(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】親水性皮膜を備えたアルミニウム板と熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28F 13/18 20060101AFI20240111BHJP
F28F 21/08 20060101ALI20240111BHJP
F28F 21/06 20060101ALI20240111BHJP
F28F 1/12 20060101ALI20240111BHJP
C09D 201/00 20060101ALI20240111BHJP
C09D 7/61 20180101ALI20240111BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20240111BHJP
C22C 21/00 20060101ALN20240111BHJP
B23K 35/363 20060101ALN20240111BHJP
【FI】
F28F13/18 B
F28F21/08 A
F28F21/06
F28F1/12 G
C09D201/00
C09D7/61
B32B15/08 G
C22C21/00 J
C22C21/00 E
B23K35/363 H
(21)【出願番号】P 2022150157
(22)【出願日】2022-09-21
【審査請求日】2023-01-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522160125
【氏名又は名称】MAアルミニウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100142424
【氏名又は名称】細川 文広
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】中村 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】丸野 瞬
(72)【発明者】
【氏名】中西 茂紀
(72)【発明者】
【氏名】兵庫 靖憲
(72)【発明者】
【氏名】植杉 隆二
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-175936(JP,A)
【文献】特開2017-096545(JP,A)
【文献】特表平09-502924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 13/18
F28F 21/08
F28F 21/06
F28F 1/12
C09D 201/00
C09D 7/61
B32B 15/08
C22C 21/00
B23K 35/363
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホウ素化合物、親水性高分子を含み、SiO
2含有量が49%以下、表面粗さRzが1.5μm以下の
親水性皮膜をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板の片面または両面に備える
とともに、前記親水性皮膜が500℃~620℃に加熱される熱履歴を受けた皮膜であり、50%以上が非晶質であることを特徴とする親水性皮膜を備えたアルミニウム板。
【請求項2】
アルカリ金属、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、チタン、ジルコニウムのいずれか1種または2種以上を含むフッ素化合物を前記
親水性皮膜に含むことを特徴とする請求項
1に記載の親水性皮膜を備えたアルミニウム板。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のアルミニウム板から、フィン、チューブ、ヘッダマニフォールドのいずれかが形成されたことを特徴とする熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親水性皮膜を備えたアルミニウム板と熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
建物用エアコン等では銅製のチューブとアルミニウム製のフィンを機械接合した熱交換器が広く使われている。その熱交換器がエバポレータ(蒸発器)として使用される場合、フィンに付着した結露水が排水されず、通風抵抗が増して熱交換器の伝熱性能を低下させる問題がある。
熱交換器においては、この結露水が通風抵抗となることを防止するため、親水性樹脂からなる皮膜を形成する技術が古くから適用されている。
【0003】
