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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】押出プレス機及び押出方法
(51)【国際特許分類】
   B30B 11/26 20060101AFI20240111BHJP
   B21C 23/00 20060101ALI20240111BHJP
   B21C 33/00 20060101ALI20240111BHJP
   B21C 23/04 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
B30B11/26
B21C23/00 A
B21C33/00
B21C23/04
B21C23/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021503882
(86)(22)【出願日】2019-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019043359
(87)【国際公開番号】W WO2020023701
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-01
(31)【優先権主張番号】62/703,150
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517426764
【氏名又は名称】グラフテック インターナショナル ホールディングス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ウルティア ギレルモ
【審査官】豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-034890(JP,A)
【文献】特開平02-182806(JP,A)
【文献】特公昭49-044473(JP,B1)
【文献】実開昭64-020306(JP,U)
【文献】特開昭47-038890(JP,A)
【文献】特公昭47-3441(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/00 - 11/26
B21C 23/00
B21C 33/00
B21C 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラム軸に沿って移動するように構成されたラム本体を持つラムと、
圧縮コンパートメントを画定し、圧縮容器軸を有する圧縮容器であって、前記圧縮容器が第1の開放端と前記第1の開放端に対向して配置された第2の開放端とを有し、前記圧縮容器軸が前記ラム軸と整列しない第1の配向と、前記ラム本体が前記圧縮コンパートメント内に移動可能なように前記圧縮容器軸が前記ラム軸と整列する第2の配向との間で、圧縮容器が回動可能であり、前記圧縮容器が前記第1の配向状態にあるとき、前記第1の開放端は前記第2の開放端の上方に配置される、圧縮容器と、
前記圧縮容器に連結され、少なくとも前記圧縮容器が前記第2の配向にないときに、閉位置に移動可能な蓋であって、前記蓋は、前記閉位置にあるとき、前記第1の開放端を全体的に覆って、前記圧縮容器内に材料を保持するように構成された蓋と、
を備える、押出プレス機。
【請求項2】
前記圧縮容器軸は、前記圧縮容器が前記第1の配向状態にあるとき、ほぼ垂直に配向され、前記圧縮容器が前記第2の配向状態にあるとき、ほぼ水平に配向され、前記ラムは、前記圧縮容器が前記第1の配向状態にあるとき、前記圧縮コンパートメント内に移動可能ではない、請求項1に記載のプレス機。
【請求項3】
前記圧縮容器は、前記圧縮容器が前記第2の配向状態にあるとき、前記第1の開放端と前記第2の開放端とは、ほぼ水平に整列され、前記圧縮容器が前記第2の配向状態にあるとき、前記第1の開放端は、前記ラム本体に隣接して配置されるように構成されている、請求項1に記載のプレス機。
【請求項4】
前記蓋は、前記圧縮容器が前記第2の配向状態にあるとき、前記ラム本体が前記圧縮容器内に移動できるようにするために前記蓋が前記第1の開放端を全体的に覆わない開位置に移動可能であり、前記圧縮容器が前記第1の配向から前記第2の配向へ移動するときに、前記蓋は、前記圧縮容器内に材料を保持するように構成されている、請求項1に記載のプレス機。
【請求項5】
前記第2の開放端に配置され、そこを通って押し出される材料を受け入れるように構成されたダイ開口部を有するダイをさらに含む、請求項3に記載のプレス機。
【請求項6】
前記圧縮容器に連結され、前記ダイ開口部を全体的に覆う閉位置と、前記ダイ開口部を通って押出可能にするために前記ダイ開口部を全体的に覆わない開位置との間で移動可能なダイカバーをさらに含む、請求項5に記載のプレス機。
【請求項7】
