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特許7417708管理装置、ネットワークシステム及び端末装置
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  • 特許-管理装置、ネットワークシステム及び端末装置 図1A
  • 特許-管理装置、ネットワークシステム及び端末装置 図1B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】管理装置、ネットワークシステム及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/76 20220101AFI20240111BHJP
   H04L 47/2475 20220101ALI20240111BHJP
【FI】
H04L47/76
H04L47/2475
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022505181
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2021007378
(87)【国際公開番号】W WO2021177174
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2020036753
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 広樹
(72)【発明者】
【氏名】安沢 昌志
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110602733(CN,A)
【文献】特開2017-098962(JP,A)
【文献】特開2011-155600(JP,A)
【文献】国際公開第2008/004592(WO,A1)
【文献】特開2012-222380(JP,A)
【文献】特表2015-526937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 47/76
H04L 47/2475
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信のサービス品質の制御の対象とされたアプリケーションプログラムが端末装置において特定状態で動作しているか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が否定である場合、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を終了させるための処理を実行する終了処理部と、
を備え
前記判定部は、
前記アプリケーションプログラムが前記特定状態で動作している前記端末装置から、所定間隔で送信される端末情報を取得し、前記端末装置からの前記端末情報の送信が途絶えた場合、前記アプリケーションプログラムが前記特定状態で動作していないと判定する、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記端末装置から前記端末情報を取得した時刻から、前記所定間隔に対応する時間より長い判定時間が経過するまでに、前記端末装置から前記端末情報を取得しない場合、前記端末装置からの前記端末情報の送信が途絶えたと判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記端末情報は、前記アプリケーションプログラムが前記特定状態で動作していない場合に前記端末装置から送信される情報と区別可能に送信される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記アプリケーションプログラムは、複数であり、
前記複数のアプリケーションプログラムが前記端末装置において前記特定状態で動作している場合に、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御として、前記複数のアプリケーションプログラムのうちの一のアプリケーションプログラムに応じた前記サービス品質の制御を、前記端末情報に基づいて選択する選択部をさらに備えている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記サービス品質の制御は、外部システムにより実行され、
前記終了処理部は、
前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を終了させる場合、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御の終了を前記外部システムに要求する、
ことを特徴とする請求項から4のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項6】
前記外部システムは、前記サービス品質の制御を行う複数の品質制御装置を含み、
前記終了処理部は、
前記判定部の判定結果が否定である場合、前記複数の品質制御装置のうち、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を行っている品質制御装置を特定し、特定した品質制御装置に対して、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御の終了を要求する、
ことを特徴とする請求項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を行う品質制御装置が前記複数の品質制御装置から前記端末装置の位置に基づいて選択され、
前記判定部は、
前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を行っている品質制御装置が、前記複数の品質制御装置のうち第1の品質制御装置から第2の品質制御装置に切り替わったか否かを、前記端末装置の位置に基づいて判定し、
前記終了処理部は、
前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を行っている品質制御装置が前記第1の品質制御装置から前記第2の品質制御装置に切り替わったと前記判定部が判定した場合、前記第1の品質制御装置に、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御の終了を要求する、
ことを特徴とする請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
ネットワークに接続された端末装置と、前記端末装置と通信可能な管理装置とを含むネットワークシステムであって、
前記端末装置は、
前記ネットワークにおける通信のサービス品質の制御の対象とされたアプリケーションプログラムの動作状態が特定状態である期間中、端末情報を所定間隔で前記管理装置に送信する送信制御部を備え、
前記管理装置は、
前記端末装置において、前記アプリケーションプログラムが前記特定状態で動作しているか否かを、前記端末情報に基づいて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が否定である場合、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を終了させるための処理を実行する終了処理部とを備えている、
ことを特徴とするネットワークシステム
【請求項9】
通信のサービス品質の制御の対象とされたアプリケーションプログラムが特定状態での動作を開始したことを契機に、前記サービス品質の制御の開始を品質管理システムに要求する要求部と、
前記アプリケーションプログラムの動作状態が前記特定状態である期間中、端末情報を所定間隔で前記品質管理システムに送信する送信制御部と、
を備え、
前記送信制御部が前記端末情報を前記所定間隔で前記品質管理システムに送信しない場合、端末装置に対する前記サービス品質の制御を終了させるための処理が前記品質管理システムにおいて実行される、
ことを特徴とする端末装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置ネットワークシステム及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークにおける通信の品質を確保する技術として、QoS(Quality of Service)制御が知られている。例えば、ネットワーク上に流れるパケットの転送順序や転送速度の制御(QoS制御)を、スマートフォン等の端末装置単位で行うシステムが開示されている(例えば、特許文献1)。この種のシステムでは、例えば、端末装置にインストールされたソフトウェアである管理ソフトが、端末装置の表示画面の最前面にアクティブ表示された機能を実現するアプリケーションプログラムを、アクティブなアプリケーションプログラムとして特定する。そして、管理ソフトにより特定されたアクティブなアプリケーションプログラムの種類に基づいて、QoS制御が実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-098962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アプリケーションプログラムを提供するアプリケーション事業者が、QoS制御を利用するために、QoS制御の利用料金を、QoS制御を実行する通信事業者に支払う場合がある。この場合、QoS制御の利用料金が支払われていないアプリケーションプログラム(すなわち、QoS制御の利用が許可されていないアプリケーションプログラム)に対しては、QoS制御が実行されないことが望ましい。しかしながら、QoS制御が端末装置単位、SIM(Subscriber Identity Module)単位、回線単位、ベアラ単位、PDN(Packet Data Network)単位、APN(Access Point Name)単位及びDNN(Data Network Name)単位等の単位で行われるシステムでは、QoS制御の利用が許可されていないアプリケーションプログラムに対しても、QoS制御が実行されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る管理装置は、ネットワークに接続された端末装置において、前記ネットワークにおける通信のサービス品質の制御の対象とされた少なくとも1つのアプリケーションプログラムが特定状態で動作しているか否かを、判定する判定部と、前記判定部の判定結果が否定である場合、前記端末装置に対する前記サービス品質の制御を終了させるための処理を実行する終了処理部と、を備えている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、QoS制御の利用が許可されていないアプリケーションプログラムに対して、QoS制御が実行されることを抑止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】第1実施形態に係る管理装置を含むネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
図1B図1Aに示した端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図1Aに示したネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図3図1Aに示した管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】第2実施形態に係る管理装置を含むネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
図5図4に示したネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図6図4に示した管理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図7】第1変形例に係るネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図8】第2変形例に係るネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
図9】第3変形例に係るネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.第1実施形態]
図1Aは、第1実施形態に係る管理装置100を含むネットワークシステム1の全体構成を示すブロック図である。また、図1Bは、図1Aに示した端末装置200の構成の一例を示すブロック図である。なお、以下では、図1A及び図1Bを、図1と総称する場合がある。図1Aに例示するように、ネットワークシステム1は、品質管理システム10と、複数の端末装置200と、ネットワークNWとを備える。例えば、端末装置200としては、任意の情報処理装置を採用することができ、パーソナルコンピュータ等の据置型の情報機器であってもよいし、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル端末及びタブレット端末等の可搬型の情報端末であってもよい。なお、以下の説明では、端末装置200としてスマートフォンを想定する。ネットワークNWは、例えば、移動体通信網等の電気通信回線であり、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は両方を含む。品質管理システム10及び端末装置200は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。
【0009】
