(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】検知モジュール及び電子装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20240111BHJP
H03K 17/955 20060101ALI20240111BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20240111BHJP
H01H 9/16 20060101ALI20240111BHJP
H05K 5/00 20060101ALI20240111BHJP
【FI】
G06F3/02 F
H03K17/955 Z
H01H36/00 D
H01H9/16 C
H01H9/16 A
H05K5/00 A
(21)【出願番号】P 2022084557
(22)【出願日】2022-05-24
【審査請求日】2022-05-24
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508024599
【氏名又は名称】▲啓▼碁科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲ゆー▼甫
(72)【発明者】
【氏名】何 文彬
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-162464(JP,A)
【文献】特開2016-039067(JP,A)
【文献】特開2006-090032(JP,A)
【文献】特開2017-004793(JP,A)
【文献】国際公開第2009/020069(WO,A1)
【文献】特開2009-134618(JP,A)
【文献】特開2006-236774(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0089732(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/02
H03K 17/955
H01H 36/00
H01H 9/16
H01H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
少なくとも1つの発光ユニットと、
前記基板に接続され、前記発光ユニットによる光ビームを外部にガイドする導光構造体を含む導光組立体と、
一端が基板に配置され、一部が導光組立体の側面に配置される少なくとも1つの検知回路構造体と、
前記基板に配置され、前記少なくとも1つの検知回路構造体による前記少なくとも1つの検知回路構造体の周辺領域における容量変化を検知し、検知信号を生成するように構成される、検知プロセッサと、
を含み、
前記検知プロセッサまたは外部コントローラが
前記検知信号に従って前記少なくとも1つの発光ユニットを制御
し、
前記導光組立体は、光出射面を有する光出射構造体を含み、
前記検知回路構造体は、前記側面に位置する少なくとも1つの検知部を有し、前記側面は前記光出射面に隣接して配置されている、
ことを特徴とする、検知モジュール。
【請求項2】
前記検知回路構造体の数量は2つであり、
2つの前記検知回路構造体の各々は、それぞれ固定端と自由端として定義される2つの端を有し、前記固定端は、前記基板に電気的に接続され、前記自由端同士は、互いに間隔を置いて、前記導光組立体の側面に配置される、請求項1に記載の検知モジュール。
【請求項3】
前記検知モジュールは、複数の前記発光ユニットを含み、前記発光ユニットは、互いに間隔をあけて、前記基板に配置され、
前記導光組立体は、少なくとも1つの固定構
造を含み、
前記少なくとも1つの固定構造、前記少なくとも1つの導光構造体、及び前記光出射構造体は一体的に形成され、
前記少なくとも1つの固定構造は、前記導光組立体を前記基板に固定するように構成され、前記少なくとも1つの導光構造体は、光入射面を有し、前記発光ユニットの各々は、前記光入射面を向く発光面を有し、前記光出射構造体は、前記導光構造体に接続され
、
前記各発光ユニットの前記発光面から放出された光ビームは、前記光入射面を通して少なくとも1つの前記導光構造体に入り、前記光出射面から外部に放出さ
れる、請求項1に記載の検知モジュール。
【請求項4】
前記導光組立体は、突出構造をさらに含み、前記突出構造と前記少なくとも1つの導光構造体は一体的に形成され、前記突出構造は前記側面に配置され、前記突出構造は前記側面に隣接して配置される補助側面を備え、前記補助側面の法線ベクトルと前記側面の法線ベクトルは互いに平行ではなく、前記少なくとも1つの検知部の一部分は前記側面及び前記補助側面に配置される、請求項3に記載の検知モジュール。
【請求項5】
