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特許7417594Trk阻害剤としてのイミダゾ[1,2-b]ピリダジン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】Trk阻害剤としてのイミダゾ[1,2-b]ピリダジン
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20240111BHJP
   A61K 31/5025 20060101ALI20240111BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20240111BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240111BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240111BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20240111BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
C07D487/04 144
A61K31/5025
A61K31/553
A61K45/00
A61P17/00
A61P37/08
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07D487/04 CSP
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2021510134
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 GB2019052378
(87)【国際公開番号】W WO2020039209
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】1813791.9
(32)【優先日】2018-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519399947
【氏名又は名称】ベネボレントエーアイ バイオ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100196977
【弁理士】
【氏名又は名称】上原 路子
(72)【発明者】
【氏名】アラン ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】アンジェラ グレン
【審査官】藤代 亮
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-537199(JP,A)
【文献】特表2007-529484(JP,A)
【文献】特表2008-501671(JP,A)
【文献】国際公開第2014/175370(WO,A1)
【文献】特表2021-506954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 487/04
A61K 31/5025
A61K 31/553
A61K 45/00
A61P 17/00
A61P 37/08
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I):
【化1】
{式中、
Lは、(CR6R7rであり;
Zは、不存在であるか、又は以下の:
【化2】
;及び
【化3】
(式中、*は、Lへの取付点を意味し、及び**は、R1への取付点を意味する);
から選択され;
mは、1又は2であり;
nは、1又は2であり;
pは、0又は1であり;
但し、m、n及びpの合計は、2~4の範囲内にあり;
rは、0又は1であり;
R1は、-XR9であり;
Xは、-CH2-、-C(O)-、及び-S(O2)-から選択され;
R2は、H及び-SR8から選択され;
R3は、H及びハロから選択され;
R4は、H及び(C1-C3)アルキルから選択され;
R5は、H、ヒドロキシル及びハロから選択され;
R6及びR7は、H及び(C1-C3)アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、メチルであり;
R9は、ヒドロキシ、-OC(O)(C1-C6)アルキル、C(O)OH及び-C(O)O(C1-C6)アルキルから選択される基によって置換されたフェニルであり、ここで、該フェニル環は場合により、ハロによってさらに置換され;
R10は、H及び(C1-C3)アルコキシから選択される}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項2】
前記R1が、-CH2R9である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記R2が、-SR8である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項4】
前記R3が、H又はフルオロである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
前記R4が、Hである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
前記R5が、H又はフルオロである、請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記R5が、Hである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記R6が、Hである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
前記R9が、ヒドロキシによって置換されたフェニルであり、ここで、ヒドロキシフェニルが、場合により、フルオロによってさらに置換される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
前記R10が、Hである、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
前記rが、0である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記Zが、不存在である、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
以下の式I’:
【化4】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、L及びZは、請求項1~12のいずれか一項に記載のものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項14】
以下の式Ia:
【化5】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、請求項1~13のいずれか一項に記載のものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項15】
以下の式Ia’:
【化6】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、請求項1~14のいずれか一項に記載のものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項16】
以下の式Ib:
【化7】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、請求項1~15のいずれか一項に記載のものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項17】
以下の式Ib’:
【化8】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、請求項1~16のいずれか一項に記載のものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項18】
6-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルペンタノアート;
メチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
ブチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
エチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]-6-[2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
メチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-4-メトキシピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[4-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-1,4-オキサゼパン-6-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-(3-ヒドロキシベンゾイル)ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルアセタート;
3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸;
ブチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
5-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド;
から選択される化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項19】
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルペンタノアート;
メチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
ブチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
エチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]-6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
メチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S,4S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-4-メトキシピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(6S)-4-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-1,4-オキサゼパン-6-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(6R)-4-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-1,4-オキサゼパン-6-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-(3-ヒドロキシベンゾイル)ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルアセタート;
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸;
ブチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
5-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド;
から選択される化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物及び1若しくは複数の医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項21】
1若しくは複数の他の治療薬と組み合わせた、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
Trkによって媒介される状態又は障害の治療又は予防における使用のための、請求項20に記載の医薬組成物
【請求項23】
前記状態又は障害が、TrkA、TrkB及びTrkCによって媒介される、請求項22に記載の医薬組成物
【請求項24】
前記状態又は障害が、アトピー性皮膚炎である、請求項22又は23に記載の医薬組成物
【請求項25】
Trkによって媒介される状態又は障害を治療又は予防するための薬剤の製造における、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項26】
前記状態又は障害が、TrkA、TrkB及びTrkCによって媒介される、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
前記状態又は障害が、アトピー性皮膚炎である、請求項25又は26に記載の使用。
【請求項28】
前記医薬組成物が、局所的に投与される、請求項2224のいずれか一項に記載の医薬組成物
【請求項29】
前記薬剤が、局所的に投与される、請求項2527のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のイミダゾ[1,2-b]ピリダジン化合物と斯かる化合物の医薬的に許容される塩に関する。本発明はまた、前記化合物の調製のためのプロセス、前記化合物を含有する組成物、及びトロポミオシン関連キナーゼ(Trk)活性に関連する疾患又は状態の治療における斯かる化合物と塩の使用にも関する。より具体的には、本発明は、Trkの阻害剤として有用な前記化合物とその塩に関する。
【背景技術】
【0002】
トロポミオシン関連キナーゼ(Trk)は、ニューロトロフィンによって活性化される受容体チロシンキナーゼ、つまり神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、並びにニューロトロフィン-3(NT-3)及びニューロトロフィン-4/5(NT-4/5)を含めた可溶性成長因子の群、のファミリーである。Trk受容体としては、ニューロトロフィンに結合し、そしてニューロトロフィンに由来するシグナル伝達を媒介する3つのファミリーメンバー、TrkA、TrkB及びTrkCが挙げられる。NGFはTrkAを活性化し、BDNFとNT-4/5はTrkBを活性化し、及びNT3はTrkCを活性化する。
【0003】
トロポミオシン関連キナーゼは、以下の疾患:アトピー性皮膚炎、乾癬、湿疹及び結節性痒疹、急性及び慢性の痒み、掻痒、炎症、癌、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、血栓形成、掻痒、下部尿路障害、例えば喘息などの炎症性肺疾患、アレルギー性鼻炎、肺癌、乾癬性関節炎、関節リウマチ、例えば潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、クローン病、線維症、神経変性疾病、髄鞘形成不全又は髄鞘脱落に関連した疾患、障害及び状態、例えばクルーズ・トリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)感染などの特定の感染症、(シャーガス病)、癌に関連する疼痛、慢性疼痛、神経芽細胞腫、卵巣癌、結腸直腸癌、黒色腫、頭頚部癌、胃の腫瘍、肺の腫瘍、乳癌、神経膠芽腫、髄芽腫、分泌性乳癌、唾液腺癌、甲状腺乳頭癌、成人骨髄性白血病、腫瘍増殖、転移癌、並びに間質性膀胱炎、に関係した(C. Potenzieri and B. J. Undem, Clinical & Experimental Allergy, 2012 (42) 8-19; Yamaguchi J, Aihara M, Kobayashi Y, Kambara T, lkezawa Z, J Dermatol Sci. 2009;53:48-54; Dou YC, Hagstromer L, Emtestam L, Johansson O., Arch Dermatol Res. 2006;298:31-37; Johansson O, Liang Y, Emtestam L., Arch Dermatol Res. 2002;293:614-619; Grewe M, Vogelsang K, Ruzicka T, Stege H, Krutmann J., J Invest Dermatol. 2000;114:1108-1112; Urashima R, Mihara M .Virchows Arch. 1998;432:363-370; Kinkelin I, Motzing S, Koltenzenburg M, Brocker EB., Cell Tissue Res. 2000;302:31-37; Tong Liu & Ru-Rong Ji, Pflugers Arch - Eur J Physiol, DOI 10.1007/s00424-013-1284-2, published online 1 May 2013.);国際特許出願公開番号WO2012/158413、WO2013/088256、WO2013/088257及びW02013/161919、(Brodeur, G. M., Nat. Rev. Cancer 2003, 3, 203-216), (Davidson. B., et al., Clin. Cancer Res. 2003, 9, 2248-2259), (Bardelli, A , Science 2003, 300, 949)、(Truzzi, F., et al., Dermato-Endocrinology 2008, 3 (I), pp. 32-36)、(Yilmaz,T., et al., Cancer Biology and Therapy 2010, 10 (6), pp. 644-653)、(Du, J. et al.,World Journal of Gastroenterology 2003, 9 (7), pp. 1431-1434)、(Ricci A, et al., American Journal of Respiratory Cell and Molecular Biology 25 (4), pp. 439-446)、(Jin, W., et al., Carcinogenesis 2010, 31 (11), pp. 1939-1947)、(Wadhwa, S., et al., Journal of Biosciences 2003, 28 (2), pp. 181-188)、(Gruber-Olipitz, M., et al., Journal of Proteome Research 2008, 7 (5), pp. 1932-1944)、(Euthus, D. M. et al., Cancer Cell 2002, 2 (5), pp. 347-348)、(Li, Y. -G., et al., Chinese Journal of Cancer Prevention and Treatment 2009, 16 (6), pp. 428-430)、(Greco, A , et al., Molecular and Cellular Endocrinology 2010, 321 (I), pp. 44-49)、(Eguchi, M., et al., Blood 1999, 93 (4), pp. 1355-1363)、(Nakagawara, A (2001) Cancer Letters 169: 107-114; Meyer, J. et al. (2007) Leukemia,1-10; Pierottia, M. A and Greco A, (2006) Cancer Letters 232:90- 98; Eric Adriaenssens, E., et al. Cancer Res (2008) 68:(2) 346-351)、(FreundMichel, V; Frossard, N., Pharmacology ck Therapeutics (2008) 117(1), 52-76)、(Hu Vivian Y; et. al. The Journal of Urology (2005), 173(3), 1016-21)、(Di Mola, F. F, et. al. Gut (2000) 46(5), 670-678)、(Dou, Y. -C.,et. al. Archives of Dermatological Research (2006) 298(1), 31-37)、(Raychaudhuri, S. P., et al., J. Investigative Dermatology (2004) 122(3), 812-819)及び(de Melo-Jorge, M. et al., Cell Host ck Microbe (2007) 1 (4), 251-261)。
【0004】
一態様において、本発明は、以下の式(I):
【化1】
{式中、
Lは、(CR6R7rであり;
Zは、不存在であるか、又は以下の:
【化2】
;及び
【化3】
(式中、*は、Lへの取付点を意味し、及び**は、R1への取付点を意味する);
から選択され;
mは、1又は2であり;
nは、1又は2であり;
pは、0又は1であり;
但し、m、n及びpの合計は、2~4の範囲内にあり;
rは、0又は1であり;
R1は、-XR9であり;
Xは、-CH2-、-C(O)-、及び-S(O2)-から選択され;
R2は、H及び-SR8から選択され;
R3は、H及びハロから選択され;
R4は、H及び(C1-C3)アルキルから選択され;
R5は、H、ヒドロキシル及びハロから選択され;
R6及びR7は、H及び(C1-C3)アルキルからそれぞれ独立して選択され;
R8は、メチルであり;
R9は、ヒドロキシ、-OC(O)(C1-C6)アルキル、C(O)OH及び-C(O)O(C1-C6)アルキルから選択される基によって置換されたフェニルであり、ここで、該フェニル環は場合により、ハロによってさらに置換され;
R10は、H及び(C1-C3)アルコキシから選択される}の化合物又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0005】
先のいずこかで定義される本発明の一実施形態において、R1は、-CH2R9である。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R2は、-SR8である。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R3は、H又はフルオロである。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R4は、Hである。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R5は、H又はフルオロである。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R5は、Hである。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R6は、Hである。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R9は、ヒドロキシによって置換されたフェニルであり、ここで、ヒドロキシフェニルは場合により、フルオロによってさらに置換される。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、R10は、Hである。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、rは、0である。
先のいずこかで定義される本発明の別の実施形態において、Zは、不存在である。
【0006】
別の実施形態において、本発明は、以下の式I’:
【化4】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、L及びZは、式Iの化合物に関して本明細書中で先のいずこかで定義されるものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0007】
別の実施形態において、本発明は、以下の式Ia:
【化5】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、式Iの化合物に関して本明細書中で先のいずこかで定義されるものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0008】
さらなる実施形態において、本発明は、以下の式Ia’:
【化6】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、式Iの化合物に関して本明細書中で先のいずこかで定義されるものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0009】
代替の実施形態において、本発明は、以下の式Ib:
【化7】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、式Iの化合物に関して本明細書中で先のいずこかで定義されるものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0010】
さらなる実施形態において、本発明は、式Ib’:
【化8】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5、m及びnは、式Iの化合物に関して本明細書中で先のいずこかで定義されるものである}の化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物を提供する。
【0011】
別の実施形態において、本発明による個々の化合物は、以下の実施例の項で列挙されたものである。
本発明の別の実施形態において、実施例1~31から選択される本発明による化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物が提供される。
【0012】
本発明の別の実施形態において、以下の:
6-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルペンタノアート;
メチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
ブチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
エチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]-6-[2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
メチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-4-メトキシピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[4-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-1,4-オキサゼパン-6-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[1-(3-ヒドロキシベンゾイル)ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルアセタート;
3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸;
ブチル3-{[3-{6-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
5-[4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド;
から選択される本発明による化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物が提供される。
【0013】
別の実施形態において、本発明は、以下の:
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルペンタノアート;
メチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
ブチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
エチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]-6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
メチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S,4S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-4-メトキシピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(6S)-4-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-1,4-オキサゼパン-6-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(6R)-4-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]-1,4-オキサゼパン-6-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-(3-ヒドロキシベンゾイル)ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド;
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルアセタート;
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸;
ブチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート;
5-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド;
から選択される本発明による化合物、又は医薬的に許容されるその塩若しくは溶媒和物が提供される。
【0014】
本明細書中に記載する実施形態において、ある特定の可変基しか定義されていないとき、残りの可変基は、本明細書のあらゆる実施形態において定義されたとおりであることを意図する。故に、本発明は可変基の限定された又は最適な定義の組み合わせを定義する。
【0015】
本明細書中で使用する次の用語は、次の意味を有することを意図する:
本明細書中で使用する「場合により置換され得る」は、言及されている基が非置換であるか又はその前に挙げられた基の1個又は任意の組み合わせにより1カ所又は2カ所又は3カ所を置換され得ることを意味する。
【0016】
本明細書中で使用する「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
本明細書中で使用する場合、「アルキル」という用語は、最大20個の炭素原子を有する完全飽和分岐又は非分枝炭化水素部分を指す。別段の規定がない限り、アルキルは、1~16個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~7個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子を有する炭化水素部分を指す。アルキルの代表的な例としては、これだけに限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシルなど、が挙げられる。
本明細書中で使用する場合、「C1-C3アルキル」、「C1-C6アルキル」、「C1-C8アルキル」などは、1~3個、6個又は8個(又は関連する数)の炭素原子を含有するアルキル基を意味する。
【0017】
本明細書中で使用する場合、「シクロアルキル」という用語は、3~12個の炭素原子から成る飽和又は不飽和の非芳香族単環式、二環式又は三環式炭化水素基を指す。別段の規定がない限り、シクロアルキルは、3~9個の環炭素原子又は3~7個の環炭素原子を有する環状炭化水素基を指す。例示的な単環式炭化水素基としては、これだけに限定されるものではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル及びシクロヘキセニルなど、が挙げられる。例示的な二環式炭化水素基としては、ボルニル、インジル、ヘキサヒドロインジル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプテニル、6,6-ジメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルなど、が挙げられる。
【0018】
「C3-C8-シクロアルキル」は、3~8個の炭素原子を有するシクロアルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル又はシクロデシルのような単環基又はビシクロヘプチル又はビシクロオクチルのような二環基を意味する。異なる数の炭素原子が特定されていることがあり、本定義をそれに応じて補正する。
本明細書中で使用する場合、「アルコキシ」という用語は、アルキル-O-を指し、ここで、アルキルは本明細書中で先に定義されている。アルコキシの代表的な例としては、これだけに限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2-プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロプロピルオキシ-、シクロヘキシルオキシ-など、が挙げられる。典型的には、アルコキシ基は、約1~7個、より好ましくは、1~4個の炭素を有する。
【0019】
本明細書中で使用する場合、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、例えば、4、5、6、若しくは7員の単環式、7、8、9、10、11、若しくは12員の二環式、又は10、11、12、13、14若しくは15員の三環式環系であり、且つ、O、S及びNから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、その場合、該N及びSは場合により様々な酸化状態に酸化されることもある、飽和又は不飽和の非芳香族環又は環系を指す。複素環式基は、ヘテロ原子又は炭素原子にて結合され得る。C連結複素環式基は、炭素原子にて結合され得る。複素環化合物の例としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジヒドロフラン、1,4-ジオキサン、モルホリン、1,4-ジチアン、ピペラジン、ピペリジン、1,3-ジオキソラン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、オキサチオラン、ジチオラン、1,3-ジオキサン、1,3-ジチアン、オキサチアン、チオモルホリン、ホモモルホリンなど、が挙げられる。
【0020】
本明細書及び添付する特許請求の範囲において、文脈から他の解釈が必要ではない限り、「含む(comprise)」という用語、又は例えば「含む(comprises)」若しくは「含んでいる(comprising)」などのその変化形は、記載する整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群を包含することを意図するが、他の整数若しくは工程又は整数若しくは工程の群を除外しないと理解すべきである。
【0021】
本発明の化合物としては、式(I)の化合物、及び以下に定義されるその塩、以下に定義されるその多形体、異性体、及び溶媒和物(光学異性体、幾何異性体及び互変異性体を含む)、並びに式(I)の同位体標識化合物が挙げられる。
【0022】
本発明は、式(I)の化合物の医薬的に許容される塩もまた含む。「医薬的に許容される塩」とは、式(I)によって表された化合物の遊離酸又は遊離塩基の塩を意味することを意図しており、これは、無毒であり、生物学的に許容できるか、又はそうでなければ、対象への投与に関して生物学的に好適である。全般的に、G.S. Paulekuhn, et al., "Trends in Active Pharmaceutical Ingredient Salt Selection based on Analysis of the Orange Book Database", J. Med. Chem., 2007, 50:6665-72、S.M. Berge, et al., "Pharmaceutical Salts", J Pharm Sci., 1977, 66:1 -19、及びHandbook of Pharmaceutical Salts, Properties, Selection, and Use, Stahl and Wermuth, Eds., Wiley-VCH and VHCA, Zurich, 2002を参照のこと。
【0023】
薬学的に許容される塩の例は、薬理学的に有効であり、過度の毒性、刺激、又はアレルギー反応のない、対象の組織との接触に適したものである。式(I)の化合物は、十分に酸性の基、十分に塩基性の基、又は両方のタイプの官能基を保有し、したがって、多くの無機塩基又は有機塩基、及び無機及び有機酸と反応して、薬学的に許容される塩を形成する。
【0024】
薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸類及び有機酸類と形成でき、例えば、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ブロマイド/ヒドロブロマイド、ビカーボネート/カーボネート、ビスルフェート/スルフェート、カンファースルホン酸塩、クロリド/ヒドロクロリド、クロルテオフィロナート(chlortheophyllonate)、クエン酸塩、エタンジスルホン酸塩、フマル酸塩、グルセプテート(gluceptate)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、馬尿酸塩、ヒドロアイオダイド/アイオダイド、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフトエ酸塩、ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オクタデカン酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ホスフェート/ハイドロゲン・ホスフェート/ジハイドロゲン・ホスフェート、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩及びトリフルオロメチルスルホン酸塩である。
【0025】
塩を誘導できる無機酸類は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む。
【0026】
塩を誘導できる有機酸類は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸、スルホサリチル酸など、を含む。薬学的に許容される塩基付加塩は無機及び有機塩基類と形成できる。
【0027】
塩を誘導できる無機塩基類は、例えば、アンモニウム塩及び元素周期表のI~XII列の金属を含む。ある実施形態においては、塩は、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛及び銅に由来する;特に適切な塩はアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウム塩を含む。
【0028】
塩を誘導できる有機塩基類は、例えば、1級、2級及び3級アミン類、天然に存在する置換アミン類を含む置換アミン類、環状アミン類、塩基性イオン交換樹脂などを含む。ある種の有機アミン類は、イソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リシン、メグルミン、ピペラジン及びトロメタミンを含む。
【0029】
薬学的に許容される塩の例としては、特に、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、一水素リン酸塩、二水素リン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸、ヘプタノエート、プロピオレート、シュウ酸塩、マロネート、コハク酸塩、スベレート、セバケート、フマレート、マレエート、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキシン-1,6-ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、スルホネート、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニルブチレート、クエン酸塩、乳酸塩、γ-ヒドロキシブチレート、グリコレート、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、及びマンデル酸塩が挙げられる。
【0030】
さらに、本明細書に記載の式は、そのような形態が明示的にリストされていなくても、そのような化合物の水和物、溶媒和物、及び多形、及びそれらの混合物も指すことを意図する。式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、溶媒和物として得ることができる。溶媒和物には、本発明の化合物と溶液又は固体若しくは結晶形態のいずれかとの1つ又は複数の溶媒との相互作用又は錯体形成から形成されるものが含まれる。いくつかの実施形態では、溶媒は水であり、溶媒和物は水和物である。さらに、式(I)の化合物の特定の結晶形、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、共結晶として得ることができる。本発明の特定の実施形態では、式(I)の化合物、又は式(I)の化合物の薬学的に許容される塩は、結晶形で得ることができる。他の実施形態において、式(I)の化合物は、いくつかの多形形態のうちの1つで、結晶形態の混合物として、多形形態として、又は非晶質形態として得ることができる。他の実施形態では、式(I)の化合物は、溶液中で1つ又は複数の結晶形及び/又は多形相の間で変換する場合がある。
【0031】
水素結合のためのドナー及び/又はアクセプターとして作用することができる基を含む本発明の化合物は、好適な共結晶形成剤と共結晶を形成できるかもしれない。これらの共結晶は、式(I)の化合物から既知とも結晶形成方法を使用して形成し得る。このような方法は粉砕、加熱、共浸漬、共融解又は溶液中式(I)の化合物と共結晶形成剤を結晶化条件下で接触させ、それにより形成した共結晶を単離することを含む。好適な共結晶形成剤はWO2004/078163に記載のものを含む。故に、本発明はさらに式(I)の化合物を含む共結晶を提供する。
【0032】
本明細書で与えられる任意の式は、構造式並びに特定の変形又は形態によって示される構造を有する化合物を表すことを意図している。特に、本明細書で示される任意の式の化合物は、不斉中心を有する可能性があり、したがって異なる鏡像異性形態で存在する可能性がある。一般式の化合物のすべての光学異性体及び立体異性体、及びそれらの混合物は、式の範囲内であると見なされる。したがって、本明細書に記載の式は、ラセミ体、1つ又は複数の鏡像異性体、1つ又は複数のジアステレオマー、1つ又は複数のアトロプ異性体、及びそれらの混合物を表すものとする。さらに、特定の構造は、幾何異性体(すなわち、シス及びトランス異性体)、互変異性体、又はアトロプ異性体として存在する場合がある。
【0033】
本発明の特許請求される化合物の範囲内に含まれるのは、式(I)の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体及び互変異性型であり、2種類以上の異性を示す化合物、及び混合物その1つ以上の混合物が含まれる。対イオンが光学活性である酸付加塩又は塩基付加塩、例えばD-乳酸塩又はL-リジン、又はラセミ体、例えばDL-酒石酸塩又はDL-アルギニンも含まれる。
【0034】
式(I)の化合物が、例えばケト又はグアニジン基又は芳香族部分を含む場合、互変異性異性(「互変異性」)が起こりうる。したがって、単一の化合物が複数のタイプの異性を示す場合がある。本発明の化合物により示される潜在的な互変異性のタイプの例には以下が含まれる;アミド⇔ヒドロキシル-イミン及びケト⇔エノール互変異性体:
【化9】
【0035】
シス/トランス異性体は、当業者に周知の従来の技術、例えば、クロマトグラフィー及び分別結晶化により分離することができる。
【0036】
個々のエナンチオマーの調製/単離の従来の技術には、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成、又は、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用したラセミ体(又は塩又は他の誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。
【0037】
本発明のキラル化合物(及びそのキラル前駆体)は、不斉固定相及び炭化水素、典型的にはヘプタン又はヘキサンからなる移動相(0~50%のエタノール、通常は2~20%を含有する)を有する樹脂上でクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用いて鏡像異性的に濃縮された形態で得ることができる。溶出液の濃縮により、濃縮混合物が得られる。
【0038】
立体異性体の混合物は、当業者に知られている従来の技術によって分離することができる(例えば、“Stereochemistry of Organic Compounds” by E L Eliel (Wiley, New York, 1994)を参照のこと)。
【0039】
本明細書中で使用する場合、「異性体」という用語は、同じ分子式を有するが、原子の配置及び形状が異なっている、異なる化合物を指す。本明細書中で使用する用語「光学異性体」又は「立体異性体」は、ある本発明の化合物に存在できる種々の立体異性配置のいずれかを意味し、幾何異性体を含む。置換基が炭素原子のキラル中心に結合し得ることは当然である。それ故に、本発明は、本化合物のエナンチオマー、ジアステレオマー又はラセミ体を含む。「エナンチオマー」は、互いに重なり合わない鏡像である立体異性体の対である。エナンチオマー対の1:1混合物が「ラセミ」混合物である。本用語は、適当であるとき、ラセミ混合物を言うために使用する。「ジアステレオ異性体」は、少なくとも2個の不斉原子を有するが、互いに鏡像ではない立体異性体である。絶対立体化学は、カーン・インゴルド・プレログR-S順位則により指定される。化合物が純粋エナンチオマーであるとき、各キラル炭素の立体化学はR又はSと指定し得る。絶対配置が未知である分割された化合物は、ナトリウムD線の波長で平面偏光を回転させる方向(右旋性又は左旋性)により(+)又は(-)と指定できる。ある種の本明細書中に記載する化合物は1個以上の不斉中心又は軸を有し、それ故に、エナンチオマー、ジアステレオマー及び絶対立体化学の点で(R)-又は(S)-と定義し得る他の立体異性形態を生じ得る。本発明は、ラセミ混合物、光学的に純粋な形態及び中間混合物を含む、全ての可能なこのような異性体を包含することを意図する。光学活性(R)-及び(S)-異性体は、キラルシントン又はキラル材を使用して製造してよく又は慣用の方法を使用して分割してよい。化合物が二重結合を含むならば、置換基はE又はZ配置であり得る。化合物が二置換シクロアルキルを含むとき、シクロアルキル置換基はcis-又はtrans-配置を有し得る。全互変異性形態もまた包含することを意図する。互変異性体は、平衡で存在し、容易に一方の異性体形態から他方に変換される2個以上の構造異性体の一つである。
【0040】
互変異性体の例は、特許請求の範囲に定義する化合物のものを含むが、これらに限定されない。
【0041】
本発明の化合物の任意の不斉原子(例えば、炭素など)は、ラセミ体又はエナンチオマー的に富化された、例えば(R)-、(S)-又は(R,S)-配置で存在し得る。ある実施形態において、各不斉原子は(R)-又は(S)-配置で少なくとも50%エナンチオマー過剰、少なくとも60%エナンチオマー過剰、少なくとも70%エナンチオマー過剰、少なくとも80%エナンチオマー過剰、少なくとも90%エナンチオマー過剰、少なくとも95%エナンチオマー過剰又は少なくとも99%エナンチオマー過剰を有する。不飽和結合を有する原子での置換基は、可能である場合、cis-(Z)-又はtrans-(E)-形態で存在する。
【0042】
従って、本明細書中で使用する本発明の化合物は、可能な異性体、回転異性体、アトロプ異性体、互変異性体又はその混合物の一つの形態、例えば、実質的に純粋な幾何(cis又はtrans)異性体、ジアステレオマー、光学異性体(アンチポード)、ラセミ体又はその混合物の形態であり得る。
【0043】
得られる異性体のあらゆる混合物は、構成要素の物理的差異に基づき、例えば、クロマトグラフィー及び/又は分別結晶により、純粋な又は実質的に純粋な幾何又は光学異性体、ジアステレオマー、ラセミ体に分離できる。
【0044】
最終産物又は中間体の得られる何らかのラセミ体は、既知方法により、例えば、光学活性酸又は塩基と得たそのジアステレオマー塩を分割し、光学活性酸性又は塩基性化合物を遊離させることにより、光学アンチポードに分割できる。特に、塩基性部分をこのように用いて、例えば、光学活性酸、例えば、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジ-O,O’-p-トルオイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸又はカンファー-10-スルホン酸と形成された塩の分別結晶により本発明の化合物をその光学アンチポードに分割し得る。ラセミ体生成物は、キラル吸着剤を使用したキラルクロマトグラフィー、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によっても分割できる。
【0045】
本発明の化合物は医薬組成物における使用を意図するため、それらは各々好ましくは実質的に純粋な形態で、例えば少なくとも60%純度、より好適には少なくとも75%純度及び好ましくは少なくとも85%、特に少なくとも98%純度(%は重量対重量ベース)で提供されることは容易に理解されよう。本化合物の不純物質を、医薬組成物に使用するより純粋な形態の製造に使用してよい;これらのあまり純粋ではない化合物の調製物は、少なくとも1%、より好適には少なくとも5%及び好ましくは10~59%の本発明の化合物を含む。
【0046】
塩基性基及び酸基の両方が同じ分子内に存在するとき、本発明の化合物は分子内塩、例えば、双性イオン性分子も形成し得る。
【0047】
本発明はまた、式(I)の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグ、及びそのような薬学的に許容されるプロドラッグを使用する治療方法に関する。「プロドラッグ」という用語は、対象への投与後、加溶媒分解又は酵素切断などの化学的又は生理学的プロセスを介して、又は生理学的条件下、生体内で化合物を生成する指定された化合物の前駆体を意味する(例えば、生理学的pHにもたらされるプロドラッグは、式(I)の化合物に変換される)。「薬学的に許容されるプロドラッグ」は、非毒性であり、生物学的に許容可能であり、さもなければ対象への投与に生物学的に適切なプロドラッグである。適切なプロドラッグ誘導体の選択及び調製の例示的な手順は、例えば、"Design of Prodrugs", ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985に記載されている。
【0048】
プロドラッグは、対象へのプロドラッグの投与後、インビボで生理学的作用、例えば加水分解、代謝などを介して、本発明の化合物へ化学的に修飾される活性又は不活性化合物である。プロドラッグの適性及び製造及び使用に関与する方法は当業者に既知である。プロドラッグは、概念的に二つの非排他的カテゴリー、バイオプレカーサープロドラッグ及び担体プロドラッグに分けることができる。The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31-32(Ed. Wermuth, Academic Press, San Diego, Calif., 2001)を参照のこと。一般に、バイオプレカーサープロドラッグは、不活性であるか、対応する活性医薬化合物と比べて低活性であり、1個以上の保護基を含み、代謝又は加溶媒分解により活性化合物に変換される化合物である。活性医薬形態及び全ての遊離された代謝性生成物は許容可能な低毒性を有しなければならない。
【0049】
担体プロドラッグは、例えば、作用部位への取り込み及び/又は局在化を改善する輸送部分を含む医薬化合物である。このような担体プロドラッグに望ましいのは、医薬部分と輸送部分の間の架橋が共有結合であり、プロドラッグは、不活性であるか、医薬化合物と比べて低活性であり、全ての遊離される輸送部分は許容可能に非毒性である。輸送部分が取り込みを促進することが意図されるプロドラッグは、典型的に輸送部分の遊離が速くなければならない。他の場合において、遅い遊離を提供する部分、例えば、ある種のポリマー類又は他の部分、例えばシクロデキストリン類の使用が望ましい。担体プロドラッグは、例えば、次の特性の1個以上の改善のために使用できる:親油性増加、薬理学的作用期間延長、部位特異性増加、毒性及び有害応答低下及び/又は薬剤製剤改善(例えば、安定性、水溶解性、望まない感覚受容性又は物理化学的特性抑制)。例えば、親油性は、(a)親油性カルボン酸類(例えば、少なくとも1個の親油性部分を有するカルボン酸)でのヒドロキシル基の又は(b)親油性アルコール類(例えば、少なくとも1個の親油性部分を有するアルコール、例えば脂肪族アルコール類)でのカルボン酸基のエステル化により増加できる。
【0050】
