(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】検出機構、ラジオ波焼灼カテーテルおよびラジオ波焼灼システム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A61B18/12
(21)【出願番号】P 2022540624
(86)(22)【出願日】2020-09-29
(86)【国際出願番号】 CN2020118646
(87)【国際公開番号】W WO2021135461
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】201911403441.5
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521106773
【氏名又は名称】杭州▲くん▼博生物科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU BRONCUS MEDICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 801, Floor 8, Building 8, No. 88 Jiangling Road, Xixing Street, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang 310051, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王礼明
(72)【発明者】
【氏名】徐宏
(72)【発明者】
【氏名】周華珍
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105434040(CN,A)
【文献】特開平10-024049(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0080409(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジオ波焼灼カテーテル用の検出機構であって、固定ベース、牽引ワイヤ、接続ベース、および複数の検出電極を備え、前記複数の検出電極は爪状構成で配置され、
前記検出機構は、前記検出電極により、前記検出電極の周囲の温度またはインピーダンスを検出し、
前記固定ベースには複数の装着穴が設けられ、各前記検出電極はそれぞれ前記装着穴を通り、前記固定ベースに固定して接続され、
前記牽引ワイヤの遠位端は前記固定ベースに固定して装着され、
前記接続ベースには複数のガイド穴が設けられ、隣接するガイド穴の開口部の延設方向は同じであり、各前記検出電極はそれぞれ前記ガイド穴を通り、前記ガイド穴は前記検出電極を前記接続ベースから外に分散して差し出させるためであり、
前記接続ベースは、前記ラジオ波焼灼カテーテルの針管部の第1の管スリーブと前記針管部の第2の管スリーブの間に装着され、前記固定ベースは、前記接続ベースの近位端に位置し、前記固定ベースは、前記第1の管スリーブ内にスライド可能に装着され、
前記牽引ワイヤの近位端は、前記ラジオ波焼灼カテーテルのハンドル部のスライドボタンに固定して装着され、前記第1の管スリーブ内で前記固定ベースをスライドし、
各前記検出電極は、第1のセグメント、第2のセグメントおよび第3のセグメントを含み、前記第2のセグメントと前記第1のセグメントとの間の夾角は鈍角であり、前記第3のセグメントと前記第2のセグメントとの間の夾角は鈍角であるので、前記検出電極は前記接続ベースから分散して差し出す場合、開いた状態で分布し、且つ各前記検出電極の遠位端は
同一平面にある、ことを特徴とする検出機構。
【請求項2】
前記検出機構は固定リングをさらに備え、前記固定リングの遠位端が前記検出電極に固定して配置され、前記固定リングの近位端が外部に接続のリード線と接続し、前記リード線と前記検出電極とを電気的に接続するためであること、或いは
隣接する前記ガイド穴の間の間隔が同じであること
、ことを特徴とする請求項1に記載の検出機構。
【請求項3】
ラジオ波焼灼カテーテルであって、
前記ハンドル部、
前記針管部、中心電極、および
請求項2に記載の検出機構を含み、
前記針管部は、
前記第1の管スリーブおよび
前記第2の管スリーブを備え、
前記固定リング、前記複数の検出電極はともに前記第1の管スリーブ内に配置され、
前記ハンドル部は、筒スリーブおよび
前記スライドボタンを備え、
前記スライドボタンはスライド可能に前記筒スリーブに装着され、
前記中心電極は、電極本体、電極リード線、および電極コネクタを備え、
前記電極本体は前記第2の管スリーブの遠位端に設けられ、前記電極リード線の遠位端は前記電極本体に電気的に導通して、前記電極リード線は前記筒スリーブ、前記第1の管スリーブおよび前記第2の管スリーブを通り、前記電極リード線の近位端は前記電極コネクタに電気的に導通して、前記電極コネクタは前記筒スリーブの
近位端に位置する、ことを特徴とするラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項4】
前記ラジオ波焼灼カテーテルはさらに、液体注入コネクタおよび液体注入チューブを備え、
前記液体注入チューブは、前記筒スリーブ、前記固定ベース、および接続ベースを通り、前記電極本体には液体進入穴が設けられ、前記液体注入チューブの遠位端は液体進入穴と連通しており、
前記液体注入コネクタは、前記液体注入チューブの近位端に、且つ前記筒スリーブの外側に配置される、ことを特徴とする請求項3に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項5】
前記電極本体
の内部にはスプレーホールチャネルが設けられ、
2組の前記スプレーホールチャネルは十字形に分布し、2組の前記スプレーホールチャネルは前記液体進入穴と連通
し、前記スプレーホールチャネルは前記液体進入穴の処の液体を分散して放出するためである、ことを特徴とする請求項4に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項6】
前記電極本体の外側に浸潤カバーが設けられ、前記浸潤カバー
の表面には長方形のアレイに分布された複数の浸潤穴を備え、各列の浸潤穴の口径は近位端から遠位端に向かって徐々に減少
し、前記複数の浸潤穴は前記スプレーホールチャネルと連通し、前記浸潤カバーと前記電極本体の表面との間にはギャップがあり、前記スプレーホールチャネル内の液体は、前記ギャップを通って前記浸潤カバーを通って流れ、前記複数の浸潤穴を通って流出する、ことを特徴とする請求項5に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項7】
前記電極本体はシリンダ状部およびテーパ状部を備え、前記テーパ状部は前記シリンダ状部の遠位端に配置され、前記浸潤カバーは前記シリンダ状部に外装される、ことを特徴とする請求項6に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項8】
