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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 25/00 20060101AFI20240111BHJP
   F25D 19/00 20060101ALI20240111BHJP
   F25D 21/14 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
F25D25/00 F
F25D19/00 520C
F25D21/14 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019212104
(22)【出願日】2019-11-25
(65)【公開番号】P2021085538
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(72)【発明者】
【氏名】小野 紘平
(72)【発明者】
【氏名】川浪 徹
【審査官】西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2010-0085265(KR,A)
【文献】実開平01-078884(JP,U)
【文献】実開昭52-150860(JP,U)
【文献】特表2003-509654(JP,A)
【文献】特開2001-248952(JP,A)
【文献】実開昭55-067978(JP,U)
【文献】特開2000-304417(JP,A)
【文献】特開平08-075346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 21/14
F25D 25/00 - 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板部と、
前記底板部と上下方向に対向する上板部と、
前記底板部と前記上板部との間に形成された収容空間に対して前方に引き出し可能なケース部と、
を備え、
前記底板部は、後方に向かうにつれて下方に傾斜した傾斜部を有しており、
前記ケース部が収容空間に収容された状態において、前記ケース部の前の上端部と前記上板部との上下方向の距離は、前記ケース部の前記前面の下端部と前記底板部との上下方向の距離よりも短い、
蔵庫。
【請求項2】
底板部と、
前記底板部と上下方向に対向する上板部と、
前記底板部と前記上板部との間に形成された収容空間に対して前方に引き出し可能なケース部と、
を備え、
前記底板部は、後方に向かうにつれて下方に傾斜した傾斜部を有しており、
前記底板部は、前記傾斜部の前方に形成された平部を有しており、
前記平部は、前記傾斜部と比べて、水平面とのなす角度が小さい、
蔵庫。
【請求項3】
底板部と、
前記底板部と上下方向に対向する上板部と、
前記底板部と前記上板部との間に形成された収容空間に対して前方に引き出し可能なケース部と、
を備え、
前記底板部は、後方に向かうにつれて下方に傾斜した傾斜部を有しており、
前記ケース部の前端から後端にかけての長さは、前記傾斜部における前端から後端にかけての長さよりも長い、
蔵庫。
【請求項4】
前記ケース部は、前記ケース部の内側と外側とを連続させる水抜き孔を有しており、
前記水抜き孔は、前記ケース部が前記収容空間に収容された状態における、前記ケース部の最下部位に形成されている、
請求項1~3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記ケース部の前面の上端部は、前記ケース部が前記収容空間に収容された状態において、前記ケース部が前記収容空間から引き出された状態よりも上方に位置する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記ケース部が前記収容空間に収容された状態における、前記ケース部の下面と、前記傾斜部と、の間に形成された通風路をさらに備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記傾斜部に対して、前記収容空間と反対に位置し、前記傾斜部に沿うように設けられたエボパレータをさらに備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記上板部は、後方に向かうにつれて下方に傾斜した傾斜面をさらに備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記収容空間内の水を排出する流路をさらに備える、