前記導光組立体が複数の導光構造体と光出射構造体とを含み、該導光構造体が互いに間隔を空けて配置され、該導光構造体の各々が該少なくとも1つの発光ユニットの発光面に向く光入射面を有し、該光出射構造体が該導光構造体と接続され、
複数の前記発光ユニットのそれぞれの発光面から放出された光ビームは、前記発光面に隣接する光入射面を通して前記導光構造体に入るように構成され、少なくとも1つの検知回路構造体は、前記側面に位置する少なくとも1つの検知部を有し、前記側面は前記光出射面に隣接して配置されている、請求項1に記載の検知モジュール。
【請求項6】
前記導光組立体は、複数のバッフル壁と連結壁とを有するバッフル構造をさらに含み、
前記バッフル壁は前記連結壁に連結され、前記発光ユニットの2つの側のそれぞれに前記バッフル壁が配置され、前記バッフル壁の2つの側のそれぞれに、前記バッフル壁が配置され、前記バッフル壁は、それに隣り合った前記発光ユニットから放出された光ビームを、当該発光ユニットに隣り合った前記導光構造体に入射させるように構成される、請求項5に記載の検知モジュール。
【請求項7】
前記導光組立体は、前記側面に隣接して配置される補助側面を有し、前記補助側面の法線ベクトルと前記側面の法線ベクトルは互いに平行ではなく、前記少なくとも1つの検知回路構造体の少なくとも1つの検知部の一部分は、前記補助側面に配置される、請求項5に記載の検知モジュール。
【請求項8】
前記検知回路構造体の数量は2つであり、前記検知プロセッサは、前記2つの検知回路構造体によって前記2つの検知回路構造体の周辺領域における容量変化を検知し、2つ前記検知信号を生成するように構成され、前記2つの検知信号が閾値より大きいとき、前記検知プロセッサまたは前記外部コントローラは、前記2つの検知信号に従って前記少なくとも1つの発光ユニットを制御する、請求項1に記載の検知モジュール。
【請求項9】
ハウジングと、
請求項1~8に記載の検知モジュールと、
を含み、
前記導光組立体の一部が前記ハウジングから露出し、前記少なくとも1つの発光ユニットから放出される光ビームは、前記導光組立体を通過して、前記導光組立体の前記ハウジングから露出する部分から外部に放出される、ことを特徴とする、電子装置。
【請求項10】
外部コントローラ、過渡電圧抑制器、及びコンデンサをさらに備え、
前記基板は、前記外部コントローラに電気的に接続されるフレキシブル回路基板を含み、前記検知プロセッサ、前記過渡電圧抑制器、及び前記コンデンサは前記フレキシブル回路基板に配置され、
前記検知プロセッサは、前記フレキシブル回路基板の経路を介して前記少なくとも1つの検知回路構造体に電気的に接続され、
前記過渡電圧抑制器の一端は前記経路に接続され、前記コンデンサの一端は前記経路に接続され、前記過渡電圧抑制器の他端は接地され、前記コンデンサの他端は接地されている、請求項9に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知モジュール及び電子装置に関し、より詳細には、発光ユニットを含む検知モジュール、並びにその検知モジュールを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の静電容量式検知モジュールは、ノートパソコンの筐体周囲の静電容量の変化を検知し、それに応じて関連部品が作動するように制御できるようにノートパソコンに配置されている。このような静電容量式検知モジュールの金属検知構造は、筐体から離れて配置されているため、検知モジュールの検知効果が悪い。さらに、金属製検知構造とハウジングの間には、多数の電子部品が配置されている。以上のことから、従来の静電容量式検知モジュールは、間違った動作をもたらす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記技術的不備に対応して、従来の静電容量式検知モジュールから生じる誤った動作に関連する問題を解決するように、検知モジュール及び電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の技術的課題を解決するために、一態様において、本発明は、基板と、少なくとも1つの発光ユニットと、導光組立体と、少なくとも1つの検知回路構造体と、検知プロセッサと、を含む検知モジュールを提供する。導光組立体は、基板に接続され、少なくとも1つの導光構造体を含む。少なくとも1つの発光ユニットは、少なくとも1つの導光構造体を通して外部に光ビームを放出するように構成される。少なくとも1つの検知回路構造体の一端は、基板に配置され、少なくとも1つの検知回路構造体の一部分は、導光組立体の一側表面に配置される。検知プロセッサは、基板に配置される。検知プロセッサは、少なくとも1つの検知回路構造体が少なくとも1つの検知回路構造体の周辺領域における容量変化を検知する構成によって、検知信号を生成するように構成される。検知プロセッサ又は外部コントローラは、検知信号に従って少なくとも1つの発光ユニットを制御するように構成される。
