(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】風力タービンブレードのルートリングを取り扱うための移動及び位置決めアダプタ
(51)【国際特許分類】
F03D 13/40 20160101AFI20240111BHJP
B66F 9/12 20060101ALN20240111BHJP
【FI】
F03D13/40
B66F9/12 Z
(21)【出願番号】P 2022501146
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(86)【国際出願番号】 US2020041675
(87)【国際公開番号】W WO2021011400
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-07-07
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520005303
【氏名又は名称】ティーピーアイ コンポジッツ,インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オヌル,ウーゼル
(72)【発明者】
【氏名】ウナル,フルカン
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-502944(JP,A)
【文献】米国特許第09260875(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0176904(US,A1)
【文献】中国実用新案第202138997(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0175715(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 13/40
F03D 11/00
F03D 1/00
B25B 11/00
B25B 27/14
E04G 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力タービンブレード取扱システムであって、
ベース及び端壁を含むフォークリフトアダプタであって、前記ベースがフォークリフトの少なくとも一本のタインに係合するように構成されている、フォークリフトアダプタと、
複数の支柱を含むルート取扱装置と、
少なくとも一本の支柱に結合された少なくとも一本のテンションロッドと、を備え、
前記ルート取扱装置の少なくとも一部及び少なくとも一本のテンションロッドが、ルートリング内に配置され、且つ、前記ルートリングのフランジのスパン方向の部分を受け入れるように構成されている、風力タービンブレード取扱システム。
【請求項2】
前記ルート取扱装置と前記ルートリングとが結合される、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項3】
前記ルート取扱装置と前記ルートリングとが共に上昇する、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項4】
前記ルート取扱装置と前記ルートリングとが共に回転する、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項5】
前記テンションロッドが、第1の端部にアクチュエータを含み、第2の端部に減衰シューを含む、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項6】
前記減衰シューが、前記ルートリングの形状に相補的な形状を含む、請求項5に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項7】
複数のテンションロッドが、前記ルートリングの内面に係合するように選択的に作動可能である、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項8】
前記少なくとも一本のテンションロッドが前記ルートリングに力を加える、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項9】
前記ルート取扱装置と前記テンションロッドとが別々の構成要素である、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項10】
前記ルート取扱装置と前記ルートリングとが、長手方向軸を中心に360度回転可能である、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項11】
前記ルート取扱装置が、第1の端部及び第2の端部を有し、少なくとも一方の端部が前記ルートリングの直径以上の長さを有する、請求項1に記載の風力タービンブレード取扱システム。
【請求項12】
ベース及び端壁を含むフォークリフトアダプタを設けるステップと、
前記フォークリフトアダプタの前記ベースをフォークリフトの少なくとも一本のタインに結合するステップと、
複数の支柱及び少なくとも一本のテンションロッドを含むルート取扱装置を、風力タービンブレードのルートリング内に配置するステップと、
前記ルートリングの表面に係合するように前記少なくとも一本のテンションロッドを作動させるステップと、を含み、
前記ルート取扱装置は、前記ルートリングのフランジのスパン方向の部分を受け入れる、風力タービンブレードの取扱方法。
【請求項13】
前記ルート取扱装置の少なくとも一側を前記ルートリングに結合するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
