(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】多言語ナビゲーション装置、多言語ナビゲーションシステムおよび多言語ナビゲーションプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20240111BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240111BHJP
G06F 40/58 20200101ALI20240111BHJP
【FI】
H04N7/15
G06Q10/00
G06F40/58
(21)【出願番号】P 2023134105
(22)【出願日】2023-08-21
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2023123354
(32)【優先日】2023-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】323008408
【氏名又は名称】アルナチャラム サクティ ベンカットナラヤナン
(74)【代理人】
【識別番号】100117558
【氏名又は名称】白井 和之
(72)【発明者】
【氏名】アルナチャラム サクティ ベンカットナラヤナン
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0089174(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第115048949(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第113472743(CN,A)
【文献】特開2003-058454(JP,A)
【文献】特開平04-276859(JP,A)
【文献】特開2021-027430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/15
G06Q 10/00
G06F 40/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置が用いられる複数の端末装置とネットワークを介して接続され、前記表示装置を用いた多言語ナビゲーションを前記複数の端末装置それぞれに提供する多言語ナビゲーション装置であって、
前記複数の端末装置のいずれか一つを前記表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、該主催者端末を除く前記複数の端末装置のすべてを前記表示装置を用いて前記ナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、
前記主催者端末に設定された前記端末装置の前記表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いて前記ナビゲーション操作説明が行われているときに、前記分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、
該画面捕捉手段によって捕捉された前記ナビゲーション画面を複製し、該ナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字を該ナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、前記ナビゲーション文字の表示を前記別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を前記分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、
前記ナビゲーション画面および前記翻訳ナビゲーション画面を用いて前記前記主催者端末および前記参加者端末すべてにおいて前記多言語ナビゲーションが実行されるように、前記翻訳ナビゲーション画面を前記主催者端末および前記参加者端末すべてに配布し、前記ナビゲーション画面を前記主催者端末を除く前記参加者端末すべてに配布する配布手段と、
前記主催者端末で使用される主催者言語と、前記参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段とを有し、
前記複製翻訳手段は、前記言語選択手段によって選択された前記主催者言語および前記参加者言語をそれぞれ前記ナビゲーション言語および前記別言語として用いることによって、前記ナビゲーション文字を前記別ナビゲーション文字に翻訳して前記参加者端末それぞれに応じて前記翻訳ナビゲーション画面を生成し、
前記配布手段は、前記参加者端末のそれぞれで選択された前記参加者言語を用いて生成された前記翻訳ナビゲーション画面が一つずつ前記主催者端末における前記分割画面の他方に表示されるように、前記複製翻訳手段によって生成された前記翻訳ナビゲーション画面をすべて前記主催者端末に配布する多言語ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記言語選択手段によって選択された前記主催者言語と、前記参加者言語との組み合わせを前記参加者端末それぞれについて翻訳パターンとして設定する翻訳パターン設定手段と、
該翻訳パターン設定手段により設定された前記翻訳パターンを記憶する翻訳パターン記憶手段と、
該翻訳パターン設定手段により設定された前記翻訳パターンを前記翻訳パターン記憶手段に記憶させる翻訳パターン記憶制御手段とを更に有し、
前記複製翻訳手段は、前記翻訳パターン記憶手段に記憶されている前記翻訳パターンにしたがい、前記主催者言語と前記参加者言語とを決定する請求項1記載の多言語ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ナビゲーション文字の長さと、前記別ナビゲーション文字の長さとが相違するときに、前記ナビゲーション文字の表示部のサイズを前記別ナビゲーション文字の長さに対応したサイズに変更するレイアウト変更を実行するレイアウト変更手段を更に有する請求項1または2記載の多言語ナビゲーション装置。
【請求項4】
表示装置が用いられる複数の端末装置と、前記表示装置を用いた多言語ナビゲーションを前記複数の端末装置それぞれに提供する多言語ナビゲーション装置とを有する多言語ナビゲーションシステムであって、
前記多言語ナビゲーション装置は、複数の端末装置のいずれか一つを前記表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、該主催者端末を除く前記複数の端末装置のすべてを前記表示装置を用いて前記ナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、
前記主催者端末に設定された前記端末装置の前記表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いて前記ナビゲーション操作説明が行われているときに、前記分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、
該画面捕捉手段によって捕捉された前記ナビゲーション画面を複製し、該ナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字を該ナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、前記ナビゲーション文字の表示を前記別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を前記分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、
前記ナビゲーション画面および前記翻訳ナビゲーション画面を用いて前記主催者端末および前記参加者端末すべてにおいて前記多言語ナビゲーションが実行されるように、前記翻訳ナビゲーション画面を前記主催者端末および前記参加者端末すべてに配布し、前記ナビゲーション画面を前記主催者端末を除く前記参加者端末すべてに配布する配布手段と、
前記主催者端末で使用される主催者言語と、前記参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段とを有し、
前記複製翻訳手段は、前記言語選択手段によって選択された前記主催者言語および前記参加者言語をそれぞれ前記ナビゲーション言語および前記別言語として用いることによって、前記ナビゲーション文字を前記別ナビゲーション文字に翻訳して前記参加者端末それぞれに応じて前記翻訳ナビゲーション画面を生成し、
前記配布手段は、前記参加者端末のそれぞれで選択された前記参加者言語を用いて生成された前記翻訳ナビゲーション画面が一つずつ前記主催者端末における前記分割画面の他方に表示されるように、前記複製翻訳手段によって生成された前記翻訳ナビゲーション画面をすべて前記主催者端末に配布する多言語ナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記複数の端末装置は、それぞれの前記表示装置に表示される前記分割画面の一方を前記ナビゲーション操作説明が行われる主催者画面とし、かつ他方を前記ナビゲーション操作説明が視聴される参加者画面とする表示制御を実行する表示制御手段を有する請求項4記載の多言語ナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記端末装置のうちの前記主催者端末に設定された前記端末装置に、前記配布手段によって配布される前記翻訳ナビゲーション画面のうちのいずれか一つを前記参加者画面に表示される選択翻訳ナビゲーション画面として選択させる画面選択手段が更に設けられ、
前記表示制御手段は、前記画面選択手段を用いて選択された前記翻訳ナビゲーション画面が前記参加者画面に表示されるように表示切替を実行する請求項5記載の多言語ナビゲーションシステム。
【請求項7】
表示装置が用いられる複数の端末装置とネットワークを介して接続され、前記表示装置を用いた多言語ナビゲーションを前記複数の端末装置それぞれに提供する多言語ナビゲーション装置としてコンピュータを機能させるための多言語ナビゲーションプログラムであって、該コンピュータを
前記複数の端末装置のいずれか一つを前記表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、該主催者端末を除く前記複数の端末装置のすべてを前記表示装置を用いて前記ナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、
前記主催者端末に設定された前記端末装置の前記表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いて前記ナビゲーション操作説明が行われているときに、前記分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、
該画面捕捉手段によって捕捉された前記ナビゲーション画面を複製し、該ナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字を該ナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、前記ナビゲーション文字の表示を前記別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を前記分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、
前記ナビゲーション画面および前記翻訳ナビゲーション画面を用いて前記主催者端末および前記参加者端末すべてにおいて前記多言語ナビゲーションが実行されるように、前記翻訳ナビゲーション画面を前記主催者端末および前記参加者端末すべてに配布し、前記ナビゲーション画面を前記主催者端末を除く前記参加者端末すべてに配布する配布手段と、
