IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ビーワイディー カンパニー リミテッドの特許一覧

特許7417720電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車
<>
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図1
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図2
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図3
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図4
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図5
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図6
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図7
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図8
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図9
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図10
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図11
  • 特許-電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/112 20210101AFI20240111BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240111BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20240111BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20240111BHJP
   H01M 50/474 20210101ALI20240111BHJP
   H01M 50/477 20210101ALI20240111BHJP
   H01M 50/529 20210101ALI20240111BHJP
   H01M 50/636 20210101ALI20240111BHJP
   H01M 10/0566 20100101ALN20240111BHJP
   H01M 10/058 20100101ALN20240111BHJP
【FI】
H01M50/112
H01M50/103
H01M50/131
H01M50/249
H01M50/474
H01M50/477
H01M50/529
H01M50/636
H01M10/0566
H01M10/058
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022523948
(86)(22)【出願日】2019-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 CN2019124078
(87)【国際公開番号】W WO2021077564
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】201911012284.5
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】王▲傳▼福
(72)【発明者】
【氏名】何▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲華▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】朱建▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
(72)【発明者】
【氏名】胡世超
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-035951(JP,A)
【文献】特表2003-523059(JP,A)
【文献】特開2005-071673(JP,A)
【文献】特開2017-059529(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102104167(CN,A)
【文献】特開2007-172943(JP,A)
【文献】特開2004-071302(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/112
H01M 50/103
H01M 50/131
H01M 50/249
H01M 50/471 - 486
H01M 50/529
H01M 50/60 - 664
H01M 10/0566
H01M 10/058
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジング内に設けられた電池コアアセンブリとを含む電池であって、
前記電池コアアセンブリは、複数の電極コアセットと、前記複数の電極コアセットを収容する収容空間とを含み、前記複数の電極コアセットは直列接続され、前記複数の電極コアセットは、それぞれ少なくとも1つの電極コアを含み、
少なくとも2つの隣接する電極コアセットの間に仕切り板が設けられ、前記仕切り板が、収容空間を複数の収容キャビティに分割し、前記収容キャビティがそれぞれ前記電極コアセットを収容し、前記収容キャビティのキャビティ壁は、仕切り板と、仕切り板に接続された分離膜とを含み、
前記電池は、封止状態にある液体注入チャネルをさらに含み、前記液体注入チャネルは、前記分離膜及び前記仕切り板のうちの少なくとも1つに設けられることを特徴とする、電池。
【請求項2】
閉塞部が、前記液体注入チャネルに配置され、前記閉塞部は、前記液体注入チャネルを封止することを特徴とする、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記電池コアアセンブリは、複数の電極コアセットを含み、2つの隣接する電極コアセットの間に前記仕切り板が設けられ、各前記収容キャビティ内に1つの電極コアセットが収容されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電池。
【請求項4】
前記分離膜は、電極コアセットとハウジングとの間に位置し、前記分離膜は仕切り板に接続され、封止された収容キャビティを形成し、
前記封止された収容キャビティは、両端に開口部を備えた筒状分離膜と、前記開口部を封止する仕切り板とにより規定されることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
【請求項5】
前記電池コアアセンブリは、袋状分離膜と、袋状分離膜内に位置する仕切り板及び電極コアセットとを含み、前記仕切り板は、前記袋状分離膜に封止状態で接続されて、前記袋状分離膜を前記複数の収容キャビティに分割し、各収容キャビティ内に前記電極コアセットが配置されることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
【請求項6】
前記液体注入チャネルは前記仕切り板に設けられ、前記液体注入チャネルは前記収容キャビティ内に電解液を注入することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電池。
【請求項7】
前記仕切り板は、2つの隣接する電極コアセットの間に位置し、前記液体注入チャネルは、前記仕切り板の両側の2つの電極コアセットのうちの少なくとも1つに電解液を注入し、前記仕切り板は、前記収容キャビティに向かう面である側面と、前記ハウジングに向かう面である周方向面とを含み、
前記液体注入チャネルは、互いに連通する液体注入口と液体流出口を含み、前記液体注入チャネルの液体注入口は、前記仕切り板の周方向面に位置し、前記液体注入チャネルの液体流出口は、前記仕切り板の側面に位置することを特徴とする、請求項に記載の電池。
【請求項8】
前記仕切り板の周方向面に1つの前記液体注入口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面のうちの1つの側面に前記液体流出口が設けられるか、あるいは、
前記仕切り板の周方向面に1つの前記液体注入口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面にいずれも前記液体流出口が設けられることを特徴とする、請求項に記載の電池。
【請求項9】
前記液体注入チャネルは、第1チャネルと第2チャネルとを含み、前記第1チャネルは、前記仕切り板の側面から前記仕切り板を貫通し、前記第2チャネルは、前記仕切り板の周方向面から前記第1チャネルに向かって延在し、かつ、前記第1チャネルに接続され、前記第2チャネルに閉塞部が設けられ、前記閉塞部は、前記第2チャネルと締まり嵌めで接続されることを特徴とする、請求項に記載の電池。
【請求項10】
前記第2チャネルは、外側セグメント、封止領域及び内側セグメントを含み、前記封止領域は、前記外側セグメントと内側セグメントとの間に位置し、前記第1チャネルは、前記封止領域を介して前記第2チャネルと連通し、前記閉塞部は、内側セグメントに位置する第1セグメントと、外側セグメントに位置する第2セグメントと、封止領域に位置する第3セグメントとを含み、前記第3セグメントは、前記第1チャネルを封止することにより、前記液体注入チャネルを封止し、