結合するステップは、前記ルート取扱装置と前記ルートリングとの間に機械的ファスナを接続するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ルート取扱装置と前記ルートリングとを同時に上昇させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ルート取扱装置と前記ルートリングとを同時に回転させるステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも一本のテンションロッドを作動させるステップが、前記少なくとも一本のテンションロッドを伸長させて、前記ルートリングに張力を加えるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも一本のテンションロッドが複数のテンションロッドを含み、各テンションロッドが独立して作動される、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも二本のテンションロッドが異なる長さに伸長される、請求項
18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35USC119に基づき、内容全体が参照により本明細書に組み込まれている、2019年7月12日に出願された米国仮出願第62/873,608号の優先権を主張する。
【0002】
本開示の主題は、風力タービンロータブレードを移動させるための風力タービンロータブレード取扱システム及び装置、並びにこのような取扱システムを操作する対応する方法に関する。特に、本開示は、風力タービンブレードのルートリング部を取り扱うための構造を提供する。
【背景技術】
【0003】
例えばブレード成形型からの取外し後及び成形後操作(例えば、ブレード外面の研磨又は塗装操作)中に風力タービンブレードの一部を支持するように作用するカート及び/又はクレーンを含む、風力タービンブレードの製造プロセスで使用するための様々な方法及びシステムが知られている。
【0004】
従来のブレードカートは、ブレードの本体の周りに装着されている囲われたリング構造を含む。しかしながら、ブレードの寸法が大きくなると、これらのカートをブレードに取り付けることが困難になることが多い。カートをブレードに沿って(多くの場合、手動で)移動する間にブレードの重量を支持するために、クレーンがしばしば必要とされる。加えて、カートは、人及び機器が大きいリングによって邪魔されて、カートの位置でブレードの前縁及び後縁に容易にアクセスできなくなる成形後操作中に、危険を及ぼす。
【0005】
従来のブレードカートは、風力タービンブレードが導入される、(ブレードの外側の)閉鎖リングを形成する閉鎖ブラケットを伴って構成される。この構成の欠点は、ブレードをカートに装填する操作にある。これは、装填ステップを実行するために、ブレードの先端から、カートがブレードの重量を支持できるブレードの位置(例えば、ブレードの重心)まで、カートを移動しなければならないか、又は頭上走行クレーン及びケーブルを使用してブレードをカートに移動しなければならないからである。このような従来のブレード取扱システムの望ましくない複雑さに加えて、これらの従来のシステムの操作は、様々な構成要素を導入し取り外すときにブレードの損傷の危険性が高い様々な移動を必要とする。
【0006】
また、従来のブレード取扱装置は、ルートを回転させるために、一端がブレードの半ルート部に接続され、他端がクレーンのフックに接続された大綱を必要とする。このプロセス中、ルート部が大綱から滑り落ちる危険性が非常に高く、操作者にとって生命に関わる危険を及ぼす。加えて、部品が大綱によって回転されたときに部品が地面に落下して、部品に重大な損傷を与える危険があった。大綱によるルートの回転は面倒な作業であったため、操作中にかなりの時間が失われ、製造サイクル時間が増加した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の主題の目的及び利点は、以下の記述で説明され、その記述から明らかになると共に、本開示の主題の実施によって習得されるであろう。本開示の主題のさらなる利点は、明細書及び特許請求の範囲において、並びに添付図面から具体的に示された方法及びシステムにより実現され達成されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これら及びその他の利点を実現するために、具現化され広範囲に説明される本開示の主題の目的によれば、本開示の主題は、ベース及び端壁を含むフォークリフトアダプタであって、ベースがフォークリフトの少なくとも一本のタインに係合するように構成されている、フォークリフトアダプタと、複数の支柱を含むルート取扱装置と、少なくとも一本の支柱に結合された少なくとも一本のテンションロッドと、を備え、ルート取扱装置の少なくとも一部及び少なくとも一本のテンションロッドが、ルートリング内に配置されるように構成されている、風力タービンブレード取扱システムを含む、風力タービンブレード装置を含む。
【0009】
一部の実施形態において、ルート取扱装置とルートリングとは結合される。
【0010】
一部の実施形態において、ルート取扱装置とルートリングとは共に上昇する。
【0011】
一部の実施形態において、ルート取扱装置とルートリングとは共に回転する。
【0012】
一部の実施形態において、テンションロッドは、第1の端部にアクチュエータを含み、第2の端部に減衰シューを含む。
【0013】
一部の実施形態において、減衰シューは、ルートリングの形状に相補的な形状を含む。
【0014】
一部の実施形態において、複数のテンションロッドが、ルートリングの内面に係合するように選択的に作動可能である。
【0015】
一部の実施形態において、少なくとも一本のテンションロッドはルートリングに力を加える。
【0016】
一部の実施形態において、ルート取扱装置とテンションロッドとは別々の構成要素である。
【0017】
一部の実施形態において、ルート取扱装置とルートリングとは、長手方向軸を中心に360度回転可能である。
【0018】
一部の実施形態において、ルート取扱装置は、第1の端部及び第2の端部を有し、少なくとも一方の端部がルートリングの直径以上の長さを有する。
【0019】
本開示の別の態様によれば、ベース及び端壁を含むフォークリフトアダプタを設けるステップと、フォークリフトアダプタのベースをフォークリフトの少なくとも一本のタインに結合するステップと、複数の支柱及び少なくとも一本のテンションロッドを含むルート取扱装置を、風力タービンブレードのルートリング内に配置するステップと、ルートリングの表面に係合するように少なくとも一本のテンションロッドを作動させるステップと、を含む、風力タービンブレードの取扱方法が含まれる。
