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特許7417782遊技機、遊技機の演出決定プログラムおよび遊技機の演出決定方法
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  • 特許-遊技機、遊技機の演出決定プログラムおよび遊技機の演出決定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-10
(45)【発行日】2024-01-18
(54)【発明の名称】遊技機、遊技機の演出決定プログラムおよび遊技機の演出決定方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240111BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023114112
(22)【出願日】2023-07-11
【審査請求日】2023-07-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515353338
【氏名又は名称】御園 英司
(74)【代理人】
【識別番号】110004163
【氏名又は名称】弁理士法人みなとみらい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】御園 英司
【審査官】篠崎 正
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-086502(JP,A)
【文献】特開2017-196258(JP,A)
【文献】特開2019-072049(JP,A)
【文献】特開2022-117362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽選部と、決定部と、出力部と、記憶部と、設定部と、を備え、
前記抽選部が、抽選を行って抽選結果を決定し、
前記決定部が、抽選結果に関する複数の演出の中から、出力すべき演出を決定するための決定処理を実行する、遊技機であって、
前記設定部は、ユーザから、当該ユーザが好む属性の順位として、複数の順位についてそれぞれ記属指定する入力を受け付け、各順位に対応する属性を、設定情報として前記記憶部に格納し、
前記記憶部は、前記設定情報における順位を示す情報を含む演出パターンと、抽選結果の種類ごとの前記演出パターンの発生確率と、複数の演出について各々の属性と、を事前に記憶しており
記決定部は、前記決定処理において、
前記発生確率にしたがって、当該抽選結果に関する前記演出パターンを決定し、
前記設定情報において、当該演出パターンが示す順位と同一の順位に設定された属性を特定し、
複数の演出の中から、当該属性を有する1の演出を、出力すべき演出として決定し、
前記出力部は、前記決定処理により決定された演出を出力する、遊技機。
【請求項2】
前記属性は、複数の属性項目の組み合わせにより特定される、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記属性項目は、前記演出に登場するキャラクターを含む、請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記設定部は、複数の前記属性項目を順番に選択させ、先に選択された前記属性項目に応じて、次に選択させる前記属性項目の選択肢を決定する、請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
抽選部と、決定部と、出力部と、記憶部と、設定部と、を備え、
前記抽選部が、抽選を行って抽選結果を決定し、
前記決定部が、抽選結果に関する複数の演出の中から、出力すべき演出を決定するための決定処理を実行する、遊技機として、コンピュータを機能させるプログラムであって、
前記設定部は、ユーザから、当該ユーザが好む属性の順位として、複数の順位についてそれぞれ前記演出の属性指定する入力を受け付け、各順位に対応する属性を、設定情報として前記記憶部に格納し、
前記記憶部は、前記設定情報における順位を示す情報を含む演出パターンと、抽選結果の種類ごとの前記演出パターンの発生確率と、複数の演出について各々の属性と、を事前に記憶しており
記決定部は、前記決定処理において、
前記発生確率にしたがって、当該抽選結果に関する前記演出パターンを決定し、
前記設定情報において、当該演出パターンが示す順位と同一の順位に設定された属性を特定し、
複数の演出の中から、当該属性を有する1の演出を、出力すべき演出として決定し、
前記出力部は、前記決定処理により決定された演出を出力する、遊技機の演出決定プログラム。
【請求項6】
抽選部と、決定部と、出力部と、記憶部と、設定部と、を備え、
前記抽選部が、抽選を行って抽選結果を決定し、
前記決定部が、抽選結果に関する複数の演出の中から、出力すべき演出を決定するための決定処理を実行する、コンピュータが実行する演出決定方法であって、
