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特許7417329プログラム、方法、情報処理装置、システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】プログラム、方法、情報処理装置、システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/20 20160101AFI20240111BHJP
【FI】
H02J50/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023065986
(22)【出願日】2023-04-13
【審査請求日】2023-04-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520354692
【氏名又は名称】エイターリンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 良輔
(72)【発明者】
【氏名】加藤木 健
(72)【発明者】
【氏名】小舘 直人
(72)【発明者】
【氏名】村井 彬人
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-099239(JP,A)
【文献】特開平08-103039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 - 50/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する送信機に関する情報、前記空間内の送電効率に関する情報を取得するステップと、
前記送信機に関する情報、前記送電効率に関する情報に基づき、前記空間内の複数の位置において、前記給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出するステップと、
算出した前記電力の強度の分布を提示するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記取得するステップにおいて、記受信機に関する情報を取得し、
前記算出するステップにおいて、前記送信機に関する情報、前記送電効率に関する情報、前記受信機に関する情報に基づき、記給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出する請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記取得するステップにおいて、前記受信機に関する情報として、受信した前記電波を整流する整流器の効率を、前記受信機が受信する電波の強度と、前記受信機に係る負荷とに基づいて取得する請求項2記載のプログラム。
【請求項4】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する送信機に関する情報を取得するステップと、
前記送信機に関する情報に基づき、前記空間内の複数の位置において、前記給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出するステップと、
算出した前記電力の強度の分布を提示するステップと
を実行させ、
前記取得するステップにおいて、前記空間内に配置される障害物に関する情報を取得し、
前記算出するステップにおいて、前記障害物に関する情報に基づき、前記電力の強度を算出するログラム。
【請求項5】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の空間の状態を表現した図に関する情報を取得するステップと、
取得した前記図に関する情報に基づき、前記空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する送信機の数、及び前記送信機を配置する位置を、信機に関する情報として設定するステップと、
前記送信機に関する情報に基づき、前記空間内の複数の位置において、前記給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出するステップと、
算出した前記電力の強度の分布を提示するステップと
行させるログラム。
【請求項6】
前記空間における予め設定した領域について算出した電力の強度が、予め設定した要件を満たすまで、前記設定するステップと、前記算出するステップとを繰り返す請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
空間に関する情報、アプリケーションを利用する位置に関する情報、及び前記アプリケーションの負荷に関する情報を取得するステップと、
取得した前記位置に関する情報、及び前記負荷に関する情報に基づき、前記アプリケーションを利用可能な電力を算出するステップと、
前記算出した電力を電波により供給する送信機の位置を決定するステップと、
決定した前記送信機の位置を提示するステップと
行させるプログラム。
【請求項8】
前記取得するステップにおいて、前記送信機から前記空間内の位置までの送電効率、及び前記電波を受信する受信機に関する情報を取得し、
前記決定するステップにおいて、前記位置に関する情報、前記負荷に関する情報、前記送電効率、及び前記受信機に関する情報に基づき、前記送信機の位置を決定する請求項7記載のプログラム。
【請求項9】
前記取得するステップにおいて、前記受信機に関する情報として、受信した前記電波を整流する整流器の効率を、前記受信機が受信する電波の強度と、前記アプリケーションの負荷とに基づいて取得する請求項8記載のプログラム。
【請求項10】
前記取得するステップにおいて、前記空間内に配置される障害物に関する情報を取得し、
前記決定するステップにおいて、前記障害物に関する情報に基づき、前記送信機の位置を決定する請求項7記載のプログラム。
【請求項11】
前記決定するステップにおいて、前記空間における予め設定した領域で、前記電波により発生される電力が、予め設定した要件を満たすまで、前記送信機の位置の決定を繰り返す請求項7記載のプログラム。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記プログラムは、前記プロセッサに、
所定の空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する複数の送信機に関する情報を取得するステップと、
複数の前記送信機に関する情報に基づき、前記空間内の複数の位置において、前記給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出するステップと、
算出した前記電力の強度の分布を提示するステップと
を実行させるプログラム。
【請求項13】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、前記プロセッサが、請求項1から請求項1のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
【請求項14】
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、前記制御部が、請求項1から請求項1のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
【請求項15】
請求項1から請求項1のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法、情報処理装置、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電力系統に接続される蓄電装置を適切に配置するための装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、負荷部に供給する電力の一部を蓄電する蓄電装置の配置を、負荷部の電力需要に係る情報の重みづけによって定まる位置に基づいて提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-063720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、蓄電装置の適切な配置を可能とすることで、信頼性の高い給電システムを実現可能なようにしている。しかしながら、先行文献1では、負荷部に対してワイヤレスで電力を供給する無線送電装置の配置については、記載されていない。
【0005】
本開示の目的は、ワイヤレスで給電対象に電力を供給する無線送電装置の配置を決定することを支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、所定の空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する送信機に関する情報を取得するステップと、送信機に関する情報に基づき、空間内の複数の位置において、給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出するステップと、算出した電力の強度の分布を提示するステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ワイヤレスで給電対象に電力を供給する無線送電装置の配置を決定することを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るWPTシステム1の全体の構成を示す図である。
図2図1に示す送信機100と、受信機200との構成例を表すブロック図である。
図3図1に示す第3情報処理装置500の構成例を表すブロック図である。
図4】第3情報処理装置500に記憶される整流器情報582のデータ構造の例を示す模式図である。
図5】第3情報処理装置500に記憶されるアプリケーション情報583のデータ構造の例を示す模式図である。
図6】送信機100の配置に関するシミュレーションを実施する際の第3情報処理装置500の動作の例を表すフローチャートである。
図7】第3情報処理装置500により実施されるシミュレーション処理の例を表す模式図である。
図8】条件に関する情報の入力フォームの表示例を表す模式図である。
図9】空間における送信機100の配置の例を表す図である。
図10】所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度のシミュレーション結果の例を表す図である。
図11】変形例1に係る第3情報処理装置500の構成例を表すブロック図である。
図12】送信機100の配置に関するシミュレーションを実施する際の第3情報処理装置500の動作のその他の例を表すフローチャートである。
図13】ユーザから入力されるフロアマップに関する情報の例を表す図である。
図14】空間における送信機100の配置の例を表す図である。
図15】所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度のシミュレーション結果の例を表す図である。
図16】変形例2に係る第3情報処理装置500の構成例を表すブロック図である。
図17】送信機100の配置に関するシミュレーションを実施する際の第3情報処理装置500の動作のその他の例を表すフローチャートである。
図18】アプリケーションに関する情報の入力フォームの表示例を表す模式図である。
図19】送信機100の配置のシミュレーション結果の例を表す図である。
図20】コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