【0005】
別の態様において、本発明は、ハウジングと検知モジュールとを含む電子デバイスを提供する。導光組立体の一部は、ハウジングから露出しており、少なくとも1つの発光ユニットから放出される光ビームは、導光組立体を通過し、ハウジングから露出している導光組立体の一部から外部に放出されるように構成される。
【0006】
そのように、本発明によって提供される検知モジュール及び電子装置において、少なくとも1つの検知回路構造体は、導光構造体の側面に配置され、誤動作又は誤った動作の発生を大幅に低減することができる。
【0007】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の電子装置の一例を示す模式図である。
【
図3】本発明の電子装置を示す部分分解斜視図である。
【
図5】本発明の検知モジュールの一例を示す概略図である。
【
図6】本発明の検知モジュールを別の角度から見た部分拡大斜視図である。
【
図7】本発明の検知モジュールの部分分解斜視図である。
【
図8】本発明の検知モジュールの導光組立体を別の角度から見た模式図である。
【
図9】
図8の線IX-IXに沿って取った概略断面図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態に係る検知モジュールの概略図である。
【
図12】本発明の第2の実施形態に係る絶縁遮蔽部材を有しない検知モジュールの概略構成図である。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る検知モジュールを別の角度から見た概略図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る検知モジュールの部分分解概略図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態による検知モジュールの導光組立体を異なる角度から見た概略図である。
【
図16】
図15の線XVI-XVIに沿ってとられた概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、特定の図面または特定の図面に示されるように参照されたいと述べる場合、それは、後続の説明で説明される関連内容の大部分がその特定の図面に現れることを強調するためだけであり、後続の説明を前記特定の図面への参照のみに制限するものではない。
【0010】
図1~
図5を参照すると、本発明の第1の実施形態は、ハウジング1、検知モジュール2、キーボードモジュール3、及び表示モジュール4を含む電子装置100を提供する。電子装置100は、ノートパソコンであり得る。本発明の検知モジュール2は、ハウジング1内に配置され、キーボードモジュール3は、ハウジング1内に配置される。表示モジュール4は、ハウジング1に移動可能に接続される。表示モジュール4は、表示装置及びハウジングを含むことができる。表示装置は、例えば、通常の表示スクリーン又はタッチスクリーンとすることができるが、別の実施形態において、電子装置100は、タブレットであってもよいし、本発明はこれに限定されない。電子装置100が正常に動作するように、いくつかの関連する電子部品(マザーボード、コンピュータメモリ、及びCPUなど)もハウジング1内に配置されていることに留意されたい。しかし、これらの関連電子部品は、実用的な要求に応じて調整することができ、これに限定されることはない。
【0011】
図2及び
図3を参照すると、ハウジング1は、本体11と、カバー12とを含むことができる。カバー12は、本体11に着脱可能に固定される。本発明の検知モジュール2は、本体11に固定されており、検知モジュール2の一部は、ハウジング1から露出している。検知モジュール2は、周辺環境の静電容量変化を検知するために用いられ、対応する光ビームを放射するように構成される。例えば、ユーザの指が検知モジュール2の周辺環境に近接すると、検知モジュール2は周辺環境の静電容量変化を検知することができる。そして、検知モジュール2のうち、ハウジング1から露出している部分が点灯していることを、ユーザが観察することができる。
【0012】
図4~
図9を参照すると、本発明の検知モジュール2は、基板21、5つの発光ユニット22、導光組立体23、2つの検知回路構造体24、及び検知プロセッサ25を含む。検知モジュール2に含まれる発光ユニット22の数量は、実用的な要件に従って増減することができ、図面に示された数量に限定されない。別の実施形態において、検知モジュール2は、単一の検知回路構造体24のみを含むことができる。
【0013】