前記設定部は、ユーザから、当該ユーザが好む属性の順位として、複数の順位についてそれぞれ前記演出の属性指定する入力を受け付け、各順位に対応する属性を、設定情報として前記記憶部に格納し、
前記記憶部は、前記設定情報における順位を示す情報を含む演出パターンと、抽選結果の種類ごとの前記演出パターンの発生確率と、複数の演出について各々の属性と、を事前に記憶しており
記決定部は、前記決定処理において、
前記発生確率にしたがって、当該抽選結果に関する前記演出パターンを決定し、
前記設定情報において、当該演出パターンが示す順位と同一の順位に設定された属性を特定し、
複数の演出の中から、当該属性を有する1の演出を、出力すべき演出として決定し、
前記出力部は、前記決定処理により決定された演出を出力する、遊技機の演出決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機、遊技機の演出決定プログラムおよび遊技機の演出決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ遊技機等において、大当たりの期待度を示唆する予告演出を出力するものが知られている。例えば、特許文献1には、1の変動ゲームを対象として複数の演出を実行させるに際して、実行させる演出の数を適切に制御する技術が開示されている。
【0003】
また非特許文献1には、パチンコ遊技機におけるカスタマイズ機能について、演出発生時の大当たり確率をカスタマイズできることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-063397号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】“パチンコ、カスタマイズ機能??機動戦士ガンダムユニコーンで紹介してみます。”,[online],[令和5年7月10日検索],インターネット<URL:https://yuraku-group.jp/blog-kyowa/fever-gundam-uc-custom/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、複数の演出の実行に際して制御を行うのみで、ユーザの嗜好を反映した演出を選択することはできなかった。
【0007】
また非特許文献1に記載の技術では、演出発生時の大当たり確率をユーザの設定により変化させることができるものの、確率を変化させるにとどまり、演出自体にユーザの嗜好を反映させることはできなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の技術に鑑みてなされたものであり、遊技又は任意のゲームに対する興趣を向上できる遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、記憶部と、設定部と、抽選部と、決定部と、出力部と、を備え、前記抽選部が、抽選を行って抽選結果を決定し、前記決定部が、当該抽選結果に関する演出を決定するための決定処理を実行し、前記出力部が、当該演出を出力する、遊技機であって、前記設定部は、ユーザから、前記演出の属性に関する指定を受け付け、設定情報として前記記憶部に格納し、前記記憶部は、抽選結果の種類ごとの演出パターンの発生確率と、演出属性と、を事前に記憶しており、前記演出パターンは、前記設定情報の参照を指定する属性指定を含み、前記演出属性は、前記演出及び属性の対応を示し、前記決定部は、前記決定処理において、前記発生確率にしたがって、当該抽選結果に関する前記演出パターンを決定し、当該演出パターンの属性指定に基づいて、前記設定情報が指定する属性を特定し、前記演出属性において、当該属性と対応付けられた演出を、当該抽選結果に関する演出として決定する。
【0010】
このような構成とすることで、ユーザが指定した属性に基づいて演出を決定することができる。即ち、従来は発生確率を設定により変更できるに過ぎなかったところ、本発明によれば、演出の内容自体をユーザの設定によって変動させることができる。したがって、例えばユーザが好むキャラクターに応じて、大当たりの期待度が高い場合に好きなキャラクターが登場する演出を選択する等の応用が可能であり、これによってユーザの嗜好に応じてより興趣を向上できる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記属性指定は属性順位の指定であり、前記設定部は、前記設定情報として、ユーザから、前記演出の属性ごとの順位を示す入力を受け付けて前記記憶部に格納し、前記決定部は、前記決定処理において、前記発生確率にしたがって、前記抽選部により決定された抽選結果に関する前記演出パターンを決定し、前記設定情報において、当該演出パターンの属性順位と同一の順位に設定された属性を特定し、前記演出属性において、当該属性と対応付けられた演出を、当該抽選結果に関する演出として決定する。
【0012】
