(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】リユース統合システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/30 20230101AFI20240111BHJP
【FI】
G06Q10/30
(21)【出願番号】P 2023066020
(22)【出願日】2023-04-14
【審査請求日】2023-04-22
(31)【優先権主張番号】P 2022145909
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516116699
【氏名又は名称】東 由紀子
(72)【発明者】
【氏名】東 由紀子
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-099674(JP,A)
【文献】特開2011-141800(JP,A)
【文献】特開2002-197182(JP,A)
【文献】特開2004-139931(JP,A)
【文献】国際公開第2021/241648(WO,A1)
【文献】特開2006-134295(JP,A)
【文献】特開2001-052076(JP,A)
【文献】特開2010-003192(JP,A)
【文献】特開2004-326306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用主体間で再利用可能な機能物品をリユースすることで算出されたリユース反映削減数値と、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、コンピューターで統合するシステムであって、
リユース識別情報、前記機能物品の温室効果ガス排出量により算出された前記機能物品に対応する温室効果ガス排出量削減の算定数値を含むRデータベースと、
前記経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を読み込み取得し、前記経済主体ごとに管理、記憶する手段と、
前記機能物品の被読み取り表示から前記リユース識別情報を読み取る入力手段と、前記入力手段により読み取られた前記リユース識別情報に基づいて、設定された価格を前記機能物品のリユース対価として算出する対価演算手段と、
前記入力手段により読み取られた前記リユース識別情報と、前記Rデータベースから取得した算定数値に基づいて、前記リユース反映削減数値を算出し蓄積させる反映演算手段と、前記リユース反映削減数値と前記経済主体が算出した前記温室効果ガス排出量削減数値を統合する統合手段を有しており、
前記対価演算手段は、金銭的対価以外の対価を利用して演算する場合、前記機能物品を利用することで、前記金銭的対価以外の対価をリユース対価として、温室効果ガス排出量削減の算定数値の代わりに数値化、可視化するように構成されている、
温室効果ガス排出量削減数値を統合することを目的とするリユース統合システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温室効果ガス排出量削減数値を統合するリユース統合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガスの削減が急務となっている中、いかにリユースを有効利用できるかも問われている。再生品のリユースを行うサービスを提供するための技術として公開済みのものもある(特許文献1参照)。特許文献1は、再生されるという結果だけが得られるリユース技術であり、再生しても温室効果ガスの削減の貢献度が可視化され難いシステムである。
特許文献1には、再生受付店に燃料電池を持ち込み、店舗端末で各燃料電池固有のIDを読み出し、管理センタに現在庫数を通知し、再生回数のチェックなどを行い、持ち込まれた燃料電池と再生済燃料電池の交換を行い料金の収受も行うことが記載されている。また、流通管理サーバがIDをキーに、流通管理サーバに対応付けて管理する燃料電池ごとの再生回数データを問い合わせ、再生工場にて再生を行うと、再生済燃料電池の送付を受けた再生受付店へ戻し、流通管理サーバが管理する再生回数データを更新し、再生工場から再生現品の戻しの通知を受けた管理センタでは流通管理サーバによる在庫管理を行うことが記載されている。
特許文献2には、環境ポイントサービスシステムを利用する、ユーザの行動におけるCO2排出削減量を収集する排出削減量管理システムであり、算出した排出削減量を、ユーザを識別する複数の識別情報の1つに対応付けて蓄積し、関連付けられた複数の識別情報に対応する複数の排出削減量を収集、収集された排出削減量を貨幣的価値に変換することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-139931号公報
【文献】特開2011-145903号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、燃料補給による再生済燃料電池の交換、料金の収受を行う、IDにより再生品を受付、再生回数情報利用し、再生品の管理を行い一交換取引に対応するフローの技術である。内包物の補給による取引であり、補給が目的のため受付のみの取引を含まないシステムである。料金を収受するステップにおいてその演算等の詳細の記載が無く、受付のみの料金、交換の料金、再生済燃料電池のみの購入料金に分けて料金の収受ができるシステムであることの記載もない。また、一連の取引のフローの後に、それによる影響が再生演算数値から他へ広がるものではない。つまり、燃料電池を受付けて交換し、不足した在庫を再生した再生済燃料電池として戻す一連の流れに、再生回数などの管理を行う迄のシステムに止まっている。
特許文献2は、管理されたユーザを識別する識別情報が、ユーザに関する識別情報を関連付けて記憶部に登録し、関連付けられた複数の識別情報に対応する複数の排出削減量を記憶部から収集する排出削減量収集手段を備え、排出削減量収集手段が収集した排出削減量を貨幣的価値に変換する変換手段をさらに備え、ユーザを識別する複数の識別情報の1つに対応付けて記憶部に蓄積する排出削減量取得ステップと、特定のユーザに関する識別情報を関連付けて記憶部に登録する登録ステップ、関連付けられた複数の識別情報に対応する複数の排出削減量を記憶部から収集する排出削減量収集ステップを実行する管理システムとプログラムである。つまり、ユーザの行動による温室効果ガスの排出削減量を、ユーザを識別する識別情報により収集するシステムであり、ユーザの行動による温室効果ガスの排出削減量は、ユーザが利用する移動手段による消費電力量の削減、購入商品のカーボンフットプリントに応じた削減など、ユーザの行動により消費されていく温室効果ガスの排出削減量を収集するシステムであり、消費する際の温室効果ガスの排出削減量を収集し、貨幣的価値に変換することを目的としている。
【0005】
