(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】テーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/02 20060101AFI20240111BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240111BHJP
A47B 7/00 20060101ALI20240111BHJP
A47B 17/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
A47B13/02
A47B13/00 B
A47B7/00 A
A47B13/00 Z
A47B17/00 C
(21)【出願番号】P 2019196707
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100074561
【氏名又は名称】柳野 隆生
(74)【代理人】
【識別番号】100177264
【氏名又は名称】柳野 嘉秀
(74)【代理人】
【識別番号】100124925
【氏名又は名称】森岡 則夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141874
【氏名又は名称】関口 久由
(74)【代理人】
【識別番号】100166958
【氏名又は名称】堀 喜代造
(72)【発明者】
【氏名】湯川 賢訓
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】今 健一
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-099675(JP,A)
【文献】特開2005-040443(JP,A)
【文献】実開昭59-154135(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 13/02
A47B 13/00
A47B 7/00
A47B 17/00
A47B 21/06
A47B 97/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム部材と、矩形に形成されて前記フレーム部材に支持される少なくとも一枚の天板と、前記天板の一の長辺の下方において前記長辺と平行に設けられるダクトと、前記ダクトの下方に着脱可能に設けられる幕板と、を備えるテーブルであって、
前記ダクトの下面には長手方向に沿って溝部が形成され、前記溝部には前記幕板の上辺が挿入され
、
前記ダクトは、前記溝部が形成されて前記長辺の下方に設けられる中間レールと、前記天板の下方で前記中間レールと平行に設けられる少なくとも一本の支持部材と、前記中間レールと前記支持部材との間に設けられる少なくとも一個のダクトカバーと、を備え、
前記ダクトカバーの一端側が前記中間レールに回動可能に支持されるとともに、前記ダクトカバーの他端側が前記支持部材に係止可能とされることにより、前記ダクトが開閉可能とされる、テーブル。
【請求項2】
前記ダクトは、前記中間レール、前記支持部材、及び、前記ダクトカバーの底面の高さ方向位置が略同一になるように構成されている、
請求項1に記載のテーブル。
【請求項3】
フレーム部材と、矩形に形成されて前記フレーム部材に支持される少なくとも一枚の天板と、前記天板の一の長辺の下方において前記長辺と平行に設けられるダクトと、前記ダクトの下方に着脱可能に設けられる幕板と、を備えるテーブルであって、
前記ダクトの下面には長手方向に沿って溝部が形成され、前記溝部には前記幕板の上辺が挿入され、
前記ダクトは、前記溝部が形成されて前記長辺の下方に設けられる中間レールと、前記天板の下方で前記中間レールと平行に設けられる少なくとも一本の支持部材と、前記中間レールと前記支持部材との間に設けられる少なくとも一個のダクトカバーと、を備え、
前記ダクトは、前記中間レール、前記支持部材、及び、前記ダクトカバーの底面の高さ方向位置が略同一になるように構成され、
前記溝部は、前記中間レールの前記底面よりも上方に向かって形成される、テーブル。
【請求項4】
前記中間レールと前記支持部材との間には幕板支持部材が配置され、
