(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】ネットワークコーディング能力をシグナリングするための方法およびデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 8/22 20090101AFI20240111BHJP
【FI】
H04W8/22
(21)【出願番号】P 2022549704
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2021061979
(87)【国際公開番号】W WO2021233689
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-11-08
(32)【優先日】2020-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィザ, ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ラグランジュ, パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ル・バース, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ギニャール, ロマン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0323892(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0321354(US,A1)
【文献】OPPO,Procedure for capability ID assignment[online],3GPP TSG SA WG2 #132,3GPP,2019年04月12日,S2-1903216,[検索日 2023.09.07],インターネット:<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_132_XiAn/Docs/S2-1903216.zip>
【文献】Huawei, HiSilicon,Clarification of objectives of the IIoT Rel-16 study[online],3GPP TSG RAN #81,3GPP,2018年09月13日,RP-181690,[検索日 2023.09.07],インターネット:<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_81/Docs/RP-181690.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アクセスネットワークを介して
ユーザ装置から基地局へ
、ネットワークコーディングを実行する
前記ユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信する
ために前記ユーザ装置によって実行される方法であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置
のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局に送信することと、
を含
み、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、前記ユーザ装置によってサポートされるネットワークコーディング方式を示す情報を含む、方法。
【請求項2】
無線アクセスネットワークを介してユーザ装置から基地局へ、ネットワークコーディングを実行する前記ユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するために前記ユーザ装置によって実行される方法であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局に送信することと、
を含み、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、ネットワークコーディング能力の制約に関する情報を含む、方法。
【請求項3】
無線アクセスネットワークを介してユーザ装置から基地局へ、ネットワークコーディングを実行する前記ユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するために前記ユーザ装置によって実行される方法であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局に送信することと、
を含み、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、マルチコネクティビティを介したネットワークコーディングのサポートを示す情報を含む、方法。
【請求項4】
無線アクセスネットワークを介してユーザ装置から基地局へ、ネットワークコーディングを実行する前記ユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するために前記ユーザ装置によって実行される方法であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局に送信することと、
を含み、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、ネットワークコーディングが適用可能なストリームの最大数を示す情報を含む、方法。
【請求項5】
無線アクセスネットワークを介してユーザ装置から基地局へ、ネットワークコーディングを実行する前記ユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するために前記ユーザ装置によって実行される方法であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局に送信することと、
を含み、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、前記ユーザ装置のプロセッサキャパシティに関係する情報を備える、方法。
【請求項6】
無線アクセスネットワークを介してユーザ装置から基地局へ、ネットワークコーディングを実行する前記ユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するために前記ユーザ装置によって実行される方法であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局に送信することと、
を含み、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、ネットワークコーディング処理を実行するための一時的な能力のなさを示す情報を含む、方法。
【請求項7】
無線アクセスネットワークを介してユーザ装置から基地局へ、ネットワークコーディングを実行する前記ユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するために前記ユーザ装置によって実行される方法であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局に送信することと、
を含み、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、前記ユーザ装置のクラスの情報を含み、前記クラスはネットワークコーディング能力のセットに関連付けられる、方法。
【請求項8】
前記トリガイベントは、前
記無線リソース制御シグナリングの要求を前記基地局から受信するこ
とをさらに含む
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記無線リソース制御シグナリングの要求
は、前記基地局によってネットワークコーディングのアクティブ化の必要性
があると判定された場合に送信される請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記トリガイベントは、前記ユーザ装置のステータス変化を検出するこ
とをさらに含む
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記無線リソース制御シグナリングメッセージに含まれる前記ユーザ装置の前記ネットワークコーディング能力は、前記基地局
からコアネットワークへ
次世代アプリケーションプロトコルメッセージを介して送信されることをさらに含む
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記無線リソース制御シグナリングの要求は、前記基地局
が次世代アプリケーションプロトコルメッセージを介して前記コアネットワークから前記無線リソース制御シグナリングの要求を受信
した場合に送信される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、前記コアネットワークによって記憶される、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、前記ユーザ装置がネットワークコーディング処理をサポートすることを示す情報を含む、
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ネットワークコーディング方式を示す前記情報は、パケットデータ・コンバージェンスプロトコルのパケット複製能力に関する情報に関連する、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、キャリアアグリゲーションによるネットワークコーディング
のサポートを示す情報を含む、
請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、ネットワークコーディングの符号化、復号化、または符号化および復号
のサポートを示す情報を備える、
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記基地局によって、ネットワークコーディングを実行するための前記ユーザ装置
の能力に従って、前記ネットワークコーディングをアクティブ化することをさらに含む請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の方法を
前記ユーザ装置に実行させるコンピュータプログラムの命令を記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
請求項1から18のいずれか一項に記載の方法を
前記ユーザ装置に実行させるコンピュータプログラム。
【請求項21】
無線アクセスネットワークを介して基地局へ、ネットワークコーディングを実行す
る能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するための
ユーザ装置であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置
のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局へ送信することと、
のために構成されたプロセッサを備え
、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、前記ユーザ装置によってサポートされるネットワークコーディング方式を示す情報を含む、ユーザ装置。
【請求項22】
無線アクセスネットワークを介して基地局へ、ネットワークコーディングを実行する能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するためのユーザ装置であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局へ送信することと、
のために構成されたプロセッサを備え、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、ネットワークコーディング能力の制約に関する情報を含む、ユーザ装置。
【請求項23】
無線アクセスネットワークを介して基地局へ、ネットワークコーディングを実行する能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するためのユーザ装置であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局へ送信することと、
のために構成されたプロセッサを備え、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、マルチコネクティビティを介したネットワークコーディングのサポートを示す情報を含む、ユーザ装置。
【請求項24】
無線アクセスネットワークを介して基地局へ、ネットワークコーディングを実行する能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するためのユーザ装置であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局へ送信することと、
