(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
B65B 61/00 20060101AFI20240111BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20240111BHJP
B65B 13/02 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B65B61/00
B65B57/00 A
B65B57/00 Z
B65B13/02
(21)【出願番号】P 2019105687
(22)【出願日】2019-06-05
【審査請求日】2022-05-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)平成31年2月13日~2月15日に「スーパーマーケット・トレードショー2019」にて公開 (2)平成31年2月19日~2月21日に「EURO CIS2019」にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 寿徳
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-001711(JP,A)
【文献】特開2006-347586(JP,A)
【文献】特開2006-290374(JP,A)
【文献】特開2011-157092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/00
B65B 57/00
B65B 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の操作手段を有し、
前記一の操作手段は、複数の包装動作モードに応じて、包装動作モードごとに異なる動作のトリガーとなり、
前記一の操作手段による前記動作のトリガーは、包装開始待ち状態において、包装処理を行う動作のトリガーと、包装処理を中止する動作のトリガーのいずれかとなる
ことを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記一の操作手段からの信号に応じた制御を行う制御手段と、
前記複数の
包装動作モードを設定する設定手段と、を有し、
前記設定手段により、包装動作モードが手動に設定されている場合には、前記一の操作手段は、包装処理を行う動作のトリガーとなり、包装動作モードが自動に設定されている場合には、前記一の操作手段は包装処理を中止する動作のトリガーとなる
ことを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記制御手段は、包装
動作モードが手動に設定されている場合、包装開始待ち状態で、前記一の操作手段によるトリガーを検出したときに、包装処理を開始する
ことを特徴とする請求項2に記載の包装装置。
【請求項4】
被包装物を検知する検知手段と、
少なくとも前記一の操作手段、前記検知手段からの信号に応じた制御を行う制御手段とを有し、
前記制御手段は、包装
動作モードが自動に設定されている場合に、包装開始待ち状態で、前記検知手段により被包装物を検知したときに、包装処理を開始し、
包装
動作モードが自動に設定されている場合に、包装開始待ち状態で、前記一の操作手段によるトリガーを検出したときに、包装せずに、待機状態の印字済み又はラベル貼付済みの包装材を破棄する処理を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の包装装置。
【請求項5】
前記一の操作手段は、フットスイッチであることを特徴とする請求項1から4の何れか
1項に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
弁当や総菜の蓋付き容器を包装する帯掛け包装装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-168792号公報
【文献】特開2011-157092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、包装装置では様々な包装処理の方法があるが、異なる包装処理に対応するために複数の機構(ボタン等)を設けるのは複雑であり、簡単な構造が望ましい。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、スタートスイッチを備える包装装置が記載されているが、このスタートスイッチは包装開始時に操作されるものであり、例えば、連続包装モードや手動包装モードなどの工程に応じた動作を制御することができない。
【0006】
簡単な構成で、包装作業時に包装処理に関する操作を効率よく行うことができる包装装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の包装装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
包装装置は、一の操作手段を有し、
前記一の操作手段は、複数の包装動作モードに応じて、包装動作モードごとに異なる動作のトリガーとなり、
前記一の操作手段による前記動作のトリガーは、包装開始待ち状態において、包装処理を行う動作のトリガーと、包装処理を中止する動作のトリガーのいずれかとなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡単な構成で、包装作業時に包装処理に関する操作を効率よく行うことができる包装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置の一例を示す概念図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る包装装置のスイッチ機構の一例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置の一例を示す側面概念図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置の包装動作の一例を示す図、(a)は初期状態の一例を示す図、(b)はフロントクランプにより帯シート(フィルム)を把持した状態を示す図、(c)はフロントクランプ及びリヤクランプにより帯シート(フィルム)を把持した状態を示す図、(d)はヒートシール動作及び切断動作を説明するための図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置の記憶部に記憶されているデータ(ファイル)を説明するための図、(a)は商品ファイルの一例を示す図、(b)はトレーファイルの一例を示す図、(c)は印字フォーマットの一例を示す図である。
【
図7】帯掛け包装装置により印字された帯シートの一例を示す図である。
【
図8】帯掛け包装装置のループガイド(巻回部)を用いた包装(ループガイド包装モード)により帯シート(包装材)を巻回した商品(物品)の一例を示す図、(a)は商品の斜視図、(b)は断面図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置のループガイド(巻回部)を用いた包装動作(ループガイド包装モード)の一例を示す図、(a)は初回時に印字部により印字された帯シート(フィルム)を搬送している状態の一例を示す図、(b)はフィードローラを停止した状態で、印字部のプラテンローラにより帯シートを搬送しながら印字し、印字された帯シートを待機部へ一時的に収容(待機)させている状態を示す図、(c)はフィードローラを停止した状態で、印字された帯シートを待機部の収容部へ一時的に収容(待機)させている状態を示す図、(d)は印字部のプラテンローラ(印字ローラ)を停止した状態で、待機部に一時待機していた印字済みの帯シート(フィルム)をフィードローラにより巻回部側へ搬送する動作の一例を説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置のループガイド(巻回部)が本体部に対して閉状態の一例を示す概念図である。
【
図11】
図10に示した大トレーモード(第2の包装モード)の帯掛け包装装置の斜視図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る包装装置の制御部の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図13】帯掛け包装装置のモード設定等の設定を行うための設定操作画面の一例を示す図である。
【
図14】帯掛け包装装置の自動モード時の包装開始待ち状態の画面(包装開始待ち画面)の一例を示す図である。
【
図15】帯掛け包装装置の確認画面(包装終了待ち画面)の一例を示す図である。
【
