(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】圧電トランシーバーを有する画像処理装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/06 20060101AFI20240111BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20240111BHJP
H04R 19/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H04R1/06 330
H04R17/00 330H
H04R19/00 330
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021133543
(22)【出願日】2021-08-18
(62)【分割の表示】P 2020555166の分割
【原出願日】2019-03-09
【審査請求日】2021-09-17
(32)【優先日】2018-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520342725
【氏名又は名称】エコー イメージング,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】アッカラジュ,サンディープ
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヘソン
(72)【発明者】
【氏名】バーカムショー,ブライアン
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-521409(JP,A)
【文献】特表2008-510324(JP,A)
【文献】特表2018-502467(JP,A)
【文献】国際公開第2010/100861(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-31/00
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に結合された第1の電極であって、当該第1の電極が第1の軸に対して対称であり、該第1の軸に垂直である第2の軸に対して非対称であり、該第1の軸が、前記第1の電極がもっとも長い寸法を有する方向に沿って延び、該第2の軸が、前記第1の軸上の前記第1の電極の二つの端部の間の中間点を通過してなる、第1の電極と、
前記基板に結合され、かつ前記第1の電極と面一でない第2の電極と、
を含んでなるマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)であって、
前記第1の電極と前記第2の電極が、互いに垂直方向に分離され
るとともに、前記基板上に設けられた膜層の上側に位置しており、
前記第1の電極が上部電極を含み、前記第2の電極が下部電極を含んでなる、
ことを特徴とするマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項2】
圧電気
層を更に含み、前記第1の電極および前記第2の電極が前記圧電気層上に配されてなる、請求項1に記載のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項3】
前記第1の電極が前記圧電気層の第1の側に配され、前記第2の電極が該第1の側の反対の方向に向く、前記圧電気層の第2の側に配されてなる、請求項2に記載のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項4】
複数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)を含むトランスデューサアレイを含んでなる画像装置であって、前記複数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)の各々が、
基板と、
前記基板に結合された第1の電極であって、当該第1の電極が第1の軸に対して対称であり、該第1の軸に垂直である第2の軸に対して非対称であり、該第1の軸が、前記第1の電極がもっとも長い寸法を有する方向に沿って延び、該第2の軸が、前記第1の軸上の前記第1の電極の二つの端部の間の中間点を通過してなる、第1の電極と、
前記基板に結合され、かつ前記第1の電極と面一でない第2の電極と、
を含んでなるマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)であって、
前記第1の電極と前記第2の電極が、互いに垂直方向に分離され
るとともに、前記基板上に設けられた膜層の上側に位置しており、
前記第1の電極が上部を含み、前記第2の電極が下部電極を含んでなる、
ことを特徴とする画像装置。
【請求項5】
前記複数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)の各々が
、圧電気
層を更に含み、前記第1の電極および前記第2の電極が前記圧電気層上に配されてなる、請求項4に記載の画像装置。
【請求項6】
前記第1の電極が前記圧電気層の第1の側に配され、前記第2の電極が該第1の側の反対の方向に向く、前記圧電気層の第2の側に配されてなる、請求項5に記載の画像装置。
