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  • 特許-タイヤ洗浄装置の軸受構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】タイヤ洗浄装置の軸受構造
(51)【国際特許分類】
   B60S 3/04 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
B60S3/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023099454
(22)【出願日】2023-06-16
【審査請求日】2023-11-15
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522202698
【氏名又は名称】大山 雅也
(74)【代理人】
【識別番号】100142941
【弁理士】
【氏名又は名称】京和 尚
(72)【発明者】
【氏名】大山 章博
【審査官】佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-083522(JP,U)
【文献】特開2000-071946(JP,A)
【文献】特開2011-088459(JP,A)
【文献】特開2016-032970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽内に車両支持リブと軸受構造を設け、中央部に支軸ピンを有するアームの一端がタイヤ踏掛部に構成され、且つ前記支軸ピンの反対側が柄杓機能部に構成された洗浄機能プレートが、前記軸受構造に支えられた前記支軸ピンを中心として、シーソー状に揺動するタイヤ洗浄装置の軸受構造において、
前記軸受構造は、
前記支軸ピンが嵌入される内側ブシュと、
前記内側ブシュと組み合わされる外側ブシュと、
前記車両支持リブの両端部若しくはその延長方向上に設けられ、前記外側ブシュを上下方向に着脱可能な、前記外側ブシュが納まる形状・寸法にU字溝が形成されているU字形部材と、を備え、
前記洗浄機能プレートがシーソー状に揺動する際には、前記内側ブシュの外周面と前記外側ブシュの内周面とが相互に摺動することを特徴とするタイヤ洗浄装置の軸受構造。
【請求項2】
前記支軸ピンは、外周面に平行溝が切削加工され、
前記内側ブシュは、前記支軸ピンに嵌入されたのち、外周面にポンチ打刻されることで、内周面の一部が前記平行溝に突出する突出部が形成され、
前記平行溝と前記突出部が噛み合うことで、前記支軸ピンに対し前記内側ブシュが回り止めされることを特徴とする、請求項1に記載されたタイヤ洗浄装置の軸受構造。
【請求項3】
前記U字形部材は、少なくとも一方に上方に伸びる伸長部を備え、当該伸長部に前記U字形部材のU字溝と直交する穴が明けられ、当該穴に挿通されるボルトにより、前記外側ブシュが上方向への外れ止めされることを特徴とする、請求項1に記載されたタイヤ洗浄装置の軸受構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ洗浄装置の洗浄機能プレートの支軸ピンに用いられる軸受構造の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
土木建設現場等に出入りするダンプトラック等のタイヤには現場内の泥土が付着することが多く、そのまま現場から一般道路に出ると泥土が落下散乱して路上を汚し、頻繁な路上清掃が必要となる。特に降雨後には湿潤した泥土が帯状に延々と路上に残り、景観を損なう。さらに、乾燥後は粉塵となって舞い上がり、周辺住民の住環境を損ね環境問題にも発展しかねない。
【0003】
上記問題を解決するものとして、本件出願人は、水槽内に車両支持リブと軸受を設け、中央部に支軸ピンを有するアームの一端がタイヤ踏掛部で且つ支点反対側が柄杓機能部に構成された洗浄機能プレートが、前記軸受に支えられた前記支軸ピンを中心として、シーソー状に揺動する「タイヤ洗浄装置」についての特許を受けている(特許第5152596号)。
【0004】
