(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】表示方法及び表示プログラム、並びに情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 8/30 20180101AFI20240111BHJP
G06F 8/40 20180101ALI20240111BHJP
【FI】
G06F8/30
G06F8/40
(21)【出願番号】P 2020014602
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 香月
(72)【発明者】
【氏名】殿岡 弘範
【審査官】福西 章人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/179486(WO,A1)
【文献】特開2012-059026(JP,A)
【文献】特開2009-151613(JP,A)
【文献】特開2015-184756(JP,A)
【文献】特開2013-120491(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102222013(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 8/00-8/77
9/44-9/455
11/07
11/28-11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の
複数種類の形式を特定する情報との入力を受け付け、
前記プログラムソースと前記変換後の
複数種類の形式
それぞれとに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記
複数種類の形式
それぞれに変換し、
前記形式毎に、前記プログラムソースのうち、前記
変換定義に基づいて変換された箇所と
、変換が不要な箇所とを識別可能に示す変換ログを表示する、
処理をコンピュータが実行する表示方法。
【請求項2】
前記変換ログは、
前記形式毎に、前記変換定義に基づいて変換を試みたが変換ができなかった箇所を識別可能に示す、ことを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記変換ログは、
前記形式毎に、前記
変換定義に基づいて変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記
変換定義に基づいて変換された箇所の数の割合を示す、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記形式に変換する処理では、前記プログラムソースを前記第1の言語に対応する第1の変換定義に基づいて所定の中間情報に変換し、前記中間情報を前記
複数種類の形式
それぞれに対応する第2の変換定義に基づい
て変換する、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項5】
前記中間情報は、設計情報である、ことを特徴とする請求項4に記載の表示方法。
【請求項6】
前記
複数種類の形式それぞれに対応する第2の変換定義は、前記設計情報を
前記複数種類の設計書の形式
それぞれに変換する変換定義である、ことを特徴とする請求項5に記載の表示方法。
【請求項7】
前記
複数種類の形式それぞれに対応する第2の変換定義
には、前記設計情報を第2の言語で記述されたプログラムソースの形式に変換する変換定義
が含まれる、ことを特徴とする請求項5に記載の表示方法。
【請求項8】
第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の形式を特定する情報との入力を受け付け、
前記プログラムソースと前記変換後の形式とに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記形式に変換し、
前記プログラムソースのうち、前記形式に変換された箇所と、前記形式への変換が不要な箇所とを識別可能に示すとともに、前記形式に変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記形式に変換された箇所の数の割合を示す変換ログを表示する、
処理をコンピュータが実行する表示方法。
【請求項9】
第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の
複数種類の形式を特定する情報との入力を受け付け、
前記プログラムソースと前記変換後の
複数種類の形式
それぞれとに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記
複数種類の形式
それぞれに変換し、
前記形式毎に、前記プログラムソースのうち、前記
変換定義に基づいて変換された箇所と