のために構成されたプロセッサを備え、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、ネットワークコーディングが適用可能なストリームの最大数を示す情報を含む、ユーザ装置。
【請求項25】
無線アクセスネットワークを介して基地局へ、ネットワークコーディングを実行する能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するためのユーザ装置であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局へ送信することと、
のために構成されたプロセッサを備え、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、前記ユーザ装置のプロセッサキャパシティに関係する情報を備える、ユーザ装置。
【請求項26】
無線アクセスネットワークを介して基地局へ、ネットワークコーディングを実行する能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するためのユーザ装置であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局へ送信することと、
のために構成されたプロセッサを備え、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力が、ネットワークコーディング処理を実行するための一時的な能力のなさを示す情報を含む、ユーザ装置。
【請求項27】
無線アクセスネットワークを介して基地局へ、ネットワークコーディングを実行する能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するためのユーザ装置であって、
前記基地局へ、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
生成された前記無線リソース制御シグナリングメッセージを前記基地局へ送信することと、
のために構成されたプロセッサを備え、
前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、前記ユーザ装置のクラスの情報を含み、前記クラスはネットワークコーディング能力のセットに関連付けられる、ユーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信システムにおけるデバイスのネットワークコーディング能力をシグナリングするための方法およびデバイスに関する。本発明は、より具体的にはデータ伝送のロバスト性の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、モバイルブロードバンド、大規模マシンタイプ通信、およびURLLC(超信頼性低遅延通信)にわたる広範囲のアプリケーションに対処するために主に展開されている。そのようなシステムは、複数のユーザ機器(UE)またはモバイル端末(MT)が1つ以上の基地局を通して無線アクセスネットワーク(RAN)を介していくつかのタイプのデータコンテンツ(たとえば、ビデオ、ボイス、メッセージングなど)を交換するために無線媒体を共有することを可能にする。そのような無線多元接続通信システムの例は、第4世代(4G)ロングタームエボリューション(LTE)または最近の第5世代(5G)ニューラジオ(NR)システムなどの第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))規格に基づくシステム、またはWiFiなどのIEEE 802.11規格に基づくシステムを含む。
【0003】
URLLCタイプの通信は特に、通信信頼性、したがって、通信サービス可用性がサービス中断を防ぐために不可欠であり、一方で通信のエンドツーエンド遅延に関連する低遅延が、たとえば機器のダウンタイムの導入を回避するために、または予測決定論的データ受信を保証するために必要とされる、産業用モノのインターネット(I-IoTまたはIIOTまたはIIoT)環境に関連する。
【0004】
低遅延要件がほとんど満たされないとしても、確認応答メッセージングに基づく自動再送要求(ARQ)またはオンデマンド再送方式など、通信信頼性を保証するためにいくつかの技法が考慮され得る。
【0005】
この問題を軽減するために、3GPP(登録商標)におけるパケットデータ・コンバージェンスプロトコル(PDCP)T複製(デュプリケーション)として知られ、規格書TS 38.323に記載されているパケット複製のメカニズムが提供され、パケットは、1つではなく、2つの異なるキャリア周波数を介して系統的に送受信される。しかしながら、パケット複製は、帯域幅の要件を倍増させる一方で、符号化ダイバーシティの欠如に悩まされるので、最適ではない。
【0006】
RAN通信のためのネットワークコーディングの導入は関与する無線デバイス、すなわち、UEと基地局との間の適切なシグナリングを考慮することにつながる。特に、ネットワークコーディングをサポートする能力は、実際のネットワークコーディングのアクティブ化の前に評価されなければならない。
【0007】
実際に、5Gシステムでは、UEが特定のアプリケーションに専用であり得、したがって、同じ5G標準ベースラインを実装するにもかかわらず、すべての指定された特徴をサポートしない。
【0008】
さらに、いくつかの異なるネットワークコーディング方式が考慮され得、デバイス(UEまたはgNB)は、ネットワークコーディングのすべての可能なオプションのサブセットのみをサポートし得る。
【0009】
また、UEは、限られた処理リソースおよび限られたバッテリ容量を有するモバイルデバイスであり得る。したがって、UEは、その処理負荷のレベルおよび実際のバッテリレベルに関連するいくつかの条件下でのみネットワークコーディングをサポートし得る。
【0010】
3GPP(登録商標)規格書TS 38.306は、New Radio(NR)UE無線アクセス能力パラメータを定義する。US 10,405,175「デュアルコネクティビティのためのケイパビリティのシグナリング」は、デュアルコネクティビティ(DC)のためのUEのケイパビリティのシグナリングを対処する。しかしながら、前述の2つの文書のいずれも、ネットワークコーディングを扱っていない。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、前述の問題の1つ以上に対処するために考案された。それは、無線(例えば、5G、4G-LTE、802.11)デバイス間でネットワークコーディング(NC)ケイパビリティ(能力)を共有する専用のシグナリング方法を扱う。この方法によれば、UEはNCをサポートするその能力を示すことができ、また、サポートされるNC方式のリスト(利用可能な場合)、ならびに、例えば、サポートされるネットワーク符号化されたストリームの最大数のような、NCを実行することを妨げ得る潜在的な制約を通知することができる。
【0012】
UEのネットワークコーディング(NC)能力は基地局がそのような情報が必要であると判断したときに、基地局(たとえば、gNBまたはeNB)によって取得され得る。UEネットワークコーディング(NC)能力はまた、コアネットワーク(例えば、5GCまたはEPC)からの以前の要求に応じてgNBによって要求され、さらにgNBによってコアネットワークに転送され得る。
【0013】
UEネットワークコーディング(NC)能力は、無線リソース制御(RRC)メッセージによって搬送される情報要素(IE)において追加される特定のフィールドの形態で利用可能であり得る。これらのRRCメッセージはRAN制御プレーンにおいてRRCプロトコルを実装するために、標準化されたメッセージのセット(TS 38.331仕様書も参照)に属すべきである。
【0014】
本発明の一態様によれば、ネットワークエンティティによって、ネットワークコーディングを実行するユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングを基地局に無線アクセスネットワークを介して送信する方法が提案され、この方法は、
ネットワークエンティティによって、基地局へ、ユーザ装置のネットワークコーディング能力をシグナリングするためのトリガイベントを検出することと、
前記ネットワークエンティティによって、前記ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
ネットワークエンティティによって、生成された無線リソース制御シグナリングメッセージを基地局へ送信することと、を含む。
【0015】
一実施形態では、本方法は、
ネットワークエンティティによって、無線リソース制御シグナリング要求を基地局から受信することをさらに含み、この受信がトリガイベントを構成する。
【0016】
一実施形態では、本方法は、
基地局によって、無線リソース制御シグナリング要求をネットワークエンティティに送信する前に、ネットワークコーディングのアクティブ化の必要性をチェックすることをさらに含む。
【0017】
一実施形態では、本方法は、
ネットワークエンティティによってネットワークエンティティのステータス変化を検出することをさらに含み、このステータス変化がトリガイベントを構成する。
【0018】
一実施形態では、本方法は、
基地局によって、ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを、コアネットワークに送信することをさらに含む。
【0019】
一実施形態では、本方法は、
基地局によって、コアネットワークへの無線リソース制御シグナリングメッセージの送信の前に、コアネットワークからの無線リソース制御シグナリングの要求を受信することを含む。
【0020】
一実施形態では、ユーザ装置のネットワークコーディング能力がコアネットワークによって記憶される。
【0021】
一実施形態では、ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、ユーザ装置がネットワークコーディング処理をサポートすることを示す情報を含む。
【0022】
一実施形態では、ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、ユーザ装置によってサポートされるネットワークコーディング方式を示す情報を含む。
【0023】
一実施形態では、ネットワークコーディング方式を示す情報は、パケットデータ・コンバージェンスプロトコルのパケット複製能力に関する情報に関連する。
【0024】
一実施形態では、ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、いくつかのネットワークコーディング能力の制約に関連する情報を含む。
【0025】
一実施形態では、ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、マルチコネクティビティを介したネットワークコーディングのサポートを示す情報を含む。
【0026】
一実施形態では、ユーザ装置のネットワークコーディング能力は、キャリアアグリゲーションによるネットワークコーディングのサポートを示す情報を含む。
【0027】
一実施形態では、ユーザ装置ネットワークコーディング能力がネットワークコーディングの符号化、復号、または符号化および復号のサポートを示す情報を含む。
【0028】
一実施形態では、ユーザ装置ネットワークコーディング能力がネットワークコーディングが適用されるサポートされるストリームの最大を示す情報を含む。
【0029】
一実施形態では、ユーザ装置ネットワークコーディング能力がユーザ装置のプロセッサキャパシティに関連する情報を含む。
【0030】
一実施形態では、ユーザ装置ネットワークコーディング能力がネットワークコーディング処理を実行するための一時的な能力のなさを示す情報を含む。
【0031】
一実施形態ではユーザ装置ネットワークコーディング能力がユーザ装置のクラスの情報を備え、クラスはネットワークコーディング能力のセットに関連付けられる。
【0032】
一実施形態では、本方法は、
基地局によって、ネットワークコーディングを実行するためのユーザ装置の能力に従って、ネットワークコーディングをアクティブ化することをさらに含む。
【0033】
本発明の別の態様によれば、プログラム可能な装置のためのコンピュータプログラム製品が提案され、コンピュータプログラム製品はプログラム可能な装置にロードされ、プログラム可能な装置によって実行されるときに、本発明による方法を実施するための命令のシーケンスを含む。
【0034】
本発明の別の態様によれば、本発明による方法を実施するためのコンピュータプログラムの命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体が提案される。
【0035】
本発明の別の態様によれば、実行時に本発明の方法を実行させるコンピュータプログラムが提案される。
【0036】
本発明の別の態様によれば、無線アクセスネットワークを介して基地局に送信するためのネットワークエンティティデバイスであって、ネットワークコーディングを実行するユーザ装置の能力を示す無線リソース制御シグナリングが提案され、ネットワークエンティティデバイスは、
