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特許7417541モバイルコンピューティング装置の位置データ送信スケジューリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】モバイルコンピューティング装置の位置データ送信スケジューリング
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20240111BHJP
   H04W 4/02 20180101ALI20240111BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240111BHJP
【FI】
H04W52/02 111
H04W4/02
H04W52/02 130
H04W64/00 171
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020559360
(86)(22)【出願日】2019-04-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 US2019028789
(87)【国際公開番号】W WO2019209872
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】15/959,861
(32)【優先日】2018-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513020939
【氏名又は名称】ウーバー テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100123652
【弁理士】
【氏名又は名称】坂野 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】チャン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】スワンソン,キャサリン
【審査官】久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-066908(JP,A)
【文献】特開2005-333547(JP,A)
【文献】特開2012-181087(JP,A)
【文献】特開2015-025810(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルコンピューティング装置において、
ネットワークシステムと通信するためのネットワークインターフェースと、
1つ以上の処理部と、
命令を記憶する1つ以上のメモリリソースと
を含み、
前記命令が前記モバイルコンピューティング装置の前記1つ以上の処理部によって実行された場合に、該命令は、該モバイルコンピューティング装置を、
デフォルトモードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに周期的に送信させ、前記位置データを該ネットワークシステムに送信することで、該ネットワークシステムによって管理されるネットワーク型サービスを実行させ、
前記デフォルトモードで動作する間に、(i)前記モバイルコンピューティング装置の電力状態、および、(ii)前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、節電モードで動作させて該モバイルコンピューティング装置の位置データを前記1つ以上のネットワークを通して該ネットワークシステムに送信するかを決定させ、
前記節電モードで動作させると決定された場合には、該節電モードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、前記1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、該デフォルトモードで動作する時より低い頻度で、周期的に送信させるものであり、
前記ネットワーク型サービスに関する情報は、サービス進捗情報および、サービスの種類に関する情報のいずれかを含む装置。
【請求項2】
前記モバイルコンピューティング装置の前記電力状態は、(i)該モバイルコンピューティング装置が外部電源に接続されているかを示すこと、または、(ii)該モバイルコンピューティング装置のバッテリーレベルが閾値レベルより低いかを示すことの1つ以上に対応するものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項3】
前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する前記情報は、(i)サービス提供者の状態、(ii)要求しているユーザの状態、(iii)サービスのクラスまたは種類、(iv)前記サービス提供者の提供可能性、または、(v)該サービス提供者の該ネットワーク型サービスに関連した位置への推定到着時間の1つ以上に対応するものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項4】
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置の装置モデル情報に基づくものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項5】
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に基づくものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項6】
前記実行された命令は、更に、前記モバイルコンピューティング装置に、
前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に対応するデータに基づく機械学習モデルを生成させ、
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記機械学習モデルに基づくものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項7】
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク接続メトリックに基づくものであり、
前記ネットワーク接続メトリックは、(i)信号強度、(ii)信号対雑音比(SNR)、(iii)ネットワーク遅延、または、(iv)前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク帯域幅の1つ以上に対応するものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項8】
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置が既知の位置に関連した無線信号を検出することに基づくものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項9】
前記デフォルトモードで動作する間に、前記モバイルコンピューティング装置の位置データに基づいて、該モバイルコンピューティング装置の第1の時間における第1の位置、および、該モバイルコンピューティング装置の前記第1の時間より後の第2の時間における第2の位置を特定し、更に、前記第1の位置および前記第2の位置に基づいて、距離測定値を計算するものであり、
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記距離測定値に基づくものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項10】
前記実行された命令は、更に、前記モバイルコンピューティング装置に、
前記デフォルトモードまたは前記節電モードで動作する間に、第3のモードで動作すると決定させ、
前記第3のモードで動作する決定に応じて、該第3のモードで動作して、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、前記デフォルトモードで動作する時より高い頻度で、周期的に送信するものである、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【請求項11】
コンピュータで実施されるモバイルコンピューティング装置の位置データ送信方法において、
前記方法は、前記モバイルコンピューティング装置によって行われるものであり、
デフォルトモードで動作して、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通してネットワークシステムに周期的に送信し、前記位置データを前記ネットワークシステムに送信することで、該ネットワークシステムによって管理されるネットワーク型サービスを実行する工程と、
前記デフォルトモードで動作する間に、(i)前記モバイルコンピューティング装置の電力状態、および、(ii)前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、節電モードで動作して該モバイルコンピューティング装置の位置データを前記1つ以上のネットワークを通して該ネットワークシステムに送信するかを決定する工程と、
前記デフォルトモードで動作する間に前記節電モードで動作すると決定した場合には、該節電モードで動作して、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、前記1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、該デフォルトモードで動作する時より低い頻度で、周期的に送信する工程と
を含み、
前記ネットワーク型サービスに関する情報は、サービス進捗情報および、サービスの種類に関する情報のいずれかを含む方法。
【請求項12】
前記モバイルコンピューティング装置の前記電力状態は、(i)該モバイルコンピューティング装置が外部電源に接続されているかを示すこと、または、(ii)該モバイルコンピューティング装置のバッテリーレベルが閾値レベルより低いかを示すことの1つ以上に対応するものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項13】
前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する前記情報は、(i)サービス提供者の状態、(ii)要求しているユーザの状態、(iii)サービスのクラスまたは種類、(iv)前記サービス提供者の提供可能性、または、(v)該サービス提供者の該ネットワーク型サービスに関連した位置への推定到着時間の1つ以上に対応するものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項14】
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置の装置モデル情報に基づくものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項15】
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に基づくものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項16】
前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に対応するデータに基づく機械学習モデルを生成する工程を、
更に含み、
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記機械学習モデルに基づくものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項17】
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク接続メトリックに基づくものであり、
前記ネットワーク接続メトリックは、(i)信号強度、(ii)信号対雑音比(SNR)、(iii)ネットワーク遅延、または、(iv)前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク帯域幅の1つ以上に対応するものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項18】
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置が既知の位置に関連した無線信号を検出することに基づくものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項19】
前記デフォルトモードで動作する間に、前記モバイルコンピューティング装置の位置データに基づいて、該モバイルコンピューティング装置の第1の時間における第1の位置、および、該モバイルコンピューティング装置の前記第1の時間より後の第2の時間における第2の位置を特定する工程と、
前記第1の位置および前記第2の位置に基づいて、距離測定値を計算する工程と
を更に含み、
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記距離測定値に基づくものである、請求項11に記載のコンピュータで実施される方法。
【請求項20】
命令を記憶した非一時的なコンピュータ読取り可能媒体において、
前記命令がモバイルコンピューティング装置の1つ以上の処理部によって実行された場合に、該命令は、前記モバイルコンピューティング装置を、
デフォルトモードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通してネットワークシステムに周期的に送信させ、前記位置データを前記ネットワークシステムに送信することで、該ネットワークシステムによって管理されるネットワーク型サービスを実行させ、
前記デフォルトモードで動作する間に、(i)前記モバイルコンピューティング装置の電力状態、および、(ii)前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、節電モードで動作させて該モバイルコンピューティング装置の位置データを前記1つ以上のネットワークを通して該ネットワークシステムに送信するかを決定させ、