図16】帯掛け包装装置の手動モード時の包装開始待ち状態の画面(包装開始待ち画面)の一例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置のモード設定の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図18】手動連続モード時の包装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図19】手動単巻モード時の包装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図20】自動連続モード時の包装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図21】自動単巻モード時の包装装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る包装装置は、操作手段を有し、この操作手段は、包装動作モードに応じて、包装動作モードごとに異なる動作のトリガーとなる、又は、1つの包装動作モードにおいて、包装装置の工程ごとに異なる動作のトリガーとなる、の一方又は両方である。
【0011】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
また、詳細には、本発明に係る包装装置を、帯掛け包装装置に適用した実施形態を説明する。
ただし、包装装置は上記に限られず様々な種類の包装装置でもよく、また、様々な種類の包装材で被包装物を巻く等の包装処理を行うものとする。
【0012】
図1~
図4に示すように、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、本体部100aに、ループ形成手段としてのループガイド(巻回部101)を備える。ループガイド(巻回部101)は、本体部100aに対して回動自在、又は着脱自在に設けられている。
【0013】
<ループガイド(巻回部101)を用いて帯掛け包装を行う場合(ループガイド包装モード)>
帯掛け包装装置100は、被包装物としての物品(被帯掛け商品W)に、包装材としての帯シートsを周回させ、帯シートsの先端部分と重なり合う重合部分(重合部)を溶着することで、例えば物品としての蓋付きの商品Wの蓋を固定する。
具体的には、帯掛け包装装置100は、装填部2、ラベル貼付部3、印字部4(印刷手段)、フィード部5(帯シート搬送部)、溶着部6、切断部7、巻回部101、待機部80、表示操作部9などを有する。本実施形態では、帯掛け包装装置100は、その本体部100aに上記構成要素を備えている。なお、帯掛け包装装置100は、ラベル貼付部3を備えていてもよいし、備えていなくともよい。
【0014】
また、帯掛け包装装置100は、
図1,
図2に示すように、フットスイッチ545等のスイッチを備えたスイッチ機構を有する。このフットスイッチ545は、帯掛け包装装置100の本体部100aに設けられた制御部に電気的に接続されていてもよいし、無線式通信路を介して通信可能に接続されていてもよい。フットスイッチ545は、作業時、操作者の足元に配置されていることが好ましい。
図2に示す例では、フットスイッチ545は、U字形状の本体部545bと、本体部545bに上下動自在に設けられた可動部545aを有する。
帯掛け包装装置100の制御部は、操作者により可動部545aが操作された場合にそれをトリガーとして、モードに応じて、モードごとに異なる動作や、1つのモードにおいて、包装装置の工程ごとに異なる動作を行う。
【0015】
帯シートsは、樹脂製のフィルムや紙製のシートなどであり、厚みや剛性など様々なものを採用することができる。帯シートsは、帯掛け包装装置100の印字部4により、商品情報などが印字可能であってもよい。また、帯シートsは、印字部4により印字されたラベルが、帯シートsに貼付されてもよい。
【0016】
装填部2は、帯シートsをロール状に巻回した帯シートロールR(包装材ロール又はフィルムロールともいう)を装填可能に構成されている。
装填部2は、帯シートロールR(フィルムロール)を装填する場所において、中央に回転支持軸21が取り付けられており、その回転支持軸21はモータ15(帯シート巻取り駆動用モータ)で駆動するように構成されている。帯シートロールRから帯シートsを繰り出す場合、回転支持軸21が正回転(
図1に示す例では左回り)するようにモータ15が駆動制御される。
また、帯シートロールRがモータ15により逆回転することで、フィード部5の逆回転による帯シートsの引き戻し分が帯シートロールRに巻き取られる。また、装填部2は、テンションローラg1と巻取り駆動用モータ15を制御することにより帯シートsのたるみ等を防止するように構成されている。帯シートsのたるみ防止機構については、後述する。
また、帯掛け包装装置100は、装填部2の前面に、開閉自在な扉等のカバー部材(図示省略)が設けられており、帯シートsや帯シートロールRにゴミや埃などが付着しないように構成されている。
【0017】
ラベル貼付部3は、例えば、バーコード印字用ラベルを配置した台紙が巻回されたバーコードロール体3aからその台紙を引き出し、鋭角形状部を備える剥離部3bにて台紙から剥離したバーコード印字用ラベルを、帯シートロールRから引き出された帯シートsに貼付する。ラベルを取り除いた台紙は、巻取りローラ3cにより巻き取られる。
【0018】
印字部4は、帯シートロールRからテンションローラg1、ガイドローラg2を介して引き出された帯シートsに商品情報を印字し、帯シートsに貼付されたラベルにバーコードなどのコード情報を印字する。詳細には、印字部4は、サーマルヘッド4a(印字ヘッド)と、プラテンローラ24と、プラテンローラ24を駆動回転させるプラテン駆動用モータと、プラテンローラ24を上下移動させる移動機構(不図示)とを有する。サーマルヘッド4aとプラテンローラ24とは対向して配置されている。帯シートsに商品に関する商品情報が印字され、バーコード印字用ラベルにJANコードバーコードなどのコード情報が印字される。尚、帯シートs及びラベル用紙への印字は、帯シートの先端からの長さによって管理制御される。
また、印字部4は、帯シートsに貼付されたラベルに、商品情報等を印字してもよい。
【0019】
フィード部5(帯シート搬送部又は帯シート搬送手段)は、印字部4よりも帯シートsの搬送方向の下流側に配置されている。
フィード部5は一対のフィードローラ5a、5bを有し、フィードローラ5aとフィードローラ5bが対向して配置されている。
図1に示す例では、フィードローラ5bは大径駆動ローラであり、フィードローラ5aは小径従動ローラである。フィード部5は、帯シートsを巻回部101の初期ループ形成方向(正方向)に搬送し(繰り出し)、又は帯シートである初期ループを被帯掛け商品の外周に沿うように縮径する引き戻し方向(逆方向)に帯シートsを搬送する。
【0020】
巻回部101(ループ形成手段)は、被帯掛け商品Wを載置する載置部と、フィード部5により搬送された帯シートsを周回させるための初期ループを形成する環状ガイド部1とを有する。巻回部101では、搬送された帯シートsを、被帯掛け商品Wの外周に沿って巻回した後、フィード部5により引き戻し方向に帯シートが引き戻されて、被帯掛け商品を帯シートsにて巻き締めする(絞り込み)。
【0021】
環状ガイド部1は、詳細には、被帯掛け商品Wの出し入れに供する正面略長方形状の窓孔11を開設した前後一対の側板1a,1bと、その前後の側板1a,1bを帯シートsのテープ幅よりやや広い間隔を置いて対峙配置され、且つ窓孔11の開口縁より所定寸法外側に入った位置に沿って周方向に回した底板1cとを有し、底板1cの表面が帯シートsの案内面として作用する。
底板1cは窓孔11の孔縁に沿わせて略楕円形状に湾曲形成され、繰り出される帯シートsが環状ループガイド(環状ガイド部1)の帯シート挿入部(始端1s)に、傾斜面を備えた案内部1dを介してスムーズに案内されて初期ループを確実に形成できるように構成されている。底板1cは繰り出された帯シートsの先端とロールに連続する部分が重なってループを形成できるように該底板1cに開設した開口を挟む始端1sと終端1eは上下方向にずらして取り付けられており、詳細には、環状ガイド部の始端1sは、終端1eよりも帯シート搬送方向下流側に所定距離だけ離れた位置で、終端1eよりも下方にずれて設けられ、この始端1sに設けられた開口部(帯シート挿入部)に、包装材である帯シートsが案内部1dを介して案内可能に形成され、さらに底板1cの始端側の上方における側板の内面にはストッパが取り付けられ、帯シートsの先端が位置決めされるように構成されている。環状ガイド部1の窓孔の下側孔縁は被帯掛け商品Wの載置部として機能する。
尚、前後の側板1a,1bに開設する窓孔11の形状は長方形状に限定されず、商品の出し入れに支障とならなければ形状は任意である。
【0022】
溶着部6は、巻回部101により被帯掛け商品Wに巻回された帯シートsの重合部分(重合部)を溶着する。溶着部6は、環状ガイド部1の窓孔11における下側の底板の開口12内に、帯シートsの繰り出し方向に向かい所定間隔をおいて鉛直に起立配置した第1押え板43(フロントクランプ)、第2押え板44(リヤクランプ)と、その第1押え板43と第2押え板44との間に配置した熱溶着部45(ヒータ)と、これら第1押え板43、第2押え板44及び熱溶着部45の真上位置に環状ガイド部1の側方から出没自在に配置した受け板46(受け部材)とで構成されている(