品質管理システム10は、複数の端末装置200が接続されるネットワークNWにおける通信のサービス品質を端末装置200毎に制御可能な品質制御装置190と、管理装置100とを含む。品質制御装置190は、管理装置100に対する外部システムの一例である。以下では、サービス品質の制御は、QoS(Quality of Service)制御とも称される。QoS制御は、例えば、帯域制御、低遅延制御及び優先制御等を含む。帯域制御では、例えば、ネットワークNWにおける通信の帯域が制御される。帯域の制御は、帯域の下限値が設定される帯域保証であってもよいし、帯域の上限値が設定される帯域制限であってもよい。同様に、低遅延制御は、例えば、遅延の上限値が設定されている遅延保証であってもよいし、遅延の下限値が設定される遅延制限であってもよい。優先制御では、例えば、特定の通信に係るパケット(通信を行う際の転送単位のデータ)が優先して転送される。例えば、ネットワークNW上を流れるパケットに優先度が付けられ、優先度が他のパケットより高いパケットは、他のパケットよりも先に処理される。
【0010】
品質制御装置190は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、QoS制御を実行する。例えば、品質制御装置190は、QoS制御の開始を要求するQoS開始要求REQsを端末装置200から受けた場合、端末装置200からのQoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御を、端末装置200による通信に対して実行する(例えば、図2参照)。QoSレベルとしては、例えば、他のモードに比べて大容量のデータが転送可能な大容量モード、他のモードに比べてデータの遅延が小さい低遅延モード、及び、ベストエフォートによる制御が行われるベストエフォートモード等がある。また、品質制御装置190は、管理装置100と通信可能である。なお、QoSレベルは、端末装置200の他に、例えば、管理装置100等のサーバ、又は、ネットワークNWに含まれる装置(図示せず)により指定されてもよい。
【0011】
なお、本実施形態では、ネットワークNWに接続された複数の端末装置200のうち、QoS制御の利用が許可されているアプリケーションプログラムPRAが特定状態で動作している端末装置200から、QoS開始要求REQsが送信される場合を想定する。特定状態は、例えば、QoS制御をすべき状態である。具体的には、特定状態は、例えば、アプリケーションプログラムPRAの実行により生成される画像が端末装置200の表示画面の最前面にアクティブ表示された状態(フォアグラウンド)であってもよい。なお、特定状態は、フォアグラウンドに限定されない。例えば、特定状態は、音の出力等の特定の処理が実行される状態であってもよい。また、例えば、特定状態は、通信事業者等が許可を出した特定のアプリケーションプログラムPRA、又は、安心安全にかかわる特定のアプリケーションプログラムPRA等が、フォアグラウンド又はバックグラウンドで実行されている状態であってもよい。
【0012】
また、以下では、端末装置200にインストール可能な複数のアプリケーションプログラムPRAのうち、QoS制御の利用が許可されたアプリケーションプログラムPRAを、許可アプリケーションプログラムPRAa(PRAa1及びPRAa2)と称する場合がある。また、QoS制御の利用が許可されていないアプリケーションプログラムPRAを、許可アプリケーションプログラムPRAaとの対比において、未許可アプリケーションプログラムPRAb(PRAb1)と称する場合がある。
【0013】
ここで、例えば、アプリケーションプログラムPRAを提供するアプリケーション事業者は、QoS制御を利用するために、QoS制御の利用料金を、QoS制御を実行する通信事業者に支払う場合がある。例えば、アプリケーション事業者は、QoS制御の利用料金を支払うことにより、QoS制御を利用するためのQoS制御SDK(Software Development Kit)をアプリケーションプログラムPRAに内包することができる。この場合、QoS制御の利用料金が支払われたアプリケーションプログラムPRA(例えば、QoS制御SDKが内包されたアプリケーションプログラムPRA)は、許可アプリケーションプログラムPRAaに該当する。また、QoS制御の利用料金が支払われていないアプリケーションプログラムPRA(例えば、QoS制御SDKが内包されていないアプリケーションプログラムPRA)は、未許可アプリケーションプログラムPRAbに該当する。なお、許可アプリケーションプログラムPRAaは、QoS制御SDKを内包する方法とは別の方法により実現されてもよい。許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作しているか否かは、管理装置100により判定される。
【0014】
管理装置100は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、ネットワークNWに接続された複数の端末装置200と通信可能である。なお、管理装置100は、ネットワークNWに接続された複数の端末装置200のうち、許可アプリケーションプログラムPRAaがインストールされた端末装置200のみと、通信可能であってもよい。
【0015】
管理装置100は、例えば、処理装置110、記憶装置160及び通信装置170を具備するコンピュータシステムにより実現される。管理装置100の複数の要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続される。なお、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。また、管理装置100の複数の要素の各々を、単数又は複数の機器が構成してもよい。あるいは、管理装置100の一部の要素は省略されてもよい。
【0016】
処理装置110は、管理装置100の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップにより構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0017】
処理装置110は、例えば、記憶装置160から制御プログラムPR1を読み出し、読み出した制御プログラムPR1を実行することによって、動作判定部120及び終了処理部130として機能する。なお、制御プログラムPR1は、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。動作判定部120は、判定部の一例である。
【0018】
動作判定部120は、例えば、ネットワークNWに接続された端末装置200において、ネットワークNWにおける通信のサービス品質の制御(QoS制御)の対象とされた少なくとも1つのアプリケーションプログラムPRA(すなわち、許可アプリケーションプログラムPRAa)が特定状態で動作しているか否かを、判定する。動作判定部120の動作の詳細は、後述する図3において説明する。
【0019】
終了処理部130は、動作判定部120の判定結果が否定である場合、すなわち、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない場合、端末装置200に対するQoS制御の終了を品質制御装置190に要求する。端末装置200に対するQoS制御の終了を品質制御装置190に要求することは、端末装置200に対するQoS制御を終了させるための処理を実行することに該当する。なお、端末装置200に対するQoS制御とは、例えば、端末装置200が品質制御装置190に対して要求したQoS制御である。終了処理部130の動作の詳細は、後述する図3において説明する。
【0020】
記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及び、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置160は、レジスタ、キャッシュ、又は、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。
【0021】
通信装置170は、ネットワークNWを介して他の装置と通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置170は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0022】
なお、図1Aでは、品質制御装置190の構成を特に図示していないが、品質制御装置190は、例えば、管理装置100と同様に、品質制御装置190の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、ネットワークNWを介して他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。また、品質制御装置190の機能(QoS制御を実行する機能)は、管理装置100により実現されてもよい。すなわち、品質管理システム10は、単体の装置(例えば、QoS制御を実行する機能を含む管理装置100)として実現されてもよいし、相互に別体で構成された複数の装置(例えば、管理装置100及び品質制御装置190)により実現されてもよい。
【0023】
図1Bに示すように、端末装置200は、例えば、処理装置210、記憶装置260、通信装置270、入力装置280及び出力装置290を具備するコンピュータシステムにより実現される。処理装置210は、端末装置200の全体を制御するプロセッサであり、上述した管理装置100の処理装置110と同様に構成される。例えば、処理装置210は、記憶装置260から制御プログラムPR2を読み出し、読み出した制御プログラムPR2を実行することによって、端末装置200の全体を制御する制御部(図示せず)として機能する。
【0024】
また、処理装置210は、記憶装置260からアプリケーションプログラムPRAを読み出し、読み出したアプリケーションプログラムPRAを実行することによって、アプリケーション処理部240等として機能する。
【0025】
例えば、処理装置210は、許可アプリケーションプログラムPRAa1を実行することによって、要求部220a1、送信制御部230a1及びアプリケーション処理部240a1として機能する。また、処理装置210は、許可アプリケーションプログラムPRAa2を実行することによって、要求部220a2、送信制御部230a2及びアプリケーション処理部240a2として機能する。また、処理装置210は、未許可アプリケーションプログラムPRAb1を実行することによって、アプリケーション処理部240b1として機能する。
【0026】
なお、処理装置210は、アプリケーションプログラムPRA(PRAa1、PRAa2及びPRAb1)を、制御プログラムPR2と並列に実行してもよい。また、処理装置210は、許可アプリケーションプログラムPRAa1、許可アプリケーションプログラムPRAa2及び未許可アプリケーションプログラムPRAb1を、並列に実行してもよいし、逐次的に実行してもよい。なお、制御プログラムPR2及びアプリケーションプログラムPRAは、ネットワークNWを介して他の装置から送信されてもよい。
【0027】
アプリケーション処理部240(240a1、240a2及び240b1)は、QoS制御の利用が許可されているか否かに関係なく、アプリケーションプログラムPRA(PRAa1、PRAa2及びPRAb1)の実行により実現される本来の機能である。要求部220(220a1及び220a2)と送信制御部230(230a1及び230a2)とは、許可アプリケーションプログラムPRAaの実行により実現される機能である。
【0028】
例えば、要求部220は、許可アプリケーションプログラムPRAaが起動された場合に、QoS制御の開始を要求するQoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信し、許可アプリケーションプログラムPRAaが終了する場合に、QoS制御の終了を要求するQoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信する(図2参照)。すなわち、要求部220は、許可アプリケーションプログラムPRAaが起動された場合に、QoS制御の開始を品質管理システム10に要求し、許可アプリケーションプログラムPRAaが終了する場合に、QoS制御の終了を品質管理システム10に要求する。なお、QoS制御の開始の要求は、QoS制御の開始API(Application Programming Interface)を呼び出すことであってもよい。同様に、QoS制御の終了の要求は、QoS制御の終了APIを呼び出すことであってもよい。また、端末装置200に対するQoS制御の開始及び終了の要求元は、端末装置200に限定されない。例えば、管理装置100等のサーバ、又は、ネットワークNWに含まれる装置(図示せず)が、端末装置200に対するQoS制御の開始及び終了を要求してもよい。
【0029】
送信制御部230は、例えば、許可アプリケーションプログラムPRAaが端末装置200において特定状態で動作している場合に、端末装置200を識別するための端末情報INFidを、a秒間隔(aは正の値)で管理装置100に送信する(図2参照)。なお、a秒間隔は、所定間隔の一例である。すなわち、送信制御部230は、許可アプリケーションプログラムPRAaの動作状態が特定状態である期間中、端末情報INFidを所定間隔で品質管理システム10に送信する。端末情報INFidの送信は、例えば、pingコマンドを実行することであってもよい。また、送信制御部230は、管理装置100からの問いかけ(例えば、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作しているかを確認する問いかけ)に応じて、端末情報INFidを送信してもよい。この場合、送信制御部230から管理装置100への端末情報INFidの送信間隔は、一定間隔(所定間隔)でなくてもよい。
【0030】
なお、本実施形態では、端末情報INFidは、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つも特定状態で動作していない場合、管理装置100に送信されない。すなわち、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つも特定状態で動作していない場合、端末装置200から管理装置100への端末情報INFidの送信が途絶える。このため、管理装置100の動作判定部120は、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えた場合、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つも特定状態で動作していないと判定することができる。
