(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】キャップユニット及びキャップ付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 53/02 20060101AFI20240111BHJP
A47J 41/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B65D53/02
A47J41/00 304C
(21)【出願番号】P 2020066137
(22)【出願日】2020-04-01
【審査請求日】2023-01-17
(31)【優先権主張番号】P 2019096909
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591261602
【氏名又は名称】サーモス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】丸山 高広
(72)【発明者】
【氏名】初本 邦生
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001538(JP,A)
【文献】特開2018-087027(JP,A)
【文献】特開昭61-142150(JP,A)
【文献】特開2009-125292(JP,A)
【文献】特開2018-002224(JP,A)
【文献】特開2010-280402(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0214783(US,A1)
【文献】特開2018-154350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 53/02
B65D 39/04
B65D 47/40
A47J 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を覆う外蓋と、
前記外蓋の内側の中央部に位置して、前記上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記中栓の下端側の外周部に位置して、前記容器本体と前記中栓との間を密閉するシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記中栓の下面に全周に亘って接触する位置から離間する方向に向かって
全周に亘って突出された下面側突出部を有することを特徴とするキャップユニット。
【請求項2】
前記下面側突出部は、その内周側に前記中栓の下面に対して鋭角となる傾斜面を有し、
前記傾斜面と前記中栓の下面との間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップユニット。
【請求項3】
上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を覆う外蓋と、
前記外蓋の内側の中央部に位置して、前記上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記中栓の下端側の外周部に着脱自在に取り付けられた状態で、前記容器本体と前記中栓との間を密閉するシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記中栓の下面側の外周部に全周に亘って接触する位置から縮径方向に向かって
全周に亘って突出された下面側突出部を有し、
前記下面側突出部の上面と前記中栓の下面との間に隙間が設けられていることを特徴とするキャップユニット。
【請求項4】
前記シール部材は、リング状の弾性部材からなり、前記中栓の下端側の外周部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項5】
前記中栓は、その下面を上方に向かって凹ませた下面凹部を有することを特徴とする請求項1~
4の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項6】
前記中栓は、その下面の一部又は全面に凹凸加工が施されていることを特徴とする請求項1~
5の何れか一項に記載のキャップユニット。
【請求項7】
請求項1~
6の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャップユニット及びキャップ付き容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上部が開口した容器本体の口頸部に着脱自在に取り付けることによって、容器本体の上部開口部を閉塞するキャップユニット(栓体)を備えたキャップ付き容器がある(例えば、下記特許文献1を参照。)。
【0003】
このようなキャップユニットは、容器本体の上部開口部を覆う外蓋と、上部開口部から容器本体の内側に嵌め込まれる中栓とを有して、キャップ本体に対して中栓又は外蓋が螺合により取り付けられる構造となっている。また、中栓の外周部には、容器本体と中栓との間を密閉する止水パッキン(シール部材)が着脱自在に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したキャップ付き容器では、例えば容器本体に熱い飲料を入れた場合に、容器本体内で飽和した水蒸気が中栓の下面で凝集しながら、中栓の下面に水滴となって付着する。中栓の下面に付着した水滴は、徐々に成長しながら、自重により容器本体内へと滴り落ちる。
【0006】
一方、容器本体からキャップユニットを取り外した際には、傾けたキャップユニットから中栓の下面に付着した水滴が流れ落ちることで、周囲を濡らしてしまうことがあった。中栓の下面に付着した水滴を速やかに容器本体の内側へと落下させることができれば、容器本体からキャップユニットを取り外した際に、中栓の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑えることが可能である。しかしながら、中栓の下面に付着した水滴は、中栓の下面との間で働く表面張力によって落下しづらくなっている。
