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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】料金自動収受機
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20240111BHJP
   G07D 9/02 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
G07B15/00 J
G07D9/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020054142
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021157238
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 敦志
(72)【発明者】
【氏名】古賀 貴
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-118829(JP,A)
【文献】特開2006-201862(JP,A)
【文献】特開2011-170788(JP,A)
【文献】特開2011-248517(JP,A)
【文献】実開昭61-185176(JP,U)
【文献】実開昭61-107069(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 11/00-17/04
G07D 1/00- 3/16,
9/00-13/00
G07F 5/00- 9/10,
19/00
G07G 1/00- 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面パネルと、
前記前面パネルに向けて下り勾配の傾斜面と、前記傾斜面から前記前面パネルに向かって連続する貯留面と、を有する硬貨受け皿を備え、硬貨を前記前面パネルから払い出し可能に設けられた払出部と、
前記硬貨受け皿を振動させる振動機構と、
を備え
前記貯留面が、前記前面パネルから前記前面パネルが向く方向である前面パネル方向に突出していて、
前記振動機構が、前記払出部を前記前面パネル方向に叩く打撃機構を備える料金自動収受機。
【請求項2】
前記払出部が、前記硬貨受け皿が固定されている受け皿保持部をさらに備え、
前記打撃機構が、前記受け皿保持部の側面であって、前記前面パネルに対し反対方向を向く前記側面を叩く請求項に記載の料金自動収受機。
【請求項3】
前記硬貨受け皿内部を撮影可能なカメラをさらに備える請求項1又は2に記載の料金自動収受機。
【請求項4】
前記振動機構が、前記硬貨の払い出しに関連して、前記硬貨受け皿を振動させる請求項1からのいずれか一項に記載の料金自動収受機。
【請求項5】
投入硬貨をリジェクトするリジェクト部をさらに備え、
前記硬貨の払い出しとして、前記投入硬貨のリジェクトに関連して、前記硬貨受け皿を振動させる請求項に記載の料金自動収受機。
【請求項6】
前記傾斜面で止まってる前記硬貨を検知する検知部をさらに備え、
前記振動機構が、前記硬貨の検知に関連して、前記硬貨受け皿を振動させる請求項1からのいずれか一項に記載の料金自動収受機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、料金自動収受機に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路、駐車場等の料金所には、利用者から利用料金を収受するため料金収受機が設けられることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、無人で動作する料金収受機であって、利用者へ通行券の発行、利用料金の精算処理、釣銭の排出等を行う有料道路の料金自動収受機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-170788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された料金自動収受機は、釣銭を算出して、釣銭として硬貨を硬貨受け皿に払い出している。
しかし、硬貨が払い出されても、例えば硬貨が払出口の死角にある場合など、払い出された硬貨を視認しにくいことがある。
【0006】