【0031】
記憶装置260は、処理装置210が読取可能な記録媒体であり、処理装置210が実行する制御プログラムPR2及びアプリケーションプログラムPRAを含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置260は、上述した記憶装置160と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0032】
なお、記憶装置260に記憶される許可アプリケーションプログラムPRAaの数は、図1Bに示す例に限定されない。例えば、記憶装置260に記憶される許可アプリケーションプログラムPRAaの数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。同様に、記憶装置260に記憶される未許可アプリケーションプログラムPRAbの数は、図1Bに示す例に限定されない。例えば、記憶装置260に記憶される未許可アプリケーションプログラムPRAbの数は2つ以上でもよい。あるいは、記憶装置260に記憶されるアプリケーションプログラムPRAの全てが許可アプリケーションプログラムPRAaであってもよい(すなわち、未許可アプリケーションプログラムPRAbが記憶装置260に記憶されなくてもよい)。また、複数の端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAaが記憶装置260に記憶されていない端末装置200と、許可アプリケーションプログラムPRAaが記憶装置260に記憶されている端末装置200とを含んでもよい。
【0033】
通信装置270は、ネットワークNWを介して他の装置と通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、上述した通信装置170と同様に構成される。
【0034】
入力装置280は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及び、センサ等)である。例えば、入力装置280は、数字及び文字等の符号を処理装置210に入力するための操作と、端末装置200の表示面に表示されるアイコンを選択するための操作とを受付ける。例えば、端末装置200の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが入力装置280として好適である。なお、入力装置280は、ユーザが操作可能な複数の操作子を、含んでもよい。
【0035】
出力装置290は、外部への出力を実施するディスプレイ等の出力デバイスである。出力装置290は、例えば、処理装置210による制御のもとで、画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルが出力装置290として好適に利用される。なお、入力装置280及び出力装置290は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。また、出力装置290は、スピーカー及びLED(Light Emitting Diode)ランプ等を有する出力デバイスでもよい。
【0036】
なお、管理装置100、品質制御装置190及び端末装置200の構成は、図1に示す例に限定されない。例えば、管理装置100は、端末装置200と同様に、入力装置及び出力装置を有してもよい。また、例えば、管理装置100は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、管理装置100が読取可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、及び、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。同様に、品質制御装置190及び端末装置200の一方又は両方は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、ストレージと呼ばれてもよい。
【0037】
図2は、図1Aに示したネットワークシステム1の動作の一例を示すシーケンスチャートである。図2に示す例では、特定状態がフォアグラウンドである場合を想定する。また、図2に示す動作では、フォアグラウンドで動作可能なアプリケーションプログラムPRAの数が1つである場合を想定する。なお、図2の符号QoS1は、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルのQoS制御が実行されていることを示し、図2の符号QoS2は、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルのQoS制御が実行されていることを示す。また、端末装置200から送信された端末情報INFidを管理装置100が取得する時刻は、端末装置200から端末情報INFidが送信された時刻と厳密には異なるが、以下では、説明の便宜上、端末情報INFidを取得した時刻を、端末情報INFidが送信された時刻と同じ時刻と見なして説明する場合がある。
【0038】
先ず、時刻T10では、端末装置200は、未許可アプリケーションプログラムPRAb1を起動する(S200)。これにより、未許可アプリケーションプログラムPRAb1は、フォアグラウンドでの動作を開始する。フォアグラウンドで動作しているアプリケーションプログラムPRAが未許可アプリケーションプログラムPRAb1であるため、端末装置200では、管理装置100及び品質制御装置190に対する要求等は、発生しない。従って、時刻T10では、端末装置200に対するQoS制御は、開始されない。
【0039】
時刻T20では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa1を起動する(S200)。また、時刻T20では、許可アプリケーションプログラムPRAa1がフォアグラウンドでの動作を開始したため、未許可アプリケーションプログラムPRAb1の動作状態は、フォアグラウンドからバックグラウンドに切り替わる(S202)。
【0040】
また、端末装置200の要求部220a1は、許可アプリケーションプログラムPRAa1がフォアグラウンドでの動作を開始したため、QoS制御の開始を要求するQoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信する(S206)。要求部220a1の制御に基づいて送信されるQoS開始要求REQsには、例えば、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルを示す情報が含まれてもよい。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の端末装置200に送信する(S192)。そして、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS1)を開始する。これにより、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルのQoS制御(QoS1)が実行される(S194)。
【0041】
時刻T22では、端末装置200の送信制御部230a1は、端末装置200を識別するための端末情報INFidを管理装置100に送信する(S110)。そして、送信制御部230a1は、許可アプリケーションプログラムPRAa1の動作状態がフォアグラウンドからバックグラウンドに切り替わる時刻T30まで、端末情報INFidをa秒間隔(aは正の値)で管理装置100に送信する。なお、図2に示す例では、時刻T28から時刻T30までの間隔がa秒未満である場合を想定しているため、時刻T30では、端末情報INFidは、送信されない。管理装置100の動作判定部120は、時刻T22から時刻T28までの期間では、端末装置200からa秒間隔で送信された端末情報INFidを取得する(S110)。
【0042】
図2に示す例では、管理装置100の動作判定部120は、端末装置200から端末情報INFidを取得した時刻から、b秒(bは、b>aを満たす値)経過するまでに、端末装置200から次の端末情報INFidを取得できない場合、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えたと判定する。b秒は、判定時間の一例である。なお、動作判定部120は、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えたと判定した場合、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していないと判定する。従って、時刻T22から時刻T28までの期間では、動作判定部120は、端末情報INFidをa秒(a<b)間隔で取得できているため、少なくとも1つの許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作していると判定する。
【0043】
時刻T30では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa2を起動する(S200)。また、時刻T30では、許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドでの動作を開始したため、許可アプリケーションプログラムPRAa1の動作状態は、フォアグラウンドからバックグラウンドに切り替わる(S202)。このため、端末装置200の送信制御部230a1は、端末情報INFidをa秒間隔で送信する処理を停止する。
【0044】
また、端末装置200の要求部220a2は、許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドでの動作を開始したため、QoS制御の開始を要求するQoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信する(S206)。要求部220a2の制御に基づいて送信されるQoS開始要求REQsには、例えば、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルを示す情報が含まれてもよい。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の端末装置200に送信する(S192)。そして、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS2)を開始する。これにより、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルのQoS制御(QoS2)が実行される(S194)。
【0045】
時刻T32では、端末装置200の送信制御部230a2は、端末情報INFidを管理装置100に送信する(S110)。そして、送信制御部230a2は、許可アプリケーションプログラムPRAa2の動作状態がフォアグラウンドからバックグラウンドに切り替わる時刻T38まで、端末情報INFidをa秒間隔で管理装置100に送信する。なお、図2に示す例では、時刻T36から時刻T38までの間隔がa秒未満である場合を想定しているため、時刻T38では、端末情報INFidは、送信されない。
【0046】
また、図2に示す例では、時刻T28から時刻T32までの間隔(i秒)がb秒未満である場合を想定する。この場合、管理装置100の動作判定部120は、端末情報INFidを取得した時刻T28からb秒経過した時刻より前の時刻T32において、端末装置200から端末情報INFidを取得する。このため、時刻T28から時刻T36までの期間では、動作判定部120は、少なくとも1つの許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作していると判定する。
【0047】
このように、図2に示す例では、フォアグラウンドで動作しているアプリケーションプログラムPRAが、許可アプリケーションプログラムPRAa1から許可アプリケーションプログラムPRAa2に切り替わった場合においても、動作判定部120は、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作していると判定する。
【0048】
時刻T38では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa2の動作状態をフォアグラウンドからバックグラウンドに切り替え(S202)、未許可アプリケーションプログラムPRAb1の動作状態をバックグラウンドからフォアグラウンドに切り替える(S204)。許可アプリケーションプログラムPRAa2の動作状態がフォアグラウンドからバックグラウンドに切り替わったため、端末装置200の送信制御部230a2は、端末情報INFidをa秒間隔で送信する処理を停止する。
【0049】
時刻T40では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa1を終了する(S230)。時刻T40では、許可アプリケーションプログラムPRAa1がバックグラウンドで動作している状態で終了したため、QoS制御の終了を要求するQoS終了要求REQeは、品質制御装置190に送信されない。
【0050】
時刻T36からb秒経過した時刻T42では、管理装置100の終了処理部130は、QoS制御の終了を要求するQoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信する(S160)。例えば、管理装置100の動作判定部120は、端末情報INFidを取得した時刻T36からb秒経過した時刻T42までに、端末装置200から次の端末情報INFidを取得できなかったため、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えたと判定する。そして、動作判定部120は、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えたと判定したため、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していないと判定する。
