(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】リベット留めハウジングを有する火工品デバイス
(51)【国際特許分類】
H01H 39/00 20060101AFI20240111BHJP
H01H 11/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
H01H39/00 C
H01H11/00 U
(21)【出願番号】P 2021524984
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 EP2019081300
(87)【国際公開番号】W WO2020099546
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-08-22
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】ゴディナ、フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ムネストル、セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ラゴ、ルドヴィック
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-149746(JP,A)
【文献】特開平11-232978(JP,A)
【文献】特開2017-130447(JP,A)
【文献】特開平10-055742(JP,A)
【文献】実開昭49-111660(JP,U)
【文献】実開平02-098417(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 39/00
H01H 9/02
H01H 11/00
B21J 15/00 - 15/50
F16B 21/00 - 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のハウジング部分(11)及び第2のハウジング部分(12)によって形成されている、ハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)を形成するために、前記第1のハウジング部分(11)を前記第2のハウジング部分(12)とリベット留めする、少なくとも1つのリベット(40)と、
前記ハウジング(10)内に配置されている、少なくとも1つの火工品アクチュエータ(32)と、を備える、火工品スイッチであって、
前記第1のハウジング部分(11)又は前記第2のハウジング部分(12)のうちの少なくとも一方が、金属インサート(16)と、前記金属インサート(16)上にオーバーモールドされたプラスチック本体(C2)とを含み、
前記金属インサート(16)が、前記リベット(40)用の通路開口部を有し、
前記リベット(40)が、前記金属インサート(16)の前記通路開口部と接触していることを特徴とする、火工品スイッチ。
【請求項2】
前記リベット(40)が、前記通路開口部の側壁と接触している、請求項1に記載の火工品スイッチ。
【請求項3】
前記リベット(40)の全周が、前記通路開口部の側壁と接触している、請求項1又は2に記載の火工品スイッチ。
【請求項4】
前記リベット(40)が、前記第1のハウジング部分(11)又は前記第2のハウジング部分(12)のうちの他方に対する支持を形成するために、前記通路開口部との接触領域の反対側に、前記リベット(40)の軸方向に垂直な肩部を有する基部(40E)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の火工品スイッチ。
【請求項5】
前記リベット(40)が、特に前記金属インサート(16)と前記基部(40E)との間に位置する前記ハウジング(10)の領域において、前記リベット(40)と接触する前記通路開口部を有する前記金属インサート(16)を含む前記第1のハウジング部分(11)又は前記第2のハウジング部分(12)のうちの前記少なくとも一方の前記プラスチック本体(C2)との、あらゆる接触を含まない、請求項4に記載の火工品スイッチ。
【請求項6】
前記通路開口部と接触する前記リベット(40)の前記領域が、前記火工品スイッチの組み立て時に圧着動作によって変形された領域である、請求項
5に記載の火工品スイッチ。
【請求項7】
前記通路開口部において、前記金属インサート(16)が、前記金属インサート(16)を含む前記第1のハウジング部分(11)又は前記第2のハウジング部分(12)のうちの前記少なくとも一方の通路よりも小さいサイズを有する、通路を提示している、請求項1から
6のいずれか一項に記載の火工品スイッチ。
【請求項8】
前記金属インサート(16)が、複数のオーバーモールド開口部(16T)を含み、それにより、前記金属インサート(16)の両側の前記プラスチック本体(C2)のオーバーモールドと、前記オーバーモールド開口部(16T)を介した前記プラスチック本体(C2)の材料の連続性とが可能となる、請求項1から
