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特許7417355ベアリングプレート設置面切削研磨方法及びこれに用いる装置
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  • 特許-ベアリングプレート設置面切削研磨方法及びこれに用いる装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ベアリングプレート設置面切削研磨方法及びこれに用いる装置
(51)【国際特許分類】
   E21D 20/00 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
E21D20/00 W
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019002199
(22)【出願日】2019-01-09
(65)【公開番号】P2020111918
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-12-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】303057365
【氏名又は名称】株式会社安藤・間
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】湯本 健寛
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 秀雄
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-019581(JP,A)
【文献】特開2018-091050(JP,A)
【文献】実開平02-084889(JP,U)
【文献】実開昭60-027191(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの壁面に吹付けコンクリートを施して、前記壁面に、前記吹付けコンクリートを貫通して地山に達する所定の長さを有するロックボルトを前記壁面に対して垂直に打ち込み、前記ロックボルトの突出部にベアリングプレートを通してナットを締着するロックボルト工において、前記ロックボルトを打ち込むためのロックボルト挿入孔を削孔した吹付けコンクリート面に前記ロックボルトに前記ベアリングプレートを取り付けるためのベアリングプレート設置面を切削研磨するベアリングプレート設置面切削研磨方法であって、
長さ3m以上で、先端に穿孔用ビットを有し、後端側に後記切削研磨ディスクを押圧可能なディスク押圧部材を有する穿孔用ロッドに、先端面に中心側から外周方向に放射状に断面三角形状の複数の超硬チップが突出固定される切削研磨部を含む先端面が切削研磨部をなす可動式の切削研磨ディスクを前記穿孔用ロッド上でスライド自在にかつ前記穿孔用ロッドと一体に回転可能に取り付けて、長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを穿孔機に前記穿孔機の先端側で前記穿孔用ロッドを前記ディスク押圧部材とともに前記吹付けコンクリート面に向けて前記吹付けコンクリート面に対して直角に送り案内するガイドを介して作動連結し、
前記吹付けコンクリート面に前記ロックボルト挿入孔を穿孔するに当たり、前記穿孔用ロッド上で前記切削研磨ディスクを前記吹付けコンクリート面から離間する位置にスライドさせておき、前記穿孔機の駆動及び前記穿孔機の先端側のガイドの案内により、長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら押し進めて、前記吹付けコンクリート面に前記ロックボルト挿入孔を穿孔し、
前記ロックボルト挿入孔の穿孔完了後、前記ロックボルト挿入孔に長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを挿入したまま、引き続き前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら、前記穿孔用ロッド上の前記切削研磨ディスクを、前記ロックボルト挿入孔に挿入された長さ3m以上の前記穿孔用ロッドをガイドにして、前記穿孔用ロッド後端側の前記ディスク押圧部材で押圧して前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部を前記吹付けコンクリート面に押し当て、回転する前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部でベアリングプレート設置面を切削研磨する、
ことを特徴とするベアリングプレート設置面切削研磨方法。
【請求項2】
請求項1のベアリングプレート設置面切削研磨方法に用いるベアリングプレート設置面 切削研磨装置であって、
長さ3m以上で、先端に穿孔用ビットを有し、穿孔機に作動連結される穿孔用ロッドと、
先端面に中心側から外周方向に放射状に断面三角形状の複数の超硬チップが突出固定される切削研磨部を含む、先端面が切削研磨部をなし、中心に前記穿孔用ロッドを挿通可能なロッド挿通部を有し、前記穿孔用ロッド上にスライド自在にかつ前記穿孔用ロッドと一体に回転可能に取り付けられる可動式の切削研磨ディスクと、