5つの発光ユニット22は、互いに間隔をあけて、基板21に配置されている。発光ユニット22の各々は、例えば、少なくとも1色の光線を発することができる発光ダイオード(LED)であることができる。基板21は、電子装置100のマザーボード(図示せず)に電気的に接続されており、電子装置100の電池は、マザーボード(図示せず)又は基板21を介して発光ユニット22の各々に電力を供給することができる。実際には、基板21は、電気的接続部材(フレキシブル基板やケーブルなど)を介して電子装置100のマザーボード(図示せず)に電気的に接続することができる。ただし、基板21がマザーボード(図示せず)に接続される態様は、特に限定されるものではない。基板21は、フレキシブル回路基板、リジッド回路基板、又はその両方を同時に含むことができるが、本発明はこれに限定されない。
【0014】
導光組立体23は、5つの導光構造体231と、光出射構造体232と、バッフル構造233とを含む。5つの導光構造体231は、互いに間隔を空けて配置されている。導光構造体231の各々は、発光ユニット22のうちの1つの発光面221に向くように配置された光入射面2311を有する。光出射構造体232は、5つの導光構造体231に接続されている。光出射構造体232は、ハウジング1から露出する光出射面2321を有する(
図2に示すように)。実際には、光出射面2321は、ハウジング1の外表面とほぼ面一になり得るが、本発明はこれに限定されない。光出射面2321は、ハウジング1の外面から突出することもでき、あるいは、光出射面2321は、ハウジング1の外面に対してわずかに凹んだ形状を有することも可能である。
【0015】
各発光ユニット22の発光面221から出射された光ビームは、隣接する導光構造体231の光入射面2311を介して導光構造体231に入射でき、いずれかの導光構造体231は、光ビームが光出射構造体232の光出射面2321から外部に出射されるように、光ビームを集中的に導出して、光出射構造体232に入射できるように構成されている。言い換えれば、導光構造体231の各々は、主に、発光ユニット22から出射された光ビームの大部分が光出射構造体232の光出射面2321から外部に出射されるようにするために使用される。導光構造体231のいずれか1つの具体的な形状は、図面によって限定されることはない。導光組立体23に含まれる導光構造体231の数量は、図面によって限定されず、導光組立体23に含まれる導光構造体231の数量は、発光ユニット22の数量に相当する。実際には、導光組立体231及び光出射構造体232は、例えば、透明な材料又は半透明な材料で作られ得るが、本発明はこれに限定されない。
【0016】
バッフル壁構造233は、6つのバッフル壁2331と、連結壁2332とを含むことができる。バッフル壁2331の1つは、発光ユニット22の2つの隣接するものの間に配置され、連結壁2332は、6つのバッフル壁2331に連結される。バッフル壁2331の1つは、導光構造体231の2つの隣接するものの間に配置され、導光構造体231の各々、バッフル壁2331の2つの隣接するもの、及び隣接する連結壁2332の一部は、共同で収容空間Sを規定し、発光ユニット22の各々は、収容空間Sの1つに対応的に配置される。
【0017】
バッフル壁2331及び連結壁2332の各々は、発光ユニット22のうちの隣接する1つから放出された光ビームの大部分が、当該発光ユニット22に隣接して配置される導光構造体231に入射するように使用されている。バッフル壁2331は、発光ユニット22から放出された光ビームが、発光ユニット22に隣接して配置される導光構造体231に入射するように構成される。例示的な実施形態において、バッフル壁2331の各々は、発光ユニット22から放出された光ビームを反射することができる材料で作られ得る。発光ユニット22から放出され、隣接する導光構造体231に入射しない光ビームの1部は、バッフル壁2331又は連結壁2332によって反射され、導光構造体231に再入射することができる。別の実施形態では、バッフル壁2331の各々は、発光ユニット22から放出された光ビームを吸収することができる材料で作られることも可能である。
【0018】
以上の説明によれば、各発光ユニット22から発せられる光線の大部分は、導光構造体231、光出射構造体232及びバッフル構造233の構成を通じて、光出射構造体232の光出射面2321から外部に出射することができる。したがって、使用者は、光出射構造体232の光出射面2321を通じて、現在点灯している検知モジュール2の発光ユニット22の数量を明確に観察することができる。なお、バッフル構造233に含まれるバッフル壁2331の数量、及び導光構造体231及び発光ユニット22に対応するバッフル壁2331の各々の位置配置は、図面により限定されるものではない。
【0019】
図6~