本発明は、小さな温室効果ガス排出量削減数値から大きな効果を生むことにより積極的な温室効果ガス排出量削減に貢献することを目指しており、リユースすることにより温室効果ガスの排出量の削減への貢献値を数値化し統合するシステムであり、リユースにおける利便性のみならず、その効果がリユース取引に関わる主体、他経済主体へ繋がることを目的とするシステムである。一主体では小さな貢献数値をリユース取引に賛同する経済主体と共に、統合することで、大きな数値として貢献しその可能性を構築する。既に購入したものを賛同する消費者間で可能な限り繰り返し使い、廃棄することを抑制してリユースすることにより削減に貢献することができ、経済主体の温室効果ガス排出量削減数値と統合し、大きな数値として貢献することを目指すシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、利用主体間で再利用可能な機能物品をリユースすることで温室効果ガス排出量を削減できる数値を、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値とするリユース反映削減数値と、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、コンピューターで統合するシステムであって、前記機能物品を、リユースすることで削減できる前記温室効果ガス排出量削減数値を前記リユース反映削減数値として算出する反映演算手段と、前記経済主体が算出した前記温室効果ガス排出量削減数値を読み込む取得手段と、前記取得した前記経済主体の前記温室効果ガス排出量削減数値を集計する集計手段と、前記集計した情報を蓄積し、前記蓄積した情報にアクセス可能なリンクを備えた情報共有手段と、前記リユース反映削減数値と前記経済主体が算出した前記温室効果ガス排出量削減数値を統合する統合手段を有するリユース統合システムである。
また、利用主体間で再利用可能な機能物品をリユースすることで温室効果ガス排出量を削減できる数値を、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値とするリユース反映削減数値と、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、コンピューターで統合するシステムであって、保持表示を含む読み取り可能に対応させた被読み取り表示から前記機能物品の前記リユース識別情報を読み取る入力手段と、前記入力手段の入力情報により、前記機能物品の価値評価をするリユース対価を算出する対価演算手段と、前記機能物品を、リユースすることで削減できる前記温室効果ガス排出量削減数値を前記リユース反映削減数値として算出する反映演算手段と、前記経済主体が算出した前記温室効果ガス排出量削減数値を読み込む取得手段と、前記取得した前記経済主体の前記温室効果ガス排出量削減数値を集計する集計手段と、前記集計した情報を蓄積し、前記蓄積した情報にアクセス可能なリンクを備えた情報共有手段と、前記リユース反映削減数値と前記経済主体が算出した前記温室効果ガス排出量削減数値を統合する統合手段を有するリユース統合システムである。
更に、利用主体間で再利用可能な機能物品をリユースすることで温室効果ガス排出量を削減できる数値を、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値とするリユース反映削減数値と、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、コンピューターで統合するシステムであって、保持表示を含む読み取り可能に対応させた被読み取り表示から前記機能物品の前記リユース識別情報を含む入力情報を読み取り、カウント演算、入庫処理方法を有する入力手段と、前記入力手段の入力情報により、前記機能物品の価値評価をするリユース対価を算出する対価演算手段と、前記機能物品を、リユースすることで削減できる前記温室効果ガス排出量削減数値を前記リユース反映削減数値として算出する反映演算手段と、前記経済主体が算出した前記温室効果ガス排出量削減数値を読み込む取得手段と、前記取得した前記経済主体の前記温室効果ガス排出量削減数値を集計する集計手段と、前記集計した情報を蓄積し、前記蓄積した情報にアクセス可能なリンクを備えた、前記蓄積した情報とコンピューターから得られる最新情報を反映させ、反映により処理された抽出情報を出力される方法を有する情報共有手段と、前記リユース反映削減数値と前記経済主体が算出した前記温室効果ガス排出量削減数値を統合する統合手段を有するリユース統合システムである。
【0007】
消費者が保有している使用済みの機能物品を、拠点で交換できるリユースシステムであって、機能物品のリユース識別情報を含む情報の、保持表示を含む読み取り可能に対応させた被読み取り表示を備え、消費者が利用したい拠点に機能物品を持ち込み、拠点においてリユース識別情報を含む情報を、リユース識別情報を含む情報のデータベースを有するサーバと接続されている拠点の端末で入力することにより、取得情報をデータベースのデータと照合、リユースシステム機能物品と認識、リユース識別情報を含む情報により演算され、リユース反映削減数値を算出し、リユース数をカウントすると同時にリユースシステム機能物品の交換データを管理でき、使用可能な機能物品のリユース識別情報を含む情報を入力、データと照合して使用可能な機能物品の在庫をカウントし、リユース反映価格が出力されて使用可能な機能物品と交換ができる、受領した使用済みの機能物品は、再販売できる状態になったら、リユース識別情報を含む情報を入力、使用可能な機能物品の在庫としてカウントし管理する、リユース識別情報を含む情報により、共通情報としてのリユース識別情報を認識すること、異なる情報が含まれていることが共に認識され、価格に反映される、拠点において機能物品の回収、再利用を行えるリユースシステムである。
【発明の効果】
【0008】
上述したように本発明のリユース統合システムは、利用主体間で再利用可能な機能物品を、有効に利用することができるため温室効果ガス排出量削減の一助になり、需要のある拠点で適宜供給できる消費者の利便性を向上させる。容易に再利用でき、リユースを繰り返すことで対価を得て、リユースすることによる温室効果ガス排出量削減数値と経済主体により削減された温室効果ガス排出量の数値を統合し、更に、情報の共有による更なる可能性を引き出すことが期待できるリユース統合システムの提供を目的とする。汎用されている識別情報を利用すれば、製造元、販売先が異なる場合でも、機能物品を共通した規格に一元化することもでき、最低限の情報で管理し交換時の清算が容易になり、システム導入の負荷も少ない。また、機能物品を持ち込まない場合も機能物品を購入でき、リユースサイクルの参加を無理なく広げられる。機能物品の単価が低く事業として成立しない場合でも、付加価値のある機能物品のリユースと、消費者の需要により拠点への集客が見込めて、リユースでありながらリユースが繰り返されることで利益を得て、消費者の望んでいるサービスの実現と社会貢献への効果が期待できる。更に、経済主体が行った温室効果ガス排出量削減数値を統合することで、小さな数値を増大させて、経済主体間の情報共有により新たな可能性を見出し、一主体では小さな貢献値を無駄なく大きな効果へと結び付けられる、積極的なリユースの促進と温室効果ガス排出量の削減を目指すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のリユース統合システムの構成の一例を示す概略
図1である。