前記主催者端末で使用される主催者言語と、前記参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段として機能させ、
前記複製翻訳手段は、前記言語選択手段によって選択された前記主催者言語および前記参加者言語をそれぞれ前記ナビゲーション言語および前記別言語として用いることによって、前記ナビゲーション文字を前記別ナビゲーション文字に翻訳して前記参加者端末それぞれに応じて前記翻訳ナビゲーション画面を生成し、
前記配布手段は、前記参加者端末のそれぞれで選択された前記参加者言語を用いて生成された前記翻訳ナビゲーション画面が一つずつ前記主催者端末における前記分割画面の他方に表示されるように、前記複製翻訳手段によって生成された前記翻訳ナビゲーション画面をすべて前記主催者端末に配布する多言語ナビゲーションプログラム。
【請求項8】
表示装置が用いられ
る2以上の端末装置であって、ネットワークを介して接続されている
該2以上の端末装置に、前記表示装置を用いた多言語ナビゲーションを提供する多言語ナビゲーション装置としてコンピュータを機能させるための多言語ナビゲーションプログラムであって、該コンピュータを
前記
2以上の端末装置のいずれか一つを前記表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、該主催者端末を除く
前記2以上の端末装置のすべてを前記表示装置を用いて前記ナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、
前記主催者端末に設定された前記端末装置の前記表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いて前記ナビゲーション操作説明が行われているときに、前記分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、
該画面捕捉手段によって捕捉された前記ナビゲーション画面を複製し、該ナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字を該ナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、前記ナビゲーション文字の表示を前記別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を前記分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、
前記ナビゲーション画面および前記翻訳ナビゲーション画面を用いて前記主催者端末および前記参加者端末すべてにおいて前記多言語ナビゲーションが実行されるように、前記翻訳ナビゲーション画面を前記主催者端末および前記参加者端末すべてに配布し、前記ナビゲーション画面を前記主催者端末を除く前記参加者端末すべてに配布する配布手段と、
前記主催者端末で使用される主催者言語と、前記参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段として機能させ、
前記複製翻訳手段は、前記言語選択手段によって選択された前記主催者言語および前記参加者言語をそれぞれ前記ナビゲーション言語および前記別言語として用いることによって、前記ナビゲーション文字を前記別ナビゲーション文字に翻訳して前記参加者端末それぞれに応じて前記翻訳ナビゲーション画面を生成し、
前記配布手段は、前記参加者端末のそれぞれで選択された前記参加者言語を用いて生成された前記翻訳ナビゲーション画面が一つずつ前記主催者端末における前記分割画面の他方に表示されるように、前記複製翻訳手段によって生成された前記翻訳ナビゲーション画面をすべて前記主催者端末に配布する多言語ナビゲーションプログラム。
【請求項9】
前記コンピュータを
前記言語選択手段によって選択された前記主催者言語と、前記参加者言語との組み合わせを前記参加者端末それぞれについて翻訳パターンとして設定する翻訳パターン設定手段と、
該翻訳パターン設定手段により設定された前記翻訳パターンを翻訳パターン記憶手段に記憶させる翻訳パターン記憶制御手段として更に機能させ、
前記複製翻訳手段は、前記翻訳パターン記憶手段に記憶されている前記翻訳パターンにしたがい、前記主催者言語と前記参加者言語とを決定する請求項7記載の多言語ナビゲーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンタによる参加者に対するナビゲーションのための操作説明が多言語で並行して行えるようにする多言語ナビゲーション装置、多言語ナビゲーションシステムおよび多言語ナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のユーザがそれぞれの端末装置を用いて画面表示を同時に参照しながらオンライン形式で会議(ミーティング)、商談、診療、教育、研修等を行えるシステム(会議システムともいう)に関する技術が知られている。例えば、特許文献1には、各参加者が画面共有を行いながら会議を行う際の画面共有の設定、解除などの作業を不要とすることで、双方向の円滑なコミュニケーションを促進しつつ、成果を効率的かつ適切にアウトプットすることを支援するオンライン会議支援装置が開示されている。また、特許文献2には、複数拠点で共有される共通画面イメージから生成された分割画面イメージおよびその分割画面イメージに関連して各拠点で生成された画面イメージを統括管理する電子会議制御装置が開示されている。
【0003】
そして、従来の会議システムでは、複数のユーザが会議(ミーティング)等に同時に参加するため、表示画面が複数の領域に分割される画面分割が行われることがあった。画面分割に関する従来技術として、例えば、特許文献3には、表示画面の各分割領域がフォーカスされているか否かをユーザが意識することなく所望の分割領域に操作画面を表示させる画面分割表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-74159号公報
【文献】特開2007-226352号公報
【文献】特開2018-128814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、会議システムには、複数のユーザが参加するが、中には国際的なビジネス環境で働くユーザが会議システムに参加していることもある。その場合、国籍が異なるユーザが会議システムに参加していることが多く、そのユーザが必要な技術的な知識を備えていない場合や、ユーザが必要な技術的な知識を備えていても、理解できる言語が母国語だけで、ほかのユーザとのコミュニケーションに必要な言語に精通していない、という場合もある。必要な技術的な知識を備え、複数の言語にも精通しているユーザが極めて少ない。そのため、国際的なビジネス環境で働くユーザにとって、従来の会議システムを利用したコミュニケーションが年々困難になってきている。
【0006】
とりわけ、ソフトウェア技術の分野(ソフトウェアを利用した技術の分野も含む)では、新たなソフトウェア技術が世界中で異なる言語でリリースされており、ユーザは、かかる技術を自分の好む言語で理解したい、と考えている。しかしながら、その新たなソフトウェア技術を習得し、理解するときに、互いに母国語の異なる技術者がコミュニケーションをとることが不可欠であるが、言葉の障壁によって、新たなソフトウェア技術を自分の好む言語で理解したいとの考えが実現されないこともある。
【0007】
そして、ユーザが新たなソフトウェア技術について、別の国の技術者から学びたい、理解を深めたいという場合、前述した会議システムが利用されることがある。その場合、その別の国の技術者がプレゼンタで、ユーザが参加者になり、会議システム上のアイコン、操作ボタン等のソフトウェアで実現される設備(ソフトウェア設備ともいう)を有する画面を用いて説明が行われる。
【0008】
この場合、たとえ、参加者の母国語がプレゼンタの母国語とは異なることで、プレゼンタの画面上での指示や、ソフトウェア設備の操作を用いた説明(操作説明ともいい、本発明において、プレゼンタによる参加者に対するナビゲーション(例えば、案内、誘導、教示といった情報伝達がプレゼンタから参加者への主に一方向(一部双方向もあり)になる行為であり、ナビゲーションのための操作説明を"ナビゲーション操作説明"ともいう)に参加者が追従し、プレゼンタの操作説明を完全に理解することが不可能だとしても、プレゼンタは、自らの母国語を用いることを好む。そうすると、従来の会議システムが利用されていると、言葉の障壁故に、参加者が新たなソフトウェアについて理解を深めるといった成果が得られないおそれがあった。
【0009】
以上のように、従来の会議システムでは、ユーザ同士の言葉の障壁に起因して、オンライン形式での会議(ミーティング)、商談、授業等の成果が十分に獲得できないおそれがあった。この点、特許文献1に開示されている従来の会議支援装置では、各参加者が発した音声や入力したテキスト等の情報が各ユーザの対応可能言語に翻訳されて各ユーザにリアルタイムで出力される。しかしながら、ナビゲーション操作説明が行われるときは、情報伝達がプレゼンタから参加者への主に一方向であるから、プレゼンタは、ナビゲーション操作説明を有意義にするため、ナビゲーション操作説明がユーザの端末装置にどのように表示されるのか確認しながらの操作説明を希望するも、従来の会議支援装置では、それを実現することができなかった。すなわち、従来の会議支援装置では、各参加者が画面共有を行いながら自らの対応可能言語による表示を確認できるのみであるから、プレゼンタでも、ほかの言語による表示を確認することができない。また、プレゼンタが例えば、テキスト入力を矢継ぎ早に行ったときは、どのテキスト入力がどの表示に対応するのかを的確に把握することが甚だ困難であった。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、言語の異なる複数のユーザが参加した場合でも、オンライン形式での会議(ミーティング)、商談、案内、授業等の成果が十分に発揮されるように、ナビゲーション操作説明が多言語で行えて、プレゼンタがナビゲーション操作説明を有意義に行えるようにする多言語ナビゲーション装置、多言語ナビゲーションシステムおよび多言語ナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、表示装置が用いられる複数の端末装置とネットワークを介して接続され、表示装置を用いた多言語ナビゲーションを複数の端末装置それぞれに提供する多言語ナビゲーション装置であって、複数の端末装置のいずれか一つを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、その主催者端末を除く複数の端末装置のすべてを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、主催者端末に設定された端末装置の表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いてナビゲーション操作説明が行われているときに、分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、その画面捕捉手段によって捕捉されたナビゲーション画面を複製し、そのナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字を該ナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、前記ナビゲーション文字の表示を別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、ナビゲーション画面および翻訳ナビゲーション画面を用いて主催者端末および参加者端末すべてにおいて多言語ナビゲーションが実行されるように、翻訳ナビゲーション画面を主催者端末および参加者端末すべてに配布し、ナビゲーション画面を主催者端末を除く参加者端末すべてに配布する配布手段と、主催者端末で使用される主催者言語と、参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段とを有し、複製翻訳手段は、言語選択手段によって選択された主催者言語および参加者言語をそれぞれナビゲーション言語および別言語として用いることによって、ナビゲーション文字を別ナビゲーション文字に翻訳して参加者端末それぞれに応じて前記翻訳ナビゲーション画面を生成し、配布手段は、参加者端末のそれぞれで選択された参加者言語を用いて生成された翻訳ナビゲーション画面が一つずつ主催者端末における分割画面の他方に表示されるように、複製翻訳手段によって生成された翻訳ナビゲーション画面をすべて主催者端末に配布する多言語ナビゲーション装置を特徴とする。