前記第1チャネルは、前記第2チャネルと交差して配置され、前記第1チャネルは、前記第2チャネルにより第1貫通孔と第2貫通孔に分割され、前記第1貫通孔及び第2貫通孔は、いずれも前記第2チャネルの封止領域と連通することを特徴とする、請求項に記載の電池。
【請求項11】
前記仕切り板は、2つの側面を有し、前記仕切り板の周方向面に第1液体注入口及び第2液体注入口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面にそれぞれ前記液体流出口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面のうちの1つの側面における前記液体流出口を第1液体流出口とし、もう1つの側面における前記液体流出口を第2液体流出口とし、
前記第1液体注入口は、第1液体流出口と連通し、前記第2液体注入口は、第2液体流出口と連通することを特徴とする、請求項に記載の電池。
【請求項12】
前記分離膜は、分離膜本体と、分離膜本体から外へ突出する突出部とを含み、前記液体注入チャネルは、前記突出部に設けられる開口部であり、前記開口部は、熱溶融により封止されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか1項に記載の電池。
【請求項13】
各前記電極コアセットは、いずれも電流を引き出す第1電極引出部材及び第2電極引出部材を含み、少なくとも1つの電極コアセットの前記第1電極引出部材と第2の電極引出部材は、それぞれ第1方向に沿って該電極コアセットの対向する両側に設けられ、前記第1方向は、電池コアアセンブリにおける電極コアセットの配列方向であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の電池。
【請求項14】
前記電池は、略直方体であり、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記電池の長さLが幅Hより大きく、前記電池の幅Hが厚さDより大きく、前記電池の長さLが400~2500mmであり、
前記電池の厚さDが10mmより大きく、
前記電池の長さLと幅Hが、L/H=4~21を満たし、
前記電極コアセットの長さ方向は、第1方向に沿って延在し、前記電池の長さ方向は、前記第1方向に沿って延在することを特徴とする、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記仕切り板に接続貫通孔が形成され、隣接する2つの前記電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの第1電極引出部材は、もう1つの電極コアセットの第2電極引出部材に電気的に接続され、前記第1電極引出部材と第2電極引出部材との接続部材は、2つの電極コアセットの間の仕切り板の前記接続貫通孔に位置して、前記接続貫通孔内に封止構造が形成され、前記封止構造は、前記接続部材を前記接続貫通孔内にパッケージ化し、前記封止構造は、前記接続貫通孔を封止することにより、前記仕切り板の両側の隣接する2つの前記電極コアセットにおける電解液を分離することを特徴とする、請求項13に記載の電池。
【請求項16】
前記電池コアアセンブリは、電極コアコネクタを含み、隣接する2つの前記電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの第1電極引出部材は、前記電極コアコネクタにより、もう1つの電極コアセットの第2電極引出部材に電気的に接続され、前記仕切り板に接続貫通孔が形成され、前記電極コアコネクタは、前記接続貫通孔内に穿設され、前記接続貫通孔内には、封止構造が構成され、前記封止構造は、前記電極コアコネクタを前記接続貫通孔内にパッケージ化し、前記封止構造は、前記接続貫通孔を封止することにより、前記仕切り板の両側の隣接する2つの前記電極コアセットにおける電解液を分離し、前記電極コアコネクタは、前記仕切り板と一体的に形成され、
前記仕切り板は、絶縁仕切り板であることを特徴とする、請求項13に記載の電池。
【請求項17】
前記電極コアコネクタは、銅接続部材及びアルミニウム接続部材を含み、前記銅接続部材とアルミニウム接続部材との電気的接続位置は、前記仕切り板の内部に位置することを特徴とする、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
電池の製造方法であって、
前記電池は、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられた電池コアアセンブリとを含み、
前記電池コアアセンブリは、複数の電極コアセットと、前記複数の電極コアセットを収容する収容空間とを含み、前記複数の電極コアセットは直列接続され、前記複数の電極コアセットは、それぞれ少なくとも1つの電極コアを含み、
少なくとも2つの隣接する電極コアセットの間に仕切り板が設けられ、前記仕切り板が、収容空間を複数の収容キャビティに分割し、前記収容キャビティがそれぞれ前記電極コアセットを収容し、前記収容キャビティのキャビティ壁は、仕切り板と、仕切り板に接続された分離膜とを含み、
前記電池は、封止状態にある液体注入チャネルをさらに含み、前記液体注入チャネルは、前記分離膜及び前記仕切り板のうちの少なくとも1つに設けられ、
前記電池の製造方法は、
前記電池コアアセンブリが前記ハウジング内に配置される前に、少なくとも1つの前記収容キャビティに、前記収容キャビティに隣接する液体注入チャネルにより、電解液が注入されることを特徴とする、電池の製造方法。
【請求項19】
請求項1~17のいずれか1項に記載の電池を含むことを特徴とする、電池パック。
【請求項20】
請求項19に記載の電池パックを含むことを特徴とする、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディー カンパニー リミテッドが2019年10月23日に提出した、名称「電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車」の中国特許出願第「201911012284.5」号の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、電池の分野に属し、特に、電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギー自動車の普及が進むにつれて、新エネルギー自動車の動力電池に対する使用要求は、ますます高まっている。特に、新エネルギー自動車の航続距離に対するユーザの要求がますます高まっているため、新エネルギー自動車に使用される電池パックに対して、その全体的な容量を継続的に増やす必要があり、また、動力電池パックを使用する場合、内部抵抗による内部消耗及び発熱を最小限に抑える必要がある。
【0004】
一般的に、電池のハウジングに1つのベアセル又は複数の並列接続されたベアセルのみが設けられ、1つのベアセル又は複数の並列接続されたセルが含まれる場合、電池パック全体の電圧を向上させることができない。例えば、チタン酸リチウム電池の電圧は、2.4Vであり、リン酸鉄リチウムイオン電池の電圧は、3.2Vであり、三元系電池の電圧は、3.7Vであり、マルチポリマー電池の電圧は、4.3Vである。したがって、高電圧(高容量)を必要とする場合、複数の電池を直列接続して組電池を形成し、さらに組電池を動力電池パックに組み立てる必要があり、隣接する2つの電池の間に外部の電力接続部材により電力接続を行う必要がある。このような状況で、電池の取付構造が多く、コストが高く、電池パック全体の重量が大きく、また、取付構造が電池パックのより大きな内部空間を占用するため、動力電池パック全体の容量が低下し、並設される電池が多いほど、無駄になる空間が大きくなる。また、複数の電池を電力接続するために複数の外部の電力接続部材を設ける必要があるため、電池の内部抵抗が増加し、動力電池パックの使用中の内部消耗及び発熱が増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の内容は、少なくとも従来技術における技術的課題の1つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本願の第1態様に係る電池は、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられた電池コアアセンブリとを含み、
前記電池コアアセンブリは、直列接続され、少なくとも1つの電極コアを含む複数の電極コアセットと、前記複数の電極コアセットを収容する収容空間とを含み、少なくとも2つの隣接する電極コアセットの間に、収容空間を複数の収容キャビティに仕切る仕切り板が設けられ、各前記収容キャビティに前記電極コアセットが収容され、前記収容キャビティのキャビティ壁は、仕切り板と、仕切り板に接続された分離膜とを含み、前記電池は、前記分離膜及び前記仕切り板の少なくとも1つに設けられ、封止状態にある液体注入チャネルをさらに含む。
【0007】
本願の一実施形態において、前記電池コアアセンブリが前記ハウジング内に配置される前に、少なくとも1つの前記収容キャビティに該収容キャビティの液体注入チャネルにより電解液が注入される。
【0008】
本願の一実施形態において、前記液体注入チャネルに前記液体注入チャネルを封止する閉塞部が設けられる。
【0009】
本願の一実施形態において、前記電池コアアセンブリは、複数の電極コアセットを含み、2つの隣接する電極コアセットの間に前記仕切り板が設けられ、各前記収容キャビティ内に1つの電極コアセットが収容される。
【0010】
本願の一実施形態において、前記分離膜は、電極コアセットとハウジングとの間に位置し、仕切り板に封止接続されて、封止された収容キャビティを形成する。
【0011】
本願の一実施形態において、前記封止された収容キャビティは、両端が開口した筒状分離膜と開口部に封止接続された仕切り板により限定される。