前記穿孔用ロッド上の前記切削研磨ディスクをその後端面から押圧可能に形成されて、前記穿孔用ロッドの後端側に固定して設けられるディスク押圧部材と、
前記穿孔機の先端側に設けられ、前記穿孔機に作動連結された前記穿孔用ロッドを前記ディスク押圧部材とともに吹付けコンクリート面に向けて前記吹付けコンクリート面に対して直角に送り案内するガイドと、
を備え、
吹付けコンクリート面にロックボルト挿入孔を穿孔するに当たり、前記穿孔用ロッド上で前記切削研磨ディスクを前記吹付けコンクリート面から離間する位置にスライドさせておき、前記穿孔機の駆動及び前記穿孔機の先端側のガイドの案内により、長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら押し進めて、前記吹付けコンクリート面に前記ロックボルト挿入孔を穿孔し、
前記ロックボルト挿入孔の穿孔完了後、前記ロックボルト挿入孔に長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを挿入したまま、引き続き前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら、前記穿孔用ロッド上の前記切削研磨ディスクを、前記ロックボルト挿入孔に挿入された長さ3m以上の前記穿孔用ロッドをガイドにして、前記穿孔用ロッド後端側の前記ディスク押圧部材で押圧して前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部を前記吹付けコンクリート面に押し当て、回転する前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部でベアリングプレート設置面を切削研磨する、
ことを特徴とするベアリングプレート設置面切削研磨装置。
【請求項3】
穿孔用ロッドの周面は角形に形成され、切削研磨ディスクの中心のロッド挿通部は前記穿孔用ロッドが嵌挿可能に断面角形に形成される請求項2に記載のベアリングプレート設置面切削研磨装置。
【請求項4】
ディスク押圧部材は切削研磨ディスクの中心のロッド挿通部の断面形状よりも大きい断面形状に形成される請求項2又は3に記載のベアリングプレート設置面切削研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロックボルト工に用いるベアリングプレート設置面切削研磨方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新オーストリアトンネル工法(NATM)に代表される山岳トンネル工事では、トンネルの掘削を行った後、トンネルの壁面に吹付けコンクリートを施してから、この壁面に、吹付けコンクリートを貫通して地山に達する所定の長さを有する多数のロックボルトをトンネル周方向に所定の間隔で壁面に対して垂直に打ち込み、各ロックボルトの突出部にベアリングプレートを通してナットを締着することにより、支保として地山の定着を図っている。
このようなトンネル工事のロックボルト工においてロックボルトのベアリングプレートは吹付けコンクリートとロックボルトとを一体化し、ロックボルトの軸力をトンネルの壁面に伝達させるために設置される。このため、吹付けコンクリート面にベアリングプレート設置面を平滑に切削研磨して、当該設置面にベアリングプレートを密着させること、そして、当該設置面をロックボルト挿入孔に対して直角に切削研磨してベアリングプレートをロックボルトに対して直角に取り付けることが重要となる。
【0003】
この種のロックボルト工の特にベアリングプレートを設置する設置面を切削研磨する技術が非特許文献1、特許文献1により提案されている。
これら文献は、山岳トンネルのロックボルト工において、吹付けコンクリートの表面にロックボルトをロックボルトの頭部が突出しないようにして、その後に吹付けコンクリートの表面に貼り付けるトンネル防水シートの損傷を防止する方法に関するもので、この方法では、トンネル内を覆う吹付けコンクリートの表面の所定の位置にロックボルトを挿入するロックボルト挿入孔を形成するロックボルト用削孔を行う段階と、ロックボルト挿入孔と同じ中心軸を有するようにプレート収納用の窪み部を形成する後削孔を行う段階と、ロックボルト挿入孔に定着材を充填してロックボルトを定着する段階と、定着されたロックボルトにプレート(ベアリングプレート)を挿通しこのプレートをナットで定着する段階とを有するロックボルト工において、削孔機に親子ビットと称せられる特殊な削孔用ビットを用いて、吹付けコンクリートの表面にプレート収納用の窪み部を形成し、ロックボルト、プレート、及びナットをいずれもプレート収納用の窪み部内に収め、窪み部周囲の吹付けコンクリートの表面から突出しないように設置する。
このロックボルト工で用いられる親子ビットは、プレート収納用の窪み部を形成する親ビットと、親ビットと中心軸を同じくして親ビットに固定され、親ビットの外径サイズより小さい外径を有する子ビットとを有し、親ビットの外径はプレートの外接円の径より大きく、子ビットの外径はロックボルト挿入孔の内径に等しく、子ビットの先端は親ビットの先端より一定距離軸方向に突出するように設置される。この削孔用ビットにより、すなわち、子ビットを穿孔方向のガイドとして既設のロックボルト挿入孔に挿入し、親ビットで吹付けコンクリート面に削孔と同軸でプレート設置面(ベアリングプレート設置面)を平坦に切削研磨する。