、変換が不要な箇所とを識別可能に示す変換ログを表示する、
処理をコンピュータに実行させるための表示プログラム。
【請求項10】
第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の形式を特定する情報との入力を受け付け、
前記プログラムソースと前記変換後の形式とに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記形式に変換し、
前記プログラムソースのうち、前記形式に変換された箇所と、前記形式への変換が不要な箇所とを識別可能に示すとともに、前記形式に変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記形式に変換された箇所の数の割合を示す変換ログを表示する、
処理をコンピュータに実行させるための表示プログラム。
【請求項11】
第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の
複数種類の形式を特定する情報との入力を受け付ける受付部と、
前記プログラムソースと前記変換後の
複数種類の形式
それぞれとに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記
複数種類の形式
それぞれに変換する変換部と、
前記形式毎に、前記プログラムソースのうち、前記
変換定義に基づいて変換された箇所と
、変換が不要な箇所とを識別可能に示す変換ログを表示するログ表示部と、
を備える情報処理装置。
【請求項12】
第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の形式を特定する情報との入力を受け付ける受付部と、
前記プログラムソースと前記変換後の形式とに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記形式に変換する変換部と、
前記プログラムソースのうち、前記形式に変換された箇所と、前記形式への変換が不要な箇所とを識別可能に示すとともに、前記形式に変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記形式に変換された箇所の数の割合を示す変換ログを表示するログ表示部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示方法及び表示プログラム、並びに情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運用中の現行システムを新システムに移行する場合、現行システムの資産を漏れなく調査する必要がある。この調査は、人手で行うこともできるが、現行システムが大規模である場合には、調査にかかる手間やコストがかかり、かつ調査者が各システムで用いるプログラム言語に対して精通している必要があるため、現実的でない。このため、現行プログラム資産からドキュメント(設計書)を自動的に生成するサービスが提供され始めている。
【0003】
また、最近では、ある言語で記述されたプログラムソースを自動的に異なる言語のプログラムソースに変換するサービスについても提供され始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-165584号公報
【文献】特開2009-122754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような設計書を生成するサービスにおいては、設計書のすべての項目が出力されない可能性があることから、有識者による精査が必要となる。この場合、設計書の分量が膨大であると、精査に手間とコストがかかる。
【0006】
また、プログラムソースを異なる言語に変換するサービスにおいても、適切に変換されたかを精査する必要があり、この作業にも手間とコストがかかる。
【0007】
1つの側面では、本発明は、第1の言語で記述されたプログラムソースを変換した内容の精査作業を支援することが可能な表示方法及び表示プログラム、並びに情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一つの態様では、表示方法は、第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の複数種類の形式を特定する情報との入力を受け付け、前記プログラムソースと前記変換後の複数種類の形式それぞれとに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記複数種類の形式それぞれに変換し、前記形式毎に、前記プログラムソースのうち、前記変換定義に基づいて変換された箇所と、変換が不要な箇所とを識別可能に示す変換ログを表示する、処理をコンピュータが実行する表示方法である。
【発明の効果】