【0012】
上記多言語ナビゲーション装置において、言語選択手段によって選択された主催者言語と、参加者言語との組み合わせを参加者端末それぞれについて翻訳パターンとして設定する翻訳パターン設定手段と、その翻訳パターン設定手段により設定された翻訳パターンを記憶する翻訳パターン記憶手段と、その翻訳パターン設定手段により設定された翻訳パターンを翻訳パターン記憶手段に記憶させる翻訳パターン記憶制御手段とを更に有し、複製翻訳手段は、翻訳パターン記憶手段に記憶されている翻訳パターンにしたがい、主催者言語と参加者言語とを決定することが好ましい。
【0013】
さらに、ナビゲーション文字の長さと、別ナビゲーション文字の長さとが相違するときに、ナビゲーション文字の表示部のサイズを別ナビゲーション文字の長さに対応したサイズに変更するレイアウト変更を実行するレイアウト変更手段を更に有することが好ましい。
【0014】
そして、本発明は、表示装置が用いられる複数の端末装置と、表示装置を用いた多言語ナビゲーションを複数の端末装置それぞれに提供する多言語ナビゲーション装置とを有する多言語ナビゲーションシステムであって、多言語ナビゲーション装置は、複数の端末装置のいずれか一つを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、その主催者端末を除く複数の端末装置のすべてを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、主催者端末に設定された端末装置の表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いてナビゲーション操作説明が行われているときに、分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、その画面捕捉手段によって捕捉されたナビゲーション画面を複製し、そのナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字を該ナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、ナビゲーション文字の表示を別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、ナビゲーション画面および翻訳ナビゲーション画面を用いて主催者端末および参加者端末すべてにおいて多言語ナビゲーションが実行されるように、翻訳ナビゲーション画面を主催者端末および参加者端末すべてに配布し、ナビゲーション画面を主催者端末を除く参加者端末すべてに配布する配布手段と、主催者端末で使用される主催者言語と、参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段とを有し、複製翻訳手段は、言語選択手段によって選択された主催者言語および参加者言語をそれぞれナビゲーション言語および別言語として用いることによって、ナビゲーション文字を別ナビゲーション文字に翻訳して参加者端末それぞれに応じて前記翻訳ナビゲーション画面を生成し、配布手段は、参加者端末のそれぞれで選択された参加者言語を用いて生成された翻訳ナビゲーション画面が一つずつ主催者端末における分割画面の他方に表示されるように、複製翻訳手段によって生成された翻訳ナビゲーション画面をすべて主催者端末に配布する多言語ナビゲーションシステムを提供する。
【0015】
上記多言語ナビゲーションシステムにおいて、複数の端末装置は、それぞれの表示装置に表示される分割画面の一方をナビゲーション操作説明が行われる主催者画面とし、かつ他方をナビゲーション操作説明が視聴される参加者画面とする表示制御を実行する表示制御手段を有することが好ましい。
【0016】
また、端末装置のうちの主催者端末に設定された端末装置に、配布手段によって配布される翻訳ナビゲーション画面のうちのいずれか一つを参加者画面に表示される選択翻訳ナビゲーション画面として選択させる画面選択手段が更に設けられ、表示制御手段は、画面選択手段を用いて選択された翻訳ナビゲーション画面が参加者画面に表示されるように表示切替を実行することが好ましい。
【0017】
そして、本発明は、表示装置が用いられる複数の端末装置とネットワークを介して接続され、表示装置を用いた多言語ナビゲーションを複数の端末装置それぞれに提供する多言語ナビゲーション装置としてコンピュータを機能させるための多言語ナビゲーションプログラムであって、そのコンピュータを複数の端末装置のいずれか一つを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、その主催者端末を除く複数の端末装置のすべてを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、主催者端末に設定された端末装置の表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いてナビゲーション操作説明が行われているときに、分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、その画面捕捉手段によって捕捉されたナビゲーション画面を複製し、そのナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字をそのナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、ナビゲーション文字の表示を別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、ナビゲーション画面および翻訳ナビゲーション画面を用いて主催者端末および参加者端末すべてにおいて多言語ナビゲーションが実行されるように、翻訳ナビゲーション画面を主催者端末および参加者端末すべてに配布し、ナビゲーション画面を主催者端末を除く参加者端末すべてに配布する配布手段と、主催者端末で使用される主催者言語と、参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段として機能させ、複製翻訳手段は、言語選択手段によって選択された主催者言語および参加者言語をそれぞれナビゲーション言語および別言語として用いることによって、ナビゲーション文字を別ナビゲーション文字に翻訳して参加者端末それぞれに応じて翻訳ナビゲーション画面を生成し、配布手段は、参加者端末のそれぞれで選択された参加者言語を用いて生成された翻訳ナビゲーション画面が一つずつ主催者端末における分割画面の他方に表示されるように、複製翻訳手段によって生成された翻訳ナビゲーション画面をすべて主催者端末に配布する多言語ナビゲーションプログラムを提供する。
【0018】
そして、本発明は、表示装置が用いられる2以上の端末装置であって、ネットワークを介して接続されているその2以上の端末装置に、表示装置を用いた多言語ナビゲーションを提供する多言語ナビゲーション装置としてコンピュータを機能させるための多言語ナビゲーションプログラムであって、そのコンピュータを2以上の端末装置のいずれか一つを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が行われる主催者端末とし、その主催者端末を除く2以上の端末装置のすべてを表示装置を用いてナビゲーション操作説明が視聴される参加者端末として設定する端末設定手段と、主催者端末に設定された端末装置の表示装置に二分割されて表示される分割画面の一方を用いてナビゲーション操作説明が行われているときに、分割画面の一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、その画面捕捉手段によって捕捉されたナビゲーション画面を複製し、そのナビゲーション画面に含まれている文字であるナビゲーション文字をそのナビゲーション文字の言語であるナビゲーション言語とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳し、ナビゲーション文字の表示を別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を分割画面の他方に表示されるように生成する複製翻訳手段と、ナビゲーション画面および翻訳ナビゲーション画面を用いて主催者端末および参加者端末すべてにおいて多言語ナビゲーションが実行されるように、翻訳ナビゲーション画面を主催者端末および参加者端末すべてに配布し、ナビゲーション画面を主催者端末を除く参加者端末すべてに配布する配布手段と、主催者端末で使用される主催者言語と、参加者端末それぞれで使用される言語である参加者言語とを選択させる言語選択手段として機能させ、複製翻訳手段は、言語選択手段によって選択された主催者言語および参加者言語をそれぞれナビゲーション言語および別言語として用いることによって、ナビゲーション文字を別ナビゲーション文字に翻訳して参加者端末それぞれに応じて翻訳ナビゲーション画面を生成し、配布手段は、参加者端末のそれぞれで選択された参加者言語を用いて生成された翻訳ナビゲーション画面が一つずつ主催者端末における分割画面の他方に表示されるように、複製翻訳手段によって生成された翻訳ナビゲーション画面をすべて主催者端末に配布する多言語ナビゲーションプログラムを提供する。
【0019】
また、多言語ナビゲーションプログラムにおいて、コンピュータを言語選択手段によって選択された主催者言語と、参加者言語との組み合わせを参加者端末それぞれについて翻訳パターンとして設定する翻訳パターン設定手段と、その翻訳パターン設定手段により設定された翻訳パターンを翻訳パターン記憶手段に記憶させる翻訳パターン記憶制御手段として更に機能させ、複製翻訳手段は、翻訳パターン記憶手段に記憶されている翻訳パターンにしたがい、主催者言語と参加者言語とを決定することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
以上詳述したように、本発明によれば、ナビゲーション操作説明が多言語で行えて、プレゼンタがナビゲーション操作説明を有意義に行えるようにする多言語ナビゲーション装置、多言語ナビゲーションシステムおよび多言語ナビゲーションプログラムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーションサーバを含む多言語ナビゲーションシステムのシステム構成図である。
【
図2】ナビゲーションサーバの内部の構成を中心に示すブロック図である。
【
図3】メンバ端末装置の内部の構成を中心に示すブロック図である。
【
図4】ナビゲーションサーバに構築されている業務管理システムのシステム構成図である。
【
図5】業務管理システムを構成するソフトウェア開発管理モジュールの主要な構成およびメンバ端末装置を示す機能ブロック図である。
【
図6】ソフトウェア開発管理モジュールのダイアログワークプロセスに構築されている多言語ナビゲーションモジュールの主要な構成を示す機能ブロック図である。
