(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】作業報告管理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240111BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2022129183
(22)【出願日】2022-08-15
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】521449027
【氏名又は名称】株式会社ジャガーノート
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 智仁
【審査官】中野 修平
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-067273(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114881549(CN,A)
【文献】特開2022-161307(JP,A)
【文献】特開2006-301936(JP,A)
【文献】特開2004-240675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業現場で作業する作業者が使用可能な作業者端末と、
ネットワークを介して前記作業者端末と通信可能な他の端末又はサーバと、を備える作業報告管理システムであって、
前記作業者端末は、
タッチスクリーンを備えるモバイル端末であり、
前記作業者による前記作業現場での作業完了後に、前記作業者の入力に基づいて、作業報告情報に関連する1つ以上の入力情報を取得する作業報告情報取得手段と、
前記作業報告情報を承認した作業現場責任者の手書き入力に基づいて、手書きサインデータを取得する手書きサインデータ取得手段と、
取得した前記作業報告情報及び前記手書きサインデータが含まれる作業報告書データを前記他の端末又は前記サーバに送信する作業報告書データ送信手段と、を備え、
前記他の端末又は前記サーバは、
前記作業者端末が送信した前記作業報告書データを受信する作業報告書データ受信手段と、
受信した前記作業報告書データをデータベースに保存する作業報告書データ保存手段と、
同一の前記作業現場で作業する複数の前記作業者の前記作業者端末から複数の前記作業報告書データを受信した場合、又は、同一の前記作業現場で作業する同一の前記作業者の前記作業者端末から複数日にわたって複数の前記作業報告書データを受信した場合、複数の前記作業報告書データに含まれる前記手書きサインの一致度を判定する手書きサイン一致度判定手段と、を備える、作業報告管理システム。
【請求項2】
作業報告情報及び手書きサインデータが含まれた作業報告書データを受信し、
受信した前記作業報告書データを予め決められた作業報告書様式で表示又は印刷させ
、
同一の作業現場で作業する複数の作業者の作業者端末から複数の前記作業報告書データを受信した場合、又は、同一の作業現場で作業する同一の作業者の作業者端末から複数日にわたって複数の前記作業報告書データを受信した場合、複数の前記作業報告書データに含まれる手書きサインの一致度を判定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業報告管理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレットなどのモバイル端末を使用し、入力した情報に手書きサインのデータを添付してサーバに送信する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムは、作業現場で作業する作業者が作業報告書データをサーバに送信する作業報告管理システムに適用することが難しい。
【0005】
そこで、本開示は、作業現場で作業する作業者が使用可能な作業者端末から、現場責任者の手書きサインが含まれる信頼性の高い作業報告書データをサーバに容易に送信できる作業報告管理システム及びプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、作業現場で作業する作業者が使用可能な作業者端末と、ネットワークを介して前記作業者端末と通信可能な他の端末又はサーバと、を備える作業報告管理システムであって、前記作業者端末は、タッチスクリーンを備えるモバイル端末であり、前記作業者による前記作業現場での作業完了後に、前記作業者の入力に基づいて、作業報告情報に関連する1つ以上の入力情報を取得する作業報告情報取得手段と、前記作業報告情報を承認した作業現場責任者の手書き入力に基づいて、手書きサインデータを取得する手書きサインデータ取得手段と、取得した前記作業報告情報及び前記手書きサインデータが含まれる作業報告書データを前記他の端末又は前記サーバに送信する作業報告書データ送信手段と、を備え、前記他の端末又は前記サーバは、前記作業者端末が送信した前記作業報告書データを受信する作業報告書データ受信手段と、受信した前記作業報告書データをデータベースに保存する作業報告書データ保存手段と、を備えることを特徴とする作業報告管理システムが提供される。
