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特許7416985バルーンオクルーダー付き子宮マニピュレーター
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-09
(45)【発行日】2024-01-17
(54)【発明の名称】バルーンオクルーダー付き子宮マニピュレーター
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/42 20060101AFI20240110BHJP
【FI】
A61B17/42
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022577625
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 US2021037760
(87)【国際公開番号】W WO2021257789
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】63/040,824
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンダリー メラニー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ メイソン
【審査官】宮崎 敏長
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0168784(US,A1)
【文献】米国特許第05104377(US,A)
【文献】特開2019-213844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/12 - A61B 17/138
A61B 17/42 - A61B 17/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
子宮マニピュレーター装置であって、
近位端(4)および遠位端(6)を備える細長いカニューレ状管(5)と、
前記細長いカニューレ状管(5)の前記近位端(4)上に位置付けられたハンドル(11)と、
前記細長いカニューレ状管(5)上に位置付けられた子宮頸部カップ(14)と、
前記細長いカニューレ状管(5)の前記遠位端(6)上に位置付けられた子宮内バルーン(7)と、
前記細長いカニューレ状管(5)上の前記子宮頸部カップ(14)から近位に位置付けられたステム(21)と、
前記ステム(21)上に位置付けられ、かつ開口部を形成するように形作られ、前記開口部が、前記細長いカニューレ状管(5)および前記子宮頸部カップ(14)のそれを通した通過を可能にするように構成される、バルーンオクルーダー(22)と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記バルーンオクルーダー(22)が、ガス通路ルーメン(28)を介して膨張弁(24)に連通可能に連結される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記バルーンオクルーダー(22)が円環形状である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ステム(21)が、係止アセンブリをさらに備え、前記係止アセンブリが、前記ステム(21)および前記バルーンオクルーダー(22)を、前記細長いカニューレ状管(5)に沿った少なくとも一方向での移動から係止するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ステム(21)が、近位リップ(34)と遠位リップ(36)との間に位置付けられた複数のリブ(32)を備え、その外側に前記バルーンオクルーダー(22)が位置付けられ、かつ前記バルーンオクルーダー(22)の移動を制限するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記バルーンオクルーダー(22)の前記開口部が、前記ステム(21)の前記遠位リップ(36)のそれを通した通過を可能にするように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記バルーンオクルーダー(22)が、バルーン膨張を示すように構成されたパイロットバルーン(26)に連通可能に連結される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
子宮マニピュレーター装置であって、
近位端(4)および遠位端(6)を備える細長いカニューレ状管(5)と、
前記細長いカニューレ状管(5)に沿って位置付けられたステム(21)であって、近位リップ(34)と遠位リップ(36)との間に位置付けられた複数のリブ(32)を備えるステム(21)と、
バルーンオクルーダーアセンブリ(20)と、
を備え、
前記バルーンオクルーダーアセンブリ(20)は、
開口部を形成するように形作られたバルーンオクルーダー(22)であって、前記開口部が、前記ステム(21)の前記細長いカニューレ状管(5)および前記遠位リップ(36)のそれを通した通過を可能にするよう構成されるバルーンオクルーダーと、