上記特許発明に係るタイヤ洗浄装置(以下、「本洗浄装置」という。)は、車両が水槽内を通過する際に車両のタイヤがタイヤ踏掛部を下方に押し下げることで、その支点反対側に設けられた柄杓機能部に蓄えられた水がタイヤに打ち掛けられるという効果が連続的に得られ、水中での段差走行によるタイヤの上下運動と併せて効果的にタイヤ洗浄できるものである。
【0005】
本洗浄装置は、車両自身の移動エネルギーを利用する為、水掛け作業のための動力を必要とせず、タイヤ洗浄のための作業員も不要である。また、機械作動のスイッチ操作が必要ない為、停車及び車両運転者の降車も無く円滑にタイヤ洗浄を行える。さらに、単純構造なので故障が極めて少なく修理も簡単である。このように、本洗浄装置は、非常に優れた特徴を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5152596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、本洗浄装置は軸受が水槽内の泥水に浸かった状態で洗浄機能プレートが支軸ピンを中心にシーソー状に揺動するものであるため、支軸ピンと支軸ピンを支える軸受との間に泥水が入り込むと、泥水に含まれる砂の粒子に削られ支軸ピンと軸受の摺動面が摩耗する可能性がある。
【0008】
支軸ピンは、洗浄機能プレートを構成するアームに溶接されて一体に構成されたものであるので、摩耗した支軸ピンのみを交換するのは困難である。また、軸受も車両支持リブに溶接されて一体に構成されたものであるので、軸受のみの交換も困難である。支軸ピンのみ、及び軸受のみを簡単に着脱・交換可能な構造とできれば良いが、強度面及び信頼性の面から現実的な対応ではない。
【0009】
一方、軸受にオイルシール(又はダストシール)を装着することで、軸受の摺動面に泥水が入らないようにすることで摩耗を抑える方策も考えられる。しかし、軸受が受ける荷重が大きくかつ衝撃も伴うものであり動作環境が過酷なため、オイルシールの信頼性・耐久性の面で問題がある。また、本洗浄装置は多数の洗浄機能プレートを有しており軸受の個数が多い。そのため多数のオイルシールを必要とし、装置全体として非常にコストアップにもなってしまう。これらの理由から、オイルシールを用いることも現実的な解決手段ではない。
【0010】
そこで、本件出願人は、本洗浄装置の改良発明として、摺動部分が摩耗しても部品の交換が容易でコストにも優れた、本洗浄装置に使用される新たな軸受構造を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第1の発明に係るタイヤ洗浄装置の軸受構造は、水槽内に車両支持リブと軸受構造を設け、中央部に支軸ピンを有するアームの一端がタイヤ踏掛部に構成され、且つ前記支軸ピンの反対側が柄杓機能部に構成された洗浄機能プレートが、前記軸受構造に支えられた前記支軸ピンを中心として、シーソー状に揺動するタイヤ洗浄装置の軸受構造において、前記軸受構造は、前記支軸ピンが嵌入される内側ブシュと、前記内側ブシュと組み合わされる外側ブシュと、前記車両支持リブの両端部若しくはその延長方向上に設けられ、前記外側ブシュを上下方向に着脱可能なU字形部材と、を備え、前記洗浄機能プレートがシーソー状に揺動する際には、前記内側ブシュの外周面と前記外側ブシュの内周面とが相互に摺動することを特徴とする。
【0012】
第1の発明に係るタイヤ洗浄装置の軸受構造は、内側ブシュの外周面と前記外側ブシュの内周面とが摩耗するようになっているので、軸受構造が摩耗しても内側ブシュと外側ブシュのみを交換するだけでよい。そのため、交換が容易で低コストである。
【0013】
第2の発明に係るタイヤ洗浄装置の軸受構造は、前記支軸ピンは、外周面に平行溝が切削加工され、前記内側ブシュは、前記支軸ピンに嵌入されたのち、外周面にポンチ打刻されることで、内周面の一部が前記平行溝に突出する突出部が形成され、前記平行溝と前記突出部が噛み合うことで、前記支軸ピンに対し前記内側ブシュが回り止めされることを特徴とする。
【0014】
