(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び原稿読取装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240111BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240111BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240111BHJP
B65H 5/36 20060101ALI20240111BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H04N1/00 567Q
G03G21/16 147
G03G15/00 107
B65H5/36
H04N1/12 Z
(21)【出願番号】P 2019229586
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一寿
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-055499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G03G 21/16
G03G 15/00
B65H 5/36
H04N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの一面を読み取る読取装置と、
前記読取装置と対向するローラと、
前記ローラのシート搬送方向下流側に配置される下流ガイドと、
前記シートのシート搬送方向下流端が読取位置を通過してから前記下流ガイドのシート搬送方向上流端を通過するまでの少なくともシート移行時に前記シートを案内する移行ガイドと、を備え
、
前記移行ガイドは、前記ローラの軸方向から見て、前記軸方向と直交する径方向の外端に頂点を有する三角形状に形成され、前記シート移行時、前記移行ガイドは、前記下流ガイドのシート搬送方向上流端と前記ローラとの間の隙間を塞ぐように突出するシート搬送装置。
【請求項2】
前記シート移行時以外は前記移行ガイドを前記ローラの内部に格納する駆動機構を更に備える
請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、カムを備える
請求項2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記ローラは、前記シートの一面を読み取る際に白基準を決めるための白基準板を兼ねる
請求項1から3のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記移行ガイドは、前記ローラの軸方向に複数設けられ、
前記複数の移行ガイドは、前記シートの幅方向の少なくとも両端に配置される
請求項1から4のいずれか一項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載のシート搬送装置を備える
原稿読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、シート搬送装置及び原稿読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置として、シートに画像を形成する画像形成装置が利用されている。画像形成装置は、Dual Scan Document Feeder(以下「DSDF」という。)等の原稿読取装置を備える。DSDFは、一方向へのシートの搬送(1ステップ)でシートの両面(表面及び裏面)を同時に読み取る。DSDFは、シートを一方向に搬送するシート搬送装置を備える。シート搬送装置は、読取装置、ローラ及び下流ガイドを備える。読取装置は、シートの一面を読み取る。ローラは、読取装置と対向する。下流ガイドは、ローラのシート搬送方向下流側に配置される。ローラと下流ガイドとの擦れによる異音の発生を防止するために、ローラと下流ガイドとの間には隙間が設けられる。ローラと下流ガイドとの間に隙間があると、シートを搬送する際にシートの先端(シート搬送方向下流端)が下流ガイドに引っかかることがある。シートの先端が下流ガイドに引っかかると、シートの角折れ、シートのジャム等が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、シートの搬送時の引っかかりを抑制することができるシート搬送装置及び原稿読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のシート搬送装置は、読取装置と、ローラと、下流ガイドと、移行ガイドと、を持つ。読取装置は、シートの一面を読み取る。ローラは、前記読取装置と対向する。下流ガイドは、前記ローラのシート搬送方向下流側に配置される。移行ガイドは、前記シートのシート搬送方向下流端が読取位置を通過してから前記下流ガイドのシート搬送方向上流端を通過するまでの少なくともシート移行時に前記シートを案内する。前記移行ガイドは、前記ローラの軸方向から見て、前記軸方向と直交する径方向の外端に頂点を有する三角形状に形成される。前記シート移行時、前記移行ガイドは、前記下流ガイドのシート搬送方向上流端と前記ローラとの間の隙間を塞ぐように突出する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】実施形態の画像処理装置のハードウエア構成図。
