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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/54 20230101AFI20240111BHJP
   H04W 40/12 20090101ALI20240111BHJP
【FI】
H04W72/54
H04W40/12
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022527628
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 JP2021017420
(87)【国際公開番号】W WO2021241158
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2020093599
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石塚 広樹
(72)【発明者】
【氏名】安沢 昌志
【審査官】永田 義仁
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/161233(WO,A1)
【文献】特表2014-518481(JP,A)
【文献】張 亮, 宮島 春弥, 林 秀樹,"IPネットワークにおける経路選択とQoS制御の一考察",電子情報通信学会2008年通信ソサイエティ大会講演論文集2,社団法人電子情報通信学会,2008年09月02日,p.23,ISSN 1349-1415
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04L12/00-12/22
12/50-12/66
45/00-49/9057
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信サービスの品質の制御である品質制御が複数の制御単位により実行されるネットワークと、前記ネットワークに接続される端末装置とを含み、
前記ネットワークは、
前記品質制御を実行可能な複数の第1ノードを有し、
前記端末装置は、
前記複数の制御単位のうちの第1の制御単位による前記品質制御に代えて又は加えて、他の制御単位である第2の制御単位による前記品質制御を、前記端末装置に対して実行すべきか否かを決定する決定部と、
前記第2の制御単位による前記品質制御を実行すべきと前記決定部が決定した場合、前記複数の第1ノードのうち、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行する第1ノードに、前記第2の制御単位による前記品質制御の実行を要求する要求部と、
を備え
前記端末装置が前記品質制御を受けていない状態で前記品質制御の開始を要求する場合、
前記決定部は、
前記複数の制御単位の中から、前記品質制御の開始要求により指定される開始制御単位を決定し、
前記要求部は、
前記複数の第1ノードのうち、前記開始制御単位による前記品質制御を実行する第1ノードに、前記開始制御単位による前記品質制御の開始を要求する、
ットワークシステム。
【請求項2】
通信サービスの品質の制御である品質制御が複数の制御単位により実行されるネットワークと、前記ネットワークに接続される端末装置とを含み、
前記ネットワークは、
前記品質制御を実行可能な複数の第1ノード、及び、前記複数の第1ノードと通信可能な少なくとも1つの第2ノードを有し、
前記複数の第1ノードと前記少なくとも1つの第2ノードとのうちの少なくとも1つのノードは、
前記複数の制御単位のうちの第1の制御単位による前記品質制御に代えて又は加えて、他の制御単位である第2の制御単位による前記品質制御を、前記端末装置に対して実行すべきか否かを決定する決定部と、
前記第2の制御単位による前記品質制御を実行すべきと前記決定部が決定した場合、前記複数の第1ノードのうち、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行する第1ノードに、前記第2の制御単位による前記品質制御の実行を要求する要求部と、
を備え
前記複数の制御単位は、互いに異なる複数の種類の制御単位と、互いに同じ複数の種類の制御単位とを含み、
前記第2の制御単位の種類は、前記第1の制御単位と異なる種類である、
ットワークシステム。
【請求項3】
前記複数の第1ノードは、前記端末装置との間において通信を実行する少なくとも一のネットワーク装置を含み、
前記複数の制御単位は、
前記少なくとも一のネットワーク装置を制御単位とする装置単位と、
前記端末装置による通信に使用される、前記ネットワーク内の通信経路を制御単位とする経路単位と、
前記端末装置と前記少なくとも一のネットワーク装置との間の通信に使用される周波数帯を制御単位とする周波数単位と、
前記端末装置により実行されるアプリケーションプログラムを制御単位とするアプリケーション単位と、
のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のネットワークシステム。
【請求項4】
前記決定部は、
前記端末装置の通信品質又は前記端末装置の状態に基づいて、前記第1の制御単位による前記品質制御に代えて又は加えて、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行すべきか否かを決定する、
ことを特徴とする請求項1又は3に記載のネットワークシステム。
【請求項5】
前記複数の制御単位は、互いに異なる複数の種類の制御単位と、互いに同じ複数の種類の制御単位とを含み、
前記第2の制御単位の種類は、前記第1の制御単位と同じ種類である、
ことを特徴とする請求項1、3、4のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項6】
前記複数の制御単位は、互いに異なる複数の種類の制御単位と、互いに同じ複数の種類の制御単位とを含み、
前記第2の制御単位の種類は、前記第1の制御単位と異なる種類である、
ことを特徴とする請求項1、3、4のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項7】
前記決定部は、
前記第1の制御単位による前記品質制御を実行している第1ノードの状態が、前記品質制御の実行に関する所定条件を満たさなくなる場合、前記第1の制御単位による前記品質制御に代えて又は加えて、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行すべきと決定する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのノードの1つは、
前記少なくとも1つの第2ノードの1つであり、前記複数の第1ノードにより実行される前記品質制御の内容を決定する管理装置である、
ことを特徴とする請求項に記載のネットワークシステム。
【請求項9】
前記第1の制御単位による前記品質制御は、前記端末装置との間において通信を実行するネットワーク装置により実行され、
前記決定部は、
前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の距離が、所定距離以上である場合、前記第1の制御単位による前記品質制御に代えて又は加えて、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行すべきと決定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のネットワークシステム。
【請求項10】
前記品質制御は、QoS制御である、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークにおける通信の品質を確保する技術として、QoS(Quality of Service)制御が知られている。例えば、ネットワーク上に流れるパケットの転送順序や転送速度の制御(QoS制御)を、スマートフォン等の端末装置単位で行うシステムが開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-098962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、端末装置に対するQoS制御を、基地局、ルータ及びQoSレベル等の複数の制御単位により実行可能なネットワークでは、例えば、複数の制御単位のいずれかにおいて、QoS制御が適切に実行されない場合がある。例えば、複数の端末装置100に対して実行されるQoS制御の制御単位が1つの制御単位に集中した場合、QoS制御の実行が集中した制御単位では、QoS制御が適切に実行されない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係るネットワークシステムは、通信サービスの品質の制御である品質制御が複数の制御単位により実行されるネットワークと、前記ネットワークに接続される端末装置とを含み、前記ネットワークは、前記品質制御を実行可能な複数の第1ノードを有し、前記端末装置は、前記複数の制御単位のうちの第1の制御単位による前記品質制御に代えて又は加えて、他の制御単位である第2の制御単位による前記品質制御を、前記端末装置に対して実行すべきか否かを決定する決定部と、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行すべきと前記決定部が決定した場合、前記複数の第1ノードのうち、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行する第1ノードに、前記第2の制御単位による前記品質制御の実行を要求する要求部と、を備えている。
【0006】
本発明の他の態様に係るネットワークシステムは、通信サービスの品質の制御である品質制御が複数の制御単位により実行されるネットワークと、前記ネットワークに接続される端末装置とを含み、前記ネットワークは、前記品質制御を実行可能な複数の第1ノード、及び、前記複数の第1ノードと通信可能な少なくとも1つの第2ノードを有し、前記複数の第1ノードと前記少なくとも1つの第2ノードとのうちの少なくとも1つのノードは、前記複数の制御単位のうちの第1の制御単位による前記品質制御に代えて又は加えて、他の制御単位である第2の制御単位による前記品質制御を、前記端末装置に対して実行すべきか否かを決定する決定部と、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行すべきと前記決定部が決定した場合、前記複数の第1ノードのうち、前記第2の制御単位による前記品質制御を実行する第1ノードに、前記第2の制御単位による前記品質制御の実行を要求する要求部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、QoS制御が適切に実行されないことを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施形態に係るネットワークシステムの全体構成を示すブロック図である。
図1B図1Aに示した端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図1Aに示した基地局装置の構成を示すブロック図である。
図3図1Aに示した管理装置の構成を示すブロック図である。
図4図1Aに示した中継装置の構成を示すブロック図である。
図5】制御単位の一例を示す説明図である。
図6】変更条件の一例を示す説明図である。
図7図1Aに示したネットワークシステムの動作の一例を示すシーケンスチャートである。
図8】端末装置に対するQoS制御の一例を示す説明図である。
図9図8に示したQoS制御の変更の一例を示す説明図である。
図10図8に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
図11図8に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
図12図8に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
図13】端末装置に対するQoS制御の別の例を示す説明図である。
図14図13に示したQoS制御の変更の一例を示す説明図である。
図15】端末装置に対するQoS制御の別の例を示す説明図である。
図16図15に示したQoS制御の変更の一例を示す説明図である。
図17図15に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
図18】第1変形例に係る基地局装置の構成を示すブロック図である。
図19】第1変形例に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[1.実施形態]
図1Aは、実施形態に係るネットワークシステム10の全体構成を示すブロック図である。また、図1Bは、図1Aに示した端末装置100の構成の一例を示すブロック図である。図1Aに示す例では、ネットワークシステム10は、例えば、通信サービスの品質の制御である品質制御が複数の制御単位により実行されるネットワークNWと、ネットワークNWに接続される複数の端末装置100とを有する。さらに、ネットワークシステム10は、ネットワークNWにインターネットINETを介して接続されるアプリケーションサーバ600を有する。なお、アプリケーションサーバ600は、インターネットINETを介さずに、ネットワークNWに接続されてもよい。あるいは、アプリケーションサーバ600は、ネットワークNWに含まれてもよい。ここで、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス又はユニット等の他の用語に読替えてもよい。また、ネットワークNWと端末装置100との接続等は、例えば、複数の要素間を互いに通信可能にする接続であればよく、有線及び無線の一方を用いた接続であってもよいし、有線及び無線の両方を用いた接続であってもよい。
【0010】
