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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/60 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
A23L2/60
A23L2/00 C
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021554806
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-07
(86)【国際出願番号】 JP2019048838
(87)【国際公開番号】W WO2020116664
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2018230147
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】糸山 彰徳
(72)【発明者】
【氏名】朝見 陽次
(72)【発明者】
【氏名】藤江 彬子
(72)【発明者】
【氏名】皿田 成
【審査官】吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-121187(JP,A)
【文献】国際公開第2017/171023(WO,A1)
【文献】特表2016-518143(JP,A)
【文献】特表2016-521974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
100ppm~600ppmの濃度のRebMと、0.5~5wt%の量のスクロースとを含み、RebM:スクロースのブリックス比が10:1~:1である、飲料組成物。
【請求項2】
前記スクロースが0.5~3wt%の濃度で存在する、請求項1に記載の飲料組成物。
【請求項3】
RebM:スクロースのブリックス比が5:1~:1である、請求項1または2に記載の飲料組成物。
【請求項4】
100ppm~600ppmの濃度のRebMと、2~8wt%の量のHFCSとを含み、RebM:HFCSのブリックス比が10:1~:1である、飲料組成物。
【請求項5】
前記HFCSが3~7wt%の濃度で存在する、請求項4に記載の飲料組成物。
【請求項6】
RebM:HFCSのブリックス比が5:1~:1である、請求項4または5に記載の飲料組成物。
【請求項7】
前記RebMが200ppm~600ppmの濃度で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項8】
前記RebMが300ppm~600ppmの濃度で存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項9】
前記RebMが400ppm~600ppmの濃度で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項10】
1.0~3.5kgf/cmのガス圧で二酸化炭素ガスを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項11】
2.0~3.0の範囲内のpHを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項12】
RebA、RebB、RebC、RebD、RebE、ステビオシド、モグロシドV、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、エリスリトールおよびそれらの組合せからなる群から選択される甘味料をさらに含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項13】
カフェイン、シンナムアルデヒド、リン酸またはカラメル色素をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項14】
前記飲料の総甘味度が5~15ブリックス度である、請求項1から13のいずれか一項に記載の飲料組成物。
【請求項15】
飲料においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、前記飲料にスクロースを0.5~5wt%の量で添加するステップを含み、RebM:スクロースのブリックス比が10:1~:1である、方法。
【請求項16】
前記スクロースが0.5~3wt%の濃度で存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
RebM:スクロースのブリックス比が5:1~:1である、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
飲料においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、2~8wt%の量で前記飲料にHFCSを添加するステップを含み、RebM:HFCSのブリックス比が10:1~:1である、方法。
【請求項19】
前記HFCSが3~7wt%の濃度で存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
RebM:HFCSのブリックス比が5:1~:1である、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記RebMが200ppm~600ppmの濃度で存在する、請求項15から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記RebMが300ppm~600ppmの濃度で存在する、請求項15から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記RebMが400ppm~600ppmの濃度で存在する、請求項15から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記飲料が、1.0~3.5kgf/cmのガス圧で二酸化炭素ガスを含む、請求項15から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記飲料が、2.0~3.0の範囲内のpHを有する、請求項15から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
前記飲料が、RebA、RebB、RebC、RebD、RebE、ステビオシド、モグロシドV、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、エリスリトールおよびそれらの組合せからなる群から選択される甘味料も含む、請求項15から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記飲料が、カフェイン、シンナムアルデヒド、リン酸またはカラメル色素も含む、請求項15から25のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロースまたは高フルクトースコーンシロップと組合せでステビオール配糖体であるレバウジオシドM(RebM)を含む、甘味を付与された飲料組成物に関する。本発明はまた、RebMの甘味後引きを低減させる方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