【0010】
<概要>
WPT(Wireless Power Transfer)システムにおいて、給電信号を送信する1又は複数の送信機と、給電信号を受信する複数の受信機とが存在する。情報処理装置は、1又は複数の送信機が送信する給電信号により、空間内の任意の位置に存在すると仮定した受信機において発生する電力の強度をシミュレーションする。
【0011】
<1 システム全体の構成図>
図1は、本実施形態に係るWPTシステム1の全体の構成を示す図である。
【0012】
図1に示すWPTシステム1は、例えば、送信機100、受信機200、第1情報処理装置300、第2情報処理装置400、及び第3情報処理装置500を備える。図1に示すWPTシステム1は、例えば、ビル、又は工場等で利用される。ビルは、建物の一例であり、業務、執務等、所定の活動を行う屋内空間であればビルに限定されない。送信機100と第1情報処理装置300との接続、及び第1情報処理装置300と第2情報処理装置400との接続は、有線であっても無線であっても構わない。第3情報処理装置500は、第1情報処理装置300と有線又は無線で接続されていてもよい。第3情報処理装置500は、第2情報処理装置400と有線又は無線で接続されていてもよい。
【0013】
図1において、WPTシステム1が送信機100を3台含む例を示しているが、WPTシステム1に含まれる送信機100の数は、3台に限定されない。WPTシステム1に含まれる送信機100は、2台以下であってもよいし、4台以上であってもよい。
【0014】
図1において、WPTシステム1が受信機200を7台含む例を示しているが、WPTシステム1に含まれる受信機200の数は、7台に限定されない。WPTシステム1に含まれる受信機200は、6台以下であってもよいし、8台以上であってもよい。
【0015】
図1において、WPTシステム1が第1情報処理装置300を2台含む例を示しているが、WPTシステム1に含まれる第1情報処理装置300の数は、2台に限定されない。WPTシステム1に含まれる第1情報処理装置300は、1台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0016】
送信機100は、例えば、受信機200へ給電信号、又はデータ信号を送信する。送信機100は、例えば、920MHz帯の電波により、受信機200へ給電信号を送信する。送信機100は、例えば、2.4GHz帯の電波により、受信機200へデータ信号を送信する。送信機100は、データ信号を、920MHz帯の電波により送信してもよい。
【0017】
送信機100は、例えば、1台の受信機200へ給電信号を送信してもよいし、複数台の受信機200へ給電信号を送信してもよい。送信機100は、例えば、1台の受信機200へデータ信号を送信してもよいし、複数台の受信機200へデータ信号を送信してもよい。送信機100は、例えば、他の送信機100と同じデータ信号を送信してもよいし、他の送信機100と異なるデータ信号を送信してもよい。送信機100は、例えば、所定のコマンド信号をデータ信号として受信機200へ送信してもよいし、予め設定された信号をデータ信号として受信機200へ送信してもよい。
【0018】
送信機100は、例えば、受信機200から送信されるデータ信号を受信する。送信機100は、例えば、1台の受信機200から送信されるデータ信号を受信してもよいし、複数の受信機200から送信されるデータ信号を受信してもよい。送信機100は、受信機200から送信されるデータ信号を第1情報処理装置300へ送信する。送信機100は、送信機100の状態に関する情報を第1情報処理装置300へ送信する。
【0019】
受信機200は、例えば、送信機100から送信される給電信号、又はデータ信号を受信する。受信機200は、例えば、蓄電部を有する場合、送信機100から送信される給電信号を電力へ変換し、変換した電力を蓄電部に貯える。受信機200は、例えば、所定のセンサを有する場合、送信機100から送信される給電信号を電力へ変換し、変換した電力によりセンサを駆動させる。
【0020】
受信機200は、例えば、受信機200の状態に関する情報、又はセンサによる計測結果に関する情報を、データ信号として送信機100へ送信する。
【0021】
第1情報処理装置300は、WPTシステム1に収容される送信機100、受信機200の動作を監視する情報処理装置である。例えば、第1情報処理装置300は、送信機100から送信される、送信機100、及び受信機200の状態に関する情報に基づき、送信機100、又は受信機200が予め設定された状態になっているか否かを判断する。予め設定された状態になっていると判断した場合、第1情報処理装置300は、所定の情報を第2情報処理装置400へ送信する。
【0022】
また、第1情報処理装置300は、WPTシステム1に収容される送信機100、受信機200についての情報を蓄積する。例えば、第1情報処理装置300は、送信機100から送信される、送信機100及び受信機200の状態に関する情報を、第1情報処理装置300に設けられる記憶部に記憶する。
【0023】
また、第1情報処理装置300は、WPTシステム1に収容される送信機100の動作を制御する。例えば、第1情報処理装置300は、所定の指示、又は情報を送信機100へ送信する。
【0024】
また、第1情報処理装置300は、第2情報処理装置400の動作を制御する。
【0025】
第2情報処理装置400は、例えば、WPTシステム1の管理者が操作する情報処理装置である。第2情報処理装置400は、WPTシステム1に収容される送信機100、受信機200、又はこれらの両方が所定の状態になっている旨の連絡を第1情報処理装置300から受信すると、送信機100、受信機200、又はこれらの両方が所定の状態になっていることをユーザに提示する。
【0026】
また、第2情報処理装置400は、第1情報処理装置300に蓄積されている、送信機100及び受信機200の状態に関する情報を分析し、所定の情報をユーザに提示する。所定の情報は、例えば、以下である。
・送信機100の配置に関する情報
・受信機200の配置に関する情報
・消費電力に関する情報
・電力強度に関する情報
【0027】
第3情報処理装置500は、例えば、WPTシステム1を導入することを検討するユーザが操作する情報処理装置である。第3情報処理装置500は、例えば、WPTシステム1を構築することを検討するユーザが操作する情報処理装置と換言可能である。第3情報処理装置500は、例えば、屋内空間で供給され得る電力環境をシミュレーションする。具体的には、例えば、第3情報処理装置500は、WPTシステム1が構築される空間において、送信機100が送信する給電信号により、受信機200で発生する電力の強度をシミュレーションする。第3情報処理装置500は独立した情報処理装置でなくてもよい。第3情報処理装置500の機能は、例えば、第2情報処理装置400が有していてもよい。
【0028】
<1.1 送信機と受信機の構成>
図2は、図1に示す送信機100と、受信機200との構成例を表すブロック図である。図2に示すように、送信機100と受信機200とは、例えば、互いに所定間隔で離間する。例えば、送信機100と受信機200とは、数m程度の距離だけ隔てられて設置される。具体的には、例えば、送信機100は、屋内の高所、例えば、天井、又は壁に設けられた所定の高位置に固定して設置される。送信機100は、設置され方によっては、設置後において、位置を変更することが可能である。受信機200は、屋内の所定のデバイスに設置されたり、給電が必要なデバイスの近傍に載置されたりする。また、受信機200は、ユーザにより携帯されてもよい。受信機200は、設置され方によっては、設置後において、位置を変更することが可能である。送信機100は、所定の周波数、例えば、920MHz帯の電波により、受信機200へ給電信号を送信する。受信機200は、送信機100から送信される給電信号を電力へ変換し、変換した電力を充電するか、又は、変換した電力を所定のデバイスへ供給する。
【0029】
送信機100は、例えば、発振器101、送信アンテナ102、マイコン(制御器)103、データ送受信機104、データ送受信アンテナ105を有する。発振器101、マイコン103、データ送受信機104、データ送受信アンテナ105、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせは、例えば、PCB(プリント基板)に実装されていてもよい。
【0030】
発振器101は、所定周波数帯、例えば、920MHz帯の信号を発振させる。発振された信号は、必要に応じて、増幅されて、不要周波数成分が除去されてもよい。
【0031】
送信アンテナ102は、例えば、920MHz帯の電波を効率的に送信可能に形成されている。送信アンテナ102は、変調器107で変調された信号を、給電信号として放射する。
【0032】
マイコン103は、送信機100の動作を制御する。マイコン103は、例えば、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータにより実現される。マイコン103は、例えば、送信アンテナ102による電波の送信を制御する。
【0033】
データ送受信機104は、デジタルデータのアナログ化、アナログデータの変調等の処理を実施する。また、データ送受信機104は、データ送受信アンテナ105で受信されるデータ信号の復調、復調されたデータのデジタル化等の処理を実施する。データ送受信機104は、例えば、データ送受信アンテナ105で受信されるデータ信号から所定の信号を抽出し、デジタルデータに変換してマイコン103へ送信する。
【0034】
データ送受信アンテナ105は、例えば、2.4GHz帯の電波を効率的に送受信可能に形成されている。データ送受信アンテナ105は、データ送受信機104から供給されるデータ信号を放射する。また、データ送受信アンテナ105は、受信機200から送信されたデータ信号を受信する。
【0035】
受信機200は、例えば、受信アンテナ201、整流器202、電力管理部203、蓄電部204、マイコン205、データ送受信機206、データ送受信アンテナ207を有する。受信アンテナ201、整流器202、電力管理部203、蓄電部204、マイコン205、データ送受信機206、データ送受信アンテナ207又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせは、例えば、PCB又はFPC(フレキシブル基板)に実装されていてもよい。
【0036】
受信アンテナ201は、例えば、920MHz帯の電波を効率的に受信可能に形成されている。受信アンテナ201は、送信アンテナ102から放射された給電信号を受信する。
【0037】
整流器202は、給電信号として受信した電波を整流し、直流電圧に変換する。
【0038】
電力管理部203は、直流電圧を管理する。例えば、電力管理部203は、直流電圧に基づいて充電電圧を制御する。電力管理部203は、充電電圧を制御することで、蓄電部204を充電する。また、電力管理部203は、例えば、蓄電部204に所定容量以上の電力が蓄えられると、直流電圧を、接続される部材へ供給する。
【0039】
また、電力管理部203は、マイコン205からの制御に応じ、蓄電部204に蓄えられた電力を放出させる。
【0040】
蓄電部204は、電力管理部203からの指示に応じて電力を蓄える。蓄電部204は、例えば、バッテリー、又はキャパシタ等により実現される。また、蓄電部204は、電力管理部203からの指示に応じて蓄えている電力を放出する。
【0041】
