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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】フラッシュ閉鎖型熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28C 1/14 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
F28C1/14
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021563321
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2020085059
(87)【国際公開番号】W WO2020228474
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】201910407748.6
(32)【優先日】2019-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910663396.0
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521464477
【氏名又は名称】ジンケルン レフリッジレーション イクイップメント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】弁理士法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、 ジャングオ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、 チェンジュン
(72)【発明者】
【氏名】カン、 ジアンフィ
(72)【発明者】
【氏名】シエ、 ウェイボ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ、 ウェンジ
(72)【発明者】
【氏名】マオ、 トンチン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、 フイ
(72)【発明者】
【氏名】ハオ、 リシュアン
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特表2006-502364(JP,A)
【文献】中国実用新案第204854396(CN,U)
【文献】特開2003-074994(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28C 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖ハウジングを含み、
前記閉鎖ハウジングには、前記閉鎖ハウジングの内部に負圧環境を形成させる負圧ブロワが設けられ、
前記閉鎖ハウジング内には、霧化水を前記閉鎖ハウジングの内部に噴射することで前記霧化水を負圧環境で蒸発させて蒸気となるようにする水霧化装置が設けられており、
前記閉鎖ハウジングの一方側に、前記水霧化装置が設けられ、他方側に、前記負圧ブロワが設けられ、
前記閉鎖ハウジングの内部に、前記水霧化装置と前記負圧ブロワとの間に位置する熱交換装置が設けられ、
前記負圧ブロワと前記熱交換装置との間に第1の静圧室が形成され、
前記水霧化装置と前記熱交換装置との間に第2の静圧室が形成され、
前記負圧ブロワによって前記第2の静圧室内に負圧環境を形成させ、前記水霧化装置によって前記霧化水を前記第2の静圧室内に噴射することで前記霧化水を蒸発させて蒸気となるようにし、
前記第2の静圧室内には、前記閉鎖ハウジング内の蒸気の流れを促進可能な調圧装置が設けられていることを特徴とするフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項2】
前記負圧ブロワの排風量が、前記閉鎖ハウジング内の前記霧化水の蒸発量よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項3】
前記閉鎖ハウジング内の負圧環境の圧力が、環境大気圧よりも20Pa以上低いことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項4】
前記第2の静圧室内の圧力が、環境大気圧よりも20Pa以上低いことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項5】
前記調圧装置は、吸気口が前記閉鎖ハウジング外に設けられ、排気口が前記閉鎖ハウジング内に設けられ、
調整される気流が、前記調圧装置によって前記閉鎖ハウジング内に入ることで前記閉鎖ハウジング内の蒸気の流れを促進可能であることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項6】
前記調圧装置が、管状構造であり、
前記管状構造は、一端が前記吸気口が設けられた開口端であり、他端が閉鎖端であり、
前記管状構造の開口端が前記閉鎖ハウジング外に位置し、
前記管状構造における前記閉鎖ハウジング内に位置する部分には複数の前記排気口が設けられ、
調整される気流が、前記管状構造の開口端及び排気口を介して前記閉鎖ハウジング内に入ることを特徴とする請求項5に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項7】
前記調圧装置が、ファンであることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項8】
前記ファンが、前記閉鎖ハウジングの内部に設けられていることを特徴とする請求項7に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項9】
前記熱交換装置が、角形構造であり、
前記角形構造の一方側に前記水霧化装置が対応して設けられ、相対する他方側に前記負圧ブロワが対応して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項10】
前記閉鎖ハウジング内に、複数の熱交換装置が間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項9に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項11】
