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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ヒンジキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/22 20060101AFI20240111BHJP
   B65D 47/08 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B65D51/22 110
B65D47/08 100
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019181096
(22)【出願日】2019-10-01
(65)【公開番号】P2021054513
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000175397
【氏名又は名称】三笠産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 雅文
(72)【発明者】
【氏名】南 健太
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-183237(JP,A)
【文献】特開2015-221690(JP,A)
【文献】特開2013-126890(JP,A)
【文献】特開2015-209275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/22
B65D 47/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に取り付けられるキャップ本体と、キャップ本体に開閉自在に装着される蓋とを有し、
キャップ本体は周囲が破断可能な弱化部で囲まれた離脱部材と、注出ノズルとを有し、
弱化部が破断して離脱部材がキャップ本体から離脱することにより、注出ノズルの内部に注出口が形成されるキャップであって、
蓋は、ヒンジを介してキャップ本体に設けられた蓋本体と、蓋本体に対して回転自在に保持された開封摘みとを有し、
開封摘みは、注出ノズルを密封する密封部材と、筒部材とを有し、
密封部材は、筒部材とは別に設けられて筒部材よりも径方向外側に位置し、蓋を閉じた状態で注出ノズルに挿入されて注出ノズルの内周に密接し、
離脱部材に第1係合部が形成され、
開封摘みの筒部材に第2係合部が形成され、
蓋が閉じた状態で開封摘みが蓋本体に対して回転した際、開封摘みの第2係合部が回転方向において離脱部材の第1係合部に係合し、開封摘みの回転力が第1および第2係合部を介して離脱部材に加えられることを特徴とするヒンジキャップ。
【請求項2】
離脱部材は円筒部を有し、
開封摘みは離脱部材の円筒部内に嵌め込まれた第1嵌め込み突部を有し、
離脱部材の円筒部が開封摘みの筒部材内に挿入され、
第1係合部は、離脱部材の円筒部の外周に、周方向において複数形成され、
第2係合部は、開封摘みの筒部材の内周に、周方向において複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項3】
離脱部材は円筒部を有し、
開封摘みは離脱部材の円筒部に外嵌された第1嵌め込み突部を有し、
開封摘みの筒部材が離脱部材の円筒部内に挿入され、
第1係合部は、離脱部材の円筒部の内周に、周方向において複数形成され、
第2係合部は、開封摘みの筒部材の外周に、周方向において複数形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒンジキャップ。
【請求項4】
蓋本体は、円筒状に形成された周壁と、周壁に設けられた第3係合部とを有し、
開封摘みは、蓋本体の周壁内に回転自在に嵌め込まれた第2嵌め込み突部と、第2嵌め込み突部に設けられた第4係合部とを有し、
開封摘みの回転軸心方向において、第4係合部が周壁内から第3係合部に係合することにより、開封摘みが蓋本体に回転自在に保持されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のヒンジキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は容器に取り付けられるヒンジキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のヒンジキャップとしては、例えば図11に示すように、容器101の口部102に取り付けられるキャップ本体103と、キャップ本体103に装着された蓋体104とを有するものがある。