マイコン205は、受信機200の動作を制御する。マイコン205は、電力管理部203から供給される直流電圧、又は蓄電部204に蓄えられた電力により駆動される。マイコン205は、電力管理部203を制御し、蓄電部204に蓄えられた電力を放出させる。
【0042】
受信機200には、例えば、種々のセンサが接続可能である。例えば、熱センサ、温度センサ、光センサ、湿度センサ、振動センサ等が受信機200に接続される。受信機200に接続されたセンサは、例えば、電力管理部203から供給される直流電圧、又は蓄電部204から放出される電力により駆動される。マイコン205は、受信機200の所定部位における電圧値、受信機200に接続されるセンサの状況、センサにより検出された情報等を、継続的又は断続的に監視する。マイコン205は、受信機200の所定部位における電圧値、受信機200に接続されるセンサの状況、センサにより検出された情報等をデジタルデータとしてデータ送受信機206へ送信する。なお、センサは、受信機200に内蔵されていてもよい。
【0043】
データ送受信機206は、マイコン205から供給されるデジタルデータのアナログ化、アナログデータの変調等の処理を実施する。また、データ送受信機206は、データ送受信アンテナ207で受信されるデータ信号の復調、復調されたデータのデジタル化等の処理を実施する。データ送受信機206は、例えば、電力管理部203から供給される直流電圧、又は蓄電部204から放出される電力により駆動される。
【0044】
データ送受信アンテナ207は、例えば、2.4GHz帯の電波を効率的に送受信可能に形成されている。データ送受信アンテナ207は、データ送受信機206から供給されるデータ信号を放射する。また、データ送受信アンテナ207は、送信機100から送信されたデータ信号を受信する。例えば、データ送受信アンテナ207は、例えば、電力管理部203から供給される直流電圧、又は蓄電部204から放出される電力により駆動される。
【0045】
<1.2 第3情報処理装置の構成>
図3は、図1に示す第3情報処理装置500の構成例を表すブロック図である。図3に示すように、第3情報処理装置500は、通信部520と、入力装置53と、出力装置54と、音声処理部57と、マイク571と、スピーカー572と、カメラ560と、位置情報センサ550と、記憶部580と、制御部590とを備える。第3情報処理装置500に含まれる各ブロックは、例えば、バス等により電気的に接続される。
【0046】
通信部520は、第3情報処理装置500が他の装置と通信するための変復調処理等の処理を行う。通信部520は、制御部590で生成された信号に送信処理を施し、外部(例えば、第1情報処理装置300)へ送信する。通信部520は、外部から受信した信号に受信処理を施し、制御部590へ出力する。
【0047】
入力装置53は、第3情報処理装置500を操作するユーザが指示、又は情報を入力するための装置である。入力装置53は、例えば、操作面へ触れることで指示が入力されるタッチ・センシティブ・デバイス531等により実現される。第3情報処理装置500がPC等である場合には、入力装置53は、リーダー、キーボード、マウス等により実現されてもよい。入力装置53は、ユーザから入力される指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御部590へ出力する。なお、入力装置53には、例えば、外部の入力機器から入力される電気信号を受け付ける受信ポートが含まれてもよい。
【0048】
出力装置54は、第3情報処理装置500を操作するユーザへ情報を提示するための装置である。出力装置54は、例えば、ディスプレイ541等により実現される。ディスプレイ541は、制御部590の制御に応じたデータを表示する。ディスプレイ541は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、又は有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等によって実現される。
【0049】
音声処理部57は、例えば、音声信号のデジタル-アナログ変換処理を行う。音声処理部57は、マイク571から与えられる信号をデジタル信号に変換して、変換後の信号を制御部590へ与える。また、音声処理部57は、音声信号をスピーカー572へ与える。音声処理部57は、例えば音声処理用のプロセッサによって実現される。マイク571は、音声入力を受け付けて、当該音声入力に対応する音声信号を音声処理部57へ与える。スピーカー572は、音声処理部57から与えられる音声信号を音声に変換して当該音声を第3情報処理装置500の外部へ出力する。
【0050】
カメラ560は、受光素子により光を受光し、撮影信号として出力するためのデバイスである。
【0051】
位置情報センサ550は、第3情報処理装置500の位置を検出するセンサであり、例えばGPS(Global Positioning System)モジュールである。GPSモジュールは、衛星測位システムで用いられる受信装置である。衛星測位システムでは、少なくとも3個または4個の衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて、GPSモジュールが搭載される第3情報処理装置500の現在位置を検出する。位置情報センサ550は、第3情報処理装置500が接続する無線基地局の位置から、第3情報処理装置500の現在の位置を検出してもよい。
【0052】
記憶部580は、例えば、メモリ55、及びストレージ56等により実現され、第3情報処理装置500が使用するデータ、及びプログラムを記憶する。記憶部580は、例えば、条件情報581、整流器情報582、アプリケーション情報583を記憶する。
【0053】
条件情報581は、例えば、WPTシステム1に係る条件に関する情報を含む。具体的には、例えば、条件情報581は、WPTシステム1を構築するデバイスの条件に関する情報を含む。デバイスの条件に関する情報は、例えば、WPTシステム1に係る空間に配置される送信機100の位置に関する情報を含む。送信機100の位置に関する情報は、例えば、送信機100の配置間隔を含む。デバイスの条件に関する情報は、例えば、WPTシステム1に係る空間における送信機100の配置に関する情報を含む。デバイスの条件に関する情報は、WPTシステム1に係る空間に配置される送信機100の台数に関する情報を含む。デバイスの条件に関する情報は、例えば、送信機100に関する情報を含む。送信機100に関する情報は、例えば、送信機100により送信される電波の強度(送信電力)に関する情報を含む。送信機100に関する情報は、例えば、送信機100の送信アンテナ102の効率(送信アンテナ102のアンテナ利得)に関する情報を含む。送信アンテナ102の効率に関する情報は、例えば、ビーム形状、偏波面等の影響を受ける。送信機100に関する情報は、例えば、送信機100が設置される高さに関する情報を含んでもよい。
【0054】
デバイスの条件に関する情報は、例えば、受信機200に関する情報を含む。受信機200に関する情報は、例えば、受信機200の受信アンテナ201の効率(受信アンテナ201のアンテナ利得)に関する情報を含む。受信アンテナ201の効率に関する情報は、例えば、ビーム形状、偏波面等の影響を受ける。受信機200に関する情報は、例えば、受信機200の整流器202の効率に関する情報を含む。受信機200に関する情報は、例えば、受信機200が設置される高さに関する情報を含んでもよい。
【0055】
受信機200に関する情報は、例えば、受信機200の移動範囲に関する情報を含んでもよい。受信機200に関する情報は、例えば、受信機200の設置条件に関する情報を含んでいてもよい。受信機200は、例えば、電波の指向性に影響を受ける場合がある。このような場合、受信機200が設置(又は載置)される位置によって、受信性能に違いが出る。つまり、受信機200を縦に置くか、横に置くかで、受信性能に違いが出る。受信機200に関する情報は、例えば、受信機200の設置態様による、受信性能の違いを考慮可能なパラメータを含んでいてもよい。
【0056】
デバイスの条件に関する情報は、予め記憶されていてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。デバイスの条件に関する情報は、これらに限定されない。例えば、上記のうちいずれかがなくてもよいし、上記以外の情報が含まれていてもよい。
【0057】
また、条件情報581は、WPTシステム1を構築する空間の環境条件に関する情報を含む。環境条件に関する情報は、例えば、空間を形成する材質に関する情報を含む。空間を形成する材質に関する情報は、例えば、床材、天井材、壁材、窓ガラス材、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせ等を含む。環境条件に関する情報は、例えば、空間に配置される物体に関する情報を含む。空間に配置される物体に関する情報は、例えば、机及び椅子等の物体の位置、物体の種類、物体の材質、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせ等を含む。環境条件に関する情報は、予め記憶されていてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。環境条件に関する情報は、これらに限定されない。例えば、上記のうちいずれかがなくてもよいし、上記以外の情報が含まれていてもよい。
【0058】
また、条件情報581は、空間における電波強度の損失に関する情報を含む。電波強度の損失は、送電効率と換言可能である。電波強度の損失は、予め設定された値でもよいし、WPTシステム1を構築する空間の環境条件に基づき、変化してもよい。
【0059】
整流器情報582は、整流器202の効率に関する情報を含む。例えば、整流器202の効率は、受信機200で受信される給電信号の強度と、受信機200に接続される負荷の大きさ(受信機200で発生される電力により実行されるアプリケーションの負荷の大きさ)とによって変化する。整流器情報582は、例えば、受信機200に供給される給電信号の電力及び受信機200に接続される負荷の大きさと、整流器202の効率との関係を記憶している。詳細は後述する。
【0060】
アプリケーション情報583は、給電信号により発生される電力により駆動されるアプリケーションに関する情報を含む。詳細は後述する。
【0061】
制御部590は、プロセッサが記憶部580に記憶されるプログラムを読み込み、プログラムに含まれる命令を実行することにより実現される。制御部590は、第3情報処理装置500の動作を制御する。制御部590は、プログラムに従って動作することにより、操作受付部591と、送受信部592と、第1算出部593と、提示制御部594ととしての機能を発揮する。
【0062】
操作受付部591は、入力装置53から入力される指示、又は情報を受け付けるための処理を行う。具体的には、例えば、操作受付部591は、タッチ・センシティブ・デバイス531等から入力される指示、又は情報を受け付ける。
【0063】
また、操作受付部591は、マイク571から入力される音声指示を受け付ける。具体的には、例えば、操作受付部591は、マイク571から入力され、音声処理部17でデジタル信号に変換された音声信号を受信する。操作受付部591は、例えば、受信した音声信号を分析して所定の名詞を抽出することで、ユーザからの指示を取得する。
【0064】
送受信部592は、第3情報処理装置500が、第1情報処理装置300、第2情報処理装置400等の外部の装置と、通信プロトコルに従ってデータを送受信するための処理を行う。具体的には、例えば、送受信部592は、ユーザから入力された指示を第1情報処理装置300、又は第2情報処理装置400へ送信する。また、送受信部592は、第1情報処理装置300、又は第2情報処理装置400から提供される情報を受信する。