図1、
図3、
図4参照)。また、溶着部6は、上記第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45、受け板46等を駆動する駆動部8を有する。
フィード部5寄りに配置した第1押え板43には、上端面より僅か下方位置に帯シートsが嵌挿される通孔43hが開設されており、フィード部5の作動で繰り出される帯シートの先端はこの通孔43hを通って環状ガイド部1に供給される。
第1押え板43より下流側に配置される第2押え板44の上端は、第1押え板43の通孔43hの下側孔縁と面一か或いは下側孔縁より下方となるように配置されている。よって、帯シートsを挿通するのを妨げることはない。
また、第1押え板43と第2押え板44との間に配置する熱溶着部45は、第1押え板43と第2押え板44で帯シートsを押えた後、熱溶着するため、待機時には、熱溶着部45の上端は第2押え板44の上端より下方に位置されている。
【0023】
第1押え板43と熱溶着部45の上端面を受け止める受け板46は、環状ガイド部1の側方裏側に該ガイドと直交して配置され、且つその受け板46の上面は環状ガイド部1の窓孔11の下側孔縁と面一に保持され、帯シートの搬送時に待機位置から環状ガイド部1内に突出して商品載置面を形成する。
受け板46と環状ガイド部1の底板1cとで区画される通路空間に帯シートの先端部が嵌入し、その帯シートの先端部は開口12より下流側における側板の内面に突出形成したストッパに衝合して先端の位置決めが行われる。
【0024】
切断部7は被帯掛け商品Wに巻回された帯シートsを所定の長さに切断する。例えば、切断部7は、帯シートsの重合部の近傍部分を切断する。切断部7のカッタは、第1押え板43と熱溶着部45との間に挾着配置され、且つ第1押え板43の側面に沿って、第1押え板43の通孔43hを越える位置まで上下することで、その通孔43hを貫通している帯シートsは第1押え板43の通孔43hの孔縁と切断部7によるせん断作用で切断されるように構成されている(
図4参照)。
詳細には、
図4(a)、
図4(b)に示したように、帯シートsが第1押え板43(フロントクランプ)の通孔43hを通って、受け板46上に配置された商品(不図示)に巻回された状態で、第1押え板43が上方に移動し、帯シートsを受け板46に押圧することで、その帯シートsを把持する。次に、
図4(c)、
図4(d)に示したように、第2押え板44が上方に移動し、帯シートsを受け板46に押圧することで、その帯シートsを把持する。そして、熱溶着部45が上方に移動して、帯シートsの重合部に当接して熱溶着する。略同時に、切断部7が上方に移動して、その通孔43hを貫通している帯シートsが第1押え板43の通孔43hの孔縁と切断部7により切断される。帯シートを切断後、
図4(a)に示すように、第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45、及び切断部7は、受け板46から離間する方向へ移動し、それぞれの待機位置に戻る。
なお、切断部7は、重合部近傍をせん断作用にて切断して、第1押え板43にて帯シートを押えておき、その後、熱溶着部45にて溶着するようにしてもよいし、帯シートの重合部を溶着部6により溶着したのち切断してもよい。
【0025】
上記した溶着部6と切断部7を上下駆動する駆動部8は、モータとカム機構とで構成され、カム機構はカムやリンク機構を第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45、切断部7に連結し、更に第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45と切断部7が順次時間差をおいて上下作動するように構成されている。カム機構の動作を制御するためにそのカムを回転する軸に回転板51を固着し、回転板51の外周所定箇所に設けた原点をカム原点センサ52で検知し、駆動部8が制御されるようになっている。
つまり、駆動部8が作動してカム機構が作動することで切断部7が上昇し、受け板46が切断部7の上方位置へ突出移動し、受け板46と切断部7とで帯シートが挟まれ、帯シートが切断される。
【0026】
環状ガイド部1の帯シートsの先端が位置決め停止される位置より手前側(上流側)の所定位置には、帯掛けする為に供給される帯シートsの先端部が所定位置に到達したことを検出する帯シート先端検出センサ(停止センサ)が配置されている。この帯シート先端検出センサの検出信号により帯シートsを繰り出すフィード部5の駆動が停止され、再度駆動して帯シートsの先端がストッパに当接するまでの繰り出しが制御されている。
環状ガイド部1における被帯掛け商品Wが載置される位置の線上外側には、商品検出センサ54が設置され、環状ガイド部1内の所定位置に被帯掛け商品Wが置かれているか否かが検出されるように構成されており、被帯掛け商品Wが検出されるとフィード部5が起動し、帯シートの引き戻しを開始するように構成されている。
【0027】
待機部80は、印字部4よりも下流側に配置され、且つフィード部5よりも上流側に配置されている。この待機部80は、印字部4により印字された帯シートsを待機させる。または、待機部80は、印字部4により印字されたラベルを貼付した帯シートsを待機させる。
この待機部80は、帯掛け包装装置100の本体部100aの内部に、その本体部100a内の他の部分と区画された構造を有する。詳細には、待機部80は収容部80cを有し、収容部80cの上方に開口部80aが形成されている。開口部80aの帯シート搬送方向の長さは、収容部80cの搬送方向の長さよりも小さい。開口部80aの幅(搬送方向に対して直交する方向の長さ)は、帯シートsの幅と略同じ又はそれよりも大きく規定されている。また、待機部80の内側面は、印字済みの帯シートが汚れないように、インクなどの付着を防止する表面処理が施されていることが好ましい。詳細には、待機部80の内側面にインク付着防止層や鏡面などが形成されていることが好ましい。
【0028】
表示操作部9は、タッチパネル入力部、キー入力部、表示部などを有し、設定情報や商品情報などの各種データの入力、入力データの表示、プリセットデータの表示、各種メッセージの表示などを行う。
【0029】
また、本体部100aには、ガイド状態検出部542が設けられており、ガイド状態検出部542は、本体部100aに対してループガイド(巻回部101)の開閉状態、又は着脱状態を検出し、検出結果を示す信号を制御手段に出力する。
【0030】
図5は本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。帯掛け包装装置100は、帯掛制御部55、印字制御部56等を有する。なお、帯掛制御部55と印字制御部56が協働することで制御手段を実現してもよい。
【0031】
帯掛制御部55は、通信用INFを介して印字制御部56と接続され相互に交信できるように構成されており、帯掛制御部55及び印字制御部56は、制御部57(CPU)及びCPU61により制御される。
制御部57には、バス(通信線など)を介して、通信部50、ROM58(記憶部)、RAM59(記憶部)、帯掛機構駆動部60、帯シートの先端を検出する帯シート先端検出センサ53(停止センサ)、商品が載置される載置部付近に設けられた商品検出センサ54、カム原点センサ52、ラベル貼付部3(ラベル発行部)、ガイド状態検出部542等が接続されている。
【0032】
ROM58には、制御部57が実行する制御プログラム(プログラム)等が格納されており、RAM59は制御部57とCPU61との通信データ等を一時記憶するエリアである。また、RAM59やROM58等の記憶部には、例えば帯シートに関する情報(帯シートの型番、幅、長さ、材質、剛性情報(こしの強さ))、被包装物(トレー等)に関する情報等が記憶されている。制御部57は、記憶部に記憶されている帯シートに関する情報、被包装物(トレー等)に関する情報等に基づいて、帯掛け制御を行う。
【0033】
制御部57は、制御プログラムを実行することにより、帯掛け包装装置100の各構成要素を統括的に制御する。また、制御部57は、制御プログラムを実行することにより、本発明に係る帯掛け包装装置100に関する機能を実現する。
【0034】
通信部50は、制御部57の制御により、有線式通信路又は無線式通信路を介して、上位の管理装置や外部のコンピュータ等と通信可能であり、商品情報や帯シートに関する情報などの各種情報を通信することができる。
【0035】
帯掛機構駆動部60としては、溶着部6の熱溶着板への通電のON/OFF、プラテンローラ24の移動用駆動モータ33、下側フィードローラ5bの駆動モータ5c、帯シート巻取り駆動用モータ15、溶着部6及び切断部7の駆動部8としてのカム駆動モータ48(上下駆動用モータ)、プラテンローラ駆動用モータ25が挙げられ、これらの駆動/停止が制御部57により制御される。
【0036】
印字制御部56のCPU61には、バス(通信線等)を介してROM62(記憶部)、RAM63(記憶部)、表示操作部9、キー操作部10、印字部4が接続されている。