キャップ本体103は周囲が破断可能な弱化部105で囲まれた離脱部材106を有している。図12に示すように、弱化部105が破断して離脱部材106がキャップ本体103から離脱することにより、キャップ本体103に注出口114が形成される。離脱部材106は筒状壁107を有しており、筒状壁107の外周には複数の外歯108が設けられている。
【0003】
蓋体104は、下蓋109と、下蓋109にヒンジ110を介して回動自在に連結される上蓋111とを有している。上蓋111には円筒状の密封リング112が形成され、密封リング112の内周には複数の内歯113が設けられている。筒状壁107は密封リング112内に挿入され、周方向Aにおいて外歯108と内歯113とが交互に配置される。
【0004】
これによると、ヒンジキャップ100を開栓するには、蓋体104を周方向Aのいずれか一方に回転させることにより、下蓋109と共に上蓋111がキャップ本体103に対して回転し、上蓋111と一体に密封リング112が回転し、内歯113が回転方向から外歯108に係合する。これにより、蓋体104の回転力が内歯113と外歯108とを介して離脱部材106の筒状壁107に加えられ、弱化部105が破断して離脱部材106がキャップ本体103から離脱する。
【0005】
その後、図12に示すように、ヒンジ110を中心にして上蓋111を下蓋109から開方向Oへ離脱させることにより、離脱部材106が上蓋111に保持され、キャップ本体103の注出口114が開放される。
【0006】
尚、上記のようなヒンジキャップは例えば下記特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第6202528号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記の従来形式では、開栓時に蓋体104を回転させる際にヒンジ110に力がかかるので、ヒンジ110が損傷する虞がある。このようなヒンジ110の損傷を防止するために、図13に示すように、下蓋109に噛合凸部115が形成され、上蓋111に噛合凹部116が形成され、噛合凸部115と噛合凹部116とが噛み合っていることで、下蓋109と上蓋111とが一体的に回転するようにしている。
【0009】
本発明は、ヒンジの損傷を防止することが可能なヒンジキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本第1発明は、容器に取り付けられるキャップ本体と、キャップ本体に開閉自在に装着される蓋とを有し、
キャップ本体は周囲が破断可能な弱化部で囲まれた離脱部材と、注出ノズルとを有し、
弱化部が破断して離脱部材がキャップ本体から離脱することにより、注出ノズルの内部に注出口が形成されるキャップであって、
蓋は、ヒンジを介してキャップ本体に設けられた蓋本体と、蓋本体に対して回転自在に保持された開封摘みとを有し、
開封摘みは、注出ノズルを密封する密封部材と、筒部材とを有し、
密封部材は、筒部材とは別に設けられて筒部材よりも径方向外側に位置し、蓋を閉じた状態で注出ノズルに挿入されて注出ノズルの内周に密接し、
離脱部材に第1係合部が形成され、
開封摘みの筒部材に第2係合部が形成され、
蓋が閉じた状態で開封摘みが蓋本体に対して回転した際、開封摘みの第2係合部が回転方向において離脱部材の第1係合部に係合し、開封摘みの回転力が第1および第2係合部を介して離脱部材に加えられるものである。
【0011】
これによると、蓋が閉じた未使用のヒンジキャップを開栓するには、開封摘みを蓋本体に対して回転させることにより、開封摘みの第2係合部が回転方向において離脱部材の第1係合部に係合し、開封摘みの回転力が第1および第2係合部を介して離脱部材に加えられ、弱化部が破断して離脱部材がキャップ本体から離脱して筒部材に保持される。
【0012】
その後、ヒンジを中心にして蓋をキャップ本体から開方向へ離脱させることにより、離脱部材が開封摘みに保持された状態で、キャップ本体の注出口が開放される。
【0013】
上記のような開栓操作において、キャップ本体と蓋の蓋本体とがヒンジを介して連結され、蓋本体が周方向においてキャップ本体に固定された状態で、開封摘みが蓋本体に対して回転するため、開封摘みを回転させる際、ヒンジには力がほとんどかからない。これにより、ヒンジの損傷を防止することができる。また、従来のように下蓋と上蓋とを一体的に回転させるための噛合凸部や噛合凹部を設ける必要は無い。
【0014】
本第2発明におけるヒンジキャップは、離脱部材は円筒部を有し、
開封摘みは離脱部材の円筒部内に嵌め込まれた第1嵌め込み突部を有し、
離脱部材の円筒部が開封摘みの筒部材内に挿入され、
第1係合部は、離脱部材の円筒部の外周に、周方向において複数形成され、
第2係合部は、開封摘みの筒部材の内周に、周方向において複数形成されているものである。
【0015】