【0009】
第1の言語で記述されたプログラムソースを変換した内容の精査作業を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成を概略的に示す図である。
【
図2】
図2(a)は、サーバのハードウェア構成を示す図であり、
図2(b)は、端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】サーバの処理を示すフローチャート(その1)である。
【
図5】サーバの処理を示すフローチャート(その2)である。
【
図6】
図6(a)は、言語Aで記述されたプログラムソースの一例を示す図であり、
図6(b)は、言語Bで記述されたプログラムソースの一例を示す図であり、
図6(c)は、抽出定義ファイルの一例を示す図である。
【
図7】
図7(a)は、設計情報の一例を示す図であり、
図7(b)は、出力定義ファイルの一例を示す図であり、
図7(c)は、設計書の一例を示す図である。
【
図9】
図9(a)は、出力定義ファイルの別例を示す図であり、
図9(b)は、出力情報がJSPファイルである場合の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態について、
図1~
図9に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1には、一実施形態に係る情報処理システム100の構成が概略的に示されている。
図1の情報処理システム100は、情報処理装置としてのサーバ10と、端末装置70と、を備える。サーバ10と、端末装置70は、インターネットなどのネットワーク80に接続されている。本実施形態では、端末装置70は、第1の言語で記述されたプログラムソースに基づいて各種処理を実行する現行システムを管理する管理者が利用する端末であるものとする。また、サーバ10は、管理者からの依頼を受けて、現行システムのプログラムソースを管理者が望む形式の情報に変換するサービスを提供する企業が利用する情報処理装置である。
【0013】
(サーバ10について)
サーバ10は、ネットワーク80を介して端末装置70と通信し、端末装置70から現行システムのプログラムソースを取得し、プログラムソースから中間情報(本実施形態では設計情報)を抽出するとともに、設計情報を管理者が望む形式の情報に変換して、端末装置70に出力する。また、サーバ10は、上記処理におけるログを作成し、端末装置70に対して出力する。
【0014】
図2(a)には、サーバ10のハードウェア構成が概略的に示されている。
図2(a)に示すように、サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)90、ROM(Read Only Memory)92、RAM(Random Access Memory)94、記憶部(ここではHDD(Hard Disk Drive))96、ネットワークインタフェース97、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。これらサーバ10の構成各部は、バス98に接続されている。サーバ10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム(表示プログラムを含む)、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラム(表示プログラムを含む)をCPU90が実行することにより、
図3に示す、各部の機能が実現される。なお、
図3の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0015】
図3には、サーバ10の機能ブロック図が示されている。サーバ10においては、CPU90がプログラムを実行することにより、受付部としての入力受付部20、抽出ルール設定部22、情報抽出部26、出力定義取得部28、出力情報作成部32、ログ作成部34、出力部36、としての機能が実現されている。なお、
図3には、HDD96等に格納されている抽出定義ファイルDB40、設計情報リポジトリ42、出力定義ファイルDB44、出力情報DB46、ログDB48についても図示されている。
【0016】
入力受付部20は、端末装置70から、現行システムで利用されている第1の言語で記述されたプログラムソースを取得するとともに、端末装置70において入力(指定)された、プログラムソースの変換後の形式を特定する情報を受け付ける。変換後の形式を特定する情報は、例えば、設計書の形式、第1の言語とは異なる第2の言語で記述されたプログラムソースの形式、などである。
【0017】
抽出ルール設定部22は、抽出定義ファイルDB40から抽出定義ファイルを読み出し、入力受付部20が取得したプログラムソースに対応する抽出ルールを設定する。
【0018】
