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特許7417199静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン、及び、静電容量結合方式タッチスイッチ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン、及び、静電容量結合方式タッチスイッチ
(51)【国際特許分類】
   H01H 36/00 20060101AFI20240111BHJP
   G06F 3/02 20060101ALI20240111BHJP
   G01B 7/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H01H36/00 J
G06F3/02 F
G01B7/00 101C
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020109589
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022006980
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005511
【氏名又は名称】ぺんてる株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中野 智志
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-18613(JP,A)
【文献】特開2014-149998(JP,A)
【文献】特開2014-25811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 36/00
G06F 3/02
G06F 3/041
G01B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極配置禁止部を有する基材と、
前記基材上に前記電極配置禁止部の周縁に沿ってそれぞれ延在し、電極間ギャップを介して互いに配置されたスイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極を含む、少なくとも1つのスイッチ電極対と、
を備え、
前記電極間ギャップは、前記電極間ギャップが延在する第1方向に直交する第2方向において、前記電極配置禁止部より小さい、静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項2】
前記少なくとも1つのスイッチ電極対は、前記周縁の一部に沿って配置され、前記電極配置禁止部を介して互いに対向するように配置された第1スイッチ電極対、及び、第2スイッチ電極対を含む、請求項1に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項3】
前記第1スイッチ電極対、及び、前記第2スイッチ電極対は、前記スイッチ駆動電極及び前記スイッチ受信電極の一方が互いに電気的に接続される、請求項2に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項4】
前記スイッチ駆動電極及び前記スイッチ受信電極のうち前記電極配置禁止部から遠い方が互いに電気的に接続される、請求項3に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項5】
前記第1スイッチ電極対に基づく第1判定結果と、前記第2スイッチ電極対に基づく第2判定結果とに基づいて、スイッチのタッチ判定を行う、請求項2から4のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスイッチ電極対は、前記周縁を全周にわたって囲む、請求項1に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項7】
前記スイッチ駆動電極及び前記スイッチ受信電極の各々は、
前記第1方向に沿って延在する電極本体部と、
前記電極本体部から前記第2方向に沿って前記電極間ギャップに向けて突出する櫛歯部と、
を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項8】
前記電極配置禁止部は、前記基板の法線方向から見て、略円形状、又は、略矩形状を有する、請求項1から7のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項9】
前記電極配置禁止部は前記基材に形成された穴部である、請求項1から8のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項10】
前記電極配置禁止部は光を透過可能な材料から形成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを備える静電容量結合方式タッチスイッチ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン、及び、それを備える静電容量結合方式タッチスイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
指又は手の接近を検知するためのタッチスイッチの一方式として、静電容量結合方式静電センサーを利用した静電容量結合方式タッチスイッチが知られている。静電容量結合方式静電センサーは、例えばアクリル、ガラス又は樹脂等の絶縁体からなる基材に対して、スイッチ電極を含む電極シートや基板を、接着剤や両面テープ等で貼り合わせて構成される。電極シートは、例えばPETフィルムのような絶縁体からなる基材上に、例えば銀ペースト又はITO(酸化インジウムスズ)等でスイッチ電極が印刷されて形成される。基板は、例えばANSI規格で定義されるFR-4やCEM-3などの材料からなる薄板形状を有する。