例えば、親水性皮膜をプレコートする技術として以下の特許文献1には、Siを1~5質量%含有するアルミニウム合金板の表面に塗膜を有し、塗膜中のSi量が1~300mg/m2であるプレコートフィンが開示されている。この塗膜には、珪酸リチウム等のケイ酸塩と非晶質シリカの少なくとも一方が含有され、さらに、フッ化物フラックスが含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では伝熱性能を向上させるため、アルミニウム製のチューブとフィンをろう付熱処理によって金属接合する熱交換器が開発されており、このような熱交換器においても同様に結露水の排水性向上が求められている。
ここで、アルミニウムのろう付はおよそ600℃で行われるため、従来使用されるような親水性塗膜を用いた有機プレコートフィンを用いた場合、塗膜が燃焼、焼失してしまうため、排水機能を維持することができない。
【0006】
その解決方法としてフィンにフラックスを塗布する方法や、水ガラスのような無機物質をプレコートする対策が考えられる。しかし、水ガラスの主成分であるSiO2含有量が多い場合、ろう付後に表面が茶褐色に変質してしまい、熱交換器の外観不良を生じてしまう課題がある。また、ガラス粒子を塗料に混合してろう付熱処理を施すことで親水性をフィンに付与することも考えられるが、ガラス粒子などの硬質粒子を用いると塗布装置の損傷を招くため、生産性が低下してしまう課題があった。
【0007】
本願発明は、ろう付される構成の熱交換器に対し適用可能な親水性皮膜を備えたアルミニウム板と熱交換器の提供を目的とし、熱交換器に付着する結露水などの排水性を向上できる技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)親水性皮膜を備えた本発明に係るアルミニウム板は、ホウ素化合物、親水性高分子を含み、SiO
2
含有量が49%以下、表面粗さRzが1.5μm以下の親水性皮膜をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板の片面または両面に備えるとともに、前記親水性皮膜が500℃~620℃に加熱される熱履歴を受けた皮膜であり、50%以上が非晶質であることを特徴とする親水性皮膜を備えたことを特徴とする。
【0011】
(2)親水性皮膜を備えた本発明に係るアルミニウム板において、アルカリ金属、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、チタン、ジルコニウムのいずれか1種または2種以上を含むフッ素化合物を前記親水性皮膜に含むことが好ましい。
【0012】
(3)本発明に係る熱交換器は、(1)または(2)に記載のアルミニウム板から、フィン、チューブ、ヘッダマニフォールドのいずれかが形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ホウ素化合物、親水性高分子を含み、SiO2含有量が49%以下、表面粗さRzが1.5μm以下の皮膜であり、500℃~620℃に加熱される熱履歴を受け、50%以上が非晶質である親水性皮膜を備えるため、塗布装置の損傷を防止しつつ、600℃程度に加熱するろう付加熱後であっても優れた親水性を得ることができ、ろう付後の外観不良を生じることなく生産性の低下も生じないアルミニウム板を提供できる。
また、前記アルミニウム板からなるフィン、チューブあるいはヘッダマニフォールドを備えた熱交換器であるならば、優れた親水性を有し、ろう付加熱後の外観不良を生じることのない生産性の良好な熱交換器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】ヘッダマニフォールド、チューブおよびフィンがろう付された本発明に係る熱交換器の一部を断面とした正面図である。
【
図3】同熱交換器において、ろう付前にヘッダマニフォールド、チューブおよびフィンが組み立てられ、フィン表裏面に親水性塗膜が形成され、チューブ表面にろう付用塗膜が塗布された状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態の一例について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合がある。
【0016】
「第1実施形態」
図1は、本実施形態に係るアルミニウム板から形成されたフィンを用いて構成された熱交換器の一例を示す正面図である。
この例の熱交換器30は、ルームエアコンディショナーの室内・室外機用の熱交換器、あるいは、HVAC(Heating Ventilating Air Conditioning)用の室外機、自動車用の熱交換器などの用途に使用されるアルミニウム熱交換器である。
