いて、第2のプラグインコネクタ110のHI1 114-1(および任意選択的にWL1 150-1)と導電接続されている。各プラグインコネクタ110の対向極コンタクト116は、第1のコンタクト半部GE1 116-1と第2のコンタクト半部GE2 116-2とを含んでおり、ここで、第1のプラグインコネクタ110のGE2 116-2は、延長ケーブル300を用いて、第2のプラグインコネクタ110のGE1 116-1と導電接続されている。さらに、第1のプラグインコネクタ110のGE1 116-1は、直流電流源130の対向極、好ましくは負極と接続されているかまたは接続可能であり、かつ第2のプラグインコネクタ110のGE2 116-2は負荷140と接続されているかまたは接続可能である。
【0061】
電子的なスイッチングユニット120は、第1の端子122を介して、第1のプラグインコネクタ110のソケットコンタクト(HA1)112-1に並列接続されている。第1のプラグインコネクタ110のHI1 114-1およびWL1 150-1は、第2の端子124を介して、電子的なスイッチングユニット120と直列接続されている。プラグインコンタクト装置100は、図1Aおよび図1Bでは、差し合わされている状態Tで示されており、この差し合わされている状態Tでは、各プラグインコネクタ110のピンコンタクトHA2 112-2、WL2 150-2およびGE2 116-2が、各プラグインコネクタ110の各ソケットコンタクトHA1 112-1、WL1 150-1およびGE1 116-1と、各コンタクト箇所(HAの場合には113、HIの場合には115)を介して導電接続されている。各プラグインコネクタ110のピンコンタクト(HI2)114-2は、図1Aおよび図1Bに示されている、差し合わされている状態Tにおいて、環状の絶縁部を含んでいる分離区間117によって、各ソケットコンタクト(HI1)114-1のコンタクト箇所115からガルバニックに分離されている。
【0062】
図1Aおよび図1Bに示されている電子的なスイッチングユニット120はRC素子(「抵抗器 コンデンサ」)を含んでいる。RC素子は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)として形成されていてよい。択一的または付加的に、複数のRC素子、たとえば1つのIGBTと1つのMOSFETとが直列接続されていてもよい。さらに電子的なスイッチングユニット120は、任意選択的に整流器ブリッジ(図示されていない)を含んでいる。電流方向の反転によって、たとえば、ジェネレータとして動作する電気機械の制動エネルギを回生させることができる。
【0063】
図1Bに示されている実施例はさらに、各プラグインコネクタ110に対して、ソケットコンタクトとして形成されている第1のコンタクト半部PE1 118-1とピンコンタクトとして形成されている第2のコンタクト半部PE2 118-2とを備えるアースコンタクトPE118を含んでいる。第1のプラグインコネクタ110のPE2 118-2は、延長ケーブル300を用いて、第2のプラグインコネクタ110のPE1 118-1と導電接続されている。
【0064】
図1Aおよび図1Bは、プラグインコンタクト装置100を、それぞれ、差し合わされている状態Tにおいて示している。各プラグインコネクタのコンタクトHA112、(少なくとも第1のプラグインコネクタの)WL150、GE116および任意選択的にPE118は導電接続されている。各プラグインコネクタのコンタクトHI114は、分離区間117、たとえば環状の絶縁部を用いて、ガルバニックに分離されている。
【0065】