【0012】
本願の一実施形態において、前記電池コアアセンブリは、袋状分離膜と袋状分離膜内に位置する仕切り板及び電極コアセットを含み、前記仕切り板は、前記袋状分離膜に封止接続されて、前記袋状分離膜を前記複数の収容キャビティに仕切り、各収容キャビティ内に前記電極コアセットが設けられる。
【0013】
本願の一実施形態において、前記液体注入チャネルは、前記仕切り板に設けられ、前記収容キャビティ内に電解液を注入する。
【0014】
本願の一実施形態において、前記仕切り板は、2つの隣接する電極コアセットの間に位置し、前記液体注入チャネルは、該仕切り板の両側の2つの電極コアセットのうちの少なくとも1つに電解液を注入する。
【0015】
本願の一実施形態において、前記仕切り板は、仕切り板の前記収容キャビティに向かう面である側面と、仕切り板の前記ハウジングに向かう面である周方向面とを含み、
前記液体注入チャネルは、互いに貫通する液体注入口と液体流出口を含み、前記液体注入チャネルの液体注入口は、前記仕切り板の周方向面に位置し、前記液体注入チャネルの液体流出口は、前記仕切り板の側面に位置する。
【0016】
本願の一実施形態において、前記仕切り板の周方向面に1つの前記液体注入口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面のうちの1つの側面に前記液体流出口が設けられる。
【0017】
本願の一実施形態において、前記仕切り板の周方向面に1つの前記液体注入口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面にいずれも前記液体流出口が設けられる。
【0018】
本願の一実施形態において、前記液体注入チャネルは、前記仕切り板の側面から前記仕切り板を貫通する第1チャネルと、前記仕切り板の周方向面から前記第1チャネルに向かって延在し、かつ前記第1チャネルと連通する第2チャネルとを含み、前記第2チャネルに閉塞部が設けられる。
【0019】
本願の一実施形態において、前記第2チャネルは、外側セグメント、封止領域及び内側セグメントを含み、前記封止領域は、前記外側セグメントと内側セグメントとの間に位置し、前記第1チャネルと前記第2チャネルは、前記封止領域により連通し、前記閉塞部は、内側セグメントに位置する第1セグメントと、外側セグメントに位置する第2セグメントと、封止領域に位置する第3セグメントとを含み、前記第3セグメントは、前記第1チャネルを封止することにより、前記液体注入チャネルを封止する。
【0020】
本願の一実施形態において、前記第1チャネルは、前記第2チャネルと交差して設けられ、前記第2チャネルにより第1貫通孔と第2貫通孔に分割され、前記第1貫通孔及び第2貫通孔は、いずれも前記第2チャネルの封止領域と連通する。
【0021】
本願の一実施形態において、前記閉塞部は、前記第2チャネルと締まり嵌めで接続される。
【0022】
本願の一実施形態において、前記仕切り板は、2つの側面を有し、前記仕切り板の周方向面に第1液体注入口及び第2液体注入口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面にそれぞれ前記液体流出口が設けられ、前記仕切り板の2つの側面のうちの1つの側面における前記液体流出口を第1液体流出口とし、もう1つの側面における前記液体流出口を第2液体流出口とし、
前記第1液体注入口は、第1液体流出口と貫通し、前記第2液体注入口は、第2液体流出口と貫通する。
【0023】
本願の一実施形態において、前記分離膜は、分離膜本体と、分離膜本体から外へ突出する突出部とを含み、前記液体注入チャネルは、前記突出部に設けられる開口部であり、前記開口部は、熱溶融により封止される。
【0024】
本願の一実施形態において、各前記電極コアセットは、いずれも電流を引き出す第1電極引出部材及び第2電極引出部材を含み、少なくとも1つの電極コアセットの前記第1電極引出部材と第2電極引出部材は、それぞれ第1方向に沿って該電極コアセットの対向する両側に設けられ、前記第1方向は、電池コアアセンブリにおける電極コアセットの配列方向である。
【0025】
本願の一実施形態において、前記電極コアセットの長さ方向は、前記第1方向に沿って延在し、前記電池の長さ方向は、前記第1方向に沿って延在する。
【0026】
本願の一実施形態において、前記電池は、略直方体であり、長さL、幅H及び厚さDを有し、前記電池の長さLが幅Hより大きく、前記電池の幅Hが厚さDより大きく、前記電池の長さが400~2500mmである。
【0027】
本願の一実施形態において、前記電池の厚さが10mmより大きい。
【0028】
本願の一実施形態において、前記電池の長さと幅HがL/H=4~21を満たす。
【0029】
本願の一実施形態において、前記仕切り板に接続貫通孔が形成され、隣接する2つの前記電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの第1電極引出部材は、もう1つの電極コアセットの第2電極引出部材に電気的に接続され、前記第1電極引出部材と第2電極引出部材との接続部は、2つの電極コアセットの間の仕切り板の前記接続貫通孔に位置する。
【0030】
本願の一実施形態において、前記接続貫通孔内には、前記接続部を前記接続貫通孔内にパッケージ化するとともに、前記接続貫通孔を封止することにより、前記仕切り板の両側の隣接する2つの前記電極コアセットにおける電解液を分離するパッケージ構造が設けられる。
【0031】
本願の一実施形態において、前記電池コアアセンブリは、電極コアコネクタを含み、隣接する2つの前記電極コアセットのうちの1つの電極コアセットの第1電極引出部材は、前記電極コアコネクタによりもう1つの電極コアセットの第2電極引出部材に電気的に接続される。
【0032】
本願の一実施形態において、前記仕切り板に接続貫通孔が形成され、前記電極コアコネクタは、前記接続貫通孔内に穿設され、前記接続貫通孔内には、前記電極コアコネクタを前記接続貫通孔内にパッケージ化するとともに、前記接続貫通孔を封止することにより、前記仕切り板の両側の隣接する2つの前記電極コアセットにおける電解液を分離するパッケージ構造が設けられる。
【0033】
本願の一実施形態において、前記電極コアコネクタは、前記仕切り板と一体的に成形される。
【0034】
本願の一実施形態において、前記電極コアコネクタは、銅接続部材及びアルミニウム接続部材を含み、前記銅接続部材とアルミニウム接続部材との電気的接続位置は、前記仕切り板の内部に位置する。
【0035】
本願の一実施形態において、前記仕切り板は、絶縁仕切り板である。
【0036】
本願の一実施形態において、前記電池コアアセンブリは、前記電極コアセットに電気的に接続され、かつ前記電極コアセットの状態を検出する検出ユニットをさらに含む。
【0037】
本願の一実施形態において、前記ハウジングは、金属ハウジングである。
【0038】
本願の一実施形態において、前記電池は、リチウムイオン電池である。
【0039】
本願の第2態様において、上記いずれかの実施形態における電池を含む電池モジュールを提供する。
【0040】
本願の第3態様において、上記いずれかの実施形態における電池又は上記電池モジュールを含む電池パックを提供する。
【0041】
本願の第4態様において、上記電池パックを含む電気自動車を提供する。
【発明の効果】
【0042】
従来技術に比べて、本願の有益な効果は以下のとおりである。まず、電池のハウジング内に複数の電極コアセットが直列接続され、電池の容量を向上させることができ、次に、電極コアセットが収容キャビティ内に位置し、複数の収容キャビティのキャビティ壁にそれぞれ液体注入チャネルが設けられることにより、電極コアセットが収容された各収容キャビティに、いずれも独立したチャネルにより電解液を注入することができ、液体注入経路が最も短いことを実現することができ、電解液が液体注入チャネルにより対応する収容キャビティ内にタイムリーに流れることができ、電解液が電極コアセットをタイムリーで効果的に浸潤することを保証し、また複数の液体注入チャネルが設けられることにより、各収容キャビティ内の電解液の含有量を正確に制御して、複数の収容キャビティ内の電解液の一致性を保証することができる。また、液体注入チャネルは、封止状態にあり、液体注入チャネルによる隣接する2つの電極コアの収容キャビティの連通を遮断し、すなわち、液体注入が完了した後、液体注入チャネルは、封止状態にあり、隣接する2つの電極コアの収容キャビティを分離し、電解液は、隣接する電極コアの収容キャビティの間を流れなくなり、互いに影響せず、かつ大きすぎる電位差のために分解されることがなく、電池の安全性及び耐用年数を保証する。最後に、本願において、電池の液体注入孔が収容キャビティに設けられ、かつ収容キャビティの外側にハウジングが嵌着され、液体注入孔がハウジングの内部に設けられ、ハウジングの表面に設計された開口部が少ないため、電池の完全性が高く、ハウジングが液体注入孔に対して二重封止の効果を果たし、内部の1つの収容キャビティ内の電解液が漏れ、他の収容キャビティが依然として完全である場合、電解液の導通のために内部短絡が発生することがなく、電池全体の封止性能及び安全性能が顕著に向上し、電池の耐用年数が向上し、ハウジングの加工プロセスも簡略化される。
【0043】
本願の付加的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実践により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本願の実施例に係る電池の構造概略図である。
図2】本願の実施例に係る電池の分解図である。
図3】本願の実施例に係る電池の正面図である。
図4図3のA-A方向に沿った断面図である。
図5図4におけるB部の部分拡大図である。
図6】本願の別の実施例に係る電池の正面図である。
図7図6のC-C方向に沿った断面図である。