【0004】
なお、地下発電所などで、アンカーのベアリングプレート設置箇所の吹付け面を親子ビットを用いて研磨する事例もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】熊谷、筒井、渡邉、河西、「吹付け仕上り面平滑化のためのロックボルト頭部処理に関する一試行」、土木学会第72回年次学術講演会(平成29年9月)
【文献】特開2018- 91050号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のような親子ビットを用いて、吹付けコンクリート面にベアリングプレート設置面を切削研磨する方法では、図5に示すように、親子ビットの子ビットの長さがロックボルト挿入孔に比べて短いため、穿孔用ビット11でロックボルト挿入孔を削孔した後、穿孔用ビット11を親子ビットに取り替えて、この親子ビットで吹付けコンクリート面にベアリングプレート設置面を切削研磨する必要があり、その分だけ施工に多くの時間を要し、また、子ビットの長さが短いために、吹付けコンクリート面のベアリングプレート設置面を親ビットで切削研磨する際に、ロックボルト挿入孔のガイド孔内で子ビットがばたつきやすく、親ビットを安定させにくいため、ロックボルト挿入孔のためのガイド孔に対してベアリングプレート設置面を直角に切削研磨することが難しく、その結果、ロックボルト挿入孔に打ち込んだロックボルトに対してベアリングプレートを直角に取り付けることができない、という問題がある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題を解決するものであり、この種のベアリングプレート設置面を切削研磨する方法及び装置において、ベアリングプレート設置面の切削研磨に当たり、ビットの取り替えをなくして、施工時間の短縮を図ること、ベアリングプレート設置面をロックボルト挿入孔に対して直角に切削研磨して、ロックボルトに対してベアリングプレートを直角に取り付けること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明(1)は、
トンネルの壁面に吹付けコンクリートを施して、前記壁面に、前記吹付けコンクリートを貫通して地山に達する所定の長さを有するロックボルトを前記壁面に対して垂直に打ち込み、前記ロックボルトの突出部にベアリングプレートを通してナットを締着するロックボルト工において、前記ロックボルトを打ち込むためのロックボルト挿入孔を削孔した吹付けコンクリート面に前記ロックボルトに前記ベアリングプレートを取り付けるためのベアリングプレート設置面を切削研磨するベアリングプレート設置面切削研磨方法であって、
長さ3m以上で、先端に穿孔用ビットを有し、後端側に後記切削研磨ディスクを押圧可能なディスク押圧部材を有する穿孔用ロッドに、先端面に中心側から外周方向に放射状に断面三角形状の複数の超硬チップが突出固定される切削研磨部を含む先端面が切削研磨部をなす可動式の切削研磨ディスクを前記穿孔用ロッド上でスライド自在にかつ前記穿孔用ロッドと一体に回転可能に取り付けて、長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを穿孔機に前記穿孔機の先端側で前記穿孔用ロッドを前記ディスク押圧部材とともに前記吹付けコンクリート面に向けて前記吹付けコンクリート面に対して直角に送り案内するガイドを介して作動連結し、
前記吹付けコンクリート面に前記ロックボルト挿入孔を穿孔するに当たり、前記穿孔用ロッド上で前記切削研磨ディスクを前記吹付けコンクリート面から離間する位置にスライドさせておき、前記穿孔機の駆動及び前記穿孔機の先端側のガイドの案内により、長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら押し進めて、前記吹付けコンクリート面に前記ロックボルト挿入孔を穿孔し、
前記ロックボルト挿入孔の穿孔完了後、前記ロックボルト挿入孔に長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを挿入したまま、引き続き前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら、前記穿孔用ロッド上の前記切削研磨ディスクを、前記ロックボルト挿入孔に挿入された長さ3m以上の前記穿孔用ロッドをガイドにして、前記穿孔用ロッド後端側の前記ディスク押圧部材で押圧して前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部を前記吹付けコンクリート面に押し当て、回転する前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部でベアリングプレート設置面を切削研磨する、
ことを要旨とする。
上記目的を達成するために、本発明(2)は、