【
図7】ソフトウェア開発管理モジュールのバックグラウンドワークプロセスに構築されている多言語ナビゲーションモジュールの主要な構成を示す機能ブロック図である。
【
図8】多言語ナビゲーション処理に含まれている複製翻訳配布処理の動作手順を時系列で示したプロセスチャートである。
【
図9】(A)は、多言語ナビゲーションシステムを構成するメンバ端末装置をそれぞれで指定される言語とともに示した図、(B)はメンバ端末装置でそれぞれ2つの言語が指定される場合を示した図である。
【
図10】(A)は多言語ナビゲーションシステムを構成するメンバ端末装置に表示される分割画面の一例を示す図、(B)は、別の分割画面を示す図である。
【
図11】ナビゲーション準備処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】多言語ナビゲーション処理の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【
図13】(A)は、主催者言語および参加者言語として選択される言語の一覧を示す図、(B)は、翻訳パターン記憶手段に記憶される翻訳パターンの一例を示す図である。
【
図14】変形例に係る複製翻訳配布処理の動作手順を時系列で示したプロセスチャートである。
【
図15】多言語ナビゲーションが提供されているときの各端末装置に表示される分割画面の一例を示した図である。
【
図16】従来の会議支援システムで画面共有が行われている場合の一例を示した図である
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0023】
(多言語ナビゲーションシステムの全体構成)
まず、本発明の実施の形態に係る多言語ナビゲーションサーバ10を含む多言語ナビゲーションシステム1の構成について説明する。
【0024】
図1は多言語ナビゲーションシステム1のシステム構成図である。
図1に示すように、多言語ナビゲーションシステム1は、多言語ナビゲーションサーバ(以下、「ナビゲーションサーバ」ともいう)10と、後述する多言語ナビゲーションを利用するメンバが操作する複数のメンバ端末装置30(
図1では、モバイル型のメンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30E)とを有し、これらがインターネットN1を介して互いに接続される構成を有している。
【0025】
ナビゲーションサーバ10は、多言語ナビゲーションプログラムにしたがったデータ処理を行い、各メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eに多言語ナビゲーションを提供する。その多言語ナビゲーションは、本発明の適用によって実現される。参加しているすべてのメンバがそれぞれのメンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eを用いることによって、多言語ナビゲーションを利用できる。多言語ナビゲーションは、ナビゲーション操作説明が二つ以上の言語(多言語ともいう)で並行して行われるナビゲーションを意味している。多言語ナビゲーションでは、プレゼンタが自らの希望する言語でナビゲーション操作説明を行い、参加しているすべてのメンバがそれぞれの希望する言語でナビゲーション操作説明を視聴することができる。
【0026】
メンバ端末装置30は、ナビゲーションサーバ10との間でデータの受信または送信を行う。
【0027】
そして、多言語ナビゲーションシステム1では、ナビゲーションサーバ10が、以下の処理a)、b)、c)を実行する。
a) ナビゲーション操作説明が行われているプレゼンタのメンバ端末装置30(液晶表示部35)に表示されるナビゲーション画面の複製
b) ナビゲーション画面に含まれているナビゲーション文字をプレゼンタの指定したプレゼンタ言語(主催者言語)から参加者言語の別ナビゲーション文字に翻訳して翻訳ナビゲーション画面を生成
c) 翻訳ナビゲーション画面を各メンバ端末装置30に配布
【0028】
多言語ナビゲーションシステム1では、メンバ端末装置30Aの参加者がプレゼンタとしてナビゲーション操作説明を行うと、メンバ端末装置30Aの表示装置(液晶表示部35)に表示されるナビゲーション画面がリアルタイムにキャプチャ(捕捉)されて、ほかの参加者の使用するメンバ端末装置30(30B,30C,30D,30E)の台数に応じて複製される。その際、キャプチャ(捕捉)されるナビゲーション画面に含まれている文字(ナビゲーション文字)がプレゼンタ言語から他の参加者(Attendee)が指定した言語(参加者言語)に翻訳されて、翻訳ナビゲーション画面が生成される。その翻訳ナビゲーション画面が参加者の使用するメンバ端末装置30(30B,30C,30D,30E)に配布される。すると、各参加者が自身で指定した参加者言語による文字を視認しながらナビゲーション操作説明を視聴できる。そのため、多言語ナビゲーションシステム1では、言語の相違による効率の低下がなく、オンライン形式での会議(ミーティング)、商談、授業等の成果が十分に発揮される。また、各メンバ端末装置30(30B,30C,30D,30E)向けに生成された翻訳ナビゲーション画面がすべて主催者端末(メンバ端末装置30A)に配布され、その配布される翻訳ナビゲーション画面のうちのいずれか一つをメンバ端末装置30Aの参加者が選択して液晶表示部35に表示させる。メンバ端末装置30Aの参加者(プレゼンタ)がすべての翻訳ナビゲーション画面を一つずつ確認しながらナビゲーション操作説明を行える。
【0029】
(ナビゲーションサーバ10の構成)
次に、
図2を参照して、ナビゲーションサーバ10の構成について説明する。
図2は、ナビゲーションサーバ10の内部の構成を中心に示すブロック図である。
【0030】
ナビゲーションサーバ10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13とを有している。CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムにしたがい作動して、KBC(Key board controller)17を介してキーボード19やマウス20の操作入力で得られる入力データをメインバス19Aを介して入力する一方、他の構成要素との信号の入出力を行い、ナビゲーションサーバ10全体の動作制御を行う。ナビゲーションサーバ10には、後述する業務管理システム99が構築されていて、その業務管理システム99に、多言語ナビゲーションモジュール130,140が組み込まれたソフトウェア開発管理モジュール101が含まれている。CPU11は、業務管理システム99にしたがい、様々な処理を実行する。ROM12には、BIOS(Basic Input/Output System)や制御プログラム、恒久的なデータが記憶されている。RAM13には、CPU11が作動する際に用いるデータや、業務管理システム99などのプログラムが記憶される。
【0031】
その他、ナビゲーションサーバ10は、ハードディスク装置(Hard disk drive,HDD)14と、通信制御部15と、通信処理部16と、ビデオコントローラ18とを有している。
【0032】
ハードディスク装置14には、OS(Operating System)、業務管理システム99、Webサーバプログラム等のミドルウェアが記憶されている。また、ハードディスク装置14には、業務管理システム99等のプログラム、その実行に必要な
図4に示すはDB(database)と、その他の記憶部、DB、ファイルが形成されている。
【0033】
通信制御部15は、CPU11の指示にしたがい作動して、メンバ端末装置30や、図示しないサーバとの通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部16は、通信制御部15の指示にしたがい作動して、インターネットN1を介して行われるデータの送受信を実行する。
【0034】
ビデオコントローラ18は、図示しないディスプレイ装置における画像表示を制御して、各種の設定に用いられる画面等を表示させる。
【0035】
(業務管理システム)
ナビゲーションサーバ10には、必要なプログラムがインストールされ、各種DBが形成されるなどして業務管理システム99が構築されている。業務管理システム99は、企業資源計画(Enterprise Resource Planning:ERP)のための統合情報システム("ERPシステム"ともいい、例えば、SAP社(SAPは登録商標)が提供するソリューションシステム)を用いて構築されている。
図4は、ナビゲーションサーバ10に構築されている業務管理システム99のシステム構成図である。図示した業務管理システム99には、ソフトウェア開発企業におけるソフトウェアの開発業務を管理するシステムであって、ERPシステムにおけるアプリケーションサーバとしての機能を有するソフトウェア開発管理モジュール101と、人事管理モジュール102とが含まれている。
【0036】
図4に示すように、業務管理システム99では、ソフトウェア開発管理モジュール101,人事管理モジュール102がそれぞれデータベース管理システム(Database Management System)による制御にしたがい、辞書DB105、翻訳パターンTBL106,開発管理マスタ107,人事管理マスタ108にアクセスして、そのそれぞれのデータ更新などの処理を実行する。本実施の形態にかかる多言語ナビゲーションプログラムは、後述する多言語ナビゲーションモジュール130,140として、ソフトウェア管理開発モジュール101に組み込まれている。
【0037】
辞書DB105には、後述するナビゲーション文字の翻訳に用いられる辞書データが記憶されている。辞書データには、プレゼンタ言語または参加者言語として指定可能な言語(本実施の形態では、英語、日本語、中国語、韓国語、ドイツ語の5つ)が用いられた辞書データが記憶されている。翻訳パターンテーブル106(TBL)は、翻訳パターン記憶手段であって、後述する翻訳パターンが記憶されている。開発管理マスタ107,人事管理マスタ108には、それぞれソフトウェアの開発管理、社内人事の管理に用いられるデータが記憶されている。
【0038】
(ソフトウェア開発管理モジュール)
図5に示すように、ソフトウェア開発管理モジュール101は、ディスパッチャ(Dispatcher)121と、ゲートウェイ(Gateway)122と、ダイアログワークプロセス(Dialog Work Process)123,アップデートワークプロセス(Update Work Process)124,エンキューワークプロセス(Enqueue Work Process)125,バックグラウンドワークプロセス(Back Ground Work Process)126,スプールワークプロセス(Spool Work Process)127を有している。これらのうち、ダイアログワークプロセス123と、バックグラウンドワークプロセス126に、それぞれ後述する多言語ナビゲーションモジュール130,140が組み込まれている。
【0039】
ディスパッチャ121は、各メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)から、GUI(Graphical User Interface)を用いた操作(マウス操作、キーボード操作で、画面操作ともいう)を受け付ける。ディスパッチャ121は、CPU11の使用を時分割で制御しながら、受け付けた処理内容に応じたワークプロセス(該当ワークプロセス)をワークプロセス123~127から呼び出して実行権を割り当てる。各メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)から、大量の画面操作が入力されたものの、各ワークプロセス123~127がすべて使用中であったときは、各ワークプロセス123~127に空きができるまで、ディスパッチャ121において、処理が待機状態となる。ゲートウェイ(Gateway)122は、管理モジュール同士(