前記バルーンオクルーダー(22)を、膨張状態と収縮状態との間で変更するように構成された膨張弁(24)であって、前記膨張弁(24)が、ガス通路ルーメン(28)を介して前記バルーンオクルーダー(22)に連通可能に連結された、膨張弁(24)と、
を備える、装置。
【請求項9】
前記ステム(21)が、前記遠位リップ(36)から近位に位置付けられた係止アセンブリを備え、前記係止アセンブリが、前記ステム(21)および前記バルーンオクルーダーアセンブリ(20)を、前記細長いカニューレ状管(5)に沿った少なくとも一方向での移動から係止するように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記細長いカニューレ状管(5)の前記近位端(4)上に位置付けられたハンドル(11)をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記バルーンオクルーダーアセンブリ(20)が、バルーン膨張を表示するように構成されたパイロットバルーン(26)をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記バルーンオクルーダー(22)が、前記ステム(21)の前記リブ(32)の周りに定置されるように構成される、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
縮状態から膨張状態へと変化し、かつ内壁および外壁を備えるように構成された円環形状の前記バルーンオクルーダー(22)を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項14】
バルーン膨張を表示するように構成されたパイロットバルーン(26)をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記バルーンオクルーダー(22)の外壁が、ルーメンポート(29)をさらに備える、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年6月18日に出願された米国仮特許出願第63/040,824号明細書の優先権および利益を主張するものである。
【0002】
発明の分野
本開示は概して、外科手技および診断手技における子宮および子宮頸部の操作のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
様々な従来的な形態のオクルーダー付き子宮マニピュレーターが知られている。例えば、出願人に譲渡された米国特許出願番号15/617,299は、概して、近位端および遠位端(装置を使用する医療従事者に対して)を含む細長いカニューレ管と、第一の直径の上部近位部分および第二のより小さい直径の基部遠位部分を有する子宮頸部カップと、からなる子宮マニピュレーターを記述し、基部遠位部分は、その中に遠位端および近位端を含む周囲を有する形成された穴を含み、細長いカニューレ状管は子宮頸部カップ内の穴を通して位置付けられ、また手技のために気腹を維持するために、プラスチックまたは発泡体のオクルーダーが子宮頸部カップに対して近位に位置付けられる(出願人に譲渡された米国特許10695092号も参照のこと)。
【0004】
オクルーダー付き子宮マニピュレーターは、気腹を維持しながらの様々な診察および腹腔鏡下での手技中に、子宮を操作し、かつ可視化するために使用される。こうした診察および手技としては、腹腔鏡下子宮全摘出術、腹腔鏡下子宮部分摘出術、膣切開術が挙げられる。具体的には、オクルーダーは、膣切開術中に気腹の喪失を防止するためにシールを形成することができ、またS状結腸を子宮からずらすことができる。他の従来的な形態のオクルーダー付き子宮マニピュレーターが存在し、また同様の特徴を含有している。
【0005】
しかしながら、従来のオクルーダー付き子宮マニピュレーターは、オクルーダーを取り出すこと、またはオクルーダーを子宮マニピュレーターから独立して使用することを可能にする機構を含まない。実際、従来のオクルーダーは、膣切開術前および膣切開術後の両方の期間中は使用することができない。発泡体またはプラスチックから作製されたものなどの従来のオクルーダーは、経時的に劣化する可能性がある。さらに、従来の装置は、典型的に、一つのサイズであり、そして患者の解剖学的構造または操作に適正な適合は可能ではない。加えて、一部の従来の子宮マニピュレーターおよびオクルーダーは、使用中の手の疲労を低減する機構または構造的構成を含まない。したがって、従来の装置のこれらおよびその他の欠点の各々に対処するための機構または構造的構成を含む、外科手技および診断手技における子宮の操作および維持のための改善された装置および方法のための技術分野におけるニーズがある。
【0006】