ネットワークNWは、例えば、通信サービスを提供する通信事業者により管理される移動体通信網等の電気通信回線であり、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方又は両方を含む。例えば、ネットワークNWは、インターネットINETを介して、他の通信事業者により管理されている図示しない他のネットワークに接続される。なお、ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWの運用が含まれる。但し、通信事業者が仮想移動体通信事業者である場合、ネットワークNWの管理には、例えば、ネットワークNWに含まれる基地局等の無線局の運用が含まれない場合、及び、有線の運用が含まれない場合がある。
【0011】
ネットワークNWは、基地局装置200、管理装置300、中継装置400及びエッジサーバ500を含む。基地局装置200、管理装置300、中継装置400及びエッジサーバ500は、例えば、互いに通信可能である。基地局装置200、管理装置300、中継装置400及びエッジサーバ500の各々は、ネットワークNWに含まれる複数のノードのいずれかに該当する。なお、複数のノードとしては、図1Aに示す基地局装置200、管理装置300、中継装置400及びエッジサーバ500の他に、例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving Gateway)及びP-GW(Packet Data Network Gateway)等が該当する。なお、ネットワークNWに含まれる複数のノードは、上述の例に限定されない。
【0012】
また、ネットワークNWは、端末装置100を含まずに定義されるか否かは特に限定されない。ネットワークNWが端末装置100を含んで定義される場合、ネットワークNWのうちの端末装置100を除いた部分が、「品質制御が複数の制御単位により実行されるネットワーク」に該当する。
【0013】
基地局装置200は、例えば、端末装置100との間において通信を実行するネットワーク装置である。例えば、基地局装置200は、eNodeB及びgNodeBの一方又は両方であってもよい。eNodeBは、LTE(Long Term Evolution)用の無線基地局装置であり、gNodeBは、5G(5th generation mobile communication system)用の無線基地局装置である。例えば、基地局装置200は、端末装置100がネットワークNWに接続する際に、端末装置100をネットワークNWに接続するための接続手続きに関する処理を実行する。
【0014】
また、基地局装置200は、通信サービスの品質の制御である品質制御を実行可能である。以下では、通信サービスの品質の制御である品質制御は、QoS(Quality of Service)制御とも称される。
【0015】
QoS制御は、例えば、帯域制御、低遅延制御及び優先制御等を含む。帯域制御では、例えば、ネットワークNWにおける通信の帯域が制御される。帯域の制御は、帯域の下限値が設定される帯域保証であってもよいし、帯域の上限値が設定される帯域制限であってもよい。同様に、低遅延制御は、例えば、遅延の上限値が設定されている遅延保証であってもよいし、遅延の下限値が設定される遅延制限であってもよい。優先制御では、例えば、特定の通信に係るパケット(通信を行う際の転送単位のデータ)が優先して転送される。例えば、ネットワークNW上を流れるパケットに優先度が付けられ、優先度が他のパケットより高いパケットは、他のパケットよりも先に処理される。なお、本実施形態では、QoS制御が端末装置100毎に実行可能である場合を想定する。
【0016】
複数の中継装置400の各々は、例えば、L2スイッチ、L3スイッチ及びルータ等のネットワーク装置であり、ネットワークNW内の通信経路を決定する。例えば、中継装置400は、ネットワークNW上を流れるパケットの経路を決定する。これにより、例えば、端末装置100から送信されたパケットは、1つ又は複数の中継装置400を経由することにより、目的地に到着する。また、中継装置400は、QoS制御を実行可能である。
【0017】
管理装置300は、中継装置400により実行されるQoS制御の内容を決定するネットワーク装置である。例えば、管理装置300は、端末装置100から指定されたQoSレベルを、中継装置400に実行させるQoS制御の内容として決定する。QoSレベルとしては、例えば、他の品質モードに比べて大容量のデータが転送可能な大容量モード、他の品質モードに比べてデータの遅延が小さい低遅延モード、及び、ベストエフォートによる制御が行われるベストエフォートモード等がある。なお、QoSレベルは、端末装置100から指定されなくてもよい。例えば、QoSレベルは、ネットワークNWに含まれるノードにより指定されてもよい。あるいは、QoSレベルは、管理装置300により決定されてもよい。
【0018】
エッジサーバ500は、例えば、MEC(Multi-access Edge Computing)を実現するためのサーバ等の情報処理装置である。MECは、例えば、移動体通信網等の電気通信回線において、ユーザにより近い位置にサーバ及びストレージ等のコンピュータシステムを配置する仕組みである。図1Aに示す例では、エッジサーバ500は、基地局装置200に中継装置400を介さずに接続され、アプリケーションサーバ600より端末装置100に近い位置に配置されている。端末装置100に近い位置に配置されることにより、通信の遅延時間の低減、及び、ネットワークNW上を流れるパケットの量の低減等が見込まれる。
【0019】
基地局装置200及び中継装置400は、「第1ノード」の一例である。また、管理装置300及びエッジサーバ500は、「第2ノード」の一例である。
【0020】
アプリケーションサーバ600は、例えば、インターネットINET等を介して端末装置100と通信可能なサーバ等の情報処理装置である。例えば、アプリケーションサーバ600は、所定のアプリケーションプログラムを実行している端末装置100に、所定のサービスを提供する。
【0021】
端末装置100としては、例えば、任意の情報処理装置を採用することができ、パーソナルコンピュータ等の据置型の情報機器であってもよいし、スマートフォン、ノートパソコン、ウェアラブル端末及びタブレット端末等の可搬型の情報端末であってもよい。以下の説明では、端末装置100としてスマートフォンを想定する。
【0022】
図1Bに示されるように、端末装置100は、例えば、処理装置110、記憶装置160、通信装置170、入力装置180及び出力装置190を具備するコンピュータシステムにより実現される。端末装置100の複数の要素の各々は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続される。また、端末装置100の複数の要素の各々を、単数又は複数の機器が構成してもよい。また、端末装置100の一部の要素は、省略されてもよい。
【0023】
処理装置110は、端末装置100の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップにより構成される。処理装置110は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)により構成される。なお、処理装置110の機能の一部又は全部を、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、及び、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。処理装置110は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0024】
処理装置110は、例えば、記憶装置160から制御プログラムPR1を読み出し、読み出した制御プログラムPR1を実行することによって、決定部120及び要求部130として機能する。なお、制御プログラムPR1は、他の装置から送信されてもよい。
【0025】
決定部120は、複数の制御単位のうちの第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、他の制御単位である第2の制御単位によるQoS制御を、端末装置100に対して実行すべきか否かを決定する。制御単位としては、例えば、基地局装置200を制御単位とする装置単位、端末装置100による通信に使用される、ネットワークNW内の通信経路を制御単位とする経路単位、及び、端末装置100により実行されるアプリケーションプログラムを制御単位とするアプリケーション単位等が該当する。なお、制御単位は、上述の例に限定されない。例えば、制御単位は、端末装置100と基地局装置200との間の通信に使用される周波数帯を制御単位とする周波数単位であってもよい。制御単位の詳細は、後述する図5において説明する。
【0026】
決定部120は、例えば、端末装置100の通信品質又は端末装置100の状態に基づいて、第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきか否かを決定してもよい。端末装置100の通信品質は、例えば、端末装置100による通信のスループット、ラウンドトリップタイム(RTT:Round-Trip Time)、片道の遅延時間、ジッタ及びフレームレートの一部又は全部を含んでもよい。また、端末装置100の状態は、例えば、CPU(処理装置110)、RAM及びROM等の使用状態であってもよいし、アプリケーションプログラムの動作状態であってもよい。あるいは、端末装置100の状態は、端末装置100の周囲の状態であってもよいし、端末装置100が受信する電波の状態であってもよい。なお、第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきか否かの決定方法については、後述する図6において説明する。
【0027】
要求部130は、例えば、QoS制御の開始を要求する場合に、端末装置100に対するQoS制御を実行する基地局装置200又は中継装置400に、QoS制御の開始を要求する。また、要求部130は、例えば、QoS制御の終了を要求する場合に、端末装置100に対するQoS制御を実行している基地局装置200又は中継装置400に、QoS制御の終了を要求する。
【0028】
また、要求部130は、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきと決定部120が決定した場合、複数の基地局装置200及び中継装置400のうち、第2の制御単位によるQoS制御を実行する基地局装置200又は中継装置400に、第2の制御単位によるQoS制御の実行を要求する。なお、本実施形態では、要求部130は、QoS制御の開始及び終了等の処理を中継装置400に要求する場合、QoS制御の開始及び終了等の処理を、管理装置300を介して中継装置400に要求する。
【0029】
ここで、QoS制御の処理に関する要求は、処理を要求する処理要求(例えば、図7に示す開始要求REQs及び終了要求REQe等)を送信することであってもよいし、処理に関するAPI(Application Programming Interface)を呼び出すことであってもよい。例えば、QoS制御の開始の要求は、要求部130がQoS制御の開始APIの呼び出しを基地局装置200又は管理装置300に対して実行することであってもよい。あるいは、QoS制御の開始の要求は、要求部130が、管理装置300を介して、QoS制御の開始APIの呼び出しを中継装置400に対して実行することであってもよい。本実施形態では、処理要求を送信すること、及び、処理に関するAPIを呼び出すことを、特に区別せずに、処理要求を送信すると称する場合がある。すなわち、本実施形態では、開始要求REQsを送信することには、QoS制御の開始APIを呼び出すことも含まれ、終了要求REQeを送信することには、QoS制御の終了APIを呼び出すことも含まれる。
【0030】
また、以下では、第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、第2の制御単位によるQoS制御を実行する旨を、第1の制御単位によるQoS制御の変更、又は、QoS制御の制御単位の変更等を用いて表現する場合がある。例えば、以下では、「QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定する」は、「第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきか否を決定する」を意味する。
【0031】
記憶装置160は、処理装置110が読取可能な記録媒体であり、処理装置110が実行する制御プログラムPR1を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置160は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、及び、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置160は、レジスタ、キャッシュ、又は、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。
【0032】
通信装置170は、他の装置と通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置170は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、又は、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0033】
入力装置180は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、及び、センサ等)である。例えば、入力装置180は、数字及び文字等の符号を処理装置110に入力するための操作と、端末装置100の表示面に表示されるアイコンを選択するための操作とを受け付ける。例えば、端末装置100の表示面に対する接触を検出するタッチパネルが入力装置180として好適である。なお、入力装置180は、ユーザが操作可能な複数の操作子を含んでもよい。