【請求項7】
基板と、
前記基板に結合された第1の電極であって、当該第1の電極が第1の軸に対して対称であり、該第1の軸に垂直である第2の軸に対して非対称であり、該第1の軸が、前記第1の電極がもっとも長い寸法を有する方向に沿って延び、該第2の軸が、前記第1の軸上の前記第1の電極の二つの端部の間の中間点を通過してなる、第1の電極と、
前記基板に結合され、かつ前記第1の電極と面一でない第2の電極と、
圧電気層と、
を含んでなるマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)であって、
前記第1の電極および前記第2の電極が前記圧電気層上に配され、
前記第1の電極および前記第2の電極が前記基板上に設けられた膜層の上側に位置しており、
前記第1の電極が前記圧電気層の第1の側に配され、前記第2の電極が該第1の側の反対の方向に向く、前記圧電気層の第2の側に配されてなる、
ことを特徴とするマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項8】
前記第1の電極と前記第2の電極が、前記第1の軸および前記第2の軸の両方に対して垂直な第3の軸に沿って互いに分離されてなる請求項7に記載のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項9】
複数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)を含むトランスデューサアレイを含んでなる画像装置であって、前記複数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)の各々が、
基板と、
前記基板上に設けられた膜層と、
前記基板に結合された第1の電極であって、当該第1の電極が第1の軸に対して対称であり、該第1の軸に垂直である第2の軸に対して非対称であり、該第1の軸が、前記第1の電極がもっとも長い寸法を有する方向に沿って延び、該第2の軸が、前記第1の軸上の前記第1の電極の二つの端部の間の中間点を通過してなる、第1の電極と、
前記基板に結合され、かつ前記第1の電極と面一でない第2の電極と、
圧電気層と、
を含んでなる画像装置であって、
前記第1の電極および前記第2の電極が前記圧電気層上に配され、
前記第1の電極および前記第2の電極が前記膜層の上側に位置しており、
前記第1の電極が前記圧電気層の第1の側に配され、前記第2の電極が該第1の側の反対の方向に向く、前記圧電気層の第2の側に配されてなる、
ことを特徴とする画像装置。
【請求項10】
前記マイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)は、静電容量型変換(cMUT)または圧電変換(pMUT)である、請求項
1又は7に記載の
マイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項11】
前記複数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)の各々が、静電容量型変換(cMUT)または圧電変換(pMUT)である、請求項4又は
9に記載の画像装置。
【請求項12】
前記圧電気層が、PZT、KNN、PZT-N、PMN-Pt、AIN、PVDF及びLiNiO3の少なくとも1つから形成される、請求項2又は7に記載のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項13】
前記圧電気層が、PZT、KNN、PZT-N、PMN-Pt、AIN、PVDF及びLiNiO3の少なくとも1つから形成される、請求項5又は
9に記載の画像装置。
【請求項14】
前記第1及び前記第2の電極が、前記第1及び前記第2の軸に対して垂直の第3の軸に沿って互いに分離されてなる請求項1又は7に記載のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)。
【請求項15】
前記第1及び前記第2の電極が、前記第1及び前記第2の軸に対して垂直の第3の軸に沿って互いに分離されてなる請求項4又は
9に記載の画像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は画像処理装置、より具体的にはマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)を有する画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の内部器官を画像処理し、内部器官の画像を表示するための非侵入型画像システムは、人体へ信号を送信し、器官から反映された信号を受信する。通常は、静電容量型変換(cMUT)または圧電変換(pMUT)等の画像処理システムで使用されるトランスデューサは、トランシーバーと呼ばれており、そのトランシーバーの一部は、光音響効果または超音波結果に基づく。
【0003】