前記電極本体内には温度センサおよび信号ガイドチューブが設けられており、前記電極本体には配線穴が設けられ、前記温度センサは前記テーパ状部内に配置され、前記信号ガイドチューブは前記配線穴を通り、前記信号ガイドチューブの外側には絶縁層が設けられ、前記信号ガイドチューブの遠位端は前記温度センサに電気的に導通し、前記信号ガイドチューブの近位端は前記電極コネクタに電気的に導通していること、或いは
前記電極本体
の近位端には係止溝が設けられ、前記第2の管スリーブ
の外壁は前記係止溝に
挿入されること、或いは
前記浸潤カバーは耐高温性の絶縁材料で作られること、或いは
前記第2の管スリーブには内ねじが設けられ、前記接続ベースには外ねじが設けられ、前記第2の管スリーブと前記接続ベースとはねじで接続されること、或いは
前記第1の管スリーブには皿穴が設けられ、前記接続ベースの近位端にはねじ穴が設けられ、前記第1の管スリーブと前記接続ベースとはねじボルトで固定されること、或いは
前記接続ベースは液体進入穴を備え、前記液体進入穴は前記接続ベースの中心線に配置され、前記液体進入穴は前記液体注入チューブが通るためであり、前記ガイド穴は前記液体進入穴を中心にして対称的に分布しており、前記ガイド穴は直線状セグメントと円弧状セグメントを備え、前記円弧状セグメントは前記直線状セグメントの遠位端に配置されること、或いは
前記複数の検出電極は中空チューブ部材であること、或いは
各前記検出電極の第1のセグメントの外側には絶縁層が外装されること、或いは各前記検出電極の第2のセグメントの外側には絶縁層が外装されること、或いは
前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントは直線状セグメントであり、前記第3のセグメントは円弧状セグメントであること、或いは
前記固定ベースの
表面には
前記固定ベースの軸方向に沿って二つの第1の溝が設けられ、前記牽引ワイヤの遠位端には係止ブロックが設けられ、前記牽引ワイヤを前記固定ベースに固定して接続するように、前記係止ブロックは前記第1の溝に係止されること、或いは
前記固定ベースは電気セラミック製であること、或いは
前記検出電極の差し出し長さを制限するように、前記固定リングと前記固定ベースとは締まりばめされていること、或いは
前記固定リングはシリコーンゴム製であり、前記固定リングは中空のシリンダーであ
ること、
を特徴とする請求項
7に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項9】
前記ガイド穴の直線状セグメントの内側壁には滑り止め用模様が設けられること、或いは各前記円弧状セグメントの内側壁には耐摩耗パッドが設けられ、前記耐摩耗パッドはゴム製であること、或いは
前記接続ベースはガラス繊維材料で作られること、或いは
前記接続ベースの近位端には装着柱が設けられ、前記装着柱にバネが
外装され、前記固定ベースが前記接続ベースに向かって移動するとき、前記バネの遠位端は前記接続ベースに当接し、前記バネの近位端は前記固定ベースに当接することを特徴とする請求項
8に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項10】
前記固定リングの両端にはクッションが設けられている場合、前記クッションは弾性ゴム材料で作られる、ことを特徴とする請求項
8に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項11】
前記固定ベースは、互いに継ぎ合わせるメスの固定ベースとオスの固定ベースを備える、ことを特徴とする請求項3に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項12】
前記メスの固定ベースと前記オスの固定ベースはヒンジ軸でヒンジ結合される、ことを特徴とする請求項
11に記載のラジオ波焼灼カテーテル。
【請求項13】
ラジオ波焼灼システムにおいて、請求項3ないし請求項
12の何れか1項に記載のラジオ波焼灼カテーテルを含む、ことを特徴とするラジオ波焼灼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、医療機器の分野に関し、特に検出機構、ラジオ波焼灼カテーテルおよびラジオ波焼灼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ波焼灼術は肺の治療手術で広く使用されている。本文でラジオ波とは無線周波数のことであるが、無線通信の周波数帯の区分には属していない。生体への主な作用は熱効果である。ラジオ波の電流の周波数が一定の値(>100kHz)に達すると、組織内の荷電イオンの運動、つまり摩擦熱(60℃~100℃)は引き起こされる。ラジオ波焼灼装置においてよく使用される周波数は200~500kHzで、出力電力は100~400kHzである。焼灼電極は、凝固壊死のサイズと形状に直接影響するので、ラジオ波焼灼システムのコアコンポーネントになる。理想的な凝固ゾーンの形状は、球形または扁平な球形である。B-超音波またはCTのガイダンスに従い、多針電極を腫瘍組織塊に直接刺し入れ、ラジオ波電極針は組織内の温度を60℃以上にし、細胞を死亡させ、壊死領域を生成させることができる。局所の組織温度が100℃を超えると、腫瘍組織および周囲の器官のマトリックスに凝固壊死が発生するするので、治療中に大きな球形の凝固壊死領域が生成することができる。凝固壊死領域以外には、 43-60℃の熱治療区域もあり、この区域内で、癌細胞を殺すことができるが、正常細胞を回復することができる。
【0003】
治療中、ラジオ波電極を人体組織に差し入れ、ラジオ波電極を通って病巣の部位に電流を流し、ラジオ波電極で大量の熱が発生する。たとえば、病巣の部位おける温度が40℃~60℃に達して一定の時間に維持した後、当該病巣部位に対した焼灼が完了する。しかしながら、従来のラジオ波焼灼システムでは、ラジオ波電極の近くの温度などのラジオ波電極の動作状態情報を判断することができないので、手術中、医師の経験に基づいて、焼灼手術の進展を判断し、操作を調整することしかできなく、手術の難易度と精度が増えてしまう。したがって、焼灼が完了したかどうかを正確に判断できるラジオ波焼灼システムをどのように提供するかは、当技術分野で解決されるべき緊急の問題である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、検出機構、ラジオ波焼灼カテーテルおよびラジオ波焼灼システムを提供することにあり、ラジオ波焼灼中に、ハンドルのスライドボタンを前後に押すことで、検出電極の開閉を制御できるので、電極本体の位置を補助的に位置決めすることが実現れれるだけでなく、検出電極を介して電極本体周辺の状況を把握することもできる。
【0005】
本開示の実施形態はラジオ波焼灼カテーテル用の検出機構を提供し、前記検出機構は、固定ベース、牽引ワイヤ、接続ベース、および複数の検出電極を備え、前記複数の検出電極は爪状構成で配置され、
前記固定ベースは、前記ラジオ波焼灼カテーテル内にスライド可能に装着されるためであり、
前記固定ベースには複数の装着穴が設けられ、各前記検出電極はそれぞれ前記装着穴を通り、前記固定ベースに固定して接続され、
前記牽引ワイヤの遠位端は前記固定ベースに固定して装着され、前記牽引ワイヤの近位端はラジオ波焼灼カテーテルのスライドボタンに固定して装着されるためであり、