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、容器本体から取り外した際に、中栓の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制したキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えることによって、使い勝手の更なる向上を可能としたキャップ付き容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕 上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を覆う外蓋と、
前記外蓋の内側の中央部に位置して、前記上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記中栓の下端側の外周部に位置して、前記容器本体と前記中栓との間を密閉するシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記中栓の下面に全周に亘って接触する位置から離間する方向に向かって全周に亘って突出された下面側突出部を有することを特徴とするキャップユニット。
〔2〕 前記下面側突出部は、その内周側に前記中栓の下面に対して鋭角となる傾斜面を有し、
前記傾斜面と前記中栓の下面との間に隙間が設けられていることを特徴とする前記〔1〕に記載のキャップユニット。
〔3〕 上部が開口した容器本体に対して着脱自在に取り付けられるキャップユニットであって、
前記容器本体の上部開口部を覆う外蓋と、
前記外蓋の内側の中央部に位置して、前記上部開口部から前記容器本体の内側に嵌め込まれる中栓と、
前記中栓の下端側の外周部に着脱自在に取り付けられた状態で、前記容器本体と前記中栓との間を密閉するシール部材とを備え、
前記シール部材は、前記中栓の下面側の外周部に全周に亘って接触する位置から縮径方向に向かって全周に亘って突出された下面側突出部を有し、
前記下面側突出部の上面と前記中栓の下面との間に隙間が設けられていることを特徴とするキャップユニット。
〔4〕 前記シール部材は、リング状の弾性部材からなり、前記中栓の下端側の外周部に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする前記〔1〕~〔3〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔5〕 前記中栓は、その下面を上方に向かって凹ませた下面凹部を有することを特徴とする前記〔1〕~〔4〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔6〕 前記中栓は、その下面の一部又は全面に凹凸加工が施されていることを特徴とする前記〔1〕~〔5〕の何れか一項に記載のキャップユニット。
〔7〕 前記〔1〕~〔6〕の何れか一項に記載のキャップユニットと、
前記キャップユニットが取り付けられた容器本体とを備えるキャップ付き容器。
【発明の効果】
【0009】
以上のように、本発明によれば、容器本体から取り外した際に、中栓の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制したキャップユニット、並びに、そのようなキャップユニットを備えることによって、使い勝手の更なる向上を可能としたキャップ付き容器を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図5】本発明の第5の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図6】本発明の第6の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図7】本発明の第7の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【
図8】本発明の第8の実施形態において、下面側突出部の別の構成例を示す要部断面図である。
【
図9】本発明の第9の実施形態において、下面側突出部の一部に形状変化部を設けた構成を例示した要部断面斜視図である。
【
図10】本発明の第10の実施形態に係るキャップユニットを備えたキャップ付き容器の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
先ず、本発明の第1の実施形態として、例えば
図1に示すキャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aについて説明する。
なお、キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aの構成を示す断面図である。
【0012】
本実施形態のキャップ付き容器100Aは、
図1に示すように、上部が開口した容器本体2と、容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Aとを備え、容器本体2に収容された熱い飲料(内容物)を保温することが可能な飲料用容器である。また、キャップ付き容器100Aでは、容器本体2に対して螺合により取り付けられるキャップユニット1Aによって、容器本体2の上部開口部2aを開閉することが可能となっている。
【0013】
具体的に、容器本体2は、例えばステンレス等からなる金属製の外容器3及び内容器4を有している。容器本体2は、一端が開口した外容器3の内側に一端が開口した内容器4を収容した状態で、互いの開口端同士が接合されると共に、これら外容器3と内容器4との間に真空断熱層5が設けられた真空断熱構造を有している。
【0014】
真空断熱層5は、例えば、高真空に減圧(真空引き)されたチャンバー内で、外容器3の底面中央部に設けられた脱気孔をろう材により封止することによって形成することができる。
【0015】
容器本体2では、このような真空断熱構造を有することで、上述した保温又は保冷といった機能を持たせることが可能である。また、容器本体2では、このような真空断熱構造を有することで、内圧(真空圧)と外圧(大気圧)の差により外容器3及び内容器4に対して常に張力が加わった状態となり、これら外容器3及び内容器4の機械的強度が増すことになる。これにより、外容器3及び内容器4の板厚を薄くした場合でも、容器本体2の剛性を高めることが可能であり、この容器本体2の軽量化を図ることが可能である。
【0016】
容器本体2は、略円形状の底面部2bと、底面部2bの外周から略円筒状に起立した胴部2cと、胴部2cの上部側から略円筒状に起立した口頸部2dとを有している。また、口頸部2dの上端部は、容器本体2の上部開口部2aとして、円形状に開口している。
【0017】
