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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/56 20060101AFI20240111BHJP
   B29C 33/72 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H01L21/56 T
B29C33/72
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020187021
(22)【出願日】2020-11-10
(65)【公開番号】P2022076587
(43)【公開日】2022-05-20
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】390002473
【氏名又は名称】TOWA株式会社
(72)【発明者】
【氏名】池西 哲郎
【審査官】安田 雅彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-238644(JP,A)
【文献】特開平07-052187(JP,A)
【文献】実開昭63-161710(JP,U)
【文献】特開2014-083784(JP,A)
【文献】特開平04-120743(JP,A)
【文献】特開平10-071627(JP,A)
【文献】特開2002-313829(JP,A)
【文献】特開平07-156157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/56
H01L 21/67-21/687
B29C 33/00
B29C 33/72
B29C 39/00
B29C 41/38-41/44
B29C 43/00
B29C 45/26-45/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固形樹脂を用いて樹脂成形する樹脂成形部と、
複数の固形樹脂それぞれ保持する複数の保持部を有し、前記保持部が保持した複数の固形樹脂を樹脂成形部に搬入する搬入機構と、
前記複数の保持部をクリーニングするクリーニング機構とを備え、
前記クリーニング機構は、
前記複数の保持部それぞれを覆う筒状の複数のカバーと、
前記複数のカバー内の粉塵を吸引する吸引機構と、
前記複数のカバーそれぞれの内側に配置され、上下に駆動される複数のブラシと、
前記複数のブラシに連結している共通の支持部とを備える樹脂成形装置
【請求項2】
前記クリーニング機構は、前記搬入機構が前記樹脂成形部に固形樹脂を搬入した後であって、次の樹脂成形で用いる固形樹脂を保持する前にクリーニングする、請求項1に記載の樹脂成形装置。
【請求項3】
前記複数の保持部それぞれは、複数のピン状のガイド部材を含む、請求項1又は請求項2に記載の樹脂成形装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の樹脂成形装置を用いて樹脂成形品を製造する方法であって、
前記搬入機構が搬入した固形樹脂を用いて樹脂成形する樹脂成形工程と、
前記搬入機構の前記保持部を前記クリーニング機構でクリーニングするクリーニング工程と、
前記クリーニング工程でクリーニングされた前記搬入機構が固形樹脂を保持して成形型に搬入する搬入工程とを含む、樹脂成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーニング機構、樹脂成形装置及び樹脂成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、吸引ホースとブラシとを用い、樹脂タブレットを保持する保持部の内側面に付着した樹脂粉を除去する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-238644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、搬送機構の保持部の内側面に付着した樹脂粉を除去するとき、樹脂紛が周囲に飛散してしまう可能性がある。このような樹脂(樹脂の粉塵)とは、樹脂材料を成形型に搬送する際に、成形型に移送されず搬送機構に付着する残りカス(残滓)のことである。搬送機構に付着する樹脂の粉塵を除去しないまま、その搬送機構によって樹脂材料を搬送して樹脂成形品を製造すると、樹脂により樹脂成形装置内が汚染され、不良品発生の原因となってしまうことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明のクリーニング機構は、固形樹脂を保持部で保持して樹脂成形部に搬入する搬入機構の前記保持部を吸引する吸引機構と、上下に駆動されるブラシと、前記保持部を覆うカバーとを備える。
