IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エアーボーン モーター ワークス インク.の特許一覧

特許7417292電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置
<>
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図1
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図2
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図3
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図4
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図5
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図6
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図7
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図8
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図9
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図10
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図11
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図12
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図13
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図14
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図15
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図16
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図17
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図18
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図19
  • 特許-電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】電磁ジャイロスコープ安定化推進システムの方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B64C 17/06 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
B64C17/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021510413
(86)(22)【出願日】2019-08-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 US2019048191
(87)【国際公開番号】W WO2020086151
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2022-08-17
(31)【優先権主張番号】62/722,968
(32)【優先日】2018-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520367588
【氏名又は名称】エアーボーン モーター ワークス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルセル,ジェシー,アントワーヌ
(72)【発明者】
【氏名】キメンティ,ジェフリー,スコット
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0061022(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0016929(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0152327(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 17/06
G01C 19/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フライホイールジャイロスコープジンバルであって、
内面および外面を有する周囲セクションであって、複数の磁石が前記外面に沿って配置されている、周囲セクションと、
内面および外面を有するハブセクションであって、
車軸と、
前記車軸の周りの前記ハブセクションの回転を可能にするように構成された複数のローラベアリングと、
前記ハブセクションの前記外面から外向きに延在して前記周囲セクションの前記内面に接続する複数のスポークであって、回転したときに推力を生成するように構成された複数のスポークと、を含む、ハブセクションと、