一般に、MUTは2つ以上の電極を備えており、そして電極のトポロジーはMUTの電気性能および音響性能に影響する。例えば、電極のサイズの増大に伴ってpMUTによって生成された音圧の振幅は増加し、それによりpMUTの音響性能が改善する。しかし、電極のサイズの増大に伴って静電容量も増加し、pMUTの電気性能が低下する。別の例では、pMUTの振動共振周波数での音圧の振幅は電極の形状によって影響を受ける。それ故に、トランスデューサの音響性能および電気性能両方を向上させるために電極を設計する方法が必要である。
【発明の概要】
【0004】
実施形態では、マイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)は非対称的な上部電極を備えている。軸に沿った非対称的な電極の面密度分布には複数の極大値があり、そこで多数の極大値の位置は、振動共振周波数での複数の反節点が存在する位置と一致する。
【0005】
実施形態では、マイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)は対称的な上部電極を備えている。軸に沿った対称的な電極の面密度分布には複数の極大値があり、そこで多数の極大値の位置は、振動共振周波数での複数の反節点が存在する位置と一致する。
【0006】
実施形態では、トランスデューサアレイは多数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)を備えている。複数のMUTの各々は非対称的な上部電極を備えている。
【0007】
実施形態では、画像処理装置は、多数のマイクロマシン超音波トランスデューサ(MUT)を有するトランスデューサアレイを備えている。複数のMUTの各々は対称的な上部電極を備えている。軸に沿った対称的な電極の面密度分布には複数の極大値があり、そこで複数の極大値の位置は、振動共振周波数での複数の反節点が存在する位置と一致する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下に本発明の実施形態に対する言及を行う。その例は添付図面において図示される。これらの図面は、本発明の例示として意図されているが、本発明を限定的に示すものではない。本発明は全体としてこれらの実施形態のコンテキストに記載されているが、本発明の範囲をこれらの具体的な実施形態に制限するように意図されていないことを理解されたい。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係る画像処理システムを示す。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係る画像装置の概略図を示す。
【
図3A】
図3Aは、本開示の実施形態に係るトランシーバーアレイの側面図を示す。
【
図3B】
図3Bは、本開示の実施形態に係るトランシーバータイルの平面図を示す。
【
図4A】
図4Aは、本開示の実施形態に係るMUTの平面図を示す。
【
図4B】
図4Bは、
図4Aで線4-4に沿って取られた本開示の実施形態に係るMUTの断面図を示す。
【
図5A】
図5Aは、本開示の実施形態に係るMUTの振動モードの形を示す。
【
図5B】
図5Bは、本開示の実施形態に係るMUTの振動モードの形を示す。
【
図5C】
図5Cは、本開示の実施形態に係るMUTの振動モードの形を示す。
【
図5D】
図5Dは、本開示の実施形態に係るMUTの振動モードの形を示す。
【
図5E】
図5Eは、本開示の実施形態に係るMUTの振動モードの形を示す。
【
図6A】
図6Aは、本開示の実施形態に係る周波数の関数としてMUTの音響応答のプロットを示す。
【
図6B】
図6Bは、本開示の実施形態に係るMUTの平面図を示す。
【
図6C】
図6Cは、本開示の実施形態に係る上部電極の面密度分布を示す。
【
図7A】
図7Aは、本開示の実施形態に係る周波数の関数としてMUTの音響応答のプロットを示す。
【
図7B】
図7Bは、本開示の実施形態に係るMUTの平面図を示す。
【
図7C】
図7Cは、本開示の実施形態に係る上部電極の面密度分布を示す。
【
図8A】
図8Aは、本開示の実施形態に係る周波数の関数としてMUTの音響応答のプロットを示す。
【
図8B】
図8Bは、本開示の実施形態に係るMUTの平面図を示す。
【
図8C】
図8Cは、本開示の実施形態に係る上部電極の面密度分布を示す。
【
図9A】
図9Aは、本開示の実施形態に係る周波数の関数としてMUTの音響応答のプロットを示す。
【
図9B】
図9Bは、本開示の実施形態に係るMUTの平面図を示す。
【
図9C】
図9Cは、本開示の実施形態に係る上部電極の面密度分布を示す。
【
図10A】
図10Aは、本開示の実施形態に係る周波数の関数としてMUTの音響応答のプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の記述において、説明を目的として、本開示を理解するために具体的なの詳細を示す。しかし、これらの詳細を必要とすることなく本開示を実施可能であることが、当業者に明白であろう。更に、当業者は、以下に記載された本開示の実施形態が、プロセス、装置、システム、またはデバイス等の様々な方法で実施可能であると認識するであろう。
【0010】