図1Aおよび図1Bの実施例は、補助コンタクト(「X導体」)114の分流としての使用を可能にするために、付加的な中継コンタクト150がプラグインコネクタにどのように統合されるべきかを示している。プラグインコネクタ110では、補助コンタクト114から付加的な中継コンタクト150への「Yタップ」によって、接続が形成される。図1Aおよび図1Bの実施例では、「Yタップ」は、第1のプラグインコネクタ110の補助コンタクト114のソケットコンタクト114-1および第1のプラグインコネクタ110の中継コンタクト150のソケットコンタクト150-1を含んでおり、これらは、電子的なスイッチングユニット120と電気的に接続されている。中継コンタクト150は、図1Aおよび図1Bに示されているように、(たとえばピンコンタクトの断面および/または長手方向軸線に関連して)同じプラグインコネクタ110のメインコンタクト112および/または対向コンタクト116よりも小さくてよい。ここで延長ケーブル300または装置がプラグインコネクタ110に差し込まれると、中継コンタクト150は、ピンコンタクトおよび付加的な線路(「心線」)を介して、(たとえば直流電流源130の方向から見て)後続のプラグインコネクタ110の補助コンタクト114に中継される。このような後続のプラグインコネクタ110における対応の「Yタップ」を介して、任意選択的に、中継コンタクト150は同様に再び、後続のプラグインコネクタ110でさらに使用可能となる(破線で示されている)。直列配置されたプラグインコネクタ110の補助コンタクト114は完全に差し込まれているので、補助コンタクト114は、絶縁された位置にあり(すなわち分離区間117は補助コンタクト114のコンタクト箇所115に当接しており)、したがって電子的な制御ユニット120からも、別の(たとえば直列接続されている)プラグインコネクタ110からも電気的に分離されている。複数のプラグインコネクタ110のうちの1つのプラグインコネクタ110が分離されると、対応の補助コンタクト114が導電位置に移行され、電子的な制御ユニット120と接続している状態にされる。次いで、電子的な制御ユニット120は、直列接続されている任意のプラグインコネクタ110の切断過程において、アーク放電を消弧する。さらに、中継コンタクトの特異性は、中継コンタクトが、たとえば直流電流源130と負荷140との間の通信を可能にするために、または状態に関する他の情報を取り次ぐために、信号コンタクト、通信コンタクトまたはデータコンタクトとして使用可能であることである。
【0066】
付加的な中継コンタクトを用いた補助コンタクトの分流としての使用は、図1Aおよび図1Bの実施例に示されているようなコンタクトにおいても、図2Aおよび図2Bの実施例に示されているような同軸コンタクトの使用においても、機能する。さらに、中継コンタクトが、補助コンタクトの分流としての使用のために、同様に、同軸コンタクトを用いて別のコンタクトと統合されていてもよい。
【0067】
図2Aおよび図2Bは、第2の態様による、ラインアセンブリの延長部を使用して、直流電流接続を切断するときまたは閉じるときのアーク放電を回避または消弧する、全体的に参照符号200が付けられているプラグインコンタクト装置の2つの実施例を示している。プラグインコンタクト装置200は、同軸ピンコンタクトとして形成されている第1のコンタクト半部(HA1)212-1と、ソケットコンタクトとして形成されている第2のコンタクト半部(HA2)212-2とを備えるそれぞれ1つのメインコンタクト(HA)212を備える、全体的に参照符号210が付けられている2つのプラグインコネクタを含んでいる。各プラグインコネクタ210のHA1 212-1は、負荷コンタクト区間(LA1)219と、補助コンタクト区間(HI1)214と、環状の絶縁部として形成されている分離区間(TA1)217とを含んでいる。HA212の長手方向軸線に沿った、差し合わせ方向において、各プラグインコネクタ210のHA1 212-1は、環状のTA1 217の前のHI1 214とともに同軸に形成されており、環状のTA1 217は同様に(外部に向かって配向されている)LA1 219の前に配置されている。各プラグインコネクタ210のLA1 219とHI1 214とは、各HA1 212-1の外面において、割り当てられているTA1 217の環状の絶縁部によってガルバニックに分離されている。さらに、各プラグインコネクタ210のLA1 219とHI1 214とは、軸方向で、同じまたは別の絶縁部によって分離されている。第1のプラグインコネクタ210のHA212のLA219は、極、好ましくは直流電流源230の正極と導電接続されているかまたは導電接続可能である。HA2 212-2のコンタクト箇所213を介して、第2のプラグインコネクタ210のLA219は、負荷240の割り当てられている極と接続されているかまたは接続可能である。