【
図4】実施形態のシート搬送装置の部分拡大斜視図。
【
図5】実施形態のシート搬送装置の内部構造を説明するための断面図。
【
図6】実施形態のシート搬送装置の動作を説明するための断面図。
図6(A)はシート搬送時の移行ガイドの動作説明図。
図6(B)はシート搬送時の可動ピンの位置の説明図。
【
図7】
図6に続く、実施形態のシート搬送装置の動作を説明するための断面図。
図7(A)は
図6(A)の後の移行ガイドの動作説明図。
図7(B)は
図6(B)の後の可動ピンの位置の説明図。
【
図8】
図7に続く、実施形態のシート搬送装置の動作を説明するための断面図。
図8(A)は
図7(A)の後の移行ガイドの動作説明図。
図8(B)は
図7(B)の後の可動ピンの位置の説明図。
【
図9】
図8に続く、実施形態のシート搬送装置の動作を説明するための断面図。
図9(A)は
図8(A)の後の移行ガイドの動作説明図。
図9(B)は
図8(B)の後の可動ピンの位置の説明図。
【
図10】実施形態の変形例のシート搬送装置を説明するための
図4に相当する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のシート搬送装置及び原稿読取装置を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の画像処理装置の概略構成図である。
実施形態の画像処理装置は、画像形成装置1である。画像形成装置1は、シート(用紙)Sに画像を形成する処理を行う。
画像形成装置1は、ハウジング10と、スキャナ部2と、画像形成ユニット3と、シート供給部4と、搬送部5と、排紙トレイ7と、反転ユニット9と、コントロールパネル8と、原稿読取装置11と、制御部6と、を有する。
【0008】
ハウジング10は、画像形成装置1の外形を形成する。
スキャナ部2は、複写対象物の画像情報を光の明暗として読み取り、画像信号を生成する。スキャナ部2は、生成した画像信号を画像形成ユニット3に出力する。
画像形成ユニット3は、スキャナ部2から受信した画像信号または外部から受信した画像信号に基づいて、トナー等の記録剤により出力画像(以下、トナー像という)を形成する。画像形成ユニット3は、トナー像をシートSの表面上に転写する。画像形成ユニット3は、シートSの表面上のトナー像を加熱及び加圧して、トナー像をシートSに定着させる。画像形成ユニット3の詳細は後述される。
【0009】
シート供給部4は、画像形成ユニット3がトナー像を形成するタイミングに合わせて、シートSを1枚ずつ搬送部5に供給する。シート供給部4は、シート収容部20と、ピックアップローラ21と、を有する。
シート収容部20は、所定のサイズ及び種類のシートSを収納する。
ピックアップローラ21は、シート収容部20からシートSを1枚ずつ取り出す。ピックアップローラ21は、取り出したシートSを搬送部5へ供給する。
【0010】
搬送部5は、シート供給部4から供給されるシートSを画像形成ユニット3に搬送する。搬送部5は、搬送ローラ23と、レジストローラ24と、を有する。
搬送ローラ23は、ピックアップローラ21から供給されるシートSをレジストローラ24へ搬送する。搬送ローラ23は、シートSの搬送方向の先端をレジストローラ24のニップNに突き当てる。
レジストローラ24は、ニップNにおいてシートSを撓ませることにより、搬送方向でのシートSの先端の位置を整える。レジストローラ24は、画像形成ユニット3がトナー像をシートSに転写するタイミングに応じてシートSを搬送する。
【0011】
画像形成ユニット3について説明する。
画像形成ユニット3は、複数の画像形成部25と、レーザ走査ユニット26と、中間転写ベルト27と、転写部28と、定着装置30と、を有する。
画像形成部25は、感光体ドラム25dを有する。画像形成部25は、スキャナ部2または外部からの画像信号に応じたトナー像を感光体ドラム25dに形成する。複数の画像形成部25Y,25M,25C,25Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーによるトナー像を形成する。
【0012】
感光体ドラム25dの周囲には、帯電器、現像器などが配置される。帯電器は、感光体ドラム25dの表面を帯電させる。現像器は、イエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックのトナーを含む現像剤を収容する。現像器は、感光体ドラム25d上の静電潜像を現像する。この結果、感光体ドラム25d上には、各色のトナーによるトナー像が形成される。
【0013】
レーザ走査ユニット26は、帯電した感光体ドラム25dにレーザ光Lを走査して感光体ドラム25dを露光する。レーザ走査ユニット26は、各色の画像形成部25Y,25M,25C,25Kの感光体ドラム25dを、各別のレーザ光LY,LM,LC,LKで露光する。これによりレーザ走査ユニット26は、感光体ドラム25dに静電潜像を形成する。