口頸部2dの内周面には、雌ネジ部6が設けられている。さらに、雌ネジ部6の下方には、リング状の張出部7が内容器4の内周面から全周に亘って突出して設けられている。
【0018】
なお、本実施形態のキャップ付き容器100Aは、全体として略円筒状の外観形状を有しているが、キャップ付き容器100Aの外観形状については、特に限定されるものではなく、サイズやデザイン等に合わせて、適宜変更を加えることが可能である。また、容器本体2(外容器3)の外周面には、塗装や印刷等が施されていてもよい。
【0019】
本実施形態のキャップユニット1Aは、容器本体2の上部開口部2aを閉塞する栓体を構成するものである。具体的に、このキャップユニット1Aは、容器本体2の上部開口部2aを覆った状態で、容器本体2に螺合により取り付けられるキャップ本体8を備えている。
【0020】
キャップ本体8は、容器本体2の上部開口部2aを覆う外蓋9と、上部開口部2aから容器本体2の内側に嵌め込まれる中栓10とを有している。
【0021】
外蓋9は、例えばポリプロピレンやトライタン(登録商標)等の耐熱性樹脂からなり、外観が容器本体2の胴部2cと連続するように略円筒状に形成された周壁部9aと、周壁部9aの上部を閉塞する上壁部9bとを有している。
【0022】
中栓10は、例えばポリプロピレンやトライタン(登録商標)等の耐熱性樹脂からなり、略円形状の底壁部10aと、底壁部10aの周囲から略円筒状に立ち上がる周壁部10bとを有している。中栓10は、外蓋9の内側中央部に位置しており、溶着等により周壁部10bが上壁部9bの下面中央部に一体に取り付けられている。なお、中栓10の内部は、断熱層となる空気に限らず、断熱材(図示せず)を配置した構成としてもよい。
【0023】
また、周壁部10b(中栓10)の外周面には、雄ネジ部11が設けられている。キャップ付き容器100Aでは、この雄ネジ部11と雌ネジ部6との螺合によって、容器本体2に対して中栓10(キャップ本体8)が着脱自在に取り付けられている。さらに、雌ネジ部6と雄ネジ部11とは、互いに相補形を為す二条ネジからなる。二条ネジを用いた場合、容器本体2に対してキャップ本体8(キャップユニット1A)を少ない回転操作(本実施形態では約180°)で着脱することが可能である。
【0024】
中栓10の下端側の外周部には、止水パッキン12が着脱自在に取り付けられている。止水パッキン12は、容器本体2の内側と中栓10との間を密閉するリング状のシール部材であり、例えばシリコーンゴム等の耐熱性を有するゴムやエラストマーなどの弾性部材からなる。
【0025】
中栓10の下端側には、周壁部10bの外径よりも縮径された縮径部10cと、縮径部10cの下端から全周に亘って拡径方向に突出されたリング状のフランジ部10dと、縮径部10cとフランジ部10dとの間にリング状の溝部10eとが設けられている。
【0026】
一方、止水パッキン12の内周面には、溝部10eに嵌合されるリング状の嵌合凸部12aと、フランジ部10dが嵌合されるリング状の嵌合凹部12bとが設けられている。止水パッキン12は、溝部10eに嵌合凸部12aが嵌合されると共に、嵌合凹部12bにフランジ部10dが嵌合されることによって、中栓10の下端側の外周部に着脱自在に取り付けられている。
【0027】
また、止水パッキン12の外周面には、2つの弾性フランジ部12cが拡径方向に突出して設けられている。止水パッキン12は、容器本体2にキャップ本体8が取り付けられた際に、弾性フランジ部12cが弾性変形しながら、容器本体2の張出部7に全周に亘って密着した状態となる。これにより、張出部7(容器本体2)と中栓10(キャップ本体8)との間を密閉(止水)することが可能となっている。
【0028】
一方、止水パッキン12は、それ自体を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、中栓10(キャップ本体8)から取り外すことが可能である。これにより、キャップ本体8と止水パッキン12とをそれぞれ別々に洗浄することができ、止水パッキン12とキャップ本体8との間を衛生的に保つことができる。
【0029】
なお、止水パッキン12については、上述した形状のものに必ずしも限定されるものではなく、例えば、弾性フランジ部12cの数については、上述した2つに限らず、1つ又は複数とすることが可能である。
【0030】
また、止水パッキン12は、上述した弾性フランジ部12cが設けられた構成に必ずしも限定されるものではなく、その形状等について適宜変更を加えることが可能である。例えば、止水パッキン12の外周面の上端から下方に向かって湾曲しながら突出した形状を有する弾性フランジ部を設けた構成としてもよい。
【0031】
止水パッキン12は、底壁部10a(中栓10)の下面に全周に亘って接触する位置から離間する方向(下方)に向かって突出された下面側突出部13を有している。下面側突出部13は、その内周側に中栓10の下面に対して鋭角となる傾斜面13aを有している。これにより、傾斜面13aと中栓10の下面との間には、隙間Sが全周に亘って設けられている。
【0032】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Aでは、上部開口部2aから容器本体2の内側に中栓10を嵌め込んだ状態から、容器本体2に対して外蓋9(キャップ本体8)を右回り(以下、「閉方向」という。)に回転させることによって、雌ネジ部6と雄ネジ部11との螺合により容器本体2にキャップユニット1Aを取り付けることが可能である。
【0033】
一方、容器本体2にキャップ本体8(キャップユニット1A)が取り付けられた状態から、容器本体2に対して外蓋9(キャップ本体8)を左回り(以下、「開方向」という。)に回転させることによって、雌ネジ部6と雄ネジ部11との螺合を解除し、容器本体2からキャップユニット1Aを取り外すことが可能である。
【0034】
ところで、本実施形態のキャップ付き容器100Aでは、容器本体2にキャップユニット1Aが取り付けられた状態において、容器本体2内で飽和した水蒸気が中栓10の下面で凝集しながら、中栓10の下面に水滴(図示せず)となって付着する。また、中栓10の下面に付着した水滴は、中栓10の下面との間で働く表面張力によって落下しづらくなっている。
【0035】