甘味料は、飲料に快い甘味を付与するのに使用される。しかし、スクロース、グルコース、フルクトース等などの高カロリー甘味料の使用は、多様な健康上の問題に関連付けられてきた。特に、肥満、糖尿病、高コレステロール、虫歯等は糖の消費が高いことに関連付けられてきた。
【0003】
したがって、天然の高甘味度低カロリー甘味料が糖の望ましい代替品である。このような製品は、スクロースの甘味レベルの何倍もの甘味レベルを保有し、それを使用することによって、飲料または食料品に存在するカロリーの数値を実質的に低減させることができる。しかし、このような製品は非常に甘い味を生み出すが、苦味の後引きなどの否定的な味覚の側面を有する場合があり、これは消費者に嫌われ得る。したがって、最も望ましい味のプロファイルを有する高甘味度甘味料を同定することにかなりの研究がなされてきた。
【0004】
この理由により調査されてきた化合物の1つがステビオール配糖体である。これらの化合物は植物体ステビア・レバウディアナ(Stevia rebaudiana)の葉に見いだされる。この植物は、南アメリカのある特定の地域に原産であるキク科(Asteraceae(Compositae))の草高の低い多年生草本である。この植物の葉は、茶に甘味を付与するのにおよび伝統医薬において数百年間使用されてきた。ステビアの粗抽出物は、1970年代初頭に日本で甘味料として先ず商業化され、ステビア植物体はアジアおよび南アメリカの一部で商業的に栽培されている。
【0005】
現在まで、甘い味がするステビオール配糖体がいくつか同定され、特性決定されてきた。その化合物は全て、図1に示す共通のアグリコンステビオール(ent-13-ヒドロキシカウラ-16-エン-19-酸)を含有する。ステビオール配糖体は、C13(R)およびC19(R)の位置で結合している糖の数および種類が異なる。
【0006】
【表1】
【発明の概要】
【0007】
レバウジオシド類のうち、マイナー成分であるレバウジオシドM(RebM)は、苦い後味が最小ですっきりした甘味を有する高甘味度甘味料として最近同定された。しかし、RebMを含有する飲料を消費した場合、甘味強度が従来の甘味料よりも経時的に残存することが明らかになっている。さらに、炭水化物甘味料または人工甘味料を含む飲料は、複数回口に含むとそれに伴って(over multiple sips)甘味が高まることが観察された。しかし、RebMの甘味強度は、複数回口に含んでもそれに伴って高まることはなく、同じままである。これらの特徴は消費者にとって普通でないかまたは不快であり、したがって、これらの特色が低減しているかマスキングされている組成物を見いだす必要がある。
【0008】
本発明は、RebMの否定的な感覚的特性を低減させる飲料組成物および方法を提供することを目的とする。特に、これらの組成物および方法によって、RebMを含有する飲料を消費した後に残る残留の甘味強度を低減させることを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書に提示のデータによって、RebMの甘味後引きを低減させる能力を判定するために、他のいくつかの甘味料を評価した。調査した甘味料は、スクロース、HFCS、およびスクラロースとした。驚くべきことに、スクロースおよびHFCSの添加のみが、RebM飲料の甘味後引きを低減させるという結果となった。スクラロースの添加は、甘味後引きに全く効果がないか、またはある特定の濃度で甘味後引きを高めたといういずれかの結果となった。驚くべきことに、低濃度のスクロースによってRebMの甘味後引きを効果的に低減させることが可能であることが見いだされた。スクロースの濃度を高めても、甘味後引きの低減は有意に改善されないことが観察された。したがって、このことは、RebMとスクロースとの組合せをカロリーを抑えた飲料で使用可能であるという付加的利益を有する。比較的少量のスクロースを含むのみで望ましい効果を実現することができるため、飲料のカロリーの影響は、甘味料としてRebMをそれだけで使用する場合と比較して有意に高まらない。例えば、本データによれば、2%のスクロースによってRebMの甘味後引きを有意にマスキングできることが示されており、一方、標準的なソフトドリンクにおいて、スクロースはおよそ10~12%で通常使用されている。したがって、本発明の飲料は、低減した甘味後引きを有することになるとともに、スクロース単独を使用して甘味を付与された飲料よりも有意に低いカロリーを含有することになる。さらに、本明細書に提示のデータによって、HFCSを使用してRebMの甘味後引きを効果的にマスキングできることも示されている。甘味後引きを低減させることによって、低カロリー甘味料の否定的な味の側面が最小限に抑えられ、さらに快い味を有する飲料がもたらされる。
【0010】
本発明の第1の態様は、100ppm~600ppmの濃度のRebMと、飲料組成物の総重量に対して0.5~5wt%の量のスクロースとを含み、RebM:スクロースのブリックス比が10:1~1:1である、飲料組成物である。
【0011】
本発明の第2の態様は、100ppm~600ppmの濃度のRebMと、飲料組成物の総重量に対して2~8wt%の量のHFCSとを含み、RebM:HFCSのブリックス比が10:1~1:1である、飲料組成物である。
【0012】
本発明の第3の態様は、飲料組成物においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、飲料にスクロースを飲料組成物の総重量に対して0.5~5wt%の量で添加するステップを含み、RebM:スクロースのブリックス比が10:1~1:1である、方法である。
【0013】
本発明の第4の態様は、飲料組成物においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、飲料組成物の総重量に対して2~8wt%の量で飲料にHFCSを添加するステップを含み、RebM:HFCSのブリックス比は10:1~1:1である、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】全てのレバウジオシド類の間で共通であるコアのアグリコンステビオール部位を示す図である。レバウジオシドは、C13およびC19で結合している糖部分がさまざまである。
図2】レバウジオシドM(RebM)の構造を示す図である。
図3】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.05wt%のRebM飲料の経時的な甘味レベルを示す図である。この飲料は10°Bxのブリックスを有する。
図4】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.04wt%のRebM+2wt%のスクロース飲料(4:1のRebM:スクロースのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
図5】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.025wt%のRebM+5wt%のスクロース飲料(1:1のRebM:スクロースのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
図6】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.04wt%のRebM+0.005wt%のスクラロース飲料(4:1のRebM:スクラロースのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