【0003】
静電容量結合方式静電センサーでは、スイッチ電極に指又は手が接近した際に、スイッチ電極であるスイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極の間に形成される静電容量の変化に基づいてタッチの有無が判定される。
【0004】
特許文献1には、この種の静電容量結合方式静電センサーの一例として、所定の大きさを有する電極間ギャップを介して対向配置されたスイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極を含むスイッチ電極対を備える静電容量結合方式静電センサーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-25811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電容量結合方式静電センサーでは、スイッチ電極が設けられる基材上に、電極の配置が禁止される領域である電極配置禁止部が設けられることがある。例えば静電容量結合方式静電センサーをタッチスイッチとして発光タッチパネルに利用する場合、スイッチ電極が設けられる基材が貼り合わされた意匠パネルの裏側に配置された光源からの光によって、意匠パネルの表側に配置された意匠面が発光表示される。この場合、スイッチ電極が設けられる基材に、光を通さない材料からなる基板を用いるとき、光源からの光を意匠面に導くための穴部が設けられる。このような穴部にはスイッチ電極を配置することができないため、電極配置禁止部となる。また、スイッチ電極が設けられる基材に、透明基材、例えばPETフィルムが用いられ、スイッチ電極に不透明材料、例えば銀ペーストが使用されるとき、光源からの光を意匠面に導くための、銀ペーストで形成されるパターンが形成されない光透過部が設けられる。このような光透過部にはスイッチ電極を配置することができない為、電極配置禁止部となる。基材上のスイッチ電極は、これらのような電極配置禁止部を避けるようにレイアウトする必要がある。
【0007】
電極配置禁止部を有する基材上において、スイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極を、電極配置禁止部を挟んで対向するようにレイアウトする場合、電極配置禁止部のサイズが大きくなると、電極間の距離が増加して容量結合が小さくなり、静電容量結合方式静電センサーの感度が低下してしまう。これに対して、電極間の静電容量の変化を演算する際の増幅倍率を調整することで感度を増加させることもできるが、ノイズの影響が増加することで誤判定も増加し、判定精度が低下してしまう。このように静電容量結合方式静電センサーの感度と判定精度とはトレードオフの関係にあり、両立することが難しい。
【0008】
本開示の少なくとも一態様は上述の事情に鑑みなされたものであり、基材上に電極配置禁止部が設けられている場合においても、良好な感度と判定精度を実現可能な静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン、及び、それを備える静電容量結合方式タッチスイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の少なくとも一態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンは、上記課題を解決するために、
電極配置禁止部を有する基材と、
前記基材上に前記電極配置禁止部の周縁に沿ってそれぞれ延在し、電極間ギャップを介して互いに配置されたスイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極を含む、少なくとも1つのスイッチ電極対と、
を備え、
前記電極間ギャップは、前記電極間ギャップが延在する第1方向に直交する第2方向において、前記電極配置禁止部より小さい。
【0010】
本開示の少なくとも一態様に係る発光タッチパネルは、上記課題を解決するために、
上記少なくとも一態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示の少なくとも一態様によれば、基材上に電極配置禁止部が設けられている場合においても、良好な感度と判定精度を実現可能な静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン、及び、それを備える静電容量結合方式タッチスイッチを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る発光タッチパネルの分解斜視図である。
図2】発光タッチパネルを側方から示す側方断面図である。
図3図1のセンサー基板の回路図である。
図4】掛算回路における掛算処理を概念的に示す波形図である。
図5A】指又は手等の接近によるスイッチ駆動電極とスイッチ受信電極との間に形成される電界に対する影響を示す模式図である。
図5B】指又は手等の接近によるスイッチ駆動電極とスイッチ受信電極との間に形成される電界に対する影響を示す模式図である。
図6】制御回路におけるベクトル解析を概念的に示す模式図である。
図7】一実施形態に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを示す平面図である。
図8図7の比較例である。