一方、容器本体2からキャップユニット1Aを取り外した際には、このキャップユニット1Aの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が中栓10の下面に沿って、止水パッキン12の下面側突出部13との間に形成された隙間Sへと流れ込む。この場合、隙間Sに水滴が溜まることで、中栓10の下面に付着した水滴の落下を抑制することが可能である。
【0036】
一方、容器本体2にキャップユニット1Aを再度取り付けた際には、隙間Sに流れ込んだ水滴を下面側突出部13の傾斜面13aに沿って、容器本体2の内側へと落下させることが可能である。
【0037】
これにより、本実施形態のキャップ付き容器100Aでは、容器本体2からキャップユニット1Aを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。
【0038】
また、本実施形態のキャップ付き容器100Aでは、中栓10の下面との間に形成される隙間Sによって、止水パッキン12の下面側突出部13が摘まみ易くなっている。この場合、下面側突出部13を摘まみながら、止水パッキン12を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、中栓10(キャップ本体8)から止水パッキン12を容易に取り外すことが可能である。
【0039】
なお、下面側突出部13を摘まみ易くするためには、少なくとも下面側突出部13(止水パッキン12)の厚み以上の隙間Sを設けることが好ましい。また、隙間Sに水滴が溜まり易くするためには、下面側突出部13の傾斜面13aの角度を10~80°の範囲とすることが好ましい。
【0040】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Aでは、上述したキャップユニット1Aを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、例えば
図2に示すキャップユニット1Bを備えたキャップ付き容器100Bについて説明する。
なお、
図2は、キャップユニット1Bを備えたキャップ付き容器100Bの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0042】
本実施形態のキャップ付き容器100Bは、
図2に示すように、上記キャップユニット1Aを備える代わりに、上記容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Bを備えた構成である。
【0043】
具体的に、このキャップユニット1Bは、中栓10の下面の形状が異なる以外は、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。すなわち、この中栓10の下面には、下面凸部14が設けられている。下面凸部14は、中栓10の下面を構成する底壁部10aの全面を下方に向かって略円錐状に突出させた尖形形状を有している。また、下面凸部14は、中栓10の下面中央部に向かって直線状に傾斜した傾斜面14aを有している。
【0044】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Bでは、容器本体2にキャップユニット1Bが取り付けられた状態において、中栓10の下面に付着した水滴を下面凸部14の傾斜面14aに沿って、容器本体2の内側へと落下し易くすることが可能である。
【0045】
一方、容器本体2からキャップユニット1Bを取り外した際には、キャップユニット1Bの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が下面凸部14の傾斜面14aに沿って、止水パッキン12の下面側突出部13との間に形成された隙間Sへと流れ込む。
【0046】
このとき、中栓10の下面に付着した水滴は、上記キャップユニット1Aの場合よりも少なく、隙間Sに溜まる水滴の量が抑えられる。したがって、中栓10の下面に付着した水滴の落下をより一層抑制することが可能である。
【0047】
一方、容器本体2にキャップユニット1Bを再度取り付けた際には、隙間Sに流れ込んだ水滴を下面側突出部13の傾斜面13a及び下面凸部14の傾斜面14aに沿って、容器本体2の内側へと落下させることが可能である。
【0048】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Bでは、容器本体2からキャップユニット1Bを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップ付き容器100Bでは、上述したキャップユニット1Bを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態として、例えば
図3に示すキャップユニット1Cを備えたキャップ付き容器100Cについて説明する。
なお、
図3は、キャップユニット1Cを備えたキャップ付き容器100Cの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0050】
本実施形態のキャップ付き容器100Cは、
図3に示すように、上記キャップユニット1Aを備える代わりに、上記容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Cを備えた構成である。
【0051】
具体的に、このキャップユニット1Cは、中栓10の下面の形状が異なる以外は、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。すなわち、この中栓10の下面には、下面凸部15が設けられている。下面凸部15は、中栓10の下面を構成する底壁部10aの全面を下方に向かって凹状に湾曲しながら略円錐状に突出させた尖形形状を有している。また、下面凸部15は、中栓10の下面中央部に向かって凹状に湾曲しながら傾斜した傾斜面15aを有している。
【0052】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Cでは、容器本体2にキャップユニット1Cが取り付けられた状態において、中栓10の下面に付着した水滴を下面凸部15の傾斜面15aに沿って、容器本体2の内側へと落下し易くすることが可能である。
【0053】
一方、容器本体2からキャップユニット1Cを取り外した際には、キャップユニット1Cの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が下面凸部15の傾斜面15aに沿って、止水パッキン12の下面側突出部13との間に形成された隙間Sへと流れ込む。