【0014】
中間転写ベルト27には、感光体ドラム25dの表面のトナー像が1次転写される。
転写部28は、中間転写ベルト27上に1次転写されたトナー像を2次転写位置においてシートSの表面上に転写する。
定着装置30は、シートSに転写されたトナー像を加熱及び加圧して、トナー像をシートSに定着させる。
【0015】
反転ユニット9は、シートSの裏面に画像を形成するためシートSを反転させる。反転ユニット9は、定着装置30から排出されるシートSを、スイッチバックにより表裏反転させる。反転ユニット9は、反転したシートSをレジストローラ24に向けて搬送する。
排紙トレイ7は、画像が形成されて排出されたシートSを載置する。
コントロールパネル8は、操作者が画像形成装置1を操作するための情報を入力する入力部の一部である。コントロールパネル8は、タッチパネルや各種ハードキーを有する。
原稿読取装置11は、一方向へのシートSの搬送(1ステップ)でシートSの両面(表面及び裏面)を同時に読み取る。原稿読取装置11は、DSDF(両面同時原稿送り装置)である。原稿読取装置11は、シートSを一方向に搬送するシート搬送装置40を備える。シート搬送装置40の詳細は、後述される。
制御部6は、画像形成装置1の各部の制御を行う。制御部6の詳細は後述される。
【0016】
図2は、実施形態の画像処理装置のハードウエア構成図である。画像形成装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)91、メモリ92、補助記憶装置93などを備え、プログラムを実行する。画像形成装置1は、プログラムの実行によってスキャナ部2、画像形成ユニット3、シート供給部4、搬送部5、反転ユニット9、コントロールパネル8、原稿読取装置11、通信部90を備える装置として機能する。
【0017】
CPU91は、メモリ92及び補助記憶装置93に記憶されたプログラムを実行することによって制御部6として機能する。制御部6は、画像形成装置1の各機能部の動作を制御する。
補助記憶装置93は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。補助記憶装置93は、情報を記憶する。
通信部90は、自装置を外部装置に接続するための通信インタフェースを含んで構成される。通信部90は、通信インタフェースを介して外部装置と通信する。
【0018】
シート搬送装置40について詳しく説明する。
図3は、実施形態のシート搬送装置40の分解斜視図である。
図4は、実施形態のシート搬送装置40の部分拡大斜視図である。
図5は、実施形態のシート搬送装置40の内部構造を説明するための断面図である。
図5に示すように、実施形態のシート搬送装置40は、読取装置41と、ローラ42と、上流ガイド43と、下流ガイド44と、可動ガイド45と、駆動機構46と、を備える。例えば、搬送ローラ(不図示の搬送部)によって、読取装置41とローラ42との間には図中矢印V方向にシートSが搬送される。以下、シートSが搬送される方向(矢印V方向)を「シート搬送方向V」という。
【0019】
読取装置41について説明する。
読取装置41は、シートSの一面を読み取る。例えば、読取装置41は、シートSの裏面を読み取るための光学系である。例えば、読取装置41は、Charge-Coupled Device(以下「CCD」という。)、レンズ、ミラー、LED(光源)等を備える。例えば、読取装置41は、複数のCCDを備える。読取装置41は、ローラ42の上方に配置される。読取装置41は、ローラ42と対向する平坦な読取面41aを有する。ローラ42の軸方向から見て、読取面41aは、シート搬送方向V下流側に向かうに従って上方に位置するように直線状に傾斜している。
【0020】
ローラ42について説明する。
ローラ42は、読取装置41と対向する。ローラ42は、読取装置41の下方に配置される。ローラ42は、円筒状に形成される。以下、ローラ42の軸方向を単に「軸方向」、軸方向と直交する方向を「径方向」、ローラ42の回転方向を「周方向」という。ローラ42は、軸方向から見て反時計回り(図中矢印R方向)に回転可能である。例えば、ローラ42は、一方向(図の反時計回り)への回転を許容するワンウェイクラッチ(不図示)を備える。なお、ローラ42は、他方向(図の反時計回りとは逆方向、すなわち時計回り)への回転を許容されてもよい。
【0021】
図3に示すように、ローラ42は、複数の部品の集合体である。ローラ42は、ガイド板50、白補正板51、フレーム52、シャフト53、伝達ピン54A,54B、ギア55及びクッション56を備える。ローラ42は、シートSの一面を読み取る際に白基準を決めるための白基準板を兼ねる。
【0022】
ガイド板50は、シートSの搬送時に使用する。ガイド板50は、ガイド本体50a及びガイド側板50bを備える。ガイド本体50aは、軸方向に延びる。ガイド本体50aは、軸方向から見て円弧状に形成される。
図5に示すように、ガイド本体50aは、シートSの搬送時に読取面41aと対向する。この場合、ガイド本体50aは、シート搬送方向V上流側から搬送されるシートSをシート搬送方向V下流側に向けて案内する。例えば、ガイド本体50aは、白色の部材で形成される。これにより、薄紙を通紙する際に、裏地の濃淡の影響を最小限に抑えることができる。