このような構成とすることで、ユーザが設定した順位に基づいて演出を決定することができる。したがって、例えば大当たりの期待度が高いほど順位が高い属性の演出を選択する等の応用が可能となり、より興趣を向上できる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記属性は、複数の属性項目の組み合わせにより特定される。
【0014】
このような構成とすることで、より詳細に演出の属性を設定でき、またユーザは詳細に属性を指定できる。これにより、ユーザの嗜好をより詳細に反映することができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記属性項目は、前記演出に登場するキャラクターを含む。
【0016】
このような構成とすることで、ユーザの好きなキャラクターや嫌いなキャラクターを考慮して、演出を決定することができる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記設定部は、複数の前記属性項目を順番に選択させ、先に選択された前記属性項目に応じて、次に選択させる前記属性項目の選択肢を決定する。
【0018】
このような構成とすることで、例えば特定の属性項目の組み合わせに対応する演出が存在しない場合に、そのような組み合わせが選択できないように制御することが可能となる。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明は、記憶部と、設定部と、抽選部と、決定部と、出力部と、を備え、前記抽選部が、抽選を行って抽選結果を決定し、前記決定部が、当該抽選結果に関する演出を決定するための決定処理を実行し、前記出力部が、当該演出を出力する、遊技機として、コンピュータを機能させるプログラムであって、前記設定部は、ユーザから、前記演出の属性に関する指定を受け付け、設定情報として前記記憶部に格納し、前記記憶部は、抽選結果の種類ごとの演出パターンの発生確率と、演出属性と、を事前に記憶しており、前記演出パターンは、前記設定情報の参照を指定する属性指定を含み、前記演出属性は、前記演出及び属性の対応を示し、前記決定部は、前記決定処理において、前記発生確率にしたがって、当該抽選結果に関する前記演出パターンを決定し、当該演出パターンの属性指定に基づいて、前記設定情報が指定する属性を特定し、前記演出属性において、当該属性と対応付けられた演出を、当該抽選結果に関する演出として決定する。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明は、記憶部と、設定部と、抽選部と、決定部と、出力部と、を備え、前記抽選部が、抽選を行って抽選結果を決定し、前記決定部が、当該抽選結果に関する演出を決定するための決定処理を実行し、前記出力部が、当該演出を出力する、コンピュータが実行する演出決定方法であって、前記設定部は、ユーザから、前記演出の属性に関する指定を受け付け、設定情報として前記記憶部に格納し、前記記憶部は、抽選結果の種類ごとの演出パターンの発生確率と、演出属性と、を事前に記憶しており、前記演出パターンは、前記設定情報の参照を指定する属性指定を含み、前記演出属性は、前記演出及び属性の対応を示し、前記決定部は、前記決定処理において、前記発生確率にしたがって、当該抽選結果に関する前記演出パターンを決定し、当該演出パターンの属性指定に基づいて、前記設定情報が指定する属性を特定し、前記演出属性において、当該属性と対応付けられた演出を、当該抽選結果に関する演出として決定する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、遊技に対する興趣を向上する遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態における遊技機の外観を示す図である。
図2】本発明の実施形態における遊技機の機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態における遊技機の記憶部が記憶する情報の一例である。
図4】本発明の実施形態における決定処理に係るフローチャートである。
図5】本発明の実施形態における設定情報の入力における表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、遊技機の演出決定に関し、特にユーザの嗜好に応じた演出の決定を可能とする技術に関する。一般にパチンコやスロットの遊技機では、抽選の結果を表示する前に、抽選結果を示唆する演出を出力することでユーザに期待感を持たせ、興趣を高めている。例えば特定の演出が表示された場合には、70%の確率で当たり、30%の確率で大当たり、等のように、演出に対応する期待度が決まっており、これに合わせて演出が出力されている。
【0024】
ここで演出の決定においては、抽選結果が決定した後に、当該抽選結果に関する演出を決定する。つまり、演出の期待度に合わせて抽選を行うわけではなく、上記のように事前に定めた期待度に合うように、抽選結果の種類ごとに演出の発生確率を設定することで、抽選結果に合わせて演出を決定する。