情報抽出部26は、設定した抽出ルールに基づいて、入力受付部20が取得したプログラムソースから設計情報を抽出して、設計情報リポジトリ42に格納する。なお、プログラムソースから設計情報を抽出することは、プログラムソースを設計情報に変換することと同義である。したがって、抽出ルールは、プログラムソースを設計情報に変換するための第1の変換定義であるといえる。
【0019】
出力定義取得部28は、出力定義ファイルDB44から、端末装置70において入力(指定)された変換後の形式(例えば設計書の形式)に対応する出力定義ファイルを読み込む。
【0020】
出力情報作成部32は、設計情報リポジトリ42に格納されている設計情報を取得し、設定された出力定義ファイルに基づいて、設計情報から出力情報(例えば設計書)を作成する。出力情報作成部32は、作成した出力情報(例えば設計書)を出力情報DB46に格納する。なお、設計情報から出力情報を作成することは、設計情報を出力情報に変換することと同義である。したがって、出力定義ファイルは、設計情報を出力情報に変換するための第2の変換定義であるといえる。
【0021】
ログ作成部34は、プログラムソースのうち、出力情報に含まれている箇所と、含まれなかった箇所とを識別可能に表示するログ(以下、変換ログと呼ぶ)を作成する。ログ作成部34は、作成した変換ログをログDB48に格納する。
【0022】
出力部36は、出力情報DB46に格納された出力情報(例えば設計書)と、ログDB48に格納された変換ログとを、端末装置70に対して出力(送信)する。
【0023】
(端末装置70について)
図2(b)には、端末装置70のハードウェア構成が示されている。端末装置70は、
図2(b)に示すように、CPU190、ROM192、RAM194、記憶部(HDD)196、ネットワークインタフェース197、表示部193、入力部195、及び可搬型記憶媒体191に記憶されたデータ等を読み取り可能な可搬型記憶媒体用ドライブ199等を備えている。これら端末装置70の構成各部は、バス198に接続されている。表示部193は、液晶ディスプレイ等を備え、入力部195は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含む。
【0024】
管理者は、入力部195を介して、サーバ10で処理するプログラムソースを特定する情報や、プログラムソースの変換後の形式を特定する情報を端末装置70に入力する。端末装置70は、サーバ10に対して特定されたプログラムソースを提供したり、サーバ10から送信されてくる出力情報や変換ログを取得して、表示部193上に表示したりする。管理者は、表示部193上に表示された変換ログを参照しながら、出力情報を精査することができる。
【0025】
(サーバ10の処理について)
以下、サーバ10の処理について、
図4、
図5のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ、詳細に説明する。
【0026】
(
図4の処理について)
図4は、サーバ10による設計情報の抽出処理を示すフローチャートである。
図4の処理は、端末装置70から処理の依頼があったタイミングで開始される処理である。
【0027】
図4の処理では、まずステップS10において、入力受付部20が、現行システムのプログラムソースを特定する情報と、変換後の形式の情報を取得する。現行システムの管理者は、端末装置70に、プログラムソースを特定する情報や、プログラムソースの変換後の形式の情報を入力するため、入力受付部20は、端末装置70に入力された情報を取得する。
【0028】
次いで、ステップS12では、入力受付部20が、現行システムのプログラムソースを読み込む。この場合、入力受付部20は、端末装置70など現行システムのプログラムソースを保持している装置にアクセスして、プログラムソースを読み込む。
図6(a)には、読み込まれたプログラムソースの一例が示されている。
図6(a)のプログラムは、言語Aで記述されたプログラムソースであるものとする。なお、現行システムのプログラムソースは、
図6(a)以外の言語(言語Bとする)で記述された
図6(b)に示すようなプログラムソースであってもよい。
【0029】
次いで、ステップS14では、抽出ルール設定部22が、抽出定義ファイルDB40から抽出定義ファイルを読み込む。
図6(c)には、抽出定義ファイルの一例が示されている。
図6(c)の抽出定義ファイルは、各項番に対し、「抽出する情報、条件」の情報と、「対象ファイル」の情報が対応付けて格納されている。「抽出する情報、条件」の情報は、プログラムソースからどのようにして情報を抽出するかを示す情報である。「対象ファイル」の情報は、どの言語のプログラムソースに対して「抽出する情報、条件」を適用するのかを示す情報である。「対象ファイル」の欄に(A)が格納されている場合、言語Aのプログラムソースに対して「抽出する情報、条件」を適用することを意味し、(B)が格納されている場合、言語Bのプログラムソースに対して「抽出する情報、条件」を適用することを意味する。