【0023】
ガイド本体50aは、径方向に開口する複数の貫通孔50hを有する。複数の貫通孔50hは、ガイド本体50aの軸方向に間隔をあけて配置されている(
図3参照)。貫通孔50hは、移行ガイド61の先端が突出可能な大きさに形成される。複数の貫通孔50hを設けることにより、単一の貫通孔50hを軸方向に長く設ける場合と比較して、ガイド本体50aの剛性を向上することができる。
【0024】
ガイド側板50bは、ガイド本体50aの軸方向の一端部に連結される。ガイド側板50bは、円盤状に形成される。ガイド側板50bには、シャフト53の軸方向の一端部が挿通される。ガイド側板50bは、可動ガイド45の第1支軸62と、第1伝達ピン54Aと、を支持する。ガイド側板50bは、軸方向に開口する第1支持孔50j、第1挿通孔50s及び第1ピン孔50pを有する。第1支持孔50jは、可動ガイド45の第1支軸62が支持される孔である(
図3参照)。第1挿通孔50sは、シャフト53の軸方向の一端部が挿通される孔である。第1ピン孔50pは、第1伝達ピン54Aが支持される孔である。
【0025】
白補正板51は、軸方向に長手を有する矩形板状に形成される。白補正板51は、DSDFで原稿を読み取る際に白補正を行うための白色のシートである。白補正板51は、白補正時に読取面41aと対向する。例えば、DSDFで原稿を読み取る際、読取装置41は、CCDの白基準を決めるために白補正板51の画像を取り込む。これにより、CCDの白レベルを調整する。白補正板51は、シートSの一面を読み取る際に白基準を決めるための白基準板としても機能する。
【0026】
フレーム52は、ローラ42の骨格となる部品である。
図3に示すように、フレーム52は、フレーム本体52a及びフレーム側板52bを備える。フレーム本体52aは、軸方向に延びる。フレーム本体52aは、白補正板51を支持する。例えば、白補正板51は、フレーム本体52aの径方向外側面に両面テープ等で固定される。
【0027】
フレーム側板52bは、フレーム本体52aの軸方向の一端部に連結される。フレーム側板52bは、円盤状に形成される。フレーム側板52bは、可動ガイド45を挟んでガイド側板50bと軸方向で対向する。フレーム側板52bには、シャフト53の軸方向の他端部が挿通される。フレーム側板52bは、可動ガイド45の第2支軸63と、第2伝達ピン54Bと、を支持する。フレーム側板52bは、軸方向に開口する第2支持孔52j、第2挿通孔52s及び第2ピン孔52pを有する。第2支持孔52jは、可動ガイド45の第2支軸63が支持される孔である。第2挿通孔52sは、シャフト53の軸方向の一端部が挿通される孔である。第2ピン孔52pは、第2伝達ピン54Bが支持される孔である。
【0028】
シャフト53は、軸方向に延びる棒状に形成される。シャフト53は、ローラ42を回転させるための軸である。シャフト53は、径方向に開口する複数の係止孔53a,53bを有する。複数の係止孔53a,53bは、シャフト53の軸方向の両端部に設けられる。複数の係止孔53a,53bは、シャフト53の軸方向の一端部に設けられる第1係止孔53aと、シャフト53の軸方向の他端部に設けられる第2係止孔53bと、である。
【0029】
伝達ピン54A,54Bは、シャフト53の回転力を伝達するための部材である。伝達ピン54A,54Bは、径方向に延びる柱状に形成される。伝達ピン54A,54Bは、軸方向に間隔をあけて複数設けられる。複数の伝達ピン54A,54Bは、第1伝達ピン54A及び第2伝達ピン54Bである。第1伝達ピン54Aは、第1係止孔53aに係止される。第2伝達ピン54Bは、第2係止孔53bに係止される。例えば、第1伝達ピン54A及び第2伝達ピン54Bは、いずれもスプリングピンである。
【0030】
ギア55は、シャフト53の軸方向の一端部に連結される。ギア55は、モータ等の駆動源(不図示)からローラ42に駆動を伝達するための部品である。モータの駆動によりギア55が回転すると、シャフト53はギア55と一体に回転する。
【0031】
シャフト53の軸方向の一端部は、第1伝達ピン54Aを介してガイド側板50bに支持される。シャフト53の軸方向の他端部は、第2伝達ピン54Bを介してフレーム側板52bに支持される。これにより、シャフト53の回転力は、伝達ピン54A,54Bを介してガイド板50及びフレーム52に伝達される。すなわち、ガイド板50及びフレーム52は、シャフト53と一体に回転する。
【0032】
図5に示すように、クッション56は、ローラ42の内部に配置される。クッション56は、軸方向に延びるシート状に形成される。例えば、クッション56はゴム等の緩衝材で形成される。例えば、クッション56は、ガイド本体50aの径方向内側面に両面テープ等で固定される。軸方向から見て、クッション56は、ガイド本体50aに沿う円弧状に形成される。クッション56は、可動ガイド45の動作時の衝撃を抑える。
【0033】