7のいずれか一項に記載の火工品スイッチ。
【請求項9】
前記リベット(40)と接触する前記通路開口部を有する前記金属インサート(16)を含む前記第1のハウジング部分(11)又は前記第2のハウジング部分(12)ではない方のハウジング部分が、プラスチック材料などの電気絶縁材料のみを介して前記リベット(40)と接触している、請求項1から8のいずれか一項に記載の火工品スイッチ。
【請求項10】
前記リベット(40)と接触する前記通路開口部を有する前記金属インサート(16)を含む前記第1のハウジング部分(11)又は前記第2のハウジング部分(12)ではない方のハウジング部分が、前記リベット(40)用の別の通路開口部を備え、前記別の通路開口部には前記金属インサート(16)が含まれない、請求項1から9のいずれか一項に記載の火工品スイッチ。
【請求項11】
前記別の通路開口部が、前記金属インサート(16)の通路断面よりも大きい通路断面を有する、請求項10に記載の火工品スイッチ。
【請求項12】
前記ハウジング(10)を貫通して、前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分(12)との間に配置されている、導電体を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の火工品スイッチ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の火工品スイッチを備える、自動車車両。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の火工品スイッチの作製方法であって、
前記第1のハウジング部分(11)と前記第2のハウジング部分(12)とを位置決めするステップと、
前記リベット(40)の自由端を前記通路開口部に通すステップと、
前記リベット(40)の全周で、前記通路開口部に前記リベット(40)を接触させるように、圧着動作によって前記自由端を変形させるステップと、を含む、作製方法。
【請求項15】
前記自由端を変形させる前記ステップにおいて、前記自由端を半径方向に変形させるとともに、前記自由端の反対側に
位置している前記リベット(40)の基部(40E)を、半径方向に変形させない、請求項14に記載の作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に、自動車車両に搭載することが意図されている、火工品デバイス、例えば火工品スイッチに関する。
【0002】
そのようなデバイスは、典型的には、火工品アクチュエータを包囲するために、クリップ留めによって、ボルトによって、又はリベットによって互いに締結されている、2つ又はいくつかの部分からなる、ハウジングを備える。中国特許文献第205943939号は、ハウジングを有するそのようなデバイスを説明している。代償として、いくつかの部分からなるハウジングを有するこのシステムは、特に、脆弱性を呈するという欠点を提示し、それゆえ、動作中に火工品アクチュエータによって生成される圧力に対して、良好な封止並びに良好な耐性を提供することが困難である。それゆえ、その作製方法は、部品の脆弱性を考慮しなければならないため、複雑である。欧州特許文献第0929090(A2)号は、ハウジング部分上に支持ブラケットがリベット留めされている、火工品回路遮断器を開示している。
【0003】
本発明の目的は、上述の先行技術の文献の欠点に対処することであり、特に、まず第1に、組み立てが容易なままでありながら、動作圧力に対して良好な封止及び良好な耐性が得られる、いくつかの部分からなるハウジングを有する火工品デバイスを提案することである。
【0004】
それゆえ、本発明の第1の態様は、
-第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分によって形成されている、ハウジングと、
-ハウジングを形成するために、第1のハウジング部分を第2のハウジング部分と(又は、第2のハウジング部分上に)リベット留めする、少なくとも1つのリベットと、
-ハウジング内に配置されている、少なくとも1つの火工品アクチュエータと、
を備える、火工品スイッチであって、
第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方が、金属インサートと、金属インサート上にオーバーモールドされたプラスチック本体とを含み、
金属インサートが、リベット用の通路開口部を有し、
リベットが、金属インサートの通路開口部と接触していることを特徴とする、火工品スイッチに関する。上述の実装形態によれば、リベットは、金属インサートと接触しており、それにより、耐性のある金属製の部品上に支持されている。それゆえ、プラスチック本体は、リベット留め力又は位置保持力を受けない。プラスチック部品の脆弱性は、もはや問題とはならない。
【0005】
