(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/20 20060101AFI20240111BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20240111BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20240111BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240111BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240111BHJP
H10K 59/38 20230101ALI20240111BHJP
H10K 50/854 20230101ALI20240111BHJP
H10K 50/86 20230101ALI20240111BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20240111BHJP
【FI】
G02B5/20 101
H05B33/02
H05B33/12 B
H05B33/12 E
H05B33/14 A
G09F9/30 349A
H10K59/38
H10K50/854
H10K50/86
H10K50/844
(21)【出願番号】P 2019144532
(22)【出願日】2019-08-06
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】10-2018-0101298
(32)【優先日】2018-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0145665
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ジョン スンヨン
(72)【発明者】
【氏名】クォン オージョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ スク-クン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ミンジュ
(72)【発明者】
【氏名】スー ダックジョン
(72)【発明者】
【氏名】ソ ボンスン
(72)【発明者】
【氏名】リュ ジャエジン
【審査官】渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-329742(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106707623(CN,A)
【文献】特開2007-033963(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0081476(US,A1)
【文献】特開2000-180624(JP,A)
【文献】特開2002-350629(JP,A)
【文献】特開2018-036618(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0042697(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0329175(US,A1)
【文献】特開平11-008070(JP,A)
【文献】特開平08-136711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
H05B 33/02
H10K 59/10
H05B 33/12
H10K 50/10
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機電界発光素子を含む表示パネルと、
前記表示パネルの上に配置され、平面上において互いに離隔した複数のカラーフィルタ部
、隣り合う前記カラーフィルタ部の間に配置された遮光部、前記カラーフィルタ部の上に配置され、隣り合う前記カラーフィルタ部と前記遮光部との間を充填して配置された有機層を含むカラーフィルタ部材と、を含み、
前記複数のカラーフィルタ部のうち少なくとも一つのカラーフィルタ部は、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含む表示装置。
【請求項2】
前記カラーフィルタ部材は、
第1波長領域の光を透過させる第1カラーフィルタ部と、
前記第1波長領域とは異なる第2波長領域の光を透過させる第2カラーフィルタ部と、
を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記カラーフィルタ部材は、
赤色光を透過させる第1カラーフィルタ部と、
緑色光を透過させる第2カラーフィルタ部と、を含み、
前記第1カラーフィルタ部及び前記第2カラーフィルタ部は、前記散乱剤を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記カラーフィルタ部材は第3カラーフィルタ部を更に含み、
前記第3カラーフィルタ部は前記散乱剤を含む請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3カラーフィルタ部は、透明感光樹脂からなる請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第3カラーフィルタ部は、青色光を透過させる請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第1含有量は、前記第2カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第2含有量、及び前記第3カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第3含有量以上である請求項4に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1含有量は、前記第3含有量より大きい請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第1含有量は、前記第1カラーフィルタ部の全体重量を基準に0wt%より大きく10wt%以下である請求項3に記載の表
示装置。
【請求項10】
前記散乱剤は、TiO
2、ZnO、Al
2O
3、SiO
2、中空シリカ、及びポリスチレン粒子のうち少なくとも一つを含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
前記有機層は前記散乱剤を含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項12】
前記少なくとも一つのカラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の含有量は、前記カラーフィルタ部の全体重量を基準に0wt%より大きく10wt%以下であり、
前記有機層に含まれた前記散乱剤の含有量は、前記有機層の全体重量を基準に5wt%以上50wt%以下である請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記有機層に含まれた前記散乱剤の第4含有量は、前記第1乃至第3含有量それぞれより大きい請求項7に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示パネルは、前記有機電界発光素子の上に配置された封止部材を更に含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項15】
前記カラーフィルタ部材は、前記封止部材の上に直接配置される請求項1
4に記載の表示装置。
【請求項16】
前記封止部材と前記カラーフィルタ部材との間に配置された入力感知ユニットを更に含み、
前記カラーフィルタ部材は、前記入力感知ユニットの上に直接配置される請求項1
4に記載の表示装置。
【請求項17】
前記カラーフィルタ部材は、前記カラーフィルタ部の上に配置されたベース基板を更に含む請求項1に記載の表示装置。
【請求項18】
前記カラーフィルタ部それぞれにおけるヘーズ値は30%以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
赤色画素領域、緑色画素領域、及び青色画素領域を含む表示装置において、
表示パネル、及び前記表示パネルの上に配置され
、平面上において互いに離隔した複数のカラーフィルタ部、隣り合う前記カラーフィルタ部の間に配置された遮光部、前記カラーフィルタ部の上に配置され、隣り合う前記カラーフィルタ部と前記遮光部との間を充填して配置された有機層を含むカラーフィルタ部材を含み、
前記
複数のカラーフィルタ
部は、
前記赤色画素領域に対応する赤色カラーフィルタ部と、
前記緑色画素領域に対応する緑色カラーフィルタ部と、
前記青色画素領域に対応する青色カラーフィルタ部と、
からなり、
前記赤色カラーフィルタ部及び前記緑色カラーフィルタ部は、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含む表示装置。
【請求項20】
前記表示パネルは、
前記赤色画素領域に対応し、赤色光を放出する第1発光層と、
前記緑色画素領域に対応し、緑色光を放出する第2発光層と、
前記青色画素領域に対応し、青色光を放出する第3発光層と、を含む有機電界発光表示パネルである請求項
19に記載の表示装置。
【請求項21】
有機電界発光表示パネルと、
前記有機電界発光表示パネルの上に配置され、
平面上において互いに離隔した、赤色カラーフィルタ部、緑色カラーフィルタ部、及び青色カラーフィルタ部
からなる複数のカラーフィルタ部、隣り合う前記カラーフィルタ部の間に配置された遮光部、前記カラーフィルタ部の上に配置され、隣り合う前記カラーフィルタ部と前記遮光部との間を充填して配置された有機層を含むカラーフィルタ部材と、を含み、
前記赤色カラーフィルタ部、前記緑色カラーフィルタ部、及び前記青色カラーフィルタ部それぞれは、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含み、
赤色カラーフィルタ部における前記散乱剤の含有量は、前記緑色カラーフィルタ部及び前記青色カラーフィルタ部それぞれにおける前記散乱剤の含有量以上である表示装置。
【請求項22】
有機電界発光素子を含む表示パネルと、
前記表示パネルの上に配置されたカラーフィルタ部材と、を含み、
前記カラーフィルタ部材は、平面上において互いに離隔した複数のカラーフィルタ部、
隣り合う前記カラーフィルタ部の間に配置された遮光部、及び前記カラーフィルタ部の上に配置され
、隣り合う前記カラーフィルタ部と前記遮光部との間を充填して配置された有機層を含み、
前記複数のカラーフィルタ部のうち少なくとも一つのカラーフィルタ部、及び前記有機層は、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含む表示装置。
【請求項23】
前記有機層に含まれた前記散乱剤の含有量は、前記カラーフィルタ部それぞれに含まれた前記散乱剤の含有量より大きい請求項2
2に記載の表示装置。
【請求項24】
前記カラーフィルタ部材は、
赤色光を透過させる第1カラーフィルタ部と、
緑色光を透過させる第2カラーフィルタ部と、
透明感光樹脂からなる透明フィルタであるか、または青色光を透過させる青色フィルタである第3カラーフィルタ部と、を含み、