関連技術セクションの記述の免責条項:具体的な特許/刊行物/製品が上記の本背景技術セクションの説明またはこの出願の他の場所で考察される範囲で、これらの考察は考察された特許/刊行物/製品が特許法の目的のための先行技術であるという許可として受け取るべきではない。例えば、考察された特許/刊行物/製品の一部またはすべては、時間的に十分早期でない場合があり、時間的に十分早期に開発された主題を反映していない場合があり、かつ/または特許法上の先行技術に相当するほど十分に有効ではない場合がある。具体的な特許/刊行物/製品が、この背景技術セクションで、かつ/または出願全体を通して上記で考察される範囲で、その記述/開示はその全体が参照によりすべて本明細書に本書類の中へと組み込まれる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、従来の装置における様々な問題(本明細書および以下に記述するような)を克服する、外科手技および診断手技における子宮閉塞術および膣閉塞の操作のための発明の装置および方法を対象とする。本明細書の実施形態および実装の使用の非限定的な特定の目的は、腹腔鏡下腟式子宮全摘術(LAVH)、腹腔鏡下子宮全摘出術(TLH)、minilap、腹腔鏡下卵管閉塞術または診断的腹腔鏡検査(および、この開示の検討と併せて当業者に理解されるべきその他の同様の手技)などの腹腔鏡下の手技の間の子宮の操作、および流体またはガスの注入のための装置、ならびにこうした手技の間、膣をシールすることによる気腹の維持のための装置を提供することである。簡潔に述べると、実施形態の子宮マニピュレーター装置は、医療従事者が、バルーンオクルーダーを使用することによって、手技中に、より簡単に子宮を適合させ、また操作し、そして膣をシールすることを可能にする。具体的には、使用中に気腹を維持するために、オクルーダーは、患者の解剖学的構造に適合することによる膣閉塞術のための膨張可能なバルーンを含有する。
【0008】
バルーンオクルーダーは、子宮マニピュレーターから独立して取り出す、または使用されるように構造化および/または構成することができ、これは、膣切開術前および膣切開術後の両方の間に膣閉塞術を可能にする。バルーンオクルーダーは、膨張および収縮するように構成される。膣切開術およびその後の装置の取り出しに続いて、バルーンオクルーダー構成要素を子宮マニピュレーターから取り出すことができる。次いで、この独立したバルーンオクルーダー構成要素を膣管の中へと再挿入し、そして膨張させて子宮摘出術後の膣断端の縫合中に単独のオクルーダーとして作用させることができる。出願人は、医療従事者にとって、一貫した、予測可能な、かつ繰り返し可能な手技を実施する、より高い自信を持ってこうした手技にアプローチできることが有益であることになると認識し、かつ理解している。
【0009】
加えて、一実施形態によれば、装置は、装置ハンドルの改善された人間工学および薄型のシリコーンキャップの存在に起因して、使用中の手の疲労が低減するように構成することができる。
【0010】
一般に、一実施形態では、子宮マニピュレーター装置は、近位端および遠位端を備える細長いカニューレ状管と、細長いカニューレ状管の近位端上に位置付けられたハンドルと、細長いカニューレ状管上に位置付けられた子宮頸部カップと、細長いカニューレ状管の遠位端上に位置付けられた子宮内バルーンと、細長いカニューレ状管上の子宮頸部カップから近位に位置付けられたステムと、開口部を形成するように形作られたバルーンオクルーダーを含み、開口部が細長いカニューレ状管および子宮頸部カップのそれを通した通過を可能にするように構成された、バルーンオクルーダーアセンブリと、を含む。
【0011】
一態様では、バルーンオクルーダーアセンブリは、ガス通路ルーメンを介してバルーンオクルーダーに連通可能に連結された膨張弁をさらに備える。
【0012】
さらなる態様では、バルーンオクルーダーは円環形状である。
【0013】
さらなる態様では、加えられた力を一方向のみに方向付ける、角キーの特徴がハンドル内にある。
【0014】
さらなる態様では、ステムは、ステムの遠位リップから近位に位置付けられた係止アセンブリを備え、係止アセンブリは、ステムおよびバルーンオクルーダーアセンブリが、細長いカニューレ状管に沿った少なくとも一方向での移動から係止するように構成される。
【0015】
さらなる態様では、ステムは、バルーンオクルーダーアセンブリの移動を制限するように構成された、近位リップと遠位リップとの間に位置付けられた複数のリブを備える。
【0016】
さらなる態様では、バルーンオクルーダーの開口部は、ステムの遠位リップのそれを通した通過を可能にするように構成される。
【0017】
さらなる態様では、バルーンオクルーダーは、バルーン膨張を表示するように構成されたパイロットバルーンに連通可能に連結される。
【0018】
一般に、別の実施形態では、子宮マニピュレーター装置は、近位端および遠位端を含む細長いカニューレ状管と、細長いカニューレ状管に沿って位置付けられたステムであって、近位リップと遠位リップとの間に位置付けられた複数のリブを備えるステムと、バルーンオクルーダーアセンブリであって、開口部を形成するように形作られたバルーンと、細長いカニューレ状管およびステムの遠位リップのそれを通した通過を可能にするように構成された開口部と、膨張状態と収縮状態との間で変更するように構成された膨張弁であって、ガス通路ルーメンを介してバルーンオクルーダーへと連通可能に連結される膨張弁と、を備えるバルーンオクルーダーアセンブリと、を備える。
【0019】