【0025】
本発明では、このような演出の決定に関し、ユーザによる設定に基づいて演出を選択することにより、ユーザの嗜好を反映した演出決定を可能とする。以下、図面を用いて、本発明に係る遊技機の実施形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0026】
例えば、本実施形態では遊技機の構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体に記憶させてもよい。例えばコンピュータにプログラムをインストールして遊技機の筐体に搭載することで、本発明に係る装置が実現され、本発明に係る方法をコンピュータによって実行できる。
【0027】
また本実施形態では、遊技機がパチンコ遊技機である場合を想定して説明するが、本発明はこれに限られず、例えばスロット遊技機やその他のコンピュータゲームにおける抽選の演出にも適用することができる。
【0028】
図1は、本実施形態の遊技機の外観の一例である。本実施形態の遊技機は、遊技球の発射時にユーザによって操作されるハンドルと、設定や遊技時に情報選択等のためにユーザによって操作されるボタンと、を備える。また演出を出力する演出部としては、表示部及び可動部を備える。また演出部としては、この他にも発光により演出を出力する発光部や、音声により演出を出力するスピーカーを備えている。
【0029】
また遊技機は、遊技球が発射される遊技盤上に入賞口を備えており、ユーザの操作によって遊技球が入賞口に入ると、遊技機の制御部に抽選指示が送られ、抽選処理が実行される。この他、入賞口への入球による抽選で大当たりになった場合に開き、遊技球を入れることで賞球を獲得できる大入賞口や、大当たり後に開き、遊技球を入れることで入賞口よりも有利な条件で抽選を行う第二入賞口が存在する。
【0030】
遊技機は、ハードウェア構成として、制御部を備えている。制御部は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置等を備えた、コンピュータである。制御部が後述の各部として機能し、各種の処理を実行することにより、本実施形態の遊技機が実現される。
【0031】
図2は、プログラムにより実現される本実施形態の遊技機の機能構成を表す図である。遊技機0は、入力部1と、設定部2と、記憶部3と、抽選部4と、決定部5と、出力部6と、遊技部7と、を備える。
【0032】
本実施形態の遊技機0は、ユーザがハンドルを操作して遊技球が入賞口に入ると、抽選部4に抽選指示が送られ抽選処理が実行される。そして抽選部4は抽選結果を決定部5に送信し、決定部5が決定処理を実行して当該抽選結果に関する演出を決定し、出力部6が演出を出力する。決定処理の詳細については後述する。
【0033】
入力部1は、ボタン等による操作を変換した電子的な情報を受け取り、入力に応じた処理を実行するための指示を各部に送信する。例えば演出の属性に関する指示を行うための操作をユーザから受け付け、設定部2に受け渡す。
【0034】
設定部2は、入力部1を介してユーザからの演出の属性に関する指定を受け付け、設定情報として記憶部3に格納する。本実施形態では、属性は複数の属性項目の組み合わせであり、属性に関する指定として、各属性項目の選択肢についてユーザが好む順位を指定する入力を受け付ける。そして設定部2は、属性項目ごとの順位を示す設定情報を記憶部3に格納する。
【0035】
例えば、演出にメインキャラクターと敵キャラクターが登場する場合に、メインキャラクター及び敵キャラクターのそれぞれを属性項目とすることができる。そして、演出の属性に関する指定として、メインキャラクター及び敵キャラクターのそれぞれについて、順位の指定を受け付ける。順位の指定についてはユーザが任意に行えばよく、例えばユーザが好む順に順位を指定してもよい。
【0036】
属性項目としては、この他にも例えば、漫画やテレビアニメ等が遊技機0のテーマとなっている場合には、その漫画やテレビアニメのエピソードを属性項目としてもよい。また例えば、演出時の背景音や効果音等を属性項目として選択してもよい。また、演出は多数のキャラクターが表示されるようないわゆる群予告の演出であってもよく、この場合には例えばキャラクターの種類及び群予告であるか否かを属性項目とすることが想定される。
【0037】
記憶部3は、抽選結果の種類ごとの演出パターンの発生確率と、演出属性と、を事前に記憶する。また設定部2から受け取った設定情報を記憶する。演出パターンの発生確率及び演出属性については固定設定であり、ユーザが変更することはできない。設定情報についてはユーザの操作により自由に設定変更が可能であり、設定部2によって新たな設定が行われると、記憶部3は最新の設定を上書きして過去の設定は消去する。
【0038】
ここで本発明において、演出パターンは、演出又は演出の属性と直接対応するものではなく、設定情報の参照を指定する。これにより、ユーザにより設定された設定情報を介して演出パターンと演出が対応付けられるため、ユーザの嗜好を反映した演出を選択することができる。本実施形態では、設定情報が複数の指定を含んでおり、演出パターンは設定情報の中の参照先を指定する。