基地局へ、ユーザ装置のネットワークコーディング能力のシグナリングのためのトリガイベントを検出することと、
ユーザ装置のネットワークコーディング能力を含む無線リソース制御シグナリングメッセージを生成することと、
ネットワークエンティティによって、生成された無線リソース制御シグナリングメッセージを基地局へ送信することと、のために構成されたプロセッサを備える。
【0037】
本発明による方法の少なくとも一部は、コンピュータで実施することができる。したがって、本発明は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または、本明細書ではすべて一般に「回路」、「モジュール」、あるいは「システム」と呼ばれ得るソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態、の形態をとることができる。さらに、本発明は、媒体に具現化されたコンピュータ使用可能プログラムコードを有する任意の有形の表現媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0038】
本発明はソフトウェアで実施することができるので、本発明は、任意の適切なキャリア媒体上のプログラム可能な装置に提供するためのコンピュータ可読コードとして実施することができる。有形の非一時的キャリア媒体は、フロッピーディスク(登録商標)ディスク、CD-ROM、ハードディスクドライブ、磁気テープデバイス、またはソリッドステートメモリデバイスなどの記憶媒体を備え得る。過渡的なキャリア媒体は、電気信号、電子信号、光信号、音響信号、磁気信号、または、たとえばマイクロ波またはRF信号の電磁信号のような信号を含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
次に、本発明の実施形態について、例示のみで、以下の図面を参照して説明する。
【
図1】
図1は、ネットワークコーディング方式の動作を可能にするキャリアアグリゲーションを伴う無線アクセスネットワーク(RAN)トポロジを示す。
【
図2】
図2は、ネットワークコーディング方式の動作を可能にするデュアルコネクティビティを伴う無線アクセスネットワーク(RAN)トポロジを示す。
【
図3】
図3は、送信機側の動作を用いたネットワークコーディング方式の例を示す。
【
図4】
図4は、
図3に示される符号化動作に対応する受信機側の動作を伴うネットワークコーディング方式の例を示す。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態による、ネットワーク符号化(NC)能力(ケイパビリティ)の指示(インジケーション)をサポートする処理フローの例を示す。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態による、UEによって開始されるNCケイパビリティの更新をサポートする処理フローの例を示す。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態による、コアネットワークの要求の際のNCケイパビリティの指示をサポートする処理フローの例を示す。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態による、UEの初期化フェーズ中のNCケイパビリティの指示をサポートする処理フローの例を図示する。
【
図9】
図9は、本発明の一実施形態による、ネットワークコーディングをサポートするデバイスのブロック図を示す。
【
図10】
図10は、本発明の一実施形態による、ネットワークコーディングをサポートする通信マネージャのブロック図を示す。
【
図11】
図11は、ネットワークコーディングをサポートするUEのブロック図を示す。
【
図12】
図12は、ネットワークコーディングをサポートする基地局のブロック図を示す。
【
図13】
図13は、基地局側で、基地局へのUEによるネットワークコーディングケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図14】
図14は、UE側で、UEによるネットワークコーディングケイパビリティの基地局への指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図15】
図15は、コアネットワーク側で、基地局へのUEによるネットワークコーディングケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図16】
図16は、基地局側で、UEによるネットワークコーディングケイパビリティの基地局への指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図17】
図17は、UE側で、UEによるネットワークコーディングケイパビリティの基地局への指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図18】
図18は、基地局側で、UEによるネットワークコーディングケイパビリティの基地局への指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図19】
図19は、コアネットワーク側で、UEによるネットワークコーディングケイパビリティの基地局への指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図20】
図20は、UE側で、UEによるネットワークコーディングケイパビリティの基地局への指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図21】
図21は、基地局側で、UEによるネットワークコーディングケイパビリティの基地局への指示をサポートする方法の例のフローチャートを示す。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態による、ネットワークコーディング(NC)ケイパビリティの通知をサポートする処理フローの例を図示する。
【
図23】
図23は、基地局へのコアネットワークエンティティによる所与のUEのためのネットワークコーディングケイパビリティの指示をサポートする方法を示すフローチャートを提示する。
【
図24】
図24は、コアネットワークエンティティ側の基地局へのコアネットワークエンティティによるネットワークコーディングケイパビリティの指示をサポートする方法を示すフローチャートを提示する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、ネットワークコーディング方式の動作を可能にするキャリアアグリゲーションを有する無線アクセスネットワーク(RAN)トポロジを示す。
【0041】
これは、本発明から利益を得ることができる5G NR(New Radio)ネットワークなどの無線通信システム100の例を提示する。無線通信システムは、ユーザ装置(UE)101と、UEと無線通信し得る基地局102とを含む。図に表されていないいくつかの他のUEおよび他の基地局も、このシステムの一部であり得る。無線通信システムは、New Radio(NR)ネットワーク、Long Term Evolution(LTE)ネットワーク、またはLTE-Advanced(LTE-A)ネットワークであり得る。基地局は無線送受信機(トランシーバ)、eNodeB(eNB)、または次世代NodeB(gNB)を指し得るが、これらに限定されない。UE101は、無線アクセスネットワーク(RAN)を介して、任意のタイプの基地局と、または制限されたタイプの基地局と通信可能であり得る。
【0042】
基地局102はたとえば、5Gコア(5GC)または発展型パケットコア(EPC)であり得るコアネットワーク103に接続される。基地局とコアネットワークエンティティとの間の接続は、有線または無線のいずれかであり得る。
【0043】
UE、基地局、およびコアネットワークは、接続された無線ネットワークのネットワークエンティティを構成する。
【0044】
キャリアアグリゲーション(CA)機構が実装されてもよく、UE101および基地局102が、f1およびf2と表される2つの異なるコンポーネントキャリア周波数を介して同時に通信することを可能にする。f1のカバレッジエリアによって定義される無線セルはプライマリセルと呼ばれ、一方、f2はセカンダリセルを定義する。
【0045】
キャリアアグリゲーションは、4G/LTE標準規格において導入され、5G NRにおいて拡張されている。最新のWiFi世代などの他の無線通信規格も、そのような機構に依存する。キャリアアグリゲーションの第1の目的は、コンポーネントキャリアとも呼ばれる複数の周波数ブロックにわたって異なるデータを送信することによって、ユーザ当たりのデータレートを増加させることである。キャリアアグリゲーションは、基地局からUEへのダウンリンク(DL)送信と、UEから基地局へのアップリンク(UL)送信との両方に適用され得る。
【0046】
キャリアアグリゲーションの1つの他の利点は、パケット複製またはネットワーク符号化などの誤り訂正方式に時間および周波数ダイバーシティの両方を提供することである。
【0047】
TS 38.323に記載されたPDCP複製方法によれば、コアネットワーク103から来るデータは、1つのコンポーネントキャリア周波数f1を介して基地局102によってUE101にプロトコルデータユニット(PDU)の形態で送信され、一方、これらのPDUのコピーは異なるコンポーネントキャリア周波数f2を介して、同時に、またはそうではなく、UE101に送信される。
【0048】
ネットワークコーディングのコンテキストでは、本発明のいくつかの実施形態によれば、PDUの線形結合の第1のセットはf1を介して送信され得、線形結合の第2のセットはf2を介して送信され得る。本発明のいくつかの実施形態では線形結合の送信がキャリアアグリゲーションに依存せず、すなわち、線形結合は同じ周波数上で送信されるが、システムが周波数ダイバーシティを失うので最適ではない。
【0049】
図2は、ネットワークコーディング方式の動作を可能にするデュアルコネクティビティを有する無線アクセスネットワーク(RAN)トポロジを示す。
【0050】
図は、本発明から利益を得ることができる、5G NR(New Radio)ネットワークなどの無線通信システム200を提示する。無線通信システムは、ユーザ装置(UE)201と、UEと無線通信し得る2つの基地局202-aおよび202-bと、を含む。図に表されていないいくつかの他のUEも、このシステムの一部であり得る。無線通信システムは、New Radio(NR)ネットワーク、Long term Evolution(LTE)ネットワーク、またはLTE-Advanced(LTE-A)ネットワークであり得る。基地局の各々は無線送受信機(トランシーバ)、eNodeB(eNB)、または次世代NodeB(gNB)を指し得るが、これらに限定されない。UE102は、任意の種類の基地局と、または限定された種類の基地局と通信可能であり得る。
【0051】
基地局202-aおよび202-bはたとえば、5Gコア(5GC)または発展型パケットコア(EPC)であり得るコアネットワーク203に接続される。基地局とコアネットワークエンティティとの間の接続、ならびに2つの基地局間の接続は、有線または無線のいずれかであり得る。
【0052】
デュアルコネクティビティ(DC)機構が実装されてもよく、UE201および基地局202-aは周波数帯域f1を使用して直接通信し、UE201はまた、周波数帯域f2を使用して基地局202-bを通して基地局202-aと通信する。この特定の構成では、基地局202-aはセカンダリノード(MN)と呼ばれ、周波数帯域f1はマスタセルグループ(MCG)を定義する。基地局202-bはセカンダリノード(SN)と呼ばれ、周波数帯域f2はセカンダリセルグループ(SCG)を定義する。
【0053】
いくつかの実施形態では、周波数f1および周波数f2は同じであり得る。
【0054】
キャリアアグリゲーション(CA)と同様に、デュアルコネクティビティ(DC)は4G/LTE規格において3GPP(登録商標)によって導入され、5G NRにおいて強化されており、ユーザスループットを増加させ、モビリティロバスト性を提供し、基地局間のロードバランシングをサポートすることを目的としている。それは、ダウンリンク(DL)送信とアップリンク(UL)送信との両方に適用可能である。
【0055】
DCの他の利点は、時間および周波数ダイバーシティだけでなく、パケット複製またはネットワークコーディングなどの誤り訂正方式に対する空間ダイバーシティも提供することである。
【0056】
TS38.323に記載のPDCP複製方法によれば、コアネットワーク203から来るデータは基地局202-aによって直接、MCGを介してUE201にプロトコルデータユニット(PDU)の形式で送信され、一方、これらのPDUのコピーは基地局202-aによって基地局202-bに送信され、基地局はこれらのPDUをSCGを介してUE201に転送する。プロトコルレベルでは各PDUが分割データ無線ベアラ(DRB)または分割ベアラを介して送信されると言われており、同じDRBがMCGとSCGの両方で使用される(実際にはMCGとSCGとの間で分割される)。