【0006】
本発明の樹脂成形装置は、前記クリーニング機構と、前記保持部が設けられた前記搬入機構と、前記搬入機構により搬入される固形樹脂を用いて樹脂成形する樹脂成形部とを備える。
【0007】
本発明の樹脂成形品の製造方法は、前記樹脂成形装置を用いて樹脂成形品を製造する方法であって、前記搬入機構が搬入した固形樹脂を用いて樹脂成形する樹脂成形工程と、前記搬入機構の前記保持部を前記クリーニング機構でクリーニングするクリーニング工程と、前記クリーニング工程でクリーニングされた前記搬入機構が固形樹脂を保持して成形型に搬入する搬入工程とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、樹脂の粉塵が周囲に飛散することを低減し、樹脂を保持する保持部の内側に付着した樹脂の粉塵を除去する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の樹脂成形装置の構成を模式的に示す平面図である。
図2】本実施形態の搬入機構を模式的に示す側面図である。
図3】本実施形態の搬入機構を模式的に示す上面図である。
図4】本実施形態の搬入機構を模式的に示す上面図の切断線A-Aで切断した場合の断面図である。
図5】本実施形態の樹脂成形部を模式的に示す側面図である。
図6】本実施形態のクリーニング機構を模式的に示す側面図である。
図7】本実施形態のクリーニング機構を模式的に示す平面図である。
図8】本実施形態のクリーニング機構を模式的に示す平面図の切断線B-Bで切断した場合の断面図である。
図9】本実施形態のクリーニング機構によるクリーニング動作の様子を示す側面図である。
図10】実施形態のクリーニング機構によるクリーニング動作の様子を示す側面図の切断線C-Cで切断した場合の断面図である。
図11】実施形態のクリーニング機構によるクリーニング動作の様子を示す側面図の切断線D-Dで切断した場合の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
<樹脂成形装置100の全体構成>
本実施形態の樹脂成形装置100は、トランスファモールド法を使用した樹脂成形装置である。この樹脂成形装置は、例えば、半導体チップが接続された基板を樹脂成形するものであり、樹脂材料として円柱状をなすタブレット状の熱硬化性樹脂(以下、「樹脂タブレット」という。)を使用するものである。
【0012】
なお、「基板」としては、シリコンウェーハ等の半導体基板、プリント配線基板、金属製基板、樹脂製基板、ガラス製基板、セラミック製基板などの一般的な基板及びリードフレームを挙げることができる。また、基板は、FOWLP(Fan Out Wafer Level Packaging)、FOPLP(Fan Out Panel Level Packaging)に用いられるキャリアであってもよい。さらにいえば、配線がすでに施されているものでもよいし、未配線のものでもよい。
【0013】
具体的に樹脂成形装置100は、図1に示すように、樹脂封止前の基板Wおよび樹脂タブレットTを供給する供給モジュールAと、樹脂成形部に相当し樹脂成形する樹脂成形モジュールBと、樹脂成形品を搬出するための搬出モジュールCと、制御部COMとを、それぞれ構成要素として備えている。なお、構成要素である供給モジュールAと、樹脂成形モジュールBと、搬出モジュールCとは、それぞれ他の構成要素に対して互いに着脱されることができ、かつ、交換されることができる。また、樹脂成形モジュールBを2つまたは3つに増やすなど、各モジュールを増減することもできる。
【0014】
また、樹脂成形装置100は、供給モジュールAにより供給される基板W及び樹脂タブレットTを樹脂成形モジュールBに一括して搬入する搬入機構1(以下、「ローダ1」という。)と、樹脂成形モジュールBにより樹脂成形された樹脂成形品を搬出モジュールCに搬出する搬出機構2(以下、「アンローダ2」という。)とを備えている。
【0015】
ローダ1は、図2に示すように、基板Wを保持する基板保持部11と、樹脂タブレットTを保持する樹脂保持部12とを備えている。
【0016】
ローダ1には、基板保持部11が両端に、樹脂保持部12が中央部にそれぞれ配置される。図3に示すように、ローダ1は、2枚の基板Wを保持する基板保持部11と、3個の樹脂タブレットを保持する樹脂保持部12とを備えている。なお、成形型6に供給する基板Wの枚数および樹脂タブレットの個数に応じて、基板保持部11および樹脂保持部12の個数を変更してもよい。
【0017】
基板保持部11は、基板Wを搬入中に、基板Wを予備加熱するためのヒータを設けてもよい。これにより、樹脂成形する際に基板Wの温度が均一化されて、不均一に熱膨張することで基板が反ることを抑制できる。
