(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築方法。
(51)【国際特許分類】
E04B 1/14 20060101AFI20240111BHJP
E04B 1/30 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
E04B1/14
E04B1/30 Z
(21)【出願番号】P 2023127591
(22)【出願日】2023-08-04
【審査請求日】2023-08-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502145830
【氏名又は名称】美藤 雅康
(72)【発明者】
【氏名】美藤雅康
(72)【発明者】
【氏名】美藤町子
(72)【発明者】
【氏名】北村知世
(72)【発明者】
【氏名】横畑直世
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特許第6688960(JP,B1)
【文献】特許第6989865(JP,B1)
【文献】特許第7019157(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/14,1/16,1/30
E04B 2/86
E04B 5/32 - 5/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項5】
成型部材の構築物集積体を構成する各々の成型部材を数量調整や寸法変更さらに集積変更することで多種多様な構築物が構築できることを特徴とする、請求項
3に記載の成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンクリート構築物は、鉄筋を組んだ型枠内にコンクリートを投入して造る鉄筋コンクリート構築物や鉄骨造構築物が支流である。
【0003】
鉄筋コンクリートの構築物は、ベニヤ型枠を補助桟や仮設材で組固めた型枠躯体内へコンクリートを投入して、コンクリートの凝固後に型枠を解体して鉄筋コンクリート構築物は造られていた。解体したベニヤ型枠や仮設材等は再利用されている。
【0004】
型枠を解体した、鉄筋コンクリート構築物の外壁は、大半が磁器タイルを貼って仕上げているのが現状である。
【0005】
鉄骨造構築物は多種多様な建材で壁や屋根が仕上げられているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【0007】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
在来工法の鉄筋コンクリート構築物には次の問題があった。
○鉄筋のかぶり厚で柱や梁の断面が増大してコンクリート荷重が増大する不合理な問題。
○鉄筋のかぶり厚不足や自然災害等に伴うコンクリートの亀裂による鉄筋の腐食の問題。
○鉄筋の配筋ミスや配筋不良に伴う強度不足や鉄筋工職人不足等に伴う工期の遅延問題。
○外壁を磁器タイル貼りで仕上げたコンクリート構築物のタイルが剥離する落下の問題。
○鉄筋コンクリート構造の最大の問題は複雑な工程に伴う長い工期と高コストな建設費。
【0009】
近年、鉄筋コンクリート構築物の外壁に貼っている磁器タイルが、タイル貼りモルタルの劣化等によって、タイルが剥離して落下する事例が多く発生している。このタイルの落下問題は深刻で、今後、鉄筋コンクリート構築物の外装仕上げ材の選択は困難である。他方、自動社会に於いて、鉄筋コンクリート構造の建物や高速道路等高架橋の構造疲労や自然災害等に伴う亀裂で鉄筋が腐食する問題は特に深刻である。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みて、コンクリート構築物の仕上げ材の剥離問題や鉄筋の腐食問題等上記の問題が解決できる。鉄筋に代わる、成型部材の構築物集積体を構成する各々の成型部材の数量を増減することで、強度変更や形状変更が容易にできる、成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材A、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材B、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材C、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材D、該成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る角化粧成型部材、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る化粧成型部材をなした各々の成型部材を、目地木やビスを用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体内にコンクリートを打設して、コンクリートの凝固によって、成型部材の構築物集積体とコンクリートが一体となることを特徴とする、成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築方法(請求項1)を提供する。
【0012】
両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材A、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材B、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材C、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材D、該成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る角化粧成型部材、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る化粧成型部材をなした各々の成型部材を、目地木やビスを用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体内にコンクリートを打設して、コンクリートの凝固によって、成型部材の構築物集積体とコンクリートが一体となった無筋コンクリート構築物が得られることを特徴とする、成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築方法(請求項2)を提供する。
【0013】