請求項1~のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜室に出し入れ可能な野菜ケースを備える冷蔵庫が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の冷蔵庫では、冷蔵庫の下方に仕切壁にて区画して設けられた野菜室に、この野菜室の扉の背面側に前後に出し入れ可能に、かつ着脱可能に野菜ケース(ケース部)を備え、同野菜ケースの上部に蓋体を被装し密閉することにより、同野菜ケース内に収容した野菜類の水分が蒸発することを防止して、この野菜類の保存に適した湿度を保っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-75346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ケース部に収納した収容物に、ケース部の内部で発生した結露による水が付着しにくい冷蔵庫が望まれていた。
【0006】
本開示の主な目的は、ケース部に収容した収容物に、結露による水が付着しにくい冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一形態に係る冷蔵庫は、底板部と、底板部と上下方向に対向する上板部と、底板部と上板部との間に形成された収容空間に対して前方に引き出し可能なケース部と、を備えている。また、底板部は、後方に向かうにつれて下方に傾斜した傾斜部を有している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る冷蔵庫の正面図である。
図2図2は、図1のA-A線断面図である。
図3図3は、同上の冷蔵庫におけるケース部が引き出された状態の断面図である。
図4図4は、実施形態の変形例に係る冷蔵庫の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0010】
(実施形態)
本実施形態の冷蔵庫1について、以下に図1図3を参照して説明する。
【0011】
冷蔵庫1は、一面が開口した矩形箱状の筐体10と、筐体10の開口を開閉する扉11,12と、を備えている。以下の説明では、筐体10の長手方向を上下方向(第3方向)、筐体10の短手方向を左右方向(第2方向)、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向(第1方向)とする(図1図2参照)。本実施形態では、筐体10は、前面が開口しており、この開口を開閉するように扉11,12が設けられている。ただし、これらの方向は、説明のために便宜上規定した方向であって、使用時の方向を限定する趣旨ではない。
【0012】
筐体10は、上壁101、右壁102、左壁103、後壁104、及び底壁105を有する矩形箱状に形成されており、前面が開口している。筐体10は、内部に収容室を形成している。筐体10は、収容室を上下方向に分割する底板部13を備えている。底板部13により、筐体10の内部は、上側の第1収容室14と、下側の第2収容室15に分割されている。本実施形態の冷蔵庫1では、第1収容室14がいわゆる冷蔵室であり、内部の温度が例えば4℃程度に保たれる。また、第2収容室15がいわゆる冷凍室であり、内部の温度が例えば-18℃程度に保たれる。
【0013】
扉11は、ヒンジにより筐体10に連結されており、第1収容室14を開閉するように構成されている。扉12は、ヒンジにより筐体10に連結されており、第2収容室15を開閉するように構成されている。図1に示す例では、扉11,12は、右開き扉であるが、左開き扉であってもよいし、左右両開き扉であってもよい。
【0014】
冷蔵庫1は、第1収容室14及び第2収容室15内の空気を冷やす冷却機構を備えている。冷却機構は、冷媒を気化した際の気化熱を利用して、第1収容室14及び第2収容室15内の空気を冷やすように構成されている。冷却機構は、圧縮機31、第1エバポレータ32、第2エバポレータ33、第1送風機34、第2送風機35などを備えている。
【0015】
圧縮機31(コンプレッサー)は、筐体10の外側に配置されている。具体的には、圧縮機31は、筐体10の後端、かつ下端に形成された凹部106に配置されている。圧縮機31は、冷媒を圧縮することにより、冷媒を高温かつ高圧の気体にする。圧縮機31から出力された冷媒は、凝縮器(コンデンサー)、及び毛細管(キャピラリーチューブ)を介して第1エバポレータ32及び第2エバポレータ33に送られる。凝縮器は、圧縮機31から送られてきた高温かつ高圧の気化冷媒を放熱することにより、常温かつ高圧の液体冷媒にする。毛細管は、冷媒が気化しやすいように減圧する。
【0016】
第1エバポレータ32(蒸発器)及び第2エバポレータ33(蒸発器)は、毛細管から送られてきた液体冷媒を膨張させて気化する。液体冷媒が気化する際の気化熱により、第1エバポレータ32及び第2エバポレータ33の周囲の空気が冷やされる。第1エバポレータ32及び第2エバポレータ33で気化された冷媒は、圧縮機31に送られ、圧縮機31により再び圧縮される。