図7】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.03wt%のRebM+0.01wt%のスクラロース飲料(1.5:1のRebM:スクラロースのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
図8】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.02wt%のRebM+0.015wt%のスクラロース飲料(1:1.5のRebM:スクラロースのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
図9】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.01wt%のRebM+0.02wt%のスクラロース飲料(1:4のRebM:スクラロースのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
図10】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.04wt%のRebM+2.65wt%のHFCS飲料(4:1のRebM:HFCSのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
図11】訓練を受けた官能パネルによって評価した、0.025wt%のRebM+6.62wt%のHFCS飲料(1:1のRebM:HFCSのブリックス比)の経時的な甘味レベルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、RebMの甘味後引き効果が低減している、RebMを含む飲料組成物を提供する。本明細書で使用する場合、用語「甘味後引き」とは、飲料製品を飲用後に残っている残留の甘い味を指す。この残留の甘味は、RebMなどのレバウジオシド類によって甘味を付与された飲料に通常見いだされる。
【0016】
本発明の第1の態様は、100ppm~600ppmの濃度のRebMと、0.5~5wt%の量のスクロースとを含み、RebM:スクロースのブリックス比が10:1~1:1である、飲料組成物である。飲料は、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの濃度のRebMと、0.5~5%、0.5~4.5%、0.5~4%、0.5~3.5%、0.5~3%、0.5~2.5%、0.5~2.0%、0.5~1.5%、0.5~1%、1~5%、1~4.5%、1~4%、1~3.5%、1~3%、1~2.5%、1~2.0%、1~1.5%、1.5~5%、1.5~4.5%、1.5~4%、1.5~3.5%、1.5~3%、1.5~2.5%、1.5~2.0%、2~5%、2~4.5%、2~4%、2~3.5%、2~3%、2~2.5%、2.5~5%、2.5~4.5%、2.5~4%、2.5~3.5%、2.5~3%、3~5%、3~4.5%、3~4%、3~3.5%、3.5~5%、3.5~4.5%、3.5~4%、4~5%、4~4.5%、または4.5~5%の量のスクロースとを含んでもよい。全てのppmおよび百分率は重量によるものである。
【0017】
一実施形態では、飲料組成物は、0.5~3wt%の量のスクロースと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む。
【0018】
一実施形態では、飲料組成物は、1.5~2.5wt%の量のスクロースと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む。
【0019】
第1の態様の一実施形態では、RebM:スクロースのブリックス比は10:1~1:1、9:1~1:1、8:1~1:1、7:1~1:1、6:1~1:1、5:1~1:1、4:1~1:1、3:1~1:1、2:1~1:1、10:1~2:1、9:1~2:1、8:1~2:1、7:1~2:1、6:1~2:1、5:1~2:1、4:1~2:1、3:1~2:1、10:1~3:1、9:1~3:1、8:1~3:1、7:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、または4:1~3:1である。
【0020】
本明細書に開示の比はブリックス換算で提示されている。参照溶液中のスクロースの量は、ブリックス度(°Bx)で記載することができる。1ブリックス度は100グラムの水溶液中1グラムのスクロースであり、重量による百分率(%wt)として溶液の強度を表す。500ppm(0.05wt%)のRebM溶液は10°Bxに等価であり、13.3%のHFCS溶液は10°Bxに等価であり、10%のスクロース溶液は10°Bxのブリックスを有する。
【0021】
一実施形態では、第1の態様による飲料組成物は、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、または300ppm~500ppmの濃度のRebMと、0.5~3%、0.5~2.5%、0.5~2%の量のスクロースとを含み、RebM:スクロースのブリックス比は、6:1~1:1、5:1~2:1、または4:1~3:1である。好ましい一実施形態では、RebM:スクロースのブリックス比は約4:1である。全てのppmおよび百分率は重量によるものである。
【0022】
本発明の第2の態様は、100ppm~600ppmの濃度のRebMと、2~8wt%の量のHFCSとを含み、RebM:HFCSの比が10:1~1:1である、飲料組成物である。飲料は、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの濃度のRebMと、2~8%、2~7.5%、2~7%、2~6.5%、2~6%、2~5.5%、2~5%、2~4.5%、2~4%、2~3.5%、2~3%、2~2.5%、2.25~8%、2.25~7.5%、2.25~7%、2.25~6.5%、2.25~6%、2.25~5.5%、2.25~5%、2.25~4.5%、2.25~4%、2.25~3.5%、2.25~3%、2.25~2.5%、2.5~8%、2.5~7.5%、2.5~7%、2.5~6.5%、2.5~6%、2.5~5.5%、2.5~5%、2.5~4.5%、2.5~4%、2.5~3.5%、2.5~3%、3~8%、3~7.5%、3~7%、3~6.5%、3~6%、3~5.5%、3~5%、3~4.5%、3~4%、3~3.5%、3.5~8%、3.5~7.5%、3.5~7%、3.5~6.5%、3.5~6%、3.5~5.5%、3.5~5%、3.5~4.5%、3.5~4%、4~8%、4~7.5%、4~7%、4~6.5%、4~6%、4~5.5%、4~5%、4~4.5%、4.5~8%、4.5~7.5%、4.5~7%、4.5~6.5%、4.5~6%、4.5~5.5%、4.5~5%、5~8%、5~7.5%、5~7%、5~6.5%、5~6%、5~5.5%、5.5~8%、5.5~7.5%、5.5~7%、5.5~6.5%、5.5~6%、6~8%、6~7.5%、6~7%、6~6.5%、6.5~8%、6.5~7.5%、6.5~7%、6.62~8%、6.62~7.5%、6.62~7%、7~8%、または7~7.5%の量のHFCSとを含んでもよい。全てのppmおよび百分率は重量によるものである。
【0023】
一実施形態では、飲料組成物は、3~8wt%の量のHFCSと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む。
【0024】
一実施形態では、飲料組成物は、4~8wt%の量のHFCSと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む。