本開示は、払い出された硬貨を視認しやすい料金自動収受機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る料金自動収受機は、前面パネルと、前面パネルに向けて下り勾配の傾斜面を有する硬貨受け皿を備え、硬貨を前面パネルから払い出し可能に設けられた払出部と、硬貨受け皿を振動させる振動機構と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の料金自動収受機によれば、払い出された硬貨を視認しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一実施形態に係る料金自動収受機の斜視図である。
図2】第一実施形態に係る硬貨払出機構を正面からみた斜視図である。
図3】第一実施形態に係る硬貨払出機構を背面からみた斜視図である。
図4】第一実施形態に係る硬貨払出機構の側面図である。
図5】第一実施形態に係るカメラが撮影した画像を示す図である。
図6】第一実施形態に係る料金収受設備のブロック図である。
図7】第一実施形態に係る振動機構を側面からみた斜視図である。
図8】第一実施形態に係る振動機構を下面からみた斜視図である。
図9】第一実施形態に係る硬貨払出機構の動作を示す図である。
図10】第二実施形態に係る硬貨払出機構のブロック図である。
図11】第二実施形態の変形例に係る硬貨払出機構のブロック図である。
図12】第三実施形態に係る硬貨払出機構の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態に係る料金自動収受機について、図を参照しながら説明する。
【0011】
<第一実施形態>
(料金自動収受機の全体構成)
図1は、第一実施形態に係る料金自動収受機1の全体構成を示す図である。
料金自動収受機1は、料金収受設備9の一部であって、高速道路等の有料道路の料金所に設置されている。
具体的には、図1に示すように、料金自動収受機1は、料金所における車線LNの路側LS(例えばアイランド)に設置される。車線LNを走行する車両AAの運転者(利用者)は、料金自動収受機1との間で料金収受処理を行う。
料金自動収受機1は、前面パネル1Aを備える。
料金自動収受機1の前面パネル1Aは、通過する車両AAの側面を向いている。
利用者は、前面パネル1Aにアクセスすることにより、料金自動収受機1との間で料金収受処理を行うことができる。
【0012】
なお、以下、車線LNの延びる方向をX方向、車線LNの幅方向をY方向、上下方向をZ方向ともいう。
特に車両AAの進入する方向を+X方向、料金自動収受機1の前面パネル1Aが向く方向を+Y方向、上方向を+Z方向ともいう。
【0013】
図1に示すように、料金自動収受機1は、硬貨払出機構2を備える。
硬貨払出機構2は、利用者に払い出すべき硬貨CNを払い出す。
【0014】
例えば、料金自動収受機1は、硬貨処理ユニット3をさらに備えてもよい。
硬貨処理ユニット3は、利用者に払い出すべき硬貨CNを処理する。
硬貨処理ユニット3は、利用者に払い出すべき硬貨CNを硬貨払出機構2に渡す。
【0015】
なお、料金自動収受機1は、有料道路の本線上に設けられた通常の料金所だけでなく、例えば、サービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるように設けられた料金所(いわゆるスマートインターチェンジ)に設置されていてもよい。
例えば、料金自動収受機1は、利用者が直接操作するタイプの料金自動収受機であってもよい。
【0016】
(硬貨払出機構の構成)
図2図4は、第一実施形態に係る硬貨払出機構2の構成を示す図である。
硬貨払出機構2は、払出部21と、振動機構22と、を備える。
例えば、硬貨払出機構2は、カメラ23と、上筐体24と、下筐体25と、をさらに備えてもよい。
また、硬貨払出機構2は、透明板26と、カメラ保護部27と、をさらに備えてもよい。
【0017】
(各筐体の構成)
上筐体24には、硬貨払出機構2の各種部材が固定される。
上筐体24は、板形状の前面部241を有する。
前面部241の一対の板面のうち、表板面241aは、+Y方向を向いている。
前面部241の一対の板面のうち、裏板面241bは、-Y方向を向いている。
前面部241は、開口部241cを有する。
開口部241cは、払出部21の一部が突出できるように開口している。
開口部241cは、払出部21に向くカメラ23の視野を確保するように、開口している。
例えば、上筐体24は、前面パネル1Aに固定されてもよい。
また、前面部241が前面パネル1Aとほぼ面一となるように、上筐体24は、前面パネル1Aに固定されてもよい。