両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材A、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材B、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材C、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材D、該成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る角化粧成型部材、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る化粧成型部材をなした各々の成型部材を、目地木やビスを用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体を構成する各々の成型部材の数量を増減することで、強度変更や形状変更が容易にできる成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体内にコンクリートを打設して、コンクリートの凝固によって、成型部材の構築物集積体とコンクリートが一体となり強度変更や形状変更が容易にできることを特徴とする、請求項1又は2に記載の成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築方法(請求項3)を提供する。
【0014】
成型用板材の板厚や板セパの寸法変更や板セパの長さを調整することで、無筋コンクリート構築物の強度に対応させることを特徴とする、請求項3に記載の成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築方法(請求項4)を提供する。
【0015】
成型部材の構築物集積体を構成する各々の成型部材を数量調整や寸法変更さらに集積変更することで多種多様な構築物が構築できることを特徴とする、請求項3に記載の成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築方法(請求項5)を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の特筆すべき大きな効果を列挙する。
イ)鉄筋工事や型枠工事を必要としない。
ロ)構造疲労や鉄筋の腐食問題は発生しない。
ハ)コンクリート量が大幅に削減できる。
二)構築物荷重を大幅に削減できる。
ホ)建設コストを大幅に削減できる。
ヘ)建設の工期を大幅に短縮できる。
ト)成型部材が壁内外の断熱材となり壁内外断熱壁となる。
チ)鉄筋コンクリート造や鉄骨造同等以上のラーメン構造が容易に造れる。
リ)容易な施工性と超短工期で造れる。
ヌ)外壁の成型部材が断熱材となり自然環境に優しい地球温暖化防止構築物となる。
【0017】
本発明で容易且つ低価格で造れる構築物を列挙する。
イ)各種無筋コンクリート板塀。
ロ)各種無筋コンクリートミニハウス。
ハ)各種避難シェルター。
二)各種無筋コンクリート住宅。
ホ)各種低層階賃貸分譲無筋コンクリート住宅。
ヘ)各種高層階賃貸分譲無筋コンクリート住宅。
ト)無筋コンクリート高架橋や高速道路。
チ)無筋コンクリート林道。
リ)無筋コンクリート擁壁。
ヌ)無筋コンクリート貯水槽。
ル)その他いろいろな構築物が構築できる。
【0018】
以上で説明したように、請求項1に係る発明によれば、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材A、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材B、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材C、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材D、該成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る角化粧成型部材、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る化粧成型部材をなした各々の成型部材を、目地木やビスを用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体内にコンクリートを打設して、コンクリートの凝固によって、成型部材の構築物集積体とコンクリートが一体となることで上記した効果と国産木材の大量消費が可能になり疲弊する山村林業を活性化できる大きな効果が得られる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材A、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材B、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材C、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材D、該成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る角化粧成型部材、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る化粧成型部材をなした各々の成型部材を、目地木やビスを用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体内にコンクリートを打設して、コンクリートの凝固によって、成型部材の構築物集積体とコンクリートが一体となった無筋コンクリート構築物が得られることで最強のコンクリート構築物になる大きな効果が得られる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材A、両側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材B、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材C、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の貫通穴を設けた成型用板材D、該成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る角化粧成型部材、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパを均等間隔に、差し込み方側面を添え木で固定して成る化粧成型部材をなした各々の成型部材を、目地木やビスを用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体を構成する各々の成型部材の数量を増減することで、強度変更や形状変更が容易にできる成型部材の構築物集積体、該成型部材の構築物集積体内にコンクリートを打設して、コンクリートの凝固によって、成型部材の構築物集積体とコンクリートが一体となり強度変更や形状変更が容易にできる、さらに、温暖地や寒冷地全国何処にでも、同一工法で建設ができる効果は多大である。