【0054】
このとき、中栓10の下面に付着した水滴は、上記キャップユニット1Aの場合よりも、付着量が少なく、この隙間Sに溜まる水滴の量が抑えられる。したがって、中栓10の下面に付着した水滴の落下をより一層抑制することが可能である。
【0055】
一方、容器本体2にキャップユニット1Cを再度取り付けた際には、隙間Sに流れ込んだ水滴を下面側突出部13の傾斜面13a及び下面凸部15の傾斜面15aに沿って、容器本体2の内側へと落下させることが可能である。
【0056】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Cでは、容器本体2からキャップユニット1Cを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップ付き容器100Cでは、上述したキャップユニット1Cを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0057】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態として、例えば
図4に示すキャップユニット1Dを備えたキャップ付き容器100Dについて説明する。
なお、
図4は、キャップユニット1Dを備えたキャップ付き容器100Dの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0058】
本実施形態のキャップ付き容器100Dは、
図4に示すように、上記キャップユニット1Aを備える代わりに、上記容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Dを備えた構成である。
【0059】
具体的に、このキャップユニット1Dは、中栓10の下面の形状が異なる以外は、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。すなわち、この中栓10の下面には、下面凸部16が設けられている。下面凸部16は、中栓10の下面を構成する底壁部10aの一部を下方に向かって略三角状に突出させた尖形形状を有している。また、下面凸部16は、中栓10の下面中央からずれた位置にあり、その下端に向かって直線状に傾斜した傾斜面16aを有している。
【0060】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Dでは、容器本体2にキャップユニット1Dが取り付けられた状態において、中栓10の下面に付着した水滴を下面凸部16の傾斜面16aに沿って、容器本体2の内側へと落下し易くすることが可能である。
【0061】
一方、容器本体2からキャップユニット1Dを取り外した際には、キャップユニット1Dの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が中栓10の下面に沿って、止水パッキン12の下面側突出部13との間に形成された隙間Sへと流れ込む。
【0062】
このとき、中栓10の下面に付着した水滴は、上記キャップユニット1Aの場合よりも少なく、隙間Sに溜まる水滴の量が抑えられる。したがって、中栓10の下面に付着した水滴の落下をより一層抑制することが可能である。
【0063】
一方、容器本体2にキャップユニット1Dを再度取り付けた際には、隙間Sに流れ込んだ水滴を下面側突出部13の傾斜面13aに沿って、容器本体2の内側へと落下させることが可能である。
【0064】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Dでは、容器本体2からキャップユニット1Dを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップ付き容器100Dでは、上述したキャップユニット1Dを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0065】
なお、本実施形態では、中栓10の下面に1つの下面凸部16が設けられた構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではなく、複数の下面凸部16が設けられた構成としてもよい。また、下面凸部16の形状についても適宜変更を加えることが可能である。
【0066】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態として、例えば
図5に示すキャップユニット1Eを備えたキャップ付き容器100Eについて説明する。
なお、
図5は、キャップユニット1Eを備えたキャップ付き容器100Eの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0067】
本実施形態のキャップ付き容器100Eは、
図5に示すように、上記キャップユニット1Aを備える代わりに、上記容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Eを備えた構成である。
【0068】
具体的に、このキャップユニット1Eは、中栓10の下面の形状が異なる以外は、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。すなわち、この中栓10の下面には、下面凹部17が設けられている。下面凹部17は、中栓10の下面を構成する底壁部10aを上方に向かって球面状に凹ませた形状を有している。また、下面凹部17は、中栓10の下面中央から外周に向かって凹状に湾曲しながら傾斜した傾斜面17aを有している。
【0069】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Eでは、容器本体2にキャップユニット1Eが取り付けられた状態において、中栓10の下面に付着した水滴が下面凹部17の傾斜面17aに沿って、中栓10の下面中央から外周側へと流れ落ちる。その後、止水パッキン12の下面側突出部13の傾斜面13aに沿って、容器本体2の内側へと水滴を落下させることが可能である。
【0070】
一方、容器本体2からキャップユニット1Eを取り外した際には、キャップユニット1Eの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が下面凹部17の傾斜面17aに沿って、止水パッキン12の下面側突出部13との間に形成された隙間S及び下面凹部17へと流れ込む。