ROM62には、CPU61が実行する制御プログラムが格納されており、RAM63には被帯掛け商品毎の品名などの商品情報を記憶しておく商品ファイル(
図6(a)参照)、トレーに関する各種データを記憶しておくトレーファイル(
図6(b)参照)、帯掛けの帯シート(ラベルを含む)に商品に関する所定の項目を印字する為の印字位置情報を記憶しておく印字フォーマットファイル(
図6(c)参照)などのファイルが記憶されている。
表示操作部9は、タッチパネルで構成されており、CPU61の指令に基づいて入力データの表示、プリセットデータの表示、各種メッセージの表示を行うものである。
キー操作部10は、帯掛け包装装置の起動、停止等のための各種スイッチ及びデータの入力等を行うキーボードからなる。
印字部4は、サーマルヘッド4a(印字ヘッド)により印字を行う。
【0037】
図6(a)に示すように、RAM63に記憶される商品ファイルは、例えば、品番(商品番号)、不図示のJANコード(バーコード)、品名、値段(単価)、印字フォーマット番号等が設けられており、品番を特定することで、被帯掛け商品を特定することができる。
また、商品ファイルの各被帯掛け商品(各品番)毎に、後述する印字フォーマット番号が識別子として関連付けられて記憶してあるので、被帯掛け商品を特定することで各印字項目のレイアウトである印字フォーマットも特定できる。
【0038】
図6(b)に示すように、トレーファイルは、例えば、トレー番号(番号)毎にトレーサイズ(サイズ周囲長(トレー幅上面、トレー幅下面、トレー高さ))[mm]、帯シートで形成した初期ループを商品の外周に沿う形状に絞り縮径するため絞り込み調整量(絞込み量調整)(帯シートの引き戻し量、トレーの硬度)、等のトレーデータが設けられており、トレー番号を被帯掛け商品に設定することで、その特定した商品を帯掛けする際の引き戻し量を特定することができ、安定した帯掛けが可能となる。
なお、包装モードはトレーサイズ(寸法)に応じて判定しているので、特に包装モードを事前に記憶する必要はないが、強制的に、包装モードを指定する場合は、包装モードを管理してもよい。例えば、小さなサイズの被帯掛け商品の場合、後述する第2の包装モードで包装しても良い。
また、後述する印字フォーマットファイルの印字フォーマット番号が、識別子として記憶されている。従って、トレー番号を特定することで、各印字項目のレイアウトである印字フォーマット番号も特定できる。
また、帯シートの引き戻し量などが設定されている絞り情報ファイル(図示省略)をRAM63に有し、該ファイル中の絞り情報を識別するための識別子が、各トレー番号に割り振られている。
また、包装モードについては、被包装物のトレー幅上面、下面、高さから第一包装モードの包装可能寸法(サイズ)とを比較して、環状ループガイドの状態を報知しても良い。
【0039】
図6(c)に示すように、印字フォーマットファイルは、印字項目毎に印字するレイアウトが設定されているもので、印字フォーマット番号(識別子)毎に、印字開始、印字項目毎の印字位置等の印字位置情報が設定されており、
図7に示すように、印字開始は帯シートsの先端からの距離(mm)を示し、印字位置として帯シートsの幅方向の一方端を原点O(0,0)とし、その原点から幅方向(X)、及び長手方向(Y)を始点として、その始点から幅方向(印字領域X幅)と、長手方向(印字領域Y幅)が設定されており、これにより各印字エリアが設定される。尚、JANコード(バーコード)が帯シートsにラベル用紙を貼付して印字する場合、JANコードの印字位置データが、ラベル用紙を貼着された位置と一致するように貼付部を駆動する。
上記のように、前記商品ファイルに印字フォーマット番号を関連付けることで、各被帯掛け商品、品番を選択するだけで、被帯掛け商品に合わせて帯シートの所定の位置に印字することができる。
また、各被帯掛け商品に印字フォーマット番号を関連付ける代わりに、各トレー番号を関連付けるようにしてもよい。
図6(b)に示すように、各トレー番号には印字フォーマット番号が識別子として記憶されているので、被帯掛け商品(品番)を特定するだけで、選択した商品の品名等の商品情報、トレーデータ(トレー番号)、印字位置情報(印字フォーマット番号)が特定されるので、トレーの大きさに合った正しい位置に印字された帯シートで、被帯掛け商品を帯掛け包装することができる。
また、印字フォーマット番号を商品ファイルの各品番、トレーファイルの各トレー番号の、それぞれに関連付けておいて、且つ、トレー番号を商品ファイルの各品番に関連付けた場合は、例えば、トレー番号に関連付けておいた印字フォーマット番号を優先して使用するようにしてもよいし、またその逆で、各品番に関連付けられた印字フォーマット番号を優先するようにしてもよい。
【0040】
図8は帯掛け包装装置100のループガイド(巻回部)を用いた包装(ループガイド包装モード)により帯シートsを巻回した商品(物品)の一例を示す図であり、詳細には、
図8(a)は商品の斜視図であり、
図8(b)は断面図である。
図8に示した例では、被帯掛け商品W(商品)は、開口部を有する容器W1と、開口部を塞ぐ蓋部W2とを有し、蓋部W2が開口部を塞いた状態で、帯シートsが巻回される。帯シートsには直接またはラベルLに、印字部により印字された印刷部分Pが形成されている。
なお、帯掛け包装装置100により帯シートsを巻回した商品(物品)は、上記実施形態に限られるものではない。
【0041】
図9は本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置のループガイド(巻回部)を用いた包装動作(ループガイド包装モード)の一例を示す図である。詳細には、
図9(a)は初回時に印字部により印字された帯シートs(フィルム)を搬送している状態の一例を示す図である。
図9(b)はフィード部5のフィードローラ5a,5bを停止した状態で、印字部のプラテンローラ24(印字ローラ)により帯シートsを搬送しながら印字し、印字された帯シートsを待機部80へ一時的に収容(待機)させている状態を示す図である。
図9(c)はフィードローラ5a,5bを停止した状態で、印字された帯シートsを待機部80の収容部80cへ一時的に収容(待機)させている状態を示す図である。
図9(d)は印字部のプラテンローラ24(印字ローラ)を停止した状態で、待機部80に一時待機していた印字済みの帯シートs(フィルム)をフィードローラ5a,5bにより巻回部側へ搬送する動作の一例を説明するための図である。
【0042】
次に、帯掛け包装装置100のループガイド包装モード時のループガイド(巻回部101)を用いた帯掛け動作の一例を説明する。
商品(物品)が搬入され、巻回部101(ループ形成手段)の載置部に商品が載置される。検知部により、巻回部の載置部に商品が載置されたことを検知した信号が制御部57に出力される。
【0043】
制御部57は、印字部4のプラテンローラ24を回転駆動して印字部4のサーマルヘッド4a(印字ヘッド)により印字処理を行う。
【0044】
制御部57は、帯シートsを搬送方向(正方向)に搬送するように、フィード部のフィードローラを駆動する処理を行う。帯シートsは、巻回部101へ搬送される。
【0045】
制御部57は、帯シートs(フィルム)の所定部分を把持部としての第1押え板43により把持する処理を行う。
【0046】
制御部57は、フィード部5のフィードローラ5a、5bを逆方向へ駆動する処理を行う。詳細には、フィード部5により、帯シートである初期ループを被帯掛け商品Wの外周に沿うように縮径する引き戻し方向に搬送する。
【0047】
制御部57は、フィード部5のフィードローラ5a、5bを停止する処理を行う。
【0048】
制御部57は、帯シートs(フィルム)の重合部を把持部としての第2押え板44により把持する処理を行い、巻回部101にて被帯掛け商品Wに巻回された帯シートs(フィルム)の所定位置(切断位置)を、切断部7(カッタ)により切断する処理を行う。
【0049】
制御部57は、溶着部6の熱溶着部45により、被帯掛け商品Wに巻回された帯シートの重合部を溶着する処理を行う。
なお、溶着部6の熱溶着部45による帯シートsの重合部を熱溶着した後、上記切断部7により帯シートsを切断してもよいし、逆に、切断部7により帯シートsを切断したのち、熱溶着部45により帯シートsの重合部を熱溶着してもよいし、上記切断と熱溶着を略同時に行ってもよい。
【0050】
制御部57は、第1押え板43、第2押え板44、熱溶着部45、切断部7等を待機位置に移動するように駆動制御し、巻回部101から、帯シートが巻回されている商品を搬出装置(不図示)などより搬出する処理を行う。
【0051】
制御部57は、上記した熱溶着部45による熱溶着処理や商品搬出処理と並行して、
図9(b)、
図9(c)に示したように、フィード部5のフィードローラ5a、5bによる帯シートの搬送を停止した状態で、印字部4により商品情報を印字した帯シートを、印字部4のプラテンローラ24の回転駆動により待機部80に搬送し、その待機部80に帯シートを待機させる処理を行う。
詳細には、フィード部5による帯シートの搬送が停止した状態で、印字部4のプラテンローラ24を駆動することで、帯シートs(フィルム)が撓み、帯シートが撓んだ湾曲部分が下方へ移動し、待機部80の開口部80aから収容部80cに一時的に収容される。