前記第1カラーフィルタ部、前記第2カラーフィルタ部、及び前記有機層は前記散乱剤を含み、前記第3カラーフィルタ部は前記散乱剤を含まない請求項2
2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳しくは、外光反射を防止するためのカラーフィルタ部材を含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン、携帯電話、タブレットコンピュータ、ナビゲーション、ゲーム機などのようなマルチメディア装置に使用される多様な表示装置が開発されている。このような表示装置を使用する際、外部光が表示装置内に提供されれば、提供された外部光が表示パネル内の電極などから反射し、表示装置の表示品質が低下するようになる。
【0003】
それによって、外部から提供される光による反射度を低減させ、表示装置の表示品質を改善するための研究が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、外部光による反射率を減少させながら、視野角による表示品質の差を改善した表示装置を提供することである。
【0005】
本発明は、カラーフィルタ部材から外部光を散乱させて視野角による色差及び輝度差を減らすことで、表示品質を改善した表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は透過率の減少を最小化しながら、外部光による反射率を減少させ、視野角による表示品質の差を改善した表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例は、有機電界発光素子を含む表示パネルと、前記表示パネルの上に配置され、平面上において互いに離隔した複数のカラーフィルタ部を含むカラーフィルタ部材と、を含み、前記複数のカラーフィルタ部のうち少なくとも一つのカラーフィルタ部は、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含む表示装置を提供する。
【0008】
前記カラーフィルタ部材は、第1波長領域の光を透過させる第1カラーフィルタ部と、前記第1波長領域とは異なる第2波長領域の光を透過させる第2カラーフィルタ部と、を含む。
【0009】
前記カラーフィルタ部材は、赤色光を透過させる第1カラーフィルタ部と、緑色光を透過させる第2カラーフィルタ部と、を含み、前記第1カラーフィルタ部及び前記第2カラーフィルタ部は、前記散乱剤を含む。
【0010】
前記カラーフィルタ部材は第3カラーフィルタ部を更に含み、前記第3カラーフィルタ部は前記散乱剤を含む。
【0011】
前記第3カラーフィルタ部は、透明感光樹脂からなる。
【0012】
前記第3カラーフィルタ部は、青色光を透過させる。
【0013】
前記第1カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第1含有量は、前記第2カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第2含有量、及び前記第3カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第3含有量以上である。
【0014】
前記第1含有量は、前記第3含有量より大きい。
【0015】
前記第1カラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の第1含有量は、前記第1カラーフィルタ部の全体重量を基準に0wt%より大きく10wt%以下である。
【0016】
前記散乱剤は、TiO2、ZnO、Al2O3、SiO2、中空シリカ、及びポリスチレン粒子のうち少なくとも一つを含む。
【0017】
前記カラーフィルタ部材は前記カラーフィルタ部の上に配置された有機層を更に含み、前記有機層は前記散乱剤を含む。
【0018】
前記少なくとも一つのカラーフィルタ部に含まれた前記散乱剤の含有量は、前記カラーフィルタ部の全体重量を基準に0wt%より大きく10wt%以下であり、前記有機層に含まれた前記散乱剤の含有量は、前記有機層の全体重量を基準に5wt%以上50wt%以下である。
【0019】
前記カラーフィルタ部材は前記カラーフィルタ部の上に配置された有機層を更に含み、前記有機層に含まれた前記散乱剤の第4含有量は、前記第1乃至第3含有量それぞれより大きい。
【0020】
前記カラーフィルタ部材は、前記カラーフィルタ部の間に配置された遮光部を更に含む。
【0021】
前記表示パネルは、前記有機電界発光素子の上に配置された封止部材を更に含む。
【0022】
前記カラーフィルタ部材は、前記封止部材の上に直接配置される。
【0023】
前記封止部材と前記カラーフィルタ部材との間に配置された入力感知ユニットを更に含み、前記カラーフィルタ部材は、前記入力感知ユニットの上に直接配置される。
【0024】
前記カラーフィルタ部材は、前記カラーフィルタ部の上に配置されたベース基板を更に含む。
【0025】
前記カラーフィルタ部それぞれにおけるヘーズ値は30%以下である。
【0026】
一実施例は、赤色画素領域、緑色画素領域、及び青色画素領域を含む表示装置において、表示パネルと、前記表示パネルの上に配置されたカラーフィルタ部材と、を含み、前記カラーフィルタ部材は、前記赤色画素領域に対応する赤色カラーフィルタ部と、前記緑色画素領域に対応する緑色カラーフィルタ部と、前記青色画素領域に対応する青色カラーフィルタ部と、を含み、前記赤色カラーフィルタ部及び前記緑色カラーフィルタ部は、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含む表示装置を提供する。
【0027】
前記表示パネルは、前記赤色画素領域に対応し、赤色光を放出する第1発光層と、前記緑色画素領域に対応し、緑色光を放出する第2発光層と、前記青色画素領域に対応し、青色光を放出する第3発光層と、を含む有機電界発光表示パネルである。
【0028】
一実施例は、有機電界発光表示パネルと、前記有機電界発光表示パネルの上に配置され、赤色カラーフィルタ部、緑色カラーフィルタ部、及び青色カラーフィルタ部を含むカラーフィルタ部材と、を含み、前記赤色カラーフィルタ部、前記緑色カラーフィルタ部、及び前記青色カラーフィルタ部それぞれは、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含み、赤色カラーフィルタ部における前記散乱剤の含有量は、前記緑色カラーフィルタ部及び前記青色カラーフィルタ部それぞれにおける前記散乱剤の含有量以上である表示装置を提供する。
【0029】
一実施例は、有機電界発光素子を含む表示パネルと、前記表示パネルの上に配置されたカラーフィルタ部材と、を含み、前記カラーフィルタ部材は、平面上において互いに離隔した複数のカラーフィルタ部、及び前記カラーフィルタ部の上に配置された有機層を含み、前記複数のカラーフィルタ部のうち少なくとも一つのカラーフィルタ部、及び前記有機層は、平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含む表示装置を提供する。
【0030】
前記有機層に含まれた前記散乱剤の含有量は、前記カラーフィルタ部それぞれに含まれた前記散乱剤の含有量より大きい。
【0031】
前記カラーフィルタ部材は、赤色光を透過させる第1カラーフィルタ部と、緑色光を透過させる第2カラーフィルタ部と、透明感光樹脂からなる透明フィルタであるか、または青色光を透過させる青色フィルタである第3カラーフィルタ部と、を含み、前記第1カラーフィルタ部、前記第2カラーフィルタ部、及び前記有機層は前記散乱剤を含み、前記第3カラーフィルタ部は前記散乱剤を含まない。
【発明の効果】
【0032】
一実施例の表示装置は、表示パネルの上に配置されたカラーフィルタ部材を含み、カラーフィルタ部材に散乱剤を含むことで輝度減少を最小化しながらも外部光による反射を減らし、視野角による色差を低減させることができる。
【0033】
また、一実施例の表示装置は、カラーフィルタ部のうち少なくとも一つに散乱剤を含むことで、視野角による表示品質の差を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図4】
図3のII-II'線に対応する一実施例の表示装置の断面図である。
【
図5】一実施例による有機電界発光素子の断面図である。
【
図6】一実施例によるカラーフィルタ部材の断面図である。
【
図8】散乱剤のサイズ別視野角による輝度特性を示すグラフである。
【
図9】一実施例によるカラーフィルタ部材の断面図である。
【
図10】一実施例によるカラーフィルタ部材の断面図である。
【
図11】正面輝度とヘーズ値の関係を示すグラフである。
【
図12】散乱剤の含有量による正面輝度の変化を示すグラフである。
【
図13】散乱剤の含有量による色差を示すグラフである。
【
図14】カラーフィルタ部の厚さによる色差を示すグラフである。
【
図15】一実施例によるカラーフィルタ部材の断面図である。
【
図16】一実施例によるカラーフィルタ部材の断面図である。
【
図20】一実施例によるカラーフィルタ部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することができるゆえ、特定の実施例を図面に例示し、本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定な開示形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物又は代替物を含むと理解すべきである。
【0036】
本明細書において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、または「結合される」と表現される場合、それは他の構成要素の上に直接配置・接続・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0037】
一方、本出願において、「直接配置」されるとは、層、膜、領域、板などの部分と他の部分との間に追加される層、膜、領域、板などがないことを意味する可能性がある。例えば、「直接配置」されるとは、2つの層または2つの部材の間に接着部材などの追加の部材を使用せずに配置することを意味する可能性がある。
【0038】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。
【0039】
「及び/または」は、関連する構成が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0040】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構造要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と称されてもよく、同様に第2構成要素が第1構成要素と称されてもよい。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0041】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示した構成の相関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0042】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書に定義されている用語のような用語は、関連技術の脈絡での意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、理想的な、または過度に形式的な意味に解釈されない限り、明示的にここで定義される。