【
図2】本発明のリユース統合システムの構成の一例を示す概略
図2である。
【
図3】本発明のリユース統合システムの構成の具体例を示す概略
図3である。
【
図4】本発明のリユース交換、購入時のサイクルの一例を示す概略
図4である。
【
図5】
図4のリユース交換時のフローチャート例1である。
【
図6】本発明のリユース統合システムのフローチャート例2である。
【
図7】本発明のリユース統合システムのフローチャート例3である。
【
図8】本発明リユース統合システムのカウント演算を含むフローチャートの例4である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のデータベース、サーバ、主体、算定数値、排出量削減数値について説明する。
本発明の機能物品とは、利用主体間で再利用可能な機能物品であり、例えば、内包物を再生可能な物品である、保冷材、保温材などが挙げられる。利用主体の間で行われる再利用であり、再利用可能な機能物品を必要となった時に、必要な拠点でリユースできるものである。
リユース識別情報2は、機能物品に対応する、例えば、メーカーコード、アイテムコードなど機能物品の基本情報で構成されている。リユース識別情報2を含む情報として、例えば、リユース識別情報2に判別情報が付されている場合、拠点端末7に備えられた切り替えボタンなどで手入力する方法も含み、持ち込まれた使用済みの機能物品か、再販売可能な機能物品かで判別する情報を含んで管理する方法などが挙げられる。ここで、図中のフローチャートにおける機能物品は、使用済みで持ち込んだ機能物品を使用済物品8、再生させ販売できるようになった機能物品を使用可能物品9と記載する。
【0011】
Rデータベース3とは、少なくとも機能物品の温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する温室効果ガス排出量削減の算定数値情報を含んでおり、例えば、
図1の概略図の一例に記載のリユースシステム導入主体サーバ1など、本発明のリユース統合システム運用時に温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値情報の送受信が必要なサーバと通信網で接続可能であり、例えば、リユース識別情報2、算定数値、リユース数、リユース反映削減数値などの機能物品の情報を含んでいるデータベースである。リユース識別情報2は、例えば、メーカーコード、アイテムコードなど機能物品の基本情報で構成されており、算定数値は、温室効果ガス排出量により、それぞれの機能物品別に算出された排出量削減数値であり、リユース数は、持ち込まれた機能物品がカウントされ蓄積されていく数値である。リユース反映削減数値は、例えば、算定数値と持ち込まれた機能物品のカウントを演算し蓄積されていく数値である。また、Rデータベース3は、
図1の概略図の一例に記載のように、リユースシステム導入主体サーバ1が所有している場合のほか、外部の算定数値算出専門主体などが、所有、管理、保有、設置などしている場合も含み、Rデータベース3の所有者、管理者、保有者、設置場所などを限定するものではなく、本発明から排除するものではない。
【0012】
リユースシステム導入主体サーバ1とは、本発明のリユース受付時、接続先との情報の送受信を行うリユースシステム導入主体のサーバである。
図1に示したリユースシステムデータベース4とは、物品を判別する判別情報を含む、リユース識別情報2を含む情報を記憶し、リユースシステム導入主体サーバ1と接続されている。例えば、リユースシステムデータベース4のテーブル構成の一例として、リユース識別情報2、在庫、リユースカウントなどが挙げられる。また、Rデータベース3、統合システムデータベースは、リユース統合システム運用時に温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値情報の送受信が必要なサーバと通信網で接続可能であり、実施例形態ではリユースシステム導入主体サーバ1と一体に記載したが、クラウドにあるなど一体でなくデータの送受信できる場所にあれば良く、リユースシステムデータベース4、Rデータベース3、統合システムデータベースの場所を限定するものではない。
【0013】
経済主体とは、経済活動を行っている個人、企業等であり、どのような主体であっても良いが、例えば、
図1で示した機能物品メーカーが統合する経済主体の場合を説明する。一例として、
図1で示したリユースシステム導入主体サーバ1が、Rデータベース3の温室効果ガス排出量により算出させた機能物品に対応する算定数値より、リユース反映削減数値を演算し、そのリユース反映削減数値と、リユースシステム導入主体が削減した温室効果ガスの排出量削減数値と、機能物品メーカーが削減した温室効果ガスの排出量削減数値から、温室効果ガス排出量削減数値を統合する場合が挙げられる。統合する経済主体は、外部の経済主体であることも含み、前述した機能物品メーカーに限定されず、
図1で示した複数の経済主体のいずれでも、温室効果ガス排出量削減数値を統合できる経済主体であれば良い。従って、リユースシステム導入主体サーバ1が統合する経済主体サーバとして全てを統合することもできる。一主体では小さな温室効果ガスの排出量削減数値であっても、統合可能な温室効果ガス排出量削減数値であれば、複数の経済主体の温室効果ガスの排出量削減数値を統合して利用することで、より小さな貢献数値を無駄なく効果へと結び付けられる。
【0014】
温室効果ガス排出量とは、環境省の排出量算定の流れより、排出活動の抽出、活動ごとの排出量の算定、排出量の合計値の算定、排出量の二酸化炭素換算値の算定などにより算出される。本発明の温室効果ガス排出量は、リユースによるものと、経済主体によるものであり、経済主体による温室効果ガス排出量は、前述した排出量算定の流れにより算出され、その経済主体が削減した削減量が温室効果ガス排出量削減数値である。「温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値」は、廃棄することなくリユースすることによる温室効果ガス排出量削減数値であり、例えば、焼却に掛かる廃棄物の輸送と焼却で排出される二酸化炭素排出削減量を-CO2/kgとして算出するものである。購入したものを繰り返しリユースして、焼却を減らし廃棄による温室効果ガス排出量を削減することを目的として算出される数値である。ここで挙げた算定数値、計算方法例においては、随時温室効果ガス排出量算定方法の規定に従い公的情報の利用により行われ、前述した計算方法に限定されるものではない。
【0015】
経済主体の温室効果ガス排出量削減数値は、環境省の温室効果ガス排出量の算定方法により算出される、削減した数値を演算したものである。他人から供給された電気の使用を例に挙げると、算定式は電気使用量に、単位使用量当たりの排出量を乗じて求めると規定されている。この規定から、事業活動で削減した電気使用量を基に算出される例である。算定方法、算定式においては、随時温室効果ガス排出量算定方法の規定に従い公的情報の利用により行われ、前述した計算方法に限定されるものではない。
【0016】