【0030】
次いで、ステップS16では、抽出ルール設定部22が、現行システムのプログラムソースの言語に対応する抽出ルールを設定する。具体的には、抽出ルール設定部22は、抽出定義ファイル(
図6(c))から、ステップS12で読み込んだプログラムソースの言語(ここでは言語A)に対応する行のみを取り出して、言語Aに対応する抽出ルールを設定する。なお、抽出定義ファイルが言語ごとに生成され、抽出定義ファイルDB40に格納されている場合には、抽出ルール設定部22は、言語に対応する抽出定義ファイルを抽出定義ファイルDB40から読み出して、抽出ルールとして用いればよい。
【0031】
次いで、ステップS18では、情報抽出部26が、設定した抽出ルールに基づいて、現行システムのプログラムソースから情報(設計情報)を抽出する。例えば、
図6(a)に示す3行に対して、
図6(c)の抽出定義ファイルの項番1~4を適用すると、
図7(a)の項番1~3の設計情報を抽出することができる。
【0032】
ここで、
図7(a)の設計情報には、「項番」、「コード行数」、「項目名(英名)」、「項目名(日本名)」、「属性」、「桁数」、「フォント色」の情報が格納される。「コード行数」のフィールドには、プログラムソースの先頭4桁の数字が格納され、「項目名(英名)」のフィールドには、プログラムソースの「♯」以降の英数字が格納され、「項目名(日本名)」の欄には、プログラムソースの「/*」以降の文字列が格納される。「属性」のフィールドには、プログラムソースの括弧内の英字が格納され、「桁数」のフィールドには、プログラムソースの括弧内の数字が格納され、「フォント色」のフィールドには、「項目名(英名)」のフィールドに格納された英数字の直近のフォーマット情報に記述されているフォント色の情報が格納される。
【0033】
情報抽出部26は、プログラムソースの全ての行に対して、適用可能な抽出ルールを適用し、設計情報を抽出する。
【0034】
次いで、ステップS20では、情報抽出部26が、抽出した設計情報を設計情報リポジトリ42に格納する。以上により、
図4の処理が終了する。
【0035】
(
図5の処理について)
次に、
図5の処理について説明する。
図5は、設計情報から出力情報を作成するとともに、変換ログを作成する処理を示すフローチャートである。
【0036】
図5の処理では、まずステップS30において、出力定義取得部28が、変換後の形式に対応する出力定義ファイルを出力定義ファイルDB44から読み込む。ここで、出力定義ファイルは、
図7(b)に示すようなファイルであるものとする。
図7(b)の出力定義ファイルは、管理者が入力(指定)した出力情報の形式が「設計書」の形式である場合の出力定義ファイルである。
【0037】
図7(b)の出力定義ファイルには、「項番」、「ファイル形式」、「フォーマット」、「出力項目」、「設計情報編集ルール」の情報が格納されている。「ファイル形式」のフィールドには、出力する際のファイルの形式が格納され、「フォーマット」のフィールドには、どの種別(フォーマット)の設計書に出力されるかを示す情報が格納される。設計書の種別としては、
図7(b)に記載されている「画面項目定義仕様書」の他、「画面イベント定義書」、「チェック処理仕様書」、「テーブル仕様書」、「メッセージ一覧」、「アプリ構造定義書」、「画面遷移定義書」、「Controller処理定義書」、「Service処理定義書」、「Form項目定義書」、「DTO(Data Transfer Object)項目定義書」などがある。
【0038】
次いで、ステップS34では、出力情報作成部32が、設計情報リポジトリ42から設計情報を取得する。この場合、出力情報作成部32は、
図7(a)に示すような設計情報を取得する。
【0039】
次いで、ステップS36では、出力情報作成部32が、読み込んだ出力定義ファイルに基づいて設計情報を変換し、出力情報(ここでは、設計書)を作成する。
図7(c)には、
図7(a)の設計情報を変換した結果得られた設計書(フォーマット「画面項目定義仕様書」)が示されている。なお、その他のフォーマットの設計書(画面イベント定義書、チェック処理仕様書など)についても、同様にして得られる。
【0040】
次いで、ステップS38では、ログ作成部34が、出力情報(設計書)を作成したときの変換ログを作成する。具体的には、
図8に示すような変換ログを作成する。
【0041】
図8の変換ログには、プログラムソースの各行(各ソース)と、各行の変換結果(変換済、未変換、対象外、コメント)と、どの種類の設計書に変換されたか又は変換しようとして変換できなかったかの情報が含まれている。ここで、変換結果のうち「変換済」は、変換ができた箇所を意味し、「未変換」は、変換しようとしたが変換できなかった箇所を意味する。また、「対象外」は、変換の対象外、すなわち変換する必要のなかった箇所を意味する。また、「コメント」は、コメントが記載された行であり、変換の必要がなかった箇所を意味する。