前記幕板は、前記幕板支持部材に吊支される、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のテーブル。
【請求項5】
前記フレーム部材は、前記天板の短手方向における両外端部に、前記天板の長手方向に沿って設けられる少なくとも一本の外フレームを備え、
前記支持部材と前記外フレームとの間に、前記天板の長手方向にスライド変位可能な収納部材が設けられる、
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のテーブル。
【請求項6】
前記天板を二枚備え、
二枚の前記天板は、互いの前記長辺の間に所定の間隙を設けて前記フレーム部材に支持され、
前記ダクトが前記間隙の下方に設けられる、
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はテーブルに関し、具体的にはテーブルにおける幕板の支持構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テーブルにおいて、配線ダクトの下方で幕板を支持する構成が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載のテーブル(デスク)においては、配線ダクト等を構成する脚間モジュールの下部で幕板を吊下げる構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術に係るテーブルにおいて、幕板に対して水平方向に力が加わることにより、幕板の厚さ方向に曲げモーメント等が発生することがある。この場合、吊下げた幕板に撓みや曲げが生じる可能性があった。一方、幕板の上端部に、幕板を長さ方向に補強する補強部材を設けた場合、部品点数が増加するとともに、幕板を組付ける際の作業工数が増える要因となる。
【0005】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、部品点数及び作業工数を増加させることなく、幕板に対して水平方向に力が加わった場合でも、幕板に撓みや曲げが生じることを防止できる、テーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するために、以下に構成するテーブルを提供する。
【0007】
(1)フレーム部材と、矩形に形成されて前記フレーム部材に支持される少なくとも一枚の天板と、前記天板の一の長辺の下方において前記長辺と平行に設けられるダクトと、前記ダクトの下方に着脱可能に設けられる幕板と、を備えるテーブルであって、前記ダクトの下面には長手方向に沿って溝部が形成され、前記溝部には前記幕板の上辺が挿入され、前記ダクトは、前記溝部が形成されて前記長辺の下方に設けられる中間レールと、前記天板の下方で前記中間レールと平行に設けられる少なくとも一本の支持部材と、前記中間レールと前記支持部材との間に設けられる少なくとも一個のダクトカバーと、を備え、
前記ダクトカバーの一端側が前記中間レールに回動可能に支持されるとともに、前記ダクトカバーの他端側が前記支持部材に係止可能とされることにより、前記ダクトが開閉可能とされる、テーブル。
【0008】
(2)前記ダクトは、前記中間レール、前記支持部材、及び、前記ダクトカバーの底面の高さ方向位置が略同一になるように構成されている、(1)に記載のテーブル。
【0009】
(3)フレーム部材と、矩形に形成されて前記フレーム部材に支持される少なくとも一枚の天板と、前記天板の一の長辺の下方において前記長辺と平行に設けられるダクトと、前記ダクトの下方に着脱可能に設けられる幕板と、を備えるテーブルであって、前記ダクトの下面には長手方向に沿って溝部が形成され、前記溝部には前記幕板の上辺が挿入され、前記ダクトは、前記溝部が形成されて前記長辺の下方に設けられる中間レールと、前記天板の下方で前記中間レールと平行に設けられる少なくとも一本の支持部材と、前記中間レールと前記支持部材との間に設けられる少なくとも一個のダクトカバーと、を備え、前記ダクトは、前記中間レール、前記支持部材、及び、前記ダクトカバーの底面の高さ方向位置が略同一になるように構成され、前記溝部は、前記中間レールの前記底面よりも上方に向かって形成される、テーブル。