前記水霧化装置が、前記閉鎖ハウジングの下部に設けられ、
前記負圧ブロワが、前記閉鎖ハウジングの上部に設けられ、
前記水霧化装置が、生成された前記霧化水を前記閉鎖ハウジング内に下から上へ噴射することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項12】
前記水霧化装置が、前記閉鎖ハウジングの上部に設けられ、
前記負圧ブロワが、前記閉鎖ハウジングの側壁の下部に設けられ、
前記水霧化装置が、生成された霧化水を前記閉鎖ハウジング内に上から下へ噴射することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項13】
前記熱交換装置が、V字状構造であり、
前記水霧化装置が、V字状構造の二つの外側面に対応して設けられ、
前記負圧ブロワが、V字状構造の中央部チャンバーに対応して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項14】
前記熱交換装置が、円筒状構造であり、
前記水霧化装置が、円筒状構造の外側面に対応して設けられ、
前記負圧ブロワが、円筒状構造の内部の空洞に対応して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項15】
前記熱交換装置が、凝縮器であることを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【請求項16】
前記閉鎖ハウジング上に吸気パイプラインと排気パイプラインが設けられ、
前記排気パイプラインが、前記吸気パイプラインよりも前記負圧ブロワに近接して設けられ、
前記吸気パイプラインが、前記排気パイプラインよりも前記負圧ブロワから離れて設けられ、
冷却される物質が、前記吸気パイプラインを介して前記閉鎖ハウジング内に入り、前記排気パイプラインを介して前記閉鎖ハウジング外に排出されることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のフラッシュ閉鎖型熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関し、特に、フラッシュ閉鎖型熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器は、冷熱媒体の間の熱量の交換を行うための機器であり、「Heat exchanger」とも呼ばれる。
熱交換器は、化学工業、石油、動力、食品及びその他の多くの工業生産において重要な地位を占めており、実際の生産において、熱交換器は、ヒーター、冷却器、凝縮器、蒸発器及びリボイラーなどとして、広く利用されている。
【0003】
従来の熱交換器は、通常、1つの開放式のキャビティを含み、このキャビティ内に熱交換コイルが設けられ、多くの低温の室外の自然風は、開放式キャビティ内に入り、熱交換コイルを流れている時に熱交換コイルの熱量を吸収して高温空気になり、キャビティ外に排出されることにより、熱交換コイル内の媒体に対する冷却効果を実現する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の空冷式熱交換器の問題点は、熱交換器の冷凍効果が外部環境から影響を大きく受け、外部自然風の温度と湿度が低いと、自然風と熱交換コイルとの熱交換効率が高く、熱交換器の冷凍効果がよくなり、外部自然風の温度又は湿度が高すぎると、自然風と放熱コイルとの間の熱交換効率が悪くなるため、熱交換器全体の冷凍効果に深刻な影響を与え、冷凍できないというものである。
【0005】
この問題を解決するために、従来の熱交換器は、改良された。
図1に示すように、開放式キャビティ1の吸気口には、噴出された水が噴出ヘッドの周りの自然風温度を低下させることができる噴出ヘッド2が設けられ、開放式キャビティ1内に入った自然風温度がある程度低下したため、自然風と熱交換コイル3の熱交換効率がある程度向上し、そのため、このような改良された熱交換器は、従来の熱交換器に比べて冷凍効果がより高い。
【0006】
しかし、このような改良された熱交換器は、その熱交換効果が依然として外部自然風の温度及び湿度から影響を受けて、且つ、その影響が非常に大きい。
特に、高温多湿の地域では、このような熱交換器の冷凍効果が依然として悪く、且つ、エネルギー消費が非常に大きく、冷凍ニーズを満たすことは、ますます難しくなっている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、閉鎖ハウジング内において水の液体状態から気体状態への変換を促進することで、吸熱して冷熱を放出して閉鎖ハウジング内の温度を低下させ、さらに、熱交換装置内の媒体を冷却し、又は、閉鎖ハウジング内の媒体を直接的に冷却するフラッシュ閉鎖型熱交換器を提供するものである。
具体的には、以下の通りである。
すなわち、フラッシュ閉鎖型熱交換器は、閉鎖ハウジングを含み、この閉鎖ハウジングには、閉鎖ハウジングの内部に負圧環境を形成させる負圧ブロワが設けられ、閉鎖ハウジング内には、霧化水を閉鎖ハウジングの内部に噴射することで、霧化水を負圧環境で蒸発させて蒸気となる水霧化装置が設けられている。
【0008】
さらに、その負圧ブロワの排風量は、閉鎖ハウジング内の霧化水の蒸発量よりも大きい。
【0009】
さらに、閉鎖ハウジング内の負圧環境の圧力は、環境大気圧よりも20Pa以上低い。
【0010】
さらに、この閉鎖ハウジングの一方側に水霧化装置が設けられ、他方側に負圧ブロワが設けられ、閉鎖ハウジングの内部には、水霧化装置と負圧ブロワとの間に位置する熱交換装置が設けられ、負圧ブロワと熱交換装置との間に第1の静圧室が形成され、水霧化装置と熱交換装置との間に第2の静圧室が形成され、負圧ブロワによって第2の静圧室内に負圧環境を形成させ、水霧化装置が霧化水を第2の静圧室内に噴射することで、霧化水を蒸発させて蒸気となる。
【0011】
さらに、第2の静圧室内の圧力は、環境大気圧よりも20Pa以上低い。
【0012】
さらに、この第2の静圧室内には、閉鎖ハウジング内の蒸気の流れを促進可能な調圧装置が設けられている。
【0013】
さらに、この調圧装置は、吸気口が閉鎖ハウジング外に設けられ、排気口が閉鎖ハウジング内に設けられ、調整される気流が調圧装置によって閉鎖ハウジング内に入ることで、閉鎖ハウジング内の蒸気の流れを促進可能である。
