(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】サーバ、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240111BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
(21)【出願番号】P 2021172748
(22)【出願日】2021-10-21
(62)【分割の表示】P 2020003589の分割
【原出願日】2015-04-22
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【氏名又は名称】加美山 豊
(72)【発明者】
【氏名】谷口 友彦
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-519335(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0159979(US,A1)
【文献】特表2012-519336(JP,A)
【文献】特許第5663108(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーシャルネットワークサービスを提供するサーバであって、
前記ソーシャルネットワークサービス上で、ユーザの情報と第1ユーザの情報とを関連付けて記憶
し、前記ユーザの情報と前記第1ユーザよりもランクの高い第2ユーザの情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
前記ソーシャルネットワークサービスによって、前記ユーザから前記ユーザに関連付けられた前記第1ユーザ
もしくは前記第2ユーザに対して送信されたメッセージ、または前記ユーザに関連付けられた前記第1ユーザ
もしくは前記第2ユーザから前記ユーザに対して送信されたメッセージに基づいて、前記ソーシャルネットワークサービスの前記ユーザのランクを評価する評価部とを備え、
前記評価部は、前記第1ユーザから前記ユーザに対して第1メッセージが送信された場合、前記ユーザのランクを第1ランクから第2ランクに変更する評価を行い、
前記評価部は、
前記第2ユーザから前記ユーザに対して第2メッセージが送信された場合、前記ユーザのランクを前記第1ランクから、前記第2ランクよりも高い第3ランク、または前記第2ランクよりも低い第4ランクに変更する評価を行う。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバであって、
前記評価部は、前記ソーシャルネットワークサービスによって、前記ユーザから前記第1ユーザに対して送信されたメッセージの回数、または前記第1ユーザから前記ユーザに対して送信されたメッセージの回数に基づいて、前記ランクを評価する。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のサーバであって、
前記記憶部は、前記ソーシャルネットワークサービス上で、前記ユーザの情報と、前記第1ユーザを含む複数のユーザの各々の情報とを関連付けて記憶する。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記ソーシャルネットワークサービス上で関連付けることは、前記ユーザと前記第1ユーザとが友達関係であることを含む。
【請求項5】
請求項4に記載のサーバであって、
前記友達関係は、前記ユーザが前記第1ユーザを承認し、前記第1ユーザが前記ユーザを承認した関係を含む。
【請求項6】
請求項4に記載のサーバであって、
前記友達関係は、前記ユーザが前記第1ユーザに対して、前記友達関係を設定するためのリクエストを送信し、前記第1ユーザが前記リクエストを承認して設定される。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記評価部は、前記ソーシャルネットワークサービス上での前記ユーザの利用実績に基づいて、前記ランクを評価する。
【請求項8】
請求項7に記載のサーバであって、
前記利用実績は、前記ソーシャルネットワークサービス上で行われた、送金または決済の実績を含む。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記ランクは、数値化された値である。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記ユーザは、前記ランクに基づいて、前記サーバによって特典が関連付けられる。
【請求項11】
請求項10に記載のサーバであって、
前記特典は、前記ユーザに取得されるポイントに関する特典を含む。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のサーバであって、
前記評価部は、前記第1ユーザから前記ユーザに対して設定された期間に第1の回数メッセージが送信された場合、前記ユーザのランクを前記第1ランクから前記第2ランクに変更する評価を行い、
前記評価部は、前記第1ユーザよりもランクの高い前記第2ユーザから前記ユーザに対して、前記設定された期間に前記第1の回数よりも少ない第2の回数メッセージが送信された場合、前記第2ユーザのランクと前記第2の回数とに基づいて、前記ユーザのランクを前記第1ランクから、前記第2ランクよりも低い前記第4ランクに変更する評価を行う。
【請求項13】
ソーシャルネットワークサービスを提供するサーバの情報処理方法であって、
前記ソーシャルネットワークサービス上で、ユーザの情報と第1ユーザの情報とを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶
し、前記ユーザの情報と前記第1ユーザよりもランクの高い第2ユーザの情報とを関連付けて前記記憶部に記憶することと、
前記ソーシャルネットワークサービスによって、前記ユーザから前記ユーザに関連付けられた前記第1ユーザ
もしくは前記第2ユーザに対して送信されたメッセージ、または前記ユーザに関連付けられた前記第1ユーザ