【0065】
第1算出部593は、WPTシステム1が構築される所定の空間において、送信機100から送信される給電信号により、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0066】
具体的には、例えば、第1算出部593は、WPTシステム1に係る条件に基づき、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。より具体的には、例えば、第1算出部593は、デバイスの条件に関する情報と、空間における電波強度の損失とに基づき、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0067】
さらに具体的には、第1算出部593は、WPTシステム1に係る空間に配置される1又は複数の送信機100の位置に関する情報、配置される送信機100の台数に関する情報、送信機100から送信される電波の強度(送信電力)に関する情報、送信機100の送信アンテナ102の効率に関する情報、所定の位置に配置されると想定される受信機200の受信アンテナ201の効率に関する情報、受信機200の整流器202の効率に関する情報に基づき、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。言い換えると、第1算出部593は、1又は複数の送信機から送信される電波が減衰しながら所定の位置に配置される受信機200に到来し、到来した電波により受信機200で発生される電力の強度を算出する。第1算出部593は、空間内を所定の大きさで区切った各領域において、電力の強度を算出する。空間の区切り方に制限はなく、網目状であってもよいし、他の形状であってもよい。
【0068】
第1算出部593による電力強度の算出を式で表すと、例えば、以下のように表される。
Σ(0~N)_Pout=Σ(0~N)_(Pin*E_air(N)*E_TxAnt*E_RxAnt*E_rect) (1)
【0069】
式(1)において、配置される送信機100の台数:Nとし、送信機100から送信される電波の強度(送信電力):Pinとし、送信機100の送信アンテナ102の効率:E_TxAntとし、受信機200の受信アンテナ201の効率:E_RxAntとし、受信機200の整流器202の効率:E_rect、空間での電波の損失:E_air(N)としている。第1算出部593は、空間内を所定の大きさで区切った各領域において、式(1)を用いて電力の強度を算出する。
【0070】
受信機200の整流器202の効率:E_rectは、予め設定されていてもよいし、ユーザにより設定されてもよいし、所定のパラメータに基づいて導出されてもよい。第1算出部593は、例えば、1又は複数の送信機100から送信されて受信機200に到来する給電信号の強度と、受信機200で発生される電力により実行されるアプリケーションの負荷の大きさとを整流器情報582に照合させることで、整流器202の効率を導出する。第1算出部593は、導出した整流器202の効率を用い、例えば、式(1)により、受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0071】
空間における電波強度の損失は、WPTシステム1が構築される空間における環境条件により影響を受け得る。第1算出部593は、環境条件に関する情報を、空間における電波強度の損失に反映させる。第1算出部593は、デバイスの条件に関する情報と、環境条件を反映させた損失とに基づき、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0072】
提示制御部594は、算出された情報をユーザに対して提示するため、出力装置54を制御する。具体的には、例えば、提示制御部594は、空間内を所定の大きさで区切った各領域において算出された電力の強度をディスプレイ541に表示させる。また、提示制御部594は、各領域において算出された電力の強度を、フロアマップにおいて対応する位置に重畳させてディスプレイ541に表示させる。
【0073】
提示制御部594は、各領域において算出された電力の強度を用いて利用可能なアプリケーション(熱センサ、温度センサ、光センサ、湿度センサ、振動センサ等)を、ディスプレイ541に表示させる。
【0074】
<2 データ構造>
図4図5は、第3情報処理装置500が記憶するテーブルのデータ構造を示す図である。なお、図4図5は一例であり、記載されていないデータを除外するものではない。また、同一のテーブルに記載されるデータであっても、記憶部580において離れた記憶領域に記憶されていることもあり得る。
【0075】
図4は、第3情報処理装置500に記憶される整流器情報582のデータ構造の例を示す模式図である。図4に示す整流器情報582は、例えば、効率No.をキーとして、効率、受信電力、負荷のカラムを有するテーブルである。図4に示す整流器情報582は、効率と、受信電力及び負荷との関係を表すテーブルである。
【0076】
効率No.は、効率を識別するための番号を記憶する項目である。効率は、整流器202の効率を記憶する項目である。受信電力は、受信機200で受信される給電信号の強度を記憶する項目である。負荷は、受信機200で実行されるアプリケーションの負荷を記憶する項目である。
【0077】
図5は、第3情報処理装置500に記憶されるアプリケーション情報583のデータ構造の例を示す模式図である。図5に示すアプリケーション情報583は、例えば、アプリケーションIDをキーとして、アプリケーション名、機能、負荷のカラムを有するテーブルである。
【0078】
アプリケーションIDは、アプリケーションの識別情報を記憶する項目である。アプリケーション名は、アプリケーションの名称を記憶する項目である。機能は、アプリケーションの機能を記憶する項目である。項目「機能」には、例えば、熱センサ、温度センサ、光センサ、湿度センサ、振動センサ等のいずれかが記憶される。負荷は、受信機200で実行されるアプリケーションの負荷を記憶する項目である。
【0079】
<3 動作>
図6は、送信機100の配置に関するシミュレーションを実施する際の第3情報処理装置500の動作の例を表すフローチャートである。
【0080】
図7は、第3情報処理装置500により実施されるシミュレーション処理の例を表す模式図である。
【0081】
ステップS11において、第3情報処理装置500は、ユーザからWPTシステム1に係る条件に関する情報を取得する。具体的には、第3情報処理装置500の制御部590は、提示制御部594により、条件を入力するための入力フォームをディスプレイ541に表示させる。ユーザは、入力装置53を操作し、必要な情報を入力する。操作受付部591は、ユーザから入力された情報を受け付ける。
【0082】
図8は、条件に関する情報の入力フォームの表示例を表す模式図である。図8に示す例では、空間に関する情報の入力を受け付けるための第1領域5411が表示されている。第1領域5411では、例えば、部屋のxの長さ、部屋のyの長さ、部屋のインターバルの長さを受け付ける。また、図8に示す例では、送信機100の数、及び配置の入力を受け付けるための第2領域5412が表示されている。また、図8に示す例では、設定されているパラメータを表示するための第3領域5413が表示されている。第3領域5413では、例えば、「送信機の高さは2.4m、受信機の高さは0.5m、送電効率は40%、送信利得は2dBi、受信利得は2dBi、送信パワーは30dBm」と設定されている。なお、第3領域5413に記載されている情報はユーザの指示により可変であってもよい。
【0083】
図8に示す例では、空間における送信機100の配置を表す図を作成するための指示子5414が表示されている。第1領域5411から空間に関する情報を受け付け、第2領域5412から送信機100の数、及び配置の入力を受け付け、指示子5414に対する指示をユーザから受け付けると、提示制御部594は、入力された情報に基づき、空間における送信機100の配置を表す図を作成する。提示制御部594は、作成した図をディスプレイ541に表示させる。
【0084】
図9は、空間における送信機100の配置の例を表す図である。ユーザは、送信機100の配置を表す図を参照し、送信機100の配置を直感的に把握可能である。
【0085】
ステップS12において、第3情報処理装置500は、シミュレーションの開始指示をユーザから受け付ける。具体的には、図8に示す例では、送信機100の配置に関するシミュレーションを開始するための指示子5415が表示されている。ユーザは、第1領域5411に空間に関する情報を入力し、第2領域5412に送信機100の数、及び配置を入力すると、指示子5415を押下する。操作受付部591は、指示子5415の押下を、シミュレーションの開始指示として受け付ける。
【0086】
ステップS13において、第3情報処理装置500は、送信機100から送信される給電信号により、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。具体的には、例えば、制御部590は、第1算出部593により、領域5411に入力された空間に対し、領域5412に入力された位置に、入力された個数で配置される送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第1算出部593は、予め設定されているその他のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0087】
ステップS14において、第3情報処理装置500は、シミュレーション結果をユーザに提示する。具体的には、例えば、制御部590は、提示制御部594により、空間内を所定の大きさで区切った各領域において算出された電力の強度をディスプレイ541に表示させる。
【0088】
図10は、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度のシミュレーション結果の例を表す図である。図10に示す例では、提示制御部594は、WPTシステム1が構築される空間が格子状に区切られた領域毎に算出された電力強度を、対応する領域と関連付けて表示する。また、図10に示す例では、提示制御部594は、格子状に区切られた各領域を、算出された電力の強度に応じた態様で表示する。例えば、提示制御部594は、電力強度の高さに応じた濃度のハッチングで表す。態様は、例えば、色、模様、又はこれらの組み合わせ等であってもよい。
【0089】
なお、図10では、算出された電力強度が、空間において対応する格子状の領域と関連付けて表示され、電力強度に応じた態様が付される場合を示している。提示制御部594は、フロアマップに電力強度を重畳し、電力強度に応じた態様を付してもよい。具体的には、提示制御部594は、フロアマップを所定の領域に区切る。提示制御部594は、フロアマップ内で区切られた各領域と、領域毎に算出された電力強度とを関連付ける。提示制御部594は、フロアマップ内で区切られた各領域に、関連付けられた電力強度と対応する態様を付す。
【0090】
また、提示制御部594は、各領域において算出された電力の強度を用いて利用可能なアプリケーション(熱センサ、温度センサ、光センサ、湿度センサ、振動センサ等)を、電力強度、電力強度を表す態様、又はこれらの組み合わせと共にディスプレイ541に表示させてもよい。
【0091】