前記接続ベースは、前記ラジオ波焼灼カテーテル内に固定して装着されるためであり、
前記接続ベースには複数のガイド穴が設けられ、隣接するガイド穴の開口部の延設方向は同じであり、各前記検出電極はそれぞれ前記ガイド穴を通り、前記ガイド穴は前記検出電極を前記接続ベースから外に分散して差し出させるためであり、
各前記検出電極は、第1のセグメント、第2のセグメントおよび第3のセグメントを含み、前記第2のセグメントと前記第1のセグメントとの間の夾角は鈍角であり、前記第3のセグメントと前記第2のセグメントとの間の夾角は鈍角であるので、前記検出電極は前記接続ベースから分散して差し出す場合、開いた状態で分散し、且つ各前記検出電極の遠位端は同じ緯度にある。
【0006】
可能な案では、当該検出機構は、固定リングをさらに備え、前記固定リングの遠位端が前記検出電極に固定して配置され、前記リード線と前記検出電極とを電気的に接続する。
【0007】
可能な案では、当該検出機構の隣接する前記ガイド穴の間の間隔が同じである。
【0008】
可能な案では、当該検出機構の対向する前記ガイド穴の間の間隔が異なる。
【0009】
本開示の実施形態は、ラジオ波焼灼カテーテルを提供し、当該ラジオ波焼灼カテーテルは、ハンドル部、針管部、中心電極および以上の何れか1項に記載の検出機構を含み、
前記針管部は、第1の管スリーブおよび第2の管スリーブを含み、
前記接続ベースは具体的に、前記第1の管スリーブと前記第2の管スリーブの間に装着され、前記固定ベースは具体的に、前記第1の管スリーブ内にスライド可能に装着され、且つ前記固定リング、前記複数の検出電極はともに前記第1の管スリーブ内に配置され、
前記ハンドル部は、筒スリーブおよびスライドボタンを含み、
前記スライドボタンはスライド可能に前記筒スリーブに装着され、
前記牽引ワイヤの近位端は前記スライドボタンに固定して装着され、
前記中心電極は、電極本体、電極リード線、および電極コネクタを含み、
前記電極本体は前記第2の管スリーブの遠位端に設けられ、前記電極リード線の遠位端は前記電極本体に電気的に導通して、前記電極リード線は前記筒スリーブ、前記第1の管スリーブおよび前記第2の管スリーブを貫通し、前記電極リード線の近位端は前記電極コネクタに電気的に導通して、前記電極コネクタは前記筒スリーブの外側に配置される。
【0010】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルはさらに、液体注入コネクタおよび前記液体注入チューブを備え、前記液体注入チューブは、前記筒スリーブ、前記固定ベース、および接続ベースを貫通し、前記電極本体には液体進入穴が設けられ、前記液体注入チューブの遠位端は液体進入穴と連通しており、
前記液体注入コネクタは、前記液体注入チューブの近位端に、且つ前記筒スリーブの外側に配置される。
【0011】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記電極本体にはスプレーホールチャネルが設けられ、前記スプレーホールチャネルは前記液体進入穴と連通され、前記スプレーホールチャネルは前記液体進入穴の処の液体を分散して放出するためである。
【0012】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記電極本体の外側に浸潤カバーが設けられ、前記浸潤カバーは長方形のアレイに分布された複数の浸潤穴を備え、各列の浸潤穴の口径は近位端から遠位端に向かって徐々に減少する。
【0013】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記浸潤穴と前記スプレーホールチャネルとは位置ずれて配置される。
【0014】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記電極本体はシリンダ状部およびテーパ状部を備え、前記テーパ状部は前記シリンダ状部の遠位端に配置され、前記浸潤カバーは前記シリンダ状部に外装される。
【0015】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記電極本体内には温度センサおよび信号ガイドチューブが設けられており、
前記電極本体には配線穴が設けられ、前記温度センサは前記テーパ状部内に配置され、前記信号ガイドチューブは前記配線穴を貫通し、前記信号ガイドチューブの外側には絶縁層が設けられ、前記信号ガイドチューブの遠位端は前記温度センサに電気的に導通し、前記信号ガイドチューブの近位端は前記電極コネクタに電気的に導通している。
【0016】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記電極本体には係止溝が設けられ、前記第2の管スリーブは前記係止溝に係止される。
【0017】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記浸潤カバーは耐高温性の絶縁材料で作られる。
【0018】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの電極本体の材料は繊維材質である。
【0019】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記第2の管スリーブには内ねじが設けられ、前記接続ベースには外ねじが設けられ、前記第2の管スリーブと前記接続ベースとはねじで接続される。
【0020】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記第1の管スリーブには皿穴が設けられ、前記接続ベースの近位端にはねじ穴が設けられ、前記第1の管スリーブと前記接続ベースとはねじボルトで固定される。
【0021】
可能な案では、前記接続ベースは液体進入穴を備え、前記液体進入穴は前記接続ベースの中心線に配置され、前記液体進入穴は前記液体注入チューブが貫通するためであり、前記ガイド穴は前記液体進入穴を中心にして対称的に分布しており、前記ガイド穴は直線状セグメントと円弧状セグメントを備え、前記円弧状セグメントは前記直線状セグメントの遠位端に配置される。
【0022】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記ガイド穴の直線状セグメントの内側壁には滑り止め用模様が設けられる。
【0023】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの各前記円弧状セグメントの内側壁には耐摩耗パッドが設けられ、前記耐摩耗パッドはゴム製である。
【0024】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記接続ベースはガラス繊維材料で作られる。
【0025】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記接続ベースの近位端には装着柱が設けられ、前記装着柱にバネが設けられ、前記固定ベースが前記接続ベースに向かって移動するとき、前記バネの遠位端は前記接続ベースに当接し、前記バネの近位端は前記固定ベースに当接する。
【0026】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記複数の検出電極は中空チューブ部材である。