これによると、ヒンジキャップを開栓する際、開封摘みを蓋本体に対して回転することにより、第2係合部が回転方向において第1係合部に係合する。このとき、第1嵌め込み突部が離脱部材の円筒部内に嵌め込まれているため、離脱部材の円筒部が径方向内側に変形するのを防止することができる。これにより、第2係合部が第1係合部に確実に係合し、第1および第2係合部を介して離脱部材に加えられる回転力のロスを低減することができる。
【0016】
本第3発明におけるヒンジキャップは、離脱部材は円筒部を有し、
開封摘みは離脱部材の円筒部に外嵌された第1嵌め込み突部を有し、
開封摘みの筒部材が離脱部材の円筒部内に挿入され、
第1係合部は、離脱部材の円筒部の内周に、周方向において複数形成され、
第2係合部は、開封摘みの筒部材の外周に、周方向において複数形成されているものである。
【0017】
これによると、ヒンジキャップを開栓する際、開封摘みを蓋本体に対して回転することにより、第2係合部が回転方向において第1係合部に係合する。このとき、第1嵌め込み突部が離脱部材の円筒部に外嵌されているため、離脱部材の円筒部が径方向外側に変形するのを防止することができる。これにより、第2係合部が第1係合部に確実に係合し、第1および第2係合部を介して離脱部材に加えられる回転力のロスを低減することができる。
【0018】
本第4発明におけるヒンジキャップは、蓋本体は、円筒状に形成された周壁と、周壁に設けられた第3係合部とを有し、
開封摘みは、蓋本体の周壁内に回転自在に嵌め込まれた第2嵌め込み突部と、第2嵌め込み突部に設けられた第4係合部とを有し、
開封摘みの回転軸心方向において、第4係合部が周壁内から第3係合部に係合することにより、開封摘みが蓋本体に回転自在に保持されるものである。
【0019】
これによると、ヒンジキャップを開栓する際、開封摘みを蓋本体に対して回すことにより、第4係合部が周壁内から第3係合部に係合した状態で開封摘みが回転するため、開封摘みが蓋本体から外れてしまうのを防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように本発明によると、ヒンジの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるヒンジキャップの断面図であり、未開封の状態を示す。
図2】同、ヒンジキャップの断面図であり、蓋を開封した状態を示す。
図3図1におけるX-X矢視図である。
図4】同、ヒンジキャップのキャップ本体と蓋本体との断面図である。
図5図4におけるX-X矢視図である。
図6】同、ヒンジキャップの開封摘みの断面図である。
図7図6におけるX-X矢視図である。
図8】本発明の第2の実施の形態におけるヒンジキャップの断面図であり、未開封の状態を示す。
図9】本発明の第3の実施の形態におけるヒンジキャップの断面図であり、未開封の状態を示す。
図10】本発明の第4の実施の形態におけるヒンジキャップのキャップ本体と蓋本体との平面図であり、蓋本体を開いた状態を示す。
図11】従来のヒンジキャップの断面図であり、未開封の状態を示す。
図12】同、ヒンジキャップの断面図であり、蓋体を開封した状態を示す。
図13】同、ヒンジキャップの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明における実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0023】
(第1の実施の形態)
図1図2に示すように、ヒンジキャップ1は、容器2の口部3に取り付けられるキャップ本体4と、キャップ本体4に開閉自在に装着される蓋5とを有している。ヒンジキャップ1の軸心7を上下方向とすると、キャップ本体4は、円筒状の胴部9と、胴部9の上端に設けられた天井板10と、天井板10から上向きに立設された円筒状の注出ノズル11と、周囲が破断可能な弱化部12で囲まれた離脱部材13とを有している。
【0024】
胴部9は、内筒部15と、外筒部16と、内筒部15と外筒部16との間に全周にわたり形成された溝部17とを有している。容器2の口部3が溝部17に挿入されることで、キャップ本体4が容器2に取り付けられる。
【0025】
天井板10の外周縁には、径方向内側へわずかに凹んだ係止凹部19が全周にわたり形成されている。また、図2に示すように、弱化部12が破断して離脱部材13がキャップ本体4から離脱することにより、注出ノズル11の内部に注出口21が形成される。尚、弱化部12においてはその周辺部分に比べて肉厚を薄くしている。
【0026】
離脱部材13は、底部が閉塞されるとともに上部が開口した円筒部23を有している。図4図5に示すように、円筒部23の外周には、第1係合部25が周方向Aにおいて複数本形成されている。尚、第1係合部25は、円筒部23の外周から径方向外側へ突出する山形状の突起(リブ)である。