もしくは前記第2ユーザから前記ユーザに対して送信されたメッセージに基づいて、前記ソーシャルネットワークサービスの前記ユーザのランクを前記サーバの評価部によって評価することとを含み、
前記第1ユーザから前記ユーザに対して第1メッセージが送信された場合、前記ユーザのランクを第1ランクから第2ランクに変更する評価を前記評価部によって行い、
前記第2ユーザから前記ユーザに対して第2メッセージが送信された場合、前記ユーザのランクを前記第1ランクから、前記第2ランクよりも高い第3ランク、または前記第2ランクよりも低い第4ランクに変更する評価を前記評価部によって行う。
【請求項14】
ソーシャルネットワークサービスを提供するサーバによって実行されるプログラムであって、
前記ソーシャルネットワークサービス上で、ユーザの情報と第1ユーザの情報とを関連付けて前記サーバの記憶部に記憶
し、前記ユーザの情報と前記第1ユーザよりもランクの高い第2ユーザの情報とを関連付けて前記記憶部に記憶することと、
前記ソーシャルネットワークサービスによって、前記ユーザから前記ユーザに関連付けられた前記第1ユーザ
もしくは前記第2ユーザに対して送信されたメッセージ、または前記ユーザに関連付けられた前記第1ユーザ
もしくは前記第2ユーザから前記ユーザに対して送信されたメッセージに基づいて、前記ソーシャルネットワークサービスの前記ユーザのランクを前記サーバの評価部によって評価することとが前記サーバによって実行され、
前記第1ユーザから前記ユーザに対して第1メッセージが送信された場合、前記ユーザのランクを第1ランクから第2ランクに変更する評価を前記評価部によって行い、
前記第2ユーザから前記ユーザに対して第2メッセージが送信された場合、前記ユーザのランクを前記第1ランクから、前記第2ランクよりも高い第3ランク、または前記第2ランクよりも低い第4ランクに変更する評価を前記評価部によって行うことが前記サーバによって実行される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service; SNS)等に適用される、ユーザにランクを付与する管理サーバおよびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な会員システム等において、各ユーザに利用金額に応じたポイント又はランクを付与し、各ユーザがサービスを利用する際に、各々のポイント又はランクに応じて利用代金を割引する等の特典を付与する会員システムが知られている。これに関連し、サービスを利用しようとするユーザのランクと、当該ユーザと友達関係にあるユーザのランクを比較し、最も高いランクを適用して当該ユーザがサービス利用する際の特典を付与する、ウェブサイトを管理する管理装置が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1におけるウェブサイトを管理する管理装置の場合、ユーザのランクと、当該ユーザと友達関係にある他のユーザのランクとを比較し、最も良いランクを当該ユーザに対して適用する。しかし、特許文献1では、当該ユーザと、最も良いランクを有し当該ユーザと友達関係にあるユーザが、どのような関係にあるかに関係なく適用されるので、必ずしも友達関係の実体を反映していない場合がある。例えば、上位のランクを有するユーザと形式上友達関係になるだけで、上位のランクが適用されてしまうので、本来の意味での友達関係の構築は促されず、また、会員等の活動を活性化させることもできない、という問題がある。
【0005】
このような問題に鑑み、本発明は、ユーザの友達関係を考慮したユーザのランクを付与することによって、ユーザに友達関係を積極的に構築させるよう促すとともに、ユーザにSNS等が提供するサービスを積極的に利用することを促すことを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る管理サーバは、ユーザの個人利用実績に基づいてユーザの個人ランクを決定するユーザ評価部と、ユーザと関連付けられている一人又は複数人の関連ユーザの個人ランクを取得する関連ユーザ評価情報取得部と、ユーザの個人ランクに、一人又は複数人の関連ユーザの個人ランクのそれぞれを加重して、ユーザの総合ランクを導出する総合ランク評価部と、を有する。
【0007】
また、別の態様において、総合ランク評価部は、ユーザと関連ユーザとの親密度に基づいてユーザの総合ランクを導出してもよい。
【0008】
また、別の態様において、親密度は、ユーザと関連ユーザとの共通の友達の数に基づいて算出されてもよい。
【0009】
また、別の態様において、親密度は、ユーザと関連ユーザとのコミュニケーション頻度に基づいて算出されてもよい。
【0010】
また、別の態様において、関連ユーザは、ユーザと相互に承認された友達関係で関連付けられてもよい。
【0011】
また、別の態様において、総合ランク評価部は、友達関係の継続期間に基づいてユーザの総合ランクを導出してもよい。
【0012】
また、別の態様において、個人ランクは加点及び減点によって行われる評価も含んでもよい。
【0013】
また、別の態様において、加点及び減点によって行われる評価は、ユーザがサービスを所定の利用方法に反して利用した際に減点して評価されることを特徴としてもよい。
【0014】
また、別の態様において、関連ユーザ評価情報取得部は、関連ユーザとさらに友達関係で関連付けられた間接関連ユーザの個人ランクを取得することを含んでもよい。
【0015】
また、別の態様において、総合ランク評価部は、ユーザと関連ユーザとの間のコンテンツプレゼント情報に基づいてユーザの総合ランクを導出してもよい。
【0016】