【0010】
(4)前記中間レールと前記支持部材との間には幕板支持部材が配置され、前記幕板は、前記幕板支持部材に吊支される、(1)から(3)の何れか一に記載のテーブル。
【0011】
(5)前記フレーム部材は、前記天板の短手方向における両外端部に、前記天板の長手方向に沿って設けられる少なくとも一本の外フレームを備え、前記支持部材と前記外フレームとの間に、前記天板の長手方向にスライド変位可能な収納部材が設けられる、(1)から(4)の何れか一に記載のテーブル。
【0012】
(6)前記天板を二枚備え、二枚の前記天板は、互いの前記長辺の間に所定の間隙を設けて前記フレーム部材に支持され、前記ダクトが前記間隙の下方に設けられる、(1)から(5)の何れか一に記載のテーブル。
【発明の効果】
【0013】
以上における本発明に係るテーブルは、以下に示す効果を奏する。
【0014】
(1)の構成によれば、部品点数及び作業工数を増加させることなく、幕板に対して水平方向に力が加わった場合でも、幕板に撓みや曲げが生じることが防止できる。また、幕板を着脱可能に取り付けることができるため、幕板を取り外した場合は天板の下方の空間を広く確保することができるため、テーブルをすっきりとしたデザインとすることができる。また、ダクトを構成する中間レールを幕板の補強部材として活用することができる。
【0015】
(2)の構成によれば、ダクトの意匠性を向上させることができる。
【0016】
(3)の構成によれば、ダクトの意匠性を向上させることができる。
【0017】
(4)の構成によれば、幕板を簡易な構成で支持することができる。
【0018】
(5)の構成によれば、ダクトの構成部材を用いて収納部材を支持することが可能となる。
【0019】
(6)の構成によれば、二枚の天板を備えるテーブルにおいて、幕板に対して水平方向に力が加わった場合でも、幕板に撓みや曲げが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】幕板のテーブル端部における組付手順を示す斜視図。
【
図4】幕板のテーブル端部における組付構成を示す斜視図。
【
図6】幕板のテーブル中央部における組付手順を示す斜視図。
【
図7】幕板のテーブル中央部における組付構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では
図1から
図10を用いて、本発明の一実施形態に係るテーブル1を詳細に説明する。
図1及び
図2に示す如く、本実施形態に係るテーブル1は、フレーム部材Fと、フレーム部材Fに支持される二枚の天板2・2と、を備える。本実施形態においては
図1中に示す矢印でテーブル1の方向を規定する。即ち、テーブル1においては、それぞれが左右方向に長手方向を有する矩形に形成された天板2・2が、前後方向に並ぶ位置に配置されるとともに、互いの長辺の間に所定の間隙を設けた状態で、フレーム部材Fに設けられる。
【0022】
図1及び
図2に示す如く、テーブル1は収納部材10を備える。本実施形態において、収納部材10を除くテーブル1は左右対称形状かつ前後対称形状に構成されている。以下の説明では、左右で共通する構成(例えば幕板9の支持部分)については右側の構成についてのみ説明し、左側の構成については詳細な説明を省略する。
【0023】
フレーム部材Fは、天板2・2の四隅を支持する脚部材3と、左右両側にそれぞれ配置される二本の脚部材3の下部を前後方向に連結する下部支持フレーム4Dと、左右両側にそれぞれ配置される二本の脚部材3の上部を前後方向に連結する上部支持フレーム4Uと、二本の上部支持フレーム4Uの前端部及び後端部をそれぞれ左右方向に連結する外フレーム5(
図2を参照)と、を組み合わせて構成される。上部支持フレーム4Uは、天板2・2の下面における左右両端部を下方から支持している。外フレーム5は、天板2・2の短手方向における両外端部に、天板2・2の長手方向に沿って設けられる。
【0024】
図2及び
図8に示す如く、天板2・2の間隙の下方には、図示しない配線ケーブル等を挿通可能な配線ダクト8が設けられる。配線ダクト8の下方には、テーブル1の前後方向中央部に幕板9が着脱可能に設けられる。幕板9は、テーブル1において天板2・2の下側の空間を前後方向に略二等分するように配置される。