図9】他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを示す平面図である。
図10】他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを示す平面図である。
図11】他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを示す平面図である。
図12】他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを示す平面図である。
図13】他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0014】
(発光タッチパネルの構成)
図1は一実施形態に係る発光タッチパネル1の分解斜視図であり、図2は発光タッチパネル1を側方から示す側方断面図である。図1の発光タッチパネル1は、センサー基板2、光源基板4、及び、意匠パネル6と、を備える。センサー基板2、光源基板4、及び、意匠パネル6は、それぞれ互いに直交するX方向、Y方向によって規定されるXY平面に沿って延在し、XY平面に直交するZ方向に沿って重ね合わされることにより、発光タッチパネル1が構成されている。
【0015】
センサー基板2は、少なくとも1実施形態に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を備えることにより、発光タッチパネル1に対する指又は手の接近を判定する。センサー基板2が有する静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100の詳細構成は後述するが、センサー基板2には、少なくとも1つの電極配置禁止部3が設けられる。電極配置禁止部3は、センサー基板2に搭載される静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100が形成される基材上において、電極類(例えば、後述するスイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104)の配置が禁止される領域として規定される。このような電極配置禁止部3が設けられる目的は任意でよいが、例えば、センサー基板2が有すべき機能を実現するために設けられる。本実施形態では、電極配置禁止部3の一例として、センサー基板2に搭載される静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100が形成される基材に形成された穴部を示している。この穴部は、光源基板4から照射される光が通過することで、センサー基板2を介して光源基板4とは反対側に配置された意匠パネル6に到達可能なように構成される。電極配置禁止部3は、光源基板4が有する光源5、又は、意匠パネル6が有する意匠面7に対応するように、センサー基板2上に形成される。
【0016】
尚、前述の穴部と同様に機能する電極配置禁止部3の他の例としては、例えば、センサー基板2に搭載される静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100が形成される基材の少なくとも一部が光を透過可能な材料で形成されることによって構成されてもよい。この場合、基材の一方側に配置された光源基板4からの光が電極配置禁止部3を透過し、基材の他方側に配置された意匠パネル6に到達することで、意匠パネル6が有する意匠面7を投影描写することができる。
【0017】
尚、センサー基板2には、図3を参照して後述するように静電容量結合方式タッチスイッチの制御回路24が搭載される。この制御回路24は、例えば、光源基板4に搭載され、センサー基板2上の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100に接続されるように構成されていてもよい。
【0018】
光源基板4は、センサー基板2に対向するように配置される。言い換えると、光源基板4は、センサー基板2に対して意匠パネル6とは反対側に対向するように配置される。光源基板4上には、少なくとも1つの光源5が設けられる。光源5は、発光タッチパネル1を発光させるための光を照射可能な任意のデバイスを用いることができ、例えば、LEDである。光源5からの光は、センサー基板2に設けられた電極配置禁止部3を介して、意匠パネル6に到達することで、意匠パネル6が有する意匠面7を発光可能に構成される。
【0019】
尚、図2に示すように、光源基板4はZ方向においてセンサー基板2に対して所定間隔Dを介して配置される。
【0020】
意匠パネル6は、センサー基板2に対向するように配置される。言い換えると、意匠パネル6は、センサー基板2に対して光源基板4とは反対側(他方側)に対向するように配置される。意匠パネル6上には、意匠面7が設けられる。意匠パネル6は、例えば、成形品の樹脂やガラスに意匠面7を構成する意匠が印刷されてなる。意匠面7は、発光タッチパネル1で発光表示される任意の意匠を含む。意匠面7には、光源基板4が有する光源5からの光が、センサー基板2が有する電極配置禁止部3を通過して照射されることで、発光タッチパネル1が発光するように構成される。
【0021】
尚、図2に示すように、意匠パネル6はセンサー基板2に対して、不図示の接着剤や両面テープ等を介して接着されることで、発光タッチパネル1の最外側に位置する意匠パネル6に指又は手が接近したか否かを、センサー基板2が備える静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100で好適に検出可能になっている。
【0022】