図に示される要素/構成部分は、本開示の典型的な実施形態の例示であり、本開示を不明瞭にしないことを目的とする。本明細書では、「1つの実施形態」、「好ましい実施形態」、「実施形態」、または「複数の実施形態」への言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、特性、または機能が本開示の少なくとも1つの実施形態に備わっており、1より多くの実施形態にも備わっていても良いことを意味している。本明細書の様々なところにおいて「1つの実施形態では」、「実施形態において」、または「複数の実施形態では」との句が現れる場合、必ずしもすべて同じ実施形態を言及するものではない。「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「包含する(comprise)」、また「包含している(comprising)」との用語は、オープンタームとして理解されるものであり、また、それに先立つあらゆる列記は単なる例示であり、列記された項目に制限されていることを意味していない。ここに使用されるあらゆる見出しは、構成のみを目的とするものであり、記述または請求項の範囲を制限するために使用されないものとする。更に、本明細書の様々な場所でのとある用語の使用は、単なる例示であり、限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0011】
図1は、本開示の実施形態に係る画像処理システム(100)の概略図を示す。描かれている通り、システム(100)は、送信モード/プロセスにおいて、圧力波(122)を生成して心臓等の内臓器官(112)に送信し、そして内臓器官から反映された圧力波を受信する画像装置(120)と、通信路(130)を通じて画像装置へ信号を送受信するデバイス(102)とを備えていてもよい。実施形態では、内臓器官(112)は圧力波(122)の一部を画像装置(120)へ反映することができ、また、画像装置(120)は受信モード/プロセにて反映された圧力波を捉え電気信号を生成することができる。画像装置(120)はデバイス(102)に電気信号を通信することができ、また、デバイス(102)は、電気信号を使用して、器官または標的の画像をディスプレイ/スクリーン(104)に表示することができる。
【0012】
実施形態では、画像装置(120)は動物の内臓器官の画像を撮るためにも使用してもよい。画像装置(120)は、ドップラモード画像診断で行うように動脈および静脈の中の血流方向および血流速度を判定するためにも、組織硬直の測定ためにも使用してもよい。実施形態では、圧力波(122)は、人間/動物身体を通って、内臓器官、組織、または動脈および静脈によって反映されることができる音響波でもあっても良い。
【0013】
実施形態では、画像装置(120)は携帯型デバイスであってもよく、無線で(802.11等のプロトコルを使用して)またはケーブル(USB2、USB3、USB 3.1、USB-CおよびUSBThunderbolt等)を経由して通信路(130)を通じて、信号をデバイス(102)と通信させてもよい。実施形態では、デバイス(102)は、携帯電話またはiPad(登録商標)等のモバイルデバイス、またはユーザへ画像を表示できる固定コンピューターデバイスであっても良い。
【0014】
実施形態では、1台より多くの画像装置が標的器官の画像を現像するために使用されてもよい。例えば、第1の画像装置は、標的器官へ圧力波を送信し、一方、第2の画像装置は、標的器官から反映された圧力波を受信し受信波に応じて電荷を発生させることができる。
【0015】
図2は、本開示の実施形態に係る画像装置(120)の概略図を示す。実施形態では、画像装置(120)は、超音波画像装置であっても良い。
図2に描かれている通り、画像装置(120)は圧力波を送受信するためのトランシーバータイル(210)と、圧力波の伝搬方向を設定および/または圧力波を収束させるためのレンズとして作動する、またはトランシーバータイルと人体(110)の間の音響インピーダンスインターフェースとしても機能するコーティング層(212)と、トランシーバータイル(210)を制御するために突起によってトランスデューサタイル(210)に連結したASICチップ(または、短縮してASIC)等の制御装置(202)と、画像装置(120)の構成部分を制御するためのフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)(214)と、信号の処理/調整のためのアナログ・フロント・エンド(AFE)等の回路(215)と、トランスデューサタイル(210)によって生成され、回路(215)の方へ伝搬する波を吸収するための音響吸収層(203)と、1つ以上のポート(216)を通じてデバイス(102)等の外部デバイスとデータを通信するための通信ユニット(208)と、データを記憶するためのメモリ(218)と、画像装置の構成部分に電力を供給するためのバッテリー(206)と、随意に、標的器官の画像を表示するためのディスプレイ(217)とを備えていてもよい。
【0016】
実施形態では、デバイス(102)はディスプレイ/スクリーンを備えてもよい。そのような場合、ディスプレイは画像装置(120)に備わっていなくてもよい。実施形態では、画像装置(120)はポート(216)のうち1つを通じてデバイス(102)から電力を受け取ることができる。そのような場合、画像装置(120)はバッテリー(206)を備えていなくてもよい。画像装置(120)の構成部分の1つ以上を1つの不可欠な電気要素へ組み合わせてもよいことに注目されたい。同様に、画像装置(120)の構成部分は各々1つ以上の電気要素の中に実装されてもよい。