【0007】
また、他の側面では、作業者による作業現場での作業完了後に、前記作業者の入力に基づいて、作業報告情報に関連する1つ以上の入力情報を取得し、前記作業報告情報を承認した作業現場責任者の手書き入力に基づいて、手書きサインデータを取得し、取得した前記作業報告情報及び前記手書きサインデータが含まれる作業報告書データを他のコンピュータに送信する処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、作業現場で作業する作業者が使用可能な作業者端末から、現場責任者の手書きサインが含まれる信頼性の高い作業報告書データをサーバに容易に送信することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示に係る作業報告管理システムの構成を示す図である。
【
図3】作業者端末の警備報告書メニュー画面を示す図である。
【
図4】作業者端末の作成画面(作成画面上部)を示す図である。
【
図5】作業者端末の作成画面(作成画面下部)を示す図である。
【
図7】作業者端末の検印画面(手書きサイン入力画面)を示す図である。
【
図9】情報処理サーバのデータベースを示す図である。
【
図10】情報処理サーバのデータベースの構成を示す図である。
【
図11】情報処理サーバの機能構成を示す図である。
【
図12】管理者端末の報告書一覧画面を示す図である。
【
図13】管理者端末の警備報告書画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0011】
[作業報告管理システム]
図1に示すように、作業報告管理システム1は、作業者端末2と、管理者端末3と、情報処理サーバ4と、これらを通信可能に接続するネットワーク5と、を備える。作業者端末2は、作業現場で作業する作業者(例えば、警備会社に所属する警備作業員)が使用するものであり、タッチスクリーンを備えるスマートフォン、タブレットなどのモバイル端末で構成される。管理者端末3は、作業者を管理する管理者(例えば、警備会社に所属する内勤管理者)が使用するものであり、デスクトップPC(Personal Computer)、ノートPC、タブレット、スマートフォンなどで構成される。情報処理サーバ4は、サーバ用のコンピュータであり、その構成は後述する。ネットワーク5は、携帯電話通信網、インターネットなどを含む通信網である。なお、
図1に示す例では、作業報告管理システム1は、作業者端末2、管理者端末3及び情報処理サーバ4を各々1つずつ備える構成となっているが、作業報告管理システム1が備える作業者端末2、管理者端末3及び情報処理サーバ4の数はそれぞれ任意である。
【0012】
[作業者端末]
図2に示すように、作業者端末2は、ハードウェア(例えば、スマートフォン)とソフトウェア(例えば、専用アプリ)との協働により実現される複数の機能構成を備える。これらの機能構成には、作業報告情報取得手段21と、作業報告情報確認表示手段22と、手書きサインデータ取得手段23と、送信許可判定手段24と、作業報告書データ送信手段25と、が含まれる。
【0013】
作業報告情報取得手段21は、作業者による作業現場での作業完了後に、作業者の入力に基づいて、作業報告情報に関連する1つ以上の入力情報を取得する。例えば、作業者端末2で専用アプリを起動させると、
図3に示す警備報告書メニュー画面AP1が表示される。この画面に表示される新規作成ボタンAP2をタップ操作すると、
図4及び
図5に示す作成画面AP3が表示される。作成画面AP3には、作業報告情報に関連する1つ以上の入力欄AP4~AP11が含まれており、作業報告情報取得手段21は、入力欄AP4~AP11に入力された情報を作業報告情報として取得する。ここで取得可能な作業報告情報には、例えば、顧客名、報告日、始業時刻、終業時刻、現場名、隊員名(作業者名)、その他・資機材等、作業内容、備考などが含まれる。
【0014】
また、作業報告情報取得手段21は、同じ会社に所属する複数の作業者が同じ作業現場で作業をした場合、複数の作業者に関する作業報告情報(隊員名、始業時間及び終業時間)をまとめて取得することができる。例えば、
図5に示すように、作成画面AP3には、報告する作業者の数を増減させる増減ボタンAP12、13が表示され、これをタップ操作すると、各作業者に係る始業時間や終業時間の入力欄AP6、AP7が増減される。
【0015】
作業報告情報確認表示手段22は、作業報告情報取得手段21が取得した作業報告情報を作業者端末2に確認表示させる。例えば、作成画面AP3において必要な作業報告情報を入力した後、作成画面AP3の最下部に表示される確認ボタンAP14をタップ操作すると、