図6についての説明では、ステップS11において、操作受付部591は、空間に関する情報、送信機100の数、送信機100の配置の入力を受け付ける場合を説明した。しかしながら、ステップS11において、操作受付部591は、空間に関する情報、送信機100の数、送信機100の配置以外の入力を受け付けるようにしてもよい。操作受付部591は、例えば、送信機100の送信電力、送信アンテナ102の利得、受信アンテナ201の利得、整流器202の効率、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせの入力を受け付けてもよい。
【0092】
ステップS13において、第1算出部593は、入力された情報に基づき、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。具体的には、例えば、第1算出部593は、領域5411に入力された空間に対し、領域5412に入力された位置に、入力された個数で配置される送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第1算出部593は、入力された、送信機100の送信電力、送信アンテナ102の利得、受信アンテナ201の利得、整流器202の効率等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0093】
また、ステップS11において、操作受付部591は、整流器202の効率の代わりに、受信機200で実行されるアプリケーションの負荷に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、第1算出部593は、ステップS13において、受信機200で受信される給電信号の強度を算出する。第1算出部593は、算出した給電信号の強度と、アプリケーションの負荷に関する情報とを整流器情報582に照合させ、整流器202の効率を導出する。第1算出部593は、領域5411に入力された空間に対し、領域5412に入力された位置に、入力された個数で配置される送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第1算出部593は、導出した整流器202の効率等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。なお、第1算出部593は、整流器202の効率を算出するための所定の数式に、算出した給電信号の強度と、アプリケーションの負荷とを代入することで、整流器202の効率を算出してもよい。
【0094】
また、ステップS11において、操作受付部591は、空間の環境条件に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、第1算出部593は、ステップS13において、空間における電波強度の損失(送電効率)を、環境条件に関する情報に基づいて導出する。例えば、記憶部580は、損失を導出するための所定のテーブルを記憶している。当該テーブルには、例えば、空間内の床、天井、壁等の部材の材質と、電波強度の損失とが関連付けられている。第1算出部593は、入力を受け付けた環境条件に関する情報を関連テーブルに照合させ、電波強度の損失を導出する。第1算出部593は、導出した電波強度の損失等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。なお、第1算出部593は、送電効率を算出するための所定の数式に、環境条件に関する情報を代入することで、送電効率を算出してもよい。
【0095】
また、ステップS11において、操作受付部591は、空間に配置され得る、机、椅子、棚等の障害物に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、第1算出部593は、ステップS13において、空間における電波強度の損失(送電効率)を、障害物に関する情報に基づいて導出する。例えば、第1算出部593は、送信機100から受信機200までの経路に障害物が存在する場合、送電効率を所定値まで下げる。第1算出部593は、導出した電波強度の損失等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。なお、第1算出部593は、送電効率を算出するための所定の数式に、障害物に関する情報を代入することで、送電効率を算出してもよい。ステップS14において、提示制御部594は、空間内を所定の大きさで区切った各領域において算出された電力の強度を、障害物に関する画像と共にディスプレイ541に表示させる。
【0096】
以上のように上記実施形態では、操作受付部591は、所定の空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する送信機100に関する情報を取得する。第1算出部593は、送信機100に関する情報に基づき、空間内の複数の位置において、給電信号を受信する受信機200で発生される電力の強度を算出する。提示制御部594は、算出した電力の強度の分布を提示する。これにより、送信機100を配置することで受信機200が利用可能となる電力の強度をシミュレーションすることが可能となる。
【0097】
したがって、本実施形態によれば、ワイヤレスで給電対象に電力を供給する無線送電装置(送信機)の配置を決定することを支援できる。
【0098】
また、上記実施形態では、操作受付部591は、送信機100から空間内の位置までの送電効率、受信機200に関する情報を取得する。第1算出部593は、送信機100に関する情報、送電効率、受信機200に関する情報に基づき、給電信号を受信する受信機200で発生される電力の強度を算出する。これにより、ユーザは、種々のパラメータを設定することが可能となるため、シミュレーションの精度が向上することになる。
【0099】
また、上記実施形態では、操作受付部591は、受信機200に関する情報として、受信した電波を整流する整流器202の効率を、受信機200が受信する電波の強度と、受信機200に係る負荷とに基づいて取得する。これにより、受信機200の状況に合わせて整流器202の効率が算出されるようになるため、シミュレーションの精度が向上することになる。
【0100】
また、上記実施形態では、操作受付部591は、空間内に配置される障害物に関する情報を取得する。第1算出部593は、障害物に関する情報に基づき、電力の強度を算出する。これにより、机、椅子、棚等の障害物が存在する場合において、電力の強度をシミュレーションすることが可能となる。このため、障害物が存在する環境下での送信機100の配置を検討することが可能となる。
【0101】
<変形例1>
上記実施形態では、空間に関する情報、送信機100の数及び配置について、ユーザからの入力を受け付ける場合を例に説明したが、これらの情報はユーザから入力されることに限定されない。例えば、第3情報処理装置500は、フロアマップに関する情報を取得し、取得したフロアマップに関する情報に基づき、空間に関する情報、送信機100の数及び配置を設定するようにしてもよい。
【0102】
図11は、変形例1に係る第3情報処理装置500の構成例を表すブロック図である。図11に示す例では、第3情報処理装置500の制御部590は、操作受付部591と、送受信部592と、第1算出部593と、提示制御部594と、設定部595とを有している。
【0103】
設定部595は、例えば、操作受付部591により受信したフロアマップに関する情報に基づき、空間に関する情報、送信機100の数及び配置を設定する。フロアマップは、例えば、空間を表す平面図である。平面図には、例えば、寸法に関する情報、障害物に関する情報が含まれている。フロアマップは、例えば、空間についての様子がわかる状態を表現した図と換言可能である。フロアマップに関する情報は、送受信部592が受信してもよい。設定部595は、フロアマップに関する情報から、空間に関する情報を取得する。設定部595は、取得した空間に関する情報に基づき、所定の規則で送信機100を空間に配置させる。送信機100を配置する際の所定の規則は、例えば、所定の間隔で格子状に送信機100を配置する等である。設定部595は、空間に関する情報、送信機100の配置に関する情報を、WPTシステム1に係る条件として設定する。
【0104】
図12は、送信機100の配置に関するシミュレーションを実施する際の第3情報処理装置500の動作のその他の例を表すフローチャートである。
【0105】
ステップS21において、第3情報処理装置500は、ユーザからフロアマップに関する情報を取得する。具体的には、第3情報処理装置500の制御部590は、提示制御部594により、フロアマップに関する情報を入力するための入力フォームをディスプレイ541に表示させる。ユーザは、入力装置53を操作し、フロアマップに関する情報を入力する。操作受付部591は、ユーザから入力された情報を受け付ける。フロアマップに関する情報は、例えば、スキャナ等により取り込まれてもよいし、カメラによる撮影により取り込まれてもよい。
【0106】
図13は、ユーザから入力されるフロアマップに関する情報の例を表す図である。図13に示す例において、共有部は、給電環境を構築しなくてよいため、シミュレーション対象の空間からは除外されている。
【0107】
ステップS22において、第3情報処理装置500は、シミュレーションの開始指示をユーザから受け付ける。具体的には、例えば、提示制御部594は、入力フォームに、送信機100の配置に関するシミュレーションを開始するための指示子を表示している。ユーザは、フロアマップに関する情報を入力すると、当該指示子を押下する。操作受付部591は、指示子の押下を、シミュレーションの開始指示として受け付ける。
【0108】
ステップS23において、第3情報処理装置500は、送信機100の配置を決定する。具体的には、例えば、第3情報処理装置500の制御部590は、設定部595により、取得したフロアマップに関する情報から、空間のx方向及びy方向の長さ等の情報を取得する。設定部595は、取得した情報に基づき、所定の規則で送信機100を空間に配置させる。設定部595は、空間に関する情報、送信機100の配置に関する情報を、WPTシステム1に係る条件として設定する。提示制御部594は、送信機100の配置を表す図を作成し、ユーザに提示してもよい。
【0109】
図14は、空間における送信機100の配置の例を表す図である。ユーザは、送信機100の配置を表す図を参照し、送信機100の配置を直感的に把握可能である。
【0110】
ステップS24において、第3情報処理装置500は、送信機100から送信される給電信号により、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。具体的には、例えば、制御部590は、第1算出部593により、フロアマップに基づいて認識された空間に対し、所定の規則に則って配置される送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第1算出部593は、予め設定されているその他のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0111】
ステップS25において、第3情報処理装置500は、受信機200で発生される電力の強度が所定の要件を満たすか否かを判断する。具体的には、例えば、第3情報処理装置500の制御部590は、第1算出部593により、空間内の各領域について算出した電力強度が所定の要件を満たすか否かを判断する。記憶部580は、例えば、電力強度についての閾値を領域毎に記憶している。第1算出部593は、例えば、領域毎に算出した電力強度が、領域毎に設定されている閾値を超えるか否かを判断する。領域毎に算出した電力強度が、領域毎に設定されている閾値を超える場合(ステップS25のYes)、第1算出部593は、処理をステップS26に進める。領域毎に算出した電力強度が、領域毎に設定されている閾値を超えない場合(ステップS25のNo)、第1算出部593は、処理をステップS27に進める。