「保持表示を含む読み取り可能に対応させた被読み取り表示」とは、機能物品に関連付けられたリユース識別情報2の被読み取り表示を読み取り可能に表示している場合、機能物品にリユース識別情報2を付した印刷表示、リユース識別情報2を別途認識するように印刷したシート表示物などである。機能物品に関連付けられたリユース識別情報2を含む情報の被読み取り表示を読み取り可能に表示している場合、機能物品に表示したリユース識別情報2を含む情報を付した印刷表示、リユース識別情報2を含む情報を別途認識するように印刷したシート表示物などが挙げられる。前述した機能物品に付した印刷表示と別途認識するように印刷したシート表示物は併せて使用しても良いし、その他の被読み取り表示との組み合わせでも良い。更に、リユース識別情報2を含む情報の内、リユース識別情報2と判別情報などの付された情報を別々にして又は印刷表示などして、入力時に併用することも含み、本発明の趣旨に基づき種々変更可能で本発明から排除するものではない。
【0017】
反映演算手段とは、リユース識別情報2を含む情報とRデータベース3から取得した機能物品の温室効果ガス排出量により算出されたリユースした機能物品に対応する温室効果ガス排出量を削減した算定数値と、例えば、持ち込んだ使用済物品8の数を演算することにより、機能物品に対応するリユース反映削減数値として算出し蓄積させる手段である。これは、読み出した情報を基に、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値の機能物品実数量値を求めることができる例である。機能物品の温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値は、新規購入せずに廃棄することなくリユースすることによる温室効果ガス排出量削減数値であり、例えば、焼却に掛かる廃棄物の輸送と焼却で排出される、二酸化炭素排出削減量を-CO2/kgとして算出する。算定方法においては、随時温室効果ガス排出量算定方法の規定に従い公的情報の利用により行われ、前述した計算方法に限定されるものではない。
【0018】
集計手段とは、例えば一定期間ごと又は一定数量ごとに集計し、集計した数値を利用して分析や情報共有に反映させる手段である。設定方法により様々な集計手法が選択でき、例えば、集計結果より温室効果ガス排出量削減数値を対価演算する、対価演算した対価を寄付する選択ができるなど、温室効果ガス排出量削減数値情報の集計結果により経済主体のPRとして利用することも考えられる。また、集計情報を管理することで、例えば経済主体の業種別、規模別に削減分析を行い、削減値からの傾向と削減未着手部分の情報の分析結果のフィードバックをするなど、他企業削減状況の経過情報データ化による共有を目的とすることなどが挙げられる。
【0019】
情報共有手段とは、集計手段で管理し蓄積した情報を、共有可能な情報にアクセス可能なリンクを備えた共有情報を、温室効果ガス排出量削減情報を送信した経済主体と共有する手段である。温室効果ガス排出量削減数値情報を送信した経済主体は、統合経済主体サーバ5が蓄積した情報を、リンクを備えた共有情報から利用可能な情報として共有する。更に、蓄積した情報とコンピューターから得られる最新情報を反映させ、反映により処理された抽出情報を出力する方法とは、最新情報が、例えば、AIなどから得られる情報であることを例に挙げると、蓄積した共有情報とAIなどの知的な推論、判断をする情報を併せて最適化するために、コンピューターにより両方の情報から、ポイントとなる数値を抽出させる演算処理、材料などのキーワードを抽出させる言語処理、コストによるソート処理などの抽出情報を出力させる方法である。温室効果ガス排出量削減促進技術に加えて、最新情報により新規開発を行う際の最適な形状、材料などの情報を得る、新しい技術、新たな価値の創造や効果が生まれることも予想される。また、リユースからの情報の共有、統合の結果として、繰り返しリユースするための、リユースに耐えうる、付加価値機能物品などの新規リユース商品開発につながることも期待できる。
【0020】
統合手段について、リユース識別情報2を含む情報とRデータベース3の情報を受信し、リユース反映削減数値を演算したサーバが統合経済主体である場合の例を挙げて説明する。統合経済主体がリユースシステム導入主体である場合、リユースシステム導入主体が削減し算出した温室効果ガスの排出量削減数値と、蓄積されたリユース反映削減数値と、リユースシステム導入主体以外の経済主体、例えば機能物品メーカー、ポイントシステム運用主体などが削減し算出した統合可能な温室効果ガス排出量削減数値より、温室効果ガス排出量削減数値を統合する一例がある。つまり、数値を統合する経済主体である統合経済主体が、統合経済主体が削減した温室効果ガス排出量削減数値と、リユース反映削減数値の蓄積数値より、温室効果ガス排出量削減数値を統合する方法、統合経済主体が削減した温室効果ガス排出量削減数値を含む、統合経済主体以外の経済主体の統合可能な温室効果ガス排出量削減数値と、リユース反映削減数値の蓄積数値を統合する方法などがある。
この統合された温室効果ガス排出量削減数値は取引することも想定される。統合経済主体は、リユース反映削減数値を演算する主体であると効率的ではあるが、リユース反映削減数値を演算する主体と同一か否かを限定するものではなく、温室効果ガス排出量削減数値を統合する主体、統合後の利用先などによって種々変更が可能である。この例の場合では、リユースシステム導入主体サーバ1が温室効果ガス排出量削減数値を統合してエンドとなり、統合した数値の利用主体は限定していない。この例以外で挙げられる利用主体としては、機能物品メーカー、ポイントシステム運用主体、Rデータベース3が外部に管理等されていて、この管理等の主体が温室効果ガス排出量削減数値を統合し利用することなどが挙げられる。すなわち、本発明は、リユースにより演算したリユース反映削減数値と温室効果ガスの排出量削減数値を統合した、温室効果ガス排出量削減数値を利用することが目的であり、利用先を限定するものではなく、本発明から排除するものではない。
また、リユースを受け付けてリユース対価を算出する主体、リユースの算定数値よりリユース反映削減数値を算出する主体、経済主体の算出した温室効果ガス排出量抑制数値を統合する主体、蓄積統合した情報と最新情報の反映により処理された抽出情報を出力する主体、全てを同じ主体が行う、全てを異なる主体が行う、数主体で行うなど、いずれの選択も可能なシステムで、各手段を行う主体の選択が可能であることを特徴とする。ここで、統合可能な温室効果ガス排出量削減数値とは、例えば、温室効果ガス排出量削減対象ではない主体で、積極的に削減実行しているが数値としては小さいなど、他と統合することで大きな数値となり得る、統合主体とデータ接続可能な、温室効果ガスの排出量削減の算定規定に準じた算出が行える主体の温室効果ガス排出量削減数値を指している。
【0021】
入力手段とは、リユース識別情報2を、又はリユース識別情報2を含む入力情報を、保持表示を含む読み取り可能に対応させた被読み取り表示から、情報リーダーで読み取る、又はその他の方法で入力する手段である。リユース識別情報2含むとは、例えば、リユース識別情報2に判別情報を付して入力、又はリユース識別情報2の入力切り替えなどして入力する場合も含むものであり、判別情報が有っても良いし、無くて利用できる場合も含むことを指す。また、判別情報を付すとは、一連に付されていても良いし、別々に付すこともでき、例えば、判別情報のみ別表示することも考えられる。