図4の場合は、ソフトウェア開発管理モジュール101と、人事管理モジュール102)の相互通信を実行する。
【0040】
ダイアログワークプロセス123は、画面表示、画面操作によるデータ入力、指示入力、画面操作に応じた表示の変更といったフロント処理を実行する。ダイアログワークプロセス123には、
図6に示すように、後述する多言語ナビゲーションモジュール130が組み込まれている。
【0041】
アップデートワークプロセス124は、データベースの更新依頼に応じたデータ更新を実行する。エンキューワークプロセス125は、アップデートワークプロセス124がデータベースの更新処理を実行する際に、該当データをロックする処理を実行する。バックグラウンドワークプロセス126は、画面操作や画面表示を必要としないデータ処理を実行する。バックグラウンドワークプロセス126には、
図7に示すように、後述する多言語ナビゲーションモジュール140が組み込まれている。スプールワークプロセス127は、データベースに格納されているデータを図示しないプリンタに引き渡すなどして印刷処理を実行する。
【0042】
(多言語ナビゲーションモジュール)
多言語ナビゲーションモジュール130は、例えば、ダイアログワークプロセス123にアドオン開発で追加して形成することができる。多言語ナビゲーションモジュール130は、
図6に示すように、画面表示制御部131,翻訳パターン設定部132,ナビゲーション画面捕捉部133,ナビゲーション画面引渡部134,翻訳ナビゲーション画面取得部135,翻訳ナビゲーション画面配布部136を有している。
【0043】
画面表示制御部131は、各メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)の画面表示に必要な処理を実行する部分であって、初期画面表示部131aを有している。初期画面表示部131aは、多言語ナビゲーションの初期設定に必要な初期入力画面を各メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)に表示させる。
【0044】
翻訳パターン設定部132は、後述する翻訳パターンを設定し、その設定された翻訳パターンを翻訳パターンテーブル106に記憶させる。ナビゲーション画面捕捉部133は、ナビゲーション操作説明がプレゼンタ端末装置(メンバ端末装置30A)で行われているときにその液晶表示部35の後述する主催者画面156に表示されている画面(本発明の「ナビゲーション画面」に相当する)をリアルタイムに捕捉する(画面キャプチャ(capture)を実行する)。ナビゲーション画面引渡部134は、ナビゲーション画面捕捉部133が捕捉したナビゲーション画面を多言語ナビゲーションモジュール140のナビゲーション画面取得部142に引き渡す。翻訳ナビゲーション画面取得部135は、多言語ナビゲーションモジュール140の翻訳ナビゲーション画面引渡部145から、後述する翻訳ナビゲーション画面を取得する。翻訳ナビゲーション画面配布部136は、配布手段としての機能を有し、取得された翻訳ナビゲーション画面を主催者端末(メンバ端末装置30A)および対応するメンバ端末装置30B、30C、30D、30Eに配布する。このとき、翻訳ナビゲーション画面配布部136は、後述するナビゲーション画面翻訳・置換部144によって生成されて翻訳ナビゲーション画面取得部135が取得した翻訳ナビゲーション画面をすべてメンバ端末装置30A(主催者端末)に配布する(その際、例えば、オンラインストレージが利用される)。また、翻訳ナビゲーション画面配布部136は、メンバ端末装置30B、30C、30D、30Eに対して、翻訳ナビゲーション画面を配布する際、ナビゲーション画面も配布する(
図8参照)。これにより、ナビゲーション画面および翻訳ナビゲーション画面を用いて、メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eにおいて多言語ナビゲーションが実行される。
【0045】
多言語ナビゲーションモジュール140は、例えば、バックグラウンドワークプロセス126にアドオン開発で追加して形成することができる。多言語ナビゲーションモジュール140は、
図7に示すように、翻訳パターン読取部141,ナビゲーション画面取得部142,ナビゲーション画面複製部143,ナビゲーション画面翻訳・置換部144,翻訳ナビゲーション画面引渡部145を有している。
【0046】
翻訳パターン読取部141は、翻訳パターンTBL106に記憶されている翻訳パターンを翻訳パターンTBL106から読み取る。ナビゲーション画面取得部142は、ナビゲーション画面引渡部134からナビゲーション画面を取得する。ナビゲーション画面複製部143は、取得されたナビゲーション画面を参加者端末としてのメンバ端末装置30(30B、30C、30D、30E)の台数に応じた回数で複製する。ナビゲーション画面翻訳・置換部144は、ナビゲーション画面複製部143とともに、本発明に係る複製翻訳手段としての機能を有し、次の処理a),b),c)を実行する。a)複製された各ナビゲーション画面について、そのそれぞれから、含まれている文字(ナビゲーション文字)を取り出す。b)その文字(ナビゲーション文字)をその文字の言語(ナビゲーション言語)とは別言語による別ナビゲーション文字に翻訳する。その際、ナビゲーション画面翻訳・置換部144は、主催者言語および各参加者言語をそれぞれナビゲーション言語、別言語として用いる。c)各ナビゲーション画面について、含まれている文字(ナビゲーション文字)の表示を翻訳された参加者言語による文字(別ナビゲーション文字)の表示に置換して、翻訳ナビゲーション画面を生成する。翻訳ナビゲーション画面引渡部145は、翻訳ナビゲーション画面を翻訳ナビゲーション画面取得部135に引き渡す。上記b)、c)において、ナビゲーション画面翻訳・置換部144は、後述する翻訳パターンTBL106に記憶されている翻訳パターンにしたがい主催者言語と、各参加者言語とを決定する。上記文字(ナビゲーション文字)がその決定された主催者言語から参加者言語による文字(別ナビゲーション文字)に翻訳される。なお、ナビゲーション文字の翻訳は、ナビゲーション画面における文字の表示を主催者言語から参加者言語に変更することを目的として行われる。コンピュータ制御に用いられるコマンド等(例えば、"cd"、"dir"、"ipconfig"など)は翻訳されることなくそのまま表示されてもよいし、画面上の表示だけが主催者言語から参加者言語に変更されてもよい(コンピュータ制御への影響をなくすためコマンド自体を変更せず)。
【0047】
(メンバ端末装置30の構成)
メンバ端末装置30は、
図1に示すように、インターネットN1への接続環境を備え、ナビゲーションサーバ10と通信を行うことができる。本実施の形態では、メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)はモバイル型であって、表示装置としての液晶表示部35を有する持ち運び可能なノート型のパーソナルコンピュータが想定されている。メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)は、それぞれその液晶表示部35が用いられる複数の端末装置に相当するが、メンバ端末装置30は、図示しない別体の液晶表示装置が接続されて、その液晶表示装置が用いられる固定端末装置、例えば、据え置き型のパーソナルコンピュータでもよい。メンバ端末装置30は、その他、例えば、高機能携帯電話機(スマートフォンともいう)や、タブレット型の端末装置が想定される。
【0048】
メンバ端末装置30は、
図3に示すように、CPU31、ROM32、RAM33、データ記憶部34、液晶表示部35を有している。また、メンバ端末装置30は、音声変換処理部36、通信制御部37、通信処理部38a、無線通信部38b、スピーカ39およびマイク40を有している。メンバ端末装置30には、ERPシステムで使用されるGUI(Graphical User Interface、ERP GUIともいい、例えば、SAP GUI for Windows、SAP GUI for Java(Windows、Javaは登録商標))がインストールされている。各メンバは、ERP GUIを利用することで、液晶表示部35に表示される画面上でのマウスまたはキーボードを用いた操作(画面操作ともいう)でERPシステムを利用でき、多言語ナビゲーションを利用できる。
【0049】
また、各メンバ端末装置30にインストールされているERP GUIには、後述する分割画面155(または分割画面158)を生成する分割画面生成部と、分割画面155(または分割画面158)を表示させる表示制御部とが組み込まれている。さらに、メンバ端末装置30は、分割画面が形成されるときの分割パターンをメンバの指定したデータに応じて判定する分割パターン判定部を有してもよい。分割パターンは、表示画面の分割を行うときのパターン(態様)であって、分割画面155のパターン(上下分割パターン)または分割画面158のパターン(左右分割パターン)のどちらかで指定することができる。そして、表示制御部は、分割パターン判定部により判定された分割パターンにしたがい、分割画面155または分割画面158を表示させることができる。
【0050】
CPU31は、ROM32に記憶されているプログラムにしたがい作動してメンバ端末装置30全体の動作制御を司る。ROM32はCPU31が実行する制御プログラムが記憶されている。RAM33には、データ通信を行うための通信制御プログラムや、CPU31によるプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。
【0051】
データ記憶部34には種々のデータや、アプリケーションプログラムが記憶されている。液晶表示部35は、LCD(Liquid Crystal Display)とその駆動部を有し、文字、図形、記号などの画像表示を行う画像表示手段である。音声変換処理部36は、音声データを伸張してスピーカ39に出力する一方、マイク40から入力するアナログ音声信号をデジタルの音声データに変換および圧縮して、通信処理部38aに入力する。通信制御部37はCPU31の指示を受けて作動し、データ通信を行うための回線の接続および切断を制御する。通信処理部38aは、通信制御部37の指示にしたがい作動して、インターネットN1を介して行われるデータの送受信を実行する。無線通信部38bは通信制御部37の制御にしたがい、無線によるデータの送受信を実行する無線通信手段である。スピーカ39は、音声を出力する音声出力手段であり、マイク40はユーザの会話内容等の音声を入力し、電気信号に変換する。
【0052】
そして、CPU31は、ERP GUIにしたがい、多言語ナビゲーションのための画面操作に応じた処理を実行する。
【0053】
多言語ナビゲーションシステム1では、ナビゲーションサーバ10が後述する多言語ナビゲーション処理を実行することによって、メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eに対して、多言語ナビゲーションが提供される。その多言語ナビゲーションが提供される場合、後述するナビゲーション準備処理において、メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eのうちのいずれか一つ(本実施の形態では、メンバ端末装置30A)がプレゼンタ端末(本発明における主催者端末)に設定され、メンバ端末装置30Aを除くそのほかの端末装置(本実施の形態では、メンバ端末装置30B、30C、30D、30E)が参加者端末に設定される。そのプレゼンタ端末に設定されたメンバ端末装置30Aにおいて、液晶表示部35を用いてナビゲーション操作説明が行われる。
【0054】