【0017】
第1エバポレータ32は、第1送風機34と共に第1収容室14に配置されている。具体的には、第1エバポレータ32及び第1送風機34は、第1収容室14における後壁104に配置されている。第1送風機34は、気流を生成することにより、第1エバポレータ32の周囲の冷やされた空気を第1収容室14内に循環させる。また、第1エバポレータ32の前方には、隔壁107が第1エバポレータ32と離れて設けられている。第1エバポレータ32と隔壁107との間を通って、空気が循環するように構成されている。これにより、第1収容室14に収容された収容物が、第1エバポレータ32又は第1エバポレータ32の周囲の空気と直接的に触れることが抑制され、冷やされすぎることを抑制することができる。
【0018】
第2エバポレータ33は、第2送風機35と共に第2収容室15に配置されている。第2エバポレータ33及び第2送風機35は、第1収容室14と第2収容室15とを仕切る底板部13の下面に設けられている。第2送風機35は、気流を生成することにより、第2エバポレータ33の周囲の冷やされた空気を第2収容室15内に循環させる。なお、冷蔵庫1は、第2エバポレータ33に付着した霜を溶かす除霜ヒータを備えていてもよい。
【0019】
また、冷蔵庫1は、結露、除霜などによって発生した水を、筐体10外に排出する流路40を備えている。流路40は、筐体10の後壁104の内部に形成されている。流路40は、第1流入口41、第2流入口42、及び排出口44を含む。
【0020】
第1流入口41は、第1収容室14において、後壁104と底板部13とを連続させる角部に形成されている。第2流入口42は、第2収容室15において、後壁104における第2エバポレータ33の付近に形成されている。また、第2収容室15には、第2エバポレータ33に付着した霜を除霜したことによって発生した水を、第2流入口42に導く導水部材43が設けられている。導水部材43は、第2エバポレータ33と第2流入口42を接続するように設けられている。
【0021】
排出口44は、圧縮機31を配置している凹部106に形成されており、第1流入口41及び第2流入口42と連続している。排水口44は、第1流入口41と連続する排水口と、第2流入口42と連続する排水口とに別れていてもよい。排出口44の下方には、第1収容室14及び第2収容室15から排出された水を受けるドレンパン45が設けられている。また、ドレンパン45の下方には、圧縮機31が配置されている。したがって、圧縮機31から発生した熱を利用して、ドレンパン45が受けた水を蒸発させることができる。
【0022】
本実施形態の冷蔵庫1では、第1収容室14に、野菜収容室141が含まれている。野菜収容空間は、第1収容室14の一部であって、第1収容室14における下側に形成された収容空間である。具体的には、第1収容室14には、上板部142が設けられている。上板部142は、上下方向を厚さ方向とする矩形状の棚板であり、第1収容室14内における空間を上下方向に仕切るように設けられている。上板部142は、前後方向の寸法が、筐体10の前後方向の寸法よりも短く形成されており、前端部が筐体10の開口よりも後方に位置している。野菜収容室141は、底板部13と上板部142との間に形成された収容空間である。つまり、野菜収容室141は、上板部142と底板部13と左壁103と右壁102とで囲まれた収容空間である。なお、野菜収容室141に収容される収容物は、野菜に限らず、果物、肉、魚などの生鮮食品、加工食品、調味料等であってもよいし、食品以外であってもよい。
【0023】
野菜収容室141には、収容物を収容する引出し型のケース部2が設けられる。ケース部2は、上面が開口した矩形箱状に形成されており、前板部21と、後板部22と、一対の側板部23と、底部24と、を有する。
【0024】
ケース部2は、底板部13に沿って野菜収容室141から前方に引き出し可能に構成されている。ケース部2を野菜収容室141から引き出すことにより、ケース部2の開口を介して収容物をケース部2内から出し入れすることができる。そして、ケース部2を後方に押し込むことにより、収容物を野菜収容室141(収容空間)に収容することができる。また、本実施形態では、ケース部2の底部24には、4つの車輪25が四方に離れて設けられている。この4つの車輪25により、底板部13に沿ってケース部2をスムーズに出し入れすることができる。なお、車輪25に代えて、円筒状の摺動部であってもよい。
【0025】