前記デフォルトモードで動作する間に前記節電モードで動作させると決定された場合には、該節電モードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、前記1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、該デフォルトモードで動作する時より低い頻度で、周期的に送信させるものであり、
前記ネットワーク型サービスに関する情報は、サービス進捗情報および、サービスの種類に関する情報のいずれかを含む媒体。
【請求項21】
前記サービス進捗情報は、サービス提供者の状態、要求しているユーザの状態、サービス提供者のサービス位置へのETA(Estimated Time of Arrival)、行先位置へのETA、およびサービス提供者に関連した特定情報のいずれかを含み、
前記サービスの種類は、ライドシェアサービス、エコノミーサービス、ラグジュアリーサービス、プロのサービス提供者サービス、自動運転車サービスを含む、請求項1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2018年4月23日出願の米国特許出願第15/959,861号の優先権の利益を主張し、上記出願は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本願は、モバイルコンピューティング装置の位置データの送信スケジューリングに関する。
【背景技術】
【0003】
ネットワーク型サービスは、ユーザが、モバイルコンピューティング装置上のアプリケーションを通して様々なサービスを要求したり、受けたりするのを可能にしうる。ネットワーク型サービスは、サービス提供者の現在位置、並びに、要求しているユーザによって指定されるか、または、要求しているユーザの現在位置に基づいて特定したサービス位置に基づいて、サービス提供者を、要求しているユーザとマッチングさせうる。
【0004】
本明細書の開示は、例示にすぎず、限定するものではなく、添付の図面において、同様の要素を称するのに、類似の参照番号を用いている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】ネットワーク型サービスを管理する本明細書に記載の例による例示的なネットワークシステムを示すブロック図である。
図2】ネットワークシステムと通信する本明細書に記載の例による例示的なモバイルコンピューティングシステムを示すブロック図である。
図3】ネットワーク型サービスに関連して、本明細書に記載の例により、位置データをネットワークシステムに送信する例示的な方法を示すフローチャートである。
図4】本明細書に記載の例を実施しうるコンピュータシステムを示すブロック図である。
図5】本明細書に記載のように、位置データをネットワークシステムに周期的に送信可能な例示的なモバイルコンピューティング装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書に記載の例は、位置データ(例えば、現在位置、位置履歴など)を、ネットワーク型サービスを所定の地理的領域範囲(例えば、サンフランシスコ、ニューヨーク市など)で管理するネットワークシステムに、1つ以上のネットワーク(例えば、セルラーデータネットワーク、Wi‐Fiネットワークなど)を通して送信しうるモバイルコンピューティング装置のためのものである。ネットワーク型サービスの例は、オンデマンド輸送サービス、配達サービス、運送サービスなどを含みうる。モバイルコンピューティング装置は、ネットワーク型サービスを要求するユーザによって操作されるユーザの装置、または、サービス要求を満たしうるサービス提供者によって操作される装置でありうる。ネットワーク型サービスを管理するために、ネットワークシステムは、提供者の装置およびユーザの装置を含む複数のモバイルコンピューティング装置と、1つ以上のネットワークを通して通信し、提供可能なサービス提供者(例えば、ドライバー、運送業者、および/または、自動運転車(AV))を、要求しているユーザ(例えば、乗客、サービス要求者など)と、サービス地域(例えば、ネットワークサービスがネットワークシステムによって管理される所定の地理的領域範囲)中で結び付けうる。提供者の装置およびユーザの装置は、各々のアプリケーション(例えば、提供者のアプリケーション、ユーザのアプリケーション)を実行して、例えば、サービスの要求をネットワークシステムに送信、依頼を受諾して要求されたサービスを提供、ネットワーク型サービスに関する情報を表示することなどによって、ネットワーク型サービスを容易にしうる。
【0007】
様々な態様において、ユーザの装置および提供者の装置は、位置データを生成して、各々の位置データをネットワークシステムに送信するように構成されうる。位置データは、ユーザの装置および提供者の装置の位置認識リソースによって生成されうる。例えば、モバイルコンピューティング装置(例えば、ユーザの装置または提供者の装置)は、全地球位置把握システム(GPS)受信部、または、モバイルコンピューティング装置の正確な地理的位置を示すデータを生成しうる他の位置認識リソース(例えば、GLONASS受信部、Galileo受信部、または、BeiDou受信部など)を含みうる。モバイルコンピューティング装置は、位置データを、(例えば、セルラー、Wi-Fi、または、Bluetooth接続を介した)通信インターフェースを用いても生成しうる。ユーザの装置および提供者の装置から位置データが送信されることにより、ネットワークシステムは、ネットワークサービスの管理のためにユーザおよびサービス提供者の位置の特定が可能になる。例えば、ユーザの装置によって送信された位置データに基づいて、ネットワークシステムは、オンデマンド輸送サービスの要求の開始位置、または、配達サービスの要求の配達位置を特定しうる。同様に、ネットワークシステムは、提供者の装置によって送信された位置データに基づいて(例えば、サービス提供者位置の開始位置への近接度に基づいて)、そのサービス提供者を、ネットワーク型サービスの要求にサービスを提供するために選択するかを決定しうる。
【0008】
実施形態によれば、モバイルコンピューティング装置(例えば、ユーザの装置または提供者の装置)は、位置データを、ネットワークシステムに、1つ以上の位置データ送信レートで周期的に送信しうる。ある実施形態において、提供者および/またはユーザのアプリケーションは、デフォルト位置データ送信レートを画定しうる。更に、デフォルトによって、モバイルコンピューティング装置は、通常動作モードで動作して、位置データを、ネットワークシステムに、デフォルト位置データ送信レートで送信して、ネットワーク型サービスを容易にしうる。例えば、モバイルコンピューティング装置は、位置データを、デフォルト位置データ送信レートで、4秒毎に送信しうる。提供者および/またはユーザのアプリケーションは、位置データがネットワークシステムにデフォルト位置データ送信レートより低い頻度で送信されるものである、低下させた位置データ送信レートも画定しうる。このようにして、モバイルコンピューティング装置は、低電力動作モードに入り位置データを低下させた位置データ送信レートで送信するように動的に決定することによって、電力および/またはネットワークデータ使用量を節約しうる。その代わりに、または、追加で、デフォルト、および/または、低下させた位置データ送信レートを、モバイルコンピューティング装置のハードウェアまたはオペレーティングシステムによって画定しうる。更に、ネットワーク型サービスは、デフォルト、および/または、低下させた送信レートを、地理的位置、装置の種類、装置のハードウェア情報などに基づいて変化させうる。ある例において、モバイルコンピューティング装置は、位置データ送信レートを、本明細書に記載の1つ以上の要因(例えば、サービス進捗情報、ネットワーク接続メトリック、装置情報、バッテリー使用量履歴、地理的位置、位置データで示した移動速度など)に基づいても、動的に変化させうる。いくつかの実施形態において、低下させた位置データ送信レートは、位置データのネットワークシステムへの送信の停止に対応しうる。
【0009】
様々な実施形態によれば、モバイルコンピューティング装置は、モバイルコンピューティング装置で専用アプリケーション(例えば、提供者またはユーザのアプリケーション)が実行されると、位置データをネットワークシステムに送信し始めうる。ネットワーク型サービスについての専用アプリケーションが初期化されると、モバイルコンピューティング装置は、デフォルトモードで動作して、位置データを、ネットワークシステムに、1つ以上のネットワークを通して、デフォルト位置データ送信レートで送信しうる。この最初のモードで動作する間に、専用アプリケーションは、モバイルコンピューティング装置を節電モードにさせて、バッテリー電力、および/または、ネットワークデータ使用量を節約するかを決定しうる。モバイルコンピューティング装置が節電モードで動作し始めると、位置データは、ネットワークシステムに、低下させた位置データ送信レートで送信される。
【0010】
本明細書に記載のように、専用アプリケーション、および/または、モバイルコンピューティング装置は、モバイルコンピューティング装置の装置電力状態、ネットワークシステムによって管理されるネットワークサービスに関する情報(例えば、サービス状態、サービス進捗情報など)、モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴、位置データによって示されるモバイルコンピューティング装置の速度、モバイルコンピューティング装置のネットワーク接続、ネットワーク接続メトリック、GPS(または、GLONASSなどの等価物)信号強度、モバイルコンピューティング装置に関する他の情報(例えば、装置モデル、装置種類など)などの様々な情報または組合せに基づいて、節電モードに入り位置データを低下させた位置データ送信レートで送信するかを決定しうる。このように、モバイルコンピューティング装置が位置データをネットワークシステムに送信するレートを、様々な利用可能な情報に基づいて、動的に調節しうる。例えば、ネットワークシステムが、モバイルコンピューティング装置によって生成される位置データ以外の情報を用いて、モバイルコンピューティング装置の位置を十分な精度で推定しうる場合に、データ送信レートを動的に調節して、位置データが、ネットワークシステムに、より低い頻度で送信される(または、全く送信されない)ようにしうる。他の例として、ネットワークサービスが、モバイルコンピューティング装置からの頻繁な位置の更新を必要としない場合に、位置データ送信レートを同様に調節して、位置データが、より低い頻度で送信されるようにしうる。更に、様々な利用可能な情報に基づいて、モバイルコンピューティング装置は、位置データについて、モバイルコンピューティング装置の位置認識リソース(例えば、GPS、および/または、GLONASS受信部など)がポーリングされる位置ポーリングレートを調節しうる。したがって、位置データがネットワークシステムに送信される頻度を動的に調節するのに追加で、モバイルコンピューティング装置は、位置認識リソースが起動される頻度を動的に調節するように構成されうる。
【0011】
1つの態様において、モバイルコンピューティング装置は、モバイルコンピューティング装置の電力状態に基づいて、節電モードに入ると決定しうる。電力状態は、装置が外部電源に接続されているか、および/または、装置の内蔵バッテリーの現在のレベルに関する情報を含みうる。1つの変形例において、モバイルコンピューティング装置は、装置が外部電源に接続されているか、装置のバッテリーレベルが閾値(例えば、フル充電容量の30%または50%)以上の間は、デフォルト位置データ送信レートを維持するように構成されうる。モバイルコンピューティング装置は、少なくとも部分的には、装置が外部電源から外されているか、および/または、バッテリーレベルが閾値レベルより低く低下したことを示す電力状態情報に基づいて、位置データ送信レートを低下させると決定しうる。
【0012】
他の態様において、モバイルコンピューティング装置は、ネットワーク型サービスに関する情報に基づいて、節電モードに入ると決定しうる。情報は、ネットワークシステムから受信されるか、装置上で実行される提供者のアプリケーションまたはユーザのアプリケーションによって、その場で生成されうる。ネットワーク型サービスに関する情報は、サービス進捗情報(例えば、サービス提供者の状態、要求しているユーザの状態、サービス位置へのETA、行先位置へのETAなど)でありうる。サービス提供者の装置のコンテキストにおいて、装置は、位置データ送信レートを、例えば、装置を操作するサービス提供者の状態に基づいて調節すると決定しうる。第1の場合において、サービス進捗情報は、更に、サービス提供者が、要求しているユーザと合流し、現在、輸送サービスをユーザに提供していることを示しうる。この場合、ネットワークシステムは、非常に正確で最新のサービス提供者の位置データを必要としないことがありうる。したがって、提供者の装置は、少なくとも部分的には、このサービス進捗情報に基づいて、位置データを低下させたレートで送信すると決定しうる。これに対して、第2の場合において、サービス進捗情報は、サービス提供者は、いずれのユーザにもサービスを提供しておらず、ネットワークシステムからの依頼を待っていることを示しうる。この場合、ネットワークシステムが、正確で頻繁に更新した位置データを提供者の装置から受信して、ネットワークシステムが、サービス提供者の位置に基づいて、サービス提供者が特定のサービス要求を満たす最適なサービス提供者であるかを効果的に決定できるようにするのが望ましいことがありうる。したがって、提供者の装置は、少なくとも部分的には、このサービス進捗情報に基づいて、デフォルトレートでの位置データの送信を維持すると決定しうる。いくつかの例において、位置データ送信レートを調節するかを決定するのにモバイルコンピューティング装置によって用いられるネットワーク型サービスに関する情報は、サービスの種類を含みうる。例えば、サービス提供者は、配達サービスの運送業者、および、輸送サービスのドライバーとして活動しうる。更に、装置は、サービス提供者が、現在、配達サービスの運送業者、または、輸送サービスのドライバーとして活動しているかに基づいて、位置データ送信レートを調節すると決定しうる。