【0018】
下筐体25は、上筐体24を保持する。
例えば、下筐体25には、上筐体24の下端241dが固定されてもよい。
また、下筐体25は、前面パネル1Aに固定されてもよい。
【0019】
(払出部の構成)
払出部21は、硬貨CNを前面パネル1Aから払い出し可能に設けられている。
払出部21は、硬貨受け皿211を備えている。
例えば、払出部21は、受け皿保持部212をさらに備えてもよい。
また、払出部21は、前面部241の裏板面241bに固定されてもよい。
【0020】
(硬貨受け皿の構成)
硬貨受け皿211は、前面パネル1Aに向けて下り勾配の傾斜面211aを有する。
例えば、硬貨受け皿211は、下に向かって凹んでいる皿形状を有してもよい。
また、硬貨受け皿211は、傾斜面211aから+Y方向に向かって連続する貯留面211bをさらに有してもよい。
また、硬貨受け皿211は、透明な樹脂材であってもよい。
また、硬貨受け皿211の一部が、開口部241cの下方から+Y方向に突出してもよい。
【0021】
例えば、傾斜面211aは、硬貨処理ユニット3から渡された硬貨CNを受け取り可能なように、上を向く下り勾配であってもよい。
また、傾斜面211aは、Y方向に関して+Y方向に向かって下りつつ、X方向に関して両端から中央に向かって下っている凹面であってもよい。
【0022】
貯留面211bは、傾斜面211aに沿って落ちてくる硬貨CNを貯留可能となっている。
また、利用者は、払い戻された硬貨CNとして、貯留面211bに貯留された硬貨CNを回収可能である。
例えば、貯留面211bは、上を向く面であってもよい。
また、利用者が貯留された硬貨CNを回収しやすいように、貯留面211bは、前面パネル1Aから+Y方向に、硬貨払出機構2の外へ突出していてもよい。
また、硬貨CNが貯留面211bの中央に集まるように、貯留面211bは、Y方向に関して+Y方向側の端から中央に向かって下りつつ、X方向に関して両端から中央に向かって下っている凹面であってもよい。
また、貯留面211bと傾斜面211aとは、貯留面211bの-Y方向側の端と傾斜面211aの+Y方向側の端とにおいて、全体に亘ってY方向に連続していてもよい。
【0023】
(受け皿保持部の構成)
受け皿保持部212は、前面パネル1Aに対し反対方向を向く側面212sを有する。
受け皿保持部212には、硬貨受け皿211が固定されている。
例えば、受け皿保持部212は、下に向かって凹んでいる凹部212cを有してもよい。
また、側面212sは、受け皿保持部212の-Y方向側の側面であって、-Y方向を向く面であってもよい。
また、受け皿保持部212は、凹部212cに、硬貨受け皿211を収容してもよい。
また、払出部21の裏板面241bへの固定として、受け皿保持部212が、前面部241の裏板面241bに固定されてもよい。
【0024】
(カメラの構成)
カメラ23は、硬貨受け皿211内部を撮影可能である。
例えば、図5に示すように、カメラ23は、貯留面211bを視野に入れた画像を撮影してもよい。
また、カメラ23は、前面部241の裏板面241bに固定されてもよい。
また、硬貨受け皿211の下方に雨水が貯まる可能性がある場合、カメラ23は、硬貨受け皿211の上方に設けられてもよい。
【0025】
例えば、カメラ23は、取得した画像から硬貨CNの取り忘れの有無を判別してもよい。
その際、図6に示すように、料金収受設備9が料金自動収受機1と遠隔接続されている監視盤8を備え、料金自動収受機1は、硬貨CNの取り忘れの有無を、監視盤8に通知してもよい。
また、料金収受設備9が料金自動収受機1と接続されている遮断器7を備え、料金自動収受機1は、硬貨CNの取り忘れの有無に関連して、遮断器7の開閉を制御してもよい。
ここで、監視盤8は、監視員に対し、料金自動収受機1の遠隔監視するための情報を提供する。
また、遮断器7は、車両AAに対し、車線LNの開放及び閉塞を行う。
【0026】
(振動機構の構成)
振動機構22は、硬貨受け皿211を振動させる。
例えば、振動機構22は、Y方向に硬貨受け皿211を振動させてもよい。
また、図7及び図8に示すように、振動機構22は、打撃機構221と、回動機構222と、を備えてもよい。
【0027】
回動機構222は、回動部2221と、連結部2222と、駆動部2223を備える。
回動機構222は、アクチュエータであってもよい。
回動機構222は、ロータリーソレノイドであってもよい。
【0028】
駆動部2223は、払出部21に固定される。
例えば、駆動部2223は、板金等を介して、受け皿保持部212に固定されてもよい。