【0068】
電子的なスイッチングユニット220は、第1の端子222を介して、第1のプラグインコネクタ210のLA1 219に並列接続されている。第1のプラグインコネクタのHI 214は、第2の端子224を介して、電子的なスイッチングユニット220と直列接続されている。第2のプラグインコネクタ210のLA1 219は、第1のプラグインコネクタ210のHA2 212-2および第1のプラグインコネクタ210の中継コンタクト250の第2のコンタクト半部250-2と、ここでは例示的に延長ケーブルとして形成されている、ラインアセンブリの延長部400を介して導電接続されている。任意選択的に、第2のプラグインコネクタ210は同様に中継コンタクト250を含んでおり、この中継コンタクト250の第1のコンタクト半部250-1は、同じプラグインコネクタ210のHA1 214ならびに第1のプラグインコネクタ210のWL2 250-2と導電接続されている。
【0069】
プラグインコンタクト装置200は、図2Aおよび図2Bにおいて、2つのプラグインコネクタ210の差し合わされている状態Tにおいて示されており、この差し合わされている状態では、各ピンコンタクト212-1のLA1 219は、割り当てられているコンタクト箇所213を介して各ソケットコンタクト(HA2)212-2と導電接続されており、各HI1 214は、割り当てられているコンタクト箇所213から空間的に分離されている。各プラグインコネクタ210はさらに、第1のコンタクト半部GE1 216-1と第2のコンタクト半部GE2 216-2とを備える対向極コンタクト216を含んでいる。第1のプラグインコネクタ210のGE1 216-1は直流電流源230の対向極と導電接続されているかまたは導電接続可能であり、第2のプラグインコネクタ210のGE2 216-2は負荷240と導電接続されているかまたは導電接続可能である。第1のプラグインコネクタ210のGE2 216-2は、さらに延長ケーブル400を用いて、第2のプラグインコネクタ210のGE1 216-1と接続されている。
【0070】
各プラグインコネクタ210の第1の半部210-1はそれぞれ1つのHA1 212-1およびGE1 216-1を含んでおり、第1のプラグインコネクタ210(および任意選択的に第2のプラグインコネクタ210)の場合にはそれぞれ1つのWL1 250-1を含んでいる。各プラグインコネクタ210の第2の半部210-2は、それぞれ1つのHA2 212-2およびGE2 216-2を含んでおり、第1のプラグインコネクタ210(および任意選択的に第2のプラグインコネクタ210)の場合にはそれぞれ1つのWL2 250-2を含んでいる。第1のプラグインコネクタ210のGE2 216-2は、延長ケーブル400を用いて、第2のプラグインコネクタのGE1 216-1と導電接続されている。延長ケーブル400は、第1のプラグインコネクタ210の第2の半部210-2と、第2のプラグインコネクタ210の第1の半部210-1と、2つのプラグインコネクタ210のコンタクト間のすべての導電接続部とを含んでいる。
【0071】
図2Aおよび図2Bに示されているように、各GE1 216-1はピンコンタクトとして形成されていてよく、各GE2 216-2はソケットコンタクトとして形成されていてよい。択一的に、各プラグインコネクタ210は、ソケットコンタクトとして形成されているGE1 216-1とピンコンタクトとして形成されているGE2 216-2とを伴い、雌雄同体であってよい。
【0072】
図2Bに示されている実施例はさらに、各プラグインコネクタ210に対して、ソケットコンタクトとして形成されている第1のコンタクト半部PE1 218-1と、ピンコンタクトとして形成されている第2のコンタクト半部PE2 218-2とを備えるアースコンタクトPE218を有している。第1のプラグインコネクタ210のPE2 218-2は、延長ケーブル400を用いて第2のプラグインコネクタ210のPE1 218-1と導電接続されている。
【0073】