図8図7のD部の部分拡大図である。
図9】本願の別の実施例に係る仕切り板と電極コアコネクタが接続される構造概略図である。
図10】本願の別の実施例に係る仕切り板に液体注入チャネルが設けられた構造概略図である。
図11】本願の別の実施例に係る閉塞部と液体注入チャネルとが封止嵌合された部分構造概略図である。
図12】本願の実施例に係る電池パックの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、若しくは同一又は類似の機能を有する素子を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものとして理解すべきではない。
【0046】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は素子が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではなく、したがって、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0047】
従来技術において、特許CN201110021300.4は、電池ハウジングと、電池ハウジング内に設けられ、直列接続された複数の電極セットとを含む内部直列接続式の組電池を提供し、2つの隣接する電極セットは、仕切り板により分離される。これにより、複数の電池を並設する場合に比べて、複数の電極セットを1つの電池ハウジングに設けることにより、ハウジング及び外部の取付構造を減少させ、空間利用率を向上させ、動力電池パックの全体的な容量を保証する。また、外部の電力接続部材の使用を減少させ、ハウジング内の隣接する電極セットを直接的に直列接続することになり、電力接続部材の接続安定性及び信頼性を考慮する必要がなく、接続素子を減少させ、さらに動力電池パックの使用中の内部消耗を減少させることができる。該特許では、複数の電極セットが並んで直列接続されるため、電池の内部の電位差が大きく、直列接続された複数の電極セットが1つのキャビティ内の電解液を共用すると、電位差が大きいため、電解液が分解され、電池が故障する可能性が高い。したがって、上記問題を解決するために、上記特許では、2つの隣接する電極セットの間に仕切り板が設けられ、各電極セットは、仕切り板によりそれぞれのキャビティ内に分割され、各キャビティ内に独立した電解液がある。
【0048】
しかしながら、特許CN201110021300.4では、仕切り板によりハウジングの内部を複数の独立したキャビティに分割するが、どのように各独立したキャビティ内に電解液を注入するか、どのように液体注入の封止を実現するとともに、隣接する2つのキャビティを分離することを保証するかということは、CN201110021300.4で考慮されない問題になり、CN201110021300.4に開示されている解決手段の重要な問題になる。
【0049】
したがって、本願は、電池100を提供し、図1及び図2に示すように、ハウジング101と、上記ハウジング101内に設けられた電池コアアセンブリとを含み、上記電池コアアセンブリは、直列接続され、少なくとも1つの電極コア1031を含む複数の電極コアセット103と、上記複数の電極コアセット103を収容する収容空間とを含み、少なくとも2つの隣接する電極コアセット103の間に、収容空間を複数の収容キャビティ102に仕切る仕切り板105が設けられ、各上記収容キャビティ102に上記電極コアセット103が収容され、上記収容キャビティ102のキャビティ壁は、仕切り板105と、仕切り板105に接続された分離膜(例えば、以下の袋状分離膜104)とを含み、上記電池は、上記分離膜と上記仕切り板の少なくとも1つに設けられ、封止状態にある液体注入チャネルをさらに含む。
【0050】
本願において、言及された電極コア1031は、動力電池の分野の一般的な電極コアであり、電極コア1031及び電極コアセット103は、電池100のハウジングの内部の構成要素であり、電池100自体として理解してはならず、巻回して形成された電極コア1031であってもよく、積層の方式で製造された電極コア1031であってもよく、一般的には、電極コア1031は、少なくとも正極板、分離膜、負極板及び電解液を含み、電極コア1031は、一般的に、完全に封止されないアセンブリを指す。したがって、本願において言及された電池は、電池100であり、複数の電極コア1031を含むため、それを電池モジュール又は組電池として簡単に理解してはならない。本願において、電極コアセット103は、1つの独立した電極コア1031で構成されてもよく、少なくとも2つの電極コア1031を含んでもよく、かつ少なくとも2つの電極コア1031は、並列接続され、上記電極コアセット103を構成する。例えば、2つの電極コア1031が並列接続された後、電極コアセット103を構成し、或いは、4つの電極コア1031が並列接続された後、電極コアセット103を構成する。本願において、分離膜は、電極コアセット103の表面に貼り付けられてもよく、電極コアセット103の周方向に間隔を隔てて設けられてもよく、分離膜が電極コアセット103の周方向に間隔を隔てて設けられる場合、一実施例において、仕切り板105は、分離膜を押し広げ、分離膜に封止接続され、電極コアセット103の外表面と分離膜との間に空隙があり、換言すれば、本願において、分離膜及び仕切り板105で限定された収容キャビティ102は、電極コアセット103を収容キャビティ102内に封止することができればよい。
【0051】
複数の電極コアセット103は直列接続される。
【0052】
本願において、複数の電極コアセット103は、直列接続され、異なる電極コアセット103の間に電圧が異なるため、アルミハウジングのようなハウジングの局所電位が低すぎることを引き起こし、この場合にリチウムイオンがハウジングの内部に埋め込まれて、リチウムアルミニウム合金を形成し、アルミハウジングを腐食させやすいため、該実施形態において、ハウジング101と電極コアセット103との間に、電解液とハウジング101との接触を防止する分離膜が設けられる。分離膜について、一定の絶縁性及び電解液に対する耐食性を有し、分離膜の材料は、絶縁で、電解液と反応しない限り、特に限定されず、いくつかの実施例において、分離膜の材料は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)又は多層複合膜を含んでもよく、例えば、いくつかの実施例において、多層複合膜は、内層、外層及び内層と外層との間に位置する中間層を含み、いくつかの実施例において、内層は、プラスチック材料を含み、例えば、内層は、分離膜内の電解液との反応性が低く、かつ絶縁性を有する材料で製造されてもよい。いくつかの実施例において、内層の材料は、PP又はPEを用いてもよく、いくつかの実施例において、中間層は、金属材料を含み、電池の外部の水蒸気の浸透を防止するとともに、内部の電解液の滲み出りを防止することができ、金属層として、いくつかの実施例において、中間層は、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、銅箔などを用いてもよく、成形性、重量及びコストを考慮して、いくつかの実施例において、中間層は、アルミニウム箔を用い、アルミニウム箔の材料として、純アルミニウム基又はアルミニウム鉄基合金材料を用いることが好ましく、外層は、保護層であり、主に高融点のポリエステル又はナイロン材料を用い、高い機械的性能を有し、外力の電池への損傷を防止し、電池を保護する役割を果たす。内膜が多層複合膜である場合、一実施形態において、内膜は、アルミニウム-プラスチック複合膜である。
【0053】
いくつかの実施形態において、分離膜は、加工しやすく、かつ分離膜が突き破られることを防止するために、柔軟性を有する。いくつかの実施形態において、分離膜の厚さは、80um~200umである。
【0054】
本願において、複数の電極コアセット103が直列接続される場合、異なる電極コアセット103内の電解液が連通すると、内部短絡の問題があり、かつ異なる電極コアセット103の間に大きい電位差があり(リン酸鉄リチウム電池を例とし、電位差が約4.0~7.6Vである)、電位差が大きいため、電解液が分解しやすく、電池性能に影響を与え、特に隣接する電極コアセット103の間に仕切り板105が設けられる。いくつかの実施例において、絶縁分離の役割をよりよく果たすために、仕切り板105自体は、絶縁材料で製造され、すなわち、仕切り板105は、絶縁仕切り板105である。このように、他の操作を行わずに、仕切り板105により、隣接する2つの電極コアセット103を直接的に分離し、かつ両者の間の絶縁を保持することができる。
【0055】
本願において、仕切り板105は、収容空間を複数の収容キャビティ102に仕切り、各上記収容キャビティ102に上記電極コアセットが収容され、換言すれば、従来の電池モジュールと完全に異なり、隣接する2つの収容キャビティ102の間に1つの仕切り板105が共用されるため、本願に記載の電池100は、従来技術における電池モジュールと異なる。
【0056】
電解液を収容キャビティ102に注入するために、電池100は、液体注入チャネル106をさらに含み、いくつかの実施例において、液体注入チャネル106は、分離膜に設けられてもよく、いくつかの実施例において、液体注入チャネル106は、仕切り板105に設けられてもよく、液体注入チャネル106の数は、特に限定されず、1つ以上であってもよい。
【0057】
本願のいくつかの実施例において、液体注入チャネル106は、分離膜及び仕切り板105の少なくとも1つに設けられ、電池ハウジング101に設けられず、換言すれば、電池ハウジング101に液体注入チャネルが設けられない。電池コアアセンブリがハウジング101内に配置される前に、少なくとも1つの収容キャビティ102に収容キャビティの液体注入チャネルにより電解液が直接的に注入され、すなわち、電池100に対して、液体注入が完了した後にハウジング101が封止される。