なお、印字部4のプラテンローラ24とフィード部5のフィードローラ5a、5bとの間に規制部88が配置されており、この規制部88は、帯シートの撓んだ部分である湾曲部分が上方へ移動することを規制する。通常時、この規制部88と待機部80の開口部80aとの間に、帯シートs(フィルム)が配置されている。
【0052】
制御部57は、帯シートを巻回する処理を終了するか否かを判断し、詳細には、キー操作部10や表示操作部9の終了ボタンなどが操作されたことを検知した場合に一連の帯掛け動作を終了し、それ以外の場合に、商品が搬入され、巻回部の載置部に商品が載置される。検知部により、巻回部の載置部に商品が載置されたことを検知した信号が制御部57に出力される。
そして、
図9(d)に示したように、制御部57は、帯シートを搬送方向(正方向)に搬送するように、フィード部5のフィードローラを駆動する処理を行う。待機部80に収容されている帯シートは、巻回部101へ搬送される。帯掛け包装装置100は、上記帯掛け包装動作を適宜繰り返す。
【0053】
<大トレーモード>
図10は帯掛け包装装置100の巻回部101(ループ形成部)がオープン状態(大トレーモード時)の正面図である。
図11は
図10に示した帯掛け包装装置100の斜視図である。
【0054】
包装対象の商品には多種のサイズが存在し、巻回部101の窓孔11内に入らない商品を包装する場合、そのまま巻回部101を用いて帯巻き包装することができない。
本発明の実施形態に係る帯掛け包装装置100は、巻回部101の窓孔11内に載置できない大きいサイズの商品W(物品)に対して、手動にて帯巻きシートを商品W(物品)に巻回可能に構成されている。
例えば、
図10、
図11に示す帯掛け包装装置100では、ループ形成手段としての巻回部101が、帯掛け包装装置100の本体部100aに対して回転軸100gを回転中心として回動自在に設けられている。
【0055】
例えば巻回部101の窓孔11内に巻回できる最大サイズを超える商品W(物品)を、手動にて、帯巻き包装する場合、
図10、
図11に示すように、回転軸100gを回転中心として、巻回部101を回動させ開状態とすることで、容易に通常サイズ用と大きいサイズ用とに切替えることが可能である。
操作者は、フィード部5(帯シート搬送部)から所定量だけ繰り出された帯シートsを指などで掴み、小さいループを形成して受け板46や溶着部6等により保持したのち、帯掛け包装装置100がそのループを被包装物の大きさよりも僅かに大きいサイズに拡大する。すなわち被包装物に応じて帯掛け包装可能な帯シートsの長さになるように所定量をさらに繰り出す。
次に、帯シートsのループ内に被包装物が操作者により配置された場合、帯掛け包装装置100が帯シートsを絞り込むことで、被包装物に帯シートsを巻回し、帯シートの重合部を溶着部6の熱溶着部により熱溶着する。
【0056】
なお、制御部57は、巻回部101を回動させ開状態とすることで、通常の帯巻き動作の制御を大きいサイズ用の動作に変更するようにしてもよい。
【0057】
<報知ランプ71(表示灯の制御)>
帯掛け包装装置100は、表示操作部が設けられていなくともよく、操作者が包装装置の状態を目視で確認することができる報知ランプ71(表示灯)を備えていてもよい。帯掛け包装装置100の本体部100aの上部に設けられた報知ランプ71(表示灯)は、故障や包装の異常、包装モードなどを報知する。
また、報知ランプ71(表示灯)は、例えば、正常待機中を示す点灯、動作中を示す1秒周期の点滅、包装装置の何らかのエラーを示す0.5秒周期の点滅等となるように、制御部により制御されてもよい。
また、報知ランプ71は、包装モードに応じて、点灯や点滅のタイミングが異なるように構成されていてもよい。この報知ランプ71は、包装モード、正常待機状態、動作中、エラー状態などに対応して、規定された色、例えば、赤色、緑色、青色などを点灯/点滅するように構成されていてもよい。また、報知ランプ71の代わりに、LED表示ユニット等による文字表示可能な簡単な構成の表示部が、包装装置に設けられていてもよい。
【0058】
図12は本発明の実施形態に係る包装装置の制御部57の機能ブロックの一例を示す図である。
制御部57は、モード設定部570、及び複数の包装モード等を有する。
ここで、包装モードとは被包装物を連続して巻くか1つずつ巻く単巻かの包装処理のモードを意味し、動作モードとは、手動で包装処理を行うか自動で包装処理を行うかを意味し、包装動作モードとは上記の2つのモードを併せた意味を持つ。
動作モードとしては、例えば、手動動作モード(手動モードという)、自動動作モード(自動モードという)を切替可能に設定することができる。また、包装モードとしては、単巻き包装モード(単巻モードという)と連続包装モード(連続モードという)を切替可能に設定することができる。
また、通常以外の包装処理として、大トレーモード5705を設定することができる。
【0059】
自動モードは、被包装物を検知する検知手段(商品検出センサ等)が有効であり、例えば、非透明性のトレーなどの被包装物を包装する際に設定されるモードである。
詳細には、自動モードでは、非透明性のトレー等の被包装物が包装装置の本体部に設けられた検知手段により検知された場合、それをトリガーとして、包装装置の帯掛け包装処理の動作が開始する。
【0060】
手動モードは、検知手段(商品検出センサ等)が無効であり、例えば、透明なトレー等の被包装物等、検知手段としての光センサで透明な被包装物を検知し難い場合に設定されるモードであり、フットスイッチの操作をトリガーとして、包装装置の動作が進行する。
【0061】
連続モードは、包装処理中に、次の順番の被包装物用の包装材に印字やラベル貼付を行って待機させておくモードであり、同じ内容の印字やラベルを連続して包装する場合に、複数の被包装物全体に掛かる包装時間を短縮することができる。
【0062】
単巻モードは、連続モードとは異なり、包装処理中に、次の包装材への印字やラベル貼付を行わないモードである。1つごとに計量を行いパックにラベルを貼付する場合は単巻モードで行うのが適している。
【0063】
手動単巻モード5701は手動モード且つ単巻モードである。
自動単巻モード5702は自動モード且つ単巻モードである。
自動連続モード5703は自動モード且つ連続モードである。
手動連続モード5704は手動モード且つ連続モードである。
大トレーモード5705は、
図10、
図11に示したように、帯掛け包装装置100の本体部100aに対してループガイド(巻回部101)を取り外し又は開状態(回動した状態)のとき、ループガイドなしで被包装物の包装を行う包装モードである。
【0064】
以下、包装装置としての帯掛け包装装置100の動作、特に、手動単巻包装モード(1回ごとに巻く動作を操作する)の動作を中心に説明する。
【0065】
図13は帯掛け包装装置のモード設定等の設定を行うための設定操作画面の一例を示す図である。
図13に示すように帯掛け包装装置の表示操作部に操作可能に表示される設定画面は、例えば、被包装物としてのトレーの名称を設定するためのトレー名称設定部D91、印字開始位置設定方法設定部D92、トレー上面の幅を設定するためのトレー幅上面設定部D93、トレー下面の幅を設定するためのトレー幅下面設定部D94、トレーの高さを設定するための高さ設定部D95、印字開始位置を微調整するための印字開始位置調整部D96、印字開始位置を設定するための印字開始位置設定部D97、手動モード又は自動モードの包装開始方法を設定するための包装開始方法設定部D98、絞り込み量調整設定部D99、単巻モード又は連続モードを設定するための設定部D981、品番登録ボタンB99、コピーボタンB910(コピー元選択ボタン)、削除ボタンB911等を有する。
【0066】
包装開始方法が自動モードに設定されている場合、自動モードが開始されると、
図14に示すような、包装開始待ち状態の画面(包装開始待ち画面)が表示される。
図14に示す画面は、「確認 包装開始待ち」と表示され、且つ「商品を置いてください [消]キーBdを押すとリセット動作を行い、終了します。」とポップアップ表示を有する。また、[消]キーBdをポップアップ画面に操作可能に表示してもよい。
そして、帯掛け包装装置100は、ループガイド内の載置部に被包装物が載置され、検知手段としての商品検出センサで被包装物(商品)が検知された場合、帯掛け包装処理を開始する。
そして、帯掛け包装処理中、
図15に示すような、確認画面(包装終了待ち画面)が表示操作部の表示装置に表示される。
図15に示す画面例では、「確認 包装終了待ち」、且つ「商品を取り除いてください。」とポップアップ表示を有する。載置部から包装済みの商品が取り除かれた場合、上記ポップアップ表示が終了する。
【0067】
図16は帯掛け包装装置の手動モード時の包装開始待ち状態の画面(包装開始待ち画面)の一例を示す図である。
手動モード(商品検出センサが無効状態に設定)時、手動モードが開始され、包装材に印字やラベル貼付が施された後、包装開始待ち状態となり、例えば