上記のベアリングプレート設置面切削研磨方法に用いるベアリングプレート設置面切削研磨装置であって、
長さ3m以上で、先端に穿孔用ビットを有し、穿孔機に作動連結される穿孔用ロッドと、
先端面に中心側から外周方向に放射状に断面三角形状の複数の超硬チップが突出固定される切削研磨部を含む、先端面が切削研磨部をなし、中心に前記穿孔用ロッドを挿通可能なロッド挿通部を有し、前記穿孔用ロッド上にスライド自在にかつ前記穿孔用ロッドと一体に回転可能に取り付けられる可動式の切削研磨ディスクと、
前記穿孔用ロッド上の前記切削研磨ディスクをその後端面から押圧可能に形成されて、前記穿孔用ロッドの後端側に固定して設けられるディスク押圧部材と、
前記穿孔機の先端側に設けられ、前記穿孔機に作動連結された前記穿孔用ロッドを前記ディスク押圧部材とともに吹付けコンクリート面に向けて前記吹付けコンクリート面に対して直角に送り案内するガイドと、
を備え、
吹付けコンクリート面にロックボルト挿入孔を穿孔するに当たり、前記穿孔用ロッド上で前記切削研磨ディスクを前記吹付けコンクリート面から離間する位置にスライドさせておき、前記穿孔機の駆動及び前記穿孔機の先端側のガイドの案内により、長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら押し進めて、前記吹付けコンクリート面に前記ロックボルト挿入孔を穿孔し、
前記ロックボルト挿入孔の穿孔完了後、前記ロックボルト挿入孔に長さ3m以上の前記穿孔用ロッドを挿入したまま、引き続き前記穿孔用ロッドを前記切削研磨ディスクとともに回転させながら、前記穿孔用ロッド上の前記切削研磨ディスクを、前記ロックボルト挿入孔に挿入された長さ3m以上の前記穿孔用ロッドをガイドにして、前記穿孔用ロッド後端側の前記ディスク押圧部材で押圧して前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部を前記吹付けコンクリート面に押し当て、回転する前記切削研磨ディスクの先端面の前記切削研磨部でベアリングプレート設置面を切削研磨する、
ことを要旨とする。
また、この装置は各部に次のような構成を備えることが好ましい。
(1)穿孔用ロッドの周面は角形に形成され、切削研磨ディスクの中心のロッド挿通部は前記穿孔用ロッドが嵌挿可能に断面角形に形成される。
(2)ディスク押圧部材は切削研磨ディスクの中心のロッド挿通部の断面形状よりも大きい断面形状に形成される。
【発明の効果】
【0009】
(1)本発明(1)のベアリングプレート設置面切削研磨方法によれば、次のような本発明独自の格別な効果を奏する。すなわち、本発明(1)では、穿孔用ロッドは3m以上で、この穿孔用ロッドに、先端面に中心側から外周方向に放射状に断面三角形状の複数の超硬チップが突出固定される切削研磨部を含む先端面が切削研磨部をなす可動式の切削研磨ディスクを穿孔用ロッド上でスライド自在にかつ穿孔用ロッドと一体に回転可能に取り付けて、穿孔用ロッドを穿孔機の先端側で穿孔用ロッドをディスク押圧部材とともに吹付けコンクリート面に向けて吹付けコンクリート面に対して直角に送り案内するガイドを介して穿孔機に作動連結し、吹付けコンクリート面にロックボルト挿入孔を穿孔するに当たり、穿孔用ロッド上で切削研磨ディスクを吹付けコンクリート面から離間する位置にスライドさせておき、穿孔機の駆動及び穿孔機の先端側のガイドの案内により、長さ3m以上の穿孔用ロッドを切削研磨ディスクとともに回転させながら押し進めて、吹付けコンクリート面にロックボルト挿入孔を穿孔し、ロックボルト挿入孔の穿孔完了後、ロックボルト挿入孔に穿孔用ロッドを挿入したまま、引き続き穿孔用ロッドを切削研磨ディスクとともに回転させながら、穿孔用ロッド上の切削研磨ディスクを、ロックボルト挿入孔に挿入された長さ3m以上の穿孔用ロッドをガイドにして、穿孔用ロッド後端側のディスク押圧部材で押圧して切削研磨ディスクの先端面の切削研磨部を吹付けコンクリート面に押し当て、回転する切削研磨ディスクの先端面の切削研磨部でベアリングプレート設置面を切削研磨するので、ベアリングプレート設置面の切削研磨に当たり、ビットの取り替えをなくして、施工時間の短縮を図ることができ、穿孔用ロッドを長さ3m以上としたことで、ロックボルト挿入孔内で穿孔用ロッドのばたつきを押さえ、切削研磨ディスクを安定させて、ベアリングプレート設置面をロックボルト挿入孔に対して直角に切削研磨することができこれにより、吹付けコンクリート面のロックボルト挿入孔に打ち込まれたロックボルトに対してベアリングプレートを直角に取り付けることができる。