第2の発明に係るタイヤ洗浄装置の軸受構造は、簡単な構成で支軸ピンに対する内側ブシュの回り止めすることができる。また、打刻による突出部を支軸ピンの平行溝に沿って軸方向に動かすことで容易に支軸ピンから内側ブシュを取り外すことができる。
【0015】
第3の発明に係るタイヤ洗浄装置の軸受構造は、前記U字形部材は、少なくとも一方に上方に伸びる伸長部を備え、当該伸長部に前記U字形部材のU字溝と直交する穴が明けられ、当該穴に挿通されるボルトにより、前記外側ブシュが上方向への外れ止めされることを特徴とする。
【0016】
第3の発明に係るタイヤ洗浄装置の軸受構造は、ボルトを外せば容易に外側ブシュを取り外すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本願発明によれば、摩耗しても部品の交換が容易でコストにも優れた、本洗浄装置に使用可能な新たな軸受構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本洗浄装置を用いてダンプのタイヤを洗浄している状況の説明図である。
図2図1のA内部詳細図であって、水槽内の水がタイヤに打ち掛けられる様子の説明図である。
図3図3は、図1のB矢視図であって、本洗浄装置と渡り板装置を上方から見た図である。
図4図3のC-C矢視断面詳細図であって、洗浄機能プレートが配列されている状態を示す図である。
図5】洗浄機能プレート単体の斜視詳細図である。
図6】洗浄機能プレートが組み合わされる車両支持リブの斜視詳細図である。
図7図5のD-D矢視図であって、内側ブシュに洗浄機能プレートの支軸ピンが嵌入されている状態の説明図である。
図8図6のE矢視図のU字形部材のU字溝に、外側ブシュが嵌入されたときの状態を説明する図である。
図9】本洗浄装置の軸受構造の斜視図である。
図10図9のF-F矢視詳細図であって、軸受構造の詳細図である。
図11図10の軸受構造の内側ブシュと外側ブシュとを交換する手順の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本洗浄装置1を用いてダンプ2の泥土が付着したタイヤ3を洗浄している状況の説明図である。本洗浄装置1は、工事現場の出口付近の地面4上に設置されており、その前後には渡り板装置5が設置されている。ダンプ2が後方から前方に向け本洗浄装置1を走行するだけで、泥土が付着したタイヤ3を洗浄することができる。
【0020】
図2は、図1のA内部詳細図であって、ダンプ2が本洗浄装置1の水槽6内を通過する際にタイヤ3が洗浄機能プレート7のタイヤ踏掛部13を次々と下方に押し下げることで、その支点反対側に設けられた柄杓機能部16に蓄えられた水10がタイヤ3に打ち掛けられる様子を説明している。
【0021】
図3は、図1のB矢視図であって、本洗浄装置1と渡り板装置5を上方から見た図である。本洗浄装置1は、左側洗浄装置1Lと右側洗浄装置1Rとから構成されている。左側洗浄装置1Lと右側洗浄装置1Rには、その前後にそれぞれ渡り板装置5が設置されている。左側洗浄装置1Lと右側洗浄装置1Rには、複数の洗浄機能プレート7がそれぞれの水槽6内に前後方向に等間隔で配置されている。
【0022】
図4は、図3のC-C矢視断面詳細図であって、水槽6内に洗浄機能プレート7が配列されている状態を示す図である。水槽6内に着脱自在に配置される長尺の前後方向部材11の上面には、複数の車両支持リブ12が前後等間隔で配列され溶接により固定されている。本洗浄装置1をダンプ2が通過する際のダンプ2の重量は、車両支持リブ12によって支えられるようになっている。その際、タイヤ3が洗浄機能プレート7のタイヤ踏掛部13を踏むことで、軸受構造14に枢支された支軸ピン15を中心として洗浄機能プレート7がシーソー状に揺動し、柄杓機能部16が水を跳ねかけるようになっている。
【0023】