【0025】
配線ダクト8の上側における天板2・2の間隙にはカバー部材6・6が配置され、カバー部材6・6により配線ダクト8の上側が被覆される。天板2・2の間隙におけるカバー部材6・6の左右方向外側には、エッジカバー7・7が設けられる。カバー部材6・6及びエッジカバー7・7の上面は天板2・2の上面と面一になるように構成されている。
【0026】
図3及び
図4に示す如く、配線ダクト8は、それぞれ上部支持フレーム4U・4Uに沿って設けられる二本の幕板支持部材81(反対側は不図示)、中間レール82、二本の支持レール83・83、及び、前後方向に二個並んだダクトカバー84等で構成されている。なお、
図2に示す如く、ダクトカバー84は左右方向にも二個並んで配置されるため、テーブル1においては合計四個のダクトカバー84が設けられている。なお、ダクトカバー84の個数は本実施形態に限定されるものではなく、左右方向に一個配置されていても、又は三個以上並んで配置されていても差し支えない。
【0027】
図3から
図5に示す如く、幕板支持部材81は板金部材を折り曲げて、左右方向内側面が開口した箱状に構成された部材である。幕板支持部材81は左右両側の上部支持フレーム4Uにおける内側の面にそれぞれ固定される。幕板支持部材81には、下面の二箇所に固定孔81aが開口されている。また、幕板支持部材81の下面における前後方向中央部には、固定孔81aの間に挿入溝部81bが切り欠いて形成されている。
【0028】
図3から
図5に示す如く、中間レール82は長尺の板金部材を長手方向に沿って折り曲げ、断面視で略W字形状に形成した部材である。中間レール82の下面における凹みは、溝部82aとして形成される。また、中間レール82における両側の立上がった部分は枢支部82bとして形成される。
【0029】
中間レール82の両端部は二本の幕板支持部材81の中央部分において、略L字形状の吊支部材91により固定される。具体的には
図3から
図5に示す如く、中間レール82の両端部における上側に突出した部分を幕板支持部材81の下方より挿入溝部81bに挿入する。そして、吊支部材91の挿入部91bを下方より固定孔81aに挿入して、吊支部材91で中間レール82を下方から支持した状態で、ボルト等の固定具により吊支部材91を幕板支持部材81に固定する。これにより、中間レール82が幕板支持部材81に固定される。
【0030】
吊支部材91の下側は連結孔が開口した吊支部91bとして形成されている。幕板9は、吊支部材91を介して幕板支持部材81に吊支される。具体的には
図3に示す如く、幕板9は二個の吊支部材91の吊支部91bに挟まれた状態で、吊支部91bの連結孔及び幕板9の挿通孔9aにボルトが挿通され、ボルトにナットが螺合される。これにより、幕板9は吊支部材91を介して幕板支持部材81に支持される。
【0031】
図3から
図5に示す如く、本発明に係る支持部材の実施形態である支持レール83は長尺の板金部材を長手方向に沿って折り曲げ、断面視で略S字形状に形成した部材である。支持レール83の下端部において立上がった部分は係止部83aとして形成される。支持レール83は、中間レール82の前後の両側に所定の間隔を空けて設けられる。支持レール83の端部が幕板支持部材81の端部に組付けられることにより、支持レール83は両端部が幕板支持部材81に支持される。このように、本実施形態においては、
図3から
図5に示す如く、中間レール82と支持レール83との間に幕板支持部材81が配置される構成としている。
【0032】
中間レール82と二本の支持レール83との間における左右方向中央部分には、
図6から
図8に示す如く、中間幕板支持部材92が前後に二個架け渡される。換言すれば、中間レール82と支持レール83との間には、幕板支持部材の一つである中間幕板支持部材92が配置されている。また、それぞれの中間幕板支持部材92の下面には、左右に二個並んで固定孔92aが開口されている。
【0033】
固定孔92aには、幕板支持部材81と同様に吊支部材91の挿入部91bが下方より挿入され、吊支部材91が固定される。そして、それぞれの吊支部材91を介して、幕板9は中間幕板支持部材92に吊支されている。本実施形態に係るテーブル1においては、
図6及び