【0014】
さらに、この調圧装置は、管状構造であり、この管状構造は、一端が開口端であり、他端が閉鎖端であり、そして、この管状構造の開口端が、閉鎖ハウジング外に位置し、管状構造における閉鎖ハウジング内に位置する部分には、複数の排気孔が設けられ、調整される気流は、管状構造の開口端、排気孔を介して閉鎖ハウジング内に入る。
【0015】
さらに、調圧装置は、ファンである。
【0016】
さらに、このファンは、閉鎖ハウジングの内部に設けられている。
【0017】
さらに、熱交換装置は、角形構造であり、この角形構造の一方側に水霧化装置が対応して設けられ、対応する他方側に負圧ブロワが対応して設けられている。
【0018】
さらに、閉鎖ハウジング内には、複数の熱交換装置が間隔をおいて設けられている。
【0019】
さらに、水霧化装置は、閉鎖ハウジングの下部に設けられ、負圧ブロワは、閉鎖ハウジングの上部に設けられ、水霧化装置は、生成された霧化水を閉鎖ハウジング内に下から上へ噴射する。
【0020】
さらに、水霧化装置は、閉鎖ハウジングの上部に設けられ、負圧ブロワは、閉鎖ハウジングの側壁に設けられ、負圧ブロワは、閉鎖ハウジングの側壁の下部に近接して設けられ、水霧化装置は、生成された霧化水を閉鎖ハウジング内に上から下へ噴射する。
【0021】
さらに、熱交換装置は、V字状構造であり、水霧化装置は、V字状構造の二つの外側面に対応して設けられ、負圧ブロワは、V字状構造の中央部チャンバーに対応して設けられている。
【0022】
さらに、この熱交換装置は、円筒状構造であり、水霧化装置は、円筒状構造の外側面に対応して設けられ、負圧ブロワは、円筒状構造の内部の空洞に対応して設けられている。
【0023】
さらに、熱交換装置は、凝縮器である。
【0024】
さらに、閉鎖ハウジング上に吸気パイプラインと排気パイプラインが設けられ、そして、排気パイプラインは、負圧ブロワに近接して設けられ、吸気パイプラインは、負圧ブロワから離れて設けられ、冷却される物質は、吸気パイプラインを介して閉鎖ハウジング内に入り、排気パイプラインを介して閉鎖ハウジング外に排出される。
【0025】
本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器は、以下の利点を有し、
1、閉鎖された負圧環境において、霧化水の蒸発を促進して閉鎖環境内の全体温度を低下させ、熱交換装置は、低温環境において放射により冷凍という効果を達成することができ、外部自然風の温度と湿度からの影響を受けず、より多くの異なる環境の地域に適用することができ、
2、冷凍過程において、外部環境との対流熱伝達を必要としないため、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器の設備容量が小さく、機器全体が占有された場所が小さく、取り付けやすく、空間を節約し、
3、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器は、完全に霧化水の蒸発によって冷凍を実現し、水が液体状態から気体状態になる過程では冷熱を放出して冷凍することができ、同時に機器が排出する蒸気の温度も上昇しないため、冷凍過程において、実際に熱量が大気に放出されず、ヒートアイランド効果が発生せず、冷凍効率が高いだけではなく、冷凍効果が安定で確実である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来の熱交換器である構成を示す模式図。
図2】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例1の内部構成を示す模式図。
図3】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例2の内部構成を示す模式図。
図4】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例3の内部構成を示す模式図。
図5】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例3の内部構成を示す模式図。
図6】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例4の内部構成を示す模式図。
図7】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例5の内部構成を示す模式図。
図8】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例6の内部構成を示す模式図。
図9】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例7の側面断面図。
図10】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例7の平面断面図。
図11】本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器である実施例8の内部構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の目的、構成及び機能をよりよく理解するために、以下、図面を参照して、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器をさらに詳しく説明する。
【0028】
本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器は、閉鎖ハウジングを含み、この閉鎖ハウジングの側壁には、閉鎖ハウジングの内部の環境を安定した負圧状態に保持することができる負圧ブロワが設けられている。
そして、この閉鎖ハウジングの内部には、水霧化装置が設けられ、この水霧化装置は、水を霧状の霧化水に変換することができ、霧化水が、閉鎖ハウジング内の負圧環境に散布して急速に冷湿蒸気になるようにフラッシュされ、冷熱を放出することで、閉鎖ハウジング内の環境温度を低下させる。
【実施例1】
【0029】
図2に示すように、本発明の実施例1であるフラッシュ閉鎖型熱交換器は、矩形を呈し、パネル構造により囲まれ、内部に収納チャンバーが設けられた閉鎖ハウジング101を含む。