【0071】
このとき、中栓10の下面に付着した水滴は、上記キャップユニット1Aの場合よりも、付着量が少なく、この隙間Sに溜まる水滴の量が抑えられる。また、上記キャップユニット1Aの場合よりも、隙間Sが大きく確保されている。したがって、中栓10の下面に付着した水滴の落下をより一層抑制することが可能である。
【0072】
一方、容器本体2にキャップユニット1Eを再度取り付けた際には、隙間S及び下面凹部17に流れ込んだ水滴を下面側突出部13の傾斜面13aに沿って、容器本体2の内側へと落下させることが可能である。
【0073】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Eでは、容器本体2からキャップユニット1Eを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップ付き容器100Eでは、上述したキャップユニット1Eを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0074】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態として、例えば
図6に示すキャップユニット1Fを備えたキャップ付き容器100Fについて説明する。
なお、
図6は、キャップユニット1Fを備えたキャップ付き容器100Fの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0075】
本実施形態のキャップ付き容器100Fは、
図6に示すように、上記キャップユニット1Aを備える代わりに、上記容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Fを備えた構成である。
【0076】
具体的に、このキャップユニット1Fは、止水パッキン12の形状及び中栓10の下面の形状が異なる以外は、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。すなわち、この止水パッキン12は、中栓10の下面側の外周部に全周に亘って接触する位置から縮径方向に向かって突出された下面側突出部18を有している。一方、中栓10の下面には、上記キャップユニット1Eと同様に、下面凹部17が設けられている。これにより、下面側突出部18の上面と中栓10の下面との間には、隙間Sが全周に亘って設けられている。
【0077】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Fでは、容器本体2からキャップユニット1Fを取り外した際に、キャップユニット1Fの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が下面凹部17の傾斜面17aに沿って、止水パッキン12の下面側突出部18との間に形成された隙間S及び下面凹部17へと流れ込む。この場合、隙間S及び下面凹部17に水滴が溜まることで、中栓10の下面に付着した水滴の落下を抑制することが可能である。
【0078】
これにより、本実施形態のキャップ付き容器100Fでは、容器本体2からキャップユニット1Fを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。
【0079】
また、本実施形態のキャップ付き容器100Fでは、中栓10の下面との間に形成される隙間Sによって、止水パッキン12の下面側突出部18が摘まみ易くなっている。この場合、下面側突出部18を摘まみながら、止水パッキン12を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、中栓10(キャップ本体8)から止水パッキン12を容易に取り外すことが可能である。
【0080】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Fでは、容器本体2からキャップユニット1Fを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップ付き容器100Fでは、上述したキャップユニット1Fを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0081】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態として、例えば
図7に示すキャップユニット1Gを備えたキャップ付き容器100Gについて説明する。
なお、
図7は、キャップユニット1Gを備えたキャップ付き容器100Gの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0082】
本実施形態のキャップ付き容器100Gは、
図7に示すように、上記キャップユニット1Aを備える代わりに、上記容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Gを備えた構成である。
【0083】
具体的に、このキャップユニット1Gは、止水パッキン12の形状及び中栓10の下面の形状が異なる以外は、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。すなわち、この止水パッキン12は、上記キャップユニット1Fと同様に、中栓10の下面側の外周部に全周に亘って接触する位置から縮径方向に向かって突出された下面側突出部18を有している。一方、中栓10の下面には、上記キャップユニット1Bと同様に、下面凸部14が設けられている。また、この下面凸部14を構成する底壁部10aは、縮径部10cの下端よりも上方に接続されている。これにより、下面側突出部18の上面と中栓10の下面との間には、隙間Sが全周に亘って設けられている。
【0084】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Gでは、容器本体2にキャップユニット1Gが取り付けられた状態において、中栓10の下面に付着した水滴を下面凸部14の傾斜面14aに沿って、容器本体2の内側へと落下し易くすることが可能である。
【0085】
一方、容器本体2からキャップユニット1Gを取り外した際には、キャップユニット1Gの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が下面凸部14の傾斜面14aに沿って、止水パッキン12の下面側突出部18との間に形成された隙間Sへと流れ込む。