図7に示す如く、二個の中間幕板支持部材92に二個ずつ、合計四個の吊支部材91が組付けられる。
図8に示す如く、中間レール82の中央部分についても、吊支部材91により下方から支持されている。
【0034】
ダクトカバー84は、断面視で略L字形状に形成された樹脂製の部材であり、中間レール82と片側の支持レール83との間を開閉可能に中間レール82に組付けられる。具体的には、ダクトカバー84の一端側の側辺には筒形状の被枢支部84aが形成され、他端側の側辺には被係止部84bが形成されている。そして、被枢支部84aを中間レールの枢支部82bに係合させることにより、ダクトカバー84を中間レール82に対して回動可能に組付ける。
【0035】
配線ダクト8を閉塞する際は、
図8に示す如くダクトカバー84の被係止部84bを支持レール83の係止部83aに係止させる。閉塞時の配線ダクト8においては
図8に示す如く、中間レール82、支持レール83、及び、ダクトカバー84の底面の高さ方向位置が略同一になるように構成されている。換言すれば、閉塞時の配線ダクト8は、中間レール82、二本の支持レール83・83、及び、二個のダクトカバー84・84の底面が面一となるように形成されている。
【0036】
そして、配線ケーブルや電源タップ等を収納するために配線ダクト8を開放する際は、使用者がダクトカバー84を下方に引き下げることにより、
図8中の仮想線の如くダクトカバー84を下方に開くのである。このように、ダクトカバー84を開閉可能とすることにより、使用者は天板2の下側空間の奥側(前後方向中央部)に入り込まなくても、配線ケーブルなどの収納作業等を容易に行うことが可能となる。
【0037】
本実施形態に係るテーブル1においては、配線ダクト8を構成する中間レール82の下面に、長手方向に沿って溝部82aが形成されている。そして、
図3から
図8に示す如く、溝部82aには幕板9の上辺が挿入されている。
【0038】
本実施形態に係るテーブル1によれば、上記の如く幕板9の上辺を配線ダクト8の下面に形成された溝部82aに挿入することにより、幕板9に撓みや曲げが生じることを防止できる。詳細には、幕板9に対して水平方向に力が加わることにより、幕板9の厚さ方向に曲げモーメント等が発生した場合でも、幕板9の上辺が溝部82aにより補強されているため、幕板9に撓み・曲げが生じることを防止できる。
【0039】
また、本実施形態によれば、幕板9の上端部に、幕板9を長さ方向に補強する補強部材を別途設けることがないため、部品点数も増加や、幕板9を組付ける際の作業工数の増加といった問題が生じることがない。このように、本実施形態に係るテーブル1によれば、部品点数及び作業工数を増加させることなく、幕板9に対して水平方向に力が加わった場合でも、幕板に撓みや曲げが生じることが防止できるのである。
【0040】
また、本実施形態によれば、配線ダクト8の溝部82aに幕板9の上辺を挿入する構成であるため、配線ダクト8と幕板9との間から光が漏れることを防止できる。即ち、テーブル1の反対側から光が差し込む場合でも、幕板9の上辺から光が漏れることを防止している。
【0041】
なお、本実施形態に係るテーブル1においては二枚の天板2・2を備える構成としているが、テーブル1が天板2を一枚のみ備える構成とすることも可能である。この場合、天板2の後側の長辺の下方において、この長辺と平行に配線ダクト8が設けられ、この配線ダクト8の下方に幕板9が設けられる。そして、配線ダクト8の中間レール82に形成された溝部82aに幕板9の上辺が挿入されるのである。この場合についても、幕板9の上辺を配線ダクト8の溝部82aに挿入することにより、幕板9に撓みや曲げが生じることを防止できる。
【0042】
また、本実施形態に係るテーブル1によれば
図8に示す如く、閉塞時の配線ダクト8において、中間レール82、支持レール83、及び、ダクトカバー84の底面の高さ方向位置が略同一になるように構成されている。これにより、配線ダクト8の構成部材である中間レール82、支持レール83、及び、ダクトカバー84の底面をほぼ同一の面に位置させることができるため、側面視又は底面視における配線ダクト8の意匠性を向上させることができる。
【0043】