【0057】
同様に、ネットワーク符号化のコンテキストでは、本発明のいくつかの実施形態によれば、PDUの線形結合の第1のセットは基地局202-aによってUE201に直接送信され、線形結合の第2のセットは基地局202-aによって基地局202-bを通してUE201に送信される。
【0058】
図1および
図2は、基地局とUEとの間の2つの可能な通信チャネル(レッグとも呼ばれる)を示す。しかしながら、当業者は、5G NR仕様書がCAおよびDCを2つのレッグに限定しないことを知っている。CAにおいて他のコンポーネントキャリアを追加することによって、またはDCにおいてセカンダリ基地局を追加することによって、より多くのレッグが利用可能であり得る。一般化として、マルチコネクティビティ方式は、UEと、複数の追加の基地局を含むことになる基地局との間で確立され得る。キャリアアグリゲーション(CA)およびデュアルコネクティビティ(DC)の詳細は、仕様書TS 38.300およびTS 37.340において利用可能である。
【0059】
図3は、送信機側の動作を用いたネットワークコーディング方式の例を示す。
【0060】
それは、NCエンコーダモジュール300によって実行されるべき、ネットワークコーディングのエンコーディングの態様に焦点を当てた、ネットワークコーディング方式の例を提示する。入来PDUは、最初にパディング機能310によって処理される。入来PDUの長さが奇数である場合、PDUに1バイトのダミーデータ(例えば、全てゼロ)が付加され、ヘッダ処理を担当する送信バッファ308の入力としてパディング指示(インジケーション)がセットされる。次いで、PDUは、PDUを2つの部分に分割するPDUスプリッタ301によって処理される。
【0061】
スプリット(分割)は、多くの異なる方法で実行され得る。分割アクションを実行する1つの方法はPDUを等しいサイズの2つの部分に分割することであり、すなわち、(PDU_length/2)の最初のバイトはEVEN PDUまたはEVENとも呼ばれるいわゆる偶数パケットに配置され、一方、以降のバイトはODD PDUまたはODDとも呼ばれるいわゆる奇数パケットに集められる。他の実施例として、2バイトごとに1バイトをソートし、EVENおよびODD PDUに配置することができる。当業者は、他の分割方式を考慮することができる。
【0062】
2つの部分はEVEN PDUについてはバッファ302に、ODD PDUについてはバッファ303に格納される。PDUを2つの部分に分割することは、送信パケットの長さの短縮が送信中に1ビットが破損する確率を低減するため、有益である。したがって、これはまた、破損したパケットの受信に起因する再送信の必要性を低減する。
【0063】
送信バッファ308を介して、4個のPDUが出力される。EVEN、ODD、およびEVENとODDとの組合せから生じる2つのPDU。第1の組み合わされたパケットは、COMB1と呼ばれ、バッファ306に格納され、ODDおよびEVEN内のバイトの2つの異なる係数α11およびα12によるバイト乗算の結果のバイト加算から得られる(乗算および加算ユニット304によって実行される)。第2の組み合わされたパケットは、COMB2と呼ばれ、バッファ307に格納され、ODDおよびEVEN内のバイトの2つの異なる係数α21およびα22によるバイト乗算の結果のバイト加算から得られる(乗算および加算ユニット305によって実行される)。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態では(しかし非限定的に)、操作はガロア体GF256で行われる。GF256内の4つの係数の全てのセットを使用することができるわけではない。オリジナルデータを変更せず、(α11×α12)は(α21×α22)と等しくないようにするため、複数の1と0とを除外しなければならず、そうではない場合、線形結合は同一となる。
【0065】
また、送信バッファ308には、シーケンス番号が割り当てられてもよい。このようなシーケンス番号のフォーマットは(4n+t)であってもよく、ここでtは{0,1,2,3}に属する。例えば、任意のODD PDUのシーケンス番号は4n(t=0)の形式であり、任意のEVEN PDUのシーケンス番号は(4n+1)の形式であり、任意のCOMB1 PDUのシーケンス番号は(4n+2)の形式であり、任意のCOMB2 PDUのシーケンス番号は(4n+3)の形式である。
【0066】
最終的に、4つの符号化されたPDU(ODD、EVEN、COMB1、COMB2)は、異なるレッグで送信される(
図1および
図2も参照)。例えば、ODDおよびCOMB1は第1のレッグで送信され、EVENおよびCOMB2は第2のレッグで送信される。
【0067】
図4は、
図3に示される符号化動作に対応する受信機側の動作を伴うネットワークコーディング方式の例を示す。
【0068】
この例は、NC復号モジュール400によって実行されるネットワークコーディングの復号の態様に焦点を当てている。
【0069】
受信された各符号化PDU(ODD、EVEN、COMB1、またはCOMB2)は、受信バッファ411に進む。受信されたPDUに関連付けられたパディング指示は、抽出され、パディング除去機能409に渡され得る。受信バッファ411において、受信されたPDUは、それらのシーケンス番号に従って並べ替えられ得る。シーケンス番号を4で除算すると、商nと余rが生成される。同じ商nを共有する任意の2つのPDU(すなわち、EVEN、ODD、COMB1、およびCOMB2のうちの任意の2つ)は、元のPDUを再構成するのに十分である。任意の2つの受信されたPDUのモジュール401および402において計算された余りによれば、パケットを再構成するために、4つの係数(b11、b12、b21およびb22)の特定のセットが必要とされる。例:ODDおよびEVENが受信された場合、係数は単位行列(b11=1、b12=0、b21=0、およびb22=1)になる。
【0070】
したがって、任意の受信PDUのペアのうちの、Rem(SN1)とも呼ばれるモジュール401のうちの残り、Rem(SN2)とも呼ばれるモジュール402の残りは、ルックアップテーブル403の入力である。
【0071】
ルックアップテーブル403の説明:
2つの受信された符号化されたPDUの各バイト、それぞれバイト(SN1,x)およびバイト(SN2,x)、ここでxはパケット内のバイトの位置を示す、はベクトル
【数1】
を形成する。このベクトルは行列Mで乗算され、結果は元のPDUに対応する2つの部分である。通常6つのケースが起こる。
【0072】
第1のケース) EVENが受信され、ODDが受信される。Rem(SN1)=0およびRem(SN2)=3、したがって、行列Mは単位行列である。
【0073】
第2のケース) EVENが受信され、COMB1が受信される。Rem(SN1)=0およびRem(SN2)=1、行列Mは
【数2】
の逆数、すなわち
【数3】
ここでα
1,1およびα
1,2は、
図3に示すように、送信機のエンコーディングエンジン303によって使用される係数である。
【0074】
第3のケース) EVENが受信され、COMB2が受信される。Rem(SN1)=0およびRem(SN2)=2、行列Mは
【数4】
の逆数、すなわち
【数5】
ここでα
2,1およびα
2,2は、エンコーディングエンジン303によって使用される係数である。
【0075】
第4のケース) ODDが受信され、COMB1が受信される。Rem(SN1)=1、およびRem(SN2)=2、行列Mは
【数6】
の逆数、すなわち
【数7】
ここでα
1,1およびα
1,2はエンコーディングエンジン303によって使用される係数である。
【0076】
第5のケース) ODDが受信され、COMB2が受信される。Rem(SN1)=0およびRem(SN2)=1、行列Mは
【数8】
の逆数、すなわち
【数9】
ここでα
1,1、α
1,2、α
2,1およびα
2,2はエンコーディングエンジン303によって使用される係数である。
【0077】
第6のケース) COMB1が受信され、COMB2が受信される。Rem(SN1)=1およびRem(SN2)=2、行列Mは、
【数10】
の逆数、すなわち
【数11】
ここでα
1,1、α
1,2、α
2,1およびα
2,2はエンコーディングエンジン303によって使用される係数である。
【0078】
次のイベントの確率は非常に低いが、4つの可能な符号化PDUのうちの1つのみが受信されることが起こり得る。そのような場合、プロセスは、失われた(または再送信が要求され得る)元のPDUを取り出さない。
【0079】
行列は、セット{0,1}に属する係数の使用のおかげで復号の複雑さが低減されるので、好ましい選択として与えられる。しかしながら、線形独立ベクトルの4対の任意の選択が許容可能である。行列演算は、「乗算および加算」ユニット404および405によって実行される。結果は元のPDUを再構成するためにモジュール408によって追加される前に、バッファ406および407に記憶される。モジュール409において、追加のパディングを除去することができる。最後に、モジュール410は、同じ商を共有する2つ以上の符号化されたPDUが受信されることが起こり得るので、複製されたPDUを除去する。
【0080】
図5は、本発明の実施形態による、ネットワークコーディング(NC)ケイパビリティの指示をサポートする処理フロー500の例を示す。UE501が、TS 38.331において定義されるようにRRC接続(コネクテッド)状態にあると仮定する、すなわち、UE501は基地局502(5G NRネットワークにおけるgNBであり得る)に接続される。UE501は、コアネットワークエンティティ503に登録され得る。本発明のいくつかの実施形態ではコアネットワークは5Gコアネットワークであり、コアネットワークエンティティ503は3GPP(登録商標)標準規格TS 23.501で定義されているようなアクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)である。
【0081】
本発明の実施形態によれば、UE501は
図1のUE101または
図2のUE201を参照する。本発明の別の実施形態によれば、基地局502は、
図1の基地局102または
図2の基地局202-aを参照する。
【0082】
ある時点で、基地局502は、UE501の能力(ケイパビリティ)、特にそのNCケイパビリティを必要とし得る。それは、いったんUEが接続または登録される際の、システマティック(体系的)なチェックであり得る。それはまた、データフローがUE501との間で送信または受信されなければならないときにトリガされ得る。次いで、基地局502は、ステップ504において、NCアクティブ化の必要性をチェックする。ネットワークコーディングを適用するためのこの要件は、データフローに関連付けられたサービス品質(QoS)のレベルによって示され得る。例えば、QoSレベルが(URLLCのように)高い信頼性および低遅延要件に対応する場合、NCは、基地局502およびUE501の両方がそれをサポートするときにアクティブ化される。
【0083】
いくつかのさらなる予備的検証が基地局によって実行され、それが実際にNCをサポートすること(および、いくつかの方式が指定されている場合、どのNC方式がサポートされるか)を確認(チェック)する。加えて、基地局502は、キャリアアグリゲーションまたはマルチコネクティビティがセットアップされ得るかどうかをチェックし得る。
【0084】
これらの第1の検証の後、基地局502は、UE501のNCケイパビリティをチェックする必要がある(ステップ505)。この目的のために、メッセージ506がUE501に送信される。本発明の一実施形態では、メッセージ506が5G NRで定義された特徴のすべてまたは一部に関するそのケイパビリティを提供するためのUE501への一般的な要求であってもよい。本発明の別の実施形態では、メッセージ506がそのNCケイパビリティのみを提供するようにUE501に要求することができる。本発明の別の実施形態ではキャリアアグリゲーション、デュアルコネクティビティ、またはPDCPデュプリケーションなどであるが、これらに限定されない機能特徴のサブセットも、メッセージ506を介して要求され得る。
【0085】
本発明の一実施形態では、メッセージ506がUECapabilityEnquiryと呼ばれるRRCメッセージであり、制御プレーン内のRRCプロトコルの規格仕様書TS 38.331(バージョン16.0.0)で定義されている。それは、基地局502とUE501との間で以前に確立されたシグナリング無線ベアラを介して(CAまたはDCのプライマリセル、すなわち、制御プロトコルが存在する基地局に関連付けられたセル上で)送信される。
【0086】
メッセージ506を介して、UE501は、そのNCケイパビリティを通知するための要求を、任意選択で他のケイパビリティの特徴と共に受信する。ステップ507において、UE501はその内部パラメータをチェックし、基地局502に送信されるべき応答をフォーマットする。応答は、NCケイパビリティ情報を含むメッセージ508である。本発明の一実施形態では、メッセージ508がUECapabilityInformationと呼ばれ、規格仕様書TS38.331(バージョン16.0.0)で定義されたRRCメッセージである。