【0025】
一実施形態では、飲料組成物は、5~8wt%の量のHFCSと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む。
【0026】
第2の態様の一実施形態では、RebM:HFCSのブリックス比は10:1~1:1、9:1~1:1、8:1~1:1、7:1~1:1、6:1~1:1、5:1~1:1、4:1~1:1、3:1~1:1、2:1~1:1、10:1~2:1、9:1~2:1、8:1~2:1、7:1~2:1、6:1~2:1、5:1~2:1、4:1~2:1、3:1~2:1、10:1~3:1、9:1~3:1、8:1~3:1、7:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、または4:1~3:1である。
【0027】
一実施形態では、第2の態様による飲料組成物は、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、または300ppm~500ppmの濃度のRebMと、4~7%、5~7%、6~7%の量のHFCSとを含み、RebM:HFCSのブリックス比は、6:1~1:1、5:1~2:1、または4:1~3:1である。好ましい一実施形態では、RebM:HFCSの比は約1:1である。全てのppmおよび百分率は重量によるものである。
【0028】
本発明の第1の態様または第2の態様の一実施形態では、飲料組成物のpHは、pH2~5、pH2.2~5、pH2.4~5、pH2.6~5、pH2.8~5、pH3.0~5、pH3.5~5、pH2~4.5、pH2.2~4.5、pH2.4~4.5、pH2.6~4.5、pH2.8~4.5、pH3~4.5、pH3.5~4.5、pH2~4、pH2.2~4、pH2.4~4、pH2.6~4、pH2.8~4、pH3~4、pH3.5~4、pH2~3.5、pH2.2~3.5、pH2.4~3.5、pH2.6~3.5、pH2.8~3.5、pH3.0~3.5である。好ましくは、pHはpH2.5~3.5の範囲内である。
【0029】
飲料では、緩衝系を使用するのが好ましい。本発明で使用の適切な緩衝系としては、単なる例示として、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸および酢酸ならびに塩が挙げられる。好ましい緩衝系としては、クエン酸緩衝系およびリン酸緩衝系が挙げられる。最も好ましい緩衝系は、クエン酸との組合せで、クエン酸ナトリウムを好ましくは含有するクエン酸緩衝系である。好ましくは、約0.1~約10グラム/リットルのクエン酸ナトリウム、および約0.05~約5グラム/リットルのクエン酸が存在する。典型的に適切な緩衝系としては、本明細書の実施形態に記述の範囲内のpHを維持することが可能なものが挙げられる。
【0030】
第1の態様および第2の態様の一実施形態では、飲料組成物は炭酸入りであってよい。本明細書で使用する場合、「炭酸飲料」とは、二酸化炭素ガス(CO)を含有する飲料である。COの存在によって飲料内に泡が生成する。
【0031】
第1の態様および第2の態様の一実施形態では、炭酸飲料は、1.0~3.5kg/mのガス圧で二酸化炭素(CO)を含んでよい。好ましくは、COは1.5~3.0kg/mのガス圧にあり、より好ましくは、COは2.0~3.0kg/mのガス圧にある。
【0032】
第1の態様および第2の態様の他の実施形態では、炭酸飲料は、1.0~3.5kgf/cmのガス圧で二酸化炭素(CO)を含んでよい。好ましくは、COは1.5~3.0kgf/cmのガス圧にあり、より好ましくは、COは2.0~3.0kgf/cmのガス圧にある。
【0033】
本発明の第1の態様または第2の態様による飲料組成物は、一次甘味付与成分としてRebMを含んでよい。本発明の第1の態様および第2の態様による飲料組成物は、唯一の低カロリー甘味料成分としてRebMを含んでよい。飲料組成物はまた、他のステビオール甘味料などの他の甘味付与成分を含んでもよい。ステビオール甘味料の非限定的な例としては、RebA、RebB、RebC、RebD、RebE、RebF、RebI、RebH、RebL、RebK、RebJ、RebM、RebN、RebO、ズルコシドA、ズルコシドB、ステビオシド、ステビオールビオシド、ルブソシドが挙げられる。好ましくは、RebMだけが飲料中のステビオール甘味付与成分である。
【0034】
第1の態様による飲料はまた、追加の炭水化物ベースの甘味料を含んでもよく、非限定的な例としては、フルクトース、グルコース、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノースまたはイソマルツロース、エリトロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノ-ラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオースなど)、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース)、ガラクトオリゴ糖、ソルボース、ケトトリオース(デヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(ケストース、ニストース等)、マルトテトラオース、マルトトリオール、四糖、マンナンオリゴ糖、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース)、デキストリン、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース、高フルクトースコーンシロップ(HFCS、例えば、HFCS55、HFCS42、またはHFCS90)などの異性化液糖、カップリングシュガー、大豆オリゴ糖、グルコースシロップ、およびそれらの組合せが挙げられる。適用可能な場合には、D-立体配置またはL-立体配置を使用することができる。
【0035】
第2の態様による飲料はまた、追加の炭水化物ベースの甘味料を含んでもよく、非限定的な例としては、スクロース、フルクトース、グルコース、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、タガトース、トレハロース、ガラクトース、ラムノース、シクロデキストリン、リブロース、トレオース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、マンノース、イドース、ラクトース、マルトース、転化糖、イソトレハロース、ネオトレハロース、パラチノースまたはイソマルツロース、エリトロース、デオキシリボース、グロース、イドース、タロース、エリトルロース、キシルロース、プシコース、ツラノース、セロビオース、グルコサミン、マンノサミン、フコース、フクロース、グルクロン酸、グルコン酸、グルコノ-ラクトン、アベクオース、ガラクトサミン、キシロオリゴ糖(キシロトリオース、キシロビオースなど)、ゲンチオオリゴ糖(ゲンチオビオース、ゲンチオトリオース、ゲンチオテトラオース)、ガラクトオリゴ糖、ソルボース、ケトトリオース(デヒドロキシアセトン)、アルドトリオース(グリセルアルデヒド)、ニゲロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖(ケストース、ニストース等)、マルトテトラオース、マルトトリオール、四糖、マンナンオリゴ糖、マルトオリゴ糖(マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース)、デキストリン、ラクツロース、メリビオース、ラフィノース、ラムノース、リボース、カップリングシュガー、大豆オリゴ糖、グルコースシロップ、およびそれらの組合せが挙げられる。適用可能な場合には、D-立体配置またはL-立体配置を使用することができる。