図2Aおよび図2Bに示されている実施例では、第1のプラグインコネクタ210のHA1 212-1のLA1 219は、直流電流源230の極、たとえば正極と接続されており、第2のプラグインコネクタ210のHA2 212-2は、負荷240の同じ極と接続されている。第1のプラグインコネクタ210のGE1 216-1は、直流電流源230の対向極、たとえば負極と接続されており、第2のプラグインコネクタ210のGE2 216-2は、負荷240の対応の極と接続されている。図2Aおよび図2Bには、通常動作時のプラグインコンタクト装置200が示されている。
【0074】
図2Aおよび図2Bに示されている電子的なスイッチングユニット220はRC(「抵抗器 コンデンサ」)素子を含んでいる。RC素子は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)または絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)として形成されていてよい。択一的または付加的に、複数のRC素子、たとえば1つのIGBTと1つのMOSFETとが直列接続されていてもよい。任意選択的には、電子的なスイッチングユニットは、さらに、直流電流システム内で双方向の電流の流れを可能にする整流器ブリッジ(図示されていない)を含んでいる。電流方向の反転によって、たとえば、ジェネレータとして動作する電気機械の制動エネルギを回生させることができる。
【0075】
図3Aおよび図3Bは、切断過程中の、第1の態様によるプラグインコネクタ110のHA112およびHI114をそれぞれ示している。図3Aは、たとえば直流電流接続の切断の際の、第1の中間状態Tにおける、プラグインコネクタ110のHA112およびHI114を示しており、第1の中間状態Tでは、HA1 112-1およびHA2 112-2も、HI1 114-1およびHI2 114-2も(各コンタクト箇所113もしくは115を介して)導電接続されている。電子的なスイッチングユニット120は、第1の中間状態Tでは受動的である。特に、電子的なスイッチングユニット120のRC素子の抵抗は、第1の中間状態Tにおいて高抵抗であってよい。
【0076】
図3Bは、第2の中間状態Tにおける、プラグインコネクタ110のHA112およびHI114を示しており、第2の中間状態Tでは、HA2 112-2がコンタクト箇所113から空間的に分離されていることによって、HA1 112-1とHA2 112-2とがガルバニックに分離されている。プラグインコネクタ110のHA2 112-2と、プラグインコネクタ110のHA1 112-1のコンタクト箇所113との間には、アーク放電が発生する。第1の端子122を介して、電子的なスイッチングユニット120が作動させられる。この作動によって、電子的なスイッチングユニット120(またはそのRC素子)が導通される。特に、RC素子は、第2の中間状態Tにおいて低抵抗であってよい。HI1 114-1およびHI2 114-2は、第2の中間状態Tにおいて、さらに、コンタクト箇所115を介して導電接続されている。直流電流はここで、直流電流源130から、電子的なスイッチングユニット120およびHI114を介して流れる。第2のプラグインコネクタ110が切断されると、電流の流れの中継が、図1Aおよび図1Bに示されている、差し合わされている状態Tにある第1のプラグインコネクタ110のWL150を介して行われる。好ましくは、電子的なスイッチングユニット120はタイミング素子を含んでおり、このタイミング素子によって、HI114を介する電流の流れが所定の期間の後で中断される。電流の流れの中断は、HI114、GE116およびPE118のガルバニックな分離の時間的に前に行われてよい。
【0077】
各プラグインコネクタの、任意選択的な(図示されていない)第3の中間状態では、コンタクトHA112、HI114、WL150およびGE116はガルバニックに分離されており、それに対して、アースコンタクトPE118は依然として導電接続されている。(図示されていない)解離されている状態Tでは、すべてのコンタクトHA112、HI114、WL150、GE116およびPE118がガルバニックに分離されている。解離されている状態Tでは、プラグインコネクタ110の2つのコンタクト半部110-1と110-2とが空間的に分離されていてよい。
【0078】