(2)本発明(2)のベアリングプレート設置面切削研磨装置によれば、上記の構成により、次のような本発明独自の格別な効果を奏する。すなわち、本発明(2)では、穿孔用ロッドを3m以上とし、吹付けコンクリート面にロックボルト挿入孔を穿孔するに当たり、穿孔用ロッド上で切削研磨ディスクを吹付けコンクリート面から離間する位置にスライドさせておき、穿孔機の駆動及び穿孔機の先端側のガイドの案内により、穿孔用ロッドを切削研磨ディスクとともに回転させながら押し進めて、吹付けコンクリート面にロックボルト挿入孔を穿孔し、ロックボルト挿入孔の穿孔完了後、ロックボルト挿入孔に穿孔用ロッドを挿入したまま、引き続き穿孔用ロッドを切削研磨ディスクとともに回転させながら、穿孔用ロッド上の切削研磨ディスクを、ロックボルト挿入孔に挿入された長さ3m以上の穿孔用ロッドをガイドにして、穿孔用ロッド後端側のディスク押圧部材で押圧して切削研磨ディスクの先端面の切削研磨部を吹付けコンクリート面に押し当て、回転する切削研磨ディスクの先端面の切削研磨部でベアリングプレート設置面を切削研磨するので、ベアリングプレート設置面の切削研磨に当たり、ビットの取り替えをなくして、施工時間の短縮を図ることができ、穿孔用ロッドを長さ3m以上としたことで、ロックボルト挿入孔内で穿孔用ロッドのばたつきを押さえ、切削研磨ディスクを安定させて、ベアリングプレート設置面をロックボルト挿入孔に対して直角に切削研磨することができこれにより、吹付けコンクリート面のロックボルト挿入孔に打ち込まれたロックボルトに対してベアリングプレートを直角に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施の形態によるベアリングプレート設置面切削研磨方法及び装置の構成を示す図
図2】同方法及び装置に用いる切削研磨ディスクの構成を示す図((a)は斜め上方から見た斜視図(b)は斜め下方から見た斜視図)
図3】山岳トンネル工事のロックボルト工での本方法、本装置の使用例を示す図
図4】山岳トンネル工事のロックボルト工での本方法、本装置の使用例を示す図
図5】従来のベアリングプレート設置面切削研磨方法及び装置の課題を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1にベアリングプレート設置面切削研磨方法を示している。
図1に示すように、このベアリングプレート設置面切削研磨方法(以下、単に本方法という。)は、ロックボルトを打ち込むためのロックボルト挿入孔a10を削孔した施工面aにロックボルトにベアリングプレートを取り付けるためのベアリングプレート設置面a11を切削研磨するもので、本方法では、特に、削孔機Mに作動連結する穿孔用ロッド1の周囲に可動式の切削研磨ディスク2を配置し、また、穿孔用ロッド1の後端側にディスク押圧部材3を固定して、施工面aに穿孔用ロッド1でロックボルト挿入孔a10を削孔し、ロックボルト挿入孔a10の削孔後、引き続き穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら、穿孔用ロッド1後端側のディスク押圧部材3で切削研磨ディスク2を施工面aに押し付けてベアリングプレート設置面a11を切削研磨する。
【0012】
すなわち、本方法では、施工前の施工機器、機材の準備として、先端に穿孔用ビット11を有し、後端側に切削研磨ディスク2を押圧可能なディスク押圧部材3を配置した穿孔用ロッド1を用い、この穿孔用ロッド1に、先端面が切削研磨部21をなす可動式の切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1上でスライド自在にかつ穿孔用ロッド1と一体に回転可能に取り付けて、この穿孔用ロッド1を穿孔機Mに作動連結する。
【0013】
このようにして、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔するに当たり、穿孔用ロッド1上で切削研磨ディスク2を施工面aから離間する位置にスライドさせておき、穿孔機Mの駆動により、穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら押し進めて、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔する。
【0014】
そして、ロックボルト挿入孔a10の穿孔完了後、ロックボルト挿入孔a10に穿孔用ロッド1を挿入したまま、引き続き穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら、穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1後端側のディスク押圧部材3で押圧して切削研磨ディスク2の先端切削研磨部21を施工面aに押し当て、回転する切削研磨ディスク21でベアリングプレート設置面a11を切削研磨する。
【0015】
図1に本方法に用いるベアリングプレート設置面切削研磨装置を併せて示している。
図1に示すように、このベアリングプレート設置面切削研磨装置(以下、単に本装置という。)は、ロックボルトを打ち込むためのロックボルト挿入孔a10を削孔した施工面aにロックボルトにベアリングプレートを取り付けるためのベアリングプレート設置面a11を切削研磨するもので、ロックボルト挿入孔a10を削孔するための穿孔用ロッド1と、穿孔用ロッド1上に配置される可動式の切削研磨ディスク2と、穿孔用ロッド1の後端側に固定して設けられるディスク押圧部材3とを備えて構成される。
【0016】
穿孔用ロッド1は、ロックボルト挿入孔a10の穿孔に一般に用いられるもので、この場合、長さが3、4m、周面が角形(この場合、六角形)に形成され、先端にロックボルト挿入孔a10の穿孔に通常用いられる穿孔用ビット11が取り付け固定される。この穿孔用ロッド1は一般に使用される公知の穿孔機Mに作動連結される。