【0020】
一部の実施形態において、方法は、ルート取扱装置の少なくとも一側をルートリングに結合するステップをさらに含む。
【0021】
一部の実施形態において、結合するステップは、ルート取扱装置とルートリングとの間に機械的ファスナを接続するステップを含む。
【0022】
一部の実施形態において、方法は、ルート取扱装置とルートリングとを同時に上昇させるステップをさらに含む。
【0023】
一部の実施形態において、上昇させるステップは、ケーブルをルート取扱装置に取り付けるステップを含む。
【0024】
一部の実施形態において、方法は、ルート取扱装置とルートリングとを同時に回転させるステップを含む。
【0025】
一部の実施形態において、少なくとも一本のテンションロッドを作動させるステップは、少なくとも一本のテンションロッドを伸長させて、ルートリングに張力を加えるステップを含む。
【0026】
一部の実施形態において、少なくとも一本のテンションロッドは複数のテンションロッドを含み、各テンションロッドは独立して作動される。
【0027】
一部の実施形態において、少なくとも二本のテンションロッドが異なる長さに伸長される。
【0028】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は共に例示的であり、特許請求される本開示の主題のさらなる説明を提供することを意図していることを理解されたい。
【0029】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の主題の方法及びシステムを図示し、これらのさらなる理解をもたらすために含まれる。図面は、明細書と共に、本開示の主題の原理を説明するのに役立つ。
【0030】
本明細書中に記載された主題の様々な態様、特徴、及び実施形態の詳細な説明が、以下で簡潔に説明する添付図面を参照して提供される。図面は例示的であり、必ずしも縮尺通りに描かれておらず、明確にするために一部の構成要素及び特徴が誇張されている。図面は、本主題の様々な態様及び特徴を例示し、本主題の一つ以上の実施形態又は例を全体的に又は部分的に説明することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本明細書に開示された実施形態による、ルート取扱固定具を含む例示的な風力タービンブレード組立装置を示す図。
【
図2】ルート及びルート取扱固定具を、水平軸を中心に回転させた状態で示す、
図1の装置の別の斜視図。
【
図7】
図1の装置の分離図(明確にするためにルート部が取り外されている)。
【
図8】
図1の装置の一本のテンションロッドの正面図。
【
図9】
図1の装置の例示的な頭上取付機構の拡大図。
【
図10】
図1に示す実施形態によるフォークリフトアダプタの例示的なロックピンの拡大図。
【
図11】ルート取扱固定具を含む別の例示的な風力タービンブレード組立装置を示す図。
【
図12】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの分離図。
【
図15A】
図11に示す実施形態のフォークリフトアダプタの分離斜視図。
【
図16A】
図11に示す実施形態のフォークリフトアダプタの分離断面図。
【
図17A】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの斜視図。
【
図17B】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの正面図。
【
図17C】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの上面図。
【
図17D】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの断面図。
【
図18A】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの斜視図。
【
図18B】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの上面図。
【
図18C】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの断面図。
【
図19A】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの斜視図。
【
図19B】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの斜視図。
【
図20】
図11に示す実施形態のルート取扱装置、ルートリングアタッチメント、フォークリフト、及びルートリングの正面図(スパン方向)。
【
図21】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの斜視図。
【
図22】
図11に示す実施形態のルートリングアタッチメントの斜視図。
【
図23】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの斜視図。
【
図24】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの上面図。
【
図25】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの正面斜視図。
【
図26】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの正面図。
【
図27】
図11に示す実施形態のルート取扱装置及びルートリングアタッチメントの後面斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示の主題の目的及び利点は、以下の記述で説明され、その記述から明らかになると共に、本開示の主題の実施によって習得されるであろう。本開示の主題のさらなる利点は、明細書及び特許請求の範囲において、並びに添付図面から具体的に示された方法及びシステムにより実現され達成されるであろう。