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、成型用板材の板厚や板セパの寸法変更や板セパの長さを調整することで、無筋コンクリート構築物の強度に対応させる効果は多大である。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、成型部材の構築物集積体を構成する各々の成型部材を数量調整や寸法変更さらに集積変更することで多種多様な構築物が構築できる効果は多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、本発明の実施形態は添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
【0024】
本発明の実施形態を図面で説明すれば、
図1は、両側面に目地木溝1を設けた板面2に複数の蟻溝3と長方形の溝4を設けた成型用板材A、両側面に目地木溝1を設けた板面2に複数の蟻溝3と長方形の貫通穴5を設けた成型用板材B、片側面に目地木溝1を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材C、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝3と長方形の貫通穴5を設けた成型用板材D、該成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材E、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材F、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材G、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み方側面を添え木7で固定して成る角化粧成型部材H、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み方側面を添え木7で固定して成る化粧成型部材Iをなした各々の成型部材を、目地木8やビス9を用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体J、該成型部材の構築物集積体内にコンクリート10を打設して、コンクリート10の凝固によって、成型部材の構築物集積体Jとコンクリート10が一体となることを特徴とする、成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築物の一層階を示した本発明に係る高層階コンクリート構築物の断面図である。
【0025】
図2は、成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合したラーメン構造構築物の一層階を示した高層階コンクリート構築物の断面図である。
【0026】
図3は、両側面に目地木溝1を設けた板面2に複数の蟻溝3と長方形の溝4を設けた成型用板材Aの鳥観図である。
【0027】
図4は、両側面に目地木溝1を設けた板面2に複数の蟻溝3と長方形の貫通穴5を設けた成型用板材Bの鳥観図である。
【0028】
図5は、片側面に目地木溝1を設けた板面に複数の蟻溝と長方形の溝を設けた成型用板材Cの鳥観図である。
【0029】
図6は、片側面に目地木溝を設けた板面に複数の蟻溝3と長方形の貫通穴5を設けた成型用板材Dの鳥観図である。
【0030】
【0031】
図8は、成型用板材Aを2枚並置して、成型用板材Aの蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材の鳥観図である。
【0032】
図9は、成型用板材Aと成型用板材Bを並置して、各々の成型用板材の蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み固定して成る外部成型部材の鳥観図である。
【0033】
図10は、成型用板材Bを2枚並置して、成型用板材Bの蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み固定して成る基軸成型部材の鳥観図である。
【0034】
図11は、成型用板材Cと成型用板材Dを並置して、各々の成型用板材の蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み方側面を添え木7で固定して成る角化粧成型部材の鳥観図である。
【0035】
図12は、成型用板材Dを2枚並置して、成型用板材Dの蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み方側面を添え木7で固定して成る化粧成型部材の鳥観図である。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
図22は、両端に蟻ホゾ加工した板セパの鳥観図である。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
以上、図面について説明したが、本発明は、従来の鉄筋コンクリート構築物の欠点が改善できるとともに高度な技能を必要とすることなく、多種多様な無筋コンクリート構築物が、多能工でも容易に且つ安価に超短工期で構築できることを目的としたものである。
【0052】
また、本発明で使用する板材やセパ材は我が国の木材を使用することから、全国市町村の疲弊する山村林業の活性化に貢献ができる。
【凡例】
【0053】
成型用板材Aの凡例:板材30mm×120mm×4,000mmの両側面に8mm×9mmの目地木溝を設けた板面に30mm×40mmの板セパを固定する蟻溝200mmを500mm間隔に設けて、40mm×300mmの長方形の溝を500mm間隔に設けて成成型用板材A。
【0054】
成型用板材Bの凡例:板材30mm×120mm×4,000mmの両側面に8mm×9mmの目地木溝を設けた板面に30mm×40mmの板セパを固定する蟻溝200mmを500mm間隔に設けて、40mm×300mmの長方形の貫通穴を500mm間隔に設けて成成型用板材B。
【0055】