【0027】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの各前記検出電極の第1のセグメントの外側には絶縁層が外装される。
【0028】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの各前記検出電極の第2のセグメントの外側には絶縁層が外装される。
【0029】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの各前記電極の前記第1のセグメントおよび前記第2のセグメントは直線状セグメントであり、前記第3のセグメントは円弧状セグメントである。
【0030】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記固定ベースの両側には第1の溝が設けられ、前記牽引ワイヤの遠位端には係止ブロックが設けられ、前記牽引ワイヤを前記固定ベースに固定して接続するように、前記係止ブロックは前記第1の溝に係止される。
【0031】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記固定ベースは電気セラミック製である。
【0032】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記検出電極の差し出し長さを制限するように、前記固定リングと前記固定ベースとは締まりばめされている。
【0033】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記固定リングはシリコーンゴム製である。
【0034】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記固定リングは中空のシリンダーであり、且つ前記固定リングにはスプリットが設けられている。
【0035】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記固定リングの両端にはクッションが設けられている。
【0036】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記クッションは弾性ゴム材料で作られる。
【0037】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記固定ベースは、互いに継ぎ合わせるメスの固定ベースとオスの固定ベースを備える。
【0038】
可能な案では、当該ラジオ波焼灼カテーテルの前記メスの固定ベースと前記オスの固定ベースはヒンジ軸でヒンジ結合される。
【0039】
本開示の実施形態は、上記の任意の可能の案に記載のラジオ波焼灼カテーテルを含むラジオ波焼灼システムをさらに提供する。
【0040】
上記の案からわかるように、本開示の検出機構、ラジオ波焼灼カテーテルおよびラジオ波焼灼システムは、ハンドル部、針管部、中心電極および検出機構を含む。針管部は、第1の管スリーブおよび第2の管スリーブを備え、ハンドル部は、筒スリーブおよびスライドボタンを備え、中心電極は、電極本体、電極リード線、および電極コネクタを備え、検出機構は、固定リング、固定ベース、牽引ワイヤ、接続ベース、および複数の検出電極を備え、前記複数の検出電極は爪状構成で配置される。本開示の検出機構、ラジオ波焼灼カテーテルおよびラジオ波焼灼システムにおいて、使用者に準じて、使用者に近い一端は近位端であり、使用者から離れる一端は遠位端である。接続ベースは第1の管スリーブと第2の管スリーブの間に装着され、固定ベース、固定リング、複数の検出電極はともに第1の管スリーブ内に配置され、固定ベースは第1の管スリーブ内でスライドすることができ、固定リングは検出電極に固定され、検出電極は固定ベースに貫設される。検出電極は接続ベース内でスライドすることができ、且つ検出電極は接続ベースから差し出す場合、検出電極は開いた状態で分布し、且つ同じ緯度にある。スライドボタンは筒スリーブの表面でスライドすることができ、牽引ワイヤの近位端はスライドボタンに固定され、牽引ワイヤの遠位端は固定ベースに固定される。電極本体は第2の管スリーブの遠位端に位置し、電極リード線の遠位端は電極本体内に固定され且つ電気的に導通して、電極リード線の近位端は電極コネクタに電気的に導通して、電極コネクタは筒スリーブの外側に配置される。複数の検出電極は接続ベース、固定ベース、牽引ワイヤによって、針管部で押し込まれたり押し出されたりすることができる。検出のために検出電極を針管部から押し出す必要がある場合は、スライドボタンを遠位端へ押して、スライドボタンが牽引ワイヤを駆動し固定ベースを駆動して遠位端へ押す。このとき、固定ベースに固定された検出電極は、固定ベースの原因で遠位端へ進むので、検出電極も遠位端へ押されることで、もともと接続ベースに収められた検出電極を針管部から押し出した。検出電極を使用して検出を行う必要がない場合、スライドボタンを近位端へ取り戻すだけで、スライドボタンが牽引ワイヤを駆動し、牽引ワイヤが固定ベースを引っ張って固定ベースにおける検出電極を引き戻す。このとき、もともと針管部の外側に位置した検出電極は接続ベースの内側に再び取り戻される。スライドボタンの駆動で、固定ベースおよび牽引ワイヤを駆動し、結果として、検出電極の押し出しおよび取り戻しが実現され、使用者が手術中に検出電極を制御するのを便利にする。ラジオ波焼灼中に、ハンドルのスライドボタンを前後に押すことで、検出電極の開閉を制御できるので、電極本体の位置を補助的に位置決めすることが実現されるだけでなく、検出電極を介して電極本体周辺の状況を把握し、さらに焼灼の進展を判断することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示の実施形態或いは従来の技術案をより明確に説明するために、以下に、実施形態或いは従来の説明に使用される添付の図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施形態にすぎない。当業者は、これらの図面に基づいて、創造的な労働をかけずに他の図面を取得することができる。
【
図1】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの全体構成の概略図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態における針管部の部分拡大図である。
【
図3】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの固定ベースと固定リングの接続図である。
【
図4】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの固定ベースの構成の概略図である。
【
図5】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの接続ベースとバネの位置の概略図である。
【
図6】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの接続ベースの第1の断面図である。
【