【0051】
すなわち、時刻T42では、動作判定部120は、端末情報INFidを取得した時刻T36からb秒経過するまでに、端末装置200から次の端末情報INFidを取得できなかったため、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していないと判定する。許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していないと動作判定部120が判定したため、終了処理部130は、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信する。管理装置100から品質制御装置190に送信されるQoS終了要求REQeには、送信が途絶えた端末情報INFidに対応する端末装置200を示す情報(例えば、端末情報INFid)が含まれてもよい。
【0052】
QoS終了要求REQeを受信した品質制御装置190は、QoS終了要求REQeに対する承認応答ACKeを、QoS終了要求REQeの送信元の管理装置100に送信する(S198)。これにより、管理装置100は、QoS終了要求REQeに対する承認応答ACKeを受信する(S180)。また、品質制御装置190は、QoS終了要求REQeにより示される端末装置200に対するQoS制御(QoS2)を終了する。このように、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していない端末装置200に対しては、QoS制御の実行が停止される。従って、本実施形態では、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していない端末装置200に対してQoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0053】
時刻T44では、端末装置200は、未許可アプリケーションプログラムPRAb1の動作状態をフォアグラウンドからバックグラウンドに切り替え(S202)、許可アプリケーションプログラムPRAa2の動作状態をバックグラウンドからフォアグラウンドに切り替える(S204)。許可アプリケーションプログラムPRAa2の動作状態がフォアグラウンドからバックグラウンドに切り替わったため、端末装置200の要求部220a2は、QoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信する(S206)。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の端末装置200に送信する(S192)。そして、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS2)を再開する(S194)。また、許可アプリケーションプログラムPRAa2の動作状態がバックグラウンドからフォアグラウンドに切り替わったため、端末装置200の送信制御部230a2は、端末情報INFidをa秒間隔で送信する処理を再開する。
【0054】
例えば、端末装置200の送信制御部230a2は、時刻T46から時刻T50まで、端末情報INFidをa秒間隔で管理装置100に送信する。管理装置100の動作判定部120は、時刻T46から時刻T50までの期間では、端末装置200からa秒間隔で送信された端末情報INFidを取得する(S110)。
【0055】
時刻T52では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa2を終了する(S230)。許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドで動作している状態で終了するため、端末装置200の要求部220a2は、QoS制御の終了を要求するQoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信する(S216)。QoS終了要求REQeを受信した品質制御装置190は、QoS終了要求REQeに対する承認応答ACKeを、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に送信する(S198)。また、品質制御装置190は、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に対するQoS制御(QoS2)を終了する。端末装置200は、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信した後、承認応答ACKeを受信する前に、許可アプリケーションプログラムPRAa2を終了させてもよいし、承認応答ACKeを受信した後に、許可アプリケーションプログラムPRAa2を終了させてもよい。
【0056】
また、時刻T52では、許可アプリケーションプログラムPRAa2が終了するため、未許可アプリケーションプログラムPRAb1の動作状態は、バックグラウンドからフォアグラウンドに切り替わる(S204)。なお、上述したように、端末装置200に対するQoS制御(QoS2)は終了しているため、未許可アプリケーションプログラムPRAb1に対しては、QoS制御は実行されない。
【0057】
時刻T54では、端末装置200は、未許可アプリケーションプログラムPRAb1を終了する(S230)。終了するアプリケーションプログラムPRAが未許可アプリケーションプログラムPRAb1であるため、端末装置200では、管理装置100及び品質制御装置190に対する要求等は、発生しない。
【0058】
このように、本実施形態では、例えば、フォアグラウンドで動作している許可アプリケーションプログラムPRAaが正常に終了する場合は、端末装置200からQoS終了要求REQeが品質制御装置190に送信されるため、端末装置200に対するQoS制御が正常に終了する。また、本実施形態では、フォアグラウンドで動作している許可アプリケーションプログラムPRAaが異常終了した場合でも、管理装置100が、端末装置200の代わりに、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信する。このため、本実施形態では、許可アプリケーションプログラムPRAaの異常終了等により、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していないにも拘わらず、端末装置200に対するQoS制御が継続されることを抑止することができる。従って、本実施形態では、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していない端末装置200に対してQoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0059】
なお、ネットワークシステム1の動作は、図2に示す例に限定されない。例えば、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドでの動作を開始してから、端末情報INFidを最初に送信するタイミングは、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを端末装置200が受信する前でもよい。すなわち、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドでの動作を開始してから、端末情報INFidを最初に送信するタイミングは、特に限定されない。また、QoS開始要求REQsは、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作している期間において、繰り返し送信されてもよい。
【0060】
また、端末装置200の要求部220は、QoS開始要求REQsを、品質制御装置190と管理装置100とに送信してもよい。この態様では、例えば、管理装置100は、QoS開始要求REQsを受信してからb秒経過するまでに端末情報INFidを取得できない場合、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信してもよい。これにより、この態様では、例えば、端末装置200から最初の端末情報INFidが送信される前に、許可アプリケーションプログラムPRAaが異常終了した場合でも、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つもフォアグラウンドで動作していない端末装置200に対してQoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0061】
また、端末装置200の要求部220は、QoS終了要求REQeを、品質制御装置190と管理装置100とに送信してもよい。この場合、管理装置100は、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に対するQoS制御が終了することを把握できる。このため、管理装置100は、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に関する処理(許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作しているか否かの判定等)を、QoS終了要求REQeを受信した後に、直ちに終了することができる。
【0062】
また、管理装置100は、例えば、端末装置200に対して、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作しているかを問いかけてもよい。そして、管理装置100の動作判定部120は、例えば、端末装置200に問いかけてから、所定時間経過するまでに端末情報INFidを受信できない場合、許可アプリケーションプログラムPRAaが1つも特定状態で動作していないと判定してもよい。あるいは、端末装置200の送信制御部230は、管理装置100から問いかけがあった場合、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作しているか否かを示す情報を含む端末情報INFidを、管理装置100に送信してもよい。
【0063】
図3は、図1Aに示した管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図3は、ネットワークNWに接続された複数の端末装置200のうち、許可アプリケーションプログラムPRAaがインストールされた1つの端末装置200に対する、管理装置100の動作の一例を示す。従って、図3の説明では、特に断りがない場合、端末装置200は、管理装置100による図3に示す動作の対象となる1つの端末装置200を意味するものとする。また、図3に示す動作では、フォアグラウンドで動作可能なアプリケーションプログラムPRAの数が1つである場合を想定する。
【0064】
ステップS100では、動作判定部120は、例えば、端末装置200から端末情報INFidを通信装置170が受信したか否かを判定する。ステップS100における判定の結果が肯定の場合、動作判定部120は、処理をステップS110に進める。一方、ステップS100における判定の結果が否定の場合、動作判定部120は、処理をステップS100に戻す。
【0065】
ステップS110では、動作判定部120は、端末装置200から送信された端末情報INFidを、通信装置170を介して取得する。
【0066】
次に、ステップS120では、動作判定部120は、端末情報INFidを取得してからの経過時間の計測を開始する。なお、動作判定部120は、例えば、今回取得した端末情報INFidより前に送信された端末情報INFidを取得してからの経過時間を計測中である場合、計測中の経過時間をリセットした後、今回の端末情報INFidを取得してからの経過時間の計測を開始する。
【0067】
次に、ステップS130では、動作判定部120は、例えば、端末装置200から端末情報INFidを通信装置170が受信したか否かを判定する。ステップS130における判定の結果が肯定の場合、動作判定部120は、処理をステップS110に戻す。一方、ステップS130における判定の結果が否定の場合、動作判定部120は、処理をステップS140に進める。
【0068】
なお、ステップS100における判定は、品質制御装置190が端末装置200に対するQoS制御を開始又は再開する場合において、端末装置200から最初の端末情報INFidが送信されたか否かの判定に該当する。これに対し、ステップS130における判定は、端末装置200から最初の端末情報INFidが送信された後に、端末装置200から端末情報INFidが送信されたか否かの判定に該当する。従って、ステップS130における判定の結果が否定の場合、処理をステップS130に戻すか否かは、ステップS140における判定結果に基づいて決定される。
【0069】
ステップS140では、動作判定部120は、端末情報INFidを取得してからb秒経過したか否かを判定する。すなわち、動作判定部120は、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えたか否かを判定する。ステップS140における判定の結果が肯定の場合、動作判定部120は、処理をステップS150に進める。一方、ステップS140における判定の結果が否定の場合、動作判定部120は、処理をステップS130に戻す。
【0070】
ステップS150では、動作判定部120は、経過時間の計測を終了する。
【0071】
次に、ステップS160では、終了処理部130は、端末装置200に対するQoS制御の終了を品質制御装置190に要求する。例えば、終了処理部130は、図2において説明したように、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信することにより、QoS制御の終了を品質制御装置190に要求してもよい。あるいは、終了処理部130は、QoS制御の終了APIの呼び出しを品質制御装置190に対して実行することにより、QoS制御の終了を品質制御装置190に要求してもよい。
【0072】
次に、ステップS170では、管理装置100(例えば、終了処理部130)は、QoS制御の終了要求に対する応答として、承認応答ACKeを品質制御装置190から受信する。そして、管理装置100は、図3に示す動作を終了する。