なお、この場合、穿孔機Mは、図1に簡略して示しているが、一定長を有するガイドセルM1、ガイドセルM1上に設置され、穿孔用ロッド1に打撃・回転力を付与するドリフタM2、ドリフタM2をガイドセルM1に沿って前後に移動させる駆動機構(図示省略)、ガイドセルM1の先端に付設されたセントライザM3などを備えて構成され、穿孔用ロッド1はセントライザM3を通してドリフタM2に挿着されて、穿孔用ロッド1をドリフタM2により打撃・回転運動させるとともに、ガイドセルM1上でドリフタM2を駆動機構により前方に移動させることで、穿孔用ロッド1で施工面aを穿孔するようになっている。また、この場合、セントライザM3は、通常、穿孔用ロッド1を回転可能にかつガイドセルM1と平行に送り案内可能に保持する構造を取るところ、この削孔機Mには本装置を用いるため、セントライザM3は穿孔用ロッド1とともに穿孔用ロッド1の後端側に備える後述するディスク押圧部材3を回転可能にかつガイドセルM1と平行に送り案内可能に保持する構造とし、このセントライザM3は穿孔用ロッド1をディスク押圧部材3とともに施工面aに向けて施工面aに対して直角に送り案内するガイドとなっている。
【0017】
可動式の切削研磨ディスク2は、先端面が切削研磨部21をなし、中心に穿孔用ロッド1を挿通可能なロッド挿通部20を有し、穿孔用ロッド1上(穿孔用ロッド1の周囲)にスライド自在にかつ穿孔用ロッド1と一体に回転可能に取り付けられる。
この場合、切削研磨ディスク2は、図2に示すように、先端側の大径部22と、先端側と後端側との間の中径部23と、後端側の小径部24とからなる。大径部22はベアリングプレートの対角線より若干大きい直径の円柱形に形成され、先端面に中心付近から外周方向に放射状に断面三角形状(一端は断面五角形状)の複数の超硬チップ221が設置固定され、これら超硬チップ221の頂部2面が先端面から突出されて、先端面が切削研磨部21になっている。中径部23は大径部22と同軸的に大径部22側から小径部24側にかけて漸次縮径されるテーパ状に形成される。小径部24は大径部22、中径部23と同軸的に中径部23より小径の円柱形に形成される。かくして切削研磨ディスク2は全体として略コマ形に形成され、大径部22の先端面中心から中径部23の中心を通して小径部24の後端面の中心まで、ロッド挿通部20が穿孔用ロッド1が嵌挿可能に、すなわち、穿孔用ロッド1の断面形状の大きさよりもやや大きい穿孔用ロッド1の断面形状と同じ断面角形(この場合、断面六角形)に貫通形成される。このようにして切削研磨ディスク2は中心のロッド挿通部20に穿孔用ロッド1が挿通されて、穿孔用ロッド1(の周囲)に穿孔用ロッド1の軸方向に対して直角に組み付けられ、穿孔用ロッド1上をスライド自在にかつ穿孔用ロッド1と一体に回転可能になっている。
【0018】
ディスク押圧部材3は穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2をその後端面から押圧可能に切削研磨ディスク2の中心のロッド挿通部20の断面形状よりも大きい断面形状に形成されて、穿孔用ロッド1の後端側に固定して設けられる。
この場合、ディスク押圧部材3に、切削研磨ディスク2のロッド挿通部20の内径よりも大きな外径のカラーが用いられ、ディスク押圧部材3は、カラーに穿孔用ロッド1が通され、このカラーが穿孔用ロッド1の後端側に外嵌固定されて、穿孔用ロッド1の後端側に拡径部として形成される。
【0019】
このようにして本装置では、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔するに当たり、穿孔用ロッド1上で切削研磨ディスク2を施工面aから離間する位置にスライドさせておき、穿孔機Mの駆動により、穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら押し進めて、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔し、ロックボルト挿入孔a10の穿孔完了後、ロックボルト挿入孔a10に穿孔用ロッド1を挿入したまま、引き続き穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら、穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1後端側のディスク押圧部材(拡径部)3で押圧して切削研磨ディスク2の先端切削研磨部21を施工面aに押し当て、回転する切削研磨ディスク2でベアリングプレート設置面a11を切削研磨するようになっている。
【0020】
図3図4に山岳トンネル工事のロックボルト工での本方法、本装置の使用例を示している。
山岳トンネル工事のロックボルト工では、一般に、トンネル内を覆う吹付けコンクリートの表面A(以下、吹付け面Aという。)の所定の位置にロックボルトB1を挿入するロックボルト挿入孔A10を削孔する工程と、ロックボルト挿入孔A10に定着材(モルタル)A12を充填してロックボルトB1を定着する工程と、定着されたロックボルトB1にベアリングプレートB2を挿通しこのベアリングプレートB2をナット(図示省略)で定着する工程とからなり、ロックボルト挿入孔A10を削孔する工程とベアリングプレート設置面A11を形成する工程とを本方法、本装置により行う。