さらなる態様では、ステムは、遠位リップから近位に位置付けられた係止アセンブリを備え、係止アセンブリは、ステムおよびバルーンオクルーダーアセンブリが、細長いカニューレ状管に沿った少なくとも一方向での移動から係止するように構成される。
【0020】
さらなる態様では、ハンドルは、細長いカニューレ状管の近位端上に位置付けられる。
【0021】
さらなる態様では、バルーンオクルーダーアセンブリは、バルーン膨張を表示するように構成されたパイロットバルーンをさらに備える。
【0022】
さらなる態様では、バルーンオクルーダーアセンブリは、ステムのリブの周りに定置されるように構成される。
【0023】
別の実施形態では、バルーンオクルーダーは、収縮状態から膨張状態へと変化し、かつ内壁および外壁を備えるように構成された円環形状のバルーンと、ガス通路ルーメンを介してバルーンに連通可能に連結された膨張弁とを備える。
【0024】
さらなる態様では、装置は、バルーン膨張を表示するように構成されたパイロットバルーンを備える。
【0025】
さらなる態様では、バルーンの外壁はルーメンポートをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明は、添付図面と併せて以下の発明を実施するための形態を読むことによって、より完全に理解され、かつ評価されるであろう。添付の図面は、開示された主題の典型的な実施形態のみを例示しており、したがって、開示された主題が他の同等に有効な実施形態を認めてもよいように、その範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0027】
ここで添付図面を簡潔に参照する。
【0028】
図1図1は、一実施形態によるバルーンオクルーダー装置を有する子宮マニピュレーターの側面斜視図である。
図2A図2Aは、一実施形態によるバルーンオクルーダーアセンブリの側面斜視図である。
図2B図2Bは、一実施形態によるバルーンオクルーダーアセンブリの側面斜視図である。
図3A図3Aは、一実施形態によるバルーンオクルーダーアセンブリの側面斜視図である。
図3B図3Bは、一実施形態によるバルーンオクルーダーアセンブリの側面斜視図である。
図4図4は、一実施形態によるステムの斜視図である。
図5A図5Aは、一実施形態による図5BのG-Gに沿ったバルーンオクルーダーの上部概略断面図。
図5B図5Bは、一実施形態によるバルーンオクルーダーの側面概略図である。
図5C図5Cは、一実施形態による図5BのD-Dに沿ったバルーンオクルーダーの下部概略断面図。
【0029】
該当する場合、同様の参照文字は、別段の表示がない限り実寸に比例していない、いくつかの図を通して、同一のまたは対応する構成要素およびユニットを指す。さらに、本明細書に開示される実施形態は、いくつかの図のうちの一つ以上において、またはいくつかの図を組み合わせて生じる要素を含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の態様ならびにそのある特定の特徴、利点、および詳細は、添付図面に図示した非限定的な実施例を参照しながらより完全に以下に説明される。本発明の詳細を不必要に不明瞭にしないよう、周知の構造の記述は省略されている。しかし当然のことながら、詳細な記述および具体的な非限定的な実施例は、本発明の態様を示すものであるが、例示のみの目的で与えられ、限定の目的ではない。基礎となる発明の概念の趣旨および/または範囲内での様々な置き換え、修正、追加、および/または配設は、本開示から当業者には明らかであろう。
【0031】
本開示の目的で本明細書で使用される場合、「遠位」および「近位」という用語は、装置を使用する医療従事者の視点からの装置の実施形態の場所を記述するために使用される。
【0032】
バルーンオクルーダー装置付き子宮マニピュレーター(一般に参照番号100と称する)は、子宮マニピュレーター(一般に参照番号1と称する)およびバルーンオクルーダーアセンブリ(一般に参照番号20と称する)を含むことができる。一実施形態によれば、バルーンオクルーダー装置付き子宮マニピュレーター100は、近位端4および遠位端6を有するカニューレ状マニピュレーター管と、近位端4から延在するハンドル11と、カニューレ状マニピュレーター管5に沿ってハンドル11から遠位に位置付けられたバルーンオクルーダーアセンブリ20と、を備えることができる。
【0033】
図1を参照すると、一実施形態における、バルーンオクルーダー装置付き子宮マニピュレーター100の斜視図が示されている。示されるように、バルーンオクルーダー装置付き子宮マニピュレーター100は、染料注入ポートキャップ13(好ましくはハンドル11の近位端を通して位置付けられる)を有するハンドル11を有する子宮マニピュレーター1と、ハンドルから延在するカニューレ状マニピュレーター管5と、カニューレ状マニピュレーター管5の近位部分に沿って移動可能に位置付けられたバルーンオクルーダーアセンブリ20と、バルーンオクルーダーアセンブリ20に隣接する管5に沿って位置付けられた子宮頸部キャップ14と、を備える。近位ヒートシュリンク9と、子宮内バルーン7と、遠位ヒートシュリンク10と、キャップ8とが、カニューレ状マニピュレーター管5の遠位端から延在する。加えて、ルーメン15と、パイロットバルーン3と、逆止弁2とがハンドル11に取り付けられ、すべて子宮内バルーン7へと連通して連結される。バルーンオクルーダーアセンブリ20は、ルーメン28を介して逆止弁24およびパイロットバルーン26へと連通可能に取り付けられたバルーンオクルーダー22を備えることができる。