判別情報を付さずにリユース識別情報2のみを使用し入力する場合を例に挙げると、拠点で持ち込み価格と購入のみの価格をそれぞれ予め決めておき、リユース識別情報2を入力した後、それぞれの価格を手入力した情報により、持ち込み価格である割引価格とリユース購入価格が演算され、交換時のリユース反映価格が算出される。多数受け付ける際、受付時のみ入力し交換価格のみ設定して清算することも可能である。
【0022】
対価演算手段とは、機能物品をリユースする際に生じる機能物品の価値を変換させる対価であるリユース対価を算出する手段であり、例えば、機能物品の価格を設定することにより対価を演算することと、リユースシステムを管理する主体が独自で設定した価格以外の対価を利用して演算することも含まれる。機能物品を持ち込んでリユースする価格と、再生物品を再販売する価格を設定することにより対価を演算する場合の例として、リユース識別情報2を含む情報を、拠点端末7の情報リーダーで読み取る又は他手段で入力し受信することにより、例えば、リユースシステム導入主体サーバ1にてリユース価格が算出されることが挙げられる。ここでリユース価格を算出する際、当初の設定を、持ち込み交換時はリユース反映価格として、購入のみの場合はリユース購入価格として、機能物品を持ち込んだ価格と機能物品を購入する価格の設定により、機能物品を交換する価格が算出される例がある。
また、リユースシステムを管理する主体が独自で設定した価格などの金銭的対価以外の対価を利用して演算する場合、例えば、福利厚生などで利用される社内で利用できるポイント制度により、月ごとに一定のポイントを部署、グループごと配布し、機能物品を利用した分のポイントを月ごとに集計し、機能物品を利用することで使用したポイント数をリユース対価として、削減した温室効果ガス排出量の算定数値の代わりに分かり易く数値化、可視化することで、温室効果ガス排出量削減の貢献度を示し行動変容を促すなどが挙げられる。
【0023】
以下、本発明の実施例形態を
図1~
図8に基づいて説明する。
図1は、本発明のリユース統合システムの構成の一例を示す概略
図1である。リユース統合システムのインターネット接続された通信網による各サーバ、各データベース、端末の、主にハードウエアにおける双方向のデータ交換を破線矢印で示し、消費者端末と情報リーダー間の2点鎖線は情報リーダーで消費者端末を読み込む際の入力を表しており、以下、リユース統合システムの接続形態概略の一例について説明する。
受付時の情報処理対応を行う拠点端末7と、情報の送受信を行うリユースシステム導入主体サーバ1が接続されており、リユースシステムデータベース4などの情報を送受信する。拠点端末7と消費者端末は、消費者の提示する情報を拠点端末7で読み取り、リユースシステム導入主体サーバ1などと情報の送受信を行う。機能物品の温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値情報を含んでいるRデータベース3をリユースシステム導入主体サーバ1内に設置している例であるが、外部の算定数値算出専門主体などが、所有、管理、保有、設置などしている場合も含み、Rデータベース3の所有者、管理者、保有者、設置場所を限定するものではなく、本発明から排除するものではない。
また、ポイントシステム運用主体サーバにより、ポイントシステムデータベース情報の、通信網で接続されている消費者端末で表示されたポイントシステム情報を、拠点端末7と接続されている情報リーダーで読み取り情報処理することができる。ここで、リユースシステム導入主体がポイントシステムを管理、運用している場合は、拠点端末7の情報リーダーで読み取ることなくポイント付与できるなど、情報処理方法は、システムの接続、利用形態次第で変更可能で限定されるものではない。従って、ポイントシステム運用主体サーバが、Rデータベース3と接続され送受信することも想定される。リユースする際ポイントシステムを利用する場合は、前述した例では、リユースシステム導入主体サーバ1の情報取得によりポイント演算して、消費者にポイント付与することもできる。機能物品メーカーサーバも送受信が必要なサーバと通信網で接続されており、ポイントシステム運用主体と同様に、機能物品メーカーもリユース統合システムにおける経済主体となり得る。
図1は、Rデータベース3、リユースシステムデータベース4、統合システムデータベースをリユースシステム導入主体サーバ1内に一体で設置された例である。サーバ、データベースの所有者、管理者、保有者、設置場所が別である場合、一体である場合に限定するものではなく、本発明の趣旨に基づき種々変更可能で本発明から排除するものではない。
【0024】
図2は、リユース統合システムの構成の一例を示す概略
図2である。リユース統合システムの統合詳細を統合経済主体サーバ5が統括している概略図を表している。温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値をリユース反映削減数値として記憶しているコンピューター記憶部の数値と、統合経済主体を含めた経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値をコンピューターで統合する例の概略図である。インターネット接続された通信網による情報の送受信、双方向のデータ交換を破線矢印で示す。
一例として、温室効果ガス排出量削減算定数値とリユース反映削減数値を統合する、統合経済主体サーバ5により、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を読み込み取得し、経済主体ごとに管理、記憶する。取得手段の入力情報により、温室効果ガス排出量削減数値情報を提供した経済主体で利用可能な情報を共有し、温室効果ガス排出量削減を促進させる。管理された経済主体ごとの温室効果ガス排出量削減数値を集計し、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値より、リユース反映削減数値として記憶しているコンピューター記憶部の数値と、集計した温室効果ガス排出量削減数値を統合する。
情報共有のため、統合経済主体サーバ5が、温室効果ガス排出量削減数値を取得した経済主体へ、開示する情報にアクセス可能なリンクを備えている共有情報の開示がコンピューター図に表示されている概略図である、共有情報開示図とリンク先情報図を記載した。不足している情報を確保する、情報の共有により課題の解決を探る、リユースによるフィードバックを新規開発に結び付けるなど、情報共有による相乗効果を生むことを目的とするものである。
【0025】
図3は、本発明のリユース統合システムの構成の具体例を示す概略
図3であり、
図1、
図2を具体的な主体であるリユースシステム導入主体が統合する場合の全体例をまとめた概略図になる。リユースシステム導入主体サーバ1が統合の統括を行う場合、リユース識別情報2を含む入力情報より、リユースによる対価を演算、更にRデータベース3の情報も取得してリユース反映削減数値を演算し、リユース反映削減数値記憶部情報と統合経済主体を含めた経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を取得して統合する構成例である。インターネット接続された通信網による情報の送受信、双方向のデータ交換を破線矢印で示す。