【0087】
メッセージ508の受信に応答して、ステップ509において、基地局502はネットワークコーディング・ケイパビリティを含むUE501の能力を内部メモリ(例えば、RAM)に格納する。本発明の一実施形態ではステップ509において、基地局502はNCケイパビリティ情報メッセージ511を送信することによって、UEケイパビリティ情報をコアネットワークエンティティ503に転送することを決定することができる。
【0088】
ステップ512において、コアネットワークエンティティ503は、受信されたNCケイパビリティ情報を格納する。利点は例えば、基地局が、無線アクセスネットワーク(RAN)帯域幅を消費することなく、NCケイパビリティ情報をさらに取り出すことを可能にすることである。メッセージ511は、UE RADIO CAPABILITY INFO INDICATIONと呼ばれ、TS 38.413(バージョン16.1.0)に記載されているNGAP(次世代アプリケーションプロトコル)メッセージであり得る。
【0089】
ステップ510において、基地局502はUE501に送信されるかまたはそこから受信されるデータフローのために、基地局とUEの両方によってサポートされるNC方式をアクティブ化することを決定することができる。
【0090】
本発明の一実施形態では、基地局502がNCアクティブ化ステップ510に入る前に、NCケイパビリティ要求506を送信し、NCケイパビリティ情報508を受信し、NCケイパビリティ情報を記憶し(ステップ509)、NCケイパビリティ情報を数回転送するプロセスを繰り返すことができる。
【0091】
図6は、本発明の一実施形態による、UEによって開始されるNCケイパビリティの更新をサポートする処理フロー600の例を示す。
【0092】
それは、UE601がTS 38.331において定義されたRRCコネクテッド状態にあると仮定し、UE601が基地局602(5G NRネットワークにおけるgNBである)に接続されることを意味する。UE601は、コアネットワークエンティティ603に登録され得る。また、UE 601は、本文書の
図5に記載される処理フローに従って、そのNCケイパビリティを既に提供していると仮定する。
【0093】
本発明の一実施形態ではコアネットワークが5Gコアネットワークであり、コアネットワークエンティティ603は3GPP(登録商標)標準TS 23.501で定義されるような、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)である。
【0094】
本発明の一実施形態によれば、UE601は
図1のUE101または
図2のUE201を参照する。本発明の別の実施形態によれば、基地局602は、
図1の基地局102または
図2の基地局202-aを参照する。
【0095】
ある時点(ステップ604)で、UE601は、基地局602に通信される必要があり得るその内部パラメータのいくつかの変化を検出し得る。たとえば、UE601のCPU負荷は、UEがNCをもはやサポートすることを妨げる過熱状況で高くなり得る。この過熱状態は、状態レポートの形態でメッセージ610を介して基地局602に通信され得る。このメッセージ610はTS 38.331(バージョン16.0.0)に記述されているRRCメッセージUEAssistanceInformationである可能性があり、もう一つの例は、デュアルコネクティビティの場合、セカンダリセルグループ(SCG)の通信で障害が検出されたことである。そのような障害は、TS 38.331(バージョン16.0.0)に記述されたRRCメッセージSCGFailureInformation内で報告され得る。代替として、TS 38.331(バージョン16.0.0)に記述されたRRCメッセージMesurementReportがUEステータスを報告するために使用され得る。
【0096】
メッセージ610の受信に応答して、基地局702はステータス情報を解釈することができ、その内部メモリに記憶されたUE601のNCケイパビリティ情報を更新することを決定することができる(ステップ605)。本発明の一実施形態ではステップ605に続いて、基地局602はメッセージ611を送信することによって、NCケイパビリティ情報をコアネットワークエンティティ603に転送する。ステップ612において、コアネットワークエンティティ603は、更新されたNCケイパビリティ情報を格納する。メッセージ611は、TS 38.413(バージョン16.1.0)で説明されるNGAPメッセージUE無線機能情報インジケーションであり得る。
【0097】
図7は、本発明の一実施形態による、コアネットワークの要求時のNCケイパビリティのインジケーション(指示)をサポートする処理フロー700の例を示す。これは、UE701がTS 38.331において定義されたRRCコネクテッド状態にあると仮定し、UE701が基地局702(5G NRネットワークにおけるgNB)に接続されていることを意味する。UE701はまた、コアネットワークエンティティ703(たとえば、5Gコア)に登録される。
【0098】
本発明の一実施形態ではコアネットワークが5Gコアネットワークであり、コアネットワークエンティティ703は3GPP(登録商標)標準TS 23.501で定義されるような、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)である。
【0099】
本発明の一実施形態によれば、UE701は
図1のUE101または
図2のUE201を参照する。本発明の別の実施形態によれば、基地局702は、
図1の基地局102または
図2の基地局202-aを参照する。
【0100】
ある時点で、ステップ704において、コアネットワークエンティティ703は、UE701の全体的なケイパビリティを得る必要があり得る。この情報は、すべての状態遷移において無線インターフェースを介して送信することが望ましくないほど十分に大きい可能性がある。したがって、例えば、基地局が無線帯域幅を消費することなくそれらを取り出すことを可能にするために、UEケイパビリティをコアネットワークに記憶する利点がある。この目的のために、コアネットワークエンティティ703は、UEケイパビリティ要求メッセージ705を基地局702に送信する。このメッセージ704は、登録されたUE701のケイパビリティを得るための要求である。
【0101】
メッセージ705の受信に応答して、基地局702は、ステップ706において、UEケイパビリティ要求メッセージ707をUEに送信することによって、要求を転送する。メッセージ707の受信に応答して、UEは、ステップ708において、UEケイパビリティ情報メッセージ709をUEに送信することによって、そのケイパビリティを通知する。メッセージ709は、
図5に記載されるようなネットワークコーディングパラメータを含む。メッセージ709を受信した後、ステップ710において、基地局702はUEのケイパビリティをローカルメモリに記憶し、次いで、UEケイパビリティ情報メッセージ711を送信することによって、UEケイパビリティ情報をコアネットワークエンティティ703に転送することができる。
【0102】
最後に、ステップ712において、コアネットワーク703は、受信されたUEケイパビリティ情報を格納する。
【0103】
例として、メッセージ705、707、709、711は、TS 38.413(バージョン16.1.0)およびTS 38.331(バージョン16.0.0)に記述された標準化されたメッセージであり得る。より正確にはメッセージ705がNGAPメッセージUE無線機能チェック要求であり得、メッセージ711はNGAP(次世代アプリケーションプロトコル)メッセージUE無線機能チェック応答から構成され得る。メッセージ707はRRCメッセージUECapabilityEnquiryであり得、メッセージ709はRRCメッセージUECapabilityInformationであり得る。
【0104】
図8は、本発明の実施形態による、UE801の初期化フェーズ中のNCケイパビリティの指示をサポートする処理フロー800の例を示す。UE801はTS 38.331において定義されるように、RRCコネクテッド状態に入ったばかりであると仮定する。UE801は、コアネットワーク803にまだ登録されていない。
【0105】
本発明の一実施形態ではコアネットワークが5Gコアネットワークであり、コアネットワークエンティティ803は3GPP(登録商標)標準TS 23.501で定義されるような、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)である。
【0106】
本発明の一実施形態によれば、UE801は
図1のUE101または
図2のUE201を参照する。本発明の別の実施形態によれば、基地局802は、
図1の基地局102または
図2の基地局202-aを参照する。
【0107】
RRCセットアップ(RRCSetup)メッセージ804に応答して、ステップ805において、UE 801はメッセージ、たとえば、RRCセットアップ完了(RRCSetupComplete)と呼ばれるRRCメッセージ806をフォーマットする。RRCSetupCompleteメッセージ806は、専用NASメッセージフィールド(NASは非アクセス階層を表す)に登録要求を含む。登録要求は規格仕様書TS 24.501に記載されているように、規格仕様書TS 23.003に記載されているUE無線機能IDを含む。このUE無線機能IDは、UE801のNCケイパビリティに関する情報を含むことができる。
【0108】
RRCSetupCompleteメッセージ806を受信すると、ステップ807において、基地局802はコアネットワークエンティティ803に送信されたメッセージ、例えば、初期UEメッセージ808に登録要求を転送する。初期UEメッセージ808は、3GPP(登録商標)によって編集された仕様書TS 38.413に記載されている。ステップ807において、基地局802はまた、受信されたUEケイパビリティ情報を記憶し得る。ステップ809において、コアネットワークエンティティ803はUE801からの登録要求を処理し、受信されたUEケイパビリティ情報を記憶し得る。
【0109】
以下は本発明の一実施形態による、
図5のメッセージ508、511、
図6のメッセージ611、
図7のメッセージ709および711、ならびに
図8のメッセージ806および808に関連する、NCケイパビリティ情報の例示であり、この情報は、RRCメッセージUECapabilityInformationの一部である。NCケイパビリティ情報(以下、太字で示す)は、UE-NR-Capabilityと呼ばれる情報エレメントに含まれるPDCP-parametersと呼ばれる情報エレメントに付加されてもよい。
ue-CapabilityRAT-Container:指示されたRAT(無線アクセス技術)のUEケイパビリティのためのコンテナ。NRに設定されたrat-Typeについて:UEケイパビリティの符号化は、UE-NRケイパビリティ情報エレメントにおいて定義される。
この例では、NCケイパビリティ情報パラメータは、
nc-Capability:UEがダウンリンク(DL)のみ(復号化)、アップリンク(UL)のみ(符号化)、ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)の両方、またはいずれのリンクもNCをアクティブ化する準備ができているかどうかを示す、4つの取りうる値のうちの値、
nc-Scheme:各ビット(ブール)が1つのNC方式に関連付けられ、NC方式がサポートされるか否かを示すビットストリング。ビット値「0」は、関連するNC方式がサポートされないことを意味する。このフォーマットは、基地局とUEの両方がどのNC方式が各ビットに対応するかについて同じ理解を共有していると仮定する。
【0110】
nc-MaxNumFlow:UEによって同時に処理され得るネットワークコーディングされるフローの最大数を示す整数。この指示を用いて、基地局は、UEによって送信または受信された追加のデータフローがネットワークコーディングされ得るかどうかを知ることになる;
nc-Restrictions:NCがサポートされない理由を示す複数の取りうる値のうちの値(すなわち、nc-Capabilityがnoneに設定されるとき)。この指示を用いて、基地局は、UEが後でNCケイパビリティを回復し得ることを理解することができる。本発明の一実施形態では、可能な制約がUEのバッテリーの低レベル、またはUEにおける高い処理負荷を含み得る。
【0111】
これは非限定的な例であり、他のフォーマットおよびパラメータの組合せが可能である。以下、いくつかの変形例を提案する。
【0112】
nc-Capabilityパラメータは、単一のブール値に縮小されてもよく、nc-Schemesに含まれてもよく、すべてのブール値が偽である場合、NCがサポートされないことを手段する。
【0113】