【0017】
実施形態では、ユーザは人体(110)がコーティング層(212)と直接接触する前に人体(110)の皮膚にゲルを塗布してもよく、そうすることでコーティング層(212)と人体(110)の間のインターフェースでのインピーダンスマッチングが改善され、すなわち、インターフェースでの圧力波(122)の損失が減少し、また、画像装置(120)の方へ移動する反映された波の損失も、インターフェースにて減少する。実施形態では、トランシーバータイル(210)は基板に搭載され、音響吸収層に付けられてもよい。音響吸収層は、逆方向に反映されるあらゆる超音波信号を吸収する。そうしなければその超音波信号が反映され、画像の品質に干渉するおそれがある。
【0018】
以下に議論されるように、コーティング層(212)は、トランスデューサから身体まで、そしてその逆においても音響信号の送信を最大限にする唯一の水平な整合層だけであっても良い。ビーム焦点は制御装置(202)に電子的に実装可能であるので、この場合には不要である。画像装置(120)は、反映された信号を使用して器官(112)の画像を作成することができ、その結果は、器官(112)の画像の有無にもかかわらずグラフ、プロット、および統計データとして様々なフォーマットでスクリーンに表示されてもよい。
【0019】
実施形態では、ASIC等の制御装置(202)はトランシーバータイルと一緒に1つのユニットとして組み立てられてもよい。他の実施形態では、制御装置(202)は画像装置(120)外部に位置し、ケーブルによってトランシーバータイル(210)に電気接続されてもよい。実施形態では、画像装置(120)は、構成部分(202)~(215)、およびその構成部分により生成された熱エネルギーの分散ための熱放散メカニズムを包囲するハウジングを備えてもよい。
【0020】
図3Aは、本開示の実施形態に係るトランシーバーアレイ(200)の側面図を示す。
図3Bは、本開示の実施形態に係るトランシーバータイル(210)の平面図を示す。実施形態では、アレイ(200)は1枚以上のトランシーバータイル(210)を備えてもよい。描かれている通り、トランシーバーアレイ(200)は所定様式通りに整えられた1枚以上のトランシーバータイル(210)を備えてもよい。例えば、
図3Aに描かれている通り、トランシーバータイル(または、短縮して、タイル)(210)は曲線状のトランシーバーアレイをさらに形成するために物理的に曲げられ、画像装置(120)に配置されてもよい。画像装置(120)は任意の適切な個数のタイルも備えてもよく、タイルは任意の適切な方法で整えることができ、また、各タイル(210)には、任意の適切な個数の圧電気要素(302)がトランシーバー基板(304)に配置されてもよいことが、当業者に明白であろう。基板(304)において、1つまたは複数の温度センサー(320)が作動中にトランシーバータイル(210)の温度を監視するために設置されてもよい。実施形態では、トランシーバーアレイ(200)は基板から作られたマイクロマシンアレイであっても良い。
【0021】
図4Aは、本開示の実施形態に係るMUT(400)の平面図を示す。
図4Bは、
図4Aで線4-4に沿って取られた、本開示の実施形態に係るMUTの断面図を示す。描かれている通り、MUTは基板(402)上にある(suspended from)膜層(406)と、膜層(または、短縮して、膜)(406)に配置された下部電極(O)(408)と、下部電極(O)(408)に配置された圧電気層(410)と、圧電気層(410)に配置された上部電極(X)(412)とを備えていてもよい。
【0022】
実施形態では、基板(402)および膜(406)は一体形成されてもよく、また、膜(406)を確定するために空洞(404)が形成されてもよい。実施形態では、空洞(404)は、膜(406)の振動を制御するために、所定の圧力のガスまたは音響制振材で満たされてもよい。実施形態では、上部電極(412)の投影領域の幾何学的形状はpMUT(400)の動的パフォーマンスおよび静電容量の大きさを制御するように構成されてもよい。
【0023】
実施形態では、MUT(400)の各々はpMUTであっても良く、PZT、KNN、PZT-N、PMN-Pt、AlN、Sc-AlN、ZnO、PVDFおよびLiNiO
3の少なくとも1つから作られた圧電気層を備えてもよい。代替の実施形態では、MUT(400)の各々はcMUTであっても良い。
図4Aでは、MUT(400)の各々は長方形で示される。実施形態では、MUTの各々は、MUT(400)の上部から見たときに楕円形となる上部電極を備えてもよい。以下に、上部電極(412)の形状との用語は、上部電極をx-y平面に投影して取られた上部電極の二次元形状を指す。さらに、上部電極の形状は二本の線(450)および(452)に対して対称的である場合に対称的と呼ばれる。その場合、線(450)および線(452)はそれぞれx軸およびy軸と平行であり、x軸上で上部電極の中間点を通る。さらに、以下、x軸は、上部電極の寸法が最長となる方向に沿って延びる。上部電極には正方形、円形、長方形、および楕円形等のその他適切な対称的形状があっても良いことが当業者に明白であろう。