【0034】
滑らかとすることができ(示されるように)、かつ全体としてユーザーの手に適合する、または四本の指すべてを一方の側に、そして親指を反対側に位置付けることを提供することができる、ハンドル11(本開示の検討と併せて、当業者に理解されるように、複数の隆起部分またはその他の滑らかでない表面構造などの把持表面/滑らかでない表面を含むことができる)の、子宮の上方、下方、および側方への簡単な操作を可能にする。染料注入ポートキャップ13は、ハンドル上に複数の場所において位置付けることができるが、好ましくはハンドル11の近位部分上に、例えば、図示するように、位置付けることができる。
【0035】
カニューレ状マニピュレーター管5は、後傾した子宮および前傾した子宮の両方の操作のため、および子宮の適正な姿勢の維持のために、装置10の簡単な導入のために、その近位端4ではS字状に湾曲する、または湾曲することができ、またその遠位端6では真っ直ぐとすることができる。マニピュレーター管5は、仙骨曲線の角度と解剖学的に適合し、かつ子宮の簡単な操作を可能とするように構成される。カニューレ状マニピュレーター管5は、ハンドル11および染料注入ポートキャップ13(好ましくはハンドル11の遠位部分上で)へと、そしてハンドル11を通してパイロットバルーン3へと接続される。このカニューレ状マニピュレーター管5は、卵管通色素法およびパイロットバルーン3を通したバルーン7の膨張のために、染料注入ポートキャップ13を経由する流体の注入を可能にするようにカニューレ状である。一実施形態によれば、染料注入ポートキャップ13は、定位置にある時に、ハンドル11の本体から遠くへは延在しない薄型キャップを有する。加えて、キャップ13は、シリコーンまたは他の同様の材料とすることができる。
【0036】
一実施形態では、マニピュレーター管5は、繰り返される基準目盛りの組を含むことができる(例えば、子宮頸部カップ14のいずれかの側から4cm~16cm離れるように移動する)。マニピュレーター管5は、任意の数のマーキングの組を有することができ、例えば、マニピュレーター管5は、遠位端6および近位端4の両方からの基準目盛りを用いてマーキングすることができる。基準目盛りは、目盛り付きの子宮ゾンデとの比較のためのガイドを提供し、また使用中の挿入の適正な深さを達成することを支援することができる。一実施形態では、基準目盛りは、マニピュレーター管5上にレーザーマーキングされる。従来の装置では、基準目盛りは、パッド印刷のプロセスを介してマニピュレーター管5に追加することができる。パッド印刷は、ヒートシュリンクの適用の前に行うことができる。レーザーマーキングは典型的にパッド印刷より安価であるが、より正確であり、また、例えば、パッド印刷は擦れて取れる可能性があるため、より永久的である。一実施形態では、ヒートシュリンクがマニピュレーター管5へと最初に適用され、その後基準目盛りがレーザーマーキングされる。紫外線レーザーが適用されたヒートシュリンク層にマーキングすることを、アクリル酸ヒートシュリンクが可能にすることが、本発明者らによって見い出され、かつ理解された。そのため、実施形態では、マニピュレーター管5上のアクリル酸ポリオレフィンの薄い層に順調にマーキングするために、紫外線レーザーが使用される。こうした実施形態では、UVレーザーは355nmの波長を発する。基準目盛りを順調に作り出すために、UVレーザーからの他の波長が使用されてもよいことが意図される。
【0037】
ステム21は、バルーンオクルーダーアセンブリ20を定位置に位置付け、かつ保持するように構成される。一実施形態によれば、ステム21はカニューレ状であり、またマニピュレーター管5の周りに、かつそれらに沿って定置される。ステム21は、ハンドル11の遠位に、かつ子宮頸部カップ14の近位に位置付けることができる。ステム21は、マニピュレーター管5の湾曲に沿って摺動するように十分に可撓性とすることができる。
【0038】
一実施形態によれば、バルーンオクルーダーアセンブリ20は、マニピュレーター管5に沿って移動可能である。ステム21は、バルーンオクルーダーアセンブリ20を位置付けるために使用することができる。ガスが曝露した空洞から出ることを遮るための望ましい位置になると(本開示の検討と併せて、当業者に理解されるべきである)、バルーンオクルーダーアセンブリ20およびステム21を定位置に係止することができる(これはまた、子宮頸部カップ14の近位移動も防止する)。示される実施形態では、係止アセンブリは、ステム21の蝶ねじ23である。従来のねじでは、ユーザーは、ねじがカラー内のどれだけの深さにあるか分からずそしてそれ故に、ねじを緩める時にねじがしばしば外れて落ちる。ねじをなくすリスクなしにねじを締め、また緩めることを許容するために、蝶ねじを使用することができる。蝶ねじ23における最後のねじ山は、最後の二つのねじ山の間に事実上ピッチがないように、過度にトルクを与えることができる。最後の二つのねじ山の間に空間がないため、蝶ねじを完全に取り外すことはできない。したがって、蝶ねじ23は緩めることおよび締めることができるが、完全に取り外すことはできず、蝶ねじ23を失うことが防止される。ねじチャネルは、ステム21の設計の形状を維持しながら蝶ねじ23をそれに対して押すことを許容するように、硬質プラスチック、ポリカーボネート、またはナイロンで構成することができ、またはそれらでオーバーモールドすることができる。別の方法として、それを通してねじが位置付けられる穴より大きい(または別の方法でねじが穴から抜け出ることを可能にしない)他の係止機構(例えば、ワッシャ、ナット、プラスチック片、その他のねじの変形)が企図される。