nc-Capabilityパラメータは、NCがキャリアアグリゲーション(CA)、またはデュアルコネクティビティ(DC)、またはマルチコネクティビティ(いくつかのSCGを介して)を介してサポートされるかどうかを指定するために拡張され得る。
【0114】
NCのサポートは、PDCPデュプリケーションのサポートによって条件付けられ得る。TS 38.306(バージョン16.0.0)ではpdcp-DuplicationMCG-OrSCG-DRBと呼ばれるパラメータは、UEがMCGまたはSCGデータ無線ベアラ(DRB)を介したCAベースのPDCPデュプリケーションをサポートするかどうかを示すために使用され、パラメータpdcp-DuplicationSplitDRBはUEがスプリットDRBを介したPDCPデュプリケーションをサポートするかどうかを示す。
【0115】
nc-Restrictionsは代替的に、たとえば、バッテリレベルが低すぎない場合、または処理負荷が高すぎない場合、UEにおいてNCを実行するための条件のリストであり得る。その場合、パラメータnc-MaxNumFlowは、この制約のリストに含まれ得る。
【0116】
すべてのパラメータは、UEにおいて利用可能なサービスのクラスに対応するコードにおいて収集され得る。
【0117】
TS 38.331(バージョン16.0.0)に規定されるように、eutra-nrに設定されるrat-Typeに対して、UEケイパビリティの符号化は、NCケイパビリティ情報が追加され得る情報エレメントとPDCP-ParametersMRDCを含むUE-MRDC-Capability情報エレメントにおいて定義される。そのような場合、UEは、4G/LTE基地局および5G NR基地局を通じてDCをサポートすることができる。
【0118】
また、rat-Type set to eutra(4G/LTE)の場合、UEケイパビリティの符号化は、4G/LTEのためのRRC規格仕様書TS 36.331で規定されたUE-EUTRA-Capability情報エレメントで定義される。情報エレメントUE-EUTRA-Capabilityは、NCケイパビリティ情報が追加され得る情報エレメントPDCP-Parametersを含む。
【0119】
NCケイパビリティパラメータをPDCPパラメータ内に配置する理由は、符号化および復号動作がユーザデータプレーンのPDCP(パケットデータコンバージェンスプロトコル)レイヤにおいて有利に実行され得ることである。実際、これは、3GPP(登録商標)標準TS 38.323に記載されているように、送信する各PDUが利用可能な伝送チャネルまたはデータ無線ベアラ(DRB)のうちの1つにマッピングされる場所である。特にDCでは、これはセカンダリ基地局を介した送信を可能にするためにスプリット(分割)ベアラがインスタンス化される場所である。
【0120】
図9は、本発明の一実施形態による、ネットワークコーディングをサポートするデバイス905のブロック
図900を示す。デバイス905は、
図1または
図2に関連するUE101または基地局102の例であり得る。デバイス905が受信機910と、通信マネージャ920と、送信機930とを備える。これらの要素の各々は、1つ以上の電子バスを介して互いに通信することができる。
【0121】
受信機910はユーザプレーンパケットと制御プレーンパケットの両方を受信するが、同期信号を受信することもできる。それはまた、接続確立の目的のために特定の信号を受信し得る。受信機910は、測定またはページング目的のために使用される信号を受信することができる。
【0122】
受信機910は、
図11に記載されるような送受信機(トランシーバ)1135または
図12に記載されるような送受信機1235の全部または一部を指し得る。
【0123】
本発明の一実施形態では、受信機905が
図3および
図4に関連して、ネットワークコーディング方式で符号化されたパケットを受信することができる。
【0124】
通信マネージャは、通信の確立、制御、およびリリースを担当する。通信マネージャ920の機能は、分散されてもよく、必ずしも同じ物理的位置に常駐していなくてもよい。
【0125】
本発明の一実施形態では、通信マネージャ920が
図5~
図8に関連して、ネットワークコーディング・ケイパビリティの要求、ネットワークコーディング・ケイパビリティの指示、ネットワークコーディングのアクティブ化、およびネットワークコーディング非アクティブ化の、以下の態様のすべてまたは一部を管理する。
【0126】
送信機930は、ユーザプレーンパケットおよび制御プレーンパケットの両方、ならびに同期信号、測定信号、ページング信号、ならびに接続開始に固有の信号を送信する。
【0127】
送信機930は
図12に記載されるように、
図11または送受信機1235に記載されるように、送受信機1135の全部または一部を指し得る。
【0128】
本発明の一実施形態では、送信機930が
図3および
図4に関連して、ネットワークコーディング方式で符号化されたパケットを送信することができる。
【0129】
ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアを使用して、デバイス905のエレメントを実装することができる。ハードウェアは、ここではCPU、FPGA、特定用途向け集積回路、ならびにDSP、GPU、およびディスクリート電子エレメント、ロジックもしくはアナログ、またはこれらの手段の任意の組合せ、を含む。エレメントが仮想化されるとき、すなわち、機能がプログラムコードの実行によって実施されるとき、そのようなコードは、単一または並列スレッドで、CPU、DSP、またはGPU上で、またはさらにはリモート汎用サーバ上で実行され得る。エレメント間の通信は、ワイヤ、バス、または光ファイバによって、またはエレメントが仮想化されている場合にはメモリバッファによって行うことができる。エレメントは一緒に局在化されてもよく、または様々な場所に、さらには遠隔で分散されてもよい。
【0130】
図10は、本発明の一実施形態による、ネットワークコーディングをサポートする通信マネージャ1020のブロック図を示す。これは、通信マネージャ920の非限定的な例である。通信マネージャは、無線通信の両端に共通するいくつかのプロトコルを操作する。
【0131】
これらの要素の各々は、互いに通信することができる。ネットワークデコーディング・エンジン1025は、
図4に記載された機能を実施する。ネットワークエンコーディング・エンジン1024は、
図3に記載された機能を実施する。ネットワークコーディング・マネージャは、ネットワークデコーディング・エンジン1025およびネットワークエンコーディング・エンジン1024のセットアップおよびリリースを担当する。
【0132】
キャリアアグリゲーション・マネージャ1128は、基地局とUEとの間の2つ以上の帯域幅部分の使用を確立または解放する。キャリアアグリゲーション・マネージャはRLCレイヤに対して作用し、キャリアアグリゲーションがアクティブ化されている場合、プリンシパルRLCとセカンダリRLCの両方をアクティブ化する。ネットワークコーディングを伴わない、またはPDCP複製を伴わない動作において、それはスイッチのように振る舞い、第1のRLCレイヤおよび第2のRLCレイヤを代替的にアクティブ化する。
【0133】
マルチコネクティビティ・マネージャ1022は、2つの基地局とUEとの間の2つ以上の帯域幅部分の使用を確立または解放する。マルチコネクティビティ・マネージャ1022は、RLCレイヤに対して作用する。ユーザデータに対して、マルチコネクションがアクティブ化されている場合は、プリンシパルRLCとセカンダリRLCの両方をアクティブ化し、マルチコネクションがアクティブ化されていない場合はプリンシパルのみをアクティブ化する。
【0134】
RRCマネージャ1021は、RRCプロトコルエンジンを処理する。UEにおいて、RRCマネージャ1021はパラメータマネージャ1030に記憶されたNCケイパビリティパラメータを使用し、RRCプロトコルエンジンをパイロットし、その結果、RRCプロトコルエンジンはそれらを送信する前に、ASN.1規格に従いパラメータを符号化する。基地局(BS)において、RRCプロトコルエンジンはASN.1規格に従って受信メッセージを復号し、UEから受信されたNCケイパビリティのためのパラメータを抽出する。
【0135】
PDCP複製マネージャ1026はデータの流れのための複数のRLCの使用を処理し、解放する。それは、複製が有効化(イネーブル化)されるとき、複数のRLCレイヤに同じパケットを送信する際に、リピータのように振る舞う。
【0136】
本発明のコンテキストにおけるPDCPエンティティマネージャ1027は、PDCPレイヤを処理する。パケットは、ヘッダ圧縮、または暗号化もしくは完全性を必要としてもよいし、必要としなくてもよい。PDCPエンティティマネージャ1027は、これらの機能を有効/無効にする。ネットワークコーディングが有効な場合、ネットワークコーディングに対応する特定のヘッダを選択する。
【0137】
ベアラマネージャ1023は、データフローのデータ無線ベアラ(DRB)へのマッピングを処理する。5G NRでは、DRBがプロトコル(PDCP、RLC、MAC)およびPHYレイヤを実装するリソースの使用に対応する。DRBは、同じクラスのサービス品質(QoS)に属する場合、いくつかのデータフローを搬送することができる。ベアラマネージャ1023は、パケットがユーザデータプレーンに属する場合、ネットワークコーディング動作を有効にすることができる(パケットが制御プレーンに属する場合、ネットワークコーディング動作を常に無効にする)。
【0138】
ネットワークコーディング・マネージャ1029は、ネットワークエンコーディング・エンジン1024およびネットワークデコーディング・エンジン1025を処理する。必要に応じてネットワークコーディングパラメータを設定する。パラメータはデバイスに、またはコアネットワークに記憶され得る。ネットワークコーディング・マネージャ1029は、UEケイパビリティに従って、ネットワークエンコーディング・エンジン1024および/またはネットワークデコーディング・エンジン1025を有効/無効にする。
【0139】
RLCマネージャ1031は、RLCレイヤを処理する。デバイスがキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティの場合、複数のRLCモジュールを有効にすることができる。
【0140】
MACマネージャ1032は、MACレイヤを処理する。デバイスがデュアルコネクティビティにあり、デバイスがUEである場合、2つ以上のMACモジュールを有効にすることができる。
【0141】
図11は、本発明の実施形態によるネットワークエンコーディングをサポートするUEのブロック
図1100を示す。デバイスは、UE通信マネージャ1120、I/Oコントローラ1155、送受信機1135、1つ以上のアンテナ1145、メモリ1125、およびプロセッサ1115を含む、通信を送受信するためのコンポーネントを含む。これらのエレメントはすべて、互いに通信する。
【0142】
メモリ1125は、RAM、ROM、またはその両方の組合せを含むか、または非限定的な例として、ディスクまたはソリッドステートドライブなどの大容量記憶デバイスを含む。BIOS(基本入出力システム)命令は、メモリ内に格納され得る。
【0143】
プロセッサ1145は、機械可読命令を実行するように構成される。これらの機械可読命令の実行は、デバイスに様々な機能を実行させる。これらの機能は、送信(特に、ネットワークコーディング)、または、例えばキーボード、スクリーン、マウスなどの周辺デバイスとの相互作用に関連する場合がある。プロセッサは例えば、iOS、Windows、Androidなどのオペレーティングシステムを実行することができる。
【0144】
I/Oコントローラ1155は必要とされるハードウェアを提供し、入力信号および出力信号を管理することによって、外部周辺機器とのこれらの相互作用を可能にする。
【0145】
送受信機1135は、他の無線デバイスと双方向に無線通信する。Wi-Fi、Bluetooth、LTE、5G NRなどに接続するために必要なモデムと周波数シフタを提供する。
【0146】
通信は、ベースバンドモデムから発行された周波数転置信号のスペクトルに適合された1つ以上のアンテナのセットを通る。各アンテナセットは1つのアンテナに限定されてもよいが、好ましくはビームフォーミング能力を提供するために、複数のアンテナを含む。
【0147】
UE通信マネージャ1120は、無線アクセスネットワークへのUEの通信確立、その制御、およびその解放を処理する。本発明の一実施形態では、UE通信マネージャ1120が通信マネージャ920、1020、または1220のいずれか1つを指す。
【0148】
UEは、その送信に利用可能なスロットの指示を基地局から受信する。次に、制御プレーンまたはデータプレーンに属するかどうかにかかわらず、入来データを期待する時間や周波数、送信データを送信しなければならない場所を知る。特に、それは、アップリンクおよびダウンリンクにおいて、基地局へ、ネットワークの符号化および復号を実行するUEケイパビリティを示すパラメータを(基地局から受信された要求に応じて)送信することができる。本発明の一実施形態では、これは
図5、
図6、
図7、または