【0058】
従来技術において、液体注入孔は、常にハウジング101に設けられ、液体注入孔の数が多くなると、ハウジング101の加工難易度を向上させるだけでなく、液体注入孔の封止性能に対する要求が厳しく、電解液が漏れると、短絡などの問題を引き起こし、本願において、液体注入チャネル106が分離膜及び仕切り板105の少なくとも1つに設けられ、液体注入が完了した後に電池のハウジングが封止され、すなわち、液体注入孔がハウジングの内部に設けられ、ハウジング101は、液体注入チャネル106に対して二重封止の効果を果たし、電池全体の封止性能が顕著に向上し、そのうちの1つの収容キャビティの電解液が漏れ、他の収容キャビティが依然として完全である場合、他の収容キャビティは、電解液の漏れによる問題が発生せず、また、液体注入チャネルは、仕切り板105及び分離膜の少なくとも1つに形成され、ハウジングに形成されないため、液体注入チャネルの封止も簡単であり、例えば、分離膜に液体注入孔が設けられ、分離膜がプラスチックである場合、熱溶融封止を用いると、液体注入孔の封止要件を満たすことができる。いくつかの具体的な実施形態において、分離膜は、分離膜本体と、分離膜本体から外へ突出する突出部とを含み、この場合、突出部に液体注入チャネルとしての開口部が設けられてもよく、液体注入が完了した後、熱溶融により開口部を封止すればよい。
【0059】
本願において、収容キャビティ102の液体注入が完了した後、仕切り板105及び分離膜の少なくとも1つにおける液体注入チャネルは、封止状態にあり、一方では、収容キャビティ内の電解液がハウジングと接触してハウジングを腐食することがなく、他方では、電解液が隣接する電極コアの収容キャビティの間を流れなくなり、互いに影響せず、かつ大きすぎる電位差のために分解されることがなく、電池の安全性及び耐用年数を保証する。
【0060】
本願の一実施形態において、ハウジングは、両端が開口したハウジング本体と、カバープレートとを含み、カバープレートとハウジング本体とは、封止接続されて、収容空間を限定し、電池コアアセンブリは、収容空間内に位置する。該実施形態において、カバープレートに隣接する側の電極コアセット103が位置する収容キャビティ102は、カバープレート、分離膜及び仕切り板により限定され、この場合、カバープレートに隣接する側の収容キャビティ102の液体注入チャネル106は、カバープレートに設けられてもよく、分離膜又は仕切り板105に設けられてもよい。
【0061】
すなわち、電池ハウジングに2種類の収容キャビティ102が含まれてもよく、第1収容キャビティは、分離膜及び分離膜に接続された仕切り板105により限定され、第2収容キャビティは、カバープレート、仕切り板105及びカバープレートと仕切り板105との間に接続された分離膜により限定され、第1収容キャビティの液体注入チャネルは、分離膜及び仕切り板の少なくとも1つに設けられ、第2収容キャビティの液体注入チャネルは、カバープレートに設けられてもよく、分離膜又は仕切り板105に設けられてもよい。なお、該実施形態において、カバープレート(ハウジングの一部)に液体注入チャネルが形成されるが、従来技術における全ての液体注入チャネルがいずれもハウジングに形成される場合に比べて、本実施形態における電池の封止性能が依然として向上するため、本願の保護範囲内にある。
【0062】
なお、収容キャビティ102に電解液を注入した後、液体注入孔を封止する必要があり、本願の一実施形態において、液体注入チャネル106に閉塞部107が設けられ、閉塞部107の少なくとも一部は、液体注入チャネル106内に位置し、かつ液体注入チャネル106を封止することにより、液体注入チャネル106による隣接する2つの電極コアの収容キャビティ102の連通を遮断し、すなわち、液体注入が完了した後、閉塞部107は、液体注入チャネル106を封止することにより、隣接する2つの電極コアの収容キャビティ102を分離し、電解液が隣接する電極コアの収容キャビティ102の間を流れなくなり、互いに影響せず、かつ大きすぎる電位差のために分解されることがなく、電池の安全性及び耐用年数を保証する。
【0063】
液体注入チャネル106の閉塞方式について、一実施形態において、液体注入チャネルが分離膜に設けられる場合、分離膜を熱溶融した後に圧着して封止を実現することができ、該実施形態において、簡単に封止でき、液体注入チャネルが仕切り板に設けられる場合、鋼球による押圧により液体注入チャネル106を閉塞するか、又は封止釘などで閉塞することができ、閉塞の具体的な構造は以下に詳細に説明される。
【0064】
本願において、各収容キャビティ102に1つの電極コアセット103が収容されてもよく、複数の電極コアセット、例えば、2つ又は3つの電極コアセットが収容されてもよく、いくつかの好ましい実施形態において、上記電池コアアセンブリは、複数の電極コアセット103を含み、2つの隣接する電極コアセット103の間に上記仕切り板105が設けられ、各上記収容キャビティ102内に1つの電極コアセット103が収容される。
【0065】
電池コアアセンブリは、複数の収容キャビティ102と、各収容キャビティ102内に位置する電極コアセット103とを含む。一般的に、図2図4及び図7に示すように、1つの収容キャビティ102内に1つの電極コアセット103が収容される。少なくとも2つの電極コアセット103が直列接続され、一般的に、直列接続された電極コアセット103の数は、各電極コアセット103の出力電圧、電池パック200の幅及び電池パック200全体の電圧需要に応じて決定される。例えば、ある車種については、電池システムにより出力される電圧が300Vであることが要求されるが、従来の鉄リチウム電池の電圧が3.2Vであるため、従来技術において、要件を満たすために、電池パック内に100個の電池100を直列接続する必要がある。本願に係る電池パック200において、1つの電池の内部に2つの電極コアセット103が直列接続されると仮定すると、50個の電池を配列すればよく、このように類推して、10個の電極コアセット103が直列接続されると、10個の電池を直列接続すればよい。電池パック全体の設計及び電池の配列を大幅に減少させ、空間を効果的に利用し、空間利用率を向上させることができる。
【0066】
仕切り板105の両側の収容キャビティ102内の電解液が互いに流通することを回避するために、仕切り板105は、分離膜に封止接続され、収容キャビティは、封止された収容キャビティであり、封止接続の具体的な構造については特に限定されず、例えば、仕切り板105がプラスチック仕切り板105であり、分離膜がプラスチックで製造される場合、熱溶融により封止接続されてもよい。
【0067】
本願において、各電極コアセット103の表面を囲む分離膜は、一体であってもよく、別体であってもよい。
【0068】
分離膜が別体に設けられる場合、1つの電極コアセット103が1つの分離膜に対応してもよく、複数の電極コアセット103が1つの分離膜に対応してもよく、すなわち、各電極コアセットの表面に1つの分離膜が個別に嵌着され、或いは、電極コアセットが複数のグループに分けられ、各グループの電極コアセットの表面にそれぞれ1つの分離膜が嵌着される。分離膜の具体的な形式は、限定されず、具体的な実施形態において、各電極コアセットの表面に1つの分離膜が個別に嵌着され、分離膜は、両端が開口した筒状であり、電極コアセット103は、筒状の内部に位置し、仕切り板105は、両端の開口に封止接続される。
【0069】
分離膜が一体的に設けられ、すなわち、複数の電極コアセットに1つの分離膜が嵌着される場合、一実施形態において、分離膜は、袋状であり、該実施例の実施形態において、上記電池コアアセンブリは、袋状分離膜104と、袋状分離膜104内に位置する複数の電極コアセット103と、隣接する電極コアセット103の間に位置する仕切り板105とを含み、複数の上記仕切り板105は、袋状分離膜104に封止接続され、袋状分離膜104を上記複数の収容キャビティ102に仕切り、上記複数の電極コアセット103は、それぞれ上記複数の収容キャビティ102内に位置する。これにより、隣接する電極コアセット103の間には、仕切り板105により絶縁遮断を実現する。分離膜が一体的に設けられる場合、製造プロセスが簡単で、操作性が高い。
【0070】
本願において、液体注入チャネルの開放及び封止を容易にするために、仕切り板105に液体注入チャネル106が形成され、液体注入チャネル106は、収容キャビティ102内に電解液を注入する。
【0071】
仕切り板105は、2つの隣接する電極コアセット103の間に位置し、上記液体注入チャネル106は、該仕切り板105の両側の隣接する2つの上記電極コアセット103のうちの少なくとも1つに電解液を注入する。
【0072】
なお、1つの仕切り板105における液体注入チャネルにより該仕切り板の両側の電極コアセットに電解液を同時に注入する場合、各仕切り板105にいずれも液体注入チャネルを設ける必要がなく、1つの仕切り板105おきに液体注入チャネルを設けてもよい。
【0073】
複数の電極コアセットが配列されてなるアレイにおいて、アレイの前後に位置する仕切り板に、一側の電極コアセットに電解液を注入する1つの液体注入チャネルのみが設けられる。
【0074】
動力電池の分野において、各電池100の動作状況の一致性は非常に重要であり、電池パック200全体の性能に直接的に影響を与える。同様に、本願において、電池の内部の各電極コアセット103の動作状況の一致性も各電池の全体的な性能の表現に影響を与え、さらに電池パック200全体の性能に影響を与える。電池の内部に、電解液の量は、容量、活性などの電池の性能に影響を与える。
【0075】