【0043】
「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0044】
以下、図面を参照して、本発明の一実施例による表示装置について説明する。
【0045】
図1は一実施例の表示装置の斜視図であり、
図2は一実施例の表示装置の断面図である。
図2は、
図1のI-I'線に対応する部分を示す断面図である。
図3は一実施例の表示パネルの平面図であり、
図4は
図3のII-II'線に対応する部分を示す断面図である。つまり、
図4は一実施例の表示装置の断面図である。
図5は、一実施例の表示装置に含まれた有機電界発光素子の一例示を示す断面図である。
【0046】
図1を参照すると、表示装置DSは表示面ISを介して映像IMを表示する。
図1においては、表示面ISが第1方向軸DR1、及び第1方向軸DR1と交差する第2方向軸DR2が定義する面と平行するように示している。しかし、これは例示的なものであって、他の実施例において、表示装置DSの表示面ISは曲がった形状を有してもよい。
【0047】
表示面ISの法線方向、つまり、表示装置DSの厚さ方向は第3方向軸DR3が指示する方向である。各部材の前面(または上面)と背面(または下面)は、第3方向軸DR3によって区分される。しかし、第1乃至第3方向軸DR1、DR2、DR3が指示する方向は相対的な概念であり、他の方向に変換されてもよい。
【0048】
図1において、表示装置DSとして携帯用電子機器を例示的に示している。しかし、表示装置DSは、テレビ、モニタ、または外部広告板のような大型電子機器をはじめ、パソコン、ノートパソコン、PDA、カーナビゲーションユニット、ゲーム機、スマートフォン、タブレット、及びカメラのような中小型電子装置などに使用されてもよい。また、これらは単に実施例として提示されたものであって、本発明の概念から逸脱しない限り他の電子機器に採用されてもよい。
【0049】
表示面ISは、映像IMが表示される表示領域DA、及び表示領域DAに隣接した非表示領域NDAを含む。非表示領域NDAは、映像が表示されない領域である。
図1には、映像IMの一例として時計ウィンドウ及びアプリケーションアイコンを示している。
【0050】
表示領域DAは四角形状である。非常時領域NDAは、表示領域DAを囲む。但し、これに限らず、表示領域DAの形状と非表示領域NDAの形状は相対的にデザインされてもよい。また、表示装置DSの前面に非表示領域NDAが存在しなくてもよい。
【0051】
一実施例において、表示装置DSは、表示パネルDP、及び表示パネルDPの上に配置されるカラーフィルタ部材CFPを含む。表示パネルDPは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3を含む。つまり、表示パネルDPは有機電界発光表示パネルである。
【0052】
また、一実施例の表示装置DSにおいて、カラーフィルタ部材CFPは、表示装置DSの外部から提供される光による反射を最少化する反射防止部材である。例えば、カラーフィルタ部材CFPは外部光のうち一部を遮断する。カラーフィルタ部材CFPは、表示パネルDPの上に配置されて外部光による反射を減少させながらも、輝度低下を最小化する。
【0053】
一実施例において、表示パネルDPは、ベース層BL、ベース層BLの上に提供された回路層DP-CL、及び表示素子層DP-OELを含む。一実施例において、ベース層BL、回路層DP-CL、及び表示素子層DP-OELは、第3方向軸DR3の方向に順次に積層される。
【0054】
ベース層BLは、表示素子層EP-OELが配置されるベース面を提供する部材である。ベース層BLは、ガラス基板、金属基板、プラスチック基板などである。しかし、実施例はこれに限らず、ベース層BLは無機層、有機層、または複合材料層であってもよい。
【0055】
一実施例において、回路層DP-CLはベース層BLの上に配置されるが、回路層DP-CLは複数のトランジスタ(図示せず)を含む。トランジスタ(図示せず)は、それぞれ制御電極、入力電極、及び出力電極を含む。例えば、回路層DP-CLは有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3を駆動するためのスイッチングトランジスタ及び駆動トランジスタを含んでもよい。
【0056】
表示素子層DP-OELは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3、及び封止部材TFEを含む。
【0057】
封止部材TFEは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3の上に配置される。封止部材TFEは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3をカバーする。有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3は、封止部材TFEによって密封される。
【0058】
図3は、一実施例の表示装置DSの一部を拡大して示す平面図である。
図4は一実施例の表示装置DSの断面図であって、
図4は
図3のII-II'線に対応する部分を示す断面図である。
【0059】
図3及び
図4を参照すると、表示装置DSは、非発光領域NPXA、及び発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bを含む。発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bそれぞれは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3それぞれから生成された光が放出される領域である。発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bそれぞれの面積は互いに異なってもよいが、この際、面積は平面上から見た際の面積を意味する。
【0060】
発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3から生成される光のカラーに応じて複数個のグループに区分される。
図3及び
図4に示した一実施例の表示装置DSには、赤色光、緑色光、青色光を発光する3つの発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bを例示的に示している。例えば、一実施例の表示装置DSは、互いに区分される赤色発光領域PXA-R、緑色発光領域PXA-G、及び青色発光領域PXA-Bを含んでもよい。
【0061】
一実施例において、表示パネルDPは、互いに異なる波長領域の光を放出する複数の有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3を含む。複数の有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3は、互いに異なる色の光を放出する。例えば、一実施例において、表示パネルDPは赤色光を放出する第1有機電界発光素子OEL-1、緑色光を放出する第2有機電界発光素子OEL-2、及び青色光を放出する第3有機電界発光素子OEL-3を含んでもよい。しかし、実施例はこれに限らず、第1乃至第3有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3は、同じ波長領域の光を放出するか、少なくとも一つが異なる波長領域の光を放出してもよい。
【0062】
図3及び
図4に示した一実施例の表示装置DSにおいて、発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3の発光層EML-1、EML-2、EML-3から発光するカラーに応じて異なる面積を有する。例えば、
図3及び
図4を参照すると、一実施例の表示パネルDPにおいては、青色光を放出する第3有機電界発光素子OEL-3の青色発光領域PXA-Bが最も大きい面積を有し、緑色光を生成する第2有機電界発光素子OEL-2の緑色発光領域PXA-Gが最も小さい面積を有してもよい。しかし、実施例はこれに限らず、発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bは赤色光、緑色光、青色光以外の他の色の光を発光するか、発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bは同じ面積を有するか、または
図3に示したものとは異なる面積割合で発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bが提供されてもよい。
【0063】
発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bそれぞれは、画素定義膜PDLで区分される領域である。非発光領域NPXAは隣り合う発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの間の領域であって、画素定義膜PDLと対応する領域である。一方、本明細書において、発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bそれぞれは、画素(Pixel)に対応する。
【0064】
画素定義膜PDLは、高分子樹脂からなる。例えば、画素定義膜PDLは、ポリアクリレート系樹脂、またはポリイミド系樹脂を含んで形成されてもよい。また、画素定義膜PDLは、高分子樹脂以外に無機物を更に含んで形成されてもよい。一方、画素定義膜PDLは、光吸収物質を含んで形成されるか、ブラック顔料またはブラック染料を含んで形成される。ブラック顔料またはブラック染料を含んで形成された画素定義膜PDLは、ブラック画素定義膜を具現する。画素定義膜PDLを形成する際、ブラック顔料またはブラック染料としてはカーボンブラックなどを使用してもよいが、実施例はこれに限らない。
【0065】
また、画素定義膜PDLは無機物からなる。例えば、画素定義膜PDLは、窒化ケイ素(SiNx)、酸化ケイ素(SiOx)、窒酸化ケイ素(SiOxNy)などを含んで柄形成されてもよい。画素定義膜PDLは、発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bを定義する。画素定義膜PDLによって発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bと非発光領域NPXAが区分される。
【0066】
青色発光領域PXA-Bと赤色発光領域PXA-Rは、第1方向軸DR1に沿って交互に配列されて第1グループPXG1を構成する。緑色発光領域PXA-Gは、第1方向軸DR1に沿って配列されて第2グループPXG2を構成する。
【0067】
第1グループPXG1は、第2グループPXG2に対して第2方向軸DR2の方向に離隔されて配置される。第1グループPXG1及び第2グループPXG2それぞれは、複数に提供される。第1グループPXG1と第2グループPXG2は、第2方向軸DR2に沿って互いに交互に配列される。
【0068】
一つの緑色発光領域PXA-Gは、一つの青色発光領域PXA-Bまたは一つの赤色発光領域PXA-Rから第4方向軸DR4の方向に離隔されて配置される。第4方向軸DR4の方向は、第1方向軸DR1の方向と第2方向軸DR2の方向との間の方向である。
【0069】