前記圧縮容器は、前記ラム軸に対してほぼ垂直に配向された軸の周りを回動可能である、請求項1に記載のプレス機。
【請求項8】
前記ラムは、前記圧縮容器内に配置された材料を圧縮すると共に押し出すように構成され、前記プレス機は、前記圧縮容器内に配置された材料を圧縮するように構成された別個の構成要素、装置又は機構を欠いている、請求項1に記載のプレス機。
【請求項9】
前記ラム本体とほぼ同軸に配置された真空シュラウド(vacuum shroud)をさらに備え、前記真空シュラウドは、前記真空シュラウドが前記圧縮容器に密封係合する密封位置と、前記真空シュラウドが前記圧縮容器に密封係合しない後退位置との間で移動可能である、請求項1に記載のプレス機。
【請求項10】
前記圧縮容器が、その外面の周りにフランジを含み、前記真空シュラウドが、前記フランジと密封を形成するように前記フランジと密封係合するように構成された環状面を含み、前記真空シュラウドが、真空源に動作可能に接続可能な、当該真空シュラウドを通って延びる開口部を含む、請求項9に記載のプレス機。
【請求項11】
前記ラム本体は、その端面から材料を離すのを助けるために、前記ラム本体が前記容器内に配置されたときに前記容器内に流体を噴射するための流体源に接続可能な少なくとも1つの開口部を前記端面に含む、請求項1に記載のプレス機。
【請求項12】
圧縮コンパートメントを画定し、圧縮容器軸を有する圧縮容器を備える押出プレス機にアクセスするアクセスステップであって、ここで、前記押出プレス機は、ラム軸に沿って移動するように構成されたラム本体を有するラムをさらに備え;
前記圧縮容器が、前記圧縮容器軸が前記ラム軸と整列しない第1の配向にあるときに、前記圧縮容器の第1の開放端を介して前記圧縮コンパートメントへ材料を充填する装填ステップ;
前記第1の開放端を覆うステップ;及び
前記第1の開放端が覆われている際に、前記ラム本体が前記圧縮コンパートメント内に移動可能となるように、前記圧縮容器軸が前記ラム軸と一致する第2の配向へ前記圧縮容器を回動させる回動ステップ、
を備える、押出方法。
【請求項13】
前記ラム本体を前記圧縮コンパートメント内に移動させて、材料を前記圧縮容器から押し出す押出ステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記圧縮容器が、前記第1の開放端に対向して配置された第2の開放端を有し、前記圧縮容器が前記第1の配向状態にあるとき、前記第1の開放端は、前記第2の開放端の上方に配置され、前記圧縮容器が前記第2の配向状態にあるとき、前記第1の開放端と前記第2の開放端とは、ほぼ水平に整列され、前記圧縮容器が前記第2の配向状態にあるとき、前記第1の開放端は、前記ラム本体に隣接して配置される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の開放端は、前記装填ステップの間に閉じられ、前記方法は、前記回動ステップの後に、前記第1の開放端及び前記第2の開放端を覆わないアンカバーステップ、及び前記ラム本体を前記圧縮コンパートメント内に移動させ、それによって、前記圧縮容器から材料を押し出す押出ステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記回動ステップの後であって、前記第1の開放端を覆わないアンカバーステップの前に、前記ラム本体を前記第1の開放端にすぐ隣接する位置に移動させるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記回動ステップの後に、前記ラム本体を前記圧縮コンパートメント内に部分的に移動させて、前記材料を押し出すことなく前記材料を圧縮する圧縮ステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記ラム本体が前記材料を圧縮している際、前記圧縮コンパートメントは真空引きされる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記蓋は、前記圧縮容器が前記第1の配向と前記第2の配向との間で回動するときに、前記圧縮容器に連結されたままとなるように構成されている、請求項1に記載のプレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、「グリーンカーボン体の押出プレス機とそれを使用した方法」と題され、2018年7月25日に出願された米国仮特許出願第62/703,150号の出願日の優先権とその利益を主張し、それらの開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、グリーンカーボン体のような押出成形体を形成するための押出プレス機に関し、より具体的には、装填のための第1の配向又は垂直配向と、押出のための第2の配向又は水平配向との間で回動可能な圧縮容器アセンブリを有する押出プレス機に関する。
【0003】