【0018】
樹脂保持部12は、図2~4に示すように、樹脂タブレットTを支持するピン状の4本のガイド部材12aと開閉部材であるシャッタ12bとを備えている。シャッタ12bは駆動機構(不図示)によって開閉可能である。シャッタ12bはL字状に形成され、4本のガイド部材12aによって支持された樹脂タブレットTが閉状態で樹脂タブレットTの底面を支持して保持する。なお、ガイド部材12aの数は4本でなくてもよく、3本以上であればよい。
【0019】
本実施形態の供給モジュールAは、基板供給機構3、樹脂供給機構4と、クリーニング機構5とを備えている。
【0020】
基板供給機構3は、基板送出部31と、基板供給部32を有している。基板送出部31は、基板供給部32に基板Wを送り出すものである。基板供給部32は、基板送出部31から基板Wを受け取り、受け取った基板Wを所定方向に整列させて、ローダ1に受け渡すものである。
【0021】
樹脂供給機構4は、樹脂送出部41と、樹脂供給部42とを有している。樹脂送出部41は、樹脂供給部42に樹脂タブレットTを送り出すものである。樹脂供給部42は、樹脂送出部41から樹脂タブレットTを受け取り、受け取った樹脂タブレットTを所定方向に整列させて、ローダ1に受け渡すものである。
【0022】
クリーニング機構5は、ローダ1が樹脂成形モジュールBに基板W及び樹脂タブレットTを搬入した後、ローダ1に設けられた樹脂タブレットTを保持する保持部11を後述するようにクリーニングするものである。
【0023】
樹脂成形モジュールBは、成形型6と型締め機構7とを有している。成形型6は、図5に示すように、昇降可能な下型61と、下型61の上方に対向して固定された上型62と、下型61及び上型62を型締めするための型締め機構7とを有している。下型61は、可動盤63の上面に固定されており、上型62は、上部固定盤64の下面に固定されている。型締め機構7は、可動盤63を上下移動させることによって、上型62及び下型61を型締め又は型開きするものである。
【0024】
下型61には、ローダ1により搬入された基板Wが配置される上面61aと、ローダ1により搬入された樹脂タブレットTが供給される複数のポット61bが形成されている。また、下型61には、ポット61b内に樹脂タブレットTを例えば上型62に形成された樹脂通路62a及びキャビティ62bに注入するためのプランジャ61cが設けられている。
【0025】
その他、上型62と下型61とには、それぞれヒータ等の加熱部65が埋め込まれている。この加熱部により上型62及び下型61は、通常は180℃程度に加熱される。
【0026】
制御部COMは、少なくともクリーニング機構5を制御するように構成されている。制御部COMは、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行うように構成されている。なお、制御部COMは、樹脂成形装置全体を制御するように構成されてもよい。
【0027】
<樹脂成形装置100の樹脂成形動作>
以下、本実施形態の樹脂成形装置100の樹脂成形の基本動作を説明する。
【0028】
図1に示すように、基板送出部31は、マガジン内の基板Wを基板供給部32に送り出す。基板供給部32は、受け取った基板Wを所定の方向へ整列させて、ローダ1に引き渡す。これと並行して、樹脂送出部41は、樹脂タブレットTを樹脂供給部42に送り出す。樹脂供給部42は、受け取った樹脂タブレットTのうち必要な個数(図1では3個)をローダ1に引き渡す。
【0029】
次に、ローダ1が、受け取った2枚の基板Wと3個の樹脂タブレットTとを、成形型6へ同時に搬入する。ローダ1は、基板Wを下型61の上面61aに、樹脂タブレットTを下型61に形成されたポット61bの内部に、それぞれ供給する。このとき、ローダ1の樹脂保持部12に設けられたシャッタ12bを開状態にすることにより、樹脂タブレットTを樹脂保持部12から落下させて、成形型6のポット61bに供給することができる。
【0030】
その後、型締め機構7を用いて上型62と下型61とを型締めする。そして、各ポット61b内の樹脂タブレットTを加熱して溶融させて溶融樹脂を生成し、プランジャ61cによって溶融樹脂を押圧する。これにより、溶融樹脂は、樹脂通路62aを通して上型62に形成されたキャビティ62bの内部に注入される。引き続き、硬化に必要な所要時間だけ溶融樹脂を加熱することによって、溶融樹脂を硬化させて硬化樹脂を形成する。これにより、キャビティ62b内の半導体チップとその周辺の基板とは、キャビティ62bの形状に対応して成形された硬化樹脂(封止樹脂)内に封止される。
【0031】