【0034】
出力装置190は、外部への出力を実施するディスプレイ等の出力デバイスである。出力装置190は、例えば、処理装置110による制御のもとで、画像を表示する。例えば、液晶表示パネル及び有機EL(Electro Luminescence)表示パネル等の各種の表示パネルが出力装置190として好適に利用される。なお、入力装置180及び出力装置190は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。また、出力装置190は、スピーカー及びLED(Light Emitting Diode)ランプ等を有する出力デバイスでもよい。
【0035】
なお、ネットワークシステム10の構成は、図1Aに示す例に限定されない。例えば、管理装置300及びエッジサーバ500の一方又は両方は、ネットワークNWから省かれてもよい。また、管理装置300がネットワークNWから省かれる場合、各中継装置400が管理装置300の機能(QoS制御の内容を決定する機能)を有してもよい。あるいは、中継装置400以外のノードが、ノードに割り当てられた本来の機能の他に、管理装置300の機能を有してもよい。すなわち、QoS制御の内容を決定する機能は、QoS制御を実行する複数のノードとは別のノードに含まれてもよいし、QoS制御を実行する複数のノードの一部又は全部に含まれてもよい。また、ネットワークNWに含まれる複数のノードのうちのQoS制御を実行可能なノードは、基地局装置200及び中継装置400に限定されない。
【0036】
また、例えば、ネットワークNWと端末装置100との接続がFTTH(Fiber To The Home)等を用いた光アクセスネットワークにより実現される場合、光局内装置がネットワークNWに含まれてもよい。光局内装置は、例えば、光ファイバーが収容される収容局内のネットワーク装置である。なお、ネットワークNWと端末装置100との接続が光アクセスネットワーク等の有線ネットワークにより実現される場合、基地局装置200は、ネットワークNWから省かれてもよい。
【0037】
また、端末装置100の構成は、図1Bに示す例に限定されない。例えば、端末装置100は、補助記憶装置を有してもよい。補助記憶装置は、端末装置100が読取可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、及び、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、及び、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、及び、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。補助記憶装置は、ストレージと呼ばれてもよい。
【0038】
図2は、図1Aに示した基地局装置200の構成を示すブロック図である。なお、図2は、基地局装置200を構成するブロックのうち、QoS制御の開始及び終了の処理に関するブロックを抜粋したものである。
【0039】
基地局装置200は、例えば、処理装置210、記憶装置260及び通信装置270を具備するコンピュータシステムにより実現される。処理装置210は、基地局装置200の全体を制御するプロセッサであり、端末装置100の処理装置110と同様に構成される。例えば、処理装置210は、記憶装置260から制御プログラムPR2を読み出し、読み出した制御プログラムPR2を実行することによって、QoS制御を実行する品質制御部240等として機能する。なお、制御プログラムPR2は、他の装置から送信されてもよい。
【0040】
記憶装置260は、処理装置210が読取可能な記録媒体であり、処理装置210が実行する制御プログラムPR2を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置260は、端末装置100の記憶装置160と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0041】
通信装置270は、他の装置と通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。例えば、通信装置270は、端末装置100と無線通信を行うための機能、及び、他のノード(例えば、他の基地局装置200及び中継装置400等)と通信を行うための機能を有する。通信装置270は、端末装置100の通信装置170と同様に、例えば、周波数分割複信及び時分割複信の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0042】
なお、基地局装置200の構成は、図2に示す例に限定されない。例えば、基地局装置200は、補助記憶装置を有してもよい。また、基地局装置200は、例えば、図1Bにおいて説明した入力装置180及び出力装置190と同様な入力装置及び出力装置を有してもよい。
【0043】
図3は、図1Aに示した管理装置300の構成を示すブロック図である。
【0044】
管理装置300は、例えば、処理装置310、記憶装置360及び通信装置370を具備するコンピュータシステムにより実現される。処理装置310は、管理装置300の全体を制御するプロセッサであり、端末装置100の処理装置110と同様に構成される。例えば、処理装置310は、記憶装置360から制御プログラムPR3を読み出し、読み出した制御プログラムPR3を実行することによって、品質管理部340等として機能する。品質管理部340は、例えば、中継装置400により実行されるQoS制御の内容を決定し、決定した内容のQoS制御を中継装置400に実行させる。なお、制御プログラムPR3は、他の装置から送信されてもよい。
【0045】
記憶装置360は、処理装置310が読取可能な記録媒体であり、処理装置310が実行する制御プログラムPR3を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置360は、端末装置100の記憶装置160と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0046】
通信装置370は、他の装置と通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。例えば、通信装置370は、他のノード(例えば、基地局装置200及び中継装置400等)と通信を行うための機能を有する。通信装置370は、端末装置100の通信装置170と同様に、例えば、周波数分割複信及び時分割複信の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0047】
なお、管理装置300の構成は、図3に示す例に限定されない。例えば、管理装置300は、補助記憶装置を有してもよい。また、管理装置300は、例えば、図1Bにおいて説明した入力装置180及び出力装置190と同様な入力装置及び出力装置を有してもよい。
【0048】
図4は、図1Aに示した中継装置400の構成を示すブロック図である。なお、図4は、中継装置400を構成するブロックのうち、QoS制御の開始及び終了の処理に関するブロックを抜粋したものである。
【0049】
中継装置400は、例えば、処理装置410、記憶装置460及び通信装置470を具備するコンピュータシステムにより実現される。処理装置410は、中継装置400の全体を制御するプロセッサであり、端末装置100の処理装置110と同様に構成される。例えば、処理装置410は、記憶装置460から制御プログラムPR4を読み出し、読み出した制御プログラムPR4を実行することによって、QoS制御を実行する品質制御部440等として機能する。なお、制御プログラムPR4は、他の装置から送信されてもよい。
【0050】
記憶装置460は、処理装置410が読取可能な記録媒体であり、処理装置410が実行する制御プログラムPR4を含む複数のプログラム等の各種のデータを記憶する。記憶装置460は、端末装置100の記憶装置160と同様に、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、及び、RAM等の少なくとも1つによって構成されてもよい。
【0051】
通信装置470は、他の装置と通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。例えば、通信装置470は、他のノード(例えば、基地局装置200及び中継装置400等)と通信を行うための機能を有する。通信装置470は、端末装置100の通信装置170と同様に、例えば、周波数分割複信及び時分割複信の一方又は両方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、及び、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。
【0052】
なお、中継装置400の構成は、図4に示す例に限定されない。例えば、中継装置400は、補助記憶装置を有してもよい。また、中継装置400は、例えば、図1Bにおいて説明した入力装置180及び出力装置190と同様な入力装置及び出力装置を有してもよい。
【0053】
また、上述した図1A及び図1B等では、エッジサーバ500及びアプリケーションサーバ600の構成を特に図示していないが、エッジサーバ500及びアプリケーションサーバ600の各々は、例えば、管理装置300と同様に構成される。例えば、エッジサーバ500及びアプリケーションサーバ600の各々は、エッジサーバ500又はアプリケーションサーバ600の全体を制御する処理装置と、各種のデータを記憶する記憶装置と、他の装置と通信を行うための通信装置とを具備するコンピュータシステムにより実現される。なお、エッジサーバ500及びアプリケーションサーバ600の各々は、例えば、補助記憶装置を有してもよい。また、エッジサーバ500及びアプリケーションサーバ600の各々は、例えば、図1Bにおいて説明した入力装置180及び出力装置190と同様な入力装置及び出力装置を有してもよい。
【0054】
図5は、制御単位の一例を示す説明図である。
【0055】
例えば、端末装置100と基地局装置200とを接続する無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)を対象としたQoS制御の制御単位としては、基地局装置200を制御単位とする装置単位が挙げられる。また、基地局装置200と端末装置100との間の通信において、複数の周波数帯を使用可能である場合、端末装置100と基地局装置200との間の通信に使用される周波数帯(RANに使用される周波数帯)を制御単位とする周波数単位を、QoS制御の制御単位としてもよい。このように、RANを対象としたQoS制御の制御単位としては、装置単位及び周波数単位等が該当する。なお、1つの基地局の中に複数のセルが含まれる場合、セルを制御単位とするセル単位を、QoS制御の制御単位としてもよい。
【0056】
また、例えば、複数の中継装置400等により構成されるコアネットワークを対象としたQoS制御の制御単位としては、ネットワークNW内の通信経路を制御単位とする経路単位、及び、アプリケーションプログラムを制御単位とするアプリケーション単位等が該当する。なお、経路単位では、エッジサーバ500への経路(ルーティング)を制御単位としてもよい。また、アプリケーション単位によるQoS制御では、例えば、アプリケーション等のサービス毎に仮想的なネットワークリソースを分離してリソースの割当量を保証するスライシング技術が用いられる。
【0057】
また、例えば、RANを対象としたQoS制御、及び、コアネットワークを対象としたQoS制御に共通の制御単位としては、通信方式を制御単位とする通信方式単位、通信事業者を制御単位とする事業者単位、及び、QoSレベルを制御単位とするレベル単位等が該当する。通信方式としては、例えば、3G(3rd generation mobile communication system)、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)及び有線通信等が該当する。さらに、5Gでは、eMBB(enhanced Mobile Broadband)、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications)及びmMTC(massive Machine Type Communication)等のカテゴリをQoS制御の制御単位としてもよい。
【0058】
例えば、通信方式単位によるQoS制御は、通信方式を動作中に切り替え可能な端末装置100に対して実行される。また、例えば、事業者単位によるQoS制御は、通信事業者を動作中に切り替え可能な端末装置100に対して実行される。なお、QoS制御の制御単位は、図5に示す例に限定されない。
【0059】
上述の装置単位、周波数単位、経路単位、アプリケーション単位、通信方式単位、事業者単位、及び、レベル単位等は、制御単位の種類に該当する。本実施形態では、QoS制御の複数の制御単位が、上述の装置単位、周波数単位、経路単位及びアプリケーション単位を含む場合を想定する。すなわち、本実施形態では、複数の制御単位が、互いに異なる複数の種類の制御単位と、互いに同じ複数の種類の制御単位とを含む場合を想定する。なお、QoS制御の複数の制御単位は、上述の装置単位、周波数単位、経路単位及びアプリケーション単位のうちの1つのみを含んでもよい。この場合、複数の制御単位は、互いに同じ複数の種類の制御単位を含むことになる。
【0060】
図6は、変更条件の一例を示す説明図である。図6に示す例では、QoS制御の制御単位を変更する条件は、スループット等の複数のカテゴリに分類される。以下では、QoS制御の制御単位を変更する条件は、変更条件とも称される。また、図6の説明では、特に断りがない場合、現状のQoS制御の制御単位(第1の制御単位)を他の制御単位である第2の制御単位に変更することにより通信品質が向上する場合を想定する。
【0061】