図4A図4Cは、切断過程中の、第2の態様によるプラグインコネクタ210のHA212をそれぞれ示している。図4Aは、第1の中間状態T’におけるプラグインコネクタ210のHA212を示しており、第1の中間状態T’では、HA1 212-1の、環状の絶縁部として形成されていてよい分離区間217が、HA2 212-2のコンタクト箇所213に当接している。LA1 219は、HA2 212-2からガルバニックに分離されている。LA1 219とHA2 212-2のコンタクト箇所213との間にはアーク放電が発生する。第1の端子222を介して、電子的なスイッチングユニット220が作動させられる。第2のプラグインコネクタ210が分離されると、図2Aおよび図2Bに示されている、差し合わされている状態Tにある第1のプラグインコネクタ210のWL250を介して電子的なスイッチングユニット220が作動させられる。この作動によって、電気的なスイッチングユニット220(またはそのRC素子)が導通される。任意選択的に、プラグインコネクタ210のHI1 214は、既に、コンタクト箇所213を介して、HA2 212-2と導電接続されている。
【0079】
図4Bは、第2の中間状態Tにおけるプラグインコネクタ210のHA212を示しており、この第2の中間状態Tにおいて補助コンタクト区間HI1 214は、HA2 212-2のコンタクト箇所213に当接している。環状絶縁部として形成されているTA1 217は、ソケットコンタクトHA2 212-2の外部に存在している。HI1 214は、コンタクト箇所213を介してHA2 212-2と導電接続されている。ここで、直流電流が、直流電流源230から、電子的なスイッチングユニット220、切断過程にあるプラグインコネクタ210のHI1 214およびHA2 212-2を介して流れる。第2のプラグインコネクタ210が分離されると、電流は、直流電源230から、図2Aおよび図2Bに示されている、差し合わされている状態Tにある、第1のプラグインコネクタ210のLA1 219を介して流れる。好ましくは、電子的なスイッチングユニット220はタイミング素子を含んでおり、このタイミング素子によって、切断過程にあるプラグインコネクタ210のHI1 214およびHA2 212-2を介する電流の流れが所定の期間の後で中断される。電流の流れの中断は、各プラグインコネクタ210の、HA2 212-2からのHI1 214のガルバニックな分離および/またはGE216のガルバニックな分離および/またはPE218のガルバニックな分離の時間的に前に行われ得る。電流の流れが中断された後、プラグインコネクタ210の第1の半部210-1と第2の半部210-2とが、アーク放電を伴わずに分離され得る。
【0080】
図4Cは、第2の中間状態Tから、解離されている状態Tへの移行におけるプラグインコネクタ210のHA212を示している。この移行は、第3の中間状態とも称され得る。HI1 214は、この状態において、HA2 212-2からガルバニックに分離される。さらに、GE216はガルバニックに分離されるが、アースコンタクトPE218は依然として導電接続されている。解離されている状態T(図示されていない)では、プラグインコネクタ210のすべてのコンタクトHA212(HI1 214もHA2 212-2のLA1 219も)、GE116およびPE118がガルバニックに分離されている。解離されている状態Tでは、プラグインコネクタ210の2つのコンタクト半部210-1と210-2とが空間的に分離されていてよい。
【0081】
補助コンタクト114または補助コンタクト区間214は、各実施例において、差し合わされている状態において、プラグインコネクタ110、210の別のコンタクト、特にメインコンタクト112、212および各対向コンタクト116、216からガルバニックに分離されている。したがって、システム内で短絡が生じる可能性はない。複数のストランドを並列に配置することも容易に可能である。
【0082】