【0042】
変換できた箇所(行)については、変換先の設計書の種類を示す欄に「〇」が記載され、その他の欄に「-」が記載される。また、変換しようとしたが変換できなかった箇所(行)については、変換を試みた設計書の種類を示す欄に「●」が記載され、その他の欄に「-」が記載される。また、変換の必要がなかった箇所(行)やコメントの行については、設計書の種類を示す全ての欄に「-」が記載される。なお、ログ作成部34は、変換ログを作成するために、入力受付部20からプログラムソースを取得し、「ソース」の欄にプログラムソースの各行の文字列を記載することとしている。
【0043】
更に、変換ログの右上の表には、設計書の種類それぞれについて、変換済、未変換、対象外の数が表示される。また、変換ログの右上の表には、設計書の種類それぞれについて、変換率({変換済の数/(変換済の数+未変換の数)}×100(%))が表示される。
【0044】
なお、ログ作成部34は、作成した変換ログをログDB48に格納する。
【0045】
図5に戻り、次のステップS40では、出力部36が、出力情報(ここでは設計書)と変換ログを端末装置70に対して出力する。より具体的には、出力部36は、出力情報DB46から設計書(
図7(c))を取得するとともに、ログDB48から変換ログ(
図8)を取得し、端末装置70に対して出力する。
【0046】
これにより、管理者は、変換後の設計書を利用することができる。また、管理者は、設計書の精査作業を行う場合に、変換ログを参照することができる。変換ログを参照することで、管理者は、右上の表から、未変換の箇所が全体としてどの程度存在しているのか、どの種類の設計書に未変換の箇所が存在しているのか、を容易に確認することができる。この場合、管理者は、設計書ごとに精査作業の負担がどの程度であるか、どの種類の設計書を重点的に精査すべきかなどを判断することができる。また、管理者は、変換ログの下側の表から、未変換の箇所がどこであるのかを具体的に特定することができる。
【0047】
なお、管理者は、出力情報の形式として上述した「設計書」の形式以外、例えばJSP(JavaServer Pages(Javaは登録商標))ソースの形式を選択することもある。この場合、出力定義取得部28は、出力定義ファイルとして、
図9(a)に示すような出力定義ファイルを取得する。この場合、出力情報作成部32は、出力定義ファイルを参照して、設計情報から、
図9(b)に示すような出力情報(JSPソース)を作成し、出力情報DB46に格納する。そして、出力部36は、端末装置70に対して
図9(b)のJSPソースを出力する。また、ログ作成部34は、入力受付部20が取得したプログラムソースのうち、JSPソースに変換された箇所と変換されなかった箇所(変換不要の箇所/変換できなかった箇所)とが識別可能となるように変換ログを作成し、ログDB48に格納する。そして、出力部36は、端末装置70に対してログDB48に格納された変換ログを出力する。
【0048】
これまでの説明から明らかなように、本実施形態では、ログ作成部34と出力部36とを含んで、プログラムソースのうち、変換された箇所と、変換の必要がなかった箇所とを識別可能に示す変換ログを出力するログ表示部としての機能が実現されている。また、情報抽出部26と、出力情報作成部32と、を含んで、プログラムソースと変換後の形式とに対応する変換定義に基づいてプログラムソースを変換する変換部としての機能が実現されている。
【0049】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、入力受付部20は、ある言語で記述されたプログラムソースと、当該プログラムソースの変換後の形式(例えば設計書の形式)を特定する情報との入力を受け付ける(S10、S12)。また、情報抽出部26と出力情報作成部24は、プログラムソースと変換後の形式とに対応する変換定義(抽出ルール及び出力定義ファイル)に基づいてプログラムソースを変換する(S18、S36)。そして、ログ作成部34は、プログラムソースのうち、変換された箇所、変換の必要がなかった箇所、変換されなかった箇所を識別可能に表示する変換ログ(
図8)を作成し(S38)、変換ログを出力部36が端末装置70に対して出力する(S40)。このように変換ログを端末装置70に出力することで、端末装置70を利用する管理者は、出力情報を精査する際に変換ログを参照することができる。この場合、管理者は、変換ログを参照することで、変換の必要がなかった箇所や、変換できなかった箇所を認識できるため、精査範囲を限定でき、精査作業の負担を軽減することができる。すなわち、端末装置70に変換ログを出力することで、管理者による出力情報の精査作業を支援することが可能である。