多言語ナビゲーションシステム1において、多言語ナビゲーション処理が実行されるときは、ナビゲーションサーバ10が
図11に示すフローチャートに沿ってナビゲーション準備処理を実行する。
【0055】
(ナビゲーション準備処理)
ナビゲーションサーバ10において、プレゼンタを含むすべてのメンバは、名前およびパスワードを用いて、多言語ナビゲーションシステム1にログインすることができる。ログイン後、メンバのいずれかが多言語ナビゲーションシステム1のアイコンをクリックすると、ナビゲーションサーバ10において、ナビゲーション準備処理が開始される。
【0056】
ナビゲーション準備処理が開始されると、CPU11が処理をステップ1に進めて端末設定手段としての動作を行い、プレゼンタ端末および参加者端末(ナビゲーション操作説明が視聴される端末装置)を設定する。このとき、画面表示制御部131の初期画面表示部131aが作動して、図示しない初期入力画面を各メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)の液晶表示部35に表示させる。ステップ1では、各チームメンバによって、初期入力画面を用いてプレゼンタ端末、参加者端末が設定される。
【0057】
続いて、処理がステップ2に進むと、CPU11が言語選択手段としての動作を行い、主催者言語選択処理(Presenter言語選択処理)を実行する。CPU11は、メンバ端末装置30AにおけるGUI(Presenter GUI41A,
図5参照)を用いて主催者言語を選択させる。多言語ナビゲーションシステム1では、日本語、英語、中国語、韓国語およびドイツ語の中の一つが主催者言語として選択される。続くステップ3に処理が進むと、参加者言語(Attendee言語)の選択処理が実行されているか否かが判定され、参加者言語の選択処理が実行されているときは、処理がステップ4に進み、参加者言語の選択処理を実行しているチームメンバ(参加者、Attendee)のメンバ端末装置30B、30C、30D、30Eの処理が(エンキューワークプロセス125によって)ブロックされ、その後、処理がステップ3に戻る。参加者言語の選択処理が実行されていないときは、処理がステップ5に進み、CPU11が言語選択手段としての動作を行い、GUI41B,GUI41C,GUI41D,GUI41Eを用いて参加者言語の選択処理を実行して、参加者言語を選択させる。
【0058】
続いて、ステップ6に処理が進み、参加者全員の参加者言語の選択処理が完了したか否かが判定され、その選択処理が完了したときはステップ7に処理が進むが、そうでないときは、ステップ3に処理が戻る。ステップ7では、翻訳パターン設定処理が実行され、その後のステップ8で翻訳パターン取得処理が実行されると、処理がステップ9に進み、各メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eにおいて、分割画面の表示が完了するまで処理が待機される。なお、図示はしないが、ステップ6において、参加者全員の参加者言語の選択処理が所定時間(例えば、1分間)が経過するまでに完了しなかったときは、選択処理が実行されなかった参加者の言語が主催者言語に設定されるようにしてもよい。
【0059】
翻訳パターン設定処理では、CPU11が翻訳パターン設定手段、翻訳パターン記憶制御手段としての動作を行う。この場合、CPU11がステップ2~ステップ5までが実行されることによって選択された主催者言語と、参加者言語の組み合わせが参加者端末(メンバ端末装置30B、30C、30D、30E)それぞれについて翻訳パターンとして設定され、その設定された翻訳パターンがCPU11の制御によって、翻訳パターンTBL106に記憶される。
【0060】
前述のように、多言語ナビゲーションシステム1では、メンバが選択できる言語として、日本語、英語、中国語、韓国語およびドイツ語が設定されている。そのため、
図13(A)に示すように、それらの任意の二言語による20通りの言語パターンが準備されている。例えば、
図9(A)に示すように、メンバ端末装置30A(主催者端末)で主催者言語として英語が選択されて、メンバ端末装置30B(参加者端末)で日本語が選択されている場合、
図13(B)に示すように、メンバ端末装置30Bの翻訳パターンが"EJ"に設定される。また、この場合の翻訳パターン"EJ"がメンバ端末装置30Bに関する翻訳パターンであり、他のメンバ端末装置30C、30D、30Eの翻訳パターンと区別される必要がある。そのため、メンバ端末装置30Bの"B"を加えて、"BEJ"として、翻訳パターンTBL106に記憶される(他のメンバ端末装置30C、30D、30Eについても同様)。
【0061】
一方、ナビゲーション準備処理が開始されたあと、メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eにおいて、分割画面の表示制御処理によって、後述する分割画面155または分割画面158がそれぞれの表示装置(液晶表示部35)に表示される。
【0062】
そして、メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eにおいて、分割画面155または分割画面158の表示が完了すると、
図11において、ステップ10に処理が進み、後述する多言語ナビゲーション処理が実行される。その後、ナビゲーション準備処理が終了する。
【0063】
プレゼンタ端末および参加者端末が設定され、そのそれぞれについて、主催者言語および参加者言語が選択されると、各メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eで使用される言語は、例えば、
図9(A)に示すように、英語(主催者言語)、それぞれ日本語、中国語、韓国語、ドイツ語(参加者言語)とすることができる。
【0064】
そして、
図10(A)に示すように、分割画面155は、二分割されて各液晶表示部35に表示される画面であって、主催者画面156と、参加者画面157とを有している。主催者画面156は、プレゼンタによるナビゲーション操作説明が行われる画面である。そのナビゲーション操作説明が行われているときの主催者画面156がナビゲーション画面として捕捉される。参加者画面157は、ナビゲーション操作説明が主に各参加者(メンバ)によって視聴される画面であり、各参加者言語を用いた翻訳ナビゲーション画面が表示される。分割画面155によって、主にプレゼンタはナビゲーション画面および翻訳ナビゲーション画面を上下に並べて比較しながら視認できる。
図10(A)では、主催者画面156の表示領域の大きさと、参加者画面157の表示領域の大きさが等しい。主催者画面156と、参加者画面157は、それぞれ、コンボボックス155a,ツールバー155b、言語表示部155cを有している。
【0065】
図10(A)の分割画面155は画面が上下に2分割されているが、
図10(B)に示すように、左右に2分割されている分割画面158とすることもできる。分割画面158は、主催者画面159と、参加者画面160とを有している。主催者画面159と、参加者画面160は、それぞれ、コンボボックス155a,ツールバー155b、言語表示部155cを有している。主催者画面159には、主催者画面156と同様、ナビゲーション画面が表示される。参加者画面160には、参加者画面157と同様、翻訳ナビゲーション画面が表示される。
図10(A)、(B)とも、一例として、メンバ端末装置30Bに表示される主催者画面157,160が示されている。
【0066】
なお、図示した分割画面155では、主催者画面156の表示領域と、参加者画面157の表示領域の大きさが等しいが、主催者画面156の表示領域の大きさと、参加者画面157の表示領域の大きさが相違してもよい(例えば、主催者画面156の表示領域の大きさが参加者画面157の表示領域の大きさよりも大きい)。
【0067】
(多言語ナビゲーション処理)
ナビゲーションサーバ10では、CPU11が
図12に示すフローチャートに沿って、多言語ナビゲーション処理を実行する。CPU11は、多言語ナビゲーション処理を開始すると、ステップ11に処理を進めて、主催者画面(Presenter 画面)を用いた操作入力があるまで待機し、主催者画面(Presenter 画面)を用いた操作入力があるとステップ12に処理が進み、後述する複製翻訳配布処理が実行される。その後、ステップ13に処理が進むと、主催者画面(Presenter 画面)の操作入力に基づき(主催者画面を用いた操作入力で入力されるデータに基づき)、ナビゲーション終了の指示が有ったか否かが判定される。ナビゲーション終了の指示が有ったときは多言語ナビゲーション処理が終了するが、ナビゲーション終了の指示が無ければステップ11に処理が戻る。
【0068】
(複製翻訳配布処理)
そして、多言語ナビゲーションモジュール130,140が
図8のプロセスチャートに示す手順で作動することによって、複製翻訳配布処理が実行される。
【0069】
多言語ナビゲーションモジュール130,140は、主催者画面(Presenter 画面)を用いた操作入力(主催者画面におけるマウス操作、キーボードを用いた入力処理など)があった場合に複製翻訳配布処理を実行する。
図8には、複製翻訳配布処理Nt1,Nt2が順に実行される場合の処理手順が模式的に示されている。複製翻訳配布処理Nt1は、主催者画面(Presenter 画面)を用いてナビゲーション操作説明が行われているときに、マウス操作とともに、コンボボックス(combo box)上での文字入力があった場合の処理である。複製翻訳配布処理N2は、主催者画面(Presenter 画面)を用いてナビゲーション操作説明が行われているときに、マウス操作とともにキーボード操作によるテキスト入力があった場合の処理を示している。複製翻訳配布処理Nt1では、ナビゲーション画面B1が捕捉(キャプチャ)され、複製翻訳配布処理Nt2では、ナビゲーション画面T1が捕捉(キャプチャ)されるが、双方とも、共通する処理なので、主に、複製翻訳配布処理Nt1を例にとって、複製翻訳配布処理が説明される。
【0070】
そして、主催者画面を用いたナビゲーション操作説明が行われているときに、マウス操作とともに、コンボボックス上での文字入力があると、多言語ナビゲーションモジュール130のナビゲーション画面捕捉部133がナビゲーション画面B1として、プレゼンタのマウス操作に応じたマウスポインタの動きを含む画面をリアルタイムに捕捉する。続いて、ナビゲーション画面引渡部134がディスパッチャ121を通じてナビゲーション画面B1を多言語ナビゲーションモジュール140のナビゲーション画面取得部142に引き渡す(
図8の引き渡しi0)。
【0071】
そして、ナビゲーション画面取得部142がナビゲーション画面B1を取得すると、ナビゲーション画面複製部143がそのナビゲーション画面B1を参加者端末(メンバ端末装置30B、30C、30D、30E)の台数に応じた回数(本実施の形態では、4回)複製する。
【0072】
続いて、ナビゲーション画面翻訳・置換部144がナビゲーション画面B1について、次の処理a),b),c)を実行する。a)複製された各ナビゲーション画面B1について、その中に含まれる文字を取り出す(例えば、Optical Character Reader)。b)翻訳パターンTBL106に記憶されている翻訳パターンにしたがい主催者言語と、各参加者言語とを決定し、その中の文字(この場合は、コンボボックス上で入力された文字で、ナビゲーション文字に相当する)を各参加者言語による文字(別ナビゲーション文字)に翻訳する。c)各ナビゲーション画面B1について、含まれている文字の表示を翻訳された参加者言語による文字の表示に置換して、各メンバ端末装置30B、30C、30D、30Eに応じた、翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4を生成する。複製翻訳配布処理Nt2では、翻訳ナビゲーション画面RT1~RT4が生成される。