カテゴリがスループットの場合、変更条件は、例えば、端末装置100による通信のスループットが閾値THt[bbs]以下であることである。例えば、決定部120は、端末装置100による通信のスループットを示すスループット情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、スループット情報により示されるスループットが、閾値THt[bbs]以下である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、変更条件は、端末装置100による通信のスループットの低下量が、所定量以上であることであってもよい。ここで、例えば、端末装置100による通信のスループットが上述の変更条件を満たすか否かに基づいて、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定することは、端末装置100の通信品質に基づいて、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定することに該当する。
【0062】
カテゴリがRTTの場合、変更条件は、例えば、端末装置100から送信された信号のRTTが閾値THr[ms]以上であることである。例えば、決定部120は、端末装置100から送信された信号のRTTを示すRTT情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、RTT情報により示されるRTTが、閾値THr[ms]以上である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、変更条件は、端末装置100から送信された信号のRTTの増加量が、所定量以上であることであってもよい。ここで、例えば、端末装置100から送信された信号のRTTが上述の変更条件を満たすか否かに基づいて、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定することは、端末装置100の通信品質に基づいて、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定することに該当する。
【0063】
カテゴリがジッタの場合、変更条件は、例えば、端末装置100が受信した信号のジッタが閾値THj[ms]以上であることである。例えば、決定部120は、端末装置100が受信した信号のジッタを示すジッタ情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、ジッタ情報により示されるジッタが、閾値THj[ms]以上である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、変更条件は、端末装置100が受信した信号のジッタの増加量が、所定量以上であることであってもよい。ここで、例えば、端末装置100が受信した信号のジッタが上述の変更条件を満たすか否かに基づいて、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定することは、端末装置100の通信品質に基づいて、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定することに該当する。
【0064】
カテゴリがAPN(Access Point Name)の場合、変更条件は、例えば、端末装置100に設定されているAPNが変更対象として予め決められたAPNであることである。例えば、決定部120は、端末装置100に設定されているAPNを示すAPN情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、APN情報により示されるAPNが、変更対象として予め決められたAPNである場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。例えば、端末装置100がローミングエリアに移動したことにより、端末装置100に設定されているAPNが通信事業者又は端末装置100により自動的に切り替わった場合、決定部120は、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定できる。
【0065】
カテゴリがCPUの場合、変更条件は、例えば、端末装置100のCPU(処理装置110)の使用率が閾値THc[%]以上であることである。例えば、決定部120は、端末装置100により実行されているOS(Operating System)のカーネル上の統計情報からCPUの使用率等を示すCPU情報を取得する。そして、決定部120は、CPU情報により示されるCPUの使用率が、閾値THc[%]以上である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、変更条件は、CPUの動作中のクロック周波数が所定周波数[GHz]以上であることであってもよい。
【0066】
また、CPUの使用率等が上述の変更条件を満たす場合、決定部120は、通信品質を現状の通信品質より低下させるような制御単位を、第2の制御単位として決定する。あるいは、決定部120は、CPUの使用率等が上述の変更条件を満たす場合、端末装置100に対するQoS制御を停止してもよい。
【0067】
カテゴリがRAMの場合、変更条件は、例えば、端末装置100に含まれるRAM(記憶装置160の一部又は全部)の使用率が閾値THra[%]以上であることである。例えば、決定部120は、RAMの使用率等を示すRAM情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、RAM情報により示される使用率が、閾値THra[%]以上である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、変更条件は、RAMの使用量が第1所定量[GB]以上であることであってもよい。
【0068】
また、RAMの使用率等が上述の変更条件を満たす場合、カテゴリがCPUの場合と同様に、決定部120は、通信品質を現状の通信品質より低下させるような制御単位を、第2の制御単位として決定する。あるいは、決定部120は、RAMの使用率等が上述の変更条件を満たす場合、端末装置100に対するQoS制御を停止してもよい。
【0069】
カテゴリがROMの場合、変更条件は、例えば、端末装置100に含まれるROM(記憶装置160の一部又は全部)の使用率が閾値THro[%]以上であることである。例えば、決定部120は、ROMの使用率等を示すROM情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、ROM情報により示される使用率が、閾値THro[%]以上である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、変更条件は、ROMの使用量が第2所定量[GB]以上であることであってもよい。
【0070】
また、ROMの使用率等が上述の変更条件を満たす場合、カテゴリがCPUの場合と同様に、決定部120は、通信品質を現状の通信品質より低下させるような制御単位を、第2の制御単位として決定する。あるいは、決定部120は、ROMの使用率等が上述の変更条件を満たす場合、端末装置100に対するQoS制御を停止してもよい。
【0071】
カテゴリがアプリケーションプログラムの場合、変更条件は、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムによる通信が制限されることである。例えば、端末装置100により実行されているOSが通信量を節約する機能(所謂、データセーバー)を有効にすることにより、アプリケーションプログラムによる通信が制限される場合がある。例えば、決定部120は、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムによる通信が制限されているかを示すアプリ情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムによる通信が制限されていることをアプリ情報が示している場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。
【0072】
なお、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムによる通信が制限されている場合、カテゴリがCPUの場合と同様に、決定部120は、通信品質を現状の通信品質より低下させるような制御単位を、第2の制御単位として決定する。あるいは、決定部120は、QoS制御の対象となるアプリケーションプログラムによる通信が制限されている場合、端末装置100に対するQoS制御を停止してもよい。
【0073】
カテゴリが他アプリケーションプログラムの状態の場合、変更条件は、QoS制御の対象となる第1のアプリケーションプログラム以外の第2のアプリケーションプログラムによる通信が実行されていることである。例えば、決定部120は、第2のアプリケーションプログラムによる通信が実行されているか否かを、端末装置100の動作の履歴を示す端末ログに基づいて判定する。そして、決定部120は、第2のアプリケーションプログラムによる通信が実行されていることを端末ログが示している場合、第1のアプリケーションプログラムに対する現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。
【0074】
なお、第2のアプリケーションプログラムもQoS制御の対象である場合、決定部120は、第1のアプリケーションプログラムに対する通信品質を現状の通信品質より低下させるような制御単位を、第2の制御単位として決定してもよい。あるいは、決定部120は、第1のアプリケーションプログラムに対する通信品質及び第2のアプリケーションプログラムに対する通信品質の両方を現状の通信品質より向上させるような制御単位を、第2の制御単位として決定してもよい。
【0075】
カテゴリが端末装置100の周囲の状態の場合、変更条件は、端末装置100の周囲に通信を遮蔽する遮蔽物があることである。例えば、決定部120は、端末装置100の周囲に遮蔽物があるか否かを、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の近距離通信技術を用いて電波を発信するビーコンからの電波の受信状態に基づいて判定する。そして、決定部120は、端末装置100の周囲に遮蔽物があると判定した場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。
【0076】
カテゴリが電波状態の場合、変更条件は、端末装置100が受信する電波の状態が不良であることである。例えば、決定部120は、端末装置100が位置する場所の気象状況を示す気象情報を、WebAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、気象情報により示される気象状況が、電波状態を不良にする気象条件を満たす場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、端末装置100が位置する場所の特定方法は、特に限定されないが、端末装置100が位置する場所は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波であるGPS信号等に基づいて特定されてもよい。あるいは、端末装置100が位置する場所は、端末装置100の通信先となる基地局装置200を一意に識別する識別情報等に基づいて特定されてもよいし、ビーコンから受信する信号に基づいて特定されてもよい。
【0077】
カテゴリが通信サービスの契約の場合、変更条件は、端末装置100による通信が制限されることである。例えば、決定部120は、SIM(Subscriber Identity Module)のAPIを読み出すことにより、端末装置100による通信の速度が制限されているか否かを判定する。あるいは、決定部120は、端末装置100による通信の速度が制限されているかを、契約情報管理サーバ(図1Aには図示せず)に問い合わせてもよい。そして、決定部120は、端末装置100による通信の速度が制限されている場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。
【0078】
なお、端末装置100による通信の速度が制限されている場合、カテゴリがCPUの場合と同様に、決定部120は、通信品質を現状の通信品質より低下させるような制御単位を、第2の制御単位として決定する。あるいは、決定部120は、端末装置100による通信の速度が制限されている場合、端末装置100に対するQoS制御を停止してもよい。また、端末装置100による通信の速度の制限が解除された場合、決定部120は、通信品質を現状の通信品質より向上させるような制御単位を、第2の制御単位として決定してもよい。
【0079】
カテゴリが収容数の場合、変更条件は、第1の制御単位によるQoS制御を受けている端末装置100の数が閾値THcp[台]以上であることである。例えば、決定部120は、第1の制御単位によるQoS制御を受けている端末装置100の数を示す端末数情報を、WebAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、端末数情報が示す端末装置100の数が、閾値THcp[台]以上である場合、現状のQoS制御の制御単位(第1の制御単位によるQoS制御)を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、閾値THcp[台]は、例えば、制御単位毎に予め決められている。
【0080】
具体的には、例えば、第1の制御単位(現状の制御単位)が、基地局装置200を制御単位とする装置単位である場合、変更条件は、基地局装置200によるQoS制御を受けている端末装置100の数が、装置単位における閾値THcp[台]以上であることである。この場合、決定部120は、例えば、基地局装置200によるQoS制御を受けている端末装置100の数を示す端末数情報を、WebAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、基地局装置200によるQoS制御を受けている端末装置100の数が装置単位の閾値THcp[台]以上であることを端末数情報が示す場合、現状のQoS制御の制御単位(装置単位)を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、例えば、現状の制御単位が、基地局装置200を制御単位とする装置単位である場合、変更条件は、QoS制御を受けているか否かに拘わらず、基地局装置200に接続されている端末装置100の数(同時接続数)が、所定台数以上であることであってもよい。