また、配線ダクト8の上下方向の寸法は、上部支持フレーム4Uの高さ寸法内に全ての構成(中間レール82、支持レール83、及び、ダクトカバー84)が収まるように形成されている(
図5及び
図8を参照)。このため、テーブル1の側面視において配線ダクト8を上部支持フレーム4Uの背後に配置して、使用者から配線ダクト8を見えにくくすることができるため、テーブル1の意匠性をより向上させることができる。
【0044】
また、本実施形態に係るテーブル1によれば、中間レール82と支持レールとの間に幕板支持部材81又は中間幕板支持部材92が配置され、幕板9が幕板支持部材81又は中間幕板支持部材92に吊支される構成としている。これにより、吊支部材91を介して幕板9を簡易な構成で支持することができるとともに、幕板9の着脱を容易に行うことが可能となる。即ち、幕板9をテーブル1に着脱する場合、吊支部材91に対して幕板9を取付け又は取外しを行えば良いため、幕板9の着脱性を向上させることが可能となる。このように、幕板9を取り外した場合は、天板2・2の下方の空間を広く確保することができるため、テーブル1をすっきりとしたデザインとすることができる。
【0045】
また、本実施形態に係るテーブル1において、配線ダクト8は、ダクトカバー84の一端側が、溝部82aが形成された中間レール82に回動可能に支持されるとともに、ダクトカバー84の他端側が、支持レール83に係止可能とされることにより、開閉可能とされる。本実施形態においては上記の如く、配線ダクト8を構成する中間レール82を幕板9の補強部材として活用する構成としている。即ち、配線ダクト8の内部空間を幕板9の補強のために有効に活用することが可能となる。
【0046】
本実施形態に係るテーブル1において、支持レール83と外フレーム5との間には、天板2の長手方向にスライド変位可能な収納部材10が設けられる。具体的には、
図1、
図2、
図9、及び
図10に示す如く、収納部材10は箱状の収納ケース11が外支持部材12及び内支持部材13を介して、外フレーム5及び支持レール83に対して左右方向にスライド可能に組付けられる。収納ケース11の上面には外支持部材12及び内支持部材13を組付けるための複数のケース固定孔11aが開口されている。
【0047】
より具体的には、外フレーム5に係止される外支持部材12は、係合部12aと支持部12bとが形成され、係合部12aが外フレーム5に係止されるとともに、支持部12bが固定ネジを介して収納ケース11に固定される。一方、支持レール83に係止される内支持部材13は、係合部13aと支持部13bとが形成され、係合部13aが支持レール83に係止されるとともに、支持部13bが固定ネジを介して収納ケース11に固定される。
【0048】
本実施形態においては、支持部13bを組付けるケース固定孔11aの場所を変更することにより、収納部材10の前後幅寸法を変更することができる。これにより、支持レール83と外フレーム5との間隔の変更に対応して収納部材10をテーブル1に組付けることが可能となる。
【0049】
本実施形態に係るテーブル1においては、上記の如く配線ダクト8の構成部材である支持レール83を用いて、収納部材10を支持することを可能としている。これにより、収納部材を支持する構成を別途増やすことがなく、簡易な構成で収納部材10をテーブル1に設けることが可能となる。なお、収納部材10を箱状の収納ケース11で構成せず、収納部材10として布状の収納ケース等、他の構成を採用することも可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 テーブル 2 天板
3 脚部材 4U 上部支持フレーム
4D 下部支持フレーム
5 外フレーム 6 カバー部材
7 エッジカバー 8 配線ダクト(ダクト)
9 幕板 9a 挿通孔
10 収納部材 11 収納ケース
11a ケース固定孔 12 外支持部材
12a 係合部 12b 支持部
13 内支持部材 13a 係合部
13b 支持部 81 幕板支持部材
81a 固定孔 81b 挿入溝部
82 中間レール 82a 溝部
82b 枢支部 83 支持レール(支持部材)
83a 係止部 84 ダクトカバー
84a 被枢支部 84b 被係止部
91 吊支部材 91a 吊支部
91b 挿入部
92 中間幕板支持部材(幕板支持部材)
92a 固定孔 F フレーム部材