【0033】
以下で、本開示の主題の例示的な実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。本開示の主題の方法及び対応するステップを、システムの詳細な説明と併せて説明する。
【0034】
本明細書に提示される方法及びシステムは、風力タービンブレード(又はその一部)を取り扱うために、例えば、風力タービンブレード(又はその一部)を締め付ける、固定する、持ち上げる、回転させる、及び輸送するために、使用することができる。例示的な実施形態において、このシステムは、風力タービンブレードのルートリングを取り扱うのに特に適した装置から構成され、一部の実施形態において、このルートリングは、ブレードの残りの部分に対して別の/別個の構成要素として作製され得る。本明細書に開示されたシステム及び装置を、風力タービンブレードの製造の様々な仕上げプロセスを容易にするために使用することができる。
【0035】
図1に示すように、システム1000は、通常、フォークリフトと、様々なフォークリフトモデルのフォークタインを受け入れるように万能にサイズ決めされ得るフォークリフトアダプタ(100)と、ブレードルート(10)を受け入れるためのルート取扱装置(200)とを備える。また、フォークリフトは、本明細書に記載されているように、フォークリフトのタインを回転可能にするアタッチメントを備えることができる。説明のため及び限定しないために、本開示は、ブレードの半分又は半ルートリング(10)部と共に使用するブレード取扱装置(200)の例示的な使用に注目するが、本明細書に開示される装置を追加のブレード部及び/又は複合構造に関連して採用してもよいことを理解すべきである。本明細書に開示されるこれらの装置は、従来の取扱システムよりも高い効率、アクセス可能性、及び人間工学を有して、より大型の風力タービンブレードを安全に取り扱う能力を提供する。
【0036】
本開示の装置は、持ち上げるときにルートリング(10)の重量を支持することのできる剛性構造を採用し、フォークリフトアダプタが周りを回転(合計360°、例えば180°時計回り及び180°反時計回り)することができる中心長手方向軸(ブレード成形型の半分から成形された、ブレードの上面の半分又は半ルートリングを示す、
図1に示すように、ブレードのスパン方向に位置合わせされている)を有する。
【0037】
下記の表1に示す以下の条件内で
図2、
図3に示すように操作することによって、半ルートリング(10)を持ち上げる及び/又は回転させるときの装置の安定性を維持することができる。
【0038】
【0039】
反時計回りのカウントが正のモーメント値であると仮定すると、
ΣMB=Fequipment*x+Frootring*(x+z)+Fattachment*x-y*F=0 式1
これは、式1の変数にそれぞれの値を挿入すると、次のようになる。
ΣMB=230*1.02+1500*2.2+300*1-0.819*F=0 式2
これにより、F=4682kgとなる。
【0040】
したがって、図示の例示的な実施形態は、約4682kgのフォークリフト重量で動作することができる。また、三つの構成(0°、90°、180°)すべてにおいて、重心は二つの支持体(例えば、フォークリフトのタイン)間に拘束される。したがって、フォークリフトの操作中における横方向の(x軸周りの)不安定性は生じない。
【0041】
フォークリフトタインは、フォークリフトアダプタ(100)に係合して、半ルートリング(10)及びルート取扱装置(200)を少なくとも(完全な)ルートリング(10)の直径に等しい高さまで上昇させ又は持ち上げて、半ルートリング(10)が床に接触することなく完全に回転する十分な隙間を有することを保証することができる。一部の実施形態において、フォークリフトは、ブレード成形型の縁部まで移動することができ、フォークリフトアダプタ(100)(ブレードのルートリング内に予め設置することができる)内に挿入されてブレード成形型から半ルートリング(10)を持ち上げるように上昇するタインを有することができる。したがって、本開示により、フォークリフト装置がルートリング(10)に直接係合又は接触することなく、ルートリング(10)を上昇及び/又は回転させることができ、代わりに、フォークリフトは、本開示の装置、例えば、フォークリフトアダプタ(100)及びブレード取扱装置(200)のみに接触することにより、ルートリングの損傷を回避する。言い換えると、本開示により、フォークリフトはルートリングを持ち上げる/回転させることができ、フォークリフトのタインはルートリングの凹部の内側に位置する。
【0042】
前述したように、フォークリフトアダプタは、水平軸を中心に時計回り又は反時計回りに360度にわたって回転することができ(
図1~
図3に示す)、ルート部全体を反転させることができ(
図3に示す)、移動範囲内の任意の位置にロックすることができる(これにより、所望に応じて、検査及び/又は追加の処理ステップが可能になる)。
【0043】
フォークリフトアダプタ(100)
本開示は、標準的なフォークリフトに接続して、フォークリフトをルート取扱装置(200)と共に動作するように変えることのできるフォークリフトアダプタを含む。フォークリフトの従来のタインをフォークリフトアダプタ(100)に挿入することができ、フォークリフトアダプタ(100)をフォークリフトタインに取り付けることができる。
【0044】
図6、