図1に示す熱交換器30は、離間して左右に平行に配置されたヘッダマニフォールド31、32と、これらヘッダマニフォールド31、32の間に相互に間隔を保って平行に、かつ、ヘッダマニフォールド31、32に対してほぼ直角に接合された複数のチューブ33と、各チューブ33に付設された波形のフィン(アルミニウム板)34を主体として構成されている。ヘッダマニフォールド31、32、チューブ33及びフィン34は、いずれもアルミニウムまたはアルミニウム合金から構成されている。
【0017】
より詳細には、ヘッダマニフォールド31、32の相対向する側面に複数のスリット36が各パイプの長さ方向に定間隔で形成され、これらヘッダマニフォールド31、32の相対向するスリット36にチューブ33の端部を挿通してヘッダマニフォールド31、32間にチューブ33が複数架設されている。また、ヘッダマニフォールド31、32間に所定間隔で架設された複数のチューブ33、33の間に波形のフィン34が配置され、これらのフィン34が、例えば
図2に示すようにチューブ33の上面33A側あるいは下面33B側にろう付されている。
【0018】
図2に示す如く、ヘッダマニフォールド31のスリット36に対しチューブ33の端部を挿通した部分において、挿通部分の隙間を埋めるようにろう材により第1のフィレット38が形成され、ヘッダマニフォールド31、32に対しチューブ33がろう付されている。また、波形のフィン34において、波の頂点の部分に隣接するチューブ33の上面33Aまたは下面33Bに対向させてそれらの間の部分に生成されたろう材により第2のフィレット39が形成され、チューブ33の上面33A側と下面33B側にそれぞれ波形のフィン34がろう付されている。
チューブ33はアルミニウム合金からなる扁平多穴管であり、その内部には複数の冷媒通路33Cが形成されている。
【0019】
本実施形態の熱交換器30は、
図3に示すようにヘッダマニフォールド31、32とそれらの間に架設された複数のチューブ33と複数のフィン34とを組み付けて熱交換器組立体41を形成し、これを加熱してろう付することにより製造されたものである。なお、ろう付時の加熱によってチューブ33の上面33A側と下面33B側には
図2に示すZn溶融拡散層42が形成されている。
【0020】
ヘッダマニフォールド31、32を構成するアルミニウム合金は、一般的な熱交換器用ヘッダマニフォールドに適用されるアルミニウム合金からなるが、例えば、Al-Mn系をベースとしたアルミニウム合金が適用される。
例えば、質量%でMn:0.05~1.50%を含有することが好ましく、他の元素として、Cu:0.05~0.8%を含有することができる。なお、以下の説明において、成分や塗膜量などの範囲について「~」を用いて表示する場合、特に指定しない限り、上限と下限を含む範囲を意味する。よって、例えば、0.05~1.50%は0.05%以上1.50%以下を意味し、1~5g/m
2は、1g/m
2以上5g/m
2以下を意味する。また、本実施形態においてヘッダマニフォールド31、32は上述のアルミニウム合金からなるパイプ状の心材の外面にろう材層が形成されたものが適用されている。
図2、
図3では心材を符号31Aで示し、ろう材層を符号43で示している。
【0021】
チューブ33は、その厚さに対し幅の比率が大きい扁平形状のチューブであり、チューブ33の幅方向には複数(数個~数10個)の冷媒通路33Cが隔壁に仕切られた状態で隣接形成されている。
チューブ33を構成するアルミニウム合金は、熱交換器用の扁平多穴管、チューブに適用されるアルミニウム合金であれば特に制限はない。一例として、質量%で、Si:0.05~1.0%及びMn:0.1~1.5%を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。チューブ33は、アルミニウム合金を押出し加工することによって作製されたものである。なお、チューブ33に形成される冷媒通路33Cの数は1つ以上であれば任意の数で良いが、冷媒通路33Cの数が複数形成されている構造が熱交換効率向上の面で好ましい。
【0022】
フィン34を構成するアルミニウム合金は、熱交換器用フィンに用いられるアルミニウム合金の一般的なものを広く適用できる。一例を挙げるならば、質量%で、Zn:0.3~5.0%、Mn:0.5~2.0%、Fe:1.0%以下、及びSi:1.5%以下を含有し、残部不可避不純物およびアルミニウムからなるアルミニウム合金などからなる。
フィン34は、上記組成を有するアルミニウム合金を常法により溶製し、熱間圧延工程、冷間圧延工程などを経て板状あるいはシート状のフィン材(基板)を製造し、フィン材の表裏両面に親水性塗膜35を形成後、目的のフィン形状、例えばコルゲート形状に加工して得られる。なお、フィン34の製造方法は、特に限定されるものではなく、既知の製法を適宜採用することができる。
【0023】
本実施形態において、
図3に示すようにろう付前のチューブ33の上面と下面には、一例として、Si粉末:1~5g/m
2、Zn含有フラックス(KZnF