また、本発明の一実施形態に係るユーザのランクを付与する方法は、管理サーバが、ユーザの個人利用実績に基づいてユーザの個人ランクを決定し、ユーザと関連付けられている一人又は複数人の関連ユーザの個人ランクを取得し、ユーザの個人ランクに、一人又は複数人の関連ユーザの個人ランクのそれぞれを加重して、ユーザの総合ランクを導出してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態によると、SNS等のユーザに友達関係を積極的に構築させるよう促すとともに、ユーザにSNS等が提供するサービスを積極的に利用することを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、SNS等に適用されるユーザにランクを付与する管理サーバと、ユーザの端末装置、SNSサーバの関係を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の機能的構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態において、関連付けられているユーザの状態を示す模式図である。
【
図5】本発明の一実施形態において、関連付けられているユーザの状態を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る管理サーバ100が、個人ランクを決定するときの処理の流れを示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る管理サーバ100が、総合ランクを導出するときの処理の流れを示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態において、ユーザとその関連ユーザの友達関係を示す模式図である。
【
図9】本発明の一実施形態において、関連ユーザおよび間接関連ユーザの関係を示した模式図である。
【
図10】本発明の一実施形態において、ユーザとその関連ユーザとの間で、コンテンツのプレゼントがなされた状況を示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0020】
[ユーザにランクを付与する管理サーバの概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る、SNS等に適用されるユーザにランクを付与する管理サーバ100と、複数のユーザ端末装置400およびSNSサーバ200の関係を示す。SNSサーバ200は、複数のユーザ端末装置400にSNSサービスを提供し、情報の送受信を行う。SNSサーバ200の提供するSNSサービスには、チャット機能、音声通話機能だけでなく、音楽コンテンツのダウンロードサービス、オンラインゲーム提供サービス、フードデリバリーサービス、タクシー配車サービス、SNSサービスにおける料金や、提携するウェブ上の店舗あるいは実在する店舗の代金などの、送金・決済サービス等を含む。
【0021】
管理サーバ100は、SNSサーバ200の要求に応じて、個人ユーザの総合ランクを提供する。なお、本発明において「ランク」とは、SNSサービスおよびSNSサービスと提携される各種サービスの利用頻度や、利用金額になどの利用状況に応じて、各ユーザに付与されるものである。ユーザは、ランクに応じて、サービスの割引、クーポン発行、通信速度の向上、音声品質の向上、付加機能の追加、ポイントの取得、その他SNSサーバ200が直接的又は間接的に提供するサービスにおいて、特典を得ることができる。
【0022】
複数のユーザ端末装置400は、少なくとも
図1に示すネットワーク300と接続可能な通信端末であればよく、各々のユーザ端末装置400はそれぞれ異なる機能を有していてもよい。ユーザ端末装置400としては、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、PDA、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、PHSなどを用いることができる。
【0023】
図1では、管理サーバ100とSNSサーバ200はネットワーク300を介して接続される構成を例示したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、管理サーバ100とSNSサーバ200はネットワーク300と別のネットワークか、あるいは専用回線で接続されもよい。また、管理サーバ100とSNSサーバ200は、物理的又は機能的に分離されたものに限定されず、管理サーバ100にSNSサーバ200の一部または全部の機能が含まれていてもよく、SNSサーバ200に管理サーバ100の一部または全部の機能が含まれていてもよい。
【0024】
<管理サーバのハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3によると、管理サーバ100は、制御部111、ハードディスク112、および通信部113を有する。
【0025】
制御部111は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing
Unit)、レジスタやメモリなどの記憶装置が含まれる。制御部111は、メモリに記憶されたプログラムをCPUによって実行し、SNSサーバ等からの命令信号に応じた演算処理も行う。
【0026】
ハードディスク112は大容量のデータを格納することができる記憶装置であり、演算処理に必要なプログラムなどが格納される。また、ハードディスク112には、制御部111が演算処理した結果のデータや、SNSサーバ200から受信した情報が、一時的に、あるいは一定期間保存される。
【0027】
通信部113は、SNSサーバ200とネットワーク300を介してデータの送受信を制御する。
【0028】
<管理サーバの機能構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の機能的構成を示すブロック図である。
図2によると、管理サーバ100は、ユーザ評価部10、関連ユーザ評価情報取得部20、総合ランク評価部30を有する。
【0029】