内径に沿って複数の界磁コイルを有する固定子であって、前記複数の界磁コイルは、前記周囲セクションの前記磁石に作用して前記複数のスポークの回転を生成して推力を生成するように配置される、固定子と、
上部周囲セクションおよび下部周囲セクションを接続することで構成されるジンバル本体であって、前記上部周囲セクションは、流入する気流を前記スポークに向けて送り、追加の揚力を生み出すように構成されている、ジンバル本体と、を含む、フライホイールジャイロスコープジンバル。
【請求項2】
前記複数の磁石は、前記周囲セクションの表面積を均等に分割するように配置されている、請求項1に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【請求項3】
前記ハブセクションでフライホイールを中央に配置して支持するように構成された上部ガードおよび下部ガードをさらに含む、請求項1に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【請求項4】
前記複数の界磁コイルは、別個のマイクロプロセッサによって個別に制御される、請求項1に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【請求項5】
フライホイールジャイロスコープジンバルであって、
内面および外面を有する周囲セクションであって、複数の磁石が前記外面に沿って配置されている、周囲セクションと、
内面および外面を有するハブセクションであって、車軸と、
前記車軸の周りの前記ハブセクションの回転を可能にするように構成された複数のローラベアリングと、
前記ハブセクションの前記外面から外向きに延在して前記周囲セクションの前記内面に接続する複数のスポークであって、回転したときに推力を生成するように構成された複数のスポークと、を含む、ハブセクションと、
サスペンションアームであって、前記複数のスポークが回転するときに発生する前記推力がフライホイールを垂直方向に維持するように前記ハブセクションが前記サスペンションアームに取り付けられている、サスペンションアームと、
上部周囲セクションおよび下部周囲セクションを接続することで構成されるジンバル本体であって、前記上部周囲セクションは、流入する気流を前記スポークに向けて送り、追加の揚力を生み出すように構成されている、ジンバル本体と、を含む、フライホイールジャイロスコープジンバル。
【請求項6】
前記サスペンションアームは、前記車軸が移動可能に接続されている連結ジョイントをさらに含み、
前記連結ジョイントは、前記車軸を傾けるように構成されたドライブをさらに含み、前記連結ジョイントの動きは、前記複数のスポークからの方向性またはベクトル化された推力をもたらす、
請求項5に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【請求項7】
内径に沿って複数の界磁コイルを有する固定子をさらに含み、前記複数界磁コイルは、前記周囲セクションの前記磁石に作用して前記複数のスポークの回転を生成して推力を生成するように配置されている、請求項5に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【請求項8】
前記複数の磁石は、前記周囲セクションの表面積を均等に分割するように配置されている、請求項5に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【請求項9】
前記ハブセクションで前記フライホイールを中央に配置して支持するように構成された上部ガードおよび下部ガードをさらに含む、請求項5に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【請求項10】
前記複数の界磁コイルは、別個のマイクロプロセッサによって個別に制御される、請求項に記載のフライホイールジャイロスコープジンバル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明者
ジェシー・アントワーヌ・マルセル
ジェフリー・スコット・キメンティ
優先権の主張
【0002】
本出願は、2018年8月26日に出願された米国仮特許出願第62/722,968号からの優先権の利益を主張し、その出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明は、垂直離着陸(VTOL)または短距離離着陸(VSTOL)航空機を推進するために使用される電気推進システムの分野に関する。より具体的には、本発明は、VTOL/VSTOL航空機に動力を供給するときに本質的に安定で効率的である、電気ジンバルに取り付けられた推力生成ジャイロスコープを含む。
【背景技術】
【0004】
いくつかの既知の電気航空機推進システムがある。これらのほとんどは、複数の電気モータを、機体に堅固に取り付けられたロータ/プロペラに接続する。VTOL/VSTOL電気航空機のバランスは、モータ/ロータ間の推力を変更することで強化される。モータの速度は、3軸加速度計、磁力計、レートジャイロなどのアビオニクスによって制御される。
【0005】