黒鉛電極は電気アーク炉で必要とされる消耗品であり、電気炉製鋼作業の極めて過酷な作業環境に耐えることができる。黒鉛電極は、典型的には、円筒状のグリーンカーボン体を形成することによって製造される。グリーンカーボン体は、典型的には、粉末ニードルコークス等のコークスを含む原料とバインダーピッチとを高温で混合混練することにより形成される。次いで、原料混合物をプレス機から押し出して、押し出し成形グリーンカーボン体を形成する。その後、グリーンカーボン体を黒鉛化して黒鉛電極を形成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、本開示は、改善された押出のためのシステム及び方法に関する。より詳細には、一実施形態において、本発明は、ラム軸に沿って移動するように構成されたラム本体と、圧縮コンパートメントを画定し圧縮容器軸を有する圧縮容器とを有するラムを含む押出プレス機である。圧縮容器は、圧縮容器軸がラム軸と整列しない第1の配向と、ラム本体が圧縮コンパートメント内に移動可能となるように圧縮容器軸がラム軸と整列している第2の方向との間で回動可能である。
【図面の簡単な説明】
【0005】
構造及び特定の実施形態は、添付の図面を参照することによって理解することができる。
図1図1は、圧縮容器アセンブリを垂直方向にした押出プレス機の一実施形態の斜視図である。
図2図2は、蓋が閉じている、図1の押出プレス機の斜視図である。
図3図3は、図1の押出プレス機の斜視図であり、圧縮容器が水平方向に配置されている。
図4図4は、図1の押出プレス機の側断面図であり、圧縮容器の装填を示し、特定のラム本体構成を有する。
図5図5は、図2の押出プレス機の側断面図である。
図6図6は、図3の押出プレス機の側断面図である。
図7図7は、ラム本体を前方に前進させた図6の押出プレス機を示す。
図8図8は、図7の押出プレス機を示しており、蓋は開いており、ラム本体は前方に前進している。
図9図9は、真空シュラウドを前方に前進させ、特定のラム本体構成を有する、図8の押出プレス機を示す図である。
図10図10は、真空シュラウドを後退させ、ラム本体を前方に前進させた、図9の押出プレス機を示す図である。
図11図11は、ラム本体を前方に前進させ、成形品を押し出す図10の押出プレス機を示す。
図12図12は、容器アセンブリ弁の代替実施形態を示す、圧縮容器の上部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
次に、図1-3に示すように、押出プレス機は100で示され、押出プレス機100は、油圧ラム又は押出ラム102を備え、この油圧ラム又は押出ラムは、内部にラム本体104を受け入れる中空ラムケーシング105を備える。ラム102は、図示の実施形態では、ほぼ水平方向(重力基準系に関して)に維持され、ラム本体104が水平方向に軸方向移動するように構成される。図示の実施形態では、ラムケーシング105は、円筒形の内部空洞を画定する環状形状を有し、ラム本体104は、ラム本体104がラムケーシング105内に密接に受け入れられるように、ほぼ円筒形(例えば、円形の断面を持つ)を有する。しかし、ラム本体104及びラムケーシング105は、代わりに、断面が円形以外の形状を含む他の形状を有してもよい。
【0007】
ラム本体104は、例えば、ラムケーシング105に作動的に連結された加圧油圧(111で示される)を用いて、水平方向に前方及び/又は後方に移動することができ、これにより、ラム本体104は、以下にさらに詳細に説明するように材料を押し出すことができる。押出プレス機100は、例えば、電力を介して、又は別の油圧回路を介して、ラム102に油圧がラムケーシング105を介して印加されないときに、軸方向に沿ってラム本体104を移動させるために、ラム102及び/又はラム本体104に連結された補助シリンダ103を備えてもよい。
【0008】
ラム102/ラム本体104/ラムケーシング105は、縦軸ARAMが水平方向に配置されている。ラム本体104は、その第1の端部に配置され、半径方向平面に整列したラム面又は端面106を含む。ラム本体104は、図1に示すように、ラム本体104を通って延び、ラム面106で終端する一連のノズル又は開口部107を備えてもよい。一例では、ノズル107は、圧力によって有効化されてもよく、例えば、十分な圧力にさらされた場合を除き、閉じたままであってもよい。図4は、ノズル107のうちの一つがラム本体104を通って延びていることを示すが、ノズル107は、多種多様な構成及び経路のいずれかを有してもよい。代替実施形態として、図9は、ラム本体104が中空であり、ノズル107と流体連通する内部空洞を有する様子を示している。ノズル107は、図示した以外にも様々な他の形状及び構成を有してもよい。ノズル107の上流端部は、圧縮空気源などの流体源(不図示)に結合され、以下にさらに詳細に説明するように動作してもよい。さらに、所望であれば、以下に説明するように、ノズル107を通して真空引きしてもよい。