有利には、リベットは、一方では第1のハウジング部分と接触しており、他方では第2のハウジング部分と接触している。換言すれば、リベットの第1の端部が、第1のハウジング部分と接触しており、リベットの第2の端部が、第2のハウジング部分と接触している。
【0006】
有利には、リベットは、通路開口部の側壁と接触している。すなわち、リベットの膨らみは、金属インサートの通路開口部によって受け止められる。
【0007】
有利には、リベットの全周が、通路開口部の側壁と接触している。それゆえ、リベットは最適に保持される。
【0008】
有利には、リベットは、第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの他方上での支持又は他方に対する支持を形成するために、通路開口部との接触領域の反対側に、リベットの軸方向に垂直な肩部を有する基部を含む。そのような肩付き基部により、大きい支持表面が得られ、この支持表面は、それゆえ、接触圧を制限する。垂直の肩部は、第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの他方の開口部における、半径方向の応力の発生を防止する。
【0009】
本出願における慣例により、基部は、リベットの足部を形成し、火工品スイッチの組み立て前に予め形成されている。基部の反対側では、リベットの頭部は、通路開口部内に挿入するために、最初は円筒状である。組み立て時に、頭部は、平坦化されて拡張されるように、リベット留めツールによって変形される。
【0010】
有利には、リベットは、特に金属インサートとリベットの基部との間に位置するハウジングの領域において、リベットと接触する通路開口部を有する金属インサートを含む第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方のプラスチック本体との、あらゆる接触を含まない。換言すれば、リベットは、金属インサートを含むハウジング部分の、金属インサートのみに接触する。それゆえ、リベット留め動作によって生成される半径方向の力は、最初に、また主として、金属インサートによって受け止められる。一旦変形されたリベットの頭部とハウジングとの接触部、又は、そのレベルにおける凹部(例えば、座ぐり)を設けることができる。
【0011】
有利には、通路開口部のレベルにおいて、金属インサートは、金属インサートを含む第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方の、リベットの周りの通路よりも小さいサイズを有する、通路を提示している。換言すれば、インサートは、プラスチック本体の通路穴よりも小さいサイズを有する通路穴を提示しており、このことは、リベットとプラスチック本体との接触の欠如を確実にする。このことにより、リベットは、変形する際に、最初に金属インサートに接触することが確実となる。特に、インサートは、プラスチック本体内に設けられている直径よりも小さい直径を有する、通路穴を提示している。
【0012】
有利には、金属インサートは、複数のオーバーモールド開口部を含み、それにより、金属インサートの両側のプラスチック本体のオーバーモールドと、オーバーモールド開口部を介したプラスチック本体の材料の連続性とが可能となる。それゆえ、プラスチック本体は、金属インサートと緊密に接合され、(典型的には、射出成形による)製造方法は、実施することが単純なままである。
【0013】
有利には、通路開口部と接触するリベットの領域は、火工品スイッチの組み立て時にリベット留め動作によって変形された領域である。典型的には、リベット留め動作は、圧着動作、半径方向圧着若しくは半径方向リベット留め、又は軌道圧着若しくは軌道リベット留め、又は更に、スピンリベット留めである。スナップダイ(リベットに対して傾斜した円筒形ツール)をリベットの頭部上に押圧して、塑性変形によって、頭部を押し潰し、平坦化し、半径方向に拡張する。この動作によって、開口部内のリベット部分は、略円筒形状から略円錐形状に変化する。
【0014】
有利には、リベットと接触する通路開口部を有する金属インサートを含む第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方の他方は、プラスチック材料などの電気絶縁材料のみを介してリベットと接触している。
【0015】
有利には、リベットと接触する通路開口部を有する金属インサートを含む第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方の他方は、リベット用の別の通路開口部を提示し、その他方の通路開口部のレベルにおいて、金属インサートを含まない。換言すれば、(リベットの基部と接触している)他方のハウジング部分は、インサートが必要とされないため、完全にプラスチックで作製されている。
【0016】
有利には、他方の通路開口部は、金属インサートの通路断面よりも大きい通路断面を提示している。
【0017】