図5は、プラグインコンタクト装置100を示しており、このプラグインコンタクト装置100では、それぞれ3つの第1のプラグインコネクタ110がラインアセンブリの延長部300、たとえば延長ケーブルを用いてそれぞれ第2のプラグインコネクタ110と接続されている。各プラグインコネクタ110と各延長ケーブル300とは、図1Bに示されている同じコンポーネントと同一構造であり、それぞれ差し合わされている状態Tにおいて示されている。各HI114は、差し合わされている状態Tにおいて、分離区間117によってガルバニックに分離されている。直流電流源130の側では、すべての第1のプラグインコネクタ110のHI114が点126において並列接続されており、これによって、第1のプラグインコネクタ110のすべてのHI114が、第2の端子124を介して1つの(共通の)電子的なスイッチングユニット120とのみ導電接続されている。(共通の)電子的なスイッチングユニット120は、すべての第1のプラグインコネクタ110の、点127において並列接続されているHA112と導電接続されている。すべての第1のプラグインコネクタ110のGE118は、点128において並列接続されている。
【0083】
複数の第1または第2のプラグインコネクタ110のうちの任意のプラグインコネクタ110が分離されると、(図3Aおよび図3Bを参照して説明したように)、属するHI114が、導電する第1の中間状態Tおよび第2の中間状態Tに移行され、電子的なスイッチングユニット120との接続が形成される。複数の第2のプラグインコネクタ110のうちの1つのプラグインコネクタ110が分離されると、属する延長ケーブル300および属する第1のプラグインコネクタ110のWL150を介して、電子的なスイッチングユニット120との接続が行われる。
【0084】
プラグインコンタクト装置100によって、特に、第1の態様による、補助コンタクトHI114の分離区間117および中継コンタクト150を用いた接続によって(または第2の態様による負荷コンタクト区間214と補助コンタクト区間219との間の分離区間217によって)、延長ケーブル300(または400)の使用時に、別の構成部品、特に第1のコンタクト半部HI1 114-1または補助コンタクト区間214内のまたは第1のコンタクト半部HI1 114-1または補助コンタクト区間214におけるダイオードを回避することができる。
【0085】
他の(差し合わされている)ストランドにおけるプラグインコネクタ110は、任意のプラグインコネクタ110の切断および属するHA112における結果として生じるアーク放電および属するHI114における電流の流れと関係を有していない。なぜなら、それらの各HI114は、さらに(共通の)電子的なスイッチングユニット120からガルバニックに分離されているからである。すなわち、通常動作においては、延長ケーブルを使用した場合であっても、種々のストランド間に短絡は存在しない。欧州特許第2742565号明細書に記載された問題と類似している問題は、複数のプラグインコネクタ110が種々異なるストランドにおいて同時に切断され得る場合にのみ生じる。2つの(またはそれより多くの)プラグインコネクタ110が、種々異なるストランド内で同時に引き抜かれる場合、これらの2つの(またそれより多くの)ストランドの間に短絡が発生する可能性がある。
【0086】
別の実施例(図示されていない)は、第2の態様による、複数のプラグインコネクタ210および複数のラインアセンブリの延長部400を伴うマルチプラグインシステムを含んでいる。
【0087】
(たとえば図5の実施例に示されている)マルチプラグインシステムは、建物設置レベルまでスケーリング可能である。これに対応して、電子的なスイッチングユニット(たとえばスイッチングユニット120)は、マルチプラグインシステムに組み込まれるのではなく、たとえば部屋またはフロアの分電盤に集約して組み込まれる。したがって、説明した補助コンタクト(たとえばHI114)は、付加的な線路を介して電子的なスイッチングユニット(たとえばスイッチングユニット120)と接続されなければならない。この線路は制御線路または信号線路ではないので、このような接続は「X導体」とも称され得る。
【0088】
図6Aおよび図6Bは、整流器ブリッジを含んでいる、双方向の電子的なスイッチングユニット120、220の2つの実施例を示している。整流器ブリッジは、第1の端子122、222を介してHA1 112-1もしくはLA1 219と接続可能であり、第2の端子124、224を介してHI1 114-1、214と接続可能である。