図7】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの接続ベースの第2の断面図である。
【
図8】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの浸潤カバーの全体構成の概略図である。
【
図9】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの浸潤カバーの断面図である。
【
図10】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの第2の管スリーブと浸潤カバーの接続の概略図である。
【
図11】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの固定ベースの左側面図である。
【
図12】本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの
検出電極の構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示の実施形態の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下に、本開示の実施形態における技術案は、本開示の実施形態における添付の図面を参照して明確かつ完全に説明される。明らかに、説明される実施形態は、本開示の実施形態の一部であり、すべての実施形態にではない。本開示の実施形態に基づいて、創造的な労働なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本開示の保護範囲に含まれる。
【0043】
本開示の説明において、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」 、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「円周方向」などの用語で示される方向または位置の関係は、図面に基づいて示される方向または位置の関係であり、本発明を説明し、説明を簡略化するためにのみ、示された装置または要素が特定の方向を有し、特定の方向で構築および動作されなければならないことは示されていないか、または暗示されていないので、本発明の限定とは理解されない。
【0044】
本開示において、他に明示的に指定および限定されない限り、「装着」、「結び」、「接続」、「固定」および他の用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、特に明示的に定義されていない限り、それは固定接続または取り外し可能な接続、統合することもできき、機械的接続、電気的接続、または通信接続にすることができ、直接接続または中間媒体を介した間接接続にすることができ、2つのコンポーネント内部における連通または2つのコンポーネントの相互作用にすることができる。当業者にとって、本開示における上記の用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。本開示の技術案は、特定の例を用いて以下に詳細に説明される。以下のいくつかの特定の実施形態は、互いに組み合わせることができ、同じまたは類似の概念またはプロセスを、いくつかの実施形態で繰り返さないこともある。
【0045】
図1は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの全体構成の概略図である。
図2は、本開示の第1の実施形態における針管部の部分拡大図である。
図3は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの固定ベースと固定リングの接続図である。
図4は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの固定ベースの構成の概略図である。
図5は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの接続ベースとバネの位置の概略図である。
図6は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの接続ベースの第1の断面図である。
図7は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの接続ベースの第2の断面図である。
図8は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの浸潤カバーの全体構成の概略図である。
図9は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの浸潤カバーの断面図である。
図10は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの第2の管スリーブと浸潤カバーの接続の概略図である。
図11は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの固定ベースの左側面図である。
図12は、本開示の第1の実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルの
検出電極の構成の概略図である。
【0046】
図1に示される本実施形態におけるラジオ波焼灼カテーテルは、ハンドル部2、針管部1、中心電極3、および検出機構を含む。針管部1は、第1の管スリーブ11および第2の管スリーブ12を備え、ハンドル部2は、筒スリーブ21およびスライドボタン22を備え、中心電極3は、電極本体31、電極リード線26、および電極コネクタ23を備え、検出機構は、固定リング4、固定ベース5、牽引ワイヤ(図示せず)、接続ベース6、および複数の
検出電極7を備え
、前記複数の検出電極7は爪状構成で配置される。使用者に準じて、使用者に近い一端は近位端であり、使用者から離れる一端は遠位端である。ラジオ波焼灼カテーテルは、近くから遠くまで順番に、筒スリーブ21、第1の管スリーブ11、固定リング4、固定ベース5、接続ベース6、第2の管スリーブ12および中心電極3である。筒スリーブ21は針管部1の近位端に位置し、第1の管スリーブ11は筒スリーブ21の遠位端に外装され、電極コネクタ23は筒スリーブ21の近位端に位置し、電極リード線26の近位端は電極コネクタ23に電気的に接続され、電極リード線26の遠位端は電極本体31内に挿入され、且つ電極本体31に電気的に接続される。電極本体31は針管部1の近位端に位置し、且つ第2の管スリーブ12の遠位端に固定される。電極本体31は繊維材質である。電極リード線26は、それぞれ筒スリーブ21、第1の管スリーブ11、固定ベース5、接続ベース6、第2の管スリーブ12および中心電極31を貫通する。
【0047】
図12に示されるように、
検出電極7は、第1のセグメント71、第2のセグメント72、および第3のセグメント73を含む。第1のセグメント71は近位端で、第2のセグメント72は中間で、第3のセグメント73は遠位端であり、第1のセグメント71と第2のセグメント72とは鈍角となり、第2のセグメント72と第3のセグメント73とは鈍角となる。