ユーザ評価部10は、SNSサービスが提供する各種サービスにおける、ユーザの個人利用実績に基づいて、ユーザの個人ランクを決定する。例えば、ユーザ評価部10は、SNSサーバ200からユーザの個人利用実績情報を取得し、各ユーザの個人ランクを決定し、決定した個人ランクを管理サーバ100のハードディスク112に保存する。決定した個人ランクは、管理サーバ100と専用回線で接続された、データベース500に保存されてもよい。なお、データベース500はネットワーク300を介して管理サーバ100と接続されてもよく、この場合、SNSサーバ200から接続可能であってもよい。
【0030】
ランクは、SS、S、A、B、・・・Fのように上位から下位までを所定の記号でネーミングしたものでもよいし、所定の範囲内で数値化されたものであってもよい。以下では、数値化されたランクを用いて説明する。ランクの値が大きいほど、ランクが高いこと、すなわちランクに応じて得られる利益が大きいことを意味する。逆に、ランクの値が小さいほど、ランクが低いことを意味する。
【0031】
ユーザは、SNSサービスの利用を開始したときに、管理サーバ100によってランクの初期値が与えられる。ランクの初期値は、全てのユーザが一定であってもよいし、サービス開始時のユーザのSNSサービス利用条件や、SNSサービスを提供する業者が設定するキャンペーン期間等に応じて、異なる初期値が与えられてもよい。ランクは、ユーザのSNSサービスの利用状況に応じて、増加または減少してよい。
【0032】
関連ユーザ評価情報取得部20は、ユーザと、当該ユーザと関連付けられている一人または複数人のユーザとの、個人ランクを取得する。ここで、ユーザと「関連」づけられているとは、SNSサービス上の友達関係にあること、同一グループに所属していること等、ユーザ間に何らかの共通する属性を有することを意味する。ただし、ユーザにSNS等のサービスを積極的に利用することを促すという本発明の目的にかんがみれば、ユーザと「関連」づけられていることとは、ユーザが相互に承認された友達関係で関連付けられていることが望ましい。また、ユーザと他のユーザとの実質的な関連をランク付与に反映させるという点からも、「関連」づけられていることとは、ユーザが相互に承認された友達関係で関連付けられていることが望ましい。
【0033】
相互に承認された友達関係の例としては、ユーザAがユーザBに友達リクエストを送信し、ユーザBが友達リクエストを承認して、友達関係が構築された場合や、ユーザAがユーザBにユーザAが所属するグループへの招待メッセージを送信し、ユーザBが招待メッセージを承認して、当該グループのメンバーに入った場合などがある。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100において、関連付けられているユーザの状態を示す模式図である。
図4において、X、Y1、Y2、Y3、…Ynは、それぞれユーザを表わしている。Xは、Y1、Y2、Y3、…Ynと線で結ばれており、XがY1、Y2、Y3、…Ynと関連付けられていることを示している。例えば、関連付けが友達関係である場合、XはY1、Y2、Y3、…Ynの、n人のユーザと友達関係にあることを示している。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100において、関連付けられているユーザの状態を示す模式図である。
図5においても、X、Y1、Y2、Y3、…Ynは、それぞれユーザを表わしている。
図5を見ると、XとY1、Y2、Y3、…Ynの各ユーザは点線で囲まれており、XとY1、Y2、Y3、…Ynの各ユーザが同じグループに所属していることを示している。
【0036】
総合ランク評価部30は、対象とするユーザの個人ランクに、当該ユーザに関連する一人または複数人のランクを加重して、当該ユーザの総合ランクを導出する。
<管理サーバの動作>
【0037】
図6及び
図7を用いて、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の動作を説明する。
【0038】
図6は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100が、個人ランクを決定するときの処理の流れを示す図である。SNSサーバ200は、個人ランクを決定するための命令を、管理サーバ100のユーザ評価部10に送信する(S11)。ユーザ評価部10は、SNSサーバ200から個人ランク決定命令を受信する。個人ランク決定命令には、個人ランクを決定する対象となる、一人または複数のユーザの、名前、ID、属性等の情報が含まれてもよい。また、ユーザ評価部10は、個人ランク決定命令を受信する際に、ユーザがSNSのサービスを利用した情報等が記載された個人利用実績情報を受信してもよい。
【0039】
次に、ユーザ評価部10は必要に応じて、現在の個人ランクを取得するために、データベース500に対して現在の個人ランク要求命令を送信し、データベース500から現在の個人ランクを取得する。
【0040】
次に、ユーザ評価部10は、SNSサーバ200から受信した個人ランク決定命令や、個人利用実績情報、ならびにデータベース500から取得した現在の個人ランク等に基づき、個人ランクを算出し、決定する(S12)。
【0041】
次に、ユーザ評価部10は、データベース500に対して個人ランク更新命令を送信し、決定した個人ランクを送信する。データベース500は、ユーザ評価部10から受信した個人ランク更新命令および決定した個人ランクに基づいて、個人ランクを更新する(S13)。
【0042】
なお、
図4では、ユーザ評価部10はSNSサーバ200からの命令に従って個人ランクを決定する動作を行う例を示したが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、個人利用実績はSNSサーバ200及び管理サーバ100がアクセス可能なデータベースに格納したうえ、ユーザ評価部10は定期的に個人ランクを決定する設定とし、ユーザ評価部10が個人ランクを決定する際に当該データベースにアクセスする、という構成を取ることも可能である。
【0043】