例示としてのプロドラッグは、例えば、遊離カルボン酸類のエステル類及びチオール類のS-アシル誘導体及びアルコール類又はフェノール類のO-アシル誘導体であり、ここで、アシルは本明細書に定義した意味を有する。好適なプロドラッグはしばしば生理学的条件下の加溶媒分解により親カルボン酸に変換可能な薬学的に許容されるエステル誘導体、例えば、当分野で慣用的に使用されている低級アルキルエステル類、シクロアルキルエステル類、低級アルケニルエステル類、ベンジルエステル類、一又は二置換低級
アルキルエステル類、例えばω-(アミノ、モノ-又はジ-低級アルキルアミノ、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル)-低級アルキルエステル類、α-(低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル又はジ-低級アルキルアミノカルボニル)-低級アルキルエステル類、例えばピバロイルオキシメチルエステルなどである。加えて、アミン類は、インビボでエステラーゼ類により開裂され、薬物及びホルムアルデヒドを遊離するアリールカルボニルオキシメチル置換誘導体としてマスクされている(Bundgaard, J. Med. Chem. 2503 (1989))。さらに、酸性NH基、例えばイミダゾール、イミド、インドールなどを有する薬物は、N-アシルオキシメチル基でマスクされている(Bundgaard, Design of Prodrugs, Elsevier (1985))。ヒドロキシ基は、エステル類及びエーテル類でマスクされている。EP039,051(Sloan and Little)は、マンニッヒ塩基ヒドロキサム酸プロドラッグ、その製造及び使用を記載する。
【0051】
本発明はまた、式(I)の化合物の薬学的に活性な代謝産物にも関し、これも本発明の方法で使用され得る。「薬学的に活性な代謝産物」とは、式(I)の化合物、又はその塩の体内での代謝の薬理学的に活性な生成物を意味する。化合物のプロドラッグ及び活性代謝物は、当技術分野で知られている又は利用可能な日常的な技術を使用して決定することができる。例えば、Bertolini, et al., J Med Chem. 1997, 40, 201 1 -2016; Shan, et al., J Pharm Sci. 1997, 86 (7), 765-767; Bagshawe, Drug Dev Res. 1995, 34, 220-230; Bodor, Adv Drug Res. 1984, 13, 224-331 ; Bundgaard, Design of Prodrugs (Elsevier Press, 1985); and Larsen, Design and Application of Prodrugs, Drug Design and Development (Krogsgaard-Larsen, et al., eds., Harwood Academic Publishers, 1991)を参照のこと。
【0052】
本明細書で与えられる式はいずれも、化合物の非標識形態及び同位体標識形態を表すことも意図している。同位体標識化合物は、1つ又は複数の原子が選択された原子質量又は質量数を有する原子で置き換えられていることを除いて、本明細書に示された式で示される構造を有する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、それぞれ、2H、3H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、18Fなどの水素、炭素、窒素、酸素、及びフッ素の同位体が含まれる。このような同位体標識化合物は、代謝研究(好ましくは14C)、反応速度論研究(2H又は3Hなど)、検出又はイメージング技術(ポジトロン放出断層撮影(PETなど)又は単一光子放出コンピューター断層撮影(SPECT)))、例えば、薬物又は基質組織分布アッセイ、又は対象の放射性治療において有用である。11C、18F、15O、13Nなどの陽電子放出同位体による置換は、基質受容体の占有率を調べるためのPET研究で有用である。特に、18F又は11C標識化合物は、PET研究に特に好ましい場合がある。さらに、重水素(すなわち、2H)などのより重い同位体での置換は、より高い代謝安定性に起因する特定の治療上の利点、例えば、インビボ半減期の増加又は必要用量の減少をもたらし得る。式(I)の特定の同位体標識化合物、例えば放射性同位体を組み込んだ化合物は、薬物及び/又は基質組織分布研究に有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち3H、及び炭素-14、すなわち14Cは、それらの組み込みの容易さ及び検出手段の準備の観点から、この目的に特に有用である。
【0053】
本発明の同位体標識化合物及びそのプロドラッグは、一般に、非同位体標識試薬を容易に入手可能な同位体標識試薬に置き換えることにより、スキーム又は下記の実施例及び調製で開示される手順を実施することにより調製することができる。
【0054】
さらに、重い同位体、特に重水素(すなわち、2H又はD)での置換は、大きな代謝安定性に起因するある種の利点、例えばインビボ半減期延長又は必要投与量減少又は治療指数の改善を提供し得る。この状況での重水素は、式(I)の化合物の置換基と見なされると解釈すべきである。このような重い同位体、特に重水素の濃度は、同位体富化指数により定義し得る。本明細書中で使用する用語「同位体富化指数」は、特定の同位体の同位体量と天然量の比である。本発明の化合物における置換基が重水素と指定されているならば、このような化合物は、各指定された重水素原子について、少なくとも3500(各指定された重水素原子について52.5%重水素取り込み)、少なくとも4000(60%重水素取り込み)、少なくとも4500(67.5%重水素取り込み)、少なくとも5000(75%重水素取り込み)、少なくとも5500(82.5%重水素取り込み)、少なくとも6000(90%重水素取り込み)、少なくとも6333.3(95%重水素取り込み)、少なくとも6466.7(97%重水素取り込み)、少なくとも6600(99%重水素取り込み)又は少なくとも6633.3(99.5%重水素取り込み)の同位体富化指数を有する。
【0055】
本発明による薬学的に許容される溶媒和物は、結晶化用溶媒が同位体置換されている、例えばD2O、d6-アセトン、d6-DMSOであるものを含む。
【0056】
本発明の例示的な化合物、及び本発明の方法において有用な例示的な化合物は、以下の一般的な調製のための例示的な合成スキーム及び以下の特定の実施例を参照することにより説明される。当業者は、本明細書の様々な化合物を得るために、出発物質を適切に選択して、最終的に所望の置換基が適切な保護を伴って又は伴わずに反応スキームを通じて所望の生成物をもたらすように選択できることを認識する。或いは、最終的に所望の置換基の代わりに、反応スキームを通して運ばれ、適切な場合に所望の置換基で置換され得る適切な基を使用することが必要又は望ましい場合がある。別段の指定がない限り、変数は式(I)に関して上記で定義したとおりである。反応は、融点と溶媒の還流温度の間、好ましくは0℃と溶媒の還流温度の間で実施することができる。反応は、従来の加熱又はマイクロ波加熱を使用して加熱することができる。反応は、溶媒の通常の還流温度を超える密閉された圧力容器内で行うこともできる。
【0057】
式(I)の誘導体のすべては、以下に提示される一般的な方法に記載される手順によって、又はその日常的な修飾によって調製することができる。本発明はまた、式(I)の誘導体を調製するためのこれらのプロセスのいずれか1つ以上を、それに使用される新規な中間体に加えて包含する。
【0058】
実施例及び調製で言及されたものを含む以下の経路は、式(I)の化合物の合成方法を例示している。当業者は、本発明の化合物及びその中間体が、本明細書に具体的に記載された方法以外の方法、例えば本明細書に記載の方法の適応、例えば当技術分野で公知の方法により作製できることを理解する。合成、官能基の相互変換、保護基の使用などの適切なガイドは、例えば、“Comprehensive Organic Transformations” by RC Larock, VCH Publishers Inc. (1989); “Advanced Organic Chemistry” by J. March, Wiley Interscience (1985); “Designing Organic Synthesis” by S Warren, Wiley Interscience (1978); “Organic Synthesis - The Disconnection Approach” by S Warren, Wiley Interscience (1982); “Guidebook to Organic Synthesis” by RK Mackie and DM Smith, Longman (1982); “Protective Groups in Organic Synthesis” by TW Greene and PGM Wuts, Fifth Ed, John Wiley and Sons, Inc. (2014); and “Protecting Groups” by PJ, Kocienski, Georg Thieme Verlag (1994)、並びにこれらの標準の更新されたバージョンが機能する。
【0059】
さらに、当業者は、望ましくない副反応を防ぐために、本発明の化合物の合成の任意の段階で1つ又は複数の感受性基を保護することが必要又は望ましい場合があることを理解する。特に、アミノ基又はカルボン酸基を保護することが必要又は望ましい場合がある。本発明の化合物の調製に使用される保護基は、従来の方法で使用することができる。例えば、参照により本明細書に援用される'Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis' by Theodora W Greene and Peter G M Wuts, fifth edition, (John Wiley and Sons, 2014), 特にChapter 3(“Protection for Phenols”)Chapter 5(“Protection for the Carboxyl group”)及びChapter 7 (“Protection for the Amino Group”)に含まれるものが挙げられ、このような基を除去するための方法も記載される。
【0060】
以下の一般的な合成方法では、特に明記しない限り、置換基は、上記の式(I)の化合物に関して上記で定義したとおりである。
【0061】
溶媒の比率が示されている場合、比率は体積による。
【0062】
当業者は、以下のスキームに示された実験条件が、示された変換を行うための適切な条件の例示であること、及び式(I)の化合物の調製に使用される正確な条件を変えることが必要又は望ましい場合があることを理解する。本発明の所望の化合物を提供するために、スキームに記載されている順序とは異なる順序で変換を実行するか、1つ以上の変換を変更することが必要又は望ましい場合があることもさらに理解される。
【0063】
上記スキームに従って調製された化合物は、エナンチオ、ジアステレオ、又は位置特異的合成により、又は分割により、単一の鏡像異性体、ジアステレオマー、又は位置異性体として得ることができる。上記スキームに従って調製された化合物は、ラセミ体(1:1)又は非ラセミ体(1:1ではない)混合物として、又はジアステレオマー又は位置異性体の混合物として代替的に得ることができる。鏡像異性体のラセミ及び非ラセミ混合物が得られる場合、単一の鏡像異性体は、キラルクロマトグラフィー、再結晶、ジアステレオマー塩形成、ジアステレオマー付加物への誘導体化、生体内変換、又は酵素変換など、当業者に知られている従来の分離方法を使用して単離することができる。位置異性体又はジアステレオマー混合物が得られる場合、単一の異性体は、クロマトグラフィー又は結晶化などの従来の方法を使用して分離することができる。
【0064】
本発明の化合物は、類似構造の化合物を調製するための当該技術分野で既知の任意の方法により調製することができる。特に、本発明の化合物は、以下のスキームを参照することにより記載される手順により、又は実施例に記載される特定の方法により、又はいずれかと同様のプロセスにより調製することができる。
【0065】
当業者は、以下のスキームに示された実験条件が、示された変換を行うための適切な条件の例示であること、及び式(I)の化合物の調製に使用される正確な条件を変えることが必要又は望ましい場合があることを理解する。本発明の所望の化合物を提供するために、スキームに記載されている順序とは異なる順序で変換を実行するか、1つ以上の変換を変更することが必要又は望ましい場合があることもさらに理解される。
【0066】
式(I)の化合物は、スキーム1によって例示される式(II)、(III)、(IV)、(V)及び(VI)の化合物から製造され得る。
【0067】
【化10】
スキーム1
【0068】
PG1は、好ましくはC1-C4アルキル、Me又はEtである。
式(III)のアミンは、市販のものであるか、又は文献により知られている方法と類似した方法によって若しくはスキーム6で例示されるように調製されてもよい。
式(IV)のクロリドは、市販のものであるか、又は文献で知られている方法と類似した方法によってに調製されてもよい。
式(VI)の化合物は、市販のものであるか、又はBrinnerら(Org. Biomol. Chem., 2005,3, 2109-2113)若しくはFanら(WO2012 034091)によって記載の方法と類似した方法によってキラル型で調製されてもよい。あるいは、式(VI)の化合物は、
Huihuiら(J.A.C.S., 2016, 138, 5016-5019)によって記載の方法と類似した方法によって調製されてもよい。
【0069】
式(V)の化合物は、高温にて極性非プロトン溶媒中の無機塩基の存在下で、式(IV)のクロリドを用いた式(VI)のアミンの処理によって調製され得る。好ましい条件は、高温、典型的には130℃にて、例えばDMSOなどの溶媒中のKFの存在下で、式(VI)のアミンを用いた式(IV)の化合物の処理を含む。
式(II)の化合物は、好適な水性溶媒中の好適な酸又は塩基条件下での式(V)の化合物の加水分解によって調製され得る。好ましい条件は、室温にてEtOH水溶液中の過剰なNaOH又はKOHを用いた式(V)のエステルの処理を含む。
【0070】
式(I)の化合物は、好適な極性非プロトン溶媒中で、好適なカップリング試薬及び有機塩基の存在下で式(II)の酸と式(III)のアミンのアミド結合生成によって調製され得る。好ましい条件は、室温にて、例えばDMFなどの好適な溶剤中、好適な有機塩基、典型的にはDIPEAの存在下で、HATU又はTPTUの存在下、式(III)のアミンと式(II)の酸の反応を含む。
【0071】
R9がヒドロキシル置換されたフェニル基であるとき、当業者によって選択される適切なフェノール保護基ストラテジーは、例えば、シリル基保護基などが利用されてもよい。
あるいは、式(I)の化合物は、スキーム2によって例示されるように、式(II)、(III)及び(VII)の化合物から調製されてもよい。
【0072】
【化11】
スキーム2
【0073】
式(I)のアミンは、典型的には室温にてDCM中での塩化オキサリルとDMFを使用して、式(II)の酸性から式(VII)の酸塩化物の形成と、その後の0℃にて、好適な有機塩基、典型的にはトリエチルアミンの存在下での式(VII)の酸塩化物と式(III)のアミンのアミド結合生成によって調製されてもよい。
あるいは、式(I){式中、Zは存在する}の化合物は、スキーム3で例示される還元的アミノ化(a)、アミド化(b)又はスルホンアミド形成反応を使用して、式(VIII)、(IX)、(X)及び(XI)の化合物から調製されてもよい。
【0074】
【化12】
スキーム3
【0075】
Zが存在し、且つ、Xが-CH2-であるとき、式(I)の化合物は、例えば室温などの適切な温度にて、例えばDCMなどの好適な溶剤中で、例えばトリアセトキシボロヒドリドナトリウムなどの好適な還元剤を使用して、式(IX)のアルデヒドを用いた式(VIII)のアミンの還元的アミノ化(あるいは還元的アルキル化として知られている)によって調製されてもよい。
【0076】
Zが存在し、且つ、Xが-C(O)-であるとき、式(I)のアミドは、スキーム1で先に記載のとおり、好適なカップリング試薬及び有機塩基の存在下で式(X)の酸と式(VIII)のアミンのアミド結合生成によって調製され得る。好ましい条件は、室温にてDMF中、好適な有機塩基、典型的にはDIPEAの存在下で、HATUの存在下、式(X)のアミンと式(X)の酸の反応を含む。
【0077】
Zが存在し、且つ、Xが-S(O)2-であるとき、式(I)のスルホンアミドは、室温にて、例えばDCMなどの好適な溶剤中、例えばEt3N又はDIPEAなどの有機塩基の存在下での式(XI)の塩化スルホニルと式(VIII)のアミンの反応によって調製されてもよい。
【0078】
R9がヒドロキシ置換されたフェニル基である場合、当業者によって選択される適切なフェノール保護基ストラテジーが利用されてもよい。
R9がカルボキシル置換されたフェニル基である場合、当業者によって選択される適切な酸性保護基ストラテジーが利用されてもよい。好ましくは、保護基は、例えばメチルなどのアルキルエステルである。
式(VIII)の化合物は、スキーム4に図示されるように、式(II)、(XII)及び(XIII)の化合物から調製されてもよい。
【0079】
【化13】
スキーム4
【0080】
PG2は、N保護基、典型的にはカルバマートであり、そして好ましくはBocである。
式(XII)のアミンは、市販のものであるか、又は文献により知られている方法又はスキーム6で例示される方法と類似した方法によって調製されてもよい。
【0081】
式(XIII)のアミドは、スキーム1で先に記載のとおり、好適なカップリング試薬及び有機塩基の存在下で式(II)の酸と式(XII)のアミンのアミド結合生成で調製されてもよい。好ましい条件とは、室温にて、例えばHATUの存在下、好適な有機塩基、典型的にはDMF中のDIPEAの存在下、式(XII)のアミンと式(II)の酸の反応を含む。式(VIII)のアミンは、例えば0℃~還流温度などの適切な温度、好ましくは室温にて、例えばDCM又はジオキサンなどの好適な非プロトン性溶媒中、例えばHCl又はTFAなどの酸と式(XIII)の化合物の処理を典型的には伴う好適な脱保護基反応によって調製されてもよい。
【0082】
式(III)の化合物は、スキーム5で例示されるように、式(XIV)、(XV)、(XVI)及び(XVII)の化合物から調製されてもよい。
【0083】
【化14】
スキーム5
【0084】
PG2は、好適なアミン保護基、典型的にはカルバマートであり、そして好ましくはBocである。
式(XIV)、(XV)及び(XVI)の化合物は、市販のものであるか、又は文献により知られている方法と類似した方法によって調製されてもよい。
式(XVII)のアミンは、スキーム3で先に記載のように、式(XV)及び(XVI)の化合物の還元的アミノ化(a)又はアミド化(b)手順のいずれかを用いて調製されてもよい。
式(III)のアミンは、スキーム4で先に記載の好適なアミン脱保護基反応によって調製されてもよい。
【0085】
さらなる実施形態において、式(I)の化合物は、スキーム6及びスキーム7で例示される標準的な化学変換を使用して式(I)の代替化合物に変換されてもよい。
式(IB){式中、R9は、-OC-(O)(C1-C6)アルキルによって置換されたフェニルである}の化合物は、室温にて、例えばピリジンなどの有機塩基の存在下、好適な(C1-C6)COCl又は無水物を用いて処理することによって式(IA){式中、R9は、OHによって置換されたフェニルである}の化合物から調製されてもよい。
【0086】
【化15】
スキーム6
【0087】
式(ID){式中、R9は、-C-(O)O(C1-C6)アルキルによって置換されたフェニルである}の化合物は、スキーム7で例示されるように、室温にて、例えばDMAPやEDC.HClなどの好適なカップリング試薬の存在下、好適な(C1-C6)OHを用いた処理によって式(IC){式中、R9は、-C(O)2Hによって置換されたフェニルである}の化合物から調製されてもよい。
【0088】
【化16】
スキーム7
【0089】
上記の一般的スキームを式Iの化合物の製造に使用する。所望の特定の化合物は、好適な出発物質、反応材及び反応条件を選択することにより製造できる。
【0090】
上記スキームの出発物質及び反応材は全て市販されているか又は文献法に従い製造できる。
【0091】
本明細書の範囲内で、文脈から他の解釈が必要ではない限り、本発明の化合物の特定の所望の最終産物の構成要素ではない容易に除去される基のみを「保護基」と言う。このような保護基による官能基の保護、保護基自体及びそれらの開裂反応は、例えば'Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis' by Theodora W Greene and Peter G M Wuts, fifth edition, (John Wiley and Sons, 2014), in particular Chapter 3 (“Protection for Phenols”) and Chapter 5 (“Protection for the Carboxyl group”), incorporated herein by reference, which also describes methods for the removal of such groups , in J. F. W. McOmie, "Protective Groups in Organic Chemistry", Plenum Press, London and New York 1973, in "The Peptides"; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in "Methoden der organischen Chemie" (Methods of Organic Chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, in H.-D. Jakubke and H. Jeschkeit, "Aminosauren, Peptide, Proteine" (Amino acids, Peptides, Proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982, and in Jochen Lehmann, "Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate" (Chemistry of Carbohydrates: Monosaccharides and Derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974のような標準的参考書に記載されている。保護基の特徴は、容易に(すなわち望まない二次反応無しに)、例えば加溶媒分解、還元、光分解により或いは生理学的条件下(例えば酵素的開裂により)除去できることである。
【0092】
少なくとも1個の塩形成基を有する本発明の化合物の塩は、当業者に周知の方法で製造できる。例えば、酸基を有する本発明の化合物の塩は、例えば、本化合物を金属化合物、例えば好適な有機カルボン酸類のアルカリ金属塩、例えば2-エチルヘキサン酸のナトリウム塩、有機アルカリ金属又はアルカリ土類金属化合物、例えば対応する水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩、例えばナトリウム又はカリウムの水酸化物、炭酸塩又は炭酸水素塩、対応するカルシウム化合物又はアンモニア又は好適な有機アミンで処理することにより製造でき、化学量論量又はわずかに過剰の塩形成剤を好ましくは使用する。本発明の化合物の酸付加塩は常套法で、例えば本化合物を酸又は好適なアニオン交換試薬で処理することにより得る。酸及び塩基性塩形成基、例えば遊離カルボキシ基及び遊離アミノ基を含む本発明の化合物の分子内塩を、例えば塩、例えば酸付加塩の、例えば弱塩基での又はイオン交換体での処理による等電点までの中和により形成し得る。塩を当業者に周知の方法で遊離化合物に変換できる。金属及びアンモニウム塩を、例えば、好適な酸での処理により変換でき、酸付加塩を、例えば、好適な塩基性材での処理により変換できる。
【0093】
本発明により得られる異性体混合物は、当業者に周知の方法で個々の異性体に分割できる;ジアステレオ異性体は、例えば、多相溶媒混合物への分配、再結晶及び/又は例えばシリカゲルによるクロマトグラフィー又は例えば逆相カラムによる中速液体クロマトグラフィーにより分割でき、ラセミ体は、例えば、光学的に純粋な塩形成剤と塩を形成し、そうして得られるジアステレオ異性体を、例えば分別結晶又は光学活性カラム材でのクロマトグラフィーにより分割できる。
【0094】
中間体及び最終生成物を、例えばクロマトグラフィー法、分配法、(再)結晶化などを使用して、標準法に従い後処理及び/又は精製してよい。
【0095】
次のものは一般に上に及び下に記載する全ての方法に適用される。
上記の全ての反応工程は、具体的に記載のものを含む当業者に周知の反応条件下で、例えば、使用する反応材に対して不活性であり、それらを溶解する溶媒又は希釈剤を含む溶媒又は希釈剤の非存在下又は伝統的に存在下、触媒、縮合剤又は中和剤、例えばイオン交換体、例えば、例えばH+形態のカチオン交換体の非存在下又は存在下、反応及び/又は反応材の性質によって、低温、常温又は高温で、例えば約-100℃~約190℃の、例えば、約-80℃~約150℃、例えば-80~-60℃、室温、-20~40℃又は還流温度を含む温度範囲で、大気圧下又は密閉容器中、適当あれば圧力下及び/又は不活性雰囲気下、例えばアルゴン又は窒素雰囲気下で行うことができる。
【0096】
反応の全ての段階で形成した異性体混合物を個々の異性体、例えばジアステレオ異性体又はエナンチオマーに又は任意の所望の異性体混合物、例えばラセミ体又はジアステレオ異性体混合物に、例えば「付加的反応工程」の下に記載の方法に準じて分割できる。
【0097】
任意の特定の反応に適する溶媒を選択し得る溶媒は、具体的に記載のもの又は方法の
記載において特記しない限り例えば、水、エステル類、例えば低級アルキル-低級アルカノエート類、例えば酢酸エチル、エーテル類、例えば脂肪族エーテル類、例えばジエチルエーテル又は環状エーテル類、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサン、液体芳香族炭化水素類、例えばベンゼン又はトルエン、アルコール類、例えばメタノール、エタノール又は1-又は2-プロパノール、ニトリル類、例えばアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレン又はクロロホルム、酸アミド類、例えばジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミド、塩基類、例えばヘテロ環窒素塩基類、例えばピリジン又はN-メチルピロリジン-2-オン、カルボン酸無水物、例えば低級アルカン酸無水物、例えば酢酸無水物、環状、直鎖又は分子鎖炭化水素類、例えばシクロヘキサン、ヘキサン又はイソペンタン、メチシクロヘキサン(methycyclohexane)又はこれらの溶媒の混合物、例えば水溶液を含む。このような溶媒混合物はまた、例えばクロマトグラフィー又は分配による後処理にも使用し得る。
【0098】
本化合物は、その塩を含み、水和物の形態で得ることができ又はその結晶は、例えば、結晶化に使用した溶媒を含み得る。異なる結晶形が存在し得る。