検出電極は、接触位置でのインピーダンス値を取得することができる。または、
検出電極自体は、
検出電極の周囲の最高温度を取得するために感熱材料で作られている。つまり、
検出電極により、当該検出装置は
検出電極の部位の温度またはインピーダンスを検出し、さらに焼灼の進展を判断することができる。
【0048】
図4に示すように、固定ベース5は、第1の管スリーブ11内に配置され、固定ベース5は、第1の管スリーブ11内でスライドすることができる。固定ベース5には4つの装着穴51があり、4つの装着穴51は、
検出電極7を固定するためである。任意選択で、接着剤を分配することにより、
検出電極7を装着穴51に固定して装着する。すなわち、
検出電極7は、接着剤によって装着穴51に固定して設けられる。あるいは、溶接により、
検出電極7を装着穴51に固定して装着する。すなわち、
検出電極7は、装着穴51に溶接される。固定ベース5の中心線に貫通穴52が設けられており、4つの装着穴51が貫通穴52を中心に対称して分布される。貫通穴52は、信号ガイドチューブおよび液体注入チューブ25に使用される。牽引ワイヤ(図示せず)は固定ベース5の遠位端に固定されている。
【0049】
図3に示すように、固定リング4は第1の管スリーブ11内に配置され、固定リング4は固定ベース5の近位端に配置され、固定リング4の遠位端は
検出電極7に固定され、固定リング4の近位端は外部に接続のリード線を固定するためであり、前記リード線と前記
検出電極とを電気的に接続する。外部に接続のリード線は筒スリーブ21および第1の管スリーブ11を貫通し、外部に接続のリード線の近位端は電極コネクタ23に固定され、外部に接続のリード線の遠位端は固定リング4に固定され、
検出電極7の第1のセグメント71は固定ベース5を貫通して外へ出て、固定リング4の内部に入り、外部に接続のリード線の遠位端は固定リング4の近位端から固定リング4の内部に入る。固定リング4において、
検出電極7の第1のセグメント71は、外部に接続のリード線の遠位端と接触して、電気接続を形成する。電極コネクタ23は外部のラジオ波焼灼システムに接続され、電流は外部に接続のリード線を介して
検出電極7に伝達され、次いで電流は
検出電極7を介して人体組織に放出される。スライドボタン22は、筒スリーブ21の表面に装着され、スライドボタン22は、筒スリーブ21の表面上をスライドすることができる。牽引ワイヤ(図示せず)の遠位端は固定ベース5に固定され、牽引ワイヤ(図示せず)の近位端はスライドボタン22に固定される。スライドボタン22が前後に押すことにより、牽引ワイヤを前後に駆動する。牽引ワイヤの一端が固定ベース5に固定されているため、牽引ワイヤ(図示せず)が固定ベース5を駆動して第1の管スリーブ11でスライドする。
検出電極7は固定ベース5内に固定される。固定ベース5が前後にスライドするため、固定ベース5内に固定された
検出電極7も固定ベース5と共に前後にスライドする。任意選択で、
検出電極7は、接着剤を介して固定ベース5と固定的に接続され、1つの運動全体となる。
【0050】
図7に示すように、接続ベース6は、第1の管スリーブ11と第2の管スリーブ12との間に配置され、第1の管スリーブ11および第2の管スリーブ12は、接続ベース6の近位端および遠位端にそれぞれ固定されている。接続ベース6には4つのガイド穴61があり、隣接する2つのガイド穴61のそれぞれの開口部の延在方向は同じである。4つのガイド穴61は、それぞれ接続ベース6の4つの方向に配置されており、4つのガイド穴61は、接続ベース6の中心軸を中心として円周に整列して分布しており、4つのガイド穴61は、隣接する2つのガイド穴61の間の距離は同じである。2組の対向するガイド穴61の間の距離は異なる。
検出電極7は、スライドして接続ベース6のガイド穴61を通り、これらのガイド穴61は、
検出電極7が接続ベース6から分散して差し出すことを可能にする。4つの
検出電極7は、互いに独立して、干渉しない。
検出電極7は第1のセグメント71、第2のセグメント72、第3のセグメント73に分割されているので、
検出電極7が接続ベース6から差し出す場合、第1のセグメント71は依然としてガイド穴61内に位置するが、第2のセグメント72および第3のセグメント73は、固定ベース5の推力によって、接続ベース6のガイド穴61から差し出している。そして、第1のセグメント71、第2のセグメント72および第3のセグメント73の任意の2つの夾角は鈍角になり、
検出電極7はそれらが接続ベース6から差し出すときに開いた状態で分布され、かつそれらが針管部1から差し出した長さは同じである。4つのガイド穴61が接続ベース6における位置が対応し、ガイド穴61の遠位端の開口部の位置が接続ベース6に対して同じであるため、
検出電極7はガイド穴61から差し出すとき、
検出電極7の遠位端は同じ緯度に配置されている。
【0051】
ラジオ波焼灼カテーテルは、ラジオ波焼灼システムに適用され、ラジオ波焼灼システムは、ラジオ波発生器(焼灼器具)を含み、ラジオ波発生器(焼灼器具)は、ラジオ波焼灼カテーテルと接続するために使用され、ラジオ波焼灼カテーテルの電極コネクタに信号を供給し、中心電極と検出電極を機能させる。
【0052】
上記の内容からわかるように、本開示のラジオ波焼灼カテーテルは、針管部1、ハンドル部2、中心電極3および検出機構を含む。針管部1は、第1の管スリーブ11および第2の管スリーブ12を備え、ハンドル部2は、筒スリーブ21およびスライドボタン22を備え、中心電極3は、電極本体31、電極リード線26、および電極コネクタ23を備え、検出機構は、固定リング4、固定ベース5、牽引ワイヤ、接続ベース6、および複数の検出電極7を備える。本開示の検出機構、ラジオ波焼灼カテーテルおよびラジオ波焼灼システムにおいて、使用者に準じて、使用者に近い一端は近位端であり、使用者から離れる一端は遠位端である。接続ベース6は第1の管スリーブと第2の管スリーブの間に装着され、固定ベース5は接続ベース6の近位端に位置し、固定ベース5、固定リング4、および複数の検出電極7はともに第1の管スリーブ11内に設けられ、固定ベース5は第1の管スリーブ11内でスライドすることができ、固定リング4は検出電極7に固定され、検出電極7は固定ベース5に貫設される。検出電極7は接続ベース6内でスライドすることができ、且つ検出電極7は接続ベース6から差し出す場合、検出電極7は開いた状態で分布し、且つ同じ緯度にある。スライドボタン22は筒スリーブの21表面でスライドすることができ、牽引ワイヤの近位端はスライドボタン22に固定され、牽引ワイヤの遠位端は固定ベース5に固定される。電極本体31は第2の管スリーブ12の遠位端に位置し、電極リード線26の遠位端は電極本体31内に固定され且つ電気的に導通して、電極リード線26の近位端は電極コネクタ23に電気的に導通して、電極コネクタ23は筒スリーブ21の外側に配置される。複数の検出電極7は接続ベース6、固定ベース5および牽引ワイヤによって、針管部1で押し込まれたり押し出されたりすることができる。検出のために検出電極7を針管部から押し出す必要がある場合は、スライドボタン22を遠位端へ押して、スライドボタン22が牽引ワイヤを駆動し固定ベース5を駆動して遠位端へ押す。