以下の説明では、ケース部2が野菜収容室141に入れられた状態を収容状態、ケース部2が野菜収容室141から引き出された状態を引出し状態という。ケース部2の前後方向の寸法は、上板部142の前後方向の寸法と略同じである。したがって、収容状態では、ケース部2の前端部と、上板部142の前端部との前後方向の位置が略同じとなる。
【0026】
本実施形態の冷蔵庫1では、底板部13は、平部131と、傾斜部132と、を有している。平部131と傾斜部132とは、前後方向に並んで形成されている。平部131は、傾斜部132の前方に形成されている。平部131は、水平面と略平行となるように形成されている。つまり、平部131と水平面とのなす角度が、略0度である。本実施形態では、前後方向及び左右方向に沿った面が、水平面であるとする。
【0027】
傾斜部132は、平部131の後端部と連続するように形成されており、後方に向かうにつれて下方に傾斜している。傾斜部132と水平面とのなす角度は、例えば10度程度である。つまり、傾斜部132と水平面とのなす角度は、平部131と水平面とのなす角度よりも大きい。言い換えれば、平部131は、傾斜部132と比べて、水平面とのなす角度が小さい。また、平部131と傾斜部132との接続点は、上板部142の前端部よりも後方に位置している。また、傾斜部132は、後方に向かうにつれ、水平面とのなす角度を徐々に大きくなるような曲面に形成されてもよい。
【0028】
図3に示すように、引出し状態では、ケース部2は、4つの車輪25が底板部13における平部131の上方に位置し、底部24が平部131に沿っている。つまり、引出し状態では、ケース部2の底部24が水平面と略平行となる。なお、図3では、扉11の記載を省略している。
【0029】
一方、図2に示すように、収容状態では、ケース部2は、4つの車輪25が底板部13における傾斜部132の上方に位置し、底部24が傾斜部132に沿っている。つまり、収容状態では、ケース部2の底部24が水平面に対して傾斜している。したがって、収容状態では、例えば結露によって、ケース部2内に水が発生したとしても、水が後方に流れ落ちる。これにより、ケース部2に収容された収容物に水が付着することが抑制される。
【0030】
さらに、本実施形態では、ケース部2は、水抜き孔26を有している。水抜き孔26は、ケース部2の内側と外側とを連続させる。水抜き孔26は、収容状態におけるケース部2の最下部位に形成されている。本実施形態では、水抜き孔26は、ケース部2の後板部22と底部24とを連続させる角部に形成されている。これにより、例えば結露によって、ケース部2内に水が発生したとしても、水抜き孔26を介してケース部2外に水を排出することができる。これにより、ケース部2に収容された収容物に水が付着することをより抑制することができる。
【0031】
また、水抜き孔26から排出された水は、第1流入口41を介して流路40に流入する。本実施形態では、第1流入口41は、傾斜部132の下端部に形成されている。したがって、ケース部2から排出された水が傾斜部132に付着したとしても、傾斜部132を伝って第1流入口41に流入させやすくなる。第1流入口41から流入した水は、排出口44を介して筐体10外のドレンパン45に排出される。これにより、ケース部2から排出された水が第1収容室14にたまることが抑制される。
【0032】
ここで、図2に示すように、ケース部2の前端から後端にかけての長さは、傾斜部132における前端から後端にかけての長さよりも長い。したがって、ケースは、収容状態において、底部24が傾斜部132と略平行となり、ケースの前端が平部131の上方に位置する。つまり、ケース部2は、収容状態では、引出し状態に比べて、後端部が下がり前端部が上がるように傾斜する。これにより、ケース部2は、野菜収容室141(収容空間)に収容することによって、前端部が底板部13から離れ、かつ上板部142に近づく。言い換えれば、ケース部2の前面の上端部は、ケース部2が野菜収容室141(収容空間)に収容された収容状態において、ケース部2が野菜収容室141(収容空間)から引き出された引出し状態よりも上方に位置する。
【0033】
これにより、ケース部2を野菜収容室141に収容した際に、ケース部2の前端部と上板部142との間の距離が狭まる。したがって、第1送風機34によって生成された気流が、ケース部2の前端部と上板部142との隙間から、ケース部2内に入り込むことが抑制される。第1送風機34から送られる空気は、第1エバポレータ32によって冷やされた冷気であり、乾燥している場合がある。この冷気が、ケース部2内に入り込むことが抑制されるので、ケース内の空気が乾燥しすぎることが抑制される。これにより、例えば、ケース部2に収容される収容物が野菜、果物などの生鮮食品である場合、生鮮食品の乾燥を抑制し、鮮度を保つことができる。
【0034】