そして、この収納チャンバーの底部には、生成された霧化水を収納チャンバー内に下から上へ噴射する水霧化装置102が設けられ、収納チャンバーの頂部には、閉鎖ハウジング101内のガスを閉鎖ハウジング101外に連続的に排出して収納チャンバー内に均一で安定した負圧環境を形成させる負圧ブロワ103が設けられている。
好ましくは、負圧ブロワ103の排風量は、閉鎖ハウジング101内の霧化水の蒸発量よりも大きくすることにより、一方では、閉鎖ハウジング101内の蒸気を十分に排出して、霧化水の蒸発効率を向上させ、他方では、閉鎖ハウジング101内の負圧環境を保持することができる。
【0030】
この水霧化装置102により生成された霧化水は、収納チャンバーの負圧環境において急速にフラッシュされ、水霧から相変化して蒸気になり、熱量を吸収して、閉鎖ハウジング101内の環境温度を低下させる。
そして、霧化水からフラッシュされた蒸気が、負圧ブロワ103によって閉鎖ハウジング101外に排出できることにより、収納チャンバー内の霧化水は、連続的に蒸発して蒸気となり、冷熱を放出し、蒸気が、再び、負圧ブロワ103によって閉鎖ハウジング101外に不断に排出されることで、冷凍を完了する。
したがって、この閉鎖ハウジング101内の低温環境を利用して、物質を冷却したり、温度を下げたりするなどのことができる。
【0031】
具体的には、水霧化装置102は、閉鎖ハウジング101の底部に設けられ、この閉鎖ハウジング101外の水タンク又は水管に連通し、閉鎖ハウジング101内に連続的に給水する給水パイプラインを含み、給水パイプラインは、一本の直線状の管路であってもよく、二本又は複数本の管路が並設してもよく、又は、一本の管路を採用してディスク状に周回するように設けてもよい。
給水パイプラインには、複数の高圧霧化ノズルが分散して設けられ、給水パイプラインにおける水は、高圧霧化ノズルによって噴出され、霧状の霧化水を形成し、収納チャンバー内に散布することができる。
無論、高圧霧化ノズルを超音波霧化器に置き換えて、霧化水を形成してもよい。
【実施例2】
【0032】
図3に示すように、本発明の実施例2であるフラッシュ閉鎖型熱交換器は、矩形を呈し、パネル構造により囲まれ、内部に収納チャンバーが設けられた閉鎖ハウジング201を含む。
そして、この収納チャンバーの頂部には、霧化水を収納チャンバー内に上から下へ噴射する水霧化装置202が設けられ、この収納チャンバーの底部に近接する閉鎖ハウジング201の側壁には、閉鎖ハウジング201内のガスを閉鎖ハウジング201外に連続的に排出して、収納チャンバー内に均一で安定した負圧環境を形成させる負圧ブロワ203が設けられている。
好ましくは、この負圧ブロワ203の排風量は、閉鎖ハウジング201内の霧化水の蒸発量よりも大きくすることにより、一方では、閉鎖ハウジング201内の蒸気を十分に排出して、霧化水の蒸発効率を向上させ、他方では、閉鎖ハウジング201内の負圧環境を保持することができる。
【0033】
そして、水霧化装置202は、閉鎖ハウジング201の頂部に設けられ、この閉鎖ハウジング201外の水タンク又は水管に連通し、閉鎖ハウジング201内に連続的に給水する給水パイプラインを含む。
この給水パイプラインには、複数の高圧霧化ノズルが分散して設けられ、給水パイプラインにおける水は、高圧霧化ノズルによって噴出され、霧状の霧化水を形成し、収納チャンバー内に散布することができる。
【0034】
水霧化装置202により生成された霧化水は、収納チャンバーの負圧環境において急速にフラッシュされ、水霧から相変化して蒸気になり、熱量を吸収して閉鎖ハウジング201内の環境温度を低下させ、霧化水からフラッシュされた蒸気が負圧ブロワ203によって閉鎖ハウジング201外に不断に排出することができる。
【0035】
以上の実施例1と実施例2によれば、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器における基本的な冷却原理は、閉鎖環境において液体状態から気体状態への水の蒸発を促進して冷熱を放出することである。
その中に、水の蒸発を促進する要因は、(1)水の表面積が大きいほど、水の蒸発への寄与が大きくなること、(2)存在する環境の負圧値が大きいほど、水分子同士が互いに脱離して蒸気を形成しやすくなることである。
【0036】
上記の冷却原理に基づき、本発明において、液体状態から気体状態への水の蒸発を促進する具体的な方法は、以下の通りである:
第一、水霧化装置を採用して水を小さな霧粒に霧化し、霧粒状の水の表面積が大幅に増加することで、蒸発を加速することができ、同時に、霧粒状の水の動きは、活発になり、閉鎖ハウジング内で四散して浮かんで、熱交換と蒸発を加速することができる。
第二、閉鎖ハウジングは、負圧ブロワと協働することで、閉鎖ハウジング内の空間が常に負圧環境を保持し、閉鎖ハウジング内の圧力が環境大気圧よりも20Pa以上低く、この場合、元々既に小霧粒に霧化された水は、その表面の水分子がさらに霧粒の本体から脱離して蒸気に変換することはより容易となる。
ここで、この環境大気圧とは、フラッシュ閉鎖型熱交換器が位置する作業環境の大気圧値である。
【実施例3】
【0037】
本発明の実施例3であるフラッシュ閉鎖型熱交換器は、一方側に水霧化装置302が設けられ、他方側に負圧ブロワ303が設けられた閉鎖ハウジング301を含んでおり、閉鎖ハウジング301の内部に、水霧化装置302と負圧ブロワ303との間に位置する熱交換装置が設けられ、負圧ブロワ303と熱交換装置との間に第1の静圧室が形成され、水霧化装置302と熱交換装置との間に第2の静圧室が形成され、負圧ブロワ303によって第2の静圧室内に負圧環境を形成させ、水霧化装置302が霧化水を第2の静圧室内に噴射することで、霧化水を蒸発させて冷湿蒸気となる。
【0038】
実施例3における基本的な冷却原理は、閉鎖環境において、液体状態から気体状態への水の蒸発を促進し、冷熱を放出することである。
さらに、水の蒸発を促進する要因は、(1)水の表面積が大きいほど、水の蒸発への寄与が大きくなること、(2)存在する環境の負圧値が大きいほど、水分子同士が互いに脱離して蒸気を形成しやすくなること、(3)温度が高いほど、水の蒸発が速くなることである。
【0039】
上記の冷却原理に基づき、本発明において液体状態から気体状態への水の蒸発を促進する具体的な方法は、以下の通りである:
第一、水霧化装置を採用して水を小さな霧粒に霧化し、霧粒状の水の表面積が大幅に増加することで、蒸発を加速することができ、同時に、霧粒状の水の動きは、活発になり、閉鎖ハウジング内で四散して浮かんで、熱交換と蒸発を加速することができる。