【0027】
図1図3に示すように、蓋5は、ヒンジ27を介してキャップ本体4に設けられた蓋本体28と、蓋本体28に保持されて周方向Aに回転自在な開封摘み29とを有している。
【0028】
図1図4図5に示すように、蓋本体28は、円筒状に形成された周壁31と、周壁31に設けられた第3係合部32とを有している。第3係合部32は、周壁31の先端上部から径方向内側へ突出し、全周にわたり設けられている。
【0029】
周壁31の下端部内周には、径方向内側へわずかに突出した係止凸部33が全周にわたり形成されている。図1に示すように、蓋5を閉じた際、蓋5の係止凸部33がキャップ本体4の係止凹部19に係止される。
【0030】
図1図2図6図7に示すように、開封摘み29は、円形の頂板部36と、頂板部36の外周縁から垂下された円筒状のスカート部37と、注出ノズル11を密封する密封部材38と、離脱部材13の円筒部23に外嵌される円形状の筒部材39と、離脱部材13の円筒部23の先端内部に嵌め込まれた第1嵌め込み突部40と、蓋本体28の周壁31内に回転自在に嵌め込まれた第2嵌め込み突部41と、第2嵌め込み突部41に設けられた第4係合部42とを有している。
【0031】
密封部材38は、スカート部37よりも径方向内側において頂板部36に設けられた円筒状の部材であり、図1に示すように、蓋5を閉じた状態で注出ノズル11内に挿入され、先端部が注出ノズル11の内周に全周にわたり密接する。
【0032】
筒部材39は、密封部材38よりも径方向内側において、頂板部36に設けられている。筒部材39の内周には、第2係合部45が周方向Aにおいて複数本形成されている。尚、第2係合部45は、筒部材39の内周から径方向内側へ突出する山形状の突起(リブ)である。
【0033】
図1図3に示すように、離脱部材13の円筒部23は開封摘み29の筒部材39内に挿入され、この状態で、第1係合部25と第2係合部45とが周方向Aにおいて交互に配置される。第1嵌め込み突部40は、筒部材39よりも径方向内側において、頂板部36に円環状に設けられている。
【0034】
第2嵌め込み突部41は、径方向におけるスカート部37と密封部材38との間に配置され、頂板部36に円環状に設けられている。第4係合部42は、第2嵌め込み突部41の下端部から径方向外側へ突出し、全周にわたり設けられている。
【0035】
図1図2に示すように、開封摘み29の回転軸心方向Bにおいて、第4係合部42が周壁31内から第3係合部32に係合することにより、開封摘み29が蓋本体28に回転自在に保持される。尚、開封摘み29の回転軸心はヒンジキャップ1の軸心7と同一である。
【0036】
以下、上記構成における作用を説明する。
【0037】
蓋5が閉じた未使用のヒンジキャップ1を開栓するには、開封摘み29を蓋本体28に対して回転することにより、開封摘み29の第2係合部45が回転方向Cにおいて離脱部材13の第1係合部25に係合し、開封摘み29の回転力が第1および第2係合部25,45を介して離脱部材13に加えられ、弱化部12が破断して離脱部材13がキャップ本体4から離脱して筒部材39内に留まる。
【0038】
その後、図2に示すように、ヒンジ27を中心にして蓋5をキャップ本体4から開方向Oへ離脱させることにより、離脱部材13の円筒部23が開封摘み29の筒部材39内に挿入された状態で、キャップ本体4の注出口21が開放される。
【0039】
これにより、容器2の内部と外部とが注出口21を介して連通し、容器2の内容物が注出口21を通って注出ノズル11から注出される。
【0040】
上記のような開栓操作において、キャップ本体4と蓋本体28とがヒンジ27を介して連結され、蓋本体28が周方向Aにおいてキャップ本体4に固定された状態で、開封摘み29が蓋本体28に対して回転するため、開封摘み29を回転させる際、ヒンジ27には力がほとんどかからない。これにより、ヒンジ27の損傷を防止することができる。また、従来のように下蓋と上蓋とを一体的に回転させるための噛合凸部や噛合凹部を設ける必要は無い。
【0041】
また、上記のように第2係合部45が回転方向Cにおいて第1係合部25に係合した際、図1に示すように、第1嵌め込み突部40が離脱部材13の円筒部23の先端内部に嵌め込まれているため、円筒部23が径方向内側に変形するのを防止することができる。これにより、第2係合部45が第1係合部25に確実に係合し、第1および第2係合部25,45を介して離脱部材13に加えられる回転力のロスを低減することができる。また、蓋5をキャップ本体4から開方向Oへ開いたとき、離脱部材13が筒部材39から脱落するのを防止できる。
【0042】