図3に示した発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの配列構造は、ペンタイル構造と称される。但し、一実施例による表示装置DSにおける発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bの配列構造は、
図3に示した配列構造に限らない。例えば、一実施例において、発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bは、第1方向軸DR1に沿って赤色発光領域PXA-R、緑色発光領域PXA-G、及び青色発光領域PXA-Bが順次に交互に配列されるストライプ構造を有してもよい。
【0070】
図4及び
図5を参照すると、一実施例の表示装置DSに含まれた有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3それぞれは、互いに向かい合う第1電極EL1と第2電極EL2、及び第1電極EL1と第2電極EL2との間に配置される有機層OL1、OL2、OL3を含む。有機層OL1、OL2、OL3それぞれは、正孔輸送領域HTR、発光層EML1、EML2、EML3、及び電子輸送領域ETRを含む。
【0071】
つまり、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3それぞれは、第1電極EL1、第1電極EL1の上に配置される正孔輸送領域HTR、正孔輸送領域HTRの上に配置される発光層EML1、EML2、EML3、発光層EML1、EML2、EML3の上に配置される電子輸送領域ETR、及び電子輸送領域ETRの上に配置される第2電極EL2を含む。発光層EML1、EML2、EML3は、画素定義膜PDLによって区分される。
【0072】
一方、図示していないが、一実施例において、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3は、第1電極EL1と第2電極EL2との間に少なくとも一つの補助層(図示せず)を更に含む。補助層(図示せず)の有無、補助層(図示せず)の厚さ、及び補助層(図示せず)の個数は、放出する光の波長領域に応じて異なり得る。補助層(図示せず)は、各有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3における共振距離を調節するための有機層である。
【0073】
有機電界発光素子OELの上には封止部材TFEが配置されるが、封止部材TFEは第2電極EL2の上に配置される。封止部材TFEは、第2電極EL2の上に直接配置される。封止部材TFEは、一層または複数の層が積層されている。封止部材TFEは、薄膜封止層である。封止部材TFEは、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3を保護する。封止部材TFEは、開口部OHに配置された第2電極EL2の上部面をカバーし、開口部OHを埋める。
【0074】
図5は、一実施例の表示パネルDPに含まれた有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3の一実例を示す断面図であり、
図5に示した有機電界発光素子OELは、
図4における有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3を例示的に示している。
【0075】
有機電界発光素子OELは、第1電極E1、第1電極EL1の上に配置された正孔輸送領域HTR、正孔輸送領域HTRの上に配置された発光層EML、発光層EMLの上に配置された電子輸送領域ETR、及び電子輸送領域ETRの上に配置された第2電極EL2を含み、正孔輸送領域EHRは、正孔注入層HIL及び正孔輸送層HTLを含み、電気輸送領域ETRは、電子注入層EIL及び電子輸送層ETLを含む。
【0076】
有機電界発光素子OELを構成する第1電極EL1は導電性を有する。第1電極層EL1は、金属合金または導電性化合物からなる。第1電極層EL1はアノード(anode)である。第1電極EL1は画素電極である。
【0077】
一実施例による有機電界発光素子OELにおいて、第1電極EL1は反射型電極である。しかし、実施例はこれに限らない。例えば、第1電極EL1は、透過型電極または半透過型電極であってもよい。第1電極EL1が半透過型電極または反射型電極であれば、第1電極EL1はAg、Mg、Cu、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti、またはこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgの混合物)を含む。また、前記例示された物質からなる反射膜や半透過膜、及びITO(indium tin oxide)、IZO(indium zinc oxide)、ZnO(zinc oxide)、ITZO(indium tin zinc oxide)などからなる透明導電膜を含む複数の層構造であってもよい。例えば、第1電極EL1は多層金属膜であってもよく、ITO/Ag/ITOの金属膜が積層された構造であってもよい。
【0078】
正孔輸送領域HTRは、単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質で形成された単一層、または複数の互いに異なる物質で形成された複数の層を有する多層構造を有する。例えば、正孔輸送領域HTRは、複数の互いに異なる物質からなる単一層の構造を有するか、第1電極EL1から順番に積層された正孔注入層HIL/正孔輸送層HTL、正孔注入層HIL/正孔輸送層HTL/バッファ層(図示せず)、正孔注入層HIL/バッファ層(図示せず)、正孔輸送層HTL/バッファ層(図示せず)、または正孔注入層HIL/正孔輸送層HTL/電子阻止層(図示せず)の構造を有してもよいが、実施例はこれに限らない。
【0079】
例えば、正孔輸送領域HTRは正孔注入層HIL及び正孔輸送層HTLを含んでもよく、正孔注入層HILと正孔輸送層HTLにはそれぞれ公知の正孔注入物質と公知の正孔輸送物質が使用されてもよい。
【0080】
一方、正孔輸送領域HTRは、画素定義膜PDLに定義された開口部OH内で第1電極EL1の上に配置され、画素定義膜PDLの上部に延長されて配置される。しかし、実施例はこれに限らず、正孔輸送領域HTRは開口部OHの内部に配置されるようにパターニングされてもよい。
【0081】
発光層EMLは正孔輸送領域HTRの上に提供される。発光層EMLは、単一物質からなる単一層、複数の互いに異なる物質からなる単一層、または複数の互いに異なる物質からなる複数の層を有する多層構造を有する。
【0082】
発光層EMLは通常に使用する物質であれば特に限らないが、例えば、赤色、緑色、及び青色を発光する物質からなってもよく、蛍光物質またはりん光物質を含んでもよい。また、発光層EMLはホスト及びドーパントを含む。例えば、
図4及び
図5を参照すると、発光層EMLは画素定義膜PDLに定義された開口部OH内に配置されてもよいが、実施例はこれに限らない。
【0083】
電子輸送領域ETRは、発光層EMLの上に提供される。電子輸送領域ETRは、正孔阻止層(図示せず)、電子輸送層ETL、及び電子注入層のEILうち少なくとも一つを含むが、これに限らない。
【0084】
電子輸送領域ETRが電子注入層EIL及び電子輸送層ETLを含めば、電子注入層EIL及び電子輸送層ETLには、それぞれ公知の電子注入物質と公知の電子輸送物質が使用される。
【0085】
第2電極EL2は、電子輸送領域ETRの上に提供される。第2電極EL2は、共通電極またはカソードである。第2電極EL2は、金属合金または導電性化合物からなる。第2電極EL2は、透過型電極、半透過型電極、または反射型電極である。第2電極層EL2が透過型電極であれば、第2電極層EL2透明金属酸化物、例えば、ITO、IZO、ZnO、ITZOなどからなる。
【0086】
第2電極EL2が半透過型電極または反射型電極であれば、第2電極EL2はAg、Mg、Cu、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti、またはこれらの化合物や混合物(例えば、AgとMgの混合物)を含む。また、前記例示した物質からなる反射膜や半透過膜、及びITO、IZO、ZnO、ITZOなどあらなる透明導電膜を含む複数の層構造であってもよい。
【0087】
図4を参照すると、電子輸送領域ETR及び第2電極EL2は、第1電極EL1と重畳する領域だけでなく、画素定義膜PDLの上に更に延長されて配置される。一方、図示していないが、第2電極EL2は補助電極と接続される。第2電極EL2が補助電極と接続されれば、第2電極EL2の抵抗を減少させることができる。
【0088】
一実施例の表示パネルDPにおいて、互いに向い合う第1電極EL1と第2電極EL2とのうち第1電極EL1は反射型電極で、第2電極EL2は透過型電極である。一実施例において、有機電界発光素子OELは全面発光する。しかし、実施例はこれに限らない。
【0089】
図4において、表示装置DSは、表示パネルDPの上に配置されたカラーフィルタ部材CFPを含む。カラーフィルタ部材CFPは、複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を含む。カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は、平面上において互いに離隔される。カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は、互いに非重畳する。
【0090】
図3及び図を参照すると、平面上において、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は互いに離隔され、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれは発光領域PXA-R、PXA-G、PXA-Bそれぞれに対応して配置される。
【0091】
一実施例において、第1カラーフィルタ部CCF1は赤色光を透過させる赤色カラーフィルタであり、第2カラーフィルタ部CCF2は緑色光を透過させる緑色カラーフィルタであり、第3カラーフィルタ部CCF3は青色光を透過させる青色カラーフィルタである。カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のそれぞれは、高分子感光樹脂と、顔料または染料を含む。第1カラーフィルタ部CCF1は赤色の顔料または染料を含み、第2カラーフィルタ部CCF2は緑色の顔料または染料を含み、第3カラーフィルタ部CCF3は青色の顔料または染料を含む。
【0092】
一方、実施例はこれに限らず、第3カラーフィルタ部CCF3は顔料または染料を含まなくてもよい。第3カラーフィルタ部CCF3は高分子感光樹脂を含むか、または顔料または染料を含まなくてもよい。第3カラーフィルタ部CCF3は透明である。第3カラーフィルタ部CCF3は透明感光樹脂からなる。
【0093】
一実施例の表示装置DSにおいて、第1カラーフィルタ部CCF1は第1有機電界発光素子OEL-1に対応して配置され、第2カラーフィルタ部CCF2は第2有機電界発光素子OEL-2に対応して配置され、第3カラーフィルタ部CCF3は第3有機電界発光素子OEL-3に対応して配置される。例えば、第1カラーフィルタ部CCF1は第1発光層EML1に対応して配置され、第2カラーフィルタ部CCF2は第2発光層EML2に対応して配置され、第3カラーフィルタ部CCF3は第3発光層EML3に対応して配置されてもよい。第1カラーフィルタ部CCF1は赤色発光領域PXA-Rに対応し、第2カラーフィルタ部CCF2は緑色発光領域PXA-Gに対応し、第3カラーフィルタ部CCF3は青色発光領域PXA-Bに対応する。