【0029】
回動部2221は、駆動部2223によって回動される。
回動部2221は、駆動部2223に対し、YZ平面内で回動する。
【0030】
連結部2222は、回動部2221と一体に形成されている。
連結部2222は、回動部2221の回動と連動して、YZ平面内で回動する。
連結部2222には、打撃機構221が固定される。
【0031】
打撃機構221は、払出部21を前面パネル1A方向に叩く。
ここで、前面パネル1A方向とは、前面パネル1Aに向かう方向である。
例えば、打撃機構221は、ハンマーであってもよい。
例えば、打撃機構221は、受け皿保持部212の側面212sを叩いてもよい。
例えば、打撃機構221は、Y方向に延びた形状を有する金属板であってもよい。
また、打撃機構221は、+Y方向側に第一端221aと、+Y方向側に第二端221bと、を有してもよい。
また、打撃機構221の第一端221aは、連結部2222にYZ平面内で回動可能に固定されてもよい。
また、駆動部2223は、連結部2222を介して、打撃機構221を駆動してもよい。これにより、打撃機構221は、連結部2222の回動に連動して、Y方向に往復駆動される。
【0032】
例えば、打撃機構221のY方向の往復駆動のうち、+Y方向に向かう駆動により、打撃機構221は、第二端221bにより、受け皿保持部212の側面212sを叩いてもよい。
すなわち、図7に示すように、R1方向に回動部2221が回動すると、第二端221bはD1方向に駆動され、受け皿保持部212の側面212sを叩く。
逆に、回動部2221がR2方向に回動すると、第二端221bはD2方向に駆動され、受け皿保持部212の側面212sから離れる。
ここで、R1方向は、-X方向に向かって見た時の時計周り方向である。
また、R2方向は、-X方向に向かって見た時の時計周り方向である。
また、D1方向は、+Y方向に向く方向である。
また、D2方向は、-Y方向に向く方向である。
【0033】
(その他の構成)
図2図4に示すように、カメラ保護部27は、カメラ23を覆うように、裏板面241bに固定される。
カメラ保護部27は、+Z方向、-Y方向、+X方向、及び-X方向の四方向から、カメラ23を覆うように設けられる。
【0034】
透明板26は、払い出される硬貨CNの跳ね返りを抑制するために、開口部241cの上方を塞いでいる。
透明板26は、手で押されることにより-Y方向に向かって揺動可能に、前面部241に固定されている。
透明板26は、カメラ23が、開口部241cを跨いで、硬貨受け皿211上の硬貨CNを検出できる程度に、透光性を有する。
【0035】
(動作)
まず、硬貨払出機構2の周りに設けられた料金自動収受機1の各種機構は、払い出すべき硬貨CNを硬貨払出機構2に渡す。
硬貨払出機構2に渡される硬貨CNは、料金自動収受機1で算出された釣銭であってもよいし、料金自動収受機1でリジェクトされる投入硬貨であってもよい。
例えば、硬貨処理ユニット3が、硬貨払出機構2に払い出すべき硬貨CNを渡してもよい(ステップST01)。
【0036】
硬貨払出機構2が受け取った硬貨CNは、通常、傾斜面211aに沿って落ちて貯留面211bに到達する。
硬貨CNの中には、傾斜面211aで止まってしまうものがある。
このような止まってしまう硬貨CNに対し、振動機構22は、硬貨受け皿211を振動させる(ステップST02)。
【0037】
硬貨受け皿211に振動を与えると、傾斜面211aで止まっている硬貨CNは、滑り落ちたり、転がったりすることにより、傾斜面211aに沿って落ちる。
料金自動収受機1は、傾斜面211aに沿って落ちた硬貨CNを、貯留面211bに貯留する(ステップST03)。
【0038】
(作用及び効果)
本実施形態によれば、料金自動収受機1は、硬貨受け皿211に対し、振動を与えることができる。
このため、料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを、利用者がアクセスする前面パネル1Aに向けて動かすことができる。
したがって、料金自動収受機1によれば、利用者は、払い出された硬貨CNを視認しやすい。
【0039】
比較例として、利用者が、振動機構を備えない料金自動収受機から、払い出された硬貨を回収するとする。
この場合、硬貨や傾斜面への雨露の付着、傾斜面のざらつき、軽い硬貨の払い戻し、ガム等のごみ等を原因として、硬貨が傾斜面に貼りついたり、硬貨が傾斜面を滑り落ちなかったりすることにより、払い出された硬貨が傾斜面で止まってしまうことがある。