【0086】
このとき、中栓10の下面に付着した水滴は、上記キャップユニット1Aの場合よりも少なく、隙間Sに溜まる水滴の量が抑えられる。したがって、中栓10の下面に付着した水滴の落下をより一層抑制することが可能である。
【0087】
これにより、本実施形態のキャップ付き容器100Gでは、容器本体2からキャップユニット1Gを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。
【0088】
また、本実施形態のキャップ付き容器100Gでは、中栓10の下面との間に形成される隙間Sによって、止水パッキン12の下面側突出部18が摘まみ易くなっている。この場合、下面側突出部18を摘まみながら、止水パッキン12を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、中栓10(キャップ本体8)から止水パッキン12を容易に取り外すことが可能である。
【0089】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Gでは、容器本体2からキャップユニット1Gを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップ付き容器100Gでは、上述したキャップユニット1Gを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0090】
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態として、例えば
図8(A),(B)に示す下面側突出部19,20について説明する。
【0091】
なお、
図8(A)は、下面側突出部19の構成を示す要部断面図である。
図8(B)は、下面側突出部20の構成を示す要部断面図である。また、以下の説明では、上記止水キャップ12と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0092】
図8(A),(B)に示す止水パッキン12は、中栓10の下面に全周に亘って接触する位置から離間する方向に向かって突出された下面側突出部19,20を有している。このうち、
図8(A)に示す下面側突出部19は、その内周側に中栓10の下面に対して垂直となる垂直面19aを有している。一方、
図8(B)に示す下面側突出部20は、その内周側に中栓10の下面に対して鈍角となる逆傾斜面20aを有している。
【0093】
このような構成を有する止水パッキン12を用いた場合、中栓10の下面に付着した水滴を下面側突出部19の垂直面19aや下面側突出部20の逆傾斜面20aに沿って、容器本体2の内側へと水滴を落下させることが可能である。
【0094】
したがって、
図8(A),(B)に示す止水パッキン12は、上述した下面凹部17が設けられたキャップユニットに対して好適に用いられる。すなわち、容器本体2にキャップユニットが取り付けられた状態において、中栓10の下面に付着した水滴が下面凹部17の傾斜面17aに沿って、中栓10の下面中央から外周側へと流れ落ちる。その後、止水パッキン12の下面側突出部19の垂直面19aや下面側突出部20の逆傾斜面20aに沿って、容器本体2の内側へと水滴を落下させることが可能である。
【0095】
これにより、容器本体2からキャップユニットを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。
【0096】
(第9の実施形態)
次に、本発明の第9の実施形態として、例えば
図9(A)~(D)に示す下面側突出部13の一部に形状変化部21A~21Dを設けた構成について説明する。
【0097】
なお、
図9(A)は、形状変化部21Aの構成を示す要部断面斜視図である。
図9(B)は、形状変化部21Bの構成を示す要部断面斜視図である。
図9(C)は、形状変化部21Cの構成を示す要部断面斜視図である。
図9(D)は、形状変化部21Dの構成を示す要部断面斜視図である。また、以下の説明では、上記止水キャップ12と同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0098】
図9(A)~(D)に示す止水パッキン12は、下面側突出部13の一部の形状を変化させた形状変化部21A~21Dを有している。このうち、
図9(A)に示す形状変化部21Aは、下面側突出部13の一部を切り欠く略V字状の切欠部により構成されている。一方、
図9(B)に示す形状変化部21Bは、下面側突出部13の内周側に位置して、下方に向かって漸次幅が広くなる断面略V字状の溝部により構成されている。一方、
図9(C)に示す形状変化部21Cは、下面側突出部13の一部を先端側より尖形に突出させた突出片により構成されている。一方、
図9(D)に示す形状変化部21Dは、下面側突出部13の一部を内周側から縮径方向に向かって尖形に突出させた庇部により構成されている。
【0099】
このような構成を有する止水パッキン12を用いた場合、隙間Sに溜まった水滴の液切れを良くして、この隙間Sに溜まった水滴を形状変化部21A~21Dに沿って、容器本体2の内側へと落下させることが可能である。また、形状変化部21A~21Dは、隙間Sに溜まった水滴を使用者が意図的に振り落とす際にも有効である。
【0100】
(第10の実施形態)
次に、本発明の第10の実施形態として、例えば
図10に示すキャップユニット1Hを備えたキャップ付き容器100Hについて説明する。
なお、
図10は、キャップユニット1Hを備えたキャップ付き容器100Hの構成を示す断面図である。また、以下の説明では、上記キャップユニット1Aを備えたキャップ付き容器100Aと同等の部位については、説明を省略すると共に、図面において同じ符号を付すものとする。
【0101】
本実施形態のキャップ付き容器100Hは、
図10に示すように、上記キャップユニット1Aを備える代わりに、上記容器本体2に着脱自在に取り付けられるキャップユニット1Hを備えた構成である。
【0102】
具体的に、このキャップユニット1Hは、中栓10の下面の形状が異なる以外は、上記キャップユニット1Aと基本的に同じ構成を有している。すなわち、中栓10の下面には、平面視でリング状(本実施形態では円形状)に形成された少なくとも1つ又は複数(本実施形態では3つ)の下面凸部22が設けられている。
【0103】