なお、ローラ42は、名刺等の小型のシートの端縁(エッジ)を検出するためのエッジ検出板(不図示)を備えてもよい。例えば、エッジ検出板は、黒色の部材で形成される。これにより、名刺(小型の厚紙)を通紙する際に、名刺のエッジを精度よく検出することができる。
【0034】
上流ガイド43について説明する。
上流ガイド43は、ローラ42のシート搬送方向V上流側に配置される。上流ガイド43は、軸方向から見て、シート搬送方向V下流側に向かうに従って読取面41aに近づくように傾斜して形成される。上流ガイド43のシート搬送方向V下流端とローラ42との間には、隙間43aが形成される。これにより、ローラ42の回転時、ローラ42と上流ガイド43との擦れによる異音の発生を防止することができる。
【0035】
上流ガイド43は、シート搬送方向V上流側の搬送部(不図示)から搬送されるシートSを対向位置Pに向けて案内する。ここで、対向位置Pは、読取装置41の読取面41aとローラ42の外周面とが対向する位置を意味する。すなわち、対向位置Pは、軸方向から見て、読取装置41の読取面41aとローラ42の外周面とが最も接近する位置である。以下、対向位置Pを読取位置P(シートSの一面を読み取る位置)ともいう。
【0036】
下流ガイド44について説明する。
下流ガイド44は、ローラ42のシート搬送方向V下流側に配置される。下流ガイド44は、軸方向から見て、シート搬送方向V下流側に向かうに従って読取面41aから離れるように傾斜して形成される。下流ガイド44は、対向位置Pを通過したシートSをシート搬送方向V下流側に向けて案内する。下流ガイド44のシート搬送方向V上流端とローラ42との間には、隙間44aが形成される。これにより、ローラ42の回転時、ローラ42と下流ガイド44との擦れによる異音の発生を防止することができる。
【0037】
可動ガイド45について説明する。
可動ガイド45は、少なくともシート移行時にシートSをシート搬送方向V下流側に向けて案内する。ここで、シート移行時は、シートSのシート搬送方向V下流端が読取位置Pを通過してから下流ガイド44のシート搬送方向V上流端を通過するまでの期間を意味する。可動ガイド45は、可動体60、移行ガイド61、第1支軸62(
図3参照)、第2支軸63、可動ピン64及び付勢受け部65を備える。例えば、可動体60、移行ガイド61、第1支軸62、第2支軸63及び付勢受け部65は、同一の部材で一体に形成されている。
【0038】
可動体60は、軸方向に延びる。可動体60は、軸方向から見て、シャフト53の側を開放するU字状(湾曲形状)に形成される。可動体60は、ローラ42の内部に配置される。可動体60は、ガイド板50とフレーム52との間に配置される。可動体60は、ガイド板50とシャフト53との間に配置される。可動体60は、ローラ42の回転に従って図の反時計回り(矢印R方向)に回転する。
【0039】
移行ガイド61は、可動体60の径方向外方に突出する。移行ガイド61は、軸方向から見て、径方向外端に頂点を有する三角形状に形成される。移行ガイド61は、シート搬送時(シート移行時)にガイド本体50aの貫通孔50hから外方に突出する。シート搬送時、移行ガイド61は、下流ガイド44のシート搬送方向V上流端とローラ42との間の隙間44aを塞ぐように突出する。シート搬送時、移行ガイド61の頂点は、隙間44aよりも上方に配置される。
【0040】
移行ガイド61は、シート搬送時にシートSを案内するガイド面61aを有する。ガイド面61aは、軸方向から見て、シート搬送方向V下流側に向かうに従って読取面41aに近づくように直線状に傾斜している。
【0041】
図3に示すように、移行ガイド61は、可動体60の軸方向に複数設けられる。複数の移行ガイド61は、軸方向に間隔をあけて配置される。
図3の例では、8つの移行ガイド61を示す。複数の移行ガイド61は、シートサイズに対応する位置に配置される。複数の移行ガイド61は、シートSの幅方向(シート搬送方向Vと直交し且つ軸方向と平行な方向)の少なくとも両端に配置される。例えば、A4サイズのシート搬送時、複数の移行ガイド61の少なくとも2つは、シート幅方向の両端に配置される。
【0042】
第1支軸62及び第2支軸63は、可動ガイド45の揺動中心(支点)となる軸である。第1支軸62及び第2支軸63は、互いに同軸上に配置される。
第1支軸62は、可動体60の軸方向の一端部から軸方向外方に突出する。第1支軸62は、ガイド側板50bの第1支持孔50jに支持される。
第2支軸63は、可動体60の軸方向の他端部から軸方向外方に突出する。第2支軸63は、フレーム側板52bの第2支持孔52jに支持される。
【0043】
可動ピン64は、軸方向に延びる円柱状に形成される。例えば、可動ピン64の材質は、カム70の材質と異なる。例えば、カム70が樹脂材料で形成される場合、可動ピン64は金属材料で形成される。これにより、連続使用による可動ピン64の摩耗を抑制することができる。
【0044】
可動ピン64の軸方向内端部は、可動体60の軸方向他端部に連結される。これにより、可動ピン64の軸方向他端部は、可動体60の軸方向他端部から軸方向外方に突出する。
図5に示すように、可動ピン64は、移行ガイド61の基端近傍に配置される。
【0045】