図7に示すように、フォークリフトアダプタは、ベース部(110)を含み、一部の実施形態において、直角に延びる端壁/バー(120)(一部の実施形態において、これらのバー120をフォークリフトに恒久的に取り付けることができる)を含む。例えば、ベース部(110)は、複数の梁を含むことができ、各梁は、フォークリフトのタインを摺動可能に受け入れるようにサイズ決めされる。ベース部の梁110間の間隔は、フォークリフトのタイン間の間隔に対応するように所望に応じて調整することができる。各梁(110)は、フォークリフトのタインを受け入れるようにサイズ決めされた口(すなわち、フォークリフトに面した側)に開口部を有する剛性の矩形構造である。ベース部(110)は、ブレード取扱装置(200)が梁(110)の上に配置されている状態で、ブレード取扱装置(200)とルートリング(10)とを操作中に支持し、ブレード取扱装置はルートリングに結合されて、ブレード取扱装置(200)及びルートリング(10)の両方の重量のすべてがベース部(100)を通して分散されるようになっている。端壁/バー(120)は、ブレード取扱装置(200)及びルートの後方への(すなわち、フォークリフトの操作者に向かう)横方向変位を防ぐ剛壁として機能する。
【0045】
風力タービンブレードの移動(例えば、ブレードの長手方向軸を中心とする回転)を生じさせる動力は、様々な方法、例えば、電気モータ、空気圧システム、又は油圧システムで提供することができる。一部の実施形態において、動力手段(及び、場合によって、関連する配線、ケーブル、又は配管)が、フォークリフトアダプタ内に直接収容される。他の実施形態において、動力源及び/又は補助動力システムが、フォークリフトアダプタの外側に位置してもよく、例えば、フォークリフト自体の中に収容されてもよい。
【0046】
フォークリフトアダプタのベース部(110)とルート取扱装置(200)とは、一体に形成されてもよく、又は一部の実施形態において、サブアセンブリを形成するように結合された別個の部材として形成されてもよい。図示のように、端壁/バー(120)は、ブレード取扱装置(200)及びルート(10)の上方に垂直に延びるようにサイズ決めされてよい。ベース(110)及び端壁/バー(120)の寸法及び間隔を、様々なサイズのブレードに対応するように調整することができる。
【0047】
ベース部(110)は、フォークリフトタインに係合して操作中にルート取扱装置(200)とフォークリフトとの間の相対運動を防ぐロックピン(170)を含む。また、
図10に示すように、ロックピン(170)をロック構成に押しやるようにバイアスされるばね荷重ピン(180)も含まれ、それにより、ロックピン(170)がフォークリフトから外れることを防ぐ。
【0048】
ルート取扱装置(200)
ルート取扱装置(200)は、相互接続された支柱(202)のフレーム又はシャーシを含み、図示の例示的な実施形態において、フレーム又はシャーシは、フォークリフトのタインを受け入れるフォークリフトアダプタ(100)に係合するための正方形の第1の部分(210)と、ルートリングに係合する矩形の第2の部分(220)とを有して構成される。支柱は、ルートリングによって付与される重量/荷重に耐えることができる任意の適切な剛性材料(例えば、鋼)から形成され、中空の矩形部材として形成されてよい。図示の例示的な実施形態において、ルート取扱装置は、図示のように、x軸及びy軸に関して対称である。
【0049】
図7に示すように、第1の部分(210)又は端部は、フォークリフトアダプタ(110)の梁に位置合わせされた二本の支柱(201、202)を有し、ルート取扱装置をフォークリフトアダプタ(110)に恒久的に取り付ける(例えば、溶接する)又は解放可能に取り付けることができるようになっている。横支柱(203)が、これら二本の下支柱(202、204)の間に延びる。支柱(205、206)が下支柱(201、202)から上方に垂直に延びる。また、バットレス支柱(207、208)が垂直支柱(205、206)から斜めに延び、バットレス支柱の端部は垂直支柱(205、206)の端部からずれていてよい。
【0050】
第2の端部(220)は第1の端部よりも寸法が大きく、フレーム(200)が全体的に三角形又は台形構造として形成されるようになっており、第1の端部又は頂点(
図7の下部に示す)がフォークリフトのタインに取り付けられる。矩形の第2の端部(220)は、一連の相互接続された支柱から同様に形成され、フレームから延びる足部(240)を含んで、装置(200)が床に配置されたときにルートが地面から上方に離隔するようになっている。直角に延びる支柱(222)が、フレームの周囲を画定する支柱間に延びることができ、これらの支柱(222)は、斜めのバットレス支柱と共に、ブレードルート(10)の持上げ/回転中に付与されるねじり荷重に対する剛性をもたらす。フレームの第2の端部の直角支柱(222)を、フレームの第1の端部の垂直支柱(205、206)に一致する位置で、フレームの第2の端部の周囲に交差するように位置合わせすることができる。
【0051】
ルート取扱装置(200)は、単一の一体ユニットであってよく、又は、複数の別個の構成要素(例えば、個々の支柱)から構成され、これらの構成要素が共に接合され、又は他の方法で接続されて、ルートリング内に挿入され得るようになっていてもよい。加えて、ルート取扱装置(200)を、ルートリングに沿った任意の所望の位置(例えば、口、若しくはナセルに取り付けられた、ルートリングのルート端部近く、又はルートリングの先端近く)に位置決めすることができる。一部の実施形態において、ルートリング(10)、ルート取扱装置(200)、及びフォークリフトアダプタ(100)の重心は、すべてフォークリフトの重心に位置合わせされている。
【0052】
ルート取扱装置はまた、フレーム(220)の周囲から垂直に延びる足部(240)を含むことができ、足部(240)は、図示のようにフレームの角部に位置する。これらの足部(240)により、ルートリングが取り付けられている場合にはルートリングを上昇させたまま維持しながら、ルート取扱装置(230)を床に配置することができる。半ルート部(10)を凸の向きから凹の向きに180度回転させた後、足部を床に配置し、任意の所望のプロセス/修復、例えばトリミングを、障害又は損傷の危険なく容易に行うことができる。
【0053】
一部の実施形態において、ルート取扱装置はまた、ルート取扱装置(及び、取り付けられている場合にはルートリング)を持ち上げる頭上持上げ機構(例えば、クレーン)のための持上げ板(250)を含むことができる。