図8を参照すると、実際には、バッフル壁構造233は、2つの固定部品2333を含むこともできる。2つの固定部品2333は、バッフル壁構造233の2つの端部に位置することができ、導光組立体23は、2つの固定部品2333を介して基板21に固定されることができる。例えば、固定部品2333の各々は、円筒形の構造とすることができる。基板21は、これに対応して2つの貫通孔211を有することができ、固定部品2333のそれぞれは、貫通孔211のうちの1つに固定される。固定部品2333の各々が貫通孔211の各々と固定される態様は、例えば、干渉嵌合とすることができる。バッフル壁構造233に含まれる固定部品2333の数量、及び基板21に含まれる貫通孔211の数量は、図面により限定されない。さらに、固定部品2333の各々の大きさおよび形状、ならびに貫通孔211の各々の大きさおよび形状は、いずれも図面によって限定されることはない。当然ながら、導光組立体23が基板21に固定される態様も、上記の説明によって限定されることはない。別の実施形態において、導光体組立体23は、接着剤によって基板21に固定されることも可能である。或いは、接着剤と固定部品2333とを同時に用いて、導光体集合体23を基板21に固定することも可能である。
【0020】
検知回路構造体24の各々の一部は、導光組立体23の側面23Aに配置される。側面23Aは、光出射面2321に隣接している。検知回路構造体24の各々は、それぞれ固定端24A及び自由端24Bとして定義される2つの端部を有する。検知回路構造体24の各々の固定端24Aは、基板21に電気的に接続され、2つの検知回路構造体24の自由端24Bは、互いに離間され、導光組立体23の側面23Aに配置される。
【0021】
検知回路構造体24の各々は、側面23Aに位置する検知部24Cを有することもできる。検知回路構造体24の各々の固定端24Aは、基板21の電気接続構造体212に電気的に接続されることができる。例えば、検知回路構造体24の各々は、電気接続構造体212を介して検知プロセッサ25または外部コントローラ(例えば、電子装置100のCPU)に錫ハンダ付けにより電気的に接続される。
【0022】
実際には、導光組立体23に含まれる5つの導光構造体231、光出射構造体232、及びバッフル壁構造233は、共射出成形技術を利用して一体的に形成して製造することが可能である。さらに、2つの検知回路構造体24は、レーザーダイレクトストラクチャリング(Laser Direct Structuring, LDS)により導光体組立23に形成される。
【0023】
図8から
図9を参照すると、例示的な実施形態において、導光組立体23は、側面23Aに隣接する補助側面23Cを有することもできる。補助側面23Cの法線ベクトルと側面23Aの法線ベクトルとは、互いに平行でない。検知回路構造体24の検知部24Cの一部分は、補助側面23Cに配置される。例えば、導光組立体23の側面23Aが図面に示す座標系のX-Y平面内に位置する場合、補助側面23CはX-Y平面内に位置せず、補助側面23Cは光出射面2321の方に向くことが可能である。検知回路構造体24の一部分が補助側面23Cに配置される設計を通じて、各検知回路構造体24の検知部24Cの検知感度を向上させることができる。
【0024】
検知プロセッサ25は、基板21に配置される。検知プロセッサ25と2つの検知回路構造体24は、検知回路構造体24の各々の周辺領域における容量変化を検知し、対応する検知信号を発生するように、互いに協働することができる。検知プロセッサ25又は外部コントローラ(例えば、電子装置100のCPU)は、検知信号に従って発光ユニット22の少なくとも1つを制御し、発光ユニット22の少なくとも1つを点灯させ、消灯させ、特定色の光束を放出させ、又は輝度を増加又は減少させるように構成される。
【0025】
一つの具体的な実施形態において、ユーザの指が検知モジュール2の光出射構造体232の光出射面2321に近づくと、検知回路構造体24と検知プロセッサ25の少なくとも1つは互いに協働し、検知回路構造体24の周辺領域における静電容量変化を検知し、検知プロセッサ25がこれに対応して検知信号を生成するようにすることができる。検知信号を受信した後、検知プロセッサ25又は電子装置100のCPU(すなわち、外部コントローラ)は、電子装置100のバッテリーの現在の電力に応じて、発光ユニット22の少なくとも1つを点灯するように制御することができる。したがって、ユーザは、現在点灯している発光ユニット22の数量を観察することで、電子装置100の電池の現在の電力を知ることができる。例えば、ユーザが5つの発光ユニット22が全て点灯していることを観察した場合、電子装置100のバッテリの電力は80%~100%であることを知ることができる。また、4つの発光ユニット22が点灯している場合、電子装置100のバッテリーは60%~80%の電力を有していることを知ることができる。発光ユニット22のうち1つが点灯している場合、電池は20%よりも低い電力を有することが知られている。実施形態の一つにおいて、バッテリーの電気が20%より低い場合、検知プロセッサ25は、発光ユニット22の一つを点灯するように制御するだけでなく、発光ユニット22の一つを異なる色(例えば、赤)の光線を放出するように制御し、バッテリーが現在低い電気を持っていて充電する必要があることを使用者に思い出させるようにする。