【0050】
また、本実施形態では、出力情報である設計書が複数種類あり、変換ログでは、プログラムソースの各箇所が変換された設計書の種類を表示することとしている。これにより、管理者は、変換ログを参照することで、プログラムソースの各箇所がどの種類の設計書に含まれたかを容易に確認することができる。
【0051】
また、本実施形態では、変換ログにおいて、変換できた箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、変換ができた箇所の数の割合を表示する。これにより、管理者は、出力情報の精査における作業負担を確認することが可能となる。この場合、設計書の種類ごとに割合を表示することで、管理者は、どの種類の設計書の精査を重点的に行えばよいかを容易に確認することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態では、情報抽出部26は、ある言語で記述されたプログラムソースを当該言語に対応する抽出ルールに基づいて設計情報を抽出する。そして、出力情報作成部32は、出力情報の形式(例えば設計書の形式)に対応する出力定義ファイルに基づいて出力情報を作成し、出力部36が出力情報を出力する。これにより、本実施形態では、言語ごとに抽出ルールを用意しておき、かつ各出力情報の形式ごとに出力定義ファイルを用意しておくことにより、プログラムソースを変換することができる。この場合、サーバ10の機能を改変しなくても、抽出ルールと出力定義ファイルの組み合わせを変えることで、種々の言語で記述されたプログラムソースから種々の形式の出力情報を出力することができる。すなわち、抽出ルールと出力定義ファイルを適宜用意することで、サーバ10を汎用的に利用することができる。
【0053】
また、本実施形態では、情報抽出部26が、プログラムソースから設計情報を抽出し、出力情報作成部32が、出力情報の形式に対応する出力定義ファイルを利用して、設計情報から設計書や他の言語のプログラムソースを作成する。このように設計情報を作成することで、プログラムソースから複数の出力情報(例えば設計書と他の言語のプログラムソース)を得たい場合における処理量を低減することができる。また、出力情報の形式が未定であっても、設計情報を抽出するまでの処理を進めておくことができる。
【0054】
なお、上記実施形態では、第1の言語で記述されたプログラムソースの変換後の中間情報が設計情報である場合について説明したが、これに限られるものではない。中間情報は、設計情報以外の情報であってもよい。
【0055】
なお、上記実施形態では、入力受付部20が取得したプログラムソースから抽出ルールに基づいて設計情報(中間情報)を抽出し、出力定義ファイルに基づいて設計情報(中間情報)から出力情報を作成する場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、入力受付部20が取得したプログラムソースを指定された出力情報の形式に変換する変換定義に基づいて、プログラムソースを指定された形式の出力情報に直接変換することとしてもよい。
【0056】
なお、上記実施形態では、変換ログに、変換できた箇所、変換の必要がなかった箇所、変換できなかった箇所を表示する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、変換の必要がなかった箇所と変換できなかった箇所のいずれか一方を表示しなくてもよい。
【0057】
なお、上記実施形態では、出力情報や変換ログの出力方法としては種々の方法を選択することができる。例えば、出力情報や変換ログを紙媒体に出力してもよい。
【0058】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
【0059】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0060】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0061】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【0062】
なお、以上の実施形態の説明に関して、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の形式を特定する情報との入力を受け付け、
前記プログラムソースと前記変換後の形式とに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記形式に変換し、
前記プログラムソースのうち、前記形式に変換された箇所と、前記形式への変換が不要な箇所とを識別可能に示す変換ログを表示する、
処理をコンピュータが実行する表示方法。