【0099】
本発明は、中間体として方法の任意の工程で得られる化合物を出発物質として使用して、残りの方法工程を行うか又は出発物質を反応条件下に形成させるか又は誘導体の形で、例えば保護された形で又は塩の硬いで使用するか又は本発明に従う方法により得られる化合物を本方法条件下に使用し、さらにインサイチュで処理する方法の形態にも関する。
【0100】
本発明の化合物の合成に使用する全ての出発物質、構成要素、反応材、酸類、塩基類、脱水剤、溶媒及び触媒は市販されているか又は当業者に周知の有機合成法により製造できる(Houben-Weyl 4th Ed. 1952, Methods of Organic Synthesis, Thieme, Volume 21)。
【0101】
本発明のさらなる態様として、式Iの化合物又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の製造方法も提供される。
【0102】
本発明のさらなる態様によると、本発明の化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の調製プロセスであって、以下の:
【0103】
好適な極性非プロトン溶媒中の、好適なカップリング試薬と有機塩基の存在下、式(II):
【化17】
の酸と、式(III):
【化18】
{式中、R1、R2、R3、R4及びR5、L、並びにZは、式Iの化合物に関して本明細書中の先のいずこかで定義されるものである}のアミンとの酸-アミンカップリングによるアミド結合形成のステップを含む調製プロセスが提供される。
【0104】
本発明のさらなる態様によると、本発明の化合物、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の調製プロセスであって、以下のステップ:
【0105】
好適な極性非プロトン溶媒中の、好適なカップリング試薬と有機塩基の存在下、式(VII):
【化19】
の酸塩化物と、式(III):
【化20】
{式中、R1、R2、R3、R4及びR5、L、並びにZは、式Iの化合物に関して本明細書中の先のいずこかで定義されるものである}とのアミンのアミド結合生成を含む調製プロセスが提供される。
【0106】
本発明のさらなる態様によると、本発明の化合物{式中、Zは存在し、且つ、Xは-CH2-である}、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の調製プロセスであって、以下のステップ:
【0107】
例えば室温などの、適切な温度にて、例えばDCMなどの好適な溶剤中の好適な還元剤の存在下、式(VIII):
【化21】
のアミンの、式(IX):
【化22】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR9、L、並びにZは、先に式Iの化合物に関して本明細書中のいずこかで定義されるものである}のアルデヒドを用いた還元的アミノ化を含む調製プロセスが提供される。
【0108】
本発明のさらなる態様によると、本発明の化合物{式中、Zは存在し、且つ、Xは-C(O)-である}、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の調製プロセスであって、以下のステップ:
【0109】
好適な極性非プロトン溶媒中の、好適なカップリング試薬と有機塩基の存在下、式(VIII):
【化23】
のアミンと、式(X):
【化24】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR9、L、並びにZは、式Iの化合物に関して本明細書中の先のいずこかで定義されるものである}の酸との酸-アミンカップリングによるアミド結合形成が提供される。
本発明のさらなる態様によると、本発明の化合物{式中、Zは存在し、且つ、Xは-S(O)2-である}、又は薬学的に許容されるその塩若しくは溶媒和物の調製プロセスであって、以下のステップ:
【0110】
好適な極性非プロトン溶媒中の、好適なカップリング試薬と有機塩基の存在下、式(VIII):
【化25】
のアミンと、式(XI):
【化26】
{式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR9、L、並びにZは、式Iの化合物に関して本明細書中の先のいずこかで定義されるものである}の塩化スルホニルのスルホンアミド結合生成を含む調製プロセスが提供される。
【0111】
本発明は、さらに、任意の段階で得られる中間体生成物を出発物質として使用して、残りの方法工程を行うか又は出発物質をインサイチュ反応条件下に形成させるか又は反応要素をその塩又は光学的に純粋なアンチポードで使用する、本発明の方法のあらゆる変法も含む。
【0112】
本発明の化合物及び中間体を、当業者に一般的に知られた方法で互いに変換もできる。
【0113】
さらなる態様によると、本発明は、本明細書中に記載した新たな中間化合物を提供する。
本発明の化合物は、次の項で提供した、例えばインビトロ及びインビボ試験で示され、そのため治療法に関して示唆されるとおり、有益な薬理学的特性、例えばTrk調節特性を呈する。
Trk活性を阻害するそれらの能力を考慮して、本発明の化合物(本明細書中では以下で「本発明の剤」と代わりに呼ばれもする)は、Trkによって媒介される状態又は障害の治療又は予防において有用である。
【0114】
特に、本発明の化合物は、高親和性ニューロトロフィン受容体TrkA、TrkB及びTrkC、並びにこれらの受容体チロシンキナーゼに対するそれらの同族ニューロトロフィンリガンド-NGF、BDNF/NT-4/5、NT-3-の作用、によって媒介された障害又は状態の治療に有用である。特に、化合物は、高親和性ニューロトロフィン受容体TrkA、TrkB及びTrkCによって媒介される、並びに特定のアトピー性皮膚炎において、炎症と神経過敏症に関連している、皮膚(真皮)炎症と痒み(掻痒)の状態を治療又は予防するのに有用である。
【0115】
皮膚における(T細胞、マスト細胞、好酸球を含めた)免疫細胞の浸潤と活性化は、炎症性の皮膚病態において重要な役割を果たす(Ilkovitch D. J Leukoc Biol. 2011, 89(1):41-9; Kim et al, Int J Mol Sci. 2016,17(8))。Trk A、B及びC、並びにそれらの同族の内因性ニューロトロフィンリガンドは、皮膚病態に関連する免疫学的及び神経学的機構において役割を果たし、(Botchkarev et al, J Invest Dermatol. 2006, 126(8):1719-27.; Truzzi et al, Dermatoendocrinol. 2011, 3(1):32-6; Minnone et al, Int J Mol Sci. 2017, 11;18 (5))、そして皮膚常駐免疫細胞、特にT細胞(Sekimoto et al, Immunol Lett. 2003, 88(3):221-6; Matsumura et al, J Dermatol Sci. 2015,78(3):215-23)、マスト細胞(Quarcoo et al, J Occup Med Toxicol. 2009, Apr 22;4:8.)及び好酸球(Raap et al, J Allergy Clin Immunol. 2005, 115:1268-75; Raap et al, Clin Exp Allergy.2008, 38(9):1493-8)を含めた、アトピー性皮膚炎の病理に関与する細胞の炎症機能を媒介する(Raap et al, Clin Immunol. 2005, (5):419-24)ことが実証された。
【0116】
NGF、BDNF、NT-3及びNT-4/5レベルは、正常対象と比較して、病変皮膚細胞及びアトピー性皮膚炎患者の血漿においてより高く、そして、レベルは疾病重症度と相関がある(Yamaguchi et al, J Dermatol Sci. 2009, 53(1):48-54; Toyoda et al, Br J Dermatol 2002, 147:71-79; Raap et al, J Allergy Clin Immunol. 2005, 115:1268-75; Raap et al, Allergy. 2006, 61(12):1416-8)。Trkレベルもまた、アトピー性皮膚炎病変皮膚細胞で上方制御される(Dou et al, Arch Dermatol Res. 2006, (1):31-7; Raap et al, Clin Exp Allergy. 2008, 38(9):1493-8)。加えて、高親和性ニューロトロフィン受容体、及びそれらの内因性リガンド、特にTrk A/NGFは、一次求心性神経を過敏にし、皮膚の超神経分布を媒介し、その結果、特にアトピー性皮膚炎において、末梢の痒み増感及び掻痒に寄与することが示されている(Tominaga et al, J Dermatol. 2014, 41(3):205-12; Roggenkamp D et al, J Invest Dermatol 2012, 132: 1892-1900; Grewe et al, J Invest Dermatol 2000, 114:1108-1112)。アトピー性皮膚炎の前臨床マウスモデルにおいて、Trk阻害活性を有する小分子化合物を用いたTrkシグナル伝達の阻害は、表皮における神経線維の随伴性の縮小を伴った、皮膚炎と引っ掻き行動の減少させた(Takano et al, Br J Dermatol. 2007, 156(2):241-6; Narayanan et al, PLoS One. 2013, 26;8(12))。
【0117】
本発明の化合物は、例えばアトピー性皮膚炎(湿疹)、接触性皮膚炎、アレルギー皮膚炎などの皮膚炎に関する疾患;例えば、蕁麻疹(Rossing et al, Clin Exp Allergy. 2011, 41(10):1392-9)、セザリーが症候群を含めた皮膚のT細胞性悪性リンパ腫(CTCL)関連掻痒(Suga et al, Acta Derm Venereol. 2013, 93(2):144-9; Saulite et al, Biomed Res Int. 2016 doi: 10.1155/2016/9717530)などの掻痒に関する疾患;乾癬(Raychaudhuri et al, Prog Brain Res. 2004, 146:433-7);皮膚疼痛と神経障害に関する疾患(Hirose et al, Pain Pract. 2016, 16(2):175-82; Wang et al, J Neurosci. 2009, 29(17):5508-15)を含めた皮膚病態又は状態の治療又は予防に使用されてもよい。
【0118】
特に、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害としては、これだけに限定されるものではないが:掻痒と痒みに関する疾患;皮膚の自己免疫疾患;皮膚疼痛と神経障害に関する疾患;及び皮膚炎に関する疾患が挙げられる。
【0119】
掻痒と痒みから成る疾患としては、これだけに限定されるものではないが:皮膚病、湿疹;皮膚炎、アトピー;湿疹;皮膚炎、接触;皮膚炎、アレルギー性接触;皮膚炎、刺激物;皮膚炎、光線過敏性;皮膚炎、光毒性;乾癬;掻痒;肛門周囲掻痒;掻痒、遺伝的限局性;Sjogrens症候群関連掻痒;特発性掻痒;硬化症多発性掻痒;結節性痒疹;腕橈骨掻痒;急性の痒み;慢性の痒み;糖尿病性掻痒;鉄欠乏性貧血性掻痒;真正赤血球増加症性掻痒;移植片対宿主疾患;尿毒症性掻痒;胆汁鬱滞性掻痒;妊娠性掻痒性丘疹;妊娠性類天疱瘡;老年性掻痒;HIV関連掻痒;帯状ヘルペス;耳帯状ヘルペス;幼虫移行症;体白癬;スナノミ症;皮疹;フォックス-フォアダイス病;皮膚病、寄生生物性;皮膚病、細菌性;皮膚T細胞;リンパ腫関連掻痒;セザリー症候群;菌状息肉症;結腸直腸癌;黒色腫;頭頚部癌;薬疹掻痒(医原性);薬物反応;蕁麻疹様;振動性蕁麻疹様;全身性蕁麻疹様;家族性寒冷蕁麻疹様;アレルギー性蕁麻疹様;皮膚描記症;疱疹状皮膚炎;グローヴァー疾患が挙げられる。
【0120】
皮膚の自己免疫疾患としては、これだけに限定されるものではないが:皮膚と結合組織の自己免疫疾患;皮膚への浸潤を伴った自己免疫疾患;自己免疫性水疱性皮膚病;類天疱瘡、水疱性が挙げられる。
【0121】
皮膚疼痛と神経障害に関する疾患としては、これだけに限定されるものではないが:糖尿病性神経障害;神経痛;痛みを伴う神経障害;神経圧迫症候群;神経炎;感覚性末梢神経障害;アルコール性神経障害;神経根疾患;複雑性局所疼痛症候群;薬物による多発性神経障害;足底神経病巣;多発神経根炎;坐骨神経障害;三叉神経痛が挙げられる。
【0122】
皮膚炎に関する疾患としては、これだけに限定されるものではないが:皮膚病、湿疹;皮膚炎、アトピー;湿疹;皮膚炎、接触;皮膚炎、アレルギー性接触;皮膚炎、刺激物;皮膚炎、光線過敏性;皮膚炎、光毒性;慢性刺激性の手の皮膚炎;皮膚炎、職業性;グラスファイバー皮膚炎;皮膚炎、ツタウルシ;湿疹、発汗異常性;眼瞼の湿疹様皮膚炎;眼瞼のアレルギー接触性皮膚炎;手足の皮膚炎;デジタル皮膚炎;皮膚炎、剥脱性;放射線皮膚炎;疱疹状皮膚炎;若年性疱疹状皮膚炎;月経疹;皮膚炎、脂漏性;苔癬状粃糠疹;眼瞼炎;貨幣状皮膚炎;乾癬状要素を伴った脂漏症様皮膚炎;HTLV-1関連感染性皮膚炎;乾癬;汎発性膿疱性乾癬;皮膚病、丘疹鱗屑性;類乾癬症;角化症;角質増殖症、表皮溶解性;皮膚サルコイドーシス;皮膚萎縮;紅斑鱗屑性皮膚症;好中球減少症を有する多形皮膚萎縮症;多型紅斑;木村氏病;掌蹠線条体角化症3;尋常性座瘡;葉状魚鱗癬;苔癬疾患;扁平苔癬;光線性扁平苔癬;扁平苔癬、経口的;毛孔性扁平苔癬;硬化性萎縮性苔癬;光沢苔癬;硬化性苔癬;慢性単純性苔癬;限局性硬皮症;先天性魚鱗癬と硬化性角皮を伴った線状角化症;紅斑角化症、網様;リンパ腫様角化性丘疹;皮膚病、遺伝的;常染色体劣性先天性魚鱗症;常染色体劣性先天性魚鱗症1;常染色体劣性先天性魚鱗症2;常染色体劣性先天性魚鱗症3;常染色体劣性先天性魚鱗症4A;常染色体劣性先天性魚鱗症5;常染色体劣性先天性魚鱗症6;常染色体劣性先天性魚鱗症7;常染色体劣性先天性魚鱗症8;常染色体劣性先天性魚鱗症9;常染色体劣性先天性魚鱗症10;常染色体劣性先天性魚鱗症11が挙げられる。
【0123】
より特に、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害は、アトピー性皮膚炎であってもよい。
本発明による治療は、対症的であっても、又は予防的であってもよい。
よって、さらなる態様において、本発明は、医薬としての使用するための本発明の剤を含む。
【0124】
そのため、さらなる態様によると、本発明は、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害を治療又は予防するための本発明の剤を提供する。
そのため、さらなる態様によると、本発明は、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療又は予防用の薬剤の製造における本発明の剤の使用を提供する。
そのため、さらなる態様によると、本発明は、それを必要としている対象に、治療的有効量の本発明の剤を投与することを含む、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態を予防又は治療するための方法を提供する。
【0125】
上記によると、本発明はまた、さらなる態様として、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害、より特にアトピー性皮膚炎、を予防又は治療するための方法を提供するが、それは、それを必要としている対象、特にヒト対象に、治療的有効量の本発明の剤を投与することを含む。
【0126】
別の態様において、本発明は、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害、より特にアトピー性皮膚炎を予防又は治療するための本発明の剤を提供する。
別の態様において、本発明は、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害、より特にアトピー性皮膚炎の治療又は予防用の薬剤の製造における本発明の剤の使用を提供する。
【0127】
本明細書中で言及する場合、「障害」又は「疾患」とは、正常な生物体に対して、症状を示す又は症状を示さない生物体における潜在する病理学的な障害を指し、そしてそれは、例えば、感染症、又は後天的若しくは先天的な遺伝子の不完全性から生じ得る。
「状態」とは、疾患によって起こったものではない生物体の心又は身体の状況、例えば、成分、例えば毒素、薬物又は汚染物質などの身体内での存在を指す。
【0128】
本明細書中で使用する何らかの疾患又は障害を「治療する」、「治療」又は「治療すること」という用語は、一つの実施形態において、疾患又は障害を軽減する(すなわち、疾患又は少なくともその臨床症状の一つの発症の減速又は停止又は減少)ことを意味する。他の実施形態において、「治療する」、「治療」又は「治療すること」は、患者が認識できないものを含む身体パラメータの少なくとも一つの緩和又は回復を意味する。さらに別の実施形態において、「治療する」、「治療」又は「治療すること」は、身体的(例えば、認識できる症状の安定化)、生理学的(例えば、身体パラメータの安定化)のいずれか又は両者による疾患又は障害の修飾を意味する。さらに別の実施形態において、「治療する」、「治療」又は「治療すること」は、疾患又は障害の発生又は発症又は進行の予防又は遅延を意味する。
【0129】
状態又は障害の「予防」とは、状態又は障害の発症を遅延又は予防することか、或いは前記状態又は障害の1若しくは複数の症状の出現又は程度によって評価される、その重症度を軽減することを指す。
【0130】
本明細書中で使用する用語「対象「は動物を意味する。典型的に動物は哺乳動物である。対象はまた例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、魚類、鳥類なども意味する。ある実施形態において、対象は霊長類である。さらに別の実施形態において、対象はヒトである。
【0131】
本明細書中で使用する対象は、斯かる対象が斯かる治療により生物学的に、医学的に又はクオリティ・オブ・ライフにおいて利益を受けるならば、治療を「必要としている」。
【0132】
本発明の剤の「治療的有効量」という用語は、対象の生物学的又は医学的応答、例えば、酵素又はタンパク質活性の低下又は阻害又は症状緩和、状態軽減、疾患進行減速又は遅延又は疾患予防などを誘発する本発明の剤の量を意味する。非限定的な一実施形態において、用語「治療的有効量」とは、対象に投与したとき、TrK、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害を少なくとも一部軽減、阻止、予防及び/又は寛解させるのに有効な、本発明の剤の量を意味する。他の非限定的実施形態において、用語「治療的有効量」とは、細胞又は組織又は非細胞性生物学的物質又は媒体に投与したとき、Trk活性、特にTrk A、B及びCを少なくとも一部阻害するのに有効な、本発明の剤の量を意味する。
【0133】
本発明の一実施形態において、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害は、掻痒と痒みに関する疾患;皮膚の自己免疫疾患;皮膚疼痛と神経障害に関する疾患;及び皮膚炎に関する疾患から選択される。
【0134】
特定の実施形態において、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害は、アトピー性皮膚炎である。
【0135】
先に記載したとおり、Trk、特にTrk A、B及びCを阻害する、本発明の剤は、様々な臨床適用を有し、これにより、本発明のさらなる態様は、本発明の剤を含有する医薬組成物を提供する。薬剤としてのこれらの剤の使用は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0136】
本発明の活性剤は、単独で又は1若しくは複数の追加の有効成分と組み合わせて、本発明の医薬組成物を処方するのに使用される。本発明の医薬組成物は:(a)有効量の本発明による少なくとも1つの活性剤;及び(b)医薬的に許容される賦形剤、を含む。
【0137】
よって、さらなる態様において、本発明は、本発明の剤と医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0138】
薬剤としての使用のための、特に、例えば本明細書中に記載した状態などの、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される障害又は状態を治療又は予防する際に使用するための、本明細書中に記載した医薬組成物、及び斯かる組成物を使用する治療又は予防の方法、並びに斯かる障害又は状態を治療又は予防するための薬剤の調製のための前記剤の使用が、本発明のさらなる態様を形成する。
【0139】
本明細書中で言及される場合、「医薬的に許容される」とは、組成物の他の構成要素と適合できる、並びに受容者に生理学的に許容される構成要素を指す。
【0140】
「薬学的に許容される賦形剤」とは、薬理学的組成物に加えられるか、さもなければビヒクル、担体、又は希釈剤として使用されるものに加えて、不活性物質などの、非毒性、生物学的に許容される、及びそうでなければ生物学的に対象に投与するのに適していて、薬剤の投与を促進し、それと適合する物質を指す。賦形剤の例には、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及びデンプンの種類、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、及びポリエチレングリコールが含まれる。賦形剤の例としては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖及びデンプンのタイプ、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、並びにポリエチレングリコールが挙げられる。
【0141】
本明細書中で使用する用語「医薬的に許容される担体」は、頭語油社に周知のとおり、任意の及び全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、防腐剤(例えば、抗細菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、防腐剤、薬剤、薬剤安定化剤、結合剤、添加物、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、風味剤、色素など及びこれらの組み合わせを含む(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329を参照のこと)。何らかの慣用の担体が活性成分と不適合でない限り、治療用又は医薬組成物へのその使用は意図される。
【0142】
本発明による医薬組成物は、容易に入手可能な構成要素を使用した従来の様式で処方されてもよい。よって、有効成分は、例えば錠剤、丸薬、粉剤、ロゼンジ、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアゾール(固形物又は液体媒質)、軟膏剤、軟及び硬ゼラチンカプセル、坐剤、無菌の注射液、無菌のパック入り粉末など従来のガレノス流調製物を製造するために、1若しくは複数の従来の担体、希釈剤、及び/又は賦形剤と共に、場合により他の作用物質と一緒に、組み込まれ得る。
【0143】
医薬組成物は特定の投与経路、例えば経口投与、非経腸投与及び直腸投与などのために製剤できる。加えて、本発明の医薬組成物は固体形態(カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤又は坐薬を含むが、これらに限定されない)又は液体形態(溶液剤、懸濁液剤又はエマルジョン剤を含むが、これらに限定されない)に成形できる。医薬組成物は、
慣用の医薬操作、例えば滅菌に付してよく及び/又は慣用の不活性希釈剤、滑沢剤又は緩衝剤、並びにアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤及び緩衝剤などを含んでよい。
【0144】
典型的に、医薬組成物は、活性成分を、以下の:
a)希釈剤、例えば、ラクトース、ポリラクトン、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;
b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウム又はカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;錠剤についてはまた
c)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び/又はポリビニルピロリドン;所望により
d)崩壊剤、例えば、デンプン類、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩又は起沸性混合物;及び/又は
e)吸収剤、着色剤、香味剤及び甘味剤
と共に含む、錠剤又はゼラチンカプセルである。
【0145】
錠剤は当分野で知られる方法に従い、フィルムコーティングされていても、腸溶性コーティングされていてもよい。
【0146】
経口投与のための好適な組成物は、錠剤、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散可能粉末又は顆粒、エマルジョン、硬又は軟カプセル又はシロップ又はエリキシルの形で有効量の本発明の剤を含む。経口使用を意図する組成物は、医薬組成物の製造について当分野で知られるあらゆる方法に従い製造し、斯かる組成物は、薬学的に洗練され、のみやすい製剤を提供するために甘味剤、風味剤、着色剤及び防腐剤から成る群から選択される1種以上の薬剤を含み得る。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の薬学的に許容される添加物と混合した活性成分を含む。これらの添加物は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒及び崩壊剤、例えば、コーンデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン又はアカシア;及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクである。錠剤は素錠であるか又は胃腸管での分解及び吸収を遅延させ、故に、長期間にわたる持続した作用を提供するための周知の技術によりコーティングされている。例えば、モノステアリン酸グリセリル又はジステアリン酸グリセリルのような時間遅延物質を用いることができる。経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル又は活性成分が水又は油媒体、例えば、ピーナツ油、液体パラフィン又はオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセルとして提供できる。
【0147】
ある種の注射用組成物は水性等張溶液又は懸濁液であり、坐薬は有利に脂肪エマルジョン又は懸濁液から製造する。該組成物は滅菌してよく及び/又はアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤又は乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩及び/又は緩衝剤を含み得る。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質を含んで良い。該組成物はそれぞれ慣用の混合、造粒又はコーティング法により製造し、約0.1~75%又は約1~50%の活性成分を含む。