図7に示すように、持上げ板(250)は、直角支柱(222)間に延び、ねじり/回転モーメントを防ぐためにルート取扱装置(200)(及び、取り付けられている場合にはルートリング)の重心に位置合わせされた連結孔を有することができる。加えて又は代わりに、クレーン連結部材(例えば、アイボルト)(260)が、持上げ板(250)と同様に、頭上持上げ及び位置決めのために、フレーム(220)の上面に含まれていてもよい。
図9に示すように、図示の例示的な実施形態において、二対(すなわち、合計四つ)の連結部材がフレーム(220)の上面に位置合わせされる。頭上クレーンは接続点(250、260)の一方のみに係合してもよく、又は頭上クレーンはすべての接続点(250、260)に係合して、ルート取扱装置(及び、取り付けられている場合にはルートリング)のより安全な取扱い及び位置決めを提供することができる。足部(240)は、これらの持上げ構造(すなわち、持上げ板及び/又は連結部材)よりも長い距離に延びて、足部(240)が床に係合した状態でルート取扱装置が直立位置に配置されたときに、いずれの持上げ構造も床に接触しないようにする隙間を提供する。
【0054】
本開示の別の態様によれば、ルート取扱装置(200)は、ルートリングに解放可能に結合されてもよい。フレーム(220)の周囲支柱(225、226)は、ルートリング(10)の縁部(又はフランジ)を受け入れるために、足部(240)の反対側の側壁によって画定されるチャネルを含むことができる。チャネルの幅は、チャネル(225、226)の最外側壁がルートリングの外側に配置されて、ルートリング(10)の外面の一部に重なり、チャネルの最内側壁がルートリングの内側に配置されて、ルートリング(10)の内面の一部に重なるようにサイズ決めされてよい。したがって、ルートリング(10)はチャネル(225、226)内に位置する。
【0055】
一連の接続ピン(230)が、これらの側壁(225、226)を通って延びるように挿入されてよく、ルートリング(10)は、これらの側壁によって画定されたチャネル内に位置決めされて、
図1~
図6に示すように、ルート取扱装置(200)をルートリング(10)に結合する。
図6、
図7に示す例示的な実施形態において、六本のピン(230)がフレーム(220)の各側に設けられているが、様々なサイズ/重量のルートリングに対応するのに十分な接合強度を提供するために、必要に応じて別の数を採用してもよい。
【0056】
図6に示すように、ルート取扱装置(200)は、ルートリングの内部に配置された支柱の大半又は全部により位置決めされてよく、装置の側面の支柱(225、226)が、ルートリングの厚さにわたって半ルートリング(10)に係合する。接続ピン(230)は、これらの側面の支柱の外面を通って、かつ半ルートリングの厚さを通って延びて、二つの構造をしっかりと取り付ける機械的結合であってよい。接続ピン(230)の数及び位置は、ルートリングの幾何形状及び重量によって異なっていてよく、例えば、ルートリングの長さに沿って均一に離隔してもよく、ルートリングの厚さの増加(すなわちハブ端部近く)に一致して密度が高くなる勾配状に分散されてもよい。ルート取扱装置(200)に接続されたときに接続ピン(230)を受け入れるために半ルートリングの各半部に形成された開口部は、二つの半ルートリングが完全なルートリングに組み立てられると、接合位置として都合よく機能する。
【0057】
調整可能なテンションロッド(300)
本開示のさらに別の態様によれば、
図1~
図7に示すように、テンションロッド(300)が含まれ、ルートリング(10)の内側外皮に張力を及ぼして所望の幾何形状を維持することができる。テンションロッド(300)は、ルートリングに及ぼされる力の量を必要に応じて適応させることができるように、長さを(独立して)調整可能であり、運搬中にリングの適切な幾何形状を維持して望ましくない変形(例えば、反り)を防ぐことを保証する。
【0058】
ルートリングの操作(例えば、持上げ/回転)中、テンションロッド(300)は、(例えば、伸縮式に)伸長又は短縮してルートリングの内面に力を加えて、外部負荷を打ち消し、i)複合外皮を半径方向に伸張させ/ぴんと張って所望の幾何形状を維持する、及びii)ルートリングの変形又はルートリングの重心のシフトを防ぐ。一部の実施形態において、ルートリングの外皮の過度の力/引裂を防ぐために、テンションロッド(300)を限られた変位範囲に予め設定することができる。加えて又は代わりに、テンションロッド(300)は、ロッドの変位の大きさ及び/又は変位率を操作者に警告する(視覚又は可聴)アラーム/信号を含むことができる。
【0059】
図8は、アクチュエータ(320)(例示的な実施形態において、ホイール/ギアであり得る)から振動減衰シュー(330)に力を伝達して半ルートリングを伸縮させるためのスタッドボルト(310)を含む、例示的なテンションロッド(300)の分離図である。アクチュエータ(320)は、手動で及び/又は自動的に、予め設定された長さ若しくは張力のレベルに合わせて操作されてよく、又は技術者によって決定された任意の所望のレベルに調整されてよい。調整は徐々に行われても、急な階段状の増分で行われてもよい。一部の実施形態において、シュー(330)がさらに拡張されるにつれて、シューの拡張部が受ける抵抗が増加する。テンションロッドのアクチュエータ(320)を、互いに独立して調整/操作することができる。加えて又は代わりに、アクチュエータは、すべてのシュー(330)がルートリングに同時に係合するように一斉に動作することができる。アクチュエータを手動手段、電気手段、空気圧手段、又は油圧手段によって作動させることができる。
【0060】
振動減衰シュー(330)は、テンションロッド(300)の遠位端に位置していてよく、ルートリングの外皮に接触するための滑り止め面(例えば、PUR材料)を含むことができる。シュー(330)は、ルートリングに対する適切な角度(例えば、ピッチ)の向きを得るために、所望に応じて調整/再配置されてよい。図示の例示的な実施形態において、シューは水平軸に対して45度及び90度の角度で向けられる。ハウジング(340)は、スタッドボルト(310)を受け入れるために設けられ、スタッドボルト(310)の外径よりも大きい外径を有する。ボルトナット(350)を、ハウジング(340)の両端部に取り付けることができる。ボルトナット(350)を、ハウジング(340)に恒久的に取り付ける(例えば、溶接する)ことができ、ボルトナット(350)は、テンションロッド(300)によってシュー(330)に与えられる減衰力を発生させるための接触点として機能することができる。