可動ピン64は、可動ガイド45を動作させるための駆動伝達部品である。可動ピン64は、カム70と接触することで、ガイド本体50aの貫通孔50hに対して移行ガイド61を進退移動させる。可動ピン64は、カム70との接触により、移行ガイド61を貫通孔50hから外方に突出させたり、ガイド本体50aの内側に退避させたりする。
【0046】
付勢受け部65は、可動体60の径方向内方に突出する。付勢受け部65は、可動体60の軸方向の中央部に設けられる。付勢受け部65は、軸方向から見て、可動ピン64の接続部からガイド板50の内周に沿うように延びる。付勢受け部65は、スプリング71(付勢部材)の付勢力を受ける。これにより、可動ピン64は、カム70の内周面(カム面70f)に付勢される(
図4参照)。
【0047】
駆動機構46について説明する。
駆動機構46は、可動ガイド45を駆動するための機構である。駆動機構46は、シート移行時以外は移行ガイド61をローラ42の内部に格納する。
図3に示すように、駆動機構46は、カム70及びスプリング71を備える。
【0048】
例えば、カム70の材質は、可動ピン64とは異なる。例えば、可動ピン64が金属材料で形成される場合、カム70はPOM樹脂(ポリアセタール樹脂)またはフッ素樹脂等の樹脂材料で形成される。これにより、カム70に対する可動ピン64の滑り性を向上させることができる。
【0049】
図4に示すように、カム70は、カム本体70aと、連結部70bと、を備える。カム本体70aは、軸方向から見て環状に形成される。カム本体70aは、内周にカム面70fを有する。カム面70fは、可動ピン64の移動軌跡を形成する。カム面70fは、第1面70f1及び第2面70f2を有する。
【0050】
第1面70f1は、軸方向から見て、シャフト53と同軸の円弧状に形成される。第2面70f2は、軸方向から見て、第1面70f1から径方向外側に突出する湾曲形状に形成される。可動ピン64が第2面70f2の突出端にある場合、ガイド本体50aの貫通孔50hからの移行ガイド61の突出量は最大となる(
図6(A)、
図6(B)参照)。
【0051】
ここで、可動ピン64が第2面70f2の突出端にある位置を基準位置とする(
図6(B)参照)。基準位置は、可動ピン64の回転角度が0度の位置である。
図6(B)の反時計回りを正として回転角度Aを設定する。
図7(B)は、可動ピン64の回転角度Aが40度の位置である。
図8(B)は、可動ピン64の回転角度Aが80度の位置である。
図9(B)は、可動ピン64の回転角度Aが350度の位置である。
【0052】
第1面70f1は、可動ピン64の回転角度が40度~350度の範囲に形成される。第2面70f2は、可動ピン64の回転角度が350度~40度の範囲(0度~40度の範囲及び350度~360度の範囲)に形成される。0度~40度の範囲において、第1面70f1及び第2面70f2の接続部は、軸方向から見て直線状に形成される。350度~360度の範囲において、第1面70f1及び第2面70f2の接続部は、軸方向から見て屈曲して形成される。
【0053】
図4に示すように、連結部70bは、カム本体70aの外周から径方向外方に突出する。例えば、連結部70bは、カム本体70aと同一の部材で一体に形成される。連結部70bは、ボルト等の締結部材によって筐体47(
図3参照)に固定される。カム本体70aは、連結部70bを介して筐体47に固定される。これにより、カム70は、定位置に配置される。
【0054】
図5に示すように、スプリング71は、フレーム52と可動ガイド45との間に配置される。例えば、スプリング71は、圧縮バネである。スプリング71の一端は、フレーム52に接続される。スプリング71の他端は、可動ガイド45の付勢受け部65に接続される。スプリング71は、可動ガイド45を径方向外側に向けて常時付勢している。
【0055】
移行ガイド61の動作について説明する。
移行ガイド61は、シート搬送時にガイド本体50aの貫通孔50hから外方に突出する(
図6(A)参照)。この場合、可動ピン64は、スプリング71の径方向外方への付勢力によって第2面70f2の突出端に配置される(
図6(B)参照)。
【0056】
次に、可動ピン64が第2面70f2の突出端にある状態からローラ42を
図6(A)の矢印R方向(反時計回り)に回転する。すると、可動ピン64は、第2面70f2から第1面70f1に向けて移動する(
図7(B)参照)。本実施形態では、0度~40度の範囲で第1面70f1及び第2面70f2の接続部は軸方向から見て直線状に形成される。そのため、可動ピン64は、第2面70f2から第1面70f1に向けてスムーズに移動する。これにより、移行ガイド61は、突出状態から格納状態に向けて緩やかに移動する。
【0057】
可動ピン64が第2面70f2から第1面70f1に向けて移動すると、可動ピン64はスプリング71の径方向外方への付勢力に抗して第1面70f1に配置される(
図7(B)参照)。そのため、移行ガイド61は、ローラ42の内部に格納される(
図7(A)参照)。可動ピン64が第1面70f1に配置される間、移行ガイド61はローラ42の内部に格納されたままである(
図8(A)、
図9(A)参照)。
【0058】
次に、可動ピン64が第1面70f1にある状態からローラ42を