【0036】
さらなる甘味付与成分は、天然の高甘味度甘味料から、例えば、モグロシドIV、モグロシドV、ラカンカ、シアメノシド、モナチンおよびその塩(モナチンSS、RR、RS、SR)、クルクリン、グリチルリチン酸およびその塩、タウマチン、モネリン、マビンリン、ブラゼイン、ヘルナンズルチン、フィロズルチン、グリシフィリン、フロリジン、トリロバチン、バイユノシド、オスラジン、ポリポドシドA、プテロカリオシドA、プテロカリオシドB、ムクロジオシド、フロミソシドI、ペリアンドリンI、アブルソシドA、ならびにシクロカリオシドIから選択してよい。
【0037】
さらなる甘味付与成分は合成甘味料であってよい。本明細書で使用する場合、語句「合成甘味料」とは、天然には自然に見いだされず、スクロース、フルクトース、またはグルコースよりも大きい甘味効力(sweetness potency)を特徴的に有するが、カロリーがより少ない任意の組成物を指す。本開示の実施形態に適した合成の高甘味度甘味料の非限定的な例としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、アセスルファム酸およびその塩、アスパルテーム、アリテーム、サッカリンおよびその塩、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、シクラメート、シクラム酸およびその塩、ネオテーム、アドバンテーム、グルコシル化ステビオールグリコシド(GSG)、ならびにそれらの組合せが挙げられる。
【0038】
追加の甘味付与成分のいずれも、炭水化物甘味料、天然の高甘味度甘味料または合成甘味料のどちらでも、約0.3ppm~約3,500ppmの濃度で飲料組成物中に存在してよい。
【0039】
参照溶液中のスクロースの量は、ブリックス度(°Bx)で記載することができる。1ブリックス度は100グラムの水溶液中1グラムのスクロースであり、重量による百分率(%wt)として溶液の強度を表す。本発明の第1の態様の一実施形態では、飲料組成物は、甘味を付与された組成物中に存在する場合、約0.5~15°Bx、例えば、約5~約11ブリックス度、約4~約7ブリックス度、または約5ブリックス度などの、スクロースと等価の総甘味度をもたらすのに有効な量で、RebMとスクロースとを含有する。別の実施形態では、RebMとスクロースとは約10°Bxと等価の甘味を提供するのに十分な量で存在する。
【0040】
本発明の第2の態様の一実施形態では、飲料組成物は、甘味を付与された組成物中に存在する場合、約0.5~15°Bx、例えば、約5~約11ブリックス度、約4~約7ブリックス度、または約5ブリックス度などの、スクロースと等価の総甘味度をもたらすのに有効な量で、RebMとHFCSとを含有する。別の実施形態では、RebMとHFCSとは約10°Bxと等価の甘味を提供するのに十分な量で存在する。
【0041】
本発明のさまざまな実施形態では、飲料組成物の総甘味度は、0.5~15ブリックス度、2~14ブリックス度、3~13ブリックス度、4~12ブリックス度、5~11ブリックス度、6~10ブリックス度、または9~10ブリックス度と等価である。最も好ましくは、飲料組成物の総甘味度は約10ブリックス度と等価である。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「約」は、記述の値に+/-10%の余地が適用可能であることを示す。
【0043】
RebMとスクロースまたはHFCSとに加えて、および任意選択での追加の1つまたは複数の甘味付与成分に加えて、飲料組成物は、本明細書で下に詳述されるさらなる添加物を任意選択で含むことができる。一部の実施形態では、甘味料組成物は、添加物、例えば、炭水化物、ポリオール、アミノ酸およびそれらの相応する塩、ポリアミノ酸およびそれらの相応する塩、糖酸およびそれらの相応する塩、ヌクレオチド、有機酸、無機酸、有機酸塩および有機塩基塩を含む有機塩、無機塩、苦味化合物、香味料および香味成分、渋味化合物、タンパク質またはタンパク質加水分解物、界面活性剤、乳化剤、増量剤、ガム、酸化防止剤、着色剤、フラボノイド、アルコール、ポリマー、ならびにそれらの組合せを含有する。一部の実施形態では、添加物は、甘味料の時間的および香味プロファイルを改善して、卓越した味覚性を有する飲料組成物を提供するように作用する。
【0044】
好ましい一実施形態では、飲料はまた、シンナムアルデヒド、カフェイン、カラメル色素および/またはリン酸を含んでもよい。
【0045】
本発明に適した飲料組成物としては、レディトゥドリンク(ready-to-drink)飲料、飲料濃縮物、飲料シロップ、または粉末飲料が挙げられる。適切なレディトゥドリンク飲料としては、炭酸飲料および非炭酸飲料が挙げられる。炭酸飲料としては、それらに限定されないが、強化発泡性飲料、コーラ、レモン-ライムフレーバーの発泡性飲料、オレンジフレーバーの発泡性飲料、ブドウフレーバーの発泡性飲料、イチゴフレーバーの発泡性飲料、パイナップルフレーバーの発泡性飲料、ジンジャーエール、ソフトドリンクおよびルートビアが挙げられる。非炭酸飲料としては、それらに限定されないが、果実ジュース、果実フレーバーのジュース、ジュースドリンク、ネクター、野菜ジュース、野菜フレーバーのジュース、スポーツドリンク、エネルギードリンク、強化水ドリンク、ビタミン強化水、ニアウォータードリンク(例えば、天然または合成香味料を含む水)、ココナッツ水、茶タイプのドリンク(例えば、紅茶、緑茶、ルイボス茶(red tea)、ウーロン茶)、コーヒー、ココアドリンク、乳飲料、乳成分を含有するコーヒー、カフェオレ、ミルクティ、フルーツミルク飲料、穀類抽出物を含有する飲料、スムージー、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0046】
本発明の飲料は飲料組成物濃縮物とすることができる。本明細書で使用する場合、用語「飲料組成物濃縮物」はまた、「飲料シロップ」を指す。飲料組成物濃縮物および飲料シロップは、最初の容量の液体(例えば水)と所望の飲料成分とで調製されている。このような製品はレディトゥドリンク飲料よりも濃縮されている。レディトゥドリンク飲料は、さらなる容量の液体を添加することによって濃縮物またはシロップから調製することができる。飲料濃縮物は、レディトゥドリンク飲料よりも3~15倍濃縮、または5~15倍濃縮、または8~12倍濃縮、または9~11倍濃縮であってもよい。
【0047】
飲料組成物濃縮物からレディトゥドリンク飲料を生成するには、濃縮物を希釈するのに追加の液体が必要である。適切な液体としては、水、炭酸水、脱イオン水、蒸留水、逆浸透水、炭素処理水、精製水、脱塩水が挙げられる。炭酸水を使用する場合、水は、1.0~3.5kg/mのガス圧でCOを含んでよい。好ましくは、COは1.5~3.0kg/mのガス圧にあり、より好ましくは、COは2.0~3.0kg/mのガス圧にある。
【0048】
他の実施形態において、炭酸水を使用する場合、水は、1.0~3.5kgf/cmのガス圧でCOを含んでよい。好ましくは、COは1.5~3.0kgf/cmのガス圧にあり、より好ましくは、COは2.0~3.0kgf/cmのガス圧にある。
【0049】