図16に示すように、包装確認のポップアップ画面が表示される。このポップアップ画面は、「確認 包装開始待ち」、且つ、「商品(被包装物)を置いてください」、「[中止]:リセット動作を行い、終了します」、「[実行]:包装を開始します。」の画面表示と、実行ボタンB1、中止ボタンB2を有する。
手動モード時、実行ボタンB1が操作された場合やフットスイッチ545が操作された場合に帯掛け包装が開始し、中止ボタンB2が操作された場合にリセットを行い包装処理を中止する。
【0068】
図17は本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100のモード設定の動作の一例を示すフローチャートである。
制御部57のモード設定部570は、
図13に示すような設定画面を表示操作部9に表示する。詳細には、操作者により、包装開始方法設定部D98、設定部D981にて、手動モード又は自動モード、及び、単巻モード又は連続モードが設定される。
【0069】
ステップST1において、制御部57のモード設定部570は、例えば、記憶部に記憶されている、又は操作者により設定された、包装モードや動作モードを示すモード情報等に基づいて、通常の包装処理を行うモード(通常包装モード)又は大トレーモードを選択する。制御部57は、通常の包装モード(通常包装モード)が選択された場合、ステップST2の処理に進み、大トレーモードの場合にステップST500の処理に進む。
なお、制御部57のモード設定部570は、ループガイドが本体部から取り外された状態、又は開状態となった場合に、ステップST500の処理に進み、大トレーモードに設定する。
【0070】
ステップST2,ST3,ST4において、制御部57は、設定された動作のモード(動作モード)や包装のモード(包装モード)を判断し、各包装モードや動作モードに対応したステップST100,ST200,ST300,ST400の処理に進む。
詳細には、手動連続モード(手動モード且つ連続モード)の場合にステップST100の処理に進み、手動単巻モード(手動モード且つ単巻モード)の場合にステップST200の処理に進み、自動連続モード(自動モード且つ連続モード)の場合にステップST300の処理に進み、自動単巻モード(自動モード且つ単巻モード)の場合にステップST400の処理に進み、大トレーモードの場合にステップST500の処理に進み、各モードの処理が終了後、初期待機モードとなり、ステップST1の処理に進む。
【0071】
<手動連続モード>
次に、
図18を参照しながら、手動連続モード時の帯掛け包装装置の動作の一例を説明する。
ステップST101において、制御部57は、初期待機状態では、初期画面(不図示)を表示して待機する処理を行う。
【0072】
ステップST102において、制御部57は、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、フットスイッチ545が操作されたと判別した場合にステップST103の処理に進み、それ以外の場合ステップST101の処理に進む。
【0073】
ステップST103において、制御部57は、帯掛け包装処理の準備(巻きの準備)、詳細には、帯シートsなどの包装材に商品情報等の印字やラベル貼付等を行い、その包装材を待機位置で待機させる。
【0074】
ステップST104において、制御部57は、例えば
図16に示すような包装開始待ち画面を表示操作部9に表示し、包装開始待ち状態とする。
【0075】
ステップST105において、制御部57は、包装中止か否かを判別し、詳細には
図16に示す例では、中止ボタンB2が操作されたか否かが判別され、中止ボタンB2が操作され包装中止の場合、ステップST106の処理に進み、それ以外の場合に、ステップST109の処理に進む。
【0076】
ステップST106において、制御部57は、包装中止処理を行う。
【0077】
ステップST107において、制御部57は、すでに印字やラベル貼付された包装材(待機状態)を搬送方向の巻回部101に所定距離だけ搬送した後、包装材を切断して、その包装材を破棄する処理を行う。操作者は、適宜、印字され、ラベル貼付された帯シートsを直接取り除くことで破棄の処理を終了する。
【0078】
ステップST109において、実行ボタン又はフットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、実行ボタン又はフットスイッチ545が操作された場合にそれをトリガーとして、ステップST110の処理に進む。
【0079】
ステップST110において、制御部57は、帯シートs等の包装材をループガイドに沿って搬送させて被包装物に対して帯掛け包装処理を行い、絞り込みの後、包装材の重合部を固着して、包装材を切断する。
【0080】
ステップST111において、制御部57は、ステップST110の包装処理中に、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、操作された場合にステップST108の処理に進むことで、連続モード中止処理を行い、フットスイッチ545が操作されていない場合に、ステップST103の処理に進む。
【0081】
ステップST103において、制御部57は、連続モード時、次の準備として、包装材に印字やラベル貼付等の処理を行い、ステップST104の処理に進み、包装材を待機位置に待機させる。
【0082】
本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、被包装物を検知する検知手段(例えば光センサ等の商品検出センサ54)を有しているが、トレーが透明な場合や、トレー等のサイズが小さすぎてセンサで検知できない場合がある。そのために帯掛け包装装置100は、センサが動かない場合でもトレーを巻く操作を設定できる。
【0083】
詳細には、表示操作部には包装処理を行わせるポップアップ画面、例えば
図16に示すような画面を表示し、この画面に操作可能に表示された実行ボタンB1が押下されたときに通常通り帯巻きの処理が開始される。
本件実施例のフットスイッチの操作を先に行えば、画面操作をスキップして巻き操作が開始されるので他のモードと同じメリットを享受できる。帯巻きの動作は手動単巻モード及び手動連続モードと同じである。
【0084】
このモードは商品検出センサ54でトレーを検出できない場合に設定されるモードであるために、自動の設定ができなので、常に手動モードが設定されることになる。
【0085】
この透明トレーモードでの単巻では、フィルム印字の発行の画面表示時と帯巻きの操作開始時の2回、表示操作部の画面に実行ボタンの表示が行われる。画面で実行ボタンの操作もできるが、先にフットスイッチを押下すると次の動作を開始できる。
【0086】
この透明トレーでの連続巻では、帯巻き操作の終了後に自動で印字操作が行われるので、包装開始待ちのポップアップ画面表示が行われ、画面のボタンを押下するかフットスイッチを押下するかの選択後に次の動作が開始される。
連続動作中の場合、画面表示が出ているときに、包装処理操作のトリガーとして、発行作動中は次の発行操作の中止のトリガーとなる、フットスイッチの押下操作は作動する。
【0087】
商品検出センサを見ない設定は、上記のモードとは異なるために、作業者にセンサが動いてないことを報知する方法として、例えばトレー名称設定部D91に作業者に報知する表示として、トレー名称に透明トレーであることや、商品検出センサからの信号を見ていない表示を追加してもよい。また、包装開始待ち画面表示時にその旨を記載してもよい。
また、音声や帯掛け包装装置100に設置されている報知ランプ71などでセンサが動いてないことがわかるよう作動を設けてもよい。
【0088】
<手動単巻モード>
次に、
図19を参照しながら、手動単巻モード時の帯掛け包装装置の動作の一例を説明する。
ステップST201において、制御部57は、初期待機状態では、初期画面(不図示)を表示して待機する処理を行う。
【0089】
ステップST202において、制御部57は、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、フットスイッチ545が操作されたと判別した場合にステップST203の処理に進み、それ以外の場合ステップST201の処理に進む。
【0090】
ステップST203において、制御部57は、帯掛け包装処理の準備(巻きの準備)、詳細には、帯シートsなどの包装材に商品情報等の印字やラベル貼付等を行い、その包装材を待機位置で待機させる。
【0091】
ステップST204において、制御部57は、例えば
図16に示すような包装開始待ち画面を表示操作部9に表示し、包装開始待ち状態とする。
【0092】
ステップST205において、制御部57は、包装中止か否かを判別し、詳細には
図16に示す例では、中止ボタンB2が操作されたか否かが判別され、中止ボタンB2が操作され包装中止の場合、ステップST206の処理に進み、それ以外の場合はステップST207の実行ボタンB1又はフットスイッチが操作され、ステップST208の処理に進む。
【0093】
ステップST206において、制御部57は、包装中止処理を行う。