【0009】
プレス機100は、圧縮容器アセンブリ110を備え、この圧縮容器アセンブリは、圧縮容器112を備え、この圧縮容器アセンブリは、圧縮容器内に圧縮コンパートメント116を画定する壁114(円筒壁114のような)を有する。圧縮容器アセンブリ110/容器112は、長手方向容器軸Aに沿って延在して配向され、第1の開口部又は第1の開放端120と、第1の開放端120に対向して配置された第2の開口部又は第2の開放端122とを有する。圧縮容器アセンブリ110/容器112は、プレス機100及び/又はラム102の残りの部分に回動可能に取り付けられており、圧縮容器アセンブリ110/容器112は、以下にさらに詳細に説明するように、水平回動軸AROTの周りを回動可能である。
【0010】
また、圧縮容器アセンブリ110は、第1の開放端120に、又は第1の開放端120に隣接して、弁アセンブリ124を備えてもよい。弁アセンブリ124は、図に示すように、蓋126に動作可能に接続されたアクチュエータ125を有し、蓋126を閉位置と開位置との間で移動させ、図2及び図5に示すように閉位置において蓋126が第1の開放端120に係合してこれを密封して覆い、図1及び図4に示すように開位置において蓋126が第1の開放端120を覆わないように第1の開放端と係合しない、又は第1の開放端120を覆わない。図1~11に示す実施の形態は、弁アセンブリ124が、回動弁(スイングバルブとしても知られる)を含むか、又はその形態をとり、蓋126が開位置と閉位置との間で軸の周りを回動することを示している。しかしながら、弁アセンブリ124は、限定されるものではないが、図12に示されるようなゲート弁又は水門弁を含む種々の他のタイプの弁アセンブリを含むか又はその形態をとることができ、この場合、蓋126は概ね平坦で平面であり、平面に沿って開閉する。アクチュエータ125及び蓋126を含む弁アセンブリ124は、それらが回動軸AROTの周りを回動するとき、圧縮容器アセンブリ110/容器112と共に回動する。
【0011】
また、圧縮容器アセンブリ110は、圧縮容器アセンブリ110の第2の開放端122にダイ130を配置してもよい。ダイ130は、ダイ開口部132を有し、この開口部を通して、材料138/押出成形品140は、図11に示され、以下にさらに詳細に説明されるように、押出プロセス中に押し出される。圧縮容器アセンブリ110は、ダイ130に隣接する第2の開放端122に配置されるダイカバー134を備えてもよい。ダイカバー134は、閉位置と開位置との間で移動可能である。ダイカバー134は、図1~10に示すように、閉位置にあるときに、ダイ開口部132と密封係合するか、又はこれを覆う。ダイカバー134が図11に示すように開位置にあるとき、ダイカバー134は、ダイ開口部132から離れて配置され、ダイ開口部132を覆わず、以下にさらに詳細に説明されるように、材料がダイ130から押し出されることを可能にする。ダイ130及びダイカバー134は、以下でさらに詳細に説明するように、回動軸AROTの周りを回動するとき、圧縮容器アセンブリ110/容器112と共に回動する。
【0012】
また、プレス機100は、ほぼ環状の真空シュラウド150を含み、このシュラウドは、ラム本体104の周りに同心円状に配置され、ラム本体と同軸である。真空シュラウド150は、環状の前面152を有し、この前面は、容器112の第1の開放端120に位置するか又はこれに隣接して配置されたフランジ又は嵌合面154(図1図8、及び図9)と密封係合するのに適している。フランジ又は嵌合面154は、図示された実施形態では、容器112の外面上に配置され、第1の開放端120から僅かに下流側に離間される。真空シュラウド150/面152は、ラム軸ARAMに沿って、以下でさらに詳細に説明するように、真空シュラウド150/面152が嵌合面154から離間して係合しない後退位置と、真空シュラウド150/面152が嵌合面154に密封係合して容器112内を真空引きする密封又は係合位置との間で移動可能である。
【0013】
上述したように、圧縮容器アセンブリ110及び容器112は、図1、2、4、及び5に示すように、容器軸Aが概ね又は厳密に垂直に配向され、第1の開放端120が第2の開放端122の上方に配置される第1の配向又は垂直方向と、図3及び6-11に示すように、容器軸Aが概ね又は厳密に水平に配向され、第1の開放端120が概ね第2の開放端122と整列される第2の配向又は水平方向との間で、回動軸AROTを中心に回動可能である。圧縮容器アセンブリ110が最初に水平な配向に移動されると、第1の開放端120がラム面106に隣接して配置され、当該ラム面106に面し、容器軸Aがラム本体104の長手方向軸ARAMと整列する。容器アセンブリ110/容器112の回動する角度は、図示の実施形態では約90°であるが、例えば少なくとも約45°であってもよいし、所望によって変化させてもよい。回動軸AROTは、図1に示すように、ラム軸ARAMに対して垂直に方向付けることができるが、回動軸は、必要に応じて異なる角度にすることができる。