有利には、この火工品スイッチは、ハウジングを貫通して、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分との間に配置されている、導電体を備える。
【0018】
有利には、この導電体は、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分との間に挟み込まれて圧縮されている。その結果、リベットは、(第1のハウジング部分と第2のハウジング部分との間に挟み込まれており、それらハウジング部分自体が、リベットによって互いに締結されている)導電体に圧縮力を及ぼす。
【0019】
有利には、この導電体は、リベットによって貫通される通路開口部を含む。更には、リベットと導電体との間には、絶縁材料(例えば、オーバーモールドされているか又は取り付けられているプラスチック)で作製されたリングを設けることができる。
【0020】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様による火工品スイッチを備える、自動車車両に関する。
【0021】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様による火工品スイッチの作製方法であって、
-第1のハウジング部分と第2のハウジング部分とを結合、組み立て、又は位置決めするステップと、
-リベットの自由端を通路開口部に通すステップと、
-リベットの全周上で、通路開口部にリベットを接触させるように、圧着動作によって自由端を変形させるステップとを含む、作製方法に関する。
【0022】
有利には、自由端を変形させるステップは、通路開口部のレベルにおいて自由端を半径方向に変形させるために十分に長く、自由端の反対側に位置し、他方の通路開口部に面しているリベットの基部を、半径方向に変形させないために十分に短い。
【0023】
有利には、自由端を変形させるステップは、ハウジング部分を互いに向けて押し付けるか又は圧縮することからなるステップによって先行される。ばね上に取り付けられており、リベット留めツール(スナップダイ)と同時に下降し、圧着又は変形されるリベットにリベット留めツールが接触する前にハウジング部分のうちの一方に接触する、「ブランクホルダ」と称されるツールを使用することができる。
【0024】
より全般的には、それゆえ、本発明は、
-第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分によって形成されている、ハウジングと、
-ハウジングを形成するために、第1のハウジング部分を第2のハウジング部分上にリベット留めする、少なくとも1つのリベットと、
-ハウジング内に配置されている、少なくとも1つの火工品アクチュエータと、
を備える、火工品デバイスであって、
第1のハウジング部分又は第2のハウジング部分のうちの少なくとも一方が、金属インサートと、金属インサート上にオーバーモールドされたプラスチック本体とを含み、
金属インサートが、リベット用の通路開口部を有し、
リベットが、金属インサートの通路開口部と接触していることを特徴とする、火工品デバイスに関する。
【0025】
有利には、この火工品デバイスは、火工品スイッチを形成する。
【0026】
典型的には、火工品スイッチは、電気回路を切断するための、又は自動車車両の電気回路を閉じるための機構とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の他の特徴及び利点は、例として提供されるが決してそれらに限定されることなく、添付図面によって例示される、本発明の実施形態の詳細な説明を読むと、より明らかとなるであろう。
【
図1】本発明による火工品デバイスの斜視図である。
【
図4】
図1のデバイスの金属インサートの図である。
【
図5】製造の第1段階における、
図1の火工品デバイスのハウジングの一部分の断面図である。
【
図6】製造の第2段階における、
図1の火工品デバイスのハウジングの一部分の断面図である。
【
図7】
図1の火工品デバイスの製造の代替案を示す図である。
【0028】
図1は、第1のハウジング部分11及び第2のハウジング部分12によって形成されているハウジング10を備える、本発明による火工品デバイスの斜視図を示す。第1のハウジング部分11と第2のハウジング部分12との間に、導電体20が挟み込まれている。
【0029】
図1の下側部分は、ハウジング10内に設置され、
図3に示されている、火工品アクチュエータ32の接続インタフェース31を示す。
【0030】
この
図3は、ここでは、必要に応じて導電体20を切断する(例えば、事故の場合に車両の電源回路を切断する)ことを目的とするスイッチとして配置されている火工品デバイスの、内部構造を示している。
【0031】
この目的のために、導電体20は、オーバーモールドされたガイド部品21を保持しており、このガイド部品は、パンチ33が中に配置される穴を形成し、第2のハウジング部分12と共に、火工品アクチュエータ32(ここでは、電気式火工品点火器であるが、必要に応じて追加的な火工品リレーを想定することもできる)に対向する燃焼室Cを形成している。