【0039】
なお設定情報が常に一つの属性又は演出のみを指定し、演出パターンは、単に設定情報を参照する、ということを指定するものであってもよい。この場合、設定情報の参照を指定する演出パターンと、固定の属性又は演出を指定する演出パターンと、が混在していてもよい。即ち、特定の演出パターンのみが設定情報に依存し、他の演出パターンでは設定情報によらず常に同じ演出が出力される構成であってもよい。
【0040】
本実施形態における各種の記憶情報の具体例を説明する。図3は、本実施形態において記憶部3が記憶する情報の一例を示す図である。発生確率は、抽選結果ごとの演出パターンの発生確率を表す。抽選結果には、はずれ、当たり、大当たり、等の種類が存在する。また、複数種類の遊技状態が存在し、遊技状態によって各抽選結果の種類や確率が異なっている。
【0041】
演出パターンは、属性指定として、各属性項目の順位を示す属性順位を含む。具体的には、メインキャラクターの属性項目及び敵キャラクターの属性項目に対して、それぞれ属性順位を含んでいる。演出の決定処理においては、設定情報においてこの演出パターンにおける属性順位と同一の順位に設定された属性をもとに、演出が決定される。
【0042】
演出属性は、各演出の属性を表す。上述の通り本実施形態では、「メインキャラクター」の属性項目及び「敵キャラクター」の属性項目の組み合わせで属性が表される。また演出と属性は一対一で対応しており、属性を特定すると演出が一意に決定できる。
【0043】
また設定情報は、設定部2により設定された情報であり、ユーザが任意に変更可能な設定である。ユーザは、例えば好きな順に各属性項目に順位をつけ、設定部2はこの属性項目ごとの順位を設定情報として記憶部3に登録する。本実施形態では、メインキャラクター及び敵キャラクターのそれぞれについて順位を受け付けて設定情報として登録する。
【0044】
抽選部4は、抽選を行って抽選結果を決定する。本実施形態では、遊技球が入賞口又は第二入賞口に入ると、遊技部7が遊技状態を認識して抽選部4に抽選処理を実行させる。抽選部4は、事前に決められた確率に応じてランダムに抽選結果を決定し、抽選結果を決定部5に送信する。
【0045】
決定部5は、抽選結果に関する演出を決定するための決定処理を実行する。決定処理は、記憶部3に格納された抽選結果ごとの各演出パターンの発生確率と、演出パターンの属性指定と、設定情報と、演出属性と、に基づいて行われる。詳細については後述する。
【0046】
出力部6は、決定部5により決定された演出を、抽選結果に先立って出力する。具体的には、遊技機0の備える各種の出力装置に、特定された演出に従って出力部6が出力指示を送信する。出力の態様は任意に決定することができるが、例えば、表示部への表示、スピーカーによる音声の発出、発光部の発光、可動部の駆動等により、演出を行うことが想定される。
【0047】
次に、図4を参照して、決定処理の実行手順について詳細に説明する。図4は、本実施形態の決定処理に係るフローチャートである。遊技球が入賞口又は第二入賞口に入ると処理が開始し、ステップS1で抽選部4が抽選を実行する。なお遊技球が入賞口に入った場合の抽選と、遊技球が第二入賞口に入った場合の抽選と、はそれぞれ内容(抽選結果の種類及びその確率)が異なり、それに伴って選択される演出パターンも異なるが、演出の選択においては同様であるため、説明を省略する。
【0048】
次にステップS2に進み、決定部5が、抽選結果ごとの演出パターンの発生確率に従って、抽選部4から受け取った抽選結果に応じて演出パターンを決定する。
【0049】
ステップS3では、ステップS2で選択された演出パターンの属性順位に基づいて、設定情報において当該属性順位と同一の順位に設定された属性を特定する。例えば図3の例において、ステップS2で演出パターン1となった場合、メインキャラクター1位、敵キャラクター1位の組み合わせが対象の属性順位となる。設定情報においてメインキャラクターの1位は「キャラクター1」であり、敵キャラクターの1位は「キャラクターC」であるため、この組み合わせをステップS3において属性として特定する。
【0050】
そしてステップS4では、ステップS3で特定された属性と対応付けられた演出を、抽選結果に関する演出として決定する。例えば上記の例においては、メインキャラクターの属性項目が「キャラクター1」かつ敵キャラクターの属性項目が「キャラクターC」の組み合わせである演出3を、抽選結果に関する演出として決定する。
【0051】
なお本実施形態では、属性と演出が一対一で対応付けられており、ステップS3で特定した属性により一意に演出が決定される。しかし一つの属性に複数の演出が対応しており、その中からランダムに演出を決定してもよい。例えば、「キャラクター1」及び「キャラクターC」の組み合わせに対応する演出を複数用意してもよい。また例えば、ユーザが属性項目のうち一つだけについて順位を設定することを可能とし、その属性項目の条件に当てはまる属性に対応する複数の演出の中から、ランダムに演出を決定することもできる。