その際、傾斜面で止まっている硬貨は、料金自動収受機の奥に留まる。
このため、払い出された硬貨を回収しようとする利用者は、傾斜面で止まっている硬貨を視認しにくい。
したがって、利用者は、払い出された硬貨を回収できないことがある。
【0040】
これに対し、本実施形態によれば、料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを、利用者がアクセスする前面パネル1Aに向けて動かすことができる。
このため、利用者は、払い出された硬貨CNを回収しやすい。
【0041】
本実施形態の一例によれば、打撃機構221が払出部21を前面パネル1A方向に叩くことにより、料金自動収受機1は、硬貨受け皿211を前面パネル1A方向に振動させることができる。
このため、料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを、利用者がアクセスする前面パネル1Aに向けて動かすことができる。
したがって、料金自動収受機1によれば、利用者は、払い出された硬貨CNを視認しやすい。
【0042】
本実施形態の一例によれば、打撃機構221は、受け皿保持部212を叩いて、硬貨受け皿211を振動させる。
このため、料金自動収受機1は、打撃機構221で硬貨受け皿211を傷めることを抑制できる。
【0043】
本実施形態によれば、カメラ23は、硬貨受け皿211における硬貨CNの状態を撮影できる。
このため、料金自動収受機1は、カメラ23が撮影した画像により、硬貨受け皿211における硬貨CNの状態を監視できる。
【0044】
本実施形態によれば、料金自動収受機1は、カメラ23が固定されている前面パネル1Aに向かって、硬貨CNを動かすことできる。
払い出された硬貨CNをカメラ23で撮影する場合、料金自動収受機1内の構造により、カメラ23の視野が制限されることがある。
例えば、本実施形態では、図9に示すように、カメラ保護部27により、カメラ23の視野VWは制限される。
このため、傾斜面211aがカメラ23の死角になることがある。
したがって、傾斜面211aで止まり、料金自動収受機1の奥に留まる硬貨CNは、カメラ23に映らないことがある。
これに対し、料金自動収受機1は、振動機構22により、硬貨CNを前面パネル1Aに向けて動かすことできる。
したがって、料金自動収受機1は、料金自動収受機1の奥に留まる硬貨CNを、カメラ23の視野VW内に動かすことができる。
【0045】
(変形例)
本実施形態では、振動機構22は、Y方向に硬貨受け皿211を振動させているが、前面パネル1A方向に硬貨CNを動かすことができるなら、どのような方向に振動させてもよい。
変形例として、料金自動収受機1は、前面パネル1A方向及び傾斜面211aの前面パネル1A方向と反対方向に、硬貨受け皿211を振動させてもよい。
他の変形例として、料金自動収受機1は、X方向又はZ方向に、硬貨受け皿211を振動させてもよい。
【0046】
本実施形態では、料金自動収受機1は、硬貨受け皿211を振動させているが、少なくとも硬貨CNが傾斜面211aで止まっているときに振動させることができれば、どのような時間で振動させてもよい。例えば、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを動かすことができるなら、料金自動収受機1は、硬貨CNを払い出すタイミングで振動させてもよいし、硬貨CNを払い出しに関係なく、常時振動させてもよい。
変形例として、料金自動収受機1は、監視盤8からの指令に従って振動させてもよい。
例えば、利用者から料金自動収受機1から払い出された硬貨CNが不足しているとの通報があったとき、監視員は、監視盤8を介して、料金自動収受機1に振動を与える旨の指令を与える。もし、硬貨CNが傾斜面211aで止まっている場合、監視盤8からの指令に従う振動により、利用者は、料金自動収受機1から不足している硬貨CNを回収することができる。
【0047】
本実施形態の一例では、打撃機構221が硬貨受け皿211を振動させているが、硬貨受け皿211を振動させることができるなら、どのように振動が与えられてもよい。
変形例として、振動機構22は、バイブレータであってもよい。
【0048】
本実施形態の一例では、料金自動収受機1は、硬貨受け皿211における硬貨CNの状態を監視する機能を有しているが、硬貨受け皿211における硬貨CNの状態を監視する機能はなくてもよい。
変形例として、料金自動収受機1は、カメラ23と、カメラ保護部27と、を備えなくてもよい。
【0049】