【0094】
図6は、一実施例の表示装置DSに含まれるカラーフィルタ部材CFPを示す断面図である。カラーフィルタ部材CFPは複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を含み、数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のうち少なくとも一つは散乱剤SPを含む。
図6を参照すると、一実施例において、第1カラーフィルタ部CCF1と第2カラーフィルタ部CCF2は散乱剤SPを含み、第3カラーフィルタ部CCF3は散乱剤SPを含まない。一方、これとは異なって、図示していないが、一実施例において、第1カラーフィルタ部CCF1は散乱剤SPを含み、第2カラーフィルタ部CCF2と第3カラーフィルタ部CCF3とが散乱剤SPを含まなくてもよい。
【0095】
カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は、高分子感光樹脂からなるマトリックス部MRを含む。散乱剤SPは、マトリックス部MRに分散される。マトリックス部MRは、高分子感光樹脂以外に顔料または染料を更に含む。一実施例において、第1カラーフィルタ部CCF1と第2カラーフィルタ部CCF2のマトリックス部MRは顔料または染料を更に含み、第3カラーフィルタ部CCF3は高分子感光樹脂を含み、顔料または染料は含まない。一方、一実施例において、第3カラーフィルタ部CCF3は高分子感光樹脂及び顔料または染料を含むマトリックス部MRを含んでもよい。
【0096】
散乱剤SPは、TiO2、ZnO、Al2O3、SiO2、中空シリカ、及びポリスチレン粒子のうち少なくとも一つを含む。散乱剤SPは、TiO2、ZnO、Al2O3、SiO2、中空シリカ、及びポリスチレン粒子のうち少なくともいずれか一つを含むか、TiO2、ZnO、Al2O3、SiO2、中空シリカ、及びポリスチレン樹脂からなるポリスチレン粒子のうちから選択される2種以上の物質が混合されたものである。例えば、一実施例のカラーフィルタ部材CFPは、散乱剤SPとしてTiO2を含んでもよい。
【0097】
図7は、一実施例のカラーフィルタ部材に含まれた散乱剤の断面を示す図である。一実施例において、散乱剤SPは球状の粒子である。一方、実施例はこれに限らず、散乱剤SPは楕円球状であるか無定形であってもよい。
【0098】
図7を参照すると、一実例において、散乱剤SPの断面は円形である。しかし、実施例はこれに限らず、散乱剤SPの断面は楕円状または無定形であってもよい。
【0099】
散乱剤SPの平均直径は、500nm以下である。例えば、散乱剤SPは平均直径が50nm以上500nm以下であってもよい。散乱剤SPの平均直径は、例えば、複数個の散乱剤SPの断面における直径DSPを算術平均した値である。
【0100】
散乱剤SPの平均直径が50nm未満である場合、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3における散乱効果を示すために散乱剤SPの含有量が相対的に増加するようになるが、この場合、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3における透過率が低下する恐れがある。また、散乱剤SPの平均直径が50nm未満に小さくなると、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3において視野角による相対的輝度値の変化が大きくなり、視野角による色差を減少させて表示品質を改善する効果が現れない恐れがある。
【0101】
また、散乱剤SPの平均直径が500nmより大きくなれば、相対的に大きい粒子サイズのためカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を形成する際に膜性が低下する恐れがある。また、散乱剤SPの平均直径が500nmより大きくなれば、工程においてカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を形成するために提供されるレジンをノズル(nozzle)から吐出することが難しくなる。つまり、散乱剤SPの大きい直径のため、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を形成する際に使用されるノズルの吐出口が詰まる恐れがある。
【0102】
図8は、散乱剤のサイズによる波長別視野角特性を示すグラフである。
図8において、比較例は散乱剤の直径が25nmの場合を、実施例1-1は散乱剤の直径が50nmの場合を、実施例1-2は散乱剤の直径が200nmの場合を示している。比較例、実施例1-1、及び実施例1-2のそれぞれについて、波長別相対輝度を示した。輝度は450nm、550nm、630nmの波長で評価した。
図8は散乱剤を含むカラーフィルタ部における相対的輝度値を示しており、X軸はカラーフィルタ部を見る視野角の角度を示している。
図8のX軸の角度は、正面を0°にする際の時計回りまたは反時計回りで180°までの角度を示す。一方、X軸の視野角角度において90°以上は、0°を基準にする正面方向に対して後面方向に当たる。
図8のY軸は、散乱剤によって散乱輝度を相対的に示す。また、
図8において、Y軸は最高輝度を1にした際を基準にした相対的な輝度を示す。
【0103】
図8を参照すると、比較例の場合、散乱剤の直径が50nm未満であって正面である0°を基準に側面方向に90°以上になる際、散乱剤による相対輝度値が増加することが分かる。これは、散乱剤による後方散乱(Back scattering)が発生したためである。それに比べ、直径が50nmの散乱剤を使用した実施例1-1の場合、側面方向に90°以上における後方散乱の程度が比較例に比べ大きくないことが分かる。また、実施例1-2の場合、比較例及び実施例1-1に比後方散乱の発生程度が著しく減少しており、全ての波長(450nm、550nm、630nm)において正面と側面の視野角による相対的輝度の差も減っていることが分かる。
【0104】
つまり、散乱剤の直径が50nm未満の場合、後方散乱が大きくなり、前面への輝度が減少するため、散乱剤の直径は50nm以上であることが好ましい。また、散乱剤の直径が増加するほど、波長による輝度の差が減ることが分かる。
【0105】
つまり、一実施例の表示装置DSに使用されたカラーフィルタ部材CFPは、50nm以上の平均直径を有する散乱剤SPを含むことで正面輝度の減少を最小化しながら視野角による輝度差を減少させることができ、それによって視野角による表示品質の差を改善することができる。また、カラーフィルタ部材CFPは500nm以下の平均直径を有する散乱剤を含むことで良好な膜性を有することができ、それによって良好な表示品質を示すことができる。
【0106】
更に
図6を参照すると、一実施例において、カラーフィルタ部材CFPは、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の間に配置される遮光部BMを更に含む。
図3及び
図4を参照すると、複数個のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は、第1方向軸DR1及び第2方向軸DR2が定義する平面上において互いに離隔して配列される。
【0107】
互いに離隔して配置されるカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の間には遮光部BMが配置されるが、遮光部BMはブラックマトリックスである。遮光部BMは、ブラック顔料または染料を含む有機遮光物質または無機遮光物質を含んで形成される。遮光部BMは光漏れ現象を防止し、隣接するカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の間の境界を区分する。
【0108】
一方、遮光部BMの少なくとも一部分は隣り合うカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3と重畳して配置される。つまり、第1方向軸DR1と第2方向軸DR2とが定義する平面上において、遮光部BMは厚さ方向に隣り合うカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3と少なくとも一部分が重畳されるように配置される。
【0109】
一実施例のカラーフィルタ部CFPは、有機層OCを更に含む。有機層OCは、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の上に配置される。有機層OCは、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の凹凸を囲んで配置される。つまり、一実施例によるカラーフィルタ部CFPに対して、有機層OCは平坦化層である。有機層OCはカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCFと遮光部BMとの間を充填して配置され、外部に露出されるカラーフィルタ部材CFPの上部面を平坦にする。
【0110】
一方、本明細書の図面において、有機層OCはカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCFの上側に配置されると示されているが、実施例はこれに限らず、有機層OCはカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCFの下側に配置されてもよい。例えば、有機層OCは、表示素子層DP-OELとカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3との間に配置される。
【0111】
一方、有機層OCは、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を保護する保護層である。有機層OCは透明である。有機層OCは、高分子樹脂からなる。一方、有機層OCは、高分子樹脂以外に機能性材料を更に含んでもよい。例えば、有機層OCは、光吸収剤、酸化防止剤などの機能性物質を更に含んでもよい。また、後述する一実施例において、有機層OCは散乱剤SPを含む。
【0112】
図6に示した一実施例において、カラーフィルタ部材CFPのカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のうち相対的に短波長の光を透過させる部分である第3カラーフィルタ部CCF3は、散乱剤SPを含まない。第3カラーフィルタ部CCF3に比べ相対的に長波長の光を透過させる第1カラーフィルタ部CCF1と第2カラーフィルタ部CCF2は、散乱剤SPを含むことで第1カラーフィルタ部CCF1と第2カラーフィルタ部CCF2に入射される光を散乱させ、視野角による色差または視野角による輝度差を減らすことで表示装置DSの表示品質を改善する。
【0113】
つまり、一実施例の表示装置DSにおいて、有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3の共振距離が同じであるとすると、相対的に長波長の光を放出する第1有機電界発光素子OEL-1と第2有機電界発光素子OEL-2とにおいて、視野角による輝度差が大きく現れる。それによって、第1有機電界発光素子OEL-1と第2有機電界発光素子OEL-2の上にそれぞれ配置された第1カラーフィルタ部CCF1と第2カラーフィルタ部CCF2に散乱剤を含ませて光を効果的に散乱させることで、視野角による色輝度差を減少させることができる。