【0024】
図5A~5Eは本開示の実施形態に係る5つの振動モード(500)、(510)、(520)、(530)、および(540)を示す。
図5A~5Eでは、MUT(502)、(512)、(522)、(532)、および(542)の各々は、例示目的で一本の線で表示され、そこで、各一本の線は、MUTの中で積層体の曲率を示す。作動中に、膜(406)、下部電極(408)、圧電気層(410)、および上部電極(412)を有する積層体は、垂直方向に一体として動くことができ、x-z平面で一本線の曲率を有するように変形されてもよい。さらに、異なる振動モードに相当する線(502)、(512)、(522)、(532)、および(542)は、異なる振動モードで積層体の曲率を示す。
【0025】
実施形態では、5つの振動モード(500)、(510)、(520)、(530)、および(540)は、5つの振動共振周波数、f1、f2、f3、f4、およびf5それぞれに関連付けることができる。
図5A~5Eでは、5つの振動モードのみが示される。しかし、MUTは、5つより多くの振動共振モード(または、短縮して、振動モード)で作動できることが当業者に明白であろう。
【0026】
図5Aでは、MUT(502)は第1の振動モード(500)で作動でき、そこで、矢印(504)は、MUT(502)(具体的に積層体)が第1の振動モード(500)で垂直方向に動くことを示す。実施形態では、第1の振動モード(500)は対称的であっても良く、すなわち、モードの形状はMUTの中心線(506)に対して対称的である。実施形態では、MUT(502)の上部電極の形状は上部電極(412)の形状に対称的でありかつ類似していても良い。
【0027】
図5Cでは、MUT(522)は第3の振動モード(520)で作動できる。実施形態では、第3の振動モード(520)は対称的であっても良く、すなわち、モードの形状は中心線(506)に対して対称的である。以下に、対称的な振動モードとの用語は、(525)、(526)、および(527)(つまりピーク振幅)等の反節点の位置が中心線(506)に対して対称的に整えられ、そして中心線(506)が、x軸上でMUTの中間点を通ってz軸と平行である線を表す、振動モードを指す。同様に、非対称的な振動モードとの用語は、
図5Bの(516)および(517)等の反節点の位置が中心線(506)に対して非対称的に整えられる振動モードを指す。
【0028】
第3の振動モード(520)では、MUT(522)には2つの節点、および3つの反節点(等しくまたは同様に3つのピーク振幅点)(525)、(526)、および(527)があってもよい。実施形態では、MUT(522)の上部電極の形状は上部電極(412)の形状に対称的であり、かつ類似していても良い。
【0029】
図5Eでは、MUT(542)は第5の振動モード(540)で作動できる。実施形態では、第5の振動モード(540)は対称的であっても良く、すなわち、モードの形状は中心線(506)に対して対称的である。第5の振動モードでは、MUT(542)には4つの節点、および5つの反節点(つまり5つのピーク振幅点)(544)、(545)、(546)、(547)および(548)があってもよい。実施形態では、MUT(542)の上部電極の形状は上部電極(412)の形状に対称的でありかつ類似していても良い。
【0030】
実施形態では、上部電極の形状が対称的である場合、MUTは対称的な振動モード(500)、(520)、および(540)で作動することができる。実施形態では、MUTが1つ以上の対称的な振動モードでも非対称的な振動モードでも振動できるように、上部電極の幾何学的形状を変更してもよい。
図5Bでは、MUT(512)は非対称的な第2の振動モード(510)で作動することができる。非対称的な第2の振動モードでは、MUT(512)には1つの節点、および2つの反節点(または同様に2つピーク振幅点)(516)および(517)があってもよい。MUT(512)に相当する上部電極の形状は、
図7A~7Cに併せて記載される。
【0031】
図5Dでは、MUT(532)は非対称的な第3の振動モード(530)で作動することができる。描かれている通り、振動モード(530)は中心線(506)に対して非対称的であっても良い。非対称的な第3の振動モードでは、MUT(532)には2つの節点、および3つの反節点(または同様に3つのピーク振幅点)(534)、(535)、および(537)があってもよい。実施形態では、非対称的な第3の振動モード(530)のピーク振幅(539)は、対称的な第3の振動モード(520)のピーク振幅(529)より高くてもよい。全体的に、非対称的な振動モード((530)等)は同じ順序の対称的な振動モード((520)等)よりも高いピーク振幅を有していてもよい。
【0032】
全体として、音圧性能は、ある周波数で各MUTによって生成された音圧波のエネルギーを指す。音圧性能はその周波数でMUTのピーク振幅が増加するにつれて増加することができる。