【0039】
バルーンオクルーダーアセンブリ20は、ステム21の遠位部分上に位置付けられて示され、ステム21は、バルーンオクルーダー22のカニューレ状のルーメン22-1(または開口部)を通して位置付けられる(図2Bを参照のこと)。示されるように、バルーンオクルーダーアセンブリ20は、マニピュレーター管5がバルーンオクルーダー22を通して位置付けられることを可能にするように構成される。バルーンオクルーダーアセンブリ20は、患者の解剖学的構造に適合することによって膣閉塞術に対する、膨張状態および膨張していない状態を有する膨張可能なバルーンオクルーダー22を含有する。具体的には、バルーンオクルーダー22は、膨張状態にある時、空洞の通気を維持するために、ガス(例えば、通気ガス)を曝露された空洞内に保持するように構成され、かつ位置付けられる。バルーンオクルーダー22は、当技術分野で知られているように、逆止弁24、パイロットバルーン26、およびルーメン28アセンブリを使用して膨張させることができる。
【0040】
子宮頸部カップ14は、子宮の操作、および子宮頸部の後退および挙上を提供するために、マニピュレーター管5上に位置付けられる。子宮頸部カップ14は、任意に、定位置に係止および係止解除することができ、またマニピュレーター管5上で近位に移動することを防止することができる。子宮頸部カップ14は、マニピュレーター管5の近位端4上に、かつそれに隣接して位置付けられ、また子宮頸部カップ14の側面を通して位置付けられた縫合のための部位/穴を含むことができる。子宮頸部カップ14は、様々な体積および直径を含むことができ、その実施例を以下の表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
示される実施形態では、子宮頸部カップ14は第一の直径を有する上部遠位部分から、周辺を有する中央穴を含む、より小さい第二の直径を有する基部近位部分へとテーパー状である。周辺は、面取りする/長手方向軸から離れるように角度付けされることができ、また真っ直ぐにする/長手方向に対して角度付けされないようにすることができる(角度付けは逆向きであってもよい)。周辺の面取りは、マニピュレーター管5に沿って子宮頸部カップ14の移動を支援する。真っ直ぐな/角度付けされていない周辺部分は、マニピュレーター管5上の子宮頸部カップ14の保持力の増大、およびマニピュレーター管5からカップが外れることの防止を支援する。加えて、穴の直径は減少させることができる(2.15cmから2.05cmへと)。真っ直ぐな/角度付けされていない周辺部分、および穴の直径を狭くすることの組み合わせは、マニピュレーター管5上での子宮頸部カップ14の保持力を著しく増加させる。子宮頸部カップは、膣切開術を実施するためのガイドだけでなく、組織除去のための縫合穴も含有する。
【0043】
子宮内バルーン7は、マニピュレーター管5をその遠位部分で覆う。子宮内バルーン7は、マニピュレーター管5の遠位端6に位置付けられて示される。バルーン7は、キャップ8と併せて、子宮穿孔のリスクを減少させるように構成され、かつ位置付けられ、またマニピュレーター管5を子宮腔内で安定化させるために使用される。バルーン7は、最大45ccの空気を保持するように構成される。これは、より大きい子宮のより良好な操作を可能にする。
【0044】
バルーン7は、熱可塑性エラストマー(TPE)バルーンとすることができる。一実施形態では、TPEバルーンは、スチレンブロック共重合体、SEBS化合物に基づく。TPEバルーンは、強度および性能においてPVCバルーンと同様であり、またバルーンの膨張を維持するように作られ、かつ構成される。TPEバルーン7は、子宮マニピュレーター1と併せて示され、かつ記述されているが、従来のシリコーンまたはウレタン系バルーンが使用されてもよい。しかしながら、TPEバルーンは、シリコーンバルーンと比較してガスに対する透過性がより低い。シリコーンバルーンはガスに対する透過性がより高いため、収縮する可能性がある。生理食塩水は透過しないため、収縮に対処するために、シリコーンバルーンを膨張させるために生理食塩水がしばしば使用される。TPEバルーンは、バルーンをガスで膨張させることによって同様の性能を達成する。ガスは、生理食塩水ほどバルーン内の接合を歪ませないため、膨張を維持できる場合にはガスが好ましい。しかしながら、ユーザーの選択により、TPEバルーンを生理食塩水で使用してもよい。
【0045】