受付時の情報処理対応を行う拠点端末7と、リユース統合システムにおける情報の統括を行うリユースシステム導入主体サーバ1が接続されており、リユースシステムデータベース4などの情報を送受信する例であり、拠点端末7と消費者端末は、消費者の提示する情報を拠点端末7で読み取り、リユースシステム導入主体サーバ1などと情報の送受信を行う。
一例として、温室効果ガス排出量削減算定数値とリユース反映削減数値を統合する、統合経済主体サーバ5であるリユースシステム導入主体サーバ1により、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を読み込み取得し、経済主体ごとに管理、記憶する。取得手段の入力情報により、温室効果ガス排出量削減数値情報を提供した経済主体で利用可能な情報を共有し、互いに情報をフィードバックし合い、温室効果ガス排出量削減を促進させる。管理された経済主体ごとの温室効果ガス排出量削減数値を集計し、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値より、リユース反映削減数値として記憶しているコンピューター記憶部の数値と、集計した温室効果ガス排出量削減数値を統合する。
更に、情報共有手段における、蓄積した情報とコンピューターから得られる最新情報を反映させ、反映により抽出した別情報を結果として出力する方法として、最新情報、例えば、AIなどから得られる情報を例に挙げると、蓄積した共有情報とAIなどの知的な推論、判断をする情報を併せて最適化するために、コンピューターにより両方の情報から、ポイントとなる数値を抽出させる演算処理、材料などをキーワードにより抽出させる言語処理、コストによるソート処理などの抽出情報を出力させる方法の概略図を記載した。温室効果ガス排出量削減促進技術に加えて、最新情報により新規開発を行う際の最適な形状、材料などの情報を得る、新しい技術、新たな価値の創造や効果が生まれることも予想される。また、リユースからの情報の共有、統合の結果として、繰り返しリユースするための、リユースに耐えうる、付加価値機能物品などの新規リユース商品開発につながることも期待できる。
図3は、Rデータベース3、リユースシステムデータベース4、統合システムデータベースをリユースシステム導入主体サーバ1内に一体で設置された例である。サーバ、データベースの所有者、管理者、保有者、設置場所が別である場合、一体である場合に限定するものではなく、本発明の趣旨に基づき種々変更可能で本発明から排除するものではない。
【0026】
図4は、本発明のリユース交換、購入時のサイクルの一例を示す概略
図4である。持ち込み交換、持ち込まず購入時のプロセス別に図で表した。消費者が機能物品を使用済みになり、使用可能物品9が必要になった時、拠点へ使用済物品8を持ち込み交換、購入する。拠点で使用済物品8の情報読み込み、リユース数カウント、交換履歴の管理(1)から、使用可能物品9のリユース識別情報2を含む情報入力(2)、使用済物品8と使用可能物品9のリユース識別情報2を含む情報の拠点端末7への集約(3)、使用可能物品9の在庫管理、リユース反映価格出力(4)までの流れを実線の矢印で図に示した。持ち込んだ使用済物品8は拠点で保管し、利用できる状態になったら使用可能物品9の在庫としてカウントし管理、使用可能物品9としてリユースされる流れを下向き、点線の矢印で記し表示してある。また、機能物品を持ち込まずに購入することもでき、持ち込まず購入する場合、機能物品を持ち込まず拠点に行き、使用可能物品9の購入手続きである使用可能物品9のデータを読み取るステップから在庫管理、出力ステップを経る流れを破線の矢印で表示した。ここで示したリユース識別情報2とは、例えば、1次元コードのバーコード、2次元コードのQRコード(登録商標)のような、識別できる情報が入っているものを指す。リユース識別情報2を含む情報のデータベースを有するサーバと接続されている拠点の端末のデータベースは、拠点の外に設置した例であり、拠点内に設置する場合も同様であり除外するものではない。インターネット接続された通信網による情報の送受信、双方向のデータ交換を長破線矢印で示す。
消費者が保有している、リユース識別情報2を含む情報を保持した使用済物品8を、拠点へ持ち込み、拠点にて使用済物品8のリユース識別情報2、リユース識別情報2に付された判別情報を消費者が提示する。拠点にて提示情報を読み取り、取得情報を照合、演算をする。この時、リユース識別情報2とリユース識別情報2に付された判別情報を共に読み取ることで、リユースカウントにより交換履歴を管理することができる。次に、拠点で管理されている使用可能物品9のリユース識別情報2を含む情報を、リユース識別情報2を含む情報のデータベースと接続されている拠点端末7の情報リーダーで読み取り、データベースのデータと照合、使用済物品8の取得情報と使用可能物品9の取得情報を集約、演算、リユース反映価格の出力をし、使用済物品8を受領、消費者へ使用可能物品9を提供する。持ち込む場合も持ち込まずに購入する場合も在庫管理はリユース識別情報2を含む情報を読み取ることで行う。持ち込まれた使用済物品8は、拠点で管理し、利用できる状態になったら、使用可能物品9としてリユースされる。
消費者がリユース識別情報2を含む情報を保持表示してある機能物品を持ち込み購入、交換する場合は、リユース識別情報2とリユース識別情報2に付された判別情報を保持表示してある、使用済物品8と使用可能物品9を共に読み取り、持ち込み価格で計算されリユース反映価格で出力される。持ち込まず購入する場合は、リユース識別情報2を含む情報を拠点にて読み取ることで、使用可能物品9の情報により、リユース購入価格で出力される。このリユース識別情報2を含む情報を保持表示してある機能物品を、持ち込まない場合は持ち込む場合よりも割高になるが、使用可能物品9をリユース購入価格で、必要な時に、必要な場所で購入することができ、更に、次回利用時に持ち込めば、持ち込み価格であるリユース反映価格で購入、交換できることで、リユース商品を利用する社会的貢献度も相まって再利用促進につながる。
【0027】
図5は、
図4のリユース交換時のフローチャート例1である。消費者が機能物品を使用し、使用済物品8を拠点へ持ち込み、提供するところからスタートしている。消費者が保有している使用済物品8の、リユース識別情報2とリユース識別情報2に付された判別情報を、リユース識別情報2を含む情報として拠点端末7にて提供する。この提供情報を拠点端末7において取得情報として、リユース識別情報2を含む情報のデータベースを有するサーバと接続されているデータと照合してリユースと識別し、拠点端末7で機能物品のリユース識別情報2を含む情報を入力、演算することにより、リユース識別情報2を含む情報の清算結果へ反映される。拠点に管理されている使用可能物品9のリユース識別情報2を含む情報をデータと照合し演算、出力し、使用済物品8を受領、消費者へ使用可能物品9を提供し、消費者が受領、交換終了となる。