3粉末等):3.0~20g/m
2、及び樹脂:0.2~8.3g/m
2、を含み、これらに溶剤を添加したろう付用塗膜37が形成されている。
【0024】
フィン(アルミニウム板)34は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる板状の基板34aと、基板34aの表裏面(表面と裏面)に付着された親水性皮膜35aを有している。即ち、基板34aの表裏両面には、ろう付加熱処理後の親水性皮膜35aが設けられている。なお、親水性皮膜35は記載を略して単に皮膜35と表記することがある。
【0025】
<親水性塗膜>
図3に示すろう付熱処理前の熱交換器組立体41において、フィン34の表裏面(表裏両面)に本実施形態に係る親水性塗膜35が形成されている。なお、親水性塗膜35は記載を略して単に塗膜35と表記することがある。
熱交換器組立体41はろう付する前の熱交換器に相当し、
図1に示す概形になるように左右のヘッダマニフォールド31、32とチューブ33とフィン34を組み付けたものである。この熱交換器組立体41を後述するようにろう付熱処理温度に加熱することで
図1に示す熱交換器30を得ることができる。なお、塗膜35はフィン34の表面と裏面の一方のみに形成されていても良い。
【0026】
熱交換器組立体41のフィン34に形成されている塗膜35は、以下に説明する親水性塗料組成物を塗布して塗料層を形成し、この塗料層を200~260℃、例えば250℃で0.2~5分間程度乾燥させることで溶媒を揮発させ、塗膜量として0.03~1.8g/m2となるようにして得られた塗膜である。
塗料層乾燥後の塗膜量が0.03g/m2未満の場合、ろう付後の皮膜35aにおいて十分な親水性を得ることができないおそれがある。また、乾燥後の塗膜量が1.8g/m2を越えた場合、ろう付性が悪くなり、ろう付時に接合不良を生じるおそれがある。
【0027】
本実施形態で用いる親水性塗料組成物は、ホウ素化合物と親水性高分子化合物を溶媒中に含む親水性塗料組成物である。
【0028】
「親水性付与成分」
本実施形態において親水性塗料組成物は、親水性付与成分としてホウ素化合物を含む。ホウ素化合物は、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム、ホウ酸アンモニウム、メタホウ酸リチウム、メタホウ酸ナトリウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸バリウム、メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸リチウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カルシウム、四ホウ酸バリウム、四ホウ酸アンモニウムの内、1種類または2種類以上である。
本実施形態において親水性塗料組成物は、親水性付与成分として前記ホウ素化合物に加え、親水性高分子化合物を含む。
親水性高分子化合物は、PVA(ポリビニルアルコール)、PEG(ポリエチレングリコール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)、HEC(ヒドロキシエチルセルロース)、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、MC(メチルセルロース)、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸塩ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、水溶性アクリル樹脂の内、1種類もしくは2種類以上である。
親水性塗料組成物において親水性付与成分は、例えば、固形分として親水性塗料組成物中に、0.1~5質量%程度含まれている。
【0029】
「レオロジー調整剤」
親水性塗料組成物には、例えば、レオロジー調整剤を0.02~3質量%程度含有することができる。
レオロジー調整剤として、具体的には、合成または天然の膨潤性層状鉱物粒子(ヘクトライト、バーミキュライト、ハロサイト、膨潤性マイカ等)、超微粒子酸化物粒子(アルミナ、チタニア、ジルコニア等)、PVP、水溶性セルロース誘導体、及びセルロースナノファイバーのうち、1種類または2種類以上を選択して用いることができる。
【0030】
「界面活性剤」
親水性塗料組成物には、例えば、界面活性剤を0.01~1質量%程度含有することができる。