本実施形態では、図1に示すように、意匠面7は、「0」~「9」の数字、並びに、「C」及び「E」のアルファベット文字を含む意匠要素が、XY平面に沿ってマトリクス状に配置されて構成される。センサー基板2上の電極配置禁止部3、及び、光源基板4上の光源5は、これらの意匠要素に対応するように、XY平面に沿ってマトリクス状に複数配置される。すなわち、センサー基板2上の電極配置禁止部3、光源基板4上の光源5、及び、意匠パネル6上の意匠面7は、XY座標が同じになるように、それぞれマトリクス状に配置されている。
【0023】
(センサー基板の構成)
続いてセンサー基板2の詳細構成について説明する。図3図1のセンサー基板2の回路図である。
【0024】
センサー基板2は、意匠パネル6に貼り付けられた基材上に、後述の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンが有しているスイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104を含むスイッチ電極対Pが設けられており、発光タッチパネル1に対する指又は手の接近を検知するための少なくとも1つの静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を利用したスイッチ電極を含む。図3では、センサー基板2が複数のスイッチ電極を有する場合を例示しているが、スイッチ電極の数は単数でもよい。
【0025】
発振器9は所定の発振周波数を有する信号を発振する。発振周波数は、制御回路24によって適宜設定される。発振器9からの信号は、sin信号同期発信回路10及びcos信号同期発信回路11にそれぞれ入力される。sin信号同期発信回路10及びcos信号同期発信回路11は、それぞれ同期発信回路であり、発振器9からの信号を、互いに90度の位相差を有するsin信号及びcos信号に変換する。sin信号同期発信回路10から出力されるsin信号は掛算回路19aのX側に入力され、cos信号同期発信回路11から出力されるcos信号は掛算回路19bのX側に入力される。
【0026】
またsin信号同期発信回路10から出力されるsin信号は、増幅回路12に入力されることで増幅された後、駆動側切替回路13a及び受信側切替回路13bによって選択された静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を利用したスイッチ電極のスイッチ駆動電極102に供給される。駆動側切替回路13aは、複数のスイッチ電極から、増幅されたsin信号を供給すべきスイッチ電極を選択的に切り替えるためのスイッチング回路である。受信側切替回路13bは、複数のスイッチ電極のいずれのスイッチ受信電極104からsin信号を受信するべきかを選択的に切り替えるためのスイッチング回路である。駆動側切替回路13a及び受信側切替回路13bは切替制御回路23によって互いに同期制御され、複数のスイッチ電極のうち、いずれのスイッチ電極がドライブされるかが選択されるように構成される。
【0027】
尚、センサー基板2が有するスイッチ電極の数が1つである場合には、駆動側切替回路13a及び受信側切替回路13bは不要でもよい。
【0028】
ドライブされたスイッチ電極のスイッチ受信電極104で受信された電流信号(sin信号)は、電流電圧変換回路16によって電圧信号に変換される。電流電圧変換回路16は、例えば、スイッチ受信電極104とグランドとの間に設けられることにより受信される電流信号が流れる抵抗器Rと、抵抗器Rの両端に並列接続された電圧計とによって構成される。
【0029】
電流電圧変換回路16から出力される電圧信号は、増幅回路17によって増幅された後、バントパスフィルタ回路18によって不要な周波数帯がカットされ、掛算回路19a、19bのY側にそれぞれ入力される。
【0030】
ここで図4は、掛算回路19a(19b)における掛算処理を概念的に示す波形図である。掛算回路19a(19b)では、X側にsin信号同期発信回路10(cos信号同期発信回路11)からのsin信号(cos信号)が入力され、Y側にドライブされたスイッチ電極のスイッチ受信電極104で受信された信号に基づく電圧信号(sin信号)が入力されることにより、両者の掛算処理が行われる。
【0031】
一般的に、a・sinαとb・sinαとの掛算は、次式で表される(a、bは任意の定数であり、αは任意の位相である)。
(a・sinα)・(b・sinα)=(a・b/2)-(a・b・cos2α)/2
このようにsin信号同士の掛算では、a・b/2で表されるDC成分と、(a・b・cos2α)/2で表されるAC成分とが得られる。そのため掛算回路19aでは、スイッチ受信電極104の受信信号の大きさに依存するDC成分と、掛算回路19aに入力される各sin信号の2倍の周波数を有するAC成分とを含む出力信号が得られる。この出力信号は、増幅回路20a(20b)を通過してローパスフィルタ21a(21b)を通過することによって高周波であるAC成分が除去され、A/D変換回路22には、結果的に、スイッチ受信電極104の受信信号の大きさに依存するDC成分のみが入力される。
【0032】
図5A及び図5Bは指又は手等の接近によるスイッチ駆動電極102とスイッチ受信電極104との間に形成される電界に対する影響を示す模式図である。図5Aは、指又は手等が発光タッチパネル1に対して十分離れている場合を示している。この場合、スイッチ駆動電極102とスイッチ受信電極104との間に形成される電界は、指又は手等によってほぼ影響を受けず、スイッチ受信電極104に流れる電流信号も変化しない。その結果、ローパスフィルタ21a、21bを通過したA/D変換回路22に入力されるDC成分もまた変化しない。
【0033】