【0073】
なお、管理装置100の動作は、図3に示す例に限定されない。例えば、ステップS150の処理は、ステップS160の処理の後に実行されてもよいし、ステップS160の処理と並列に実行されてもよい。また、例えば、ステップS110及びS130の処理では、端末情報INFidを通信装置170が受信したか否かの判定の代わりに、端末情報INFidを動作判定部120が取得したか否かが判定されてもよい。この場合、ステップS110の処理は、ステップS100及びS130の処理と並列に実行されてもよい。
【0074】
また、動作判定部120は、ステップS120において、経過時間の計測を開始する代わりに、端末装置200から端末情報INFidを取得した時刻を、記憶装置160等に記憶してもよい。あるいは、端末装置200から端末情報INFidが送信された時刻を示すタイムスタンプが端末情報INFidに含まれる場合、動作判定部120は、ステップS120において、端末装置200から端末情報INFidが送信された時刻を、記憶装置160等に記憶してもよい。以下では、管理装置100が端末情報INFidを取得した時刻、及び、端末装置200から端末情報INFidが送信された時刻を、特に区別せずに、端末情報INFidの取得時刻と称する場合がある。
【0075】
また、動作判定部120は、端末情報INFidの取得時刻を記憶装置160等に記憶した場合、ステップS140において、端末情報INFidの取得時刻と現時刻との差がb秒以上であるか否かを判定することにより、端末情報INFidを取得してからb秒経過したか否かを判定してもよい。
【0076】
以上、第1実施形態では、管理装置100は、動作判定部120及び終了処理部130を有する。動作判定部120は、ネットワークNWに接続された端末装置200において、ネットワークNWにおける通信のサービス品質の制御(QoS制御)の対象とされた少なくとも1つのアプリケーションプログラムPRA(許可アプリケーションプログラムPRAa)が特定状態で動作しているか否かを、判定する。また、終了処理部130は、動作判定部120の判定結果が否定である場合、すなわち、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない場合、端末装置200に対するサービス品質の制御を終了させるための処理を実行する。
【0077】
これにより、本実施形態では、例えば、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない端末装置200に対するQoS制御を終了させることができる。許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない端末装置200では、未許可アプリケーションプログラムPRAbが特定状態で動作している可能性がある。この場合、管理装置100が省かれたシステムでは、端末装置200に対するQoS制御が終了せずに、未許可アプリケーションプログラムPRAbに対してQoS制御が実行されるおそれがある。
【0078】
例えば、端末装置200が、許可アプリケーションプログラムPRAaを起動した後、許可アプリケーションプログラムPRAaの動作状態をバックグラウンドに切り替えた場合、管理装置100が省かれたシステムでは、端末装置200に対するQoS制御は、継続される。この状態において、未許可アプリケーションプログラムPRAbが起動された場合、未許可アプリケーションプログラムPRAbに対してQoS制御が実行される。また、管理装置100が省かれたシステムでは、許可アプリケーションプログラムPRAaが異常終了した場合、QoS終了要求REQeが送信されないため、端末装置200に対するQoS制御は、継続される。この場合、管理装置100が省かれたシステムを使用するユーザは、例えば、許可アプリケーションプログラムPRAaを意図的に異常終了させることにより、未許可アプリケーションプログラムPRAbに対してQoS制御が実行されるようにすることができる。
【0079】
これに対し、本実施形態では、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない端末装置200に対するQoS制御を終了させるための処理を管理装置100が実行するため、未許可アプリケーションプログラムPRAbに対してQoS制御が実行されることを抑止することができる。すなわち、本実施形態では、管理装置100が省かれたシステムに比べて、QoS制御の利用が許可されていないアプリケーションプログラムPRAに対してQoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0080】
また、端末装置200は、要求部220及び送信制御部230を有する。要求部220は、許可アプリケーションプログラムPRAaが起動された場合に、QoS制御の開始を品質管理システム10(より詳細には、品質制御装置190)に要求し、許可アプリケーションプログラムPRAaが終了する場合に、QoS制御の終了を品質管理システム10(より詳細には、品質制御装置190)に要求する。送信制御部230は、許可アプリケーションプログラムPRAaの動作状態が特定状態である期間中、端末情報INFidを所定間隔(例えば、a秒間隔)で品質管理システム10(より詳細には、管理装置100)に送信する。
【0081】
この場合、動作判定部120は、例えば、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作している端末装置200から、所定間隔で送信される端末情報INFidを取得する。そして、動作判定部120は、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えた場合、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していないと判定する。例えば、動作判定部120は、端末装置200から端末情報INFidを取得した時刻から、所定間隔に対応する時間より長い判定時間(例えば、a秒より長いb秒)が経過するまでに、端末装置200から端末情報INFidを取得しない場合、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えたと判定する。このように、本実施形態では、端末装置200から所定間隔で送信される端末情報INFidを用いることにより、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作しているか否かを容易に判定することができる。
【0082】
[2.第2実施形態]
図4は、第2実施形態に係る管理装置100を含むネットワークシステム1の全体構成を示すブロック図である。図1から図3において説明した要素と同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図4に示すネットワークシステム1は、図1Aに示したネットワークシステム1と同様に、品質管理システム10と、複数の端末装置200と、ネットワークNWとを有する。
【0083】
図4に示す端末装置200は、図1Bに示した端末装置200と同様である。但し、本実施形態では、端末装置200から送信される端末情報INFidは、端末情報INFidを送信した送信制御部230を動作させている許可アプリケーションプログラムPRAaを示すアプリケーション識別情報を含む。例えば、図5に示す端末情報INFid1は、許可アプリケーションプログラムPRAa1の実行により実現される送信制御部230a1が送信した端末情報INFidであり、許可アプリケーションプログラムPRAa1を示すアプリケーション識別情報を含む。また、例えば、図5に示す端末情報INFid2は、許可アプリケーションプログラムPRAa2の実行により実現される送信制御部230a2が送信した端末情報INFidであり、許可アプリケーションプログラムPRAa2を示すアプリケーション識別情報を含む。
【0084】
図4に示す品質管理システム10は、図1Aに示した品質管理システム10と同様に、管理装置100及び品質制御装置190を有する。図4に示す品質制御装置190は、図1Aに示した品質制御装置190と同様である。また、図4に示す管理装置100は、図1Aに示した管理装置100と同様の構成である。例えば、管理装置100は、処理装置110、記憶装置160及び通信装置170を有する。但し、記憶装置160に記憶される制御プログラムPR1aは、図1Aに示した制御プログラムPR1と相違する。このため、例えば、処理装置110が記憶装置160に記憶された制御プログラムPR1aを実行することによって実現される機能は、図1Aに示した処理装置110により実現される機能と相違する。また、本実施形態では、記憶装置160は、履歴テーブルTBLを記憶している。履歴テーブルTBLには、例えば、端末情報INFidの取得履歴を示す履歴情報が端末装置200毎に記憶される。履歴情報は、例えば、端末情報INFidを取得した時刻等を示す情報を含む。
【0085】
図4に示す処理装置110は、図1Aに示した制御プログラムPR1の代わりに制御プログラムPR1aを実行することを除いて、図1Aに示した処理装置110と同様である。例えば、処理装置110は、記憶装置160から制御プログラムPR1aを読み出し、読み出した制御プログラムPR1aを実行することによって、動作判定部120、終了処理部130及び開始処理部140として機能する。
【0086】
動作判定部120及び終了処理部130は、図1Aに示した動作判定部120及び終了処理部130と同様である。なお、動作判定部120は、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作しているか否かを判定してもよい。例えば、複数の表示画面を有する端末装置200、又は、複数の表示ウィンドウを表示画面に表示する機能を有する端末装置200では、特定状態がフォアグラウンドである場合、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作する可能性がある。この場合、例えば、動作判定部120は、履歴テーブルTBLに記憶された履歴情報に基づいて、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作しているか否かを判定することができる。
【0087】
開始処理部140は、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaが端末装置200において特定状態で動作している場合に、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaに応じたQoSレベルの中から、品質制御装置190に要求するQoSレベルを、履歴テーブルTBLに記憶された履歴情報に基づいて選択する。そして、開始処理部140は、履歴情報に基づいて選択したQoSレベルのQoS制御が端末装置200に対して実行されるように、QoS制御の開始を品質制御装置190に要求する。開始処理部140の動作の詳細は、後述する図5において説明する。なお、開始処理部140は、選択部の一例である。
【0088】
図5は、図4に示したネットワークシステム1の動作の一例を示すシーケンスチャートである。図1から図3において説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。図5では、未許可アプリケーションプログラムPRAbが実行されていない場合を想定する。また、図5では、図を見やすくするために、繰り返し実行される処理(例えば、ステップS110の処理)については、符号の記載が省略されている場合がある。また、図5に示す例では、端末装置200の要求部220が、管理装置100と品質制御装置190とにQoS終了要求REQeを送信する場合を想定する。
【0089】
先ず、時刻T100では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa1を起動する(S200)。端末装置200の要求部220a1は、許可アプリケーションプログラムPRAa1がフォアグラウンドでの動作を開始したため、QoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信する(S206)。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の端末装置200に送信する(S192)。そして、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS1)を開始する。これにより、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルのQoS制御(QoS1)が実行される(S194)。
【0090】
時刻T102から時刻T124までの期間では、端末装置200の送信制御部230a1は、端末情報INFid1をa秒間隔で管理装置100に送信する(S210)。また、管理装置100の動作判定部120は、時刻T102から時刻T124までの期間では、端末装置200からa秒間隔で送信された端末情報INFid1を取得する(S110)。なお、端末情報INFid1には、許可アプリケーションプログラムPRAa1を示すアプリケーション識別情報が含まれる。これにより、動作判定部120は、時刻T102から時刻T124までの期間では、許可アプリケーションプログラムPRAa1がフォアグラウンドで動作していると判定する。
【0091】
時刻T104と時刻T108との間の時刻T106では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa2を起動する(S200)。なお、図5に示す例では、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作する場合を想定しているため、許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドでの動作を開始した場合でも、許可アプリケーションプログラムPRAa1は、フォアグラウンドでの動作を継続する。このため、図5に示す例では、許可アプリケーションプログラムPRAa1及びPRAa2のいずれかが終了するまで(時刻T106から時刻T128まで)、許可アプリケーションプログラムPRAa1及びPRAa2の2つの許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作している。