界面活性剤として、具体的には、アニオン系界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、及びリン酸エステル塩から選択される1種または2種以上を適用することができる。アルキルベンゼンスルホン酸塩として知られるLAS、α-スルホ脂肪酸メチルエステル塩として知られるMES、又はα-オレフィンスルホン酸塩として知られるAOSなどを用いても良い。硫酸エステル塩としては、アルキル硫酸エステル塩のAS、又はポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩として知られるAESなどを用いても良い。
【0031】
その他、カチオン系界面活性剤として、ベンザルコニウム塩や第四級アンモニウム塩、又はイミダゾリン化合物を使用することができる。
その他、非イオン系界面活性剤として、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールなどを用いても良い。また、両性界面活性剤として、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、又はアルキルアミンオキサイドなどを用いても良い。
上記、界面活性剤のうち、1種類または2種類以上を選択して用いることができる。界面活性剤は塗布時の濡れ性や塗布不良を改善する。
【0032】
「フラックス剤」
親水性塗料組成物には、例えば、0.01~1質量%程度フラックス剤を含有することができる。
フラックス剤として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ホウ素、アルミニウム、シリコン、亜鉛、チタン、ジルコニウム、及びセシウムのいずれか1種または2種以上を含むフッ素化合物のいずれか1種または2種以上を含む。
前記フッ素化合物は、K1-3AlF4-6、Cs1-3AlF4-6、Cs0.02K1-2AlF4-5、AlF3、KF、KZnF3、K2SiF6、Li3AlF6、NaF、NaSiF6、KSiF6、MgF2、CaF2、CsF、NaBF4、KBF4、K2TiF6、及びK2ZrF6のうち、いずれか1種または2種以上であることが好ましい。
フラックス剤を含むことは、ろう付性の向上、塗膜密着性向上、耐食性の向上などに寄与する。
【0033】
「有機溶剤または有機溶剤+水」
親水性塗料組成物は有機溶剤または有機溶剤+水を主体とする溶媒に上述の各種成分が含まれている。
本実施形態において有機溶剤は、4-メチル-2-ペンタノール、α-テルピネオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオールなどのアルコールもしくは多価アルコール系有機溶剤や、1,2-ジエトキシエタン、ジブチルエーテル、1,2-ジブトキシエタン、ジフェニルエーテルなどのエーテル系有機溶剤や、アセトン、4-ペンタノン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノンなどのケトン系有機溶剤や、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、マレイン酸ジメチル、安息香酸エチルなどのエステル系有機溶剤や、トルエン、エチルシクロヘキサン、テレピン油、n-ドデカンなどの炭化水素系有機溶剤や、1-エトキシ-2-プロパノール、2-フェノキシエタノールなどの2つ以上の官能基を有する有機溶剤のうち、1種類または2種類以上を用いることができる。
また、水を添加しても使用することが可能な有機溶剤として、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1,4-ジオキサン、tert-ブタノール、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、エチレングリコールジメチルエーテル、ジメトキシエタン、アセトニトリル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、2-エトキシエタノール、1-ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、2-エトキシエチルアセテート、2-メトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジアセトンアルコール、ジメチルアミノエタノール、N,N-ジメチルホルムアミド、トリエチレングリコールジメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、γ-ブチルラクトン、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、2-ブトキシエタノール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン、2-アミノエタノールのうち、1種類または2種類以上を用いることができる。
【0034】
<水溶性潤滑層>
親水性塗料組成物の塗膜上に形成する層として水溶性潤滑層を形成できる。