第二、閉鎖ハウジングは、負圧ブロワと協働することで、閉鎖ハウジング内の第2の静圧室と第1の静圧室が常に負圧環境を保持し、第2の静圧室内の圧力が環境大気圧よりも20Pa以上低く、この場合、元々既に小霧粒に霧化された水は、その表面の水分子がさらに霧粒の本体から脱離しやすくなり、蒸気に変換することは、より容易となる。
ここでの環境大気圧とは、フラッシュ閉鎖型熱交換器が位置する作業環境の大気圧値である。
第三、熱交換装置内に流入した高温の媒体は、閉鎖ハウジング内で冷熱を吸収して熱量を放出することで、熱交換を完了し、この場合、熱交換装置は、放射熱を生じるので、霧粒が熱交換装置に近づくと、放射熱の作用で蒸発を加速し、さらに高温の媒体の熱量を吸収して、その温度を低下させる。
【0040】
なお、蒸気に完全に蒸発していない小霧粒は、熱交換装置を通過する時に、熱交換装置と直接的に接触する方式により熱交換を行うことも可能であり、降温と冷凍を補助する作用を果たす。
水が霧化され霧粒になると体積が小さくなるので、より四散して浮かいやすくなり、これにより、霧粒の流動性を向上させ、急速に熱交換装置との熱交換を完了することができ、且つ、小体積の霧粒は、直接的に接触して熱交換する過程において、ほとんどの部分が吸熱し、蒸発して蒸気となり、冷凍効率を大幅に向上させることができる。
【0041】
特に説明すべきは、従来の風冷機器の原理と相違し、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器が採用したハウジングは、閉鎖式であり、この閉鎖ハウジングは、室外風がハウジング内に入ることを抑制し、過剰な室外風が閉鎖ハウジング内に入ってこの閉鎖ハウジング内の霧化水の蒸発に影響を与えることを防止するためのものである。
従来の風冷機器は、全く、逆であり、風が機器における熱交換装置を流れたことによって熱交換と冷凍を実現するため、機器ハウジング内に入った風量が大きいほど、風冷機器の冷凍効果が高くなる。
【0042】
さらに説明すると、本発明における閉鎖ハウジングは、完全に密封されたハウジングと同等ではなく、実際の生産において、板材と板材との間又は板材と各構成部品との間の継ぎ目には、隙間が存在することが可能であり、負圧ブロワが風を外に排出する場合、外部環境における空気は、隙間を介して閉鎖ハウジング内に入る可能性がある。
このような少量の吸気は、閉鎖ハウジング内の全体的な負圧環境に影響を与えず、負圧ブロワの回転数又は調圧装置を調整することにより、閉鎖ハウジング内の負圧環境を比較的安定した圧力値にすることができるため、霧化水の蒸発効果に影響を与えず、即ち、機器の冷凍効果に影響を与えない。
【0043】
本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器は、閉鎖した負圧環境において霧化水の蒸発を促進することで、閉鎖環境内の全体温度を低下させ、冷凍という効果を達成し、外部自然風の温度と湿度からの影響を受けず、より多くの異なる環境の地域に適応することができ、冷凍効率が高く、且つ冷凍効果が安定で確実である。
【0044】
具体的には、図4に示すように、本発明の実施例3であるフラッシュ閉鎖型熱交換器は、矩形を呈し、パネル構造により囲まれてなり、内部に収納チャンバーが設けられた閉鎖ハウジング301を含む。
【0045】
この収納チャンバーの底部には、水霧化装置302が設けられ、収納チャンバーの頂部には、負圧ブロワ303が設けられ、収納チャンバーの中央部には、水霧化装置302と負圧ブロワ303との間に位置する熱交換装置304が設けられている。
さらに、本実施例に用いる熱交換装置304は、角形のコイル式凝縮器であるが、この熱交換装置は、従来の他の熱交換器であってもよく、凝縮器に限定されるものではない。
【0046】
また、熱交換装置304と水霧化装置302との間には第2の静圧室305が形成され、熱交換装置304と負圧ブロワ303との間には第1の静圧室306が形成され、負圧ブロワ303が、閉鎖ハウジング301内のガスを閉鎖ハウジング301外に連続的に排出して、第2の静圧室305と第1の静圧室306内に均一で安定した負圧環境を形成させる。
好ましくは、負圧ブロワ303の排風量は、閉鎖ハウジング301内の霧化水の蒸発量よりも大きくすることにより、一方では、閉鎖ハウジング301内の蒸気を十分に排出して、霧化水の蒸発効率を向上させ、他方では、閉鎖ハウジング301内の負圧環境を保持することができる。
【0047】
水霧化装置302は、生成された霧化水を第2の静圧室305内に噴射し、霧化水が、第2の静圧室305の負圧環境において急速に蒸発して、水霧から相変化して蒸気になり、熱量を吸収して閉鎖ハウジング301内の環境温度を低下させ、熱交換装置304内の高温の媒体が、閉鎖ハウジング301内の低温環境を通過する時に冷熱を吸収して、高温の媒体の温度を低下させる。
【0048】
第1の静圧室306内も負圧環境であるため、第2の静圧室305内で蒸発された蒸気は、熱交換装置304を通して第1の静圧室306に入り、そして、負圧ブロワ303によって閉鎖ハウジング301外に排出される。
これによって、第2の静圧室305における霧化水は、不断に蒸発して蒸気となり、冷熱を放出し、蒸気が再び負圧ブロワ303によって閉鎖ハウジング301外に不断に排出されることで、冷凍を完了する。
【0049】
具体的には、水霧化装置302が、第2の静圧室305の底部に設けられ、閉鎖ハウジング301外の水タンク又は水管に連通し、閉鎖ハウジング301内に連続的に給水する給水パイプラインを含み、この給水パイプラインは、一本の直線状の管路であってもよく、二本又は複数本の管路が並設してもよく、又は、一本の管路を採用してディスク状に周回するように設けてもよい。
給水パイプラインには、複数の高圧霧化ノズルが分散して設けられ、この給水パイプラインにおける水は、高圧霧化ノズルによって噴出され、霧状の霧化水を形成し、第2の静圧室305内に散布することができる。
好ましくは、高圧霧化ノズルは、霧化水をよりよく熱交換装置304に噴射するように、いずれも熱交換装置304の位置する方向に向けて設けられる。
当然、高圧霧化ノズルを超音波霧化器に置き換えて、霧化水を形成してもよい。
【0050】
さらに、第2の静圧室305内には、閉鎖ハウジング301内の蒸気及び霧化水の流れを促進できる調圧装置307が設けられている。