【0081】
ここで、収容数に関する上述の変更条件を満たすことは、「品質制御の実行に関する所定条件を満たさなくなること」に該当する。すなわち、収容数に関する上述の変更条件を満たさない状態(条件)は、「品質制御の実行に関する所定条件」に該当する。具体的には、現状の制御単位によるQoS制御を受けている端末装置100の数が閾値THcp[台]未満であることは、「品質制御の実行に関する所定条件」の一例である。従って、例えば、決定部120は、現状の制御単位によるQoS制御を実行している基地局装置200の状態が、QoS制御の実行に関する所定条件を満たさなくなる場合、現状の制御単位によるQoS制御を、第2の制御単位によるQoS制御に変更すべきと決定する。
【0082】
カテゴリがネットワーク装置の障害の場合、変更条件は、基地局装置200及び中継装置400等のネットワーク装置に障害が発生していることである。例えば、決定部120は、ネットワーク装置に障害が発生しているかを示す障害情報を、WebAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、現状の制御単位によるQoS制御を実行しているネットワーク装置に障害が発生していることを障害情報が示す場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。なお、ネットワーク装置の障害に関する上述の変更条件を満たすことは、「品質制御の実行に関する所定条件を満たさなくなること」に該当する。すなわち、ネットワーク装置に障害が発生していないことは、「品質制御の実行に関する所定条件」の別の例である。
【0083】
カテゴリが、端末装置100及び基地局装置200間の距離の場合、変更条件は、端末装置100及び基地局装置200間の距離が、閾値THd[m]以上であることである。例えば、決定部120は、端末装置100及び基地局装置200間の距離を、WebAPIを読み出すことにより特定する。そして、決定部120は、端末装置100及び基地局装置200間の距離が、閾値THd[m]以上である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。閾値THd[m]は、「所定距離」の一例である。
【0084】
カテゴリがフレームレートの場合、変更条件は、端末装置100に配信されている動画のフレームレートが、閾値THf[fps]以下であることである。例えば、決定部120は、端末装置100に配信されている動画のフレームレート等を示す配信情報を、端末装置100内のAPIを読み出すことにより取得する。そして、決定部120は、配信情報により示されるフレームレートが、閾値THf[fps]以下である場合、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定する。
【0085】
なお、変更条件を満たしているか否かの判定に用いられる各種の情報(例えば、スループット情報等)の取得方法は、図6において説明した例に限定されない。例えば、変更条件を満たしているか否かの判定に用いられる各種の情報は、端末装置100からの取得要求に応じて、ネットワークNWに含まれるノード等から端末装置100に送信されてもよい。
【0086】
また、図6では、説明を分かり易くするために、変更条件が複数のカテゴリに分類される場合を例にして様々な変更条件を説明したが、変更条件は、複数のカテゴリに分類されなくてもよい。また、本実施形態に適用される変更条件は、図6に示した変更条件の一部又は全部でもよいし、図6に示した変更条件以外の条件でもよい。あるいは、本実施形態に適用される変更条件は、図6に示した変更条件の一部又は全部と、図6に示した変更条件以外の条件とを含んでもよい。
【0087】
図6に示した変更条件以外の変更条件は、例えば、ネットワーク装置に関する評価指標に基づく条件であってもよい。評価指標は、例えば、信頼性、可用性、保守性、完全性、及び、安全性の一部又は全部であってもよい。信頼性に関する指標としては、例えば、ネットワーク装置の平均故障間隔(MTBF:Mean Time Between Failures)が挙げられる。また、可用性に関する指標としては、例えば、ネットワーク装置の稼働率が挙げられる。また、保守性に関する指標としては、例えば、ネットワーク装置の修復にかかる平均時間である平均修理時間(MTTR:Mean Time To Repair)が挙げられる。完全性に関する指標としては、例えば、データの一貫性や整合性等が挙げられる。また、安全性に関する指標としては、例えば、データの機密性(不正アクセスがされにくい)等が挙げられる。
【0088】
すなわち、図6に示した変更条件以外の変更条件は、例えば、ネットワーク装置の平均故障間隔が閾値以下であること、ネットワーク装置の稼働率が閾値以上であること、及び、平均修理時間が閾値以上であることの一部又は全部であってもよい。また、例えば、完全性が閾値以下であること、及び、安全性が閾値以下であることの一方又は両方が、変更条件であってもよい。
【0089】
ここで、上述の評価指標(信頼性、可用性、保守性、完全性、及び、安全性等)に基づく変更条件を満たすことは、「品質制御の実行に関する所定条件を満たさなくなること」に該当する。例えば、ネットワーク装置の平均故障間隔が閾値を超えていること、ネットワーク装置の稼働率が閾値未満であること、及び、平均修理時間が閾値未満であることは、「品質制御の実行に関する所定条件」の別の例である。また、例えば、完全性が閾値より高いこと、及び、安全性が閾値より高いことは、「品質制御の実行に関する所定条件」の別の例である。
【0090】
また、複数の変更条件が適用される場合、決定部120は、複数の変更条件のいずれかが満たされた場合に、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定してもよい。あるいは、決定部120は、複数の変更条件(例えば、通信品質を向上させる複数の変更条件)の全てが満たされた場合に、現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更すると決定してもよい。
【0091】
本実施形態では、上述の変更条件が満たされた場合に、端末装置100が現状のQoS制御の制御単位を第2の制御単位に変更することにより、端末装置100又は他の端末装置100に対するQoS制御が適切に実行されないことを低減することができる。例えば、端末装置100が、現状のQoS制御の制御単位を、通信品質を現状の通信品質より向上させるような第2の制御単位に変更した場合、端末装置100に対するQoS制御が適切に実行されないことを低減することができる。あるいは、端末装置100が、現状のQoS制御の制御単位を、通信品質を現状の通信品質より低下させるような第2の制御単位に変更した場合、又は、QoS制御を停止した場合、第1の制御単位(現状の制御単位)のリソースの空きを増やすことができる。この場合、第2の制御単位により実現される通信品質より高い通信品質を実現可能な第1の制御単位のリソースの空きを増やすことができるため、他の端末装置100に対するQoS制御が適切に実行されないことを低減することができる。
【0092】
図7は、図1Aに示したネットワークシステム10の動作の一例を示すシーケンスチャートである。図7では、端末装置100に対するQoS制御の通常の制御単位が、基地局装置200を制御単位とする装置単位に予め決められている場合を想定する。すなわち、図7では、端末装置100がQoS制御を受けていない状態でQoS制御の開始を要求する場合の要求先(初期の開始要求先)が基地局装置200に予め決められている場合を想定する。また、図7では、図6に示した変更条件のいずれかが満たされた場合にQoS制御の制御単位が第2の制御単位に変更される場合を想定する。
【0093】
先ず、端末装置100の決定部120は、開始要求REQsにより開始されるQoS制御の制御単位を、予め決められている初期の制御単位(第1の制御単位)から他の制御単位に変更すべきか否かを判定する(S100)。例えば、決定部120は、図6に示した変更条件のいずれかが満たされたか否かに基づいて、QoS制御の制御単位(装置単位)を、他の制御単位のQoSに変更すべきか否かを判定する。
【0094】
ステップS100における判定の結果が肯定の場合、決定部120は、複数の制御単位のうち、第1の制御単位以外の他の制御単位の中から、第2の制御単位(変更先の制御単位)を決定する(S102)。例えば、決定部120は、通信品質を向上させる第2の制御単位を選択する場合、他の制御単位のうちの選択可能な制御単位によるQoS制御を全て試し、最も高い通信品質を実現したQoS制御の制御単位を、第2の制御単位として決定してもよい。あるいは、第2の制御単位として選択される優先度が予め決められていてもよい。この場合、決定部120は、他の制御単位のうちの選択可能な制御単位から、優先度が最も高い制御単位を第2の制御単位として決定してもよい。
【0095】
このように、決定部120は、複数の制御単位のうちの第1の制御単位によるQoS制御を、他の制御単位である第2の制御単位によるQoS制御に変更すべきか否かをステップS100及びS102の処理により決定する。なお、ステップS100では、第1の制御単位によるQoS制御は、端末装置100に対してこれから実行されるQoS制御である。図7では、ステップS100における判定の結果が否定である場合を想定する。すなわち、図7では、開始要求REQsにより開始されるQoS制御の制御単位(装置単位)を、他の制御単位のQoSのいずれにも変更すべきでないと決定部120が決定した場合を想定する。
【0096】
従って、端末装置100の要求部130は、QoS制御の開始を要求する開始要求REQsを、予め決められた要求先(初期の開始要求先)である基地局装置200に送信する(S104)。なお、図7では、上述したように、ステップS100における判定の結果が否定である場合を想定しているが、ステップS100における判定の結果が肯定の場合には、要求部130は、ステップS102により決定された第2の制御単位に対応するノードに、開始要求REQsを送信する。
【0097】
基地局装置200は、端末装置100から送信された開始要求REQsを受信する(S200)。そして、基地局装置200は、開始要求REQsに対する肯定応答ACKsを、開始要求REQsの送信元の端末装置100に送信する(S202)。また、基地局装置200の品質制御部240は、例えば、開始要求REQsにより指定される制御単位によるQoS制御を開始する(S204)。これにより、端末装置100に対するQoS制御が開始される。
【0098】
また、端末装置100は、開始要求REQsに対する応答として、肯定応答ACKsを基地局装置200から受信する(S106)。これにより、端末装置100は、開始要求REQsに応じたQoS制御が開始されることを認識できる。
【0099】
また、端末装置100の決定部120は、端末装置100に対して実行されているQoS制御の制御単位を、現状の制御単位(装置単位)から他の制御単位のQoSに変更すべきか否かを判定する(S110)。例えば、決定部120は、図6に示した変更条件のいずれかが満たされたか否かに基づいて、QoS制御の制御単位(装置単位)を、他の制御単位に変更すべきか否かを判定する。このように、ステップS110では、決定部120は、複数の制御単位のうちの第1の制御単位によるQoS制御を、他の制御単位である第2の制御単位によるQoS制御に変更すべきか否かを決定する。なお、ステップS110では、第1の制御単位によるQoS制御は、端末装置100に対して既に実行されているQoS制御である。
【0100】
決定部120は、ステップS110における判定の結果が肯定の場合、処理をステップS112に進め、ステップS110における判定の結果が否定の場合、処理をステップS130に進める。図7では、繰り返し実行されるステップS110の処理のうち、1回目のステップS110における判定の結果が肯定であり、2回目以降のステップS110における判定の結果が否定である場合を想定する。
【0101】
ステップS110における判定の結果が肯定の場合、決定部120は、ステップS102の処理と同様に、他の制御単位の中から、第2の制御単位を決定する(S112)。図7では、ネットワークNW内の複数の中継装置400等により構成される通信経路を制御単位とする経路単位を第2の制御単位として決定部120が決定する場合を想定する。すなわち、図7では、端末装置100に対するQoS制御を実行するノードが、基地局装置200から中継装置400に変更される場合を想定している。
【0102】
従って、端末装置100の要求部130は、端末装置100に対するQoS制御の終了を要求する終了要求REQeを基地局装置200に送信する(S114)。
【0103】
基地局装置200は、端末装置100から送信された終了要求REQeを受信する(S204)。そして、基地局装置200は、終了要求REQeに対する肯定応答ACKeを、終了要求REQeの送信元の端末装置100に送信する(S206)。また、基地局装置200の品質制御部240は、終了要求REQeにより示される端末装置100に対するQoS制御を終了する(S208)。
【0104】
また、端末装置100は、終了要求REQeに対する応答として、肯定応答ACKeを基地局装置200から受信する(S116)。これにより、端末装置100は、基地局装置200によるQoS制御が終了することを認識できる。
【0105】
また、端末装置100の要求部130は、ステップS112により決定された第2の制御単位が経路単位であるため、経路単位によるQoS制御の内容を決定する管理装置300に、開始要求REQsを送信する(S128)。すなわち、端末装置100の要求部130は、ステップS112により決定された経路単位によるQoS制御の実行を、管理装置300に要求する。