【0013】
他の態様において、モバイルコンピューティング装置は、1つ以上のネットワーク接続の接続メトリック、および/または、信号強度情報に基づいて、節電モードに入ると決定しうる。1つの例において、モバイルコンピューティング装置は、位置データをネットワークシステムに送信するのに用いられるネットワーク接続(例えば、セルラーデータ接続)の接続メトリックが、ある閾値より低いことに基づいて、位置データ送信レートを動的に低下させうる。接続メトリックは、遅延、データ帯域幅またはスループット、パケット損失などを示すものでありうる。他の例において、モバイルコンピューティング装置は、位置データ送信レートを、モバイルコンピューティング装置の位置認識リソースが閾値より低いことに関連した信号強度情報に基づいて、動的に低下させうる。したがって、提供者またはユーザの装置は、位置データ送信レートを、少なくとも部分的には、装置がセルラーデータ接続性が悪い地域またはGPS信号受信が悪い地域に入るかに基づいて、低下させるように構成されうる。
【0014】
他の1つの態様において、モバイルコンピューティング装置は、モバイルコンピューティング装置の1つ以上の無線接続に基づいて、節電モードに入ると決定しうる。1つの変形例において、モバイルコンピューティング装置は、位置データ送信レートを、1つ以上のWi-Fi、Bluetooth、NFC、または、他の無線接続に基づいて、動的に調節するように構成されうる。例えば、ネットワーク型配達サービスの運送業者として活動しているサービス提供者が、売り手の所に到着し、要求しているユーザによって選択された物をピックアップする時に、サービス提供者によって操作される提供者の装置は、売り手の所で、Wi-Fiネットワークに接続するか、売り手の所に位置する装置へのBluetooth接続を開始しうる(例えば、ネットワーク型配達サービスに関連したBluetooth通信可能ビーコン)。売り手の所に位置する装置とのWi-FiまたはBluetooth接続が確立したことに応じて、モバイルコンピューティング装置は、位置データ送信レートを動的に低下させて、位置データが、より低い頻度で送信されるようにしうる。変形例において、そのような無線接続を維持しつつ、モバイルコンピューティング装置は、節電モードに入り、位置認識リソース(例えば、GPS、GLONASSなど)によって生成された位置データのネットワークシステムへの送信を完全に停止するように構成されうる。モバイルコンピューティング装置は、Wi-FiまたはBluetooth接続が終了したことに応じて、位置データのネットワークシステムへの送信を(例えば、節電モードを止めることによって)(例えば、位置データ送信レートを、デフォルトレートに調節することによって)再開するように構成されうる。
【0015】
更に他の態様において、モバイルコンピューティング装置は、モバイル装置の位置の変化速度に基づいて、節電モードに入るように決定しうる。例えば、モバイルコンピューティング装置は、位置認識リソースによって生成された位置データに基づいて、第1の時間における装置の第1の位置、および、第1の時間より後の第2の時間における第2の位置を特定しうる。装置は、第1の位置と第2の位置の間の距離を計算して、モバイル装置が移動している速度を特定しうる。このように、モバイルコンピューティング装置は、モバイルコンピューティング装置は速度の閾値より低い速度で移動していることに基づいて、節電モードに入り位置データをネットワークシステムに低下させた位置データ送信レートで送信すると決定しうる。そのような場合において、装置は比較的ゆっくりと移動しているので(例えば、提供者が交通渋滞に巻き込まれるなど)、装置の位置精度をあまり犠牲にすることなく、低下させた位置データ送信レートを用いて、それにより、節電を実現しうる。
【0016】
実施形態によれば、モバイルコンピューティング装置は、特定のモバイルコンピューティング装置に特有の情報に基づいて、節電モードに入ると決定しうる。1つの変形例において、位置データ送信レートを、装置の種類(例えば、携帯電話、タブレットコンピュータなど)に基づいて調節しうる。他の変形例において、位置データ送信レートを、モバイルコンピューティング装置の装置モデルに基づいて調節しうる。追加で、または、代わりに、位置データ送信レートを、装置のバッテリー使用量履歴に基づいて調節しうる。例えば、装置のバッテリー使用量の機械学習モデルを、装置がネットワーク型サービスに関連して使用される時間に生成して、位置データ送信レートを、機械学習モデルに基づいて調節しうる。
【0017】
ある実施形態によれば、専用アプリケーション、および/または、モバイルコンピューティング装置は、位置データ送信レートを、様々なパラメータおよび情報に基づいて調節すると決定しうる。装置は、複数のパラメータの多変量解析を行って、位置データ送信レートを調節するか決定しうる。その結果、ある状況において、あるパラメータ値(例えば、バッテリーレベルが閾値より低いこと)により、装置に、位置データ送信レートを調節すると決定させうる。他の状況において、同じパラメータ値と他のパラメータ(例えば、サービス進捗情報)の組合せにより、装置に、位置データ送信レートを調節しないと決定させうる。上記動作の例を、電力状態パラメータおよびサービス進捗情報について、例示しうる。第1の場合において、装置の電力状態は、装置のバッテリーが閾値レベル(例えば、30%)より低いことを示し、更に、ネットワークシステムから受信したサービス進捗情報は、装置を操作するサービス提供者は、着信サービス要求を満たすように提供可能ではないことを示しうる。これらの2つのパラメータの組合せに基づいて、装置は、位置データ送信レートを、低下させたレートに調節すると決定し、バッテリー節約モードで動作して、バッテリーの電力を節約しうる。第2の場合において、同じ電力状態は、装置のバッテリーが閾値レベルより低いことを示しうるが、サービス進捗情報は、サービス提供者は、着信サービス要求を満たすように提供可能であるか、および/または、特定のサービス要求を満たすのに最適なサービス提供者として、丁度特定されたことを示しうる。そのようなパラメータの組合せに基づいて、装置は、位置データ送信レートを調節しないと決定しうる。このようにして、(例えば、着信サービス要求について最適なサービス提供者として特定され、ネットワークシステムによって生成されたサービス/行先位置への最適な経路を受信する)サービス提供者の正確で最新の位置情報を必要とするネットワークシステムによって、重要な機能が、中断したり、損なわれたりすることなく、確実に行われうる。同時に、ネットワークシステムがサービス提供者の正確で最新の位置情報を必要としない他の状況において、節電を実現しうる。
【0018】
更に、各パラメータを重み付けして、多変量解析を行いうる。パラメータを、装置の過去のバッテリー使用量に基づいて、個々に重み付けしうる。いくつかの変形例において、パラメータを、特定の装置について特に生成された機械学習モデルにより、重み付けしうる。例えば、過去のデータが、装置は、典型的には、(例えば、受信状態が悪いことにより)セルラーデータ接続を維持するのに大量のバッテリー電力を使用することを示す場合には、ネットワーク接続性についてのメトリックは、機械学習モデルで、より大きく重み付けされうる。その結果、装置は、位置データ送信レートを、ネットワーク接続メトリックに基づいて、他の装置と比べて積極的に調節するように構成されうる。更に、過去のデータが、装置のバッテリーは、バッテリーレベルが(例えば、バッテリーの劣化またはバッテリーの経年劣化で)臨界レベルに近づくと、より急速に消耗することを更に示す場合には、電力状態についてのパラメータは、機械学習モデルで、より大きく重み付けされるか、および/または、バッテリーの閾値レベルを、それに合わせて調節するようにしうる。その結果、装置は、位置データ送信レートを、装置の現在のバッテリーレベルに基づいて、他の装置と比べて積極的に調節するように構成されうる。
【0019】
実施形態によれば、節電モードで動作すること、および、位置データ送信レートを変化させることによって、モバイルコンピューティング装置は、処理部または位置認識リソースなどのサブシステムを、節電またはスタンドバイ状態にしうる。例えば、デフォルトモードにおいて、処理部は、位置データについて、位置認識リソースを周期的に(例えば、4秒毎に)ポーリングしうる。デフォルトモードにおいて、位置データのポーリングおよび送信を頻繁に行うことにより、モバイルコンピューティング装置の処理部、位置認識リソース、および、ネットワークサブシステム(例えば、セルラー無線、Wi-Fi無線など)が、各々、スタンドバイモードに入るのを防ぎうる。比較すると、節電モードでは、ネットワークシステムに、より低い頻度で送信することに追加で、位置データも、より低い頻度でポーリングされうる。このようにして、処理部、位置認識リソース、および/または、ネットワークサブシステムは、周期的に、各々、スタンドバイ状態(例えば、処理部について、ディープスリープ状態)になり、エネルギー消費を節約することが可能になりうる。
【0020】
ある実施形態において、モバイルコンピューティング装置は、更に、高精度モードで動作して、位置データを、ネットワークシステムに、デフォルトレートより高いレートで送信しうる。モバイルコンピューティング装置は、本明細書に記載の様々なパラメータに基づいて、この高精度モードで動作すると決定し、更に、その決定に応じて必要なように、デフォルトモードまたは節電モードから、高精度モードに動的に切り換えうる。1つの特定の実施形態において、モバイルコンピューティング装置は、(例えば、装置の位置データに基づいて決定される)モバイルコンピューティング装置が移動する速度に基づいて、高精度モードで動作すると決定しうる。例えば、装置は、装置の速度が閾値レベルより高いことに基づいて、高精度モードで動作すると決定しうる。更に、モバイルコンピューティング装置は、少なくとも部分的には、モバイルコンピューティング装置の電力状態に基づいて、高精度モードで動作するかを更に決定しうる。例えば、モバイルコンピューティング装置は、装置が外部電源に接続されないか、装置のバッテリーレベルが閾値レベルより低いことを示す電力状態に基づいて、高精度モードに切り換えないと決定しうる。高精度モードで動作する間に、モバイルコンピューティング装置は、位置認識リソース(例えば、GPS受信部など)を、デフォルトモードの時より頻繁にポーリングして、より頻繁に更新された位置データを取得して、ネットワークシステムに送信しうる。高精度モードに動的に切り換えて、位置データを、デフォルト位置データ送信レートより高いレートで送信することが可能になることにより、モバイルコンピューティング装置は、(例えば、サービス提供者が高速道路に沿って高速で進行する間に)必要に応じて、ネットワークシステムに、より正確で頻繁に更新された位置データを供給しうる。
【0021】
本明細書に記載の例において、装置が節電モードで動作して、位置データを低下させた位置データ送信レートで送信する場合に、ネットワークシステムは、モバイルコンピューティング装置の位置を特定または推定しうる。ある状況において、ネットワークシステムは、モバイルコンピューティング装置が通信自在に接続されたWi-FiアクセスポイントまたはBluetoothビーコンに関連した、または、それらによって送信される位置情報などの他の情報源を利用しうる。他の状況下で、ネットワークシステムは、モバイルコンピューティング装置の位置を、例えば、モバイルコンピューティング装置の(例えば、装置から送信された位置データまたは他の情報に基づいて)最後に知った位置、モバイルコンピューティング装置の速度、交通情報などに基づいて、推定しうる。
【0022】
本明細書で用いるように、コンピューティング装置は、システムとネットワークを通して通信するためのネットワーク接続性および処理リソースを提供しうるデスクトップコンピュータ、セルラー装置またはスマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、仮想現実(VR)または拡張現実(AR)ヘッドセット、タブレット装置、テレビ(IPテレビ)などに対応する装置のことを称する。コンピューティング装置は、カスタマイズされたハードウェア、車載装置、または、内蔵されたコンピュータなどにも対応しうる。更に、コンピューティング装置は、ネットワークサービスと通信するように構成された専用アプリケーションも動作させうる。
【0023】
本明細書に記載の1つ以上の例によれば、コンピューティング装置によって行われる方法、技術、および、動作は、プログラムで、または、コンピュータを利用した方法として行われる。プログラムでという用語は、本明細書で用いるように、コードまたはコンピュータで実行可能な命令の使用を介することを意味する。これらの命令は、コンピューティング装置の1つ以上のメモリリソースに記憶されうる。プログラムで行われる工程は、自動であっても、自動でなくてもよい。
【0024】
本明細書に記載の1つ以上の例は、プログラムモジュール、エンジン、または、コンポーネントを用いて実施されうる。プログラムモジュール、エンジン、または、コンポーネントは、プログラム、サブルーチン、プログラムの一部、若しくは、1つ以上の記載したタスクまたは機能を行うことが可能なソフトウェアコンポーネントまたはハードウェアコンポーネントを含みうる。本明細書で用いるように、モジュールまたはコンポーネントは、ハードウェアコンポーネント上に、他のモジュールまたはコンポーネントと独立に存在しうる。その代わりに、モジュールまたはコンポーネントは、他のモジュール、プログラム、または、機械と共用の要素または処理でありうる。
【0025】
本明細書に記載のいくつかの例は、概して、処理およびメモリリソースを含むコンピューティング装置の使用を要しうる。例えば、本明細書に記載の1つ以上の例は、全体として、または、部分的に、サーバ、デスクトップコンピュータ、セルラーまたはスマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(例えば、PDA)、ラップトップコンピュータ、VRまたはAR装置、プリンタ、デジタル写真フレーム、ネットワーク装置(例えば、ルータ)、並びに、タブレット装置などのコンピューティング装置上で実施されうる。メモリ、処理、および、ネットワークリソースは、全て、(任意の方法を行うこと、または、任意のシステムの実施と関連して、を含む)本明細書に記載の任意の例の確立、使用、または、性能と関連して使用されうる。