図3では、パンチ33は、静止位置にある。
【0032】
第1のハウジング部分11は、パンチ33に対向して、かつ導電体20の反対側に、アンビル又はダイと見なすことが可能な対抗形態34を含む。
【0033】
導電体20を切断することが必要とされる場合には、火工品アクチュエータ32が点火されて、燃焼チャンバ内の圧力の激しい増大を引き起こし、それにより、パンチ33は、静止位置から、導電体20が切断される最終位置に向けた並進運動に従って、
図3の上部に向けて押しやられる。
【0034】
火工品デバイスが、数年の耐用期間の後であっても動作することが可能であるように設計されていること、及び、動作時には数十バール以上の圧力が意図されていることを考慮して、第1のハウジング部分11、第2のハウジング部分12、ガイド部分21の間には、例示的に図示されているガスケット13及びガスケット14による、封止手段が設けられている。パンチ33と第2のハウジング部分12との間にもまた、封止ガスケット15が設けられている。
【0035】
それゆえ、第1のハウジング部分11と第2のハウジング部分12との間の、良好な締結が確実となる点が理解される。しかしながら、良好な電気絶縁を確実にするためには、ハウジング10が、例えば、導電体20と車両の接地との間で電気を伝導しないこともまた、準備されなければならない。この最後の条件を満たすために、各ハウジング部分11及びハウジング部分12は、プラスチック本体C1又はプラスチック本体C2を提示している。この締結条件を満たすために、
図1及び
図2に示すリベット40の助けを借りて、ハウジング部分11とハウジング部分12とを一体にリベット留めすることが意図されている。ハウジングの組み立ての前、かつ導電体20の有効なメンテナンス及びデバイスの封止を確実にするために、第1のハウジング部分11と第2のハウジング部分12とは接触していない。
【0036】
図2は、組み立てを説明するための、リベット40のレベルにおける断面を示す。特に、第2のハウジング部分12内に金属インサート16を配置することが、この第2のハウジング部分12のプラスチック本体に対する応力を制限するために準備されている。
【0037】
リベット40は、肩付きリベットである。すなわち、リベット留めの前には、それらのリベットは、リベット40用の通路開口部を提示している各ハウジング部分11及びハウジング12内に挿入することが可能であるように、基部40E及び円筒状本体を提示している。次いで、組み立てを完了して、デバイスの封止を確実にし、その後のあらゆる分解を防止するために、各リベット40は、その頭部40Tのレベルにおいて変形される。この実装形態によれば、頭部40Tは、第2のハウジング部分12の表面の下に埋め込まれているか、又は表面と面一である。
【0038】
実際には、このリベット留め動作の間に、各リベット40の基部40Eが、基部ツールに当接し、リベット40の軸に対して少なくとも瞬間的に傾斜するように特定の運動に従って移動することが可能なスナップダイ(リベット留めツール)が、リベット40の頭部40Tに接触することにより、頭部に対して垂直方向の力を印加し、それにより、スナップダイの回転及び/又は振動運動を介して、塑性変形によって頭部40Tを押し潰して拡張する。
【0039】
リベット留め動作は、リベット40の円筒状部分全体を、特に基部40Eのレベルにおいて変形させることなく、第2のハウジング部分12の軸方向の停止を確実にするように、頭部40Tを変形させることをもたらす。
【0040】
図2に見られるように、第2のハウジング部分12のプラスチック本体C2は、リベット40が、頭部40Eのレベルにおいて、金属インサート16のみを介して第2のハウジング部分12に接触するように、金属インサート16の通路開口部よりも大きい通路開口部を提示している。その結果、プラスチック本体C2に対しては、リベット40によって半径方向の力が及ぼされない。それゆえ、プラスチックの亀裂、破断、損傷のリスクが回避される。換言すれば、プラスチック本体C1及びプラスチック本体C2内の、リベット40用の通路直径は、金属インサート16内の通路直径よりも大きい。
【0041】
この実装形態は、リベット40が、金属インサート16のみを介して第2のハウジング部分12に接触し、その軸部の直径の膨らみが、リベット40とプラスチック本体C1又はプラスチック本体C2のうちの一方若しくは他方との接触をもたらさないことを確実にする。
【0042】
更には、リベット40は、その基部40Eのレベルにおいて変形されないため、好ましい任意選択の実装形態によれば、リベット留め動作に抵抗するために、第1のハウジング部分11内に金属インサートを設ける必要がない。それゆえ、この実装形態によれば、第1のハウジング部分は、プラスチック本体C1のみで構成されている。
【0043】