図5Cおよび5Dで描かれている通り、非対称的な振動モードは同じ順序の対称的な振動モードより高いピーク振幅を有していてもよい。そのため、非対称的な振動モードで作動するMUTは、同じ順序の対称な振動モードで作動するMUTより高い音圧性能を生じさせることができる。さらに、対称的な振動モードの周波数は、同じ順序の非対称的な振動モードの周波数とは異なっていても良い。そのため、実施形態では、各MUTの振動共振周波数は、対称的なモードから同じ順序の非対称的なモードに(またはその逆に)切り替えることにより調整することができる。
【0033】
図6Aは、本開示の実施形態に係る上部電極(622)を備えているMUT(620)の音響応答のプロット(600)を示す。
図6Bは、本開示の実施形態に係るMUT(620)の平面図を示す。
図6Bでは、高さH(641)は上部電極の垂直寸法を表し、また、
図6Cは、本開示の実施形態に係るx軸(642)に沿った高さH(641)の分布(660)(つまり面密度分布)を示す。例示目的のために、
図5Aの振動モード(500)はプロット(660)の上に示される。描かれている通り、上部電極(622)の投影領域は楕円の形状であり、この楕円形は中心線(630)およびX軸(642)の両方に対して対称的であり、すなわち、上部電極の形状は対称的である。そのため、MUT(620)は対称的な振動モードf1、f3およびf5で強い音響応答を有していてもよい。さらに、円(612)および(614)によって示されるように、MUT(620)は非対称的な振動モード(510)(f2)および(530)(f4)で非常に弱い音響応答を有していてもよい。
【0034】
実施形態では、高さH(641)が最大の位置(625)は、振動モード(500)の反節点(つまりピーク振幅)が生じる位置(503)と同じである。結果として、円(602)によって示されるように、MUT(620)の音響応答は周波数f1で最も強く、そこでf1が第1の対称的な振動モード(500)に相当する。
【0035】
図7Aは、本開示の実施形態に係る上部電極(722)を備えているMUT(720)の音響応答のプロット(700)を示す。
図7Bは、本開示の実施形態に係るMUT(720)の平面図を示す。
図7Bでは、高さH(741)は、上部電極の垂直寸法を表わす。
図7Cは、本開示の実施形態に係るx軸(742)に沿った高さH(741)の分布(760)(または同様に面密度分布)を示す。例示目的のために、
図5Bの振動モード(510)は面密度分布プロット(760)の上に示される。上記に議論された通り、高さおよび面密度との用語は、高さ分布(760)がx軸(742)に沿った上部電極(722)の面密度の分布を表す場合があるので、互換的に使用される。
【0036】
図7Bに描かれている通り、上部電極(722)がx軸上で上部電極の中間点を通る中心線(730)に対して対称的ではないので、上部電極(722)の形状は非対称的であっても良い。結果として、MUT(720)は、対称的な振動モード(f1、f3およびf5)および非対称的な振動モード(f2とf4)の両方で作動することができる。実施形態では、面密度分布(760)の極大値H1(735)およびH2(737)の位置(726)および(728)はそれぞれ、振動モード(510)の反節点(516)および(517)と一致する。結果として、円(702)によって示されるように、MUT(720)は周波数f2で最も強い音響応答を有していてもよい。
【0037】
実施形態では、L1(731)とL2(733)の比は面密度分布の極大値の位置(726)および(728)を調製するために調節されてもよい。例えば、L1(731)とL2(733)との比は1.05より大きくても良い。実施形態では、H1(735)とH2(737)との比は周波数f2で音響応答を調製するために調節されてもよい。例えば、高さH1(735)とH2(737)との比は1.05より大きくても良い。
【0038】
実施形態では、上部電極(722)の面密度の分布(760)は、MUT(720)の音響応答に影響を及ぼす場合がある。
図9A~9Cに関連して記載されている通り、音響応答が周波数f4で最大値になるように、上部電極(722)の面密度分布は修正されてもよい。
【0039】
図8Aは、本開示の実施形態に係る上部電極(822)を備えているMUT(820)の音響応答のプロット(800)を示す。
図8Bは、本開示の実施形態に係るMUT(820)の平面図を示す。
図8Cは、x軸(843)に沿った上部電極(822)の高さH(841)の分布(860)(または同様に面密度分布)を示す。例示目的のために、
図5Cの対称的な振動モード(520)も、プロット(860)上に示される。描かれている通り、上部電極(822)は、x軸(843)および中心線(830)の両方に対して対称的であるので、対称的であっても良い。その結果として、MUT(820)は対称的な振動モード(f1、f3、およびf5)で強い音響応答、また円(804)および(806)によって示されるように、非対称的な振動モード(f2とf4)で非常に弱い音響応答を有していてもよい。
【0040】
描かれている通り、面密度分布(860)には、3つの位置(824)、(825)、および(826)での極大値があってもよい。さらに、これらの3つの位置(824)、(825)および(826)はそれぞれ、第3の対称的な振動モード(520)での反節点が存在する位置(525)、(526)、および(527)と一致する。結果として、円(802)によって示される通り、MUT(820)は周波数f3で最も強い音響応答を有していてもよい。