本実施形態の一例では、料金自動収受機1は、硬貨CNの取り忘れの有無に関連して、遮断器7の開閉を制御しているが、誤動作を抑制するため、変形例として、遮断器7の開閉の制御の際は、監視盤8を経由させてもよい。
【0050】
<第二実施形態>
第二実施形態に係る料金自動収受機1について図面を参照しながら説明する。
第二実施形態の料金自動収受機1は、第一実施形態の料金自動収受機1の一例である。
【0051】
例えば、料金自動収受機1において、振動機構22が、硬貨CNの払い出しに関連して、硬貨受け皿211を振動させてもよい。
また、図10に示すように、硬貨処理ユニット3が、振動機構22にオン信号ONを、送信してもよい。
その際、硬貨処理ユニット3は、硬貨CNの払い出し処理の制御信号、硬貨CNの払い出し検出信号等に関連して、オン信号ONを、振動機構22に送信してもよい。
【0052】
(作用及び効果)
本実施形態によれば、料金自動収受機1は、硬貨CNが傾斜面211aで止まる可能性のある払い出しのタイミングで、硬貨受け皿211に対し、振動を与えることができる。
このため、料金自動収受機1は、有効なタイミングで振動機構22を作動することができる。
【0053】
(変形例)
本実施形態では、料金自動収受機1は、硬貨CNの払い出しに関連して、硬貨受け皿211を振動させているが、硬貨CNの払い出しに関連するなら、どのような硬貨CNの払い出しに関連してもよい。
変形例として、図11に示すように、料金自動収受機1は、投入硬貨をリジェクトするリジェクト部4をさらに備え、硬貨CNの払い出しとして、投入硬貨のリジェクトに関連して、硬貨受け皿211を振動させてもよい。
リジェクト部4は、投入硬貨を各サイズに選別し、受け付けることができないサイズの硬貨CN(例えば、1円玉)を、リジェクトすべき硬貨CNとして、払出部21を介して、投入硬貨を利用者に返却する。
例えば、リジェクト部4は、リジェクトすべき硬貨CNのリジェクト処理の制御信号、リジェクトすべき硬貨CNの検出信号等に関連して、オン信号ONを、振動機構22に送信してもよい。
【0054】
本変形例によれば、料金自動収受機1は、硬貨CNが傾斜面211aで止まる可能性のある投入硬貨のリジェクトのタイミングで、硬貨受け皿211に対し、振動を与えることができる。
リジェクトすべき硬貨CNの一例である1円玉は、100円玉、10円玉等に比べて軽いため、傾斜面211aで止まる可能性が高い。
このため、料金自動収受機1は、有効なタイミングで振動機構22を作動することができる。
【0055】
<第三実施形態>
第三実施形態に係る料金自動収受機1について図面を参照しながら説明する。
第三実施形態の料金自動収受機1は、第一実施形態の料金自動収受機1の一例である。
【0056】
図12に示すように、例えば、料金自動収受機1は、検知部5をさらに備えてもよい。
検知部5は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを検知する。
検知部5は、渦電流センサであってもよい。
【0057】
振動機構22は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNの検知に関連して、硬貨受け皿211を振動させる。
例えば、検知部5は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを検知したら、振動機構22にオン信号ONを、送信してもよい。
【0058】
本実施形態によれば、料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNの検知に関連して、硬貨受け皿211に振動を与えることができる。
このため、料金自動収受機1は、有効なタイミングで振動機構を作動することができる。
【0059】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれる。
【0060】
<付記>
上述の実施形態に記載の料金自動収受機1は、例えば以下のように把握される。
【0061】
(1)第1の態様に係る料金自動収受機1は、前面パネル1Aと、前面パネル1Aに向けて下り勾配の傾斜面211aを有する硬貨受け皿211を備え、硬貨CNを前面パネル1Aから払い出し可能に設けられた払出部21と、硬貨受け皿211を振動させる振動機構22と、を備える。
【0062】
本態様によれば、振動機構22は、硬貨受け皿211に対し、振動を与えることができる。