【0094】
ステップST207において、制御部57は、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、フットスイッチ545が操作された場合にそれをトリガーとして、ステップST208の処理に進む。
【0095】
ステップST208において、制御部57は、帯シートs等の包装材をループガイドに沿って搬送させて被包装物に対して帯掛け包装処理を行い、絞り込みの後、包装材の重合部を固着して、包装材を切断する。
【0096】
<自動連続モード>
次に、
図20を参照しながら、自動連続モード時の帯掛け包装装置の動作の一例を説明する。
ステップST301において、制御部57は、初期待機状態では、初期画面(不図示)を表示して待機する処理を行う。
【0097】
ステップST302において、制御部57は、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、フットスイッチ545が操作されたと判別した場合にステップST303の処理に進み、それ以外の場合ステップST301の処理に進む。
【0098】
ステップST303において、制御部57は、帯掛け包装処理の準備(巻きの準備)、詳細には、帯シートsなどの包装材に商品情報等の印字やラベル貼付等を行い、その包装材を待機位置で待機させる。
【0099】
ステップST304において、制御部57は、例えば
図14に示すような包装開始待ち画面を表示操作部9に表示し、包装開始待ち状態とする。
【0100】
ステップST305において、制御部57は、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、フットスイッチ545が操作された場合にそれをトリガーとして、ステップST306の処理に進み、それ以外の場合にステップST309の処理に進む。
【0101】
ステップST306において、制御部57は、包装中止処理を行う。
【0102】
ステップST307において、制御部57は、すでに印字やラベル貼付された包装材(待機状態)を搬送方向の巻回部101に所定距離だけ搬送した後、包装材を切断して、その包装材を破棄する処理を行う。操作者は、適宜、印字され、ラベル貼付された帯シートsを直接取り除くことで破棄の処理を終了する。
【0103】
ステップST308において、制御部57は、連続モードを中止する処理を行う。
【0104】
ステップST309において、制御部57は、検知部(商品検出センサ54)により、被包装物(非透明性)が検知されたか否かを判別し、被包装物が検知された場合にステップST310の処理に進む。
【0105】
ステップST310において、制御部57は、帯シートs等の包装材をループガイドに沿って搬送させて被包装物に対して帯掛け包装処理を行い、絞り込みの後、包装材の重合部を固着して、包装材を切断する。
【0106】
ステップST311において、制御部57は、ステップST310の包装処理中に、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、操作された場合にステップST308の処理に進むことで、連続モード中止処理を行い次に発行されるラベル印字やラベル貼付を中止する。フットスイッチ545が操作されていない場合に、ステップST303に進む。
【0107】
ステップST311の後において、制御部57は、連続モード時、次の準備として、包装材に印字やラベル貼付等の処理を行うステップST303の処理に進み、包装材を待機位置に待機させる。
【0108】
<自動単巻モード>
次に、
図21を参照しながら、自動単巻モード時の帯掛け包装装置の動作の一例を説明する。
ステップST401において、制御部57は、初期待機状態では、初期画面(不図示)を表示して待機する処理を行う。
【0109】
ステップST402において、制御部57は、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、フットスイッチ545が操作されたと判別した場合にステップST403の処理に進み、それ以外の場合ステップST401の処理に進む。
【0110】
ステップST403において、制御部57は、帯掛け包装処理の準備(巻きの準備)、詳細には、帯シートsなどの包装材に商品情報等の印字やラベル貼付等を行い、その包装材を待機位置で待機させる。
【0111】
ステップST404において、制御部57は、例えば
図14に示すような包装開始待ち画面を表示操作部9に表示し、包装開始待ち状態とする。この場合はセンサに反応して自動で包装処理が開始されるために、POP画面上で実行ボタンB1、中止ボタンB2の操作ボタンは表示されない。
【0112】
ステップST405において、制御部57は、フットスイッチ545が操作されたか否かを判別し、フットスイッチ545が操作された場合にそれをトリガーとして、ステップST406の処理に進み、それ以外の場合にステップST407の処理に進む。
【0113】
ステップST406において、制御部57は、包装中止処理を行う。
【0114】
ステップST407において、制御部57は、検知部(商品検出センサ54)により、被包装物(非透明性)を検知した場合にステップST408の処理に進む。
【0115】
ステップST408において、制御部57は、帯シートs等の包装材をループガイドに沿って搬送させて被包装物に対して帯掛け包装処理を行い、絞り込みの後、包装材の重合部を固着して、包装材を切断する。
【0116】
<大トレーモード(ST500)>
なお、大トレーモード時、フットスイッチの機能や動作は、手動単巻モードと略同じであり説明を省略する。大トレーモード時の包装処理では、ループガイドが本体部から取り外された状態または開状態で、操作者が所定距離だけ繰り出された包装材を小さいリング状にした状態で、フットスイッチ545が操作された場合、包装材を繰り出してループを被包装物よりも僅かに大きい大径とし、そして、ループ内に被包装物を配置した後、フットスイッチが操作された場合に、包装材を逆方向に搬送して絞り込みを行い、被包装物を包装材で締め付けた後、包装材の重合部を固着する処理を行う。
【0117】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は操作手段を有し、この操作手段は少なくとも1つのスイッチ(フットスイッチ545等)を有し、操作手段は、包装動作モードに応じて、包装動作モードごとに異なる動作のトリガーとなる、および/または、1つの包装動作モードにおいて、包装装置の工程(ステップ)ごとに異なる動作のトリガーとなるように構成されている。また、帯掛け包装装置100は、操作手段からの信号に応じた制御を行う制御手段(制御部57)を有する。
すなわち、簡単な構成で、包装作業時に包装処理に関する操作を効率よく行うことができる包装装置を提供することができる。
また、包装装置の表示操作部9等から操作することなく、包装モード(巻き種別)に応じて包装材(帯シートs等)の包装動作を制御することができるので、操作者は効率よく包装作業を行うことができる。
包装動作モード(包装モード、動作モード)や包装装置の工程としては、上記実施形態に限られるものではなく、各種包装動作モードや包装装置の様々な工程を含む。
【0118】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、包装材ロールから繰り出される包装材により被包装物を包装する包装装置(帯掛け包装装置100)である。
詳細には、この帯掛け包装装置100は、モードの設定を行う設定手段(表示操作部9やモード設定部570)と、スイッチ(フットスイッチ545等)によるトリガーに応じて、設定手段(表示操作部9やモード設定部570)で設定したモードに基づいた包装動作制御を行う制御手段(制御部57)などを有する。
すなわち、帯掛け包装装置100は、簡単な構成で、スイッチ(フットスイッチ545等)によるトリガーに応じて、設定手段(表示操作部9やモード設定部570)で設定したモードに基づいた包装動作を行うことができる。
【0119】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、印字手段(印字部4)、ラベル貼付手段(ラベル貼付部3)などを有する。また、包装装置の制御手段(制御部57)は、初期待機状態(初期待機画面)で、スイッチ(フットスイッチ545等)によるトリガーを検出した場合に、包装材に、印字する処理および/またはラベルを貼付する処理を行い、包装開始待ち状態に設定する。
すなわち、初期待機状態で、包装モードが設定済みのとき、操作者がスイッチ(フットスイッチ545等)を操作すると、印字手段により包装材(帯シートs等)に商品情報などを印字し、及び/又は、ラベル貼付手段(ラベル貼付部3)により包装材にラベルを貼付し、その包装材(帯シートs等)が待機位置で待機するので、スイッチ(フットスイッチ545等)によるトリガーに応じて、瞬時に帯巻き等の包装処理を開始することができる。