【0112】
ステップS26において、第3情報処理装置500は、シミュレーション結果をユーザに提示する。具体的には、例えば、制御部590は、提示制御部594により、空間内を所定の大きさで区切った各領域において算出された電力の強度をディスプレイ541に表示させる。
【0113】
図15は、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度のシミュレーション結果の例を表す図である。図15に示す例では、提示制御部594は、WPTシステム1が構築される空間が格子状に区切られた領域毎に算出された電力強度を、対応する領域と関連付けて表示する。また、図15に示す例では、提示制御部594は、格子状に区切られた各領域を、算出された電力の強度に応じた態様で表示する。例えば、提示制御部594は、電力強度の高さに応じた濃度のハッチングで表す。
【0114】
なお、提示制御部594は、フロアマップに電力強度を重畳し、電力強度に応じた態様を付してもよい。
【0115】
また、提示制御部594は、各領域において算出された電力の強度を用いて利用可能なアプリケーションを、電力強度、電力強度を表す態様、又はこれらの組み合わせと共にディスプレイ541に表示させてもよい。
【0116】
ステップS27において、第3情報処理装置500は、送信機100の配置を決定する。具体的には、例えば、第3情報処理装置500の制御部590は、設定部595により、取得したフロアマップに関する情報に基づき、先に決定した配置よりも発生される電力の強度が強くなる送信機100の配置を決定する。具体的には、設定部595は、例えば、送信機100の数を増やしつつ、送信機100が略均等にばらけるように送信機100を配置させる。設定部595は、新たに決定した送信機100の配置に関する情報を、WPTシステム1に係る条件として設定する。設定部595は、送信機100の配置を決定すると処理をステップS24に移行させる。
【0117】
図12についての説明では、ステップS21において、操作受付部591は、フロアマップに関する情報の入力を受け付ける場合を説明した。しかしながら、ステップS21において、操作受付部591は、フロアマップに関する情報以外の入力を受け付けるようにしてもよい。操作受付部591は、例えば、送信機100の送信電力、送信アンテナ102の利得、受信アンテナ201の利得、整流器202の効率、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせの入力を受け付けてもよい。
【0118】
ステップS24において、第1算出部593は、入力された情報に基づき、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。具体的には、例えば、第1算出部593は、フロアマップに関する情報に基づく空間に対して配置される1又は複数の送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第1算出部593は、入力された、送信機100の送信電力、送信アンテナ102の利得、受信アンテナ201の利得、整流器202の効率等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0119】
また、ステップS21において、操作受付部591は、整流器202の効率の代わりに、受信機200で実行されるアプリケーションの負荷に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、第1算出部593は、ステップS24において、受信機200で受信される給電信号の強度を算出する。第1算出部593は、算出した給電信号の強度と、アプリケーションの負荷に関する情報とを整流器情報582に照合させ、整流器202の効率を導出する。第1算出部593は、フロアマップに関する情報に基づく空間に対して配置される1又は複数の送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第1算出部593は、導出した整流器202の効率等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0120】
また、ステップS21において、操作受付部591は、空間の環境条件に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、第1算出部593は、ステップS24において、空間における電波強度の損失(送電効率)を、環境条件に関する情報に基づいて導出する。例えば、記憶部580は、損失を導出するための所定のテーブルを記憶している。当該テーブルには、例えば、空間内の床、天井、壁等の部材の材質と、電波強度の損失とが関連付けられている。第1算出部593は、入力を受け付けた環境条件に関する情報を関連テーブルに照合させ、電波強度の損失を導出する。第1算出部593は、導出した電波強度の損失等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0121】
また、ステップS21において、操作受付部591は、フロアマップに関する情報に基づき、空間に配置される、机、椅子、棚等の障害物に関する情報を取得してもよい。この場合、第1算出部593は、ステップS24において、空間における電波強度の損失(送電効率)を、障害物に関する情報に基づいて導出する。例えば、第1算出部593は、送信機100から受信機200までの経路に障害物が存在する場合、送電効率を所定値まで下げる。第1算出部593は、導出した電波強度の損失等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。ステップS26において、提示制御部594は、空間内を所定の大きさで区切った各領域において算出された電力の強度を、障害物に関する画像と共にディスプレイ541に表示させる。
【0122】
以上のように上記実施形態では、操作受付部591は、空間の状態を表現した図(平面図)に関する情報を取得する。設定部595は、取得した図に関する情報に基づき、配置する送信機の数、及び送信機を配置する位置を、送信機に関する情報として設定する。これにより、ユーザは、送信機の数、配置を自ら入力しなくても、平面図を入力するだけで電力の強度をシミュレーションすることが可能となる。
【0123】
また、上記実施形態では、空間における予め設定した領域について算出した電力の強度が、予め設定した要件を満たすまで、処理を繰り返す。これにより、空間の状態を表現した図に基づいて送信機100の位置を決定する場合であっても、電力が足りない状況を避けることが可能となる。
【0124】
<変形例2>
上記実施形態では、空間における送信機100の配置を決定し、配置された送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する場合を例に説明した。しかしながら、送信機100の配置を先に決定することに限定されない。例えば、第3情報処理装置500は、所望するアプリケーションから必要とされる電力を推定し、推定した電力を供給可能な送信機100の数及び配置を決定するようにしてもよい。
【0125】
図16は、変形例2に係る第3情報処理装置500の構成例を表すブロック図である。図16に示す例では、第3情報処理装置500の制御部590は、操作受付部591と、送受信部592と、第2算出部596と、提示制御部594とを有している。
【0126】
第2算出部596は、WPTシステム1が構築される所定の空間において、ユーザが所望するアプリケーションを利用可能な電力を発生させることが可能なように送信機100を配置する。具体的には、第2算出部596は、例えば、ユーザが所望するアプリケーションを利用可能な電力分布を算出する。第2算出部596は、例えば、所望のアプリケーションを利用可能な電力分布を満たすように、WPTシステム1が構築される空間における送信機100の配置を決定する。
【0127】
提示制御部594は、シミュレーションの結果をユーザに対して提示するため、出力装置54を制御する。具体的には、例えば、提示制御部594は、所望のアプリケーションを利用可能な送信機100の配置をディスプレイ541に表示させる。また、提示制御部594は、配置された送信機100から送信される給電信号により、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度分布をディスプレイ541に表示させる。
【0128】
図17は、送信機100の配置に関するシミュレーションを実施する際の第3情報処理装置500の動作のその他の例を表すフローチャートである。
【0129】
ステップS31において、第3情報処理装置500は、ユーザからアプリケーションに関する情報を取得する。具体的には、第3情報処理装置500の制御部590は、提示制御部594により、空間に関する情報、アプリケーションに関する情報を入力するための入力フォームをディスプレイ541に表示させる。ユーザは、入力装置53を操作し、空間に関する情報、空間内で利用を所望するアプリケーションの位置、及び種類に関する情報を入力する。操作受付部591は、ユーザから入力された情報を受け付ける。
【0130】
図18は、アプリケーションに関する情報の入力フォームの表示例を表す模式図である。図18に示す例では、アプリケーションの選択を受け付けるための領域5416が表示されている。ユーザは、領域5416から所望のアプリケーションを表すアイコンを選択し、空間上において利用を所望する位置へ配置する。
【0131】
ステップS32において、第3情報処理装置500は、シミュレーションの開始指示をユーザから受け付ける。具体的には、図18に示す例では、送信機100の配置に関するシミュレーションを開始するための指示子5418が表示されている。ユーザは、領域5416からアプリケーションを選択し、空間内に配置すると、指示子5418を押下する。操作受付部591は、指示子5418の押下を、シミュレーションの開始指示として受け付ける。
【0132】
ステップS33において、第3情報処理装置500は、ユーザが所望するアプリケーションを利用可能な電力分布を算出する。具体的には、第3情報処理装置500の制御部590は、第2算出部596により、ユーザが選択したアプリケーションの負荷をアプリケーション情報583から読み出す。第2算出部596は、ユーザが選択したアプリケーションが配置された位置、及びユーザが選択したアプリケーションの負荷に基づき、所望のアプリケーションを利用可能な電力分布を算出する。
【0133】
ステップS34において、第3情報処理装置500は、WPTシステム1が構築される空間における送信機100の配置を決定する。具体的には、制御部590は、第2算出部596により、ユーザから入力される空間に関する情報に基づき、所定の規則に則り送信機100を空間に配置させる。送信機100を配置する際の所定の規則は、例えば、所定の間隔で格子状に送信機100を配置する等である。空間に関する情報は、フロアマップに関する情報を解析等することで抽出してもよい。
【0134】