【0061】
テンションロッド(300)は、ルート取扱装置(200)の支柱に固定され、所定の位置でルートリング(10)の内面に係合するように、所望に応じて傾けることができる。例えば、テンションロッド(300)を、(テンションロッドの中間点で)特定のフレーム支柱に溶接して、張力がルート取扱装置(200)に対してルートリング(10)内に分散されるようにすることができる。或いは、テンションロッドを支柱に取り外し可能に取り付けて(例えば、締付け、又は支柱に嵌合する舌/溝などの相補的な連動機械的結合)、テンションロッドを支柱上の別の位置及び/又は隣接するテンションロッド(300)間の別の間隔に再配置することができるようになっている。
図7に示す例示的な実施形態において、十本のテンションロッド(300)が採用され、そのうちの四本はルートリング(10)の長手方向(又はスパン方向)軸に対して約45度に向けられ、四本は、ルートリングのフランジに向かって横方向に向けられ、長手方向(又はスパン方向)軸に直角かつ支柱(225、226)に直角に向けられている。残りの二本のテンションロッドは、ルート取扱装置フレームの第1の部分(210)内に位置し、長手方向(又はスパン方向)軸に直角に、垂直に向けられている。
【0062】
図示の例示的な実施形態は、ルート取扱装置(200)とルートリング(10)との間に機械的接続を示すが、別の接続を採用してもよい。例えば、接続ピン(230)は、ピンとナットファスナとの結合の代わりに、ブレードルートリングの周囲とルート取扱装置(200)との境界面に沿った真空結合であってもよい。このような真空結合は、多様なブレードルート設計のサイズ/形状に対応できる、より万能な設計を提供するという点で有利である。真空パッドの幾何形状は、適切な結合を保証するためにルートリングの周囲の形状に相補的である。一部の実施形態において、機械的接続と真空接続との組合せが、ルート取扱装置(200)とルートリング(10)との間に形成される。これは、例えば、半ルートリングの下部に機械的結合を設けることができるため、遅い/ゆっくりとした切離しを可能にし、これが真空結合の望ましくない急な切離しに対する安全対策として機能して、ルートリングが誤って落下することを防ぐことができるという点で有利である。
【0063】
図11~
図29は、本開示の別の例示的な実施形態を開示する。同様の参照符号(末尾の追加の数字「0」によって区別される)が、機能的に対応することを示すために、本明細書に提示する様々な図に示され得るが、
図1~
図10の実施形態に関して説明したものと必ずしも同一の構造ではないことがある。上記の説明は、実施形態全体にわたって開示される共通の特徴に等しく当てはまる。説明のため及び限定しないために、いくつかの例示的な寸法が図面に示されるが、別の寸法が本開示の範囲内であることが理解されるであろう。
【0064】
ここに示す実施形態は、
図17、
図18に分離して示す複合接続アタッチメント(4000)を含み、この複合接続アタッチメント(4000)は、別の幾何形状を有するフレーム(2000)に取り付けることができ、フレーム(2000)から取り外すことができる。万能ルートリング(又は複合接続)アタッチメント(4000)は、任意のルートリング設計で使用するのに適した万能装置を提供するために、所望に応じて調整可能なアーム長さを有する。
【0065】
ルート取扱装置(2000)
図12に示すように、本実施形態のルート取扱装置(2000)は、前の実施形態と同様に構成することができ、例えば、第1の部分2100と第2の部分2200とを持つ全体的に台形の形状を有する。本実施形態においては、横支柱又は梁がなく、代わりに第1の部分2100は、第2の部分2200を形成する矩形の支柱2220に接続する、斜めに(例えば、45度~75度に)延びる支柱を有する全体的に正方形の下部を含む。したがって、本実施形態は、前述した実施形態よりも軽量である。前述したように、足部2400及び持上げ機構2600が含まれていてもよい。ルートリング及びタービンブレードの前縁及び後縁に一致するフレーム2200の側縁は、支柱2250によって画定される。万能リングアタッチメント4000は、この支柱2250から外側に横方向に延びる。
【0066】
ルート取扱装置の分離図が
図13、
図14に示され、斜めの支柱2125によって相互接続された正方形の下支柱2030と矩形の上支柱2031とを示す。足部2400をバットレスフランジ2033によって支持することができる。以下で説明するように、側縁支柱2250は、万能ルートリングアタッチメント4000を受け入れる取付板を角部に含むことができる。各支柱は、例えば80×60mm
2の正方形の外形を有する金属(例えば、鋼、アルミニウムなど)から形成することができる。
【0067】
フォークリフトアダプタ(1100)
また、前述したように、フォークリフト1のタインを受け入れるように口1110に開口部を有するフォークリフトアダプタ1100が含まれていてもよい。
図15は、フォークリフトアダプタ1000の分離図である。前述したように、フォークリフト取扱装置は、フォークリフトアダプタ1100の上に取り付けられる。
【0068】
テンションロッド(3000)
本実施形態において、六本のテンションロッド3000が採用され、各テンションロッドは、例えば、ルート取扱装置2000の第1の部分2100と第2の部分2200との間に延びる斜めの支柱2125の中間点に取り付けられ、二本の垂直に向けられたテンションロッドは、前及び後の横支柱2100に取り付けられる。
【0069】
万能ルートリングアタッチメント(4000)
図17、
図18に分離して示されるルートリングアタッチメントは、ルートリングアタッチメント4000を異なるサイズのルートリングに対応するように調整できるので、任意のルートリング設計に万能ルート取扱装置フレームを採用することを可能にする。すなわち、ルートリングアタッチメントのアームを、特定のルートリング幾何形状に対応するように必要に応じてサイズ決めすることができ、次いで、ルート取扱装置2000の両側面に接続(例えば、溶接)することができる。