図7は、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100が、総合ランクを導出するときの処理の流れを示す図である。SNSサーバ200は、総合ランクを決定するための、総合ランク計算命令を管理サーバ100に送信する(S21)。管理サーバ100の関連ユーザ評価情報取得部20および総合ランク評価部30は、SNSサーバ200から総合ランク計算命令を直接又は間接的に受信してもよい。
【0044】
関連ユーザ評価情報取得部20は、データベース500に対して関連ユーザの個人ランク要求命令を送信し、関連ユーザの個人ランクを取得する(S22)。関連ユーザの範囲は、SNSサーバ200から受信した総合ランク計算命令に付属する情報又は命令に基づいて決定されてもよい。
【0045】
総合ランク評価部30は、関連ユーザ評価情報取得部20から関連ユーザの個人ランクを取得する。また、総合ランク評価部30は、総合ランクを決定する対象となるユーザの、個人ランクをデータベース500から取得する。なお、当該ユーザの個人ランクは、関連ユーザ評価情報取得部20が、データベース500から関連ユーザの個人ランクを取得する際に、取得されてもよい。総合ランク評価部30は、当該ユーザの個人ランク及び関連ユーザの個人ランクに基づいて、総合ランクを導出し、決定する(S23)。総合ランク評価部30は、決定した総合ランクを、SNSサーバ200に送信する。
【0046】
なお、総合ランクの決定方法は、以下に説明する総合ランクを導出する方法の例の一つ又はその組み合わせで行われる。総合ランク評価部30は、予め定められた総合ランクの導出方法に従って総合ランクを決定してもよい。あるいは、総合ランク評価部30は、SNSサーバ200から受信した総合ランク計算命令で指定された方法に基づいて、総合ランクを決定してもよい。
<総合ランクを導出する方法の例>
【0047】
以下、総合ランクを導出する方法の詳細な例を説明する。
【0048】
総合ランクを導出する方法の一つに、単純にユーザに関連する複数人のランクを加算する方法がある。
図4において、総合ランクを導出する対象のユーザをユーザXとし、ユーザXに関連するユーザをユーザY1、Y2、Y3、…Ynとする。そして、ユーザXの個人ランクをRX、ユーザY1、Y2、Y3、…Ynの個人ランクをそれぞれRY1、RY2、RY3、…RYnとする。このとき、ユーザXの総合ランクTRXは、TRX=RX+RY1+RY2+RY3+…+RYnで表される。
【0049】
他のランクを加重する方法として、ユーザに関連する複数人の個人ランクから、一定数の上位ランクを加算する方法をとってもよい。例えば
図4において、ユーザY1、Y2、Y3、…Ynの個人ランクをそれぞれRY1、RY2、RY3、…RYnとし、個人ランクがRY2>RY1>…>RYn>…>RY3とする。上位2つのランクを加算する場合のユーザXの総合ランクTRXは、TRX=RX+RY2+RY1で表される。
【0050】
また、他のランクを加重する方法として、ユーザに関連する複数人の個人ランクの平均値を加算する方法をとってもよい。例えば、
図4においてn人のユーザY1、Y2、Y3、…Ynの個人ランクをそれぞれRY1、RY2、RY3、…RYnとした場合、ユーザXの総合ランクTRXは、TRX=RX+(RY1+RY2+RY3+…+RYn)/nで表される。
【0051】
<親密度に基づいて総合ランクを導出する方法>
本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の総合ランク評価部30は、ユーザと関連ユーザとの親密度に基づいて総合ランクを導出してもよい。以下に、親密度に基づく総合ランクの導出の例として、コミュニケーション頻度に基づいて算出する方法と、共通の友達の数に基づいて算出する方法を、それぞれ説明する。
【0052】
[コミュニケーション頻度に基づいて算出する方法]
SNSサービスにおいて友達関係にあるユーザ間において、メッセージまたは音声通話などのコミュニケーションが頻繁に行われるほど、当該ユーザ間の親密度が高いと考えられる。表1に、コミュニケーション頻度とそれに応じた補正係数αの値を示す。補正係数αは、コミュニケーション頻度が高いほど大きい値を取る。
【0053】
【0054】
例えば、ユーザXに、ユーザXの関連ユーザY1、Y2、Y3、…Ynが存在し、それぞれの個人ランクをRX、RY1、RY2、RY3、…RYnとする。また、ユーザXと、関連ユーザY1、Y2、Y3、…Ynとのコミュニケーション頻度に応じた補正係数αを、それぞれα1、α2、α3、…αnとする。このとき、ユーザXの総合ランクTRXを、TRX=RX+α1×RY1+α2×RY2+α3×RY3+…+αn×RYnとして算出してもよい。
【0055】
仮に、ユーザXと、関連ユーザY1とY2とのコミュニケーション頻度が、それぞれY1とは1日に5回以上、Y2とは6ヶ月に1回以上であった場合、それぞれの補正係数は、α1=1.5、α2=0.1となる。このとき、関連ユーザのY1とY2の個人ランクRY1、RY2が、それぞれRY1=4.0、RY2=7.0であった場合、補正後の個人ランクはα1×RY1=6.0、α2×RY2=0.7となる。このように、総合ランクTRXの算出にコミュニケーション頻度に応じた補正係数αを用いる場合、コミュニケーション頻度の多い関連ユーザの個人ランクは増加する方向に補正され、逆にコミュニケーション頻度の少ない関連ユーザの個人ランクは減少する方向に補正される。
【0056】
コミュニケーション頻度に基づいて算出する方法は、以上説明した方法に限られない。表1で示したコミュニケーション頻度の区分や、補正係数の値は、適宜変更して適用することが可能である。また、補正係数を用いないで、コミュニケーション頻度の多い順に一定数の関連ユーザの個人ランクのみを、総合ランクの算出に用いてもよい。また、コミュニケーション頻度が一定の頻度より少ない場合には、総合ランクの算出に用いないという方法をとってもよい。
【0057】