【0026】
更に、本明細書に記載の1つ以上の例は、1つ以上の処理部によって実行される命令の使用を通して実施されうる。これらの命令は、コンピュータ読取り可能媒体に担持されうる。添付の図面に示すか記載した機械は、処理リソース、および、本明細書に開示の例を実施するための命令が担持されるか、および/または、実行されうるコンピュータ読取り可能媒体の例を提供するものである。特に、本発明の例を用いて示した多数の機械は、処理部、および、データおよび命令を保持する様々な形態のメモリを含む。コンピュータ読取り可能媒体の例は、パーソナルコンピュータまたはサーバ上のハードドライブなどの永続的なメモリ記憶装置を含む。コンピュータ記憶媒体の他の例は、CDまたはDVDユニット、フラッシュメモリ(スマートフォン、多機能装置、または、タブレットに搭載されたものなど)、並びに、磁気メモリなどのポータブル記憶ユニットを含む。コンピュータ、端末、ネットワーク接続された装置(例えば、携帯電話などのモバイル装置)は、全て、処理部、メモリ、および、コンピュータ読取り可能媒体に記憶された命令を利用する機械および装置の例である。更に、例は、コンピュータプログラム、または、そのようなプログラムを担持可能でコンピュータが使用しうる担体の形態で実施されうる。
【0027】
システムの説明
図1は、ユーザの装置および提供者の装置と通信する本明細書に記載の例による例示的なネットワークシステムを示すブロック図である。ネットワークシステム100は、要求しているユーザ182を、ユーザのサービス要求183を満たすように提供可能なサービス提供者192と結び付けるオンデマンドネットワークサービス(例えば、オンデマンド輸送サービス、オンデマンド配達サービスなど)を管理しうる。ネットワークシステムは、オンデマンドサービスが、提供可能なサービス提供者192によって、要求しているユーザ182に、ユーザの装置180上で実行されるユーザのアプリケーション181および提供者の装置190上で実行されるサービス提供者のアプリケーション191を通して提供されるのを可能にするプラットフォームを提供しうる。本明細書で用いるように、ユーザの装置180および提供者の装置190は、ネットワークシステム100によって管理されるオンデマンドサービスに対応する専用アプリケーションを実行する機能性を有するコンピューティング装置を含みうる。多数の例において、ユーザの装置180および提供者の装置190は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、VRまたはARヘッドセット、乗物に内蔵されたコンピューティングシステム、スマートウオッチなどのモバイルコンピューティング装置を含みうる。
【0028】
ネットワークシステム100は、ユーザ装置インターフェース115を含み、ユーザの装置180と、1つ以上のネットワーク170を通して、ユーザのアプリケーション181を介して通信しうる。例によれば、ネットワークサービスを利用したいと要求しているユーザ182は、ユーザのアプリケーション181を開いて、サービス要求183を、ネットワーク170を通してネットワークシステム100に送信しうる。ある実施形態において、要求しているユーザ182は、ネットワークシステム100によって管理される多数の異なるサービスの種類を見ることができる。オンデマンド輸送サービスのコンテキストにおいて、サービスの種類は、ライドシェアサービス、エコノミーサービス、ラグジュアリーサービス、プロのサービス提供者サービス(例えば、サービス提供者が認定されている場合)、自動運転車サービスなどを含みうる。ユーザのアプリケーション181は、ユーザ182が、利用可能なサービスの種類をスクロールするのを可能にしうる。特定のサービスの種類をソフトウェアで選択したことに応じて、ネットワークシステム100は、そのサービスの種類について最も近いサービス提供者のETA、および/または、そのサービスの種類について全ての近接した提供可能なサービス提供者の位置を示すETAデータを、ユーザのアプリケーション181のユーザインターフェースで提供しうる。ユーザが、利用可能なサービスの種類をスクロールすると、ユーザインターフェースは、そのサービスの種類についてのサービス提供者を、ユーザ182またはユーザによって設定された開始位置を中心としたマップ上で視覚的に表すように更新されうる。ユーザ182は、ユーザのアプリケーション181のユーザインターフェースと対話型操作を行って、特定のサービスの種類を選択し、サービス要求183を送信しうる。
【0029】
実施形態によれば、ネットワークシステム100は、サービス要求183をユーザの装置180から受信したことに応じて、サービス要求183を満たす候補サービス提供者192を特定しうる選択エンジン130を含みうる。候補サービス提供者192は、要求されたサービスの開始位置に対するサービス提供者192の位置(例えば、サービス位置への距離、サービス位置へのETAなど)、サービス提供者192の提供可能性、サービス提供者192に関連したサービスクラス(例えば、ライドシェアサービス、エコノミー輸送サービス、ラグジュアリー輸送サービス、大量輸送サービスなど)などに基づいて、特定されうる。オンデマンド輸送サービスのコンテキストにおいて、開始位置は、サービス提供者192が、要求しているユーザ182と合流することになる乗車位置でありうる。いくつかの例において、開始位置は、サービス要求183で特定されうる。要求しているユーザ182は、開始位置を、住所として、または、ユーザのアプリケーション181のマップインターフェースに位置ピンを設定することによって入力しうる。開始位置は、要求しているユーザ182の現在位置として、(例えば、ユーザの装置180の位置リソースを用いて)自動で設定されうる。他の例として、オンデマンド配達サービスのコンテキストにおいて、開始位置は、要求しているユーザ182に配達するためにサービス提供者192によって物品がピックアップされるレストラン、または、売り手でありうる。
【0030】
開始位置に追加で、要求183は、サービス位置も示しうる。オンデマンド輸送サービスのコンテキストにおいて、サービス位置は、サービス提供者192がユーザ182を降ろす降車位置でありうる。オンデマンド配達サービスのコンテキストにおいて、サービス位置は、サービス提供者192がユーザ182と合流して、配達を要求された製品または商品を配達する配達位置でありうる。要求しているユーザ182は、ユーザのアプリケーション181を介して、開始位置を入力するのと同様の態様で、(例えば、ユーザのアプリケーション181の対話型マップなどを用いて、住所として)サービス位置を入力しうる。ある実施形態において(例えば、オンデマンド配達サービスについて)、サービス位置は、ユーザ182の現在位置として、自動で設定されうる。
【0031】
様々な態様において、選択エンジン130は、サービス要求183を満たす依頼131を、特定した候補サービス提供者192の提供者装置190に、提供者装置インターフェース120を介して送信しうる。それに応じて、提供者のアプリケーション191は、サービス提供者192に対して、依頼131を受諾または辞退するためのプロンプトを表示しうる。サービス提供者192が依頼131を受諾した場合には、提供者のアプリケーション191は、提供者の装置190に、受諾193をネットワークシステム100に送信させうる。受諾193を提供者の装置190から受信したことに応じて、ネットワークシステム100は、一連の動作を行って、要求されたサービスがサービス提供者192によって遂行されるのを容易にしうる。例えば、ネットワークシステム100は、サービス要求183を満たすのに、サービス提供者192に最適な経路161を生成しうるサービスエンジン125を含みうる。例えば、経路161は、サービス提供者192の現在位置から、サービス要求183に関連した開始位置のセグメント、および、開始位置から、サービス要求183に関連したサービス位置のセグメントを含みうる。経路161は、ライドシェア輸送サービスの他のユーザの降車位置など、他の中間位置も含みうる。提供者装置インターフェース120は、経路161を、提供者の装置190に、1つ以上のネットワーク170を介して送信しうる。
【0032】
ネットワークサービスを管理して、要求しているユーザを、提供可能なサービス提供者と結び付けるために、ネットワークシステム100は、ユーザおよびサービス提供者の位置情報を、1つ以上のネットワーク170を通して、周期的に、または、連続的に受信しうる。例えば、位置エンジン135は、サービス提供者192の位置データ194を周期的に受信して、サービス提供者192を、サービス提供者192の位置に基づいて、所定のサービス要求を満たす候補サービス提供者として特定すべきかを決定しうる。実施形態によれば、提供者の装置190は、位置データ194を、位置データ送信レートで送信するように構成されうる。提供者の装置190は、位置データ送信レートを変化させて、エネルギー消費を節約しうる。例えば、提供者の装置190は、バッテリー電力を節約するために、節電モードで動作して、位置データ送信レートを低下させてうる。同様に、ユーザの装置180は、ユーザ位置データ184を、ネットワークシステム100に、動的に変化させうる位置データ送信レートで周期的に送信しうる。
【0033】
実施形態によれば、位置エンジン135は、ユーザの装置180、および/または、提供者の装置190が節電モードで動作して、各々の位置データを、より低い頻度で送信する場合に、これらの装置の位置を推定するように構成されうる。例えば、位置エンジン135は、提供者の装置190の位置を、最後に受信した提供者位置データ192および(例えば、受信した提供者位置データ192に基づいて測定したような)サービス提供者192の速度に基づいて推定しうる。マップデータも用いて、ユーザの装置180、および/または、サービス提供者の装置190の位置を推定しうる。更に、位置エンジン135は、他の情報を用いて、ユーザの装置180、および/または、提供者の装置190の位置を推定しうる。例えば、提供者の装置190は、既知の位置(例えば、ネットワーク型サービスに関連した売り手)を有するWi-Fiネットワークに接続されて、そのようなWi-Fiネットワークに提供者の装置が接続されていることに基づいて、ネットワークシステム100は、サービス提供者の装置は、その既知の位置に位置すると判断しうる。
【0034】
図2は、ネットワークシステムと通信する本明細書に記載の例による例示的なモバイルコンピューティングシステムを示すブロック図である。以下の図2の記載において、図1について示し記載した特徴および例を参照しうる。例えば、図2のネットワークシステム290は、図1について例示し記載したネットワークシステム100の実施形態でありうる。更に、モバイルコンピューティング装置200の実施形態は、提供者の装置190またはユーザの装置180のいずれでも動作しうるもので、両方とも、図1について示し記載したものである。
【0035】
図2を参照すると、モバイルコンピューティング装置200(または、装置200)は、ネットワークシステム290と、1つ以上のネットワーク280を通して通信するネットワークインターフェース210を含みうる。ネットワークシステム290は、ネットワーク型サービスを管理し、装置200は、サービス提供者によって操作される装置として、または、ユーザによって操作される装置としてのいずれでも機能しうる。提供可能なサービス提供者を要求しているユーザとマッチングさせるのに必要な機能性を、サービス提供者およびユーザに提供するために、装置200はメモリ250(例えば、メモリ、固体ドライブ(SSD)など)にアクセスして、提供者のアプリケーションまたはユーザのアプリケーションでありうる専用サービスアプリケーション256に対応する命令を実行しうる。モバイルコンピューティング装置200は、更に、モバイルコンピューティング装置200のオペレータに関連した様々な態様のネットワーク型サービスを管理するサービスエンジン215を含みうる。そのために、サービスエンジン215は、ネットワークインターフェース210を介して、着信サービスメッセージ291をネットワークシステム290から受信し、更に、発信サービスメッセージ217をネットワークシステム290に送信しうる。更に、サービスエンジン215は、サービスデータ254を、メモリ250から受信しうる。サービスデータ254は、モバイルコンピューティング装置200のオペレータのプロファイルデータに対応しうる。更に、サービスエンジン215は、サービス情報292を、ネットワークシステム290から受信しうる。サービス情報292は、ネットワーク型サービスに関する状態情報でありうる。
【0036】