図5は、洗浄機能プレート7単体の斜視詳細図である。洗浄機能プレート7は、支軸ピン15を中央部に有するアーム17の一端(前端)がタイヤ踏掛部13で、支軸ピン15を挟んでアーム17の他端(後端)が柄杓機能部16で構成されている。図5に示すように、洗浄機能プレート7は、一対のアーム17が左右平行に配置され、アーム17の中央部の一対の支軸ピン15が同軸上で向かい合ってアーム17に取り付けられている。アーム17の材料としては、厚い鋼板あるいは平鋼などが用いられる。タイヤ踏掛部13は長尺部材で構成されており、アーム17の前端同志を連絡して溶接固定されている。タイヤ踏掛部13の材料としては、丸棒鋼あるいは鉄筋などが用いられる。柄杓機能部16は、前後上下方向の面で切った断面が上方に向いて凹んだ形状の板状の長尺部材で構成されており、アーム17の後端同志を連絡している。柄杓機能部16は、鋼板を曲げて作っても良いし、複数の鋼板を溶接して製作してもよい。
【0024】
図5に示すように、支軸ピン15には、外周面に平行溝18が切削加工されている。内側ブシュ20は、支軸ピン15とほぼ同じ長さのパイプ材であって、支軸ピン15が嵌入可能な内径となっている。内側ブシュ20にはステンレスパイプなどが用いられる。内側ブシュ20は、支軸ピン15に嵌入されたのち、外周面にポンチ打刻21されることで、内側ブシュ20の内周面の一部が平行溝18内に突出する突出部が形成される。支軸ピン15の平行溝18と内側ブシュ20内周面からの突出部が噛み合うことで、支軸ピン15に対し内側ブシュ20が回り止めされる。
【0025】
図5に示すように、外側ブシュ30は、内側ブシュ20と組み合わされる。外側ブシュ30は、内側ブシュ20とほぼ同じ長さのパイプ材であって、内側ブシュ20が嵌入可能な内径となっている。外側ブシュ30には、ステンレスパイプなどが用いられる。
【0026】
図6は、上述した洗浄機能プレート7(図5参照)が組み合わされる車両支持リブ12の斜視詳細図である。車両支持リブ12には、等辺山形鋼(アングル)を用いることができる。水槽6(図3参照)内に着脱可能な長さの2つの基台部材32が平行に配置された状態で、複数の車両支持リブ12が等間隔に平行配置され、溶接されている。基台部材32にも、等辺山形鋼(アングル)が用いられている。車両支持リブ12は、アングルの頂点が上方を向いた姿勢となっている。また、車両支持リブ12のアングルの頂点には、タイヤを傷つけないために棒鋼33が溶接されている。
【0027】
図6に示すように、車両支持リブ12の左右両端部には、一対のU字形部材34が溶接されている。U字形部材34は、外側ブシュ30(図5参照)が納まる形状・寸法にU字溝35が形成されている。また、U字形部材34は、少なくとも1つの上方に伸びる伸長部36を備えており、その伸長部36には穴37が明けられている。
【0028】
図7は、図5のD-D矢視図であって、内側ブシュ20に洗浄機能プレート7の支軸ピン15が嵌入されている状態を説明する図である。内側ブシュ20は、支軸ピン15に嵌入されたのち、外周面にポンチ打刻21されることで、内側ブシュ20の内周面の一部が平行溝18内に突出する突出部22が形成される。支軸ピン15の平行溝18と内側ブシュ20の突出部22が噛み合うことで、支軸ピン15に対し内側ブシュ20が回り止めされている。
【0029】
図8は、図6のE矢視図のU字形部材34のU字溝35に、外側ブシュ30が嵌入されたときの状態の説明図である。この時、伸長部36の穴37にボルト40が挿通されナット41が掛けられることで、外側ブシュ30がU字形部材34の上方への外れ止めされている。
【0030】
図9は、本洗浄装置1の軸受構造14の斜視図である。中央部に支軸ピン15を有するアーム17の一端(前端)がタイヤ踏掛部13で且つ支点反対側(後端)が柄杓機能部16で構成された洗浄機能プレート7が、軸受構造14に支えられた支軸ピン15を中心として、シーソー状に揺動するようになっている。このとき、洗浄機能プレート7がシーソー状に揺動する際には、内側ブシュ20(図7参照)の外周面と外側ブシュ30(図8参照)の内周面とが相互に摺動する。
【0031】
このため、泥水が軸受構造14に侵入しても、内側ブシュ20の外周面と外側ブシュ30の内周面のみ摩耗する。そのため、内側ブシュ20の外周面と外側ブシュ30の内周面との摩耗が進んだときは、内側ブシュ20と外側ブシュ30のみを交換するだけでよい。