一方で図5Bは、指又は手等が発光タッチパネル1に対して接近した場合を示している。この場合、スイッチ駆動電極102とスイッチ受信電極104との間に形成される電界の少なくとも一部が指又は手等によって遮蔽されるとともに、指又は手等との間に少なからず電流が流れる。この場合、スイッチ駆動電極102とスイッチ受信電極104との間に形成される電界が影響を受け(静電容量が変化し)、スイッチ受信電極104に流れる電流信号が大きく変化する。その結果、ローパスフィルタ21a、21bを通過したA/D変換回路22に入力されるDC成分もまた大きく変化する。
【0034】
制御回路24は、A/D変換回路22から入力される検出信号に基づくベクトル解析を用いて、発光タッチパネル1のオンオフ判定を行う。図6は、制御回路24におけるベクトル解析を概念的に示す模式図である。
【0035】
図6では、掛算回路19aに起因する信号(sinによる検出信号)のDC成分の変化量(X-Xoffset)に対応する第1ベクトルV1と、掛算回路19bに起因する信号(cosによる検出信号)のDC成分の変化量(Y-Yoffset)に対応する第2ベクトルとが、互いに90度の位相差でベクトル座標上に表されている。第1ベクトルV1及び第2ベクトルV2の合成ベクトルVの絶対値及び位相差は次式により得られる。
絶対値=ルート((X-Xoffset)の二乗+(Y-Yoffset)の二乗)
位相差=アークタンジェント((X-Xoffset)/(Y-Yoffset))
ここでXoffsetは、指又は手等が接近していない場合における、掛算回路19aに起因する信号(sinによる検出信号)のDC成分であり、Xはその実測値である。Yoffsetは、指又は手等が接近していない場合における、掛算回路19bに起因する信号(cosによる検出信号)のDC成分であり、Yはその実測値である。
【0036】
制御回路24は、このように求められる合成ベクトルVの絶対値又は位相差の少なくとも一方が許容範囲を超えて変化した場合に、発光タッチパネル1に対してタッチ操作があったと判定する。
【0037】
(静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンの構成)
続いてセンサー基板2が有する静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100の詳細構成について説明する。図7は一実施形態に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を示す平面図である。
【0038】
静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100は、センサー基板2上に、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104を含む少なくとも1つのスイッチ電極対Pを有する。スイッチ駆動電極102は駆動ライン103(図3を参照)を介して駆動側切替回路13aに接続され、スイッチ受信電極104(図3を参照)は受信ライン105を介して受信側切替回路13bに接続される。
【0039】
スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104は、それぞれ電極間ギャップ106を介して配置され、センサー基板2上において、電極配置禁止部3の周縁3aに沿ってそれぞれ延在する。本実施形態では、電極配置禁止部3は、X方向に沿って長さL1を有する短辺と、Y方向に沿って長さL2を有する長辺とによって規定される略矩形状を有する。
【0040】
スイッチ電極対Pは、このような形状を有する電極配置禁止部3の周縁3aの一部に沿って配置される。図7では、スイッチ電極対Pとして、電極配置禁止部3のうち互いに対向する2つの長辺に沿ってそれぞれ配置された第1スイッチ電極対P1及び第2スイッチ電極対P2が設けられている。
【0041】
第1スイッチ電極対P1及び第2スイッチ電極対P2の各々では、スイッチ受信電極104は、周縁3aに対して第1スペースS1を介して外側に配置される。またスイッチ駆動電極102は、電極間ギャップ106を介してスイッチ受信電極104より更に外側に配置される。このように本実施形態では、各スイッチ電極対Pにおいてスイッチ駆動電極102がスイッチ受信電極104より外側に配置される場合を例示しているが、スイッチ駆動電極102がスイッチ受信電極104より内側に配置されてもよい。
【0042】
スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104の間に設けられる電極間ギャップ106は、Y方向(第1方向)に沿って延在しており、Y方向に直交するX方向(第2方向)におけるサイズが、電極配置禁止部3より小さく構成される。これにより、電極配置禁止部3の大きさに関わらず、電極間ギャップ106のサイズを適度に抑えることができ、静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を利用した静電容量結合方式タッチスイッチの感度を良好に確保できる。
【0043】
ここで図8図7の比較例である。この比較例では、スイッチ電極対Pを構成するスイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104が電極配置禁止部3の両側に配置されている。そのため電極配置禁止部3のサイズが大きくなると、電極間ギャップ106が大きくなり、容量結合が小さくなるため、静電容量結合方式タッチスイッチの感度が低下してしまう。これに対して、本実施形態では電極配置禁止部3のサイズが大きい場合であっても、電極間ギャップ106のサイズが過大になることがなく、良好な感度が得られる。