以前は、VTOL/VSTOL機能を備えた機体で使用される電気推進システムは、主にクワッドコプターまたはマルチロータドローンと呼ばれる無人航空機で使用されていた。より大きなエネルギー密度を可能にする電池技術の進歩により、より大きなロータ/プロペラを備えたより大きな電気モータを使用して、パイロットを持ち上げるのに十分な推力を作り出すことができる。高推力の推進システムのモータは非常に高い割合でエネルギーを消費し、推進システムの総推力が航空機とパイロットの総重量をわずかにしか上回っていないことがよくある。推力重量比が低いため、プロペラ/ロータを露出させる必要がある。ガードがプロペラ/ロータの上または下に配置された場合、全体的な推力が低下するため、航空機は妥当な飛行時間を維持できず、離陸に十分な揚力を生み出せない可能性がある。風、気温、高度などのさまざまな大気条件は、安定性を維持する航空機の能力に大きな影響を与える可能性があり、航空機は制御を維持するために奮闘しなければならないため、飛行時間がさらに短縮される。
【0006】
電池とアビオニクスの進歩により、電気式パーソナルエアビークル(PAV)の機会が生まれたが、モータとロータ/プロペラはこれらの進歩に技術的に後れを取っている。本発明は、強力で、コンパクトで、効率的で、自己安定的であり、既存の技術の可謬性を大幅に低減または排除する、PAV用の新しい自己駆動推進システムに関する。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、VTOLおよびVSTOL対応の電気PAVを推進するための推力を生成するジンバルに取り付けられたジャイロスコープシステムを含む。本発明は、モータ/プロペラによって通常占有される位置で機体に接続されるように構成される。本発明は、そのスポークが正の入射を伴う翼断面を有するので、回転されると推力を生成するフライホイールからなる回転アセンブリを含む。フライホイールは永久磁石に囲まれており、フリーホイールフライホイールに電機子機能を追加する。さらに、磁石は、ジャイロスコープのフライホイールの周囲に重量を加えるため、潜在的な角運動量の強度を高める。
【0008】
好ましい実施形態では、ジンバル取り付けは、フライホイールのジャイロスコープ歳差運動のために、フライホイールが地平線に対して垂直方向を維持することを可能にする。ジンバルに組み込まれているのは、ドライブ(動力)を作成するフライホイールを囲む磁石に作用する界磁コイルを備えた固定子である。
【0009】
一実施形態では、保護ガードは、フライホイールをジンバルの中心に置き、パイロットおよび周囲が誤って回転アセンブリと接触するのを防ぐのに役立つ。
【0010】
一実施形態では、ジンバルの内側の固定子上の界磁コイルを制御しているのは、各コイルに1つずつの個々のマイクロプロセッサであり、モータの位相の無制限の切り替えを可能にする。
【0011】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の図面に関連して考慮する際に、以下の詳細な説明を参照することによってそれがよりよく理解されるようになるにつれて、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明を示す上面図である。
図2】本発明の底面図を示す。
図3】本発明の側面図を提示する。
図4】本発明の側面断面図を提示する。
図5】磁石が取り付けられた本発明のフライホイールを示す上面図を提示する。
図6】ジンバルの斜視図を示す。
図7】ジンバルの断面を示す。
図8】ジンバルの上部ガードの上面図である。
図9】ジンバルの下部ガードの上面図である。
図10】車軸の分解図を示す。
図11】車軸のスピナー取り付け部の詳細図を示す。
図12】固定子アセンブリの上面図である。
図13】固定子アセンブリの断面図である。
図14】フライホイール/電機子と固定子の上面図を示す。
図15】ジンバルアセンブリのバンプストップの斜視図を示す。
図16】ジンバルアセンブリのバンプストップの上面図を示す。
図17】ジンバルアセンブリのバンプストップの底面図を示す。
図18】ジンバルアセンブリのバンプストップの断面図である。
図19】サスペンションアームの上面図である。
図20】ジンバルマウントの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連するリストされた項目の1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、単数形だけでなく複数形も含むことを意図している。本明細書で使用される場合、「含む」および/または「含んでいる」という用語は、記載された特徴、ステップ、操作、要素、および/または構成要素の存在を明示するが、1つまたはその他の機能、ステップ、操作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの追加を排除するものではない。
【0014】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語を含む本明細書で使用されるすべての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されているような用語は、関連技術および本開示の1つの文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、ここで明示的に定義されていない限り、理想化されたものまたは過度に形式的な意味に解釈されないことがさらに理解されよう。
【0015】
本発明を説明する際に、いくつかの技術およびステップが開示されることが理解されよう。これらのそれぞれには個別の利点があり、それぞれを他の開示された技術の1つまたは複数(または場合によってはすべて)と組み合わせて使用することもできる。したがって、明確にするために、この説明は、個々のステップのすべての可能な組み合わせを不必要な方法で繰り返すことを差し控える。それでも、明細書および特許請求の範囲は、そのような組み合わせが完全に本発明および特許請求の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