このため、料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを、利用者がアクセスする前面パネル1Aに向けて動かすことができる。
したがって、料金自動収受機1によれば、利用者は、払い出された硬貨CNを視認しやすい。
【0063】
(2)第2の態様に係る料金自動収受機1は、振動機構22が、払出部21を前面パネル1A方向に叩く打撃機構221を備える第1の態様の料金自動収受機1である。
【0064】
本態様によれば、打撃機構221は、硬貨受け皿211を前面パネル1A方向に振動させることができる。
このため、料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを、利用者がアクセスする前面パネル1Aに向けて動かすことができる。
したがって、料金自動収受機1によれば、利用者は、払い出された硬貨CNを視認しやすい。
【0065】
(3)第3の態様に係る料金自動収受機1は、払出部21が、硬貨受け皿211が固定されている受け皿保持部212をさらに備え、打撃機構221が、受け皿保持部212の側面であって、前面パネル1A方向に対し反対方向を向く側面212sを叩く第2の態様の料金自動収受機1である。
【0066】
本態様によれば、打撃機構221は、受け皿保持部212を叩いて、硬貨受け皿211を振動させる。
このため、料金自動収受機1は、打撃機構221で硬貨受け皿211を傷めることを抑制できる。
【0067】
(4)第4の態様に係る料金自動収受機1は、硬貨受け皿211内部を撮影可能なカメラ23をさらに備える第1から第3のいずれかの態様の料金自動収受機1である。
【0068】
本態様によれば、カメラ23は、硬貨受け皿211における硬貨CNの状態を撮影できる。
このため、料金自動収受機1は、カメラ23が撮影した画像により、硬貨受け皿211における硬貨CNの状態を監視できる。
【0069】
(5)第5の態様に係る料金自動収受機1は、振動機構22が、硬貨CNの払い出しに関連して、硬貨受け皿211を振動させる第1から第4のいずれかの態様の料金自動収受機1である。
【0070】
本態様によれば、料金自動収受機1は、硬貨CNが傾斜面211aで止まる可能性のある払い出しのタイミングで、硬貨受け皿211に対し、振動を与えることができる。
このため、料金自動収受機1は、有効なタイミングで振動機構22を作動することができる。
【0071】
(6)第6の態様に係る料金自動収受機1は、投入硬貨をリジェクトするリジェクト部4をさらに備え、硬貨CNの払い出しとして、投入硬貨のリジェクトに関連して、硬貨受け皿211を振動させる第5の態様の料金自動収受機1である。
【0072】
本態様によれば、料金自動収受機1は、硬貨CNが傾斜面211aで止まる可能性のある投入硬貨のリジェクトのタイミングで、硬貨受け皿211に対し、振動を与えることができる。
このため、料金自動収受機1は、有効なタイミングで振動機構22を作動することができる。
【0073】
(7)第7の態様に係る料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNを検知する検知部5をさらに備え、振動機構22が、硬貨CNの検知に関連して、硬貨受け皿211を振動させる第1から第6のいずれかの態様の料金自動収受機1である。
【0074】
本態様によれば、料金自動収受機1は、傾斜面211aで止まっている硬貨CNの検知に関連して、硬貨受け皿211に振動を与えることができる。
このため、料金自動収受機1は、有効なタイミングで振動機構22を作動することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 料金自動収受機
1A 前面パネル
2 硬貨払出機構
3 硬貨処理ユニット
4 リジェクト部
5 検知部
7 遮断器
8 監視盤
9 料金収受設備
21 払出部
22 振動機構
23 カメラ
24 上筐体
25 下筐体
26 透明板
27 カメラ保護部
211 硬貨受け皿
211a 傾斜面
211b 貯留面
212 受け皿保持部
212c 凹部
212s 側面
221 打撃機構
221a 第一端
221b 第二端
222 回動機構
241 前面部
241a 表板面
241b 裏板面
241c 開口部
241d 下端
2221 回動部
2222 連結部
2223 駆動部
AA 車両
CN 硬貨
LN 車線
LS 路側
ON オン信号
ST01 ステップ
ST02 ステップ
ST03 ステップ
VW 視野
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12