【0026】
当然ながら、検知プロセッサ25又は外部コントローラが検知信号を受信した後、本発明は、電子装置100の現在の電気に従って、検知モジュール2の発光ユニット22の少なくとも1つを点灯するように制御することに限定されるものではない。実際には、要件に従って、検知プロセッサ25又は外部コントローラは、検知信号を受信し、その後、電子装置100の異なる状態(例えば、無線信号の強度)に応じて、発光ユニット22の異なる数を点灯するように対応制御することが可能である。
【0027】
検知回路構造体24の数量が2つである実施形態において、検知プロセッサ25は、2つの検知回路構造体24のそれぞれと協働して、2つの検知回路構造体24のそれぞれの周辺領域における容量変化が発生したかどうかを検知できることに留意されたい。例えば、検知プロセッサ25は、2つの検知回路構造体24が共に2つの検知回路構造体24の周辺領域における容量変化を検知したとき、発光ユニット22の少なくとも1つを点灯するようにのみ制御することができる。検知回路構造体24のうちの1つだけがその周辺環境での静電容量変化を検知する場合、検知プロセッサ25は、発光ユニット22のうちの1つを点灯させる制御を行わない。したがって、検知モジュール2の誤判定の問題を効果的に回避することができる。
【0028】
検知回路構造体24の数量が2つである実施形態において、検知プロセッサ25は、ユーザの指が光出射面2321(又は光出射面2321に近い空間)上で左から右へ滑っているか、右から左へ滑っているかを判断するように、2つの検知回路構造体24の両方と協働することも可能である。検知プロセッサ25は、電子装置100の異なる状態に応じて、発光ユニット22の少なくとも1つを点灯させるように制御することができる。例えば、検知プロセッサ25は、ユーザの指が光出射面2321の右側から光出射面2321の左側にスライドすると判断した場合、検知プロセッサ25は、電子装置100の電池の電力に応じて、対応する数の発光ユニット22を点灯させるよう制御することができる。逆に、検知プロセッサ25は、ユーザの指が光出射面2321の左側(又は光出射面2321に近い空間)から光出射面2321の右側にスライドしたと判断すると、検知プロセッサ25は、電子装置100の無線信号の強度に応じて、発光ユニット22の対応する数を点灯させる制御をすることができる。
【0029】
検知回路構造体24の数量が2つである実施形態において、検知プロセッサ25は、2つの検知回路構造体24が共にその周辺環境の静電容量変化が所定の閾値を超えたことを検知したとき、2つの検知信号に従って発光ユニット22の少なくとも1つを作動させるよう制御することができる。
【0030】
図1及び
図5を参照すると、一具体的な実施形態において、基板21は、フレキシブル回路基板とすることができる。5つの発光ユニット22は、基板21の一端に配置され、基板21の他端は、外部コントローラ(例えば、電子装置100のCPU)に電気的に接続するために使用することができる。電子装置100は、過渡電圧抑制器(TVS)及び少なくとも1つのコンデンサCも含むことができ、検知プロセッサ25、過渡電圧抑制器(TVS)及びコンデンサCは、全てフレキシブル回路基板に配置される。検知プロセッサ25は、フレキシブル回路基板の1つの経路(例えば、フレキシブル回路基板に配置された導電性金属線)を介して検知回路構造体24に電気的に接続されている。過渡電圧抑制器(TVS)の一端は経路に接続され、コンデンサCの一端は経路に接続され、過渡電圧抑制器(TVS)の他端は接地され、コンデンサCの他端は接地される。検知回路構造体24は、過渡電圧抑制器(TVS)及びコンデンサCの構成により、静電気の影響を効果的に回避することができる。
【0031】
実際には、検知モジュール2に含まれる過渡電圧抑制器(TVS)の数量及び検知モジュール2に含まれるコンデンサCの数量は、それぞれ検知回路構造体24の数量に対応し得るが、本発明はこれに限定されない。また、過渡電圧抑制器(TVS)及びコンデンサCの位置配置も図面によって限定されない。実際には、過渡電圧抑制器(TVS)及び静電容量Cは、いずれも検知回路構造体24に隣接して配置することができ、静電気防止効果を向上させることができる。
【0032】