水溶性潤滑剤として、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン-12-ヒドロキシステアリン酸エステル、ポリオキシエチレントリメチロールプロパンアルキル脂肪酸モノ又はジエステル、ポリオキシエチレンペンタエリスリトールアルキル脂肪酸モノ又はジエステル、及びポリオキシエチレンポリオキシアルキルエーテルの群の中から選ばれる化合物にエチレンオキサイドを付加したノニオン型高分子などが挙げられる。
【0035】
塗膜35の表面には、水溶性潤滑層が形成されていることが望ましい。この水溶性潤滑層の塗膜量は、0.05~1g/m2であることが望ましい。
水溶性潤滑層の塗膜量が0.05g/m2未満の場合、板材を波形のフィンに加工する場合、金型との摩擦により、フィンに部分的に割れが生じ易くなる。また、1g/m2を越える塗膜量とした場合、フィン加工時に、切断および送り不良が生じやすくなることや、ろう付性が低下するおそれが生じる。
【0036】
図3に示す熱交換器組立体41において、チューブ33の上面33Aと下面33Bにろう付用塗膜37が形成されており、熱交換器組立体41を580~620℃程度の温度に数分~数10分程度加熱することでろう付用塗膜37を溶融させることができる。
加熱処理後、冷却すると
図2に示すようにフィレット38、39によりチューブ33とフィン34をろう付し、フィレット38によりチューブ33をヘッダマニフォールド31、32にろう付した熱交換器30を得ることができる。
ろう付前のフィン34に形成されていた親水性塗膜35はろう付熱処理後に親水性皮膜35aとなり、フィン34の表面と裏面に残留する。
【0037】
ろう付用塗膜37にZn含有フラックスを含有している場合、ろう付熱処理時にチューブ33の上面33Aと下面33BにZnが拡散してZn拡散層42を生成し、このZn拡散層42が防食効果を発揮する。
ろう付用塗膜37はその他一般的に知られているろう付用塗料、あるいは、ブレージングシートなどのクラッド材に適用される一般的なろう材層から構成されていても良い。
また、フィン34側へろう材層が形成され、チューブ33にろう付塗膜37が形成されていない構成でも使用することができる。この時チューブ33の表裏面にはZn溶射層やフラックス層が形成されていてもよい。
【0038】
本実施形態の親水性塗膜35はろう付前に上述の組成を有するので、ろう付熱処理後は、有機成分、界面活性剤、有機物からなるレオロジー調整剤が除去された後、残りの成分が凝集して親水性皮膜35aを構成することで、親水性を発現する。
【0039】
特に、ホウ素化合物と親水性高分子化合物を含む塗膜35が上述のろう付処理温度に加熱されて皮膜35aとなった後も優れた親水性を発現する。
上述の物質を含むことにより、アルミニウム合金の表面への付着性を確保し、皮膜35aの付着性を向上させ、皮膜35aの剥離を防止する。
また、塗膜35にはガラス分が含まれていないため、塗布装置に対する負荷が少なく、塗布装置の損傷を防止できる。このため、高い生産性で塗膜35の形成が可能となり、生産性に優れたアルミニウム板を提供できる。
【0040】
塗膜35はSiO2含有量を49%以下に抑えているので、ろう付加熱により皮膜35aとなった後でも茶褐色などに変色することがなく、アルミニウム製のフィン34が本来備える金属光沢を有する外観を維持できる。
塗膜35は、表面粗さRzを1.5μm以下としているため、表面の凹凸が少ない。このため、基板34aにバーコーターやロールコーターなどの塗布装置で親水性塗料組成物を塗布し、塗料層を形成する処理を繰り返し行ったとして、塗布装置に対する負荷が少なく、塗布装置の損傷を抑制できる。ここで仮に、親水性を向上させるために親水性塗料組成物中にホウ酸系ガラス粒子などを添加すると、塗膜35の表面粗さが粗くなり、塗布装置の損傷を心配しつつ塗布作業を実施する必要があるので、生産性向上に寄与しない。
ろう付加熱後の皮膜35aにおいて非晶質の割合が50%以上であると、親水性付与成分が水に流出し難く、親水性能を長期間維持できる。
【実施例】
【0041】
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<サンプルの作製>
Si:0.4~1.0質量%、Mn:1.0~2.0質量%、Zn:0.5~3.5質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物の組成を有するアルミニウム合金からなる帯状基板を複数用意し、これら基板に対し、脱脂処理を行った。
基板脱脂処理の後、バーコーター塗装用の以下の親水性塗料組成物を準備した。
【0042】
<親水性塗料組成物の調整>
以下の表1に、親水性塗料組成物の調整に用いたホウ素化合物、親水性高分子、レオロジー調整剤、界面活性剤、フラックス剤、水溶性潤滑剤の種類を記載し、親水性塗膜の表面に形成する水溶性潤滑層の種類を記載した。