【0114】
しかし、実施例はこれに限らず、一実施例によるカラーフィルタ部材CFPにおいて、第3カラーフィルタ部CCF3は散乱剤SPを更に含んでよい。
【0115】
図9は一実施例の表示装置に含まれたカラーフィルタ部材の他の実施例を示しており、一実施例において、カラーフィルタ部材CFP-aは複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を含む。一実施例のカラーフィルタ部材CFP-aにおいて、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれは散乱剤SPを含む。カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3において、散乱剤SPはマトリックス部MRに分散される。
図9に示した一実施例のカラーフィルタ部材CFP-aは、上述した
図6のカラーフィルタ部材CFPに比べ、第3カラーフィルタ部CCF3にも散乱剤SPを更に含むことに差がある。一方、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれは、互いに異なる種類の散乱剤SPを含んでもよい。また、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤SPの含有量は互いに異なってもよく同じであってもよく、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のそれぞれに含まれた散乱剤SPのサイズは互いに異なるかまたは同じであってもよい。
【0116】
第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれた散乱剤SPの含有量は類似している。第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤SPの含有量は、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれの全体重量を基準に0wt%より大きく10wt%以下である。第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤SPの含有量は、マトリックス部MRと散乱剤SPの含有量の合計100wt%を基準に0wt%より大きく10wt%以下である。例えば、赤色カラーフィルタ部である第1カラーフィルタ部CCF1は、散乱剤を0wt%より大きく10wt%以下に含んでもよい。
【0117】
一実施例において、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は散乱剤SPを0wt%より多く含むことで、視野角による色輝度差を減少させることができる。但し、散乱剤SPの含有量が10wt%より大きくなれば、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を成形する際に散乱剤SPが露光工程に影響を及ぼし、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の製造が難しくなる恐れがある。第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は、それぞれ以下の割合で散乱剤SPを含む。下記表1は、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれる散乱剤の割合を異なるようにした実施例に対する正面輝度率とWAD改善率を示す。
【0118】
表1において、正面輝度率は、散乱剤を含まないカラーフィルタ部を基準にする際の正面における表示装置の輝度の減少程度を示す。また、WAD改善率は、正面対比側面全角度における表示装置の色差(Δu'v')の改善程度を示し、散乱剤を含まない場合での色差を基準に実施例における色差の改善割合を示す。例えば、実施例1において、正面輝度率-27%は、散乱剤を含まないカラーフィルタ部の正面輝度を100にする際、27%の輝度が減少されたことを示す。また、実施例1において、WAD改善率50%は、散乱剤を含まないカラーフィルタ部の色差値を基準に実施例1における色差値の減少程度を割合で示す。
【0119】
【0120】
表1の実施例では、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの含有量を1.0にする際、第2カラーフィルタ部CCF2及び第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤SPの含有量を相対的に示している。実施例1は第1カラーフィルタ部CCF1、第2カラーフィルタ部CCF2、及び第3カラーフィルタ部CCF3において散乱剤を1:0.5:0.4の割合で含む場合であり、実施例2は散乱剤を1:0.8:0.6の割合で含む場合であり、実施例3は散乱剤を1:0.6:0.4の割合で含む場合であり、実施例4は第1カラーフィルタ部CCF1、第2カラーフィルタ部CCF2、及び第3カラーフィルタ部CCFにおいて散乱剤を同じ含有量で含む場合に当たる。
【0121】
一実施例において、第1カラーフィルタ部CCF1、第2カラーフィルタ部CCF2、及び第3カラーフィルタ部CCFに含まれる散乱剤の含有量割合は1:x:yであるが、この際、xは0.5以上1以下、yは0以上1以下、xはy以上である。
【0122】
つまり、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの含有量である第1含有量と、第2カラーフィルタ部CCF2に含まれた散乱剤SPの第2含有量は、1:0.5乃至1:1である。また、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの含有量である第1含有量と、第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤SPの第3含有量は、1:0乃至1:1である。また、表1の結果を参照すると、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの含有量である第1含有量と、第2カラーフィルタ部CCF2に含まれた散乱剤SPの第2含有量は1:0.5乃至1:1であり、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの含有量である第1含有量と、第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤SPの第3含有量は1:0.4乃至1:1である。
【0123】
一方、一実施例の表示装置の場合、カラーフィルタ部に散乱剤を追加することで正面輝度の減少が一部発生するが、このような正面輝度の減少率が30%以下であれば良好な輝度値を示すとみなされる。よって、一実施例の表示装置が30%以下の輝度減少率を示しながらWAD値が改善されれば、表示装置の表示品質が改善されたとみなされる。
【0124】
表1を更に参照すると、全ての実施例において、輝度減少率は30%未満に示されており、WAD値は全て改善されていることが分かる。つまり、カラーフィルタ部に散乱剤を含む実施例の場合、散乱剤を含まない場合に比べ、改善された表示品質を有することが分かる。
【0125】
また、表1を参照する際、実施例のうち実施例1のWAD改善率が最も高く示されていることから、第1カラーフィルタ部CCF1、第2カラーフィルタCCF2、及び第3カラーフィルタCCF3において散乱剤を1:0.5:0.4の割合で含む場合が、第1カラーフィルタ部CCF1、第2カラーフィルタCCF2、及び第3カラーフィルタCCF3において散乱剤を1:1:1の割合で含む場合より改善された表示品質を示すことが分かる。
【0126】
図10は、一実施例の表示装置に含まれるカラーフィルタ部材の他の実施例を示している。一実施例において、カラーフィルタ部材CFP-bは、複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を含む。カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれは、散乱剤SPを含む。カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3において、散乱剤SPはマトリックス部MRに分散される。
図10に示した一実施例のカラーフィルタ部材CFP-bは、上述した
図6のカラーフィルタ部材CFPに比べ、第3カラーフィルタ部CCF3にも散乱剤SPを更に含むことに差がある。
【0127】
また、
図10に示した一実施例のカラーフィルタ部材CFP-bは、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤SPの含有量が互いに異なる場合に当たる。第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの含有量は、第2カラーフィルタ部CCF2及び第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤SPの含有量以上である。
【0128】
例えば、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの第1含有量は、第2カラーフィルタ部CCF2に含まれた散乱剤SPの第2含有量、及び第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤SPの第3含有量より大きくてもよい。詳しくは、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3における散乱剤の含有量は、第1含有量>第2含有量>第3含有量の関係を有する。また、これとは異なって、第1含有量と第2含有量は同じで、第1含有量は第3含有量より大きくてもよい。
【0129】
つまり、一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-bにおいては、互いに異なる波長領域の光を透過させる第1カラーフィルタ部CCF1、第2カラーフィルタ部CCF2、及び第3カラーフィルタ部CCF3における散乱剤の含有量は互いに異なり、相対的に長波長の光を透過させるカラーフィルタ部であるほど相対的に大量の散乱剤を含む。
【0130】
但し、実施例はこれに限らず、表示装置DSに使用された第1乃至第3有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3の素子構造によって、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれた散乱剤の含有量が相対的に調節されてもよい。
【0131】
一方、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3において、散乱剤SPの屈折率とマトリックス部MRの屈折率は互いに異なり得る。散乱剤SPとマトリックス部MRの屈折率の差のため、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に入射した光が効果的に散乱される。散乱剤SPとマトリックス部MRの屈折率の差(Δn)は、0.05以上0.1以下である。
【0132】
図11は、ヘーズと正面輝度減少率の関係を示している。つまり、ヘーズ値が増加するほど正面輝度減少率は増加する。