ステップS35において、第3情報処理装置500は、送信機100から送信される給電信号により、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。具体的には、例えば、制御部590は、第2算出部596により、フロアマップに基づいて認識された空間に対し、所定の規則に則って配置される送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第2算出部596は、予め設定されているその他のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0135】
ステップS36において、第3情報処理装置500は、受信機200で発生される電力の強度が、アプリケーションを使用可能な電力強度を満たすか否かを判断する。具体的には、例えば、制御部590は、第2算出部596により、空間内の各領域について算出した電力強度が、ユーザが所望するアプリケーションを利用可能な電力強度を満たすか否かを判断する。領域毎に算出した電力強度が、ユーザが所望するアプリケーションを利用可能な電力強度を満たす場合(ステップS36のYes)、第2算出部596は、処理をステップS37に進める。領域毎に算出した電力強度が、ユーザが所望するアプリケーションを利用可能な電力強度を満たさない場合(ステップS36のNo)、第2算出部596は、処理をステップS38に進める。
【0136】
ステップS37において、第3情報処理装置500は、シミュレーション結果をユーザに提示する。具体的には、例えば、制御部590は、提示制御部594により、所望のアプリケーションを利用可能な送信機100の配置をディスプレイ541に表示させる。また、提示制御部594は、配置された送信機100から送信される給電信号により、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度分布をディスプレイ541に表示させる。
【0137】
図19は、送信機100の配置のシミュレーション結果の例を表す図である。
【0138】
なお、提示制御部594は、フロアマップに送信機100の配置のシミュレーション結果を重畳してもよい。
【0139】
ステップS38において、第3情報処理装置500は、送信機100の配置を決定する。具体的には、例えば、第3情報処理装置500の制御部590は、第2算出部596により、ユーザから入力される空間に関する情報に基づき、先に決定した配置よりも発生される電力の強度が強くなる送信機100の配置を決定する。具体的には、第2算出部596は、例えば、送信機100の数を増やしつつ、送信機100が略均等にばらけるように送信機100を配置させる。第2算出部596は、送信機100の配置を決定すると処理をステップS35に移行させる。
【0140】
図17についての説明では、ステップS31において、操作受付部591は、アプリケーションに関する情報の入力を受け付ける場合を説明した。しかしながら、ステップS31において、操作受付部591は、アプリケーションに関する情報以外の入力を受け付けるようにしてもよい。操作受付部591は、例えば、送信機100の送信電力、送信アンテナ102の利得、受信アンテナ201の利得、整流器202の効率、又はこれらのうち少なくともいずれかの組み合わせの入力を受け付けてもよい。
【0141】
ステップS35において、第2算出部596は、入力された情報に基づき、所定の位置に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。具体的には、例えば、第2算出部596は、空間に配置される1又は複数の送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第2算出部596は、入力された、送信機100の送信電力、送信アンテナ102の利得、受信アンテナ201の利得、整流器202の効率等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0142】
また、ステップS31において、操作受付部591は、整流器202の効率についての入力を受け付けなくてもよい。この場合、第2算出部596は、ステップS35において、受信機200で受信される給電信号の強度を算出する。第2算出部596は、算出した給電信号の強度と、アプリケーションの負荷に関する情報とを整流器情報582に照合させ、整流器202の効率を導出する。第2算出部596は、空間に配置される1又は複数の送信機100から電波が送信されることをシミュレーションする。第2算出部596は、導出した整流器202の効率等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0143】
また、ステップS31において、操作受付部591は、空間の環境条件に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、第2算出部596は、ステップS35において、空間における電波強度の損失(送電効率)を、環境条件に関する情報に基づいて導出する。例えば、記憶部580は、損失を導出するための所定のテーブルを記憶している。当該テーブルには、例えば、空間内の床、天井、壁等の部材の材質と、電波強度の損失とが関連付けられている。第2算出部596は、入力を受け付けた環境条件に関する情報を関連テーブルに照合させ、電波強度の損失を導出する。第2算出部596は、導出した電波強度の損失等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。
【0144】
また、ステップS31において、操作受付部591は、空間に配置され得る、机、椅子、棚等の障害物に関する情報の入力を受け付けてもよい。この場合、第2算出部596は、ステップS35において、空間における電波強度の損失(送電効率)を、障害物に関する情報に基づいて導出する。例えば、第2算出部596は、送信機100から受信機200までの経路に障害物が存在する場合、送電効率を所定値まで下げる。第2算出部596は、導出した電波強度の損失等のパラメータに基づき、送信機100から送信された電波により、空間内を所定の大きさで区切った各領域に配置される受信機200で発生される電力の強度を算出する。なお、第2算出部596は、送電効率を算出するための所定の数式に、障害物に関する情報を代入することで、送電効率を算出してもよい。ステップS37において、提示制御部594は、空間内を所定の大きさで区切った各領域において算出された電力の強度を、障害物に関する画像と共にディスプレイ541に表示させる。
【0145】
また、第3情報処理装置500は、受信機200で発生される電力の強度が所定の要件を満たすまで、送信機100の配置と、受信機200で発生される電力の強度の算出を繰り返してもよい。
【0146】
以上のように、上記実施形態では、操作受付部591は、空間に関する情報、アプリケーションを利用する位置に関する情報、及びアプリケーションの負荷に関する情報を取得する。第2算出部596は、取得した位置に関する情報、及び負荷に関する情報に基づき、アプリケーションを利用可能な電力を電波により供給する送信機100の位置を決定する。提示制御部594は、決定した送信機100の位置を提示する。これにより、使用を所望するアプリケーションに基づき、必要となる送信機の数、位置をシミュレーションすることが可能となる。
【0147】
したがって、本実施形態によれば、ワイヤレスで給電対象に電力を供給する無線送電装置(送信機)の配置を決定することを支援できる。
【0148】
また、上記実施形態では、操作受付部591は、送信機100から空間内の位置までの送電効率、及び給電信号を受信する受信機200に関する情報を取得する。第2算出部596は、位置に関する情報、負荷に関する情報、送電効率、及び受信機200に関する情報に基づき、送信機100の位置を決定する。これにより、ユーザは、種々のパラメータを設定することが可能となるため、シミュレーションの精度が向上することになる。
【0149】
また、上記実施形態では、操作受付部591は、受信機200に関する情報として、受信した電波を整流する整流器202の効率を、受信機200が受信する電波の強度と、アプリケーションの負荷とに基づいて取得する。これにより、受信機200の状況に合わせて整流器202の効率が算出されるようになるため、シミュレーションの精度が向上することになる。
【0150】
また、上記実施形態では、操作受付部591は、空間内に配置される障害物に関する情報を取得する。第2算出部596は、障害物に関する情報に基づき、送信機100の位置を決定する。これにより、机、椅子、棚等の障害物が存在する場合において、電力の強度をシミュレーションすることが可能となる。このため、障害物が存在する環境下での送信機100の配置を検討することが可能となる。
【0151】
また、上記実施形態では、第2算出部596は、空間における予め設定した領域で、給電信号により発生される電力が、予め設定した要件を満たすまで、送信機の位置の決定を繰り返す。これにより、所望のアプリケーションに基づいて送信機100の位置を決定する場合であっても、電力が足りない領域が発生することを避けることが可能となる。
【0152】
上記実施形態では、給電信号により発生される電力の強度分布を2次元で表現する場合を説明した。しかしながら、第3情報処理装置500は、電力の強度分布を2次元で表現することに限定されない。第3情報処理装置500は、電力の強度分布を複数のレイヤーの高さでシミュレーションすることで、電力強度の分布を3次元で表現してもよい。このとき、第3情報処理装置500は、複数の高さにおける電力強度の分布を2次元で表してもよい。
【0153】
<4 コンピュータの基本ハードウェア構成>
図20は、コンピュータ90の基本的なハードウェア構成を示すブロック図である。コンピュータ90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、通信IF99(インタフェース、Interface)を少なくとも備える。これらはバスにより相互に電気的に接続される。
【0154】
プロセッサ91とは、プログラムに記述された命令セットを実行するためのハードウェアである。プロセッサ91は、演算装置、レジスタ、周辺回路等から構成される。
【0155】
主記憶装置92とは、プログラム、及びプログラム等で処理されるデータ等を一時的に記憶するためのものである。例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性のメモリである。
【0156】
補助記憶装置93とは、データ及びプログラムを保存するための記憶装置である。例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
【0157】
通信IF99とは、有線又は無線の通信規格を用いて、他のコンピュータとネットワークを介して通信するための信号を入出力するためのインタフェースである。
ネットワークは、インターネット、LAN、無線基地局等によって構築される各種移動通信システム等で構成される。例えば、ネットワークには、3G、4G、5G移動通信システム、LTE(Long Term Evolution)、所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標))等が含まれる。無線で接続する場合、通信プロトコルとして例えば、Z-Wave(登録商標)、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等が含まれる。有線で接続する場合は、ネットワークには、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等により直接接続するものも含む。
【0158】