【0016】
本明細書では、セルフレベリングし、安定かつ効率的な推進システムを作成するための新しい航空機ジャイロスコープ推進システムの方法および装置について説明する。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、本発明がこれらの特定の詳細なしで実施され得ることは当業者には明らかであろう。
【0017】
本開示は、本発明の例示と見なされるべきであり、本発明を、以下の図または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
【0018】
次に、本発明を、好ましい実施形態を表す添付の図を参照することによって説明する。図4は、本発明の様々な実施形態による、自動駆動航空機ジャイロスコープ推進システム装置(「装置」)を含み得る要素の側面断面図を示している。好ましい実施形態では、図1が上部、図2が下部、および図3が側面である一般的なアセンブリは、図5に示されるような少なくとも1つの中央ジャイロスコープフライホイール400で構成される装置の各要素を含む。図4および図5を参照して示されるように、フライホイール400は、周囲リング401、中央ハブ402、および軽量複合材、アルミニウム、または別の適切な材料で作製され得る複数のスポーク403を含む。周囲リング401は、フライホイールの外周に沿って複数の永久磁石404を受け入れるように構成されている。いくつかの実施形態では、垂直突起が磁石を分離して、ジャイロスコープの周囲の表面積を均等に分割する。ネオジムまたは他の適切な磁性材料でできていてもよい磁石は、適切な接着剤または保持構造でフライホイールの周囲に固定することができる。磁石は、ドライブ(駆動部)のフライホイールの電機子機能を作成する。
【0019】
中央ハブ402は、車軸103を中心とした回転を可能にするために、複数のローラベアリング106を受け入れるように構成されている。代替の実施形態では、フライホイールは、ハブレス設計のために、交差ベアリングでその周囲の周りで支持されている。推力は、フライホイールが回転したときに方向性のある気流を引き起こす正の入射を伴う翼断面に起因してスポーク403によって生成される。示されていない代替の実施形態では、スポークは、回転速度を変えることなく推力を変える目的でスポーク/ブレードの入射を増減するために、直接またはサーボ機構によってそれらの長手方向軸を中心として回転することができる。入射角がゼロに設定される場合、本発明は推力の生成を停止するが、接続された構造の安定化のためにジャイロスコープ効果を維持する。
【0020】
代替の実施形態では、ハブレス設計で支持される場合、スポークおよびハブは完全に取り外され得る。この構成では、安定化システムをベルト構成要素として使用して、老人患者または障害患者を安定させ、車両を使用せずに転倒を防ぐことができる。さらに、安定化システムを使用して、現在の非航空機輸送またはRV車を安定させることができる。さらに、安定化システムは、建物を含む静的構造物を安定させるために使用できる。この代替の実施形態では、連結ジョイントは、剛性のあるマウントを有するジンバルでは不要である。
【0021】
代替の実施形態では、リム401、スポーク/ブレード403、およびハブ402を含むフライホイールの様々な部分は、複合材料を含む磁性材料で構成するか、またはそれを含浸させることができる。この構成では、部品の外側の端の近くまたは外側の端に磁性材料の重量を集中させて、ジャイロスコープの効果を高めることができる。スポークが磁化されている場合、一部の設計では周囲の縁をなくすことができる。
【0022】
図6図7および図9を参照してさらに示されるように、本発明のジンバルアセンブリ200の好ましい実施形態では、ジンバルの要素は、ジンバルの堅固に取り付けられた構成要素を支持するために使用されるねじ付きジンバル車軸103、およびフライホイール400が車軸の周りを自由に回転することを可能にするローラベアリング106を含む。内側フライホイール下部ガード(保護部)201は、ハブ402を支持するために使用される複数のスポーク201aを統合する。図8をさらに参照して示されるように、内側フライホイール上部ガード(保護部)202は、複数のスポーク202aおよび複数のフープ202bを統合し、スピナー203に取り付けられると、ハブを中心に配置して支持する。ガードは、フライホイールをハブの中心に配置して支持するだけでなく、スポーク/ブレード403をシールドすることにより、本発明を取り巻く直接の環境を保護する役割も果たす。上部ガード(保護部)および下部ガード(保護部)の周囲は、上部周囲セクション(部分)204および下部周囲セクション205を接続して、ジンバル本体を形成する。スピナー203を備えたジンバル本体上部セクション(部分)204は、好ましくは、流入する気流をフライホイールスポーク/ブレード403に向けて追加の揚力を生み出すように形作られている。VTOL/VSTOL個人用航空機の安定性と制御を容易にするために、ジンバルはジャイロスコープの推力を歳差運動に合わせ、推力ベクトルを航空機の姿勢から分離できるようにする。
【0023】
代替の実施形態では、内側フライホイールガード上部202および内側フライホイールガード下部201は、外側ジンバル本体および内側ハブを支持するために必要な最小限のスポークおよびフープを統合し、フライホイールスポーク/ブレード403を、例えばレース用途など、追加の保護が必要とされない可能性がある直接の環境により多く露出させることを可能にする。