本願において、該実施例において、仕切り板105があるため、ハウジング101の第1方向の一端又は両端のみに液体注入孔が設けられ、仕切り板105に液体導入貫通孔が設けられて、電解液を中間の電極コアの収容キャビティ102内に注入すると、仕切り板105の数が2以上であり、電池100の第1方向に沿った長さが長い場合、各収容キャビティ102内の電解液の浸潤経路が一致せず、各収容キャビティ102内の電解液の一致性を保証することができないため、電池の性能が低下する。したがって、本願において、複数回開口し、電解液を複数回注入して、電解液を各電極コアの収容キャビティ102内に直接的に導入することにより、電解液の一致性を保証することができる。
【0076】
仕切り板105に液体注入チャネル106が形成され、電解液がタイムリーで効果的に浸潤することを保証するとともに、電池100の成形プロセスを最適化することができる。
【0077】
各仕切り板105に位置する液体注入チャネル106は、1つであってもよく、複数であってもよい。各液体注入チャネル106は、1回に1つの電極コアの収容キャビティ102のみの内部に電解液を注入してもよく、仕切り板105の両側に位置する隣接する2つの電極コアの収容キャビティ102に電解液を同時に注入してもよい。仕切り板105は、板状であってもよく、円柱状であってもよく、他の形状であってもよく、各仕切り板105にいずれも液体注入チャネルが設けられてもよく、1つの仕切り板105おきに液体注入チャネルが設けられてもよい。
【0078】
一実施形態において、上記仕切り板105は、周方向面及び2つの側面を含み、上記仕切り板105の側面は、該仕切り板105の両側の隣接する上記電極コアセット103に面し、上記仕切り板105の周方向面は、上記ハウジング101の内表面に対向し、
上記液体注入チャネル106は、互いに貫通する液体注入口1061及び液体流出口1062を含み、上記液体注入チャネル106の液体注入口1061は、上記仕切り板105の周方向面に位置し、上記液体注入チャネル106の液体流出口1062は、上記仕切り板105の側面に位置する。
【0079】
本願において、液体注入チャネル106は、柔軟に設けることができ、例えば、円弧状又は曲線状の円筒形のチャネルであってもよく、L字形のチャネルであってもよい。
【0080】
上記仕切り板105の周方向面に上記液体注入口1061が設けられ、上記仕切り板105の2つの側面のうちの1つに上記液体流出口1062が設けられ、該液体注入チャネル106は、該液体流出口1062に対応する電極コアセット103に電解液を注入し、該実施形態において、1つの液体注入チャネル106は、1つの電極コアの収容キャビティ102に対応し、このように、電極コアセット103に注入された電解液の量を正確に制御することができる。
【0081】
本願において、上記仕切り板105の周方向面に上記液体注入口1061が設けられ、上記仕切り板105の2つの側面にいずれも上記液体流出口1062が設けられる。
【0082】
該実施形態において、仕切り板105の両側に位置する電極コアの収容キャビティ102の間の距離が近いため、仕切り板105における液体注入チャネル106は、該仕切り板105の両側の隣接する収容キャビティ102内に電解液を同時に注入することができ、電解液の浸潤経路が短いため、電解液が両側の電極コアセット103をタイムリーで効果的に浸潤することを依然として実現することができる。電池の一致性に影響を与えない前提で、仕切り板105の製造プロセスを簡略化することができる。
【0083】
本願の一実施例において、図10及び図11に示すように、上記液体注入チャネル106は、上記仕切り板105の側面から上記仕切り板105を貫通する第1チャネル1063と、上記仕切り板105の周方向面から上記第1チャネル1063に向かって延在し、かつ上記第1チャネル1063と連通する第2チャネル1064とを含み、第2チャネル1064内に閉塞部107が設けられ、該解決手段において、閉塞部107が第2チャネル1064に挿入されると、液体注入チャネル106に対する封止を実現することができる。仕切り板105は、上記電極コア1031の収容キャビティ102に面する側面と、ハウジングと嵌合する周方向面とを含み、上記第1チャネル1063の開口部は、上記側面に位置し、上記第2チャネル1064の開口部は、仕切り板105の周方向面に位置し、上記封止部材は、上記第2チャネル1064内に取り付けられる。
【0084】
図10に示すように、仕切り板105の左右表面は、電極コア1031の収容キャビティ102に面する側面であり、仕切り板105の上下端面は、周方向面である。仕切り板105が板状体であり、左右表面が一般的に平面であることが理解される。仕切り板105のハウジングに対向する周方向面は、仕切り板105の周縁の外表面であり、例えば、電池100が矩形電池100である場合、ハウジングが矩形であり、仕切り板105の周縁が矩形の四辺に成形され、このように、仕切り板105の周方向面は、仕切り板105の4つの辺のそれぞれが隣接するハウジングに向かう面であり、例えば、図10における仕切り板105の上方及び下方である。
【0085】
このように、仕切り板105において、第2チャネル1064の開口部は、ハウジングの方向に向かって開き、封止部材は、該開口から第2チャネル1064内に挿入され、かつ第1チャネル1063を封止することができる。
【0086】
本願において、電池の体積利用率を向上させるために、収容キャビティとハウジングとの間の隙間が一般的に小さく、電極コアセットがハウジングの内部に大幅に移動することがなく、いくつかの実施形態において、電池が長い場合、電池の安定性を向上させるために、仕切り板とハウジングが接触する箇所でハウジングにわずかに軽く押圧して、ハウジングで仕切り板を締め付ければよい。
【0087】
本願の一実施例において、第2チャネル1064は、外側セグメント1065、封止領域1066及び内側セグメント1067を含み、上記封止領域1066が上記外側セグメント1065と内側セグメント1067との間に位置する。図11に示すように、閉塞部107は、上から下へ順に第2セグメント1072、第3セグメント1073及び第1セグメント1071であり、取り付け場合、閉塞部107は、順に外側セグメント1065、封止領域1066及び内側セグメント1067を貫通し、かつ第2チャネル1064内に固定される。該実施例において、第1チャネル1063は、封止領域1066により連通し、第2チャネル1064内に取り付けられた閉塞部107は、封止領域1066にある部分により第1チャネル1063を封止する。
【0088】
それに対応して、図11に示すように、閉塞部107は、内側セグメント1067に位置する第1セグメント1071と、外側セグメント1065に位置する第2セグメント1072と、封止領域1066に位置する第3セグメント1073とを含み、第3セグメント1073は、第1チャネル1063を封止することにより、第1チャネル1063による隣接する2つの電極コア1031の収容キャビティ102の連通を遮断する。該実施例において、図11に示すように、閉塞部107は、上端(第2セグメント1072)が封止領域1066より高く、下端(第1セグメント1071)が封止領域1066より低いため、閉塞部107の第1チャネル1063に対する封止作用をよりよく保証することができる。
【0089】
図10及び図11に示すように、本願の実施例において、閉塞部107は、第1チャネル1063と交差して設けられ、第1チャネル1063は、第2チャネル1064により第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069に分割され、第1貫通孔1068と第2貫通孔1069は、いずれも閉塞部107の封止領域1066と連通する。閉塞部107の第3セグメント1073は、液体導入貫通孔を封止する場合、第1貫通孔1068と第2貫通孔1069との連通を遮断することにより、液体導入貫通孔による隣接する2つの収容キャビティ102の連通を遮断する。
【0090】
本願の実施例において、外側セグメント1065、内側セグメント1067及び封止領域1066は、いずれも円筒形溝であり、かつ第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069は、いずれも円柱形孔である。閉塞部107は、第2チャネル1064と交差して設けられ、第2チャネル1064の封止領域1066は、液体導入貫通孔を第1貫通孔1068と第2貫通孔1069に分割し、すなわち、封止領域1066は、第1貫通孔1068と第2貫通孔1069との間に位置し、第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069がいずれも封止領域1066と連通することにより、隣接する2つの電極コア1031の収容キャビティ102が連通する。本願の実施例において、封止領域1066の内径が第1貫通孔1068の内径より大きく、或いは、封止領域1066の内径が第2貫通孔1069の内径より大きく、或いは、封止領域1066の内径が第1貫通孔1068の内径より大きく、かつ第2貫通孔1069の内径より大きい。封止領域1066が封止部材の第3セグメント1073を締まり嵌めの方式で収容する場合、第3セグメント1073は、少なくとも第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069のうちの1つを封止して、第1貫通孔1068と第2貫通孔1069との連通を遮断することにより、液体導入貫通孔による隣接する2つの電極コア1031の収容キャビティ102の連通を遮断することができる。
【0091】
本願の一実施例において、外側セグメント1065、内側セグメント1067及び封止領域1066は、同軸に設けられ、かつ内径が同じであり、それに対応して、閉塞部107は、第1セグメント1071、第2セグメント1072及び第3セグメント1073の外径がいずれも同じの柱状体であり、閉塞部107が第2チャネル1064内に締まり嵌めで設けられることにより、第1貫通孔1068と第2貫通孔1069との連通をよりよく遮断する。
【0092】