なお、各ハードウェア構成の全部または一部を複数のコンピュータ90に分散して設け、ネットワークを介して相互に接続することによりコンピュータ90を仮想的に実現することができる。このように、コンピュータ90は、単一の筐体、ケースに収納されたコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0159】
<コンピュータ90の基本機能構成>
図20に示すコンピュータ90の基本ハードウェア構成により実現されるコンピュータの機能構成を説明する。コンピュータは、制御部、記憶部、通信部の機能ユニットを少なくとも備える。
【0160】
なお、コンピュータ90が備える機能ユニットは、それぞれの機能ユニットの全部または一部を、ネットワークで相互に接続された複数のコンピュータ90に分散して設けても実現することができる。コンピュータ90は、単一のコンピュータ90だけでなく、仮想化されたコンピュータシステムも含む概念である。
【0161】
制御部は、プロセッサ91が補助記憶装置93に記憶された各種プログラムを読み出して主記憶装置92に展開し、当該プログラムに従って処理を実行することにより実現される。制御部は、プログラムの種類に応じて様々な情報処理を行う機能ユニットを実現することができる。これにより、コンピュータは情報処理を行う情報処理装置として実現される。
【0162】
記憶部は、主記憶装置92、補助記憶装置93により実現される。記憶部は、データ、各種プログラム、各種データベースを記憶する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置92または補助記憶装置93に確保することができる。また、制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶されたデータの追加、更新、削除処理を実行させることができる。
【0163】
データベースは、リレーショナルデータベースを指し、行と列によって構造的に規定された表形式のテーブルと呼ばれるデータ集合を、互いに関連づけて管理するためのものである。データベースでは、表をテーブル、表の列をカラム、表の行をレコードと呼ぶ。リレーショナルデータベースでは、テーブル同士の関係を設定し、関連づけることができる。
通常、各テーブルにはレコードを一意に特定するためのキーとなるカラムが設定されるが、カラムへのキーの設定は必須ではない。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、記憶部に記憶された特定のテーブルにレコードを追加、削除、更新を実行させることができる。
【0164】
通信部は、通信IF99により実現される。通信部は、ネットワークを介して他のコンピュータ90と通信を行う機能を実現する。通信部は、他のコンピュータ90から送信された情報を受信し、制御部へ入力することができる。制御部は、各種プログラムに従ってプロセッサ91に、受信した情報に対する情報処理を実行させることができる。また、通信部は、制御部から出力された情報を他のコンピュータ90へ送信することができる。
【0165】
以上、本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0166】
また、以上の説明において、「プロセッサ」は、1以上のプロセッサである。少なくとも1つのプロセッサは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。
【0167】
また、少なくとも1つのプロセッサは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサでもよい。
【0168】
また、以上の説明において、「xxxテーブル」といった表現により、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、この情報は、どのような構造のデータでもよいし、入力に対する出力を発生するニューラルネットワークのような学習モデルでもよい。従って、「xxxテーブル」を「xxx情報」と言うことができる。
【0169】
また、以上の説明において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部又は一部が1つのテーブルであってもよい。
【0170】
また、以上の説明において、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶部及び/又はインタフェース部などを用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(或いは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス、マイコン)とされてもよい。
【0171】
プログラムは、計算機のような装置にインストールされてもよいし、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体にあってもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0172】
また、以上の説明において、種々の対象の識別情報として、識別番号が使用されるが、識別番号以外の種類の識別情報(例えば、英字や符号を含んだ識別子)が採用されてもよい。
【0173】
また、以上の説明において、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号(又は、参照符号のうちの共通符号)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、要素の識別番号(又は参照符号)を使用することがある。
【0174】
また、以下の説明において、制御線や情報線は、説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。全ての構成が相互に接続されていてもよい。
【0175】
<付記>
以上の各実施形態で説明した事項を以下に付記する。
(付記1)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、所定の空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する送信機に関する情報を取得するステップと、送信機に関する情報に基づき、空間内の複数の位置において、給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出するステップと、算出した電力の強度の分布を提示するステップとを実行させるプログラム。
(付記2)
取得するステップにおいて、送信機から空間内の位置までの送電効率、受信機に関する情報を取得し、算出するステップにおいて、送信機に関する情報、送電効率、受信機に関する情報に基づき、電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出する(付記1)に記載のプログラム。
(付記3)
取得するステップにおいて、受信機に関する情報として、受信した電波を整流する整流器の効率を、受信機が受信する電波の強度と、受信機に係る負荷とに基づいて取得する(付記2)に記載のプログラム。
(付記4)
取得するステップにおいて、空間内に配置される障害物に関する情報を取得し、算出するステップにおいて、障害物に関する情報に基づき、電力の強度を算出する(付記1)から(付記3)のいずれかに記載のプログラム。
(付記5)
取得するステップにおいて、空間の状態を表現した図に関する情報を取得し、取得した図に関する情報に基づき、配置する送信機の数、及び送信機を配置する位置を、送信機に関する情報として設定するステップをプロセッサに実行させる(付記1)から(付記4)のいずれかに記載のプログラム。
(付記6)
空間における予め設定した領域について算出した電力の強度が、予め設定した要件を満たすまで、前記設定するステップと、前記算出するステップとを繰り返す(付記1)から(付記5)のいずれかに記載のプログラム。
(付記7)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムであって、プログラムは、プロセッサに、空間に関する情報、アプリケーションを利用する位置に関する情報、及び前記アプリケーションの負荷に関する情報を取得するステップと、取得した位置に関する情報、及び負荷に関する情報に基づき、アプリケーションを利用可能な電力を電波により供給する送信機の位置を決定するステップと、決定した送信機の位置を提示するステップとをプロセッサに実行させるプログラム。
(付記8)
取得するステップにおいて、送信機から空間内の位置までの送電効率、及び電波を受信する受信機に関する情報を取得し、決定するステップにおいて、位置に関する情報、負荷に関する情報、送電効率、及び受信機に関する情報に基づき、送信機の位置を決定する(付記7)に記載のプログラム。
(付記9)
取得するステップにおいて、受信機に関する情報として、受信した電波を整流する整流器の効率を、受信機が受信する電波の強度と、アプリケーションの負荷とに基づいて取得する(付記8)に記載のプログラム。
(付記10)
取得するステップにおいて、空間内に配置される障害物に関する情報を取得し、決定するステップにおいて、障害物に関する情報に基づき、送信機の位置を決定する(付記7)から(付記9)のいずれかに記載のプログラム。
(付記11)
決定するステップにおいて、空間における予め設定した領域で、電波により発生される電力が、予め設定した要件を満たすまで、送信機の位置の決定を繰り返す(付記7)から(付記10)のいずれかに記載のプログラム。
(付記12)
プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行される方法であって、プロセッサが、(付記1)から(付記11)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する方法。
(付記13)
制御部と、記憶部とを備える情報処理装置であって、制御部が、(付記1)から(付記11)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する情報処理装置。
(付記14)
(付記1)から(付記11)のいずれかに係る発明において実行される全てのステップを実行する手段を備えるシステム。
【符号の説明】
【0176】
1…WPTシステム
100…送信機
101…発振器
102…送信アンテナ
103…マイコン
104…データ送受信機
105…データ送受信アンテナ
200…受信機
201…受信アンテナ
202…整流器
203…電力管理部
204…蓄電部
205…マイコン
206…データ送受信機
207…データ送受信アンテナ
300…第1情報処理装置
400…第2情報処理装置
500…第3情報処理装置

【要約】
【課題】ワイヤレスで給電対象に電力を供給する無線送電装置の配置を決定することを支援する。
【解決手段】 プロセッサと、メモリとを備えるコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムは、プロセッサに、所定の空間に配置する、電波を放射することで給電信号を送信する送信機に関する情報を取得するステップと、送信機に関する情報に基づき、空間内の複数の位置において、給電信号を受信する受信機で発生される電力の強度を算出するステップと、算出した電力の強度の分布を提示するステップとを実行させる。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
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図20