【0070】
図17、
図18に示すように、ルートリングアタッチメント4000は、半ルートリング10を受け入れるためのU字形支柱として構成された第1の支柱4100を含む。
図19Aに示すように、この支柱の第1の側は、ルートリングを受け入れるチャネルを画定する側壁を持つ開口部4150を有することができ、
図17Aに示すように、反対側の端部は端壁4160で閉じることができる。前述したように、チャネルを画定する側壁は、ルートリング10の内面及び外面に係合する。第2の支柱4200は、第1の支柱4100の上に配置され、第1の支柱4100に固定して取り付けられる(例えば、溶接される)。端壁4160は、ルートリングの縁部が端壁4160に当接するまで縁部をこのチャネル内に挿入できるようにする基準点として使用することができ、それにより、ルートリング10の十分な表面積がルートリングアタッチメント400内に挿入されて、ルートリング10を持ち上げるのに十分な接合/結合が確実にあることを操作者に確認する。
【0071】
二つの足部4400が、ルート取扱装置の足部2400に等しい距離だけ第2支柱4200から垂直に延びる。アーム4300が、ルートリングアタッチメントの近位端及び遠位端から内側に直角に延び、ルート取扱装置2000の側縁の相補形状の取付板に結合する(例えば、ボルト、リベットなどで)取付板4350を含む。反対側では、開口部4370が両方の支柱4100、4200に形成され、支柱4100の下開口部を通して挿入された雄アタッチメント機構(例えば、ピン)が、ルートリング10を貫通する。したがって、本実施形態は、ルートリング10に形成される孔の数を(前に示した)十二から四に減少させ、それにより、複雑さを低減させ、ルートリングの損傷の危険性を低減させる。
【0072】
図20に示すように、ルートリングアタッチメント400の幅(参照符号4で示す)を、ルートリング10の幅よりも大きくなるように調整することができ、それにより、ルート取扱装置2000及びルートリングアタッチメント400を、任意のサイズのルートリング製品における使用に適したものにする。ここで、ルート取扱装置2000は、ルートリング10の直径内に完全に位置決めされ、ルートリングアタッチメント4000は、ルートリング取扱装置2000に接続し、ルートリング10を越えて又はルートリング10の外側に延びる。図示のように、ルートリング10の上縁又はフランジが、ルートリングアタッチメントの側壁4150によって画定されたチャネルに挿入され、接続ピン4370は、ルートリングアタッチメント及びルートリング10を通して挿入されて、二つの構成要素をしっかりと締結する。(ルートリングアタッチメントは、反対側、横方向内側、側面でもルート取扱装置2000に取り付けられる)。テンションロッド3000は、ルートリングの内面に係合して、所望の位置及び角度で所望の量の力を加える。フォークリフトは、しっかりと締結されると、フォークリフトアダプタ1000内に挿入されたタインを介してルートリング10を持ち上げ、旋回ディスクアタッチメント12を介してルートリング10を回転させるように動作することができる。
【0073】
加えて、伸張スリング4500が、例えば、両方のルートリングアタッチメント4400の中央に取り付けられ、ルートリングの反対側でルートリングアタッチメントに取り付けるためのフックを第2の端部に含むことができる。これにより、別の接触点及びルートリングの重量の伝達が可能になる。したがって、テンションロッド3000によってルートリング10に加えられた力、及びスリング4500によってルートリング10に加えられた力が、ルートリング10を安定させ均衡させる能力を高めている。動作時に、スリング4500の一方(縮尺通りには示されていない)が、反対側のルートリングアタッチメント4000の孔4600を通してルート取扱装置2000の上に渡される。他方のスリングは、ルートリング10の下に通され、ルート取扱装置2000上で孔4600に接続される。このスリングの使用により、さらなる安全性及び安定性が得られ、技術者の怪我の危険性が低減する。
【0074】
本明細書に開示された構成要素を、ある範囲の寸法で形成することができ、ルートリングの重量を支持するのに十分な剛性を示す任意の材料(例えば、鋼、アルミニウムなど)から形成することができる。
【0075】
本開示の主題が、特定の好ましい実施形態に関して本明細書に記載されているが、当業者は、本開示の主題の範囲から逸脱することなく、本開示の主題に対して様々な修正及び改良を行うことができることを理解するであろう。さらに、本開示の主題の一実施形態の個々の特徴が、本明細書で説明されるか、又は一実施形態の図面に示され、他の実施形態では示されない場合があるが、一実施形態の個々の特徴を、別の実施形態の一つ以上の特徴又は複数の実施形態の特徴と組み合わせることができることは明らかである。
【0076】
以下で特許請求される特定の実施形態に加えて、本開示の主題は、以下で特許請求される従属的な特徴と上記で開示された特徴との任意の他の可能な組合せを有する他の実施形態も対象とする。したがって、従属請求項に示されかつ上記で開示された特定の特徴は、本開示の主題の範囲内で他の方法で互いに組み合わせることでき、本開示の主題が任意の他の可能な組合せを有する他の実施形態も具体的に対象としているものと認識されるべきである。したがって、本開示の主題の特定の実施形態の上記の説明は、例示及び説明のために提示されている。網羅的であること又は開示された実施形態に本開示の主題を限定することを意図するものではない。
【0077】
本開示の主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本開示の主題の方法及びシステムにおいて、様々な修正及び変形を行うことができることが当業者に明らかであろう。したがって、本開示の主題が、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内の修正及び変形を含むことが意図されている。