モバイルコンピューティング装置200のユーザの装置としての実施形態において、サービスアプリケーション256は、モバイルコンピューティング装置200上で実行されるユーザのアプリケーションに対応しうる。ユーザは、ユーザのアプリケーションと対話型操作を行うことによって、要求をネットワーク型サービスに提出しうる。要求は、ネットワークシステム290に、発信サービスメッセージ217として送信されうる。要求は、ネットワークシステム290によって依頼されたサービス提供者が、要求しているユーザと合流するサービス位置を示しうる。オンデマンド輸送サービスのコンテキストにおいて、サービス位置は、乗車位置に対応しうる。要求は、更に、サービス提供者が、要求しているユーザを降車させる行先位置を示しうる。オンデマンド配達サービスのコンテキストにおいて、サービス位置は、サービス提供者が、ユーザに要求された物を届ける位置に対応しうる。サービス位置は、ユーザによって、ユーザのアプリケーションを介して、入力または選択されるか(例えば、マップのユーザインターフェース上で、住所の入力による選択によってなど)、または、モバイルコンピューティング装置200の位置リソース235(例えば、GPS、GLONASS、Galileo、または、BeiDou受信部)によって生成される位置データ236に基づいて決定されうる。要求がネットワークシステム290によって受信されて処理された後に、モバイルコンピューティング装置200は、サービス情報292を受信して、更新および情報を、要求しているユーザに提供しうる。例えば、ユーザのアプリケーションは、サービス情報292に基づいて、ユーザ、および、要求にサービスを提供するのにネットワークシステム290によって特定されたサービス提供者の位置を示すマップを描画しうる。ユーザのアプリケーションは、更に、サービス提供者のサービス位置でのETA、行先位置へのETA、サービス提供者に関連した特定情報(例えば、サービス提供者の車の色、サービス提供者の名前など)などを表示しうる。ユーザの装置は、位置データ226をネットワークシステム290に送信して、ネットワークシステム290が、要求しているユーザの現在位置を反映したサービス情報292を生成可能にしうる。例えば、ネットワークシステム290は、要求しているユーザに対して、位置データ226に基づいて、サービス位置へのターンバイターン方式の歩行方向を生成し、サービス提供者と合流するようにしうる。本明細書に記載のように、ユーザの装置として動作するモバイルコンピューティング装置200は、位置データ226を、ネットワークシステムに、動的に調節された位置データ送信レートで送信して、エネルギー使用量、および/または、ネットワークデータ使用量を節約しうる。
【0037】
モバイルコンピューティング装置200の提供者の装置としての実施形態において、サービスアプリケーション256は、ネットワーク型サービスと関連した提供者のアプリケーションに対応しうる。提供者のアプリケーションがモバイルコンピューティング装置で実行される間(バックグラウンドで実行中か、または、アクティブ状態でフォアグラウンドで実行中)、モバイルコンピューティング装置200は、位置データ226をネットワークシステム290に送信しうる。本明細書に記載のように、提供者の装置として動作するモバイルコンピューティング装置200は、位置データ226を、ネットワークシステムに、動的に調節された位置データ送信レートで送信して、エネルギー使用量、および/または、ネットワークデータ使用量を節約しうる。少なくとも部分的には、位置データ226に基づいて、ネットワークシステム290は、サービス提供者を、要求しているユーザからの所定のサービス要求を満たすのに最適なサービス提供者として特定しうる。ネットワークシステム290は、サービス提供者を、所定の要求について最適なサービス提供者として特定すると、依頼を、モバイルコンピューティング装置に、着信サービスメッセージ291として送信しうる。依頼を受信したことに応じて、提供者のアプリケーションは、プロンプトを、モバイルコンピューティング装置200上に表示して、サービス提供者が依頼を受諾または辞退できるようにしうる。サービス提供者が、依頼を、提供者のアプリケーションを介して受諾した場合、サービスエンジン215は、受諾が、1つ以上のネットワーク280を通してネットワークシステム290に、発信サービスメッセージ217として送信されるようにしうる。依頼が、サービス提供者によって受諾された後に、提供者の装置は、位置データ226を、ネットワークシステム290に、(例えば、動的可変位置データ送信レートで)周期的に送信し続けうる。提供者の装置から受信した位置データ226を用いて、ネットワークシステム290は、サービス提供者のために、例えば、サービス位置、および/または、行先位置への最適な経路を決定しうる。更に、受諾を受信したのに応じて、ネットワークシステム290は、サービス情報292をモバイルコンピューティング装置200に送信しうる。サービス情報292は、この場合、要求しているユーザ、および、要求されたサービスに関する情報を含みうる。例えば、サービス情報292に基づいて、提供者のアプリケーションは、サービス提供者に対して、(例えば、サービス位置まで、行先位置までなどの)ターンバイターンのナビゲーション方向を描画しうる。サービスアプリケーションは、更に、要求しているユーザに関する情報を表示して、サービス提供者が要求しているユーザを合流位置で特定できるようにしうる。
【0038】
いくつかの例において、装置200は、位置認識リソース225を含みうる。位置認識リソース225は、GPS、GLONASS、Galileo、および/または、BeiDou衛星ナビゲーションシステム用の1つ以上の受信部を含みうる。位置認識リソース225は、衛星ナビゲーションシステムから受信した信号に基づいて決定したモバイルコンピューティング装置の地理的位置または座標を示す位置データ226を生成しうる。装置200は、位置データ226について、位置認識リソース225を、位置データ送信スケジューラ220によって決定されうる位置データ送信レート221に基づいてポーリングしうる。例えば、位置データ送信レート221が、位置データをネットワークシステム290に4秒毎に送信することを示す場合、位置認識リソース225は、位置データ226について、4秒毎にポーリングされうる。ポーリングされた位置データ226は、次に、ネットワークシステム290に、ネットワークインターフェース210を介して、ネットワーク280を通して、位置データ送信レート221で送信されうる。例において、位置認識リソース225は、各々、位置認識リソース225がポーリングされる頻度に応じて、自動で節電またはスタンドバイ状態に入りうる。より高い位置データ送信レートの場合には、位置認識リソース225が低電力またはスタンドバイ状態になるのを、防ぎうる。位置データ送信レート221が十分に低い場合、位置認識リソース225は位置データ226についてポーリングされた後に毎回、低電力またはスタンドバイ状態に入りうる。
【0039】
実施形態によれば、装置200は、装置200が外部電源(例えば、USB ACアダプタ、無線充電器など)に接続されない場合に装置200に電力を与えるバッテリー245を含みうる。バッテリーは、メモリ250に装置のエネルギー履歴記録251として記憶されうるバッテリー使用量データ247を生成しうる。バッテリー使用量データ247は、エネルギー消費レートなどの情報に対応しうる。エネルギー消費レートは、装置200上で実行される個々のアプリケーションによって消費されたエネルギーを詳細に示しうる。例えば、バッテリー使用量データ247は、サービスアプリケーション256によって、ある期間に消費されたエネルギーに関する情報を含みうる。ある例において、バッテリー使用量データ247は、更に、個々のアプリケーションまたは装置200によって行われた特定のアクティビティによって消費されたエネルギーに関する情報を詳細に含みうる。例えば、バッテリー使用量データ247は、サービスアプリケーション256および装置200によって、位置データ226を位置認識リソース225から周期的にポーリングし、更に、位置データ226をネットワークシステム290に周期的に送信するのに消費されたエネルギーに関する詳細な情報を含みうる。
【0040】
いくつかの例において、バッテリー245(または、装置200の電源サブシステムの他の構成要素)も、電力状態246を生成しうる。電力状態246は、装置200が外部電源(例えば、ACアダプタ、無線充電器など)に動作自在に接続されているか、および/または、バッテリー245の現在の充電レベルを示しうる。電力状態246は、更に、装置200に接続された外部電源が十分な電力を装置200に供給して、バッテリー245を充電しているかも示しうる。このようにして、電力状態246は、装置200に接続された外部電源が、バッテリー245をゆっくりと充電するか、または、バッテリー245を全く充電しない低電力装置であるかを示しうる。同様に、電力状態246は、外部電源が、バッテリー245を急速充電可能な高アンペア充電器であるかを示しうる。装置200は、更に、バッテリー使用量データ247およびエネルギー使用量履歴251を用いて、機械学習バッテリー使用量モデル252を生成しうる。使用量モデル252は、過去のエネルギー使用量履歴251に基づいて、装置がバッテリー電力で動作する残り時間を予想しうる。
【0041】
実施形態によれば、モバイルコンピューティング装置200は、位置データ送信レート221を決定しうる位置データ送信スケジューラ220を含みうる。位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、モバイルコンピューティング装置200の他の構成要素、および/または、ネットワークシステム290から本明細書に記載のように受信した様々なデータ、信号、および、情報に基づいて決定しうる。いくつかの例において、位置データ送信レート221は、位置データ送信スケジューラ220によって、動的に決定されうる。位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レートを、高くなるように、または、低くなるように、動的に決定しうる。他の例において、位置データ送信レート221は、デフォルトレート(例えば、位置データを4秒毎に送信)、低下させたレート(例えば、位置データが、ネットワークシステム290に、デフォルトレートより低い頻度で送信されるレート)、および/または、高精度レート(例えば、位置データが、ネットワークシステム290に、デフォルトレートより高い頻度で送信されるレート)などの2つ以上の予め決定されたレート間で、動的に変化されうる。位置データ226をネットワークシステム290にデフォルトレートで送信することは、装置200がデフォルトモード動作で動作することに対応しうる。更に、位置データ226をネットワークシステム290に低下させたレートで送信することは、装置200が節電モード動作で動作することに対応しうる。したがって、位置データ送信スケジューラ220は、モバイルコンピューティング装置200の動作を、位置データ226をデフォルトレートで送信するデフォルトモードと、位置データ226を低下させたレートで送信する節電モードとの間で動的に変化させうる。
【0042】
1つの態様によれば、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を電力状態246に基づいて調節すると決定しうる。例えば、装置200は、装置200がバッテリー245を充電するのに十分な電力を供給する外部電源に接続されていることを示す電力状態246に基づいて、デフォルトモードで動作して、位置データ226をデフォルトレートで送信するように構成されうる。装置200は、更に、装置200はバッテリー電力で動作していて、更に、バッテリー245のバッテリーレベルが閾値レベル以下であることを示す電力状態246に基づいて、省エネルギーモードに切り換えて、位置データ226を低下させたレートで送信するように構成されうる。
【0043】
他の態様によれば、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、サービスエンジン215によって生成されたサービス状態216などのネットワーク型サービスに関連した情報に基づいて調節すると決定しうる。サービス状態216は、サービスエンジン215によって、ネットワークシステム290から受信したサービス情報292に応じて生成されうる。サービス状態216は、装置200上で実行される専用サービスアプリケーション256を介した入力に基づいても生成されうる。サービス状態216は、ネットワーク型サービスについて装置200を操作するサービス提供者またはユーザの状態を示しうる。サービス状態216は、サービス位置へのETA、行先位置へのETAなどの情報も示しうる。
【0044】
ある例において、提供者の装置として動作する装置200に対する位置データ送信レート221は、サービス状態216が、サービス提供者はサービス要求を満たすように提供可能かを示すかに基づいて、変化させうる。例えば、サービス提供者は、サービスの提供中であるか、他の理由で、着信サービス要求を満たすように提供可能ではないことを示すサービス状態216に基づいて、位置データ送信レート221を、低下させたレートに設定しうる。一方、サービス提供者は、着信サービス要求を満たすように提供可能であることを示すサービス状態216に基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、デフォルトレートを位置データ送信レート221として維持すると決定しうる。このようにして、装置200は、サービス提供者がサービス要求を満たすように提供可能な場合に、ネットワークシステム290が正確で頻繁に更新された位置データ226を確実に受信するようにさせうる。その結果、ネットワークシステム290は、所定の地域の複数の提供者の装置の各々からの正確で頻繁に更新された位置データに基づいて、より正確な提供者選択を行いうる。これに対して、提供者が、着信サービス要求満たすように提供可能ではない場合、位置データ送信レート221を低く調節して、バッテリー電力を節約しうる。
【0045】
例えば、サービス提供者は、第1の要求しているユーザからの第1のサービス要求を満たすように提供中である。要求されたサービスは、サービス提供者が輸送サービスを多数のユーザに同時に提供するオンデマンドライドプーリング輸送サービスに対応しうる。サービス提供者は、第1の要求しているユーザと合流する途中でありうるか、または、第1の要求しているユーザを乗車させて、更に、行先位置に向かう途中でありうる。サービス状態216は、サービス提供者は、ライドプーリングサービスを提供中で、着信サービス要求を満たすように提供可能であることを示しうる。少なくとも部分的には、この情報に基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を調節しないと決定しうる。他の例において、サービス提供者は、第2の要求しているユーザからの第2のサービス要求を満たすように提供中である。要求されたサービスは、要求しているユーザが、彼または彼女自身の輸送車を保証された(例えば、ライドプーリングではない)オンデマンド専用輸送サービスに対応しうる。上記例と同様に、サービス提供者は、第2の要求しているユーザと合流する途中でありうるか、または、第2の要求しているユーザを乗車させて、更に、行先位置に向かう途中でありうる。この場合、サービス状態216は、サービス提供者は、専用輸送サービスを提供中で、着信サービス要求を満たすように提供可能ではないことを示しうる。少なくとも部分的には、この情報に基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を低下させたレートに調節すると決定し、バッテリー電力を節約しうる。