次に、硬化に必要な時間の経過後において、上型62と下型61とを型開きして、樹脂成形品である封止済基板Pを離型する。その後、アンローダ2を使用して、樹脂成形モジュールBにより樹脂封止された封止済基板(樹脂成形品)を、搬出モジュールCの基板収容部8に収容する。
【0032】
樹脂成形モジュールBで樹脂成形している間に、基板Wおよび樹脂タブレットTを成形型6に搬入し終えたローダ1は、次の樹脂成形に用いる基板Wおよび樹脂タブレットTを成形型6に搬入するために、基板供給部32および樹脂供給部42の位置まで戻る。この所定の位置まで戻る前に、後述するように、クリーニング機構5でローダ1の樹脂保持部12をクリーニングする。
【0033】
<クリーニング機構5の構成>
以下、本実施形態のクリーニング機構5の基本構成を説明する。
【0034】
図6に示すように、クリーニング機構5は、カバー51と、吸引機構52と、ブラシ53とを有している。
【0035】
カバー51は、ローダ1の樹脂保持部12に付着する樹脂の粉塵をクリーニングする際に、周囲に粉塵が飛散することを低減するものである。図6図8で示すように、各カバー51は、ローダ1の樹脂保持部12の数に対応した数だけ設けられている。カバー51は、樹脂保持部12のガイド部材12aを覆い、シャッタ12bをカバー51に接触しないようにカバー51の側面に切欠き部51a(図9参照)を設けている。なお、カバー51の形状は、円筒状でも角筒状でもよい。また、カバー51の材質は、金属製でも樹脂等の非金属でもよい。ここで、樹脂保持部12は共通のローダ1に複数設けられているが、樹脂保持部12のそれぞれは、カバー51で覆うことができるように分離されていることになる。
【0036】
吸引機構52は、ローダ1の樹脂保持部12に付着する樹脂の粉塵を吸引するものである。吸引機構52は、図8に示すように、集塵機52aと、各カバー51の底部に開口して接続する接続管52bと、集塵機52a及び接続管52bを接続する吸引路52cとを備えている。
【0037】
各接続管52bは、ローダ1の樹脂保持部12の数に対応した数だけ設けられる。なお、各接続管52bの開口位置は上記に限られず、各部における樹脂の粉塵を集塵できる位置であればよい。
【0038】
集塵機52aの動作を開始する(電源を入れる)ことで、接続管52bから樹脂の粉塵を吸引して、集塵機52aの動作を停止することで接続管52bから樹脂の粉塵を吸引することを停止する。
【0039】
ブラシ53は、ローダ1の樹脂保持部12内に挿入して、樹脂保持部12の内側をクリーニングするものである。ブラシ53は、支持部54により支持されている。支持部54は、ブラシ53の下端で連結されており、ブラシ53を同時に上下動させることができる。また、ブラシ53は、たとえば支持部54に接続されたエアシリンダで上下駆動する。
【0040】
ブラシ53は、樹脂保持部12に設けられた4本のガイド部材12aに接触して上下動するように構成されている(図10及び図11参照)。ブラシ53の一例として、ねじりブラシなどが挙げられる。
【0041】
<クリーニング機構5の動作>
以下、本実施形態のクリーニング機構5の基本動作を説明する。ここで説明する動作は、制御部COMで制御する。
【0042】
基板Wおよび樹脂タブレットTを成形型6に搬入し終えたローダ1を、クリーニング機構5上で停止させる。図9に示すように、クリーニング機構5全体が上昇することで、クリーニング機構5のカバー51がローダ1の樹脂保持部12を覆う。これにより、樹脂の粉塵が周囲に飛散することを低減する。また、カバー51で覆うことで、吸引される空間の容積を小さくして、樹脂の粉塵の吸引効率を向上させることができる。
【0043】
次に、カバー51で覆われた樹脂保持部12の内側にクリーニング機構5のブラシ53を挿入する。ブラシ53を数回ほど上下動するとともに、吸引機構52によって樹脂の粉塵を吸引することで、樹脂保持部12の内側に付着する樹脂の粉塵を除去する。なお、ここで、ブラシ53を上下動の繰り返し動作に代えて回転動作させてもよいし、上下動の繰り返しおよび回転の両方の動作をさせてもよい。
【0044】
具体的には、図10および図11で示すように、ブラシ53が樹脂保持部12に設けられた4本のガイド部材12aの内側に接触する。そして、ブラシによって除去された樹脂の粉塵を吸引機構52の接続管52bから吸引することで、効率的に樹脂の粉塵を除去することができる。また、ブラシ53を上下動することで、カバー51内に飛散した樹脂の粉塵も吸引機構52により除去できる。
【0045】
クリーニング機構5による樹脂保持部12のクリーニングが終わると、クリーニング機構5全体を下降させる。クリーニングされたローダ1は、次の樹脂成形に用いる基板Wおよび樹脂タブレットTを成形型6に搬入するために、基板供給部32および樹脂供給部42の位置まで戻る。
【0046】
<他の実施形態>