【0014】
次に、図4-11を参照して、プレス機100の1つの操作方法について説明する。容器アセンブリ110は、図4に示すように、第1の配向又は垂直方向で開始し、又は第1の配向又は垂直方向に回動され、蓋126がその開位置にありダイカバー134が閉じられるように配置される。容器アセンブリ110は、この第1の配向に固定され、ロックされ、又はブロックされる。この向きでは、第1の開放端120は、第2の開放端122の上方に配置され、押出すべき原料138、例えば、グリーン炭素原料138を容器112内に容易に装填してもよいようになっている。原材料138は、例えば、図4に示す、第1の開放端120の上方に配置された端部146を有するコンベヤ144によって容器112内に装填されてもよく、その結果、原材料138が自然に容器112内に供給され、重力によって容器内に保持される。例えば、原料138は、押出成形グリーン炭素体を形成するために使用されるグリーン炭素原料138であり、例えば、ニードルコークス、焼成石油コークス、焼成無煙炭等のコークス、及び、例えば、ピッチ、コールタールピッチ、又は石油ピッチ等のバインダーが含まれる。グリーンカーボン原料138は、高温で混合混練された後、容器112の第1の開放端120に装填される。
【0015】
所望量の材料138が容器112内に装填された後、弁アセンブリ124が閉じられ、これにより、図5に示すように、第1の開放端120を密封して覆うため、蓋126を閉位置に移動させる。次いで、容器アセンブリ110/容器112は、解放され、ロック解除され、又はブロック解除され、軸AROTを中心に、容器アセンブリ110/容器112が第2の方向又は水平方向となるまで、例えば90°、回動され、図6に示すように、容器軸Aが、ラム本体104の軸ARAMと整列する。容器アセンブリ110が水平方向にあるとき、第1の開放端120及び/又は蓋126は、ラム面に対向し、ラム面106に隣接して(adjacent)、又はすぐに隣接している(immediately adjacent)。真空シュラウド150及びラム本体104は、この段階で、圧縮容器アセンブリ110がその水平方向へ自由に回動できるように十分に後退している。上述したように、弁アセンブリ124/蓋126及びダイカバー134は、容器112と共に回動する。次いで、容器アセンブリ110/容器112は、水平方向に固定され、ロックされ、又はブロックされて、押出ステップの間等の後続のステップにおける容器アセンブリ110/容器112の移動を防止する。
【0016】
次に、図7に示すように、ラム本体104は、その後退位置から、ラム面106が蓋126に近接して(proximate)、近くに(near)、隣接して(adjacent)、又はすぐに隣接して(immediately adjacent)配置される外部位置まで前方に移動される。次に、弁アセンブリ124を開き、蓋126を第1の開放端120から開位置に移動させる。この位置では、ラム面106は、材料138を容器112内に保持し、材料138の大部分が容器112の第1の開放端120からこぼれるのを防止する。この段階でのラム面106と第1の開放端120/容器112との間の隙間の最大サイズは、こぼれを低減又は最小化するために比較的小さくてよく、例えば、ある場合には約7.5cm未満、ある場合には約5cm未満、又は別の場合には約2cm未満である。
【0017】
次に、図8に示すように、ラム本体104/ラム面106は、容器112の少なくとも部分的に外部であるが近接した位置から、ラム本体104/ラム面106が第1の開放端120を通って容器112に完全に入る第1の内部位置まで前進され、原料138を圧縮することなく、または著しく圧縮することなく、ケーシング105内に部分的に配置される。例えば、このステップでは、ラム本体104は、容器112の軸方向長さの10%未満、または別の場合には5%未満、またはさらに別の場合には1%未満に延在してもよい。
【0018】
次いで、真空シュラウド150は、容器112に向かって移動され、シュラウド150/シュラウド面152が、図9に示すように、シュラウド150/シュラウド面152が容器112の嵌合面又はフランジ154と密封係合する密封位置にある。シュラウド150は、内部密封部材151を含み、この内部密封部材151は、ラム本体104をその中に密着して摺動可能かつ密封可能に受容する。このように、シュラウド150は、容器112及び圧縮コンパートメント116を全体的に閉じて密封し、容器112及び圧縮コンパートメント116内の真空引きを可能にする。次いで、真空シュラウド150内に真空引きを行い、容器112/圧縮コンパートメント116内の空気を除去することによって、真空サイクルが実行される。一実施形態では、真空シュラウド150は、真空源を連結して真空引きをすることができる一つ又は複数の半径方向に延びる開口部153(図3、9)を有する。しかし、ノズル107を介して真空を印加する場合があるなど、他の様々な方法によって真空を形成してもよい。バキュームは、次のステップで説明するように、圧縮プロセスを容易にするのに役立つ。