【0046】
変形例において、位置データ送信レート221を、サービス状態によって示されたETAに基づいて調節しうる。例えば、サービス提供者は、要求しているユーザと一緒に、サービス要求で指定された行先位置に向かう途中でありうる。サービス状態216は、サービス提供者はサービスの提供中で、着信サービス要求を満たすように提供可能ではないことを示しうる。更に、サービス状態216は、サービス提供者の行先位置へのETAを示しうる。位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、少なくとも部分的には、ETA情報に基づいて調節すると決定しうる。例えば、少なくとも部分的には、ETAが閾値(例えば、5分)より長いことに基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を低下させたレートに調節すると決定しうる。一方、少なくとも部分的には、ETAが閾値より短いことに基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を低下させたレートに調節すると決定しうる。このようにして、装置200は、サービス提供者がサービスを提供中は、バッテリー電力を節約しうるが、サービス提供者が行先位置に到着する直前に、正確で頻繁に更新された位置データ226が、ネットワークシステム290に確実に送信されるようにしうる。したがって、ネットワークシステム290は、サービス提供者は、行先位置に到着した後に、サービス要求を満たすように提供可能になると予想して、サービス提供者を着信サービス要求とマッチングさせる動作を効果的に行いうる。更に、ETA値の閾値を、サービス提供者が活動している地理的領域範囲のユーザの需要(例えば、過去の需要、その瞬間の需要測定値、専用のユーザのアプリケーションを操作する地域内のユーザ数など)に基づいて変化させうる。例えば、需要が低い場合には、閾値を長くなるように決定して、正確で頻繁に更新された位置データが、ネットワークシステム290に早く送信されるのを可能にしうる。
【0047】
ある実施形態において、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、装置200に特有の情報に基づいて調節すると決定しうる。ある実施形態において、位置データ送信レート221は、装置モデル、種類、および/または、ハードウェアに関する情報に基づいて調節されうる。例えば、装置200は、(例えば、基準試験リソースなどを参照することによって)長いバッテリー寿命を有することが知られたモデルであるという情報に基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、より低い頻度で節電モードに入ると決定しうる。いくつかの実施形態において、エネルギー使用量履歴251、および/または、使用量モデル252を用いて、位置データ送信レート221を調節するか決定しうる。使用量モデル252は、装置200によって経時的に収集されたエネルギー使用量履歴251データに基づいて生成された機械学習モデルでありうる。例えば、エネルギー使用量履歴251、および/または、使用量モデル252は、装置200が、典型的には、ユーザによって、平日の午後2:00と午後5:00の間に、エネルギーを大量に消費するタスク(例えば、写真編集、激しいゲームで遊ぶことなど)のために多く使われることを示しうる。この示されたものに基づいて、モバイルコンピューティング装置200は、多く使われることが予想される期間の前に、位置データ送信レート221を低下させたレートに設定すると決定して、電力を節約するようにしうる。例えば、装置200が、サービス提供者によって、ネットワーク型サービスに関連して使用される間に、装置200は、月曜日の午前10:00AMに、低下させたレートを、位置データ送信レート221として設定すると決定して電力を節約し、装置200が、午後2:00PMと午後5:00の間の多く使われることが予想される期間にバッテリー電力で動作することを予測しうる。
【0048】
例えば、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、ネットワークインターフェース210によって生成されたネットワークメトリック211に基づいて決定しうる。ネットワークメトリック211は、装置200がネットワークシステム290と通信するネットワーク280の1つ以上のメトリックおよび性能特性を示しうる。ネットワークメトリック211は、遅延、データ帯域幅またはスループット、パケット損失、信号強度などを示すものを含みうる。ネットワークインターフェース210は、ネットワーク280で、試験パケットの送信などの測定を周期的に行い、ネットワークメトリック211を特定しうる。ネットワークメトリック211に基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を動的に決定する。1つの例において、モバイルコンピューティング装置200が電波の弱いセルラー範囲にあり、その結果、ネットワークメトリック211が悪い場合、モバイルコンピューティング装置200は、節電モードに入るように構成されて、位置データ226を、低下させたレートで送信しうる。
【0049】
他の1つの態様において、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、位置認識リソース225によって生成された位置信号メトリック227に基づいて決定しうる。位置信号メトリック227は、位置認識リソース225によって用いられる衛星ナビゲーションシステムの1つ以上の信号強度(例えば、GPS信号強度)を示しうる。位置信号メトリック227は、更に、位置認識リソース225の受信部は、モバイルコンピューティング装置200の位置でロックまたは固定を取得可能かを示しうる。例えば、装置200は、GPS信号による電波が弱い地域に入り、位置信号メトリック227は、装置200のGPS受信部は、装置200の位置で固定を取得できないことを示しうる。そのような位置信号メトリック227に基づいて、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、低下させたレートに設定すると決定し、モバイルコンピューティング装置200を節電モードで動作させうる。このようにして、装置200が、GPS信号が弱い地域にある間は、GPS受信部の頻繁で無駄なポーリングを省いて、リソースを節約しうる。GPS受信部が、装置200の位置でロックを取得すると、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、デフォルトレートに戻して設定しうる。
【0050】
他の態様において、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、装置200の1つ以上の無線リンクまたは接続に基づいて決定しうる。無線リンクまたは接続は、Wi-Fi、Bluetooth、または、NFC接続でありうる。ある実施形態において、位置データ送信スケジューラ220は、ネットワークID212を、ネットワークインターフェース210から受信し、ネットワークID212に基づいて、位置データ送信レート221を調節するかを決定しうる。ネットワークID212は、Wi-Fiネットワーク識別子(例えば、Wi-Fiネットワーク名(サービスセット識別子(SSID))、ルータまたはアクセスポイントのMACアドレスなど)、Bluetooth識別子(例えば、BluetoothビーコンのMACアドレスなど)などでありうる。無線接続を開始すると、装置200は、メモリ250に記憶されたデータベース内、または、ネットワークシステム290で、ネットワークID212のルックアップを行いうる。ネットワークID212が、既知のネットワークIDの組と一致する場合は、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を変更すると決定しうる。例えば、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を低下させたレートにするか、または、ゼロレートにして、位置データの送信を完全に停止すると決定しうる。ネットワーク接続が切断されると、装置200は、位置データ送信レート221を、デフォルトレートに戻して設定すると決定しうる。装置200は、これらの機能性を、接続を完全に確立せずに行いうるもので、例えば、装置200が動作するネットワーク接続を認証も完全な確立もせずに、ネットワーク信号(例えば、Wi-Fi、Bluetooth、NFCなど)を検出したことに基づいて、位置データ送信レート221を変化させうる。例えば、オンデマンド配達サービスのサービス提供者は、施設(例えば、商店、売り手、レストランなど)に入り、要求しているユーザによって選択された物をピックアップしうる。施設は、Wi-Fiネットワーク、または、オンデマンド配達サービスに登録したBluetoothビーコン装置を有しうる。装置が登録したネットワークまたは装置に接続されたか、または、それらからの信号を検出したかに応じて、位置データ送信スケジューラ220は、位置データのネットワークシステム290への送信を停止すると決定しうる。この間に、ネットワークシステム290は、オンデマンド配達サービスを管理するために、装置200は施設に位置すると推定しうる。サービス提供者が施設を去り、装置200が無線ネットワークまたは信号の範囲の外になると、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ226をデフォルトレートで送信すると決定しうる。
【0051】
他の態様において、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、装置200が移動する速度に基づいて決定しうる。位置データ送信スケジューラ220は、位置データ226を位置認識リソース225から受信して、装置200の速度を特定しうる。高レベルで、装置200は閾値より低い速度で移動していると決定した場合、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、低下させたレートに設定すると決定しうる。位置データ送信レート221は、装置200の速度に基づいて、動的に決定されたレートでもありうる。一実施形態において、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ226に基づいて、第1の時間における装置200の第1の位置、および、第1の時間より後の第2の時間における装置200の第2の位置を特定しうる。位置データ送信スケジューラ220は、第1の位置と第2の位置の間の距離を計算して、装置が移動している速度を特定しうる。距離は、進行経路について計算しうるものであり、したがって、2つの位置の間の直線距離でないことがありうる。更に、装置200がバッテリー節約モードで動作して、位置データ226をネットワークシステム290に低下させたレートで送信する間に、位置データ送信スケジューラ220は、装置は閾値より高い速度で移動すると特定したことに応じて、位置データ送信レート221をデフォルトレートに戻して設定すると決定しうる。このようにして、サービス提供者がアイドリングしているか、ゆっくりと移動する時に(例えば、交通渋滞など)、サービス提供者によって操作される装置200は、位置データ226のネットワークシステム290への送信を、より最適に行いうる。
【0052】
一実施形態において、位置データ送信スケジューラ220は、位置データ送信レート221を、マップデータ、並びに/若しくは、ネットワークシステム290または第三者のリソースから受信したライブ交通データに基づいて、決定しうる。例えば、位置データ送信スケジューラ220は、ライブ交通データ、および、モバイルコンピューティング装置200の位置での交通渋滞を示すマップデータに基づいて、位置データ送信レート221を低下させたレートに設定すると決定しうる。
【0053】
方法
図3は、ネットワーク型サービスに関連して、本明細書に記載の例による位置データをネットワークシステムに送信する例示的な方法を示すフローチャートである。以下の図3の記載において、図2について示し記載した特徴および例を参照しうる。例えば、図3に示し記載した例示的な方法は、図2に示し記載のモバイルコンピューティング装置200などのモバイルコンピューティング装置によって行われうる。
【0054】
図3を参照すると、例示的な方法は、モバイルコンピューティング装置のオペレータが、ネットワーク型サービスに関連するサービスアプリケーションを開いた時に開始されうる(310)。サービスアプリケーションは、サービス提供者のモバイルコンピューティング装置上で実行される提供者のアプリケーションでありうる。サービスアプリケーションは、ネットワーク型サービスのユーザのモバイルコンピューティング装置上で実行されるユーザのアプリケーションでもありうる。サービスアプリケーションがモバイルコンピューティング装置上で開かれると、装置は、位置データをネットワークシステムにデフォルトレート(例えば、4秒毎)で送信しうる(320)。
【0055】