図6に示すような確認画面AP15が表示される。確認画面AP15は、例えば、作業報告情報取得手段21が取得した作業報告情報を一覧表示し、作業者に入力した作業報告情報の確認を求める。また、この確認画面AP15は、入力した作業報告情報について、作業現場責任者の承認を得るための画面としても利用される。例えば、作業現場責任者は、確認表示された作業報告情報を承認する場合、確認画面AP15の最下部に表示される検印ボタンAP16をタップ操作し、
図7に示す検印画面AP17を表示させる。
【0016】
作業報告情報確認表示手段22は、予め規定された最低限の作業報告情報が入力された状態においてのみ、検印ボタンAP16のタップ操作を有効にする。つまり、作業報告情報確認表示手段22は、予め規定された最低限の作業報告情報(例えば、顧客名、報告日、始業時刻、終業時刻、現場名及び隊員名(作業者名))が入力されていない場合、検印画面AP17への移行を禁止する。このような状況は、確認画面AP15の最上部に表示される戻るボタンAP18をタップ操作して作成画面AP3に戻り、未入力の情報を入力することで解消される。
【0017】
手書きサインデータ取得手段23は、検印画面AP17を表示させ、作業報告情報を承認した作業現場責任者の手書き入力(スタイラスペンによる入力を含む)に基づいて、手書きサインデータを取得する。また、手書きサインデータ取得手段23は、検印画面AP17に表示される書き直しボタンAP19がタップ操作された場合、入力された手書きサインSを消去し、手書きサインの再入力を許容する。
【0018】
また、手書きサインデータ取得手段23は、検印画面AP17に手書きサインSが入力されている状態において、作業報告情報の再編集を禁止する。例えば、検印画面AP17に手書きサインSが入力されている状態においては、検印画面AP17に表示される戻るボタンAP20のタップ操作を無効とする。このようにすると、作業現場責任者が作業報告情報を承認して手書きサインSを入力したにも拘わらず、作成画面AP3に戻って作業報告情報を再編集する改ざん行為を防止できる。なお、検印画面AP17の書き直しボタンAP19をタップ操作して入力された手書きサインSを消去すれば、戻るボタンAP20のタップ操作が有効となり、作成画面AP3に戻って作業報告情報を再編集することが可能になる。
【0019】
また、本実施形態の手書きサインデータ取得手段23は、手書きサインデータをベクタ形式のデータとして取得する。例えば、XMLベースのマークアップ言語であるSVG(スケーラブルベクターグラフィック)の機能(pathタグのd属性)を利用して、手書き入力に応じたベクタ形式のグラフィックを記述し、その表示及び記憶を行う。このようなベクタ形式の手書きサインデータによれば、ラスタ形式のデータに比べて記憶容量や通信容量を抑制できる。
【0020】
送信許可判定手段24は、作成画面AP3において規定されたすべての作業報告情報が入力され、かつ、検印画面AP17に手書きサインSが入力された状態であるか否かを判定する。送信許可判定手段24は、規定されたすべての作業報告情報が入力され、かつ、手書きサインSが入力された状態であると判定した場合のみ、作業報告情報の送信を許可する。例えば、規定されたすべての作業報告情報が入力され、かつ、手書きサインSが入力された状態でないと判定した場合、送信許可判定手段24は、検印画面AP17に表示される送信ボタンAP21のタップ操作を無効としてもよい。
【0021】
作業報告書データ送信手段25は、検印画面AP17に表示される送信ボタンAP21のタップ操作に応じて、取得した作業報告情報及び手書きサインデータが含まれる作業報告書データを情報処理サーバ4に送信する。また、本実施形態の作業報告書データ送信手段25は、作業者端末2が備える位置計測機能を利用して作業者端末2の位置情報を取得するとともに、取得した位置情報を作業報告書データに付加して情報処理サーバ4に送信する。
【0022】
[情報処理サーバ]
図8に示すように、情報処理サーバ4は、通信IF41、記憶装置42及びCPU43がバス44を介して接続された構成を有する。通信IF41は、他の装置(本実施形態では、作業者端末2及び管理者端末3)と通信するためのインターフェースである。記憶装置42は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や半導体記憶装置(SSD(Solid State Drive))であり、各種情報や情報処理プログラムが記憶されている。CPU43は、記憶装置42に記憶された情報処理プログラムにしたがって動作し、各種の情報処理を実行する。例えば、CPU43は、データベースプログラムにしたがって動作し、記憶装置42に各種のデータベースを構築する。
【0023】
図9に示すように、記憶装置42に構築されるデータベースには、企業DB1、ユーザーDB2、案件DB3及び現場DB4が含まれる。企業DB1には、本実施形態の作業報告管理システム1を導入する企業(以下、単に導入企業という)の情報が記憶(登録)される。例えば、