【0092】
また、時刻T106では、端末装置200の要求部220a2は、許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドでの動作を開始したため、QoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信する(S206)。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の端末装置200に送信する(S192)。そして、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS2)を開始する。これにより、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルのQoS制御(QoS2)が実行される(S194)。すなわち、端末装置200に対するQoS制御のQoSレベルが、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルから、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルに切り替わる。
【0093】
時刻T110から時刻T136までの期間では、端末装置200の送信制御部230a2は、端末情報INFid2をa秒間隔で管理装置100に送信する(S210)。また、管理装置100の動作判定部120は、時刻T110から時刻T136までの期間では、端末装置200からa秒間隔で送信された端末情報INFid2を取得する(S110)。なお、端末情報INFid2には、許可アプリケーションプログラムPRAa2を示すアプリケーション識別情報が含まれる。これにより、動作判定部120は、時刻T110から時刻T136までの期間では、許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドで動作していると判定する。
【0094】
従って、図5に示す例では、時刻T102から時刻T124までの期間と時刻T110から時刻T136までの期間との重複期間(時刻T110から時刻T124までの期間)では、許可アプリケーションプログラムPRAa1及びPRAa2の2つがフォアグラウンドで動作していると判定される。
【0095】
例えば、動作判定部120は、端末情報INFid1を取得した時刻T108からa秒経過した時刻T112より前の時刻T110に端末情報INFid2を取得したため、許可アプリケーションプログラムPRAa1及びPRAa2の2つがフォアグラウンドで動作していると判定する。この場合、管理装置100の開始処理部140は、QoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信するか否かを判定してもよい。図5に示す例では、QoSレベルが切り替わる間隔がa秒より短くならないように、QoS開始要求REQsが送信される。従って、時刻T110では、開始処理部140は、QoS開始要求REQsを送信しないと判定する。なお、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作しているか否かの判定は、開始処理部140により実行されてもよい。
【0096】
時刻T110からa秒経過した時刻T114では、動作判定部120は、端末情報INFid2を取得する。時刻T110において取得された端末情報INFid2に含まれるアプリケーション識別情報、及び、時刻T114において取得された端末情報INFid2に含まれるアプリケーション識別情報は、互いに同じ許可アプリケーションプログラムPRAa2を示す。このため、時刻T114では、開始処理部140は、QoS開始要求REQsを送信しないと判定する。
【0097】
時刻T110からa秒より長い時間が経過した時刻T116では、動作判定部120は、端末情報INFid1を取得する。動作判定部120は、端末情報INFid2を取得した時刻T114からa秒経過した時刻T118より前の時刻T116に端末情報INFid1を取得したため、許可アプリケーションプログラムPRAa1及びPRAa2の2つがフォアグラウンドで動作していると判定する。また、時刻T114において取得された端末情報INFid2に含まれるアプリケーション識別情報、及び、時刻T116において取得された端末情報INFid1に含まれるアプリケーション識別情報は、互いに異なる許可アプリケーションプログラムPRAaを示す。このため、開始処理部140は、QoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信すると判定する。
【0098】
従って、時刻T116では、開始処理部140は、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルを示す情報を含むQoS開始要求REQsを、品質制御装置190に送信する(S126)。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の管理装置100に送信する(S192)。これにより、管理装置100は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを受信する(S128)。
【0099】
また、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS1)を開始する。これにより、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルのQoS制御(QoS1)が実行される(S194)。すなわち、端末装置200に対するQoS制御のQoSレベルが、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルから、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルに切り替わる。
【0100】
時刻T122では、時刻T116と同様の動作により、端末装置200に対するQoS制御のQoSレベルが、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルから、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルに切り替わる。このように、許可アプリケーションプログラムPRAa1及びPRAa2の2つがフォアグラウンドで動作している期間では、端末装置200に対するQoS制御のQoSレベルは、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルと、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルとに交互に切り替わる。
【0101】
時刻T128では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa1を終了する(S230)。許可アプリケーションプログラムPRAa1がフォアグラウンドで動作している状態で終了するため、端末装置200の要求部220a1は、QoS制御の終了を要求するQoS終了要求REQeを、管理装置100及び品質制御装置190に送信する(S216)。QoS終了要求REQeを受信した品質制御装置190は、QoS終了要求REQeに対する承認応答ACKeを、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に送信する(S198)。また、品質制御装置190は、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に対するQoS制御(QoS2)を終了する。
【0102】
また、QoS終了要求REQeを受信した管理装置100は、許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドで動作しているため、許可アプリケーションプログラムPRAa2が要求するQoSレベルを示す情報を含むQoS開始要求REQsを、品質制御装置190に送信する(S126)。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の管理装置100に送信する(S192)。これにより、管理装置100は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを受信する(S128)。また、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS2)を再開する(S194)。
【0103】
時刻T130から時刻T136までの期間の動作は、図2に示した時刻T46から時刻T52までの期間の動作と同様である。例えば、時刻T138では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa2を終了する(S230)。許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドで動作している状態で終了するため、端末装置200の要求部220a2は、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信する(S216)。QoS終了要求REQeを受信した品質制御装置190は、QoS終了要求REQeに対する承認応答ACKeを、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に送信する(S198)。また、品質制御装置190は、QoS終了要求REQeの送信元の端末装置200に対するQoS制御(QoS2)を終了する。
【0104】
このように、本実施形態では、例えば、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaが端末装置200において特定状態で動作している場合に、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaに応じたQoSレベルの中から、品質制御装置190に要求するQoSレベルを選択することができる。これにより、特定状態で動作している許可アプリケーションプログラムPRAaにとって不適切なQoSレベルのQoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0105】
なお、ネットワークシステム1の動作は、図5に示す例に限定されない。例えば、端末装置200の要求部220は、QoS開始要求REQsを、品質制御装置190と管理装置100とに送信してもよい。また、例えば、QoS終了要求REQeは、端末装置200から管理装置100を介して、品質制御装置190に送信されてもよい。この態様では、例えば、管理装置100は、QoS終了要求REQeの対象と異なる許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作している場合、端末装置200から送信されたQoS終了要求REQeを品質制御装置190に転送しなくてもよい。具体的には、例えば、図5の時刻T128では、管理装置100(例えば、動作判定部120又は終了処理部130)は、端末装置200の要求部220a1から送信されたQoS終了要求REQeを品質制御装置190に転送しなくてもよい。この場合、時刻T122から時刻T138まで、端末装置200に対するQoS制御(QoS2)が継続される。
【0106】
また、例えば、端末装置200の要求部220は、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドでの動作している期間においてQoS開始要求REQsを繰り返し送信する場合、QoS終了要求REQeを管理装置100に送信しなくてもよい。
【0107】
図6は、図4に示した管理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図6では、説明を分かり易くするために、端末装置200からQoS終了要求REQeを受信した場合の管理装置100の動作の記載を省略している。端末装置200からQoS終了要求REQeを管理装置100が受信した場合の処理は、図6に示す動作に対して割り込み処理として実行されてもよいし、図6に示す動作と並列に実行されてもよい。
【0108】
図6に示す動作は、図3に示した動作と同様に、ネットワークNWに接続された複数の端末装置200のうち、許可アプリケーションプログラムPRAaがインストールされた1つの端末装置200に対する、管理装置100の動作の一例を示す。従って、図6の説明においても、特に断りがない場合、端末装置200は、管理装置100による図6に示す動作の対象となる1つの端末装置200を意味するものとする。
【0109】
図6に示す動作では、図3に示したステップS120の処理の代わりにステップS122の処理が実行され、ステップS124からステップS128までの一連の処理が図3に示した動作に追加されている。また、図6に示す動作では、ステップS100の処理が実行される前に、履歴テーブルTBL(端末装置200から送信される端末情報INFidの履歴情報)が初期化されている。図6に示すその他の動作は、図3に示した動作と同様である。このため、図6では、ステップS110の処理が実行された後に実行されるステップS122の処理と、ステップS124からステップS128までの一連の処理とを説明する。
【0110】
ステップS122では、動作判定部120は、ステップS110において取得した端末情報INFidに基づいて、履歴テーブルTBLを更新する。例えば、動作判定部120は、端末情報INFidの取得時刻(端末情報INFidを取得した時刻、又は、端末情報INFidが送信された時刻)を、履歴情報として、許可アプリケーションプログラムPRAa毎に履歴テーブルTBLに記憶する。端末情報INFidの取得時刻に対応付けられる許可アプリケーションプログラムPRAaは、端末情報INFidに含まれるアプリケーション識別情報に基づいて特定される。
【0111】