以上のように、総合ランクの導出において、コミュニケーション頻度に基づいて算出する方法をとった場合、コミュニケーション頻度の多い関連ユーザのランクが総合ランクに多く反映されるので、単純に関連ユーザのランクを用いる場合と比較してより友達関係の実体に即した総合ランクを導出することが可能となる。また、ユーザの友達関係の実体に即した総合ランクが導出され、各種サービスに適用されるので、ユーザにSNSサービスの利用を促進することが可能となる。さらに、コミュニケーション頻度の少ない関連ユーザを、総合ランクを導出の際に考慮しないか、影響を小さくすることができるので、もっぱら総合ランクを増加させる目的で友達関係を構築するインセンティブをなくすことが可能となる。
【0058】
[共通の友達の数に基づいて算出する方法]
ユーザ間の共通の友達が多いほど、親密度が大きくなる傾向を示す場合がある。
図8は、ユーザXとその関連ユーザY1~Y8の、友達関係を示した図である。
図8において、X、Y1~Y8を結ぶ線が存在する場合、各ユーザ間に友達関係が存在することを示している。例えば、ユーザXとユーザY3の共通の友達は、ユーザY1およびY2の2人である。
【0059】
表2に、関連ユーザY1~Y8のランクと、Xとの共通の友達の数を示す。
【0060】
【0061】
共通の友達の数に基づいて総合ランクを導出する方法の一例として、共通の友達の数が多い順に、一定数の関連ユーザのランクのみを用いてもよい。例えば、共通の友達の数が多い上位2つの関連ユーザのランクを用いることにした場合、
図8および表2によると、関連ユーザY8およびY3のランク(Y8は1.5、Y3は3.2)がユーザXの総合ランク導出に用いられる。
【0062】
また、上述の例のように共通の友達の数だけを考慮するのではなく、友達リストに対する共通の友達の数の割合から親密度を算出して、総合ランク導出に用いてもよい。すなわち、各関連ユーザの親密度は、共通の友達となりうる最大人数を分母とし、各関連ユーザとの共通の友達の数を分子として、計算されてもよい。この場合、例えば表2では共通の友達の最大人数は7名となるので、Xの個人ランクをRX、ユーザY1~Y8の個人ランクをそれぞれRY1~RY8とすると、ユーザXの総合ランクTRXを、TRX=RX+(RY1×1+RY2×1+RY3×2+RY4×0+RY5×1+RY6×1+RY7×1+RY8×3)/7として計算してもよい。
【0063】
また、ユーザXの友達リストと関連ユーザの友達リストを、関連ユーザごとに計算して、関連ユーザごとの親密度を計算してもよい。この場合、親密度の高い関連ユーザを所定の数だけピックアップして、ユーザXの個人ランクに加算することによって、ユーザXの総合ランクを計算する。また、親密度のランキング順位や、計算された親密度の数値に応じて、加重的に加算してもよい。
【0064】
また、ユーザ間の親密度はアルゴリズムにより計算されてもよい。
【0065】
また、別の例として、共通の友達が一定数未満の場合には、総合ランク導出に用いないという方法をとってもよい。仮に、共通の友達の数が1未満の場合に総合ランク導出に用いないという方法をとる場合、
図8および表2では、関連ユーザY4のランク(6.0)は総合ランク導出に用いられないことになる。
【0066】
また、別の例として、上述したコミュニケーション頻度に基づいて算出する方法の場合と同様に、共通の友達の数に応じた補正係数を設定して、それぞれの関連ユーザのランクをそれぞれの補正係数で補正したランクを、総合ランク導出に用いてもよい。
【0067】
以上のように、総合ランクの導出において、共通の友達の数に基づいて算出する方法をとった場合、共通の友達の数が多いユーザ、すなわち親密度の高いユーザのランクが寄与する割合を増やすことができるので、単純に関連ユーザのランクを用いる場合と比較して、より友達関係の実体に即した総合ランクを導出することが可能となる。また、ユーザは、共通の友達の数が多いほど総合ランクを増加させることができるので、友達関係を積極的に構築しようとするインセンティブが働く。
【0068】
コミュニケーション頻度に基づいて算出する方法の例と、共通の友達の数に基づいて算出する方法の例を、それぞれ説明した。これらの方法は、相互に矛盾しない範囲で組み合わせることによって、総合ランクを導出する方法として適用してもよい。例えば、関連ユーザが当該ユーザの家族であった場合、コミュニケーション頻度は多いが、共通する友達は少ないことがありえる。コミュニケーション頻度が一定値より多い場合には、共通する友達の数に関わらず総合ランク導出に用いる方法を適用することによって、このような場合でも、ユーザの友達関係の実体に即した総合ランク導出を実現することが可能となる。
【0069】
<友達関係の継続期間に基づいて総合ランクを導出する方法>
本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の総合ランク評価部30は、友達関係の継続期間に基づいて総合ランクを導出してもよい。表1に、ユーザとその関連ユーザとの友達関係において、友達の継続期間とそれに応じた補正係数βの値を示す。補正係数βは、友達の継続期間が長いほど、大きな値をとる。
【0070】
【0071】
上述した、<コミュニケーション頻度に基づいて算出する方法>で説明したのと同様に、ユーザXと、関連ユーザY1、Y2、Y3、…Ynとの友達関係の継続期間に応じた補正係数βを、それぞれβ1、β2、β3、…βnとする。このとき、ユーザXの総合ランクTRXを、TRX=RX+β1×RY1+β2×RY2+β3×RY3+…+βn×RYnとして算出してもよい。また、補正係数を用いないで、友達関係の継続期間が一定期間以上の関連ユーザの個人ランクのみを、総合ランクの算出に用いてもよい。また、友達関係の継続期間が一定期間未満の場合には、総合ランクの算出に用いないという方法をとってもよい。
【0072】
以上説明したように、総合ランクの導出において、友達関係の継続期間に基づいて算出する方法をとった場合、友達関係の継続期間が長い関連ユーザのランクが、総合ランクに反映される割合を増加させることができるので、単純に関連ユーザのランクを用いる場合と比較してより友達関係の実体に即した総合ランクを導出することが可能となる。また、継続期間が長い関連ユーザのポイントを優遇することになるので、ユーザに対してSNSサービスを長期間利用することのインセンティブになる。さらに、友達関係の継続期間の短い関連ユーザのランクを、総合ランクの導出において反映しないか、反映される割合を減らすことができるので、もっぱら総合ランクを増加させる目的で即座に友達関係を構築するインセンティブをなくすことが可能となる。