いくつかの実施形態において、第2チャネル1064の外側セグメント1065、内側セグメント1067及び封止領域1066は、同軸に設けられ、また、外側セグメント1065の内径が封止領域1066の内径より大きく、封止領域1066の内径が内側セグメント1067の内径より大きい。該設置方式で、閉塞部107の第2セグメント1072、第3セグメント1073及び第1セグメント1071は、階段状構造であり、第2セグメント1072は、外側セグメント1065内に嵌合され、第3セグメント1073は、封止領域1066内に嵌合され、第1セグメント1071は、内側セグメント1067に嵌合される。3段の階段状構造により、閉塞部107の挿入と取り付けを容易にする。
【0093】
液体注入を容易にし、かつ液体注入の高さをよりよく観察し把握できるために、本願の一実施例において、第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069は、いずれも円柱形孔であり、同軸に設けられる。該実施例において、少なくとも電解液の液面が第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069の周方向に、同じ高さまで上昇する場合、複数の電極コア1031の収容キャビティ102内の電解液の液面の高さが同じであることを確認することができる。これにより、液体注入量の一致を保証し、さらに電池100の一致性を保証する。
【0094】
本願の別の実施例において、第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069は、いずれも円柱形孔であり、かつ第1貫通孔1068及び第2貫通孔1069の内径は同じである。このように、液体注入速度を保証することができる。
【0095】
本願の一実施例において、閉塞部107の第2セグメント1072、第1セグメント1071及び第3セグメント1073は、いずれも円柱体であり、第3セグメント1073の外径が第1貫通孔1068及び/又は第2貫通孔1069の外径より大きい。この場合、閉塞部107は、第1貫通孔1068と第2貫通孔1069との連通をよく遮断することができる。
【0096】
本願の一実施例において、閉塞部107の第1セグメント1071、第2セグメント1072及び第3セグメント1073は、同軸に設けられ、かつ外径が同じであるため、第2チャネル1064とのより良好な嵌合を実現する。
【0097】
本願の別の実施例において、第2チャネル1064の階段状構造と嵌合するために、閉塞部107の第1セグメント1071、第2セグメント1072及び第3セグメント1073は、同軸に設けられ、かつ第2セグメント1072の外径が第3セグメント1073の外径より大きく、第3セグメント1073の外径が第1セグメント1071の外径より大きい。
【0098】
本願の上記実施例において、閉塞部107は、第2チャネル1064と締まり嵌めで接続される。
【0099】
別の実施形態において、図8及び図9に示すように、各側面における液体流出口1062は、1つ以上であってもよい。なお、仕切り板105の2つの側面における液体流出口1062の数は、異なってもよい。例えば、電池コアアセンブリの前後両端に対応する2つの仕切り板105における液体流出口1062の数が異なるように設けてもよく、電池コアアセンブリの最も外側の2つの仕切り板105の、セルの外部に面する側面に2つの液体流出口1062が設けられ、仕切り板105の残りの側面にいずれも1つの液体流出口1062が設けられ、このように、液体注入効率を向上させることができ、さらに各電極コア1031に注入された電解液の量がほぼ等しいことを保証することができる。
【0100】
上記仕切り板105の周方向面に第1液体注入口1061及び第2液体注入口1061が設けられ、第1液体注入口1061及び第2液体注入口1061は、仕切り板105の形状に応じて柔軟に設けられてもよい。例えば、仕切り板105が正方体又は直方体である場合、第1液体注入口1061は、正方体又は直方体状を呈する該仕切り板105の異なる面に位置してもよく、上記仕切り板105の2つの側面にそれぞれ上記液体流出口1062が設けられ、上記仕切り板105の2つの側面のうちの1つの側面における上記液体流出口1062を第1液体流出口1062とし、もう1つの側面における上記液体流出口1062を第2液体流出口1062とし、上記第1液体注入口1061は、第1液体流出口1062と貫通し、上記第2液体注入口1061は、第2液体流出口1062と貫通する。第1液体流出口1062及び第2液体流出口1062は、1つ以上であってもよく、かつ第1液体流出口1062及び第2液体流出口1062の数は、同じであっても異なってもよい。
【0101】
第1液体注入口1061と第1液体流出口1062は、貫通して第1液体注入チャネル106を形成し、第2液体注入口1061と第2液体流出口1062は、貫通して第2液体注入チャネル106を形成し、第1液体注入チャネル106と第2液体注入チャネル106は、交差して設けられてもよく、独立して設けられてもよい。
【0102】
本願において、電極コアセット103が直列接続されることにより、大容量及び高電圧の電池100を実現し、製造プロセス及びコストを削減することができる。電極コアセット103が直列接続される場合、複数の電極コアセット103が順に直列接続されてもよく、複数の電極コアセット103が間隔を隔てて直列接続されてもよく、例えば、4つの電極コアセット103が設けられる場合、第1電極コアセット103と第3電極コアセット103が直列接続されて第1列電極コアセット103を形成し、第2電極コアセット103と第4電極コアセット103が直列接続されて第2列電極コアセット103を形成し、次に第1列電極コアセット103と第2列電極コアセット103が直列接続されてもよい。
【0103】
従来技術において、例えば、出願番号CN201910544929.3では、電池パック200の体積利用率を向上させるために、電池100のサイズを400~2500mmに設定し、電池が長すぎるため、1つの電極コア1031のみが設けられると、電池の内部抵抗が高すぎ、正極と負極の両端の電位差が大きすぎ、電解液が正常に動作できない。本願の技術的解決手段を用いると、電池100の長さが400~2500mmである電池100を容易に製造し、また、内部抵抗、及び構造部材の接続を減少させて、コストをさらに削減することができる。
【0104】
本願において、各上記電極コアセット103は、いずれも電流を引き出す第1電極引出部材1032及び第2電極引出部材1033を含み、少なくとも1つの上記第1電極引出部材1032と第2電極引出部材1033は、それぞれ第1方向に沿って該電極コアセット103の対向する両側に設けられ、上記第1方向は、上記電池コアアセンブリにおける電極コアセット103の配列方向である。
【0105】
本願において、好ましくは、第1電極引出部材1032と第2電極引出部材1033は、それぞれ第1方向に沿って該電極コアセット103の対向する両側に設けられ、上記電池コアアセンブリにおける全ての電極コアセット103は、上記第1方向に沿って配列され、本願のいくつかの実施例において、上記電池コアアセンブリの長さ方向は、第1方向に沿って延在し、すなわち、第1方向が電池コアアセンブリの長さ方向であり、本願のいくつかの実施例において、上記電池100の長さ方向は、第1方向に沿って延在し、すなわち、第1方向が電池100の長さ方向であり、すなわち、セルが「ヘッドトゥーヘッド」の配列方式を用い、この配列方式で電池における2つずつの電極コアセット103の直列接続を容易に実現することができ、接続構造が簡単である。また、このような配列方式は、長い電池100を容易に製造することができる。
【0106】
本願において、電池100は、様々な形状であってもよく、規則的な幾何学的形状であってもよく、不規則な幾何学的形状であってもよく、例えば、方形、円形、多角形、三角形であってもよく、異形電池のように任意の形状であってもよい。本願は、電池100の形状を限定するものではないことが理解される。一実施形態において、電池100は、略直方体であり、上記電池100は、長さL、幅H及び厚さDを有し、上記電池100の長さLが幅Hより大きく、上記電池100の幅Hが厚さDより大きく、上記電池100の長さが400~2500mmである。
【0107】
なお、略直方体は、上記電池100が直方体状、正方体状であってもよく、又はその一部が異形であるが、略直方体状、正方体状であり、或いは、その一部に切欠き、突起、面取り、弧度、湾曲が存在するが、全体として略直方体状、正方体状であることが理解される。
【0108】
本願の電池100の厚さの拡大可能な範囲が大きく、10mm以上の電池がいずれも自由に適合でき、従来のパウチ電池(15mmより小さい)と異なり、現在のパウチ電池は、アルミニウム-プラスチック複合膜の延伸成形により内部のキャビティを実現するため、電池の内部の厚さは、アルミニウム-プラスチック複合膜の引張性能により制限され、厚い電池の製造を実現することができない。本技術における電池について、厚さが10mm以上の電池の製造を実現することができる。
【0109】
本願において、電池100の長さLと幅Hは、L/H=4~21を満たす。
【0110】
本実施例の直列接続方式は、隣接する電極コアセット103が直列接続されることであってもよく、具体的な実現方式は、隣接する電極コアセット103の電流引出部材が直接的に接続されることであってもよく、追加の導電部材により電気的に接続されることであってもよく、一般的には、各上記電極コアセット103は、いずれも電流を引き出す第1電極引出部材1032及び第2電極引出部材1033を含み、電極コアセット103が1つの電極コア1031のみを含む場合、第1電極引出部材1032と第2電極引出部材1033は、それぞれ電極コアの正極タブと負極タブ又はそれぞれ負極タブと正極タブであってもよい。複数の電極コア1031を含む場合、第1電極引出部材1032及び第2電極引出部材1033は、電極リードであってもよい。第1電極引出部材1032と第2電極引出部材1033の「第1」と「第2」は、名称を区別するものに過ぎず、数を限定するものではなく、例えば、第1電極引出部材1032は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0111】