図10の(a)に示すように、導入企業の企業ID、企業名、電話番号などの情報が企業DB1に記憶される。なお、
図10の(a)に示す企業IDに対応付けて記憶される情報は一例であり、どのような情報を企業IDに対応付けて企業DB1に記憶するかは任意である。
【0024】
ユーザーDB2には、導入企業に所属する作業者や管理者の情報が記憶される。例えば、
図10の(b)に示すように、作業者や管理者のユーザーID、企業ID、氏名などの情報がユーザーDB2に記憶される。なお、
図10の(b)に示すユーザーIDに対応付けて記憶される情報は一例であり、どのような情報をユーザーIDに対応付けてユーザーDB2に記憶するかは任意である。
【0025】
案件DB3には、導入企業に作業者の派遣を依頼する案件の情報が記憶される。例えば、
図10の(c)に示すように、案件毎の案件ID、企業ID、件名などの情報が案件DB3に記憶される。なお、
図10の(c)に示す案件IDに対応付けて記憶される情報は一例であり、どのような情報を案件IDに対応付けて案件DB3に記憶するかは任意である。
【0026】
現場DB4には、案件に含まれる現場の情報が記憶される。例えば、
図10の(d)に示すように、現場DB4には、各現場の現場ID、案件ID、件名、日付などが予め記憶され、各現場での作業完了後に、作業者端末2から送信される作業報告書データ(作業報告情報、手書きサインデータ及び位置情報)が追加で記憶される。なお、
図10の(d)に示す現場IDに対応付けて記憶される情報は一例であり、どのような情報を現場IDに対応付けて現場DB4に記憶するかは任意である。
【0027】
図11に示すように、情報処理サーバ4は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される複数の機能構成を備える。これらの機能構成には、作業報告書データ受信手段45と、作業報告書データ保存手段46と、手書きサイン一致度判定手段47と、位置情報一致度判定手段48と、が含まれる。
【0028】
作業報告書データ受信手段45は、作業者端末2が送信した作業報告書データを受信する。
【0029】
作業報告書データ保存手段46は、受信した作業報告書データをデータベース(現場DB4)に保存する。例えば、受信した作業報告書データの顧客名、現場名、日付などから現場IDを特定し、特定した現場IDのレコードに作業報告書データを書き込む。
【0030】
手書きサイン一致度判定手段47は、複数の作業報告書データに含まれる手書きサインの一致度を判定する。例えば、同一の作業現場で作業する複数の作業者の作業者端末2から複数の作業報告書データを受信した場合、これらに含まれる手書きサインの一致度を判定し、判定結果を現場DB4に書き込む。また、同一の作業現場で作業する同一の作業者の作業者端末2から複数日にわたって複数の作業報告書データを受信した場合、これらに含まれる手書きサインの一致度を判定し、判定結果を現場DB4に書き込む。このような手書きサイン一致度判定手段47によれば、手書きサインの一致度に基づいて、作業報告書データの信頼性を評価することができる。なお、複数の作業報告書データに含まれる手書きサインの一致度を判定する方法としては、例えば、複数の手書きサインデータを既存の文字認識技術を用いて文字コードに変換し、文字コード同士が一致するか否かに基づいて判定する方法を適用できる。
【0031】
位置情報一致度判定手段48は、予め登録された作業現場の位置情報と、その作業現場で作業した作業者の作業者端末2から受信した作業報告書データに含まれる位置情報との一致度を判定する。このような位置情報一致度判定手段48によれば、位置情報の一致度に基づいて、作業報告書データの信頼性を評価することができる。
【0032】
[管理者端末]
管理者端末3は、所定のプログラム(例えば、ブラウザ)を用いて情報処理サーバ4にアクセスすることにより、情報処理サーバ4のデータベースに記憶された作業報告書データを取得できる。例えば、
図12に示すように、日付を指定して複数の作業報告書データを一覧表示させたり、
図13に示すように、任意の作業報告書データを予め決められた作業報告書様式FM1で表示又は印刷させることができる。
図13に示すように、作業報告書様式FM1には、検印欄FM2が含まれており、検印欄FM2の中に手書きサインSが表示又は印刷される。
【0033】
以上のように構成された作業報告管理システム1によれば、作業現場で作業する作業者が使用可能な作業者端末2から、現場責任者の手書きサインSが含まれる信頼性の高い作業報告書データを情報処理サーバ4に容易に送信することが可能となる。また、作業者を管理する管理者が使用可能な管理者端末3から情報処理サーバ4にアクセスすれば、任意の作業報告書データを予め決められた作業報告書様式FM1で表示又は印刷させることができる。したがって、作業報告書を電子化するものでありながら、作業報告書を予め決められた作業報告書様式FM1で確認できるだけでなく、作業報告書を予め決められた作業報告書様式FM1で印刷し、請求処理、給与処理などに利用できる。