具体的には、調圧装置307は、水霧化装置302に近接して設けられた一本の細長いパイプを含み、このパイプの第1端が延伸して第2の静圧室305内に入った閉鎖端であり、パイプの第2端が閉鎖ハウジング301外に位置する開放端であり、パイプは、第2の静圧室305内の部分に位置し、管壁に複数の排気孔が分散して開設される。
フラッシュ閉鎖型熱交換器が動作する場合、少量の室外空気は、パイプの第2端を介してパイプ内に入り、複数の排気孔を介して水霧化装置302に吹き付けることで、第2の静圧室305内の霧化水及び蒸気の流れを加速して、霧化水の蒸発及び蒸気の排出を促進する。
【0051】
そして、このパイプの第2端である開放端には、シールカバーが設けられ、第2の静圧室305内の霧化水及び蒸気の流れを促進する必要がない場合、シールカバーを付けて空気の進入を遮断し、調圧装置307を閉じることができ、シールカバーの密閉度を調整することにより、空気の進入量を制御し、第2の静圧室305内の霧化水及び蒸気の流れの程度を調整することもできる。
【0052】
なお、図5に示すように、調圧装置は、1つ又は複数のファンであってもよく、ファンは、水霧化装置302に近接して設けられ、ファンの回転は、閉鎖ハウジング301内の蒸気及び霧化水の流れを促進することができる。
【0053】
さらに説明すると、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器の基本的な冷凍原理に基づき、本発明に用いる閉鎖ハウジングは、外部自然風が閉鎖ハウジングの内部に入ることを抑制する必要があり、これは、本発明に用いる調圧装置と衝突しない。
第一、調圧装置は、外部自然風を閉鎖ハウジング内に進入させるものの、このような進入可能な風量が非常に小さく、上記のハウジング板材と板材との間の隙間を介して入った自然風と類似し、いずれも、機器の正常運転に影響を与えず、
第二、調圧装置が設けられた目的は、微気流の動きにより霧化水及び水が蒸発した後の蒸気の流れを促進し、一方では、蒸気の第2の静圧室から第1の静圧室への動きを加速して、蒸気の排出を促進し、他方では、霧化水の蒸発を促進することである。
つまり、調圧装置によって閉鎖ハウジング内に入った少量の自然風自体は、熱交換装置を冷却する効果に達成できず、これは、従来の風冷機器と本質的な区別を持っている。
【0054】
本発明は、フラッシュ式熱交換器に基づく冷凍方法をさらに提供し、以下のようなステップを含み、即ち、水霧化装置302のノズルから噴出された、低温で霧化された小水滴は負圧ブロワ303の作用で、徐々にエアロゾル領域(図4では、第2の静圧室305)から順に熱交換領域、高い負圧空間領域(図4では、第1の静圧室306)に向かい、熱交換装置304から排出するまで浮遊して移動しており、浮遊して移動する過程全体において、各小水滴は、熱交換装置304から放射された熱量を不断に吸収し、小水滴の表面の水分子が、負圧と放射の二重作用で小水滴の内部の作用力から離脱して逃げてから、気体状態の水分子を形成し、連続的に供給された霧化水は、熱交換装置304内の熱量を絶えず携帯して排出し、熱交換装置304内の冷凍媒体の温度を低下させ、水蒸気と蒸発していない小水滴は、負圧の作用で閉鎖ハウジング301から排出する。
そして、この閉鎖ハウジング301から構成されたキャビティは、負圧ブロワ303に近い部分に高い負圧領域を形成し、キャビティ内の水蒸気を閉鎖ハウジング301から連続的に排出し、熱交換装置304が配置された部分は、熱交換領域であり、水霧化装置302に近接する部分は、エアロゾル領域である。
マクロの立場から見ると、水滴がキャビティで下から上への過程において、負圧の作用により水滴の表面の水分子は、非沸騰相変化の蒸発による熱吸収によって熱交換装置304内の熱量を絶えず携帯することで、熱交換装置304内の媒体の温度を低下させる効果を果たす。
【0055】
また、前記調圧装置307は、水霧化装置302に近接して設置され、この調圧装置307によって進入したガスと、分散して負圧環境にある閉鎖ハウジング301のキャビティ内に浮上する水霧とが、エアロゾルを形成し、熱交換装置304が、水霧との放射熱交換を行い、水霧が、非沸騰相変化を行って熱量を奪い、水蒸気と蒸発してない水霧を大気に直接的に放出する。
【0056】
一例として、前記閉鎖ハウジング301の内壁及び/又は熱交換装置304の表面には、撥水剤が塗布され、この撥水剤が、無汚染で無公害の超疎水性物質に属し、噴出した微細な水滴が、衝突して超大型の水滴になるように結合して閉鎖ハウジング301の内壁と熱交換装置304の表面で結合することを最大限に回避し、壁にかける水滴を形成して熱交換効率に影響を与えることを回避する。
そして、エアロゾル領域に浮上している細かい水滴が、熱交換装置304とより長時間の十分な放射熱交換を行う。
前記負圧ブロワ303は、磁気浮上負圧ブロワであり、この磁気浮上負圧ブロワは、磁気浮上軸受、高速永久磁石同期モータ、高効率インバータによる調速などの技術を採用して、起動の場合、先に浮上してから回転し、摩擦がなく、潤滑する必要がなく、従来の磁気浮上負圧ブロワの構成を採用することができ、具体的な構成について、ここで贅言しない。
そして、この磁気浮上負圧ブロワによって、相対的に閉鎖された閉鎖ハウジング301の内部に、より低い負圧環境を形成させ、小水滴の広義の蒸発熱交換量を強化する。
磁気浮上送風機は、送風機の回転数を増加することで、閉鎖ハウジング301内の負圧がより高くなり、より高い冷凍効率を得ることができる。
水霧化装置302は、水霧を噴出した後に第1回の降温機能を持ち、そのため、異なる温度条件と湿度条件で、いずれも水を直接的に使用することができ、水を処理する必要がなく使用要件を満たすことができ、さらにコストを低減する。
【0057】
前記水霧化装置302は、高圧ポンプ霧化器を選択することができ、前記高圧水ポンプによって生成された高圧水がノズルで霧化され、又は、前記水霧化装置302は、圧縮空気式霧化器を選択することができ、前記噴出ヘッドが、空気圧縮機のインターフェースによって空気圧縮機に接続され、入水口によって貯水装置に接続され、水が、空気圧縮機で生じた高圧ガスの作用で霧化され、又は、前記水霧化装置302は、超音波霧化器を選択することができ、前記超音波霧化器は、超音波と協働して水を霧化する超音波霧化シートを含む。
【実施例4】
【0058】