従来の子宮マニピュレーター装置では、バルーンは、バルーンの近位端および遠位端の両方で定位置に糊付けされて(またはその他の同様の接着剤が使用されて)、バルーンを金属管に対してシールする。示される実施形態では、ヒートシュリンク9および10を使用して、マニピュレーター管5の外側でバルーンの近位端および遠位端の両方でバルーンを覆う。管を絶縁するための任意の市販のヒートシュリンクを使用することができる。一実施形態では、InsultabのHS-714(アクリル酸ポリオレフィン)ヒートシュリンクを好ましくは使用することができる。ヒートシュリンクは、レーザー目盛りマーキングの視認性を容易にするために、色付きとすることができる。ヒートシュリンク材料は、シリコーン糊を用いて、または用いないで、それ自体および金属マニピュレーター管5へとくっつく。発明者らは、ヒートシュリンク9が、従来の接着剤の使用に優る、数多くの製造上の利点および信頼性の利点を有することを発見した。例えば、ヒートシュリンクは、接着剤と比較して、滅菌プロセスを通してその特性をより良好に保持する。接着剤が劣化して弱くなると、バルーンが摺動する場合があり、患者の接着剤への曝露が生じる場合があり、またバルーン自体の誤作動につながる場合がある。
【0046】
ヒートシュリンク9は、子宮内バルーン7を第一の近位位置においてシールし、またヒートシュリンク10は、子宮内バルーン7をマニピュレーター管5の最遠位部分に沿った第二の遠位位置においてシールして、バルーン7の周りにカラーの対を形成する。ヒートシュリンク9および10はまた、電気外科手術付属品と併せて使用される時に、絶縁の目的のために、マニピュレーター管5の全体を、カラーの位置において覆うためにも使用することができる。バルーン7の部分は、バルーン7が膨張してもよいように、ヒートシュリンクで覆われない。バルーン7の覆われていない部分は、マニピュレーター管5とバルーン7との間で実質的に包囲された空洞に隣接することができる。一実施形態によれば、ルーメン15は、マニピュレーター管5を通して、ガスをバルーン7へと搬送する経路を提供する。ルーメン15は、染料注入ポートキャップ13からバルーン7の中へと染料を導入することなく膨張を容易にするために、バルーン7への閉じた通路を提供する。
【0047】
キャップ8は、マニピュレーター管5の最も遠位部分に位置付けられ、また非外傷性の挿入を提供するように構成される。一実施形態によれば、キャップ8は、丸みのある部分およびステム部分を有する、ほぼT字形状とすることができる。キャップ8のステム部分は、マニピュレーター管5内に位置付けられる。丸みのある部分は、マニピュレーター管5の最遠位部分の直径を横切って延在する。具体的には、キャップ8の丸みのある部分の直径は、マニピュレーター管5の直径を超え、かつ外のヒートシュリンク10の同様の直径まで延在する。
【0048】
一実施形態によれば、キャップ8は、追加的に閉鎖/密封することができるが、別の方法として、キャップ8の丸みのある部分およびステム部分の両方を通る染料の通過のための成形されたチャネルを含むことができる。チャネルは、それを通る染料の通過を容易にするために、キャップ8全体を通して延在する。染料は、染料注入ポートキャップ13からマニピュレーター管5およびキャップ8を通して、子宮腔の中へと通ることができる。従来のキャップは、閉じられており、またバルーン内のスリットを利用して染料のための通路を作り出す。バルーン内のスリットは、製造中は開放することができ、またバルーンの使用前にシールを介して閉鎖することができる。一部の事例では、シールが機能せず、そしてスリットは開放したままであり、これはバルーンを動作不能にする。他の事例では、閉鎖したキャップは、接着剤をマニピュレーター管5の先端に集める。しかしながら、一実施形態では、バルーン7は、マニピュレーター管5から完全に分離される。具体的には、染料はマニピュレーター管5を通し、かつキャップ8内のチャネルを通して流れることができ、一方でガスは別個にルーメン15を通過してバルーン7を膨張するように構成される。キャップ8の代替的な実施形態は、それを通過する様々な構造的構成および数多くの成形されたチャネルを含む。例えば、一つ以上のチャネルは、キャップ8のいずれかの側の上でキャップ8の中心を通過することができ、また追加的な複数のチャネルの中への分岐を含むことができる(これは、染料を、卵管へ、および卵管を通してなど、ある特定の解剖学的構造へと戦略的に分配するのを支援することができる)。
【0049】
本開示の検討と併せて当業者によって理解されるように、本明細書に記述される子宮マニピュレーター装置の使用は、米国特許出願公開第20170354436号(例えば、図4およびパラグラフ[0028]を参照のこと)に記述される子宮マニピュレーター装置の使用と同様である。
【0050】
使用中に気腹を維持するために、バルーンオクルーダーアセンブリ20は、患者の解剖学的構造に適合することによる膣閉塞のための膨張可能なバルーンオクルーダー22を含有する。バルーンオクルーダーアセンブリ20は、子宮マニピュレーター1から取り外され、かつ独立して使用されるように構成される。ここで図2Aおよび図2Bを参照すると、膨張していない状態にある一実施形態によるバルーンオクルーダーアセンブリ20の側面斜視図が示される。膣切開術または同様の事例、およびその後の装置100の除去の後、バルーンオクルーダーアセンブリ20は、以下に記述されるように、子宮マニピュレーター1から除去することができる。次いで、独立したバルーンオクルーダーアセンブリ20のバルーンオクルーダー22を、子宮マニピュレーター1を有しないでオクルーダーとして作用するように膣管の中へと再挿入することができる。