【0043】
【0044】
以下の表2~表11に示すように各成分を配合した親水性塗料組成物を前述の基板の表面にバーコーター塗装により塗布して塗料層を形成した。この後、塗料層を250℃で0.5分間程度加熱することにより乾燥し、表2~表11に示すように乾燥後の塗膜量を調節した親水性塗膜を有するアルミニウム板を得た。更に、以下の表2~表11に示す塗膜量に調節された水溶性潤滑剤層をバーコーター塗装により先の親水性塗膜上に形成した。
【0045】
次に、Si:0.3~0.5質量%、Mn:0.2~0.4質量%を含み、残部Alと不可避不純物からなるチューブ用アルミニウム合金を溶製し、この合金から押出成形により扁平横断面形状(肉厚0.26mm×幅17.0mm×高さ1.5mm)の熱交換器用アルミニウム合金チューブを形成した。
さらに、これらチューブの平坦な上面と下面にろう材層の塗膜を形成した。ろう材層の塗膜は、Si粉末(D(99)粒度10μm)3gと、Zn含有フラックス(KZnF3粉末:D(50)粒度2.0μm)6g、及び、アクリル系樹脂バインダ1g、溶剤としての3-メトキシ-3-メチル-1ブタノールとイソプロピルアルコールの混合物16gからなる溶液をバーコーターにより塗布し、乾燥させる(150℃雰囲気中で5分間加熱)ことで形成した。
【0046】
前記アルミニウム板をコルゲート加工により波形に成形して全長100mmのアルミニウムフィンを得た。このアルミニウムフィン10枚に対し、前記チューブを11本組み合わせて
図1に示す熱交換器形状に類似した10段構成のミニコア試験体を組み立てた。
これらのミニコア試験体を窒素雰囲気の炉内に600℃×3分保持する条件でろう付熱処理を行った。このろう付熱処理により、ろう付用塗膜が形成されていたチューブの上面および下面に、犠牲陽極層が形成されるとともに、親水性皮膜を備えたフィンとチューブをろう付接合した熱交換器試験体を得た。
【0047】
塗装性評価、塗膜の表面粗さ、プレス加工性、非晶質の割合、ろう付熱処理後のフィン変色、親水性評価(ろう付熱処理後の接触角)、ろう付性評価、ろう付熱処理温度に関し、以下に説明する測定または評価を実施した。
これらの測定結果または評価結果を後記する表12~表18に記載した。
【0048】
[塗装性評価]
前述の親水性塗料組成物を前述の基板表面へ塗布、加熱焼付を行った後の塗装状態(塗膜の状態)において、目視外観にて塗装性の評価を行った。塗料組成物のはじきが著しく、塗装が不可能なものを×と判定し、塗料組成物はじきまたは筋状のムラが若干見られるものの、目視外観上で問題ないものを〇と判定し、塗料組成物はじきが全くなく、筋状のムラがないものを◎と判定した。
[表面粗さ]
表面粗さが大きい場合、ロール塗装した際にロールに傷が発生し好ましくない。焼付後の基板表面の塗膜について、レーザー顕微鏡にて表面粗さを測定し、表面粗さRzが1.5μm以下であれば良好、1.5μmより大きければ良好でないと判断した。
【0049】
[プレス加工性]
前述の親水性塗料組成物を基板表面へ塗布し、250℃で0.5分間乾燥して塗膜とした後、更に水溶性潤滑剤層を形成した塗膜に対し、バウデン式動摩擦係数試験により表面の動摩擦係数を測定した。動摩擦係数が0.3を超える試料はプレス加工時の金型へのダメージが大きい試料と判断して×と判定し、動摩擦係数が0.3以下~0.2を超える試料を△と判定し、動摩擦係数が0.2以下の試料を〇と判定した。
[非晶質の割合]
ろう付後の親水性皮膜における非晶質の割合が50%未満であると、親水成分が水に流出しやすく、親水性能を満足に発揮することができない。親水性皮膜についてBRUKER社製の表面X線回折(薄膜法)により結晶性について評価した。非晶質の割合は、ろう付前に確認したメインピーク3本についてそれぞれの強度を100%とし、ろう付熱処理後のピーク強度の減少から、非晶質割合を評価した。皮膜中の非晶質の割合が50%以上であれば良好、それより少なければ良好でないと判断した。
【0050】
[フィンの変色]
ろう付加熱後にアルミニウム板の変色した部位を色差計で測定し、色差値L*a*b*のb値が-3~+12であれば〇と判定し、値の範囲を超えている場合×と判定した。
色差値L*a*b*のb値が前述の範囲であれば、ろう付後の皮膜変色が少なく、アルミニウムが本来有する金属光沢を呈するフィンを提供できる。
[親水性評価:水洗後の水接触角測定]
前述の親水性塗料組成物をフィン表面へ塗布し、250℃において0.5分間焼き付けて塗膜とした後、上述のろう付加熱処理した親水性皮膜を有するアルミニウム板について、流水に24時間浸漬後に試料表面の水接触角と試料表面の水接触角を測定した。