(付記2) 前記変換ログは、前記変換定義に基づいて変換を試みたが変換ができなかった箇所を識別可能に示す、ことを特徴とする付記1に記載の表示方法。
(付記3) 前記変換ログは、前記形式に変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記形式に変換された箇所の数の割合を示す、ことを特徴とする付記1又は2に記載の表示方法。
(付記4) 前記形式に変換する処理では、前記プログラムソースを前記第1の言語に対応する第1の変換定義に基づいて所定の中間情報に変換し、前記中間情報を前記形式に対応する第2の変換定義に基づいて前記形式に変換する、ことを特徴とする付記1~3のいずれかに記載の表示方法。
(付記5) 前記中間情報は、設計情報である、ことを特徴とする付記4に記載の表示方法。
(付記6) 前記第2の変換定義は、前記設計情報を設計書の形式に変換する変換定義である、ことを特徴とする付記5に記載の表示方法。
(付記7) 前記設計書は複数種類あり、
前記変換ログは、前記プログラムソースの各箇所に対応付けて、どの種類の設計書に変換されたかを示す情報又はどの種類の設計書への変換を試みたかの情報を示す、ことを特徴とする付記6に記載の表示方法。
(付記8) 前記変換ログは、前記設計書の種類ごとに、前記変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記変換ができなかった箇所の数の割合を示す、ことを特徴とする付記7に記載の表示方法。
(付記9) 前記第2の変換定義は、前記設計情報を第2の言語で記述されたプログラムソースの形式に変換する変換定義である、ことを特徴とする付記5に記載の表示方法。
(付記10) 第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の形式を特定する情報との入力を受け付け、
前記プログラムソースと前記変換後の形式とに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記形式に変換し、
前記プログラムソースのうち、前記形式に変換された箇所と、前記形式への変換が不要な箇所とを識別可能に示す変換ログを表示する、
処理をコンピュータに実行させるための表示プログラム。
(付記11) 第1の言語で記述されたプログラムソースと、前記プログラムソースの変換後の形式を特定する情報との入力を受け付ける受付部と、
前記プログラムソースと前記変換後の形式とに対応する変換定義に基づいて前記プログラムソースを前記形式に変換する変換部と、
前記プログラムソースのうち、前記形式に変換された箇所と、前記形式への変換が不要な箇所とを識別可能に示す変換ログを表示するログ表示部と、
を備える情報処理装置。
(付記12) 前記変換ログは、前記変換定義に基づいて変換を試みたが変換ができなかった箇所を識別可能に示す、ことを特徴とする付記11に記載の情報処理装置。
(付記13) 前記変換ログは、前記形式に変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記形式に変換された箇所の数の割合を示す、ことを特徴とする付記11又は12に記載の情報処理装置。
(付記14) 前記変換部は、前記プログラムソースを前記第1の言語に対応する第1の変換定義に基づいて所定の中間情報に変換し、前記中間情報を前記形式に対応する第2の変換定義に基づいて前記形式に変換する、ことを特徴とする付記11~13のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記15) 前記中間情報は、設計情報である、ことを特徴とする付記14に記載の情報処理装置。
(付記16) 前記第2の変換定義は、前記設計情報を設計書の形式に変換する変換定義である、ことを特徴とする付記15に記載の情報処理装置。
(付記17) 前記設計書は複数種類あり、
前記変換ログは、前記プログラムソースの各箇所に対応付けて、どの種類の設計書に変換されたかを示す情報又はどの種類の設計書への変換を試みたかの情報を示す、ことを特徴とする付記16に記載の情報処理装置。
(付記18) 前記変換ログは、前記設計書の種類ごとに、前記変換された箇所と変換ができなかった箇所の合計数に対する、前記変換ができなかった箇所の数の割合を示す、ことを特徴とする付記17に記載の情報処理装置。
(付記19) 前記第2の変換定義は、前記設計情報を第2の言語で記述されたプログラムソースの形式に変換する変換定義である、ことを特徴とする付記15に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0063】
10 サーバ(情報処理装置)
20 入力受付部(受付部)
26 情報抽出部(変換部の一部)
32 出力情報作成部(変換部の一部)
36 出力部(ログ表示部の一部)
34 ログ作成部(ログ表示部の一部)
90 CPU(コンピュータ)