図6に示すように、本発明の実施例4であるフラッシュ閉鎖型熱交換器は、矩形を呈し、パネル構造により囲まれてなり、内部に収納チャンバーが設けられた閉鎖ハウジング401を含む。
そして、収納チャンバーの頂部には、水霧化装置402が設けられ、この収納チャンバーの底部に近接する閉鎖ハウジング401の側壁には、負圧ブロワ403が設けられ、収納チャンバーの中央部には、水霧化装置402と負圧ブロワ403との間に位置する熱交換装置404が設けられている。
【0059】
熱交換装置404と水霧化装置402との間には第2の静圧室405が形成され、熱交換装置404と負圧ブロワ403との間には第1の静圧室406が形成され、負圧ブロワ403が、閉鎖ハウジング401内のガスを閉鎖ハウジング401外に連続的に排出して、第2の静圧室405と第1の静圧室406内に均一で安定した負圧環境を形成させる。
【0060】
水霧化装置402は、生成された霧化水を第2の静圧室405内に噴射し、この霧化水が、第2の静圧室405の負圧環境において急速に蒸発して、水霧から相変化して蒸気になり、熱量を吸収して、閉鎖ハウジング401内の環境温度を低下させ、熱交換装置404内の高温の媒体が、閉鎖ハウジング401内の低温環境を通過する時に冷熱を吸収して、高温の媒体の温度を低下させる。
【0061】
第2の静圧室405内で蒸発された蒸気は、熱交換装置404を通して第1の静圧室406に入り、そして、負圧ブロワ403によって閉鎖ハウジング401外に排出され、完全に蒸発していない又は十分に霧粒に霧化されない水は、熱交換装置404を流れてから水回收管路が設けられた第1の静圧室406の底部に流れ、第1の静圧室406の底部に集められた水は、水回收管路を介して第1の静圧室406外に排出することができる。
これによって、第2の静圧室405中の霧化水は、不断に蒸発して蒸気となり、冷熱を放出し、蒸気がさらに負圧ブロワ403によって閉鎖ハウジング401外に不断に排出されることで、冷凍を完了する。
【0062】
好ましくは、水回收管路と水霧化装置402とが連通して、水回收管路によって排出された水が回收された後に、再び、水霧化装置402を通過して霧化する。
【0063】
具体的には、水霧化装置402は、第2の静圧室405の頂部に設けられ、閉鎖ハウジング401外の水タンク又は水管に連通し、閉鎖ハウジング401内に連続的に給水する給水パイプラインを含み、この給水パイプラインに複数の高圧霧化ノズルが分散して設けられ、給水パイプラインにおける水は、高圧霧化ノズルによって噴出され、霧状の霧化水を形成して、第2の静圧室405内に散布することができる。
【実施例5】
【0064】
図7に示すように、実施例3との相違点は、実施例5に用いた閉鎖ハウジング501内の熱交換装置504は、3組を含み、これら3組の熱交換装置504は、上下に間隔をおいて配置し、各組の熱交換装置504の下方に水霧化装置502が対応して設けられている。
閉鎖ハウジング501の頂部には負圧ブロワ503が設けられ、最も上方に位置する熱交換装置504と閉鎖ハウジング501との間には第1の静圧室506が形成され、負圧ブロワ503が回動することで、3組の熱交換装置504とそれぞれの対応する水霧化装置502との間に負圧環境を形成させ、霧化水から蒸気への相変化を促進し、蒸気が、熱交換装置504を通して第1の静圧室506に入って、負圧ブロワ503によって閉鎖ハウジング501外に排出される。
【0065】
無論、実施例5における熱交換装置504は、上下に間隔をおいて配置された2組又は複数組であってもよい。
【実施例6】
【0066】
図8に示すように、実施例3との相違点は、実施例6に用いた閉鎖ハウジング601内の熱交換装置604は、V字状に設けられ、このV字状の熱交換装置604のV字開口の部位が、閉鎖ハウジング601頂部の負圧ブロワ603に向かって設けられていることである。
【0067】
また、V字状の熱交換装置604の両側に近接する閉鎖ハウジング601の内面には、水霧化装置602が設けられ、閉鎖ハウジング601の底部にも、水霧化装置602が設けられ、この水霧化装置602とV字状の熱交換装置604との間には、第2の静圧室605が形成され、V字状の熱交換装置604の中間部位と負圧ブロワ603との間には、第1の静圧室606が形成されている。
【0068】
そして、この負圧ブロワ603は、回動することで、閉鎖ハウジング601内の第2の静圧室605と第1の静圧室606に負圧環境を形成させ、水霧化装置602は、高圧霧化ノズルによって霧化水をV字状の熱交換装置604に噴射し、霧化水が、第2の静圧室605内で蒸発して蒸気となり、この蒸気が、熱交換装置604を通して第1の静圧室606に入り、負圧ブロワ603によって閉鎖ハウジング601外に排出される。
【0069】
さらに、水霧化装置602に近接する閉鎖ハウジング601に、V字状の熱交換装置604の両側に対称的に設置された二つのファンを含む調圧装置607が設けられ、ファンが水霧化装置602の隣に位置し、ファンが回動して閉鎖ハウジング601内の蒸気及び霧化水の流れを促進することができる。
無論、ファンは、水霧化装置602に直接的に設置してもよく、設置する数が1つ又は複数であってもよい。
【0070】
ファンは、完全に閉鎖ハウジング601の内部に位置するように閉鎖ハウジング601の内側壁に固定設置することができ、閉鎖ハウジング601の側壁に小円孔を開設し、ファンを小円孔内に設置することで、少量の外部自然風が、ファンによって閉鎖ハウジング601の内部に入って、蒸気と霧化水の流れを促進することもできる。
【0071】
このようなV字状の熱交換装置604の表面積は、より大きく、霧化水の蒸発効率は、より高くなり、フラッシュ閉鎖型熱交換器の全体の冷凍効果をより向上させる。
【実施例7】
【0072】
図9図10に示すように、実施例3との相違点は、実施例7に用いた閉鎖ハウジング701が、全体として円柱状であり、閉鎖ハウジング701内に形成された収納チャンバーも円柱状を呈することである。
そして、この収納チャンバーの中間には、全体として中空の円筒状である熱交換装置704が設けられている。
閉鎖ハウジング701の側壁に、給水パイプラインを含む水霧化装置702が設けられ、給水パイプラインが閉鎖ハウジング701の側壁の全体に均一に分散して配置され、給水パイプラインに複数の高圧霧化ノズルが分散して設けられている。
【0073】
水霧化装置702と円筒状の熱交換装置704との間に、第2の静圧室705が形成され、円筒状の熱交換装置704の中間の中空構造が、第1の静圧室706を形成する。