【0073】
それから、生成された翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4をナビゲーション画面B1~B4とともに、翻訳ナビゲーション画面引渡部145が翻訳ナビゲーション画面取得部135に引き渡す(
図8の引き渡しR0)。複製翻訳配布処理Nt2では、翻訳ナビゲーション画面RT1~RT4がナビゲーション画面T1~T4とともに、翻訳ナビゲーション画面取得部135に引き渡される(
図8の引き渡しR0)。
【0074】
翻訳ナビゲーション画面取得部135が4種類の翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4を取得すると、翻訳ナビゲーション画面配布部136がその取得した翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4をナビゲーション画面B1とともに、対応するメンバ端末装置30B、30C、30D、30Eに配布する(
図8の配布i1)。こうすることで、各メンバ端末装置30B、30C、30D、30Eでは、それぞれ選択した言語に翻訳された文字表示を含む形で翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4がそれぞれの表示装置(液晶表示部35)の参加者画面(例えば、
図10(A)の参加者画面157)に表示される。複製翻訳配布処理Nt2では、翻訳ナビゲーション画面RT1~RT4がナビゲーション画面T1~T4とともに、メンバ端末装置30B、30C、30D、30Eに配布される。
【0075】
この場合、参加者が用いるメンバ端末装置30B、30C、30D、30Eでは、
図10(A)に示すように、分割画面155が表示される。上側の主催者画面156は、主催者言語によるGUIと、プレゼンタの画面操作(例えば、前述のコンボボックスの文字入力)の表示領域である。下側の参加者画面157は、参加者言語によるGUIと、参加者言語による翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4(RT1~RT4)の表示領域である。参加者画面157に表示される翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4は、主催者画面156に表示されるナビゲーション画面B1~B4と、表示される文字の言語は相違するも、表示の内容は共通している。しかし、各メンバは、翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4を視認するだけであり、マウスやキーボードを用いた画面操作を行うことはできない。
【0076】
また、プレゼンタが使用するメンバ端末装置30Aでも、分割画面155が表示される。上側の主催者画面156には、プレゼンタ自らによるナビゲーション画面B1が表示される。このとき、メンバ端末装置30Aの参加者画面157に、翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4が一つずつ表示されるように、メンバ端末装置30Aには、ナビゲーション画面翻訳・置換部144によって生成された翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4すべてが配布されている(
図8のi2)。これに対応して、メンバ端末装置30Aの分割画面155において、画面選択手段としての画面選択ボタン(図示せず)を設けることが好ましい。そして、配布された翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4のいずれか一つをその画面選択ボタンを用いて選択翻訳ナビゲーション画面として選択できるようにし、画面選択ボタンを用いて選択された選択翻訳ナビゲーション画面(翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4のいずれか一つ)が参加者画面157に表示されるように、表示切替えを実行することが好ましい。こうすると、プレゼンタが主催者画面156を用いたナビゲーション操作説明において入力した文字が他の言語でどのように表示されるのかを参加者画面157で確認することができる。
【0077】
そして、例えば、
図10(A)に示す分割画面155において、プレゼンタのマウス操作に続いて、主催者画面156のコンボボックス155a上で、"tool"との英語による文字が入力されたとする。このとき、
図15に示すように、主催者画面156には、"tool"との文字e1およびその"tool"に応じた図形e2が表示されていて、ナビゲーション画面B1には、図示しないマウスポインタの動きを含む画面とともに、コンボボックス155a上での文字入力を含む画面が含まれている。翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4にも、ナビゲーション画面B1と共通するマウスポインタの動きを含む画面と、図形e2と共通する図形e12とが含まれている(画面キャプチャおよび複製により)が、ナビゲーション画面B1には、"tool"との英語による文字e1が含まれているので、これがナビゲーション画面翻訳・置換部144によって取り出される。また、メンバ端末装置30Bの参加者言語が日本語なので、その文字e1が"ツール"と翻訳される。さらに、"tool"との文字e1の表示が"ツール"との文字e11の表示に置換されたコンボボックスを含むナビゲーション画面が翻訳ナビゲーション画面RB1として生成され(翻訳ナビゲーション画面RB2~RB4についても、それぞれの参加者言語で同様に生成される)、その翻訳ナビゲーション画面RB1が分割画面155において、参加者画面157に表示される。
図15では、メンバ端末装置30Aにおいて、翻訳ナビゲーション画面RB1が選択翻訳ナビゲーション画面として選択された場合が示されている。また、メンバ端末装置30Aには、翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4すべてが配布されているので、画面選択ボタンを用いて表示切替えを実行することで、翻訳ナビゲーション画面RB1のほか、翻訳ナビゲーション画面RB2、RB3、RB4を一つずつ表示することができる。
【0078】
参加者は、それぞれのメンバ端末装置30B,30C,30D,30Eにおいて、参加者画面157によって、主催者によるナビゲーション画面を自らの指定した言語に翻訳された内容で視聴することができる。そのため、言語の相違による理解の困難性が解消される。また、メンバ端末装置30Aにおいては、参加者画面157に翻訳ナビゲーション画面RB1~RB4が一つずつ表示され、プレゼンタがそのすべてを視聴することができる。そのため、プレゼンタは、自らのナビゲーション操作説明がメンバ端末装置30B,30C,30D,30Eにどのように表示されるのか確認しながら操作説明を行い、これによって、ナビゲーション操作説明を有意義なものとすることができる。特に、分割画面155では、主催者画面156,参加者画面157が上下に並べられて、そのそれぞれにナビゲーション画面B1と、翻訳ナビゲーション画面RB1(RB2、RB3、RB4)がリアルタイムに同時並行的に表示される。したがって、例えば、テキスト入力が矢継ぎ早に実行された場合でも、各入力テキストと、その翻訳語との対応関係が明確に表示されるから、プレゼンタ、各メンバともに翻訳語を容易に確認できる。
【0079】
この点、本願の多言語ナビゲーションシステム1は、
図16に示すように、従来の会議システムにおける会議サーバ700の処理によって、端末装置630,631,632において画面共有が行われている場合と相違する。端末装置630が文字表示部556と、図形表示部557とを有し、そのそれぞれに文字表示画面f1、図形表示画面f2が表示されている。この文字表示画面f1、図形表示画面f2に関して、端末装置630,631,632において画面共有が行われているので、端末装置631,632にも、それぞれ文字表示画面f1、図形表示画面f2が表示されるが、端末装置631,632では、文字の翻訳(それぞれ英語から日本語、中国語)が行われたことで、"tool"が"ツール"、"工具"と翻訳されている。しかしながら、端末装置630,631,632のいずれにおいても、文字表示画面f1がそれぞれ選択された言語で表示されるにすぎないから、ほかの端末装置でどのように表示されるのかを確認することができない。
【0080】
(ナビゲーションサーバ、多言語ナビゲーションシステム、多言語ナビゲーションプログラムの作用効果)
本実施の形態に係る多言語ナビゲーションシステム1は、多言語(または多国籍)環境において、企業内のチームメンバ同士、従業員同士、異なる企業間の担当者同士が行うビジネス上のコミュニケーション、オンライン形式で会議(ミーティング)、商談、診療、教育、研修、各種支援サービス、知識伝授等で使用される。
【0081】
多言語ナビゲーションシステム1により、例えば、技術者が母国語の異なるユーザとコミュニケーションを直接とることができ、または、技術者が通訳や翻訳者の協力がなくても母国語の異なるユーザとコミュニケーションを直接とることができる。参加者にとっても、母国語の異なる技術者と、通訳や翻訳者の協力なしに、コミュニケーションを直接とることができる。多言語ナビゲーションシステム1によって、参加者が自らの好む言語で、ソフトウェア、そのほかの技術について、技術者から直接、学ぶことができる。
【0082】
多言語ナビゲーションシステム1では、各メンバ端末装置30にERP GUI(例えば、SAP GUI)がインストールされている。プレゼンタは、例えば、ソフトウェアの技術説明を行う場合、好みの言語(上記の場合の主催者言語)を使用しながらナビゲーション操作説明を行い、技術説明をすることができる。一方、参加者は、プレゼンタとは異なる好みの言語(上記の場合の参加者言語)を選択し、その言語で表示される参加者画面を視認しながら詳細な技術説明を聞き取ることができる。
【0083】
この場合、プレゼンタがナビゲーション画面上でコマンド、テキスト入力、マウス操作などの操作を行うと、それらがリアルタイムに複製されて、参加者言語で参加者画面上に表示される。
【0084】
多言語ナビゲーションシステム1を用いることで、新規で先進の技術だけでなく、既存技術についても、それらを習得する、追従する、学習する、実行する、またはほかのメンバと協同する場合の言語の障壁が解消される。
【0085】
そのため、企業間または企業内のコミュニケーションがよりスムーズで簡易になり、それにより、従業員及び企業内の生産性を高めることができる。
【0086】
すると、ソフトウェアのプロフェッショナルや、技術の専門家が国内で養成されるため、様々なソフトウェアの分野において、技術的な専門的知識を得るために他国へ依存する度合いを削減、低減することができる。
【0087】
一方、企業は、2か国語または多言語に精通しているプロフェッショナルを探し出しまたは訓練するのに奮闘しており、それらに莫大な時間と費用を費やしている。そのため、多数のプロジェクトが言語の障壁のない国外に転送される。しかしながら、多言語ナビゲーションシステム1が用いられることにより、かかる課題が効率的に解決される。
【0088】
多言語ナビゲーションシステム1では、プレゼンタの説明が終了したあと、参加者の一人がプレゼンタとなって、別途ナビゲーション操作説明を行ってもよい。参加者の一人が自らの画面共有を開始し、自らの参加言語で別のプレゼンテーションを行い、そのほかの参加者がそれぞれの好みの言語による翻訳ナビゲーション画面を参照しながら操作説明を視聴することができる。
【0089】
多言語ナビゲーションシステムでは、各参加者は、表示装置上でのプレゼンタの入力コマンド、インストラクション、操作説明をそれぞれの画面で並行して追従できるように、自らの好みに基づき、2以上の言語を選択できるようにしてもよい。