【0106】
管理装置300は、端末装置100から送信された開始要求REQsを受信する(S300)。そして、管理装置300は、開始要求REQsに対する肯定応答ACKsを、開始要求REQsの送信元の端末装置100に送信する(S302)。これにより、端末装置100は、開始要求REQsに対する応答として、肯定応答ACKsを管理装置300から受信する(S120)。また、管理装置300の品質管理部340は、例えば、端末装置100から受信した開始要求REQsに基づいてQoS制御の内容を決定し、決定したQoS制御の内容を示す制御信号CTLを中継装置400に送信する(S304)。
【0107】
中継装置400は、管理装置300から送信された制御信号CTLを受信する(S400)。そして、中継装置400は、制御信号CTLに対する肯定応答ACKcを、管理装置300に送信する(S402)。これにより、管理装置300は、制御信号CTLに対する応答として、肯定応答ACKcを中継装置400から受信する(S306)。また、中継装置400の品質制御部440は、管理装置300から受信した制御信号CTLに基づいて、端末装置100に対するQoS制御を開始する(S404)。
【0108】
このように、端末装置100の要求部130は、ステップS112により決定された経路単位によるQoS制御を実行する中継装置400に、管理装置300を介して、経路単位によるQoS制御の実行を要求する。これにより、端末装置100に対するQoS制御は、装置単位によるQoS制御から、経路単位によるQoS制御に変更される。本実施形態では、QoS制御の制御単位を変更することにより、端末装置100に対する通信サービスの品質が低下すること、又は、QoS制御の要求が棄却されることを抑止することができる。
【0109】
また、端末装置100の要求部130は、端末装置100に対するQoS制御を終了させるか否かを判定する(S130)。要求部130は、ステップS130における判定の結果が否定の場合、処理をステップS110に戻す。また、要求部130は、ステップS110における判定の結果が肯定の場合、図7では図示していないが、端末装置100に対するQoS制御を終了させる処理(例えば、管理装置300への終了要求REQeの送信)を実行する。
【0110】
なお、ネットワークシステム10の動作は、図7に示す例に限定されない。例えば、ステップS102の処理は、ステップS100の処理に含まれてもよい。具体的には、決定部120は、選択可能な制御単位によるQoS制御を全て試し、最も高い通信品質を実現したQoS制御の制御単位が、予め決められた通常の制御単位と一致しているか否かを判定することにより、制御単位を変更すべきか否かを判定してもよい。あるいは、第2の制御単位として選択される優先度が予め決められている場合、決定部120は、優先度に基づいて選択した第2の制御単位によるQoS制御と、予め決められた通常の制御単位によるQoS制御とを試してもよい。そして、決定部120は、第2の制御単位によるQoS制御と通常の制御単位によるQoS制御とを試した結果(通信品質)に基づいて、制御単位を変更すべきか否かを判定してもよい。同様に、ステップS112の処理は、ステップS110の処理に含まれてもよい。
【0111】
また、例えば、端末装置100に対するQoS制御を終了させるか否かの判定(S130)は、QoS制御の制御単位を他の制御単位のQoSに変更すべきか否かの判定(S110)の前に実行されてもよい。また、例えば、管理装置300への開始要求REQsの送信(S128)が、基地局装置200への終了要求REQeの送信(S114)より先に実行されてもよい。この場合、端末装置100の要求部130は、管理装置300から肯定応答ACKsを受信した後に、終了要求REQeを基地局装置200に送信してもよい。
【0112】
また、例えば、管理装置300は、端末装置100からの開始要求REQsに対する肯定応答ACKsを、制御信号CTLに対する肯定応答ACKcを中継装置400から受信した後に、端末装置100に送信してもよい。
【0113】
また、図7に示した例では、第2の制御単位の種類(経路単位)は、第1の制御単位の種類(装置単位)と異なるが、第2の制御単位の種類は、第1の制御単位の種類と同じであってもよい。
【0114】
また、本実施形態は、端末装置100がQoS制御を受けていない状態でQoS制御の開始を要求する場合の要求先(初期の開始要求先)が予め決められている態様に限定されない。例えば、図7に示した動作から、ステップS100の判定が省かれてもよい。この場合、ステップS102において、決定部120は、選択可能な複数の制御単位の中から、QoS制御の開始要求REQsにより指定される開始制御単位を、決定してもよい。そして、ステップS104において、要求部130は、複数のノード(例えば、基地局装置200及び中継装置400等)のうち、開始制御単位によるQoS制御を実行するノードに、開始制御単位によるQoS制御の開始を要求してもよい。
【0115】
図8は、端末装置100に対するQoS制御の一例を示す説明図である。図8では、2の端末装置100を互いに区別するために、端末装置100の符号の末尾には、小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。同様に、2の基地局装置200を互いに区別するために、基地局装置200の符号の末尾には、小文字のアルファベット(a又はb)が付されている。また、後述する図9から図17においても、図8と同様に、端末装置100及び基地局装置200の符号の末尾には、小文字のアルファベットが付されている。
【0116】
なお、図8では、端末装置100aとアプリケーションサーバ600との間の通信を想定する。また、図8では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に使用される周波数帯が周波数帯Faである場合を想定する。また、以下では、QoS制御が実行されていない通信は、通常通信とも称される。
【0117】
図8に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に対してQoS制御が実行され、基地局装置200aとアプリケーションサーバ600との間は、通常通信が実行されている。QoS制御の制御単位は、例えば、基地局装置200aを制御単位とする装置単位である。例えば、端末装置100aは、図7において説明したように、図6に示した変更条件のいずれかが満たされた場合、QoS制御の制御単位を、現状の制御単位である第1の制御単位から、第2の制御単位に変更する。QoS制御の制御単位を図8に示した例から変更した場合の例を、図9図10図11及び図12に示す。
【0118】
図9は、図8に示したQoS制御の変更の一例を示す説明図である。
【0119】
図9に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間は、通常通信が実行され、基地局装置200aとアプリケーションサーバ600との間の通信に対してQoS制御が実行されている。QoS制御の制御単位は、例えば、端末装置100aにより実行されているアプリケーションプログラムを制御単位とするアプリケーション単位である。すなわち、図9に示したでは、QoS制御の制御単位が、図8に示した装置単位からアプリケーション単位に変更されている。このように、本実施形態では、例えば、装置単位によるQoS制御では十分な通信品質が得られない場合、QoS制御の制御単位をアプリケーション単位に変更することにより、端末装置100aの通信品質が低下することを抑止することができる。なお、図9に示した例では、ネットワークNW内の通信経路は、図8に示した例から変更されていない。また、図9では、特に図示していないが、端末装置100aによる通信のうち、アプリケーション単位によるQoS制御の対象となるアプリケーションプログラム以外のアプリケーションプログラムによる通信に対しては、通常通信が実行されてもよい。
【0120】
図10は、図8に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
【0121】
図10に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間は、通常通信が実行され、基地局装置200aとアプリケーションサーバ600との間の通信に対してQoS制御が実行されている。QoS制御の制御単位は、例えば、ネットワークNW内の通信経路を制御単位とする経路単位である。すなわち、図10に示したでは、QoS制御の制御単位が、図8に示した装置単位から経路単位に変更されている。このように、本実施形態では、例えば、装置単位によるQoS制御では十分な通信品質が得られない場合、QoS制御の制御単位を経路単位に変更することにより、端末装置100aの通信品質が低下することを抑止することができる。例えば、図10に示した例では、ネットワークNW内の通信経路が、図8に示した通信経路に比べて通信品質が高い通信経路に変更されている。なお、中継装置400は、通信経路を変更せずに、例えば、通信の遅延を保証するQoS制御(低遅延制御)を実行してもよい。
【0122】
図11は、図8に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
【0123】
図11に示す例では、端末装置100aと基地局装置200bとの間の通信に対してQoS制御が実行され、基地局装置200bとアプリケーションサーバ600との間は、通常通信が実行されている。但し、端末装置100aの通信先となる基地局装置200bは、図8に示した端末装置100aの通信先となる基地局装置200aと異なる。
【0124】
図11に示す例では、図8に示した例に対して、QoS制御の制御単位が、複数の装置単位のうち、基地局装置200aを制御単位とする一の装置単位から、基地局装置200bを制御単位とする他の装置単位に変更されている。このように、図11に示した例では、QoS制御の変更後の制御単位の種類(第2の制御単位の種類)は、変更前の制御単位の種類(第1の制御単位の種類)と同じである。
【0125】
本実施形態では、例えば、複数の装置単位のうちの一の装置単位によるQoS制御では十分な通信品質が得られない場合、QoS制御の制御単位を他の装置単位に変更することにより、端末装置100aの通信品質が低下することを抑止することができる。なお、図11に示した例では、端末装置100aの通信先となる基地局装置200bが図8に示した例から変更されているため、ネットワークNW内の通信経路も、図8に示した例から変更されている。また、図11では、端末装置100aと基地局装置200bとの間の通信に使用される周波数帯が周波数帯Fbである場合を想定している。なお、端末装置100aと基地局装置200bとの間の通信に使用される周波数帯は、周波数帯Faであってもよいし、図12に示す周波数帯Fcであってもよい。
【0126】
図12は、図8に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
【0127】
図12に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に対してQoS制御が実行され、基地局装置200aとアプリケーションサーバ600との間は、通常通信が実行されている。但し、図12では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に、周波数帯Faと周波数帯Fcとの2つの周波数帯が使用される場合を想定する。なお、第1の制御単位によるQoS制御の変更は、第1の制御単位によるQoS制御に、第2の制御単位によるQoS制御を追加することであってもよい。図12に示す例では、図8に示した例に対して、QoS制御の制御単位は、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位から、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位及び周波数帯Fcを制御単位とする周波数単位を含む制御単位に変更されている。このように、図12に示した例では、QoS制御の変更後の制御単位の種類(第2の制御単位の種類)は、変更前の制御単位の種類(第1の制御単位の種類)と同じである。
【0128】
本実施形態では、例えば、周波数帯Faを制御単位とするQoS制御では十分な通信品質が得られない場合、周波数帯Fcを制御単位とするQoS制御をさらに実行することにより、端末装置100の通信品質が低下することを抑止することができる。なお、図12に示した例では、ネットワークNW内の通信経路は、図8に示した例から変更されていない。
【0129】
図9から図12までの例では、端末装置100と基地局装置200との間の通信、及び、基地局装置200とアプリケーションサーバ600との間の通信の一方を対象として、QoS制御が実行される場合を示したが、本実施形態はこのような態様に限定されない。例えば、RAN(端末装置100と基地局装置200との間の通信)を対象とするQoS制御と、コアネットワーク(基地局装置200とアプリケーションサーバ600との間の通信のうちのネットワークNW内の通信)を対象とするQoS制御とが実行されてもよい。この場合においても、QoSの制御単位は、装置単位から変更される。例えば、図9に示した例において、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に対するQoS制御がさらに実行される場合、QoSの制御単位は、図8に示した装置単位から、装置単位とアプリケーション単位とを含む制御単位に変更される。
【0130】