なお、履歴テーブルTBLには、各許可アプリケーションプログラムPRAaに対して、最新の端末情報INFidの取得時刻のみが記憶されてもよしい、過去に送信された端末情報INFidの取得時刻を含む複数の端末情報INFidの取得時刻が記憶されてもよい。また、履歴テーブルTBLには、許可アプリケーションプログラムPRAaが要求するQoSレベルを示す情報が記憶されてもよい。
【0112】
次に、ステップS124では、開始処理部140は、履歴テーブルTBLに記録された履歴情報に基づいて、QoS制御の開始を品質制御装置190に要求するか否かを判定する。例えば、開始処理部140は、特定状態(例えば、フォアグラウンド)で動作している許可アプリケーションプログラムPRAaの数が1つである場合、QoS制御の開始を要求しないと判定する。なお、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作している場合、開始処理部140は、QoS制御の開始を品質制御装置190に要求すると判定してもよいし、所定の条件が満たされるか否かに基づいて、QoS制御の開始を品質制御装置190に要求するか否かを判定してもよい。
【0113】
所定の条件は、例えば、QoS制御の開始を要求する間隔が所定時間(例えば、a秒)以上であることであってもよい。また、例えば、所定の条件は、今回取得された端末情報INFidに対応する許可アプリケーションプログラムPRAaが、前回に取得された端末情報INFidに対応する許可アプリケーションプログラムPRAaと異なることであってもよい。また、例えば、所定の条件は、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaの各々に対してQoS制御の実行順に関する優先順位が予め決められている場合、優先順位に基づく条件であってもよい。優先順位に基づく条件は、例えば、QoS制御の開始を要求することにより、端末装置200に対するQoS制御が、特定状態で動作している複数の許可アプリケーションプログラムPRAaのうちの最も高い優先順位の許可アプリケーションプログラムPRAaに応じたQoS制御に切り替わることであってもよい。なお、所定の条件は、上述の例に限定されない。
【0114】
ステップS124における判定の結果が肯定の場合、開始処理部140は、処理をステップS126に進める。一方、ステップS124における判定の結果が否定の場合、開始処理部140は、処理をステップS130に進める。
【0115】
ステップS126では、開始処理部140は、端末装置200に対するQoS制御の開始を品質制御装置190に要求する。例えば、開始処理部140は、特定状態で動作している複数の許可アプリケーションプログラムPRAaに応じたQoS開始要求REQsの中から、上述の所定の条件を満たすQoS開始要求REQsを、履歴テーブルTBLに記録された履歴情報に基づいて選択する。そして、開始処理部140は、履歴情報に基づいて選択したQoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信する。なお、開始処理部140は、QoS制御の開始APIの呼び出しを品質制御装置190に対して実行することにより、QoS制御の開始を品質制御装置190に要求してもよい。
【0116】
このように、開始処理部140は、端末装置200に対するQoS制御として、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaのうちの一の許可アプリケーションプログラムPRAaに応じたQoS制御を、端末情報INFidに基づいて選択する。そして、開始処理部140は、端末情報INFidに基づいて選択したQoS制御の開始を品質制御装置190に要求する。なお、履歴テーブルTBLに記録された履歴情報は、上述したように、端末情報INFidに基づいて更新される。従って、QoS開始要求REQsを履歴情報に基づいて選択することは、QoS開始要求REQsを端末情報INFidに基づいて選択することに該当する。
【0117】
ステップS126の処理が実行されることにより、ステップS128の処理が実行される。ステップS128では、管理装置100(例えば、開始処理部140)は、QoS制御の開始要求に対する応答として、承認応答ACKsを品質制御装置190から受信する。そして、管理装置100は、処理をステップS130に進める。
【0118】
なお、管理装置100の動作は、図6に示す例に限定されない。例えば、動作判定部120は、図3に示した動作と同様に、経過時間を計測してもよい。また、例えば、ステップS124の判定は、動作判定部120により実行されてもよい。
【0119】
以上、第2実施形態では、管理装置100は、動作判定部120、終了処理部130及び開始処理部140を有する。開始処理部140は、端末装置200に対するQoS制御として、特定状態で動作している複数の許可アプリケーションプログラムPRAaのうちの一の許可アプリケーションプログラムPRAaに応じたQoS制御を、端末情報INFidに基づいて選択する。そして、開始処理部140は、端末情報INFidに基づいて選択したQoS制御の開始を品質制御装置190に要求する。これにより、本実施形態では、上述した第1実施形態と同様の効果の他に、以下に示す効果を得ることができる。
【0120】
例えば、本実施形態では、複数の許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作している場合でも、端末装置200に対するQoS制御を品質制御装置190に実行させることができる。また、本実施形態では、例えば、図5及び図6において説明したように、端末装置200に対するQoS制御として、品質制御装置190に要求するQoS制御を、周期的に切り替わるように、端末情報INFidに基づいて選択することができる。これにより、本実施形態では、特定状態で動作している許可アプリケーションプログラムPRAaにとって不適切なQoSレベルのQoS制御が継続されることを抑止することができる。
【0121】
[3.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0122】
[第1変形例]
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、QoS制御の開始を要求するタイミングは特に限定されない例を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、端末装置200の要求部220は、図7に示すように、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドでの動作を開始してから、所定の待機時間(例えば、c秒)が経過した時刻に、QoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信してもよい。
【0123】
図7は、第1変形例に係るネットワークシステム1の動作の一例を示すシーケンスチャートである。なお、図7に示す動作では、フォアグラウンドで動作可能なアプリケーションプログラムPRAの数が1つである場合を想定する。また、図7に示す動作では、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドでの動作を開始してから、端末情報INFidが最初に送信されるタイミングは、QoS開始要求REQsが送信された時刻より後である場合を想定する。図1から図6において説明した動作と同様の動作については、詳細な説明を省略する。
【0124】
先ず、時刻T200では、端末装置200は、未許可アプリケーションプログラムPRAb1を起動する(S200)。
【0125】
時刻T210では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa1を起動する(S200)。なお、図7に示す例では、QoS開始要求REQsは、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドでの動作を開始してから、b秒(判定時間)より長いc秒が経過した時刻(例えば、時刻T212)になるまで、品質制御装置190に送信されない。
【0126】
許可アプリケーションプログラムPRAa1がフォアグラウンドでの動作を開始した時刻T210からc秒経過した時刻T212では、端末装置200の要求部220a1は、QoS開始要求REQsを品質制御装置190に送信する(S206)。QoS開始要求REQsを受信した品質制御装置190は、QoS開始要求REQsに対する承認応答ACKsを、QoS開始要求REQsの送信元の端末装置200に送信する(S192)。そして、品質制御装置190は、例えば、QoS開始要求REQsにより指定されるQoSレベルのQoS制御(QoS1)を開始する。これにより、許可アプリケーションプログラムPRAa1が要求するQoSレベルのQoS制御(QoS1)が実行される(S194)。
【0127】
時刻T214から時刻T218までの期間では、端末装置200の送信制御部230a1は、端末情報INFidをa秒間隔で管理装置100に送信する(S210)。これにより、管理装置100の動作判定部120は、時刻T214から時刻T218までの期間では、端末装置200からa秒間隔で送信された端末情報INFidを取得する(S110)。
【0128】
時刻T220では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa2を起動する(S200)。また、時刻T220では、許可アプリケーションプログラムPRAa2がフォアグラウンドでの動作を開始したため、許可アプリケーションプログラムPRAa1の動作状態は、フォアグラウンドからバックグラウンドに切り替わる(S202)。このため、端末装置200の送信制御部230a1は、端末情報INFidをa秒間隔で送信する処理を停止する。また、端末装置200の送信制御部230a2による端末情報INFidの送信が、要求部220a2がQoS開始要求REQsを送信した後に開始されるため、送信制御部230a1が端末情報INFidを最後に送信した時刻T218からb秒経過しても、端末情報INFidは、送信されない。時刻T222では、端末装置200は、許可アプリケーションプログラムPRAa1を終了する(S230)。
【0129】
時刻T218からb秒経過した時刻T224では、管理装置100の終了処理部130は、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信する(S160)。例えば、管理装置100の動作判定部120は、端末情報INFidを取得した時刻T218からb秒経過した時刻T224までに、端末装置200から次の端末情報INFidを取得できなかったため、端末装置200からの端末情報INFidの送信が途絶えたと判定する。
【0130】
このように、図7に示す例では、フォアグラウンドで動作しているアプリケーションプログラムPRAが、許可アプリケーションプログラムPRAa1から許可アプリケーションプログラムPRAa2に切り替わった場合、QoS終了要求REQeが品質制御装置190に送信される。
【0131】
QoS終了要求REQeを受信した品質制御装置190は、QoS終了要求REQeに対する承認応答ACKeを、QoS終了要求REQeの送信元の管理装置100に送信する(S198)。そして、品質制御装置190は、QoS終了要求REQeにより示される端末装置200に対するQoS制御(QoS2)を終了する。時刻T238では、端末装置200は、未許可アプリケーションプログラムPRAb1を終了する(S230)。
【0132】
第1変形例においても、上述した第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第1変形例では、特定状態で動作している許可アプリケーションプログラムPRAaが切り替わる度に、QoS制御の終了を管理装置100が品質制御装置190に要求するため、品質制御装置190は、QoS制御の終了要求に対応するQoS制御の開始要求を容易に特定することができる。
【0133】
[第2変形例]
上述した第1実施形態、第2実施形態及び第1変形例では、品質管理システム10が複数の品質制御装置190を含む例につては、特に説明していないが、品質管理システム10は、複数の品質制御装置190を含んでもよい。品質管理システム10が複数の品質制御装置190を含む場合、すなわち、ネットワークシステム1が複数の品質制御装置190を含む場合、品質制御装置190にかかる負荷が分散される。
【0134】
図8は、第2変形例に係るネットワークシステム1Aの全体構成を示すブロック図である。図8に示すネットワークシステム1Aは、品質管理システム10Aと、複数の端末装置200と、ネットワークNWとを備える。品質管理システム10Aは、複数の品質制御装置190と、管理装置100とを有する。管理装置100、品質制御装置190及び端末装置200は、図1に示した管理装置100、品質制御装置190及び端末装置200と同様である。但し、管理装置100は、端末装置200からの要求に応じたQoS制御を実行する品質制御装置190を特定する処理を実行することが、図1Aに示した管理装置100の動作と相違する。
【0135】
例えば、複数の品質制御装置190の各々は、ネットワークNWのうちの予め割り当てられた部分のネットワーク(以下、部分ネットワークとも称する)のサービス品質を端末装置200毎に制御してもよい。例えば、各品質制御装置190に割り当てられる部分ネットワークは、品質制御装置190が設置される地域に基づいて決定されてもよいし、ネットワークNWに含まれる基地局に基づいて決定されてもよい。図8に示すネットワークシステム1Aでは、端末装置200に対するQoS制御を行う品質制御装置190が、複数の品質制御装置190から端末装置200の位置に基づいて選択される場合を想定する。
【0136】