消費者から受領した使用済物品8は、使用できる状態まで保管し、使用可能物品9としてリユースされる。このリユースサイクルは、消費者が機能物品を使用済みになり、使用可能物品9が必要になった時、拠点で購入、交換することで繰り返される。拠点端末7へのデータの入出力は長破線の太い矢印で図に表示、持ち込んだ使用済物品8を拠点で管理し、利用できる状態になったら、使用可能物品9としてカウントし管理、リユースされるプロセスは点線の矢印で表示した。ここで示したリユース識別情報2を含む情報とは、例えば、1次元コードのバーコード、2次元コードのQRコード(登録商標)のような、識別できる情報が入っているものを指す。リユース識別情報2を含む情報のデータベースを有するサーバと接続されている拠点の端末のデータベースは、拠点の外に設置した例であり、拠点内に設置する場合も同様であり除外するものではない。
【0028】
図6は、本発明のリユース統合システムのフローチャート例2である。2重線で囲まれたステップはシステムよるものである。統合経済主体サーバ5が、消費者が機能物品をリユースすることで温室効果ガス排出量を削減できる数値を、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値とするリユース反映削減数値の算出、反映演算手段からスタートする。統合経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値含む、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、統合経済主体サーバ5が読み込む取得手段、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、経済主体ごとに集計する集計手段、集計手段で管理し蓄積した情報を、共有可能な情報にアクセス可能なリンクを備えた共有情報を、温室効果ガス排出量削減情報を送信した経済主体と共有する手段、算出したリユース反映削減数値と集計した温室効果ガス排出量削減数値を統合する統合手段でエンドとなる。
【0029】
図7は、本発明のリユース統合システムのフローチャート例3である。2重線で囲まれたステップはシステムよるものである。消費者が使用済物品8を拠点へ持ち込み時からスタートする。まず、使用済物品8を持ち込んだか否かを判別し、リユース可能品か否の破損確認を行い、リユース可能品の場合はリユース識別情報2を拠点で読み込み入力する。次に、使用可能物品9のリユース識別情報2を読み込み入力し入力手段から対価演算手段フローへ進む。入力された情報が、リユースシステム導入主体サーバ1へ送信、リユースシステムデータベース4と照合、返信される。続いて、使用済物品8を持ち込み有か否かで判別し、有の場合はリユース反映価格を演算し表示、無しの場合はリユース購入価格を演算し表示する。同時に反映演算手段であるRデータベース3へ送信、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値を取得し、リユース反映削減数値を演算する。
反映演算手段以降の統合フローの例として、経済主体がリユースシステム導入主体である場合、リユースシステム導入主体が削減し算出した温室効果ガスの排出量削減数値と、蓄積されたリユース反映削減数値と、リユースシステム導入主体以外の経済主体、例えばポイントシステム運用主体、機能物品メーカーなどの統合可能な温室効果ガス排出量削減数値の集計値より、温室効果ガス排出量削減数値を統合する一例がある。統合経済主体であるリユースシステム導入主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値含む、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、リユースシステム導入主体サーバ1が読み込む取得手段、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、経済主体ごとに集計する集計手段、集計手段で管理し蓄積した情報を、共有可能な情報にアクセス可能なリンクを備えた共有情報を、温室効果ガス排出量削減情報を送信した経済主体と共有する手段、算出したリユース反映削減数値と集計した温室効果ガス排出量削減数値を統合する統合手段でエンドとなる。
リユースシステム導入主体サーバ1とポイントシステム運用主体サーバが同一の場合も有り、所有者、管理者、保有者、設置場所を限定するものではなく、本発明から排除するものではない。ここで、「統合可能な温室効果ガス排出量削減数値」とは、例えば、温室効果ガス排出量削減対象ではない主体などで、積極的に削減実行しているが数値としては小さいなど、他と統合することで大きな数値となり得る、統合主体とデータ接続可能な、算定規定に準じた算出が行える主体の温室効果ガス排出量削減数値を指している。また、また、
図7はリユース識別情報2を受付時と交換、購入時に読み込み入力している例であるが、多数受け付ける際、受付時のみ入力し交換価格のみ設定し清算することも可能である。
【0030】
図8は、本発明のリユース統合システムのカウント演算を含むフローチャートの例4である。2重線で囲まれたステップはシステムよるものである。消費者が使用済物品8を拠点へ持ち込み時からスタートする。まず、使用済物品8を持ち込んだか否かを判別し、リユース可能品か否の破損確認を行い、リユース可能品の場合はリユース識別情報2を含む情報を拠点で読み込み入力する。
ここで、リユース識別情報2に判別情報を付して管理する場合のフロー例として、使用済物品8を受付可能か否かで判別、可能であれば判別情報Aが入力され、カウント演算処理として、再生後、判別情報Bが入力されカウント戻しを行い、使用可能物品9としての入庫処理も同時に行って使用済物品8のバックヤードでの入出力処理はエンドとなる。受付不可の場合は、交換ではなく再生品購入のステップに入り使用可能物品9のリユース識別情報2を含む情報を入力し入力手段を終える。この時のカウント演算処理は、入力と出力がなされるものであれば、その他の情報の入力、出力でも可能であり、カウントに限定するものではない。このカウント演算処理により、持ち込まれた使用済物品8と再生された使用可能物品9の在庫確認、入庫処理数確認が可能になり再生品の管理向上が見込める。
使用可能物品9として品出しされると、入力情報送信により対価演算ステップへ進み、リユースシステム導入主体サーバ1へ内の、リユースシステムデータベース4と照合、返信される。続いて、対価演算手段
図8の一点鎖線で囲んだフローに記載の、使用済物品8を持ち込み有か否かで判別し、有の場合はリユース反映価格を演算し表示、無しの場合はリユース購入価格を演算し表示する。同時に反映演算手段であるRデータベース3へ送信、温室効果ガス排出量により算出された機能物品に対応する算定数値を取得し、リユース反映削減数値を演算する。