成型用板材Cの凡例:板材30mm×120mm×4,000mmの片側面に8mm×9mmの目地木溝を設けた板面に30mm×40mmの板セパを固定する蟻溝200mmを500mm間隔に設けて、40mm×300mmの長方形の溝を500mm間隔に設けて成成型用板材C。
【0056】
成型用板材Dの凡例:板材30mm×120mm×4,000mmの片側面に8mm×9mmの目地木溝を設けた板面に30mm×40mmの板セパを固定する蟻溝200mmを500mm間隔に設けて、40mm×300mmの長方形の貫通穴を500mm間隔に設けて成成型用板材D。
【0057】
壁床盤成型部材の凡例:2枚の成型用板材Aを60mm開けて並置して、両小口を蟻加工した30mm×40mm×60mmの板セパで500mm間隔に固定して成る壁床盤成型部材。
【0058】
外部成型部材の凡例:成型用板材Aと成型用板材Bを60mm開けて並置して、両小口を蟻加工した30mm×40mm×60mmの板セパで500mm間隔に固定して成る外部成型部材。
【0059】
基軸成型部材の凡例:2枚の成型用板材Bを60mm開けて並置して、両小口を蟻加工した30mm×40mm×60mmの板セパで500mm間隔に固定して成る基軸成型部材。
【0060】
角化粧成型部材の凡例:成型用板材Cと成型用板材Dを60mm開けて並置して、片側面を40mm×60mm×4,000mmの添え木で塞ぎ、両小口を蟻加工した30mm×40mm×60mmの板セパで500mm間隔に固定して成る角化粧成型部材。
【0061】
化粧成型部材の凡例:2枚の成型用板材Dを60mm開けて並置して、片側面を40mm×60mm×4,000mmの添え木で塞ぎ、両小口を蟻加工した30mm×40mm×60mmの板セパで500mm間隔に固定して成る化粧成型部材。
【実施例1】
【0062】
「コンクリート構築物の床板の実施例1」
図1を参照に、凡例の成型用板材Aと壁床盤成型部材を、目地木8mm×18mm×4,000mmを用いて交互に固定して、コンクリートを打設して打設面を金鏝押さえ仕上げとするコンクリート構築物の床板。
【0063】
「コンクリート構築物の壁の実施例2」
図1を参照に、凡例の壁床盤成型部材を、目地木8mm×18mm×4,000mmを用いて連結して、コンクリートを打設して成るコンクリート構築物の壁。
【0064】
「
図1と2のコンクリート構築物の実施例」
図1を参照に、実施例1と2をなし、柱と梁は凡例各々の成型部材を、目地木8mm×18mm×4,000mmを用いて柱集積体や梁集積体をなして、コンクリートを打設して成るコンクリート構築物。本発明を用いることでラーメン構造や多種多様な無筋コンクリート構築物が容易に超短工期で構築することが可能である。
【0065】
なお、この発明において、凡例や実施例に示した寸法は、一例を示したものであり、他の寸法に置き換えることは可能である。例えば、成型用板材の長さや板厚、さらにセパ板の寸法は強度によって自由に設定できる。また、形状や成型部材の大きさも自由に設定ができる。さらに、木材に代わる材料など強度が得られるものであれば発明を支障なく実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
現在、高層ビルを木造で造る時代が到来するなかで、国産木材(間伐材)が大量に消費ができるCLTを推進する国家プロジェクトが始動しているが、我が国の道路や建設地は狭く重機を必要とするCLTで、国産木材の消費拡大は不可能であることは森林組合数の減少が証明している。他方、伐採適齢期を迎えている戦後に植栽された杉や檜の植樹林は、外国産木材によって間伐放棄・森林放棄されて、国産木材の価値は下がり利用されていないのが現状である。しかしながら、国土の63%を占めている森林の木材は植栽と植樹を繰り返すことで、尽きることのない我が国の大切な宝の資源であり、国産木材を消費拡大することは行政の重要課題であるとともに、地方創成の要であることは周知の通りである。
本発明の成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築物に使用する成型部材は国産木材(間伐材)を主材としたもので、成型部材で造る構築物集積体の無筋コンクリート構築物が普及することによって、疲弊する山村林業の活性化に貢献できる。さらに、本発明によって、地震・津浪・火災・水害・台風等々の自然災害に耐える多種多様な無筋のコンクリート構築物は、安くて、超短工期で造れることから我が国の防災化に大きく貢献できて、壁内外の成型部材は断熱材となるとともに、自然環境に優しい地球温暖化防止構築物となる。他方、本発明の最大の特徴は、世界の鉄筋や鉄骨が大幅に削減できることにあり、脱炭素社会の実現に多大な貢献ができることにある。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】本発明に係る成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築
方法の断面図。
【
図2】成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合したラーメン構造構築物の断面図。
【符号の説明】
【0068】
1. 目地木溝
2. 板面
3. 蟻溝
4. 長方形の溝
5. 長方形の貫通穴
6. 板セパ
7. 添え木
8. 目地木
9. ビス
10.コンクリート
11.壁
12.床盤
13.鏝押さえ
14.A、成型用板材A
B、 成型用板材B
C、 成型用板材C
D、 成型用板材D
E、 壁床盤成型部材
F、 外部成型部材
G、 基軸成型部材
H、 角化粧成型部材
I、 化粧成型部材
J、 成型部材の構築物集積体
K、 壁と結合した柱集積体
L、 ラーメン構造の柱集積体
M、 床盤と結合した梁集積体
【要約】
【課題】本発明は、鉄筋コンクリート構築物の課題が解決できる成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築
方法を提供する。
【解決手段】両側面に目地木溝1を設けた、板面2に複数の蟻溝3と長方形の溝4や貫通穴5を設けた異なる成型用板材を2枚並置して、成型用板材の蟻溝3に両端に蟻ホゾ加工した複数の板セパ6を均等間隔に、差し込み固定して成る壁床盤成型部材E、外部成型部材F、基軸成型部材G、角化粧成型部材H、化粧成型部材Iをなした各々の成型部材を、目地木8やビス9を用いて集積し組み固定して成る成型部材の構築物集積体J、該成型部材の構築物集積体内にコンクリート10を打設して、コンクリート10の凝固によって、成型部材の構築物集積体Jとコンクリート10が一体となることを特徴とする、成型部材で造る構築物集積体をコンクリートで結合した構築
方法。
【選択図】
図1