【0073】
<関連ユーザとさらに友達関係で関連付けられた間接関連ユーザの個ランクに基づいて総合ランクを導出する方法>
図9は、関連ユーザおよび間接関連ユーザの関係を示した模式図である。ここで、「間接関連ユーザ」とは、関連ユーザと友達関係で関連付けられたユーザであって、ユーザと友達関係に無いユーザをいう。
図9では、Xの関連ユーザはY1とY2である。関連ユーザY1は、ユーザZ11とZ12と友達関係にあり、ユーザXとユーザZ11およびZ12は友達関係に無いので、ユーザZ11およびZ12はユーザXの間接関連ユーザである。同様に、ユーザZ21、Z22、Z23も、ユーザXの間接関連ユーザである。
【0074】
本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の関連ユーザ評価情報取得部20は、総合ランクを算出する対象のユーザXと、その関連ユーザY1およびY2の個人ランクRX、RY1、RY2を取得することに加えて、間接関連ユーザZ11、Z12、Z21、Z22、Z23の個人ランクRZ11、RZ12、RZ21、RZ22、RZ23を取得する。
【0075】
次に、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の総合ランク評価部30は、関連ユーザの総合ランクを算出する。
図9において、関連ユーザY1およびY2の総合ランクTRY1およびTRY2は、それぞれTRY1=RY1+(R11+R12)×γ、TRY2=RY2+(R21+R22+R33)×γとして計算してもよい。ここで、「γ」は、関連ユーザの総合ランクに間接関連ユーザの個人ランクが寄与する割合を規定するパラメタである。γの値は適宜設定しうるが、間接関連ユーザの個人ランクが寄与する割合が多くなりすぎると、関連ユーザの個人ランクが寄与する割合が低下してしまうので、γの値は0以上1未満であることが望ましい。
【0076】
総合ランク評価部30は、関連ユーザの総合ランクTRY1、TRY2を算出した後に、総合ランクTRXを算出する。この場合、例えばTRX=RX+TRY1+TRY2のように、ユーザの個人ランクに、TRY1およびTRY2を加算してもよい。
【0077】
<コンテンツプレゼント情報に基づいて総合ランクを導出する方法>
本発明の一実施形態に係る管理サーバ100の総合ランク評価部30は、コンテンツプレゼント情報に基づいて総合ランクを導出してもよい。なお、本発明における「コンテンツ」とは、音声、音楽、画像、動画、ソフトウェア、プログラム、その他の情報のことを意味する。また、本発明における「コンテンツプレゼント情報」とは、ユーザが他のユーザに対してコンテンツを譲渡したり、他のユーザの代わりに購入したり、他のユーザに利用可能にしたりすることを意味する。コンテンツプレゼント情報には、コンテンツをプレゼントした相手方の情報、コンテンツをプレゼントした時期、プレゼントしたコンテンツの内容、コンテンツの代金等の情報が含まれる。
【0078】
コンテンツプレゼント情報は、管理サーバ100が必要に応じて参照することが可能であればよく、SNSサーバ200が保持してもよいし、管理サーバ100およびSNSサーバ200とは別のネットワークを介して接続可能なストレージサーバ等に格納されてもよい。また、管理サーバ100が総合ランクを算出するリクエストをSNSサーバ200等の外部から受信した際に、コンテンツプレゼント情報を受信してもよい。
【0079】
図10は、ユーザとその関連ユーザとの間で、コンテンツのプレゼントがなされた状況を示した模式図である。矢印線は、ユーザから矢印の方向のユーザに対してコンテンツがプレゼントされたことを示しており、白抜きの星がユーザXから関連ユーザに対してプレゼントされたコンテンツを示し、黒色の星が関連ユーザからユーザXに対してプレゼントされたコンテンツを示している。
図10では、一定期間の間に、ユーザXからユーザY1に対して、コンテンツが1個プレゼントされたことを示している。また、ユーザY2からユーザXに対して、コンテンツが1個プレゼントされたことが示されている。また、ユーザXからユーザY3に対してはコンテンツが2個プレゼントされ、ユーザY3からユーザXに対してはコンテンツが1個プレゼントされている。なお、ユーザXとユーザY4との間には、コンテンツプレゼント情報が存在しない。
【0080】
コンテンツプレゼント情報に基づいて総合ランクを導出するいくつかの方法を説明する。以下、ユーザX、Y1、Y2、Y3、Y4の個人ランクをそれぞれRX、RY1、RY2、RY3、RY4とし、ユーザXの総合ランクをTRXとする。
【0081】
一つの例として、総合ランクを導出する対象のユーザから、関連ユーザにコンテンツがプレゼントした場合に、一定期間内にプレゼントしたコンテンツの個数に応じて、当該プレゼントをした相手の関連ユーザの個人ランクに重み付けをする方法がありうる。ここで、プレゼント1個につき0.2倍を付加するとすれば、ユーザXの総合ランクはTRX=RX+1.2×RY1+RY2+1.4×RY3+RY4としてもよい。ここで、ユーザXはユーザY1に対しコンテンツを1個プレゼントしているので、1.2×RY1がRXに加算される。また、ユーザXはユーザY3に対してコンテンツを2個プレゼントしているので、1.4×RY3がRXに加算される。なお、ユーザXはユーザY2およびユーザY4に対してコンテンツをプレゼントしていないので、RY2およびRY4はそのままRXに加算される。
【0082】
コンテンツをプレゼントした関連ユーザの個人ランクに重み付けをする場合、ユーザの総合ランクを導出する際に、プレゼントをした関連ユーザの個人ランクを、重みを付けて得ることができる。したがって、ユーザに対して、関連ユーザに対してコンテンツをプレゼントするインセンティブを与えることができる。