図8の処理フローに従って達成される。
【0149】
この能力は、UEのモデルまたはクラスにアタッチされ得ることに留意されたい。スマートフォンの場合、いくつかのモデルが人気であり、同一の特徴を有する同一のデバイスがいくつかの大きなグループを形成する。IIOTデバイスについては、たとえ異なる製造業者から来たデバイスでクラスを形成しても、デバイスが標準化され、同一の特徴を提示することが期待され得る。UEは要求側基地局に、そのようなモデルであるか、またはそのようなクラスに属することを示すことができ、一例によれば、そのケイパビリティのセット全体を提示する代わりに、それと同時に、その加入者識別情報をネットワークに登録する。ケイパビリティのセットは、製造業者のアクションによってコアネットワークのメモリに事前に記憶されるか、またはクラス代表UEがコアネットワークに初めて登録するときにUEから収集される。登録のための新しい加入者識別情報を(UEから来て基地局によって中継されるメッセージによって)受信すると、コアネットワークは、UEケイパビリティを基地局にダウンロードすることができる。
【0150】
図12は、本発明の実施形態によるネットワークコーディングをサポートする基地局のブロック
図1200を示す。基地局デバイス1205は、基地局通信マネージャ1220、コアネットワーク通信マネージャ1255、送受信機1235、1つ以上のアンテナ1245、メモリ1225、プロセッサ1215、および局間通信マネージャ1265を含む、通信を送受信するためのコンポーネントを含む。これらのエレメントはすべて、互いに通信する。
【0151】
基地局通信マネージャ1220は、複数のUEとの通信を処理する。それは、これらのコミュニケーションの確立、制御、および解放に責任を負う。特に、それは、UEのケイパビリティを要求することができる。応答を受信すると、それはネットワークコーディングケイパビリティをローカルに記憶することができる。基地局通信マネージャ1220は、UEケイパビリティをコアネットワーク通信マネージャ1255に送信する。基地局通信マネージャ1220は、スケジューラを含む。スケジューラは、時間周波数スロットを異なるUEの通信に割り当てる。これらのスロットの占有スケジュールに関する情報は、すべてのアクティブなUEに送信される。
【0152】
コアネットワーク通信マネージャ1255は、コアネットワークとの基地局の通信を管理する。特に、それは、UEケイパビリティをコアネットワークに送信することを担当する。これらの機能は、コアネットワークによって格納される。
【0153】
送受信機1235は、他の無線デバイスと双方向に無線通信する。これらのデバイスは、UE、または他の基地局でさえあり得る。送受信機は、時分割複信(TDD)または周波数分割複信(FDD)において、異なる周波数キャリアを使用して、多数のUEに同時に接続するために必要なモデムおよび周波数シフタを提供する。送受信機は、MIMOコードを提供し得る。送受信機はアンテナに接続される。
【0154】
アンテナセットは1つのアンテナに限定されてもよいが、好ましくはビームフォーミング能力を提供するために、いくつかのアンテナを含む。
【0155】
メモリ1225は、RAM、ROM、またはその両方の組合せを含むか、または非限定的な例として、ディスクまたはソリッドステートドライブなどの大容量記憶デバイスを含む。BIOS命令は、オペレーティングシステムをサポートするためにメモリ内に記憶され得る。
【0156】
プロセッサ1215は様々な機能、例えば、ネットワークコーディングに関連する機能を実行するコンピュータ可読命令を実行する。
【0157】
局間通信マネージャ1265は、他の基地局との通信を管理する。局間通信マネージャはこれらの通信をサポートするために、3GPP(登録商標)標準によって定義されるような標準化されたXnインターフェースを提供することができる。
【0158】
図13は、基地局側で、基地局へのUEによるネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート1300を示す。この方法内の動作は例えば、
図12の通信マネージャ1220において、基地局1200によって実装され得る。
【0159】
UEは接続モードであると仮定され、UEは
図5に関連して、基地局と制御およびユーザデータを交換している。
【0160】
バックグラウンドプロセスとして、基地局は、ネットワークシステムの発展に従う。
【0161】
ステップ1301において、基地局は、UEとのコネクションにネットワークコーディングを適用する必要性を検出する。本発明のいくつかの実施形態によれば、この必要性は、UEの環境に起因する、または新しいUEのコネクションから来る新しい干渉に起因する、伝送品質の低下、または超高信頼性低遅延通信を必要とするデータの新しいフローに起因し得る。これらはもちろん非限定的な例であり、当業者はネットワークコーディングを適用するためのいくつかの他の原因を考慮し得る。
【0162】
そのような必要性が生じた場合、ステップ1302において、基地局はネットワークコーディングを処理するためのUEケイパビリティに関する情報を得るために、制御プレーンを介してUEに要求を送信する。本発明の一実施形態では、この要求がTS38.331で定義されたRRCプロトコルメッセージUECapabilityInquiryを通して実行される。
【0163】
本発明の一実施形態によれば、ステップ1303において、基地局は、プロトコルメッセージUECapabilityInformationにおいてUEのネットワークコーディングケイパビリティを受信する。本発明の一実施形態によれば、このメッセージはTS38.331において定義されたRRC UECapabilityInformationメッセージであってもよく、
図5および
図6に関連して、本文書で前述したように、アップリンクおよびダウンリンクのためのUEのネットワークコーディングケイパビリティの指示を含むように修正される。UECapabilityInformationメッセージは4000バイトまで、かなり長くすることができる。基地局は(ASN.1で符号化された)メッセージを復号し、ネットワークコーディングケイパビリティを抽出しなければならない。
【0164】
ステップ1304において、基地局は、パラメータマネージャ1030を使用して、ネットワークコーディング能力を格納する。次いで、それは、すべてのUEケイパビリティを含むメッセージ内のネットワークコーディング能力をコアネットワークエンティティに送信する。
【0165】
ステップ1305において、ネットワークコーディング・マネージャ1029はアップリンクおよびダウンリンクに関するNCケイパビリティ(処理可能なレッグの数、制約、…)を分析し、それに応じてネットワークエンコーディングおよび/またはデコーディング・エンジンを設定する。
【0166】
本発明の一実施形態ではUEおよび基地局の両方がTS 38.331に従って動作することが想定され、これは情報が回復されていないときに適用されるべき手順を示す。
【0167】
図14は、UE側で、UEによる基地局へのネットワークコーディングケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート1400を示す。この方法内の動作はUE1100によって、またはそのコンポーネントのうちの1つ、たとえば、
図11の通信マネージャ1120内で実施され得る。
【0168】
UEは接続モードであると仮定され、UEは
図5に関連して、基地局と制御およびユーザデータを交換している。
【0169】
バックグラウンドプロセスとして、UEは、ステップ1401において、UEケイパビリティを生成する要求が基地局から受信されたかどうかをチェックする。本発明の一実施形態によれば、この要求は、TS 38.331において定義されるRRCプロトコルメッセージUECapabilityEnquiryである。
【0170】
ステップ1402において、この要求を受信した後、UEはそのネットワークコーディングケイパビリティを含む、そのケイパビリティを有するUECapabilityInformationメッセージを準備し、送信する。本発明の一実施形態によれば、この最後のメッセージはTS 38.331において定義されたRRC UECapabilityInformationメッセージであってもよく、
図5に関連して、本明細書で前述したように、アップリンクおよびダウンリンクのためのUEのネットワークコーディングケイパビリティの指示を含むように修正される。
【0171】
図15は、コアネットワーク側で、基地局へのUEによるネットワークコーディングケイパビリティの指示をサポートする方法の例示的なフローチャート1500を示す。
【0172】
バックグラウンドプロセスとして、コアネットワークエンティティは、基地局からのネットワークコーディング能力を含むメッセージの受信を監視する(ステップ1501)。メッセージはTS 38.413(バージョン16.1.0)に記載されているNGAPメッセージUE RADIO CAPABILITY INFO INDICATIONであってもよく、文書において前述されているように、アップリンクおよび/またはダウンリンクのためのUEのネットワークコーディングケイパビリティの指示を含むように修正されてもよい。
【0173】
このメッセージを受信した後のステップ1502において、コアネットワークエンティティは、このケイパビリティをメモリに格納する。
【0174】
図16は、基地局側で、基地局へのUEによるネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート1600を示す。
【0175】
バックグラウンドプロセスとして、基地局は、UEから来る制御メッセージを待つ。
【0176】
ステップ1601において、基地局は、UEから報告メッセージを受信する。このメッセージは例えば、TS 38.331(バージョン16.0.0)に記載されたRRCメッセージUEAssistanceInformation、又はTS 38.331(バージョン16.0.0)に記載されたRRCメッセージSCGFailureInformation、又はTS 38.331(バージョン16.0.0)に記載されたRRCメッセージMesaurementReportであってもよい。
【0177】
ステップ1602において、基地局はメッセージを分析し、報告が、UEのネットワークコーディング・ケイパビリティに(肯定的または否定的に)、一時的でさえ影響を及ぼすかどうかを決定する。
【0178】
ステップ1603において、基地局は新しいネットワークコーディング・ケイパビリティを更新して記憶し、新しいネットワークコーディング・ケイパビリティを含むメッセージをコアネットワークエンティティに送信することができる。この最後のメッセージは、TS 38.413(バージョン16.1.0)で説明されるNGAPメッセージであるUE RADIO CAPABILITY INFO INDICATIONであり得る。
【0179】
図17は、UE側で、UEによる基地局へのネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート1700を示す。バックグラウンドプロセスとして、UEは、その動作条件およびその内部パラメータをチェックする。
【0180】
ステップ1701において、UEは、何らかの変更を検出する。本発明の一実施形態では、これは過熱している状況、伝送の失敗、無線伝搬条件の発展などであり得る。当業者は、UEが報告すべき他の注目すべき変化を見出すことができる。
【0181】
ステップ1702において、UEは、ステータスレポートを基地局に送信する。本発明の一実施形態では、このメッセージがTS 38.331(バージョン16.0.0)に記載されたRRCメッセージであるUEAssistanceInformationである。本発明の別の実施形態ではこのメッセージがTS 38.331(バージョン16.0.0)に記載されたRRCメッセージであるSCGFailureInformationである。本発明のさらに別の実施形態ではこのメッセージがTS 38.331(バージョン16.0.0)に記載されたRRCメッセージであるMesaurementReportである。
【0182】
図18は、基地局側で、基地局へのUEによるネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート1800を示す。
【0183】
バックグラウンドプロセスとして、基地局は、コアネットワークから来る制御メッセージを待つ。
【0184】
ステップ1801において、基地局は、コアネットワークエンティティからメッセージを受信する。このメッセージは、TS 38.413(バージョン16.1.0)に記述されたNGAPメッセージであるUE RADIO CAPABILITY CHECK REQUESTであってもよい。
【0185】
ステップ1802において、基地局は、要求をUEに送信する。この要求は例えば、TS38.331リリース15の段落5.6.1.1.で定義されているRRCプロトコルメッセージであるUECapabilityInquiryである。
【0186】