また、例えば、エッジサーバ500を用いてクラウドコンピューティングが実現される場合、アプリケーションサーバ600と同様の機能を有する第2のアプリケーションサーバがエッジサーバ500に接続されてもよい。この場合、基地局装置200とアプリケーションサーバ600との間の通信は、基地局装置200と第2のアプリケーションサーバとの間の通信に変更されてもよい。基地局装置200と第2のアプリケーションサーバとの間の通信は、エッジサーバ500を介する通信である。すなわち、例えば、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に対して、低遅延モードのQoS制御(低遅延制御)が実行されていたが、十分な通信品質が得られない場合、中継装置400を経由する通信からエッジサーバ500を経由する通信に変更されてもよい。この場合、中継装置400を経由しないため、中継装置400を経由する場合に比べて、通信の遅延時間の低減が見込まれる。すなわち、通信の低遅延を確保することができる。
【0131】
図13は、端末装置100に対するQoS制御の別の例を示す説明図である。図13では、2つの端末装置100の一方の端末装置100aと他方の端末装置100bとの間の通信を想定する。また、図13では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に使用される周波数帯が周波数帯Faであり、端末装置100bと基地局装置200bとの間の通信に使用される周波数帯が周波数帯Fcである場合を想定する。
【0132】
図13に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信、及び、端末装置100bと基地局装置200bとの間の通信に対してQoS制御が実行され、基地局装置200a及び200bと中継装置400との間は、通常通信が実行されている。QoS制御の制御単位は、例えば、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位、及び、周波数帯Fcを制御単位とする周波数単位である。例えば、端末装置100aは、図6に示した変更条件のいずれかが満たされた場合、QoS制御の制御単位を、現状の制御単位である第1の制御単位から、第2の制御単位に変更する。QoS制御の制御単位を図13に示した例から変更した場合の例を、図14に示す。
【0133】
図14は、図13に示したQoS制御の変更の一例を示す説明図である。
【0134】
図14では、端末装置100aと端末装置100bとの通信がコアネットワークを介さずに実行される場合を想定する。図14に示す例では、端末装置100aと基地局装置200bとの間の通信、及び、端末装置100bと基地局装置200bとの間の通信に対してQoS制御が実行されている。図14では、端末装置100aと基地局装置200bとの間の通信に使用される周波数帯が周波数帯Fbであり、端末装置100bと基地局装置200bとの間の通信に使用される周波数帯が周波数帯Fcである場合を想定する。
【0135】
QoS制御の制御単位は、例えば、周波数帯Fbを制御単位とする周波数単位、及び、周波数帯Fcを制御単位とする周波数単位である。すなわち、図14に示す例では、QoS制御の制御単位は、図13に示した周波数帯Fa及びFcの各々を制御単位とする周波数単位から、周波数帯Fb及びFcの各々を制御単位とする周波数単位に変更されている。このように、本実施形態では、例えば、コアネットワークを介さない通信を実行できる場合に、QoS制御の制御単位を周波数帯Fb及びFcの各々を制御単位とする周波数単位に変更することにより、端末装置100の通信品質が低下することを抑止することができる。
【0136】
図15は、端末装置100に対するQoS制御の別の例を示す説明図である。図15では、端末装置100aとエッジサーバ500との間の通信を想定する。
【0137】
図15に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信に対してQoS制御が実行され、基地局装置200aとエッジサーバ500との間は、通常通信が実行されている。QoS制御の制御単位は、例えば、基地局装置200aを制御単位とする装置単位である。例えば、端末装置100aは、図6に示した変更条件のいずれかが満たされた場合、QoS制御の制御単位を、現状の制御単位である第1の制御単位から、第2の制御単位に変更する。QoS制御の制御単位を図15に示した例から変更した場合の例を、図16及び図17に示す。
【0138】
図16は、図15に示したQoS制御の変更の一例を示す説明図である。
【0139】
図16に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間は、通常通信が実行され、基地局装置200aとエッジサーバ500との間の通信に対してQoS制御が実行されている。QoS制御の制御単位は、例えば、基地局装置200a及びエッジサーバ500間の経路を制御単位とする経路単位である。すなわち、図16に示す例では、QoS制御の制御単位は、図15に示した装置単位から、経路単位に変更されている。このように、本実施形態では、例えば、装置単位によるQoS制御では十分な通信品質が得られない場合、QoS制御の制御単位を経路単位に変更することにより、端末装置100aの通信品質が低下することを抑止することができる。
【0140】
図17は、図15に示したQoS制御の変更の別の例を示す説明図である。
【0141】
図17に示す例では、端末装置100aと基地局装置200aとの間の通信、及び、基地局装置200aとエッジサーバ500との間の通信に対してQoS制御が実行されている。QoS制御の制御単位は、例えば、基地局装置200aを制御単位とする装置単位、及び、基地局装置200a及びエッジサーバ500間の経路を制御単位とする経路単位である。すなわち、図17に示す例では、QoS制御の制御単位は、図15に示した装置単位から、装置単位及び経路単位を含む制御単位に変更されている。このように、本実施形態では、例えば、装置単位によるQoS制御では十分な通信品質が得られない場合、基地局装置200a及びエッジサーバ500間の経路を制御単位とするQoS制御をさらに実行することにより、端末装置100の通信品質が低下することを抑止することができる。
【0142】
以上、本実施形態では、ネットワークシステム10は、通信サービスの品質の制御であるQoS制御が複数の制御単位により実行されるネットワークNWと、ネットワークNWに接続される端末装置100とを有する。端末装置100は、決定部120及び要求部130等を有する。決定部120は、複数の制御単位のうちの第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、他の制御単位である第2の制御単位によるQoS制御を、端末装置100に対して実行すべきか否かを決定する。要求部130は、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきと決定部120が決定した場合、第2の制御単位によるQoS制御を実行するノード(例えば、基地局装置200及び中継装置400等)に、第2の制御単位によるQoS制御の実行を要求する。
【0143】
このように、本実施形態では、端末装置100が、QoS制御の制御単位を、複数の制御単位のうちの第1の制御単位から第2の制御単位に変更すべきか否かを決定することができる。これにより、本実施形態では、QoS制御が適切に実行されないことを低減することができる。また、例えば、複数の端末装置100がネットワークNWに接続されている場合においても、本実施形態では、各端末装置100がQoS制御の制御単位を変更すべきか否かを決定することにより、各端末装置100に適したQoS制御を実行することができる。なお、本実施形態では、複数の制御単位のうちの第1の制御単位によるQoS制御は、端末装置100に対してこれから実行されるQoS制御であってもよいし、端末装置100に対して既に実行されているQoS制御であってもよい。
【0144】
また、本実施形態では、端末装置100がQoS制御を受けていない状態でQoS制御の開始を要求する場合、決定部120は、複数の制御単位の中から、QoS制御の開始要求REQsにより指定される開始制御単位を決定してもよい。この場合、要求部130は、複数のノード(例えば、基地局装置200及び中継装置400等)のうち、開始制御単位によるQoS制御を実行するノードに、開始制御単位によるQoS制御の開始を要求してもよい。これにより、例えば、端末装置100がQoS制御を受けていない状態でQoS制御の開始を要求する場合の開始制御単位が事前に決められていない場合においても、本実施形態では、複数の制御単位の中から、開始制御単位を適切に決定することができる。
【0145】
また、複数の制御単位は、装置単位、経路単位、周波数単位、及び、アプリケーション単位のうちの少なくとも1つを含んでもよい。例えば、装置単位は、基地局装置200等のネットワーク装置を制御単位とする単位である。経路単位は、端末装置100による通信に使用される、ネットワークNW内の通信経路を制御単位とする単位である。周波数単位は、端末装置100と基地局装置200との間等のRANの通信に使用される周波数帯を制御単位とする単位である。アプリケーション単位は、端末装置100により実行されるアプリケーションプログラムを制御単位とする単位である。
【0146】
例えば、複数の制御単位が装置単位を含む場合、端末装置100は、基地局装置200によるQoS制御の制御単位を変更すべきか否か、又は、現状のQoS制御を基地局装置200によるQoS制御に変更すべきか否かを決定できる。すなわち、端末装置100は、基地局装置200によるQoS制御によって実現される通信品質に基づいて、QoS制御の制御単位を適切に選択することができる。同様に、複数の制御単位が、経路単位、周波数単位、及び、アプリケーション単位のいずれかを含む場合においても、各制御単位によるQoS制御によって実現される通信品質に基づいて、QoS制御の制御単位を適切に選択することができる。
【0147】
また、本実施形態では、決定部120は、端末装置100の通信品質又は端末装置100の状態に基づいて、第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきか否かを決定してもよい。QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを端末装置100の通信品質に基づいて決定する態様では、端末装置100の通信品質が低下した場合にQoS制御の制御単位を変更することができるため、端末装置100の通信品質が低下することを抑止することができる。
【0148】
QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを端末装置100の状態に基づいて決定する態様においても、端末装置100の通信品質が低下した場合にQoS制御の制御単位を変更することができるため、端末装置100の通信品質が低下することを抑止することができる。また、QoS制御の制御単位を変更すべきか否かを端末装置100の状態に基づいて決定する態様では、決定部120は、端末装置100の状態によっては、通信品質を現状の通信品質より低下させるような制御単位を、第2の制御単位として決定してもよい。この場合、第2の制御単位により実現される通信品質より高い通信品質を実現可能な第1の制御単位のリソースの空きを増やすことができるため、他の端末装置100に対するQoS制御が適切に実行されないことを低減することができる。
【0149】
また、本実施形態では、第2の制御単位の種類は、第1の制御単位と同じ種類であってもよい。この場合、例えば、複数の基地局装置200のうちの一の基地局装置200を制御単位とするQoS制御を他の基地局装置200を制御単位とするQoS制御に変更すべきか否かを端末装置100が決定することができる。
【0150】
また、本実施形態では、第2の制御単位の種類は、第1の制御単位と異なる種類であってもよい。この場合、例えば、基地局装置200を制御単位とするQoS制御をネットワークNW内の通信経路を制御単位とするQoS制御に変更すべきか否かを端末装置100が決定することができる。
【0151】
また、本実施形態では、決定部120は、第1の制御単位によるQoS制御を実行しているノードの状態(例えば、基地局装置200及び中継装置400等)に基づいて、第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきか否かを決定してもよい。例えば、決定部120は、第1の制御単位によるQoS制御を実行しているノードの状態が、QoS制御の実行に関する所定条件を満たさなくなる場合、第1の制御単位によるQoS制御を、第2の制御単位によるQoS制御に変更すべきと決定してもよい。
【0152】
これにより、本実施形態では、例えば、QoS制御を実行しているノードの状態がQoS制御の実行に適さない状態になった場合、QoS制御を実行する余裕があるノード(所定条件を満たしているノード)にQoS制御を実行させることができる。このように、本実施形態では、QoS制御を実行しているノードの状態がQoS制御の実行に適さない状態になった場合にQoS制御の制御単位を変更することができるため、QoS制御を適切に実行することができる。
【0153】
また、本実施形態では、決定部120は、端末装置100と基地局装置200との間の距離が、所定距離(例えば、閾値THd[m])以上である場合、第1の制御単位による品質制御を、第2の制御単位によるQoS制御に変更すべきと決定してもよい。これにより、本実施形態では、例えば、QoS制御を実行している基地局装置200と端末装置100との距離が大きくなった場合にQoS制御の制御単位を変更することができるため、端末装置100の通信品質が低下することを抑止することができる。
【0154】
[2.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0155】
[第1変形例]
上述した実施形態では、端末装置100が決定部120及び要求部130を有する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、基地局装置200、管理装置300、中継装置400及びエッジサーバ500の一部又は全部が、決定部120及び要求部130と同様の機能を有してもよい。この場合、決定部120及び要求部130は、端末装置100から省かれてもよい。
【0156】