【0089】
整流器ブリッジの2つの別の(内側の)端子は、図6Aに示されている実施例において、半導体スイッチと、可変の抵抗を伴うRC素子との並列接続を介して相互に接続されており、半導体スイッチのインピーダンスは、制御信号(破線で示されている)によって変更され得る。整流器ブリッジのダイオードを介して、外部から(第1および第2の端子に)加えられる極性に関係なく、(2つの別の)内側の端子において、特有の極性が保証され、HA112(もしくはHA2 212-2およびLA1 219)およびHI114(もしくはHA2 212-2およびHI1 214)を通る双方向の電流の流れが可能になる。
【0090】
図6Bに示されている実施例では、電子的なスイッチングユニット120、220は逆極性接続防止部を含んでおり、逆極性接続防止部は、反対方向において相互に直列接続されている2つの半導体スイッチと、逆方向に並列接続されているそれぞれ1つのダイオードとを含んでいる(図6Bの左側)。それぞれ並列接続されているダイオードは、半導体スイッチの逆方向においてバイパスとして作用する。さらに、電子的なスイッチングユニット120、220は、図6Bにおいて、整流器ブリッジの2つの別の(内側の)端子同士を接続するトリガ回路を含んでいる(図6Bの右側)。トリガ回路は、外部から加えられる極性に関係して、(破線で示されている)制御信号を用いて、直列接続されている2つの半導体スイッチのうちの一方または両方の半導体スイッチのインピーダンスを変化させる(たとえば低減させる)。択一的に、ユニポーラ半導体スイッチを使用することもできる。
【0091】
電子的なスイッチングユニット(たとえばスイッチングユニット120)への給電線を延長することは、技術的なバックグラウンドを有する人には恐らく自明なことであり、それ自体は技術的に革新的なものではない。しかし、従来技術、たとえば欧州特許第2742565号明細書では、(たとえば、直流電流源側のソケットユニットと負荷側のプラグユニットとから成る)各プラグインコネクタに、ダイオードが、プラグインコネクタ内かまたは(制御線路として形成されている)補助線路内の少なくともどこかに装備されなければならない。本発明によるプラグインコンタクト装置(たとえばプラグインコンタクト装置100)では、これらのダイオードは、(絶縁性の)分離区間(たとえば分離区間117)を用いた、補助コンタクト(たとえばHI114)または補助コンタクト区間の確実なガルバニックな分離によって置き換えられる。この分離区間は、差し合わされている状態において、ピンコンタクトとソケットコンタクトとの相互の金属コンタクトパートナを相互に分離する。この場合、円形ピンおよび円形ソケットの形態での形成は、単に例にすぎない。したがって、絶縁体は、雌雄同体コンタクトの場合でも、またはフラットコンタクトの場合でも使用可能である。差し合わされている状態では、たとえば、第1の態様によるすべてのプラグインコネクタ(たとえばプラグインコネクタ110)の補助コンタクト(たとえばHI114)が、補助コンタクトの(絶縁されている)各分離区間(たとえば分離区間117)上で静止位置にあるので、これによって、種々異なるプラグインコネクタ間で短絡が生じることもない。同様に、第2の態様によるHI1 214は、静止位置において、HA2 212-2からガルバニックに分離されている。プラグインコネクタの切断過程ではじめて、電子的なスイッチングユニット(たとえばスイッチングユニット120)への導電接続が形成される。
【0092】
第1の態様による図1Aおよび図1B図3Aおよび図3Bならびに図5の実施例は、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネタに対して、HA1 112-1、HI1 114-1、WL1 150-1、GE1 116-1および任意選択的にPE1 118-1としてのソケットコンタクトと、HA2 112-2、HI 112-2、WL2 150-2、GE2 116-2および任意選択的にPE2 118-2としてのピンコンタクトとを有している。別の(図示されていない)実施例では、ピンコンタクトとソケットコンタクトとが交換されている。さらに、プラグインコネクタ半部の任意の雌雄同体の組み合わせが可能である。