【0120】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、包装動作モードが手動に設定されている場合に、操作手段は、包装処理のスタートのトリガーとなり、包装動作モードが自動に設定されている場合には、前記操作手段は包装処理のストップのトリガーとなる。
また、制御手段(制御部57)は、手動モード時、包装開始待ち状態で、スイッチ(フットスイッチ545等)によるトリガー(信号)が入力された場合に、包装処理を開始する。すなわち、手動モード時(被包装物を検知する検知部(センサ)が無効状態)、包装開始待ち状態で、フットスイッチ545等の操作手段によるトリガー(信号)が制御手段に入力された場合、短時間に、包装処理を開始することができる。
また、制御手段(制御部57)は、自動モード時、スイッチ(フットスイッチ545等)によるトリガー(信号)が入力された場合に、短時間に包装処理を中止することができる。
【0121】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100において、操作手段は、包装動作モードが手動、連続に設定されている場合に、包装処理のスタートのトリガーとなり、包装動作モードが自動、連続に設定されている場合に、包装処理のストップのトリガーとなる。
制御手段(制御部57)は、包装動作モードが手動、連続に設定されている場合に、操作手段(フットスイッチ545等)によるトリガー(信号)が入力されたとき、包装処理を開始することができる。
また、制御手段(制御部57)は、包装動作モードが自動、連続に設定されている場合に、操作手段(フットスイッチ545等)によるトリガー(信号)が入力されたとき、短時間に、包装処理を中止することができる。
【0122】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100の制御手段(制御部57)は、包装モードが手動に設定されている場合、包装開始待ち状態で、操作手段(フットスイッチ545等)によるトリガーを検出したときに、包装処理を開始する。
すなわち、操作者が操作手段を所定のタイミングで操作することにより、短時間に、包装処理を開始することができる。
【0123】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、被包装物を検知する検知手段(商品検出センサ54等)と、少なくとも操作手段(フットスイッチ等)、検知手段からの信号に応じた制御を行う制御手段(制御部57)とを有する。
制御手段(制御部57)は、包装モードが自動(自動モード)に設定されている場合に、包装開始待ち状態で、検知手段により被包装物を検知したときに、包装処理を開始する。
また、制御手段(制御部57)は、包装モードが自動に設定されている場合に、包装開始待ち状態で、操作手段(フットスイッチ545等)によるトリガーを検出したときに、包装せずに、待機状態の印字済み又はラベル貼付済みの包装材を破棄する処理を行う。
すなわち、包装モードが自動に設定されている場合に、操作手段や検知手段からの信号に応じて、包装処理を行ったり、待機状態の印字済み又はラベル貼付済みの包装材を破棄する処理を行うことができる。
【0124】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100の制御手段(制御部57)は、包装動作モードが連続(連続モード)に設定され、包装処理中に、操作手段(フットスイッチ545等)によるトリガーを検出した場合、被包装物を包装した後、連続で包装を行う処理を中止する。
すなわち、連続モード時、包装処理中に、操作者が操作手段(フットスイッチ545等)を操作することにより、現在包装処理中の被包装物を包装した後、次の被包装物に対する包装を中止し、連続モードを中止することができる。
【0125】
また、本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100の制御手段(制御部57)は、包装動作モードが自動モード且つ連続モードに設定されている場合、包装開始待ち状態で、操作手段(フットスイッチ545等)によるトリガーを検出した場合に、包装せずに、待機状態の印字済み及び/又はラベル貼付済みの包装材を破棄する処理を行う。
すなわち、自動連続モード(自動モード且つ連続モード)時、包装開始待ち状態で、操作者がスイッチ(フットスイッチ545等)を操作することで、簡単に、包装させずに、待機状態の印字済み及び/又はラベル貼付済みの包装材を破棄する処理を行わせ、自動連続モードを中止させることができる。つまり、連続モードの包装開始待ち状態の、印字及び/又はラベル貼付された包装材(帯シートs等)を、スイッチ(フットスイッチ545等)の操作により簡単に破棄することができる。
なお、破棄処理は、印字及び/又はラベル貼付された包装材を、印字された又はラベル貼付された部分の長さに応じた所定の長さだけ搬送方向に送り出し、カッタ等の切断部によりカットする。操作者は、その包装材を包装装置から取り出すことにより、簡単にその包装材を破棄することができる。
【0126】
〈本実施形態の変形例〉
いままでは、包装装置の表示操作部が、包装装置の本体部から離れたところに設置されている場合、包装装置の表示操作部(コンソール)で操作し難い場合がある。操作者はその表示操作部と包装装置の本体部を行き来することを要し、作業が大幅に遅れる場合がある。
本発明の実施形態に係る包装装置としての帯掛け包装装置100は、他の装置と通信を行う通信手段(通信部50)を有する。制御手段(制御部57等)は、通信手段により受信された情報に基づいて包装処理を行う。
すなわち、通信手段により他の装置、例えば上位管理装置(管理用コンピュータ)や、他の包装装置等から印字データや計量データを受信し、その包装材(フィルム等)の包装動作を行うことができる包装装置を提供することができる。
また、この包装装置は、当該包装装置自体に表示操作部を備えていなくとも、上記通信手段を備えるので、上記効果を得ることができ、簡単な構成の包装装置を提供することができる。
さらに、通信元の別包装装置で当該包装装置のモード設定等をしていれば、画面操作することなく、スイッチ操作でフィルムの印字や帯巻きの動作を行える。
上記通信は、有線無線を問わず別包装装置から当該包装装置を動かすデータを受信できていればよい。
【0127】
例えば、店舗内の離れた場所に別包装装置本体と表示操作部のない帯掛け包装装置100が通信可能に接続された状態であれば、別包装装置で当該包装装置のモード設定等を行うことで、当該包装装置は画面操作することなく、スイッチ操作でフィルムの印字や包装処理を行うことができる利点がある。本件スイッチはモードや作業工程中の操作に応じて異なる処理ができるので、表示操作部が近くにないような状態であっても作業の中断が無く、余計な操作が不要になる効果がある。
【0128】
また、本発明の包装装置の操作手段としては、フットスイッチ等を採用することができる。両手で被包装物を把持している場合であっても、フットスイッチにより、上記包装装置のモードに応じて、モードごとに異なる動作のトリガーとなるか、および/または、1つのモードにおいて、包装装置の工程ごとに異なる動作のトリガーを発生させることができる。
【0129】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0130】
上述したように、本発明に係る包装装置を適用した帯掛け包装装置を説明したが、本発明に係る包装装置は、帯掛け包装装置に限られるものではなく、帯掛け包装装置以外の包装装置に適用してもよい。
【0131】
また、上述した実施形態では、包装装置は、フットスイッチの操作をトリガーとして、モードごとに異なる動作を行ったが、この実施形態に限られるものではない。例えば、包装装置は音声認識機能を有し、音声認識機能により認識された操作者の音声による指示に応じて、各モードの各工程を開始する処理や中止処理などの動作制御を行ってもよい。
【0132】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下のように記載することもできる。
[付記1]
包装装置は、複数の包装動作モードのスタート又はストップのトリガーとして、包装処理を行う制御手段を有し、
該制御手段は前記包装動作モードごとに包装動作の工程で異なる包装処理のトリガーとなることを特徴とする。
【符号の説明】
【0133】
2…装填部
3…ラベル貼付部
4…印字部(印刷手段)
5…フィード部(帯シート搬送部)
6…溶着部(帯巻用シート固着部)
7…切断部
9…表示操作部(設定手段、入力手段、表示手段)
46…受け板(受け部材)
50…通信部(通信手段)
54…商品検出センサ(被包装物検出手段)
57…制御部(制御手段)
80…待機部
100…帯掛け包装装置(包装装置、帯巻き包装装置)
100a…本体部
101…巻回部(ループガイド、ループ形成手段、ガイドレールともいう)
545…フットスイッチ(操作手段)
570…モード設定部(設定手段)
5701…手動単巻モード
5702…自動単巻モード
5703…自動連続モード
5704…手動連続モード
5705…大トレーモード
s…帯シート(包装材、帯巻き用シート)
W…商品(トレー等を含む商品、物品、被包装物ともいう)