また、ケース部2を野菜収容室141に収容した際に、ケース部2の前端部と底板部13との間の距離が離れる。したがって、第1送風機34によって生成された気流が、ケース部2の前端部と底板部13との隙間に入り込みやすくなる。また、ケース部2は、4つの車輪25を備えており、底部24と底板部13との間の隙間が通風路143として形成されている。つまり、ケース部2の収容状態における、ケース部2の下面と、傾斜部132との間に通風路143が形成されている。この通風路143により、第1送風機34によって生成された気流を通風路143を介して第1エバポレータ32に戻しやすくなり、第1収容室14における空気(冷気)の循環効率を向上させ、冷却効率を向上させることができる。すなわち、第1送風機34によって生成された気流がケース部2内に入り込むことを抑制するとともに、ケース部2の下面の通風路143に流れやすくして、ケース部2を間接的に冷却する。したがって、ケース部2に収容される収容物を低温且つ高湿に保つことができる。
【0035】
また、本実施形態では、第2エバポレータ33は、底板部13における傾斜部132に設けられている。具体的には、第2エバポレータ33は、傾斜部132に対して、野菜収容室141(収容空間)と反対に位置し、傾斜部132に沿うように設けられている。つまり、第2エバポレータ33は、傾斜部132の下面に沿うように設けられている。上述したように、冷媒の気化熱により第2エバポレータ33が低温となるため、傾斜部132における野菜収容室141側の上面に結露が発生するおそれがある。本実施形態では、結露によって傾斜部132の上面に水が発生したとしても、傾斜部132の傾斜により水が流れ落ち第1流口を介して筐体10外に排出することができる。これにより、傾斜部132に水が付着することを抑制することができる。さらに、本実施形態では、傾斜部132とケース部2との間に、乾燥した冷気を通す通風路143が形成されるので、傾斜部132に水が付着することをより抑制することができる。
【0036】
(変形例)
以下、本実施形態の冷蔵庫1の変形例について説明する。以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、以下に説明する変形例は、上述した実施形態、又は他の変形例と適宜組み合わせて適用可能である。
【0037】
上述した実施形態では、上板部142は、図2に示すように上面及び下面が平行となるように形成されていたが、これに限らない。図4に示すように、上板部142は、下面が、後方に向かうにつれて下方に傾斜する傾斜面1421を含むように形成されていてもよい。傾斜面1421は、後端部が、上板部142の後端部と一致するように形成されている。
【0038】
したがって、本変形例では、例えば結露によって、上板部142の傾斜面1421に水が発生したとしても、水が後方に流れ落ちる。これにより、上板部142の傾斜面1421に水が付着することが抑制される。傾斜面1421から流れ落ちた水は、第1流入口41を介してドレンパン45に排水することができる。
【0039】
なお、図4に示した例では、上板部142の下面における後側の一部のみが傾斜面1421であったが、下面全体が傾斜面1421であってもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、図2に示すように、ケース部2は4つの車輪25を備えており、4つの車輪25が底板部13の上面を転がることによりケース部2が移動するように構成されていたが、これに限らない。ケース部2は、底板部13に形成された一対のリブ上を移動するように構成されていてもよい。一対のリブは、左右方向に離れて形成されており、各リブは、傾斜部132の前端部から後端部にかけて前後方向に沿って形成されている。各リブは、断面が矩形状となるように形成されている。ケース部2は、底部24が一対のリブに接触しながら移動する。したがって、ケース部2の底部24と底板部13との間に隙間が形成され、この隙間が通風路143として機能する。この通風路143により、第1送風機34によって生成された気流を流しやすくなり、第1収容室14における空気(冷気)の循環効率を向上させ、冷却効率を向上させることができる。また、傾斜部132とケース部2との間に、乾燥した冷気を通すことができるので、傾斜部132に水が付着することをより抑制することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 冷蔵庫
2 ケース部
13 底板部
21 前板部(ケース部の前面)
24 底部(ケース部の下面)
26 水抜き孔
33 第2エバポレータ(エバポレータ)
40 流路
131 平部
132 傾斜部
141 野菜収容室(収容空間)
142 上板部
1421 傾斜面
143 通風路
図1
図2
図3
図4