【0019】
所望のレベルの真空に達したとき(例えば、約10kPA未満、又は、例えば、約2kPA未満)、密封サイクルが実行され、原料138は、ダイ130を介して材料138を押し出すことなく密封される。圧縮サイクルの間に、ラム102は、第1の内部位置から容器112/原料138の方へ移動して、材料138を容器112内で圧縮するが、ダイカバー134は、図10に示すように、閉じたままである。例えば、このステップでは、ラム本体104は、容器112の軸方向長さの25%未満、又は別の場合では10%未満、又はさらに別の場合では5%未満に延在してもよく、さらに、容器112の軸方向長さの少なくとも約1%、又は別の場合では少なくとも約5%に延在してもよい。圧縮プロセスは、押出材料中のボイドを除去し、より均一な押出製品を提供するのに役立つ。圧縮が完了すると、真空シュラウド150が引っ込められ、それによってシュラウド面152が容器嵌合面154から離れて移動し、真空状態が終了する。
【0020】
次いで、ダイカバー134を開位置に移動させてダイ開口部132を開放し、図11に示すように、ラム本体104を容器112内にさらに移動させることによって押し出しを開始する。ラム本体104は容器112内を前進し、原料138はダイ開口部132を通って押し出され、押出成形されたグリーンカーボン製品140等の押出成形品140を形成する。押出プロセスは、様々な温度及び圧力で、ある場合には約90℃から約130℃の間で、ある場合には約20バールの圧力で、別の場合には少なくとも約50バールの圧力で、さらに別の場合には少なくとも約150バールの圧力で行われてもよい。押出成形品140は、切断されるか、又は他の方法でプレス機100から分離され、黒鉛化などによりさらに処理されて、電気アーク炉用の黒鉛電極を形成してもよい。
【0021】
押出ステップが完了すると、ラム本体104は、ダイ開口部132から引き出される。空気又は他のいくつかの流体は、容器112内からラム本体104が引き出される前又は引き出される際に、ラム面106内のノズル107を介して容器112内の材料138に対して噴射されてもよい。噴射された空気は、放出物として(as a release)作用し、付着効果として知られている、原料138がラム面106に付着するのを防止する。圧縮空気源をノズル107の上流端に流体的に連結して、噴射空気を提供してもよい。ダイカバー134は、ラム102が容器112から引き出されたら、その閉位置に移動してもよい。次いで、ラム本体104は、容器アセンブリ112/容器112から完全に引き出されるまで、容器110から引き出される。次いで、容器アセンブリ110/容器112は、回動軸AROTを中心にして、図4に示すように、原材料138を再び装填する準備ができる第1の配向又は垂直方向に回動される。
【0022】
図面及び説明は、容器アセンブリ110/容器112が、装填される垂直方向と、押出が行われる水平方向との間で回動されることを示しているが、容器アセンブリ110は、様々な異なる角度で回動され、異なる位置で配向されてもよいことに留意されたい。また、装填ステップは、垂直以外の様々な向きで行われてもよく、押出ステップは水平以外の様々な向きで行われてもよい。容器アセンブリ110の回動可能な性質は、装填の向きを押出の向きから分離する自由を可能にする。例示された特定の実施形態では、垂直方向に荷重を加え、次いで水平方向に移動する能力によって、ラム本体104は、一例では、水平構成において、圧縮と押出しの両方を行うことができる。これにより、原材料138を圧縮するための別個の部品、装置又は機構を使用する必要性が回避され、これにより、より迅速な処理が可能となり、追加の装置及びステップが不要となる。従って、このような別個の圧縮構成要素、装置又は機構は、プレス機100から欠如していてもよく、又はプレス機100から除外されてもよい。
【0023】
以上の説明は、当業者が本発明を実施できるようにするためのものである。明細書を読んだ後に当業者に明らかになる可能性のある変形及び修正の全てを詳細に説明することを意図するものではない。しかしながら、そのような全ての修正及び変形は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。特許請求の範囲は、文脈が特に反対を示さない限り、本発明のために意図された目的を満たすのに有効な任意の構成又はシーケンスにおける示された要素及びステップをカバーすることを意図している。
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