【0083】
これとは逆に、ユーザにコンテンツをプレゼントした関連ユーザの個人ランクに重みをつけてもよい。
図10では、ユーザY2およびユーザY3がユーザXに対してコンテンツをプレゼントしているので、RY2およびRY3に重みを付けてRXに加算してもよい。この場合、コンテンツをプレゼントするユーザは、相手にコンテンツをプレゼントすれば、相手のユーザの総合ランクに自分の個人ランクに重みを付けて適用させることができるので、いわばコンテンツに特典を付加してプレゼントすることができる。したがって、コンテンツプレゼント情報に基づいて総合ランクを導出する方法によると、ユーザにコンテンツをプレゼントするインセンティブを与えることが可能となる。
【0084】
また、コンテンツをプレゼントした場合と、コンテンツをプレゼントされた場合の、両方について、相手方のユーザの個人ランクに重み付けをしてもよい。
【0085】
さらに、プレゼントされたコンテンツの内容に応じて、重み付けを変化させてもよい。この場合、本発明の一実施形態に係る管理サーバ100は、SNSサーバ200等から総合ランク計算の指示を受信した際に、優先コンテンツ情報を受信してもよい。ここで、優先コンテンツ情報とは、コンテンツの種類、提供するベンダー等のパラメタが一致するコンテンツのプレゼントのやり取りがあった場合に、総合ランク計算の際に優先して重み付けをする命令や、引数等を意味する。
【0086】
例えば、関連ユーザからコンテンツをプレゼントされた場合に当該関連ユーザの個人ランクを重み付けして総合ランクを計算するときに、ユーザY2がユーザXにプレゼントしたコンテンツがA社の提供するゲームコンテンツであり、ユーザY3からユーザXにプレゼントしたコンテンツがB社のゲームコンテンツであったとする。このとき、A社の提供するゲームコンテンツがプレゼントされた場合には1倍を付加し、その他のプレゼントがされた場合には0.2倍を付加するなど、指定されたコンテンツの内容に該当するか否かで個人ランクの重みを変化させてよい。このような加算方法を採用した場合、コンテンツをプレゼントされたユーザは、同じ会社等のコンテンツを購入する際に有利になるので、ユーザがコンテンツを購入するインセンティブを与えることが可能となる。
【0087】
<ランクに加点及び減点によって行われる評価を含む場合>
これまでに説明してきたランクは全て正の評価であったが、ランクには負の評価を含んでもよい。すなわち、評価によってランクを加点するだけでなく、減点してもよく、減点されることによって負の評価となってもよい。例えば、ユーザに正の評価が与えられているときは、個人ランクの値は正の値をとり、ユーザに負の評価が与えられているときは、個人ランクの値は負の値をとってもよい。この場合、総合ランクが正の値であれば、ユーザに特典が与えられるが、総合ランクが負の値であれば、ユーザは特典が与えられないか、あるいは提供されるサービスの一部または全部が制限を受けるように設定してもよい。
【0088】
ユーザのランクに負の評価を与える例を以下に示す。例えば、ユーザがSNS等のサービスを不正に利用した場合に、不正行為の種類や程度等に応じてユーザに負の評価を与えてもよい。また、例えば決済サービスを利用中のユーザの、決済成功率が低い場合や、決済成功率が所定の値よりも低い場合に、当該ユーザに対して負の評価を与えてもよい。また、ユーザのSNSサービスの利用率が低い場合やユーザのSNSサービスの利用率が所定の値よりも低い場合に、負の評価を与えてもよい。その他、SNS等の事業者は、SNS等のサービス提供に関連して、ユーザの規約に反する行動や、事業の健全な発展を阻害する行為等、事業者の意図する所定の行為に反したユーザの行為に対して負の評価を与えるように設定してもよい。
【0089】
以下、表4を示しながら、ランクにマイナス評価が含まれる場合の、総合ランク導出の具体例を説明する。表4は、ユーザXの関連ユーザY1、Y2、Y3およびY4の、それぞれの個人ランクを示した図である。
【0090】
【0091】
例えば、ユーザXの総合ランクTRXは、ユーザXの個人ランクをRXとすると、TRX=RX+3.0-4.0+1.0+2.0として算出してもよい。
【0092】
また、関連ユーザの個人ランクの上位2つを用いることを基本としつつ、関連ユーザの個人ランクにマイナス評価がある場合には、最も低い個人ランクも用いる方法を適用してもよい。表4の場合、TRX=RX+3.0+2.0-4.0=RX-1.0と算出される。このような方法を採用すると、当該ユーザにマイナス評価の個人ランクを有する関連ユーザが存在した場合に、当該ユーザの総合評価に負の評価の影響をより強く与えることになる。
【0093】
以上説明したように、本発明の一実施形態によると、個人ランクに負の評価を含ませ、総合ランク算出に負の評価を反映させることができる。このように、仮にあるユーザの個人ランクが負の評価となると、友達関係にある関連ユーザの総合ランク算出において負の評価が反映され、当該関連ユーザに迷惑をかけることになる。したがって、SNS等のサービスを利用するユーザに対し、負の評価を得ることがないように、規約に従った正しい利用方法を遵守するように、インセンティブを与えることができる。
【0094】
以上説明したように、本発明の一実施形態によれば、SNS等のユーザに友達関係を積極的に構築させるよう促すとともに、ユーザにSNS等が提供するサービスを積極的に利用することを促すことができる。
【0095】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、それぞれの実施形態は、相互に矛盾の無い範囲で適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0096】
10:ユーザ評価部、 20:関連ユーザ評価情報取得部、 30:総合ランク評価部、
100:管理サーバ、 111:制御部、 112:ハードディスク、 113:通信部、 200:SNSサーバ、 300:ネットワーク、 400:複数のユーザ端末装置、 500:データベース