【0044】
尚、電極間ギャップ106及び電極配置禁止部3のサイズは、例えば両者の合計サイズがタッチ操作を行う指で覆うことができる大きさとすることができる。
【0045】
また本実施形態では、一つの電極配置禁止部3に対して複数のスイッチ電極対P(第1スイッチ電極対P1及び第2スイッチ電極対P2)が設けられるため、各スイッチ電極対Pにおける判定結果に基づいて最終的なタッチ判定を行うことができる。すなわち、第1スイッチ電極対P1の第1判定結果と、第2スイッチ電極対P2の第1判定結果とに基づいて、発光タッチパネル1のタッチ判定を行ってもよい。例えば、第1判定結果と第2判定結果の両方においてタッチ判定が得られた場合に、発光タッチパネルのタッチ判定を行うことで、優れた判定精度を得られる。
【0046】
図9は他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を示す平面図である。この態様では、スイッチ電極対Pを構成するスイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104の各々は、図7と同様にY方向(第1方向)に沿って延在する電極本体部102a、104aと、電極本体部102a、104aからX方向(第2方向)に沿って電極間ギャップ106に向けて突出する櫛歯部102b、104bと、を有する。またスイッチ駆動電極102の櫛歯部102bと、スイッチ受信電極104の櫛歯部104bとは、Y方向(第2方向)において互いに異なる位置に配置されることで、互い違いに設けられる。このように電極本体部102a、104aに対して櫛歯部102b、104bを設けることで、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104間の容量結合を増加させ、より精度のよいタッチ判定が可能となる。
【0047】
図10は他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を示す平面図である。この態様では、図9に示す態様に加えて、第1スイッチ電極対P1、及び、第2スイッチ電極対P2は、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104の一方が互いに電気的に接続される。これにより、静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を利用したスイッチ電極において1つの電極配置禁止部3に対して配置される電極数を実質的に削減でき、例えば図3に示す制御回路24における駆動側切替回路13a及び受信側切替回路13bの一方における切替処理を簡略化することができる。具体的に説明すると、図10の例では、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104のうち電極配置禁止部3から遠い方に位置するスイッチ駆動電極102同士が互いに電気的に接続される。これにより、駆動側切替回路13aの切替処理を行う必要がなくなるため、制御内容を簡略することができる。
尚、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104のうち電極配置禁止部3から近い方に位置するスイッチ駆動電極102同士が互いに電気的に接続されてもよい。
【0048】
図11は他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を示す平面図である。この態様では、電極配置禁止部3が略90度に屈曲して延在する形状を有しており、電極配置禁止部3の外側の周縁部3a1に沿って設けられた第1スイッチ電極対P1と、電極配置禁止部3の内側の周縁部3a2に沿って設けられた第2スイッチ電極対P2とを備える。このように電極配置禁止部3の形状に対応して、少なくとも1つのスイッチ電極対Pを設けることで、前述の各態様と同様に、電極配置禁止部3の大きさや形状に関わらず、良好な感度でタッチ判定が可能である。
尚、図11を含め、本願の各実施形態では、第1スイッチ電極対P1及び第2スイッチ電極対P2ともに、スイッチ駆動電極102がスイッチ受信電極104に比べて電極配置禁止部3に対して外側に配置されたレイアウトが例示されているが、第1スイッチ電極対P1及び第2スイッチ電極対P2ともに、スイッチ駆動電極102がスイッチ受信電極104に比べて電極配置禁止部3に対して内側に配置されるように構成されてもよい。また第1スイッチ電極対P1又は第2スイッチ電極対P2の一方では、スイッチ駆動電極102がスイッチ受信電極104に比べて電極配置禁止部3に対して外側に配置され、他方では、スイッチ駆動電極102がスイッチ受信電極104に比べて電極配置禁止部3に対して内側に配置されるように構成されてもよい。これらのレイアウトは、例えば各電極に対する配線の引き回しやすさに応じて適宜選択可能である。
【0049】
この態様では、電極配置禁止部3の周縁3aがX方向に沿って延在する箇所では、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104間に形成される電極間ギャップ106はX方向(第1方向)に沿って延在しており、X方向に直交するY方向(第2方向)におけるサイズが、電極配置禁止部3より小さく構成される。また電極配置禁止部3の周縁3aがY方向に沿って延在する箇所では、電極間ギャップ106はY方向(第1方向)に沿って延在しており、Y方向に直交するX方向(第2方向)におけるサイズが、電極配置禁止部3より小さく構成される。電極配置禁止部3がこのような形状を有する場合においても、電極間ギャップ106が上記条件を満たすように、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104間を電極配置禁止部3の周縁3aに沿って設けられる。これにより、電極配置禁止部3の大きさに関わらず、各々のスイッチ電極対においてスイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104間における電極間ギャップ106のサイズを適度に抑えることができ、静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を利用した静電容量結合方式タッチスイッチの感度を良好に確保できる。