ステップ1803において、基地局は、UEからメッセージを受信する。このメッセージはRRCメッセージであるUECapabilityInformationであってもよく、文書において前述されたように、アップリンクおよび/またはダウンリンクのためのUEネットワークコーディング・ケイパビリティの指示を含むように修正される。
【0187】
ステップ1804において、基地局は、UEネットワークコーディング・ケイパビリティを格納または更新する。次に、コアネットワークにメッセージを送信する。メッセージは、TS 38.413(バージョン16.1.0)で説明されるNGAPメッセージであるUE RADIO CAPABILITY INFO INDICATIONであり得る。
【0188】
図19は、コアネットワーク側で、基地局へのUEによるネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート1900を示す。
【0189】
ステップ1901において、コアネットワークは、メッセージを基地局に送信する。例えば、このメッセージは、TS 38.413(バージョン16.1.0)に記載されているNGAPメッセージであるUE RADIO CAPABILITY CHECK REQUESTであり得る。
【0190】
ステップ1902において、コアネットワークは、基地局からメッセージを受信する。このメッセージは例えば、TS 38.413(バージョン16.1.0)に記載されているNGAPメッセージであるUE RADIO CAPABILITY INFO INDICATIONであってもよい。
【0191】
図20は、UE側で、UEによる基地局へのネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート2000を示す。
【0192】
バックグラウンドプロセスとして、UEは、基地局から来るRRC制御メッセージを待つ。
【0193】
ステップ2001において、UEは、RRCSetupメッセージを受信する。
【0194】
ステップ2002において、UEは、RRCCompleteメッセージを送信する。TS38.331によれば、このメッセージは本明細書で前述したように、アップリンクおよび/またはダウンリンクのためのUEネットワークコーディング・ケイパビリティの指示を含むように修正された、すべてのUEケイパビリティを含む。
【0195】
図21は、基地局側で、基地局へのUEによるネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法の例のフローチャート2100を示す。
【0196】
ステップ2101において、基地局は、RRCSetupメッセージ(仕様TS38.331に記載されている)をUEに送信する。このメッセージはランダムアクセスチャネルを使用して基地局にUEをアタッチした後に、基地局によって発行され得る。
【0197】
ステップ2102において、基地局は、RRCCompleteメッセージ(仕様書TS38.331に記載されている)を受信する。このメッセージはUEケイパビリティを含み、本明細書で前述したように、アップリンクおよび/またはダウンリンクのためのUEネットワークコーディング・ケイパビリティの指示を含むことができる。
【0198】
ステップ2103において、基地局は前に受信されたRRCCompleteメッセージに埋め込まれたUEのネットワークコーディング・ケイパビリティ情報を保存し、メッセージをネットワークコアに発行する。このメッセージは例えば、仕様書TS 38.413に記載されている初期UEメッセージであってもよい。
【0199】
図22は、本発明の実施形態による、ネットワークコーディング(NC)・ケイパビリティ通知をサポートする処理フロー2200の例を示す。それはUE2201がTS 38.331において定義されるようにRRC接続状態にあると仮定し、つまり、UE2201は基地局2202(5G NRネットワークにおけるgNBであり得る)に接続される。UE2201は、コアネットワークエンティティ2203に登録され得る。本発明の一実施形態ではコアネットワークが5Gコアネットワークであり、コアネットワークエンティティ2203は3GPP(登録商標)標準TS 23.501で定義されるような、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)である。
【0200】
本発明の一実施形態によれば、UE2201は
図1のUE101または
図2のUE201を参照する。本発明の別の実施形態によれば、基地局2202は、
図1の基地局102または
図2の基地局202-aを参照する。
【0201】
ある時点で、基地局2202は、UE2201の能力、特にそのNCケイパビリティを必要とし得る。それは、いったんUEが接続または登録されると、システマティック(体系的)なチェックでありうる。それはまた、データフローがUE2201との間で送信または受信されなければならないときにトリガされ得る。
【0202】
この目的のために、メッセージ2206がコアネットワークエンティティ2203に送信される。本発明の一実施形態では、メッセージ2206が5G NRで定義された1つ以上の特徴に関するUE2201のケイパビリティを提供するためのコアネットワークエンティティ2203への一般的な要求であり得る。本発明の別の実施形態では、メッセージ2206がUE2201のNCケイパビリティのみを提供するようにコアネットワークエンティティ2203に要求することができる。本発明の別の実施形態では限定はしないが、キャリアアグリゲーション、デュアルコネクティビティ、またはPDCP複製などのケイパビリティの特徴のサブセットも、メッセージ2206を介して要求され得る。
【0203】
本発明の一実施形態では、メッセージ2206がUE2201の一意の識別子またはUEのクラスを含むRRCメッセージである。本発明の別の実施形態では、メッセージ2206がUE2201のケイパビリティの特徴のサブセットに関連するいくつかの情報も含むRRCメッセージである。
【0204】
メッセージ2206を通して、コアネットワークエンティティ2203は、UEのNCケイパビリティを基地局2202に通知するための要求を受信する。本発明の一実施形態では、1つ以上の他のUE2201のケイパビリティの特徴も要求される。ステップ2207において、コアネットワークエンティティ2203はその内部パラメータをチェックし、基地局2202に送信されるべき応答をフォーマットする。応答は、UE2201に関連するNCケイパビリティ情報を含むメッセージ2208である。本発明の一実施形態では、メッセージ2208がUECapabilityInformationを埋め込むRRCメッセージであり、仕様書TS 38.331(バージョン16.0.0)において定義され、NCケイパビリティ情報のフォーマットを扱う仕様書のいくつかの実施形態の全部または一部において説明されるように、UEネットワークコーディング・ケイパビリティの指示を含むように修正される。
【0205】
メッセージ2208の受信に応答して、ステップ2209において、基地局2202はネットワークコーディング・ケイパビリティを含むUE2201の能力を内部メモリ(例えば、RAM)に格納する。
【0206】
図23は、
図19に関連して、基地局側の基地局へのコアネットワークエンティティによる所与のUEのためのネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法を示すフローチャート2300を提示する。
【0207】
この方法における動作は、例えば
図12の通信マネージャ1220内の、基地局1500によって実施され得る。
【0208】
ステップ2301において、基地局は少なくとも1つの所与のUEがネットワークコーディングを処理するためのキャパシティに関する情報を得るために、制御プレーンを通してコアネットワークエンティティに要求を送信する。本発明の一実施形態では、この要求がRRCプロトコルメッセージを介して実行される。
【0209】
本発明の一実施形態によれば、基地局はステップ2302において、
図22に関連して文書で前述したように、アップリンクおよびダウンリンクのための少なくとも1つの所与のUEのネットワークコーディング・ケイパビリティの指示を含むように修正された、TS38.331において定義されたUECapabilityInformationメッセージに存在する情報の全部または一部を埋め込むプロトコルメッセージにおいて、UEのネットワークコーディング・ケイパビリティを受信する。
【0210】
ステップ2303において、基地局は、パラメータマネージャ1030を使用して、少なくとも1つのUEのネットワークコーディング・ケイパビリティを格納する。
【0211】
UEのネットワークコーディング・ケイパビリティメッセージが受信されないか、または基地局において回復されないことが起こり得る。本発明の一実施形態では、コアネットワークエンティティと基地局の両方が、情報が回復されていないときに適用される手順を動作させることになっている。
【0212】
図24は、
図22に関連して、コアネットワークエンティティ側の基地局へのコアネットワークエンティティによるネットワークコーディング・ケイパビリティの指示をサポートする方法を示すフローチャート2400を示す。本方法における動作はコアネットワークエンティティによって実施されてもよい。本発明の一実施形態ではコアネットワークが5Gコアネットワークであり、コアネットワークエンティティ2203は3GPP(登録商標)標準TS 23.501で定義されるような、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)である。
【0213】
バックグラウンドプロセスとして、コアネットワークエンティティは、ステップ2401において、UE能力を生成する要求が基地局から受信されたかどうかをチェックする。
【0214】
ステップ2402において、1つ以上のUEのネットワークコーディング・ケイパビリティを含む能力を生成するための基地局からの要求を受信した後、コアネットワークエンティティは、
図22に関連して本明細書で前述したように、アップリンクおよびダウンリンクのための要求された1つ以上のUEのためのネットワークコーディング・ケイパビリティの指示を含むように修正され、TS38.331において定義されたUECapabilityInformationメッセージに存在する情報のすべてまたは一部を埋め込むメッセージを準備し、送信する。
【0215】
本発明のアルゴリズムの任意のステップはPC(パーソナルコンピュータ)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)またはマイクロコントローラなどのプログラマブルコンピューティングマシンによる命令またはプログラムのセットの実行によってソフトウェアで実施されてもよく、あるいはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などのマシンまたは専用コンポーネントによってハードウェアで実施されてもよい。
【0216】
以上、本発明を特定の実施形態を参照して説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にある当業者には修正が明らかであろう。
【0217】
多くのさらなる修正および変形が、前述の例示的な実施形態を参照することにより当業者に示唆されるであろうが、これらは例示としてのみ与えられており、本発明の範囲を限定する意図はなく、それは添付の請求項によってのみ決定される。特に、必要に応じて、様々な実施形態からの異なる特徴を交換することができる。
【0218】
以上説明した本発明の各実施形態は単独で実施することもできるし、複数の実施形態を組み合わせて実施することもできる。また、様々な実施形態からの特徴は、必要に応じて、または単一の実施形態における個々の実施形態からの要素または特徴の組み合わせが有益である場合に組み合わせることができる。
【0219】
請求項において、単語「有する(comprising)」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。異なる特徴が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの特徴の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0220】
本発明の実施形態は無線アクセスネットワーク(RAN)を介して基地局に、ユーザ装置(UE)によって、ネットワークコーディングを実行するUEの能力を示す無線リソース制御(RRC)信号を送信するための方法を提案する。
【0221】
本発明の別の実施形態はコアネットワークを介してコアネットワークエンティティに、基地局によって、ネットワークコーディングを実行するために基地局に接続されたユーザ装置(UE)の能力を示す無線リソース制御シグナリングを送信するための方法を提案する。
【0222】
本発明の別の実施形態は、コアネットワークエンティティによって、基地局に接続されたユーザ装置(UE)がネットワークコーディングを実行する能力を示す無線リソース制御シグナリングを、コアネットワークを介して基地局に送信するための方法を提案する。