【0034】
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0035】
例えば、上述の実施例では、作業者端末2が送信した作業報告書データは、情報処理サーバ4が受信してデータベースに保存されるが、管理者端末3が直接受信して保存してもよい。
【0036】
また、上述の実施例では、作業者端末2の画面に作業報告情報に関連する1つ以上の入力欄を表示させ、各入力欄に入力された作業報告情報を作業報告書データとして情報処理サーバ4に送信している。しかしながら、作業報告書データとして送信する作業報告情報は、作業報告情報に関連する箇条書きの文字列情報や、作業報告情報に関連する文章化された文字列情報であってもよい。この場合、フォーマットに係るデータの送信が不要となり、通信負荷を低減できる。このような場合、情報処理サーバ4又は管理者端末3は、作業者端末2から作業報告情報(文字列情報)を受信すると、受信した作業報告情報に基づいて、予め決められた作業報告書様式の空欄を埋めることで、記入済の作業報告書の電子データを生成すればよい。すなわち、作業報告書データ自体が受信側(情報処理サーバ4又は管理者端末3)で完成するように、作業報告書データが完成するまでの各種処理が送信側と受信側とで分担されてもよい。この際、情報処理サーバ4又は管理者端末3は、人口知能等を利用して、受信した文字列情報と空欄の関係を特定してもよい。あるいは、作業報告書様式が複数ある場合、どの作業報告書様式が利用されるかは、送信側で指定されていてもよく、受信側(情報処理サーバ4又は管理者端末3)では、送信されてくる各文字列情報のフォーマットと各作業報告書様式との関係を表すデータベースが用意されていてもよい。
【0037】
また、上述の実施例では、送信側の作業者端末2から受信側の情報処理サーバ4又は管理者端末3に、作業報告情報が送信されるが、これに加えて又は代えて、作業報告情報の保存場所又は作業報告データのリンク先など、作業報告情報へのアクセスを可能とする情報だけが、受信側の情報処理サーバ4又は管理者端末3に送信(通知)されてもよい。この場合、アクセスを可能とするためのパスワード等も別途設定されてもよい。
【0038】
また、上述の実施例では、作業報告書様式の一例として警備報告書(警備日誌、警備確認書、警備日報などを含む)の様式を
図13に示したが、適用する作業報告書の種類、様式、報告事項などについては、任意に変更することができる。例えば、警備報告書様式の他例を
図14及び
図15に示す。また、作業報告書の種類は、警備報告書に限定されないことはもちろんであり、
図16に示す保安警備報告書や、
図17に示す被害顛末書にも適用することができる。また、報告事項は、基本的に、日時、勤務場所、勤務時間、人員名、業務内容、その他報告事項(資格者配置に関する事、資機材に関する項目)などを含むが、警備の種別によって独自の報告事項が追加される。例えば、施設警備の場合は、上記基本事項に加えて、業務実施項目(出入管理業務・立会業務・警戒監視業務・案内業務・その他)に対する異常の有無、鍵の受領の報告、巡回警備に対する報告(火元確認、トイレ点検など)などが追加される。また、保安警備の場合は、上記基本事項に加えて、不審者についての報告、防止の報告、捕捉の報告などがあり、捕捉した際には被害顛末書の作成に必要な報告事項が追加される。
【符号の説明】
【0039】
1 作業報告管理システム
2 作業者端末
2 新規作成ボタンAP
21 作業報告情報取得手段
22 作業報告情報確認表示手段
23 手書きサインデータ取得手段
24 送信許可判定手段
25 作業報告書データ送信手段
3 管理者端末
4 情報処理サーバ
45 作業報告書データ受信手段
46 作業報告書データ保存手段
47 手書きサイン一致度判定手段
48 位置情報一致度判定手段
5 ネットワーク
【要約】
【課題】 作業現場で作業する作業者が使用可能な作業者端末から、現場責任者の手書きサインが含まれる信頼性の高い作業報告書データをサーバに容易に送信できる作業報告管理システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】 作業現場で作業する作業者が使用可能な作業者端末2と、ネットワーク5を介して作業者端末2と通信可能な情報処理サーバ4と、を備える作業報告管理システム1であって、作業者端末2は、タッチスクリーンを備えるモバイル端末であり、作業者による作業現場での作業完了後に、作業者の入力に基づいて、作業報告情報に関連する1つ以上の入力情報を取得し、作業報告情報を承認した作業現場責任者の手書き入力に基づいて、手書きサインデータを取得し、取得した作業報告情報及び手書きサインデータが含まれる作業報告書データを情報処理サーバ4に送信する。
【選択図】
図1