すなわち、洗浄機能プレート7の支軸ピン15の外周面、あるいはU字形部材34のU字溝35の内周面は摩耗しないので、支軸ピン15とU字形部材34は交換する必要がない。
【0032】
図10は、図9のF-F矢視詳細図であって、軸受構造14の詳細図である。軸受構造14は、支軸ピン15が嵌入される内側ブシュ20と、内側ブシュ20と組み合わされる外側ブシュ30と、外側ブシュ30を上部から脱着可能なU字形部材34と、から構成されている。
【0033】
図11は、図10の軸受構造14の内側ブシュ20と外側ブシュ30とを交換する手順の説明図である。
ボルト40からナット41を外したのち、ボルト40をU字形部材34の穴37から抜き出す。すると、洗浄機能プレート7は、支軸ピン15に内側ブシュ20と外側ブシュ30を嵌入したままの状態で、U字形部材34の上方に取り外すことができる。すると、外側ブシュ30は、アーム17から離れる方向となる支軸ピン15の軸方向に抜き出すことができる。その後、内側ブシュ20の突出部22を支軸ピン15の平行溝18に沿ってスライドさせることで、内側ブシュ20を支軸ピン15の軸方向に抜き出すことができる。このように、摩耗した内側ブシュ20と外側ブシュ30を容易に取り外すことができる。
【0034】
軸受構造14への新しい内側ブシュ20と外側ブシュ30の装着は以下の手順で行うことができる。
まず、洗浄機能プレート7の支軸ピン15に新しい内側ブシュ20に嵌入させる。その後、支軸ピン15の平行溝18の位置で、内側ブシュ20の外周面をポンチ打刻することで、内側ブシュ20の内周面から支軸ピン15の平行溝18への突出部22を形成する。これにより、新しい内側ブシュ20は、支軸ピン15に対する回り止めすることができる。さらに、新しい内側ブシュ20に対し新しい外側ブシュ30を組合せる。そして、車両支持リブ12(図7)に対して洗浄機能プレート7(図6)を、軸受構造14によって組み合わせる。ボルト40をU字形部材34の穴37に通したのち、ボルト40にナット41を掛ける。すると、洗浄機能プレート7は、支軸ピン15に新しい内側ブシュ20と新しい外側ブシュ30を嵌入した状態で、U字形部材34の上方への抜け止めされる。
【0035】
以上説明したように、本発明のタイヤ洗浄装置1の軸受構造14によれば、軸受構造14の摺動部分が摩耗しても内側ブシュ20と外側ブシュ30を交換するだけで良い。またその交換作業も容易である。さらに、内側ブシュ20と外側ブシュ30は安価であるので、メンテナンスコストにも優れた軸受け構造となる。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、本発明はこれら実施の形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、特許請求の範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0037】
1:タイヤ洗浄装置
6:水槽
7:洗浄機能プレート
12:車両支持リブ
13:タイヤ踏掛部
14:軸受構造
15:支軸ピン
16:柄杓機能部
17:アーム
18:平行溝
20:内側ブシュ
21:ポンチ打刻
22:突出部
30:外側ブシュ
34:U字形部材
36:伸長部
37:穴
40:ボルト
【要約】
【課題】 摺動部分が摩耗しても部品の交換が容易でコストにも優れた、タイヤ洗浄装置の軸受構造を提案する。
【解決手段】 洗浄機能プレート7が、軸受構造14に支えられた支軸ピン15を中心として、シーソー状に揺動するタイヤ洗浄装置の軸受構造14において、前記軸受構造14は、前記支軸ピン15が嵌入される内側ブシュ20と、前記内側ブシュ20と組み合わされる外側ブシュ30と、車両支持リブ12の両端部若しくはその延長方向上に設けられ、前記外側ブシュ30を上部から脱着可能なU字形部材34と、を備え、前記洗浄機能プレート7がシーソー状に揺動する際には、前記内側ブシュ20の外周面と前記外側ブシュ30の内周面とが相互に摺動する。
【選択図】 図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11