本実施形態の図面において、検知モジュール2は、2つの検知回路構造体24を含むことによって例示されているが、検知モジュール2に含まれる検知回路構造体24の数量は、2つに限定されないことに留意されたい。別の実施形態において、検知モジュール2は、1つの検知回路構造体24のみを含むこともできる。
【0033】
本発明の第2実施形態に係る検知モジュールの異なる概略図である
図10~
図16を参照する。第2実施形態に係る検知モジュール5は、基板51と、5つの発光ユニット52と、導光組立体53と、2つの検知回路構造体54と、検知プロセッサ55と、を含む。本実施形態における発光ユニット52及び検知プロセッサ55は、第1実施形態における発光ユニット22及び検知プロセッサ25と同様であり、本明細書において改めて説明することはない。
【0034】
基板51は、リジッド回路基板51Aおよびフレキシブル基板51Bを含むことができる。発光ユニット52は、リジッド回路基板51Aに配置されている。フレキシブル回路基板51Bは、リジッド回路基板51Aに接続されている。フレキシブル回路基板51Bの一端は、リジッド回路基板51Aに接続されるフレキシブル回路基板51Bの他端と対向し、フレキシブル回路基板51Bの一端は、電子装置100のマザーボード(
図1に示す)に接続するために使用され得る。当然ながら、別の実施形態において、基板51は、リジッド回路基板51Aのみを含むことができ、基板51は、接続線またはコンタクト等を介して電子装置100のマザーボードに電気的に接続される。
【0035】
導光組立体53は、導光構造体531と、光出射構造体532と、2つの固定構造533と、2つの補助固定構造534とを含む。実際には、導光構造体531、光出射構造体532、2つの固定構造533及び2つの補助固定構造534は、一体的に形成される。導光構造体531の2つの端部は、それぞれ2つの固定構造533に接続されている。2つの固定構造533は、5つの発光ユニット52が配置された基板51の一面に対して略密着するように使用される。固定構造533の各々は、例えば、固定ポスト5331を含むことができる。固定ポスト5331の各々は、基板51の固定孔511に係合し、固定するために用いられる。
【0036】
図13ないし
図15を参照して、導光構造体531は、各発光ユニット52の発光面521の方を向く光入射面5311を有する。導光構造体531のうち、光入射面5311を有する他の側面と対向する一側面は、光出射構造体532に接続される。各発光ユニット52の発光面521から出射される光ビームは、対応する光入射面5311を介して導光構造体531に入射可能であり、導光構造体531のいずれか1つは、光ビームを導光構造体532の光出射面5321から外部に出射させるように案内するように構成される。本発明において、導光構造体531の形状は、図面によって限定されることはない。実際には、導光構造体531の形状を変更することを通じて、導光構造体531に入射した光ビームをより集中的に光出射構造体532の光出射面5321から外部に出射させることができる。
【0037】
本実施形態の図面では、導光構造体531の光入射面5311と、各発光ユニット521の発光面521との間に隙間が存在するが、本発明はこれに限定されるものではない。別の実施形態では、光入射面5311と各発光面521との間には、ほとんど隙間がない。または、光入射面5311は、発光面521の各々に対して略平行であってもよい。
【0038】
本実施形態の図面では、導光構造体531は、1つの平坦な光入射面5311のみを有するものとして例示されている。しかし、導光構造体531に含まれる光入射面5311の数量及び導光構造体531に含まれる光入射面5311の形状は、これに限定されることはない。別の実施形態において、導光構造体531は、5つの光入射面5311を含むこともでき、5つの光入射面5311は、円弧面である。光入射面5311の各々は、発光ユニット52のうちの1つの発光面521の方を向いている。
【0039】
図11ないし
図15を参照すると、2つの補助固定構造534は、それぞれ貫通孔5341を含むことができる。貫通孔5341の各々は、ハウジング1(
図1に示す)の2つの制限構造(円筒構造などの図示しない)を通過させるために使用される。2つの補助固定構造534及び2つの制限構造は、共に、ハウジング1(
図1に示す)に対する導光体組立体53の可動範囲を制限することができる。検知回路構造体54の各々は、それぞれ固定端54A及び自由端54Bとして定義される2つの端部を有する。検知回路構造体54の各々の一部分は、導光組立体53の側面53Aに配置される。側面53Aは、光出射面5321に隣接して配置され、検知回路構造体54の各々の検知部54Cは、側面53Aに配置される。2つの検知回路構造体54の自由端54Bは、互いに間隔をあけて配置され、側面53Aに配置される。検知回路構造体54の各々の固定端54Aは、導光組立体53の別の側面53Bに配置され得る。側面53Bは、側面53Aに隣接している。検知回路構造体54の各々の固定端54Aは、導光組立体53が基板51に固定されるとき、基板51の電気接続構造5111に電気的に接続することができる。