反映演算手段以降の統合フローの例として、統合経済主体がリユースシステム導入主体である場合、リユースシステム導入主体が削減し算出した温室効果ガスの排出量削減数値と、蓄積されたリユース反映削減数値と、リユースシステム導入主体以外の経済主体、例えばポイントシステム運用主体、機能物品メーカーなどの統合可能な温室効果ガス排出量削減数値の取得情報より、温室効果ガス排出量削減数値を統合する一例がある。統合経済主体であるリユースシステム導入主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値含む、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、リユースシステム導入主体サーバ1が読み込む取得手段、経済主体が算出した温室効果ガス排出量削減数値を、経済主体ごとに集計する集計手段、集計した情報を蓄積し分析、共有情報管理、共有可能にするリンク作成を含む情報共有手段、算出したリユース反映削減数値と集計した温室効果ガス排出量削減数値を統合する統合手段でエンドとなる。
リユースシステム導入主体サーバ1とポイントシステム運用主体サーバが同一の場合も有り、所有者、管理者、保有者、設置場所を限定するものではなく、本発明から排除するものではない。ここで、統合可能な温室効果ガス排出量削減数値とは、例えば、温室効果ガス排出量削減対象ではない主体で、積極的に削減実行しているが数値としては小さいなど、他と統合することで大きな数値となり得る、統合経済主体とデータ接続可能な、算定規定に準じた算出が行える主体の温室効果ガス排出量削減数値を指している。
【0031】
本発明で示したリユース識別情報2を含む情報とは、例えば、1次元コードのバーコード、2次元コードのQRコード(登録商標)のような、識別できる情報が入っているものを指しているが、複数のコードを1回で読み込める又は部分ごとに分けて読み込める情報リーダーを利用する方法、複数のコードを1つにまとめて表示させる方法など、情報の表示方法、読み込み方の新たな技術、例えば電子タグのような更に利便性のあるものなど、新たな識別子によるものに種々変更可能であり、本発明から排除するものではない。
また、演算、出力、処理順は、システム次第で前後し、限定されるものではない。リユースシステムデータベース4、Rデータベース3、統合システムデータベースは、一つのサーバの中に一体で設置した例であり、拠点の外に設置する場合もあり、データベース、サーバの所有者、管理者、保有者、設置場所を限定するものではなく、本発明から排除するものではなく、構成も本実施例形態による一例であり、本発明の趣旨に基づき種々変更可能であり排除するものではない。
【0032】
消費者のリユースによる温室効果ガス排出量削減と経済主体の温室効果ガス排出量削減の統合を目的とし、リユースを受け付けてリユース対価を算出する主体、リユースの算定数値よりリユース反映削減数値を算出する主体、経済主体の算出した温室効果ガス排出量抑制数値を統合する主体、蓄積統合した情報と最新情報の反映により処理された抽出情報を出力する主体、全てを同じ主体が行う、全てを異なる主体が行う、数主体で行うなど、いずれの選択も可能なシステムで、各手段を行う主体の選択が可能であることを特徴とする。消費者としての個人とリユースシステム導入主体、ポイントシステム運用主体、統合経済主体、機能物品メーカーなどの主体が抑制数値をそれぞれの関係主体と協力して統合することができるシステムでもある。ポイントシステム運用主体がリユースシステム導入主体であれば、より効率よく運用できる。
【0033】
本発明のリユース統合システムは、既存の管理できる拠点を有効に利用し、消費者の切望しているタイミングで物品を手に入れることができ、資源を有効活用してリユースサイクルを、強制することもなく消費者の意思で推進できる。既存の管理できる拠点とはスーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの販売拠点を含むものであるが、一時的に拠点を置くこともでき、例えば、多数受け付ける際、受付時のみ入力し交換価格のみ設定し清算することも可能であり、本発明から排除するものではない。
更に、拠点を自動販売で行うこともできる物品であれば、自動販売機にて使用済物品8の受付が可能か否かを判別する受付手段と、リユース識別情報2を含む情報を読み込み、使用済物品8を管理し、リユースシステム運用主体サーバ1への送受信などで情報処理して算定数値を演算、リユース反映価格を算出し使用可能物品9に交換、又は購入のみの場合は受付手段不要でリユース購入価格を算出、リユース反映削減数値を温室効果ガス排出量削減数値統合主体へ送信する方法など、リユースサイクルの更なる拡大も期待できる。機能物品の例として保冷材、を挙げると、外出時の熱中症対策に再生した保冷材と切望しているタイミングで交換する、また、冷房による消費電力削減のために、部屋全体を冷やすことを控えて、個々での保冷材利用により、個人が適温になるようにすることで、小さな機能物品のリユースの積み重ねにより大きな温室効果ガス排出削減につなげることもできる。
【0034】
本発明の識別情報を利用する際の特徴として、リユース識別情報2に判別情報を付して管理することにより、リユース価格をリユース反映価格とリユース購入価格に分けて価格の演算ができ、カウント演算による管理を行いつつ、販売可能な機能物品の在庫管理も行える利便性が挙げられる。更に、例えば、ポイント利用取引の設定をして決済する方法を判別情報ごとに分けることもでき、異なる決済方法を選択することにより異なる組み合わせで取引の選択ができる。これは、リユースに対する決済を個別に選択できる方法で、持ち込まれた機能物品の対価をポイントの還元により行う際に利便性を発揮する。
このように、本発明は、小さな機能物品取引から始まる温室効果ガス排出量削減数値を統合するシステムであり、汎用されている識別情報を管理、利用することで、持続可能なリユース供給の流れと、消費者の意識改革を無理なく促しつつ、リユースサイクルを作る一助となる。また、使用済物品8を持ち込む場合は、持ち込まずに購入するより割安に購入できるため、繰り返しリユースされることにより、リユース統合システムが持続可能なエコシステムの1例となり得る。リユースできる物を、コミュニティの中、行動範囲内でサイクルを作って利用できるまで循環させる小さな活動をリユース利用主体からより大きな経済主体まで広げ、温室効果ガス排出量削減数値を統合することでその効果を大きくして、更に、統合する中で得られる情報の共有により、共創して新たな可能性を生むことも期待される。
【符号の説明】
【0035】
1 リユースシステム導入主体サーバ
2 リユース識別情報
3 Rデータベース
4 リユースシステムデータベース
5 統合経済主体サーバ
6 経済主体サーバ
7 拠点端末
8 使用済物品
9 使用可能物品
【要約】
【課題】 身近なリユースによる温室効果ガスの削減効果が可視化されていなかった。
【解決手段】機能物品を、容易にリユースでき、リユースによる実感を得られるよう数値化することで利用可能なリユース統合システムの提供を目的とする。市場に流通している機能物品のリユースによる温室効果ガス排出量削減をおこないつつ、需要のある拠点で適宜供給できる消費者の利便性を向上させる。容易に再利用でき、リユースを繰り返すことで得られる対価を得て、削減された温室効果ガス排出量削減値を数値化し統合することで、情報の蓄積、共有による抽出情報からなる更なる可能性を引き出すことが期待できる、積極的なリユースの貢献を目指す手段である。
【選択図】
図1