【0148】
皮膚又は粘液への(例えば、皮膚及び目への)、すなわち、真皮的又は経皮的な、局所適用のための好適な組成物としては、水溶液、懸濁液、軟膏剤、クリーム、ゲル、ヒドロゲル、マイクロエマルジョン、散布剤、包帯材、フォーム、フィルム、皮膚用パッチ剤、ウェハー、移植片、繊維、包帯又は例えば、エアゾールなどによる送達のためのスプレー用製剤が挙げられる。斯かる局部送達システムは、特に皮膚適用のため、例えばアトピー性皮膚炎の治療のためにふさわしい。これにより、それらは、化粧品用の、当該技術分野で周知の製剤を含めた、局所における使用に特に好適である。こういったものは、可溶化剤、安定化剤、張度増強剤、バッファー、及び保存料を含んでもよい。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコールが挙げられる。透過増強剤が組み込まれてもよい[例えば、Finnin and Morgan, J Pharm Sci, 88 (10), -958 (955October 1999)を参照のこと]。
【0149】
経皮適用に好適な組成物は、有効量の本発明の剤と好適な担体を含む。経皮送達に好適な担体は、宿主の皮膚の通過を助けるための吸収性の薬理学的に許容される溶媒を含む。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、場合により担体を伴ってよい化合物を含む貯蔵部、場合により化合物の宿主の皮膚への、制御されかつ予定された速度で長時間に亘る
送達のための速度制御バリア及びデバイスを皮膚に固定するための手段を含むバンデージの形である。
【0150】
本明細書中で使用する局所適用はまた吸入又は鼻腔内適用にも関し得る。それらは好都合に乾燥粉末吸入器から乾燥粉末(単独で、例えばラクトースとの乾燥混合で又は例えばリン脂質との混合成分粒子として)の形で送達され又は好適な噴射剤を使用して又は使用せずに加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又はネブライザーからエアロゾルスプレー提示される。
【0151】
本発明の実施に際して用いる本発明の薬剤の投与量は、当然、例えば、治療する特定の状態、所望の効果及び投与方法によって変わる。一般に、吸入による投与についての好適な1日量は、患者あたり0.0001~30mg/kg、典型的に0.01~10mgの程度であり、経口投与について、好適な1日量は0.01~100mg/kgの程度である。
【0152】
本発明は、さらに、水がある種の化合物の分解を促進し得るため、活性成分として本発明の剤を含む無水医薬組成物及び投与形態を提供する。
【0153】
本発明の無水医薬組成物及び投与形態は、無水又は低水分含有成分及び低水分又は低湿度条件を使用して製造できる。無水医薬組成物は、その無水性質が維持されるように製造及び貯蔵できる。従って、無水組成物を、好適な製剤キットに包含できるように、水への暴露を防止することが知られる材料を使用して包装する。好適な包装材の例は、密封ホイル、プラスチック、単位投与量容器(例えばバイアル)、ブリスターパック及びストリップパックを含むが、これらに限定されない。
【0154】
本発明は、さらに、活性成分としての本発明の化合物が分解する速度を減じる1種以上の薬剤を含む医薬組成物及び投与形態を提供する。斯かる薬剤は、ここでは「安定化剤」と呼び、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、pH緩衝剤又は塩緩衝剤などを含むが、これらに限定されない。
【0155】
本発明の剤は、1種以上の他の薬剤と同時に、その前に又は後に投与してよい。本発明の剤は、他剤と別々に、同一又は異なる投与経路で又は同じ医薬組成物で一緒に投与してよい。
【0156】
一つの実施形態において、本発明は、治療において同時に、別々に又は連続的に使用するための組み合わせ製剤としての、本発明の剤及び少なくとも1種の他の治療剤を含む製品を提供する。一つの実施形態において、治療は、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療である。組み合わせ製剤として提供される製品は、本発明の剤及び(単数若しくは複数の)他の治療剤を一緒に同じ医薬組成物に含む組成物又は本発明の剤及び(単数若しくは複数の)他の治療剤を別々の形態で、例えばキットの形態で含む組成物を含む。
【0157】
一つの実施形態において、本発明は、本発明の剤及び(単数若しくは複数の)他の治療剤を含む医薬組成物を提供する。場合により、医薬組成物は上記のとおり薬学的に許容される添加物を含んでよい。
【0158】
一つの実施形態において、本発明は、2個以上の別の医薬組成物を含み、少なくともその一方が本発明の剤を含む、キットを提供する。一つの実施形態において、キットは該複数組成物を別々に保持する手段、例えば容器、分割されたビン又は分割されたホイルパケットを含む。斯かるキットの例は、典型的に錠剤、カプセルなどの包装に使用されるブリスターパックである。
【0159】
本発明のキットは、別の組成物を異なる投与間隔で投与するために又は別々の組成物を互いにタイトレーションするために、異なる投与形態、例えば、経口的に及び局所的に投与されてもよい。コンプライアンスを助けるために、本発明のキットは典型的に投与の指示書を含む。
【0160】
本発明の組み合わせ治療において、本発明の剤及び他の治療剤は同一又は異なる製造者により製造及び/又は製剤されてよい。さらに、本発明の剤及び他の治療剤を:(i)医師への組み合わせ製品の発売前に(例えば本発明の剤及び他の治療剤を含むキットの場合);(ii)医師自身(又は医師の指導の下に)投与直前に;(iii)患者自身により、例えば本発明の剤及び他の治療剤の連続投与の間に組み合わせ治療にしてよい。
【0161】
従って、本発明は、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療のための本発明の剤を提供し、ここで、該医薬は他の治療剤との投与のために製造される。本発明はまたTrk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療のための他の治療剤の使用も提供し、ここで、該医薬は本発明の剤と投与される。
【0162】
組み合わせは、(例えば、本発明による活性剤の効力又は有効性を増強する化合物を組み合わせ中に含むことによって)有効性を増強するか、1若しくは複数の副作用を軽減するか、又は本発明による活性剤の必要な用量を削減させるのに役立つ可能性がある。
【0163】
本発明はまたTrk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療方法において使用するための本発明の剤を提供し、ここで、本発明の剤を他の治療剤との投与のために製造する。本発明はまたTrk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療方法において使用するための他の治療剤を提供し、ここで、他の治療剤を本発明の剤との投与のために製造する。本発明はまたTrk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療方法において使用するための本発明の剤を提供し、ここで、本発明の剤を他の治療剤と投与する。本発明はまたTrk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療方法において使用するための他の治療剤も提供し、ここで、他の治療剤を本発明の剤と投与する。
【0164】
本発明はまたTrk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療のための本発明の剤の使用も提供し、ここで、対象は予め(例えば24時間以内に)他の治療剤で治療されている。本発明はまたTrk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害の治療のための他の治療剤の使用も提供し、ここで、対象は予め(例えば24時間以内に)本発明の剤で治療されている。
【0165】
一実施形態において、本発明の化合物は、1若しくは複数の他の治療的活性剤と並んで投与される。例えば、本発明の化合物は、そのため、アトピー性皮膚炎の治療のための1若しくは複数のさらなる剤、例えば:1若しくは複数の局所及び/又は経口コルチコステロイド;1若しくは複数の抗ヒスタミン剤;1若しくは複数の抗生物質;1若しくは複数の局所カルシニューリン阻害剤、例えばタクロリムス及び/又はピメクロリムスなど;1若しくは複数の全身性免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、メトトレキサート、インターフェロンγ-1b、マイクフェノラート・モフェチル及び/又はアザチオプリンなど;1若しくは複数のPDE4阻害剤、例えばクリサボロールなど;1若しくは複数のモノクローナル抗体、例えばデュピルマブなど、などと組み合わせて使用されてもよい。
【0166】
当業者は、本発明の剤が、対象、特にヒト対象に投与されてもよく、ここで、該対象が、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害、例えばアトピー性皮膚炎などのための光線療法で治療されていることを理解する。本発明の化合物はまた、対象、特にヒト対象にも投与されてもよく、ここで、該対象は、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害、例えばアトピー性皮膚炎などのための光線療法で予め(例えば24時間以内に)治療された。対象、特に、ヒト対象はまた、Trk、特にTrk A、B及びCによって媒介される状態又は障害、例えばアトピー性皮膚炎などのための光線療法で治療されてもよく、ここで、本発明の化合物は、予め(例えば24時間以内に)対象に投与された。
【0167】
従って、本発明は、さらなる態様として、本発明の剤と、アトピー性皮膚炎の治療のための1若しくは複数のさらなる剤、例えば:1若しくは複数の局所及び/又は経口コルチコステロイド;1若しくは複数の抗ヒスタミン剤;1若しくは複数の抗生物質;1若しくは複数の局所カルシニューリン阻害剤、例えばタクロリムス及び/又はピメクロリムスなど;1若しくは複数の全身性免疫抑制剤、例えばシクロスポリン、メトトレキサート、インターフェロンγ-1b、マイクフェノラート・モフェチル及び/又はアザチオプリンなど;1若しくは複数のPDE4阻害剤、例えばクリサボロールなど;1若しくは複数のモノクローナル抗体、例えばデュピルマブなど;並びに光線療法、などとの組み合わせを含む。
【0168】
インビトロアッセイ
化合物のTrk阻害活性を測定するための好適なアッセイを、本明細書中で以下に詳述する。
【0169】
ヒトTRK受容体に関する小分子化合物のIC50を測定するために、Cisbio製のHTRF(登録商標)KinEASE(商標)キナーゼキットを使用した。アッセイを、低容量、黒色384ウェルプレートで実施した。
【0170】
遺伝子組み換えヒトTRK酵素(Invitrogen)を、23℃にて30分間、化合物の存在又は不存在下(10μMとしてFACを用いた11点の投与量応答)でインキュベートした。キナーゼ反応を、酵素(NTRK1-4nM、NTRK2-1nM、NTRK3-10nM)と基質(1μM)を含有する混合物へのATPの添加によって開始させた。キナーゼ反応を23℃にて10~45分間継続させ、その後、それを、EDTA、Eu3+-クリプテートで標識したTK-Ab(1:200希釈)及びストレプトアビジン-XL665(250nM)を含有する検出ミックス(供給業者によって供給)の添加によって停止させた。アッセイプレートを、この検出ミックス中で23℃にて60分間、インキュベートした。665/620nmにおける蛍光比として計算した、得られたTR-FRETシグナルを、Envisionにより読み取ると、化合物の存在又は不存在下のペプチドのリン酸化のレベルに比例していた。プレートの均一性をZ’値[1-{3*(SDHPE+SDZPE)/(ZPE-HPE)}]を用いて確保した。パーセント(%)効果、すなわち、化合物の阻害を、それぞれのアッセイプレート内の陽性対照(HPE)と陰性対照(ZPE)ウェルのシグナルを比較して計算した。基準化合物の終点値の%阻害を、品質管理手段として各実験で評価した。IC50を、4パラメーターロジスティック曲線の当てはめを使用したGraphpad prism5によりそれぞれの用量における化合物阻害をプロットすることによって決定した。
【0171】
先に記載したアッセイを使用して、本発明の化合物はすべて、1μM未満のIC50値として表されるTrk阻害活性を示した。好ましい例は、200nM未満のIC50値を有し、特に好ましい例は、50nM未満のIC50値を有する。実施例1~31の化合物に関するIC50値を、表1において以下に示す。
【0172】
【表1】
【実施例
【0173】
次の実施例を参照して、好ましい実施形態の化合物を、本明細書中に記載の方法を使用して又は当業者に知られた他の方法を使用して合成する。
【0174】
好ましい実施形態に従う有機化合物は互変異性の現象を示し得ることは当然である。本明細書内の化学構造式は可能な互変異性体形態の一つのみしか表せないが、好ましい実施形態は記載した構造のあらゆる互変異性体形態を包含することは当然である。
【0175】
本発明は説明目的でここに明示する実施形態に限定されず、上記開示の範囲内に入る全ての形態を包含すると解釈すべきである。
【0176】
一般的条件:
次の実施例は本発明を説明することを意図し、それに限定すると解釈してはならない。温度は摂氏度で示す。特に断らない限り、全ての蒸発は減圧下に行う。最終生成物、中間体及び出発物質の構造は標準分析法、例えば、微量分析及び分光学的特徴付け、例えば、MS、IR、NMRにより確認する。略語は当分野で慣用のものである。定義しない限り、用語は、その一般的に認められている意味を有する。
【0177】
本明細書で使用される略語及び頭字語には、次のものが含なれる:
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0178】
次の実施例を参照して、好ましい実施形態の化合物を、本明細書中に記載の方法を使用して又は当業者に知られた他の方法を使用して合成した。
【0179】
好ましい実施形態の種々の出発物質、中間体及び化合物を、適宜、沈殿、濾過、結晶化、蒸発、蒸留及びクロマトグラフィーのような慣用法を使用して単離及び精製してよい。特記しない限り、全ての出発物質は商業的供給源から得て、さらに精製せずに使用する。塩は既知塩形成法により化合物から製造してよい。
【0180】
好ましい実施形態に従う有機化合物は互変異性の現象を示し得ることは当然である。本明細書内の化学構造式は可能な互変異性体形態の一つのみしか表せないが、好ましい実施形態は記載した構造のあらゆる互変異性体形態を包含することは当然である。
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、すべての場合において、提案された構造と一致していた。特徴的な化学シフト(δ)は、主要なピークを指定するための従来の略語を使用して、テトラメチルシラン(1H-NMRの場合)から100万分の1のダウンフィールドで与えられる;例えば、s、一重項;d、二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;br、ブロード。一般的な溶媒には、次の略語が使用される:CDCl3、重クロロホルム;DMSO-d6、ヘキサジューテロジメチルスルホキシド;及びMeOD-d4、重陽子-メタノール。必要に応じて、NMRデータ内に互変異性体を記録できる。また、一部の交換可能なプロトンは見えない場合がある。
【0181】
エレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI)を使用して、質量スペクトル、MS(m/z)を記録した。該当する場合、特に明記しない限り、提供されるm/zデータは、同位体19F、35Cl、79Br、及び127Iのものである。
【0182】
分取TLC又はシリカゲルクロマトグラフィーが使用されている場合、当業者は、溶媒の任意の組み合わせを選択して、所望の化合物を精製することができる。
【0183】
本発明の実例化合物は、次のものを含む:
実施例1
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]アゼチジン-3-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化27】
【0184】
DCM(4ml)中のN-(アゼチジン-3-イル)-6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(調製17、100mg、0.23mmol)、4-フルオロ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(36mg、0.26mmol)及びナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(36mg、0.32mmol)の懸濁液を、rtにて一晩撹拌した。反応を、飽和NaHCO3を使用してクエンチし、DCMで抽出し、合わせた有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、そして真空中で濃縮した。未精製物を、逆相クロマトグラフィー5-50%のMeCN/H2O(0.1%のNH3重合調整剤)とそれに続いて、順相クロマトグラフィー0-10%のDCM/MeOHによって精製した。固形物を9:1のEt2O/EtOAcと共に粉砕して、無色の固形物として表題化合物を得た(22mg、17%)。
LCMS m/z = 551.2 [M+H]+; 549.2 [M-H]+
1HNMR (CDCl3, 400 MHz): δ: 9.10 ( br s, 1H), 8.19 (s, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.29 (m, 1H), 7.0 (m, 3H), 6.76 (m, 2H), 6.42 (br s, 1H), 5.24 (d, 1H), 4.57 (br m, 2H), 3.84 (m, 8H), 2.62 (s, 3H), 2.53 (m, 1H), 2.06 ppm (m, 3H)。
【0185】
実施例2
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化28】
【0186】
以下の化合物を、6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(調製18)と実施例1に記載の手順に従って、4-フルオロ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドから調製した(30mg、23%)。
LCMS m/z = 565.4 [M+H]+
1H NMR (DMSO-d6, 400 MHz): δ: 9.70 (s, 1H), 9.14 (br s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.87 (d, 1H), 7.39-7.38 (m, 1H), 7.14 (m, 1H), 7.00 (m, 1H), 6.95-6.84 (m, 1H), 6.73-6.65 (m, 1H), 6.35-6.08 (m, 1H), 5.20 (m 1H), 4.54-4.33 (m, 1H), 4.02-3.86 (m, 1H), 3.66-3.50 (m, 1H), 3.47-3.34 (m, 2H), 2.84-2.43 (m, 7H), 2.36-2.14 (m, 2H), 1.94-1.74 (m, 3H), 1.72-1.52 (m, 1H)。
【0187】
実施例3
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化29】
【0188】
3-((4-アミノピペリジン-1-イル)メチル)フェノールヒドロクロリド(調製50、2.86g、10.25mmol)を、N2下、rtにて乾燥DCM(36ml)中の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製28、2.00g、5.12mmol)、TPTU(1.83g、6.15mmol)及びDIPEA(4.46ml、25.61mmol)の撹拌溶液に加えた。溶液を、5時間撹拌し、次にDCM(50ml)で希釈し、そして得られた溶液を、蒸留水(40ml)、飽和NaHCO3水溶液(3×40ml)、飽和NH4Cl水溶液(3×40ml)、そして蒸留水(40ml)で洗浄した。有機層を、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、(120gのKP-Silカラム上に添加され、そして1CVのEtOAc、次に12CVにわたりEtOAc中0-15%のMeOHを用いたBiotage(登録商標)によって精製される)オレンジ色のオイルを得た(3.5g)。関連画分を合わせ、次に真空中で濃縮して、1.95の白色の固形物(1.95g)を得た。その固形物を、65時間にわたり35℃にてハウスバキューム下に置いて、白色の固形物として表題化合物を得た(1.70g、57%)。
LCMS m/z = 579 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4; 396 MHz,): δ: 8.05 (s, 1H), 7.74 (m, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.14-7.18 (m, 1H), 7.00-7.09 (m, 2H), 6.81-6.83 (m, 2H), 6.70-6.73 (m, 1H), 6.56 (m, 1H), 5.43-5.60 (m, 2H), 4.16-4.28 (m, 2H), 3.94-4.00 (m, 1H), 3.52 (s, 2H), 2.97-3.06 (m, 3H), 2.57 (s, 3H), 2.19-2.31 (m, 3H), 2.07 (s, 2H), 1.67-1.80 (m, 2H)。
【0189】
以下の化合物を、実施例3に記載の手順に従って、6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製28)と適切なアミンから調製した。
【0190】
【表3-1】
【表3-2】
【0191】
実施例7
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化30】
【0192】
rtにて乾燥DCM(0.73ml)中の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製28、40mg、0.102mmol)の溶液に、TPTU(365mg、0.122mmol)、3-ヒドロキシベンジルアミン(138mg、0.122mmol)及びDIPEA(0.035ml、0.204mmol)を加え、そしてその反応混合物をrtにて2時間撹拌した。反応物を、DCM(15ml)で希釈し、そして飽和NaHCO3溶液(10ml)、飽和NH4Cl溶液(10ml)及び飽和食塩水(10ml)で洗浄した。有機相を、MgSO4上で乾燥させ、真空中で濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(DCM中1-6%のMeOH)によって精製して、無色の固形物として表題化合物を得た(281mg、55%)。
LCMS m/z = 496 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.95 (s, 1H), 8.73 (d, 1H), 8.06 (m, 2H), 7.82-7.77 (m, 3H), 7.63-7.56 (m, 3H), 6.38-6.17 (m, 2H), 5.47-5.37 (m, 2H), 4.95-4.82 (m, 2H), 3.94-3.85 (m, 1H), 3.31 (s, 3H), 3.09-2.89 (m, 1H)。
【0193】
実施例8
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化31】
【0194】
DCM(40ml)中の3-{[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]メチル}フェノールヒドロクロリド(調製54、1.02g、3.86mmol)の懸濁液に、トリエチルアミン(1.79ml、12.87mmol)を加え、そしてその混合物を氷/水浴内で3℃に冷やした。DCM(40ml)中の6-[(2S,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]シクロペンチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボニルクロリド(調製43、1.05g、2.57mmol)を10分間かけて滴下して加えた。反応物を、氷/水浴内で30分間撹拌しておき、次に、rtにて3時間撹拌しておいた。反応物を、飽和NaHCO3溶液(50ml)の添加によってクエンチした。水層を分離し、そして、有機層をNH4Cl(50ml)と塩水(2×50ml)で洗浄した。有機層を、相分離器を通して濾過し、そして濃縮乾固して、淡黄色のフォームとして表題化合物を得た(1.37g、95%)。
LCMS m/z = 565.3 [M+H]+ and 563.2 [M-H]-
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.05 (m, 1H), 7.72 (m, 1H), 7.42 (m, 1H), 6.98-7.15 (m, 3H), 6.82-6.85 (m, 2H), 6.67-6.69 (m, 1H), 6.51 (m, 1H), 5.57 (m, 1H), 5.29-5.42 (m, 1H), 4.63 (s, 1H), 4.07-4.19 (m, 2H), 3.52-3.71 (m, 2H), 2.75-3.03 (m, 4H), 2.58 (m, 3H), 2.42-2.51 (m, 2H), 2.12-2.29 (m, 1H), 1.84-1.90 (m, 1H)。
【0195】
実施例9
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルペンタノアート
【化32】
【0196】
ピリジン(3.0ml)中の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(実施例8、65mg、0.117mmol)の溶液に、0℃にてバレロイルクロリド(30mg、0.246mmol)を加え、そしてその反応物を2時間撹拌した。バレロイルクロリドのさらなる部分(21mg、0.175mmol)を、反応物に加え、そして0℃にて2時間撹拌した。反応物を、EtOAc(30ml)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(3×50ml)と塩水(30ml)で洗浄し、乾燥させ(Mg2SO4)、そして真空中で濃縮した。未精製物を、順相クロマトグラフィー1-3%のDCM/MeOHと、それに続く逆相精製40-100%のアセトニトリル/水によって精製した。材料を逆相クロマトグラフィー(5-60%)によって再精製して、白色の固形物として表題化合物を得た(5.0mg、6.6%)。