管理装置100の終了処理部130は、例えば、動作判定部120の判定結果が否定である場合、すなわち、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない場合、複数の品質制御装置190のうち、端末装置200に対するQoS制御を行っている品質制御装置190を特定する。例えば、終了処理部130は、端末装置200に対するQoS制御を行っている品質制御装置190を、端末装置200の位置を示す位置情報に基づいて特定してもよい。端末装置200の位置情報は、特に限定されないが、例えば、GPS(Global Positioning System)を用いた測位結果を示す情報であってもよい。この場合、端末装置200の位置情報は、例えば、端末情報INFidに含まれてもよい。また、端末装置200の位置情報は、端末装置200の通信先となる基地局に割り当てられたセルIDを用いて取得されてもよい。セルIDは基地局を一意に識別する識別情報である。
【0137】
また、管理装置100の終了処理部130は、端末装置200に対するQoS制御を行っている品質制御装置190を特定した後、特定した品質制御装置190に対して、端末装置200に対するQoS制御の終了を要求する。このように、管理装置100の終了処理部130は、品質管理システム10Aが複数の品質制御装置190を有する場合であっても、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない端末装置200に対するQoS制御を終了させることができる。
【0138】
また、管理装置100の動作判定部120は、端末装置200に対するQoS制御を行っている品質制御装置190が一の品質制御装置190から他の品質制御装置190に切り替わったか否かを、端末装置200の位置(例えば、端末装置200の位置情報)に基づいて判定してもよい。そして、終了処理部130は、端末装置200に対するQoS制御を行っている品質制御装置190が一の品質制御装置190から他の品質制御装置190に切り替わったと動作判定部120が判定した場合、一の品質制御装置190に、端末装置200に対するQoS制御の終了を要求してもよい。なお、一の品質制御装置190は、第1の品質制御装置の一例であり、他の品質制御装置190は、第2の品質制御装置の一例である。
【0139】
QoS制御を行っている品質制御装置190が一の品質制御装置190から他の品質制御装置190に切り替わった場合に、一の品質制御装置190にQoS制御の終了を要求しない態様(以下、比較態様とも称する)では、以下に示す問題が発生する可能性がある。例えば、一の品質制御装置190に割り当てられた部分ネットワークに対応する場所を第1の場所と称し、他の品質制御装置190に割り当てられた部分ネットワークに対応する場所を第2の場所と称して、比較態様における問題点を説明する。なお、以下の問題点の説明では、許可アプリケーションプログラムPRAaがフォアグラウンドで動作している期間において、QoS開始要求REQsが品質制御装置190に繰り返し送信される場合を想定する。
【0140】
比較態様では、端末装置200が、第1の場所においてQoS制御を受けている最中に第2の場所に移動した場合、管理装置100への端末情報INFidの送信が途絶えるわけではないため、一の品質制御装置190によるQoS制御は、終了しない。また、第2の場所に移動した端末装置200における許可アプリケーションプログラムPRAaの動作状態が、例えば、バックグラウンドに切り替わった場合、QoS終了要求REQeは、管理装置100から他の品質制御装置190に送信されるが、一の品質制御装置190には送信されない。このため、他の品質制御装置190によるQoS制御は終了するが、一の品質制御装置190によるQoS制御は、終了しない。この状態で、端末装置200が第1の地域に戻ると、端末装置200においてフォアグラウンドで動作している未許可アプリケーションプログラムPRAbがQoS制御の効果を得ることになる。すなわち、比較態様では、未許可アプリケーションプログラムPRAbに対してQoS制御が実行されることがある。
【0141】
これに対し、第2変形例では、QoS制御を行っている品質制御装置190が一の品質制御装置190から他の品質制御装置190に切り替わった場合に、一の品質制御装置190にQoS制御の終了を要求することにより、未許可アプリケーションプログラムPRAbに対してQoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0142】
[第3変形例]
上述した第1実施形態、第2実施形態、第1変形例及び第2変形例では、ネットワークシステム1が複数の管理装置100を含む例につては、特に説明していないが、ネットワークシステム1は、複数の管理装置100を含んでもよい。ネットワークシステム1が複数の管理装置100を含む場合、管理装置100にかかる負荷が分散される。
【0143】
図9は、第3変形例に係るネットワークシステム1Bの全体構成を示すブロック図である。図9に示すネットワークシステム1Bは、複数の品質管理システム10と、複数の端末装置200と、振分装置300と、ネットワークNWとを備える。各品質管理システム10は、管理装置100及び品質制御装置190を有する。従って、複数の管理装置100は、複数の品質制御装置190と1対1に対応している。管理装置100、品質制御装置190及び端末装置200は、図1に示した管理装置100、品質制御装置190及び端末装置200と同様である。
【0144】
振分装置300は、例えば、サーバ等の情報処理装置であり、ネットワークNWに接続された品質管理システム10及び端末装置200と通信可能である。振分装置300は、例えば、管理装置100と同様に、振分装置300の全体を制御する処理装置310と、制御プログラムPR3等の各種のデータを記憶する記憶装置360と、ネットワークNWを介して他の装置と通信を行うための通信装置370とを具備するコンピュータシステムにより実現される。例えば、処理装置310は、制御プログラムPR3を実行することによって、振分部320として機能する。
【0145】
振分部320は、例えば、ネットワークシステム1Bに接続された複数の端末装置200のうち、許可アプリケーションプログラムPRAaを特定状態で動作させている一の端末装置200から、所定間隔(例えば、a秒間隔)で送信される端末情報INFidを取得する。そして、振分部320は、一の端末装置200から取得した端末情報INFidを、複数の管理装置100のいずれかに送信する。例えば、振分部320は、複数の品質制御装置190のうち、端末装置200に対するQoS制御を行う品質制御装置190を、端末装置200の位置(例えば、端末装置200の位置情報)に基づいて特定してもよい。そして、振分部320は、複数の管理装置100のうち、端末装置200の位置等に基づいて特定した品質制御装置190に対応する管理装置100に、一の端末装置200から取得した端末情報INFidを送信する。
【0146】
これにより、管理装置100は、一の端末装置200から振分装置300を介して端末情報INFidを受信する。従って、管理装置100の動作判定部120は、一の端末装置200から振分装置300を介して取得した端末情報INFidに基づいて、許可アプリケーションプログラムPRAaが一の端末装置200において特定状態で動作しているか否かを判定する。また、管理装置100の終了処理部130は、動作判定部120の判定結果が否定である場合、複数の品質制御装置190のうちの対応する品質制御装置190に、一の端末装置200に対するQoS制御の終了を要求する。
【0147】
このように、第3変形例では、ネットワークシステム1Bが複数の管理装置100を有する場合であっても、管理装置100は、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない端末装置200に対するQoS制御を終了させることができる。
【0148】
[第4変形例]
上述した第1実施形態、第2実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例において、端末情報INFidは、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作していない場合に端末装置200から管理装置100に送信される情報と、区別可能に管理装置100に送信されてもよい。
【0149】
例えば、アプリケーション事業者がQoS制御の利用料金を通信事業者に支払うことにより通知される暗号化方法に従って、端末情報INFidが暗号化されてもよい。あるいは、証明書情報が端末情報INFidに付加されてもよい。また、例えば、暗号化通信により、端末情報INFidが端末装置200から管理装置100に送信されてもよい。あるいは、許可アプリケーションプログラムPRAaがインストールされた端末装置200に対して認証が行われ、認証済みの端末装置200を示すIP(Internet Protocol)等の識別情報(すなわち、端末情報INFid)が登録された認証テーブルを管理装置100の記憶装置160等が記憶してもよい。管理装置100は、認証テーブルを参照することにより、認証済みの端末装置200から送信された端末情報INFidか否かを判定することができる。
【0150】
第4変形例では、許可アプリケーションプログラムPRAaが特定状態で動作している端末装置200になりすまして、端末情報INFidが管理装置100に送信されることを抑止することができる。
【0151】
[第5変形例]
上述した第2実施形態では、許可アプリケーションプログラムPRAaと未許可アプリケーションプログラムPRAbとの両方が特定状態で動作している場合については、特に説明していないが、未許可アプリケーションプログラムPRAbが特定状態で動作している場合、QoS制御が実行されなくてもよい。
【0152】
例えば、端末装置200によっては、フォアグラウンドで動作している一のアプリケーションプログラムPRAは、他のアプリケーションプログラムPRAがフォアグラウンドで動作していることを把握できても、他のアプリケーションプログラムPRAの詳細を把握できない場合がある。すなわち、端末装置200によっては、フォアグラウンドで動作している他のアプリケーションプログラムPRAが、許可アプリケーションプログラムPRAaか否かを把握できない場合がある。この場合、フォアグラウンドで動作している許可アプリケーションプログラムPRAaに対応する要求部220は、他のアプリケーションプログラムPRAがフォアグラウンドで動作していることを把握したとき、QoS終了要求REQeを品質制御装置190に送信してもよい。これにより、未許可アプリケーションプログラムPRAbに対してQoS制御が実行されることを抑止することができる。
【0153】
[4.その他]
(1)上述した実施形態では、記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
【0154】
(2)上述した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0155】
(3)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0156】
(4)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0157】
(5)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0158】
(6)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0159】
(7)図1等の図面に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0160】
また、通信装置170、270及び370は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置170、270及び370は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0161】
(8)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0162】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0163】
(9)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0164】
(10)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0165】
(11)上述した実施形態において、端末装置200は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0166】
(12)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0167】
(13)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0168】
(14)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0169】
(15)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0170】
(16)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0171】
(17)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0172】
(18)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0173】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0174】
1、1A、1B…ネットワークシステム、10…品質管理システム、100…管理装置、110…処理装置、120…動作判定部、130…終了処理部、140…開始処理部、160…記憶装置、170…通信装置、190…品質制御装置、200…端末装置、210…処理装置、220…要求部、230…送信制御部、240…アプリケーション処理部、260…記憶装置、270…通信装置、280…入力装置、290…出力装置、300…振分装置、310…処理装置、320…振分部、360…記憶装置、370…通信装置。
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