【0024】
ジンバルは、軽量の複合材料、アルミニウム、またはその他の適切な材料で構成することができる。
【0025】
図12図13、および図14は、本発明の様々な実施形態によるジンバル本体に配置された固定子アセンブリ300を含み得る要素を示している。好ましい実施形態では、固定子アセンブリは、鉄元素、鉄または別の適切な材料を含む複合材料から作製され得る固定子301、および磁場を生成する界磁コイル302を含む。図4を参照してさらに示されるように、貫通部303は、ハードウェア304が固定子アセンブリを下部周囲セクション205に固定することを可能にし、ハードウェアは、ボルト、ねじ、リベット、または適切な接着剤を含み得る。界磁コイル302は、マイクロプロセッサによって個別に制御されて、その統合された永久磁石404に作用するときにフライホイール/電機子の回転を引き起こす位相磁場を生成する。各界磁コイルは独立して制御されるので、本発明の動作中に、例えば、ドライブ(駆動部)の必要性に基づいて、3相から4相への位相変化を行うことができる。
【0026】
代替の実施形態では、単一のコントローラを使用して、3相または4相の交流磁場を作成することができる。
【0027】
代替の実施形態では、界磁コイルの単一または近接グループにエネルギーを与えることによって、バイアスドライブとしてより一般的に知られている単一のベクトル化された力をもたらす不均衡を装置の動作に生じさせる可能性がある。このバイアス駆動力は、フライホイールの推力を生成するスポーク/ブレードの有無にかかわらず作成できる。バイアスドライブ構成は、ハブレス設計の中央ハブまたは外部ベアリングを介してサポートできる。
【0028】
好ましい実施形態では、回生コイルを界磁コイルの近くに配置して、界磁コイルによって生成された未使用の磁気エネルギーを利用し、これを電気エネルギーに変換して電池に循環させることによって効率を高めることができる。これらの回生コイルは、DNAの二重らせんと同様に、界磁コイルの周りに巻くか、界磁コイルと一緒に結合して、エネルギー入力用の1つのストランドとエネルギー出力用の2番目のストランドの2ストランド界磁コイルを作成できる。別の解決策は、磁場を生成する界磁コイルの影響を受けることができるように、回生コイルを任意の場所に向けることである。
【0029】
代替の実施形態では、固定子の要素のすべてまたは一部は、樹脂マトリックス炭素繊維複合材料または同様の材料に包まれており、固定子を無数の形状およびサイズの層として構築することができる。層は、樹脂マトリックス内の固体または粒子としてさまざまな構成要素を統合する。
【0030】
図10および図11を参照して、好ましい車軸アセンブリの分解図が示されている。車軸アセンブリは、好ましくは、軽量の複合材料、アルミニウムまたは他の任意の適切な材料から作製され、ジンバルおよびロータに接続するために使用できるハードウェアは、好ましくは、ボルト104、下部管状スペーサ105aおよび上部管状スペーサ105b、ローラベアリング106、ノーズコーン支持体107およびリテーナサークリップ108を含む。
【0031】
本発明の様々な実施形態を、図15図20をさらに参照して説明する。本発明の様々な実施形態によるジンバルマウント600が示されている。好ましい実施形態では、ねじ付き車軸103は、ジンバル本体を、機体の向きに関係なくジンバルがジャイロスコープの垂直方向を維持することを可能にする、ジョイントボールスイベル102aに接続する。ジョイントボールスイベルは、好ましくは動きの自由を可能にする剛性ケーシングに収容される。ジンバルマウントを機体に接続するのは、サスペンションアーム500である。ジンバルと機体との間の最大角度は、図15図18を参照して示すバンプマウントによって制御され、バンプマウントは、好ましくはゴム、複合材、または別の適切な材料でできており、内側コーンの寸法に基づいて動きを制限する。
【0032】
推進システムをジンバルに取り付け、ジンバルをサスペンションアームの連結ジョイントに取り付け、さらに車両、たとえばPAVに接続すると、ジャイロスコープの推進によって生成される角運動量により、推進システムは垂直方向に保たれ、これにより、接続されている車両の向きに関係なく、推力は垂直方向を維持する。
【0033】
連結ジョイントを利用する実施形態では、連結ジョイントを通過する中央車軸の垂直方向は、サーボ機構によって、または推進システムをその最も自然な平衡状態から強制的に外すドライバ(図示せず)からの直接接続によって傾けることができ、その結果、方向性またはベクトル化された推力が発生する。
【0034】
回転トルクによるジンバルのスピンを排除するために、連結ジョイントを回転に対してロックするか、翼またはマウント(図示せず)のいずれかに影響を与える要素をジンバルに追加して、この可能性を排除することができる。
【0035】
代替の実施形態では、ジンバル本体は、装置が360度旋回および回転することを可能にする複数の場所で、中心車軸ではなくその周囲から吊り下げられている。
【0036】
代替の実施形態では、本発明は、機体にその向きを固定して機体にしっかりと取り付けられる。
【0037】
代替の実施形態では、電磁ジャイロスコープ安定化推進方法および装置を使用して、風または水が動力のないフライホイールを回転させるときに電気を生成することができる。
【0038】
独占的所有または特権が主張される本発明の実施形態は、以下のように定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20