本発明の第1の態様または第2の態様の一実施形態では、飲料は、低カロリー飲料組成物またはカロリーを抑えた飲料組成物である。低カロリー飲料組成物は、100mL当たり75kcal未満、100mL当たり60kcal未満、100mL当たり50kcal未満、100mL当たり40kcal未満、100mL当たり30kcal未満、100mL当たり20kcal未満を有し得る。飲料組成物が飲料組成物濃縮物である場合、濃縮物を希釈すると生成するレディトゥドリンク飲料組成物は、低カロリー飲料とすることができる。
【0050】
本明細書に提示のデータによれば、飲料組成物中にRebMを使用することに起因する甘味後引きを、飲料組成物にスクロースを添加することによって低減させることが可能であることが実証されている。RebMとスクロースとの組合せを有する、生成する飲料は、RebM単独を含む飲料と比較した場合、低減した甘味後引きを有する。したがって、本発明の第3の態様は、飲料組成物においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、飲料組成物にスクロースを0.5~5%の量で添加するステップを含み、RebM:スクロースのブリックス比は10:1~1:1である、方法である。
【0051】
本発明の第3の態様の一実施形態は、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの濃度のRebMと、0.5~5%、0.5~4.5%、0.5~4%、0.5~3.5%、0.5~3%、0.5~2.5%、0.5~2.0%、0.5~1.5%、0.5~1%、1~5%、1~4.5%、1~4%、1~3.5%、1~3%、1~2.5%、1~2.0%、1~1.5%、1.5~5%、1.5~4.5%、1.5~4%、1.5~3.5%、1.5~3%、1.5~2.5%、1.5~2.0%、2~5%、2~4.5%、2~4%、2~3.5%、2~3%、2~2.5%、2.5~5%、2.5~4.5%、2.5~4%、2.5~3.5%、2.5~3%、3~5%、3~4.5%、3~4%、3~3.5%、3.5~5%、3.5~4.5%、3.5~4%、4~5%、4~4.5%、または4.5~5%の量のスクロースとを含む飲料組成物を調製するステップを含む。全てのppmおよび百分率は重量によるものである。
【0052】
第3の態様の一実施形態では、方法は、0.5~3wt%の量のスクロースと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400pm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む飲料組成物を調製するステップを含む。
【0053】
第3の態様の一実施形態では、方法は、1.5~2.5wt%の量のスクロースと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む飲料組成物を調製するステップを含む。
【0054】
第3の態様の一実施形態では、方法は、10:1~1:1、9:1~1:1、8:1~1:1、7:1~1:1、6:1~1:1、5:1~1:1、4:1~1:1、3:1~1:1、2:1~1:1、10:1~2:1、9:1~2:1、8:1~2:1、7:1~2:1、6:1~2:1、5:1~2:1、4:1~2:1、3:1~2:1、10:1~3:1、9:1~3:1、8:1~3:1、7:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、または4:1~3:1のRebM:スクロースのブリックス比を含む飲料を調製するステップを含む。
【0055】
第3の態様の一実施形態では、方法は、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、または300ppm~500ppmの濃度のRebMと、0.5~3Wt%、0.5~2.5wt%、0.5~2wt%の量のスクロースとを含む飲料組成物を調製するステップを含み、RebM:スクロースのブリックス比は、6:1~1:1、5:1~2:1、または4:1~3:1である。好ましい一実施形態では、方法は、約4:1のRebM:スクロースのブリックス比を含む飲料を調製するステップを含む。
【0056】
本明細書に提示のデータによれば、飲料中にRebMを使用することに起因する甘味後引きを、飲料にHFCSを添加することによって低減させるかまたは最小限に抑えることが可能であることが実証されている。RebMとHFCSとの組合せを有する、生成する飲料は、RebM単独を含む飲料と比較した場合、低減した甘味後引きを有する。本発明の第4の態様は、飲料においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、2~8wt%の量で飲料にHFCSを添加するステップを含み、RebM:HFCSのブリックス比は10:1~1:1である、方法である。
【0057】
第4の態様の一実施形態では、方法は、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの濃度のRebMと、2~8%、2~7.5%、2~7%、2~6.5%、2~6%、2~5.5%、2~5%、2~4.5%、2~4%、2~3.5%、2~3%、2~2.5%、2.25~8%、2.25~7.5%、2.25~7%、2.25~6.5%、2.25~6%、2.25~5.5%、2.25~5%、2.25~4.5%、2.25~4%、2.25~3.5%、2.25~3%、2.25~2.5%、2.5~8%、2.5~7.5%、2.5~7%、2.5~6.5%、2.5~6%、2.5~5.5%、2.5~5%、2.5~4.5%、2.5~4%、2.5~3.5%、2.5~3%、3~8%、3~7.5%、3~7%、3~6.5%、3~6%、3~5.5%、3~5%、3~4.5%、3~4%、3~3.5%、3.5~8%、3.5~7.5%、3.5~7%、3.5~6.5%、3.5~6%、3.5~5.5%、3.5~5%、3.5~4.5%、3.5~4%、4~8%、4~7.5%、4~7%、4~6.5%、4~6%、4~5.5%、4~5%、4~4.5%、4.5~8%、4.5~7.5%、4.5~7%、4.5~6.5%、4.5~6%、4.5~5.5%、4.5~5%、5~8%、5~7.5%、5~7%、5~6.5%、5~6%、5~5.5%、5.5~8%、5.5~7.5%、5.5~7%、5.5~6.5%、5.5~6%、6~8%、6~7.5%、6~7%、6~6.5%、6.5~8%、6.5~7.5%、6.5~7%、6.62~8%、6.62~7.5%、6.62~7%、7~8%、または7~7.5%の量のHFCSとを含む飲料を調製するステップを含む。全てのppmおよび百分率は重量によるものである。
【0058】
第4の態様の一実施形態では、方法は、3~8wt%の量のHFCSと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む飲料組成物を調製するステップを含む。
【0059】
第4の態様の一実施形態では、方法は、4~8wt%の量のHFCSと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む飲料組成物を調製するステップを含む。
【0060】