【0040】
例示的な実施形態において、導光組立体53は、突出構造535を含むこともできる。突出構造535及び導光構造体531は、一体的に形成される。突出構造535は、側面53Aに配置され、突出構造535は、側面53Aに隣接して配置される補助側面5351を有することができる。補助側面5351の法線ベクトルと側面53Aの法線ベクトルは、互いに平行ではない。各検知回路構造体54の検知部54Cの一部分は、補助側面5351に配置され、補助側面5351は、ほぼ光出射面5321の方を向いている。第1実施形態で説明したように、検知回路構造体54の各々の検知部54Cの一部分が補助側表面5351に配置されることによって、検知回路構造体54の各々の検知感度を向上させることができる。
【0041】
図11及び
図12を参照すると、実際には、検知モジュール5は、導光組立体53の側面53Aに配置される絶縁遮蔽部材56を含むこともできる。絶縁遮蔽部材56は、検知回路構造体54の各々の検知部54Cの少なくとも一部分を遮蔽して、検知部54Cの各々が直接露出しないようにするために使用される。当然ながら、検知プロセッサ55と検知回路構造体54のそれぞれが協働して検知回路構造体54のそれぞれの静電容量変化を検知する機能は、絶縁遮蔽部材56によって影響を受けることはない。絶縁遮蔽部材56は、単に検知部54Cの各々を保護するために使用されるだけである。具体的な一実施形態において、絶縁遮蔽部材56は接着剤であることもでき、絶縁遮蔽部材56は導光体組立53が基板51に固定されることを補助するために使用されることも可能である。
【0042】
本実施形態の図面において、検知モジュール5は、2つの検知回路構造体54を含むことが例示されていることに留意すべきである。しかし、検知モジュール5に含まれる検知回路構造体54の数量は、2つに限定されない。別の実施形態において、検知モジュール5は、1つの単一の検知回路構造体54のみを含むこともできる。
【0043】
結論として、本発明によって提供される電子装置及び検知モジュールにおいて、各検知回路構造体の検知部は、導光構造体の側面に配置されるように構成され、側面は、発光構造の発光面に隣接して配置されている。したがって、検知回路構造体は、ユーザが接触または接近する位置(すなわち、発光面)に近くなり、検知回路構造体は、検知回路構造体の周辺領域における静電容量の変化をよりよく検知することができる。また、本発明が提供する電子装置及び検知モジュールでは、検知回路構造体の各々と発光面との間に他の電子部材又は導体を設けないことで、検知回路構造体の誤判定の問題を大幅に低減することが可能である。
【0044】
本発明の上記検知モジュールは、独立して製造、実施、及び販売することもできることに留意されたい。検知モジュールは、上記電子装置のみと共に製造、実施、及び販売されることに限定されない。
【0045】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0046】
100:電子装置
1:ハウジング
11:本体
12 : カバー
2 : 検知モジュール
21 : 基板
211 : 貫通孔
212 : 電気接続構造体
22 : 発光ユニット
221:発光面
23 : 導光組立体
23A : 側面
23C : 補助側面
231:導光構造体
2311 : 光入射面
232:光出射構造体
2321 : 光出射面
233 : バッフル壁構造
2331 : バッフル壁
2332 : 連結壁
2333 : 固定部品
24:検知回路構造体
24A : 固定端
24B : 自由端
24C : 検知部
25 : 検知プロセッサ
3:キーボードモジュール
4:表示モジュール
5 : 検知モジュール
51 : 基板
51A : リジッド回路基板
51B : フレキシブル回路基板
511 : 固定孔
5111:電気接続構造
52 : 発光ユニット
521 : 発光面
53 : 導光組立体
53A : 側面
53B : 側面
531 : 導光構造体
5311 : 光入射面
532 : 光出射構造体
5321 : 光出射面
533 : 固定構造
5331 : 固定ポスト
534 : 補助固定構造
5341 : 貫通孔
535:突出構造
5351:補助側面
54:検知回路構造体
54A : 固定端
54B : 自由端
54C : 検知部
55 : 検知プロセッサ
56 : 絶縁遮蔽部材
S : 収容空間
TVS : 過渡電圧抑制器
C : コンデンサ