【0051】
バルーンオクルーダーアセンブリ20が定位置になると、バルーンオクルーダー22は、逆止弁24およびルーメン28を使用して膨張状態へと定置することができる。図3Aおよび図3Bは、バルーンオクルーダー22が膨張状態にあるバルーンオクルーダーアセンブリ20を示す。ルーメン28は、空気をバルーンオクルーダー22へと輸送して膨張を容易にするための経路を提供する。一実施形態によれば、パイロットバルーン26が空気で満たされ、そしてバルーンオクルーダー22が膨張の指標として満杯になった後、柔軟性がより低下する。独立したバルーンオクルーダーアセンブリ20は、例えば、子宮摘出術後の膣断端の縫合中、特に有用となる可能性がある。
【0052】
ここで図4を参照すると、一実施形態では、ステム21は、その近位端上に蝶ねじ23、およびその遠位端上に一組のリブ32を備える。バルーンオクルーダー22は、ステム21の遠位部分のリブ32の外側に定置されるように構成される。リブ32は、同様のサイズまたは様々なサイズとすることができる。示される実施形態では、五つのリブ32があるが、任意の数のリブ32とすることができる。別の方法として、ステム21の遠位端は滑らかとすることができ、またはリブ32は、突起、隆起、またはテクスチャなどの、しかしこれらに限定されない他の手段によって達成することができる。リブ32は、バルーンオクルーダー22を保持および固定するのに役立つ。示される実施形態では、リブ32は、近位リップ32と遠位リップ36との間に位置付けられ、これもまた、バルーンオクルーダー22を定位置に保持し、かつカニューレ状管5に沿ったバルーンオクルーダー22の移動を防止する役に立つことができる。
【0053】
バルーンオクルーダー20をステム21上に定置するために、ユーザーは、子宮マニピュレーター装置1の遠位端6をバルーンオクルーダー22の開口部(またはルーメン22-1)を通して摺動させることができる。バルーンオクルーダー22は、カニューレ状管5を摺動させて下ろし、そして子宮頸部カップ14およびステム21の遠位リップ36の外側に引き伸ばすことができる。バルーンオクルーダー22を、リブ32上の近位リップ34と遠位リップ36との間で定位置に着座させ、かつ保持することができる。バルーンオクルーダー20を子宮マニピュレーター装置1から取り外すために、バルーンオクルーダー22を遠位リップ36および子宮子宮頸部カップ14の外側を摺動させて、かつ 管状管5の遠位端6から外すことができる。ステム21は、バルーンオクルーダーアセンブリ20が取り外された後、子宮マニピュレーター1上にとどまることができる。
【0054】
一実施形態によるバルーンオクルーダー22は、子宮マニピュレーター1の部分の外側を摺動するように構成された開口部を有する円環形状または円筒形状のバルーンである。ここで図5A図5Cを参照すると、一実施形態によるバルーンオクルーダー22は、シリコーンなどの可撓性材料から構成される。別の方法として、バルーンオクルーダー22は、ウレタン系バルーン、またはTPE、例えば、スチレンブロック共重合体、SEBS化合物に基づくTPEバルーンとすることができる。示されるように、バルーンオクルーダー22は、それ自体の上に折り畳まれ、かつ円周方向にシールされる単一のシリコーン成形された構成要素から構築されるように設計される。ここで図5Bを参照すると、バルーンオクルーダー22の断面G-Gは、シールが、その上方では、材料の単一層であり、かつ材料の単一層のみである断面である。断面D~Dは、空気用のポケットを形成する、バルーンオクルーダー22の二つの層を示す。層の中のこのポケットは、連通的に連結された逆止弁24、パイロットバルーン26、およびルーメン28を通して膨張することができる。示される実施形態では、バルーンオクルーダー22はまた、バルーン22の本体の中へと形成することができ、かつオーバーモールドなどの方法によってルーメン28へと取り付けることができるルーメンポート29も備える。バルーンオクルーダー22は、当技術分野で知られているであろう他の配置で構成することができる。バルーンオクルーダー22は、様々な形状およびサイズで作製することができ、また任意の望ましいサイズまで膨張させることができる。
【0055】
本発明の実施形態は、ある特定の例示的な実施形態を参照しながら具体的に示され、かつ記述されてきたが、書面による記述および図面によって支持することができる特許請求の範囲によって定義されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、詳細における様々な変更がなされてもよいことを、当業者は理解するであろう。さらに、例示的実施形態が、ある特定の数の要素を参照して記述される場合、例示的実施形態は、ある特定の数の要素より多くの数の要素またはより少ない数の要素のいずれかを利用して実践することができることが理解されよう。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C