第4の態様の一実施形態では、方法は、5~8wt%の量のHFCSと、100ppm~600ppm、150ppm~600ppm、200ppm~600ppm、250ppm~600ppm、300ppm~600ppm、350ppm~600ppm、400ppm~600ppm、450ppm~600ppm、500ppm~600ppm、550ppm~600ppm、100ppm~500ppm、150ppm~500ppm、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、300ppm~500ppm、350ppm~500ppm、400ppm~500ppm、450ppm~500ppm、100ppm~400ppm、150ppm~400ppm、200ppm~400ppm、250ppm~400ppm、300ppm~400ppm、350ppm~400ppm、100ppm~300ppm、150ppm~300ppm、200ppm~300ppm、250ppm~300ppm、100ppm~250ppm、150ppm~200ppm、または200ppm~250ppmの量のRebMとを含む飲料を調製するステップを含む。
【0061】
第4の態様の一実施形態では、方法は、10:1~1:1、9:1~1:1、8:1~1:1、7:1~1:1、6:1~1:1、5:1~1:1、4:1~1:1、3:1~1:1、2:1~1:1、10:1~2:1、9:1~2:1、8:1~2:1、7:1~2:1、6:1~2:1、5:1~2:1、4:1~2:1、3:1~2:1、10:1~3:1、9:1~3:1、8:1~3:1、7:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、6:1~3:1、5:1~3:1、または4:1~3:1のRebM:HFCSのブリックス比を含む飲料を調製するステップを含む。
【0062】
第4の態様の一実施形態では、方法は、200ppm~500ppm、250ppm~500ppm、または300ppm~500ppmの濃度のRebMと、4~7wt%、5~7wt%、6~7wt%の量のHFCSとを含む飲料組成物を調製するステップを含み、RebM:HFCSのブリックス比は、6:1~1:1、5:1~2:1、または4:1~3:1である。好ましい一実施形態では、方法は、約1:1のRebM:HFCSのブリックス比を含む飲料を調製するステップを含む。
【0063】
本発明の第3の態様または第4の態様による方法は、pH2~5、pH2.2~5、pH2.4~5、pH2.6~5、pH2.8~5、pH3.0~5、pH3.5~5、pH2~4.5、pH2.2~4.5、pH2.4~4.5、pH2.6~4.5、pH2.8~4.5、pH3~4.5、pH3.5~4.5、pH2~4、pH2.2~4、pH2.4~4、pH2.6~4、pH2.8~4、pH3~4、pH3.5~4、pH2~3.5、pH2.2~3.5、pH2.4~3.5、pH2.6~3.5、pH2.8~3.5、pH3.0~3.5のpHを有する飲料組成物を調製するステップを含んでもよい。好ましくは、pHはpH2.5~3.5の範囲内である。
【0064】
本発明の第3の態様または第4の態様による方法は、炭酸飲料組成物を調製するステップを含んでもよい。ガス圧は1.0~3.5kg/mであってよい。好ましくは、COは1.5~3.0kg/mのガス圧にあり、より好ましくは、COは2.0~3.0kg/mのガス圧にある。
【0065】
本発明の第3の態様または第4の態様の他の実施形態による方法は、炭酸飲料組成物を調製するステップを含んでもよい。ガス圧は1.0~3.5kgf/cmであってよい。好ましくは、COは1.5~3.0kgf/cmのガス圧にあり、より好ましくは、COは2.0~3.0kgf/cmのガス圧にある。
【0066】
本発明の第3の態様または第4の態様による方法は、本発明の第1の態様にしたがい、上に列記してある追加の甘味付与剤のいずれかを有する飲料組成物を調製するステップを含んでもよい。
【0067】
本発明の第3の態様または第4の態様による方法は、上文に記載のように、緩衝系の添加を有する飲料組成物を調製するステップを含んでもよい。
【実施例
【0068】
実験プロトコル
RebMの甘味後引きへの、さまざまな甘味料とRebMを組み合わせる効果を判定するために実験を行った。RebMを、異なる量のスクロース、HFCSおよびスクラロースと組み合わせた。
以下の試料を調製した;
- RebM 500ppm(0.05wt%)、pH2.52(リン酸/リン酸塩緩衝剤)
- RebM 400ppm(0.04wt%)+2wt%のスクロース、pH2.52
- RebM 250ppm(0.025wt%)+5wt%のスクロース、pH2.52
- RebM 400ppm(0.04wt%)+2.65wt%のHFCS、pH2.52
- RebM 250ppm(0.025wt%)+6.62wt%のHFCS、pH2.52
- RebM 400ppm(0.04wt%)+0.005wt%のスクラロース、pH2.52
- RebM 300ppm(0.03wt%)+0.01wt%のスクラロース、pH2.52
- RebM 200ppm(0.02wt%)+0.015wt%のスクラロース、pH2.52
- RebM 100ppm(0.01wt%)+0.02wt%のスクラロース、pH2.52
全ての試料は、10°Bxのブリックスと同等の甘さに(equi-sweet)なるように設計した。
【0069】
ソフトドリンクの評価に熟練した、おおよそ10人のパネリストを含む訓練を受けた官能プロファイリングパネルによって試料を評価し、作業を遂行した。パネリストは2回の訓練セッションに参加してテストを行う製品の甘味特徴に精通させ、おおよその甘味スケール(sweetness scaling)を確立し、そして評価プロトコルを実践した。
【0070】
均等化した実験計画に従って、試料は盲検で、3桁のコードで提示された。パネルメンバー全員が全ての試料を評価し、さらに異なる順番で繰返し評価をすることで、バイアスおよびフレーバー持ちこしによる影響を最小限に抑えた。
【0071】
6つの試料を、試料と試料との間に5分の休憩を挟み、90分のセッションにわたって評価した。休憩中、パネリストに、無塩クラッカーを食しそしてミネラルウォーターを飲用することによって口蓋を洗浄するように指示した。5×90分のセッションにわたり各試料について3回繰返しで行うこととする。
【0072】
パネリストは個別の官能評価ブースで全ての評価を実施し、RedJadeソフトウェアを使用してコンピューターを介してデータをインプットした。各溶液について、パネリストは、皆無~極端によって各端に固定された非構造化ラインスケール上で、甘味を格付けした。甘味の格付けは、1口目(first sip)を摂取して10秒後に行い、次いで、2口目(second sip)を摂取して10秒後に行い;次いで30秒、1分、2分、3分、4分および5分後で行った。
【0073】
均等化した実験計画に従って、試料は盲検で、3桁のコードで提示された。パネルメンバー全員が全ての試料を評価し、さらに異なる順序で繰返し評価することで、バイアスおよびフレーバー持ちこしによる影響を最小限に抑えた。
【0074】
甘味強度を時間に対してプロットし、全ての試料間で甘味の減衰を比較することを可能とした。各時点で分散分析および多重比較検定を使用してデータを解析して、試料のセット全体でおよび特定の試料間で甘味強度が区別される時間を特定した。
【0075】
結果
RebM標準溶液は、5分後、強く後を引く後味を示す。このことは、1分後の甘味の有意な低下、および3分後および5分後のさらなる低下にもかかわらず、甘味は、ドリンク製品において使用するのに適当であるほど十分に速く低下しない、ということを指摘している。図3に表示の式によって、トレンドラインの勾配(-2.8817)が示され、試料に対する後味の減少の速度が示されている。勾配を客観的尺度として使用して、試料の比較を行った。整数値がより大きいことは、甘味後引きの減衰の速度がより速いことを示唆する。
【0076】