図11の結果を参照すると、ヘーズ値の増加につれ輝度減少率は線形的に増加する。よって、正面輝度減少率を25%以下に維持するために、カラーフィルタ部材CFPのヘーズ値は30%以下に調整されることが好ましい。例えば、一実施例のカラーフィルタ部材CFPにおいて、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれのヘーズ値は30%以下であってもよい。
【0133】
つまり、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤SPを含むことで、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に入射した光を効果的に散乱させて視野角による色輝度の差を減らし、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は散乱剤SPを10wt%以下で含むことで、ヘーズ値を30%以下に維持して正面輝度の減少を最少化する。
【0134】
図12は、カラーフィルタ部に含まれた散乱剤の含有量による正面輝度率の変化を示すグラフである。
図12を参照すると、第1カラーフィルタ部CCF1、第2カラーフィルタ部CCF2、及び第3カラーフィルタ部CCF3全てにおいて、散乱剤の含有量が増加するほど正面輝度率が減少することが分かる。但し、相対的に長波長領域の光を透過させる第1カラーフィルタ部CCF1の場合、第3カラーフィルタ部CCF3に比べ同じ含有量の散乱剤で正面輝度率が高く示されることが分かる。つまり、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3において同じ正面輝度率を示すために、第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤の含有量は、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤の含有量より少ない量を含むように調節される。
【0135】
例えば、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3において、類似した正面輝度率を示すようにするために、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれた散乱剤の含有量は、第1含有量≧第2含有量≧第3含有量に調節されるか、または第1含有量>第2含有量>第3含有量に調節される。ここで、第1含有量は第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤の含有量であり、第2含有量は第2カラーフィルタ部CCF2に含まれた散乱剤の含有量であり、第3含有量は第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤の含有量である。
【0136】
図13乃至
図14は、視野角である「Polar angle(極角)」による色差(Δu'v')を示している。
図13は散乱剤の含有量による表示装置における色差を示し、
図14はカラーフィルタ部の厚さによる表示装置における色差を示す。
【0137】
図13では、視野角による色差を散乱剤の含有量に応じて示している。
図13において、「Reference(リファレンス)」は偏光部材を使用した場合に当たり、残りはそれぞれカラーフィルタ部に散乱剤を0、0.3、0.6、1wt%で含む場合を示す。つまり、
図13において、「Reference(リファレンス)」は表示装置においてカラーフィルタ部材に代わって偏光部材を使用した場合を、残りは表示装置においてカラーフィルタ部材のカラーフィルタ部に散乱剤をそれぞれ0、0.3、0.6、1wt%で含む場合を示す。
図13を参照すると、散乱剤の含有量が増加するほど側面視野角における色差が減少することが分かる。つまり、一実施例の表示装置は、カラーフィルタ部に散乱剤を含むことで側面と正面における色差を減少させることができる。
【0138】
図14では、視野角による色差をカラーフィルタ部の厚さに応じて示している。
図14において、「Reference(リファレンス)」は偏光部材を使用した場合に当たり、残りはそれぞれカラーフィルタ部に厚さを3μm、6μm、9μmにした場合を示す。
図14において、「Reference(リファレンス)」は表示装置においてカラーフィルタ部材に代わって偏光部材を使用した場合を、残りは表示装置に対してカラーフィルタ部材のカラーフィルタ部の厚さがそれぞれ3μm、6μm、9μmである場合を示す。
図14を参照すると、カラーフィルタ部の厚さが増加するほど側面視野角における色差が減少することが分かる。一方、カラーフィルタ部の厚さの増加は、カラーフィルタ部における散乱剤の総量が増加することを意味する。つまり、カラーフィルタ部において、単位体積当たりに含まれた散乱剤の含有量が同じであれば、カラーフィルタ部の厚さが増加するほどカラーフィルタ部に含まれた散乱剤の絶対量は増加するためである。よって、
図14は、散乱剤の総含有量の増加によってカラーフィルタ部に入射した光の散乱程度が大きくなり、側面と正面における色差を減少させることができるということを示している。
【0139】
図15及び
図16は、それぞれ一実施例のカラーフィルタ部材に対する断面図である。
図15乃至
図16に示した一実施例によるカラーフィルタ部材CFC-c、CFC-dは、一実施例の表示装置DS(
図1)に含まれる。
【0140】
図15に示した一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-cは、
図6に示したカラーフィルタ部材CFPに比べ、有機層OCに散乱剤SPを更に含むことに差がある。また、
図16に示した一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-dは、
図10に示した一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-bに比べ、有機層OCに散乱剤SPを更に含むことに差がある。一方、
図15及び
図16に示した一実施例のカラーフィルタ部材CFC-d、CFC-dに関する説明において、有機層OCが散乱剤SPを含むこと以外に、散乱剤SP及びカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に関しては
図6及び
図10などで説明した内容と同じ内容が適用される。
【0141】
つまり、一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-c、CFP-dは、複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3、及びカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の上に配置された有機層OCを含み、複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のうち少なくとも一つと有機層OCに散乱剤SPを含む。カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のうち少なくとも一つと有機層OCに含まれた散乱剤SPの平均直径は、50nm以上500nm以下である。有機層OCを形成する高分子樹脂と散乱剤SPの屈折率の差(Δn)は、0.05以上0.1以下である。
【0142】
一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-c、CFP-dにおいて、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3以外に有機層OCにも散乱剤SPを含むことで、相対的にカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれる散乱剤SPの含有量を減少させた場合でも、視野角による表示品質の差を改善する効果を奏することができる。
【0143】
一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-c、CFP-dの場合、有機層OCに散乱剤SPを含むことで、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれるべき散乱剤SPの含有量を、有機層OCに散乱剤SPを含まない場合に比べ相対的に減少させることができる。それによって、過度な散乱剤SPの追加のためカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を形成する際に発生し得る、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のマトリックス部が硬化しない問題を減らすことができる。つまり、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3以外に有機層OCにも散乱剤SPを含むことで、散乱剤SPの追加による光学特性の改善効果をそのまま奏しながらも、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を形成する際の工程性も改善することができる。
【0144】
一方、有機層OCに含まれた散乱剤SPの含有量は、複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3のうち散乱剤SPを含むカラーフィルタ部に含まれる散乱剤SPの含有量より大きい。例えば、複数個のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3がそれぞれ散乱剤SPを含んでもよく、散乱剤SPを含むカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤SPの含有量は、有機層OCに含まされる散乱剤SPの含有量より大きくてもよい。
【0145】
一実施例において、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤SPの含有量は、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれの全体重量を基準に0wt%より大きく10wt%以下である。また、有機層OCに含まれた散乱剤SPの含有量は、有機層OCの全体重量を基準に5wt%以上50wt%以下である。有機層OCに含まれた散乱剤SPの含有量が5wt%未満であれば、視野角による色差低減効果の改善が十分ではなく、有機層OCに含まれた散乱剤SPの含有量が50wt%より大きくなれば、散乱剤SPの過度な含有量のため表示装置の輝度が減少する恐れがある。
【0146】
図15に示した一実施例のカラーフィルタ部材CFP-cにおいて、第1カラーフィルタ部CCF1は赤色光を透過させ、第2カラーフィルタ部CCF2は緑色光を透過させる。第3カラーフィルタ部CCF3は青色光を透過させる青色フィルタであるか、または第3カラーフィルタ部CCF3は透明感光樹脂からなる透明フィルタである。
図15を参照すると、第1カラーフィルタ部CCF1及び第2カラーフィルタ部CCF2は散乱剤SPを含み、第3カラーフィルタ部CCF3は散乱剤SPを含まない。また、
図15において、有機層OCは散乱剤SPを含む。
【0147】