工程330において、モバイルコンピューティング装置は、装置の電力状態を評価する(330)。電力状態は、図2の電力状態246でありうる。それは、モバイルコンピューティング装置の電力サブシステムによって生成され、装置が外部電源(例えば、AC電源アダプタ、DC電源バンクなど)に動作自在に接続されているか、および、モバイルコンピューティング装置の残りのバッテリー寿命は閾値レベルより低いかを含む様々なものを示しうる。電力状態に基づいて、装置は、位置データをネットワークシステムにデフォルトレートで送信し続けるか、または、多変量解析を行って、節電モードで動作して、位置データをネットワークシステムに低下させたレートで送信すると決定するかを、決定しうる。示したように、電力状態が、装置はバッテリー電力で動作するか(例えば、外部電源に接続されない)、および/または、装置のバッテリーレベルは閾値より低いと示す場合、装置は、多変量解析を行って位置データ送信レートを調節するかを決定すると、決定しうる。一方、電力状態が、装置は外部電源に接続されているか、および/または、装置のバッテリーレベルは閾値より高いと示す場合、装置は、位置データをネットワークシステムにデフォルトレートで送信し続けると決定しうる。装置が、電力状態に基づいて、位置データをネットワークシステムに送信するのにデフォルトレートを維持すると判断する場合、装置は、後で、この判断を再び行いうる。変形例において、工程330は、装置の電力状態の変化をトリガーとしうる。例えば、装置は、電力状態が同じままである限りは、通常動作を維持して、位置データをネットワークシステムに送信しうる。しかし、電力状態(例えば、外部電源に接続される、外されるか、装置のバッテリーレベルが閾値レベルより低下など)の変化に応じて、装置は、工程330を行いうる。その代わりに、装置は、装置の電力状態を周期的に調べて、多変量解析を行うように進むかを決定しうる。更に、図3では、工程330を、多変量解析を行う前に行われる必須の工程として示しているが、その代わりに、装置の電力状態を多変量解析の一部として分析して、位置データ送信レートを動的に調節するかを決定しうることも分かるだろう。他の実施形態において、装置の電力状態は、多変量解析の一部でなくてもよく、したがって、工程330は、多変量解析が行われる前、または、行われる間に行われうる。
【0056】
工程340において、多変量解析を行って、位置データ送信レートを調節するかを決定する。本明細書に記載のように、工程340は、電力状態を調べた後に行いうる。例えば、図3に示したように、装置がバッテリー電力で動作するか、および/または、バッテリーレベルが低いこと(例えば、閾値レベルより低いこと)に応じて、多変量解析を行いうる。このようにして、装置がバッテリー電力で動作するか、および/または、装置のバッテリーがほとんどない場合にのみ、節電モード、および、低下させた位置データ送信レートで機能し、装置が外部電源に接続されるか、および/または、装置のバッテリーが十分に充電された場合に、装置は、位置データ送信レートをデフォルトレートに維持しうる。その代わりに、電力状態を多変量解析の一部として分析して、装置が外部電源に接続されるか、および/または、装置のバッテリーが十分に充電された場合に、装置が節電モードで機能して、位置データをネットワークシステムに低下させたレートで送信するようにしうる。
【0057】
いくつかの例において、工程340の多変量解析は、ネットワーク型サービスに関するサービス進捗情報に基づきうる(341)。サービス進捗情報は、ネットワーク型サービスについての提供者/ユーザの状態、サービス要求に関連したサービス位置または行先位置へのETAなどを含みうる。様々な態様において、多変量解析は、ネットワークメトリックにも基づきうる(342)。ネットワークメトリックは、装置がネットワークシステムと通信するのに用いる通信リンクの帯域幅、遅延、または、他のネットワーク性能測定値に対応しうる。ある実施形態において、多変量解析は、装置のバッテリー使用量履歴にも基づきうる(343)。これらの、および、他のパラメータを多変量解析に用いて、位置データ送信レートを調節するか決定しうる。
【0058】
いくつかの実施形態において、工程340で行われる多変量解析は、特に装置のために装置によって収集されたデータに基づいて生成された機械学習モデルに基づいて行われうる。例えば、装置は、多変量解析を、最初に、重みを各パラメータと関連付けて行いうる。更に、多変量解析の結果は、複数のパラメータの集約または多次元表現(例えば、和、積、ガウス関数など)でありうる。各パラメータの重みは、機械学習モデルに基づいて、各々決定されうる。このようにして、第1の装置について、特定のパラメータに付けられた重みは、第2の装置と比べて異なりうる。例えば、第1の装置について生成された機械学習モデルは、第2の装置について生成された機械学習モデルと比べて、ネットワークメトリックパラメータに関連した異なる重みを付けうる。これは、第1と第2の装置の異なるネットワーク特性を反映しうる。例えば、第1の装置は、セルラー受信状態が悪く、バッテリー消耗が大きくなり、機械学習モデルは、第1の装置で、バッテリー電力をより積極的に節約するように生成されうる。したがって、第1の装置によって生成された機械学習モデルは、第2の装置によって生成された機械学習モデルより、ネットワークメトリックパラメータを大きく重み付けしうる。このようにして、第1の装置は、ネットワークメトリックパラメータに応じて、第2の装置より積極的に節電モードで機能するように構成されうる。
【0059】
多変量解析の結果に基づいて、装置は、位置データ送信レートを調節するかを決定する(350)。装置が、多変量解析に基づいて、位置データ送信レートを調節しないと決定した場合には、装置は、位置データをデフォルトレートで送信し続けうる(320)。一方、装置が、多変量解析に基づいて、位置データ送信レートを調節すると決定した場合には、装置は、位置データを低下させたレートで送信しうる(360)。ある実施形態において、位置データを送信するのにデフォルトレートと低下させたレートを動的に切り換える代わりに、または、追加で、装置は、動的に決定した位置データ送信レートを計算しうる。そのような場合において、位置データ送信レートを、工程340の多変量解析の結果について計算しうる。装置が位置データを低下させたレート(または、動的に決定された位置データ送信レート)で送信し始めた後に、装置は、工程330~350の機能を行い続けて、位置データ送信レートを調節するか(例えば、デフォルト速度に戻る)を決定しうる。例えば、節電モードで動作して、データを低下させたレートで送信する間に、装置が外部電源に接続されていることを検出したのに応じて、装置は、位置データ送信レートをデフォルトレートに戻るように調節しうる。
【0060】
ハードウェア図
図4は、本明細書に記載の例が実施されるコンピュータシステムを示すブロック図である。コンピュータシステム400は、例えば、サーバ、または、サーバの組合せ上で実施されうる。例えば、コンピュータシステム400は、(例えば、輸送サービス、配達サービス、運送サービスなどを提供する)ネットワーク型サービスの一部として実施されうる。図1のコンテキストにおいて、ネットワークシステム100は、図4で記載するようなコンピュータシステム400を用いて実施されうる。図2のコンテキストにおいて、ネットワークシステム290は、図4に関連して記載するような1つ以上のコンピュータシステムも用いて実施されうる。
【0061】
一実施形態において、コンピュータシステム400は、処理リソース410、メインメモリ420、読出し専用メモリ(ROM)430、記憶装置440、および、通信インターフェース450を含む。コンピュータシステム400は、ランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶装置などによって提供され、情報および処理部410によって実行されうる命令を記憶するメインメモリ420に記憶された情報を処理する少なくとも1つの処理部410を含む。メインメモリ420は、処理部410によって実行されるべき命令が実行される間に、一時的変数または他の中間情報を記憶するのにも用いられうる。コンピュータシステム400は、静的情報および処理部410に対する命令を記憶するROM430または他の静的記憶装置も含みうる。磁気ディスクまたは光学ディスクなどの記憶装置440は、情報および命令を記憶するために提供される。
【0062】
通信インターフェース450は、コンピュータシステム400が1つ以上のネットワーク480(例えば、セルラーネットワーク、インターネットなど)とネットワークリンク(無線または有線)の使用を通して通信するのを可能にさせる。ネットワークリンクを用いて、コンピュータシステム400は、1つ以上のコンピューティング装置、1つ以上のサーバ、および/または、1つ以上の自動運転車と通信しうる。例によれば、コンピュータシステム400は、サービス要求482を、個々のユーザのモバイルコンピューティング装置から受信する。メモリ430に記憶された実行可能な命令は、処理部410がサービス要求482を満たす最適なサービス提供者を選択するのに実行する提供者の経路決定および選択命令422を含みうる。そのようにする時に、コンピュータシステムは、所定の地域中で活動するサービス提供者および要求しているユーザの位置データに対応する装置位置484を受信しうる。更に、処理部410は、サービス提供者の経路決定および選択命令422を実行して、最適なサービス提供者を、提供可能なサービス提供者の組から選択して、更に、依頼452を送信して、最適なサービス提供者が、サービス要求を満たす依頼452を受諾または辞退することができるようにしうる。
【0063】
メモリ420に記憶された実行可能な命令は、コンテンツ生成命令424も含みうるもので、それは、コンピュータシステム400が、ユーザおよび提供者の装置上に表示するコンテンツデータ454を選択および/または生成するために、ユーザプロファイルおよび他の情報にアクセスするのを可能にする。コンテンツデータ454は、サービス要求の状態に関する情報(例えば、ETA/行先情報)に基づいて生成されうる。
【0064】
例えば、メモリ420に記憶された命令およびデータは、処理部410によって実行されて、図1の例示的なネットワークシステム100、または、図2のネットワークシステム290を実施しうる。動作を行う時に、コンピュータシステム400は、サービス要求482を(例えば、ユーザの要求について実行するユーザのアプリケーションを通して)受信し、更に、その地域で活動しているサービス提供者の装置位置484を受信して、要求482にサービスを提供するのを容易にするように依頼452を生成する。
【0065】
処理部410は、ソフトウェア、および/または、他のロジックで構成されて、図1~3を用いて記載したような実施形態、および、本明細書の他の箇所で記載したような1つ以上の処理、工程、および、他の機能を行う。
【0066】
本明細書に記載の例は、本明細書に記載の技術を実施するコンピュータシステム400の使用に関する。1つの例によれば、それらの技術は、処理部410が、メインメモリ420に記憶された1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するのに応じて、コンピュータシステム400によって行われる。そのような命令は、記憶装置440など、他の機械読取り可能媒体からメインメモリ420に読み込みうる。メインメモリ420に記憶された命令のシーケンスを実行することで、処理部410は、本明細書に記載の工程を行いうる。代わりの実施形態において、ハードワイヤード回路を、ソフトウェア命令の代わりに、または、それと組み合わせて用いて、本明細書に記載の例を実施しうる。したがって、記載した例は、ハードウェア回路とソフトウェアのいずれの特定の組合せにも限定されない。
【0067】
図5は、本明細書に記載のように位置データをネットワークシステムに周期的に送信可能な例示的なモバイルコンピューティング装置を示すブロック図である。多くの実施形態において、モバイルコンピューティング装置500は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、VRまたはARヘッドセット装置などのモバイルコンピューティング装置を含みうる。ネットワーク型サービスについてのサービス要求を満たす自動運転車など、いくつかの場合において、モバイルコンピューティング装置500は、自動運転車に内蔵されたコンピュータでありうる。本明細書に記載のように、モバイルコンピューティング装置500の例を用いて、図1のユーザの装置180および提供者の装置190、並びに、図2のモバイルコンピューティング装置200を実施しうる。
【0068】
実施形態によれば、モバイルコンピューティング装置500は、マイク545、カメラ550、および、外部の実体(例えば、ネットワーク型サービスを実行するネットワークシステム590)と任意の数の無線通信プロトコールを用いて通信する通信インターフェース510など、典型的な電話の特徴物を含みうる。モバイルコンピューティング装置500は、専用アプリケーション(例えば、サービスアプリケーション532)をローカルメモリ530に記憶しうる。サービスアプリケーション532は、モバイルコンピューティング装置500をネットワーク型サービスのユーザの装置として実施するための1つ以上のユーザのアプリケーションに対応しうる。サービスアプリケーション532は、モバイルコンピューティング装置500をネットワーク型サービスの提供者の装置として実施するための1つ以上の提供者のアプリケーションにも対応しうる。
【0069】
入力518に応じて、サービスアプリケーション532は、処理部540によって実行されて、アプリケーションインターフェース542がモバイルコンピューティング装置500の表示画面520に生成されうる。モバイルコンピューティング装置500を提供者の装置として実施する時は、アプリケーションインターフェース542は、サービス提供者が、例えば、ネットワークシステム590によって生成されたサービス要求を満たす依頼592を受諾または辞退することができるようにしうる。サービス要求は、着信サービスメッセージ569として受信され、依頼の受諾は、モバイルコンピューティング装置500によって、発信サービスメッセージ567として、ネットワークシステム590へ送信されうる。
【0070】
様々な例において、モバイルコンピューティング装置500は、モバイルコンピューティング装置500の現在位置を示す位置データ562をネットワークシステム590にネットワーク580を通して提供するGPSモジュール560を含みうる。いくつかの例において、GLONASS、Galileo、または、BeiDouなど、他の位置認識またはジオロケーションリソースを、GPSモジュール560の代わりに、または、追加で用いうる。ネットワークシステム590は、モバイルコンピューティング装置500の現在位置562を用いて、ネットワーク型サービスを管理しうる(例えば、サービス要求を満たすサービス提供者を選択して、サービス提供者およびユーザの経路を決定し、ユーザに対するサービス位置を決定するなど)。