2wt%のスクロースをRebMに添加した場合、後味はより速く消散し、5分後にはより減弱した。図4において、1分後、3分後に再び、最終的に5分後における、甘い後味における統計的に有意な低下が示されている。有意性集団におけるこのような段差(breaks)は、RebM単独に対して見られたのと同じである。結果と結果の間の差は、チャート上に表示の式に強調されている。RebM+2wt%のスクロース試料に対するラインの勾配は-4.06と測定され、RebM単独に対するもの(-2.8817)よりもはるかに急勾配の低下を示している。このことは、スクロースの存在によってRebMの甘味後引きがマスキングされることを、指摘している。
【0077】
より高濃度のスクロース試料についても調査し、図5に示した。5wt%のスクロースをRebMと組み合わせた場合、甘味後引き効果は、2%のスクロースが存在する場合よりも低減した。しかし、驚くべきことに、2wt%のスクロース試料と5wt%のスクロース試料との間の差は非常に小さい。2wt%のスクロースでの勾配は-4.06であり、5%では-4.6837である。このことは、甘味の低減は直接的に濃度依存性ではないことを指摘している。したがって、甘味後引きを低減させる上でのスクロースの効能とスクロースのカロリーの影響における低減との間に、実現可能な最適のバランスが存在する。
【0078】
スクラロースの添加の効果を図6図9に示す。スクラロースを添加した全ての試料に対して勾配値がより高いことによって示されているように、RebM溶液にスクラロースを添加すると、甘味後引きが薄れていく速度が高まる。しかし、スクラロースを有する試料の消費中に甘味が高まり、2口目にピークに達するので、この効果は弱まる。この結果、スクラロースを添加した試料は全て、5分の評価後にRebM単独と比較して、より高い甘味レベルまたは同じ甘味レベルのいずれかを有することになる。
【0079】
HFCSの添加の効果を図10および図11に示す。2.65wt%のHFCS添加は、RebM単独の-2.8817と比較して勾配が-3.224であり、5分後にRebMの甘味後引きを低減させる上で小さな効果を有する。しかし、1分の時点および2分の時点での低減はより顕著である。多量のHFCS(6.62wt%)を使用する場合、勾配は大きくなり、かつ5分での甘味後引きにおける低減もまた大きくなる(図11に示す)。このことは、HFCSを使用してRebMの甘味後引きを効果的にマスキングできることを、指摘している。
【0080】
【表2】
【0081】
要約すると、RebMをスクロースまたはHFCSのいずれかと組み合わせることによって、RebMの甘味後引き効果を低減させることが見られた。スクロースとの組合せは、低濃度のスクロースを使用してRebMの甘味後引きを有意に低減させることが可能であるという付加的利益を有していた。したがって、この組合せを効果的に使用して、甘味後引きを低減させるとともに低カロリーの飲料を維持することも可能である。
【0082】
スクラロースとの組合せでは、2口目での甘味強度が高まり、甘味強度は、RebM試料単独よりも5分間の初めから終わりまで高いまま残り、したがって、スクラロースの添加によってRebMの甘味後引きは低減しなかった。

本発明は、以下の態様を含み得る。
[1]
100ppm~600ppmの濃度のRebMと、0.5~5wt%の量のスクロースとを含み、RebM:スクロースのブリックス比が10:1~1:1である、飲料組成物。
[2]
前記スクロースが0.5~3wt%の濃度で存在する、[1]に記載の飲料組成物。
[3]
RebM:スクロースのブリックス比が5:1~1:1である、[1]または[2]に記載の飲料組成物。
[4]
100ppm~600ppmの濃度のRebMと、2~8wt%の量のHFCSとを含み、RebM:HFCSのブリックス比が10:1~1:1である、飲料組成物。
[5]
前記HFCSが3~7wt%の濃度で存在する、[4]に記載の飲料組成物。
[6]
RebM:HFCSのブリックス比が5:1~1:1である、[4]または[5]に記載の飲料組成物。
[7]
前記RebMが200ppm~600ppmの濃度で存在する、[1]から[6]のいずれかに記載の飲料組成物。
[8]
前記RebMが300ppm~600ppmの濃度で存在する、[1]から[7]のいずれかに記載の飲料組成物。
[9]
前記RebMが400ppm~600ppmの濃度で存在する、[1]から[8]のいずれかに記載の飲料組成物。
[10]
1.0~3.5kgf/cm のガス圧で二酸化炭素ガスを含む、[1]から[9]のいずれかに記載の飲料組成物。
[11]
2.0~3.0の範囲内のpHを有する、[1]から[10]のいずれかに記載の飲料組成物。
[12]
RebA、RebB、RebC、RebD、RebE、ステビオシド、モグロシドV、スクロース、HCFS、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、エリスリトールおよびそれらの組合せからなる群から選択される甘味料をさらに含む、[1]から[11]のいずれかに記載の飲料組成物。
[13]
カフェイン、シンナムアルデヒド、リン酸またはカラメル色素をさらに含む、[1]から12]のいずれかに記載の飲料組成物。
[14]
前記飲料の総甘味度が5~15ブリックス度である、[1]から[13]のいずれかに記載の飲料組成物。
[15]
飲料においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、前記飲料にスクロースを0.5~5wt%の量で添加するステップを含み、RebM:スクロースのブリックス比が10:1~1:1である、方法。
[16]
前記スクロースが0.5~3wt%の濃度で存在する、[15]に記載の方法。
[17]
RebM:スクロースのブリックス比が5:1~1:1である、[15]または[16]に記載の方法。
[18]
飲料においてRebMの甘味後引きを低減させる方法であって、2~8wt%の量で前記飲料にHFCSを添加するステップを含み、RebM:HFCSのブリックス比が10:1~1:1である、方法。
[19]
前記HFCSが3~7wt%の濃度で存在する、[18]に記載の方法。
[20]
RebM:HFCSのブリックス比が5:1~1:1である、[18]または[19]に記載の方法。
[21]
前記RebMが200ppm~600ppmの濃度で存在する、[15]から[20]のいずれかに記載の方法。
[22]
前記RebMが300ppm~600ppmの濃度で存在する、[15]から[21]のいずれかに記載の方法。
[23]
前記RebMが400ppm~600ppmの濃度で存在する、[15]から[22]のいずれかに記載の方法。
[24]
前記飲料が、1.0~3.5kgf/cm のガス圧で二酸化炭素ガスを含む、[15]から[23]のいずれかに記載の方法。
[25]
前記飲料が、2.0~3.0の範囲内のpHを有する、[15]から[24]のいずれかに記載の方法。
[26]
前記飲料が、RebA、RebB、RebC、RebD、RebE、ステビオシド、モグロシドV、スクロース、HCFS、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファムK、エリスリトールおよびそれらの組合せからなる群から選択される甘味料も含む、[15]から[25]のいずれかに記載の方法。
[27]
前記飲料が、カフェイン、シンナムアルデヒド、リン酸またはカラメル色素も含む、[15]から[25]のいずれかに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11