【0093】
第2の態様による図2Aおよび図2Bならびに図4A図4Cの実施例は、少なくとも2つのプラグインコネクタの各プラグインコネタに対して、HA1 212-1、WL1 250-1、GE1 216-1および任意選択的にPE1 218-1としてのピンコンタクトと、HA2 212-2、WL2 250-2、GE2 216-2および任意選択的にPE2 218-2としてのソケットコンタクトとを有している。別の(図示されていない)実施例では、ピンコンタクトとソケットコンタクトとが交換されている。さらに、プラグインコネクタ半部の任意の雌雄同体の組み合わせが可能である。
【0094】
さらに、図1A図5のラインアセンブリの延長部300、400は、第1および第2のプラグインコネクタ110、210のそれぞれ相互に差し込み可能な半部によって示されている。プラグインコンタクト装置の別の可能な(図示されていない)実施例はラインアセンブリの少なくとも1つの延長部を含んでおり、この延長部は、第1の終端部において、第1の態様によるプラグインコネクタの半部を含んでおり、第2の終端部において、第1の態様によるプラグインコネクタの半部を含んでいる。択一的または付加的に、ラインアセンブリの延長部は、両終端部において、同じ態様(第1の態様または第2の態様)による2つの異なるプラグインコネクタ半部を含んでいてよい。第1の終端部は、選択的に、ラインアセンブリの(たとえば延長ケーブルとして形成されている)延長部の直流電流源側の終端部または負荷側の終端部に相応していてよい。このような延長ケーブルは、(たとえば2つのプラグインコネクタシステム間の)アダプタケーブルとも称され得る。
【0095】
本発明を、例示的な実施例に関連して説明してきたが、種々の変更を行うことができ、等価物を代替として用いることができることが、当業者には明らかである。さらに特定の状況または特定の材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を行うことが可能である。したがって、本発明は、開示された実施例に限定されず、添付の特許請求の範囲に記載されたすべての実施例を含んでいる。
【符号の説明】
【0096】
100,200 プラグインコンタクト装置
110,210 プラグインコネクタ
110-1,210-1 第1のプラグインコネクタ半部
110-2,210-2 第2のプラグインコネクタ半部
112,212 メインコンタクト(HA)
112-1,212-1 メインコンタクトの第1のコンタクト半部(HA1)
112-2,212-2 メインコンタクトの第2のコンタクト半部(HA2)
113,213 メインコンタクトのコンタクト箇所
114 補助コンタクト(HI)
114-1 補助コンタクトの第1のコンタクト半部(HI1)
114-2 補助コンタクトの第2のコンタクト半部(HI2)
115 補助コンタクトのコンタクト箇所
116,216 対向極コンタクト(GE)
116-1,216-1 対向極コンタクトの第1のコンタクト半部(GE1)
116-2,216-2 対向極コンタクトの第2のコンタクト半部(GE2)
117 補助コンタクトの分離区間
118,218 アースコンタクト(PE)
118-1,218-1 アースコンタクトの第1のコンタクト半部(PE1)
118-2,218-2 アースコンタクトの第2のコンタクト半部(PE2)
120,220 電子的なスイッチングユニット
122,222 第1の端子
124,224 第2の端子
126 補助コンタクトの並列接続
127 メインコンタクトの並列接続
128 対向極コンタクトの並列接続
130,230 直流電流源
140,240 負荷
150,250 中継コンタクト(WL)
150-1,250-1 中継コンタクトの第1のコンタクト半部(WL1)
150-2,250-2 中継コンタクトの第2のコンタクト半部(WL2)
214 第1の補助コンタクト区間(HI1)
219 負荷コンタクト区間(LA1)
217 分離区間(TA1)
300,400 延長ケーブル
差し合わされている状態
,T’ 第1の中間状態
第2の中間状態
解離されている状態
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B