複数の下面凸部22は、中栓10の下面の中心から同心円状に並んで配置されている。また、各下面凸部22は、中栓10の下面を構成する底壁部10aから下方に向かって断面視で略三角形状に突出させた尖形形状を有している。
【0104】
なお、本実施形態では、複数の下面凸部22の中心から同心円状に並んで配置された構成となっているが、1つの下面凸部22が配置された構成であってよい。また、中栓10の下面の中心からずれた配置としてもよい。また、下面凸部22は、上述した平面視で円形状に形成されたものに限らず、例えば楕円状に形成されたものであってもよい。また、下面凸部22は、上述した断面視で略三角形状に突出させた尖形形状に限らず、薄い板状に突出した形状であってもよい。さらに、下面凸部22は、中栓10を成形する際の樹脂材料の収縮を利用して形成することも可能である。
【0105】
以上のような構成を有する本実施形態のキャップ付き容器100Hでは、容器本体2にキャップユニット1Hが取り付けられた状態において、中栓10の下面に付着した水滴を下面凸部22に沿って、容器本体2の内側へと落下し易くすることが可能である。
【0106】
一方、容器本体2からキャップユニット1Hを取り外す際には、容器本体2に対してキャップ1Hを雄ネジ部11と雌ネジ部6との螺合を解除する方向に回転操作する。このとき、中栓10に働く遠心力によって、この中栓10の下面に付着した水滴を下面凸部22に沿って容器本体2の内側へと落下させることが可能である。
【0107】
一方、容器本体2からキャップユニット1Hを取り外した際には、このキャップユニット1Hの傾きによって中栓10の下面に付着した水滴が中栓10の下面に沿って、止水パッキン12の下面側突出部13との間に形成された隙間Sへと流れ込む。
【0108】
この場合、隙間Sに水滴が溜まることで、中栓10の下面に付着した水滴の落下を抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップユニット1Hでは、上記キャップユニット1Aの場合よりも、中栓10の下面に付着した水滴が少なく、隙間Sに溜まる水滴の量が抑えられる。したがって、中栓10の下面に付着した水滴の落下をより一層抑制することが可能である。
【0109】
これにより、本実施形態のキャップ付き容器100Hでは、容器本体2からキャップユニット1Hを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。
【0110】
また、本実施形態のキャップ付き容器100Hでは、中栓10の下面との間に形成される隙間Sによって、止水パッキン12の下面側突出部18が摘まみ易くなっている。この場合、下面側突出部18を摘まみながら、止水パッキン12を弾性変形させる(引っ張り伸ばす)ことによって、中栓10(キャップ本体8)から止水パッキン12を容易に取り外すことが可能である。
【0111】
以上のように、本実施形態のキャップ付き容器100Hでは、容器本体2からキャップユニット1Hを取り外した際に、中栓10の下面に付着した水滴により周囲を濡らしてしまうことを抑制することが可能である。また、本実施形態のキャップ付き容器100Hでは、上述したキャップユニット1Hを備えることによって、更なる使い勝手の向上を図ることが可能である。
【0112】
なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記キャップユニット1A~1Hについては、上述した中栓10の下面の一部又は全面に微細な凹凸加工が施された構成であってもよい。凹凸加工については、中栓10の下面を構成する底壁部10aの表面に対して、例えばシボ加工等を施すことが可能である。
【0113】
上記キャップユニット1A~1Hでは、このような凹凸加工が施された中栓10の下面の表面積が増加することで、中栓10の下面に付着した水滴をより大きくなるまで成長させることができる。これにより、大きく成長した水滴を容器本体2の内側へと落下し易くすることが可能である。また、大きく成長した水滴は、上述した容器本体2からキャップユニット1A~1Hを取り外す際や再度取り付ける際にも、周囲の水滴を巻き込みながら、容器本体2の内側へと落下し易くすることが可能である。
【0114】
また、上記キャップユニット1A~1Hについては、上述した容器本体2の上部開口部2aから内側に嵌め込まれた状態で、容器本体2に対して中栓10が螺合により取り付けられる構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。例えば、キャップユニット1A~1Hについては、容器本体2の上部開口部2aを外側から覆った状態で、容器本体2に対して外蓋9が螺合により取り付けられる構成とすることも可能である。
【0115】
この構成の場合、上述した雌ネジ部6及び雄ネジ部11の代わりに、口頸部2dの外周面に設けられた雄ネジ部と、外蓋9を構成する周壁部9aの内周面に設けられた雌ネジ部との螺合によって、容器本体2に対して外蓋9(キャップ本体8)が着脱自在に取り付けられる構成とすればよい。
【0116】
また、上記キャップユニット1A~1Hについては、上述した容器本体2の上部開口部2aを直接開閉する構成となっているが、このような構成に必ずしも限定されるものではない。例えば、容器本体2に取り付けられたキャップ本体に対して蓋体を開閉自在に取り付けた構成とすることも可能である。
【0117】
この構成の場合、キャップ本体に対して蓋体が螺合により取り付けられた構成であってもよく、キャップ本体に対してヒンジ部を介して蓋体が回動自在に取り付けられた構成であってもよい。
【0118】
なお、上記実施形態では、上述した真空断熱構造を有する容器本体2によって保温機能(又は保冷機能)を持たせた飲料用容器に本発明を適用した場合を例示しているが、容器本体と、容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップユニットとを備えたキャップ付き容器に対して、本発明を幅広く適用することが可能である。
【符号の説明】
【0119】
1A~1H…キャップユニット 2…容器本体 3…外容器 4…内容器 5…真空断熱層 6…雌ネジ部 7…張出部 8…キャップ本体 9…外蓋 10…中栓 11…雄ネジ部 12…止水パッキン(シール部材) 13,18,19,20…下面側突出部 14,15,16…下面凸部 17…下面凹部 21A~21D…形状変化部 22…下面凸部 100A~100H…キャップ付き容器 S…隙間