また、開封摘み29を回した際、第4係合部42が周壁31内から第3係合部32に係合した状態で開封摘み29が回転するため、開封摘み29が蓋本体28から外れてしまうのを防止することができる。
【0043】
上記のようにして未使用のヒンジキャップ1を開栓した後、ヒンジ27を中心にして蓋5を閉方向S(図2参照)へ移動させて閉じる。これにより、密封部材38が注出ノズル11内に挿入され、密封部材38の先端部が注出ノズル11の内周に全周にわたり密接するため、注出ノズル11が蓋5で密閉される。
【0044】
また、蓋5を閉じた際、図1に示すように、蓋5の係止凸部33がキャップ本体4の係止凹部19に係止されるため、蓋5が不用意に開くのを防止することができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態は、先に説明した第1の実施の形態における離脱部材13の円筒部23と開封摘み29の筒部材39と第1嵌め込み突部40との内外の位置関係を逆に構成したものである。
【0046】
すなわち、図8に示すように、第1嵌め込み突部40は離脱部材13の円筒部23の先端部に外嵌されている。開封摘み29の筒部材39は離脱部材13の円筒部23内に挿入されている。第1係合部25は離脱部材13の円筒部23の内周に形成され、第2係合部45は開封摘み29の筒部材39の外周に形成されている。
【0047】
以下、上記構成における作用を説明する。
【0048】
蓋5が閉じた未使用のヒンジキャップ1を開栓する際、開封摘み29を蓋本体28に対して回転することにより、第2係合部45が回転方向Cにおいて第1係合部25に係合する。このとき、第1嵌め込み突部40が離脱部材13の円筒部23の先端部に外嵌されているため、離脱部材13の円筒部23が径方向外側に変形するのを防止することができる。これにより、第2係合部45が第1係合部25に確実に係合し、第1および第2係合部25,45を介して離脱部材13に加えられる回転力のロスを低減することができる。また、蓋5をキャップ本体4から開方向Oへ開いたとき、離脱部材13が筒部材39から脱落するのを防止できる。
【0049】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態では、図9に示すように、第1嵌め込み突部40を開封摘み29に設けていない。離脱部材13の円筒部23の外周には、複数本の第1係合部25が形成され、さらにその上方先端部には、径方向内側へ僅かに窪んでいる一方の係止部51が全周にわたり形成されている。
【0050】
また、開封摘み29の筒部材39の内周には、複数本の第2係合部45が形成され、さらにその上方奥端部には、径方向内側へ僅かに突出している他方の係止部52が全周にわたり形成されている。
【0051】
離脱部材13の円筒部23は開封摘み29の筒部材39内に挿入され、この状態で、第1係合部25と第2係合部45とが周方向Aにおいて交互に配置されるとともに、一方の係止部51と他方の係止部52とが回転軸心方向Bにおいて係止している。
【0052】
これによると、弱化部12が破断し、離脱部材13がキャップ本体4から離脱して筒部材39に保持された際、一方の係止部51と他方の係止部52とが回転軸心方向Bにおいて係止しているため、蓋5をキャップ本体4から開方向Oへ開いたとき、離脱部材13が筒部材39から脱落するのを防止できる。
【0053】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態では、図10に示すように、ヒンジキャップ1に、キャップ本体4に対して蓋本体28が周方向Aへ回転するのを防止する回り止め機構56が備えられている。回り止め機構56は、蓋本体28に形成された凸部57と、キャップ本体4に形成された凹部58とを有している。凸部57は蓋5の開閉方向において凹部58に係脱自在である。
【0054】
これによると、蓋5が閉じた状態で、凸部57が凹部58に係合しているため、蓋本体28はキャップ本体4に対して回り止めされる。これにより、未使用のヒンジキャップ1を開栓するために、開封摘み29を蓋本体28に対して回転した際、蓋本体28が開封摘み29と共に回転するのを確実に防止することができ、ヒンジ27に作用する力がさらに低減される。また、蓋5を開いた際、凸部57が凹部58から離脱する。
【符号の説明】
【0055】
1 ヒンジキャップ
2 容器
4 キャップ本体
5 蓋
12 弱化部
13 離脱部材
21 注出口
23 円筒部
25 第1係合部
27 ヒンジ
28 蓋本体
29 開封摘み
31 周壁
32 第3係合部
39 筒部材
40 第1嵌め込み突部
41 第2嵌め込み突部
42 第4係合部
45 第2係合部
A 周方向
B 回転軸心方向
C 回転方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13