これら測定結果において、水接触角が30°より大きいものを親水性が×と判定し、接触角が30°以下~25°よりも大きいものを親水性が△と判定し、水接触角が25°以下~20°よりも大きいものを親水性が〇と判定し、水接触角が20°以下のものを親水性が◎と判定した。
【0051】
[ろう付性評価]
チューブに対しろう付接合された各フィンについて、チューブからフィンをはぎ取り、チューブ表面に残存するフィン接合跡を観察し、未接合箇所(ろう付を行ったが接合部跡が残らなかった箇所)の数を計測した。1つのサンプルに対し、100箇所の接合部について計測し、正常な箇所(ろう付後、接合部跡が残った箇所)が69箇所以下のものを×と判定し、70~79箇所のものを△と判定し、80~89箇所のものを〇と判定し、90箇所以上であるものを◎と判定した。
以上の測定結果と評価結果を以下の表2~表18に示す。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
No.1~237の実施例は、ホウ素化合物、親水性高分子を含み、SiO2含有量49%以下、焼付後の表面粗さRzが1.5μm以下の親水性塗膜を基板上に備えている。
これら実施例の塗膜を備えたフィンをチューブにろう付して製造した熱交換器では、フィンに変色を生じることがなく、フィンを加工する場合のプレス加工性に優れ、フィンのろう付性にも優れていた。また、ろう付後の親水性に優れているので、フィンに水滴が付着したとして排水性に優れたフィンを備えた熱交換器を提供できる。
また、ろう付後の親水性皮膜において非晶質割合が50%以上であるため、親水成分が水に溶出し難く、親水性能を長期間充分に発揮できる。
【0070】
これら実施例に対し、表11に示す比較例1~8は親水性高分子を含有していない例である。これら比較例1~8は、非晶質の割合は高いものの、いずれの例も満足な親水性が得られなかった。比較例1、2のようにホウ素化合物のみからなる塗膜、比較例3、4のようにホウ素化合物とレオロジー調整剤と界面活性剤を含有する塗膜、比較例5のようにホウ素化合物とフラックス剤を含有する塗膜、比較例7、8のように更にレオロジー調整剤、界面活性剤、フラックス剤を添加した塗膜としても、親水性高分子を含有していない例では、良好な接触角が得られない。
【0071】
比較例9、10はホウ素化合物に加え、ポリテトラフロオロエチレンの撥水性高分子を含有する皮膜であるが、いずれの例も満足な親水性が得られなかった。
比較例11、12は、ケイ酸ナトリウムとポリアミド酸ナトリウムを含有し、SiO2含有量を高くした親水性皮膜を有するが、何れの例もフィンに変色が見られ、外観不良となった。
比較例13は、ホウ酸系ガラス粒子を含み、表面粗さが1.5μmを超える塗膜とした例であるが、接触角が若干高くなった。また、比較例13は、ガラス粒子の存在により表面粗さが大きい例であるが、表面粗さの値が1.5μmを超えるとガラス粒子の存在により表面粗さが大きいため、塗布ロールの寿命が短くなった。
比較例14は、ホウ酸系ガラス粒子を多く含み、表面粗さが1.5μmを超える皮膜を有する例であるが、表面粗さの値が1.5μmを超えるとガラス粒子の存在により表面粗さが大きいため、塗布ロールの寿命が短くなった。
【0072】
比較例15、16は、ホウ素化合物を含まず、親水性高分子とレオロジー調整剤、界面活性剤、フラックス剤を含有する試料であるが、ろう付後の接触角が悪くなった。
比較例17は、熱処理温度が低く、非晶質割合が50%未満となった試料であるが、ろう付性が低下し、ろう付後の接触角も悪くなった。
比較例18、19は、SiO2含有量の高い皮膜であるが、何れの例もフィンの変色を防止できなかった。
【符号の説明】
【0073】
30…熱交換器、31、32…ヘッダマニフォールド、33…チューブ、
33A…上面、33B…下面、33C…冷媒通路、34…フィン、
35…親水性塗膜(ろう付熱処理前)、35a…親水性皮膜(ろう付熱処理後)、
37…犠牲陽極層、38…第1のフィレット、39…第2のフィレット、
41…熱交換器組立体。
【要約】
【課題】本発明は、親水性塗膜あるいは親水性皮膜を備えたアルミニウム板及び熱交換器の提供を目的とする。
【解決手段】本発明に係る親水性塗膜を備えたアルミニウム板は、ホウ素化合物、親水性高分子を含み、SiO
2含有量が49%以下、表面粗さRzが1.5μm以下の塗膜をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板の片面または両面に備えたことを特徴とする。また、本発明に係る親水性皮膜を備えたアルミニウム板は、ホウ素化合物、親水性高分子を含み、SiO
2含有量が49%以下、表面粗さRzが1.5μm以下の皮膜をアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる基板の片面または両面に備えたことを特徴とする。
【選択図】
図3