このとき、固定ベース5に固定された検出電極7は、固定ベース5の原因で遠位端へ進むので、検出電極7も遠位端へ押されることで、もともと接続ベース6に収められた検出電極7を針管部1から押し出した。検出電極7を使用して検出を行う必要がない場合、スライドボタン22を近位端へ取り戻すだけで、スライドボタン22が牽引ワイヤを駆動し、牽引ワイヤが固定ベース5を引っ張って固定ベース5における検出電極7を引き戻す。このとき、もともと針管部1の外側に位置した検出電極7は接続ベース6の内側に再び取り戻される。スライドボタン22の駆動で、固定ベース5および牽引ワイヤを駆動し、結果として、検出電極7の押し出しおよび取り戻しが実現され、使用者が手術中に検出電極7を制御するのを便利にする。当該検出装置を手術に使用する場合、針管部を人体に差し出し、例えば人体の気管に差し出すことができ、スライドボタンで検出電極を開くとき、検出電極が人体の気管の内壁で支持されることができるので、中心電極を安定させる作用を機能すると同時に、検出電極は人体気管の温度やインピーダンスのデータを取得できることで、中心電極の手術状況を把握することができる。したがって、当該検出装置は、電極本体の位置決めの補助を実現するだけでなく、検出電極によって検出電極の部位の温度またはインピーダンスを検出し、さらに焼灼の進展を判断することができる。
【0053】
任意選択で、この実施形態では、ラジオ波焼灼カテーテルはさらに液体注入コネクタ24および液体注入チューブ25を備える。液体注入コネクタ24は筒スリーブ21の近位端に位置する。液体注入コネクタ24は外部の液体注入器と接続するためである。液体注入チューブ25の近位端はに注入コネクタ24に接続され、液体注入チューブ25の遠位端は電極本体31に挿入される。液体注入チューブ25は、筒スリーブ21、第1の管スリーブ11、および第2の管スリーブ12に貫設し、液体注入チューブ25は、それぞれ、筒スリーブ21、固定ベース5、および接続ベース6を通る。電極本体31には液体進入穴311が設けられ、液体進入穴311は電極本体31の中央に配置され、液体進入穴311は液体注入管25の遠位端に接続される。液体注入器から押し込まれた生理食塩水は、液体注入コネクタ24、液体注入チューブ25、および液体進入穴311を通り、最終的に電極本体31の内部に入る。
【0054】
図9に示すように、任意選択で、この実施形態では、電極本体31は、シリンダ状部とテーパ状部とを備える。テーパ状部はシリンダ状部の遠位端に配置される。電極本体31の外側に浸潤カバー32がさらに設けられる。浸潤カバー32は、耐高温性の絶縁材料で作られる。浸潤カバー32は、電極本体31のシリンダ状部にス外装される。電極本体31の内部にはスプレーホールチャネル312があり、2組のスプレーホールチャネル312は十字形に分布して、2組のスプレーホールは液体進入穴311と連通する。液体注入チューブ25を通って流れる生理食塩水は、液体進入穴311に集まる生理食塩水によって、スプレーホールチャネル312に分散される。浸潤カバー32の表面には、長方形のアレイに分布された複数の浸潤穴321を備え、各列の浸潤穴321の口径は近位端から遠位端に向かって徐々に減少する。複数の浸潤穴321はスプレーホールチャネル312と連通し、且つスプレーホールチャネル312と位置ずれて配置される。浸潤カバー32と電極本体31の表面との間には一定のギャップがある。スプレーホールチャネル312内の生理食塩水は、ギャップを通って浸潤カバー32を通って流れる。浸潤カバー32の表面には複数の浸潤穴321があるので、生理食塩水は浸潤穴321を通って流出し、人体組織内に拡散する。
【0055】
任意選択で、この実施形態では、電極本体31内には、温度センサ33および信号ガイドチューブをさらに備える。電極本体31には配線穴34があり、配線穴34は液体進入穴311の片側に配置され、信号ガイドチューブは配線穴34に挿入される。温度センサ33は、電極本体31のテーパ状部の表面に配置されている。温度センサ33は、信号ガイドチューブの遠位端に電気的に接続される。信号ガイドチューブの近位端は、電極コネクタ23に固定され、電極コネクタ23に電気的に接続される。信号ガイドチューブの外側にゴム絶縁層9が設けられる。温度センサはサーミスタにしてもよい。サーミスタは温度に敏感であり、異なる温度で異なる抵抗値を示し、温度が高いほど、抵抗値が低くなる。浸潤穴321が生理食塩水を人体組織に浸透させた後、焼灼プロセスが開始され、焼灼用生理食塩水の継続的な増加に伴い、焼灼領域も増加し、焼灼領域の温度も連続的に変化する。温度が段々高くなると、局所的な範囲内のサーミスタの抵抗値は温度の上昇とともに低下し、サーミスタと信号ガイドチューブとは電気的に導通する。サーミスタの抵抗が変化すると、抵抗の変化が信号ガイドチューブ(図示せず)を介してラジオ波焼灼システムに送信され、信号ガイドチューブの遠位端がサーミスタに接続され、信号ガイドチューブの近位端は、電極コネクタ23に固定される。ラジオ波焼灼システムにおける抵抗値の変化に応じて、組織の局所的温度の変化範囲を計算することで、生理食塩水の流量を制御することによって温度を制御することができ、ラジオ波焼灼システムで人体組織内部の温度変化を直観的に見ることができる。
【0056】
図8に示すように、任意選択で、この実施形態では、電極本体31の近位端に係止溝35があり、電極本体31と第2の管スリーブ12とを固定するように、第2の管スリーブ12の外壁が係止溝35に挿入される。第2の管スリーブ12には内ねじ121が設けられ、接続ベース6には外ねじ63が設けられ、接続ベース6と第2の管スリーブ12とはねじで接続される。
【0057】
任意選択で、この実施形態では、ねじ穴64が接続ベース6の近位端に設けられ、皿穴111が第1の管スリーブ11の遠位端に設けられ、ねじボルトが皿穴111およびねじ穴64に挿入され、接続ベース6と第1の管スリーブ11とを固定する。ねじボルトを連続的に締め付ける間に、接続ベース6および第1の管スリーブ11を締め付ける。ねじボルトがねじ穴64に完全にねじ込まれると、ねじボルトの表面は接続ベース6の表面と平行であり、ねじボルトは皿穴111に隠されている。
【0058】
任意選択で、この実施形態では、液体注入穴62が、接続ベース6の中心線に設けられる。液体注入チューブ25および信号ガイドチューブは、液体注入穴62に貫設される。接続ベース6の4つの装着穴61が液体注入穴62を中心に対称して分布される。液体注入孔62は、液体注入管25のスライド経路がずれないように、液体注入管25の位置を固定するために使用される。ガイド穴61は、直線状セグメント611および円弧状セグメント612を含み、直線状セグメント611は、円弧状セグメント612の近位端に配置されている。検出電極7の第1のセグメント71、第2のセグメント72、第3のセグメント73はそれそれ鈍角で接続されているので、ガイド穴61の直線状セグメント611と円弧状セグメント612との接続箇所は、検出電極7のスライドに有利である。円弧状セグメント612は、検出電極7が独立してスムーズに開閉することを便利にし、検出電極7の支持力および開放範囲を増大させる。ガイド穴61の直線状セグメント611の内側壁には滑り止め用模様6111が設けられる。検出電極7が針管部1から差し出す場合、直線状セグメント611の滑り止め用模様6111は、検出電極7が位置を固定し、動かない状態を維持するのを助けることができる。各円弧状セグメント612の内側壁にはシリカゲル製の耐摩耗性ッド6121が設けられており、円弧状セグメント612と検出電極7との間に耐摩耗パッド6121が配置されている。検出電極7が接続ベース6に押し出されたり引き込まれたりすると、検出電極7は円弧状セグメント612の表面と摩擦力を発生し、検出電極7の表面を損傷することがある。耐摩耗性ッド6121を設けると、検出電極7の表面の摩耗を減少することができる。