【0050】
図12は他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を示す平面図である。この態様では、スイッチ電極対Pは、電極配置禁止部3の周縁3aを全周にわたって囲む。これにより、電極配置禁止部3に対して多方向からの指又は手等の接近によるタッチ判定を精度よく行うことができる。
【0051】
図13は他の態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100を示す平面図である。この態様では、電極配置禁止部3が略円形状を有する。この場合、電極配置禁止部3の周縁3aが周方向に沿って延在するため、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104間に形成される電極間ギャップ106もまた周方向(第1方向)に沿って延在しており、周方向に直交する径方向(第2方向)におけるサイズが、電極配置禁止部3より小さく構成される。このように電極配置禁止部3が略円形状を有する場合においても、前述の態様と同様に、電極間ギャップ106が上記条件を満たすように、スイッチ駆動電極102及びスイッチ受信電極104間を電極配置禁止部3の周縁3aに沿って設けることで、電極配置禁止部3に対して多方向からの指又は手等の接近によるタッチ判定を精度よく行うことができる。
【0052】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
【0053】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0054】
(1)一態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン(例えば上記実施形態の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100)は、
電極配置禁止部(例えば上記実施形態の電極配置禁止部3)を有する基材(例えば上記実施形態のセンサー基板2)と、
前記基材上に前記電極配置禁止部の周縁(例えば上記実施形態の周縁3a)に沿ってそれぞれ延在し、電極間ギャップ(例えば上記実施形態の電極間ギャップ106)を介して互いに配置されたスイッチ駆動電極(例えば上記実施形態のスイッチ駆動電極102)及びスイッチ受信電極(例えば上記実施形態のスイッチ受信電極104)を含む、少なくとも1つのスイッチ電極対(例えば上記実施形態のスイッチ電極対P)と、
を備え、
前記電極間ギャップは、前記電極間ギャップが延在する第1方向に直交する第2方向において、前記電極配置禁止部より小さい。
【0055】
上記(1)の態様によれば、スイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極を含むスイッチ電極対が電極配置禁止部に沿って設けられる。スイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極の電極間ギャップは、電極間ギャップが延在する第1方向に直交する第2方向において、電極配置禁止部より小さく形成される。これにより、電極配置禁止部のサイズが大きい場合であっても電極間ギャップを小さく形成できるため、良好な感度でタッチ判定が可能な静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを実現できる。
【0056】
(2)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記少なくとも1つのスイッチ電極対は、前記周縁の一部に沿って配置され、前記電極配置禁止部を介して互いに対向するように配置された第1スイッチ電極対(例えば上記実施形態の第1スイッチ電極対P1)、及び、第2スイッチ電極対(例えば上記実施形態の第2スイッチ電極対P2)を含む。
【0057】
上記(2)の態様によれば、電極配置禁止部の周縁に沿って複数のスイッチ電極対を設けることで、より探知判定精度の高い静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを実現できる。
【0058】
(3)他の態様では、上記(2)の態様において、
前記第1スイッチ電極対、及び、前記第2スイッチ電極対は、前記スイッチ駆動電極及び前記スイッチ受信電極の一方が互いに電気的に接続される。
【0059】
上記(3)の態様によれば、複数のスイッチ電極対のうちスイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極の一方が互いに電気的に接続される。これにより、1つの電極配置禁止部に対応して設けられるスイッチ電極数を実質的に削減することで、例えばスイッチ電極の切替制御を簡略化することができる。
【0060】
(4)他の態様では、上記(3)の態様において、
前記スイッチ駆動電極及び前記スイッチ受信電極のうち前記電極配置禁止部から遠い方が互いに電気的に接続される。
【0061】