【0041】
実施形態では、L3(844)とL4(846)との比は面密度分布の極大値の位置(824)を調製するように調節されてもよい。例えば、L3(844)とL4(846)との比は、10以上であっても良い。実施形態では、H3(850)とH4(852)の比は周波数f2で音響応答を調製するように調節されてもよい。例えば、H3(850)とH4(852)との比は1.05以上であっても良い。
【0042】
図9Aは、本開示の実施形態に係る上部電極(922)を備えているMUT(920)の音響応答のプロット(900)を示す。
図9Bは、本開示の実施形態に係るMUT(920)の平面図を示す。
図9Cは、x軸(943)に沿った高さH(941)の分布(960)を示す。例示目的のために、
図5Dの非対称的な振動モード(530)も高さ(または面密度)分布プロット(960)上に示される。描かれている通り、上部電極(922)は中心線(930)に対して非対称的であっても良い。その結果として、MUT(920)には対称的な振動モード(f1、f3、およびf5)および非対称的な振動モード(f2とf4)の両方があっても良い。さらに、実施形態では、円(902)によって示されるように、音響応答は非対称的な振動周波数f4(530)で最も強くても良い。
【0043】
実施形態では、面密度分布(960)には3つの位置(924)、(925)、および(926)での極大値があってもよい。さらに、これらの3つの位置(924)、(925)、および(926)は振動モード(530)の反節点が存在する位置(534)、(535)、および(537)と一致してもよい。結果として、円(902)によって示されるように、MUT(920)は周波数f4で最も強い音響応答を有していてもよい。
【0044】
図10Aは、本開示の実施形態に係る上部電極(1022)を有するMUT(1020)の音響応答のプロット(1000)を示す。
図10Bは、本開示の実施形態に係るMUT(1020)の平面図を示す。
図10Cは、x軸(1043)に沿った高さH(1041)の分布(1060)を示す。例示目的のために、
図5Eの対称的な振動モード(540)も、プロット(1060)上に示される。描かれている通り、上部電極(1022)は、x軸(1043)および中心線(1030)の両方に対して対称的であるので、対称的であっても良い。その結果として、MUT(1020)は対称的な振動モード(f1、f3、およびf5)で強い音響応答、また非対称的な振動モード(f2とf4)で非常に弱い音響応答を有していてもよい。さらに、円(1002)によって示されるように、音響応答は第5の対称的な振動モードf5で最も強い。
【0045】
実施形態では、面密度分布(1060)には、5つの位置(1024)、(1025)、(1026)、(1027)、および(1028)で極大値があってもよい。さらに、これらの5つの位置(1024)、(1025)、(1026)、(1027)、および(1028)は、振動モード(540)のピーク振幅が存在する位置(544)、(545)、(546)、(547)、および(548)と一致してもよい。結果として、MUT(1020)は周波数f5で最も強い音響応答を有していてもよい。
【0046】
実施形態では、
図6A~10Cに関連して記載されている通り、対称的な上部電極は対称的な振動モードで強い音響応答、また非対称的な振動モードで非常に弱い音響応答を有していてもよい。さらに、実施形態では、非対称的な上部電極は対称的および非対称的な振動モードの両方で強い音響応答を有していてもよい。実施形態では、振動モードで音響応答を増加させるために、上部電極の面密度分布は、振動モードの反節点がある位置に面密度分布の極大値(または最大値)が位置するように調節されてもよい。
【0047】
例示目的のために、5つの振動モードf1~f5のみが
図6A~10Cに示される。しかし、MUTには5つより多くの振動モードがあってもよいことが当業者に明白であろう。さらに、
図6A~10Cに記載されているように、面密度分布はより高い振動モードで音響応答の大きさを調整するように調節されてもよいことが当業者に明白であろう。
【0048】
図3BのMUT(302)の各々は圧電マイクロマシン超音波トランスデューサ(pMUT)であっても良いことに注目されたい。しかし、トランシーバータイル(210)は静電容量型マイクロマシン超音波トランスデューサ(cMUT)のアレイを備えてもよく、つまり、圧電気要素(302)はcMUTと取り替えられてもよいことが当業者に明白であろう。そのような場合、CMUTの上部電極は、上部電極の形状(622)、(722)、(822)、(922)、および(1022)のうちの1つに似た形状であってもよい。その結果、cMUTの音響応答は、
図6A~10Cと関連して記載されている原理に基づいて、様々な震動共振周波数で調製される。
【0049】
本発明は様々な変形および代替形態の影響を受けやすいものの、その特定の例は図面に示されており、本明細書で詳細が記述されている。しかし、本発明は開示された具体的な形態に制限されることなく、逆に本発明は、添付の特許請求の範囲以内にある全ての変形、等価物、および代替物を対象とすることを理解されたい。