【0071】
本明細書に記載のように、モバイルコンピューティング装置500は、位置データ562がネットワークシステム590に送信されるレートを動的に調節しうる。例えば、多変量解析または最適化処理に基づいて、モバイルコンピューティング装置500は、位置データ送信レートを低下させると決定して、位置データ562がネットワークシステム590に、より低い頻度で送信されるようにしうる。そのようにする時に、処理部540は、GPSモジュール560に、(例えば、位置ポーリング541を介して)より低い頻度でポーリングを行いうるもので、したがって、処理部540およびGPSモジュール560がスタンドバイまたは節電状態になるのを可能にしうる。このようにして、モバイルコンピューティング装置500の電力消費を最適化しうる。
【0072】
本明細書に記載の例は、本明細書に記載の他の概念、アイデア、または、システムとは独立に、本明細書に記載の個々の要素および概念まで網羅し、更に、例えば、本明細書に記載の任意の要素の組合せを含むことを企図する。本明細書において、添付の図面を参照して例を詳細に記載したが、本発明の概念は、それらの詳細な例に限定されないと理解すべきである。したがって、当業者には、多くの変更および変形が明らかだろう。したがって、本発明の概念は、添付の請求項および等価物によって画定されることを意図する。更に、個々に、または、例の一部として記載した特定の特徴は、他の特徴および例が、その特定の特徴について記載しなくても、他の個々に記載した特徴、または、他の例の一部と組み合わせうることを企図する。したがって、組合せの記載がなくても、そのような組合せに対する権利を請求することを排除すべきではない。
【符号の説明】
【0073】
180 ユーザの装置
190 提供者の装置
200、500 モバイルコンピューティング装置
220 位置データ送信スケジューラ
【0074】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0075】
実施形態1
モバイルコンピューティング装置において、
ネットワークシステムと通信するためのネットワークインターフェースと、
1つ以上の処理部と、
命令を記憶する1つ以上のメモリリソースと
を含み、
前記命令が前記モバイルコンピューティング装置の前記1つ以上の処理部によって実行された場合に、該命令は、該モバイルコンピューティング装置を、
デフォルトモードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに周期的に送信させ、前記位置データを該ネットワークシステムに送信することで、該ネットワークシステムによって管理されるネットワーク型サービスを容易にさせ、
前記デフォルトモードで動作する間に、(i)前記モバイルコンピューティング装置の電力状態、および、(ii)前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、節電モードで動作させて該モバイルコンピューティング装置の位置データを前記1つ以上のネットワークを通して該ネットワークシステムに送信するかを決定させ、
前記デフォルトモードで動作する間に前記節電モードで動作させると決定されたことに応じて、該節電モードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、前記1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、該デフォルトモードで動作する時より低い頻度で、周期的に送信させるものである装置。
【0076】
実施形態2
前記モバイルコンピューティング装置の前記電力状態は、(i)該モバイルコンピューティング装置が外部電源に接続されているかを示すこと、または、(ii)該モバイルコンピューティング装置のバッテリーレベルが閾値レベルより低いかを示すことの1つ以上に対応するものである、 実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0077】
実施形態3
前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する前記情報は、(i)サービス提供者の状態、(ii)要求しているユーザの状態、(iii)サービスのクラスまたは種類、(iv)前記サービス提供者の提供可能性、または、(v)該サービス提供者の該ネットワーク型サービスに関連した位置への推定到着時間の1つ以上に対応するものである、実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0078】
実施形態4
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置の装置モデル情報に基づくものである、実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0079】
実施形態5
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に基づくものである、実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0080】
実施形態6
前記実行された命令は、更に、前記モバイルコンピューティング装置に、
前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に対応するデータに基づく機械学習モデルを生成させ、
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記機械学習モデルに基づくものである、実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0081】
実施形態7
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク接続メトリックに基づくものであり、
前記ネットワーク接続メトリックは、(i)信号強度、(ii)信号対雑音比(SNR)、(iii)ネットワーク遅延、または、(iv)前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク帯域幅の1つ以上に対応するものである、実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0082】
実施形態8
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置が既知の位置に関連した無線信号を検出することに基づくものである実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0083】
実施形態9
前記デフォルトモードで動作する間に、前記モバイルコンピューティング装置の位置データに基づいて、該モバイルコンピューティング装置の第1の時間における第1の位置、および、該モバイルコンピューティング装置の前記第1の時間より後の第2の時間における第2の位置を特定し、更に、前記第1の位置および前記第2の位置に基づいて、距離測定値を計算するものであり、
前記節電モードで動作させる決定は、更に、前記距離測定値に基づくものである、実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0084】
実施形態10
前記実行された命令は、更に、前記モバイルコンピューティング装置に、
前記デフォルトモードまたは前記節電モードで動作する間に、第3のモードで動作すると決定させ、
前記第3のモードで動作する決定に応じて、該第3のモードで動作して、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、前記デフォルトモードで動作する時より高い頻度で、周期的に送信するものである、実施形態1に記載のモバイルコンピューティング装置。
【0085】
実施形態11
コンピュータで実施されるモバイルコンピューティング装置の位置データ送信方法において、
前記方法は、前記モバイルコンピューティング装置によって行われるものであり、
デフォルトモードで動作して、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通してネットワークシステムに周期的に送信し、前記位置データを前記ネットワークシステムに送信することで、該ネットワークシステムによって管理されるネットワーク型サービスを容易にする工程と、
前記デフォルトモードで動作する間に、(i)前記モバイルコンピューティング装置の電力状態、および、(ii)前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、節電モードで動作して該モバイルコンピューティング装置の位置データを前記1つ以上のネットワークを通して該ネットワークシステムに送信するかを決定する工程と、
前記デフォルトモードで動作する間に前記節電モードで動作すると決定したことに応じて、該節電モードで動作して、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、前記1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、該デフォルトモードで動作する時より低い頻度で、周期的に送信する工程と
を含む方法。
【0086】
実施形態12
前記モバイルコンピューティング装置の前記電力状態は、(i)該モバイルコンピューティング装置が外部電源に接続されているかを示すこと、または、(ii)該モバイルコンピューティング装置のバッテリーレベルが閾値レベルより低いかを示すことの1つ以上に対応するものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0087】
実施形態13
前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する前記情報は、(i)サービス提供者の状態、(ii)要求しているユーザの状態、(iii)サービスのクラスまたは種類、(iv)前記サービス提供者の提供可能性、または、(v)該サービス提供者の該ネットワーク型サービスに関連した位置への推定到着時間の1つ以上に対応するものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0088】
実施形態14
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置の装置モデル情報に基づくものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0089】
実施形態15
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に基づくものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0090】
実施形態16
前記モバイルコンピューティング装置のバッテリー使用量履歴に対応するデータに基づく機械学習モデルを生成する工程を、
更に含み、
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記機械学習モデルに基づくものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0091】
実施形態17
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク接続メトリックに基づくものであり、
前記ネットワーク接続メトリックは、(i)信号強度、(ii)信号対雑音比(SNR)、(iii)ネットワーク遅延、または、(iv)前記モバイルコンピューティング装置のネットワーク帯域幅の1つ以上に対応するものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0092】
実施形態18
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記モバイルコンピューティング装置が既知の位置に関連した無線信号を検出することに基づくものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0093】
実施形態19
前記デフォルトモードで動作する間に、前記モバイルコンピューティング装置の位置データに基づいて、該モバイルコンピューティング装置の第1の時間における第1の位置、および、該モバイルコンピューティング装置の前記第1の時間より後の第2の時間における第2の位置を特定する工程と、
前記第1の位置および前記第2の位置に基づいて、距離測定値を計算する工程と
を更に含み、
前記節電モードで動作する決定は、更に、前記距離測定値に基づくものである、実施形態11に記載のコンピュータで実施される方法。
【0094】
実施形態20
命令を記憶した非一時的なコンピュータ読取り可能媒体において、
前記命令がモバイルコンピューティング装置の1つ以上の処理部によって実行された場合に、該命令は、前記モバイルコンピューティング装置を、
デフォルトモードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、1つ以上のネットワークを通してネットワークシステムに周期的に送信させ、前記位置データを前記ネットワークシステムに送信することで、該ネットワークシステムによって管理されるネットワーク型サービスを容易にさせ、
前記デフォルトモードで動作する間に、(i)前記モバイルコンピューティング装置の電力状態、および、(ii)前記ネットワークシステムから受信した前記ネットワーク型サービスに関する情報に少なくとも部分的に基づいて、節電モードで動作させて該モバイルコンピューティング装置の位置データを前記1つ以上のネットワークを通して該ネットワークシステムに送信するかを決定させ、
前記デフォルトモードで動作する間に前記節電モードで動作させると決定されたことに応じて、該節電モードで動作させて、前記モバイルコンピューティング装置の位置データを、前記1つ以上のネットワークを通して前記ネットワークシステムに、該デフォルトモードで動作する時より低い頻度で、周期的に送信させるものである媒体。
図1
図2
図3
図4
図5