例えば、有機層OCは散乱剤SPとしてAl2O3を含み、第1カラーフィルタ部CCF1は散乱剤SPとしてZnOを含み、第2カラーフィルタ部CCF2は散乱剤SPとしてSiO2を含み、第3カラーフィルタ部CCF3は散乱剤を含まなくてもよい。詳しくは、有機層OCは平均直径が300nmのAl2O3を有機層の全体重量対比30wt%含み、第1カラーフィルタ部CCF1は平均直径が400nmのZnOを第1カラーフィルタ部の全体重量対比8.5wt%含み、第2カラーフィルタ部CCF2は平均直径が200nmのSiO2を第2カラーフィルタ部の全体重量対比5wt%含む。一方、提示した散乱剤の種類と、散乱剤の平均直径、及び散乱剤の含有量は例示的であり、本発明の範囲を逸脱しない範囲内で散乱剤の種類及び含有量は多様に組み合わされてもよい。
【0148】
図16は、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤SPの含有量が互いに異なり、有機層OCが散乱剤SPを含む一実施例のカラーフィルタ部材CFP-dを示す。例えば、第1カラーフィルタ部CCF1に含まれた散乱剤SPの第1含有量は、第2カラーフィルタ部CCF2に含まれた散乱剤SPの第2含有量、及び第3カラーフィルタ部CCF3に含まれた散乱剤SPの第3含有量より大きくてもよい。詳しくは、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3における散乱剤の含有量は、第1含有量>第2含有量>第3含有量の関係を有する。また、これとは異なって、第1含有量と第2含有量は同じで、第1含有量は第3含有量より大きくてもよい。
【0149】
一方、有機層OCに含まれた散乱剤SPの第4含有量は、第1カラーフィルタ部乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3における散乱剤の含有量である第1乃至第3含有量それぞれより大きく、例えば、第1含有量>第2含有量>第3含有量>第4含有量の関係を有してもよい。
【0150】
一方、
図16では第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれた散乱剤SPの含有量が異なる場合を示しているが、実施例はこれに限らず、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3に含まれた散乱剤SPの含有量は同じであってもよく、この場合も有機層OC内に含まれた散乱剤SPの含有量は、第1乃至第3カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3それぞれに含まれた散乱剤の含有量より大きくてもよい。
【0151】
図17は、視野角である「Polar angle(極角)」による色差(Δu'v')を示している。
図17において、「Reference(リファレンス)」は偏光部材を使用した場合に当たり、実施例2-1はカラーフィルタ部にのみ散乱剤を含む場合を、実施例2-2はカラーフィルタ部及び有機層に散乱剤を含む場合を示す。実施例2-1は、第1カラーフィルタ部CCF1が3.9wt%、第2カラーフィルタ部CCF2が1.9wt%、第3カラーフィルタ部CCF3が1.4wt%の散乱剤SPをそれぞれ含む場合を示す。実施例2-2は、実施例2-1に追加して、有機層OCに5.2wt%の散乱剤SPを更に含む場合を示す。
【0152】
図17を参照すると、「Reference(リファレンス)」に比べ、実施例2-1及び実施例2-2において側面視野角における色差が減少していることが分かる。また、実施例2-2は、実施例2-1に比べ改善された視野角特性を示すことが分かる。
【0153】
図1乃至
図10を参照して説明した一実施例の表示装置DSにおいて、カラーフィルタ部材CFPは表示パネルDPの上に直接配置される。また、カラーフィルタ部材CFPは、封止部材TFEの上に直接配置される。一方、一実施例の表示装置DSにおいては、カラーフィルタ部材CFPは含むが偏光部材は含まない。
【0154】
つまり、上述した一実施例の表示装置DSは、表示パネルDPの上にカラーフィルタ部材CFPを配置することで、外光による反射を低減させて表示品質を改善することができる。また、一実施例の表示装置DSは、表示パネルDPの上にカラーフィルタ部材CFPを含み、偏光部材を含まないことで、輝度の低減を最小化しながら外光による反射を減らすことで、改善された表示品質を示すことができる。また、一実施例の表示装置DSは、カラーフィルタ部材CFPに平均直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含むことで、カラーフィルタ部材CFPに入射した光を効果的に分散させて視野角による色差を減少させ、ヘーズ値を30%以下に維持して、輝度値を85%以上に高く維持することができる。
【0155】
図18は、一実施例の表示装置を示す断面図である。一実施例の表示装置DS-1は、
図4などを参照して説明した一実施例の表示装置DSに比べ、入力感知ユニットTSUを更に含む。
図18は、上述した
図3のII-II'線に対応する部分の実施例を示している。
【0156】
図18示した一実施例の表示装置DS-1は、複数の有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3を含む表示パネルDP、及び表示パネルDPの上に配置されたカラーフィルタ部材CFPを含む。
図18に示した一実施例の表示パネルDP-1に関する説明において、表示領域DP及びカラーフィルタ部材CFPに関しては、上述した
図1乃至
図10で説明した内容が同じく適用される。
【0157】
一実施例の表示装置DS-1において、入力感知ユニットTSUは、表示パネルDPとカラーフィルタ部材CFPとの間に配置される。入力感知ユニットTSUは、ユーザの直接タッチ、ユーザの間接タッチ、物体の直接タッチまたは物体の間接タッチを認識する。一方、入力感知ユニットTSUは、外部から印加されるタッチの位置及びタッチの強度(圧力)のうち少なくともいずれか一つを感知する。本発明の一実施例における入力感知ユニットTSUは多様な構造を有するか多様な物質からなってもよく、いずれか一つの実施例に限らない。例えば、一実施例の表示装置DS-1において、入力感知ユニットTSUはタッチを感知するタッチ感知ユニットであってもよい。
【0158】
入力感知ユニットTSUは、表示パネルDPの封止部材TFEの上に直接配置される。つまり、入力感知ユニットTSUは、別途の接着部材なしに表示パネルDPの上に直接配置される。
【0159】
入力感知ユニットTSUは、表示パネルDPとカラーフィルタ部材CFPとの間に配置される。一実施例において、カラーフィルタ部材CFPは入力感知ユニットTSUの上に直接提供される。
【0160】
図19は、一実施例の表示装置を示す断面図である。
図20は、
図19に示した一実施例の表示装置に含まれるカラーフィルタ部材CFP-eを示す断面図である。一実施例の表示装置DS-2は、
図4などを参照して説明した一実施例の表示装置DSに比べ、カラーフィルタ部材CFP-eの構造において一部差がある。
図19は、上述した
図3のII-II'線に対応する部分の実施例を示している。
【0161】
図19示した一実施例の表示装置DS-2は、複数の有機電界発光素子OEL-1、OEL-2、OEL-3を含む表示パネルDP、及び表示パネルDPの上に配置されたカラーフィルタ部材CFP-eを含む。カラーフィルタ部材CFP-eは、複数のカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3、及び遮光部BMを含む。
【0162】
図19に示した一実施例の表示パネルDS-2に関する説明において、表示パネルDP、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3、及び遮光部BMに関しては、上述した
図1乃至
図10で説明した内容が同じく適用される。
【0163】
図19及び
図20を参照すると、一実施例において、カラーフィルタ部材CFP-eはベース基板WPを更に含む。ベース基板WPは、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3、及び遮光部BMの上に配置される。ベース基板WPは、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3、及び遮光部BMが提供される支持基板の役割をする。ベース基板WPは、ガラス基板またはプラスチック基板である。
【0164】
ベース基板WPは、表示装置DS-2の前面を定義する。ベース基板WPは、外部の衝撃からカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3を含む表示装置DS-2の内部構成要素を安定的に保護する。
【0165】
一方、
図19及び
図20を参照すると、一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-eにおいて、遮光部BMは隣り合うカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3の間に配置され、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3と重畳しない。しかし、実施例はこれに限らず、図示とは異なって、一実施例によるカラーフィルタ部材CFP-eにおいて、遮光部BMは隣り合うカラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3と少なくとも一部が重畳してもよい。
【0166】
一方、
図19において、カラーフィルタ部CCF1、CCF2、CCF3は、それぞれマトリックス部MRと、マトリックス部MRに分散された散乱剤SPを含む。しかし、実施例はこれに限らず、青色発光領域PXA-Bに対応する第3カラーフィルタ部CCF3は散乱剤SPを含まなくてもよい。
【0167】
一実施例の表示装置は、表示パネルの上に配置されたカラーフィルタ部材を含むことで輝度減少を最小化しながらも外部光による反射を低減することができる。また、一実施例の表示装置において、カラーフィルタ部材の複数のカラーフィルタ部のうち少なくとも一つのカラーフィルタ部は、直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含むことで、ヘーズ値を最小化しながらも光を効果的に散乱させて、視野角による色差を減らして改善された表示品質を示すことができる。また、一実施例は表示パネルとカラーフィルタ部材を含み、カラーフィルタ部材は複数のカラーフィルタ部及び有機層を含み、複数のカラーフィルタ部のうち少なくとも一つのカラーフィルタ部と有機層にそれぞれ直径が50nm以上500nm以下の散乱剤を含むことで、カラーフィルタ部を提供する際に工程性が改善された表示装置、及び視野角による色差が減少して改善された表示品質を示す表示装置を提供することができる。
【0168】
これまで本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者または該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。
【0169】
よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載されている内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0170】
DS、DS-1、DS-2:表示装置
DP:表示パネル
CFP、CFP-a、CFP-b、CFP-c:カラーフィルタ部材
CCF1、CCF2、CCF3:カラーフィルタ部
SP:散乱剤
OC:有機層