図9(A)の矢印R方向に回転する。すると、可動ピン64は、第1面70f1から第2面70f2に向けて移動する(
図6(B)参照)。これにより、可動ピン64は基準位置へ戻る。本実施形態では、350度~360度の範囲で第1面70f1及び第2面70f2の接続部は、軸方向から見て屈曲して形成される。そのため、可動ピン64は、第1面70f1から第2面70f2に向けて急に移動する。これにより、移行ガイド61は、格納状態から突出状態に向けて急に移動する。
【0059】
シート搬送装置40の動作について説明する。
例えば、DSDFでシートを読み取る際、読取装置41は、CCDの白基準を決めるために白補正板51の画像を取り込む。これにより、CCDの白レベルを調整する。読取装置41が複数のCCDを備える場合、各CCDの白レベルの個体差を基準値に合わせる。この場合、白補正板51は、読取面41aに対向する位置にある。
【0060】
例えば、上記補正は、画像形成装置1の電源オン時、スリープからの立ち上がり時、ジャム処理した後に行われる。CPU91(制御部6)は、上記補正のタイミングに合わせて白補正板51が読取面41aに対向するようにローラ42を回転させる。
【0061】
次に、上記補正後にシートが搬送されると、ローラ42は、ガイド本体50aが読取面41aに対向する位置に回転する。シート搬送時、ローラ42は定位置で停止している。この場合、可動ピン64は、スプリング71の径方向外方への付勢力によって第2面70f2の突出端に配置される(
図6(B)参照)。そのため、移行ガイド61の先端は、ガイド本体50aの貫通孔50hから外方に突出する(
図6(A)参照)。移行ガイド61によって、下流ガイド44のシート搬送方向V上流端とローラ42との間の隙間44aは塞がれる。すなわち、移行ガイド61は、シート搬送方向V上流側から搬送される原稿のジャンプ台となる。これにより、シートSを搬送する際にシートSの先端(シート搬送方向V下流端)が下流ガイド44に引っかかることを抑制することができる。したがって、シートSの角折れ、シートSのジャム等が発生することを抑制することができる。
【0062】
次に、移行ガイド61がガイド本体50aの貫通孔50hから外方に突出した状態でローラ42を回転する。すると、可動ピン64は、第2面70f2から第1面70f1に向けて移動する。これにより、可動ピン64は、スプリング71の径方向外方への付勢力に抗して第1面70f1に配置される(
図7(B)参照)。そのため、移行ガイド61は、ローラ42の内部に格納される(
図7(A)参照)。これにより、移行ガイド61がローラ42の周辺部品(例えば、読取装置41、上流ガイド43、下流ガイド44、筐体47等)に衝突することを抑制することができる。したがって、ローラ42の周辺部品の破損、及び異音の発生を抑制することができる。
【0063】
次に、移行ガイド61がローラ42の内部に格納された状態でローラ42を回転する。すると、可動ピン64は、第1面70f1から第2面70f2に向けて移動する(
図6(B)参照)。スプリング71の径方向外方への付勢力によって、可動ピン64は第2面70f2の突出端に向けて急に移動する。ガイド本体50aの径方向内側面にクッション56が設けられるため、可動体60がガイド本体50aに直接的な衝突を抑制することができる(
図6(A)参照)。したがって、可動体60がガイド本体50aに衝突することによる異音の発生を抑制することができる。
【0064】
以上に説明されたように、実施形態のシート搬送装置40は、読取装置41と、ローラ42と、下流ガイド44と、移行ガイド61と、を持つ。読取装置41は、シートSの一面を読み取る。ローラ42は、読取装置41と対向する。下流ガイド44は、ローラ42のシート搬送方向V下流側に配置される。移行ガイド61は、シートSのシート搬送方向V下流端が読取位置Pを通過してから下流ガイド44のシート搬送方向V上流端を通過するまでのシート移行時にシートSを案内する。以上の構成によって、以下の効果を奏する。
移行ガイド61は、シート移行時にシートSを案内する。そのため、シート移行時にシートSの先端(シート搬送方向V下流端)がローラ42と下流ガイド44との間の隙間44aに向かうことを抑制することができる。したがって、シートSの搬送時の引っかかりを抑制することができる。
【0065】
シート搬送装置40は、シート移行時以外は移行ガイド61をローラ42の内部に格納する駆動機構46を備える。以上の構成によって、以下の効果を奏する。
移行ガイド61がローラ42の周辺部品(例えば、読取装置41、下流ガイド44等)に衝突することを抑制することができる。したがって、ローラ42の周辺部品の破損、及び異音の発生を抑制することができる。
【0066】
駆動機構46は、カム70を備える。以上の構成によって、以下の効果を奏する。
移行ガイド61の複雑な動作を簡単な構成で実現することができる。
【0067】
ローラ42は、シートSの一面を読み取る際に白基準を決めるための白基準板を兼ねる。以上の構成によって、以下の効果を奏する。
シートSの一面を読み取る際にローラ42の白基準板に基づいて白基準を決めることができる。
【0068】
ローラ42は、ローラ42の内部に配置され、移行ガイド61の動作時の衝撃を抑えるクッション56を備える。以上の構成によって、以下の効果を奏する。