【0052】
決定された演出は、ステップS5において出力部6が出力し、更にその後にステップS6で抽選結果を出力する。このようにすることで、抽選結果への期待感を持たせる演出をユーザが設定した属性に基づいて選択することができ、より興趣を高めることができる。例えば期待感が高いときにユーザが好きなキャラクターが登場するよう構成すれば、よりユーザを楽しませることができる。また頻繁に出力される演出にユーザの好きなキャラクターを登場させるように構成し、楽しみを提供してもよい。
【0053】
次に、図5を参照して、設定情報の入力における表示例について説明する。入力においては、まず図5(a)のような選択画面が表示される。図5(a)の画面には、ユーザが指定可能な各種の属性項目の選択肢が表示され、何れかを選択できるようになっている。
【0054】
属性項目を選択すると、図5(b)、(c)のような画面が表示され、それぞれの属性項目で各順位について選択を行うことができる。ここで、各属性項目の中で、複数の順位に同じキャラクターを選択することはできない。また、演出属性において存在しない組み合わせがある場合には、当該組合せになるような選択はできない。
【0055】
具体的には、まず先に選択された属性項目の順位に基づき、選択されたキャラクターが設定された演出属性を参照する。当該キャラクターと組み合わせられる他の属性項目(敵キャラクター等)の種類を特定する。
【0056】
更に、演出パターンにおいて当該順位と同一の属性順位に組み合わせられている他の属性項目の属性順位を特定する。そして、演出パターンに存在する順位の組み合わせに対し、上記の方法で特定した組み合わせ可能な属性項目の種類によりフィルターをかけ、選択肢として決定する。
【0057】
例えば、メインキャラクターの属性項目が「キャラクター3」、かつ敵キャラクターの属性項目が「キャラクターC」の演出が存在しない場合には、当該組み合わせとなるような順位選択ができないよう、設定部2は、先に選択された属性項目に応じて、次に選択させる属性項目の選択肢を決定して画面を表示させる。即ち、メインキャラクターの属性項目について各順位が選択された後に敵キャラクターの属性項目について順位を選択する際には、メインキャラクターの順位の選択結果及び演出パターンに登録された属性順位の種類に応じて、各順位に選択可能な敵キャラクターを決定し、図5(c)の画面において選択肢として提示する。これを各順位について行うことで、実際に出力可能な組み合わせのみを選択させることができる。
【0058】
また、本実施形態では各属性項目を個別に選択する例を示したが、例えば設定情報のパターンをいくつか登録しておき、ユーザがその中から選択できるようにしてもよい。即ち、ユーザは設定パターンを選択することにより、当該パターンに対応する各属性項目の順位が全て入力され、設定情報として登録されるようにしてもよい。これにより、ユーザが容易に設定を行うことが可能となり、設定を煩わしく感じる場合があるという課題を解決することができる。
【0059】
以上のように、本実施形態の遊技機によれば、抽選結果に応じた一律の演出ではなく、ユーザの嗜好を反映した演出を決定することができる。これにより更に興趣を高めることができる。また複数の属性項目の組み合わせにより属性を特定することにより、詳細な設定が可能となり、よりユーザの嗜好を反映しやすくなる。
【0060】
更に、属性項目ごとの設定情報の指定において、入力された情報に基づき動的に選択肢を変動させることにより、出力不可能な演出を選択してしまうエラーや、ユーザに何度も入力をやり直させる手間が生じる問題を解消できる。
【符号の説明】
【0061】
0 :遊技機
1 :入力部
2 :設定部
3 :記憶部
4 :抽選部
5 :決定部
6 :出力部
7 :遊技部
【要約】
【課題】遊技又は任意のゲームに対する興趣を向上できる遊技機を提供すること。
【解決手段】記憶部と、設定部と、抽選部と、決定部と、出力部と、を備え、抽選部が、抽選を行って抽選結果を決定し、決定部が、当該抽選結果に関する演出を決定するための決定処理を実行し、出力部が、当該演出を出力する、遊技機であって、設定部は、ユーザから、演出の属性に関する指定を受け付け、設定情報として記憶部に格納し、記憶部は、抽選結果の種類ごとの演出パターンの発生確率と、演出属性と、を事前に記憶しており、演出パターンは、設定情報の参照を指定する属性指定を含み、演出属性は、演出及び属性の対応を示し、決定部は、決定処理において、発生確率にしたがって、当該抽選結果に関する演出パターンを決定し、当該演出パターンの属性指定に基づいて、設定情報が指定する属性を特定し、演出属性において、当該属性と対応付けられた演出を、当該抽選結果に関する演出として決定する、遊技機。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5