【0059】
図5に示すように、任意選択で、この実施形態では、装着柱65が接続ベース6の近位端に設けられ、バネ8が装着柱65に外装される。
検出電極7が針管部1から差し出すと、固定ベース5は接続ベース6の方向に移動する。固定ベース5が接続ベース6の方向に移動すると、バネ8の遠位端は接続ベース6の近位端に当接し、バネ8の近位端は固定ベース5に当接する。バネ8の追加は、
検出電極7が接続ベース6から差し出すときの緩衝力を増加させ、
検出電極7を動かない状態に保つことができる。
図12に示すように、任意選択で、この実施形態では、
検出電極7は内部が中空であり、
検出電極の第1のセグメント71および第2のセグメント72の表面にゴム材料の絶縁層9が設けられている。電流が導電チューブを介して
検出電極7に流れ、信号干渉が引き起こす。
検出電極7の表面にゴム層を設けて、信号干渉を低減して、信号遮蔽を行うことができる。
検出電極7の第1のセグメント71および第2のセグメント72は直線状セグメントであるが、第3のセグメント73は円弧状セグメントである。
【0060】
図4に示すように、任意選択で、この実施形態では、2つの第1の溝53が固定ベース5の表面に設けられ、係止ブロック54が牽引ワイヤの遠位端に設けられる。第1の溝53は、牽引ワイヤを固定するためである。牽引ワイヤを第1の溝53に係止する必要がある場合、牽引ワイヤの係止ブロック54を第1の溝53に直接押し込むことができることで、牽引ワイヤにおける係止ブロック54は第1の溝53にちょうど係止される。係止ブロック54と第1の溝53とのマッチングにより、牽引ワイヤが固定ベース5に固定させる。
【0061】
図11に示すように、任意選択で、この実施形態では、固定ベース5はオスの固定
ベース5
5およびメスの固定
ベース5
6を備える
。オスの固定
ベース5
5とメスの固定
ベース5
6が閉じられて、完全な固定ベース5を形成する。オスの固定
ベース5
5およびメスの固定
ベース5
6の一端は、ヒンジ軸57でヒンジ結合され、メスの固定
ベース5
6の他端には、第2の溝561を設けて、オスの固定
ベース5
5の他端には、バンプ551を設けて、オスの固定
ベース5
5の他端およびメスの固定
ベース5
6の他端は、バンプ551が第2の溝561に挿入されることによって、クランプ接続される。
【0062】
第2の実施形態は、第1の実施形態の代替案であり、違いは、接続ベース6がガラス繊維製である。ガラス繊維は、優れた絶縁性、強力な耐熱性、耐食性、および高い機械的強度を備える。
【0063】
第3の実施形態は、第1の実施形態の代替案であり、違いは、固定ベース5が電気セラミック製である。電気セラミックは、優れた絶縁性と機械的強度、優れた機械的特性、優れた電気的特性、および耐環境性を備えたセラミック絶縁材料である。
【0064】
実施形態4は、実施形態1の代替案であり、違いは、固定リング4がシリコーンゴムで製である。シリコーンゴムは高温安定性があり、高温環境でもある程度の柔軟性と弾力を維持できる。
【0065】
本発明において、他に明示的に指定および定義されない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」にあるのは、第1の特徴および第2の特徴が直接接触すること、または第1の特徴および第2の特徴が中間媒体を介して間接的に接触することであってもよい。
【0066】
また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」にあるということは、第1の特徴が第2の特徴の真上または斜め上にあることを意味するか、または単に第1の特徴が第2の特徴よりも高い水平高度にあることを意味し得る 。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」にあるということは、第1の特徴が第2の特徴の真下または斜め下にあることを意味するか、または単に第1の特徴が第2の特徴よりも低い水平高度にあることを意味し得る。
【0067】
本明細書の説明において、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例」、「特定の例」、または「いくつかの例」などの用語への言及は、当該実施形態または例に関連して説明される特定の特徴 、構造、材料または特性は、本開示の少なくとも1つの実施形態または例に含まれるのを意味する。本明細書では、上記の用語の概略的記述は、必ずしも同じ実施形態または例に向けられているわけではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、または特性は、任意の1つまたは複数の実施形態または例において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。さらに、当業者は、本明細書に記載されている異なる実施形態または例、ならびに異なる実施形態または例の特徴を、互いに矛盾することなく組み合わせて組み合わせることができる。
【0068】
最後に、上記の各実施形態は、制限ではなく、本開示の技術案を説明するためにのみ使用されることに留意されたい。本開示は、上記の各実施形態を参照して詳細に説明されてきたが、当業者は、前述の実施形態に記載された技術案を変更すること、または技術的特徴の一部またはすべてに対して同等の置換を実行することは依然として可能であり、これらの変更または置換は、対応する技術案の本質を本発明の各実施形態の範囲から逸脱してはならないことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0069】
1 針管部
11 第1の管スリーブ
111 皿穴
12 第2の管スリーブ
121 内ねじ
2 ハンドル部
21 筒スリーブ
22 スライドボタン
23 電極コネクタ
24 液体注入コネクタ
25 液体注入チューブ
26 電極リード線
3 中心電極
31 電極本体
311 液体進入穴
312 スプレーホールチャネル
32 浸潤カバー
321 浸潤穴
33 温度センサ
34 配線穴
35 係止溝
4 固定リング
41 スプリット
42 クッション
5 固定ベース
51 装着穴
52 貫通穴
53 第1の溝
54 係止ブロック
55 オスの固定ベース
551 バンプ
56 メスの固定ベース
561 第2の溝
57 ヒンジ軸
6 接続ベース
61 ガイド穴
611 直線状セグメント
6111 滑り止め用の模様
612 円弧状セグメント
6121 耐摩耗パッド
62 液体進入穴
63 外ねじ
64 ねじ穴
65 装着柱
7 検出電極
71 第1のセグメント
72 第2のセグメント
73 第3のセグメント
8 バネ
9 絶縁層。