【0021】
本方法では、まず、本装置を組み立て、削孔機Mに装着する。この場合、まず、穿孔用ロッド1を削孔機M先端のセントライザM3を通しドリフタM2に挿着して、削孔機Mに作動連結する。次いで、先端に穿孔用ビット11を取り付ける前の穿孔用ロッド1の先端を可動式の切削研磨ディスク2のロッド挿通部20に後端面側から先端面側へ通して、この穿孔用ロッド1に、先端面が切削研磨部21をなす切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1上でスライド自在にかつ穿孔用ロッド1と一体に回転可能に取り付ける。そして、この切削研磨ディスク2の取り付け後、穿孔用ロッド1の先端に穿孔用ビット11を取り付け固定する。
【0022】
かくして、図3に示すように、吹付け面Aにロックボルト挿入孔A10を穿孔するに当たり、削孔機Mを吹付け面Aに向けて、穿孔用ロッド1の先端を吹付け面Aのロックボルト打ち込み位置に向ける。このとき、穿孔用ロッド1上で切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1の後端方向にスライドさせて吹付け面Aから離間させ、この場合、削孔機Mの先端セントライザM3の直前当たりに配置しておく。そして、穿孔機Mを駆動させて、穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに打撃・回転運動させながら先端の穿孔用ビット11で吹付け面Aのロックボルト打ち込み位置を削孔して押し進め、吹付け面Aのロックボルト打ち込み位置にロックボルト挿入孔A10を穿孔する。このとき、削孔機Mに作動連結された穿孔用ロッド1は削孔機M先端のセントライザM3の案内により、吹付け面Aに対して直角に切削進行し、ロックボルト挿入孔A10が吹付け面Aに対して直角に削孔される。
【0023】
そして、穿孔用ロッド1の後端側が削孔機M先端のセントライザM3を通過すると、穿孔用ロッド1後端側の拡径部、すなわち、ディスク押圧部材3の先端がセントライザM3の直前付近に配置された切削研磨ディスク2の後端面に到達する。引き続き穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに打撃・回転運動させながら先端の穿孔用ビット11で吹付け面Aのロックボルト打ち込み位置を削孔して押し進めると、穿孔用ロッド1後端側のディスク押圧部材3が穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2をその後端面から押圧して、切削研磨ディスク2の先端切削研磨部21が吹付け面Aに突き当たり、ロックボルト挿入孔A10の穿孔を完了する。このロックボルト挿入孔A10の穿孔完了後、特にビットの取り替えなどをすることなく、図4に示すように、ロックボルト挿入孔A10に穿孔用ロッド1を挿入したままにして、引き続き穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら、穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2をロックボルト挿入孔A10に挿入された長い穿孔用ロッド1をガイドにして穿孔用ロッド1後端側のディスク押圧部材3で押圧して切削研磨ディスク2の先端切削研磨部21を吹付け面Aに押し当て、回転する切削研磨ディスク2(切削研磨部21)でベアリングプレート設置面A11を切削研磨する。このようにすると、切削研磨ディスク2がロックボルト挿入孔A10に挿入された長い穿孔用ロッド1をガイドにして穿孔用ロッド1に対して直角方向に回転し、この切削研磨ディスク2でロックボルト挿入孔A10の周囲の吹付け面Aを切削研磨するので、吹付け面Aにベアリングプレート設置面A11がロックボルト挿入孔A10に対して直角に平滑に切削研磨される。これにより、図4に示すように、吹付け面Aのロックボルト挿入孔A10に打ち込まれたロックボルトB1に対してベアリングプレートB2を直角に取り付けることができる。
【0024】
以上説明したように、本方法によれば、穿孔用ロッド1に、先端面が切削研磨部21をなす可動式の切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1上でスライド自在にかつ穿孔用ロッド1と一体に回転可能に取り付けて、この穿孔用ロッド1を穿孔機Mに作動連結し、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔するに当たり、穿孔用ロッド1上で切削研磨ディスク2を施工面aから離間する位置にスライドさせておき、穿孔機Mの駆動により、穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら押し進めて、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔し、ロックボルト挿入孔a10の穿孔完了後、ロックボルト挿入孔a10に穿孔用ロッド1を挿入したまま、引き続き穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら、穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1後端側のディスク押圧部材3で押圧して切削研磨ディスク2の先端切削研磨部21を施工面aに押し当て、回転する切削研磨ディスク2でベアリングプレート設置面a11を切削研磨するので、ベアリングプレート設置面a11の切削研磨に当たり、従来のようなビットの取り替えをなくして、施工時間の短縮を図ることができ、また、ベアリングプレート設置面a11をロックボルト挿入孔a10に対して直角に切削研磨して、ロックボルトに対してベアリングプレートを直角に取り付けることができる。