本願において、隣接する電極コアセット103のうちの1つの電極コアセット103の第1電極引出部材1032は、他の電極コアセットの第2電極引出部材1033に電気的に接続され、上記第1電極引出部材1032と第2電極引出部材との接続部は、2つの電極コアセットの間の仕切り板105内に位置し、第1電極引出部材1032と第2電極引出部材との接続部は、上記第1電極引出部材1032と第2電極引出部材が互いに接続された部分を指し、すなわち、第1電極引出部材1032と第2電極引出部材は、直接的に電気的に接続される。
【0112】
本願において、隣接する2つの電極コアセット103が共に1つのハウジング101の内部に位置するため、2つの電極コアセット103の間の間隔を大幅に減少させ、2つの電池100が第1電極引出部材1032及び第2電極引出部材1033により接続される場合と比較して、後続の電池パック200の組立プロセスを簡略化し、そして、材料の使用を減少させ、重量を軽減する。また、2つの電極コアセット103が同じハウジング101内に取り付けられるため、電極コアセット103の間の接続の安定性及び堅牢性の要件を大幅に低下させる。
【0113】
第1電極引出部材1032と第2電極引出部材1033との間の電気的接続を容易にするために、仕切り板105に接続貫通孔1051が形成され、第1電極引出部材1032と第2電極引出部材1033との接続部は、2つの電極コアセットの間の仕切り板の上記接続貫通孔に位置する。
【0114】
仕切り板105の両側の収容キャビティ102内の電解液が互いに浸透することを防止するために、接続貫通孔1051にパッケージ構造1052が設けられて、接続部と上記仕切り板105を封止接続することにより、上記仕切り板105の両側の隣接する2つの上記電極コアセット103中の電解液が互いに移動することを防止する。
【0115】
本願において、電極コアセット103は、直接的に電気的に接続されてもよく、間接的に接続されてもよく、そのうちの一実施形態において、上記電池コアアセンブリは、電極コアコネクタ108を含み、隣接する2つの上記電極コアセット103は、上記電極コアコネクタ108により直列接続され、上記電極コアコネクタ108は、一端が仕切り板105の一側の電極コアに接続され、他端が仕切り板105の他側の電極コアセット103に接続される。
【0116】
各上記電極コアセット103は、いずれも電流を引き出す第1電極引出部材1032及び第2電極引出部材を含み、隣接する電極コアセット103のうちの1つの電極コアセット103の第1電極引出部材1032は、上記電極コアコネクタ108によりもう1つの電極コアセット103の第2電極引出部材1033に電気的に接続される。
【0117】
隣接する2つの電極コアセット103は、電極コアコネクタ108により接続され、電極コアコネクタ108に、より大きな設計空間を与え、電流が流れる面積を増加させ、電池の内部抵抗を減少させることができる。電極引出部材は、仕切り板105における電極コアコネクタ108に直接的に溶接される。従来の電池の直列接続に比べて、溶接プロセス及びステップを減少させ、不良溶接によるリスクを低減し、電池全体の安全性及び信頼性を向上させる。
【0118】
電極コアコネクタ108について、本願の一実施例は、電極コアコネクタ108と仕切り板105の接続及び位置関係を開示する。図9に示すように、仕切り板105に接続貫通孔1051が形成され、電極コアコネクタ108は、接続貫通孔1051内に穿設され、接続貫通孔1051の一側から他側に貫通し、すなわち、電極コアコネクタ108は、上記接続貫通孔1051を貫通し、一端が仕切り板の一側の電極コアセット103に接続され、他端が仕切り板105の他側の電極コアセット103に接続される。
【0119】
後述するように、いくつかの実施例において、電極コアコネクタ108は、銅接続部材1081及びアルミニウム接続部材1082を含み、銅及びアルミニウムがリチウムに対して電位差があるため、銅接続部材及びアルミニウム接続部材が電解液と接触する位置で腐食が発生しやすい一方で、仕切り板105の両側の電極コアの収容キャビティ102を分離するために、接続貫通孔1051内には、電極コアコネクタ108を接続貫通孔1051内にパッケージ化するとともに、接続貫通孔1051を封止することにより、仕切り板105の両側の隣接する電極コアの収容キャビティ102を分離するパッケージ構造1052が設けられる。
【0120】
以上は本願の一実施例に係る具体的な電極コアコネクタ108の取り付け解決手段であるが、該解決手段において、接続貫通孔1051に対して2回パッケージ化する必要があり、操作が非常に不便であり、また、2回パッケージ化する場合、パッケージ構造1052に用いられる材料が複雑であり、電池の内部の電解液に影響を与える可能性がある。これに鑑み、本願の別の実施例において、図9に示すように、電極コアコネクタ108と仕切り板105とを一体的に射出成形する解決手段を提供する。該解決手段において、電極コアコネクタ108と仕切り板105とを一体的に射出成形し、具体的には、まず電極コアコネクタ108を製造し、さらに電極コアコネクタ108の外部に仕切り板105を射出成形する。組立プロセスにおいて、電極コアセット103を電極コアコネクタ108に直接的に接続すればよく、パッケージ化する必要がある貫通孔がなく、プロセスを簡略化するとともにリスクを低減する。
【0121】
本願において、パッケージ構造1052は、封止性能を果たし、かつ電解液に対する耐食性及び絶縁性を備えればよく、例えば、ゴム栓などであってもよい。
【0122】
本願の具体的な実施例において、図9に示すように、電極コアコネクタ108は、銅接続部材1081及びアルミニウム接続部材1082を含み、銅接続部材1081とアルミニウム接続部材1082が電気的に接続され、その電気的接続位置が上記仕切り板105の内部に位置する。該実施例において、銅接続部材1081は、仕切り板105の一側の電極コアセット103の銅引出端子に接続され、アルミニウム接続部材1082は、仕切り板105の他側の電極コアセット103のアルミニウム引出端子に接続される。
【0123】
より具体的には、まず銅接続部材1081とアルミニウム接続部材1082を複合接続して、複合接続部を形成し、さらに複合接続部の外に射出成形により仕切り板105を形成する。このように、銅接続部材1081とアルミニウム接続部材1082との接触位置(複合接続部)は、仕切り板105の内部に封止されて、それが電池の内部空間に露出することを防止し、特にそれが電解液と接触することを防止して、銅とアルミニウムとの接続位置が腐食されることを回避する。
【0124】
電池の内部の複数の電極コア1031が直列接続された後、ハウジングにより一体的に封止され、電池の外部の信号のみを収集し、電池の内部の信号をリアルタイムに収集することができないため、該電池について、信号収集の問題をタイムリーに考慮する必要がある。したがって、本願の一実施形態において、電池コアアセンブリは、検出ユニットをさらに含み、検出ユニットを電池ハウジング101の内部に直接的に封止することにより、電池ハウジング101の内部の電極コアセットの状態を随時検出しやすく、かつサンプリング情報の正確性及び適時性を保証する。なお、電極コアセットの状態は、温度又は電圧などの信号であってもよい。
【0125】
本願において、ハウジング101は、電池の強度を向上させ、電池の安全使用を保証し、プラスチックハウジング101であってもよく、金属ハウジング101であってもよく、金属ハウジング101である場合、放熱性能が高く、ハウジング101の強度が高く、自身が支持の役割を果たすことができる。
【0126】
本願において、電池は、リチウムイオン電池であってもよい。
【0127】
本願において、防爆弁、電流遮断装置のような電池100の他の構造は、従来技術における従来の設置と同じであるため、ここでは繰り返し説明しない。
【0128】
本願の別の態様において、上記いずれかの実施例の電池100を含む電池モジュールを提供する。本願に係る電池モジュールを用いると、組立プロセスが少なく、電池のコストが低い。
【0129】
図10に示すように、本願は、上記いずれかの実施例の電池100又は上記提供された電池モジュールを含む電池パック200を提供する。本願に係る電池パック200を用いると、組立プロセスが少なく、電池のコストが低く、電池パック200のエネルギー密度が高い。
【0130】
上記電池パック200を含む電気自動車である。本願に係る電気自動車を用いると、車の航続能力が高く、コストが低い。
【0131】
なお、本願の説明において、別に明確な規定及び限定を有しない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な接続であってもよく、中間媒体を介した接続であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0132】
本明細書の説明において、用語「実施例」、「具体的な実施例」、「例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0133】
本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原則及び精神から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその等価範囲で限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12