LCMS m/z = 649 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.05 (s, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.35 (m, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.19-7.16 (m, 1H), 7.07 (m, 1H), 7.02-6.95 (m, 2H), 6.51 (m, 1H), 5.56 (m, 1H), 5.33 (m, 1H), 4.69-4.57 (m, 1H), 4.25-4.05 (m, 2H), 3.78 (m, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.10-2.86 (m, 3H), 2.72 (m, 1H), 2.56 (s, 3H), 2.53-2.40 (m, 4H), 2.28-2.09 (m, 1H), 1.94-1.83 (m, 1H), 1.61-1.52 (m, 2H), 1.41-1.27 (m, 2H), 0.89 (m, 3H)。
【0197】
実施例10
メチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート
【化33】
【0198】
乾燥DCM(2.73ml)中の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(調製36、0.20g、0.436mmol)とメチル3-ホルミルベンゾアート(0.0787g、0.479mmol)をN2下、rtにて30分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.277g、1.31mmol)を一度に加え、続いて、酢酸(0.0249ml、0.436mmol)を加え、そして、その混合物をrtにて3時間撹拌しておいた。反応物を、飽和NaHCO3(5ml)水溶液の滴下での添加によってクエンチした。さらに15mlのDCMを加えた。層を分離し、水層をDCM(2×15ml)で抽出した。合わせた有機層を、乾燥させ、そして真空中で濃縮して、無色のオイルを得た。未精製の残渣を、カラムクロマトグラフィー(Biotage(登録商標) Zip KP Sil 120gカートリッジ、10CVにわたるDCM中1-10%のMeOH)によって精製して、無色の固形物として表題化合物を得た(0.219g、83%)。
LCMS m/z = 607.1 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.07 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.73-7.70 (m, 1H), 7.60 (m, 1H), 7.45-7.38 (m, 2H), 7.04 (m, 1H), 6.96 (m, 1H), 6.50 (m, 1H), 5.58-5.29 (m, 2H), 4.62-4.61 (m, 1H), 4.27-4.17 (m, 2H), 3.78-3.76 (m, 5H), 3.06-2.83 (m, 3H), 2.72 (m, 1H), 2.55 (s, 3H), 2.51-2.44 (m, 2H), 2.27-2.11 (m, 1H), 1.91-1.87 (m, 1H)。
【0199】
実施例11
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化34】
【0200】
以下の化合物を、実施例10に記載の手順に従って、6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(調製36)と4-フルオロ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドから、57%の収率で調製した。
LCMS m/z = 583.2 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.05 (s, 1H), 7.74 (m, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.08-6.97 (m, 4H), 6.82 (m, 1H), 6.56 (m, 1H), 5.57 (m, 1H), 5.40 (d, 1H), 4.60 (m, 1H), 4.22 (s, 1H), 4.14 (s, 1H), 3.77-3.66 (m, 2H), 3.10-2.89 (m, 4H), 2.57 (s, 3H), 2.50 (m, 2H), 2.29-2.13 (m, 1H), 1.95 (m, 1H)。
【0201】
実施例12
ブチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート
【化35】
【0202】
n-ブタノール(0.66ml)中の3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸(調製44、78mg、0.132mmol)、DMAP(4.8mg、0.039mmol)及びEDC.HCl(50mg、0.264mmol)の溶液を、rtにて16時間撹拌した。反応混合物を、水(5ml)とEtOAc(15ml)の間で分配させ、有機層を、塩水(3×10ml)で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、濾過し、そして減圧下で溶媒を取り除いた。未精製物を、NPクロマトグラフィー(DCM中1-5%のMeOH)を使用して精製して、無色の固形物(404mg、47%)として表題化合物を得た。
LCMS m/z = 649 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.08 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.89 (m, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.45-7.38 (m, 2H), 7.06-6.94 (m, 2H), 6.50 (m, 1H), 5.57-5.27 (m, 2H), 4.62 (s, 1H), 4.24-4.13 (m, 4H), 3.80 (s, 2H), 3.09-3.06 (m, 1H), 2.99-2.86 (m, 2H), 2.72 (m, 1H), 2.54 (s, 3H), 2.51-2.44 (m, 2H), 2.26-2.11 (m, 1H), 1.92-1.90 (m, 1H), 1.66-1.58 (m, 2H), 1.42-1.33 (m, 2H), 0.94-0.86 (m, 3H)。
【0203】
実施例13
エチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート
【化36】
【0204】
以下の化合物を、実施例12に記載の手順に従って、3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸(調製44)とEtOHから、61%の収率で調製した。
LCMS m/z = 621.1 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.07 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.89 (m, 1H), 7.71 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.38-7.44 (m, 2H), 6.94-7.06 (m, 2H), 6.50 (m, 1H), 5.29-5.57 (m, 2H), 4.62 (s, 1H), 4.17-4.28 (m, 4H), 3.75-3.82 (m, 2H), 2.69-3.10 (m, 4H), 2.55 (s, 3H), 2.42-2.50 (m, 2H), 2.12-2.27 (m, 1H), 1.87-1.91 (m, 1H), 1.24-1.28 (m, 3H)。
【0205】
実施例14
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化37】
【0206】
TPTU(18.26g、61.5mmol)を、DMSO(200ml)中の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製28、20g、51.2mmol)、5-(アミノメチル)-2-フルオロフェノール(14.46g、102.5mmol)及びDIEA(33.1g、256mmol)の撹拌懸濁液に加えた。反応混合物をRTにて1.5時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(600ml)と水(600ml)中に注ぎ入れ、そして層を分離した。有機層を、蒸留水(4×400ml)と塩水(400ml)によって洗浄した。有機層を、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、オイルを得た。未精製物を、カラムクロマトグラフィー(DCM中20%のMeOH)によって精製して、オイルを得た。これを、逆相クロマトグラフィー(H2O中0.1%のNH3/MeCN中0.1%のNH3、5~95)によるBiotage(登録商標)により精製して、ビス連結生成物(7g)と、オフホワイト色の固形物として表題化合物を得た(5.60g、21%)。
LCMS m/z = 514 [M+H]+及び512 [M-H]--
ビス連結生成物(7g)を、rtにてEtOH(15ml)で溶解し、そして、水(10ml)であらかじめ溶解した水酸化ナトリウム(1.58g、7.9mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌した。EtOHを真空中で取り除き、水(50ml)で希釈し、そして次にpHを2MのHClで約pH4~5に調整した。次に、混合物をDCM(2×15ml)で抽出した。合わせた有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、真空中で濃縮して、オフホワイト色の固形物(3.99g)を得た。これを、シリカカラムクロマトグラフィー(EtOAc中5%のMeOH)によってさらに精製して、オフホワイト色の固形物として表題化合物を得た(1.84g、3.58mmol、45%)。
LCMS m/z = 514 [M+H]+及び512 [M-H]-
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.03 (s, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.13 (m, 1H), 6.99 (m, 1H), 6.92 (m, 3H), 6.89 (m, 1H), 6.79 (m, 1H), 5.51-5.25 (m, 2H), 4.47 (s, 2H), 4.01-3.87 (m, 2H), 3.12-2.94 (m, 1H), 2.41 (s, 3H), 2.07 (m, 1H)。
【0207】
実施例15
N-[(3S)-1-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]-6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化38】
【0208】
DCM(2ml)中の6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(調製19、70mg、0.16mmol)の溶液に、4-フルオロ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(25mg、0.18mmol)とナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(144mg、0.66mmol)を加えた。反応混合物を、rtにて1時間撹拌し、水でクエンチし、そしてDCMで抽出した。合わせた有機層を、無水Na2SO4上で乾燥させ、そして濃縮乾固した。得られた残渣を、順相クロマトグラフィー(DCM中2-10%のMeOHで溶出する)と逆相クロマトグラフィー(10CVのわたるH2O中0.1のNH3/2-80%のMeCN中0.1のNH3で溶出する)によって精製して、白色の固形物として表題化合物を得た(20mg、22%)。
LCMS m/z = 565.1 [M+H]+
1H NMR (DMSO-d6, 396 MHz): δ: 9.74 (s, 1H), 9.11 (s, 1H), 7.93 (m, 2H), 7.06-6.92 (m, 4H), 6.81-6.54 (m, 2H), 5.16 (m, 1H), 4.45 (m, 1H), 3.95-3.90 (m, 1H), 3.75-3.43 (m, 4H), 2.73-2.40 (m, 4H), 2.45 (s, 3H), 2.32-2.19 (m, 2H), 1.91 (m, 4H)。
【0209】
実施例16
メチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート
【化39】
【0210】
DCM(15ml)の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(調製37、386mg、0.842mmol)の溶液に、メチル3-ホルミルベンゾアート(276mg、1.68mmol)、続いて酢酸(0.096ml、1.68mmol)を加え、そして反応物をN2下、rtにて30分間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(357mg、1.68mmol)を加え、そしてその混合物をrtにて18時間撹拌した。この期間後に、反応物を、飽和NaHCO3水溶液(20ml)の添加によってクエンチし、そしてEtOAc(15ml×3)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(30ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして蒸発乾固して、薄茶色の残渣を得た。残渣を、EtOAc中のMeOHのグラジエント(1-4%、3CV;4-6%、1C;20%、1CV)とそれに続く、DCM中5%のMeOHで溶出するBiotage(登録商標) SNAP KP-Silの100gカートリッジ上に添加した。適確な画分を合わせて、無色の固形物にとして表題化合物を得た(304mg、66%)。
LCMS m/z = 607.1 [M+H]+
1H NMR (DMSO-d6, 396 MHz): δ: 8.90 (s, 1H), 7.98-7.93 (m, 3H), 7.86 (d, 1H), 7.63 (d, 1H), 7.49 (m, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.96 (m, 2H), 6.74 (d, 1H), 5.44 (d, 1H), 5.27 (m, 1H), 4.49 (s, 1H), 4.27-4.06 (m, 2H), 3.85-3.65 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.4-3.3 (m, 2H), 2.93-2.63 (m, 3H), 2.50 (s, 3H), 2.33-2.09 (m, 2H), 1.66 (m, 1H)。
【0211】
以下の化合物を、実施例16に記載の手順に従って、対応するアミンとアルデヒドから調製した。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【0212】
実施例26
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化40】
【0213】
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製29、109mg、0.28mmol)、1-{3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-フルオロフェニル}メタンアミン(調製57、79mg、0.31mmol)及びHATU(130mg、0.34mmol)を、N2下、DMF(4.5ml)中に溶解し、DIPEA(108mg、0.84mmol)を加えた。反応物を、rtにて一晩撹拌した。水(10ml)及びEtOAc(10ml)を加え、そして層を分配させた。有機層を、水(3×10ml)及び塩水(10ml)で洗浄した。MgSO4上で乾燥させた後に、減圧下で溶媒を取り除いた。未精製物をさらなる精製なしで次のステップに使用した。
LCMS m/z = 628.4 [M+H]+
【0214】
未精製物を、MeCN(2ml)中に溶解し、そしてTEAF.H2O(117mg、0.7mmol)を加えた。反応物を50℃にて加熱した。2時間後に、反応混合物をrtまで冷まし、そして減圧下で溶媒を取り除いた。未精製物を、15CVにわたりH2O(0.1%のNH3):MeCN(0.1%のNH3)-2→70%で溶出する逆相クロマトグラフィーによって精製した。凍結乾燥後に、白色の固形物として生成物を得た(73mg、51%)。
LCMS m/z = 514.3 [M+H]+
1H NMR (DMSO-d6, 396 MHz): δ: 9.73 (s, 1H); 8.53 (br s, 1H); 7.98 (d, 1H); 7.93 (s, 1H); 7.06-7.00 (m, 2H); 6.84-6.81 (m, 4H); 6.65 (br s, 1H); 5.38 (d, 1H); 5.13 (m, 1H); 4.45 (m, 1H); 4.23-3.90 (m, 3H); 2.83-2.73 (m, 1H); 2.35 (s, 3H); 2.11-1.94 (m, 1H)。
【0215】
実施例27
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-1-(3-ヒドロキシベンゾイル)ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化41】
【0216】
DMF(2ml)の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(調製37、70mg、0.152mmol)に、3-ヒドロキシ安息香酸(23mg、0.167mmol)及びHATU(64mg、0.167mmol、1.1当量)を加えた。混合物をrtにて5分間撹拌し、N-エチル-N-イソプロピルプロパン-2-アミン(0.053ml、0.30mmol)を加え、そして、その反応混合物をrtにてさらに16時間撹拌し、その後、EtOAc(15ml)で希釈した。次に、これを、水(15ml)、飽和食塩水(15ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮し、そしてBiotage(登録商標) ZIP KP-SILの45gカートリッジ(EtOAc:MeOH、100:0→90:10)によって精製して、(Biotage(登録商標)C18カートリッジ上に添加し、水中のACNのグラジエント(10CVで2-95)で溶出する(両相とも0.1%の水酸化アンモニウムを含む))固形物を得た。合わせた画分を、留去し、EtOAc中に再溶解し、水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして留去して、無色の固形物として表題化合物を得た(36mg、40%)。
LCMS m/z = 579.1 [M+H]+
1H NMR (DMSO-d6, 396 MHz): δ: 9.61 (d, 1H), 8.73-8.62 (br m, 1H), 7.90-7.97 (m, 2H), 7.19 (m, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.69-6.96 (m, 6H), 5.25-5.54 (m, 2H), 4.83-4.39 (m, 1H), 3.95-4.22 (m, 2H), 3.37-3.84 (m, 3H), 2.77-2.91 (m, 1H), 2.46-2.45 (m, 4H), 1.86-2.29 (m, 3H)。
【0217】
実施例28
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}フェニルアセタート
【化42】
【0218】
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S-1[(3ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド(実施例17、60.7mg、0.107mmol)を、ピリジン(1.07ml)中に溶解し、無水酢酸(20μL、0.215mmol)を加え、そしてその混合物をrtにて1時間撹拌した。ピリジンを減圧下で取り除き、そして未精製物を、水(5ml)中に溶解し、EtOAc(3×5ml)で抽出した。合わせた有機層を、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で溶媒を取り除いた。未精製物を、Biotage(登録商標)クロマトグラフィー(DCM中1-10%のMeOHのグラジエント)によって精製して、無色の固形物として表題化合物を得た(54.6mg、84%)。
LCMS m/z = 607.2 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.04 (s, 1H) 7.76 (d, 1H) 7.35 (m, 1H) 7.25 (d, 1H) 7.16 (s, 1H) 7.04 (s, 1H) 7.00-6.98 (m, 1H) 6.92-6.89 (m, 1H) 6.82-6.79 (m, 2H), 5.38-5.25 (m, 2H) 4.66-4.57 (m, 1H) 4.16-4.07 (m, 2H) 3.77 (d, 1H) 3.69 (d, 1H) 3.02-2.75 (m, 4H) 2.46-2.39 (m, 5H) 2.25-2.16 (m, 4H) 1.82-1.72 (m, 1H)。
【0219】
実施例29
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸
【化43】
【0220】
MeOH(2.0ml)中のメチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート(実施例16、234mg、0.386mmol)の溶液に、NaOH(77mg、1.93mmol、5.0eq)の溶液を滴下して加え、水(0.5ml)中に溶解した。反応混合物を、rtにて30分間撹拌した。この期間後に、反応物を、2.0MのHClの添加によってpH4に調整し、減圧下で揮発物を取り除き、そして水性物をDCM(10ml)で抽出した。有機相を、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして濃縮乾固して、茶色の固形物(100mg)として表題化合物を得、そしてそれをさらなる精製なしで使用した。水層を、濃縮乾固し、そして残渣を、SNAP KP-SIL Biotage(登録商標)カートリッジ上に添加し、EtOAc中MeOHのグラジエント(3CV以内に1-4%、1CV以内に4-6%、1CVにわたり20%)、次にDCM中20%のMeOHで溶出して精製した。適確な画分を、回収し、そして濃縮乾固して、無色の固形物として表題化合物の第二のバッチを得た(101mg、全体として87%)。
LCMS m/z = 593.1[M+H]+
1H NMR (DMSO-d6, 396 MHz): δ: 8.84 (br s, 1H), 7.91-7.72 (m, 4H), 7.34-7.22 (m, 2H), 7.09 (s, 1H), 6.94 (m, 2H), 6.67 (d, 1H), 5.38 (d, 1H), 5.20 (m, 1H), 4.52-4.36 (m, 1H), 4.19-3.98 (m, 2H), 3.73-3.55 (m, 2H), 2.87-2.58 (m, 4H), 2.44-2.41 (m, 3H), 2.36-2.09 (m, 2H), 1.84 (s, 1H), 1.65-1.49 (m, 1H)。
【0221】
実施例30
ブチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート
【化44】
【0222】
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸(実施例29、100mg、0.168mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(4.1mg、0.032mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(64mg、0.337mmol)及びn-ブタノール(0.077ml、0.843mmol)を、N2下、DMF(0.84ml)中に溶解した。反応物をrtにて16時間撹拌した。この期間後に、4-ジメチルアミノピリジン(4.1mg、0.032mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(64mg、0.337mmol)及びn-ブタノール(0.077ml、0.843mmol)を加えた。反応物を、40℃まで加熱し、そして18時間撹拌した。反応物を、水の追加によってクエンチし、そしてEtOAc(15ml)で抽出した。有機層を、塩水(3×10ml)で洗浄し、Na2SO4を用いて乾燥させ、濾過し、そして減圧下で溶媒を取り除いた。未精製物をクロマトグラフィー(10CVにわたりDCM中5%のMeOH)によって精製した。得られた固形物を逆相カラムクロマトグラフィー(アセトニトリル/水)によってさらに精製して、無色の固形物として表題化合物を得た(104mg、10%)。
LCMS m/z = 649.4 [M+H]+
1H NMR (MeOD-d4, 396 MHz): δ: 8.02-8.07 (m, 2H), 7.89 (d, 1H), 7.72-7.76 (m, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.88 (m, 1H), 6.75-6.80 (m, 2H), 5.21-5.38 (m, 2H), 4.61-4.62 (m, 1H), 4.13-4.25 (m, 4H), 3.78 (s, 2H), 2.70-3.10 (m, 4H), 2.41-2.48 (m, 5H), 2.11-2.28 (m, 1H), 1.73-1.78 (m, 1H), 1.60-1.68 (m, 2H), 1.36-1.43 (m, 2H), 0.86-0.92 (m, 3H)。
【0223】
実施例31
5-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-カルボキサミド
【化45】
【0224】