【0090】
その場合、参加者は、その選択に適合させて、画面サイズを拡大または縮小することができる。また、プレゼンタおよび他の参加者は、それぞれの選択に応じて画面サイズの最小化または最大化を行える。
【0091】
さらに、多言語ナビゲーションシステムでは、分割画面155(主催者画面156,参加者画面157の双方)におけるナビゲーション操作説明が記録されてもよい。そうすると、参加者がミーティングを欠席しても、あとで、そのナビゲーション操作説明を視聴することができる。
【0092】
CPU11が実行する多言語ナビゲーションプログラムは、磁気記録媒体、CD-ROM,DVD等の各種記録媒体に記録することができるし、ネットワークを介して図示しないサーバからダウンロードすることもできる。ナビゲーションサーバ10はサーバ装置により構成されるだけではなく、クラウドコンピューティングサービス上に構築された仮想サーバ等により構成されることもできる。クラウドコンピューティングサービスとして、AWS(Amazon Web Service)を利用することができる(AWS、Amazon,Amazon Web Serviceは登録商標)。
【0093】
(変形例1)
上記の実施形態では、ナビゲーションサーバ10と、メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)とによって、ナビゲーションシステム1が構成されていた。その他、ナビゲーションサーバ10がなく、複数のメンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)によって、ナビゲーションシステム(図示せず)が構成されてもよい。
【0094】
例えば、各メンバ端末装置30のいずれか一台(メンバ端末装置30A)がナビゲーションサーバ10の機能を有し、その他のメンバ端末装置30(30B、30C、30D、30E)が上記同様のメンバ端末装置30(30B、30C、30D、30E)として作動してもよい。メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)がインターネットN1を介して接続され、互いに通信を行える。この場合、多言語ナビゲーションプログラムがメンバ端末装置30Aにインストールされることによって、メンバ端末装置30Aが本発明における多言語ナビゲーション装置として作動し、その他のメンバ端末装置30B、30C、30D、30Eが本発明における複数の端末装置として作動する。すると、多言語ナビゲーションがメンバ端末装置30(30B、30C、30D、30E)に対して提供されるので、メンバ端末装置30(30B、30C、30D、30E)のいずれか一台(例えば、メンバ端末装置30B)が主催者端末に設定され、その他のメンバ端末装置30C、30D、30Eが参加者端末に設定されることができる。
【0095】
また、メンバ端末装置30Aが本発明における多言語ナビゲーション装置として作動して、さらに主催者端末に設定されてもよい。その他のメンバ端末装置30B、30C、30D、30Eが参加者端末に設定されてもよい。
【0096】
多言語ナビゲーションプログラムがメンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30E)のすべてにインストールされていて、そのメンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)に対して、多言語ナビゲーションが提供されてもよい。この場合、メンバ端末装置30(30A、30B、30C、30D、30E)のいずれか一台(例えば、メンバ端末装置30A)がナビゲーションサーバ10として作動して、かつ主催者端末に設定され、その他のメンバ端末装置30B、30C、30D、30Eが参加者端末に設定されることができる。メンバ端末装置30Aの代わりに、メンバ端末装置30B、30C、30D、30Eのいずれか一台がナビゲーションサーバ10として作動して、かつ主催者端末に設定されてもよい。
【0097】
(変形例2)
上記の実施形態では、メンバ端末装置30Aのナビゲーション画面がナビゲーション画面複製部143によって複製されて、翻訳ナビゲーション画面が生成されていた。そうすると、ナビゲーション文字が別ナビゲーション文字に翻訳されたとき、ナビゲーション文字の長さと別ナビゲーション文字の長さとが相違することがある。例えば、"Language"が"言語"と翻訳される場合、"Language"の長さと、"言語"の長さとが相違するため、翻訳ナビゲーション画面の表示が不適切になる場合がある。そのため、上記多言語ナビゲーションモジュール140にレイアウト変更部146を新たに設けて、ナビゲーション文字の長さと別ナビゲーション文字の長さとの相違が一定以上の大きさになったときは、そのレイアウト変更部146によってレイアウト変更が実行されることが好ましい。レイアウト変更部146によってレイアウト変更が実行されると、ナビゲーション画面のレイアウトが変更されたあと、ナビゲーション画面翻訳・置換部144によって翻訳ナビゲーション画面(後述する変更翻訳ナビゲーション画面tRB1~tRB4、tRT1~tRT4)が生成される。レイアウト変更によって、ナビゲーション文字の表示部のサイズが別ナビゲーション文字の長さに対応したサイズに変更されるので、翻訳ナビゲーション画面において、別ナビゲーション文字の表示部のサイズがレイアウト変更後の長さで表示される。
【0098】
この場合、前述の複製翻訳配布処理において、ナビゲーション画面翻訳・置換部144による処理b)が実行されたあと、ナビゲーション文字の長さと別ナビゲーション文字の長さとの相違が一定以上の大きさになったときに、レイアウト変更部146によって、レイアウト変更が実行され、その後、ナビゲーション画面翻訳・置換部144による処理c)が実行される。すると、
図14に示すように、各ナビゲーション画面B1から、変更翻訳ナビゲーション画面tRB1~tRB4、tRT1~tRT4が生成される。レイアウト変更部146によるレイアウト変更が実行されることによって、ナビゲーション文字の長さと別ナビゲーション文字の長さとの相違があっても、翻訳ナビゲーション画面が適切に表示される。このとき、ERPシステムには、入力および出力の画面として、複数のレイアウトが含まれている。そのため、プレゼンタの操作に応じたレイアウトの画面がその都度、捕捉され、その画面が捕捉されたあと、ユーザの言語(参加者言語)に応じた画面レイアウトとのMatch(マッチ)して(マッチングを行い)、レイアウト変更が実行される。このとき、変更翻訳ナビゲーション画面tRB1~tRB4、tRT1~tRT4には、上側の主催者画面156の操作がミラーリングして表示されるが、メンバは、下側の参加者画面157でマウス操作、コマンド入力といった画面操作を行うことはできない。
【0099】
上記の説明では、主催者言語、参加者言語として、一つの言語が選択されていたが、オプション機能として、二つ以上の言語(第2言語)が選択(指定)できるようにしてもよい。その場合、例えば、
図9(B)に示すように、各メンバ端末装置30A、30B、30C、30D、30Eで使用される言語がそれぞれ、日本語および韓国語、中国語および日本語、韓国語および中国語、ドイツ語および日本語とすることができる。
【0100】
上記の説明では、ナビゲーションサーバ10がナビゲーション画面捕捉部133を有し、そのナビゲーション画面捕捉部133がナビゲーション画面を捕捉していた。ナビゲーション画面捕捉部133によるナビゲーション画面の捕捉機能を備えた画面捕捉部を各メンバ端末装置30が有していてもよい。その場合、各メンバ端末装置30の画面捕捉部がナビゲーション画面を捕捉し、ナビゲーションサーバ10に送信することによって、上記と同様の多言語ナビゲーションが実現される。また、上記の説明では、ERPシステムで構築された業務管理システム99を例にとって説明が行われている。ERPシステムには、例えば、SAP社が提供するソリューションシステムがあるが、そのほかのERPシステム(ERP NetSuite(Oracle社のシステム、NetSuite、Oracleは登録商標)を用いて業務管理システム99、多言語ナビゲーションプログラムが生成されてもよい。そのほか、多言語ナビゲーションプログラムが適用できるプログラム、例えば、CADソフト(3次元または2次元)を利用して多言語ナビゲーションプログラムが生成されてもよいし、統合CRMプラットフォームを利用して多言語ナビゲーションプログラムが生成されてもよい。
【0101】
そのほか、本発明に係る多言語ナビゲーションプログラムは、次のようなナビゲーションのセルフチェックモードを実行できることが好ましい。例えば、多言語ナビゲーションプログラムがメンバ端末装置30Aにインストールされることによって、各メンバ端末装置30のメンバがプレゼンタとして主催者画面156を用いてナビゲーション操作説明が行ないながら、参加者画面157に表示される翻訳ナビゲーション画面を事前に確認できることが好ましい。こうすることで、メンバは、ナビゲーション操作説明がほかのメンバのメンバ端末装置30(例えば、メンバ端末装置30B)でどのように表示されるかを自分で確認することができる。
【0102】
以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。また、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。
【0103】
上記の説明では、プレゼンタ言語または参加者言語として、日本語、英語、中国語、韓国語、ドイツ語が指定される場合が例示されているが、そのほかの言語(例えば、スペイン語、フランス語、アラビア語など)が指定されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明を適用することにより、ナビゲーション操作説明が多言語で行えて、プレゼンタがナビゲーション操作説明を有意義に行えるようにすることができる。本発明は、多言語ナビゲーション装置、多言語ナビゲーションシステムおよび多言語ナビゲーションプログラムの分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1…多言語ナビゲーションシステム、10…ナビゲーションサーバ、11,31…CPU、30,30A,30B,30C,30D,30E…メンバ端末装置、35…液晶表示部、106…翻訳パターンテーブル、101…ソフトウェア開発管理モジュール、123…ダイアログワークプロセス、126…バックグラウンドワークプロセス、130,140…多言語ナビゲーションモジュール、132…翻訳パターン設定部、133…ナビゲーション画面捕捉部、136…翻訳ナビゲーション画面配布部、143…ナビゲーション画面複製部、144…ナビゲーション画面翻訳・置換部、155,158…分割画面、156,159…主催者画面、157,160…参加者画面。
【要約】
【課題】ナビゲーション操作説明が多言語で行えて、プレゼンタがナビゲーション操作説明を有意義に行えるようにする多言語ナビゲーション装置、多言語ナビゲーションシステムおよび多言語ナビゲーションプログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーションサーバ10は、複数の端末装置30のいずれか一つを主催者端末とし、他のすべてを参加者端末として設定する端末設定手段と、主催者端末に表示される分割画面の一方を用いてナビゲーション操作説明が行われているときにその一方をナビゲーション画面として捕捉する画面捕捉手段と、ナビゲーション画面を複製し、ナビゲーション文字を別ナビゲーション文字に翻訳し、ナビゲーション文字の表示を別ナビゲーション文字の表示に置換した翻訳ナビゲーション画面を生成する複製翻訳手段と、翻訳ナビゲーション画面を端末装置30それぞれに配布する配布手段とを有する。
【選択図】
図1