図18は、第1変形例に係る基地局装置200の構成を示すブロック図である。図1Aから図17において説明した要素と同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図18に示す基地局装置200は、図2に示した基地局装置200と同様である。例えば、基地局装置200は、処理装置210、記憶装置260及び通信装置270を具備するコンピュータシステムにより実現される。但し、図18に示す基地局装置200では、制御プログラムPR2の代わりに制御プログラムPR2aを記憶装置260が記憶する点、及び、制御プログラムPR2aを処理装置210が実行する点が、図2に示した基地局装置200と相違する。なお、制御プログラムPR2aは、他の装置から送信されてもよい。図18に示す基地局装置200は、「複数の第1ノードと少なくとも1つの第2ノードとのうちの少なくとも1つのノード」の一例である。
【0157】
処理装置210は、例えば、記憶装置260から制御プログラムPR2aを読み出し、読み出した制御プログラムPR2aを実行することによって、決定部220、要求部230及び品質制御部240として機能する。決定部220及び要求部230は、図1Bに示した決定部120及び要求部130と同様である。また、品質制御部240は、図2に示した品質制御部240と同様である。
【0158】
例えば、決定部220は、複数の制御単位のうちの第1の制御単位によるQoS制御に代えて又は加えて、他の制御単位である第2の制御単位によるQoS制御を、端末装置100に対して実行すべきか否かを決定する。第1の制御単位によるQoS制御は、例えば、他のノードにより端末装置100に対して既に実行されているQoS制御である。他のノードは、例えば、中継装置400及び他の基地局装置200等である。
【0159】
また、例えば、要求部230は、第2の制御単位によるQoS制御を実行すべきと決定部220が決定した場合、中継装置400及び他の基地局装置200等の複数のノードのうち、第2の制御単位によるQoS制御を実行するノードに、第2の制御単位によるQoS制御の実行を要求する。第2の制御単位によるQoS制御を実行するノードは、例えば、中継装置400及び他の基地局装置200等である。なお、第2の制御単位によるQoS制御を実行するノードが中継装置400である場合、要求部230は、管理装置300を介して、QoS制御の開始を中継装置400に要求する。
【0160】
このように、図18に示す基地局装置200は、通信相手の端末装置100に対するQoS制御の制御単位を、複数の制御単位のうちの第1の制御単位から第2の制御単位に変更すべきか否かを決定することができる。
【0161】
図19は、第1変形例に係る管理装置300の構成を示すブロック図である。図1Aから図17において説明した要素と同様の要素については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。図19に示す管理装置300は、図3に示した管理装置300と同様である。例えば、管理装置300は、処理装置310、記憶装置360及び通信装置370を具備するコンピュータシステムにより実現される。但し、図19に示す管理装置300では、制御プログラムPR3の代わりに制御プログラムPR3aを記憶装置360が記憶する点、及び、制御プログラムPR3aを処理装置310が実行する点が、図3に示した管理装置300と相違する。なお、制御プログラムPR3aは、他の装置から送信されてもよい。図19に示す管理装置300は、「複数の第1ノードと少なくとも1つの第2ノードとのうちの少なくとも1つのノード」の別の例である。
【0162】
処理装置310は、例えば、記憶装置360から制御プログラムPR3aを読み出し、読み出した制御プログラムPR3aを実行することによって、決定部320、要求部330及び品質管理部340として機能する。決定部320及び要求部330は、図18に示した決定部220及び要求部230と同様である。また、品質管理部340は、図3に示した品質管理部340と同様である。
【0163】
図19に示す管理装置300においても、端末装置100に対するQoS制御の制御単位を、複数の制御単位のうちの第1の制御単位から第2の制御単位に変更すべきか否かを決定することができる。
【0164】
このように、第1変形例においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第1変形例では、端末装置100が決定部120及び要求部130を含まない場合においても、端末装置100に対するQoS制御が適切に実行されないことを低減することができる。
【0165】
[第2変形例]
上述した実施形態及び第1変形例において、アプリケーションプログラムを制御単位とするQoS制御の他に、端末装置100、エッジサーバ500及びアプリケーションサーバ600等の処理を制御単位とするQoS制御が実行可能であってもよい。第2変形例においても、上述した実施形態及び第1変形例と同様の効果を得ることができる。
【0166】
[第3変形例]
上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例では、複数のエッジサーバ500が基地局装置200に接続される例を特に説明していないが、複数のエッジサーバ500が基地局装置200に接続されてもよい。この場合、端末装置100は、通信相手のエッジサーバ500を、複数のエッジサーバ500のうちの一のエッジサーバ500から他のエッジサーバ500に変更することにより、QoS制御の制御単位を変更してもよい。第3変形例においても、上述した実施形態、第1変形例及び第2変形例と同様の効果を得ることができる。
【0167】
[第4変形例]
上述した実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例では、端末装置100がQoS制御の開始を要求する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、アプリケーションサーバ600が、端末装置100とアプリケーションサーバ600との間の通信に対するQoS制御の開始を要求してもよい。この場合、アプリケーションサーバ600は、決定部120及び要求部130と同様の機能を有してもよい。決定部120及び要求部130と同様の機能を有するアプリケーションサーバ600は、例えば、ネットワークNWがアプリケーションサーバ600を含んで定義される場合、「複数の第1ノードと少なくとも1つの第2ノードとのうちの少なくとも1つのノード」に該当する。第4変形例においても、上述した実施形態、第1変形例、第2変形例及び第3変形例と同様の効果を得ることができる。
【0168】
[第5変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までの変形例では、管理装置300が、中継装置400により実行されるQoS制御の内容を決定する場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、管理装置300は、中継装置400の他に、基地局装置200により実行されるQoS制御の内容を決定してもよい。この態様では、例えば、基地局装置200によるQoS制御を中継装置400によるQoS制御に変更する場合、端末装置100は、基地局装置200によるQoS制御を中継装置400によるQoS制御に変更する変更要求を管理装置300に送信してもよい。この場合、管理装置300は、端末装置100からの変更要求に基づいて、端末装置100に対するQoS制御の終了を基地局装置200に要求し、端末装置100に対するQoS制御の開始を中継装置400に要求してもよい。あるいは、基地局装置200により実行されるQoS制御の内容を決定する管理装置が、管理装置300とは別に設けられてもよい。第5変形例においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第4変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。
【0169】
[第6変形例]
上述した実施形態、及び、第1変形例から第5変形例までの変形例では、制御単位を変更する前のQoS制御の制御単位が1つである場合を示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、制御単位を変更する前のQoS制御の制御単位は、複数の制御単位であってもよい。具体的には、例えば、決定部120は、QoS制御の制御単位を、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位と経路単位との2つの制御単位から、アプリケーション単位(第2の制御単位)に変更すべきと決定してもよい。この場合、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位、及び、経路単位のいずれかが、「第1の制御単位」に該当する。
【0170】
あるいは、決定部120は、QoS制御の制御単位を、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位と経路単位との2つの制御単位から、周波数帯Fa及びFcの各々を制御単位とする周波数単位とアプリケーション単位との3つの制御単位に変更すべきと決定してもよい。この例では、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位を「第1の制御単位」とした場合、周波数帯Fcを制御単位とする周波数単位、及び、アプリケーション単位のいずれかが、「第2の制御単位」に該当する。また、経路単位を「第1の制御単位」とした場合、周波数帯Faを制御単位とする周波数単位、周波数帯Fcを制御単位とする周波数単位、及び、アプリケーション単位のうちのいずれかが、「第2の制御単位」に該当する。このように、制御単位を変更した後のQoS制御の制御単位も、複数の制御単位であってもよい。第6変形例においても、上述した実施形態、及び、第1変形例から第5変形例までの変形例と同様の効果を得ることができる。
【0171】
[3.その他]
(1)上述した実施形態では、記憶装置は、処理装置が読取可能な記録媒体であり、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網から送信されてもよい。
【0172】
(2)上述した実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0173】
(3)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0174】
(4)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0175】
(5)上述した実施形態において、判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0176】
(6)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0177】
(7)図1B等の図面に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0178】
また、通信装置170は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置170は、例えば、周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0179】
(8)上述した実施形態で例示したプログラムは、ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0180】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0181】
(9)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0182】
(10)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0183】
(11)上述した実施形態において、端末装置100は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0184】
(12)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0185】
(13)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0186】
(14)本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0187】
(15)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0188】
(16)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0189】
(17)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0190】
(18)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0191】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0192】
10…ネットワークシステム、100…端末装置、110…処理装置、120…決定部、130…要求部、160…記憶装置、170…通信装置、180…入力装置、190…出力装置、200…基地局装置、210…処理装置、220…決定部、230…要求部、240…品質制御部、260…記憶装置、270…通信装置、300…管理装置、310…処理装置、320…決定部、330…要求部、340…品質管理部、360…記憶装置、370…通信装置、400…中継装置、410…処理装置、440…品質制御部、460…記憶装置、470…通信装置、500…エッジサーバ、600…アプリケーションサーバ。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19