閉鎖ハウジング701の頂部には、第1の静圧室706に直接的に連通する負圧ブロワ703が設けられる。
【0074】
そして、この負圧ブロワ703が、回動することで、閉鎖ハウジング701内の第2の静圧室705と第1の静圧室706に負圧環境を形成させ、水霧化装置702は、高圧霧化ノズルによって霧化水を円筒状の熱交換装置704に噴射し、霧化水が、第2の静圧室705内で蒸発して蒸気となり、蒸気が、熱交換装置704を通して第1の静圧室706に入って、負圧ブロワ703によって閉鎖ハウジング701外に排出される。
【0075】
さらに、水霧化装置702に近接する閉鎖ハウジング701に、複数のファンを含む調圧装置707が設けられ、複数のファンが、閉鎖ハウジング701の側壁の内側に分散して設置され、ファンが回動して閉鎖ハウジング701内の蒸気及び霧化水の流れを促進できる。
無論、このファンは、水霧化装置702に直接的に設置してもよく、設置する数が、閉鎖ハウジング701の大きさに応じて適応的に調整できる。
【0076】
ファンは、完全に閉鎖ハウジング701の内部に位置するように閉鎖ハウジング701の内側壁に固定設置することができ、閉鎖ハウジング701の側壁に小円孔を開設し、ファンを小円孔内に設置して、少量の外部自然風が、ファンによって閉鎖ハウジング701の内部に入って、蒸気と霧化水の流れを促進することもできる。
【0077】
このような円筒状の熱交換装置704の表面積がより大きく、且つ、水霧化装置702が生成された霧化水が円筒状の熱交換装置704の表面全体を周回することで、霧化水の蒸発効率がより高くなり、さらにフラッシュ閉鎖型熱交換器の全体の冷凍効果をより向上させる。
【実施例8】
【0078】
実施例3~実施例7との相違点は、実施例8であるフラッシュ閉鎖型熱交換器は、閉鎖空間内の低温環境を利用して、冷却が必要な物質を直接的に冷却することができ、熱交換装置又は熱交換媒体によって温度を伝達する必要がないことである。
【0079】
図11に示すように、フラッシュ閉鎖型熱交換器は、収納チャンバーが形成された閉鎖ハウジング801を含み、収納チャンバー内には、水霧化装置802が設けられ、この水霧化装置802は、閉鎖ハウジング801の側壁に位置し、霧化された水を収納チャンバーの中心の位置に噴射することで、小霧粒が閉鎖ハウジング801の収納チャンバー内に十分に分散されていることができる。
【0080】
さらに、水霧化装置802は、閉鎖ハウジング801の側壁に設けられ、この閉鎖ハウジング801外の水タンク又は水管に連通し、閉鎖ハウジング801内に連続的に給水する給水パイプラインを含み、この給水パイプラインは、一本の直線状の管路であってもよく、二本又は複数本の管路が並設してもよく、又は、一本の管路を採用してディスク状に周回するように設けてもよい。
そして、給水パイプラインには、複数の高圧霧化ノズルが分散して設けられ、給水パイプラインにおける水は、高圧霧化ノズルによって噴出され、霧状の霧化水を形成することができる。
無論、高圧霧化ノズルを超音波霧化器に置き換えて、霧化水を形成してもよい。
【0081】
さらに、閉鎖ハウジング801の上部に負圧ブロワ803が設けられ、この負圧ブロワ803の一方側が、閉鎖ハウジング801の収納チャンバーに連通し、他方側が、排気パイプライン808に接続され、負圧ブロワ803が、閉鎖ハウジング801内のガスを排気パイプライン808によって連続的に排出して、閉鎖ハウジング801内に安定した負圧環境を保持させ、負圧環境が、霧化水の蒸気への蒸発を促進でき、冷熱を放出する。
閉鎖ハウジング801の下部には、吸気パイプライン809が接続され、この吸気パイプライン809と閉鎖ハウジング801の連通部位には、吸気パイプライン809の吸気量が排気パイプライン808の排気量よりも小さいように吸気パイプライン809の吸気量を制御することができるバルブ810が設けられ、閉鎖ハウジング801内の安定した負圧環境を保持する。
【0082】
好ましくは、負圧ブロワ803の排風量は、閉鎖ハウジング801内の霧化水の蒸発量よりも大きく、閉鎖ハウジング801内の圧力は、環境大気圧よりも20Pa以上低い。
【0083】
室内空気を冷却することを例として、水霧化装置802は、霧化水を閉鎖ハウジング801内に噴射し、負圧ブロワ803が閉鎖ハウジング801内に負圧環境を保持させ、液体状態から気体状態への水の変換を促進し、冷熱を放出し、閉鎖ハウジング801内の温度を低下させる。
吸気パイプライン809と排気パイプライン808とは、いずれも、室内環境に連通し、室内空気が吸気パイプライン809によって閉鎖ハウジング801内に入って、この閉鎖ハウジング801内の低温環境において冷却され温度を低下させてから、負圧ブロワ803の回動で排気パイプライン808によって排出され室内に戻ることで、室内環境の降温効果を達成する。
無論、吸気パイプライン809と排気パイプライン808は、冷却される必要がある他の物質を通過させてもよい。
【0084】
本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器は、以下の利点を有し、
1、閉鎖された負圧環境において、霧化水の蒸発を促進し、閉鎖環境内の全体温度を低下させ、熱交換装置は、低温環境において放射により冷凍という効果を達成することができ、外部自然風の温度と湿度からの影響を受けず、より多くの異なる環境の地域に適用することができ、
2、冷凍過程において、外部環境との対流熱伝達を必要としないため、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器の設備容量が小さく、機器全体が占有された場所が小さく、取り付けやすく、空間を節約し、
3、本発明のフラッシュ閉鎖型熱交換器は、完全に霧化水の蒸発によって冷凍を実現し、水が液体状態から気体状態になる過程では冷熱を放出して冷凍することができ、同時に機器が排出する蒸気の温度も上昇しないため、冷凍過程において、実際に熱量が大気に放出されず、ヒートアイランド効果が発生せず、冷凍効率が高いだけではなく、冷凍効果が安定で確実である。
【0085】
以上は、具体的な実施例により本発明をさらに説明したが、本発明の実質及び範囲を限定するものではない。
上記の実施例に対する様々な修正は、すべて本発明の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11