上記(4)の態様によれば、スイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極のうち電極配置禁止部から遠い方を電気的に接続することにより、1つの電極配置禁止部に対応して設けられるスイッチ電極数を実質的に削減できる。
【0062】
(5)他の態様では、上記(2)から(4)のいずれか一態様において、
前記第1スイッチ電極対に基づく第1判定結果と、前記第2スイッチ電極対に基づく第2判定結果とに基づいて、スイッチのタッチ判定を行う。
【0063】
上記(5)の態様によれば、2つのスイッチ電極対における判定結果に基づいてタッチ判定を行うことで、単体のスイッチ電極対における判定結果のみに基づくタッチ判定に比べて、精度の高い判定が可能となる。
【0064】
(6)他の態様では、上記(1)の態様において、
前記少なくとも1つのスイッチ電極対は、前記周縁を全周にわたって囲む。
【0065】
上記(6)の態様によれば、周縁を全周にわたって囲むようにスイッチ電極対を設けることで、電極配置禁止部に対して多方向からの指又は手等の接近によるタッチ判定を精度よく行うことができる。
【0066】
(7)他の態様では、上記(1)から(6)のいずれか一態様において、
前記スイッチ駆動電極及び前記スイッチ受信電極の各々は、
前記第1方向に沿って延在する電極本体部(例えば上記実施形態の電極本体部102a、104a)と、
前記電極本体部から前記第2方向に沿って前記電極間ギャップに向けて突出する櫛歯部(例えば上記実施形態の櫛歯部102b、104b)と、
を有する。
【0067】
上記(7)の態様によれば、スイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極の各々を電極本体部と櫛歯部との組み合わせによって構成することで、スイッチ駆動電極及びスイッチ受信電極の間における容量結合を増やし、感度のよい静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを実現できる。
【0068】
(8)他の態様では、上記(1)から(7)のいずれか一態様において、
前記電極配置禁止部は、前記基板の法線方向から見て、略円形状、又は、略矩形状を有する。
【0069】
上記(8)の態様によれば、基板上に形成される電極配置禁止部が様々な形状を有する場合においても、電極配置禁止部のサイズに関わらず電極間ギャップを小さく形成することで、良好な感度でタッチ判定が可能な静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを実現できる。
【0070】
(9)他の態様では、上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記電極配置禁止部は前記基材に形成された穴部である。
【0071】
上記(9)の態様によれば、電極配置禁止部が基材に形成された穴部として構成される。これにより、例えば、基材の一方側に配置された光源からの光が穴部を介して、基材の他方側に配置された意匠に到達することで、意匠を投影描写するような発光タッチパネルに適用可能な静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを実現できる。
【0072】
(10)他の態様では、上記(1)から(8)のいずれか一態様において、
前記電極配置禁止部は光を透過可能な材料から形成される。
【0073】
上記(10)の態様によれば、電極配置禁止部が光を透過可能な材料から形成される。これにより、例えば、基材の一方側に配置された光源からの光が電極配置禁止部を透過し、基材の他方側に配置された意匠に到達することで、意匠を投影描写するような発光タッチパネルに適用可能な静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターンを実現できる。
【0074】
(11)一態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチは、
上記(1)から(10)のいずれか一態様に係る静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン(例えば上記実施形態の静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン100)を備える。
【0075】
上記(11)の態様によれば、光源基板に設けられた光源からの光を意匠パネルに設けられた意匠面に導くために、基板上に穴部が設けられる静電容量結合方式タッチスイッチにおいて、穴部のサイズが大きい場合であっても電極間ギャップを小さく形成することで、良好な感度でタッチ判定が可能な静電容量結合方式タッチスイッチを実現できる。
【符号の説明】
【0076】
1 発光タッチパネル
2 センサー基板
3 電極配置禁止部
4 光源基板
5 光源
6 意匠パネル
7 意匠面
9 発振器
10 sin信号同期発信回路
11 cos信号同期発信回路
12,17,20a,20b 増幅回路
13a 駆動側切替回路
13b 受信側切替回路
16 電流電圧変換回路
18 バントパスフィルタ回路
19a,19b 掛算回路
21a,21b ローパスフィルタ
22 A/D変換回路
23 切替制御回路
24 制御回路
100 静電容量結合方式タッチスイッチ用電極パターン
102 スイッチ駆動電極
102a,104a 電極本体部
102b,104b 櫛歯部
103 駆動ライン
104 スイッチ受信電極
105 受信ライン
106 電極間ギャップ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13