【0025】
また、本装置によれば、既述の構成により、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔するに当たり、穿孔用ロッド1上で切削研磨ディスク2を施工面aから離間する位置にスライドさせておき、穿孔機Mの駆動により、穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら押し進めて、施工面aにロックボルト挿入孔a10を穿孔し、ロックボルト挿入孔a10の穿孔完了後、ロックボルト挿入孔a10に穿孔用ロッド1を挿入したまま、引き続き穿孔用ロッド1を切削研磨ディスク2とともに回転させながら、穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1後端側のディスク押圧部材3で押圧して切削研磨ディスク2の先端切削研磨部21を施工面aに押し当て、回転する切削研磨ディスク2でベアリングプレート設置面a11を切削研磨するので、ベアリングプレート設置面a11の切削研磨に当たり、従来のようなビットの取り替えをなくして、施工時間の短縮を図ることができ、また、ベアリングプレート設置面a11をロックボルト挿入孔a10に対して直角に切削研磨して、ロックボルトに対してベアリングプレートを直角に取り付けることができる。
【0026】
本装置では、さらに次のような利点がある。
(1)穿孔用ロッド1の周面は角形(この場合、六角形)に形成され、切削研磨ディスク2の中心のロッド挿通部20は穿孔用ロッド1が嵌挿可能に断面角形(この場合、六角形)に形成されて、切削研磨ディスク2が穿孔用ロッド1上にスライド自在にかつ穿孔用ロッド1と一体に回転可能に取り付けられるので、穿孔用ロッド1、切削研磨ディスク2を共に簡易な構造にして、切削研磨ディスク2を穿孔用ロッド1上で自由にスライドさせ、穿孔用ロッド1と一体に確実に回転させることができる。
(2)ディスク押圧部材3は切削研磨ディスク2の中心のロッド挿通部20の断面形状よりも大きい断面形状に形成されるので、ディスク押圧部材3、切削研磨ディスク2を共に簡易な構造にして、穿孔用ロッド1上の切削研磨ディスク2をディスク押圧部材3で確実に押圧することができる。
(3)穿孔機Mの先端側に穿孔機Mに作動連結された穿孔用ロッド1をディスク押圧部材3とともに施工面aに向けて施工面aに対して直角に送り案内するガイド(セントライザ)M3を備えるので、穿孔用ロッド1を削孔機MのガイドM3の案内により施工面aに対して直角に切削進行させ、ロックボルト挿入孔a10を施工面aに直角に削孔することができる。
【0027】
なお、この実施の形態では、本方法及び本装置が、ロックボルト工において、ベアリングプレート設置面a11の切削研磨に当たり、ビットの取り替えをなくして施工時間の短縮を図ること、ベアリングプレート設置面a11をロックボルト挿入孔a10に対して直角に切削研磨して、ロックボルトB1に対してベアリングプレートB2を直角に取り付けることを、主たる目的とするものとして説明したが、本方法及び本装置においても、既述の特許文献1と同様に、吹付けコンクリートの表面にロックボルトをロックボルトの頭部が突出しないようにして、その後に吹付けコンクリートの表面に貼り付けるトンネル防水シートの損傷を防止することを目的として、吹付けコンクリートの表面にロックボルト挿入孔の削孔に続けて、ロックボルト挿入孔と同軸上にベアリングプレートを収納するための窪み部を形成する手段として利用することもできる。この場合にも、ベアリングプレート収納用の窪み部の切削研磨に当たり、ビットの取り替えをなくして、施工時間の短縮を図ることができ、ベアリングプレート設置面をロックボルト挿入孔に対して直角に切削研磨することができることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0028】
a 施工面
a10 ロックボルト挿入孔
a11 ベアリングプレート設置面
A 吹付けコンクリート面(吹付け面)
A10 ロックボルト挿入孔
A11 ベアリングプレート設置面
A12 定着材(モルタル)
B1 ロックボルト
B2 ベアリングプレート
M 削孔機
M1 ガイドセル
M2 ドリフタ
M3 セントライザ(ガイド)
1 穿孔用ロッド
11 穿孔用ビット
2 可動式の切削研磨ディスク
20 ロッド挿通部
21 切削研磨部
22 大径部
221 超硬チップ
23 中径部
24 小径部
3 ディスク押圧部材
図1
図2
図3
図4
図5