クッション56によって移行ガイド61の動作時の異音の発生を抑制することができる。
【0069】
移行ガイド61は、ローラ42の軸方向に複数設けられる。複数の移行ガイド61は、シートSの幅方向の少なくとも両端に配置される。以上の構成によって、以下の効果を奏する。
シートSが幅方向の両端でたわむことを抑制することができるため、シートSを安定して案内することができる。
【0070】
実施形態の原稿読取装置11は、前述されたシート搬送装置40を備える。
シート搬送装置40は、シートSの搬送時の引っかかりを抑制することができる。したがって、原稿読取装置11は、両面を読み取ったシートSをスムーズに搬送することができる。
【0071】
実施形態の画像形成装置1は、前述されたシート搬送装置40を備える。
シート搬送装置40は、シートSの搬送時の引っかかりを抑制することができる。したがって、画像形成装置1は、シートSの角折れ、シートSのジャム等が発生することを抑制することができる。
【0072】
次に、実施形態の変形例について説明する。
実施形態の移行ガイド61は、シート移行時にガイド本体50aの貫通孔50hから径方向外方に突出する。これに対して、移行ガイド161は、ガイド本体50aからシート搬送方向V下流側に向けて突出してもよい(
図10参照)。例えば、移行ガイド161は、ガイド本体50aから常時突出していてもよい。例えば、移行ガイド161は、シート搬送時にシート搬送方向Vに沿う板状に形成されてもよい。例えば、移行ガイド161のシート搬送方向V上流端は、ガイド本体50aに連結されてもよい。すなわち、移行ガイド161は、少なくともシート移行時にシートSを案内すればよい。
【0073】
実施形態のシート搬送装置40は、シート移行時以外は移行ガイド61をローラ42の内部に格納する駆動機構46を備える。これに対して、シート搬送装置40は、駆動機構46を有しなくてもよい。例えば、移行ガイド61は、シート移行時以外もローラ42の外部に突出してもよい。
【0074】
実施形態の駆動機構46は、カム70を備える。これに対して、駆動機構46は、カム70を有しなくてもよい。例えば、駆動機構46は、スイッチを備えてもよい。例えば、移行ガイド61は、手動でスイッチをオンすることによりローラ42の外部に突出してもよい。例えば、シート搬送装置40は、移行ガイド61の進退動作を駆動する駆動装置を備えてもよい。例えば、移行ガイド61は、機構的な駆動に限らず電気的な作用によって進退動作を制御されてもよい。
【0075】
実施形態のローラ42は、シートSの一面を読み取る際に白基準を決めるための白基準板を兼ねる。これに対して、ローラ42は、白基準板を兼ねなくてもよい。例えば、白基準板は、ローラ42とは別に設けられてもよい。
【0076】
実施形態のローラ42は、ローラ42の内部に配置され、移行ガイド61の動作時の衝撃を抑えるクッション56を備える。これに対して、ローラ42は、クッション56を有しなくてもよい。例えば、350度~360度の範囲で第1面70f1及び第2面70f2の接続部は、軸方向から見て直線状に形成されてもよい。
【0077】
実施形態の移行ガイド61は、ローラ42の軸方向に複数設けられる。複数の移行ガイド61は、シートSの幅方向の少なくとも両端に配置される。これに対して、移行ガイド61は、1つのみ設けられてもよい。例えば、移行ガイド61は、ローラ42の軸方向の中央部に配置されてもよい。例えば、移行ガイド61の設置数は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0078】
実施形態のローラ42は、反時計回りに回転する。これに対して、ローラ42は、時計回りに回転してもよい。例えば、ローラ42の回転方向は、カム面70fの形状に応じて任意に変更することができる。例えば、カム面70fの形状は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0079】
実施形態の画像処理装置は画像形成装置1である。これに対して、画像処理装置は消色装置であってもよい。この場合、定着装置は消色装置であってもよい。消色装置は、消色トナーによりシートに形成された画像を消色(消去)する処理を行う。
【0080】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、移行ガイド61は、少なくともシート移行時にシートSを案内する。そのため、シート移行時にシートSの先端(シート搬送方向V下流端)がローラ42と下流ガイド44との間の隙間44aに向かうことを抑制することができる。したがって、シートSの搬送時の引っかかりを抑制することができる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0082】
1…画像形成装置(画像処理装置)、11…原稿読取装置、40…シート搬送装置、41…読取装置、42…ローラ、44…下流ガイド、46…駆動機構、51…白補正板(白基準板)、56…クッション、61…移行ガイド、70…カム、161…移行ガイド、P…対向位置(読取位置)、S…シート、V…シート搬送方向