rtにてDCM(5.0ml)中の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製29、100mg、0.256mmol)の溶液に、TPTU(91mg、0.307mmol)を加えた、そしてその反応物を10分間撹拌した。次に、3-((4-アミノピペリジン-1-イル)メチル)フェノールヒドロクロリド(調製50、68mg、0.282mmol)を加え、続いてDIPEA(148mg、1.28mmol、5.0当量)を加え、そしてその反応物を、2時間撹拌した。反応物を、NH4Cl(30ml)の飽和溶液によってクエンチし、そしてDCM(3×50ml)で抽出した。合わせた有機層を、塩水で洗浄し、乾燥させ、そして留去した。次に、未精製物を、NP Biotage(登録商標)(75-100%のEtOAc)上に添加したが、一部の表題化合物がシリカ上に残った。残りの部分を(50%のTHF/DCM)を通してフラッシュし、そしてクリーナー未精製物をRP Biotage(登録商標)によって精製した。未精製物を、RP biotage上に添加し、そして塩基条件下でカラムにかけて、白色の固形物として972-102-1を得た(10.4mg、7%)。
LCMS m/z = 579 [M+H]+
1H NMR (DMSO-d6, 396 MHz, 80°C): δ: 8.96 (s, 1H), 8.62 (m, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.57-7.30 (m, 1H), 7.07 (m, 2H), 6.94 (m, 1H), 6.86 (d, 1H), 6.75-6.69 (m, 2H), 6.62 (m, 2H), 6.42-6.20 (m, 1H), 5.47 (d, 1H), 5.37-5.28 (m, 1H), 4.30-4.09 (m, 2H), 3.80-3.67 (b, 1H), 3.38 (s, 2H), 2.97-5.69 (m, 3H), 2.42 (s, 3H), 2.18-2.07 (m, 3H), 1.91-1.82 (m, 1H), 1.55-1.38 (m, 2H)。
【0225】
調製1
5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)ベンズアルデヒド
【化46】
【0226】
ヘキサン(2.5M、0.4mL、1mmol)中のn-BuLiを、温度を-70℃未満に維持するように、N2雰囲気下で-78℃にて乾燥THF(10mL)中の2-ブロモ-4-フルオロ-1-(メチルスルファニル)ベンゼン(221.0mg、1mmol)の溶液に滴下して加えた。DMF(80.0mg、1.1mmol)を加え、そして、反応物を、-78℃にてさらに30分間撹拌した。得られた混合物を、氷冷した飽和NH4Cl水溶液(10mL)の添加によってクエンチし、rtに加温し、そしてEtOAc(10mL)で抽出した。有機抽出物を、飽和塩水(10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空中で濃縮し、そしてヘプタン:EtOAc(95:5)で溶出するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色のオイルとして表題化合物を得た(88mg、52%)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ: 10.35 (s, 1H); 7.52-7.56 (m, 1H); 7.35-7.39 (m, 1H), 7.25-7.30 (m, 1H); 2.51 (s, 3H)。
【0227】
調製2
1-ブロモ-3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)ベンゼン
【化47】
【0228】
DMF(120ml)中の1-ブロモ-3,5-ジフルオロベンゼン(50.0g、259.08mmol)に、ナトリウムメタンチオラート(18.16g、259.08mmol)を加えた。混合物を150℃に30分間加熱し、次にrtまで冷まし、NH4Cl(250ml)の飽和溶液中に注ぎ入れ、そしてMTBE(2×150ml)で抽出した。合わせた有機層を、水(150ml)及び塩水(150ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして留去して、黄色のオイルとして所望の化合物を得た(25g、溶媒残留物を含む、定量的)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ: 7.13 (s, 1H); 6.98-7.01 (m, 1H), 6.85-6.88 (m, 1H); 2.43 (s, 3H)。
【0229】
調製3
3-フルオロ-5-(メチルチオ)ベンズアルデヒド
【化48】
【0230】
n-BuLi(ヘキサン中1.6Mの溶液、2.82ml、4.52mmol)を、N2下、-78℃にて無水THF(20ml)中の1-ブロモ-3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)ベンゼン(調製2、1.0g、4.52mmol)の溶液にシリンジによって滴下して加えた。混合物を15分間撹拌し、その後、無水DMF(0.42ml、5.43mmol)を滴下して加え、そしてその混合物を-78℃にてさらに30分間撹拌した。混合物を、20mlのNH4Clの飽和水溶液の添加によってクエンチした。2つの層を分配させ、そして水相をEtOAc(10ml)で抽出した。有機層を、合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして留去して、茶色のオイルとして生成物を得た(0.73g、95%)。
1H NMR (CDCl3, 400MHz): δ: 9.95 (s, 1H); 7.50-7.55 (m, 1H); 7.32-7.35 (m, 1H), 7.15-7.20 (m, 1H); 2.48 (s, 3H)。
【0231】
調製4
(R)-N-[(1Z)-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]メチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【化49】
【0232】
Cs2CO3(300.0mg、0.92mmol)を、DCM(15mL)中の5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)ベンズアルデヒド(調製1、130.0mg、0.76mmol)及び(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(93.0mg、0.76mmol)の溶液に加え、そしてその反応物を、rtにて18時間撹拌した。水(15ml)を慎重に加え、そして層を分離した。有機層を、乾燥させ(MgSO4)、そして減圧下で留去した。残渣を、ヘプタン:EtOAc(95:5→85:15)で溶出するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色のオイルとして表題化合物を得た(130mg、62%)。
LCMS m/z = 274.1 [M+H]+
【0233】
調製5
(R)-N-[(1Z)-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]メチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【化50】
【0234】
無水DCM(150ml)中の3-フルオロ-5-(メチルチオ)ベンズアルデヒド(調製3、7.85g、46.12mmol)、(R)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(6.71g、55.3mmol)に、N2下、炭酸セシウム(15.0g、46.1mmol)を加え、そしてその混合物をrtにて16時間撹拌した。混合物を、水(200ml)で希釈し、有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして留去した。未精製のオイルを、DCM(5ml)で希釈し、Zip KP-SILの120g biotageカートリッジ上に添加し、そしてヘプタン中10→50%のEtOAcで溶出して、オレンジ色のオイルとして表題生成物を得た(7.54g、60%)。
LCMS m/z = 274.0 [M+H]+
【0235】
調製6
(R)-N-[(1R)-3-(1,3-ジオキサン-2-イル)-1-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]プロピル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【化51】
【0236】
乾燥THF(5ml)中の2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソラン(1.81g、10mmol)の溶液(0.5ml)を、N2(g)下で乾燥THF(10ml)中の活性化した削り屑状Mg(729.0mg、30.0mmol)の懸濁液に加え、そしてその反応物をGrignard形成が開始するまで加温した。残りの2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソラン溶液(4.5ml)を、50℃未満の温度を維持して、ゆっくり加えた。追加完了後に、反応混合物をrtに冷まし、さらに1時間撹拌し、次に、-50℃まで再冷却した。乾燥THF(5ml)中の(R)-N-[(1Z)-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]メチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(調製4、270.0mg、1mmol)を滴下して加え、-50℃にて1時間撹拌し、次に、rtまで加温し、飽和NH4Cl水溶液(20ml)を加えて反応をクエンチし、そして、混合物を、EtOAc(30ml)と水(30ml)の間で分配させた。水層をEtOAc(30ml)でさらに抽出し、合わせた有機層を、塩水(60ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして、真空中で濃縮した。未精製の生成物を、ヘプタン:EtOAc(50:50→0:100)で溶出するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色のオイルとして表題化合物を得た(420mg、100%)。
LCMS m/z = 390.0 [M+H]+
【0237】
調製7
(R)-N-((R)-3-(1,3-ジオキサン-2-イル)-1-(3-フルオロ-5-(メチルチオ)フェニル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド
【化52】
【0238】
削り屑状Mg(2.67g、109.82mmol)を、N2下、rtにて16時間撹拌した。無水THF(20ml)を加え、続いてヨウ素(15mg、59μmol、)を加え、そしてその混合物をヨウ素が昇華し始めるまで加熱した。混合物をrtまで冷まし、その後、2mlの、乾燥THF(25ml)中の2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソラン(7.14g、36.6mmol)の溶液(2ml)を、削り屑状マグネシウム懸濁液に加えた。混合物を、Grignard形成が開始するまで静かに加温し、そして50℃未満の温度を維持しながら、2-(2-ブロモエチル)-1,3-ジオキソランの残りの溶液をゆっくり加えた。Grignard溶液を、30分間かけてrtまで冷まし、そしてrtにてさらに1時間撹拌した。混合物を-70℃まで冷やし、そして乾燥THF(18ml)中の(R)-N-[(1Z)-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]メチリデン]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(調製5、1.0g、3.66mmol)を加え、-50℃にて1時間撹拌し、そしてさらなる1時間かけてrtまで加温した。反応混合物を、0℃にてNH4Cl(40ml)の水溶液でクエンチした。反応混合物を、EtOAcと水(1:1、200ml)の間で分配させた。層を分離し、そして、水性物をEtOAc(100ml)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(100ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、そして濃縮乾固した。未精製の黄色のオイルをEtOAc(5ml)中に溶解し、ヘプタン中50~100%のEtOAcで溶出するBiotage(登録商標) ZIP KP-SILの120gカラム上に添加した。所望の画分を留去して、薄黄色のオイルとして表題化合物を得た(1.41g、99%)。
LCMS m/z = 388.1 [M-H]+
【0239】
調製8
(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン
【化53】
【0240】
TFA:水(10mL、20:1)中の(R)-N-[(1R)-3-(1,3-ジオキサン-2-イル)-1-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]プロピル]-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(調製6、390.0mg、1mmol)の溶液を、rtにて30分間撹拌した。Et3SiH(1.16g、10mmol)を加え、そして、反応物を、rtにて16時間激しく撹拌した。混合物を、トルエン(30mL)で希釈し、真空中で濃縮し、次に、トルエン(2×30mL)と共沸した。残留オイルを、(DCM:MeOH:NH4OH、98:2:0.2→95:5:0.5)で溶出するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、オイルとして表題化合物を得た(125mg、59%)。
LCMS m/z = 212.0 [M+H]+
【0241】
調製9
(2R)-2-(3-フルオロ-5-(メチルチオ)フェニル)ピロリジン
【化54】
【0242】
水(2ml)中の(R)-N-((R)-3-(1,3-ジオキサン-2-イル)-1-(3-フルオロ-5-(メチルチオ)フェニル)プロピル)-2-メチルプロパン-2-スルフィンアミド(調製7、1.41g、3.62mmol)の溶液に、TFA(36ml)を加えた。得られた溶液を、rtにて30分間撹拌した。次に、Et3SiH(4.21g、36.2mmol)を加え、そして二相性溶液を、rtにて48時間にわたり激しく撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。得られた未精製物を、MeOH中、SCXカートリッジ上に添加し、そのカートリッジを40mlのMeOHですすぎ、そしてMeOH中の7NのNH4OH(50ml)で溶出した。回収した画分を留去して、茶色のオイルとして表題化合物を得た(0.65g、85%)。
LCMS m/z = 212.0 [M+H]+
【0243】
調製10
エチル6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート
【化55】
【0244】
ジオキサン(20ml)中4MのHCl中の(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン(調製8、640mg、3.03mmol)の溶液を、rtにて30分間撹拌し、次に、真空中で濃縮した。DMSO(20ml)中のエチル6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(0.59g、2.52mmol)を加え、そして、反応物を130℃にて16時間加熱した。冷ました混合物を、水(20ml)とEtOAc(20ml)の間で分配させ、そして、層を分離した。有機相を、塩水(3×20ml)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして減圧下で留去して、茶色のオイルとして表題化合物を得た(1.13g、99%)。
LCMS m/z 401.2 [M+H]+
【0245】
調製11
エチル6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート
【化56】
【0246】
(2R)-2-(3-フルオロ-5-(メチルチオ)フェニル)ピロリジン(調製9、0.30mmol、1.2当量)、エチル6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(0.25mmol)及びKF(2.8mmol、11当量)に、DMSO(2ml)を加え、そして反応物を130℃にて加熱した。一晩の反応後に、反応混合物をrtに冷ました。水(10ml)及びEtOAc(10ml)を加え、そして層を分配させた。有機層を、塩水(10ml)で3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、そして減圧下で溶媒を取り除いた。表題化合物を含有する未精製物を、さらなる精製なしで使用した。
LCMS m/z = 401.1 [M+H]+
【0247】
調製12
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸
【化57】
【0248】
KOH(0.71g、12.6mmol)を、EtOH:水(12mL、6:1)中のエチル6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(調製10、1.0g、2.52mmol)の溶液に分割して加え、そして反応物をrtにて1.5時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣を水(20mL)とDCM(20mL)の間で分配させ、そして、層を分離した。水相を、2MのHCl水溶液によってpH 4に調整し、次に、DCM(3×20ml)で抽出した。これらの合わせた有機層を、乾燥させ(MgSO4)、そして真空中で濃縮して、ベージュ色の固形物として表題化合物を得た(999mg、99%)。
LCMS m/z = 373.2 [M+H]+
【0249】
調製13
6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸
【化58】
【0250】
水(0.15ml)とKOH(1.25mmol)を、N2下、EtOH(1ml)中のエチル6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(調製11、0.25mmol)に加えた。反応物をrtにて撹拌した。1時間後に、水(10ml)とDCM(10ml)を反応混合物に加え、そしてpHを4に調整した。層を分配させ、そして水層を、2-MeTHF(10ml)で3回抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、そして溶媒を減圧下で取り除いて、茶色の固形物として表題化合物を得た(98%、91mg)。
LCMS m/z = 373.1 [M+H]+
【0251】
調製14
tert-ブチル3-{6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}アゼチジン-1-カルボキシラート
【化59】
【0252】
DMF(5ml)中の6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製12、150mg、0.4mmol)、HATU(183mg、0.48mmol)及びtert-ブチル3-アミノアゼチジン-1-カルボキシラート(76mg、0.44mmol)の溶液に、DIPEA(0.14ml、0.81mmol)を加え、そして反応物をrtにて72時間撹拌した。反応物をH2Oでクエンチし、そしてMTBEで希釈し、相を分離し、そして水性物をMTBEで抽出し、合わせた有機層をH2O(3×10ml)及び塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、そして真空中で濃縮して、茶色のオイルとして、さらなる精製なしで使用される、表題化合物を得た(216mg)。
1H NMR (CDCl3, 396 MHz): δ: 8.22 (s, 1H), 7.70 (d, 1H), 7.22-7.31 (m, 1H *under CDCl3), 6.99-7.07 (m, 1H), 6.77 (m, 1H), 6.36 (d, 1H), 5.29 (d, 1H), 4.88 (m, 1H), 4.36 (m, 2H), 3.88-3.98 (m, 2H), 3.70-3.79 (m, 2H), 2.58 (s, 3H), 2.46-2.54 (m, 1H), 2.04-2.20 (m, 3H), 1.46 (d, 9H)。
【0253】
調製15
tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート
【化60】
【0254】
表題化合物を、調製14に記載の手順に従って、6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製12)とtert-ブチル(S)-3-アミノピロリジン-1-カルボキシラートから調製した(216mg、未精製物)。
LCMS m/z = 541.2 [M+H]+
【0255】
調製16
tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート
【化61】
【0256】
6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製13、91mg、0.24mmol)とHATU(111mg、0.29mmol)を、DMF(3ml)中に溶解した。tert-ブチル(S)-3-アミノピロリジン-1-カルボキシラート(51mg、0.27mmol)を加え、続いてDIPEA(85μL、0.49mmol)加えた。反応混合物を、N2下、3.5時間撹拌し、そして水とMTBEの間で分配させた。水相をMTBEで抽出した。合わせた有機層を、水、塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、そして減圧下で濃縮乾固して、さらなる精製なしで使用される、表題化合物を得た(117mg、90%)。
LCMS m/z = 541.1[M+H]+
【0257】
調製17
N-(アゼチジン-3-イル)-6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化62】
【0258】
DCM(2ml)中のtert-ブチル3-{6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}アゼチジン-1-カルボキシラート(調製14、216mg、0.4mmol)の溶液に、TFA(1ml)を加え、そして反応物をrtにて30分間撹拌した。反応物を、濃縮し、そしてDCMと共沸した。未精製物を、SCX-イオン交換樹脂と、それに続いて、順相クロマトグラフィー 2-30のDCM/MeOHによって精製して、表題化合物を得た(169mg、59%)。
LCMS m/z = 427 [M+H]+
【0259】
調製18
6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化63】
【0260】
以下の化合物を、調製17に記載の手順に従って、tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R)-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート(調製15)から調製した(140mg、64%)。
LCMS m/z = 441.3 [M+H]+
【0261】
調製19
6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化64】
【0262】
tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R)-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート(調製16、117mg、0.22mmol)を、DCM(1ml)中に溶解し、そしてrtにて混合物を撹拌しながら、TFA(2ml)を滴下して加えた。反応混合物を、同じ温度にて一晩撹拌した。溶媒を取り除いた後に、残渣をDCMと共に共留去した。未精製物を、SCXカラム上に添加し、そして最初にMeOHを使用して溶出し、次に、MeOH中7.0Nのアンモニアを使用して溶出した。溶媒を留去して、表題化合物を得た(70mg、72%)。
LCMS m/z = 441.1[M+H]+
【0263】
調製20
4-フルオロ-2-ヨード-1-(メチルスルファニル)ベンゼン
【化65】
【0264】
2-ブロモ-4-フルオロ-1-(メチルスルファニル)ベンゼン(0.5g、2.26mmol)を、N2下で乾燥THF(80ml)中の活性化削り屑状Mg(1.92g、79mmol)の懸濁液に滴下して加え、そして反応物を、Grignard形成が開始するまで加温した。残りの2-ブロモ-4-フルオロ-1-(メチルスルファニル)ベンゼン(17g、76.89mmol)を、50℃未満の温度を維持するように、滴下して加え、そして添加が完了した後に、反応物を、rtまで冷まし、16時間撹拌した。溶液を、10℃未満の温度を維持しながら、
乾燥THF(80ml)中のヨウ素(24.11g、94.99mmol)の氷冷溶液にカニューレを介して加えた。反応物を、0℃にて1時間、rtにて1時間撹拌し、次に、氷冷した飽和NH4Cl溶液(300ml)中に注ぎ入れた。混合物を、真空中で濃縮して、有機溶媒を取り除き、次に、Et2O(3×300ml)で抽出した。合わせた有機層を、飽和Na2S2O3溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、そして真空中で濃縮して、茶色のオイルとして表題化合物を得た(21.5g、83%)。
1H NMR (CDCl3, 396 MHz): δ: 7.55 (m, 1H), 7.08-7.11 (m, 2H), 2.45 (s, 3H)。
【0265】
調製21
1-フルオロ-3-ヨード-5-(メチルスルファニル)ベンゼン
【化66】
【0266】
DMF(250ml)の中1,3-ジフルオロ-5-ヨードベンゼン(50.0g、208.3mmol)の撹拌溶液に、分割してMeSNa(14.6g、208.3mmol)を加えた。反応物を150℃にて1時間加熱した。さらなるMeSNa(1.5g、21mmol)を加え、そして反応物を150℃にてさらに30分間撹拌した。反応混合物を、rtまで冷まし、その後、蒸留水(250ml)で希釈し、次に、MTBE(5×150ml)で5回を抽出した。次に、合わせた有機層を塩水(3×150ml)で3回洗浄した。有機層を、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、黄色のオイル(61g)を得た。このオイルを、別の合成からの54gのバッチと合わせて、115g(429mmol)の合わせた総量を得た。これをシリカカラムクロマトグラフィー(n-ヘプタン)によって精製して、無色のオイルを得た(84.18g、76%)。