上記実施形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0047】
上記実施形態のクリーニング機構5において、カバー51は、樹脂保持部12のガイド部材12aを覆い、シャッタ12bをカバー51に接触しないようにカバー51の側面に切欠き部51aを設けている。しかし、切欠き部51aを設けず、樹脂保持部12のガイド部材12a及びシャッタ12bを覆うようにカバー51を設けてもよい。この場合、ブラシ53は、ガイド部材12a及びシャッタ12bに接触するように上下動する構成とする。
【0048】
上記実施形態のクリーニング機構5において、吸引機構52は、集塵機52aを1つ備えていたが、複数(2つ以上)備えてもよい。これにより、より強力に樹脂の粉塵を除去することができる。
【0049】
上記実施形態のクリーニング機構5において、ブラシ53を同時に上下動するように構成していたが、ブラシ53を別々に上下動するように構成してもよい。
【0050】
上記実施形態の樹脂成形装置100において、搬入機構(ローダ1)と搬出機構(アンローダ2)とを別途設けていたが、搬入機構が搬出機構の機能を備えて、搬入機構により搬入と搬出との両方の動作を行われせるように構成してもよい。
【0051】
<実施形態の構成およびその効果>
上記実施形態のクリーニング機構は、固形樹脂を保持部で保持して樹脂成形部に搬入する搬入機構の前記保持部を吸引する吸引機構と、上下に駆動されるブラシと、前記保持部を覆うカバーとを備える。このクリーニング機構によれば、樹脂の粉塵が周囲に飛散することを低減し、樹脂を保持する保持部の内側に付着した樹脂の粉塵を除去することができる。
【0052】
また、上記実施形態の樹脂成形装置は、前記クリーニング機構と、前記保持部が設けられた前記搬入機構と、前記搬入機構により搬入される固形樹脂を用いて樹脂成形する樹脂成形部とを備える。この樹脂成形装置であれば、装置全体に樹脂の粉塵が飛散することを低減し、樹脂を保持する保持部の内側に付着した樹脂の粉塵を除去することができる。
【0053】
具体的な樹脂成形装置の構成として、前記クリーニング機構は、前記搬入機構が前記樹脂成形部に固形樹脂を搬入した後であって、次の樹脂成形で用いる固形樹脂を保持する前にクリーニングする。この構成であれば、装置全体に樹脂の粉塵が飛散することを低減し、樹脂を保持する保持部の内側に付着した樹脂の粉塵を除去することができる。
【0054】
また、具体的な樹脂成形装置の構成として、複数の前記保持部が共通の前記搬入機構に設けられるとともに、前記ブラシおよび前記カバーが前記保持部の数に対応して設けられ、それぞれの前記保持部は、前記カバーにより覆うことができるように分離されている。この構成であれば、保持部をカバーにより覆う構成を使用することが容易となり、効果的に樹脂の粉塵が飛散することを低減することができる。
【0055】
さらに、具体的な樹脂成形装置の構成として、それぞれの前記保持部は、複数のピン状のガイド部材を含む。この構成であれば、保持部に対する固形樹脂の接触面積を低減して、効果的に樹脂の粉塵が飛散することを低減することができる。
【0056】
また、上記実施形態の樹脂成形品の製造方法は、前記樹脂成形装置を用いて樹脂成形品を製造する方法であって、前記搬入機構が搬入した固形樹脂を用いて樹脂成形する樹脂成形工程と、前記搬入機構の前記保持部を前記クリーニング機構でクリーニングするクリーニング工程と、前記クリーニング工程でクリーニングされた前記搬入機構が固形樹脂を保持して成形型に搬入する搬入工程とを含む。この樹脂成形品の製造方法であれば、樹脂の粉塵が周囲に飛散することを低減し、不良品の発生を低減することができる。
【0057】
以上、本発明の実施形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明および添付の図面が開示された。よって、詳細な説明および添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明および添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0058】
また、上記実施形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0059】
100・・・樹脂成形装置
1・・・搬入機構(ローダ)
2・・・搬出機構(アンローダ)
5・・・クリーニング機構
51・・・カバー
52・・・吸引機構
53・・・ブラシ
6・・・成形型
A・・・供給モジュール
B・・・樹脂成形モジュール(樹脂成形部)
C・・・搬出モジュール
W・・・基板
T・・・樹脂タブレット

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11