図4は、オーバーモールド動作を容易にし、堅固なプラスチック本体C2を得るために、第2のハウジング部分12のプラスチック本体C2のプラスチック材料の連続性を可能にするための、穴16T(
図4、
図5、及び
図6で視認可能)を有する、金属インサート16の一実施例を示す。
【0044】
金属インサート16は、タイプDC04-1.0338(Re:210~220MPa、Rm:270~350MPa、A%>38%)のプレス成形鋼で作製することができる。
【0045】
第1のハウジング部分11のプラスチック本体C1は、ポリアミド(PA、PA6.6、PA6.12)又はポリオキシメチレン(POM)などのポリマーで作製することができ、任意選択的に、ガラス繊維などの強化繊維で、例えば25重量%~35重量%の割合で充填される。リベット40は、顕著な破断伸び(例えば、A%>20%)を有する、鋼、銅、アルミニウムで作製することができる。
【0046】
第2のハウジング部分12に関しては、第1のプラスチック材料で作製されている第1部分12aと、第2のプラスチック材料で作製されている第2部分12Bとの、2つのプラスチック材料で構成されている。
【0047】
それゆえ、接続インタフェース31は、第2のプラスチック材料で製造されている、第2のハウジング部分12の第2部分12B内に実現されており、例えば、ポリアミド(PA、PA6、PA6-12、PA6-6)を使用することができ、10重量%~50重量%の強化繊維、例えばガラス繊維を含む。特に、30重量%のガラス繊維を有する、ポリアミドPA6を選択することができる。その結果、選択された第2のプラスチック材料は、複雑な形状を有する金型に注入することが容易であるため、接続インタフェース31のレベルにおいて、小さい寸法であるにもかかわらず精密な形状(溝、凹部)を設けることができる。更には、選択された第2の材料はまた、追加されている強化繊維により、燃焼室C内に存在する圧力に適切に耐えることもできる。
【0048】
更には、第1のプラスチック材料で製造されている、第2のハウジング部分12の第1部分12Aは、スイッチの動作中に、電気アークが形成される環境に露出されるように意図することができる。想定されるそのような場合によれば、第1のプラスチック材料の一部は、アブレーションによって除去されるように配置されており、第1のプラスチック材料は、ポリフタルアミド(PPA)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)から選択される。
【0049】
図5は、第1のプラスチック材料で第1部分12Aが射出成形された第1の射出成形動作の後の、第2のハウジング部分12を示す。
【0050】
図6は、第2のプラスチック材料で第2部分12Bが射出成形された第2の射出成形動作の後の、第2のハウジング部分12を表す。
【0051】
図5はまた、第1のプラスチック材料が、金属インサート16の肩部のレベルまで成形されており、金属インサート16の両側間で、境界Fがオフセットされていることも示している。実際に、(
図5の金属インサート16の下側の)下側境界Fiは、反対側の上側境界Fsよりも小さい内径を提示している。この構造は、いくつかの利点をもたらす。実際に、金属インサート16の肩部は、穴を含まず、このことは、境界のオフセットと相まって、第2のハウジング部分12の良好な剛性、及び少ない変形が得られることを可能にする。このことにより、破断、剥離、及び亀裂のリスクが制限される。
【0052】
また、第2のプラスチック材料の第2の射出成形動作用の製造金型を、境界Fのレベルにおける、第1のプラスチック材料の表面12As及び/又は表面12Ai上に支持することができ、このこともまた製造を単純化する点にも、言及することができる。
【0053】
金属インサート16に関しては、これは、第1のプラスチック材料及び第2のプラスチック材料のそれぞれの連続性を可能にするための、それぞれ専用の穴16T1及び穴16T2を含む、
図4、
図5、及び
図7で視認可能な穴16Tを有する。最後に、金属インサート16は、
図6に表されているその下側部分に、火工品アクチュエータ32(
図3で視認可能であり、明瞭性の理由から
図6では視認可能ではない)用の通路穴16Pを有する、肩部16Eを含む。肩部16Eは、特に燃焼室C内の圧力に起因する、動作中にこの領域内に存在する力及び応力に対して、適切な耐性を呈するように、通路穴16P以外の穴又は凹部を含まない。
【0054】
図7は、第2のプラスチック材料が最初に注入される、製造の代替案を示す。しかしながら、境界Fは依然として、金属インサート16の両側間のオフセット(Fs、Fi)と、その後のオーバーモールド動作用の製造金型に対する封止された支持を得るための、連続的外周を有する支持表面12B、12Biとを含む。
【0055】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書で説明される本発明の種々の実施形態に対して、当業者にとって明白な種々の修正及び/又は改善を加えることができる点が理解されるであろう。