1H NMR (CDCl3; 400 MHz): δ: 7.31 (s, 1H), 7.18 (m, 1H), 6.88 (m, 1H), 2.45 (s, 3H)。
【0267】
調製22
1-tert-ブチル2-(1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)(2R,4S)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシラート
【化67】
【0268】
EtOAc(12.5ml)中の(2R,4S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)-4-フルオロピロリジン-2-カルボン酸(1.07g、4.6mmol)の溶液を、N2(g)下、EtOAc(12.5ml)中のN-ヒドロキシフタルイミド(0.75g、4.6mmol)とN,N’- ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.95g、4.6mmol)の撹拌混合物に加え、そしてその反応物をrtにて4時間撹拌した。混合物を、シリカのプラグを通して濾過し、EtOAc(50ml)で洗浄し、そして濾液を真空中で濃縮した。得られたオイルを、EtOAc(20ml)中に再溶解し、飽和NaHCO3水溶液(4×30ml)で洗浄し、そして有機層を、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、減圧下で留去して、白色の固体として表題化合物を得た(1.55g、89%)。
LCMC m/z = 278.9 [M-Boc]+
【0269】
調製23
tert-ブチル(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-カルボキシラート
【化68】
【0270】
乾燥N,N-ジメチルアセトアミド(4ml)を、N2下、ニッケルジブロミドグリム錯体(0.09g、0.291mmol)と4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(0.08g、0.298mmol)に加えた。混合物を、15分間撹拌し、次に、4-フルオロ-2-ヨード-1-(メチルスルファニル)ベンゼン(調製20、0.51g、1.49mmol)、1-tert-ブチル2-(1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)(2S,4S)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(調製22、0.62g、1.64mmol)及び亜鉛粉末(0.251g、3.84mmol)を加え、そして反応物を28℃にて17時間撹拌した。混合物を、シリカのプラグを通して濾過し、そしてジエチルエーテル(75ml)で洗浄した。回収した溶液を、塩水(4×75ml)で抽出し、有機層を、合わせ、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮した。残渣を、ヘプタン:EtOAc(100:0→90:10)で溶出するシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーによって精製して、黄色のオイルとして表題化合物を得た(0.24g、36%)。
LCMS m/z = 230.1 [M-Boc]+
【0271】
調製24
(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン
【化69】
【0272】
MeOH(15ml)中のtert-ブチル(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-カルボキシラート(調製23、1.21g、3.67mmol)の溶液に、HCl(ジオキサン中4Mの溶液、10ml)を加え、そしてその混合物をrtにて2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、焦茶色のオイルを得、そしてそれを、MeOH(2ml)中に溶かし、SCXカートリッジ上に添加し、MeOH中7Nのアンモニウムヒドロキシドでフラッシュした。合わせた溶液を真空中で濃縮して、暗オレンジ色のオイルとして表題化合物を得た(0.4g、53%)。
LCMS m/z = 230.0 [M+H]+
【0273】
調製25
(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン
【化70】
【0274】
NiBr2(グリム)(14.33g、46.43mmol、15mol%)を、4,4’-ジ-tert-ブチル-2,2’-ビピリジン(12.46g、46.43mmol、15mol%)に加えた。N2を、フラスコを通して15分間フラッシュし、その後、乾燥N,N-ジメチルアセトアミド(325ml)を添加した。混合物をN2下で15分間撹拌した。1-フルオロ-3-ヨード-5-(メチルスルファニル)ベンゼン(調製21、82.98g、309.5mmol)、1-tert-ブチル2-(1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)(2S,4S)-4-フルオロピロリジン-1,2-ジカルボキシラート(調製22、175.67g、464.3mmol)及び亜鉛粉末(40.47g、619.1mmol)を加えた。温度を、40℃未満の内部温度を維持するように制御した。反応混合物を28℃にて17時間撹拌した。反応混合物を、シリカのプラグを通して濾過し、そしてMTBE(3×200ml)で3回洗浄した。濾液を、塩水(2×500ml)で洗浄し、次に2MのKOH(5×300ml)で洗浄し、最後に蒸留水(500ml)で洗浄した。有機層を、回収し、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、暗オレンジ色又は茶色の残渣を得た(132g)。この残渣を、純n-ヘプタンからn-ヘプタン中30%のMTBEで溶出するシリカカラムクロマトグラフィー(900gのシリカによる)によって精製して、薄黄色のオイルとしてtert-ブチル(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-カルボキシラート(42.40g、1H NMRにより70%の純度)を得たが、それは、tert-ブチル(S)-3-フルオロピロリジン-1-カルボキシラート(1H NMRにより30%)が混入していた。
【0275】
薄黄色オイルを、N2下、rtにてMeOH(64ml)中に溶解した。0℃にてこれに、1,4-ジオキサン(130ml、510mmol)中の4MのHClを分割して加えた。1時間後に、反応混合物を、真空中で濃縮し、そして蒸留水(400ml)中に溶かした。この水性混合物(pH2)を、MTBE(2×250ml)で2回抽出し、その後、固形物のNaOHを用いてpH10に調整した。塩基性の水層(pH10)をDCM(4×250ml)で4回抽出した。合わせた有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、赤色を帯びた又は茶色のオイルとして表題化合物を得た(20.49g、89.4mmol)。
LCMS m/z = 230 [M+H]+
【0276】
表題化合物(20.49g、89.4mmol、1当量)を、N2下で乾燥1,4-ジオキサン(45ml)中に溶解し、そして0℃に冷やした。この撹拌溶液に、1,4-ジオキサン(33.5ml、134mmol、1.5当量)中の4MのHClを分割して加え、そしてその混合物を、この温度にて15分間撹拌し、その後、真空中で濃縮して、さらなる精製なしで使用される塩酸塩として表題化合物を得た(23.75g、全体で29%)。
【0277】
調製26
エチル6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート
【化71】
【0278】
エチル6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(89mg、0.40mmol)、KF(253mg、4.36mmol)及び(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン(調製24、100mg、0.38mmol)を、乾燥脱気DMSO(5ml)中に懸濁した。反応物を130℃にて20時間加熱した。混合物を、EtOAc(20ml)で希釈し、水(15ml)と塩水(2×15ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過して、そして蒸発乾固して、薄黄色の固形物として表題化合物を得た(174mg、85%)。
LCMS m/z = 419.0 [M+H]+
【0279】
調製27
エチル6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート
【化72】
【0280】
(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジンヒドロクロリド(調製25、23.75g、89.4mmol)、KF(46.73g、804.3mmol)、エチル6-クロロイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(19.76g、87.6mmol)を、DMSO(350ml)中に懸濁した。反応物を130℃にて82時間加熱した。反応混合物を、rtまで冷まし、その後、蒸留水(750ml)中に注ぎ入れ、そしてそれは、ベージュ色の固形物を沈殿させた。液体をデカントし、そして固形物を、蒸留水(3×250ml)で3回洗浄した。ベージュ色の固形物を、MTBE(500ml)中に溶かし、そして飽和NH4Cl水溶液(500ml)と最終的に塩水(500ml)の間で分配させた。有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、さらなる精製なしで使用される暗赤色を帯びた残渣を得た(30.52g、82%)。
LCMS m/z = 419 [M+H]+
【0281】
調製28
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸
【化73】
【0282】
EtOH(897μL)及び水(143μL)中のエチル6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(調製26、174mg、0.42mmol)の溶液に、KOH(117mg、2.08mmol)を加えた。反応物を、rtにて15分間撹拌し、次に、水(20ml)で希釈し、そしてEtOAc(2×20ml)で洗浄した。水をpH4に酸性化し、次に、EtOAc(3×20ml)で抽出し、そして減圧中で濃縮して、薄黄色のガラス質固形物として表題化合物を得た(94mg、50%)。
LCMS m/z = 391 [M+H]+
【0283】
調製29
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸
【化74】
【0284】
エチル6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキシラート(調製27、30.52g、72.9mmol)を、rtにてEtOH(159ml)中に溶解した。この撹拌混合物に、rtにて水(26ml)中のNaOH(14.59g、364.7mmol)の溶液を分割して加えた。3時間後に、EtOHを真空中で取り除き、そして得られた残渣を蒸留水(500ml)中に溶解した。これをMTBE(2×250ml)で抽出した。塩基性水溶液を、濃塩酸の滴下添加によってpH5に酸性化し、次に、EtOAc(5×250ml)で抽出した。合わせた有機層を、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、ベージュ色の固形物を得た(24.65g、87%)。
LCMS m/z = 391 [M+H]+
【0285】
調製30
tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート
【化75】
【0286】
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製28、0.30g、0.768mmol)を、無水DCM(5.49ml)と、それに続いてTPTU(0.273g、0.922mmol)中に溶解し、そしてN2下で10分間撹拌した。(S)-(-)-1-Boc-3-アミノピロリジン(0.157g、0.845mmol)を加え、rtにてさらに20分間撹拌し、その後、DIPEA(0.267ml、1.54mmol)を加えた。得られた溶液を、N2下、rtにて1時間撹拌した。反応物を、DCM(20ml)及び水(15ml)で希釈し、有機層を飽和NH4Cl(3×15ml)及び塩水(15ml)でさらに洗浄した。有機層を、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で溶媒を取り除いて、淡黄色の固形物として、さらなる精製なしで次のステップに使用される表題化合物を得た(0.463g、>99%)。
LCMS m/z = 559.1 [M+H]+
【0287】
調製31
tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート
【化76】
【0288】
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製29、600mg、1.54mmol)を、DMF(15.84ml)中に溶解し、そしてN2下、rtにて撹拌した。HATU(0.699g、1.84mmol)を一度に加え、そしてその溶液を、rtにて10分間撹拌した。tert-ブチル(S)-3-アミノピロリジン-1-カルボキシラート(0.314g、1.69mmol)を加え、そしてその溶液を、20分間撹拌し、その後、DIPEA(0.53ml、3.09mmol)を加えた。混合物をrtにて16時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(50ml)で希釈し、そして塩水(3×30ml)で洗浄した。合わせた有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、黄色のオイルとして、さらなる精製なしで使用される表題化合物を得た(1.42g)。
LCMS m/z = 559.2 [M+H]+
【0289】
以下の化合物を、調製31に記載の手順に従って、6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製29)と適切なアミンから調製した。
【0290】
【表5-1】
【表5-2】
【0291】
調製36
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化77】
【0292】
tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート(調製30、0.429g、0.768mmol)を、rtにてDCM(5.91ml)中に溶解し、そしてTFA(1.69ml、14.86mmol)を滴下して加えた。混合物を、rtにて90分間撹拌した。混合物を、真空中で濃縮し、次に、DCM(30ml)を加え、その後、真空中で再び濃縮した。これを繰り返した(2×30mlのDCM)。未精製の残渣を、SCXカートリッジ(10g、3CVのMeOHで予洗した)上に添加し、4CVのMeOHで洗浄し、次に、5CVのMeOH中2MのNH3で最後に溶出した。関連画分を、合わせ、そして真空中で濃縮して、黄色のオイルとして、さらなる精製なしで使用される表題化合物を得た(0.351g、定量的)。
LCMS m/z = 459.0 [M+H]+
【0293】
調製37
6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]-N-[(3S)-ピロリジン-3-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボキサミド
【化78】
【0294】
tert-ブチル(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[3-フルオロ-5-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-カルボキシラート(調製31、0.858g、1.54mmol)を、rtにてDCM(11.81ml)中に溶解し、そしてTFA(2.27ml、29.7mmol、19.35当量)を滴下して加えた。反応物を、rtにて90分間撹拌した。反応物を、真空中で濃縮し、次に、DCM(3×10ml)と共留去した。未精製の残渣を、SCXカートリッジ(3CV MeOHと共に予洗した5g)上に添加し、4CVのMeOHで洗浄し、次に、5CVのMeOH中2MのNH3で最後に溶出した。関連画分を、合わせ、そして真空中で濃縮して、黄色のオイルとして表題化合物を得た(0.722g、定量的)。
LCMS m/z = 459.2 [M+H]+
【0295】
以下の化合物を、調製37に記載の手順に従って、適切に保護したアミンから調製した。
【表6-1】
【表6-2】
【0296】
調製43
6-[(2S,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]シクロペンチル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボニルクロリド
【化79】
【0297】
DCM(50ml)中の6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-カルボン酸(調製28、1.0g、2.57mmol)の懸濁液に、塩化オキサリル(390mg、0.264ml、3.08mmol)とそれに続いて1滴のDMFを加えた。ガス放出を観察し、そして、内部温度を20℃から21℃に上げた。反応物を、rtにて30分間撹拌し、次に、濃縮乾固して、淡黄色のフォームとして、さらなる精製なしで使用される表題化合物を得た。
【0298】
調製44
3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}安息香酸
【化80】
【0299】
MeOH(0.69ml)中のメチル3-{[(3S)-3-{6-[(2R,4S)-4-フルオロ-2-[5-フルオロ-2-(メチルスルファニル)フェニル]ピロリジン-1-イル]イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-3-アミド}ピロリジン-1-イル]メチル}ベンゾアート(実施例10、190mg、0.313mmol、1当量)の溶液に、rtにて水(0.46ml)中のNaOHの溶液(62mg、1.57mmol、5当量)を加えた。混合物を1時間撹拌し、次に、水(0.46ml)中のNaOH(5当量)のさらなる溶液を加え、そしてその反応混合物をrtにて16時間撹拌した。MeOHを真空中で取り除き、そしてその反応混合物を水で希釈し、そしてpHを、2MのHCl(15ml)でpH4に調整した。混合物をEtOAc(2×20ml)で抽出した。合わせた有機層を、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、白色の固形物として表題化合物を得た(166mg、89%)。
LCMS m/z = 593 [M+H]+
【0300】
調製45
tert-ブチルN-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}カルバマート
【化81】
【0301】
rtにてDCM(100ml)中のtert-ブチルN-(ピペリジン-4-イル)カルバマート(8.19g、40.9mmol)及び3-ヒドロキシベンズアルデヒド(5.00g、40.9mmol)に、酢酸(3.79ml、49.1mmol、1.1当量)を加え、そしてその反応混合物を15分間撹拌し、その後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(17.35g、81.80mmol)を分割して加えた。得られた混合物をrtにて18時間撹拌した。反応混合物をDCM(250ml)で希釈し、そして有機層を水(2×250ml)で洗浄した。水層を、炭酸水素ナトリウムの慎重な添加によってpH5に塩基性化した。次に、水性物を、MTBE/EtOAc(3×300ml)を使用して抽出した。合わせた有機層を、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮して、無色の固形物として表題化合物を得た(9.0g、72%)。
1H NMR (CDCl3; 400 MHz): δ: 7.18 (m, 1H); 7.08 (bs, 1H); 6.94-6.75 (m, 2H); 4.60 (m, 1H); 3.71 (s, 2H); 3.61-3.33 (m, 1H); 3.20-2.90 (m, 2H); 2.48-2.18 (m, 2H); 2.18-1.87 (m, 2H); 1.87-1.57(m, 2H); 1.52-1.34 (m, 10H)。
【0302】
以下の化合物を、調製45に記載の手順に従って、適切なアミンとアルデヒドから調製した。
【表7】
【0303】
調製49
tert-ブチルN-[(3S)-1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピロリジン-3-イル]カルバマート
【化82】
【0304】
rtにてDCM(250ml)中のtert-ブチルN-[(3S)-ピロリジン-3-イル]カルバマート(20.0g、107mmol、1当量)及び3-ヒドロキシベンズアルデヒド(13.1g、107mmol、1当量)に、酢酸(6.76ml、118mmol、1.1当量)を加え、そして反応混合物を、1時間撹拌し、その後、ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(45.5g、215mmol、2当量)を分割して加えた。得られた混合物を、室温にて4時間撹拌した。反応混合物を、0℃にてビーカーの飽和NaHCO3水溶液に慎重に注ぎ入れ、そして一晩撹拌した。層を分離し、そして水性物をさらなるDCM(250ml)で抽出した。合わせた有機層を、乾燥させ(MgSO4)、濾過し、そして真空中で濃縮し、次に、TBMEと共沸して、透明のガラス状固形物として表題化合物を得た(33.60g、定量的)。
LCMS m/z = 293 [M+H]+
【0305】
調製50
3-((4-アミノピペリジン-1-イル)メチル)フェノールヒドロクロリド
【化83】
【0306】
MeOH(75ml)中のtert-ブチルN-{1-[(3-ヒドロキシフェニル)メチル]ピペリジン-4-イル}カルバマート(調製45、9.00g、29.40mmol、1当量)の溶液に、N2下、rtにて1,4-ジオキサン中の4MのHCl(37ml、146.9mmol、9当量)を加え、そして得られた混合物を18時間撹拌した。反応混合物を、真空中で濃縮し、TBMEと共に粉砕して、白色の塩酸塩として表題化合物を得た(7.00g、定量的)。注意:この物質は、吸湿性なので、N2下で保存しなければならない。
1H NMR (MeOD-d4; 400MHz): δ: 7.34-7.19 (m, 1H); 7.02-6.93 (m, 2H); 6.92-6.79 (m, 1H); 4.23 (s, 2H); 3.69-3.36 (m, 3H); 3.15 (bs, 2H); 2.21 (bs, 2H); 1.99 (bs, 2H)。
【0307】
以下の化合物を、調製50に記載の手順に従って、適切に保護したアミンから調製した。
【表8】
【0308】
調製54
3-{[(3S)-3-アミノピロリジン-1-イル]メチル}フェノールヒドロクロリド
【化84】
【0309】
N2下、rtにて調製49(33.60g、115mmol)の表題化合物に、1,4-ジオキサン中の4MのHCl(259ml、1.03mol)を加え、そして得られた混合物を2時間撹拌した。反応混合物を、真空中で濃縮し、TBME(2×100ml)及びDCM(100ml)と共に共沸(azeoptroped)して、白色の固形物として表題化合物を得た(31.20g、定量的)。注意:この物質は、吸湿性なので、N2下で保存しなければならない。
LCMS m/z = 193 [M+H]+
【0310】
調製55
tert-ブチル-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]カルバマート
【化85】
【0311】
rtにてTHF(7ml)中の5-(アミノメチル)-2-フルオロフェノール(500mg、3.54mmol)に、水(7ml)中の炭酸水素ナトリウム(893mg、10.63mmol)と、ジ-tert-ブチル二炭酸(850mg、3.90mmol)を加え、そして得られた混合物をrtにて2時間撹拌した。反応混合物を、EtOAc(15ml)で希釈し、塩水(2×15ml)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、そして真空中で濃縮した。残渣を、ZIP KP-Silの80gカラムを備えたBiotage(登録商標)(1CVにわたるn-ヘプタン中10%のEtOAc、次に、10CVにわたるn-ヘプタン中10-80%のEtOAc)によって精製し、コハク色のオイルとして表題化合物を得た(294mg、34%)。
LCMS m/z = 240.0 [M-H]+
【0312】
調製56
tert-ブチルN-({3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-フルオロフェニル}メチル) カルバマート
【化86】
【0313】
DMF中のtert-ブチル-N-[(4-フルオロ-3-ヒドロキシフェニル)メチル]カルバマート(調製55、294mg、1.22mmol)の溶液に、rtにてTBDMSCl(276mg、1.83mmol)とイミダゾール(125mg、1.83mmol)を加えた。反応混合物を、2時間撹拌し、次に、水(20ml)とEtOAc(20ml)の間で分配させた。有機層を、水(3×20ml)、飽和食塩水(20ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、そして真空中で濃縮して、コハク色のオイルとして表題化合物を得た(433mg、定量的)。
LCMS m/z = 240 [M-TBDMS]+
【0314】
調製57
1-{3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-フルオロフェニル}メタンアミン
【化87】
【0315】
0℃に冷やしたDCM(2.4ml)中のtert-ブチルN-({3-[(tert-ブチルジメチルシリル)オキシ]-4-フルオロフェニル}メチル)カルバマート(調製56、433mg、1.22mmol)の溶液に、TFA(2.4ml)を滴下して加え、そして、反応混合物を0℃にて3時間撹拌し、その後、DCM(20ml)と水(20ml)の間で分配させた。pHを、NaOHを用いて~pH11に調整し、層を分離し、そして水層を20mlのDCMで抽出した。合わせた有機層を、Na2SO4上で乾燥させ、そして真空中で濃縮して、茶色のオイルとして表題化合物を得た(320mg、定量的)。
1H-NMR (CDCl3; 396 MHz): 6.99 (m, 1H); 6.86 (m, 1H); 6.84-6.80 (m, 1H); 3.77 (s, 2H); 1.53 (br s, 2H); 1.00 (s, 9H); 0.19 (s, 3H); 0.18 (s, 3H)。